JP2020027091A - 測定装置、近接場の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ光が照射されることにより生じる近接場を測定できる。【解決手段】測定装置は、キャリアエンベロプ位相がロックされた第1光を被照射物に照射し近接場を形成する第1光学系と、第1光の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、第1光よりもパルス幅が短い第2光を被照射物に照射する第2光学系と、第2光が被照射物に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定する計測部と、第1光により近接場が存在している期間に、第2光が被照射物に照射されるように、第1光および第2光の少なくとも一方の照射タイミングを調整するタイミング調整部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、測定装置、および近接場の測定方法に関する。
試料の情報を原子レベル、分子レベルで時間分解して取得する装置として、光学的ポンプ・プローブ走査トンネル顕微鏡(Optical Pump-Probe Scanning Tunneling Microscopy、OPP-STM)が提案されている。OPP-STMでは、まずポンプ光を探針および測定対象である試料に照射し、ポンプ光により生じた光誘起ダイナミックス、たとえば試料が励起され・緩和していく過程をポンプ光とプローブ光の間の遅延時間を変化させ、対応するトンネル電流の変化を測定することで観察する。ところで、ポンプ光が照射されることにより探針と試料の間に生じる電場波形は、ポンプ光の元の波形とは一致せず、探針の形状や試料など様々な影響を受けることが知られ、様々な仮説が発表されている。しかしポンプ光が照射されることにより生じる電場波形を実際に使用する条件で、その場で直接測定し評価する方法は見出されていない。OPP-STMに関してたとえば特許文献1が挙げられるが、特許文献1にもポンプ光が照射されることにより生じる近接場を直接測定する装置や方法は開示されていない。
特開2013−32993号公報
通常、パルス内には数周期の電場が含まれ、その位相(キャリアエンベロプ位相、CEP)はパルス間でランダムで、また時間と伴に揺らいでいる。それが、時間分解能がパルス幅で決まる、すなわちそれ以上に良くならない理由であった。この場合、電場波形は問題にならず、これまで注目されてこなかった。しかし、最近、CEPがロックされ(時間に対して揺らがず安定で)、しかもその制御も可能になったことで、ナノスケール構造のキャリアー(電子やホール)を超高速で制御する素子の開発など、電場波形を知ることが非常に重要になってきた。特に電場一周期のパルス光が作られるようになったことで、電場を印加電圧の代わりに用いるテラヘルツ−STM(THz−STM)が開発された。こうした技術を展開するには、ナノスケールの金属構造やSTM探針直下の近接場波形をその場で測定し正しく評価する方法が必要不可欠である。従来技術では、ポンプ光が照射されることにより生じる近接場を直接測定できない。
本発明の第1の態様による測定装置は、キャリアエンベロプ位相がロックされた第1光を被照射物に照射し近接場を形成する第1光学系と、前記第1光の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、前記第1光よりもパルス幅が短い第2光を前記被照射物に照射する第2光学系と、前記第2光が前記被照射物に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定する計測部と、前記第1光により前記近接場が存在している期間に、前記第2光が前記被照射物に照射されるように、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方の照射タイミングを調整するタイミング調整部とを備える。
