JP2020071030A - 原発性アルドステロン症の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な原発性アルドステロン症の検査方法を提供する。【解決手段】ATP1A2、CACNB2、SLC24A4、ATP2B4及びTRPC6から選ばれる1以上である被験者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程を含み、被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、動物細胞中のカルシウム濃度を測定する工程と、カルシウム濃度とカルシウム濃度基準値と比較する工程と、及びカルシウム濃度が基準値よりも高い場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定する工程、を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、原発性アルドステロン症の検査方法に関するものである。
(原発性アルドステロン症)
原発性アルドステロン症(primary aldosteronism, PA)とは、副腎からアルドステロンが過剰に分泌される疾患であり、高血圧の原因となる場合が多い。原発性アルドステロン症は、片側性副腎腺腫、癌腫、両側副腎過形成、片側性副腎過形成、片側副腎性多発微小結節、両側性副腎腺腫、糖質コルチコイド反応性アルドステロン症などに分類される。アルドステロンの過剰分泌が片側性副腎病変の場合には、外科的処置によって治癒に導けるため、片側性か両側性かの判別が重要である。
原発性アルドステロン症(primary aldosteronism, PA)とは、副腎からアルドステロンが過剰に分泌される疾患であり、高血圧の原因となる場合が多い。原発性アルドステロン症は、片側性副腎腺腫、癌腫、両側副腎過形成、片側性副腎過形成、片側副腎性多発微小結節、両側性副腎腺腫、糖質コルチコイド反応性アルドステロン症などに分類される。アルドステロンの過剰分泌が片側性副腎病変の場合には、外科的処置によって治癒に導けるため、片側性か両側性かの判別が重要である。
原発性アルドステロン症は、原発性アルドステロン症診断の手引きに基づいて診断される。該診断では、手術適応可となる片側性と主に薬物療法となる両側性との判別をする。また、該診断では、副腎静脈サンプリング(AVS)が必要であり、患者に大きな負担があった。
そこで、患者に大きな負担をかけない原発性アルドステロン症の検査方法の開発が求められていた。
そこで、患者に大きな負担をかけない原発性アルドステロン症の検査方法の開発が求められていた。
(先行文献1)
特許文献1では、「ヒトHSD3B1及び/又はヒトHSD3B2の発現量もしくは発現パターンにより両側性と片側性の鑑別方法」を開示している。
しかし、本発明の検査方法は、特許文献1に記載の方法とは検出するタンパク質が明らかに異なる。
特許文献1では、「ヒトHSD3B1及び/又はヒトHSD3B2の発現量もしくは発現パターンにより両側性と片側性の鑑別方法」を開示している。
しかし、本発明の検査方法は、特許文献1に記載の方法とは検出するタンパク質が明らかに異なる。
(先行文献2)
特許文献2では、「被験体において原発性高アルドステロン症を診断する方法であって、該被験体からの生体サンプル中のアルドステロンレベル及びアンジオテンシンII(Ang II)レベルを測定することと、該アルドステロンレベルと該Ang IIレベルとの比(アルドステロン対アンジオテンシンII比、AA2R)を算出することとを含む、方法。」を開示している。
しかし、本発明の検査方法は、特許文献2に記載の方法とは検出するタンパク質が明らかに異なる。
特許文献2では、「被験体において原発性高アルドステロン症を診断する方法であって、該被験体からの生体サンプル中のアルドステロンレベル及びアンジオテンシンII(Ang II)レベルを測定することと、該アルドステロンレベルと該Ang IIレベルとの比(アルドステロン対アンジオテンシンII比、AA2R)を算出することとを含む、方法。」を開示している。
しかし、本発明の検査方法は、特許文献2に記載の方法とは検出するタンパク質が明らかに異なる。
Kem, David C., et al. "Autoimmune mechanisms activating theangiotensin AT1 receptor in'primary'aldosteronism." The Journal of ClinicalEndocrinology & Metabolism 99.5 (2014): 1790-1797.
