JP2020050547A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン単結晶の製造において、2本目以降のシリコン単結晶中のカーボン濃度を低減できるシリコン単結晶の製造方法を提供すること。【解決手段】シリコン単結晶の製造方法は、育成工程と、切り離し工程と、冷却工程とを備え、最後に育成するシリコン単結晶を除くシリコン単結晶に対して行う冷却工程における熱遮蔽体の下端とシリコン融液の液面とのギャップを調整するギャップ調整工程をさらに備え、ギャップ調整工程は、当該ギャップ調整工程を行いつつ冷却工程を行った場合のシリコン融液のカーボン濃度が、ギャップを切り離し工程でシリコン単結晶を切り離したときの状態から育成工程の状態から変更せずに冷却工程を行った場合のカーボン濃度よりも小さくなるように、ギャップを調整する。【選択図】図6

Description

本発明は、シリコン単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶中のCsは、デバイス工程においてCiとなり、Oiと結合してCiOi欠陥を形成する。CiOi欠陥は、デバイス不良を引き起こす原因となる。
ここで、シリコン単結晶中のカーボン濃度は、炉内のヒータ、黒鉛ルツボ等の高温炭素部材からシリコン融液中に混入するCOの汚染速度と、シリコン融液からのCOの蒸発速度を制御することによって低減することが知られている。なお、高温炭素部材からのCO(gas)は、主に下記反応式に基づいて発生する。
SiO(gas)+2C(solid)→CO(gas)+SiC(solid)
あるいは、
SiC(solid)+SiO(gas)→CO(gas)+2Si(solid)
このため、特許文献1には、原料溶融時からシリコン単結晶の引き上げ開始時までの黒鉛ルツボの上端位置が、ヒータの上端から上方に5mm以上、95mm以下になるように制御し、かつ、シリコン単結晶の原料溶融時から引き上げ終了時まで、輻射シールド下端と融液表面との隙間の排気流路の排気断面積が、内筒と外筒とによって形成される排気流路の断面積未満となるように制御する技術が開示されている。
特開2016−56026号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のような技術では、2本目以降のシリコン単結晶中のカーボン濃度を十分に低減できないおそれがある。
本発明の目的は、シリコン単結晶の製造において、2本目以降のシリコン単結晶中のカーボン濃度を低減できるシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、シリコン原料を収容するルツボと、前記ルツボ中のシリコン原料を溶融するヒータと、育成中のシリコン単結晶を囲むように前記ルツボの上方に配置され、少なくとも表面がカーボン材で構成された熱遮蔽体と、前記ルツボ、前記ヒータおよび前記熱遮蔽体を収容するチャンバとを備えた引き上げ装置を用いて、チョクラルスキー法により、前記ルツボを構成する1つの石英ルツボで複数のシリコン単結晶を連続して製造するシリコン単結晶の製造方法であって、前記チャンバ内に不活性ガスを導入しつつ、シリコン融液に着液させた種結晶を引き上げることでシリコン単結晶を育成する育成工程と、前記シリコン単結晶を前記シリコン融液から切り離す切り離し工程と、前記シリコン単結晶を引き上げながら冷却する冷却工程とを備え、
最後に育成するシリコン単結晶を除くシリコン単結晶に対して行う冷却工程における前記熱遮蔽体の下端と前記シリコン融液の液面とのギャップを調整するギャップ調整工程をさらに備え、前記ギャップ調整工程は、当該ギャップ調整工程を行いつつ前記冷却工程を行った場合の前記シリコン融液のカーボン濃度が、前記ギャップを前記切り離し工程でシリコン単結晶を切り離したときの状態から変更せずに前記冷却工程を行った場合のカーボン濃度よりも小さくなるように、前記ギャップを調整することを特徴とする。