本発明の第2の態様による近接場の測定方法は、キャリアエンベロプ位相がロックされた第1光を被照射物に照射し近接場を形成することと、前記第1光の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、前記第1光よりもパルス幅が短い第2光を前記被照射物に照射することと、前記第2光が前記被照射物に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定することと、前記第1光により前記近接場が存在している期間に、前記第2光が前記被照射物に照射されるように、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方の照射タイミングを調整することとを含む。
本発明によれば、CEP制御されたポンプ光が照射されることにより生じる近接場の波形を直接測定できる。
第1の実施の形態にかかる電子顕微鏡1の構成概要図 遅延時間tdを説明する図 第1の実施の形態における近接場の測定状態を示す図 光電子領域での近接場の測定メカニズムのモデル図 第1の実験の結果を示す図 第2の実験の結果を示す図 測定値の空間分布を示す図 時間領域での測定結果を示す図 異なる周波数における測定値の空間分布を示す図 周波数領域での測定結果を示す図 第2の実施の形態にかかる電子顕微鏡1Aの構成概要図 第2の実施の形態における近接場の測定状態を示す図 トンネル電流領域での近接場の測定メカニズムのモデル図、およびトンネル電流領域での測定結果を示す図
―第1の実施の形態―
以下、図1〜図10を参照して、本発明に係る測定装置である電子顕微鏡の第1の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態の概要)
第1の実施の形態では、光電子を計測することにより、ポンプ光が照射されることで生じる近接場を観察する。
(構成)
図1は、第1の実施の形態にかかる電子顕微鏡1の構成概要図である。電子顕微鏡1は、ポンプ光出力部2と、観察光出力部3と、プローブ光出力部4と、探針5と、計測部6と、印加部7とを備える。電子顕微鏡1は、試料900をポンプ・プローブ法により観察する。本実施の形態では、試料900はグラファイト(Highly oriented pyrolytic graphite:HOPG)である。
電子顕微鏡1の概要は以下のとおりである。ポンプ光出力部2はポンプ光21を出力する。観察光出力部3は観察光31を出力する。プローブ光出力部4はプローブ光41を出力する。ポンプ光21およびプローブ光41は、いわゆるポンプ・プローブ法により試料900を観察するためのポンプ光およびプローブ光である。観察光31は、近接場の観察のために用いられる。次に各構成を説明する。
ポンプ光出力部2は、任意の方法で生成されたCEPが制御されたポンプ光21を出力する。詳しくは後述するが、ポンプ光21の波長の長さが観察光31の波長を制限するものの、ポンプ光21の周波数などに特に制限はない。ポンプ光出力部2は、たとえば波長1034ナノメートル、300フェムト秒幅のIRパルス光をLiNiO結晶に照射して得られる、1周期であり幅が約1ピコ秒のTHzパルスを出力する。本実施の形態におけるポンプ光21のスポット径は約1ミリメートルである。ポンプ光21はCEPが制御され、一定の位相で出力される。
観察光出力部3は、任意の方法で生成された観察光31であって、パルス幅はポンプ光21よりも十分に短く、1周期のパルス光である観察光31を出力する。観察光出力部3は、たとえば波長1035ナノメートル、幅300フェムト秒のIR光をBBO(β−BaBO)結晶により波長517ナノメートルの第2次高調波に変換したパルス光を観察光31として出力する。本実施の形態における観察光31のスポット径は約10マイクロメートルである。なお観察光31もCEPが制御されていることが望ましく、CEPが制御されることで時間分解能を高めることができる。
観察光出力部3は、遅延時間調整部3Aおよび照射位置調整部3Bを備える。遅延時間調整部3Aは、観察光31が探針5に照射されるタイミングをポンプ光21が照射されるタイミングを基準として複数とおりに変化させる。遅延時間調整部3Aが調整するタイミングを遅延時間tdと呼ぶ。たとえば遅延時間調整部3Aは、1回目はポンプ光21よりも0.1ピコ秒遅く観察光31が探針に照射されるようにタイミングを調整し、2回目はポンプ光21よりも0.2ピコ秒遅く観察光31が探針に照射されるようにタイミングを調整し、以下同様にタイミングをずらしてゆく。遅延時間調整部3Aはたとえば、光路長を変化させる光路長調整装置である。
