JP2020055107A - 成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性および柔軟性を兼ね揃えた樹脂層を有する成形体を提供すること。【解決手段】アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層(I)と極性樹脂からなる層(II)とを有する成形体であって、アクリル系ブロック共重合体は、アクリル酸エステル重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有し、重量平均分子量が10,000〜200,000であり、重合体ブロック(a2)の含有量が10〜65質量%であり、前記アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、3mm厚みの全光線透過率が90%以上であり、前記極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であり、引張動的粘弾性測定で23℃、周波数11Hzで測定したtanδが0.20以上である、成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層と極性樹脂からなる層とを有する成形体およびその製造方法に関する。
自動車、建築材料、電気製品、日用品、その他のあらゆる分野において硬質プラスチックと軟質材料との複合製品が広く使用されている。例えば、携帯電話などの電子機器を衝撃から保護するための保護部材(ケースやカバー等)として、ハードタイプのものではポリカーボネート等が使用され、ソフトタイプのものではポリ塩化ビニル、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が使用されており、一部、ハードタイプとソフトタイプを一体化したものも使用されている。また、ソフトタイプの材料は衝撃吸収材料として各社から提案されている。
例えば、特許文献1では、防振材、衝撃吸収材、カバー材、緩衝材などの用途に好適なスチレン系熱可塑性エラストマー組成物が検討されている。特許文献2では、極性基材樹脂との溶融接着性に優れ、該基材樹脂層表面に被覆あるいは接合して表面が軟質な手触りで、弾力性、防振性、破壊防止機能等が付与された熱可塑性樹脂配合物が検討されている。特許文献3では、各種電子装置などを衝撃や振動から保護するためのエラストマー組成物からなる衝撃吸収材料が検討されている。特許文献4では、柔軟性、透明性、基材との密着性に優れ、同程度のスチレン系エラストマーと比較して制振性に優れたアクリル系ブロック共重合体が検討されている。
特開2000−169666号公報 特開2009−91384号公報 特開2010−275457号公報 特開2009−79120号公報
しかしながら、特許文献1〜3には、組成物の透明性に関する記載が無く、透明性を要する用途に対しては不適当であった。また、特許文献4には、アクリル系ブロック共重合体を用いた用途が幅広く書かれているものの具体的ではなく、極性樹脂との接着性に関する記載もない。そのため透明性、衝撃吸収性及び極性樹脂との接着性を兼ね揃えた組成物が得られず、改良の余地があった。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性および柔軟性を兼ね揃えた樹脂層を有する成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究をした結果、特定のアクリル系ブロック共重合体を用いた場合に、透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性および柔軟性を兼ね備えた樹脂層を有する成形体が得られることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
即ち本発明は、
[1]アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層(I)と極性樹脂からなる層(II)とを有する成形体であって、
前記アクリル系ブロック共重合体は、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有し、重量平均分子量が10,000〜200,000であり、重合体ブロック(a2)の含有量が10〜65質量%であり、
前記アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、3mm厚みの全光線透過率が90%以上であり、前記極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であり、引張動的粘弾性測定で23℃、周波数11Hzで測定したtanδが0.20以上である、成形体;
[2]前記極性樹脂の溶解度パラメーターが8〜13(cal/cm1/2である、[1]に記載の成形体;
[3]前記極性樹脂の23℃の曲げ弾性率が2,000〜3,500MPaである、[1]または[2]に記載の成形体;
[4]前記極性樹脂の3mm厚みの全光線透過率が88%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の成形体;
[5]前記アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂の23℃のA硬度が20〜75である、[1]〜[4]のいずれかに記載の成形体;
[6]層(I)の厚みが0.1〜10mmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の成形体;
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であって、射出成形または押出成形によって製造する、製造方法;
に関する。
本発明によれば、上記構成をとることにより、透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性および柔軟性を兼ね揃えた樹脂層を有する成形体が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成形体は、アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層(I)と極性樹脂からなる層(II)とを有する。ここで、アクリル系ブロック共重合体は、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有し、重量平均分子量が10,000〜200,000であり、重合体ブロック(a2)の含有量が10〜65質量%以下である。また、アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、3mm厚みの全光線透過率が90%以上であり、前記極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であり、引張動的粘弾性測定で23℃、周波数11Hzで測定したtanδが0.20以上である。