本発明では、新規な原発性アルドステロン症の検査方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質を見出し、原発性アルドステロン症の検査方法を完成した。
すなわち本発明は、以下からなる。
1.以下のいずれか1以上の被験者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程を含む、原発性アルドステロン症の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembrane channel-like protein 3(TMC3)、Voltage-dependent anion-selective channel 1 (VDAC1)及びVoltage-dependent anion-selectivechannel protein 2 (VDAC2)。
2.前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ原発性アルドステロン症が両側性原発性アルドステロン症である前項1の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)及びTransmembrane channel-like protein 3(TMC3)。
3.前記タンパク質がATP1A2、CACNB2、SLC24A4、ATP2B4及びTRPC6から選ばれる1以上である、前項2に記載の検査方法。
4.前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ両側性又は片側性原発性アルドステロン症である請求項1の検査方法、
VDAC1及び VDAC2。
5.前記免疫グロブリンは、IgGである前項1〜4のいずれか1項に記載の検査方法。
6.被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のカルシウム濃度を測定する工程と、
該カルシウム濃度とカルシウム濃度基準値と比較する工程と、及び
該カルシウム濃度が該基準値よりも高い場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
7.被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のアルドステロン合成酵素発現量を測定する工程と、
該アルドステロン合成酵素発現量とアルドステロン合成酵素基準値とを比較する工程と、及び
該アルドステロン合成酵素発現量が該アルドステロン合成酵素基準値と比較して2.5倍以上の場合には両側性原発性アルドステロン症と判定しかつ1.2〜2.4倍の場合には片側性原発性アルドステロン症と判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
8.前記動物細胞は、副腎皮質癌細胞である前項7に記載の検査方法。
9.前記動物細胞は、ヒト副腎皮質癌細胞である前項8項に記載の検査方法。
1.以下のいずれか1以上の被験者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程を含む、原発性アルドステロン症の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembrane channel-like protein 3(TMC3)、Voltage-dependent anion-selective channel 1 (VDAC1)及びVoltage-dependent anion-selectivechannel protein 2 (VDAC2)。
2.前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ原発性アルドステロン症が両側性原発性アルドステロン症である前項1の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)及びTransmembrane channel-like protein 3(TMC3)。
3.前記タンパク質がATP1A2、CACNB2、SLC24A4、ATP2B4及びTRPC6から選ばれる1以上である、前項2に記載の検査方法。
4.前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ両側性又は片側性原発性アルドステロン症である請求項1の検査方法、
VDAC1及び VDAC2。
5.前記免疫グロブリンは、IgGである前項1〜4のいずれか1項に記載の検査方法。
6.被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のカルシウム濃度を測定する工程と、
該カルシウム濃度とカルシウム濃度基準値と比較する工程と、及び
該カルシウム濃度が該基準値よりも高い場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
7.被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のアルドステロン合成酵素発現量を測定する工程と、
該アルドステロン合成酵素発現量とアルドステロン合成酵素基準値とを比較する工程と、及び
該アルドステロン合成酵素発現量が該アルドステロン合成酵素基準値と比較して2.5倍以上の場合には両側性原発性アルドステロン症と判定しかつ1.2〜2.4倍の場合には片側性原発性アルドステロン症と判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
8.前記動物細胞は、副腎皮質癌細胞である前項7に記載の検査方法。
9.前記動物細胞は、ヒト副腎皮質癌細胞である前項8項に記載の検査方法。
本発明では、新規な原発性アルドステロン症の検査方法を提供することができる。
以下、本発明の原発性アルドステロン症の検査方法(又は、検査の補助方法、判定方法、判定の補助方法、診断方法、診断の補助方法)について詳細に説明するが、下記の記載により本発明の範囲を限定されるものではない。
本発明の原発性アルドステロン症の検査方法では、以下の方法がある。
(1)原発性アルドステロン症患者(被験者)由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質をマーカーとした検査方法(検出する方法:検査方法1)。なお、「反応」とは、免疫グロブリンに対してなんらかの反応(特に、免疫グロブリンに結合する反応又は免疫グロブリンに特異的に結合する反応)を意味する。加えて、「検出」とは、対象とするタンパク質そのものを検出するだけでなく、間接的な指標も含む。
(2)原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中のアルドステロン合成酵素(発現量)をマーカーとした検査方法(検査方法2)。