図2は、遅延時間tdを説明する図であり、上段はポンプ光21の時間変化を表し、下段は観察光31の時間変化を表す。図2では図示左から右に向かって時間が経過している。ただし図2は遅延時間tdを変化させる順番を示すものではなく、遅延時間tdをどのような順番で変化させてもよい。図2の上段と下段は左右方向の位置が同一ならば同一時刻を示している。本実施の形態における遅延時間tdの定義は、強度のピークが照射されはじめるタイミングの差であり、観察光31が先に探針5に到達する場合を負とする。
一番左に示すtd=−1psの状態は、観察光31の強度のピークのほうがポンプ光21の強度のピークよりも1ピコ秒だけ先に照射される。左から2番目に示すtd=0の状態は、観察光31の強度のピークとポンプ光21の強度のピークの始期が同時である。左から3番目に示すtd=1psの状態は、観察光31の強度のピークのほうがポンプ光21の強度のピークよりも1ピコ秒だけ遅れて照射される。一番右に示すtd=2psの状態は、観察光31の強度のピークのほうがポンプ光21の強度のピークよりも2ピコ秒だけ遅れて照射される。図1に戻って説明を続ける。
照射位置調整部3Bは、観察光31が探針5に照射される位置を調整する。観察光31のスポット径は探針5よりも十分小さいので、探針5の様々な位置に選択的に照射できる。照射位置調整部3Bはたとえば、鏡と、鏡を傾けるピエゾ素子と、ピエゾ素子を制御するコントローラとから構成される。
プローブ光出力部4は、任意の方法で生成されたプローブ光41を出力する。プローブ光41は、ポンプ光21とともに試料900の観察に適したものであればよい。ただしポンプ光21とプローブ光41とを用いた測定の詳細は本実施の形態の説明では省略する。なおプローブ光41を照射するタイミングを、ポンプ光21の照射タイミングを基準として調整する機構がプローブ光出力部4に備えられてもよい。
探針5は、先細りに加工され、印加部7により任意の電圧が印加される。本実施の形態における探針5の素材はタングステンであり、Pt/Irでコーティングされる。探針5はたとえば電解研磨により作成される。探針5の形状は個体ごとに異なっており、厳密に同一の探針5を作成することは容易ではない。本実施の形態では、わずかに形状が異なる第1探針5aおよび第2探針5bを用いる。ただし両者を特に区別しない場合は「探針5」と呼ぶ。
計測部6は、本実施の形態において探針5の対向電極としての役割を担う試料900に流れ込む電子を電流プリアンプを用いて全電流IALLとして検出する。ただし信号が微弱なため、ポンプ光21、すなわちTHzパルスを所定の周波数、たとえば430Hzでチョッピングし、遅延時間tdに対する電流の変化を差分電流ΔIとしてロックイン検出する。
印加部7は、探針5にバイアス電圧Vdcを印加する。
(測定状態)
図3は、第1の実施の形態における近接場の測定状態を示す図である。ただし図3は位置関係などの概略を示すものであり、寸法や距離は誇張して表現されている。探針5は、印加部7によりバイアス電圧Vdcが印加される。探針5の先端と試料900との間にトンネル電流が流れないように、探針5は試料900から少なくとも100ナノメートルは離れて設置される。図3に示す環境は真空の常温である。
ポンプ光出力部2が照射するポンプ光21は、探針5および試料900に照射される。図3ではポンプ光21の照射範囲を大きな破線の丸で示している。前述のとおりポンプ光21のスポット径は比較的大きく、探針5の先端を含む広い範囲にポンプ光21が照射される。このスポット径は、たとえばTHzパルスであればミリメートルほどである。本実施の形態では、ポンプ光21の照射位置は固定される。
観察光出力部3が照射する観察光31は、探針5の一部の領域に照射される。図3では観察光31の照射範囲を小さな実線の丸で示している。前述のとおり観察光31のスポット径は比較的小さく、たとえば10マイクロメートルほどであり、一度には探針5のごく一部にしか照射されない。図3では観察光31は探針5の先端および中腹に照射されているが、照射位置調整部3Bにより探針5の様々な位置に照射される。
(測定原理)
図4は光電子領域での近接場の測定メカニズムのモデル図である。図4に示すように、まずポンプ光21により近接場が形成されて、印加部7のバイアス電圧Vdcとあわせた電場の大きさで探針5の表面〜真空間の障壁が変調される。観察光31が探針5に照射されると、障壁の高さと観察光のエネルギーによって多光子吸収過程により光電子が発生し変調された障壁を通過して計測部6により測定される。
