JP2020070308A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】全固体二次電池の外部電極の形成に用いられる樹脂組成物を提供する。積層体の両端面に対する接合強度が十分であり、安定した性能を有する全固体二次電池を製造することのできる樹脂組成物を提供する。【解決手段】樹脂組成物は、(A)金属粉末、(B)無機固体電解質粉末、(C)樹脂、及び、(D)溶剤を含む。(A)金属粉末は、Ag粉末、AgPd粉末、Cu粉末、及びNi粉末からなる群から選択される少なくとも1種の粉末を含む。(B)無機固体電解質粉末は、リチウムを含む化合物を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物に関し、特に、全固体二次電池の外部電極の形成に用いることのできる樹脂組成物に関する。
従来、二次電池は、有機溶媒を含む非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)を中心に、正極活物質、負極活物質及び有機溶媒電解液等の最適化が図られてきた。非水電解液二次電池は、それが搭載されるデジタル家電製品等の発展とともに、生産量が著しく増大している。
しかしながら、非水電解液二次電池は、可燃性の有機溶媒電解液を含むこと、及び有機溶媒電解液が電極反応により分解し、電池の外装缶を膨張させ、場合により電解液の漏出を起こすおそれもあることから、発火の危険性も指摘されている。
このため、有機溶媒電解液に代えて固体電解質を含む全固体二次電池に対する関心が高まっている。全固体二次電池は、構造的には、セパレータを必要とせず、電解液の漏出のおそれがないため、外装缶が不要である。
また、全固体二次電池は、有機溶媒電解液を含まないため、発火の危険性を低減することができる。さらに、全固体二次電池は、固体電解質がイオン選択性を有するため、副反応が少なく、電池の充放電の効率を高めることができる。
特許文献1には、正極活物質層、イオン伝導性無機物質層、及び負極活物質層がこの順に積層されたセルを含む全固体二次電池が開示されている。この全固体二次電池は、複数個のセルを含む。複数個のセルは、積層されている。複数個のセルが積層された積層体は、一括焼成体である。
特許文献2には、誘電体セラミック層と内部電極層が交互に積層された積層体を含む積層セラミックコンデンサが開示されている。積層体の両端面には、外部電極が形成されている。外部電極は、積層体の両端面にペーストを塗布した後、このペーストを乾燥させることで形成されている。このペースト中には、ニッケル等の導電性材料と、ガラスフリットが含まれている。
国際公開第2008/099468号 特開2012−4189号公報
積層セラミックコンデンサ(以下、MLCCと呼ぶ)は、酸化チタンやチタン酸バリウムなどの誘電体と内部電極を多数積層した構造を有する。一方、特許文献1に開示された全固体二次電池は、リチウム等を含む複合酸化物を含む固体電解質と、活物質(正極活物質及び負極活物質)とを多数積層した構造を有する。このように、MLCCと全固体二次電池は、類似した構造を有している。このため、全固体二次電池には、MLCCと同一の製造プロセスを適用できる場合がある。
一般的に、MLCCは、誘電体層と内部電極層が多数積層した積層体を有する。積層体の両端面には、ニッケル等の導電性材料とガラスフリットを含むペーストが塗布される。このペーストを乾燥及び加熱することによって、外部電極を形成することができる。ペーストにガラスフリットが含まれる場合、ガラスフリットが加熱によって溶融するため、積層体の両端面に対して外部電極が強固に接合する。
一方、全固体二次電池は、固体電解質層と活物質層が多数積層した積層体を有する。積層体の両端面には、外部電極が形成される。積層体の一方の端面に形成された外部電極は、正極活物質層と接続する。積層体の他方の端面に形成された外部電極は、負極活物質層と接続する。正極及び負極の間で発生した電気は、外部電極を介して電池から取り出される。
MLCCの外部電極形成用ペーストを、全固体二次電池の外部電極の形成に適用しようとした場合、本発明者らは、以下の問題があることを発見した。
すなわち、MLCCの外部電極形成用ペーストには、ガラスフリットが含まれている。MLCCの外部電極形成用ペーストを、全固体二次電池の外部電極の形成に適用しようとした場合、ペースト中に含まれるガラスフリットが、全固体二次電池の固体電解質層に含まれるリチウムと反応してしまう。ガラスフリットとリチウムが反応した場合、固体電解質層に含まれるリチウムが減少するため、固体電解質層の化学的な組成が変化してしまう。したがって、MLCCの外部電極形成用ペーストを、全固体二次電池の外部電極の形成に適用した場合、安定した性能を有する全固体二次電池を製造することができない。
