JP2020029475A - 耐熱高分子フィルム、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法、及び、耐熱高分子フィルムロール - Google Patents

耐熱高分子フィルム、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法、及び、耐熱高分子フィルムロール Download PDF

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Abstract

【課題】 充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となる耐熱高分子フィルムを提供すること。【解決手段】 表面処理された第1面を有する耐熱高分子フィルムであって、第1面の窒素含有率が、耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多い耐熱高分子フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱高分子フィルム、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法、及び、耐熱高分子フィルムロールに関する。
近年、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子など機能素子の軽量化、小型・薄型化、フレキシビリティ化を目的として、高分子フィルム上にこれらの素子を形成する技術開発が活発に行われている。すなわち、情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料としては、従来、耐熱性を有し且つ情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得るセラミックが用いられていたが、セラミックはフレキシブルではなく薄型化もしにくいので、適用可能な分野が限定されるという欠点があったため、最近は高分子フィルムが基板として用いられている。
半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの機能素子を高分子フィルム表面に形成するにあたっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・ツー・ロールプロセスにて加工することが理想とされている。しかしながら、半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業等の業界では、これまでウエハベースまたはガラス基板ベース等のリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が構築されてきた。そこで、既存インフラを利用して機能素子を高分子フィルム上に形成するために、高分子フィルムを、例えばガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板などの無機物からなるリジッドな支持体に貼り合わせ、その上に所望の素子を形成した後に支持体から剥離するというプロセスが用いられている。
ところで、高分子フィルムと無機物からなる支持体とを貼り合わせた積層体に所望の機能素子を形成するプロセスにおいては、該積層体は高温に曝されることが多い。例えば、ポリシリコンや酸化物半導体などの機能素子の形成においては200℃〜600℃程度の温度域での工程が必要である。また、水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においては200〜300℃程度の温度がフィルムに加わる場合あり、さらにアモルファスシリコンを加熱、脱水素化して低温ポリシリコンとするためには450℃〜600℃程度の加熱が必要になる場合がある。したがって、積層体を構成する高分子フィルムには耐熱性が求められるが、現実問題としてかかる高温域にて実用に耐える高分子フィルムは限られている。また、支持体への高分子フィルムの貼り合わせには一般に粘着剤や接着剤を用いることが考えられるが、その際の高分子フィルムと支持体との接合面(すなわち貼り合せ用の接着剤や粘着剤)にも耐熱性が求められる。しかし、通常の貼り合せ用の接着剤や粘着剤は十分な耐熱性を有していないため、機能素子の形成温度が高い場合には接着剤や粘着剤による貼り合わせは適用できない。
充分な耐熱性を有する粘着剤や接着剤が存在しないと考えられていため、従来、上述した用途においては、高分子溶液または高分子の前駆体溶液を無機基板上に塗布して無機基板上で乾燥・硬化させてフィルム化し、当該用途に使用する技術が採用されていた。しかしながら、かかる手段により得られる高分子フィルムは、脆く裂けやすいため、高分子フィルム表面に形成された機能素子は無機基板から剥離する際に破壊してしまう場合が多い。特に無機基板から大面積のフィルムを剥離するのは極めて難しく、およそ工業的に成り立つ歩留まりを得ることはできない。
このような事情に鑑み、機能素子を形成するための高分子フィルムと無機基板との積層体として、耐熱性に優れ強靭で薄膜化が可能なポリイミドフィルムを、シランカップリング剤を介して無機基板に貼り合わせた積層体が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許第5152104号公報 特許第5304490号公報 特許第5531781号公報
本発明者らは、ポリイミドフィルム等の耐熱高分子フィルムについてさらに鋭意研究を行った。その結果、多価アミン化合物で耐熱高分子フィルムを表面処理すると、驚くべきことに、シランカップリング剤を用いる場合と同等、又は、それ以上に充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、多価アミン化合物を用いた耐熱高分子フィルムの表面処理は、シランカップリング剤を用いる場合と比較して、容易に耐熱高分子フィルムの表面処理を行うことが可能であることも見出した。
すなわち、本発明に係る耐熱高分子フィルムは、
表面処理された第1面を有する耐熱高分子フィルムであって、
前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いことを特徴とする。
前記構成によれば、前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いため、前記第1面は、多価アミン化合物で表面処理されているといえる。このような耐熱高分子フィルムは、充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となる。このことは、実施例の記載からも明らかである。
また、前記耐熱高分子フィルムは、多価アミン化合物で表面処理すれば得られるため、生産性により優れる。