本発明において、カーボン材とは、上述の化学反応によりCO(gas)が生じる材料を意味し、黒鉛材や炭素繊維強化型炭素材といった材料が挙げられる。さらに、SiC化表面処理や熱分解炭素被覆といった表面処理が施された材料が挙げられる。
本発明によれば、最後に育成するシリコン単結晶を除くシリコン単結晶に対して行う冷却工程時のギャップを調整するため、2本目以降のシリコン単結晶中のカーボン濃度を低減できる。
最後のシリコン単結晶の育成後にギャップ調整工程を行っても、次に育成するシリコン単結晶がないためカーボン濃度の低減に寄与しないが、本発明では、最後のシリコン単結晶の育成後にギャップ調整工程を行わないため、シリコン単結晶の製造工程の所要時間が長くなることを抑制できる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記育成工程は、円筒研削後の直胴部の直径が200mmとなるような前記シリコン単結晶を育成し、前記ギャップ調整工程は、前記ギャップを75mm以上140mm以下に調整することが好ましい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記育成工程は、円筒研削後の直胴部の直径が300mmとなるような前記シリコン単結晶を育成し、前記ギャップ調整工程は、前記ギャップを80mm以上285mm以下に調整することが好ましい。
本発明の関連技術および一実施形態に係る引き上げ装置の模式図。 前記関連技術におけるシリコン単結晶の製造方法のフローチャート。 前記引き上げ装置におけるシリコン融液近傍の状態を示す模式図。 本発明を導くために行った実験1の結果を示し、ギャップとシリコン融液のカーボン濃度との関係を示すグラフ。 本発明を導くために行った実験2の結果を示し、ギャップとシリコン融液のカーボン濃度との関係を示すグラフ。 前記一実施形態におけるシリコン単結晶の製造方法のフローチャート。
[本発明の関連技術]
まず、本発明の関連技術を図面に基づいて説明する。
〔引き上げ装置の構成〕
図1に示すように、引き上げ装置1は、MCZ(Magnetic field applied Czochralski)法に用いられる装置であって、装置本体2と、メモリ3と、制御部4とを備えている。
装置本体2は、チャンバ21と、このチャンバ21内に配置されたルツボ22と、このルツボ22を加熱するヒータ23と、引き上げ部24と、熱遮蔽体25と、断熱材26と、ルツボ駆動部27と、一対の電磁コイル28とを備えている。
チャンバ21は、メインチャンバ211と、このメインチャンバ211の上部にゲートバルブ212を介して接続されたプルチャンバ213とを備えている。プルチャンバ213には、Arガスなどの不活性ガスをメインチャンバ211内に導入するガス導入口21Aが設けられている。メインチャンバ211の下部には、当該メインチャンバ211内の気体を排出するガス排気口21Bが設けられている。
ルツボ22は、シリコン原料を融解してシリコン融液Mとするものである。ルツボ22は、石英ルツボ221と、この石英ルツボ221を収容する支持ルツボ222とを備えている。
石英ルツボ221は、1本あるいは複数のシリコン単結晶SMを育成するごとに交換される。
一方、支持ルツボ222は、黒鉛製あるいは炭素繊維強化型炭素製であり、シリコン単結晶SMを1本製造するごとには交換されず、石英ルツボ221を適切に支持できなくなったと考えられた時点で交換される。なお、支持ルツボ222としては、少なくとも表面が黒鉛材や炭素繊維強化型炭素材といった材料が挙げられる。さらに、SiC化表面処理や熱分解炭素被覆といった表面処理が施された材料が挙げられる。
ヒータ23は、ルツボ22の周囲に配置されており、ルツボ22内のシリコンを融解する。
引き上げ部24は、一端に種結晶SCが取り付けられるケーブル241と、このケーブル241を昇降および回転させる引き上げ駆動部242とを備えている。
熱遮蔽体25は、少なくとも表面がカーボン材で構成されている。熱遮蔽体25は、シリコン単結晶SMを育成する際にシリコン単結晶SMを囲むように設けられ、ヒータ23からシリコン単結晶SMへの輻射熱を遮断する。