リチウムとガラスフリットの反応を回避するため、ガラスフリットを含まないペーストを用いることが考えられる。しかし、ガラスフリットを含まないペーストを用いた場合、固体電解質層と活物質層とからなる積層体の両端面に対する外部電極の接合強度が不十分になるという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決することのできる樹脂組成物を提供することを目的とする。特に、全固体二次電池の外部電極の形成に用いられる樹脂組成物であって、積層体の両端面に対する接合強度が十分であり、安定した性能を有する全固体二次電池を製造することのできる樹脂組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1) (A)金属粉末、(B)無機固体電解質粉末、(C)樹脂、及び、(D)溶剤
を含む、樹脂組成物。
(2) (A)金属粉末は、Ag粉末、AgPd粉末、Cu粉末、Pd粉末、及びNi粉末からなる群から選択される少なくとも1種の粉末を含む、上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) (B)無機固体電解質粉末は、リチウムを含む化合物を含む、上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) (C)樹脂の熱分解温度は、(B)無機固体電解質粉末の焼結温度以下である、上記(1)から(3)のうちいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明によれば、上述のような課題を解決することのできる樹脂組成物を提供することができる。特に、全固体二次電池の外部電極の形成に用いられる樹脂組成物であって、積層体の両端面に対する接合強度が十分であり、安定した性能を有する全固体二次電池を製造することのできる樹脂組成物を提供することができる。
全固体二次電池の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、全固体二次電池の外部電極の形成に用いることのできる樹脂組成物である。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)金属粉末、(B)無機固体電解質粉末、(C)樹脂、及び、(D)溶剤を含む。
(A)金属粉末は、導電性を有する金属の粉末であればよく、特に制限されるものではない。(A)金属粉末は、例えば、Ag粉末、Cu粉末、Ni粉末、Pd粉末、及びAgPd粉末からなる群から選択される少なくとも1種の粉末である。この中で好ましいのは、Ag粉末、及び、AgPd粉末である。(A)金属粉末の粒子形状は、特に制限されない。(A)金属粉末の粒子形状は、例えば、球状、粒状、フレーク状、あるいは鱗片状である。(A)金属粉末の粒子径は、特に制限されるものではない。
(B)無機固体電解質粉末は、イオン伝導性を有する無機固体電解質からなる粉末であればよい。(B)無機固体電解質粉末の粒子形状は、特に制限されない。(B)無機固体電解質粉末の粒子形状は、例えば、球状、粒状、フレーク状、あるいは鱗片状である。(B)無機固体電解質粉末の粒子径は、特に制限されるものではない。
樹脂組成物に含まれる(B)無機固体電解質粉末は、全固体二次電池の固体電解質層に含まれる固体電解質と同じ物質を含む粉末であることが好ましい。
(B)無機固体電解質粉末は、例えば、リチウム化合物を含む粉末であることが好ましい。(B)無機固体電解質粉末は、リチウムを含む複合酸化物を含む粉末であることがより好ましい。
(B)無機固体電解質粉末は、例えば、LiPSiO、Li1.5Al0.5Ge1.512、Li1.3Al0.3Ti1.712、Li3.25Al0.25SiO、LiPO、及びLiPSi(式中x、y、zは任意の正数)からなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含む粉末であることが好ましい。
(B)無機固体電解質粉末は、特に好ましくは、LiPSiO、Li1.5Al0.5Ge1.512、及びLi1.3Al0.3Ti1.712からなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含む粉末である。
(C)樹脂は、金属粉末同士を結合するバインダとして用いられる。(C)樹脂は、樹脂組成物を焼成したときに消失するものであればよく、特に制限されるものではない。樹脂組成物に含まれる(C)樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。
