JP2020047590A - 導電フィルム及び接続構造体 - Google Patents

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弾一 宮崎
Danichi Miyazaki
弾一 宮崎
諭 齋藤
Satoshi Saito
諭 齋藤
雄太 山中
Yuta Yamanaka
雄太 山中
石澤 英亮
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Abstract

【課題】電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を効果的に高めることができ、かつ、絶縁信頼性を効果的に高めることができる導電フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る導電フィルムは、バインダー樹脂と、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種と、フラックスと、複数のはんだ粒子とを含む導電フィルムであり、前記はんだ粒子の平均粒子径が、10μm以下であり、前記導電フィルムの厚みの前記はんだ粒子の平均粒子径に対する比が、1.5以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、はんだ粒子を含む導電フィルムに関する。また、本発明は、上記導電フィルムを用いた接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。また、導電性粒子として、導電層の表面に絶縁処理が施された導電性粒子が用いられることがある。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記異方性導電材料を用いる接続としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、導体部材間を電気的に接続する接着テープが開示されている。上記接着テープは、熱硬化性樹脂を含む樹脂層と半田粉と硬化剤とを含む。上記半田粉と上記硬化剤とは、上記樹脂層中に存在する。上記接着テープでは、上記樹脂層の硬化温度Tと上記半田粉の融点Tとが下記式(1)を満たす。上記硬化温度Tは、DSCを用いて、昇温速度10℃/分で接着テープを測定した際の発熱ピーク温度である。上記接着テープでは、上記半田粉の融点Tでの上記樹脂層の溶融粘度は、50Pa・s以上5000Pa・s以下である。
≧T+20℃ 式(1)
下記の特許文献2には、実質的に鉛を含まない合金粒子が開示されている。上記合金粒子は、示差走査熱量測定(DSC)によって吸熱ピークが観察される温度として定義される複数の融点を示し、該複数の融点は初期最低融点(a)及び最高融点を含む。上記合金粒子は、少なくとも表面部分において上記初期最低融点(a)を示す。上記合金粒子を、上記初期最低融点(a)又はそれ以上の温度で加熱し、それにより上記合金粒子について上記初期最低融点(a)を示すその少なくとも表面部分を溶融させる。その後、上記合金粒子を室温まで冷却させ、上記合金粒子の溶融部分を固化させると、加熱及び固化を経た上記合金粒子は初期最低融点(a)より高い上昇最低融点(a’)を示す。特許文献2では、導電性粒子として上記合金粒子と、有機バインダーとを含む異方導電性フィルムが記載されている。
WO2008/023452A1 WO2002/028574A1
上記異方性導電材料により、例えば、フレキシブルプリント基板の電極とガラスエポキシ基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラスエポキシ基板上に、はんだ粒子等の導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、フレキシブルプリント基板を積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して、接続構造体を得る。
一般的に、異方性導電材料として異方性導電フィルムを用いる場合には、異方性導電ペーストを用いる場合と比較して、はんだ粒子等の導電性粒子を電極(ライン)上に効率的に配置させることは困難である。例えば、異方性導電フィルムを用いると、導電性粒子の一部が、電極が形成されていない領域(スペース)にも配置され易い。電極が形成されていない領域(スペース)に配置された導電性粒子は、電極間の導通に寄与することはなく、接続されてはならない横方向の電極間におけるブリッジの原因となることがある。
また、近年、電子デバイスの薄型化及び小型化が進行している。このため、電子部品における導電性粒子により接続される配線において、配線が形成されたライン(L)の幅と、配線が形成されていないスペース(S)の幅とを示すL/Sが小さくなり、狭ピッチ化が進行している。このような微細な細線に対応するために、導電材料に用いられるはんだ粒子等の導電性粒子についても微小化及び小粒子径化が進行している。はんだ粒子等の導電性粒子を単に小粒子径化した場合には、導電材料を用いた導電接続時に、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を効率的に配置できないことがある。特に、導電材料を加熱硬化させる際に、接続されるべき上下方向の電極間にはんだ粒子等を十分に凝集させることができず、接続されてはならない横方向の電極間に、上下方向の電極間のはんだと離れて、はんだ粒子等がサイドボール等として残存することがある。結果として、接続されるべき電極間の導通信頼性及び接続されてはならない隣接する電極間の絶縁信頼性を十分に高めることができない場合がある。
本発明の目的は、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を効果的に高めることができ、かつ、絶縁信頼性を効果的に高めることができる導電フィルムを提供することである。また、本発明の目的は、上記導電フィルムを用いた接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、バインダー樹脂と、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種と、フラックスと、複数のはんだ粒子とを含む導電フィルムであり、前記はんだ粒子の平均粒子径が、10μm以下であり、前記導電フィルムの厚みの前記はんだ粒子の平均粒子径に対する比が、1.5以上である、導電フィルムが提供される。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度が、1Pa・s以上1000Pa・s以下である。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記バインダー樹脂が、熱硬化性化合物を含み、前記バインダー樹脂の熱硬化開始温度が、90℃以上250℃以下である。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記はんだ粒子の融点が、100℃以上250℃以下である。
本発明に係る導電フィルムのある特定の局面では、前記導電フィルム100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、1重量%以上80重量%以下である。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電フィルムであり、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電フィルムは、バインダー樹脂と、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種と、フラックスと、複数のはんだ粒子とを含む。本発明に係る導電フィルムでは、上記はんだ粒子の平均粒子径が、10μm以下である。本発明に係る導電フィルムでは、上記導電フィルムの厚みの上記はんだ粒子の平均粒子径に対する比が、1.5以上である。本発明に係る導電フィルムでは、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を効果的に高めることができ、かつ、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを用いて得られる接続構造体を模式的に示す断面図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを用いて、接続構造体を製造する方法の一例の各工程を説明するための断面図である。 図4は、接続構造体の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(導電フィルム)
本発明に係る導電フィルムは、バインダー樹脂と、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種と、フラックスと、複数のはんだ粒子とを含む。本発明に係る導電フィルムでは、上記はんだ粒子の平均粒子径が、10μm以下である。本発明に係る導電フィルムでは、上記導電フィルムの厚みの上記はんだ粒子の平均粒子径に対する比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)が、1.5以上である。
本発明に係る導電フィルムでは、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を効果的に高めることができ、かつ、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。本発明に係る導電フィルムでは、例えば、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性を高めることができ、かつ、接続されてはならない横方向の電極間の絶縁信頼性を高めることができる。
