JP2020052305A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的短い時間で、液晶分子を適度なプレチルト角で十分に配向させ得る液晶表示素子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ電極を備える一対の基板と、基板間に配置された垂直配向型の液晶層とを備える液晶表示素子を製造する方法である。この液晶表示素子の製造方法は、一対の基板を、液晶分子及び重合性モノマを含有する液晶組成物を介して、電極同士が対向するように配置する工程と、液晶組成物に印加する電圧を、液晶分子の閾値電圧より高い第1の電圧に保持する工程と、電圧を閾値電圧より高いが第1の電圧より低い第2の電圧に低下させた後、第2の電圧に保持した状態で、液晶組成物に活性エネルギー線を照射することにより、重合性モノマを重合させて液晶層を得る工程とを有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示素子の製造方法に関する。
液晶表示素子には、その特性を改善することを目的として、液晶層を構成する液晶組成物中に、PSA(Polymer Sustained Alignment)等の重合性モノマを混合して、液晶分子の配向状態を制御することがある。
従来、重合性モノマの重合は、液晶組成物に印加する電圧を0Vから所定の値に連続的又は段階的に上昇させ、上昇させた電圧に保持した状態で、UV照射することにより行われる(例えば、特許文献1及び2参照)。
ここで、液晶分子のプレチルト角が大き過ぎる(90°程度である)と、液晶表示素子の応答速度が低下する。一方、液晶分子のプレチルト角が小さ過ぎる(86°程度である)と、液晶表示素子のコントラストが低下する。したがって、液晶分子のプレチルト角を適度な値に調整する必要がある。
ところが、PSAを用いる場合、その種類によっては、短時間のUV照射でも液晶分子のプレチルト角がかなり小さくなり、コントラストが低下する問題が発生することがある。これを回避又は軽減する方法として、UV照射時における液晶層組成物の保持(印加)電圧を低くして、プレチルト角を所望の範囲に収める方法が考えられる。そのため、液晶組成物に印加する電圧をできるだけ低くしたいのだが、従来の方法で、液晶組成物に印加する電圧を低くすると、電極の構成等によっては、液晶分子の配向方向が十分に揃わないこと、或いは配向方向を十分に揃えるまでに長時間を要することがある。
特開2003−177408号公報 特開2011−221505号公報
本発明の目的は、比較的短い時間で、液晶分子を適度なプレチルト角で十分に配向させ得る液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) それぞれ電極を備える一対の基板と、前記基板間に配置された垂直配向型の液晶層とを備える液晶表示素子の製造方法であって、
前記一対の基板を、液晶分子及び重合性モノマを含有する液晶組成物を介して、前記電極同士が対向するように配置する工程と、
前記液晶組成物に印加する電圧を、前記液晶分子の閾値電圧より高い第1の電圧に保持する工程と、
前記電圧を前記閾値電圧より高いが前記第1の電圧より低い第2の電圧に低下させた後、該第2の電圧に保持した状態で、前記液晶組成物に活性エネルギー線を照射することにより、前記重合性モノマを重合させて前記液晶層を得る工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
(2) 前記第1の電圧は、前記閾値電圧の3倍以上である上記(1)に記載の液晶表示素子の製造方法。
(3) 前記第2の電圧は、前記閾値電圧の1.2倍以上である上記(1)又は(2)に記載の液晶表示素子の製造方法。
(4) 前記活性エネルギー線の照射時間は、1〜150秒間である上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
(5) 前記重合性モノマは、メソゲン骨格と、該メソゲン骨格に結合した少なくとも2つの重合性基とを有し、該重合性基の全てが前記メソゲン骨格に直接結合している化合物を含む上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
(6) 一方の前記電極は、幹部と、該幹部傾斜する複数の枝部とを備える構造を有する画素電極である上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
(7) 各前記枝部の幅が1〜5μmであり、隣り合う2つの前記枝部の離間距離が1〜5μmである上記(6)に記載の液晶表示素子の製造方法。
(8) 前記液晶層中における前記液晶分子のプレチルト角は、85〜89.5°である上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
(9) 前記液晶分子は、負の誘電率異方性を有する上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
(10) 前記2つの基板のうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さない上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の液晶表示素子の製造方法。
本発明によれば、一旦、液晶組成物に比較的高い電圧を印加して、液晶分子の配向方向を揃えた後、電圧を低下させ、低い電圧を維持した状態で、重合性モノマを重合させる。このため、比較的短い時間で、液晶分子を適度なプレチルト角で十分に配向させた液晶表示素子が得られる。
図1は、液晶表示素子の一実施形態に模式的に示す分解斜視図である。 図1におけるI線で囲まれた領域を拡大した平面図である。 液晶組成物に印加する電圧のパターンを示す図である。 透過率の評価時における実施例4の写真である。 透過率の評価時における比較例の写真である。
以下、本発明の液晶表示素子の製造方法について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の液晶表示素子の製造方法により製造される液晶表示素子について説明する。
図1は、液晶表示素子の一実施形態に模式的に示す分解斜視図、図2は、図1におけるI線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
なお、図1及び図2では、便宜上、各部の寸法及びそれらの比率を誇張して示し、実際とは異なる場合がある。また、以下に示す材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されず、その要旨を変更しない範囲で適宜変更することが可能である。
図1に示す液晶表示素子1は、対向するように配置されたアクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFと、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間に挟持された液晶層4とを備えている。
アクティブマトリクス基板AMは、第1の基板2と、第1の基板2の液晶層4側の面に設けられた画素電極層5と、第1の基板2の液晶層4と反対側の面に設けられた第1の偏光板7とを有している。
一方、カラーフィルタ基板CFは、第2の基板3と、第2の基板3の液晶層4側に設けられた共通電極層6と、第2の基板3の液晶層4と反対側の面に設けられた第2の偏光板8と、第2の基板3と共通電極層6との間に設けられたカラーフィルタ9とを有している。
液晶層4は負の誘電率異方性を用いた垂直配向型であり、液晶層4中では、電極層5、6間に電圧を印加しない状態で、液晶分子は基板AM、CFに対してほぼ垂直に配向する。
すなわち、本実施形態に係る液晶表示素子1は、第1の偏光板7と、第1の基板2と、画素電極層5と、液晶層4と、共通電極層6と、カラーフィルタ9と、第2の基板3と、第2の偏光板8と、がこの順で積層された構成を有している。
第1の基板2及び第2の基板3は、それぞれ、例えばガラス材料、又はプラスチック材料のような柔軟性(可撓性)を有する材料で形成されている。
第1の基板2及び第2の基板3は、双方が透光性を有していても、一方のみが透光性を有していてもよい。後者の場合は、他方の基板は、例えば金属材料、シリコン材料のような不透明な材料で構成することができる。
画素電極層5は、図2に示すように、走査信号を供給するための複数のゲートバスライン11と、表示信号を供給するための複数のデータバスライン12と、複数の画素電極13とを有している。なお、図2には、一対のゲートバスライン11、11及び一対のデータバスライン12、12が示されている。
複数のゲートバスライン11と複数のデータバスライン12とは、互いに交差してマトリクス状に配置され、これらで囲まれた領域により、液晶表示素子1の単位画素が形成されている。各単位画素内には、1つの画素電極13が形成されている。なお、各画素は複数のサブ画素から構成されていても良い。
画素電極13は、互いに直交して十字形状をなす2つの幹部と、各幹部から分岐するとともに、各幹部に対して約45°の角度で傾斜する複数の枝部とを備える構造(いわゆるフィッシュボーン構造)を有している。換言すれば、画素電極13は、枝部同士の間に形成されたスリットを有する構造を有する電極とも捉えることができる。
かかる構造の画素電極13によれば、液晶分子が幹部に対して枝部が傾斜する4方向に一致して傾斜配向するようになる。このため、1つの画素内に4分割されたドメインが形成され、液晶表示素子1の視野角を広げることができる。
各枝部の幅は、1〜5μm程度であることが好ましく、2〜4μm程度であることがより好ましい。また、隣り合う枝部の離間距離Sは、1〜5μm程度であることが好ましく、2〜4μm程度であることがより好ましい。このような構成により、液晶分子をより確実に所定の方向に傾斜配向させ得る。
一対のゲートバスライン11、11の間には、ゲートバスライン11とほぼ平行にCs電極14が設けられている。また、ゲートバスライン11とデータバスライン12とが互いに交差する交差部近傍には、ソース電極15及びドレイン電極16を含む薄膜トランジスタが設けられている。ドレイン電極16には、コンタクトホール17が設けられている。
ゲートバスライン11及びデータバスライン12は、それぞれ、例えばAl、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はこれらを含有する合金で形成することが好ましく、Mo、Al又はこれらを含有する合金で形成することがより好ましい。
画素電極13は、例えば、光の透過率を向上させるために透明電極で構成されている。透明電極は、ZnO、InGaZnO、SiGe、GaAs、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、TiO、AZTO(AlZnSnO)のような化合物をスパッタリング等することにより形成される。
透明電極の平均厚さは、10〜200nm程度であることが好ましい。また、電気的抵抗を低減するために、アモルファスのITO膜を焼成することにより多結晶のITO膜として透明電極を形成することもできる。
一方、共通電極層6は、例えば、併設された複数のストライプ状の共通電極(透明電極)を有している。この共通電極も、画素電極13と同様に形成することができる。
カラーフィルタ9は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は染色法等によって作成することができる。