(C)樹脂の例として、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルセルロースを挙げることができる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
特に好ましくは、(C)樹脂は、エチルセルロース、アクリル樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
樹脂組成物を焼成したときに(C)樹脂がより確実に消失するようにするため、(C)樹脂の熱分解温度は、(B)無機固体電解質粉末の焼結温度以下であることが好ましい。
(D)溶剤は、例えば、樹脂組成物の粘度調整のために用いられる。(D)溶剤は、樹脂組成物を焼成したときに消失するものであればよく、特に制限されるものではない。
(D)溶剤は、当該分野において公知のものを使用することができる。(D)溶剤の例として、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジヒドロターピネオール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テトラリン及び石油系芳香族炭化水素混合物等の芳香族炭化水素系溶剤;テルピネオール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール等のテルペンアルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;並びにエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、及び水等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記(A)金属粉末、(B)無機固体電解質粉末、(C)樹脂、及び(D)溶剤を混合することによって、本実施形態の樹脂組成物を調製することができる。(A)〜(D)成分を混合する順番は任意であり、(A)〜(D)成分を同時に混合してもよいし、(A)〜(D)成分を順番に加えて混合してもよい。(A)〜(D)成分を混合するためには、流星型撹拌機、ディソルバー、ビーズミル、ライカイ機、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等の公知の混合機を使用することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、全固体二次電池の外部電極形成用ペーストとして用いることができる。
図1は、全固体二次電池の一例を示す断面図である。図1に示すように、全固体二次電池10は、複数の正極活物質層12と、複数の負極活物質層14と、固体電解質層16とを備えている。正極活物質層12と、負極活物質層14は、固体電解質層16を間に挟んで交互に積層されている。
正極活物質層12は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiCuO、LiCoVO、LiMnCoO、LiCoPO、及びLiFePOからなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含むことが好ましい。正極活物質層12に含まれるリチウム化合物は、これらに限定されない。正極活物質層12は、より好ましくは、LiCoO、LiMnO、及びLiMnからなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含む。
負極活物質層14は、Li4/3Ti5/3、LiTiO、及びLiM1M2(M1、M2は遷移金属であり、s、t、uは任意の正数)からなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含むことが好ましい。負極活物質層14に含まれるリチウム化合物は、これらに限定されない。負極活物質層14は、より好ましくは、Li4/3Ti5/3及びLiTiOのうち少なくとも1種を含む。
固体電解質層16は、LiPSiO、Li1.5Al0.5Ge1.512、Li1.3Al0.3Ti1.712、Li3.25Al0.25SiO、LiPO、及びLiPSi(式中x、y、zは任意の正数)からなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含むことが好ましい。固体電解質層16に含まれるリチウム化合物は、これらに限定されない。固体電解質層16は、より好ましくは、LiPSiO8、Li1.5Al0.5Ge1.512、及びLi1.3Al0.3Ti1.712からなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含む。