異方性導電材料を用いて、基板上の電極間を電気的に接続することで接続構造体を得ることができる。この接続構造体の作製において、異方性導電材料として異方性導電フィルムを用いる場合には、異方性導電ペーストを用いる場合と比較して、はんだ粒子を電極(ライン)上に効率的に配置させることは困難である。例えば、異方性導電フィルムを用いると、はんだ粒子の一部が、電極が形成されていない領域(スペース)にも配置され易い。電極が形成されていない領域(スペース)に配置されたはんだ粒子は、電極間の導通に寄与することはなく、接続されてはならない横方向の電極間におけるブリッジの原因となることがある。なお、ブリッジとは、はんだが隣接する電極まで濡れ拡がることにより形成された導通経路を意味する。
また、近年、電子デバイスの薄型化及び小型化が進行している。このため、電子部品におけるはんだ粒子により接続される配線において、配線が形成されたライン(L)の幅と、配線が形成されていないスペース(S)の幅とを示すL/Sが小さくなり、狭ピッチ化が進行している。このような微細な細線に対応するために、導電材料に用いられるはんだ粒子についても微小化及び小粒子径化が進行している。はんだ粒子を単に小粒子径化した場合には、導電材料を用いた導電接続時に、接続されるべき上下の電極間にはんだ粒子を効率的に配置できないことがある。特に、導電材料を加熱硬化させる際に、接続されるべき上下方向の電極間にはんだ粒子を十分に凝集させることができず、接続されてはならない横方向の電極間に、上下方向の電極間のはんだと離れて、はんだ粒子がサイドボール等として残存することがある。結果として、接続されるべき電極間の導通信頼性及び接続されてはならない隣接する電極間の絶縁信頼性を十分に高めることができない場合がある。
本発明者らは、特定の導電フィルムを用いることで、導電ペーストではなく、導電フィルムを用いても、はんだを電極上に効率的に配置することができ、さらに、はんだ粒子を小粒子径化しても、電極上にはんだ粒子を十分に凝集させることができることを見出した。本発明では、導電フィルムの厚みとはんだ粒子の平均粒子径とが特定の関係を満足しているので、導電フィルムを用いた導電接続時に、はんだ粒子が比較的自由に移動することができ、はんだ粒子が電極上に凝集するための時間を十分に確保することができ、ライン上にはんだ粒子を効率的に配置させることができる。また、スペース上に配置されるはんだ粒子を減少させることができ、横方向の電極間におけるブリッジの発生を抑制することができる。結果として、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性及び接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本発明では、上記のような効果を得るために、特定の導電フィルムを用いることは大きく寄与する。
上記導電フィルムの80℃での粘度(η80)は、好ましくは10Pa・s以上、より好ましくは15Pa・s以上であり、好ましくは1200Pa・s以下、より好ましくは1100Pa・s以下である。上記導電フィルムの80℃での粘度(η80)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η80)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記導電フィルムの90℃での粘度(η90)は、好ましくは2Pa・s以上、より好ましくは5Pa・s以上であり、好ましくは950Pa・s以下、より好ましくは900Pa・s以下である。上記導電フィルムの90℃での粘度(η90)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η90)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記導電フィルムのはんだ粒子の融点での粘度(ηmp)は、好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは1Pa・s以上であり、好ましくは500Pa・s以下、より好ましくは400Pa・s以下である。上記導電フィルムのはんだ粒子の融点での粘度(ηmp)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(ηmp)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記粘度(η80、η90及びηmp)は、STRESSTECH(REOLOGICA社製)等を用いて、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲25℃〜200℃の条件で測定可能である。但し、はんだ粒子の融点が200℃を超える場合には、温度上限をはんだ粒子の融点とする。この測定において、各温度(80℃、90℃及びはんだ粒子の融点)での粘度を読み取ることで、η80、η90及びηmpを算出する。
本発明に係る導電フィルムは、はんだ粒子を含む導電フィルムに、はんだ粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。上記導電フィルムは、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電フィルムは、回路接続材料であることが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る導電フィルムについて、具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを示す断面図である。
図1に示す導電フィルム11は、単層フィルムである。導電フィルム11は複数のはんだ粒子1と樹脂部12とを備える。樹脂部12は、バインダー樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種、及びフラックスを含む。図1中、Xは、導電フィルム11の厚みを表す。
本発明に係る導電フィルムでは、上記導電フィルムの厚み(図1中のX)の上記はんだ粒子の平均粒子径に対する比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)は、1.5以上である。上記比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上である。上記比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)の上限は特に限定されない。上記比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)は、100以下であってもよい。上記比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記導電フィルムの厚みは、デジマチックインジケータ(ミツトヨ社製「ID−F」)を用いて測定することができる。
上記樹脂部は、完全に硬化していないことが好ましい。上記樹脂部は、加熱等によりBステージ化していてもよい。上記樹脂部は、Bステージ化させたBステージ化物であってもよい。
以下、上記導電フィルムに含まれる各成分を説明する。
(はんだ粒子)
上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだにより形成されている。上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだである粒子である。上記はんだ粒子の代わりに、はんだ以外の材料から形成された基材粒子と該基材粒子の表面上に配置されたはんだ部とを備える導電性粒子を用いた場合には、電極上に導電性粒子が集まり難くなる。また、上記導電性粒子では、導電性粒子同士のはんだ接合性が低いために、電極上に移動した導電性粒子が電極外に移動しやすくなる傾向がある。
上記はんだは、融点が450℃以下である金属(低融点金属)であることが好ましい。上記はんだ粒子は、融点が450℃以下である金属粒子(低融点金属粒子)であることが好ましい。上記低融点金属粒子は、低融点金属を含む粒子である。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは190℃以下である。
上記はんだ粒子の融点は、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下である。上記はんだ粒子の融点が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性をより一層効果的に高めることができ、かつ、絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記はんだ粒子の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。示差走査熱量測定(DSC)装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」等が挙げられる。
上記はんだ粒子は錫を含むことが好ましい。上記はんだ粒子に含まれる金属100重量%中、錫の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記はんだ粒子における錫の含有量が、上記下限以上であると、はんだ部と電極との接続信頼性がより一層高くなる。
なお、上記錫の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。