顔料分散法では、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、第2の基板3上に所定のパターンとなるように供給した後、加熱又は光照射することにより硬化させる。この操作を、赤、緑、青の3色について行うことにより、カラーフィルタ9を得ることができる。
なお、カラーフィルタ9は、第1の基板2側に配置してもよい。
また、液晶表示素子1は、光の漏れを防止する観点から、ブラックマトリクス(図示せず)を設けるようにしてもよい。このブラックマトリクスは、薄膜トランジスタに対応する部分に形成することが好ましい。
なお、ブラックマトリクスは、第2の基板3側にカラーフィルタ9とともに配置してもよく、第1の基板2側にカラーフィルタ9とともに配置してもよく、ブラックマトリクスを第1の基板2側にカラーフィルタ9を第2の基板3側にそれぞれ個別に配置してもよい。また、ブラックマトリクスは、カラーフィルタ9の各色を重ね合わせ、透過率を低下させた部分で構成することもできる。
アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとは、それらの周縁領域において、エポキシ系熱硬化性組成物やアクリル系UV硬化性組成物等で構成されるシール材(封止材)によって互いに貼り合わされている。
なお、アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間には、それらの離間距離を保持するスペーサを配置してもよい。スペーサとしては、例えばガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子のような粒状スペーサ、フォトリソグラフィー法により形成された樹脂製のスペーサ柱等が挙げられる。
アクティブマトリックス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの平均離間距離(すなわち、液晶層4の平均厚さ)は、1〜100μm程度であることが好ましい。
第1の偏光板7及び第2の偏光板8は、それらの透過軸の位置関係を調整することにより、視野角やコントラストが良好になるように設計することができる。具体的には、第1の偏光板7及び第2の偏光板8は、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直交するように配置することが好ましい。特に、第1の偏光板7及び第2の偏光板8のうちのいずれか一方は、その透過軸が電圧印加時の液晶分子の配向方向とほぼ45°となるように配置されることが好ましい。
また、第1の偏光板7及び第2の偏光板8を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶層4の屈折率異方性(Δn)と液晶層4の平均厚さとの積を調整することが好ましい。さらに、液晶表示素子1は、視野角を広げるための位相差フィルムを備えてもよい。
なお、液晶表示素子1では、アクティブマトリックス基板AM及びカラーフィルタ基板CFのうちの少なくとも一方の液晶層4側に、液晶層4に接触するようにして、ポリイミド配向膜等の配向膜を設けることができる。換言すれば、本発明では、後述するような液晶組成物を用いることにより、アクティブマトリックス基板AM及びカラーフィルタ基板CFのうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さなくてもよい。
(液晶表示素子の製造方法)
次に、このような液晶表示素子1の製造方法について説明する。
本実施形態の液晶表示素子の製造方法は、基板AM、CF及び液晶組成物を準備する準備工程[1]と、各部を組み立てる組立工程[2]と、液晶組成物に第1の電圧を印加する電圧印加工程[3]と、液晶組成物に第1の電圧より低い第2の電圧を印加した状態で、重合性モノマを重合させる重合工程[4]とを有している。
[1] 準備工程
まず、アクティブマトリックス基板AMと、カラーフィルタ基板CFと、液晶分子及び重合性モノマを含有する液晶組成物とを用意する。
[2] 組立工程
次に、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの少なくとも一方の縁部に沿って、ディスペンサーを用いてシール材を閉ループ土手状に描画する。
その後、所定量の液晶組成物をシール材の内側に滴下した後、減圧下に液晶組成物に接触するように、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとを対向させて配置する。すなわち、一対の基板AM、CFを、液晶組成物を介して電極層5、6(電極)同士が対向するように配置する。
このような滴下注入(ODF:One Drop Fill)法では、液晶表示素子1のサイズに応じて最適な注入量を滴下する必要がある。後述する液晶組成物は、例えば、滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に滴下し続けることが可能である。このため、液晶表示素子1の歩留まりを高く維持することができる。
特に、スマートフォンに多用される小型の液晶表示素子は、液晶組成物の最適な注入量が少ないため、そのズレ量を一定範囲内に制御すること自体が難しい。しかしながら、前述したような液晶組成物を用いることにより、小型の液晶表示素子においても安定かつ最適な注入量を正確に滴下することができる。
その後、紫外線(活性エネルギー線)照射および加熱により、シール材を硬化させる。なお、シール材の種類によっては、シール材の硬化を紫外線照射および加熱のいずれか一方のみで行うようにしてもよい。
[3] 電圧印加工程
次に、図3に示すように、液晶分子の閾値電圧より十分に高い第1の電圧VHを、液晶組成物に印加して保持する。これにより、液晶組成物中に含まれる大半の液晶分子を目的とする方向(水平方向)に配向させることができる。
電圧(次工程[4]でも同様)は、画素電極13と共通電極(対向電極)との間に印加してもよいし、CS電極14と共通電極との間に印加してもよい。なお、単位画素毎の電圧制御は不要であるため、液晶表示素子1の外部で、各電極を接続して一括して電圧を印加するようにすることができる。これにより、液晶表示素子1の製造時の作業性が向上する。
ここで、液晶分子の閾値電圧(Vth)は、次の式から求められる値である。
式中、Kは、ベンド弾性定数を表し、εは、比例定数を表し、Δεは誘電率異方性を表す。
本工程[3]において液晶組成物に印加する第1の電圧VHは、液晶分子の閾値電圧の3倍以上であることが好ましく、4〜7.5倍程度であることがより好ましい。一般的な液晶分子の閾値電圧が2〜3V程度であるため、第1の電圧VHの具体的な値は、6.5V以上であることが好ましく、9〜30V程度であることがより好ましい。
このような比較的高い第1の電圧VHを液晶組成物に印加すれば、液晶組成物中に含まれるほぼ全ての液晶分子を目的の方向に配向させることができる。なお、上記上限値を超えた第1の電圧VHを液晶組成物に印加しても、それ以上の効果の増大は見込めない。
また、第1の電圧VHを保持する時間THは、特に限定されないが、1〜30秒間程度であることが好ましく、1〜15秒間程度であることがより好ましい。
[4] 重合工程
次に、図3に示すように、液晶組成物に印加する電圧を液晶分子の閾値電圧より高いが第1の電圧VHより低い第2の電圧VLに低下させる。このとき、上記工程[3]において、液晶分子が良好な配向状態となっているため、液晶組成物に印加する電圧を第2の電圧VLに低下させても、液晶分子は良好な配向状態を維持することができる。
その後、第2の電圧VLに保持した状態で、紫外線、電子線のような活性エネルギー線を液晶組成物に照射することにより、重合性モノマを重合させる。これにより、液晶組成物の電極層5、6との界面において、液晶分子にプレチルト角を付与し得る重合性モノマの重合物を含むポリマ層が形成され、液晶層4が得られる。
このとき、第2の電圧VLの値を調整することにより、液晶分子に対して適度なプレチルト角を付与することができる。
液晶分子のプレチルト角は、85〜89.5°程度であることが好ましく、87.5〜89°程度であることがより好ましい。かかる範囲に液晶分子のプレチルト角を調整することにより、液晶表示素子1の応答速度を十分に高めつつ、コントラストの低下を防止することができる。
なお、液晶分子に対して好適なプレチルト角を付与するためには、適度な重合速度が望ましい。このため、重合の際には、活性エネルギー線を単一、併用又は順番に照射することが好ましい。紫外線を使用する場合は、偏光光源を用いてもよいし、非偏光光源を用いてもよい。
液晶分子に上記範囲のプレチルト角を付与するためには、第2の電圧VLは、液晶分子の閾値電圧の1.2倍以上であることが好ましく、1.3〜4倍程度であることがより好ましい。一般的な液晶分子の閾値電圧が2〜3V程度であるため、第2の電圧VLの具体的な値は、2.5V以上であることが好ましく、3〜8V程度であることがより好ましい。
また、活性エネルギー線の照射時間TLは、1〜150秒間程度であることが好ましく、30〜100秒間程度であることがより好ましい。なお、照射時間TLは、第2の電圧VLに保持する時間と一致するように設定してもよく、第2の電圧VLに保持する時間の方が長くなるように設定してもよい。
なお、本実施形態のように、液晶組成物に接触させるように、2つの基板を対向させた状態で重合を行う場合は、少なくとも照射面側に位置する基板は、活性エネルギー線に対して適当な透過性を有する必要がある。
また、重合性モノマを重合させた後、電圧を印加することなく、再度、活性化エネルギー線を液晶組成物に照射して、残存する重合性モノマを重合させてもよい。
また、印加する電圧は、直流及び交流のいずれでもよいが、交流であることが好ましい。交流で電圧を印加するようにすれば、液晶分子の配向状態が良好な液晶層4を得易い
印加する交流の周波数は、10Hz〜10kHz程度であることが好ましく、60Hz〜10kHz程度であることがより好ましい。
活性化エネルギー線を照射する際の温度は、液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。具体的な温度は、15〜50℃程度であることが好ましく、20〜35℃程度であることが好ましい。
活性化エネルギー線として紫外線を照射する場合、紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、蛍光管等を用いることができる。
また、照射する紫外線は、液晶組成物の吸収波長域でない波長(300〜400nm程度)を有する紫外線であることが好ましく、必要に応じて所定の波長をカットして使用することがより好ましい。
照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm〜100W/cm程度であることが好ましく、2mW/cm〜50W/cm程度であることがより好ましい。なお、強度を変化させつつ、紫外線を照射するようにしてもよい。
照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm〜500J/cm程度であることが好ましく、100mJ/cm〜200J/cm程度であることがより好ましい。
なお、印加する電圧は、図3に示すように連続的に変化させてもよいし、段階的に変化させてもよいし、パルス状(矩形状)に変化させてもよい。
以上のような工程を経て、液晶表示素子1が得られる。
なお、[2]組立工程では、滴下注入(ODF)法に代えて、真空注入法を用いるようにしてもよい。例えば、真空注入法では、まず、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの少なくとも一方の縁部に沿って、注入口を残すようにしてシール材をスクリーン印刷する。その後、2つの基板AM、CFを貼り合わせ、加熱および紫外線照射のうちの少なくとも一方によりシール材を硬化させる。次に、液晶組成物を真空下で注入口を介して、2つの基板AM、CFの間のシール材で区画された空間内に注入した後、注入口を封止する。その後、[3]電圧印加工程及び[4]重合工程に移行する。