また、本発明に係る表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法は、
耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
を有することを特徴とする。
前記構成によれば、耐熱高分子フィルムに多価アミン化合物を塗布した後、0℃以上60℃未満の範囲内で保持し、次に、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持すれば、表面処理された耐熱高分子フィルムを得ることができる。従って、生産性により優れる。また、このようにして得られた表面処理された耐熱高分子フィルムは、充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となる。このことは、実施例の記載からも明らかである。
本発明者らは、前記工程Bにおいて、多価アミン化合物による耐熱高分子フィルムの部分分解が行われ、前記工程Cにおいて、部分分解によって生じた耐熱高分子フィルム表面の官能基と多価アミン化合物とが反応し、これにより、本発明の表面処理された耐熱高分子フィルムが得られていると推察している。つまり、工程Bを行わず、工程Cを行うと、急激に高い温度に晒されることになるため、耐熱高分子フィルムの部分分解が行われる前に多価アミン化合物が揮発してしまい、適切な表面処理が行われないことになると推察している。
前記構成においては、前記多価アミン化合物の分子量が300以下であることが好ましい。
前記多価アミン化合物の分子量が300以下であると、常温で液体状態の化合物が多く、気相塗布法で簡便に用いることが可能である。
前記構成においては、前記多価アミン化合物の沸点が50℃以上250℃以下であることが好ましい。
前記多価アミン化合物の沸点が50℃以上であると、前記工程Bの間に前記多価アミン化合物が揮発してしまうことを抑制できる。また、前記多価アミン化合物の沸点が250℃以下であると、前記工程Cにおいて余剰の多価アミン化合物を好適に揮発させることができる。
なお、本明細書において、沸点とは、常圧(1atm)での沸点をいう。
前記構成において、前記多価アミン化合物がジアミン化合物であることが好ましい。
前記多価アミン化合物がジアミン化合物であると、無機基板との接着力(剥離強度)がより良好となる。また、無機基板に貼り合わせた後の積層体を高温(例えば、500℃で1時間)にさらしたとしても、剥離強度の上昇をより抑制することが可能である。本発明者らは、その理由として、ジアミンが無機基板とフィルム両方と作用する物質であり、価数が上がるほど、接着力は上昇する傾向があり、ジアミン化合物を用いることで、良好な接着力を得ることができる。また、高温にさらした後にはフィルムをやや劣化させ、易剥離が可能な層を形成しているためと推察している。
前記構成において、前記多価アミン化合物が分岐脂肪族多価アミン化合物であることが好ましい。
前記多価アミン化合物が分岐脂肪族多価アミン化合物であると、炭素数が同じ化合物であっても直鎖脂肪族多価アミン化合物よりも一般的に沸点が低く、気相塗布法等によるフィルム処理をより簡便に行うことができる。
また、本発明に係る耐熱高分子フィルムロールは、
前記耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれていることを特徴とする。
前記構成によれば、前記耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれているので、表面処理された耐熱高分子フィルムという形態での輸送が容易である。
また、本発明に係る積層体は、
前記耐熱高分子フィルムと、
無機基板と
を有し、
前記耐熱高分子フィルムの前記第1面が、前記無機基板と対向するように積層されていることを特徴とする。
また、本発明に係る積層体の製造方法は、
前記耐熱高分子フィルムの前記第1面と前記無機基板とを対向させて重ねる工程Xと、
前記工程Xの後、前記耐熱高分子フィルムと前記無機基板とを加圧して密着体を得る工程Yと、
前記工程Yの後、前記密着体を熱処理する工程Zと
を有することを特徴とする。
前記積層体においては、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した後の無機基板と耐熱高分子フィルムとの間の90°剥離強度Aが0.05N/cm以上であることが好ましい。
前記積層体においては、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した後、さらに、窒素雰囲気下で500℃1時間加熱した後の無機基板と耐熱高分子フィルムとの間の90°剥離強度Bが0.50N/cm以下であることが好ましい。
また、本発明に係るフレキシブル電子デバイスの製造方法は、
前記積層体の耐熱高分子フィルム面上に電子デバイスを形成する工程と、
前記電子デバイスを前記耐熱高分子フィルムごと前記無機基板から剥離する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となる耐熱高分子フィルムを提供することができる。また、表面処理された当該耐熱高分子フィルムの製造方法を提供することができる。また、表面処理された当該耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれた耐熱高分子フィルムロールを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<耐熱高分子フィルム>
本実施形態に係る耐熱高分子フィルムは、
表面処理された第1面を有し、
前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多い。
上述した通り、前記耐熱高分子フィルムは、前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多い。前記第1面の窒素含有率は、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも1原子%以上多いことが好ましく、2原子%以上多いことがより好ましい。窒素含有率の測定方法は、実施例に記載の方法による。
前記耐熱高分子フィルムによれば、前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いため、前記第1面は、多価アミン化合物で表面処理されているといえる。このような耐熱高分子フィルムは、充分な耐熱性を有し、且つ、無機基板との接着力が良好となる。このことは、実施例の記載からも明らかである。
また、前記耐熱高分子フィルムは、多価アミン化合物で表面処理すれば得られるため、生産性により優れる。