上記はんだ粒子を用いることで、はんだが溶融して電極に接合し、はんだ部が電極間を導通させる。例えば、はんだ部と電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、上記はんだ粒子の使用により、はんだ部と電極との接合強度が高くなる結果、はんだ部と電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性及び接続信頼性がより一層高くなる。
上記はんだ粒子を構成する低融点金属は特に限定されない。該低融点金属は、錫、又は錫を含む合金であることが好ましい。該合金は、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、錫、錫−銀合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることが好ましい。上記低融点金属は、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることがより好ましい。
上記はんだ粒子は、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだ粒子の組成としては、例えば亜鉛、金、銀、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウム等を含む金属組成が挙げられる。上記はんだ粒子は、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むか、又は錫とビスマスとを含むことが好ましい。
はんだ部と電極との接合強度をより一層高めるために、上記はんだ粒子は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。また、はんだ部と電極との接合強度をさらに一層高める観点からは、上記はんだ粒子は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。はんだ部と電極との接合強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、はんだ粒子に含まれる金属100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上、好ましくは1重量%以下である。
本発明に係る導電フィルムでは、上記はんだ粒子の平均粒子径は、10μm以下である。上記はんだ粒子の平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上であり、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。上記はんだ粒子の平均粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。上記はんだ粒子の平均粒子径は、1μm以上10μm以下であることが特に好ましい。
上記はんだ粒子の平均粒子径は、数平均粒子径であることが好ましい。はんだ粒子の平均粒子径は、例えば、任意のはんだ粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各はんだ粒子の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
上記はんだ粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記はんだ粒子の粒子径の変動係数が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。但し、上記はんだ粒子の粒子径のCV値は、5%未満であってもよい。
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:はんだ粒子の粒子径の標準偏差
Dn:はんだ粒子の粒子径の平均値
上記はんだ粒子の形状は特に限定されない。上記はんだ粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等の形状であってもよい。
上記導電フィルム100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだを多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。
(バインダー樹脂)
上記導電フィルムは、バインダー樹脂を含む。上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物と、光重合開始剤とを含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物と、硬化剤として熱硬化剤を含むことが好ましい。上記導電フィルムでは、上記バインダー樹脂は完全に硬化していないことが好ましい。上記バインダー樹脂は加熱等によりBステージ化していてもよい。
導電フィルムの硬化度を高めるために、上記導電フィルムは、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記バインダー樹脂は、熱硬化性化合物を含むことが好ましい。導電フィルムの硬化度を高めるために、上記導電フィルムは、硬化促進剤を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度は、好ましくは1Pa・s以上、より好ましくは2Pa・s以上、さらに好ましくは5Pa・s以上であり、好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは900Pa・s以下である。上記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度は、STRESSTECH(REOLOGICA社製)等を用いて、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲25℃〜200℃の条件で測定可能である。この測定において、90℃での粘度を読み取ることで、上記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度を算出する。
上記バインダー樹脂の熱硬化開始温度は、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下である。上記バインダー樹脂の熱硬化開始温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記バインダー樹脂の熱硬化開始温度は、DSCでの発熱ピークの立ち上がり開始の温度を意味する。DSC装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」等が挙げられる。
(バインダー樹脂:熱硬化性化合物)
上記熱硬化性化合物は特に限定されない。上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。導電フィルムの硬化性及び粘度をより一層良好にする観点、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点、及び接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、エポキシ化合物又はエピスルフィド化合物が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物を含むことが好ましい。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物は、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物である。上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。上記エポキシ化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物は、常温(23℃)で液状又は固体であり、上記エポキシ化合物が常温で固体である場合には、上記エポキシ化合物の溶融温度は、上記はんだ粒子の融点以下であることが好ましい。上記の好ましいエポキシ化合物を用いることで、接続対象部材を貼り合わせた段階では、粘度が高く、搬送等の衝撃により、加速度が付与された際に、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との位置ずれを抑制することができる。さらに、硬化時の熱により、導電フィルムの粘度を大きく低下させることができ、はんだの凝集を効率よく進行させることができる。
接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物を含むことが好ましい。
電極上にはんだをより一層効果的に配置する観点からは、上記熱硬化性化合物は、ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
上記ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物としては、炭素数3〜12のアルキル鎖の両末端にグリシジルエーテル基を有する化合物、並びに炭素数2〜4のポリエーテル骨格を有し、該ポリエーテル骨格2個〜10個が連続して結合した構造単位を有するポリエーテル型エポキシ化合物等が挙げられる。
硬化物の耐熱性をより一層効果的に高める観点からは、上記熱硬化性化合物は、イソシアヌル骨格を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