正極活物質層12、負極活物質層14、及び固体電解質層16は、スクリーン印刷、転写、ドクターブレード等の公知の方法によって積層することができる。正極活物質層12、負極活物質層14、及び固体電解質層16からなる積層体18は、所定の温度で、所定の時間、一括焼成されてもよい。あるいは、積層体18を構成する各層は、個別に焼成されてもよい。例えば、積層体18は、900〜1100℃の温度で、1〜3時間、焼成されてもよい。積層体18の上面及び下面には、必要に応じて、積層体18を保護するためのカバー層20が設けられる。積層体18の両端面には、外部電極22が形成される。正極側の外部電極22aは、複数の正極活物質層12に接続する。負極側の外部電極22bは、複数の負極活物質層14に接続する。なお、このような構成を有する全固体二次電池は公知であり、例えば、国際公開第2008/099468号、及び、特開2016−207540号公報に開示されている。
本実施形態の樹脂組成物は、全固体二次電池10の外部電極22を形成するためのペーストとして用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、図1に示した以外の構成を有する全固体二次電池に適用することもできる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、一括焼成型全固体二次電池に適用することができる。一括焼成とは、積層体18を構成する各層を個別に焼成するのではなく、積層体18を一括して焼成することを意味する。
本実施形態の樹脂組成物は、一括焼成型ではない(積層体18を構成する各層を個別に焼成した)全固体二次電池に適用することもできる。
積層体18の両端面に本実施形態の樹脂組成物を塗布した後、積層体18を例えば900〜1100℃の温度で、1〜3時間焼成する。これにより、樹脂組成物に含まれる金属粉末及び無機固体電解質粉末が焼結して一体化するとともに、樹脂及び溶剤が消失する。
本実施形態の樹脂組成物は、(B)無機固体電解質粉末を含む。
(B)無機固体電解質粉末は、全固体二次電池10の固体電解質層16に含まれている固体電解質と同じ物質を含むことが好ましい。
具体的には、樹脂組成物に含まれる(B)無機固体電解質粉末は、全固体二次電池10の固体電解質層16に含まれているリチウム化合物と同じ組成のリチウム化合物を含むことが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
<樹脂組成物の調製>
以下の(A)〜(E)成分を用いて、樹脂組成物を調製した。
(A)金属粉末
以下の6種類の金属粉末(A1〜A6)を準備した。
(A1)Ag粉末(粒子形状:球状)
球状銀粉は、以下の様に調製した。
硝酸銀(富士フィルム和光純薬(株)製 和光一級)500gをイオン交換水に溶解し、全量2Lの硝酸銀水溶液を調製した。調製した硝酸銀水溶液に更に硝酸(富士フィルム和光純薬(株)製 和光一級)を滴下し、硝酸銀水溶液の25℃でのpHを1〜1.2の範囲に調整した。
還元剤として、L−アスコルビン酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬(株)製 和光特級)270gをイオン交換水に溶解し、1LのL−アスコルビン酸ナトリウム溶液を調製した。
こうして得られた硝酸銀水溶液、及び、L−アスコルビン酸ナトリウム溶液を、70℃に加熱した。次に、硝酸銀水溶液を攪拌しながら、硝酸銀水溶液中にL−アスコルビン酸ナトリウム溶液を加え、液温を70℃に保持したまま30分間反応を行った。30分の反応後、攪拌を停止し、室温まで液を冷却した。液中に生成した銀粉を濾過によって分離した。分離した銀粉を、イオン交換水によって繰り返し洗浄した。洗浄した銀粉を、80℃で16時間乾燥させることによって、球状銀粉を得た。得られた銀粉が球状であることは、電子顕微鏡にて確認した。又、粒径分布測定の結果、得られた銀粉の平均粒径(=体積基準メジアン径:D50)は、約1.1μmであった。得られた銀粉の60%以上(体積基準)は、平均粒径が0.6μmから1.5μmの範囲に入っていた。
(A2) Ag粉末(粒子形状:鱗片状)
鱗片状銀粉は、以下の様に調製した。
(A1)で得られた球状銀粉200gを、2Lのナイロンポット(外径180mmφ)に入れた。更に、このポットに、0.4gのステアリン酸(富士フィルム和光純薬(株)製 和光特級)と、2gのメタノール(富士フィルム和光純薬(株)製 和光特級)を加えた。直径5mmφのジルコニアボールと、直径2mmφのジルコニアボールを、重量比が1:1になるように混合した後、混合した2種類のジルコニアボールを、ナイロンポットの高さ(円柱の内寸の高さ)の半分まで投入した。その後、ナイロンポットを回転させることによって、球状銀粉の処理を行った。ナイロンポットの回転数は、100rpmであった。処理時間は、16時間であった。
