JP2020023062A - ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置 - Google Patents

ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020023062A
JP2020023062A JP2018147654A JP2018147654A JP2020023062A JP 2020023062 A JP2020023062 A JP 2020023062A JP 2018147654 A JP2018147654 A JP 2018147654A JP 2018147654 A JP2018147654 A JP 2018147654A JP 2020023062 A JP2020023062 A JP 2020023062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
layer
powdery
cross
linking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018147654A
Other languages
English (en)
Inventor
陽平 清水
Yohei Shimizu
陽平 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2018147654A priority Critical patent/JP2020023062A/ja
Publication of JP2020023062A publication Critical patent/JP2020023062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】様々な種類のゴム材料を適用可能であり、しかも、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品を製造する。【解決手段】未架橋状態にある粉末状ゴム7による層8を形成する層形成工程と、前記粉末状ゴム7を架橋させる架橋工程とを、交互に行うことでゴム成形品を製造する。架橋工程では、層状にある粉末状ゴム7の架橋反応を開始させ、当該粉末状ゴム7の層8において架橋を完全に終えない状態で当該架橋反応を終了させ不完全層を形成する。不完全層を形成した前記架橋工程の次に行う層形成工程では、当該不完全層の上に未架橋状態にある粉末状ゴム7による層8を形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴム成形品の製造方法、及びこの製造方法を実行するための積層造形装置に関する。
ゴムはポリマー間を架橋(加硫)することで弾性を有する。なお、架橋には様々な種類があり、熱の他に紫外線又は水分等で架橋するゴム材料が知られている。例えばオイルシール等の工業用ゴムの場合、熱によるラジカル反応が利用される。工業用ゴムの製造方法として、金型内で未架橋状態のゴム材料を加圧しながら加熱するコンプレッション成形が一般的に用いられる。コンプレッション成形は、基本的にバルク構造を有するゴム成形品に適用可能であるが、例えばトラス等の複雑な内部構造を備えたゴム成形品に適用不可能である。
近年、開発が進められている3Dプリンタは、様々な樹脂材料による成形品の製造に用いられる。特許文献1には、光硬化性の樹脂を用いた場合の造形装置が開示されている。
ゴムの場合においても、紫外線によって架橋する液状シリコンゴムが知られている。そこで、液状シリコンゴムを用いて3Dプリンタにより成形品を得ることが可能となる。この場合、液状シリコンゴムを層状に塗布し、紫外線照射により架橋させる。液状シリコンゴムを層状に塗布する工程と、紫外線照射の工程とを交互に行うことで、複雑な内部構造を備えたゴム成形品を得ることが可能となる。
特開平8−290475号公報
従来、ゴム成形品を前記のような積層造形装置(3Dプリンタ)によって製造するためには、専用となる紫外線架橋型の液状シリコンゴムを用いる方法しかない。工業用ゴムのように、成形品を例えば高温となる環境で用いる場合、シリコンゴムは相応しくない。このため、高温で用いられるような工業用ゴムの製造装置として、従来の積層造形装置を適用することができない。様々な種類のゴム(例えば、NBR、FKM,EPDM)によって成形品を得るための方法は、前記のように金型を用いたコンプレッション成形となる。しかし、この場合、複雑な内部構造を備えたゴム成形品を得ることができない。