(液晶組成物)
液晶層4を形成するのに用いる液晶組成物は、液晶分子と、重合により液晶分子にプレチルト角を付与する機能を発現する重合性モノマとを含有している。
((重合性モノマ))
重合性モノマとしては、全ての重合性基がスペーサ基を介してメソゲン基に結合した化合物を用いてもよいが、全ての重合性基がスペーサ基を介さずメソゲン骨格に直接結合した化合物を用いることが好ましい。かかる重合性モノマを用いれば、より安定したポリマを形成することができる。具体的には、重合性モノマは、メソゲン骨格と、このメソゲン骨格に結合した少なくとも2つの重合性基とを有している。そして、重合性基の全てがメソゲン骨格に直接結合している。
このような重合性モノマは、剛直であるため、液晶分子の配向規制力が高く、液晶分子に目的とするプレチルト角を付与し易い。
メソゲン骨格は、2〜4つの環構造を備えることが好ましく、2〜3つの環構造を備えることがより好ましい。かかる数の環構造を備えるメソゲン骨格を備えることにより、重合性モノマの液晶分子に対するブレチルト角を付与する機能をより高めることができる。メソゲン骨格の具体例としては、例えば、下記式(Bi11)、式(Bi12)又は式(Bi41)が挙げられる。
環構造中の1以上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数1〜8のアルキル基で置換されてもよい。
重合性モノマは、少なくとも2つの重合性基を有している。重合性モノマの重合性基同士を重合させることにより、重合性モノマの重合物を基板により強固に固定することができるとともに、液晶分子の保持力を高めることもできる。その結果、液晶層が基板から剥離することを防止又は抑制することができる。また、液晶分子に対するプレチルト角付与力を向上させることもできる。
なお、重合性基の数は、2つであってもよいが、3つ以上であってもよい。2つ以上の重合性基を有することにより、重合物の架橋密度を高めることができる。このため、これらを基板にさらに強固に固定することができるとともに、液晶分子の保持力やプレチルト角付与力をさらに高めることもできる。
かかる重合性基は、例えば、下記一般式(P−1)〜(P−13)で表される群より選ばれる。
(式中、右端の黒点は結合手を表す。)
これらの重合性基は、反応性が高いため、比較的低いエネルギー(例えば、光エネルギー、熱エネルギー)でも、十分かつ確実に重合させることができる。このため、重合性モノマを重合させる際に、液晶分子が悪影響を受けて劣化することを防止又は抑制することができる。
これらの中でも、重合性基としては、式(P−1)〜式(P−3)で示される基が好ましく、式(P−1)で示される基(アクリロイル基)又は式(P−2)で示される基(メタアクリロイル基)がより好ましい。
重合性モノマが有する2つ以上の重合性基は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、2つの重合性基は、メソゲン骨格の長軸方向両端部のほぼ対称な位置に結合していることが好ましい。これにより、液晶分子に対してプレチルト角を付与する効果がより高まる。
以上のような重合性モノマとしては、下記一般式(i−1−1)〜(i−4−14)で表される化合物が挙げられる。
式中、Pi11、Pi12、Pi21、Pi22、Pi41及びPi42は、それぞれ独立して、上記重合性基を表す。
なお、メソゲン骨格は、一般式(i−1−1)〜(i−4−14)中の置換基に代えて、あるいはこれらの置換基とともに、さらに環構造に結合する置換基Ki1Aを備えてもよい。
置換基Ki1Aは、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数3〜40のアルキル基、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数3〜40のハロゲン化アルキル基、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数3〜40のシアノ化アルキル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数3〜40のアルコキシ基を表す。
このアルキル基中の2個以上の第二級炭素原子は、−C(=Xi1)−及び/又は−(CH−CN)−で置換されてもよく、前記アルキル基中の第二級炭素原子は、酸素原子が直接隣接しないように−C(=CH)−、−C(=CHRi3)−、−C(=CRi3 )−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−NH−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよく、前記アルキル基の末端は、OH、NH又はCNで置換されてもよい。
式中、Xi1は、酸素原子、硫黄原子、NH又はNRi3を表し、Ri3は、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜20のアルキル基を表す(ただし、このアルキル基中の第二級炭素原子は、酸素原子が直接隣接しないように−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置換されてもよい。)。
重合性モノマが、かかる置換基Ki1Aを備えるメソゲン骨格を有することにより、液晶分子に十分なプレチルト角をより確実に付与し、かつプレチルト角の変化をより生じ難くすることができる。
重合性モノマは、さらに、以上説明した化合物と構造の異なる少なくとも1種の化合物(例えば、メソゲン骨格と重合性基との間にスペーサ基を有する化合物等)を含有してもよく、配向膜を省略した場合でも、液晶分子に垂直配向性を誘起する化合物を含有してもよい。
液晶組成物中に含まれる重合性モノマの量は、液晶分子100質量部に対して、0.1〜3質量部程度であることが好ましく、0.2〜2質量部程度であることがより好ましい。重合性モノマの量を上記範囲に設定することにより、液晶分子に目的とするプレチルト角を確実に付与して、優れたVHRや高速応答性を維持することができる。
((液晶分子))
液晶分子は、負の誘電率異方性を有し、一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−O−で置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
N21は、水素原子又はフッ素原子を表す。
N31は、−CH−又は酸素原子を表す。
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32は、それぞれ独立して、0〜3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して、1、2又は3であり、AN11〜AN32、ZN11〜ZN32が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
N11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることがより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基であることが特に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)であることが最も好ましい。
また、それらは、ベンゼン環(芳香族環)である環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数4〜5のアルケニル基であることが好ましく、シクロヘキサン環、ピラン環、ジオキサン環のような飽和した環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。なお、ネマチック相を安定化させるためには、それらの炭素原子の数(酸素原子を含む場合には、炭素原子の数と酸素原子の数との合計)が5以下であることが好ましく、直鎖状であることも好ましい。
アルケニル基は、下記式(R1)〜(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
各式中の黒点は、環構造中の炭素原子を表す。
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。
具体的には、AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましく、下記化11の基のうちのいずれかであることがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して、−CHO−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合であることが好ましく、−CHO−、−CHCH−又は単結合であることがより好ましく、−CHO−又は単結合がさらに好ましい。
N21は、フッ素原子であることが好ましい。
N31は、酸素原子であることが好ましい。
N11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、1又は2であることが好ましい。具体的には、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせが好ましい。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物の量は、それぞれ次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、85質量%、75質量%、65質量%、55質量%、45質量%、35質量%、25質量%、20質量%である。
液晶組成物の粘度(η)を低く保ち、応答速度を高める場合は、一般式(N−1)〜(N−3)で表される化合物の量は、下限値が低くかつ上限値も低い方が好ましい。さらに、液晶組成物のネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を高く保ち、温度安定性を改善する場合は、その量は下限値が低くかつ上限値も低い方が好ましい。また、液晶表示素子の駆動電圧を低く保つため、液晶組成物の誘電率異方性(Δε)を大きくする場合は、その量は下限値が高くかつ上限値も高い方が好ましい。
一般式(N−1)で表される化合物としては、下記一般式(N−1a)〜(N−1g)で表される化合物を挙げることができる。
式中、RN11及びRN12は、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
Na11は、0又は1を表す。
Nb11は、1又は2を表す。
Nc11は、0又は1を表す。
Nd11は、1又は2を表す。
Ne11は、1又は2を表す。
Nf12は、1又は2を表す。
Ng11は、1又は2を表す。
Ne11は、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表す。
Ng11は、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが、少なくとも1つは、1,4−シクロヘキセニレン基を表す。
Ne11は、単結合又はエチレン基を表すが、少なくとも1つは、エチレン基を表す。
