JP2020071068A - 鋼管内部の微小欠陥評価方法 - Google Patents

鋼管内部の微小欠陥評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】X線CTを用いて鋼管内部の微小欠陥を評価する際に、高コントラストのX線CT画像を得る。【解決手段】標準試験片10は、鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、X線CT装置を用いて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する際に用いるものであり、測定対象である鋼管と同種の鋼で構成され、本体部11の任意面10aに寸法公差が0.1μm以下である穴12を備える。本発明は、この標準試験片10に照射方向が異なるX線を照射して収集した複数の評価用透過像データを再構成して得た評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、X線CT装置の設定を調整する工程を含む、鋼管内部の微小欠陥を評価する方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼管内部の微小欠陥評価方法に関する。
非破壊で被検体の内部の構造を評価する方法として、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影法)がある。X線CTは、被検体に、様々な角度からX線を照射して、照射方向が異なる複数の透過像データを収集し、得られた透過像データを重ね合わせることにより画像データを再構成して、三次元の画像データ(X線CT画像データ)を得る方法である。X線CT装置は、医療分野で広く使用されており、工業製品の検査装置としても利用されている。
X線CT装置の空間分解能を評価するために、テストチャートが用いられる。JIS Z4916には、X線装置およびX線映像装置の解像力を測定するときに用いるX線吸収体を材料とするテストチャートについて規定されている。工業製品検査の技術分野においては、シリコン(Si)などの半金属板に幾何学形状に微細穴加工したテストチャートにX線を照射し、その透過像の輝度プロファイルから、X線CT装置の空間分解能が評価される。X線CTは、複数撮影して得た透過像データを再構成する際に、ノイズ除去、位置合わせ等様々な画像処理が行われる。このため、得られる三次元データ(X線CT画像)の分解能は、各透過像データに比べて劣化する。テストチャートは、空間分解能(解像力)の評価に重要であるため、従来、様々なテストチャートが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2010−151726号公報)には、基板上に複数の感光性樹脂ブロックを配置して、それらブロックと平行にX線を入射し、空間分解能評価用ゲージとする技術が提案されている。
特許文献2(特開2012−189517号公報)には、ベリリウム(Be)をX線が透過し難い材料で包み、ベリリウムを空隙とみなして3次元X線テストチャートとする技術が提案されている。
特許文献3(特開2016−49224号公報)には、シリコン基板上に半導体製造プロセスによってX線吸収体としての金(Au)とX線非吸収体としてのシリコンをスリット状に形成したテストチャートが提案されている。
特開2010−151726号公報 特開2012−189517号公報 特開2016−49224号公報
鋼管の破壊現象の解明には、鋼管内部のボイド、クラックなどの微小欠陥の正確な形状、大きさ、分布などを評価することが重要である。微小欠陥の形状、大きさ、分布などは、外部応力、外部環境、温度、時間とともに変化し、鋼管内部で微小欠陥が結合し、成長して最終的に破壊に至ることが多い。例えば、耐熱鋼の分野では、鋼材の寿命評価、劣化診断が行われており、非破壊三次元可視化技術であるX線CTに対する関心は益々高まっている。
X線CTにおいて、鋼管内部の微小欠陥の形状、大きさ、分布などを高い精度で評価するには、各画像データを再構成する際に、十分なノイズ除去、位置合わせ等の画像処理ができることが必要であり、そのためには、装置の性能(コントラスト等)を評価するための標準試験片の性能が重要になる。しかし、従来技術には、下記の問題がある。
特許文献1の技術には、樹脂ブロックの加工精度の問題がある。さらに、樹脂と金属のようにX線吸収能が極端に異なる場合、ビームハードニングなどのアーティファクトが生じる。また、特許文献2の技術には、毒性の強いベリリウムの取り扱いの難しさ、および、ベリリウム成形体の加工精度の問題がある。
特許文献3の技術によれば、原子番号が小さく、X線を透過しやすいシリコンが主に用いられているので、実際に形成した三次元物体を透過するX線の距離を短くする、つまりX線の減弱を抑えることができる。そして、シリコンより金のほうがX線を透過しにくいため、シリコン部分の輝度が大きく、金の部分の輝度が小さいX線透過画像を取得することができる。ところが、鋼管内部の微小欠陥を検出する際は、主構成部分が金属元素であることからX線が大きく減弱される。したがって、従来の平板状の標準試験片(テストチャート)を撮影したX線透過画像データと、被検体としての鋼管内部の微小欠陥をX線CT測定して復元したX線CT画像データ(3次元データ)は、同じレベルで評価できない。
本発明は、X線CT装置を用いて鋼管内部の微小欠陥を評価する際に、実物に近いコントラストを持つX線CT画像を得ることができる、鋼管内部の微小欠陥評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、被検体である鋼管と同種の鋼材で作製した標準試験片を用いて鋼管内部の微小欠陥を評価する方法について検討を重ねた結果、下記の知見を得た。
X線が透過しにくい鋼について高コントラストのX線CT画像を得るためには、従来にも増してノイズ除去等様々な画像処理を高い精度で行うことが必要になる。そのためには、実際の鋼管に生じる微小欠陥を模した疑似欠陥を備える標準試験片を用いることが重要である。そして、特に、標準試験片に設けられた疑似欠陥は、標準試験片の任意面に形成された穴とするのがよい。そして、この穴は、高い加工精度(寸法公差が0.1μm以下)の加工装置によって形成された穴であることが重要である。
このように、被検体である鋼管と同種の鋼材からなり、所定の位置に、高い加工精度で形成された穴を備える標準試験片を用いてX線CT画像データのコントラストを評価し、その評価結果に基づいて装置設定を調整すれば、X線透過像データを再構成して高コントラストのX線CT画像データを得ることが可能となる。