目開き42μmの篩を用いて、処理された銀粉からジルコニアボールと粗粉を取り除いた。その後、処理された銀粉を、60℃で2時間乾燥させた。こうして得られた銀粉は、鱗片状であった。銀粉が鱗片状であることは、電子顕微鏡にて確認した。
(A3)Pd粉末(粒子形状:球状)
球状Pd粉末は、以下の様に調製した。
ヒドラジン一水和物(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)50mlにイオン交換水1Lを加えて得られた水溶液を50℃に加熱した。テトラアンミンパラジウム二臭化物(三津和化学薬品工業(株)製)160gをイオン交換水に溶解して得られた水溶液250mlを、前記ヒドラジン一水和物水溶液中に攪拌しながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、水溶液の温度を50℃に維持したまま、更に水溶液を1時間攪拌した。攪拌を停止した後、水溶液を室温まで冷却した。液中に生成したパラジウム粉末を濾過によって分離した。分離したパラジウム粉末を、イオン交換水によって繰りかえし洗浄した。洗浄したパラジウム粉末を、80℃で16時間乾燥させることによって、球状パラジウム粉末を得た。得られたパラジウム粉末が球状であることは、電子顕微鏡にて確認した。又、粒径分布測定の結果、得られたパラジウム粉末の平均粒径(D50)は、約1.3μmであった。得られたパラジウム粉末の60%以上(体積基準)は、平均粒径が0.5μmから1.9μmの範囲に入っていた。
(A4)AgPd粉末(AgとPdの合金粉末、質量比Ag:Pd=85:15、粒子形状:球状)
球状銀パラジウム合金粉は、以下の様に調製した。
水酸化カリウム(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)をイオン交換水に溶解して5mol/Lの水酸化カリウム水溶液を得た。得られた水酸化カリウム水溶液を攪拌しながら加熱して、その温度を40℃に維持した。この水酸化カリウム水溶液に、硝酸銀(富士フィルム和光純薬(株)製 和光一級)、硝酸パラジウム(富士フィルム和光純薬(株)製 和光一級)、及び過酸化水素水(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)を含む混合溶液4Lを1時間かけて滴下した。水酸化カリウム水溶液は、反応層として機能した。滴下した混合溶液に含まれる硝酸銀の濃度は0.532molであり、硝酸パラジウムの濃度は0.068molであり、過酸化水素の濃度は1.40molであった。反応終了後、溶液を室温(25℃)まで冷却した。溶液を静置することによって、溶液中に生成した物質を沈降させた。上澄みをデカンテーションによって取り除いた後、沈殿物にイオン交換水4Lを加えて更に攪拌洗浄した。このような撹拌洗浄を5回繰り返した。洗浄された沈殿物を濾過によって分離した。分離した沈殿物を、温度160℃、3vol%の水素を含む窒素ガス(水素窒素混合ガス)の環境下で2時間加熱し、所望の合金粉末を得た。得られた粉末は、X線構造解析により、パラジウムと銀の合金粉であることを確認した。合金粉の平均粒径(D50)は、約0.4μmであった。得られた合金粉の60%以上(体積基準)は、平均粒径が0.03μmから1.1μmの範囲に入っていた。
(A5)Cu粉末(粒子形状:球状)
球状銅粉は、以下の様に調製した。
硫酸銅五水和物(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)200gを、イオン交換水に攪拌しながら溶解し、1.5Lの硫酸銅水溶液を調製した。この水溶液に、5gの酒石酸ナトリム四水和物(富士フィルム和光純薬(株)製)を添加した後、この水溶液を60℃に加熱した。更に、水酸化ナトリウム(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)をイオン交換水で溶解した4mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mlを、前記水溶液に撹拌しながら加えた。次に、この水溶液に、D-グルコース(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)75g加えて、亜酸化銅粒子を調製した。次に、この水溶液に、ヒドラジン一水和物(富士フィルム和光純薬(株) 試薬特級)50mlを1時間かけて添加した後、更に1時間反応させた。生成した銅粉末を濾過によって分離した。分離した銅粉末を、イオン交換水によって繰り返し洗浄した。洗浄した銅粉末を、90℃で16時間、真空乾燥させた。得られた銅粉末は球状であった。銅粉末が球状であることは、電子顕微鏡にて確認した。粒径分布測定の結果、得られた球状銅粉の平均粒径(D50)は、約1.5μmであった。得られた球状銅粉の60%以上(体積基準)は、平均粒径が0.3から2.0μmの範囲に入っていた。