ただし、ANe11、ZNe11及び/又はANg11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は、下記一般式(N−1−1)〜(N−1−21)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN111及びRN112は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N111は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基であることがより好ましい。
N112は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−1)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、下記式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物から選ばれることが好ましく、下記式(N−1−1.1)〜(N−1−1.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、下記式(N−1−1.1)及び(N−1−1.3)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−1.1)〜(N−1−1.25)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN121及びRN122は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N121は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基であることがより好ましい。
N122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−2)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、37質量%、40質量%、42質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、48質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、下記式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−2.3)〜(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
なお、一般式(N−1−2)で表される化合物は、Δεの改良を重視する場合には、式(N−1−2.3)〜(N−1−2.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、Tniの改良を重視する場合には、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には、式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−2.1)〜(N−1−2.25)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN131及びRN132は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N131は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−3)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−3)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.21)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
式(N−1−3.1)〜(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできるが、式(N−1−3.1)で表される化合物と式(N−1−3.2)で表される化合物との併用、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の併用が好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−3.1)〜(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN141及びRN142は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N141及びRN142は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−4)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、8質量%である。
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−4.1)〜(N−1−4.24)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、8質量%である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN151及びRN152は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N151及びRN152は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
一般式(N−1−5)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−5)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、8質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)〜(N−1−5.12)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、8質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−10)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1101及びRN1102は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1101は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基であることがより好ましい。
N1102は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−10)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−10)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−10)で表される化合物は、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.14)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物から選ばれることがさら好ましい。
式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−10.1)及び式(N−1−10.2)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−11)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1111及びRN1112は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1111は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基であることがより好ましい。
N1112は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−11)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−11)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−11)で表される化合物は、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.14)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.14)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−11.2及び式(N−1−11.4)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
液晶組成物中に含まれる式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物の単独又は併用での量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−12)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1121及びRN1122は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1121は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1122は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−12)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−12)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−13)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1131及びRN1132は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1131は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1132は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−13)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−13)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−14)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1141及びRN1142は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1141は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
N1142は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。