(3)原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中のカルシウム濃度をマーカーとした検査方法(検査方法3)。
本発明のマーカーは、検出、定量、及び/又は活性等を測定することができれば、遺伝子(DNA、cDNA、RNA、mRNAも含む)、タンパク質(その断片も含む)、該タンパク質活性のいずれも測定対象とすることができる。
(1)原発性アルドステロン症患者(被験者)由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質をマーカーとした検査方法(検出する方法:検査方法1)。なお、「反応」とは、免疫グロブリンに対してなんらかの反応(特に、免疫グロブリンに結合する反応又は免疫グロブリンに特異的に結合する反応)を意味する。加えて、「検出」とは、対象とするタンパク質そのものを検出するだけでなく、間接的な指標も含む。
(2)原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中のアルドステロン合成酵素(発現量)をマーカーとした検査方法(検査方法2)。
(3)原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中のカルシウム濃度をマーカーとした検査方法(検査方法3)。
本発明のマーカーは、検出、定量、及び/又は活性等を測定することができれば、遺伝子(DNA、cDNA、RNA、mRNAも含む)、タンパク質(その断片も含む)、該タンパク質活性のいずれも測定対象とすることができる。
(被験者)
本発明に係る検査方法における「被験者」は、原発性アルドステロン症と診断された者、何らかの検査結果により原発性アルドステロン症と疑われる者を意味し、さらに、両側性原発性アルドステロン症、片側性原発性アルドステロン症、それらを疑われる者、または将来原発性アルドステロン症を発症する者も含む。
なお、本発明での両側性原発性アルドステロン症とは、片側性原発性アルドステロン症と判断・診断できなかった症例である剥離例(AVSによるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)負荷前後での検査結果が一致しない症例)も含む。
本発明に係る検査方法における「被験者」は、原発性アルドステロン症と診断された者、何らかの検査結果により原発性アルドステロン症と疑われる者を意味し、さらに、両側性原発性アルドステロン症、片側性原発性アルドステロン症、それらを疑われる者、または将来原発性アルドステロン症を発症する者も含む。
なお、本発明での両側性原発性アルドステロン症とは、片側性原発性アルドステロン症と判断・診断できなかった症例である剥離例(AVSによるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)負荷前後での検査結果が一致しない症例)も含む。
(生体試料)
本発明に係る検査方法における「生体試料」は、免疫グロブリンが含まれていれば特に限定されないが、血液、末梢血、血液成分(血清、血漿、血球など)、生検試料、手術摘出試料、剖検試料、尿、髄液、涙液、汗、毛髪、組織由来の成分を含む。
本発明に係る検査方法における「生体試料」は、免疫グロブリンが含まれていれば特に限定されないが、血液、末梢血、血液成分(血清、血漿、血球など)、生検試料、手術摘出試料、剖検試料、尿、髄液、涙液、汗、毛髪、組織由来の成分を含む。
(免疫グロブリン)
本発明に係る検査方法における「免疫グロブリン」は、被験者由来であることが必要であるが、上記検査方法1〜3のいずれか1以上を実施することが可能であれば特に限定されない。例えば、原発性アルドステロン症患者特有のタンパク質に反応(結合)することができる免疫グロブリンであることが好ましい。
免疫グロブリンとして、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEを例示することができるが、好ましいのはIgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)である。
被検者からの免疫グロブリンの取得方法は、特に限定されず、自体公知のキット等を使用することができる。
本発明に係る検査方法における「免疫グロブリン」は、被験者由来であることが必要であるが、上記検査方法1〜3のいずれか1以上を実施することが可能であれば特に限定されない。例えば、原発性アルドステロン症患者特有のタンパク質に反応(結合)することができる免疫グロブリンであることが好ましい。
免疫グロブリンとして、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEを例示することができるが、好ましいのはIgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)である。
被検者からの免疫グロブリンの取得方法は、特に限定されず、自体公知のキット等を使用することができる。
(動物細胞)
本発明に係る検査方法における「動物細胞」は、上記検査方法2〜3のいずれか1以上を実施することが可能であれば特に限定されない。例えば、動物細胞は、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと接触することにより、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンに特異的に結合するタンパク質が存在する、アルドステロン発現量を増加する、又はカルシウム濃度を増加する。
例えば、動物細胞は、副腎皮質細胞(副腎皮質培養細胞)、副腎皮質癌細胞(副腎皮質癌培養細胞)等を例示することができる。
本発明に係る検査方法における「動物細胞」は、上記検査方法2〜3のいずれか1以上を実施することが可能であれば特に限定されない。例えば、動物細胞は、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと接触することにより、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンに特異的に結合するタンパク質が存在する、アルドステロン発現量を増加する、又はカルシウム濃度を増加する。
例えば、動物細胞は、副腎皮質細胞(副腎皮質培養細胞)、副腎皮質癌細胞(副腎皮質癌培養細胞)等を例示することができる。
(遺伝子であるマーカーの測定方法)
本発明のマーカーが遺伝子(DNA、RNA、cDNA、mRNA、それらの断片)である場合、特に限定されないが、自体公知の遺伝子測定方法を利用することができる。例えば、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中の標的とする遺伝子(マーカー:例、アルドステロン合成酵素遺伝子)を、プライマーを用いてRT-PCRで増幅する。標的とする遺伝子(マーカー)が存在すれば、DNAが増幅されて該動物細胞中のマーカーの存在が検出される。