本明細書において、耐熱高分子とは、融点が400℃以上、好ましくは500℃以上であり、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは320℃以上、さらに好ましくは380℃以上の高分子である。以下、煩雑さを避けるために単に高分子とも称する。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を越える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目し観察することで融点に達しているか否かを判断して良い。
前記耐熱高分子フィルム(以下、単に高分子フィルムとも称する)としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミドといったポリイミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド樹脂、脂環族ポリイミド樹脂);ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートといった共重合ポリエステル(例えば、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル);ポリメチルメタクリレートに代表される共重合(メタ)アクリレート;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルケトン;酢酸セルロース;硝酸セルロース;芳香族ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリフェノール;ポリアリレート;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンオキシド;ポリスチレン等のフィルムを例示できる。
ただし、前記高分子フィルムは、450℃以上の熱処理を伴うプロセスに用いられることが前提であるため、例示された高分子フィルムの中から実際に適用できる物は限られる。前記高分子フィルムのなかでも好ましくは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、より具体的には、芳香族ポリイミドフィルム、芳香族アミドフィルム、芳香族アミドイミドフィルム、芳香族ベンゾオキサゾールフィルム、芳香族ベンゾチアゾールフィルム、芳香族ベンゾイミダゾールフィルム等が挙げられる。
以下に前記高分子フィルムの一例であるポリイミド系樹脂フィルム(ポリイミドフィルムと称する場合もある)についての詳細を説明する。一般にポリイミド系樹脂フィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(以下では「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。
ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸を構成するジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、芳香族ジアミン類の中では、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類がより好ましい。ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。
上述したベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類以外の芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスアニリン)、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および前記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記脂肪族ジアミン類としては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオタン等が挙げられる。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸類としては、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂環族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸無水物類がより好ましく、光透過性の観点からは脂環族テトラカルボン酸類がより好ましい。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環族テトラカルボン酸類としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の無水物構造を有する二無水物(例えば、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物等)が好適である。なお、脂環族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されないが、ピロメリット酸残基(すなわちピロメリット酸由来の構造を有するもの)であることが好ましく、その酸無水物であることがより好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記高分子フィルムの厚さは3μm以上が好ましく、より好ましくは11μm以上であり、さらに好ましくは24μm以上であり、より一層好ましくは45μm以上である。前記高分子フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには250μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。
前記高分子フィルムの30℃から500℃の間の平均のCTEは、好ましくは、−5ppm/℃〜+20ppm/℃であり、より好ましくは−5ppm/℃〜+15ppm/℃であり、さらに好ましくは1ppm/℃〜+10ppm/℃である。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体(無機基板)との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供しても高分子フィルムと無機基板とが剥がれることを回避できる。ここにCTEとは温度に対して可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの30℃から500℃の間の熱収縮率は、±0.9%であることが好ましく、さらに好ましくは±0.6%である。熱収縮率は温度に対して非可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの引張破断強度は、60MPa以上が好ましく、より好ましくは120MP以上であり、さらに好ましくは240MPa以上である。引張破断強度の上限は特に制限されないが、事実上1000MPa程度未満である。なお、前記高分子フィルムの引張破断強度とは、高分子フィルムの流れ方向(MD方向)の引張破断強度及び幅方向(TD方向)の引張破断強度の平均値を指す。