また放出される光電子の量は、観察光31が照射された瞬間の照射された位置における障壁の高さと幅、すなわち障壁を変調する近接場の強さを表すため、観察光31の照射タイミングおよび観察光31の照射位置を変化させることで、近接場の強さの時間変化、および探針5の位置による近接場の違いを測定できる。Vdcを調整してポンプ光21がなくても光電子電流が流れるようにしておくことで、後述のように、ポンプ光21の電場の正負の領域にわたる測定が可能になる。
(全電流IALLと差分電流ΔI)
探針5に照射されたポンプ光21は近接場を形成し、探針表面−真空間の障壁を変化させる。計測部6において計測される電流Iは、ポンプ光21、観察光31、および印加部7によるバイアス電圧Vdcの影響を受けたものである。ここで、観察光31による電場によって生じる電圧をVovで表し、探針表面−真空間の障壁における光電子の通過のしやすさを関数Baで表すと、全電流IALLとの間に次の式1が成り立つ。
ALL=Ba(Vdc+Vov) ・・・(式1)
ただし式1においてVovは便宜的なものである。探針5に観察光31を照射することで、多光子吸収過程により光電子を放出するが、放出される光電子の数は、探針表面−真空間の障壁高さに依存する。そのため、バイアス電圧Vdcと同様に探針表面−真空間の障壁の影響を受けることを明示するために、便宜的にVovを設定した。また以下では、ロックイン検出によりバイアス電圧Vdcの影響を排除し、観察光31による影響のみを評価した電流を「差分電流ΔI」と呼ぶ。
この式1に関する2つの実験結果を示す。第1の実験では、バイアス電圧Vdcを+10Vとし、ポンプ光21の強度を6とおりに変化させて計測部6で全電流IALLを計測する。第2の実験では、強度、すなわち最大振幅が一定のポンプ光21を照射し、バイアス電圧Vdcを変化させて計測部6で全電流IALLを計測する。第1の実験では、全電流IALLの遅延時間依存性を測定することで、電場波形を知る。第2の実験では、Vovはゼロとし、観察光は照射した状態である。実験では、パルス幅1ピコ秒のモノサイクルTHz電場をポンプ光として照射している。スポット径はミリメートル程度であるため、探針全体を一様に照射した状態である。
図5は第1の実験の結果を示す図である。図5(a)は全電流IALLの時間変化を示す図であり、図5(b)は図5(a)のピーク値を抽出して整理したものである。図5(a)は、ポンプ光21の最大強度が照射された時刻をゼロとして、複数の測定結果を1図にまとめている。図5(a)より、全電流IALLが時系列で変化しており、その変化の様子が相似であることがわかる。図5(b)は、図5(a)における時刻ゼロの全電流IALLの値と、ポンプ光21の強度との相関を示す図であり、両者が線形の関係にあることがわかる。
図6は第2の実験の結果を示す図であり、プローブ光のみを照射した場合の電圧変化に対する電流変化を示す図である。図6の横軸はバイアス電圧Vdcであり、縦軸は全電流IALLである。図6では、バイアス電圧Vdcの増加に伴い全電流IALLが増加しており、特にバイアス電圧Vdc=+10V付近ではバイアス電圧Vdcの変化に対する全電流IALLの変化が線形である。
以上2つの実験により、バイアス電圧Vdc=+10Vに設定すれば、検出される電流Iの変化分と近接場の強度が線形の関係にあること、すなわち、電流強度の遅延時間依存性を測定することで電場波形を得られることがわかる。
(時間領域での測定結果)
図7(a)および図7(d)は、第1探針5aおよび第2探針5bの光学顕微鏡写真である。第1探針5aの方が第2探針5bよりも、より鋭い形状である。なお後述する図7(b)、(c)は、図7(a)と空間的な位置を一致させ、図7(e)、(f)は図7(d)と空間的な位置を一致させている。
照射位置調整部3Bを用いて、観察光31の照射位置を縦方向および横方向に4.5マイクロメートルずつ移動させて測定した。図示横方向には31か所、図示縦方向では7か所で測定した。それぞれの測定点が図中の四角の領域に対応する。図7(b)および図7(e)は、第1探針5aおよび第2探針5bを用いて遅延時間ゼロ秒で測定した差分電流ΔIの大きさを示す図である。図7(b)および図7(e)では、観察光31のそれぞれの照射位置において得られた光電子電流の大きさを色の濃淡で表している。また図7(b)および図7(e)のそれぞれは、図7(a)および図7(d)と空間的な位置を一致させている。図7(b)および図7(e)では、ほぼ探針の形状を反映しているが、先端部分では探針の径が観察光31のスポットサイズより小さいため強度が落ちている。