ルツボ駆動部27は、支持ルツボ222を下方から支持する支持軸271を備え、ルツボ22を所定の速度で回転および昇降させる。
一対の電磁コイル28は、チャンバ21の外側においてルツボ22を挟むように配置されている。
メモリ3は、チャンバ21内のガス流量や炉内圧、ヒータ23に投入する電力、ルツボ22やシリコン単結晶SMの回転数、ルツボ22の位置など、シリコン単結晶SMの製造に必要な各種情報を記憶している。
制御部4は、メモリ3に記憶された各種情報や、作業者の操作に基づいて、シリコン単結晶SMを製造する。
〔シリコン単結晶の製造方法〕
次に、マルチ引き上げ法によるシリコン単結晶SMの製造方法について説明する。マルチ引き上げ法とは、チャンバ21を開放せずに、1つの石英ルツボ221で複数のシリコン単結晶SMを連続して製造する方法のことである。
まず、図2に示すように、制御部4は、電磁コイル28を制御してシリコン融液Mに磁場を印加した後、ルツボ22に収容されたシリコン融液Mに種結晶SCを着液し、ルツボ22を回転させつつ種結晶SCを引き上げることでシリコン単結晶SMを育成する(ステップS1:育成工程)。この育成工程の際、制御部4は、熱遮蔽体25の下端とシリコン融液Mの液面とのギャップGPがほぼ一定になるように、ルツボ22の位置を調整する(ギャップGPを調整する)。
育成工程の終了後あるいは実施中に、制御部4は、次のシリコン単結晶SMの育成を行うか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2において、制御部4は、事前に設定された本数のシリコン単結晶SMの育成が終了しておらず、次の育成を行うと判断した場合、シリコン単結晶SMのテール部をシリコン融液Mから切り離す工程(ステップS3:切り離し工程)を行う。その後、制御部4は、磁場の印加を停止して、シリコン融液Mから切り離されたシリコン単結晶SMを引き上げながら冷却する工程(ステップS4:冷却工程)と、冷却されたシリコン単結晶SMがプルチャンバ213に収容されたらゲートバルブ212を閉塞して、プルチャンバ213からシリコン単結晶SMを取り出す工程(ステップS5:取出工程)とを実施する。一般的に、切り離し工程後におけるギャップGPは、育成工程時の状態がそのまま維持される。
制御部4は、ルツボ22にシリコン原料を追加して、シリコン融液Mに磁場を印加しながらシリコン原料を溶融し(ステップS6:リチャージ工程)、その後、育成工程に戻り、次のシリコン単結晶SMの製造を開始する。
一方、ステップS2において、制御部4は、事前に設定された本数のシリコン単結晶SMの育成が終了しており、次の育成を行わないと判断した場合、制御部4は、ステップS3〜S5と同様の切り離し工程(ステップS7)、冷却工程(ステップS8)、取出工程(ステップS9)を実施して、処理を終了する。
以上の処理によって、複数のシリコン単結晶SMが連続して製造される。
[本発明を導くに至った経緯]
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
一般的に、育成工程において、図3に示すようなテール部SM4を育成する段階では、直胴部SM3よりも直径を小さくするために、直胴部SM3の育成時と比べてルツボ22の加熱温度を高くしている。切り離し工程後、リチャージ工程前までは、ルツボ22に残っているシリコン融液Mの量が少なくなるため、加熱温度を低くしてしまうと、シリコン融液Mが固化してしまうおそれがある。このため、切り離し工程以降も、加熱温度をテール部SM4の育成時と同じかそれ以上の温度に設定している。
シリコン単結晶SMにカーボンが混入する原因の一つとして、シリコン融液Mから蒸発したSiO(gas)が熱遮蔽体25のC(solid)と反応することでCO(gas)が生成され、このCO(gas)がシリコン融液Mに混入することが考えられる。
ルツボ22の加熱温度が高くなると、シリコン融液MからのSiO(gas)の蒸発量が多くなる。その結果、当該SiO(gas)と熱遮蔽体25とに起因するCO(gas)の量も増加し、次に育成するシリコン単結晶SMのカーボン濃度が高くなると考えられる。