そこで、本発明は、様々な種類のゴム材料を適用可能であり、しかも、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品を製造することが可能となる製造方法、及びこの製造方法を実行するための積層造形装置を提供することを目的とする。
本発明は、未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する層形成工程と、前記粉末状ゴムを架橋させる架橋工程とを、交互に行うことでゴム成形品を製造する方法であって、前記架橋工程では、層状にある前記粉末状ゴムの架橋反応を開始させ、当該粉末状ゴムの層において架橋を完全に終えない状態で当該架橋反応を終了させ不完全層を形成し、前記不完全層を形成した前記架橋工程の次に行う前記層形成工程では、当該不完全層の上に未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する。
この製造方法によれば、層形成工程と架橋工程とが交互に行われるため、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品を製造することが可能となる。そして、未架橋状態にあるゴム材料を粉末状とし、その粉末状ゴムによって層が形成される。このため、様々な種類の粉末状ゴムを適用することが可能である。
また、前記架橋工程では、前記粉末状ゴムの層にレーザを照射して発生する熱により当該粉末状ゴムを架橋させるのが好ましい。この場合、熱架橋型のゴム材料が使用される。レーザを用いることから、その出力の調整が比較的容易である。このため、粉末状ゴムの層において架橋を完全に終えない状態で架橋反応を終了させ不完全層を形成する作業を行い易い。
また、レーザを用いる製造方法において、前記架橋工程では、レーザを透過させる板部材によって前記粉末状ゴムの層を押圧しつつ、レーザを、当該板部材を透過させて当該層に照射するのが好ましい。この場合、板部材によって、各層の膜厚を一定にすることが容易となる。
また、前記ゴム成形品の製造方法は、前記層形成工程で用いるための未架橋状態にある粉末状ゴムを製造する準備工程を更に備え、前記準備工程では、未加硫状態のゴム塊を冷凍粉砕することで、未架橋状態にある粉末状ゴムを製造するのが好ましい。この準備工程によれば、様々な種類のゴム材料を粉末状にすることが容易となる。
また、本発明の積層造形装置は、未架橋状態にある粉末状ゴムを溜めると共に当該粉末状ゴムを作業領域に層状として供給する供給機構と、前記作業領域において層状となった前記粉末状ゴムを架橋反応させる作用を与える反応用機構と、前記供給機構が前記粉末状ゴムを前記作業領域に供給するための動作、及び、前記反応用機構による前記粉末状ゴムの架橋反応のタイミングを制御する制御装置と、を備える。
この積層造形装置によれば、未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する層形成工程と、前記粉末状ゴムを架橋させる架橋工程とを、交互に行うことでゴム成形品を製造することが可能となる。
また、前記制御装置は、未架橋状態にある前記粉末状ゴムを前記作業領域に層状として供給するための供給動作と、当該粉末状ゴムを架橋させる架橋動作とを、交互に行う制御を実行し、前記架橋動作では、層状にある前記粉末状ゴムの架橋反応を開始させ、当該粉末状ゴムの層において架橋を完全に終えない状態で当該架橋反応を終了させ不完全層を形成し、前記不完全層を形成した前記架橋動作の次に行う前記供給動作では、前記不完全層の上を前記作業領域として、当該作業領域に未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成するのが好ましい。
本発明によれば、様々な種類のゴム材料を適用可能であり、しかも、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品を製造することが可能となる。
積層造形装置の概略構成を示す説明図である。 ゴム成形品の製造方法の説明図である。 ゴム成形品の製造方法の説明図である。 ゴム成形品の製造方法の説明図である。 ゴム成形品の製造方法の説明図である。 作業領域に供給された粉末状ゴムの平面図である。