上記イソシアヌル骨格を有する熱硬化性化合物としてはトリイソシアヌレート型エポキシ化合物等が挙げられ、日産化学工業社製TEPICシリーズ(TEPIC−G、TEPIC−S、TEPIC−SS、TEPIC−HP、TEPIC−L、TEPIC−PAS、TEPIC−VL、TEPIC−UC)等が挙げられる。
上記導電フィルム100重量%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは85重量%以下、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下、特に好ましくは55重量%以下である。上記熱硬化性化合物の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置し、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。耐衝撃性をより一層効果的に高める観点からは、上記熱硬化性化合物の含有量は多い方が好ましい。
上記導電フィルム100重量%中、上記エポキシ化合物の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは85重量%以下、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下、特に好ましくは55重量%以下である。上記エポキシ化合物の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置し、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。耐衝撃性をより一層高める観点からは、上記エポキシ化合物の含有量は多い方が好ましい。
(硬化剤:熱硬化剤)
上記導電フィルムは、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種を含む。上記導電フィルムは、硬化剤又は硬化促進剤を含む。上記導電フィルムは、上記硬化剤を含んでいてもよく、上記硬化促進剤を含んでいてもよく、上記硬化剤と上記硬化促進剤との双方を含んでいてもよい。上記導電フィルムが上記硬化剤を含む場合に、上記導電フィルムは上記硬化促進剤を含んでいなくてもよい。上記導電フィルムが上記硬化促進剤を含む場合に、上記導電フィルムは上記硬化剤を含んでいなくてもよい。上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤は、熱硬化剤であることが好ましい。上記導電フィルムは、上記熱硬化性化合物と共に、上記熱硬化剤を含むことが好ましい。
上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を熱硬化させる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤等のチオール硬化剤、酸無水物硬化剤、熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
導電フィルムを低温でより一層速やかに硬化可能とする観点からは、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、チオール硬化剤、又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、上記熱硬化性化合物と上記熱硬化剤とを混合したときの保存安定性を高める観点からは、上記熱硬化剤は、潜在性の硬化剤であることが好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性チオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤は特に限定されない。上記イミダゾール硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等における1H−イミダゾールの5位の水素をヒドロキシメチル基で、かつ、2位の水素をフェニル基またはトルイル基で置換したイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記チオール硬化剤は特に限定されない。上記チオール硬化剤としては、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤は特に限定されない。上記アミン硬化剤としては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記酸無水物硬化剤は特に限定されず、エポキシ化合物等の熱硬化性化合物の硬化剤として用いられる酸無水物であれば広く用いることができる。上記酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、フタル酸誘導体の無水物、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、グリセリンビス無水トリメリット酸モノアセテート、及びエチレングリコールビス無水トリメリット酸等の2官能の酸無水物硬化剤、無水トリメリット酸等の3官能の酸無水物硬化剤、並びに、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、及びポリアゼライン酸無水物等の4官能以上の酸無水物硬化剤等が挙げられる。
上記熱カチオン開始剤は特に限定されない。上記熱カチオン開始剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
上記熱ラジカル発生剤は特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤としては、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
上記熱硬化剤の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下、特に好ましくは140℃以下である。上記熱硬化剤の反応開始温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置される。上記熱硬化剤の反応開始温度は、80℃以上140℃以下であることが特に好ましい。
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化剤の反応開始温度は、上記はんだ粒子の融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
上記熱硬化剤の反応開始温度は、DSCでの発熱ピークの立ち上がり開始の温度を意味する。DSC装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは75重量部以下である。熱硬化剤の含有量が、上記下限以上であると、導電フィルムを十分に硬化させることが容易である。熱硬化剤の含有量が、上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
(硬化促進剤)
上記硬化促進剤は特に限定されない。上記硬化促進剤は、上記熱硬化性化合物と上記熱硬化剤との反応において硬化触媒として作用することが好ましい。上記硬化促進剤は、上記熱硬化性化合物との反応において硬化触媒として作用することが好ましい。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤としては、ホスホニウム塩、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、及びホスホニウムイリド等が挙げられる。具体的には、上記硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、イミダゾール化合物のイソシアヌル酸塩、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの誘導体、メラミン化合物、メラミン化合物の誘導体、ジアミノマレオニトリル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエタノールアミン、ジアミノジフェニルメタン、有機酸ジヒドラジド等のアミン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、三フッ化ホウ素、並びに、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン及びメチルジフェニルホスフィン等の有機リン化合物等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩は特に限定されない。上記ホスホニウム塩としては、テトラノルマルブチルホスホニウムブロマイド、テトラノルマルブチルホスホニウムO−Oジエチルジチオリン酸、メチルトリブチルホスホニウムジメチルリン酸塩、テトラノルマルブチルホスホニウムベンゾトリアゾール、テトラノルマルブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、及びテトラノルマルブチルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物が良好に硬化するように、上記硬化促進剤の含有量は適宜選択される。上記熱硬化性化合物100重量部に対する上記硬化促進剤の含有量は、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは0.8重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは8重量部以下である。上記硬化促進剤の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記熱硬化性化合物を良好に硬化させることができる。