[アクリル系ブロック共重合体]
本発明におけるアクリル系ブロック共重合体は、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造、すなわち、(a2)−(a1)−(a2)の構造(構造中「−」は、化学結合を示す)を分子内に少なくとも1つ有する。
重合体ブロック(a1)におけるアクリル酸エステル単位の含有量は、通常60質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。当該アクリル酸エステル単位となるアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチルなどを挙げることができる。これらのアクリル酸エステルの中でも、柔軟性を向上させる観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチルなどのアクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。重合体ブロック(a1)は、これらのアクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。
また、本発明の目的および効果の妨げにならない限りにおいて、重合体ブロック(a1)は、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル等の反応基を有するアクリル酸エステルに由来する単位;または、下記メタクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリル酸、芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、オレフィン等のアクリル酸エステル以外の他の重合性単量体に由来する単位;などを共重合成分として含んでいてもよい。これら反応基を有するアクリル酸エステルに由来する単位または他の重合性単量体に由来する単位は本発明の効果を発現させる観点から少量であることが好ましく、重合体ブロック(a1)における両者の合計の含有量は好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
重合体ブロック(a2)におけるメタクリル酸エステル単位の含有量は、通常60質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。当該メタクリル酸エステル単位となるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチルなどを挙げることができる。これらのメタクリル酸エステルの中でも、透明性、耐熱性を向上させる観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。重合体ブロック(a2)は、これらのメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。
また、本発明の目的および効果の妨げにならない限りにおいて、重合体ブロック(a2)は、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル等の反応基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位;または、前記アクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリル酸、芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、オレフィン等のメタクリル酸エステル以外の他の重合性単量体に由来する単位;などを共重合成分として含んでいてもよい。これら反応基を有するメタアクリル酸エステルに由来する単位または他の重合性単量体に由来する単位は少量であることが好ましく、重合体ブロック(a2)における両者の合計の含有量は好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
アクリル系ブロック共重合体の分子鎖形態は、重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれ重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有する限り、特に限定されることはなく、例えば、線状、分枝状、放射状などのいずれでもよいが、、中でも(a2)−(a1)−(a2)で表されるトリブロック体が好ましい。ここで、(a1)の両端の(a2)の分子量、組成などは同じであってもよいし、相互に異なっていてもよい。なお、本発明の目的および効果の妨げにならない限りにおいて、層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は前記アクリル系ブロック共重合体と共に、(a2)−(a1)で表されるアクリル系ジブロック共重合体をさらに含んでいてもよい。
本発明の目的および効果の妨げにならない限りにおいて、アクリル系ブロック共重合体は、これらの重合体ブロック(a1)および(a2)とは別の重合体ブロックとして、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル以外の単量体から誘導される重合体ブロック(c)を有してもよい。重合体ブロック(c)と上記重合体ブロック(a1)および重合体ブロック(a2)との結合の形態は特に限定されないが、例えば、(a2)−((a1)−(a2))−(c)や、(c)−(a2)−((a1)−(a2))−(c)などの構造(nは1〜20の整数である)が挙げられる。
上記重合体ブロック(c)を構成する単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテンなどのオレフィン;1,3−ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどの共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの芳香族ビニル;酢酸ビニル、ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ε−カプロラクトン、バレロラクトンなどを挙げることができる。
本発明に用いるアクリル系ブロック共重合体は、必要に応じて、分子鎖中または分子鎖末端に水酸基、カルボキシル基、酸無水物、アミノ基などの官能基を有していてもよい。
アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、得られる層(I)の透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性の観点から、10,000〜200,000である。上記観点からアクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、30,000〜180,000であるのが好ましく、50,000〜160,000であるのがより好ましい。アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が10,000以上であると、射出成形または押出成形において十分な溶融張力を保持でき、良好な成形体が得られる。また、得られる成形体の破断強度などの力学物性が優れたものとなる。一方、アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が200,000以下であると、射出成形または押出成形で得られる成形体の表面に微細なシボ調の凹凸や未溶融物(高分子量体)に起因するブツが発生しにくく、外観に優れる成形体が得られやすい。
また、アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、1.01以上1.50未満の範囲内にあるのがよく、1.01以上1.35以下の範囲内にあるのがより好ましい。このような範囲を取ることにより、層(I)におけるブツ発生の原因となる未溶融物の含有量を極めて少量とすることができる。
なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算のものであり、実施例において後述する方法により測定することができる。
アクリル系ブロック共重合体における重合体ブロック(a2)の含有量は、透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性の観点から、10〜65質量%であり、15〜60質量%であることが好ましい。アクリル系ブロック共重合体における重合体ブロック(a2)の含有量が上記範囲より小さい場合には、層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂の膠着感が増加し、成形材料として適さなくなる傾向がある。一方、アクリル系ブロック共重合体における重合体ブロック(a2)の含有量が上記範囲より大きい場合には、層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂が硬くなり、また、衝撃吸収性が失われ、更に極性樹脂との接着性が低下する傾向がある。
アクリル系ブロック共重合体の製造方法としては、特に限定されず、公知の手法に準じた方法を採用することができる。例えば、各ブロックを構成する単量体をリビング重合する方法が一般に使用される。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(特公平7−25859号公報参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報参照)、有機希土類金属錯体を重合開始剤として重合する方法(特開平6−93060号公報参照)、α−ハロゲン化エステル化合物を開始剤として銅化合物の存在下ラジカル重合する方法(マクロモレキュラケミカルフィジックス(Macromol. Chem. Phys.)201巻,1108〜1114頁(2000年)参照)などが挙げられる。また、多価ラジカル重合開始剤や多価ラジカル連鎖移動剤を用いて、各ブロックを構成するモノマーを重合させ、アクリル系ブロック共重合体を含有する混合物として製造する方法なども挙げられる。これらの方法中、特に、アクリル系ブロック共重合体が高純度で得られ、また分子量や組成比の制御が容易であり、かつ経済的であることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法が推奨される。
上記アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)を製造する際に用いるアクリル酸エステルは、予め2種以上を混合した混合モノマーとしてもよく、アクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸芳香族エステルの混合モノマーとすることが好ましい。この場合、アクリル酸アルキルエステル50〜90質量%とアクリル酸芳香族エステル50〜10質量%の混合モノマーであることが好ましく、アクリル酸アルキルエステル60〜80質量%とアクリル酸芳香族エステル40〜20質量%の混合モノマーであることがより好ましい。
[アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂]
本発明における層(I)は、アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる。層(I)を構成する上記樹脂は、アクリル系ブロック共重合体のみからなるものであってもよいし、アクリル系ブロック共重合体とそれ以外の成分とを含む樹脂組成物であってもよい。当該樹脂組成物におけるアクリル系ブロック共重合体以外の成分の種類は特に制限されず、後述するような各種重合体、添加剤、フィラーなどが挙げられる。層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂におけるアクリル系ブロック共重合体の含有量は、55質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、100質量%であってもよい。
上記の樹脂組成物におけるアクリル系ブロック共重合体以外の成分としては、メタクリル酸エステル単位を主体とするアクリル系重合体が好ましい。
上記アクリル系重合体は、メタクリル酸エステル単位を80質量%以上含有するものが好ましく、90質量%以上含有するものが好ましい。メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−へキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルネニル、メタクリル酸イソボニルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
上記アクリル系重合体は、メタクリル酸エステル単位以外の他の単量体単位を含有していてもよい。係る他の単量体単位となる単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−へキシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ノルボルネニル、アクリル酸イソボニルなどのアクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテンなどのオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどの共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