前記高分子フィルムの厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
前記高分子フィルムは、その製造時において幅が300mm以上、長さが10m以上の長尺高分子フィルムとして巻き取られた形態で得られるものが好ましく、巻取りコアに巻き取られたロール状高分子フィルムの形態のものがより好ましい。前記高分子フィルムがロール状に巻かれていると、表面処理された耐熱高分子フィルムという形態での輸送が容易となる。
前記高分子フィルムにおいては、ハンドリング性および生産性を確保する為、高分子フィルム中に粒子径が10〜1000nm程度の滑材(粒子)を、0.03〜3質量%程度、添加・含有させて、高分子フィルム表面に微細な凹凸を付与して滑り性を確保することが好ましい。
前記高分子フィルムは、多価アミン化合物で表面処理される前に表面活性化処理されていてもよい。本明細書において表面活性化処理とは、乾式又は湿式の表面処理である。乾式の表面処理としては、例えば、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、紫外線・電子線・X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、火炎処理、イトロ処理等を挙げることができる。湿式の表面処理としては、例えば、高分子フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を挙げることができる。
前記表面活性化処理は、複数を組み合わせて行っても良い。かかる表面活性化処理は高分子フィルム表面を清浄化し、さらに活性な官能基を生成する。生成された官能基は、多価アミン化合物と水素結合や化学反応などにより結びつき、高分子フィルムと多価アミン化合物とを強固に接着することが可能となる。
前記高分子フィルムは、一方の面、又は、両面に保護フィルムが積層されていてもよい。前記保護フィルムは、前記高分子フィルムを使用するまでの間、前記高分子フィルムを保護するために前記高分子フィルムに貼り付けられるフィルムであり、前記高分子フィルムの使用時に、前記高分子フィルムから剥離される。
前記高分子フィルムは、前記第1面の窒素含有率が、前記高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多い構成であれば、その製造方法は特に限定されないが、例えば、下記の「表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法」により好適に製造することができる。
<表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法>
本実施形態に係る表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法は、
耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
を少なくとも有する。
<工程A>
工程Aにおいては、多価アミン化合物による表面処理が施される前の耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する。
<多価アミン化合物>
前記多価アミン化合物は、2以上のアミンを有する化合物であれば特に限定されない。なお、本明細書において、前記アミンは、第一級アミンをいう。つまり、本明細書において、多価アミン化合物が有するアミンの数を数える場合、第一級アミンの数を数える。例えば、トリエチレンテトラミンは、2つの第一級アミンと、2つの第二級アミンとを有するが、第一級アミンが2つであるので、テトラミンではなく、ジアミンに分類される。
前記多価アミン化合物の具体例としては、1,2−エタンジアミン(エチレンジアミン)、1,3−プロパンジアミン、2−メチルー2−プロピルー1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン(プトレシン)、2,3−ジメチルー1,4−ブタンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,2−ブタンジアミン、2−エチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチルー1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルー1,5−ペンタンジアミン(2−メチル1,5−ジアミノペンタン)、3−メチルー1,5−ペンタンジアミン、3,3−ジメチルー1,5−ペンタンジアミン、1,4−ペンタンジアミン、2−メチル−1,4−ペンタンジアミン、3−メチル−1,4−ペンタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、4,4−ジメチルー1,3−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジアミン、1,2−ペンタンジアミン、4−メチル−1,2−ペンタンジアミン、4−エチル−1,2−ペンタンジアミン、3−メチルー1,2−ペンタンジアミン、3−エチル−1,2−ペンタンジアミン、2−メチルー1,3−ペンタンジアミン、4−メチルー1,3−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、3−メチルー1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチルー1,6−ヘキサンジアミン、3−エチルー1,6−ヘキサンジアミン、1,5−ヘキサンジアミン、1,4−ヘキサンジアミン、1,3−ヘキサンジアミン、1,2−ヘキサンジアミン、2,5−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチルー2,5−ヘキサンジアミン、2,4−ヘキサンジアミン、2−メチルー2,4−ヘキサンジアミン、2,3−ヘキサンジアミン、5−メチルー2,3−ヘキサンジアミン、3,4−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、2−メチルー1,7−ヘプタンジアミン、1,6−ヘプタンジアミン、1,5−ヘプタンジアミン、1,4−ヘプタンジアミン、1,3−ヘプタンジアミン、1,2-ヘプタンジアミン、2,6−ヘプタンジアミン、2,5−ヘプタンジアミン、2,4−ヘプタンジアミン、2,3−ヘプタンジアミン、3,5−ヘプタンジアミン、3,4−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,7−オクタンジアミン、1,6−オクタンジアミン、1,5−オクタンジアミン、1,4−オクタンジアミン、1,3−オクタンジアミン、1,2−オクタンジアミン、2,7−オクタンジアミン、2,7−ジメチルー2,7−オクタンジアミン、2,6−オクタンジアミン、2,5−オクタンジアミン、2,4−オクタンジアミン、2,3−オクタンジアミン、3,6−オクタンジアミン、3,5−オクタンジアミン、3,4−オクタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,4,8−トリアザオクタンなどの炭化水素系のジアミン;1,3,5−ペンタントリアミン、1,4,7−へプタントリアミンなどの炭化水素系のトリアミンが挙げられる。