なお、上記のような標準試験片を用いなくても、鋼管自体または鋼管から採取した小片自体に、高い加工精度(寸法公差が0.1μm以下)を備える加工装置によって形成された穴を形成してもよい。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記の発明を要旨とする。
(1)鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、X線CT装置を用いて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する方法であって、
(A1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記鋼管と同種の鋼材からなる標準試験片の任意面に所定の形状の穴を設ける工程、
(A2)前記標準試験片に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程、
(A3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程、
(A4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程、
(A5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程、
(A6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程、および、
(A7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
を含む、鋼管内部の微小欠陥評価方法。
(2)鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、X線CT装置を用いて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する方法であって、
(B1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記被検体の任意面に所定の形状の穴を設ける工程、
(B2)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程、
(B3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程、
(B4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程、
(B5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程、
(B6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程、および、
(B7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
を含む、鋼管内部の微小欠陥評価方法。
本発明によれば、X線CT装置を用いて鋼管内部の微小欠陥を評価する際に、高コントラストのX線CT画像を得ることができる。
図1は、本実施形態に係る標準試験片を示す図である。 図2は、本実施形態に係る鋼管内部の微小欠陥評価方法において、標準試験片とX線照射方向および検出器との相対的な位置関係を示す図であり、X線CTの撮影作業を示す図である。 図3は、図2の方向X1でX線を照射し、位置D1にある検出器で検出して得た透過像を示す図である。 図4は、図2の方向X2でX線を照射し、位置D2にある検出器で検出して得た透過像を示す図である。 図5は、図2の方向X3でX線を照射し、位置D3にある検出器で検出して得た透過像を示す図である。 図6は、図2の方向X4でX線を照射し、位置D4にある検出器で検出して得た透過像を示す図である。
まず、本実施形態に係る標準試験片について説明し、その後、本実施形態に係る鋼管内部の微小欠陥評価方法について説明する。標準試験片は、本番の試験前に、予めX線CTを行なう装置(X線CT装置)の性能、特に、コントラストを評価するために用いられる試験片である。
1.標準試験片
図1に示すように、本実施形態に係る標準試験片10は、本体部11と、任意面10aに設けられた穴12を備える。穴12は、一つ以上形成されておればよい。この標準試験片10は、鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、鋼管内部の微小欠陥を評価する際に用いる標準試験片である。標準試験片10は、被検体である鋼管と同種の鋼で構成されている。同種の鋼とは、JIS、ASTMなどの規格において同一のカテゴリに属する鋼を意味する。例えば、被検体である鋼管の化学組成がSUS316Lに属する場合には、標準試験片10にもSUS316Lに属する化学組成の鋼材を用いる。
標準試験片10の高さは、例えば、0.3〜30mmであることが好ましい。また、標準試験片10の形状は、円柱状、角柱状など柱状体であればよいが、特に、円柱状が好ましい。これは、後述のように、標準試験片10には、様々な方向からX線が照射されるため、各透過像において、X線の透過長さが一定であることが好ましいからである。標準試験片10においてX線の透過長さが長すぎると、X線の吸収が多くなり、X線透過像のX線強度が小さくなる。このため、標準試験片10の幅は、例えば、6mm以下であることが好ましい。標準試験片10の幅とは、標準試験片10の高さ方向に垂直な断面における最大長さであり、円柱状の場合は直径である。
穴12は、十分な深さ(標準試験片10の高さ方向に平行な方向の長さ)を備えることが好ましい。たとえば、標準試験片10に、X線が照射されたとき、透過像が撮像されるものであるからである。穴12の深さは、例えば、1μm以上であることが好ましい。標準試験片10の任意面10aに形成する穴12の形状は、例えば、任意面10aから見た形状が円径、角形などどのような形状でもよい。
本実施形態に係る標準試験片10の任意面10aに穴12を形成する方法については特に制約はないが、寸法公差が0.1μm以下である加工装置、例えば、集束イオンビーム装置(FIB)を用いて加工することが好ましい。
2.鋼管内部の微小欠陥評価方法
本実施形態に係る鋼管内部の微小欠陥評価方法は、鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、X線CT装置により鋼管内部のX線CT画像データを取得し、鋼管内部の微小欠陥を評価する方法である。
2−1.標準試験片を用いる方法