図1は、積層造形装置10の概略構成を示す説明図である。積層造形装置10は、ゴム成形品を積層造形によって製造する。積層造形装置10によって行われる製造方法は、未架橋状態(未反応)にある粉末状ゴム7による層8を形成する層形成工程と、この粉末状ゴム7を架橋させる架橋工程とを含み、これら層形成工程と架橋工程とが交互に行われる。なお、本実施形態で採用される粉末状ゴム7は、FEPM(四フッ化エチレン−プロピレンゴム)である。なお、採用可能となる粉末状ゴム7は、NBR、FKM、EPDMなど、その他のゴム材料であってもよく、一般的に工業用ゴムに用いられる材料(架橋により弾性を有するゴム)とすることができる。粉末状ゴム7には架橋剤が含まれている。
積層造形装置10は、供給機構12と、反応用機構13と、制御装置14とを備える。本実施形態の積層造形装置10は、板部材23を更に備える。更に、積層造形装置10は、ステージ装置15を備える。ステージ装置15は、ステージ板16と、ステージ板16を上下方向に移動させる第一のアクチュエータ17と、ステージ板16の移動をガイドするガイド部材18とを有する。ステージ板16、アクチュエータ17、及びガイド部材18は、ベース19に搭載されている。ベース19は、図外のアクチュエータによって水平面に沿って移動可能である。ステージ板16の上方が、材料となる粉末状ゴム7が供給される作業領域9となる。第一層目となる粉末状ゴム7が供給される作業領域9は、図1に示されるように、ステージ板16上となる。第二層目以降の粉末状ゴム7が供給される作業領域9は、一つ前の粉末状ゴム7の層8(後述する不完全層6、図4参照)の上となる。粉末状ゴム7が層状として作業領域9に供給され、この粉末状ゴム7によって不完全層6が得られると、ステージ板16が、不完全層6の厚さと同じ寸法について、降下する。
供給機構12は、未架橋状態にある粉末状ゴム7を溜める貯留部(タンク)11を有する。貯留部11には粉末状となった未架橋状態の粉末状ゴム7が多数溜められている。未架橋状態の粉末状ゴム7は、未架橋状態のゴム塊を冷凍粉砕することで製造される。本実施形態の供給機構12は、貯留部11内のエアを加圧するポンプ等の加圧装置20と、貯留部11から延びる供給チューブ21と、供給チューブ21の先端に繋がる吐出ヘッド22とを有する。吐出ヘッド22は、前記作業領域9を図外のアクチュエータによって通過する動作を行う。この動作は、吐出ヘッド22が移動することで行われてもよいし、前記ベース19が移動することで行われてもよい。加圧装置20は、制御装置14によって制御され、所定のタイミングで貯留部11内を加圧する。貯留部11内が加圧されると、貯留部11の粉末状ゴム7は供給チューブ21を経て、吐出ヘッド22から作業領域9へ吐出される。この加圧と吐出ヘッド22の動作とが同時に行われることで、粉末状ゴム7は、作業領域9に層状となって供給される。以上より、供給機構12は、未架橋状態にある粉末状ゴム7を溜めると共に、貯留部11の粉末状ゴム7を作業領域9に層状として供給する。
反応用機構13は、未架橋状態の粉末状ゴム7を架橋反応させるための装置である。本実施形態では、粉末状ゴム7は熱架橋型のゴム材料(FEPM)であり、加熱されることで架橋反応が開始される。そこで、本実施形態の反応用機構13は、レーザを照射して対象を加熱するレーザ装置であり、特に、レーザの照射部の温度を計測しながらレーザ出力を調整可能な温度検出型のレーザ装置である。レーザ装置は、作業領域9の全体を走査するようにレーザを照射することができる。このために、本実施形態では、前記ベース19が水平面に沿って二次元的に移動する。これにより作業領域9の全体にわたってレーザが照射される。なお、レーザを照射する照射ヘッドが水平面に沿って移動する構成であってもよい。レーザの照射の位置、照射の開始、及び照射の終了は、制御装置14によって制御される。このように、反応用機構(レーザ装置)13は、作業領域9において層状となった粉末状ゴム7を架橋反応させる作用を与える。本実施形態では、架橋反応させる作用として、レーザによる熱が、粉末状ゴム7の層に与えられる。
板部材23は、下面が平坦状の部材であり、この下面は、作業領域9よりも広い又は同じ面積を有する。板部材23は、前記レーザを透過させる。本実施形態の板部材23はガラス製である。板部材23は、図外のアクチュエータによって、作業領域9と、この作業領域9から離れた退避領域との間を移動可能である。更に、板部材23は、図外のアクチュエータによって、作業領域9に供給された粉末状ゴム7の層8を上から押圧する。この押圧の際、反応用機構13からのレーザは板部材23を透過し、粉末状ゴム7の層8に照射される。これにより、粉末状ゴム7は加熱され板部材23によって加圧された状態で架橋が進む。