前記多価アミン化合物の他の具体例としては、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン等が挙げられる。その一例としては、ピリジン−2,4−ジアミン、N2,N6−ジメチル−2,6ピリジンジアミン、2−ピリジンアミン、2,3−ピリジンジアミン、4,6−ピリミジンジアミン、2,4,6−ピリミジントリアミン、2−アミノー4−ピリジンメタンアミン、2,3−ピラジンジアミン、2,5−ピリジンジアミン1,2−シクロヘキサンジアミン、1−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−ジアミノー4−シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサンジアミン、2−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2,3−シクロヘキサントリアミン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,3−シクロペンタンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,5,6−ピリミジントリアミン、2,4,6−トリアミノピリミジン、3,3’−ジアミノベンジジンなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物のなかでも、分子量が300以下のものが好ましく、250以下のものがより好ましく、200以下のものがより好ましい。前記多価アミン化合物の分子量が300以下であると、常温で液体状態の化合物が多く、気相塗布法で簡便に用いることが可能である。
前記多価アミン化合物のなかでも、沸点が50℃以上250℃以下のものが好ましく、70℃以上250℃以下のものがより好ましく、90℃以上250℃以下のものがさらに好ましい。前記多価アミン化合物の沸点が50℃以上であると、後述する工程Bの間に前記多価アミン化合物が揮発してしまうことを抑制できる。また、前記多価アミン化合物の沸点が250℃以下であると、後述する工程Cにおいて余剰の多価アミン化合物を好適に揮発させることができる。
前記多価アミン化合物のなかでも、ジアミン化合物が好ましい。前記多価アミン化合物がジアミン化合物であると、無機基板との接着力(剥離強度)がより良好となる。また、無機基板に貼り合わせた後の積層体を高温(例えば、500℃で1時間)にさらしたとしても、剥離強度の上昇をより抑制することが可能である。
前記多価アミン化合物のなかでも、分岐脂肪族多価アミン化合物であることが好ましい。前記多価アミン化合物が分岐脂肪族多価アミン化合物であると、炭素数が同じ化合物であっても直鎖脂肪族多価アミン化合物よりも一般的に沸点が低く、気相塗布法等によるフィルム処理をより簡便に行うことができる。
多価アミン化合物の塗布方法としては、多価アミン化合物溶液を前記高分子フィルムに塗布する方法や気相塗布法などを用いることができる。多価アミン化合物の塗布は高分子フィルムのいずれの表面に行っても良く、両方の表面に行ってもよい。
多価アミン化合物溶液を塗布する方法としては、多価アミン化合物をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
また、多価アミン化合物を気相塗布法によって塗布することもでき、具体的には、前記高分子フィルムを多価アミン化合物の蒸気、すなわち実質的に気体状態の多価アミン化合物に暴露して形成する。多価アミン化合物の蒸気は、液体状態の多価アミン化合物を室温(25℃)〜多価アミン化合物の沸点程度までの温度に加温することによって得ることができる。
多価アミン化合物を加温する環境は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、多価アミン化合物の気化を促進する場合には常圧下ないし減圧下が好ましい。
前記高分子フィルムを多価アミン化合物に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内が好ましく、より好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、最も好ましくは1分以内である。
前記高分子フィルムを多価アミン化合物に暴露する間の前記高分子フィルムの温度は、多価アミン化合物の種類と、求める表面処理の度合いにより−50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
<工程B>
工程Bにおいては、多価アミン化合物塗布後の耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する。工程Bにおける保持温度は、10℃以上55℃未満であることがより好ましく、20℃以上50℃未満であることがさらに好ましい。
また、工程Bにおける保持時間は、30分〜180分が好ましく、45分〜150分がより好ましく、60分〜120分がさらに好ましい。
<工程C>
工程Cにおいては、前記工程Bの後の前記高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する。工程Cにおける保持温度は、70℃以上220℃未満であることがより好ましく、90℃以上200℃未満であることがさらに好ましい。
また、工程Cにおける保持時間は、10秒〜5分が好ましく、10秒〜2分がより好ましく、30秒〜1分がさらに好ましい。
前記工程B、及び、前記工程Cを行うことにより、多価アミン化合物により好適に表面処理された高分子フィルムが得られる。
<無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体の製造方法>
次に、前記高分子フィルムを用いた、無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体の製造方法について説明する。
まず、支持体としての無機基板と前記高分子フィルムとを準備する。
<無機基板>
前記無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