上述のように、シリコン融液Mの固化を抑制するという観点から、切り離し工程以降におけるルツボ22の加熱温度を低くすることは困難であり、シリコン単結晶SMのカーボン濃度を低減するためには、シリコン融液Mに混入するCO(gas)を低減するという対策が考えられる。
そこで、CO(gas)の低減に寄与する可能性がある因子としてギャップGPに着目し、以下の実験を行った。
〔実験1〕
熱流動解析プログラムを用いて、以下の条件でシリコン単結晶SMを育成した後の切り離し工程以降におけるギャップGPを様々な値に設定し、冷却工程終了時におけるシリコン融液M中のカーボン濃度についてシミュレーションを行った。その結果を、表1および図4に示す。なお、育成工程終了時のギャップGPを50mmとし、不活性ガスGSの流量および加熱温度を育成工程終了時と同じとして、カーボン濃度の評価は、ギャップGPが50mmの場合のカーボン濃度を1としたときの割合を用いて行った。
石英ルツボ221の内径:24インチ
シリコン単結晶SMの直径:210mm(円筒研削後の直胴部が200mmとなる大きさ)
Figure 2020050547
表1および図4に示すように、ギャップGPが大きくなると、カーボン濃度はいったん減少するが、再び大きくなることが確認できた。具体的に、ギャップGPが75mm以上140mm以下の場合、カーボン濃度が0.2以下という許容値になることが確認できた。特に、ギャップGPが100mm以上125mm以下の場合、カーボン濃度が0.121以下という小さな値になることが確認できた。
〔実験2〕
石英ルツボ221の内径、シリコン単結晶SMの直径を以下の条件にしたこと、装置本体2およびこれに収容された各部材をシリコン単結晶SMのサイズ変更に伴い大きくしたこと、不活性ガスの流量を装置本体2のサイズ変更に伴い増加させたこと以外は、実験1と同様のシミュレーションを行った。
その結果を、表2,3および図5に示す。なお、カーボン濃度の評価は、実験1と同様にして行った。
石英ルツボ221の内径:32インチ
シリコン単結晶SMの直径:315mm(円筒研削後の直胴部が300mmとなる大きさ)
Figure 2020050547
Figure 2020050547
表2,3および図5に示すように、実験1と同様に、ギャップGPが大きくなると、カーボン濃度はいったん減少するが、再び大きくなることが確認できた。具体的に、ギャップGPが80mm以上285mm以下の場合、カーボン濃度が0.2以下という許容値になることが確認できた。特に、ギャップGPが100mm以上250mm以下の場合、カーボン濃度が0.107以下という小さい値になり、125mm以上200mm以下の場合、カーボン濃度が0.029以下というさらに小さい値になることが確認できた。
〔カーボン濃度低減メカニズムの推定〕
本発明者は、実験1,2の結果が得られるメカニズムを以下のように推測した。なお、以下において、カーボン濃度が許容値となるギャップGPのうち、最大値をギャップ上限値、最小値をギャップ下限値と表現する。また、熱遮蔽体25の下端とシリコン融液Mの液面との間の流路を第1のガス流路R1、熱遮蔽体25の外側に位置する流路を第2のガス流路R2と表現する。
ギャップGPがギャップ下限値よりも小さい場合、第1のガス流路R1を流れる不活性ガスGSの流速は、ギャップ下限値以上の場合と比べて速くなる。しかし、熱遮蔽体25の下端とシリコン融液Mの液面との距離が短いため、シリコン融液Mの表面で拡散してシリコン融液Mに混入するCO(gas)の量は、第1のガス流路R1を流れる不活性ガスGSによって第2のガス流路R2から排出されるCO(gas)の量よりも多くなる。その結果、シリコン融液Mのカーボン濃度が許容値よりも高くなると推測した。
一方、ギャップGPがギャップ上限値よりも大きい場合、ギャップ上限値以下の場合と比べて、第1のガス流路R1を流れる不活性ガスGSの流速が遅くなる。このため、CO(gas)の第2のガス流路R2からの排出が促進されず、シリコン融液Mの表面で拡散してシリコン融液Mに混入するCO(gas)の量が多くなる。その結果、シリコン融液Mのカーボン濃度が許容値よりも高くなると推測した。