上記アクリル系重合体の製造方法は特に限定されない。また、アクリル系重合体として市販品を用いてもよい。係る市販品としては、例えば「パラペットH1000B」(MFR:22g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットGF」(MFR:15g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットEH」(MFR:1.3g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットHRL」(MFR:2.0g/10分(230℃、37.3N))、「パラペットHRS」(MFR:2.4g/10分(230℃、37.3N))及び「パラペットG」(MFR:8.0g/10分(230℃、37.3N))[いずれも商品名、株式会社クラレ製]などが挙げられる。
上記の樹脂組成物が上記アクリル系重合体を含有する場合、その含有量は、好ましくは1〜45質量%であり、より好ましくは3〜30質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。
上記の樹脂組成物は、アクリル系ブロック共重合体及び上記アクリル系重合体の他に、必要に応じて他の重合体を含有していてもよい。他の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;メチルメタクリレート−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマー等のポリアミド樹脂;エステル系ポリウレタンエラストマー、エーテル系ポリウレタンエラストマー、無黄変エステル系ポリウレタンエラストマー、無黄変カーボネート系ポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、シリコーンゴム変性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル系ブロック共重合体との相溶性の観点から、AS樹脂、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
さらに、上記の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、公知の各種添加剤(例えば、ゴム、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤など)、フィラー(例えば、ガラス繊維等の繊維補強剤、無機充填剤など)等を含有してもよい。添加剤として含有させうるゴムの例としては、アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;SEPS、SEBS、SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、EPDM等のオレフィン系ゴム等が挙げられ、これらを1種以上使用することができる。他の添加剤やフィラーの例としては、成形加工時の流動性を向上させるためのパラフィン系オイル、ナフテン系オイルなどの鉱物油軟化剤;耐熱性、耐候性等の向上または増量などを目的とする炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの無機充填剤;補強のためのガラス繊維、カーボン繊維などの無機繊維または有機繊維;熱安定剤;酸化防止剤;光安定剤;粘着剤;粘着付与剤;可塑剤;帯電防止剤;発泡剤;着色剤;染色剤などを挙げることができる。これらの添加剤の中でも、耐熱性、耐候性をさらに良好なものとするために、熱安定剤、酸化防止剤などを添加することが実用上好ましい。
層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂の透明性は、3mm厚みの全光線透過率が90%以上であり、好ましくは91%以上であり、より好ましくは92%以上である。3mm厚みの全光線透過率が90%以上であれば、射出成形または押出成形によって製造された層(I)と層(II)とを有する成形体の透明性が良好になり意匠性が優れる。当該3mm厚みの全光線透過率は、層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂を射出成形して得られる厚み3mmの成形品を用いてヘイズメーターにより測定することができ、具体的には実施例において後述する方法により測定することができる。
層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、層(II)を構成する極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であり、好ましくは60N/40mm以上であり、より好ましくは70N/40mm以上である。極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であれば、層(I)と極性樹脂からなる層(II)との接着性が良好になり、十分な強度を有する成形体を得ることができる。上限については特に限定されず高ければ高いほどよいが、通常800N/40mm以下である。当該極性樹脂との接着力は、極性樹脂からなる厚み1mmの層に対してインサート成形によりアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層を積層させた100mm×40mm、合計厚み2mmの成形体について、ISO 11339に準拠して測定することができ、具体的には実施例において後述する方法により測定することができる。
層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、引張動的粘弾性測定で23℃、周波数11Hzで測定したtanδが0.20以上であり、好ましくは0.21以上であり、より好ましくは0.22以上である。当該tanδが0.20以上であれば、層(I)が衝撃吸収性に優れたものとなるため、得られる本発明の成形体は衝撃吸収性に優れ、例えば、電子機器を衝撃から保護するための保護部材(ケースやカバー等)として好適に使用できる。上限については特に限定されないが、通常3.0以下である。上記tanδは粘弾性測定装置により測定することができ、具体的には実施例において後述する方法により測定することができる。