本発明の検査方法は、具体的には、次の工程を例示するが、すべてを含む必要はない。
ア)被験者から免疫グロブリン(特に、IgG)を取得する工程。
イ)被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清と動物細胞を接触させる工程。なお、接触させる方法は限定されない。例えば、免疫グロブリンを動物細胞に添加することができる。インキュベーション時間は限定されない。好適なインキュベーション時間は細胞の種類や環境により異なるが、24時間〜1週間、好ましくは24時間〜72時間、さらに好ましくは、24時間〜60時間である。
ウ)上記接触後の動物細胞からマーカーのmRNAを抽出する工程。
エ)上記mRNAを鋳型として逆転写反応によりcDNAを合成する工程。
オ)プライマーにてPCRを行う工程。
カ)増幅されたDNAを検出する工程。
ア)〜カ)の各工程は公知の方法により行うことができる。
その他の遺伝子を検出する方法としては、該遺伝子に特異的に結合するプローブ用の標識化ヌクレオチド、標識化cDNA又は標識化RNAを用いたノーザンブロット法、ドットブロット法、又はmRNAを直接測定する方法等を用いることができる。PCR法としては、リアルタイムPCR法、競合PCR法等も挙げることができる。
さらに、DNAマイクロアレイ、DNAチップ、又は抗体アレイ等が挙げられる。DNAマイクロアレイ又はDNAチップには該遺伝子のヌクレオチド又はcDNAが少なくとも1つ以上固定化されているものを用いる。なお、ヌクレオチド又はcDNAは、該遺伝子の一部に相当する部分でもよい。
本発明のマーカーが遺伝子(DNA、RNA、cDNA、mRNA、それらの断片)である場合、特に限定されないが、自体公知の遺伝子測定方法を利用することができる。例えば、原発性アルドステロン症患者由来の免疫グロブリンと共に培養した動物細胞中の標的とする遺伝子(マーカー:例、アルドステロン合成酵素遺伝子)を、プライマーを用いてRT-PCRで増幅する。標的とする遺伝子(マーカー)が存在すれば、DNAが増幅されて該動物細胞中のマーカーの存在が検出される。
本発明の検査方法は、具体的には、次の工程を例示するが、すべてを含む必要はない。
ア)被験者から免疫グロブリン(特に、IgG)を取得する工程。
イ)被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清と動物細胞を接触させる工程。なお、接触させる方法は限定されない。例えば、免疫グロブリンを動物細胞に添加することができる。インキュベーション時間は限定されない。好適なインキュベーション時間は細胞の種類や環境により異なるが、24時間〜1週間、好ましくは24時間〜72時間、さらに好ましくは、24時間〜60時間である。
ウ)上記接触後の動物細胞からマーカーのmRNAを抽出する工程。
エ)上記mRNAを鋳型として逆転写反応によりcDNAを合成する工程。
オ)プライマーにてPCRを行う工程。
カ)増幅されたDNAを検出する工程。
ア)〜カ)の各工程は公知の方法により行うことができる。
その他の遺伝子を検出する方法としては、該遺伝子に特異的に結合するプローブ用の標識化ヌクレオチド、標識化cDNA又は標識化RNAを用いたノーザンブロット法、ドットブロット法、又はmRNAを直接測定する方法等を用いることができる。PCR法としては、リアルタイムPCR法、競合PCR法等も挙げることができる。
さらに、DNAマイクロアレイ、DNAチップ、又は抗体アレイ等が挙げられる。DNAマイクロアレイ又はDNAチップには該遺伝子のヌクレオチド又はcDNAが少なくとも1つ以上固定化されているものを用いる。なお、ヌクレオチド又はcDNAは、該遺伝子の一部に相当する部分でもよい。
(タンパク質であるマーカーの検出方法)
本発明のマーカーがタンパク質である場合、特に限定されないが、自体公知のタンパク質の測定方法(検出、定量、活性)を利用することができる。
ア)被験者から免疫グロブリン(特に、IgG)を取得する工程。
イ)被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清に存在する免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程。
なお、必要に応じて、該IgGを免疫沈降させた試料中のタンパク質の種類・量を測定しても良い。
ア)〜イ)の各工程は公知の方法により行うことができる。
例えば、免疫グロブリンを免疫沈降された試料を質量分析装置により該試料に含まれているタンパク質の種類・濃度を検出することができる。また、タンパク質に特異的に結合する抗体やアプタマー等を用いることができ、抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、2つのエピトープを同時に認識することができる二機能性抗体等を例示できる。これらの抗体は、慣用のプロトコルを用いて該ポリペプチド又はタンパク質又はそれらの断片を抗原として用いて作製することができる。また、アプタマーとは、タンパク質、アミノ酸等の分子に特異的に結合する核酸分子である。
上記タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、被検試料中に存在する該ポリペプチド又はタンパク質を検出又は定量する場合、免疫沈降法、電気化学発光法、RIA(radioimmunoassay)法、ELISA(Enzyme−Liked ImmunosorbentAssay)法、蛍光抗体法等の公知の免疫学的方法を用いることができる。
さらに、RT-PCR法、免疫ブロット法、SAGE、抗体を使用した免疫沈降法、プルダウン法、ELISA、ウエスタンブロット、ハイブリダイゼーション、フローサイトメトリー、比重遠心法、細胞の染色標本、組織の染色標本等を使用することができる。
本発明のマーカーがタンパク質である場合、特に限定されないが、自体公知のタンパク質の測定方法(検出、定量、活性)を利用することができる。
ア)被験者から免疫グロブリン(特に、IgG)を取得する工程。
イ)被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清に存在する免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程。
なお、必要に応じて、該IgGを免疫沈降させた試料中のタンパク質の種類・量を測定しても良い。
ア)〜イ)の各工程は公知の方法により行うことができる。