前記半導体ウエハとしては、特に限定されないが、シリコンウエハ、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛)などのウエハが挙げられる。なかでも、好ましく用いられるウエハはシリコンウエハであり、特に好ましくは8インチ以上のサイズの鏡面研磨シリコンウエハである。
前記金属としては、W、Mo、Pt、Fe、Ni、Auといった単一元素金属や、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、Fe−Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体の線膨張係数(CTE)が低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、高分子フィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、Cr、Ni、TiN、Mo含有Cuなどが好適な例として挙げられる。
前記無機基板の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP−V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。これより粗いと、高分子フィルム層と無機基板との剥離強度が不充分となる場合がある。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。
なお、前記無機基板上にも前記多価アミン化合物を塗布、乾燥させて多価アミン化合物層を形成してもよい。無機基板上への記多価アミン化合物の塗布方法は、前記工程Aと同様にすることができる。ただし、高分子フィルムを多価アミン化合物により表面処理する場合と異なり、前記工程B、前記工程Cのように、所定の温度内で保持する工程は必要なく、従来公知の方法で、乾燥させればよい。無機基板と多価アミン化合物との間では、基本的には化学反応は生じないからである。
次に、前記高分子フィルムの表面と、前記無機基板とを加圧加熱して、貼り合わせる。これにより、積層体が得られる。
加圧加熱処理は、例えば、大気圧雰囲気下あるいは真空中で、プレス、ラミネート、ロールラミネート等を、加熱しながら行えばよい。またフレキシブルなバッグに入れた状態で加圧加熱する方法も応用できる。生産性の向上や、高い生産性によりもたらされる低加工コスト化の観点からは、大気雰囲気下でのプレスまたはロールラミネートが好ましく、特にロールを用いて行う方法(ロールラミネート等)が好ましい。
加圧加熱処理の際の圧力としては、1MPa〜20MPaが好ましく、さらに好ましくは3MPa〜10MPaである。20MPa以下であると、無機基板を破損することを抑制できる。また、1MPa以上であると、密着しない部分が生じることや、接着が不充分になることを防止できる。加圧加熱処理の際の温度としては、好ましくは150℃〜400℃、より好ましくは250℃〜350℃である。高分子フィルムがポリイミドフィルムである場合には、温度が高すぎると、ポリイミドフィルムにダメージを与える虞があり、温度が低すぎると、密着力が弱くなる傾向がある。
また加圧加熱処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、全面の安定した剥離強度を得る為には、真空下で行うことが好ましい。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
前記加圧加熱処理は加圧プロセスと加熱プロセスとに分離して行うことが可能である。この場合、まず、比較的低温(例えば120℃未満、より好ましくは95℃以下の温度)で高分子フィルムと無機基板とを加圧(好ましくは0.2〜50MPa程度)して両者の密着確保し、その後、低圧(好ましくは0.2MPa未満、より好ましくは0.1MPa以下)もしくは常圧にて比較的高温(例えば120℃以上、より好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは150〜230℃)で加熱することにより、密着界面の化学反応が促進されて高分子フィルムと無機基板とを積層できる。
以上により、無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体を得ることができる。
前記積層体は、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した後の無機基板と高分子フィルムとの間の90°剥離強度Aが0.05N/cm以上であることが好ましく、0.1N/cm以上であることがより好ましい。また、前記90°剥離強度Aは、0.25N/cm以下であることが好ましく、0.2N/cm以下であることがより好ましい。前記90°剥離強度Aが0.05N/cm以上であると、デバイス形成前や形成中に高分子フィルムが無機基板から剥がれてしまうことを防止することができる。また、前記90°剥離強度Aが0.25N/cm以下であると、デバイス形成後、無機基板と高分子フィルムとを剥離しやすい。つまり、前記90°剥離強度Aが0.25N/cm以下であると、デバイス形成中に、無機基板と高分子フィルムとの間の剥離強度が多少上昇したとしても、両者を容易に剥離しやすい。
前記90°剥離強度Aの測定条件は、下記の通りである。
無機基板に対してポリイミドフィルムを90°の角度で引き剥がす。
5回測定を行い、平均値を測定値とする。
測定温度 ; 室温(25℃)
剥離速度 ; 100mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
より詳細には、実施例に記載の方法による。
前記積層体は、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した後、さらに、窒素雰囲気下で500℃1時間加熱した後の無機基板と高分子フィルムとの間の90°剥離強度Bが0.5N/cm以下が好ましく、より好ましくは0.3N/cm以下、さらに好ましくは0.2N/cm以下である。
また、前記90°剥離強度Bは、0.05N/cm以上であることが好ましく、0.1N/cm以上であることがより好ましい。前記90°剥離強度Bが0.5N/cm以下であると、デバイス形成後に、無機基板と高分子フィルムとを剥離しやすい。また、前記90°剥離強度Bが0.05N/cm以上であると、デバイス形成中の途中等、意図していない段階での無機基板と高分子フィルムとの剥離を防止することができる。
前記90°剥離強度Bの測定条件は、前記90°剥離強度Aの測定条件と同様である。
<フレキシブル電子デバイスの製造方法>