(フラックス)
上記導電フィルムは、フラックスを含む。フラックスを用いることで、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。上記フラックスは特に限定されない。上記フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを用いることができる。
上記フラックスとしては、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、アミン化合物、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸、又は松脂であることが好ましい。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸であってもよく、松脂であってもよい。カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂の使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記カルボキシル基を2個以上有する有機酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、フェニルイミダゾール、カルボキシベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、及びカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。上記ロジン類としては、アビエチン酸、及びアクリル変性ロジン等が挙げられる。フラックスはロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記フラックスの活性温度(融点)は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、より一層好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに一層好ましくは140℃以下である。上記フラックスの活性温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、フラックス効果がより一層効果的に発揮され、はんだが電極上により一層効率的に配置される。上記フラックスの活性温度(融点)は80℃以上190℃以下であることが好ましい。上記フラックスの活性温度(融点)は80℃以上140℃以下であることが特に好ましい。
フラックスの活性温度(融点)が80℃以上190℃以下である上記フラックスとしては、コハク酸(融点186℃)、グルタル酸(融点96℃)、アジピン酸(融点152℃)、ピメリン酸(融点104℃)、スベリン酸(融点142℃)等のジカルボン酸、安息香酸(融点122℃)、リンゴ酸(融点130℃)等が挙げられる。
また、上記フラックスの沸点は200℃以下であることが好ましい。
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記はんだ粒子の融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記熱硬化剤の反応開始温度よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことが更に好ましい。
上記フラックスは、導電フィルム中に分散されていてもよく、はんだ粒子の表面上に付着していてもよい。
フラックスの融点が、はんだ粒子の融点より高いことにより、電極部分にはんだを効率的に凝集させることができる。これは、接合時に熱を付与した場合、接続対象部材上に形成された電極と、電極周辺の接続対象部材の部分とを比較すると、電極部分の熱伝導率が電極周辺の接続対象部材部分の熱伝導率よりも高いことにより、電極部分の昇温が速いことに起因する。はんだ粒子の融点を超えた段階では、はんだ粒子の内部は溶解するが、表面に形成された酸化被膜は、フラックスの融点(活性温度)に達していないので、除去されない。この状態で、電極部分の温度が先に、フラックスの融点(活性温度)に達するため、優先的に電極上に移動したはんだ粒子の表面の酸化被膜が除去され、はんだが電極の表面上に濡れ拡がることができる。これにより、電極上に効率的にはんだを凝集させることができる。
上記フラックスは、加熱によりカチオンを放出するフラックスであることが好ましい。加熱によりカチオンを放出するフラックスの使用により、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。
上記加熱によりカチオンを放出するフラックスとしては、上記熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)が挙げられる。
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記フラックスは、酸化合物と塩基化合物との塩であることが好ましい。
上記酸化合物は、カルボキシル基を有する有機化合物であることが好ましい。上記酸化合物としては、脂肪族系カルボン酸であるマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、リンゴ酸、環状脂肪族カルボン酸であるシクロヘキシルカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、芳香族カルボン酸であるイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びエチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記酸化合物は、グルタル酸、シクロヘキシルカルボン酸、又はアジピン酸であることが好ましい。
上記塩基化合物は、アミノ基を有する有機化合物であることが好ましい。上記塩基化合物としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−tert−ブチルベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−フェニルベンジルアミン、N−tert−ブチルベンジルアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、イミダゾール化合物、及びトリアゾール化合物が挙げられる。電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、接続されてはならない電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び接続されるべき電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記塩基化合物は、ベンジルアミンであることが好ましい。
上記導電フィルム100重量%中、上記フラックスの含有量は、好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記フラックスの含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ及び電極の表面に酸化被膜がより一層形成され難くなり、さらに、はんだ及び電極の表面に形成された酸化被膜をより一層効果的に除去できる。
(フィラー)
本発明に係る導電フィルムは、フィラーを含んでいてもよい。上記フィラーは、有機フィラーであってもよく、無機フィラーであってもよい。上記導電フィルムがフィラーを含むことにより、基板の全電極上に対して、はんだをより一層均一に凝集させることができる。また、上記導電フィルムがフィラーを含むことにより、上記導電フィルム中に上記はんだ粒子をより一層均一に分散させることができる。
上記導電フィルムは、上記フィラーを含まないか、又は上記フィラーを5重量%以下で含むことが好ましい。上記熱硬化性化合物を用いている場合には、フィラーの含有量が少ないほど、電極上にはんだが移動しやすくなる。
上記導電フィルム100重量%中、上記フィラーの含有量は、好ましくは0重量%(未含有)以上であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。上記フィラーの含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだが電極上により一層均一に配置される。
(他の成分)
上記導電フィルムは、必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、チキソ剤、レベリング剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
(接続構造体)
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と、上記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、上述した導電フィルムである。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている。
本発明に係る接続構造体では、特定の導電フィルムを用いているので、はんだが第1の電極と第2の電極との間に集まりやすく、はんだを電極(ライン)上に効率的に配置することができる。また、はんだの一部が、電極が形成されていない領域(スペース)に配置され難く、電極が形成されていない領域に配置されるはんだの量をかなり少なくすることができる。従って、第1の電極と第2の電極との間の導通信頼性を高めることができる。しかも、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の電気的な接続を防ぐことができ、絶縁信頼性を高めることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを用いて得られる接続構造体を模式的に示す断面図である。