これらに対し、ギャップGPがギャップ下限値以上、ギャップ上限値以下の場合、CO(gas)の第2のガス流路R2からの排出が促進されて、シリコン融液Mに混入するCO(gas)の量が少なくなり、シリコン融液Mのカーボン濃度が許容値になると推測した。
以上のことから、本発明者は、2本目以降のシリコン単結晶SMのカーボン濃度を低減するためには、最後に育成するシリコン単結晶SMを除くシリコン単結晶SMに対して行う冷却工程におけるギャップGPを調整するに際し、当該調整を行いつつ冷却工程を行った場合のシリコン融液Mのカーボン濃度が、ギャップGPを切り離し工程でシリコン単結晶を切り離したときの状態から変更せずに冷却工程を行った後のカーボン濃度と比べて小さくなるように、ギャップGPを調整すればよいということを確認できた。
[実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係るマルチ引き上げ法によるシリコン単結晶SMの製造方法について説明する。なお、上記関連技術と同様の構成については説明を省略あるいは簡略にする。
まず、図1に示すような引き上げ装置1であって、表4の条件を満たす引き上げ装置1を準備する。
Figure 2020050547
図6に示すように、制御部4は、ギャップGPがほぼ一定になるようにルツボ22の位置を調整しながら、育成工程を行う(ステップS1)。
次に、制御部4は、ステップS2において、次の育成を行うと判断した場合、切り離し工程を行う(ステップS3)。その後、制御部4は、冷却工程(ステップS4)を行うことでシリコン単結晶SMを引き上げつつ、シリコン単結晶SMをシリコン融液Mから切り離したときの状態からルツボ22を上あるいは下に移動させることでギャップGPを調整する(ステップS10:ギャップ調整工程)。また、制御部4は、シリコン融液Mの対流を制御するために、シリコン単結晶SMの育成中(引上げ中)に磁場を印加し、育成後の冷却工程に磁場の印加を停止する。
ギャップ調整工程において、円筒研削後の直径が200mmのシリコン単結晶SMを製造する場合、制御部4は、ギャップGPを75mm以上140mm以下に調整することが好ましく、100mm以上125mm以下となるように調整することがより好ましい。一方、円筒研削後の直径が300mmのシリコン単結晶SMを製造する場合、制御部4は、ギャップGPを80mm以上285mm以下に調整することが好ましく、100mm以上250mm以下に調整することがより好ましく、125mm以上200mm以下となるように調整することがさらに好ましい。シリコン単結晶SMをシリコン融液Mから切り離したときのギャップGPが上述の範囲の下限値よりも小さい場合、制御部4は、ギャップGPを大きくし、上述の範囲の上限値よりも大きい場合、ギャップGPを小さくする。
ギャップGPが上述の好ましい範囲に入っていない場合、CO(gas)がシリコン融液Mに混入しやすくなることから、切り離し工程後、120秒以内にギャップ調整工程を終了させる(ギャップGPが上記範囲内になるようにルツボ22を移動させる)ことが好ましい。
以上のギャップ調整工程を行うことによって、ギャップ調整工程を行わない(ギャップGPを育成工程終了時の状態から変更しない)場合と比べて、シリコン融液Mに混入するCO(gas)を少なくできる。
ギャップ調整工程の終了後、制御部4は、シリコン単結晶SMの引き上げる冷却工程を継続し、シリコン単結晶SMがプルチャンバ213に収容されたら取出工程を行う(ステップS5)。
なお、最後のシリコン単結晶SMの育成時においては、冷却工程におけるギャップ調整工程を行わなくても良い。
その後、制御部4は、次のシリコン単結晶SMを製造するために、ルツボ22にシリコン原料を追加するリチャージ工程(ステップS6)を行った後、育成工程に戻り、次のシリコン単結晶SMの製造を開始する。この育成工程の前に、ギャップ調整工程を行っているため、ギャップ調整工程を行わない場合と比べてカーボン濃度が低いシリコン単結晶SMを製造することができる。