(A6)Ni粉末(粒子形状:球状)
球状ニッケル粉は、以下のように調製した。
酒石酸カリウムナトリウム四水和物(富士フィルム和光純薬(株)製 和光一級)20gをイオン交換水に溶解し、1Lの酒石酸カリウムナトリウム水溶液を調製した。調製した水溶液を、温度が70℃となるまで加熱した。
硫酸ニッケル六水和物(富士フィルム和光純薬(株)製)をイオン交換水に溶解し、1mol/Lの硫酸ニッケル水溶液を調製した。
ヒドラジン一水和物(富士フィルム和光純薬(株)製 試薬特級)をイオン交換水にて希釈し、4mol/Lのヒドラジン水溶液を調製した。
調製した硫酸ニッケル水溶液250mlと、ヒドラジン水溶液250mlを、それぞれ、毎分50mlの速度で、酒石酸カリウムナトリウム水溶液の層に攪拌しながら同時に滴下した。
滴下開始時に、反応を開始させるために、塩化パラジウム水溶液(塩化パラジウム濃度10g/L)10mlを、すばやく添加した。
反応中の水溶液のpHを反応初期のpHと同じ値に維持するため、濃度4mol/Lの水酸化ナトリウム(富士フィルム和光純薬(株)製 特級試薬)水溶液を、滴下が終了するまで水溶液に加えた。
滴下が終了し、発泡がおさまった後、更に、1mol/Lの硫酸ニッケル水溶液2.5Lと、4mol/Lのヒドラジン水溶液2.5Lを、それぞれ2時間かけて、一定の速度で、同時に滴下した。
反応中のpHが常に一定になるように、水酸化ナトリウム水溶液を反応液中に加えた。
全量の滴下が完了し、反応による発泡が見られなくなった時点で、加温と攪拌を停止し、液温を室温まで降下させた。その後、反応液を静置し、反応液中に生成した金属ニッケル粉を沈降させるとともに、上澄みをデカンテーションによって除去した。更に、沈殿した金属ニッケル粉をイオン交換水によって複数回洗浄した後、金属ニッケル粉を濾過によって分離した。分離した金属ニッケル粉を、90℃で、16時間、真空乾燥した。
以上の操作により、所望の金属ニッケル粉を得た。
電子顕微鏡による観察の結果、得られたニッケル粉は球状であった。又、粒径分布測定の結果、得られた球状ニッケル粉の平均粒径(D50)は、約0.7μmであった。得られた球状ニッケル粉の60%以上(体積基準)は、平均粒径が0.1から1.8μmの範囲に入っていた。
(B)無機固体電解質粉末
以下の3種類の無機固体電解質粉末(B1〜B3)を使用した。
(B1)LSPO
組成式:LiPSiO
(B2)LAGP
組成式:Li1.5Al0.5Ge1.512(株式会社豊島製作所製)
(B3)LATP
組成式:Li1.3Al0.3Ti1.712(株式会社豊島製作所製)
固体電解質LSPOは、下記に示す固相合成法によって調製した。
所定量の炭酸リチウム(日本化学工業株式会社製 品名:高純度炭酸リチウムK)と、シリカ(丸釜釜戸陶料株式会社製 品名:スノーマークSP−3)と、リン酸三リチウム(和光純薬工業株式会社製 試薬)とを準備した。これらの原料に含まれるリチウムとケイ素とリンの元素比率は、Li:Si:P=7:1:1であった。これらの原料を、イオン交換水及びメディアを投入したポットミルにて、16時間混合した。16時間の混合後、混合物からメディアを分離し、スラリーを得た。
このスラリーを、24時間乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物を、乳鉢にて粉砕した。更に、目開き300μmの篩を用いて、乾燥物の粒径を均一化した。この乾燥物を造粒機に投入し、1ton/cmの圧力を加えてペレット状に成形した。その後、ペレット状の乾燥物を、焼成炉にて920℃で4時間焼成し、LSPO焼結体を得た。得られた焼結体を、乳鉢にて粉砕してLSPO粉末を得た。得られたLSPO粉末を目開き100μmの篩に通過させて、LSPO粉末の粒径を均一化した。このLSPO粉末に、アセトンと、メディアを加えて、ポットミルにて16時間の粉砕を行った。粉砕によって得られたスラリーを減圧加熱乾燥した。更に、この乾燥物を、乳鉢にて粉砕した後、目開き100μmの篩を通過させることで、無機固体電解質であるLSPOを含む粉末を得た。
(C)樹脂
以下の3種類の樹脂(C1〜C3)を使用した。
(C1)エチルセルロース樹脂(The Dow Chemical Company製 品名:Ethocel)
(C2)アクリル樹脂(大成ファインケミカル株式会社製 品名:KWE−250TE)
(C3)ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製 品名:BH−3)