図2に示す接続構造体21は、第1の接続対象部材22と、第2の接続対象部材23と、第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23とを接続している接続部24とを備える。接続部24は、上述した導電フィルムにより形成されている。本実施形態では、上記導電フィルムは、バインダー樹脂と、硬化剤と、フラックスと、複数のはんだ粒子とを含む。上記バインダー樹脂は熱硬化性化合物を含み、上記硬化剤は熱硬化剤を含む。本実施形態は、硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種として、硬化剤を用いた実施形態である。上記導電フィルムは、硬化剤とともに硬化促進剤を含んでいてもよい。上記導電フィルムは、硬化剤に代えて硬化促進剤を含んでいてもよい。
接続部24は、複数のはんだ粒子が集まり互いに接合したはんだ部24Aと、熱硬化性化合物が熱硬化された硬化物部24Bとを有する。
第1の接続対象部材22は表面(上面)に、複数の第1の電極22aを有する。第2の接続対象部材23は表面(下面)に、複数の第2の電極23aを有する。第1の電極22aと第2の電極23aとが、はんだ部24Aにより電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23とが、はんだ部24Aにより電気的に接続されている。なお、接続部24において、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に集まったはんだ部24Aとは異なる領域(硬化物部24B部分)では、はんだは存在しない。はんだ部24Aとは異なる領域(硬化物部24B部分)では、はんだ部24Aと離れたはんだは存在しない。なお、少量であれば、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に集まったはんだ部24Aとは異なる領域(硬化物部24B部分)に、はんだが存在していてもよい。
図2に示すように、接続構造体21では、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に、複数のはんだ粒子が集まり、複数のはんだ粒子が溶融した後、はんだ粒子の溶融物が電極の表面を濡れ拡がった後に固化して、はんだ部24Aが形成されている。このため、はんだ部24Aと第1の電極22a、並びにはんだ部24Aと第2の電極23aとの接続面積が大きくなる。すなわち、はんだ粒子を用いることにより、導電性の外表面がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、はんだ部24Aと第1の電極22a、並びにはんだ部24Aと第2の電極23aとの接触面積が大きくなる。このことによっても、接続構造体21における導通信頼性及び接続信頼性が高くなる。なお、導電フィルムにフラックスが含まれる場合に、フラックスは、一般に、加熱により次第に失活する。
なお、図2に示す接続構造体21では、はんだ部24Aの全てが、第1の電極22aと第2の電極23aとの間の対向している領域に位置している。図4に示す変形例の接続構造体21Xは、接続部24Xのみが、図2に示す接続構造体21と異なる。接続部24Xは、はんだ部24XAと硬化物部24XBとを有する。接続構造体21Xのように、はんだ部24XAの多くが、第1の電極22aと第2の電極23aとの間の対向している領域に位置しており、はんだ部24XAの一部が第1の電極22aと第2の電極23aとの間の対向している領域から側方にはみ出していてもよい。第1の電極22aと第2の電極23aとの間の対向している領域から側方にはみ出しているはんだ部24XAは、はんだ部24XAの一部であり、はんだ部24XAから離れたはんだではない。なお、本実施形態では、はんだ部から離れたはんだの量を少なくすることができるが、はんだ部から離れたはんだが硬化物部中に存在していてもよい。
はんだ粒子の使用量を少なくすれば、接続構造体21を得ることが容易になる。はんだ粒子の使用量を多くすれば、接続構造体21Xを得ることが容易になる。
上記第1の電極と上記第2の電極との間におけるはんだ部の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。上記第1の電極及び上記第2の電極において、電極の表面上のはんだ濡れ面積(電極の露出した面積100%中のはんだが接している面積)は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、好ましくは100%以下である。上記接続部中の上記はんだ部が、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
接続構造体21,21Xでは、第1の電極22aと接続部24,24Xと第2の電極23aとの積層方向に第1の電極22aと第2の電極23aとの対向し合う部分をみたときに、第1の電極22aと第2の電極23aとの対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、接続部24,24X中のはんだ部24A,24XAが配置されていることが好ましい。接続部24,24X中のはんだ部24A,24XAが、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の60%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることがより好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の70%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることがさらに好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の80%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが特に好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の90%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが最も好ましい。上記接続部中のはんだ部が、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の60%以上が配置されていることが好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の70%以上が配置されていることがより好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の90%以上が配置されていることがさらに好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の95%以上が配置されていることが特に好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の99%以上が配置されていることが最も好ましい。上記接続部中のはんだ部が、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
次に、図3では、本発明の一実施形態に係る導電フィルムを用いて、接続構造体21を製造する方法の一例を説明する。
先ず、第1の電極22aを表面(上面)に有する第1の接続対象部材22を用意する。次に、図3(a)に示すように、第1の接続対象部材22の表面上に、上述した導電フィルム11を配置する(第1の工程)。導電フィルム11は、樹脂部12と、はんだ粒子1とを備える。樹脂部12は、バインダー樹脂、硬化剤、及びフラックスを含む。樹脂部12は、硬化剤とともに硬化促進剤を含んでいてもよい。樹脂部12は、硬化剤に代えて硬化促進剤を含んでいてもよい。
第1の接続対象部材22の第1の電極22aが設けられた表面上に、導電フィルム11を配置する。導電フィルム11の配置の後に、はんだ粒子1は、第1の電極22a(ライン)上と、第1の電極22aが形成されていない領域(スペース)上との双方に配置されている。
また、第2の電極23aを表面(下面)に有する第2の接続対象部材23を用意する。次に、図3(b)に示すように、第1の接続対象部材22の表面上の導電フィルム11において、導電フィルム11の第1の接続対象部材22側とは反対側の表面上に、第2の接続対象部材23を配置する(第2の工程)。導電フィルム11の表面上に、第2の電極23a側から、第2の接続対象部材23を配置する。このとき、第1の電極22aと第2の電極23aとを対向させる。
次に、はんだ粒子1の融点以上に導電フィルム11を加熱する(第3の工程)。好ましくは、樹脂部12(熱硬化性化合物)の硬化温度以上に導電フィルム11を加熱する。この加熱時には、電極が形成されていない領域に存在していたはんだ粒子1は、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に集まる(自己凝集効果)。本実施形態では、導電フィルム11の厚みとはんだ粒子1の平均粒子径とが特定の関係を満足しているので、はんだ粒子1が、第1の電極22aと第2の電極23aとの間により一層効果的に集まる。また、はんだ粒子1は溶融し、互いに接合する。また、樹脂部12は熱硬化する。この結果、図3(c)に示すように、第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23とを接続している接続部24が、導電フィルム11により形成される。導電フィルム11により接続部24が形成され、複数のはんだ粒子1が接合することによってはんだ部24Aが形成され、樹脂部12が熱硬化することによって硬化物部24Bが形成される。はんだ粒子1が十分に移動すれば、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に位置していないはんだ粒子1の移動が開始してから、第1の電極22aと第2の電極23aとの間にはんだ粒子1の移動が完了するまでに、温度を一定に保持しなくてもよい。