層(I)を構成するアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、23℃のA硬度が好ましくは20〜75であり、より好ましくは22〜73あり、さらに好ましくは24〜71である。23℃のA硬度が20〜75であれば、層(I)の柔軟性が向上し、得られる成形体の柔軟性も向上する。
層(I)を構成する上記樹脂がアクリル系ブロック共重合体とそれ以外の成分とを含む樹脂組成物である場合、当該樹脂組成物を調製する方法は特に制限されないが、各成分の分散性を高めるため、溶融混練して混合する方法が推奨される。例えば、アクリル系ブロック共重合体と上記アクリル系重合体とを含む樹脂組成物を調製する場合、アクリル系ブロック共重合体とアクリル系重合体とを溶融混練すればよい。ここで、当該樹脂組成物に上記した他の重合体、添加剤、フィラー等を配合する場合には、アクリル系ブロック共重合体とアクリル系重合体との溶融混練と同時にこれらの成分を混合してもよいし、アクリル系ブロック共重合体を、これらの成分とともに混合後、上記アクリル系重合体と混合してもよい。
混合操作は、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの既知の混合または混練装置を使用して行うことができる。特に、アクリル系ブロック共重合体とアクリル系重合体との混練性、相溶性を向上させる観点から、二軸押出機を使用することが好ましい。混合・混練時の温度は、使用するアクリル系ブロック共重合体およびアクリル系重合体の溶融温度などに応じて適宜調節するのがよく、通常110〜300℃の範囲内の温度で混合するとよい。このようにして、アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂組成物を、ペレット、粉末などの任意の形態で得ることができる。このようにして得られた樹脂組成物を後述の方法で成形して層(I)を得ることができる。
[極性樹脂]
層(II)を構成する極性樹脂としては、極性重合体を含む樹脂を用いることができる。当該極性樹脂は極性重合体のみからなるものであってもよいし、極性重合体とそれ以外の成分とを含む極性樹脂組成物であってもよい。当該極性樹脂組成物における極性樹脂以外の成分の種類は特に制限されず、層(I)を構成する樹脂において言及したような各種重合体、添加剤、フィラーなどが挙げられる。層(II)を構成する極性樹脂における極性重合体の含有量は、55質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、100質量%であってもよい。
層(II)を構成する極性樹脂としては熱可塑性の硬質極性樹脂を用いることができ、例えば、エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;メチルメタクリレート−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、無黄変エステル系ポリウレタン、無黄変カーボネート系ポリウレタン等のポリウレタン樹脂;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらの中でも、層(I)との接着性の観点から、ポリカーボネート、ポリスチレン及び硬質アクリル樹脂が好ましい。
極性樹脂は、溶解度パラメーターが8〜13(cal/cm1/2の範囲にあるものが好ましい。溶解度パラメーターが8〜13(cal/cm1/2の範囲内であれば、層(I)との接着性が良好になる。なお、本明細書において、溶解度パラメーターは実施例に記載の方法で定めるものとする。
極性樹脂は、23℃の曲げ弾性率が2,000〜3,500MPaであるものが好ましく、より好ましくは2,200〜3,300MPaであり、さらに好ましくは2,300〜3,000MPaである。23℃の曲げ弾性率が2,000〜3,500MPaであれば、極性樹脂からなる層(II)の剛性が向上し、得られる成形体の剛性も良好なものとなる。
極性樹脂は、3mm厚みの全光線透過率が88%以上であるものが好ましく、より好ましくは89%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。3mm厚みの全光線透過率が88%以上であれば、極性樹脂からなる層(II)の透明性が良好なものとなり、得られる成形体の透明性も良好なものとなり意匠性に優れる。当該3mm厚みの全光線透過率は、層(II)を構成する極性樹脂を射出成形して得られる厚み3mmの成形品を用いてヘイズメーターにより測定することができ、具体的には実施例において後述する方法により測定することができる。
[成形体]
本発明の成形体は、上記したアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層(I)と極性樹脂からなる層(II)とを有するものである。本発明においては、層(I)及び層(II)以外に他の層を有していてもよいが、層(I)と層(II)は隣接していることが好ましい。
本発明の成形体は、透明性、柔軟性、衝撃吸収性に優れる層(I)を有している。一方、層(II)により本発明の成形体に透明性、剛性を付与させることができる。そのため、本発明の成形体は、透明性に優れるとともに、層(II)により剛性を有しつつも、層(I)により柔軟性、衝撃吸収性にも優れるという特性を併せ持つことができる。
本発明の成形体を構成する層(I)及び層(II)の厚みは特に限定されないが、成形体が柔軟性、衝撃吸収性に優れる観点から、層(I)の厚みは、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜5mmがより好ましく、0.5〜3mmがさらに好ましく、0.7〜2mm、さらには1〜1.5mmであってもよい。また層(II)の厚みは、0.3〜10mmが好ましく、0.5〜5mmがより好ましく、1〜3mmがさらに好ましい。
本発明の成形体は、一般に用いられている成形加工方法や成形加工装置を用いて成形加工することができる。例えば、押出成形、押出しラミネート、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形などの加熱溶融を経る成形加工法、溶液キャスト方法などによって層(I)および層(II)の少なくとも一方を形成することにより本発明の成形体を製造することができる。これらの中でも、本発明の成形体は、射出成形または押出成形によって製造することが好ましい。ここで本発明の成形体を射出成形または押出成形によって製造する場合、層(I)および層(II)の少なくとも一方を射出成形または押出成形すればよく、例えば上記樹脂組成物を用いて層(I)を形成する場合には、当該樹脂組成物を用いて射出成形または押出成形すればよい。