制御装置14は、コンピュータ装置により構成される。制御装置14には所定のコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムにしたがって、制御装置14は供給機構12及び反応用機構13に規定の動作を実行させる。制御装置14は、供給機構12が粉末状ゴム7を作業領域9に供給するための動作、及び、反応用機構13による前記粉末状ゴム7の架橋反応のタイミングを制御する。
以上の構成を備えた積層造形装置10によって行われるゴム成形品の製造方法について説明する。図2から図5は、この製造方法を順に説明する説明図である。製造方法には、層形成工程(図2、図4参照)と架橋工程(図3、図5参照)とが含まれ、これら層形成工程と架橋工程とが交互に行われる。層形成工程では、未架橋状態(未反応)にある粉末状ゴム7による層8が作業領域9に形成される。架橋工程では、作業領域9の粉末状ゴム7を架橋させる。
〔第一層目〕
供給機構12(図1参照)によって、図2に示されるように、ステージ板16の上に、未架橋状態にある粉末状ゴム7が層状に供給される。層8の厚さが一定となるように粉末状ゴム7が供給される。
図3に示されるように、層8の上に板部材23が設けられ、板部材23が層8を押圧する。この状態で、反応用機構13(レーザ装置、図1参照)は層8の各部に対してレーザLを照射する。これにより、層8に含まれる各部の粉末状ゴム7は架橋反応を開始する。ただし、反応用機構13は、層8の各部に対して、粉末状ゴム7の架橋反応が完了するまでの熱量を与えない。このために、レーザLの照射部Laの温度を計測しながらレーザ出力が調整される。これにより、層8を、架橋反応が不完全で終わっている不完全層6とする。
〔第二層目〕
不完全層6が形成されると、板部材23を退避位置へ移動させる。ステージ板16が降下し、不完全層6の上が、第二層目のための作業領域9となる。そして、供給機構12(図1参照)によって、図4に示されるように、作業領域9となる不完全層6の上に、未架橋状態にある粉末状ゴム7が層状に供給される。これにより、不完全層6の上に未架橋状態にある粉末状ゴム7による第二層目となる層8が形成される。
図5に示されるように、この層8の上に板部材23が設けられ、板部材23が層8を押圧する。そして、反応用機構13(レーザ装置、図1参照)は層8の各部に対してレーザLを照射する。これにより、第二層目(層8)に含まれる各部の粉末状ゴム7は架橋反応を開始する。更に、第一層目である前記不完全層6が再び加熱され、この不完全層6に含まれている粉末状ゴム7の未架橋部分が架橋する。ここでも、第一層目の場合と同様、反応用機構13は、第二層目の層8の各部に対して、粉末状ゴム7の架橋反応が完了するまでの熱量を与えない。このために、レーザLの照射部Laの温度を計測しながらレーザ出力が調整される。これにより、第二層目となる層8を、架橋反応が不完全で終わっている不完全層6とする。第一層目の不完全層6は、架橋が完了した完全層となる。第一層目の不完全層6と第二層目の層8とにおいて架橋反応が進むことから、第一層目と第二層目とが一体化する。
第二層目の不完全層6が形成されると、板部材23を退避位置へ移動させる。ステージ板16が降下し、第二層目の不完全層6の上が、第三層目のための作業領域9となる。以下、第二層目の場合と同様に、未架橋状態にある粉末状ゴム7による層8を形成する層形成工程と、この粉末状ゴム7を架橋させる架橋工程とが交互に行われる。これにより、積層造形が進められ、所望の構成のゴム成形品が得られる。
このように層形成工程と架橋工程とを交互に行う製造方法は、制御装置14の制御によって実現される。つまり、制御装置14は、供給機構12が粉末状ゴム7を作業領域9に供給するための動作を制御し、また、反応用機構13による粉末状ゴム7の架橋反応のタイミングを制御する。具体的に説明すると、制御装置14は、未架橋状態(未反応)にある粉末状ゴム7を作業領域9に層状として供給するための供給動作の制御を行う。制御装置14は、粉末状ゴム7を架橋させる架橋動作の制御を行う。更に、制御装置14は、前記供給動作と前記架橋動作とを、交互に行う制御を実行する。供給動作として、所定のタイミングで、吐出ヘッド22とステージ板16とを相対的に移動させながら、加圧装置20によって貯留部11を加圧し、吐出ヘッド22から粉末状ゴム7を吐出する。架橋動作として、所定のタイミングで、粉末状ゴム7の層8に対してレーザの照射を開始する。また、架橋動作では、層状にある粉末状ゴム7の架橋反応を開始させ、粉末状ゴム7の層8において架橋を完全に終えない状態でこの架橋反応を終了させ不完全層6を形成する。そして、この不完全層6を形成した架橋動作の次に行う前記供給動作では、不完全層6の上を作業領域9として、この作業領域9に未架橋状態にある粉末状ゴム7による層8を形成する。
