JP2020022978A - レーザ照射装置、流体供給装置、及び、レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ照射装置、流体供給装置、及び、レーザ加工方法 Download PDF

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一晃 豊澤
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和男 奥田
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伸光 前橋
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Abstract

【課題】照射箇所の雰囲気制御により加工品質を向上したレーザ照射装置等を提供する。【解決手段】レーザ照射装置を、レーザ発振器が発生するレーザ光Rを所定の焦点位置BSにおいて集光させる集光光学系10と、レーザ光を偏向させて焦点位置を照射対象物Oの表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系20とを含む光学系と、焦点位置の走査パターンを含む領域に不活性ガスを主成分とする流体PG,SGを供給して少なくとも焦点位置を流体が充満した雰囲気とする流体供給部90,100とを備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、処理対象物にレーザ光を照射してクリーニング等のレーザ加工を行うレーザ照射装置、このようなレーザ加工に用いる流体供給装置、及び、レーザ加工方法に関するものである。
レーザ光を用いた表面処理に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、レーザ光を照射対象物に照射する照射ヘッドに、レーザ光を所定の偏角だけ偏向させるウェッジプリズムを設け、このウェッジプリズムを回転させながらレーザ光を照射することによって、照射箇所が照射対象物の表面を旋回しながら走査し、照射対象物の表面に付着した旧塗膜や異物等が除去(クリーニング)されることが記載されている。
また、特許文献2には、ウェッジプリズムの回転駆動を、気体の圧力を回転運動に変換するエアモータによって行うとともに、レーザ光が出射されるダクトの内部にエアモータの排気を導入することにより、光学素子やエアモータへの異物の付着を防止することが記載されている。
特許第5574354号 国際公開WO2016/009978号
特許文献1に記載されたようなレーザ光を用いたクリーニングは、例えば鋼などの金属製構造物の表面に付着している旧塗膜の剥離や、表面付近に生成された錆等の異物を除去するのに有効である。
しかし、レーザ光の照射により、照射対象物の表面が局所的に加熱された際に、空気中の酸素が母材と接触して酸化が促進され、例えば母材が鉄系金属である場合には、酸化鉄(Fe、Fe等)の酸化被膜が生成される場合があった。
このような酸化物等が生成されることは、照射対象物の利用目的によっては好ましくない場合もあるため、照射箇所の雰囲気制御を適切として、レーザ加工の品質をより向上することが要望されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、照射箇所の雰囲気制御により加工品質を向上したレーザ照射装置、流体供給装置、及び、レーザ加工方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系と、前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系とを含む光学系と、前記焦点位置の前記走査パターンを含む領域に不活性ガスを主成分とする流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記流体が充満した雰囲気とする流体供給部とを備えることを特徴とするレーザ照射装置である。
これによれば、焦点位置を不活性ガスを主成分とする流体で充満させることにより、照射対象物がレーザ光の入射により高温となる際に酸素と接触することを防止し、酸化物の被膜等が形成されることを防止することができる。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、不活性ガスを主成分とする流体とは、不可避的に混入する不純物以外の全部が不活性ガスである流体(一般的に純窒素、純アルゴン等として入手可能なもの)を含むものとする。
また、焦点位置を所定の走査パターンで走査させることにより、CWレーザを利用した場合であっても、照射対象物の表面における同一箇所が長時間照射され続けることを防止することができる。このため、照射対象物の一部が局所的に過度な入熱を受けて熱影響が生じることを防止できる。
また、照射対象物の比較的広い範囲を、迅速にレーザ加工することができる。
ここで、照射対象物の表面における走査のパターンとして、例えば円形、楕円形、多角形、その他任意の形状を用いることができる。
請求項2に係る発明は、前記流体供給部は、前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側に配置された光学素子の前記焦点位置側の面部と接した空間部に前記流体を供給するとともに前記流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、レーザ光の照射により照射対象物から飛散する塵埃やスパッタ等の異物が光学素子側に流入することを防止し、光学素子の汚染や、光学素子の表面に付着した異物がレーザ光に加熱され高温となることによる光学素子の焼損を防止することができる。