(D)溶剤
樹脂(C1)の溶解には、2−エチル−ヘキサノール(富士フィルム和光純薬(株)製)、及び、シェルゾールTK(昭和シェル石油(株)製)の混合溶剤を使用した。これらの混合比は、重量比で1:1である。
樹脂(C2)の溶解には、テキサノール(富士フィルム和光純薬(株)製)を使用した。
樹脂(C3)の溶解には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びエタノール(いずれも富士フィルム和光純薬(株)製)の混合溶剤を使用した。これらの混合比は、重量比で1:1:1である。
又、樹脂組成物の粘度を一定の範囲内(40±3Pa・s)に調整するための希釈剤としても、前記溶剤を用いた。
(E)ガラスフリット
粉末ガラス(旭硝子株式会社製 ASF1780)
以下の表1及び表2に示す割合で、(A)〜(E)成分を混合し、樹脂組成物を調製した。
なお、表1、2中の数字は、各成分の含有量(質量比)を示している。
Figure 2020070308
Figure 2020070308
上記で調製した樹脂組成物を用いて、以下の試験を行った。
<接合強度試験>
LSPO、LAGP及びLATPのいずれかの固体電解質を含む直径3mmφ(厚さ1.5mm)のペレットを準備した。このペレットの一底面に、樹脂組成物を塗布したのち、固体電解質を含む基材の表面に、ペレットを載置した。ペレットの底面と基材とによって挟まれた樹脂組成物の厚みは、0.5mm±0.05mmであった。
次に、前記基材を、室温から150℃まで10℃/hrで昇温し、樹脂組成物に含まれる溶剤をゆっくりと揮発させた。
その後、基材を更に2時間加熱した後、室温まで自然冷却した。このとき、基材がLSPOを含む場合は、基材を850℃に加熱した。基材がLAGPあるいはLATPを含む場合は、基材を1200℃に加熱した。
基材を冷却した後、万能型ボンドテスター(DAGE series4000)を用いて、ペレットに対して横方向に荷重を加え、基材からペレットが剥離したときの荷重の大きさを測定した。また、ペレットの接着跡の面積を、画像解析によって求めた。ペレットが剥離したときの荷重の大きさを、ペレットの接着跡の面積で除することによって、単位面積当たりの接着強度(N/mm2)を算出した。
<XRD測定試験>
基材と樹脂組成物の接合部における副生成物の有無を、XRD測定によって確認した。測定は、以下の様に実施した。
無機固体電解質(LSPO,LAGP,LATP)3種をそれぞれ16mmφのプレス金型に充填した後、1ton/cmの圧力で成型し、無機固体電解質ペレットを得た。
次に、得られた無機固体電解質ペレットを2時間焼成した。このとき、LSPOペレットについては、850℃で焼成した。LAGPペレット及びLATPペレットについては、1200℃で焼成した。更に、無機固体電解質ペレットを、厚み0.3mm±0.1mmとなるように、研磨した。研磨したペレット上に、樹脂組成物を塗布した後、室温から150℃になるまで10℃/hrで昇温し、樹脂組成物をゆっくりと乾燥させた。乾燥した樹脂組成物を研磨し、樹脂組成物層の厚みが0.3mm±0.1mmとなるように調整した。
次に、樹脂組成物を塗布したペレットを、2時間焼成した。このとき、LSPOを含むペレットについては、850℃で焼成した。LAGPあるいはLATPを含むペレットについては、1200℃で焼成した。
焼成後のペレットを、室温まで冷却したのち、乳鉢にて粉砕してサンプルを得た。得られたサンプルについて、XRD測定を行った。XRD測定には、試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製 Ultima−4)を使用した。
未焼成のペレットについても同様の測定を行った。すなわち、樹脂組成物を塗布した未焼成のペレットを乾燥させた後、乳鉢にて粉砕してサンプルを得た。得られたサンプルについて、XRD測定を行った。
焼成前のペレットの測定結果と、焼成後のペレットの測定結果を比較した。
焼成前後でのXRD測定によって得られたピークの変化から、異相の有無を確認した。異相の有無によって、基材と樹脂組成物との接合部における副反応物の生成の有無を確認した。
貴金属(Ag、AgPd、Pd)が含まれる樹脂組成物を塗布及び乾燥した無機固体電解質ペレットについては、大気雰囲気下で焼成した。
卑金属(Ni、Cu)が含まれる樹脂組成物を塗布及び乾燥した無機固体電解質ペレットについては、3vol%の水素を含む水素・窒素混合ガス雰囲気下で焼成を行うことにより、卑金属の酸化を防止した。
XRD測定の結果より、以下のことが分かった。