製造するゴム成形品内に例えばトラスを構成する場合、各層8において部分的にゴムが存在しない欠損部が必要となる。前記のとおり、作業領域9には、面状となって粉末状ゴム7が供給される。そこで、トラスを構成するために、各層8の形成の際、前記欠損部に相当する部分に粉末状ゴム7を供給しないように供給機構12を制御してもよいが、次の手段とするのが好ましい。すなわち、作業領域9には、面状となって粉末状ゴム7が供給される。前記欠損部に相当する部分に、反応用機構13(レーザ装置)からのレーザを照射しない。レーザを照射していない非照射領域25(図6において、塗りつぶしされている領域)の粉末状ゴム7は架橋しない。なお、図6は、作業領域9に供給された粉末状ゴム7の平面図である。これに対してレーザを照射した照射領域26の粉末状ゴム7は架橋が開始される。非照射領域25では、粉末状ゴム7は粉末状のままとなる。そこで、積層造形によりゴム成形品が得られた段階で、又は、その途中の段階で、粉末状のままである非照射領域の粉末状ゴム7を、例えばエアブロー等で除去すればよい。
以上のように、本実施形態の積層造形装置10によれば、未架橋状態(未反応)にある粉末状ゴム7による層8を形成する層形成工程と、この粉末状ゴム7を架橋させる架橋工程とを、交互に行うことでゴム成形品を製造することが可能となる。このような層形成工程と架橋工程とを含む本実施形態のゴム成形品の製造方法は、次のとおりである。すなわち、架橋工程では、層状にある粉末状ゴム7の架橋反応を開始させ、粉末状ゴム7の層8において架橋を完全に終えない状態で架橋反応を終了させ不完全層6を形成する。不完全層6を形成した架橋工程の次に行う層形成工程では、当該不完全層6の上に未架橋状態にある粉末状ゴム7による層8を形成する。
この製造方法によれば、層形成工程と架橋工程とが交互に行われるため、例えば、図6により説明したように、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品を製造することが可能となる。そして、前記製造方法では、紫外線によって架橋する液状シリコンゴムの他に、熱によって架橋するNBR、FKM,EPDM等のように従来広く用いられている材料の適用が可能となる。このようなゴム材料を未架橋状態のまま粉末状とし、その粉末状ゴム7によって層8が形成される。そして、層状となった粉末状ゴム7を加硫すればよい。以上より、本実施形態の製造方法によれば、様々な種類のゴム材料(粉末状ゴム)を適用することが可能である。
また、本実施形態では、熱架橋型のゴム材料が使用される。そこで、架橋工程では、粉末状ゴム7の層8にレーザを照射して発生する熱により粉末状ゴム7を架橋させる。レーザを用いることから、その出力の調整が比較的容易である。このため、粉末状ゴム7の層8において架橋を完全に終えない状態で架橋反応を終了させ不完全層6を形成する作業を行い易い。
本実施形態の製造方法では、架橋工程において、層状とした粉末状ゴム7に対して、架橋が完了するまでの熱量を与えない。そして、上(第二層目)の層8を架橋するために再び熱が与えられることで、下の層(第一層目)は架橋が完了する。前記のように、上の層に対して架橋を開始する際、下の層に未反応部分が残されているため、上の層の架橋反応に併せて下の層の架橋反応も生じ、上下の層間は一体化される。
層状とした粉末状ゴム7を不完全層6とするために、制御装置14は反応用機構13(レーザ装置)を制御する。具体的に説明すると、制御装置14によって、層8に対してレーザLを当てている時間及び速度の一方又は双方を制御することにより、層8における架橋の進捗が調整される。
また、架橋工程では、板部材23によって粉末状ゴム7の層8を押圧しつつ、レーザLを、板部材23を透過させて層8に照射する。このように、レーザLを照射しながら板部材23が粉末状ゴム7の層8を押圧することで、粉末状ゴム7は、粉の形態のまま架橋されず、シート状となる。また、板部材23によって、各層8の膜厚を一定にすることが容易となる。
本実施形態の製造方法で用いられる材料、つまり、未架橋状態にある粉末状ゴム7は、粉末状(粉体状)である。そこで、本実施形態の製造方法は、層形成工程で用いるための未架橋状態にある粉末状ゴム7を製造する準備工程を更に備える。この準備工程では、未加硫状態のゴム塊を冷凍粉砕することで、未架橋状態にある粉末状ゴム7が製造される。この準備工程により、様々な種類のゴム材料を、粉末状にすることが容易となる。未架橋状態のゴム塊を例えば液体窒素等によって冷凍し、その後、粉末状に粉砕することが可能であれば、材料とするゴムの種類は、FEPM以外であってもよく、様々な種類のゴム材料が採用される。また、冷凍によって未架橋状態のゴム塊となり、このゴム塊を粉砕することで、粉末状ゴム7を製造してもよい。