本実施形態に係る鋼管内部の微小欠陥評価方法は、下記の工程を備える。
(A1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記鋼管と同種の鋼材からなる標準試験片の任意面に所定の形状の穴を設ける工程、
(A2)前記標準試験片に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程、
(A3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程、
(A4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程、
(A5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程、
(A6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程、および、
(A7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
を含む、鋼管内部の微小欠陥評価方法。
上記(A1)の工程によって、寸法公差が0.1μm以下である所定形状の穴12を設けた標準試験片10は、図2に示すように、X線CT装置のステージの所定位置に載置される。図2に示すように、上記(A2)の工程において、標準試験片10に、X線照射装置(図示省略)からX線を照射し、標準試験片10を通過したX線を位置D1にある検出器によって検出し、透過像(図3参照)を撮像する。なお、図2に示すように、X線は、例えば、任意面(標準試験片10の紙面と一致する面)に平行な方向から照射される。
その後、標準試験片10と、X線照射装置および検出器との相対的な位置を変更して、X1とは異なる方向X2からX線を照射し、標準試験片10を通過したX線を位置D2にある検出器によって検出し、透過像(図4参照)を撮像する。その後、方向X3でX線を照射し、位置D3にある検出器で検出し、透過像(図5参照)を撮像し、方向X4でX線を照射し、位置D4にある検出器で検出し、透過像(図6参照)を撮像する。このようにして、X線の照射方向X1〜X4が異なる複数の評価用透過像(図3〜図6)のデータを収集することができる。なお、図2に示す例では、約30°間隔の4方向から照射したX線の透過像データを得る場合を説明しているが、照射方向の間隔、測定数などには制約がない。また、標準試験片10と、X線照射装置および検出器との相対的な位置は、標準試験片10を搭載する試験台を固定し、X線照射装置および検出器を回転させることによって変更してもよいし、X線照射装置および検出器を固定し、標準試験片10を搭載する試験台を回転させることによって変更してもよい。
そして、上記の工程(A3)において、得られた評価用透過像データを再構成して、評価用X線CT画像データを生成し、上記の工程(A4)において、その評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、X線CT装置の設定を調整することにより、上記(A5)〜(A6)の本番測定の工程における画像処理を高精度で行うことができるので、コントラストが一層実物に近いX線CT画像データが得られ、正確な欠陥の寸法計測ができる。その結果、上記(A7)の工程において鋼管内部の微小欠陥の発見が容易となる。
上記(A1)の工程において、加工装置が集束イオンビーム装置(FIB)を用いることができる。FIBであれば、寸法公差が0.1μm以下の穴12を容易に形成することができる。また、FIBであれば、走査イオン顕微鏡像(SIM像)など2次電子に起因する画像データおよび別途走査型電子顕微鏡等により加工面の画像を取得することができるので、これらの画像データから選択される一種以上の画像データによって、標準試験片10の任意面10aに形成した穴12の大きさおよび位置を正確に把握することが可能となる。
上記(A4)の工程において、前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価する。前記評価用X線CT画像データのコントラストは、標準試験片10のマトリックスと穴12との境界で生じるため、このコントラストにより穴12の大きさおよび位置を把握することができる。一方、FIB加工した穴の画像データから、標準試験片10の任意面10aに形成した穴12の大きさおよび位置を正確に把握する。そして、画像データからから把握した実際の穴12の大きさおよび位置と、前記評価用X線CT画像データのコントラストに基づいて把握した穴12の大きさおよび位置とを比較することにより、前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価することができる。このコントラストの評価結果に基づいて、本番測定においても高いコントラストを有するCT画像データが得られるように、X線CT装置の設定を調整する。これにより、本番測定の工程における画像処理を高精度で行うことができる。
上記の工程(A5)は、上記の工程(A2)と同様に行う。
2−2.標準試験片を用いない方法
他の実施形態に係る鋼管内部の微小欠陥評価方法は、下記の工程を備える。
(B1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記被検体の任意面に所定の形状の穴を設ける工程
(B2)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程
(B3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程
(B4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程
(B5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程
(B6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程
(B7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