例えば、免疫グロブリンを免疫沈降された試料を質量分析装置により該試料に含まれているタンパク質の種類・濃度を検出することができる。また、タンパク質に特異的に結合する抗体やアプタマー等を用いることができ、抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、2つのエピトープを同時に認識することができる二機能性抗体等を例示できる。これらの抗体は、慣用のプロトコルを用いて該ポリペプチド又はタンパク質又はそれらの断片を抗原として用いて作製することができる。また、アプタマーとは、タンパク質、アミノ酸等の分子に特異的に結合する核酸分子である。
上記タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、被検試料中に存在する該ポリペプチド又はタンパク質を検出又は定量する場合、免疫沈降法、電気化学発光法、RIA(radioimmunoassay)法、ELISA(Enzyme−Liked ImmunosorbentAssay)法、蛍光抗体法等の公知の免疫学的方法を用いることができる。
さらに、RT-PCR法、免疫ブロット法、SAGE、抗体を使用した免疫沈降法、プルダウン法、ELISA、ウエスタンブロット、ハイブリダイゼーション、フローサイトメトリー、比重遠心法、細胞の染色標本、組織の染色標本等を使用することができる。
(両側性原発性アルドステロン患者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質)
下記の本実施例により、以下のマーカーを確認している。
〇両側性原発性アルドステロン症で検出されたタンパク質
ATPase Na+/K+transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、CalciumVoltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、CalciumVoltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute CarrierFamily 24 Member 4(SLC24A4)、Solute Carrier Family 38 Member 2(SLC38A2)、calcium voltage-gated channel subunit alpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembranechannel-like protein 3(TMC3)。
下記の本実施例により、以下のマーカーを確認している。
〇両側性原発性アルドステロン症で検出されたタンパク質
ATPase Na+/K+transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、CalciumVoltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、CalciumVoltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute CarrierFamily 24 Member 4(SLC24A4)、Solute Carrier Family 38 Member 2(SLC38A2)、calcium voltage-gated channel subunit alpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembranechannel-like protein 3(TMC3)。
〇両側性または片側性の原発性アルドステロン症で検出されたタンパク質
Voltage-dependentanion-selective channel 1 (VDAC1)、Voltage-dependent anion-selective channel protein 2 (VDAC2)
Voltage-dependentanion-selective channel 1 (VDAC1)、Voltage-dependent anion-selective channel protein 2 (VDAC2)
本発明の検査方法では、上記記載のタンパク質が検出された前後において、AVS等の公知の方法により、両側性原発性アルドステロン症(剥離例も含む)及び/又は片側性原発性アルドステロン症を判定する工程を含んでも良い。
(両側性原発性アルドステロン症の指標)
本発明の「両側性原発性アルドステロン症の指標」とは、両側性原発性アルドステロン症患者と両側性原発性アルドステロン症を有さない人(特に、健常者等)を区別するための各マーカー(例、アルドステロン合成酵素、カルシウム濃度)の数値(基準値、平均値等)を意味する。
例えば、予め設定した「各マーカーの基準値」以上の場合には、両側性原発性アルドステロン症が今後発症する、現在発症している又は進行していること(可能性があること)を判定できる。
特に、予め設定した「各マーカーの基準値」は、両側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、片側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、又は、健常者由来の各マーカーの平均値から算出することができる。
Cut off(カットオフ)値の設定方法としては、両側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、片側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、又は、健常者由来の各マーカーの平均値から算出する。通常、予め決定したcut off値の標準偏差の90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下、最も好ましくは50%以下である。
より詳しくは、下記の実施例により、アルドステロン合成酵素遺伝子発現量を使用する場合には、健常者のアルドステロン合成酵素遺伝子発現量(相対遺伝子発現量)を1とした場合、相対遺伝子発現量が約2.5以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約25以上の場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定することができる。また、健常者のアルドステロン合成酵素遺伝子発現量(相対遺伝子発現量)を1とした場合、相対遺伝子発現量が約1.2〜約2.4、約1.3〜約2.4、約1.5〜約2.4の場合には、片側性原発性アルドステロン症であると判定することができる。