本発明の成形体を製造するための具体的な方法としては、例えば、層(I)および層(II)を予め別個に成形しておき、これらを積層させる方法(方法1);予め製造しておいた層(II)に溶融状態のアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物)を配して層(I)を形成する方法(方法2);予め製造しておいた層(I)に溶融状態の極性樹脂を配して層(II)を形成する方法(方法3);溶融状態のアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物)と溶融状態の極性樹脂とを共押出等の手法により互いに配して層(I)および層(II)を形成する方法(方法4)などが挙げられる。これらの中でも層(I)と層(II)との間の接着力が向上することなどから、方法2〜4が好ましく、目的とする成形体が容易に得られることなどから方法2がより好ましい。また、アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は溶融流動性に優れるため、射出成形により層(I)を形成することが好ましく、特に、予め成形しておいた層(II)を金型に配置した上で溶融状態のアクリル系ブロック共重合体を含む樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物)を射出するインサート成形を採用することがより好ましい。
[用途]
本発明の成形体の用途は特に限定されないが、上記特性を有する点から光学分野、食品分野、医療分野、民生分野、自動車分野、電気・電子分野、建築分野などの多岐の用途で利用することができる。例えば、スマートフォン端末等の電子機器用保護部材(ケースやカバー等)として、衝撃吸収性に優れるため、落下による衝撃や衝突に伴う破損からスマートフォン端末等を保護することが可能であり、また、透明性、柔軟性に優れるためデザインや意匠性の付与が可能であり、脱着も容易である。他の用途としては、各種ケース・カバー、各種端子板、プリント配線板、スピーカー、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計、VTR、プロジェクションTV等のファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズ、各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板保護フィルム、光スイッチ、光コネクター、液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイ用導光フィルム・シート、フラットパネルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ用導光フィルム・シート、プラズマディスプレイ、プラズマディスプレイ用導光フィルム・シート、位相差フィルム・シート、偏光フィルム・シート、偏光板保護フィルム・シート、波長板、光拡散フィルム・シート、プリズムフィルム・シート、反射フィルム・シート、反射防止フィルム・シート、視野角拡大フィルム・シート、防眩フィルム・シート、輝度向上フィルム・シート、液晶やエレクトロルミネッセンス用途の表示素子基板、タッチパネル、タッチパネル用導光フィルム・シート、各種前面板と各種モジュール間のスペーサーなどに好適に適用可能である。さらには携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどにも用いることができる。また、衝撃吸収性や極性樹脂接着に優れている点から、例えば建築用内・外装用部材、カーテンウォール、屋根用部材、屋根材、窓用部材、雨どい、エクステリア類、壁材、床材、造作材、道路建設用部材、再帰反射フィルム・シート、農業用フィルム・シート、照明カバー、看板、透光性遮音壁などの複層品にも使用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらにより何ら限定されない。なお、実施例および比較例中の各種物性は以下の方法により測定または評価した。
(1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下GPCと略記する)によりポリスチレン換算分子量で求めた。詳細は以下のとおりである。
・装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
・分離カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
(2)各重合体ブロックの構成割合
アクリル系ブロック共重合体における各重合体ブロックの構成割合および各重合体ブロックの組成比は、H−NMR(H−核磁気共鳴)測定によって求めた。詳細は以下のとおりである。
・装置:日本電子株式会社製 核磁気共鳴装置「JNM−LA400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
(3)層(I)を構成する樹脂の極性樹脂との接着性
実施例及び比較例で得られた成形体(極性樹脂からなる厚み1mmの層に対してインサート成形により層(I)を構成する樹脂からなる層を積層させた100mm×40mm、合計厚み2mmの成形体)について、引張り試験機(インストロン製)により、ISO 11339に準拠して、層(I)と層(II)との間の接着力を剥離速度100mm/分で測定し、これを層(I)を構成する樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物など)の極性樹脂との接着力とした。
(4)透明性
以下の実施例または比較例において、層(I)を構成する樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物など)および極性樹脂のそれぞれについて、射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE18DU」)により、下記のシリンダー温度および金型温度で、50mm×50mm、厚み3mmの成形体を作製し、直読へイズメーター(日本電色製)により、ISO 13468−1に準拠して全光線透過率を測定し、これを透明性の指標とした。
・シリンダー温度:210℃(実施例または比較例において層(I)を構成する樹脂)、230℃(ポリスチレン、PMMA)、290℃(ポリカーボネート)
・金型温度:50℃(実施例または比較例において層(I)を構成する樹脂)、60℃(ポリスチレン、PMMA)、90℃(ポリカーボネート)
(5)動的粘弾性(衝撃吸収性)
以下の実施例または比較例において、層(I)を構成する樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物など)を用いて、下記のプレス成形温度で、縦20mm、横5mm、厚み1mmのシートを作製した。得られたシートについて、粘弾性スペクトロメーター「Rheogel−E4000」(株式会社ユービーエム製)を用い、周波数11Hz、測定温度−100〜250℃の測定条件にて動的粘弾性測定を行い、23℃の損失正接(tanδ)を測定した。