請求項3に係る発明は、前記焦点位置に隣接して配置された吸入口を有し、前記照射対象物に対する前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、レーザ光の照射により発生した塵埃が照射対象物に再付着してレーザ加工の品質を損なうことを防止できる。
また、塵埃が周囲に飛散することを防止して施工現場の環境を向上することができる。
さらに、塵埃を不活性ガスを主成分等する流体とともに吸引することによって、捕集された塵埃の発火を防止することができる。
請求項4に係る発明は、前記光学系から出射される前記レーザ光が内部を通過する内筒と、前記内筒の外径側に設けられた外筒とを備え、前記流体供給部は、前記内筒の内径側から前記照射対象物側へ前記流体を供給し、前記集塵部は、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面との隙間から前記塵埃を吸引することを特徴とする請求項3に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、コンパクトな構成により焦点位置に確実に不活性ガス等からなる流体を供給するとともに、その周囲から塵埃を吸引することができる。
請求項5に係る発明は、レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系を含む光学系と、前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側に配置された光学素子の前記焦点位置側の面部と接した空間部に第1の流体を供給するとともに前記第1の流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させる第1の流体供給部と、前記第1の流体供給部よりも前記焦点位置側に設けられ、前記焦点位置を含む領域に前記第1の流体とは組成が異なる第2の流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記第2の流体が充満した雰囲気とする第2の流体供給部とを備えることを特徴とするレーザ照射装置である。
これによれば、照射箇所を第2の流体が充満した雰囲気とすることが可能であり、例えば第2の流体を不活性ガスとし、そのシールド効果により酸素を遮断するなどの所望のレーザ加工条件を得ることができる。
一方、光学系の汚染防止等を行うパージガスとして機能する第1の流体は、例えば空気等の比較的低コストかつ利用が容易な気体を利用することが可能である。
請求項6に係る発明は、前記光学系は、前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系を有することを特徴とする請求項5に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、CWレーザを利用した場合であっても、照射対象物の表面における同一箇所が長時間照射され続けることを防止することができる。このため、照射対象物の一部が局所的に過度な入熱を受けて熱影響が生じることを防止できる。
また、照射対象物の比較的広い範囲を、迅速にレーザ加工することができる。
ここで、照射対象物の表面における走査のパターンとして、例えば円形、楕円形、多角形、その他任意の形状を用いることができる。
請求項7に係る発明は、前記偏向光学系は、前記レーザ光を所定の偏角だけ偏向させるとともに、前記集光光学系から出射される前記レーザ光の光軸回りに回転駆動されるウェッジプリズムを有することを特徴とする請求項6に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、簡単かつ小型軽量な装置構成により上述した効果を得ることができる。
請求項8に係る発明は、前記第1の流体は空気を主成分とし、前記第2の流体は不活性ガスを主成分とすることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、第2の流体の主成分として不活性ガスを用いることにより、照射箇所において照射対象物の表面が酸化して酸化皮膜等が形成されることを防止できる。
また、第1の流体の主成分として周囲の大気から採取することが可能な空気を用いることにより、比較的高コストである第2の流体の使用量を低減して施工コストを抑制するとともに、気体供給源等の装置構成を簡素化することができる。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、空気を主成分とする流体とは、実質全部が空気である流体を含むものとする。
請求項9に係る発明は、前記第2の流体供給部は、内側に前記レーザ光が通過する環の周方向に分布して形成された噴出孔を有し照射対象物に前記第2の流体を噴射するノズル部を有することを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、簡単な構成により適切に照射箇所を含む領域を第2の流体が充満した雰囲気とすることができる。
請求項10に係る発明は、前記環の外径側から内径側に向けて前記第2の流体が噴出されるように、前記ノズル部の前記噴出孔が前記レーザ光の光軸に対して前記環の内径側に向けて傾斜して設けられていることを特徴とする請求項9に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、照射箇所を含む領域をより確実に第2の流体が充満した雰囲気とすることができる。