前記積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いて積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から高分子フィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイスを作製することができる。
本明細書において電子デバイスとは、電気配線を担う片面、両面、あるいは多層構造を有する配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、バイオセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどをいう。
本明細書におけるデバイス構造体の製造方法では、上述した方法で作製された積層体の高分子フィルム上にデバイスを形成した後、該高分子フィルムを前記無機基板から剥離する。
デバイス付きの高分子フィルムを無機基板から剥離する方法としては、特に制限されないが、ピンセットなどで端から捲る方法、高分子フィルムに切り込みを入れ、切り込み部分の1辺に粘着テープを貼着させた後にそのテープ部分から捲る方法、高分子フィルムの切り込み部分の1辺を真空吸着した後にその部分から捲る方法等が採用できる。なお、剥離の際に、高分子フィルムの切り込み部分に曲率が小さい曲がりが生じると、その部分のデバイスに応力が加わることになりデバイスを破壊するおそれがあるため、極力曲率の大きな状態で剥がすことが望ましい。例えば、曲率の大きなロールに巻き取りながら捲るか、あるいは曲率の大きなロールが剥離部分に位置するような構成の機械を使って捲ることが望ましい。
前記高分子フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって高分子フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ高分子フィルムを切断する方法などがあるが、特に方法は限定されるものではない。例えば、上述した方法を採用するにあたり、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例1(ポリアミド酸溶液の製造)〕
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、前記反応容器内に5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、コロイダルシリカ分散体(日産化学社製、製品名:DMAc−ST−ZL)を、シリカ(滑材)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量に対して0.12質量%になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
〔製造例2(ポリアミド酸溶液の製造)〕
製造例1において、前記コロイダルシリカ分散体を添加しなかった以外は同様に操作し、ポリアミド酸溶液V2を得た。
〔製造例3(ポリイミドフィルムの作製)〕
前記で得られたポリアミド酸溶液V2をコンマコーターを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A−4100」)の平滑面(無滑材面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が約5μmとなるように塗布し、次いでポリアミド酸溶液V1をスリットダイを用いて、最終膜厚が38μm(ポリアミド酸溶液V2による厚さ部分を含む)となるように塗布し、105℃にて25分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
次に、得られた自己支持性ポリアミド酸フィルムをピンテンターによって、180℃〜495℃の温度領域で段階的に昇温させることにより熱処理を施してイミド化させた。具体的には、1段目180℃で5分間、2段目220℃で5分間、3段目495℃で10分間として熱処理を施した。次に、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルム(1000m巻き)を得た。実際に得られたポリイミドフィルムの厚みは36μmであった。
(実施例1)
アミン化合物としての2−メチル1,5−ジアミノペンタン(東京化成工業社製、分子量:116.21、沸点:78℃/11mmHg(常圧での沸点:193.0℃(推定値)))を1質量%含むようにイソプロパノールで希釈したアミン希釈液を調製した。製造例3で製造したポリイミドフィルムをスピンコーター(ジャパンクリエイト社製、MSC−500S)に設置して、回転数を2000rpmまで上げて10秒間回転させ、前記アミン希釈液を塗布した。その後、40℃の雰囲気に60分間放置した。なお、この40℃の雰囲気に60分間放置する工程は、本発明の工程Bに相当する。次に、100℃に加熱したホットプレートに、前記ポリイミドフィルムを、アミン化合物塗布面が上になるように載せ、1分間加熱して、実施例1に係るフィルムを得た。なお、この100℃で1分間加熱する工程は、本発明の工程Cに相当する。
(実施例2)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2に係るフィルムを得た。
(実施例3)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、エチレンジアミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3に係るフィルムを得た。
(実施例4)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、プトレスシンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4に係るフィルムを得た。
(実施例5)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、トリエチレンテトラミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例5に係るフィルムを得た。
(実施例6)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、1,3,5−ペンタントリアミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例6に係るフィルムを得た。
(実施例7)
アミン化合物としての2−メチル1,5−ジアミノペンタン100質量部を、チャンバーに接続した吸引瓶に満たし、40℃の水浴上に静置した。吸引瓶の上方から計装エアーを導入できる状態にして密閉することで、25℃のチャンバー内にアミン化合物の蒸気を導入できる状態にした。次いで、製造例3で製造したポリイミドフィルムをチャンバー内に水平に保持し、チャンバーを閉じた。次いで計装エアーを25L/minで導入し、チャンバー内(25℃)をアミン化合物蒸気で満たした状態で120分間保持してポリイミドフィルムをアミン化合物蒸気へ暴露した。なお、この2アミン化合物蒸気下、25℃で120分間保持する工程は、本発明の工程Bに相当する。