また、別のcut off値の設定方法としては、各マーカーを測定して得られた値に基づき、市販の統計解析ソフトを使用してROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を作成し、最適な感度及び特異度を求める。例えば、一次スクリーニング等の目的では感度が高い方を優先し、精査目的では特異度が高くなるようなカットオフ値を設定することが可能である。
本発明の「両側性原発性アルドステロン症の指標」とは、両側性原発性アルドステロン症患者と両側性原発性アルドステロン症を有さない人(特に、健常者等)を区別するための各マーカー(例、アルドステロン合成酵素、カルシウム濃度)の数値(基準値、平均値等)を意味する。
例えば、予め設定した「各マーカーの基準値」以上の場合には、両側性原発性アルドステロン症が今後発症する、現在発症している又は進行していること(可能性があること)を判定できる。
特に、予め設定した「各マーカーの基準値」は、両側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、片側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、又は、健常者由来の各マーカーの平均値から算出することができる。
Cut off(カットオフ)値の設定方法としては、両側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、片側性原発性アルドステロン症由来の各マーカーの平均値、又は、健常者由来の各マーカーの平均値から算出する。通常、予め決定したcut off値の標準偏差の90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下、最も好ましくは50%以下である。
より詳しくは、下記の実施例により、アルドステロン合成酵素遺伝子発現量を使用する場合には、健常者のアルドステロン合成酵素遺伝子発現量(相対遺伝子発現量)を1とした場合、相対遺伝子発現量が約2.5以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約25以上の場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定することができる。また、健常者のアルドステロン合成酵素遺伝子発現量(相対遺伝子発現量)を1とした場合、相対遺伝子発現量が約1.2〜約2.4、約1.3〜約2.4、約1.5〜約2.4の場合には、片側性原発性アルドステロン症であると判定することができる。
また、別のcut off値の設定方法としては、各マーカーを測定して得られた値に基づき、市販の統計解析ソフトを使用してROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を作成し、最適な感度及び特異度を求める。例えば、一次スクリーニング等の目的では感度が高い方を優先し、精査目的では特異度が高くなるようなカットオフ値を設定することが可能である。
(両側性原発性アルドステロン症判定キット)
本発明の両側性原発性アルドステロン症判定キットは、以下のいずれか1以上のタンパク質(リコンビナントタンパク質)を含む。なお、下記のリコンビナントタンパク質は、被験者由来の免疫グロブリンの抗原となる構造を有していれば特に限定されない。例えば、N末端及び/C末端の一部の欠損、置換、不可等があっても良い。
ATP1A2、CACNA1I、CACNB2、SLC24A4、SLC38A2、CACNA1F、CACNA1G、ATP2B4、CAMK2N1、KCNH3、TRPC6、TPCN2、TMC3
本発明の両側性原発性アルドステロン症判定キットは、以下のいずれか1以上のタンパク質(リコンビナントタンパク質)を含む。なお、下記のリコンビナントタンパク質は、被験者由来の免疫グロブリンの抗原となる構造を有していれば特に限定されない。例えば、N末端及び/C末端の一部の欠損、置換、不可等があっても良い。
ATP1A2、CACNA1I、CACNB2、SLC24A4、SLC38A2、CACNA1F、CACNA1G、ATP2B4、CAMK2N1、KCNH3、TRPC6、TPCN2、TMC3
(両側性または片側性原発性アルドステロン症判定キット)
本発明の両側性または片側性原発性アルドステロン症判定キットは、以下のいずれか1以上のタンパク質(リコンビナントタンパク質)を含む。なお、下記のリコンビナントタンパク質は、被験者由来の免疫グロブリンの抗原となる構造を有していれば特に限定されない。例えば、N末端及び/C末端の一部の欠損、置換、不可等があっても良い。
VDAC1、VDAC2
本発明の両側性または片側性原発性アルドステロン症判定キットは、以下のいずれか1以上のタンパク質(リコンビナントタンパク質)を含む。なお、下記のリコンビナントタンパク質は、被験者由来の免疫グロブリンの抗原となる構造を有していれば特に限定されない。例えば、N末端及び/C末端の一部の欠損、置換、不可等があっても良い。
VDAC1、VDAC2
(キットの使用例)
本発明のキットの使用例として、上記タンパク質を公知のプレートのウェルに固定化する。被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清をウェルに添加する。該溶液、さらに標識された抗免疫グロブリン抗体を該ウェルに添加して、標識を確認する。
本発明のキットの使用例として、上記タンパク質を公知のプレートのウェルに固定化する。被験者から取得した免疫グロブリン(特に、IgG)又は該免疫グロブリンを含む血清をウェルに添加する。該溶液、さらに標識された抗免疫グロブリン抗体を該ウェルに添加して、標識を確認する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
(IgGの調製)
両側性原発性アルドステロン症と診断された患者19名と片側性原発性アルドステロン症と診断された患者5名と健常者3名の末梢血からMelonTM Gel IgG Spin Purification Kit(Thermo SCIENTIFIC)を用いて80 mg/mLの免疫グロブリン(IgG)を調製した。
両側性原発性アルドステロン症と診断された患者19名と片側性原発性アルドステロン症と診断された患者5名と健常者3名の末梢血からMelonTM Gel IgG Spin Purification Kit(Thermo SCIENTIFIC)を用いて80 mg/mLの免疫グロブリン(IgG)を調製した。
(アルドステロン合成酵素遺伝子発現量の測定)