次にバイアス電圧Vdc=+10Vとして測定した結果を図7(c)、(f)、および図8(a)〜(e)に示す。図8(a)はポンプ光21の時間変化を示す図であり、図8(a)〜(e)の時系列はすべて一致している。ただし図8(a)〜(e)ではポンプ光21の強度が最も強いタイミングを遅延時間ゼロとしている。この値をマップしたのが図7(c)、(f)である。なお図8(a)に示すポンプ光21の波形はEOサンプリングにより求めたものである。
図7(c)、(f)は、第1探針5aおよび第2探針5bを用いた場合の、観察光31を照射した位置ごとの遅延時間ゼロにおける差分電流ΔIを示す図である。図7(c)、(f)においても差分電流ΔIの大きさを色の濃淡で表している。図7(c)、(f)により、探針5の先端の狭い領域において近接場の強度が強いことがわかる。また図7(c)、(f)に示す位置A,B,Cは図8(b)〜(d)にそれぞれ対応する位置である。特に図7(c)、(f)に示す位置Cは、第1探針5aおよび第2探針5bの先端を示している。
図6に示したとおり、バイアス電圧Vdc=+10Vでは全電流IALLは電圧の変化に対してほぼ線形であるため、差分電流ΔIは光電子放出が生じる瞬間の近接場の大きさに比例し、遅延時間に依存した差分電流ΔIは近接場の波形を直接反映したものになる。図7(c)、(f)に示す位置A,B,Cにおける差分電流ΔIを遅延時間を変化させて測定し、後述する方法で電圧に換算した結果を図8(b)〜(d)にそれぞれ示す。電圧への換算は、図6に示すV=+10Vにおける傾き、すなわちdI/dVの値を用いて電流値をそれぞれの波形を実効的な電圧に変換した。図8(b)〜(d)では、第1探針5aを用いた結果と、第2探針5bを用いた結果とを併記している。第1探針5aの位置Cにおける電圧VTHzは0.58Vであり、先端の増強効果によって位置Aに比べて約6倍大きい値が得られている。
なお図8(b)〜(d)において負の値が測定可能であるのは、バイアス電圧Vdcを印加してポンプ光21による近接場が形成されなくても一定の光電子電流が流れるようにしているからである。仮にバイアス電圧Vdcを印加していないと、図8(b)〜(d)における負の値は単にゼロとしか測定されない。しかし本実施の形態では一定の光電子電流が流れるようにしているので、その光電子電流が減少した場合に負の値として評価可能となっている。
図8(e)は、図8(a)を積分して得られた図である。アンテナ理論の簡単なモデルでは、探針増強による電場は元の電場を積分した形とされているが、図8(e)に示す波形の形状は図8(b)〜(d)のいずれとも一致しない。そのため、本実施の形態で説明するように近接場を直接測定することが重要である。
(周波数領域での測定結果)
図9および図10はポンプ光21により形成された近接場の周波数依存性を示す図である。図9(a)〜(c)、および図10(a)は第1探針5aに関する記載、図9(d)〜(f)、および図10(b)は第2探針5bに関する記載である。図9(a)、(d)は、先に示した図7(a)、(d)と同一である。図10(a)、(b)は、第1探針5aと第2探針5bのそれぞれにおける電場強度スペクトルを示しており、A,B,Cの位置は図7と同様である。図10(a)、(d)における実線はポンプ光21の周波数依存性を示しており、1THzに中心成分を有する。これに対して近接場は0.5THzあたりを中心として低周波側へシフトしていることがわかる。この帯域の減少は、積分値が対応するというダイポールアンテナモデルである程度は説明できるが、実際にはより詳細な検討が必要である。
図9(b)は、第1探針5aを用いた場合の、ポンプ光21により形成された近接場の0.3THzの周波数成分を空間的にマッピングした図であり、図9(c)は同じく0.7THzの周波数成分を空間的にマッピングした図である。また図9(e)、(f)は同様に第2探針5bを用いた場合の0.3THzおよび0.7THzの周波数成分を空間的にマッピングした図である。これらの図により、帯域の減少効果は探針の先端よりも根元のほうがより顕著であることが明らかになった。