以上より、本実施形態の積層造形装置10、及びこの積層造形装置10が行うゴム成形品の製造方法によれば、様々な種類のゴム材料を適用可能であり、しかも、積層造形によることで、内部構造に自由度をもたせてゴム成形品(例えば、誘電エラストマー構造体)を製造することが可能となる。本実施形態によれば、小ロット生産に対応することができ、また、複雑な形状を有する製品の成形に効果的である。
前記実施形態では、反応用機構13がレーザ装置である場合について説明したが、その他であってもよい。また、粉末状ゴム7は熱架橋型以外であってもよい。例えば紫外線架橋型の粉末状ゴム7であってもよい。この場合、反応用機構13は紫外線照射装置である。また、供給機構12が貯留部11及び吐出ヘッド22等を備える構成である場合について説明したが、他の構成であってもよい。前記実施形態では、反応用機構13が、レーザの照射部の温度を計測しながらレーザ出力を調整可能な温度検出型のレーザ装置である場合について説明したが、温度の計測は、レーザ装置と別であるセンサによって行われてもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
6:不完全層 7:粉末状ゴム 8:層
9:作業領域 10:積層造形装置 12:供給機構
13:反応用機構 14:制御装置 23:板部材
L:レーザ

Claims (6)

  1. 未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する層形成工程と、前記粉末状ゴムを架橋させる架橋工程とを、交互に行うことでゴム成形品を製造する方法であって、
    前記架橋工程では、層状にある前記粉末状ゴムの架橋反応を開始させ、当該粉末状ゴムの層において架橋を完全に終えない状態で当該架橋反応を終了させ不完全層を形成し、
    前記不完全層を形成した前記架橋工程の次に行う前記層形成工程では、当該不完全層の上に未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する、
    ゴム成形品の製造方法。
  2. 前記架橋工程では、前記粉末状ゴムの層にレーザを照射して発生する熱により当該粉末状ゴムを架橋させる、請求項1に記載のゴム成形品の製造方法。
  3. 前記架橋工程では、レーザを透過させる板部材によって前記粉末状ゴムの層を押圧しつつ、レーザを、当該板部材を透過させて当該層に照射する、請求項2に記載のゴム成形品の製造方法。
  4. 前記層形成工程で用いるための未架橋状態にある粉末状ゴムを製造する準備工程を更に備え、
    前記準備工程では、未加硫状態のゴム塊を冷凍粉砕することで、未架橋状態にある粉末状ゴムを製造する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム成形品の製造方法。
  5. 未架橋状態にある粉末状ゴムを溜めると共に当該粉末状ゴムを作業領域に層状として供給する供給機構と、
    前記作業領域において層状となった前記粉末状ゴムを架橋反応させる作用を与える反応用機構と、
    前記供給機構が前記粉末状ゴムを前記作業領域に供給するための動作、及び、前記反応用機構による前記粉末状ゴムの架橋反応のタイミングを制御する制御装置と、
    を備える、積層造形装置。
  6. 前記制御装置は、未架橋状態にある前記粉末状ゴムを前記作業領域に層状として供給するための供給動作と、当該粉末状ゴムを架橋させる架橋動作とを、交互に行う制御を実行し、
    前記架橋動作では、層状にある前記粉末状ゴムの架橋反応を開始させ、当該粉末状ゴムの層において架橋を完全に終えない状態で当該架橋反応を終了させ不完全層を形成し、
    前記不完全層を形成した前記架橋動作の次に行う前記供給動作では、前記不完全層の上を前記作業領域として、当該作業領域に未架橋状態にある粉末状ゴムによる層を形成する、
    請求項5に記載の積層造形装置。
JP2018147654A 2018-08-06 2018-08-06 ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置 Pending JP2020023062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147654A JP2020023062A (ja) 2018-08-06 2018-08-06 ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147654A JP2020023062A (ja) 2018-08-06 2018-08-06 ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020023062A true JP2020023062A (ja) 2020-02-13