副腎皮質癌培養細胞(H295R)を40,000細胞/100 μL/ウェルになるよう96ウェルプレートに播種した後、一晩待ち、細胞を接着させた。接着を確認後、1 μL/ウェルのIgGを副腎皮質癌培養細胞(H295R)に投与して48時間培養した。培養後、SuperPrep(日本登録商標) Cell Lysis & RT Kit for qPCR(東洋紡)を用いて細胞溶解及び逆転写反応を行い、リアルタイムPCR用のcDNAを合成した。合成したcDNAを鋳型としてcytochrome P450 family 11 subfamily B member 2(アルドステロン合成酵素遺伝子)を標的遺伝子としてプライマー及びプローブを設計したApplied BiosystemsTM TaqMan(日本登録商標) Gene Expression Assays(Thermo Fisher SCIENTIFIC)及びKAPA(日本登録商標)PROBE FAST qPCRキットを用いてΔΔCt法によるリアルタイムPCRを行った。
β−アクチン(ACTB)と比較したアルドステロン合成酵素遺伝子発現強度(相対遺伝子発現値)を健常者群の平均値を1として数値化した。
副腎皮質癌培養細胞(H295R)を40,000細胞/100 μL/ウェルになるよう96ウェルプレートに播種した後、一晩待ち、細胞を接着させた。接着を確認後、1 μL/ウェルのIgGを副腎皮質癌培養細胞(H295R)に投与して48時間培養した。培養後、SuperPrep(日本登録商標) Cell Lysis & RT Kit for qPCR(東洋紡)を用いて細胞溶解及び逆転写反応を行い、リアルタイムPCR用のcDNAを合成した。合成したcDNAを鋳型としてcytochrome P450 family 11 subfamily B member 2(アルドステロン合成酵素遺伝子)を標的遺伝子としてプライマー及びプローブを設計したApplied BiosystemsTM TaqMan(日本登録商標) Gene Expression Assays(Thermo Fisher SCIENTIFIC)及びKAPA(日本登録商標)PROBE FAST qPCRキットを用いてΔΔCt法によるリアルタイムPCRを行った。
β−アクチン(ACTB)と比較したアルドステロン合成酵素遺伝子発現強度(相対遺伝子発現値)を健常者群の平均値を1として数値化した。
結果を図1に示す。全ての片側性原発性アルドステロン症患者は、相対遺伝子発現値が3未満であり、平均値は1.0であった。両側性原発性アルドステロン症患者は、19名中12名の相対遺伝子発現値が4より高く、最高値は26.2であり、平均値は6.1であった。
相対遺伝子発現値の2.5を基準とすると、感度は68%、特異度は100%となった。よって、IgGを投与した副腎皮質細胞におけるアルドステロン合成酵素遺伝子発現量は、簡便で有効な両側性原発性アルドステロン症診断マーカーとなることを確認できた。
相対遺伝子発現値の2.5を基準とすると、感度は68%、特異度は100%となった。よって、IgGを投与した副腎皮質細胞におけるアルドステロン合成酵素遺伝子発現量は、簡便で有効な両側性原発性アルドステロン症診断マーカーとなることを確認できた。
(IgG結合タンパク質の解析)
実施例1でIgGと共に48時間培養した副腎皮質癌培養細胞に関し、Pierce MS-Compatible Magnetic IP Kit(Thermo SCIENTIFIC)を用いて細胞溶解し、IgGを免疫沈降した。次に、Thermo ScientificTM; Q ExactiveTM; ハイブリッド四重極-オービトラップ質量分析計(Thermo Fisher SCIENTIFIC)を用いてIgG結合タンパク質を解析した。
実施例1でIgGと共に48時間培養した副腎皮質癌培養細胞に関し、Pierce MS-Compatible Magnetic IP Kit(Thermo SCIENTIFIC)を用いて細胞溶解し、IgGを免疫沈降した。次に、Thermo ScientificTM; Q ExactiveTM; ハイブリッド四重極-オービトラップ質量分析計(Thermo Fisher SCIENTIFIC)を用いてIgG結合タンパク質を解析した。
被験者ごとに同定されたIgG結合タンパク質を図1に示す。両側性原発性アルドステロン症患者は、IgG結合タンパク質としてATPase Na+/K+ transportingsubunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel SubunitAlpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel AuxiliarySubunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute Carrier Family 38 Member 2(SLC38A2)、calciumvoltage-gated channel subunit alpha1 F(CACNA1F)、CalciumVoltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase PlasmaMembrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/CalmodulinDependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、PotassiumVoltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore SegmentChannel 2(TPCN2)及びTransient Receptor Potential CationChannel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembrane channel-like protein 3(TMC3))が同定された。そのうちATP1A2、CACNB2、SLC24A4、ATP2B4及びTRPC6は2人以上の患者で同定された。一方、健常者及び片側性アルドステロン症患者では、IgG結合タンパク質として、上記の膜タンパク質は検出されなかった。
両側性原発性アルドステロン症および片側性原発性アルドステロン症に共通する、IgG結合タンパク質としてVoltage-dependentanion-selective channel 1 (VDAC1)、Voltage-dependent anion-selective channel protein 2 (VDAC2) が同定された。
以上より、IgG結合タンパク質は、原発性アルドステロン症の検査マーカーとなることを確認した。
(細胞内カルシウム濃度測定)
実施例1と同様に調製したIgGを副腎皮質癌培養細胞に投与して培養した。培養後の細胞の細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)をCalbryteTM; 520NW(ScreenQuestTM;Calbryte-520 Probenecid-Free and Wash-Free カルシウムアッセイキット、AATBioquest, Inc.)を使用して、メーカーのプロトコールに従い、測定した。