近接場波形の情報は、THz−SNOMやナノギャップ構造のTHz近接場、THz−STMの計測などを行う上で、精密で信頼できる結果を得るためには欠かすことができない重要な情報である。近接場波形は、アンテナの幾何形状に依存することが知られているが、若干異なる形状である第1探針5aと第2探針5bを用いた測定結果から、同じポンプ光21を用いる場合でも探針の先端に生じる近接場波形は大きく異なることが示された。近接場波形を実験条件ごとに予測することは非常に難しいため、本実施の形態で説明するように近接場を直接測定することが重要である。
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子顕微鏡1は、ポンプ光21を探針5に照射し近接場を形成するポンプ光出力部2と、ポンプ光21の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、ポンプ光21もパルス幅が短い観察光31を探針5に照射する観察光出力部3と、観察光31が探針5に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定する計測部6と、ポンプ光21により探針5に近接場が形成されている間に、換言するとポンプ光21により試料900が励起されている間に、観察光31が探針5に照射されるように、ポンプ光21および観察光31の少なくとも一方の照射タイミングを調整する遅延時間調整部3Aとを備える。そのため近接場を直接測定することができる。
(2)電子顕微鏡1は、ポンプ光21の照射開始から観察光31の照射開始までの時間である遅延時間を複数通りに変化させる遅延時間調整部を備える。そのため近接場の時間変化、すなわち近接場の波形を測定できる。
(3)ポンプ光21はポンププローブ法におけるポンプ光である。被照射物はポンププローブ法における探針である。電子顕微鏡1は、ポンププローブ法におけるプローブ光であるプローブ光41を試料900に照射するプローブ光出力部4を備える。そのため近接場の測定とポンププローブ法による試料900の解析とを一体の装置で実現できる。
(4)試料900を、探針5から光電子を受け取る対向電極として機能させる。計測部6は試料900を介して光電子を測定する。観察光31は探針5に照射されることで多光子吸収過程により光電子を放出させる。そのため測定対象である試料900を用いて実験環境において近接場を測定できる。
(5)電子顕微鏡1は、観察光31の照射領域を移動させる照射位置調整部3Bを備える。そのため図7および図8に示すように探針5の様々な位置における特性を測定することができる。
(6)電子顕微鏡1は、探針5にバイアス電圧Vdcを印加する印加部7を備える。印加部7によってバイアス電圧Vdcを印加してポンプ光21による近接場が形成されなくても一定の光電子電流が流れるようにすることで、図8(b)〜(d)に示したように負の値が測定可能となる。
―第2の実施の形態―
図11〜図13を参照して、本発明に係る測定装置である第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。
(第2の実施の形態の概要)
第2の実施の形態では、トンネル電流を計測することにより、ポンプ光が照射されることで生じる近接場を観察する。
(構成)
図11は、第2の実施の形態にかかる電子顕微鏡1Aの構成概要図である。電子顕微鏡1Aの構成は以下の点を除いて第1の実施の形態における電子顕微鏡1と同一である。電子顕微鏡1Aは、観察光出力部3の代わりに観察光出力部3Kを備える。観察光出力部3Kが出力する観察光31Aは、第1の実施の形態における観察光31と波長が異なる。また観察光出力部3Kは遅延時間調整部3Aは備えるが照射位置調整部3Bは備えなくてもよい。また第2の実施の形態では、探針5の先端51aと試料900との距離がトンネル電流が流れる距離、すなわち1ナノメートル以下に設定される。
第2の実施の形態では、探針5に観察光31Aが照射されても多光子吸収過程による光電子の放出が起こらないように観察光31Aの波長が決定される。たとえば第1の実施の形態と同様に探針5がPt/Irでコーティングされたタングステンの場合に、観察光31は1030ナノメートルのIR光とする。また本実施の形態では、試料900として第1の実施の形態において用いたグラファイト(HOPG)のほかに、セレン化ビスマス(BiSe)も用いる。なおセレン化ビスマスの表面は、真空劈開することによって準備した。
(測定状態)