一般式(N−1−14)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択され。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−14)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−14)で表される化合物は、式(N−1−14.1)〜(N−1−14.5)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−14.1)〜(N−1−14.3)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−14.2)及び式(N−1−14.3)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1201及びRN1202は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−20)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−21)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1211及びRN1212は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1211及びRN1212は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−21)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−21)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
一般式(N−1−22)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RN1221及びRN1222は、それぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。
N1221及びRN1222は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
一般式(N−1−22)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(N−1−22)で表される化合物の量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合には高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、35質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.12)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.4)で表される化合物から選ばれることがさらに好ましい。
液晶組成物は、さらに、下記一般式(L)で表される化合物(液晶分子)から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。一般式(L)で表される化合物は、誘電率異方性を有さないか、あるいは極めて低い。このため、かかる化合物を液晶組成物中に配合することにより、液晶組成物の各種特性を調整することができる。
式中、RL1及びRL2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。
L1は、0、1、2又は3を表す。
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH−は、−O−で置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)、及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(該基中に存在する任意の1個又は隣接しない2個以上の−CH=は、−N=で置換されてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されてもよい。
L1及びZL2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
L1が2又は3であってZL3が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ただし、一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物を除く。
一般式(L)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類である。あるいは、使用する化合物の種類は、本発明の別の実施形態では、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、85質量%、75質量%、65質量%、55質量%、45質量%、35質量%、25質量%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値も高いことが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。
信頼性を重視する場合には、RL1及びRL2の双方がアルキル基であることが好ましく、揮発性を低減させることを重視する場合には、RL1及びRL2の双方がアルコキシ基であることが好ましく、液晶組成物の粘性の低下を重視する場合には、RL1及びRL2の少なくとも一方がアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子の数は、0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1個であることがより好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には、1個であることがさらに好ましい。
L1及びRL2は、それらがベンゼン環(芳香族環)である環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数4〜5のアルケニル基であることが好ましく、それらがシクロヘキサン環、ピラン環、ジオキサン環のような飽和した環構造に結合する場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。なお、ネマチック相を安定化させるためには、炭素原子の数(酸素原子を含む場合には、炭素原子の数と酸素原子の数との合計)が5以下であることが好ましく、直鎖状であることも好ましい。
アルケニル基は、下記式(R1)〜(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
各式中の黒点は、環構造中の炭素原子を表す。
L1は、応答速度を重視する場合には0であることが好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3であることが好ましく、これらのバランスをとるためには1であることが好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためには、nL1が異なる値である複数種類の一般式(L)で表される化合物を併用することが好ましい。
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。
具体的には、AL1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましく、下記化37の基のうちのいずれかであることがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
L1及びZL2は、応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は、その分子内に存在するハロゲン原子の数が0又は1個であることが好ましい。
より具体的には、一般式(L)で表される化合物は、下記一般式(L−1)〜(L−7)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL11及びRL12は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L11及びRL12は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1)で表される化合物の量は、次のように設定される。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、35質量%、40質量%、45質量%、50質量%、55質量%である。一方、その好ましい上限値は、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度を高める必要がある場合には、上記の下限値が高く、かつ上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性を高める必要がある場合には、上記の下限値が中庸、かつ上限値が中庸であることが好ましい。また、液晶組成物の駆動電圧を低く保つべく、その誘電率異方性を大きくしたい場合には、上記の下限値が低く、かつ上限値も低いことが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−1)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式中、RL12は、一般式(L−1)におけるRL12と同じ意味を表す。
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)〜(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−1.2)及び式(L−1−1.3)で表される化合物から選ばれることがより好ましく、式(L−1−1.3)で表される化合物であることがさらに好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−2)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式中、RL12は、一般式(L−1)におけるRL12と同じ意味を表す。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)〜(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−2.2)〜(L−1−2.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.3)で表される化合物と式(L−1−2.4)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、30質量%以上にすることは好ましくない。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−2.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、18質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%、38質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−1.3)で表される化合物と式(L−1−2.2)で表される化合物との合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、43質量%、40質量%、38質量%、35質量%、32質量%、30質量%、27質量%、25質量%、22質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式中、RL13及びRL14は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。