実施例1と同様に調製したIgGを副腎皮質癌培養細胞に投与して培養した。培養後の細胞の細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)をCalbryteTM; 520NW(ScreenQuestTM;Calbryte-520 Probenecid-Free and Wash-Free カルシウムアッセイキット、AATBioquest, Inc.)を使用して、メーカーのプロトコールに従い、測定した。
両側性原発性アルドステロン症患者由来のIgGを投与した細胞は、片側性原発性アルドステロン症患者由来のIgGを投与した細胞及び健常者由来のIgGを投与した細胞と比較して、細胞内カルシウム濃度が上昇したことを確認した。
以上により、IgGを投与した癌細胞における細胞内カルシウム濃度測定は、両側性アルドステロン検査マーカーとなることを確認した。
以上により、IgGを投与した癌細胞における細胞内カルシウム濃度測定は、両側性アルドステロン検査マーカーとなることを確認した。
Claims (9)
- 以下のいずれか1以上の被験者由来の免疫グロブリンに反応するタンパク質を検出する工程を含む、原発性アルドステロン症の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)、Transmembrane channel-like protein 3(TMC3)、Voltage-dependent anion-selective channel 1 (VDAC1)及びVoltage-dependent anion-selectivechannel protein 2 (VDAC2)。
- 前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ原発性アルドステロン症が両側性原発性アルドステロン症である請求項1の検査方法、
ATPase Na+/K+ transporting subunit alpha 2(ATP1A2)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 I(CACNA1I)、Calcium Voltage-Gated Channel Auxiliary Subunit Beta 2(CACNB2)、Solute Carrier Family 24 Member 4(SLC24A4)、Solute CarrierFamily 38 Member 2(SLC38A2)、Calcium voltage-gated channel subunitalpha1 F(CACNA1F)、Calcium Voltage-Gated Channel Subunit Alpha1 G(CACNA1G)、ATPase Plasma Membrane Ca2+ Transporting 4(ATP2B4)、Calcium/Calmodulin Dependent Protein Kinase II Inhibitor 1(CAMK2N1)、Potassium Voltage-Gated Channel Subfamily H Member 3(KCNH3)、Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6(TRPC6)、Two Pore Segment Channel 2(TPCN2)、Transient ReceptorPotential Cation Channel Subfamily C Member 7(TRPC7)及びTransmembrane channel-like protein 3(TMC3)。
- 前記タンパク質がATP1A2、CACNB2、SLC24A4、ATP2B4及びTRPC6から選ばれる1以上である、請求項2に記載の検査方法。
- 前記タンパク質が以下のいずれか1以上であり、かつ両側性又は片側性原発性アルドステロン症である請求項1の検査方法、
VDAC1及び VDAC2。
- 前記免疫グロブリンは、IgGである請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査方法。
- 被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のカルシウム濃度を測定する工程と、
該カルシウム濃度とカルシウム濃度基準値と比較する工程と、及び
該カルシウム濃度が該基準値よりも高い場合には、両側性原発性アルドステロン症であると判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
- 被験者由来の免疫グロブリンを動物細胞に接触させる工程と、
該動物細胞中のアルドステロン合成酵素発現量を測定する工程と、
該アルドステロン合成酵素発現量とアルドステロン合成酵素基準値とを比較する工程と、及び
該アルドステロン合成酵素発現量が該アルドステロン合成酵素基準値と比較して2.5倍以上の場合には両側性原発性アルドステロン症と判定しかつ1.2〜2.4倍の場合には片側性原発性アルドステロン症と判定する工程、
を含む、原発性アルドステロン症の検査方法。
- 前記動物細胞は、副腎皮質癌細胞である請求項7に記載の検査方法。
- 前記動物細胞は、ヒト副腎皮質癌細胞である請求項8項に記載の検査方法。
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JP2018202619A JP2020071030A (ja) | 2018-10-29 | 2018-10-29 | 原発性アルドステロン症の検査方法 |
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Cited By (1)
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CN117554603A (zh) * | 2023-11-28 | 2024-02-13 | 中国医学科学院阜外医院 | 一种用于原发性醛固酮增多症初筛的标志物组合及其应用 |
-
2018
- 2018-10-29 JP JP2018202619A patent/JP2020071030A/ja active Pending
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CN117554603B (zh) * | 2023-11-28 | 2024-05-10 | 中国医学科学院阜外医院 | 一种用于原发性醛固酮增多症初筛的标志物组合及其应用 |
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