図12は、第2の実施の形態における近接場の測定状態を示す図である。ただし図12は位置関係などの概略を示すものであり、寸法や距離は誇張して表現されている。図2に示した第1の実施の形態との相違点は、探針5と試料900との距離が近い点、および観察光31Aが探針5の1か所のみに照射される点である。なお本実施の形態では探針5と試料900との距離を近づける必要があるので、電流増加時にサンプルが破壊されることを防止するために印加部7による印加電圧は低く設定している。
(測定原理)
図13(a)はトンネル電流領域での近接場の測定メカニズムのモデル図である。図13(a)に示すように、トンネル接合ではポンププローブ光の電場に加え鏡像ポテンシャルの影響によってトンネル障壁が実質的に低下しホットエレクトロンがトンネルしやすくなる。ポンプ光21が探針5に照射されることで生じる近接場の影響により障壁が低くなっているところに観察光31Aが照射されると、ホットエレクトロンが効率的にトンネルする。トンネル電流Itは観察光31Aの探針5への照射により変化する障壁に依存し、光電子放出の場合と同様にホットエレクトロンの緩和がフェムト秒オーダーと早いため、観察光を照射した瞬間の電流を測定できることで高い分解能で近接場波形に近いスペクトルが得られる。
(測定結果)
図13(b)、(c)はそれぞれ、試料900にグラファイトとセレン化ビスマスを用いた場合のトンネル電流Itの時系列変化を示す図である。なおこの場合のポンプ光21の時系列変化は図8(a)に示したとおりである。図13(b)に示すグラファイトの測定結果では、信号が小さく遅延時間ゼロのピーク以外はノイズレベルになっている。一方で図13(c)に示すセレン化ビスマスの測定結果では、よりはっきりとポンプ光21を反映した信号が得られている。これは、印加部7が印加電圧を下げることで探針5と試料900との間の距離を近づけることを可能にするが、グラファイトよりも試料抵抗の高いセレン化ビスマスは、グラファイトよりも探針5との距離が近いので信号が強く観察されたと考えられる。
ところで図13(c)に示すトンネル電流の波形は、図8(a)に示したポンプ光21の波形や、第1の実施の形態において光電子放出で求めた電圧変化に比べると、正負の非対称性、換言すると第1ピークと第2ピークの比が大きい。この理由を説明する。
図13(d)はトンネル電流のIV曲線を示す図である。また図13(d)の下部には図8(a)に示したポンプ光21の波形を示し、図13(d)の右側には図13(c)の波形を示している。実際は、図13(d)の下部の電場は、ポンプ光21によって誘起された電場になる。図13(d)に示すIV曲線は、Vの絶対値がある閾値を超えるとIが急激に変化する、高次関数のような非線形性を有する。図13(c)に示すトンネル電流の波形は、ポンプ光21が図13(d)に示すIVカーブの非線形性により整流されたものなので、正負の非対称性が大きい。
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(7)計測部6はトンネル電流を測定する。そのため探針5により探針増強され、さらに試料900の影響を受けた近接場を直接測定できる。非対称性は、IVカーブを用いて補正することで、正確な電場波形を得ることができる。
(種々の変形例)
上述したそれぞれの実施の形態は次のA〜Eのように変形してもよい。
(A)遅延時間調整部3Aは、観察光出力部3ではなくポンプ光出力部2に備えられてもよい。(B)電子顕微鏡1はプローブ光出力部4を備えなくてもよい。(C)電子顕微鏡1は印加部7を備えなくてもよい。(D)電子顕微鏡1は遅延時間調整部3Aおよび照射位置調整部3Bを備えなくてもよい。(E)観察光31による信号が微弱な場合には、ポンプ光21や観察光31の位相を変調させ、ロックイン検出を行ってもよい。
(変形例1)
上述したそれぞれの実施の形態は、さらに次のように変形してもよい。すなわち、波形が測定される対象となる光は、ポンププローブ法におけるポンプ光に限定されず、どのような実験に用いられる光であってもよいし、実験以外に用いられる光であってもよい。たとえばIR光をポンプ光として試料を励起し、THz光をプローブ光として用いれば、相転移等が測定できる。この際のTHz光の波形を測定してもよい。また、1ピコ秒のTHz光をポンプ光、30フェムト秒のTHz光をプローブ光として用いれば、サブサイクル分光が可能となる。この場合にいずれのTHz光を測定対象としてもよい。
(変形例2)