Family

ID=69618070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018147654A Pending JP2020023062A (ja) 2018-08-06 2018-08-06 ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020023062A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115135485A (zh) * 2020-04-17 2022-09-30 弗里曼特有限公司 粉末床的预热
JP7502778B2 (ja) 2020-09-03 2024-06-19 有限会社西口ベンダー工業 プレス用曲げ傷防止具及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115135485A (zh) * 2020-04-17 2022-09-30 弗里曼特有限公司 粉末床的预热
CN115135485B (zh) * 2020-04-17 2024-05-31 弗里曼特有限公司 粉末床的预热
JP7502778B2 (ja) 2020-09-03 2024-06-19 有限会社西口ベンダー工業 プレス用曲げ傷防止具及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104785780B (zh) 一种提高选择性激光烧结3d打印零件强度的装置及方法
US8172969B2 (en) Apparatus and method for ultrasonic processing of laminates
JP2020023062A (ja) ゴム成形品の製造方法、及び積層造形装置
WO2015182590A1 (ja) 金型、タイヤ加硫金型、金型の製造方法
EP3744504B1 (en) Mask-based partition preheating device and partition preheating method therefor
JP6253516B2 (ja) タイヤモールド
JP6924570B2 (ja) 強化メッシュの層を用いた付加製造システム
CN108248024B (zh) 用于三维物体的生产性制造的方法和装置
JP6253517B2 (ja) タイヤ加硫金型、及びタイヤ加硫金型の製造方法
JP2019077173A (ja) 選択的硬化付加製造方法
JP6798269B2 (ja) 樹脂成形装置および樹脂成形方法
CN205766721U (zh) 一种光固化陶瓷胚体的快速成型设备
JP2023160987A5 (ja)
JP7204464B2 (ja) インプリント方法、インプリント装置および物品製造方法
US11841616B2 (en) Imprint apparatus, imprint method, and method of manufacturing article
CN106064420B (zh) 一种保压排气装置和保压排气方法
KR20190089213A (ko) 임프린트 시스템 및 물품 제조 방법
KR20160140213A (ko) 유리 성형 장치 및 유리 성형 방법
EP3597397A1 (en) A method and system for layerwise production of a tangible object
JP2011224990A (ja) 成形品の製造方法および成形品の製造装置
KR20120123193A (ko) 시트형상 디바이스의 제조 장치, 시트형상 디바이스의 제조 방법
JP2015223753A (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
US20220288844A1 (en) Treatment of fused build materials
JP7232723B2 (ja) ゴム製品の造形方法
JP7362429B2 (ja) 成形装置、成形方法、および物品の製造方法