この方法は、基本的な工程は、標準試験片を用いる方法と同様であるが、評価用透過像データを、標準試験片10ではなく、被検体の任意面に所定の形状の穴を形成し、その被検体自体を撮影して得る点で、上記の標準試験片を用いる方法と異なる。すなわち、上記(B1)〜(B4)の工程により、寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記被検体の任意面に所定の形状の穴を設けた被検体から、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集し、これを再構成して得た、評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、X線CT装置の設定を調整することにより、上記(B5)〜(B6)の本番測定の工程における画像処理を高精度で行うことができるので、コントラストが一層実物に近いX線CT画像データが得られ、正確な欠陥の寸法計測ができる。その結果、上記(B7)の工程において鋼管内部の微小欠陥の発見が容易となる。加えて、この方法では、実際の測定対象である鋼管自体または鋼管から採取した小片自体に、所定形状の穴を設けて、この部分をコントラスト評価に用いるので、標準試験片10を用意しなくてもよいというメリットがある。また、上記の穴は、鋼管の内部欠陥を調査したい箇所の位置決めに用いることも可能であり、より高精度な測定を簡単に行うことが可能である。
上記(B1)の工程において、加工装置が集束イオンビーム装置(FIB)を用いることができる。FIBであれば、寸法公差が0.1μm以下の穴を容易に形成することができる。また、FIBであれば、SIM像など2次電子に起因する画像データおよび別途走査型電子顕微鏡等により加工面の画像データを取得することができるので、これらの画像データから選択される一種以上の画像データによって、被検体の任意面に形成した穴の大きさおよび位置を正確に把握することが可能となる。
上記(B4)の工程において、前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価する。前記評価用X線CT画像データのコントラストは、被検体のマトリックスと穴12との境界で生じるため、このコントラストにより穴12の大きさおよび位置を把握することができる。一方、FIB加工した穴の画像データから、被検体の任意面10aに形成した穴12の大きさおよび位置を正確に把握する。そして、穴の画像データからから把握した実際の穴12の大きさおよび位置と、前記評価用X線CT画像データのコントラストに基づいて把握した穴12の大きさおよび位置とを比較することにより、前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価することができる。このコントラストの評価結果に基づいて、本番測定においても高いコントラストを有するCT画像データが得られるように、X線CT装置の設定を調整する。これにより、本番測定の工程における画像処理を高精度で行うことができる。
上記の工程(B2)および工程(B5)は、上記の工程(A2)と同様に行う。
本発明によれば、X線CT装置を用いて鋼管内部の微小欠陥を評価する際に、高コントラストのX線CT画像を得ることができる。
10 標準試験片
10a 任意面
11 本体部
12 穴
X1、X2、X3、X4 X線の照射方向
D1、D2、D3、D4 検出器の位置
P10 X線透過像に写った標準試験片
P12 X線透過像に写った穴

Claims (6)

  1. 鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、X線CT装置を用いて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する方法であって、
    (A1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記鋼管と同種の鋼材からなる標準試験片の任意面に所定の形状の穴を設ける工程、
    (A2)前記標準試験片に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程、
    (A3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程、
    (A4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程、
    (A5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程、
    (A6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程、および、
    (A7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
    を含む、鋼管内部の微小欠陥評価方法。
  2. 前記(A1)の工程において、加工装置が集束イオンビーム装置である、
    請求項1に記載の鋼管内部の微小欠陥評価方法。
  3. 前記(A4)の工程において、前記集束イオンビーム装置から得られた画像データと前記評価用X線CT画像データを比較して、前記評価用X線CT画像のコントラストを評価する、
    請求項2に記載の鋼管内部の微小欠陥評価方法。
  4. 鋼管または前記鋼管から採取した小片を被検体として、前記鋼管内部の微小欠陥を評価する方法であって、
    (B1)寸法公差が0.1μm以下である加工装置を用いて、前記被検体の任意面に所定の形状の穴を設ける工程、
    (B2)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の評価用透過像データを収集する工程、
    (B3)複数の前記評価用透過像データを再構成して評価用X線CT画像データを生成する工程、
    (B4)前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価し、前記X線CT装置の設定を調整する工程、
    (B5)前記被検体に、X線を照射し、透過像を撮像する作業を繰り返し、X線の照射方向が異なる複数の透過像データを収集する工程、
    (B6)複数の前記透過像データを再構成してX線CT画像データを生成する工程、および、
    (B7)前記X線CT画像データに基づいて前記鋼管内部の微小欠陥を評価する工程
    を含む、鋼管内部の微小欠陥評価方法。
  5. 前記(B1)の工程において、加工装置が集束イオンビーム装置である、
    請求項4に記載の鋼管内部の微小欠陥評価方法。
  6. 前記(B4)の工程において、前記集束イオンビーム装置から得られた画像データと前記評価用X線CT画像データとを比較して、前記評価用X線CT画像データのコントラストを評価する、
    請求項5に記載の鋼管内部の微小欠陥評価方法。
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