L13及びRL14は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、37質量%、35質量%、33質量%、30質量%、27質量%、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)〜(L−1−3.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は、液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)又は式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.3)で表される化合物と、式(L−1−3.4)で表される化合物と、式(L−1−3.11)で表される化合物と式(L−1−3.13)で表される化合物との合計量は、低温での溶解度を良くするためには、20質量%以上にすることは好ましくない。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−3.1)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式中、RL15及びRL16は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。
L15及びRL16は、それぞれ独立して、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−4)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、13質量%、15質量%、17質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、25質量%、23質量%、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)〜(L−1−5.3)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−1−4.2)及び式(L−1−5.2)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
液晶組成物中に含まれる式(L−1−4.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、17質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%である。
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用すること、あるいは式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することも好ましい。
液晶組成物中に含まれるこれらの化合物の合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、33質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、80質量%、70質量%、60質量%、50質量%、45質量%、40質量%、37質量%、35質量%、33質量%、30質量%、28質量%、25質量%、23質量%、20質量%である。
液晶組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することが好ましく、液晶組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)及び式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上を併用することが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は、一般式(L−1−6)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
式中、RL17及びRL18は、それぞれ独立して、メチル基又は水素原子を表す。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−1−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、5質量%、10質量%、15質量%、17質量%、20質量%、23質量%、25質量%、27質量%、30質量%、35質量%である。一方、その好ましい上限値は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、42質量%、40質量%、38質量%、35質量%、33質量%、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−6)で表される化合物は、式(L−1−6.1)〜(L−1−6.3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL21及びRL22は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L21は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L22は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−2)で表される化合物の量は、低温での溶解性を重視する場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合には、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10%質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)〜(L−2.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL31及びRL32は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L31及びRL32は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、3質量%である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−3)で表される化合物の量は、高い複屈折率を得る場合には高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合には低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、その量の範囲を中間に設定することが好ましい。
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)〜(L−3.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−3.2)〜(L−3.5)で表される化合物から選ばれることがより好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL41及びRL42は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L41は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L42は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−4)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.1)〜(L−4.3)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.2)で表される化合物を含有してもよいし、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有してもよいし、式(L−4.1)〜(L−4.3)で表される化合物の全てを含有してもよい。
液晶組成物中に含まれる式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
液晶組成物が式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との双方を含有する場合には、それらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.4)〜(L−4.6)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることがより好ましい。
液晶組成物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.5)で表される化合物を含有してもよく、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有していてもよい。
液晶組成物中の式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%、12質量%、13質量%、18質量%、21質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%、10質量%、8質量%である。
液晶組成物が式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との双方を含有する場合には、これらの液晶組成物中に含まれる合計量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、15質量%、19質量%、24質量%、30質量%である。一方、その好ましい上限値は、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、13質量%である。
また、一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)〜(L−4.10)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL51及びRL52は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L51は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L52は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−5)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
さらに、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