第1の実施の形態では光電子領域、第2の実施の形態ではトンネル領域に本発明を適用する例を説明した。しかし本発明をさらに電界放出領域に適用してもよい。すなわち本発明は、観察対象光により障壁が変化するので、その障壁の変化に対応した電子の量を測定することで観察対象光の変化を間接的に測定するものであり、様々な領域に適用可能である。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…電子顕微鏡
2…ポンプ光出力部
3…観察光出力部
3A…遅延時間調整部
3B…照射位置調整部
4…プローブ光出力部
5…探針
6…計測部
7…印加部
21…ポンプ光
31…観察光
41…プローブ光
900…試料

Claims (11)

  1. キャリアエンベロプ位相がロックされた第1光を被照射物に照射し近接場を形成する第1光学系と、
    前記第1光の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、前記第1光よりもパルス幅が短い第2光を前記被照射物に照射する第2光学系と、
    前記第2光が前記被照射物に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定する計測部と、
    前記第1光により前記被照射物が励起されている間に、前記第2光が前記被照射物に照射されるように、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方の照射タイミングを調整するタイミング調整部とを備える測定装置。
  2. 請求項1に記載の測定装置において、
    前記第1光の照射開始から前記第2光の照射開始までの時間である遅延時間を複数通りに変化させる遅延時間調整部をさらに備える測定装置。
  3. 請求項1に記載の測定装置において、
    前記第1光はポンププローブ法におけるポンプ光であり、
    前記被照射物はポンププローブ法における探針であり、
    ポンププローブ法におけるプローブ光を試料に照射する第3光学系をさらに備える測定装置。
  4. 請求項3に記載の測定装置において、
    前記試料を、前記探針から前記光電子を受け取る対向電極として機能させ、
    前記計測部は前記試料を介して前記光電子を測定し、
    前記第2光は前記探針に照射されることで多光子吸収過程により前記光電子を放出させる測定装置。
  5. 請求項4に記載の測定装置において、
    前記第2光の照射領域を移動させる照射位置調整部をさらに備える測定装置。
  6. 請求項3に記載の測定装置において、
    前記探針にバイアス電圧を印加する印加部をさらに備える測定装置。
  7. 請求項3に記載の測定装置において、
    前記計測部はトンネル電流を測定する測定装置。
  8. キャリアエンベロプ位相がロックされた第1光を被照射物に照射し近接場を形成することと、
    前記第1光の照射範囲の少なくとも一部に重なるように、前記第1光よりもパルス幅が短い第2光を前記被照射物に照射することと、
    前記第2光が前記被照射物に照射されることで放出される光電子またはトンネル電流を測定することと、
    前記第1光により前記被照射物が励起されている間に、前記第2光が前記被照射物に照射されるように、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方の照射タイミングを調整することとを含む近接場の測定方法。
  9. 請求項8に記載の近接場の測定方法において、
    前記第1光の照射開始から前記第2光の照射開始までの時間である遅延時間を複数通りに変化させることをさらに含む近接場の測定方法。
  10. 請求項8に記載の近接場の測定方法において、
    前記第1光はポンププローブ法におけるポンプ光であり、
    前記被照射物はポンププローブ法における探針であり、
    ポンププローブ法におけるプローブ光を試料に照射することをさらに含む近接場の測定方法。
  11. 請求項10に記載の近接場の測定方法において、
    前記試料を、前記探針から前記光電子を受け取る対向電極として機能させ、
    前記試料を介して前記光電子を測定し、
    前記試料と前記探針の距離をトンネル電流が流れない距離とする近接場の測定方法。
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