育成工程後、制御部4は、ステップS2において、次の育成を行うと判断した場合、上述のステップS3〜S6,S10の処理を行い、次の育成を行わないと判断した場合、ステップS7〜S9の処理を行い、処理を終了する。
以上のように、最後のシリコン単結晶SMを除くシリコン単結晶SMの育成後にギャップ調整工程を行うことで、シリコン単結晶SMの製造工程の所要時間が長くなることを抑制しつつ、カーボン濃度が低いシリコン単結晶SMを連続して製造できる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
例えば、電磁コイル28を有さない、いわゆるCZ法によるシリコン単結晶SMの製造に本発明を適用してもよい。
ギャップ調整工程における好ましいギャップGPの範囲を、冷却工程時のギャップGPを変更した、いくつかの条件でシリコン単結晶SMを実際に製造し、このシリコン単結晶SMのカーボン濃度を求めることによって決定してもよい。
円筒研削後の直径が200mmおよび300mm以外のシリコン単結晶SMを製造する場合には、実験1,2のようなシミュレーションや、実際に製造したシリコン単結晶SMのカーボン濃度に基づいて、ギャップ調整工程における好ましいギャップGPの範囲を決定し、この範囲に基づきギャップ調整工程を行ってもよい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法を、シリコン原料をチャージせずに複数のシリコン単結晶SMを連続生産する方法に適用してもよい。
1…引き上げ装置、21…チャンバ、22…ルツボ、23…ヒータ、25…熱遮蔽体、GP…ギャップ、GS…不活性ガス、M…シリコン融液、SC…種結晶、SM…シリコン単結晶。

Claims (3)

  1. シリコン原料を収容するルツボと、前記ルツボ中のシリコン原料を溶融するヒータと、育成中のシリコン単結晶を囲むように前記ルツボの上方に配置され、少なくとも表面がカーボン材で構成された熱遮蔽体と、前記ルツボ、前記ヒータおよび前記熱遮蔽体を収容するチャンバとを備えた引き上げ装置を用いて、チョクラルスキー法により、前記ルツボを構成する1つの石英ルツボで複数のシリコン単結晶を連続して製造するシリコン単結晶の製造方法であって、
    前記チャンバ内に不活性ガスを導入しつつ、シリコン融液に着液させた種結晶を引き上げることでシリコン単結晶を育成する育成工程と、
    前記シリコン単結晶を前記シリコン融液から切り離す切り離し工程と、
    前記シリコン単結晶を引き上げながら冷却する冷却工程とを備え、
    最後に育成するシリコン単結晶を除くシリコン単結晶に対して行う冷却工程における前記熱遮蔽体の下端と前記シリコン融液の液面とのギャップを調整するギャップ調整工程をさらに備え、
    前記ギャップ調整工程は、当該ギャップ調整工程を行いつつ前記冷却工程を行った場合の前記シリコン融液のカーボン濃度が、前記ギャップを前記切り離し工程でシリコン単結晶を切り離したときの状態から変更せずに前記冷却工程を行った場合のカーボン濃度よりも小さくなるように、前記ギャップを調整することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
    前記育成工程は、円筒研削後の直胴部の直径が200mmとなるような前記シリコン単結晶を育成し、
    前記ギャップ調整工程は、前記ギャップを75mm以上140mm以下に調整することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  3. 請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
    前記育成工程は、円筒研削後の直胴部の直径が300mmとなるような前記シリコン単結晶を育成し、
    前記ギャップ調整工程は、前記ギャップを80mm以上285mm以下に調整することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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