上記第2の工程及び上記第3の工程において、加圧を行わない方が好ましい。この場合には、導電フィルム11には、第2の接続対象部材23の重量が加わる。このため、接続部24の形成時に、はんだ粒子1が、第1の電極22aと第2の電極23aとの間により一層効果的に集まる。なお、上記第2の工程及び上記第3の工程の内の少なくとも一方において、加圧を行えば、はんだ粒子1が第1の電極22aと第2の電極23aとの間に集まろうとする作用が阻害される傾向が高くなる。
上記第2の工程及び上記第3の工程において、加圧を行ってもよい。加圧を行うことで、上記導電フィルムと、上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材とをより一層接着させることができる。上記加圧時の圧力は、好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。
また、本実施形態では、加圧を行っていないため、第1の電極22aと第2の電極23aとのアライメントがずれた状態で、第1の接続対象部材22と第2の接続対象部材23とが重ね合わされた場合でも、そのずれを補正して、第1の電極22aと第2の電極23aとを接続させることができる(セルフアライメント効果)。これは、第1の電極22aと第2の電極23aとの間に自己凝集している溶融したはんだが、第1の電極22aと第2の電極23aとの間のはんだと導電フィルムのその他の成分とが接する面積が最小となる方がエネルギー的に安定になるため、その最小の面積となる接続構造であるアライメントのあった接続構造にする力が働くためである。この際、導電フィルムが硬化していないこと、及び、その温度、時間にて、導電フィルムのはんだ粒子以外の成分の粘度が十分低いことが望ましい。
このようにして、図2に示す接続構造体21が得られる。なお、上記第2の工程と上記第3の工程とは連続して行われてもよい。また、上記第2の工程を行った後に、得られる第1の接続対象部材22と導電フィルム11と第2の接続対象部材23との積層体を、加熱部に移動させて、上記第3の工程を行ってもよい。上記加熱を行うために、加熱部材上に上記積層体を配置してもよく、加熱された空間内に上記積層体を配置してもよい。
上記第3の工程における上記加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
上記第3の工程における加熱方法としては、はんだ粒子の融点以上及び上記樹脂部の硬化温度以上に、接続構造体全体を、リフロー炉を用いて又はオーブンを用いて加熱する方法や、接続構造体の接続部のみを局所的に加熱する方法が挙げられる。
局所的に加熱する方法に用いる器具としては、ホットプレート、熱風を付与するヒートガン、はんだゴテ、及び赤外線ヒーター等が挙げられる。
また、ホットプレートにて局所的に加熱する際、接続部直下は、熱伝導性の高い金属にて、その他の加熱することが好ましくない個所は、フッ素樹脂等の熱伝導性の低い材質にて、ホットプレート上面を形成することが好ましい。
上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。上記第2の接続対象部材が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板は、柔軟性が高く、比較的軽量であるという性質を有する。このような接続対象部材の接続に、上述した導電フィルムを用いることで、はんだを電極上に効率的に集めることができ、電極間の導通信頼性を十分に高めることができる。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板を用いる場合に、半導体チップ等の他の接続対象部材を用いた場合と比べて、加圧を行わないことによる電極間の導通信頼性の向上効果がより一層効果的に得られる。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極及び上記第2の電極は、エリアアレイ又はペリフェラルにて配置されていることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極が、エリアアレイ又はペリフェラルにて配置されている場合において、本発明の効果がより一層効果的に発揮される。上記エリアアレイとは、接続対象部材の電極が配置されている面にて、格子状に電極が配置されている構造のことである。上記ペリフェラルとは、接続対象部材の外周部に電極が配置されている構造のことである。電極が櫛型に並んでいる構造の場合は、櫛に垂直な方向に沿ってはんだが凝集すればよいのに対して、上記エリアアレイ又はペリフェラル構造では電極が配置されている面において、全面にて均一にはんだが凝集する必要がある。そのため、従来の方法では、はんだ量が不均一になりやすいのに対して、本発明では、はんだをより一層均一に凝集させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
バインダー樹脂:
バインダー樹脂1:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(重量平均分子量43000)、GABRIEL PERFORMANCE PRODUCTS社製「PKHC」
バインダー樹脂2:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(重量平均分子量52000)、GABRIEL PERFORMANCE PRODUCTS社製「PKHH」
バインダー樹脂3:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(重量平均分子量57000)、GABRIEL PERFORMANCE PRODUCTS社製「PKHJ」
バインダー樹脂4:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DOW社製「DER354」
バインダー樹脂5:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC社製「EXA−850CRP」
バインダー樹脂6:フェノールノボラック型エポキシ化合物、DOW社製「DEN431」
硬化剤:
硬化剤1:酸無水物硬化剤、新日本理化社製「リカシッドTH」
硬化剤2:チオール硬化剤、SC有機化学社製「TMMP」、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
硬化剤3:潜在性マイクロカプセル化イミダゾール硬化剤、旭化成ケミカルズ社製「ノバキュアHX3941HP」
硬化促進剤:
硬化促進剤1:三フッ化ホウ素、アルドリッチ社製「三フッ化ホウ素エチルアミン錯体」
硬化促進剤2:カチオン重合開始剤、三新化学工業社製「SI−60L」
フラックス:
フラックス1:「グルタル酸ベンジルアミン塩」、融点108℃
フラックス1の作製方法:
ガラスビンに、反応溶媒である水24gと、グルタル酸(和光純薬工業社製)13.212gとを入れ、室温で均一になるまで溶解させた。その後、ベンジルアミン(和光純薬工業社製)10.715gを入れて、約5分間撹拌し、混合液を得た。得られた混合液を5℃〜10℃の冷蔵庫に入れて、一晩放置した。析出した結晶をろ過により分取し、水で洗浄し、真空乾燥し、フラックス1を得た。
はんだ粒子:
はんだ粒子1:SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属鉱業社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子、平均粒子径3μm
はんだ粒子2:SnAgCuはんだ粒子、融点221℃、三井金属鉱業社製「Sn96.5Ag3Cu0.5」を選別したはんだ粒子、平均粒子径3μm
はんだ粒子3:SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属鉱業社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子、平均粒子径7μm
はんだ粒子4:SnAgCuはんだ粒子、融点221℃、三井金属鉱業社製「Sn96.5Ag3Cu0.5」を選別したはんだ粒子、平均粒子径7μm
はんだ粒子5:SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属鉱業社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子、平均粒子径13μm
はんだ粒子6:SnAgCuはんだ粒子、融点221℃、三井金属鉱業社製「Sn96.5Ag3Cu0.5」を選別したはんだ粒子、平均粒子径13μm
(はんだ粒子の平均粒子径)
はんだ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を用いて測定した。
(はんだ粒子の融点)
はんだ粒子の融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて算出した。示差走査熱量測定(DSC)装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」を用いた。