また、一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)〜(L−5.7)で表される化合物から選ばれることが好ましく、特に、式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1%質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
一般式(L−6)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL61及びRL62は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L61及びXL62は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
L61及びRL62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
L61及びXL62のうちの一方がフッ素原子であり、他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、1種類を単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−6)で表される化合物の量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%、23質量%、26質量%、30質量%、35質量%、40質量%である。一方、その好ましい上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。なお、一般式(L−6)で表される化合物の量は、Δnを大きくすることに重点を置く場合には多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置く場合には少ない方が好ましい。
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)〜(L−6.9)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、式(L−6.1)〜(L−6.9)で表される化合物の中から1〜3種類選択することが好ましく、1〜4種類選択することがより好ましい。
また、併用する化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)及び式(L−6.2)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.4)及び式(L−6.5)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.6)及び式(L−6.7)で表される化合物の中から1種類と、式(L−6.8)及び式(L−6.9)で表される化合物の中から1種類とを選択し、これらを適宜組み合わせることが好ましい。
中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)、式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
また、一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.10)〜(L−6.17)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−6.11)で表される化合物であることがより好ましい。
各化合物の液晶組成物中に含まれる量は、次の通りであることが好ましい。すなわち、その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%である。一方、その好ましい含有量の上限値は、20質量%、15質量%、13質量%、10質量%、9質量%である。
一般式(L−7)で表される化合物は、下記の化合物である。
式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。
L71及びAL72は、それぞれ独立して、一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72中に存在する水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子で置換されもよい。
L71は、一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表す。
L71及びXL72は、それぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。
式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
L71及びAL72は、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基であることが好ましい。なお、AL71及びAL7中に存在する水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子で置換されてもよい。
L71は、単結合又は−COO−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
L71及びXL72は、水素原子であることが好ましい。
併用可能な化合物の種類は、特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、適宜選択される。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態では、1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
液晶組成物中に含まれる一般式(L−7)で表される化合物の量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、適宜調整される。
その好ましい下限値は、1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、7質量%、10質量%、14質量%、16質量%、20質量%である。一方、その好ましい上限値は、30質量%、25質量%、23質量%、20質量%、18質量%、15質量%、10質量%、5質量%である。
なお、一般式(L−7)で表される化合物の量は、Tniの高い液晶組成物が求められる場合には多めにすることが好ましく、低粘度の液晶組成物が求められる場合には少なめにすることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)〜(L−7.4)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることがより好ましい。
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)〜(L−7.13)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)〜(L−7.23)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.21)で表される化合物であることがより好ましい。
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)〜(L−7.34)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.31)及び/又は式(L−7.32)で表される化合物であることがより好ましい。
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)〜(L−7.44)で表される化合物から選ばれることが好ましく、式(L−7.41)及び/又は式(L−7.42)で表される化合物であることがより好ましい。
また、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)〜(L−7.53)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
以上のような液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を有する化合物を含有しないことが好ましい。
なお、液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合には、カルボニル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合には、塩素原子が置換している化合物の液晶組成物中の量を、15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、8質量%以下とすることがさらに好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
また、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の液晶組成物中に含まれる量を多くすることが好ましく、具体的には80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることがさらに好ましく、実質的に100質量%とすることが最も好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、環構造としてシクロヘキセン環を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましく、3質量%以下とすることが特に好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることが最も好ましい。
さらに、液晶組成物の酸化による劣化を防止又は抑制するためには、連結基として−CH=CH−を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物の粘度(η)を改善し、かつネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)を改善することを重視する場合には、水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物中に含まれる化合物(液晶分子等)が、側鎖としてアルケニル基が結合したシクロヘキシレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、2〜5であることが好ましい。また、液晶組成物中に含まれる化合物が、側鎖としてアルケニル基が結合したフェニレン基を有する場合には、アルケニル基の炭素原子数は、4〜5であることが好ましく、アルケニル基が有する不飽和結合とフェニレン基とは直接結合していないことが好ましい。