・プレス成形温度:210℃
(6)A硬度
以下の実施例または比較例において、層(I)を構成する樹脂(アクリル系ブロック共重合体ないしそれを含む樹脂組成物など)を用いて、射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE18DU」)により、下記のシリンダー温度および金型温度で、50mm×50mm、厚み3mmの成形体を作製した。得られた成形体を3枚重ね合わせ、ISO 7619−1に準拠して15秒後のA硬度を測定した。
・シリンダー温度:210℃
・金型温度:50℃
(7)溶解度パラメーター
極性樹脂の溶解度パラメーターは、「ポリマーハンドブック 第4 版」(ウィリーインターサイエンス社編)に記載の数値[(MPa)1/2]を参考にして、その数値を単位換算[(cal/cm1/2]したものを使用した。また、「ポリマーハンドブック」に記載されていない樹脂の溶解度パラメーターは、「K.L.Hoy,Journal of Paint Technology,42(541),76(1970)」等の文献で報告されている分子構造から推算するHoyの計算方法により数値[(MPa)1/2]を算出し、上記同様の単位換算[(cal/cm1/2]したものを使用した。
(8)曲げ弾性率
極性樹脂の23℃の曲げ弾性率は、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「UH1000−80」)により、(4)に記載の各極性樹脂の射出温度(シリンダー温度および金型温度)条件で、80mm×10mm、厚み4mmの成形体を作製した。得られた成形体について、ISO 178に準拠し、曲げ弾性率を測定した。
以下の実施例および比較例で用いた極性樹脂の各物性値を表1に示す。
Figure 2020055107
ポリカーボネート(PC):ユーピロンS2000(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社)
ポリスチレン(PS):SX100(PSジャパン株式会社)
PMMA:パラペットHR−L(株式会社クラレ)
以下に示す合成例においては、化合物は常法により乾燥精製し、窒素にて脱気したものを使用した。また、化合物の移送および供給は窒素雰囲気下で行った。
[合成例1][有機アルミニウム化合物:イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの調製]
ナトリウムで乾燥後、アルゴン雰囲気下に蒸留して得た乾燥トルエン25mlと、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール11gを、内部雰囲気をアルゴンで置換した内容積200mlのフラスコ内に添加し、室温で攪拌しながら溶解した。得られた溶液にトリイソブチルアルミニウム6.8mlを添加し、80℃で約18時間攪拌することによって、対応する有機アルミニウム化合物[イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム]を0.6mol/lの濃度で含有するトルエン溶液を調製した。
[合成例2][アクリル系ブロック共重合体(A1)の合成]
合成例1で得たイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの存在下、sec−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、トルエン中で各ブロックに相当するモノマー(メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル)を逐次添加してリビングアニオン重合し、用いたアルミニウム分、リチウム分を除去後、脱揮二軸押出機によりアクリル系ブロック共重合体(A1)のペレットを得た。
得られたアクリル系ブロック共重合体(A1)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)23.5質量%、重量平均分子量70,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.20であった。
[合成例3][アクリル系ブロック共重合体(A2)の合成]
合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A2)のペレットを得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A2)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)30.5質量%、重量平均分子量60,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.15であった。
[合成例4][アクリル系ブロック共重合体(A3)の合成]
合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A3)のペレットを得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A3)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)38.5質量%、重量平均分子量65,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.10であった。
[合成例5][アクリル系ブロック共重合体(A4)の合成]
合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A4)のペレットを得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A4)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)16.0質量%、重量平均分子量140,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.10であった。
[合成例6][アクリル系ブロック共重合体(A5)の合成]
用いるモノマーの種類を変えたこと以外は合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A5)のペレットを得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A5)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸2−エチルヘキシル重合体ブロック(P2EHA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)22.8質量%、重量平均分子量76,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.13であった。