(実施例1〜30及び比較例1〜3)
(1)導電フィルム(異方性導電フィルム)の作製
下記の表1〜3に示す成分を下記の表1〜3に示す配合量(重量部)で配合して、配合物を得た。得られた配合物の固形分が60重量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)に、上記配合物を溶解させて、溶解液を得た。遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌した後、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが30μmになるよう離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工した。室温で真空乾燥することで、MEKを除去することにより、導電フィルムを得た。得られた導電フィルムの厚みは、デジマチックインジケータ(ミツトヨ社製「ID−F」)を用いて測定した。
(2)接続構造体の作製
L/Sが10μm/10μmであるIZO電極パターン(第1の電極、電極表面の金属のビッカース硬度100Hv)が上面に形成された透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが10μm/10μmであるAu電極パターン(第2の電極、電極表面の金属のビッカース硬度50Hv)が下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた導電フィルムを積層した。次に、導電フィルムの上面に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、導電フィルムの温度が180℃(はんだ粒子1,3,5の場合)又は240℃(はんだ粒子2,4,6の場合)となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せた。そして、80MPaの圧力をかけて導電フィルムを180℃(はんだ粒子1,3,5の場合)又は240℃(はんだ粒子2,4,6の場合)で硬化させ、接続構造体を得た。
(評価)
(1)導電フィルムの厚みのはんだ粒子の平均粒子径に対する比
得られた導電フィルムの厚みとはんだ粒子の平均粒子径とから、導電フィルムの厚みのはんだ粒子の平均粒子径に対する比(導電フィルムの厚み/はんだ粒子の平均粒子径)を算出した。
(2)バインダー樹脂の90℃における溶融粘度
導電フィルムの作製に用いるバインダー樹脂のみを含む樹脂組成物を用意した。上記樹脂組成物を用いて、90℃における溶融粘度を測定した。上記樹脂組成物の90℃における溶融粘度は、STRESSTECH(REOLOGICA社製)を用いて、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲25℃〜200℃の条件で測定した。得られた測定結果から、90℃での粘度を読み取ることで、上記樹脂組成物の90℃における溶融粘度を算出した。
(3)バインダー樹脂の熱硬化開始温度
導電フィルムの作製に用いるバインダー樹脂と、硬化剤又は硬化促進剤とを含む組成物を用意した。上記組成物を用いて、バインダー樹脂の熱硬化開始温度を測定した。バインダー樹脂の熱硬化開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて算出した。示差走査熱量測定(DSC)装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」を用いた。
(4)はんだの凝集性
得られた接続構造体において、第1の電極及び第2の電極の個数100%中の、はんだが配置されている第1の電極又は第2の電極の個数の割合Xを評価した。はんだの凝集性を以下の基準で判定した。
[はんだの凝集性の判定基準]
○○○:割合Xが90%以上
○○:割合Xが70%以上90%未満
×:割合Xが70%未満
(5)はんだ濡れ面積
得られた接続構造体において、第1の電極及び第2の電極の露出した面積100%中の、はんだが接している面積の割合Yを評価した。はんだ濡れ面積を以下の基準で判定した。
[はんだ濡れ面積の判定基準]
○○○:割合Yが90%以上
○○:割合Yが70%以上90%未満
×:割合Yが70%未満
(6)電極上のはんだの配置精度
得られた接続構造体おいて、第1の電極と接続部と第2の電極との積層方向に第1の電極と第2の電極との対向し合う部分をみたときに、第1の電極と第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の、接続部中のはんだ部が配置されている面積の割合Zを評価した。電極上のはんだの配置精度を以下の基準で判定した。
[電極上のはんだの配置精度の判定基準]
○○○:割合Zが70%以上
○○:割合Zが60%以上70%未満
○:割合Zが50%以上60%未満
×:割合Zが50%未満
(7)電極間のブリッジ
得られた接続構造体において、走査型電子顕微鏡により接続部を観察することで、隣接する電極間にブリッジが形成されているか否かを確認した。電極間のブリッジを以下の基準で判定した。
[電極間のブリッジの判定基準]
○:電極間のブリッジが形成されていない
×:電極間のブリッジが形成されている
(8)はんだサイドボール
得られた接続構造体において、走査型電子顕微鏡により接続部を観察することで、接続部の周囲に直径100μm以上のはんだサイドボール又は直径100μm未満のはんだサイドボールが形成されているか否かを確認した。はんだサイドボールを以下の基準で判定した。
[直径100μm以上のはんだサイドボールの判定基準]
○○○:接続部の周囲に直径100μm以上のはんだサイドボールが形成されていない ○○:接続部の周囲に形成されている直径100μm以上のはんだサイドボールの個数が3個以下
×:接続部の周囲に形成されている直径100μm以上のはんだサイドボールの個数が4個以上
[直径100μm未満のはんだサイドボールの判定基準]
○○○:接続部の周囲に形成されている直径100μm未満のはんだサイドボールの個数が3個以下
○○:接続部の周囲に形成されている直径100μm未満のはんだサイドボールの個数が4個以上10個以下
×:接続部の周囲に形成されている直径100μm未満のはんだサイドボールの個数が11個以上
(9)上下の電極間の導通信頼性
得られた接続構造体(n=15個)において、上下の電極間の1接続箇所当たりの接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を以下の基準で判定した。
[導通信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が50mΩ以下
○:接続抵抗の平均値が50mΩを超え70mΩ以下
△:接続抵抗の平均値が70mΩを超え100mΩ以下
×:接続抵抗の平均値が100mΩを超える、又は接続不良が生じている
(10)隣接する電極間の絶縁信頼性
得られた接続構造体(n=15個)において、85℃及び湿度85%の雰囲気中に100時間放置後、隣接する電極間に、5Vを印加し、抵抗値を25箇所で測定した。絶縁信頼性を以下の基準で判定した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が10Ω以上
○:接続抵抗の平均値が10Ω以上10Ω未満
△:接続抵抗の平均値が10Ω以上10Ω未満
×:接続抵抗の平均値が10Ω未満
結果を下記の表1〜3に示す。
Figure 2020047590
Figure 2020047590
Figure 2020047590
フレキシブルプリント基板、樹脂フィルム、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板を用いた場合でも、同様の傾向が見られた。
1…はんだ粒子
11…導電フィルム
12…樹脂部
21,21X…接続構造体
22…第1の接続対象部材
22a…第1の電極
23…第2の接続対象部材
23a…第2の電極
24,24X…接続部
24A,24XA…はんだ部
24B,24XB…硬化物部

Claims (6)

  1. バインダー樹脂と、
    硬化剤及び硬化促進剤の内の少なくとも1種と、
    フラックスと、
    複数のはんだ粒子とを含む導電フィルムであり、
    前記はんだ粒子の平均粒子径が、10μm以下であり、
    前記導電フィルムの厚みの前記はんだ粒子の平均粒子径に対する比が、1.5以上である、導電フィルム。
  2. 前記バインダー樹脂の90℃における溶融粘度が、1Pa・s以上1000Pa・s以下である、請求項1に記載の導電フィルム。
  3. 前記バインダー樹脂が、熱硬化性化合物を含み、
    前記バインダー樹脂の熱硬化開始温度が、90℃以上250℃以下である、請求項1又は2に記載の導電フィルム。
  4. 前記はんだ粒子の融点が、100℃以上250℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電フィルム。
  5. 前記導電フィルム100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、1重量%以上80重量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電フィルム。
  6. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電フィルムであり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている、接続構造体。
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