また、液晶組成物の安定性を重視する場合には、側鎖としてアルケニル基を有し、かつ2,3−ジフルオロベンゼン−1,4−ジイル基を有する化合物の液晶組成物中に含まれる量を少なくすることが好ましく、具体的には10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に0(ゼロ)質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物の平均弾性定数(KAVG)は、好ましくは10〜25である。ただし、その好ましい下限値は、10、10.5、11、11.5、12、12.3、12.5、12.8、13、13.3、13.5、13.8、14、14.3、14.5、14.8、15、15.3、15.5、15.8、16、16.3、16.5、16.8、17、17.3、17.5、17.8、18である。一方、その好ましい上限値は、25、24.5、24、23.5、23、22.8、22.5、22.3、22、21.8、21.5、21.3、21、20.8、20.5、20.3、20、19.8、19.5、19.3、19、18.8、18.5、18.3、18、17.8、17.5、17.3、17である。
消費電力削減を重視する場合には、バックライトの光量を抑えることが有効であるので、液晶表示素子1の光の透過率を向上させることが好ましい。そのため、KAVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合には、KAVGの値を高めに設定することが好ましい。
液晶組成物の25℃における屈折率異方性(Δn)(以下、単に「屈折率異方性」とも言う。)の値は、0.08〜0.13程度であることが好ましく、0.09〜0.12程度であることがより好ましい。
液晶組成物の25℃における回転粘度(γ1)(以下、単に「回転粘度」とも言う。)は、165mPa・s未満が好ましく、80〜145mPa・s程度がより好ましく、90〜130mPa・s程度がさらに好ましい。かかる回転粘度を有する液晶組成物を用いることにより、液晶層4(液晶表示素子1)の応答速度が低下することを防止することができる。
また、液晶組成物では、回転粘度と屈折率異方性の値との関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
式中、γ1は、回転粘度を表し、Δnは、屈折率異方性を表す。
Zは、13,000mPa・s以下であることが好ましく、12,000mPa・s以下であることがより好ましく、11,000mPa・s以下であることがさらに好ましい。
液晶組成物のネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)は、60℃以上であることが好ましく、75℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。かかるTniを有する液晶組成物を用いることにより、実使用される温度範囲で安定した駆動が可能な液晶層4(液晶表示素子1)を得ることができる。
液晶組成物の比抵抗は、1012Ω・m以上であることが好ましく、1013Ω・m以上であることがより好ましく、1014Ω・m以上であることがさらに好ましい。
液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)の絶対値は、2.5〜5程度であることが好ましく、2.6〜4.5程度であることがより好ましく、2.7〜4程度であることがさらに好ましく、2.8〜3.5程度であることがさらに好ましい。かかる誘電率異方性を有する液晶組成物を用いることにより、液晶層4(液晶表示素子1)をより低電圧で駆動することができるようになる。
なお、以上説明した液晶組成物は、上記の液晶分子以外に、用途に応じて、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のような他の化合物(分子)を含有してもよい。
ただし、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には、他の化合物は、その構造中に塩素原子を有さないことが好ましい。また、液晶組成物の紫外線等の光に対する安定性が求められる場合には、他の化合物は、その構造中にナフタレン環等に代表される共役長が長く紫外領域に吸収ピークを有する縮合環等を有さないことが好ましい。
以上、本発明の液晶表示素子の製造方法を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各工程は、同様の機能を有する任意の構成に置換してもよく、他の任意の工程が付加されていてもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
液晶混合物について測定した特性は、次の通りである。
Tni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :293Kにおける屈折率異方性
Δε :293Kにおける誘電率異方性
γ1 :293Kにおける回転粘度(mPa・s)
K11 :293Kにおける広がりの弾性定数(pN)
K33 :293Kにおける曲がりの弾性定数(pN)
1.液晶混合物の調製
以下では、化合物の記載について、次の略号を用いる。略号中のnは自然数である。
(側鎖)
−n −C2n+1:炭素原子数nの直鎖状アルキル基
n− C2n+1−:炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC2n+1:炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
(連結構造)
−nO− −C2nO−
(環構造)
液晶混合物LC−1の組成及び物性について、以下の表1に示す。
なお、液晶混合物(液晶分子)の閾値電圧(Vth)は、約2.3Vであった。
2.液晶組成物の調製
100質量部の液晶混合物LC−1に対して、0.3質量部の下記の重合性モノマを混合して、加熱溶解することにより液晶組成物を得た。
3.液晶表示素子の作製
(実施例1)
まず、ポリイミド膜をITO基板に塗布した後、ポリイミド膜にラビング処理することにより配向膜を形成した。その後、配向膜付きITO基板を含む空の液晶セル(セルギャップ3.5μm)を作製した。
次に、真空注入法により空の液晶セル内に液晶組成物を注入した。
次に、液晶組成物を注入した液量セルに、周波数100Hzで4.6V(第1の電圧VH)の交流電圧を印加した状態を30秒間保持した。次いで、交流電圧を4V(第2の電圧VL)にまで低下させ、この状態を維持しつつ、高圧水銀灯から325nm以下の波長の紫外線をカットするフィルターを介して紫外線を照射した。
このとき、中心波長365nmの条件で測定した照度が100mW/cmになるように設定し、紫外線を100秒間照射した。これにより、液晶組成物中の液晶分子にプレチルト角を付与した。これにより、液晶表示素子を得た。
(実施例2)
第1の電圧VHを6.8Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を製造した。
(実施例3)
第1の電圧VHを9.1Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を製造した。
(実施例4)
第1の電圧VHを11.5Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を製造した。
(比較例)
液晶組成物を注入した液量セルに、周波数100Hzで4Vの交流電圧を印加した状態を維持しつつ、高圧水銀灯から325nm以下の波長の紫外線をカットするフィルターを介して紫外線を照射した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を製造した。
すなわち、比較例は、紫外線照射前に、液晶組成物を注入した液晶セルに高電圧を印加する工程を省略した例、すなわち第2の電圧VLのみを印加した例である。
なお、各実施例及び比較例において、それぞれ10個の液晶表示素子を製造した。
4.透過率の評価
各実施例及び比較例で得られた液晶表示素子について、以下のようにして、透過率の評価を行った。
液晶表示素子に5Vの直流電圧を印加した状態で光を透過させ、透過率が低い部分がどの程度存在するのかを目視にて確認し、以下の4段階で評価した。なお、評価基準の数値は、10個の液晶表示素子で存在する透過率が低い部分の個数の平均値である。
[評価基準]
◎:透過率が低い部分が1個以下である。
○:透過率が低い部分が5個以下である。
△:透過率が低い部分が10個以下である。
×:透過率が低い部分が10個超である。
この結果を表2に示す。
また、実施例4の写真及び比較例の写真を、それぞれ図4及び図5に示す。
表2及び図4、5に示すように、紫外線照射前に一旦高い第1の電圧を液晶組成物に印加することにより、配向状態が不良の液晶分子を減少させ得ることが明らかとなった。また、その効果は、第1の電圧の値を変更することにより向上することも判った。
1 液晶表示素子
AM アクティブマトリクス基板
CF カラーフィルタ基板
2 第1の基板
3 第2の基板
4 液晶層
5 画素電極層
6 共通電極層
7 第1の偏光板
8 第2の偏光板
9 カラーフィルタ
11 ゲートバスライン
12 データバスライン
13 画素電極
14 Cs電極
15 ソース電極
16 ドレイン電極
17 コンタクトホール

Claims (10)

  1. それぞれ電極を備える一対の基板と、前記基板間に配置された垂直配向型の液晶層とを備える液晶表示素子の製造方法であって、
    前記一対の基板を、液晶分子及び重合性モノマを含有する液晶組成物を介して、前記電極同士が対向するように配置する工程と、
    前記液晶組成物に印加する電圧を、前記液晶分子の閾値電圧より高い第1の電圧に保持する工程と、
    前記電圧を前記閾値電圧より高いが前記第1の電圧より低い第2の電圧に低下させた後、該第2の電圧に保持した状態で、前記液晶組成物に活性エネルギー線を照射することにより、前記重合性モノマを重合させて前記液晶層を得る工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 前記第1の電圧は、前記閾値電圧の3倍以上である請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 前記第2の電圧は、前記閾値電圧の1.2倍以上である請求項1又は2に記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. 前記活性エネルギー線の照射時間は、1〜150秒間である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 前記重合性モノマは、メソゲン骨格と、該メソゲン骨格に結合した少なくとも2つの重合性基とを有し、該重合性基の全てが前記メソゲン骨格に直接結合している化合物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  6. 一方の前記電極は、幹部と、該幹部に対して傾斜する複数の枝部とを備える構造を有する画素電極である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 各前記枝部の幅が1〜5μmであり、隣り合う2つの前記枝部の離間距離が1〜5μmである請求項6に記載の液晶表示素子の製造方法。
  8. 前記液晶層中における前記液晶分子のプレチルト角は、85〜89.5°である請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  9. 前記液晶分子は、負の誘電率異方性を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 前記2つの基板のうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さない請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。

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