基材に含まれる無機固体電解質がLSPOであり、樹脂組成物に無機固体電解質粉末が含まれない比較例1においては、XRD測定によって得られたピークに変化は確認されなかった。つまり、ペレットを焼成する前後において、副反応物の生成は確認されなかった。
基材に含まれる無機固体電解質がLSPOであり、樹脂組成物に無機固体電解質粉末が含まれない点は比較例1と同じであるが、樹脂組成物にガラスフリットが含まれる比較例2及び比較例3においては、焼成後において、焼成前とは異なるX線回折ピークが確認された。つまり、ペレットを焼成する前後において、副反応物の生成が確認された。
基材に含まれる無機固体電解質がLSPO、LAGP、またはLATPであり、樹脂組成物に無機固体電解質が含まれる実施例1〜11においては、XRD測定によって得られたピークに変化は確認されなかった。つまり、ペレットを焼成する前後において、副反応物の生成は確認されなかった。
以上の結果より、基材に含まれる無機固体電解質と同じ無機粉末が樹脂組成物に含まれる場合、樹脂組成物を基材に加熱接合した後において、無機固体電解質の組成及び構造が変化していないことが確認された。
基材に含まれる無機固体電解質と異なる無機粉末(比較例2、3のガラスフリット)が樹脂組成物に含まれる場合、樹脂組成物を基材に加熱接合した後において、無機固体電解質の組成及び構造が変化していることが確認された。
上記の違いが生じた理由は、以下のように説明できる。以下の説明は、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
加熱により、無機固体電解質に含まれる元素、あるいは、ガラスフリットに含まれる元素が拡散する。基材及び樹脂組成物に含まれる無機固体電解質が異なる場合、元素が一方向あるいは双方向に拡散するため、無機固体電解質の組成及び/又は構造が変化するものと推察される。このような変化は、基材に含まれる無機固体電解質のリチウムイオン伝導性に悪影響を及ぼす。
本発明に係る樹脂組成物は、好ましくは、基材に含まれる無機固体電解質と同一の無機固体電解質の粉末を含む。この場合、基材に含まれる無機固体電解質の組成及び/又は構造が変化しないため、無機固体電解質のリチウムイオン伝導性が変化しない。この結果、安定した性能を有する全固体二次電池を製造することができる。
<粘度測定試験>
ローター回転粘度計(ブルックフィールド社製、モデル「HBT」、ローター記号「SC」)を使用して、25℃で、回転数10rpmで、樹脂組成物の粘度を測定した。
接合強度試験、XRD測定試験、及び粘度測定試験の結果を、以下の表3及び表4に示す。
Figure 2020070308
Figure 2020070308
<結果の考察>
樹脂組成物に無機固体電解質粉末及びガラスフリットが含まれていない場合、基材の表面に対する樹脂組成物の接合強度が不十分であった(比較例1)。
樹脂組成物に無機固体電解質粉末が含まれている場合は、ガラスフリットが含まれていない場合であっても、基材の表面に対する樹脂組成物の接合強度は十分であった(実施例1〜11)。
樹脂組成物にガラスフリットが含まれている場合は、XRD測定によって異相の存在が確認された(比較例2,3)。この異相は、ガラスフリットと基材に含まれる固体電解質との反応によって生じた副反応物であると推察される。
樹脂組成物にガラスフリットが含まれておらず、かつ、樹脂組成物に無機固体電解質粉末が含まれている場合は(実施例1〜11)、XRD測定によって金属粉末と固体電解質粉末に由来する成分の存在のみが確認された。したがって、実施例1〜11では、基材に含まれる無機固体電解質の化学的な組成が変化していないことが確認された。
10 全固体二次電池
12 正極活物質層
14 負極活物質層
16 固体電解質層
18 積層体
20 カバー層
22、22a、22b 外部電極

Claims (5)

  1. (A)金属粉末、
    (B)無機固体電解質粉末、
    (C)樹脂、及び、
    (D)溶剤
    を含む、樹脂組成物。
  2. (A)金属粉末は、Ag粉末、AgPd粉末、Cu粉末、Pd粉末、及びNi粉末からなる群から選択される少なくとも1種の粉末を含む、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (B)無機固体電解質粉末は、リチウムを含む化合物を含む、請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. (C)樹脂の熱分解温度は、(B)無機固体電解質粉末の焼結温度以下である、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の樹脂組成物によって形成された外部電極を有する、全固体二次電池。
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