次に、フィルムを取り出して、120℃で30秒間加熱して、実施例6に係るフィルムを得た。なお、この120℃で30秒間加熱する工程は、本発明の工程Cに相当する。
(実施例8)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)に変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例7に係るフィルムを得た。
(実施例9)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、エチレンジアミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例8に係るフィルムを得た。
(実施例10)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、プトレスシンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例9に係るフィルムを得た。
(実施例11)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、トリエチレンテトラミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例10に係るフィルムを得た。
(実施例12)
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、1,3,5−ペンタントリアミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例12に係るフィルムを得た。
(比較例1)
製造例3で製造したポリイミドフィルムを比較例1に係るフィルムとした。つまり、比較例1に係るフィルムは、アミン希釈液の塗布を行っていないフィルムである。
(比較例2)
アミン希釈液の代わりに、シランカップリング剤(信越化学工業社製、製品名:KBM−903)を塗布したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2に係るフィルムを得た。
<窒素含有率の測定>
X線光電子分光装置(ESCA、Thermo Fisher Scientific社製、製品名:K−Alpha)を用いた。まず、実施例、比較例で作成したフィルムの表面の窒素含有率Aを計測した。次に、フィルムの厚み方向中央部分までアルゴンエッチングを行った後、その部分の窒素含有率Bを計測した。また、窒素含有率Bと窒素含有率Aとの差(窒素含有率差)を、「(窒素含有率A)−(窒素含有率B)」により算出した。結果を表1に示す。
なお、ESCAによる元素分析方法の詳細は、下記の通りとした。
<測定条件>
励起X線:モノクロ化Al Kα線
X線出力:12kV、6mA
光電子脱出角度:90°
スポットサイズ:400μmφ
パスエネルギー:50eV(ナロースキャン)、200eV(全元素スキャン)
ステップ:0.1eV(ナロースキャン)、1eV(全元素スキャン)
<積層体の作製>
実施例、比較例のフィルムと、ガラス基板とを貼り合わせ積層体を得た。貼り合わせには、MCK社製ラミネーターを用い、貼合条件は、圧力:0.8MPa、温度:25℃とした。なお、実施例1〜10のフィルムについては、フィルムのアミン処理面がガラス基板に対向するようにして貼り合わせた。比較例2のフィルムについては、フィルムのシランカップリング剤処理面がガラス基板に対向するようにして貼り合わせた。
<200℃1時間熱処理した後の90°剥離強度Aの測定>
上記積層体の作製で得られた積層体を、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した。その後、ガラス基板とフィルムとの間の90°剥離強度Aを測定した。結果を表1に示す。
90°剥離強度Aの測定条件は、下記の通りである。
ガラス基板に対してフィルムを90°の角度で引き剥がす。
5回測定を行い、平均値を測定値とする。
測定装置 ; 剥離試験機(日本計測システム社、JSV−H1000)
測定温度 ; 室温(25℃)
剥離速度 ; 100mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
<200℃1時間熱処理した後、さらに、500℃1時間加熱した後の90°剥離強度Bの測定>
上記積層体の作製で得られた積層体を、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した。さらに、窒素雰囲気下で500℃1時間加熱した。その後、ガラス基板とフィルムとの間の90°剥離強度B測定した。結果を表1に示す。
90°剥離強度Bの測定条件は、90°剥離強度Aと同様とした。
Figure 2020029475

Claims (7)

  1. 表面処理された第1面を有する耐熱高分子フィルムであって、
    前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いことを特徴とする耐熱高分子フィルム。
  2. 耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
    前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
    前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
    を有することを特徴とする、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
  3. 前記多価アミン化合物の分子量が300以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
  4. 前記多価アミン化合物の沸点が50℃以上250℃以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
  5. 前記多価アミン化合物がジアミン化合物であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
  6. 前記多価アミン化合物が分岐脂肪族多価アミン化合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
  7. 請求項1に記載の耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれていることを特徴とする耐熱高分子フィルムロール。
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