[合成例7][アクリル系ブロック共重合体(A6)の合成]
用いるモノマーの比率を変えたこと以外は合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A6)のペレットを得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A6)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル/アクリル酸メチル共重合体ブロック(P(nBA/MA))−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)16.0質量%、重量平均分子量150,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.20であった。
[合成例8][アクリル系ブロック共重合体(A7)の合成]
合成例2と同様にしてリビングアニオン重合を行い、以下のアクリル系ブロック共重合体(A7)を得た。
すなわち得られたアクリル系ブロック共重合体(A7)の構造は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体であり、PMMA含量(重合体ブロック(a2)の含有量)50.0質量%、重量平均分子量62,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)1.12であった。
[実施例1〜8]
層(I)を構成する樹脂として、合成例2〜7で得られたアクリル系ブロック共重合体(A1)〜(A6)、または、前記アクリル系ブロック共重合体とアクリル系重合体(「パラペットGF」(株式会社クラレ製))を用いて、下記の表2に示す配合割合で、二軸押出機により230℃で溶融混錬した後、押出し、切断することによって得られた樹脂を用いた。これと層(II)を構成する樹脂として、表1に記載する極性樹脂を用い、射出成形機(日精樹脂工業株式会社「UH1000−80」)を用いて、100mm×40mm、合計厚み2mmのインサート接着成形体を作製した。インサート接着成形体の作製方法としては、前記射出成形機により、(4)に記載の各極性樹脂の射出温度(シリンダー温度および金型温度)条件で、100mm×40mm、厚み1mmの層(II)の成形体を予め複数枚作製し、得られた層(II)の成形体を、100mm×40mm、厚み2mmの射出成形金型にセットし、シリンダー温度:210℃、金型温度:50℃でその隙間に層(I)を構成する樹脂を射出して、インサート接着成形体を作製した。
得られた成形体について、上記(3)に従って、層(I)と層(II)との間の接着力を測定した。また、上記(4)〜(6)に従って、層(I)を構成する樹脂の物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
層(I)を構成する樹脂を表3に記載の通りに変更した以外は実施例と同様の方法で成形体を製造し、その物性を評価した。得られた結果を表3に示す。なお、比較例2〜4で用いた樹脂は以下の通りである。
熱可塑性エラストマー:「ハイブラー7125(株式会社クラレ製)」
熱可塑性ポリウレタンエラストマー:「エラストラン1198A(BASF社製)」
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(無黄変):「ミラクトランXN2004(東ソー株式会社製)」
Figure 2020055107
Figure 2020055107
上記表2および3の結果から、本発明の実施例1〜8で得られた成形体における層(I)は、透明性、PCに対する接着性および柔軟性が良好であることが分かる。実施例2においては、PS、PMMAへの接着性も良好であり、その他の実施例についても同様の効果が得られると考えられる。また、実施例1〜8では層(I)の衝撃吸収性が優れており、特に実施例6では顕著に優れている。さらに、硬度も低く、柔軟性にも優れている。以上より、実施例1〜8の成形体は透明性、衝撃吸収性、柔軟性に優れるものである。
これに対して比較例1は、透明性は良好であるがその他の性能が劣る。比較例2は、アクリル系ブロック共重合体を含有していない熱可塑性エラストマーであり、透明性が劣る。比較例3及び4は、アクリル系ブロック共重合体を含有していない熱可塑性ポリウレタンエラストマーであり、柔軟性が劣る。比較例4については、衝撃吸収性にも劣る。
本発明によれば、透明性、衝撃吸収性、極性樹脂との接着性および柔軟性を兼ね揃えた樹脂層を有する成形体を提供でき、光学分野、食品分野、医療分野、民生分野、自動車分野、電気・電子分野、建築分野などの多岐の用途で利用することができる。

Claims (7)

  1. アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂からなる層(I)と極性樹脂からなる層(II)とを有する成形体であって、
    前記アクリル系ブロック共重合体は、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有し、重量平均分子量が10,000〜200,000であり、重合体ブロック(a2)の含有量が10〜65質量%であり、
    前記アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂は、3mm厚みの全光線透過率が90%以上であり、前記極性樹脂との接着力が剥離速度100mm/分で50N/40mm以上であり、引張動的粘弾性測定で23℃、周波数11Hzで測定したtanδが0.20以上である、成形体。
  2. 前記極性樹脂の溶解度パラメーターが8〜13(cal/cm1/2である、請求項1に記載の成形体。
  3. 前記極性樹脂の23℃の曲げ弾性率が2,000〜3,500MPaである、請求項1または2に記載の成形体。
  4. 前記極性樹脂の3mm厚みの全光線透過率が88%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
  5. 前記アクリル系ブロック共重合体を含む樹脂の23℃のA硬度が20〜75である、請求項1〜4のいずれかに記載の成形体。
  6. 層(I)の厚みが0.1〜10mmである、請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の成形体の製造方法であって、射出成形または押出成形によって製造する、製造方法。
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