請求項11に係る発明は、前記ノズル部は、前記第1の流体供給部又はその近傍から照射対象物側に延出した支柱により支持され、前記支柱は、前記ノズル部に前記第2の流体を供給する流路を有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、簡単な構成によりノズル部の支持及びノズル部への第2の流体の供給を行うことができる。
また、第1の流体を支柱の隙間から排出することが可能であり、第1の流体が照射箇所近傍に流入して第2の流体が充満した雰囲気を損なうことを防止できる。
請求項12に係る発明は、前記焦点位置に隣接して配置された吸入口を有し、照射対象物に対する前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えることを特徴とする請求項5から請求項11までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、レーザ光の照射により発生した塵埃が照射対象物に再付着してレーザ加工の品質を損なうことを防止できる。
また、塵埃が周囲に飛散することを防止して施工現場の環境を向上することができる。
請求項13に係る発明は、前記集塵部の前記吸入口は、前記第2の流体供給部が前記照射対象物に向けて前記第2の流体を噴出する箇所の周囲に周方向に延在して設けられることを特徴とする請求項12に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、コンパクトな構成により焦点位置に確実に第2の流体を供給するとともに、その周囲から塵埃を吸引することができる。
請求項14に係る発明は、前記第1の流体供給部から供給された前記第1の流体の進行方向を、前記レーザ光の照射方向から偏向させる流体偏向部を有することを特徴とする請求項5から請求項13までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、第1の流体が照射箇所近傍に流入することを防止し、照射箇所を含む領域をより確実に第2の流体が充満した状態とすることができる。
請求項15に係る発明は、前記流体偏向部は、前記第1の流体の進行方向の前記集光光学系の光軸の周縁の周方向における少なくとも一部の領域に設けられ、前記第1の流体の一部と干渉して前記第1の流体の進行方向を偏向させる偏向部材を有することを特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、動力等を必要としない簡単な構成により、上述した効果を得ることができる。
請求項16に係る発明は、前記偏向部材における前記第1の流体と干渉する面部は、前記第1の流体の流出方向に対して傾斜して配置されることを特徴とする請求項15に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、偏向部材の傾斜方向や傾斜角度により、第1の流体の偏向方向を適切に制御することができる。
請求項17に係る発明は、前記偏向部材は、前記第1の流体の上流側に面して配置され中央部に前記レーザ光が通過する開口が形成された面部を有することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、偏向部材において第1の流体と干渉する面部を、レーザ光が通過する開口の全周にわたって配置することにより、照射対象物で反射したレーザ光や照射対象物から飛散するスパッタ等の異物を適切に遮断することができる。
請求項18に係る発明は、前記流体偏向部は、前記第1の流体からなる流体流に交わるよう噴き込まれ前記第1の流体からなる流体流を偏向させる他の流体流を発生する流体流発生手段を有することを特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、第1の流体からなる流体流に噴き込まれる他の流体流の流速、流量、方向、衝突箇所などの設定により、第1の流体からなる流体流の偏向の制御自由度を高めることができる。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、交わるよう噴き込まれるとは、第1の流体からなる流体流の主流方向に対して傾斜あるいは直交方向の主流成分を有する流体流を、各流体流が相互に干渉し、第1の流体からなる流体流の主流方向を偏向可能な位置関係で発生させることを指すものとする。
請求項19に係る発明は、前記流体偏向部は、前記第1の流体からなる流体流を吸引する吸引手段を有することを特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置である。
これによれば、吸引手段の吸引強度、吸引方向、位置などの設定により、第1の流体からなる流体流の偏向の制御自由度を高めることができる。
請求項20に係る発明は、レーザ照射装置により照射されるレーザ光が照射対象物に入射する照射箇所の周囲に取り付けられる流体供給装置であって、前記照射箇所の周囲を包囲した状態で前記照射対象物に着脱可能に取り付けられるとともに、前記レーザ光が通過する開口を有するカバー部と、前記カバー部の内部に不活性ガスを主成分とする流体を供給して少なくとも前記照射箇所を前記流体が充満した雰囲気とする流体供給部とを備える流体供給装置である。
これによれば、流体供給装置を照射対象物に取り付けて流体を供給した状態で、カバー部の開口からレーザ光を照射することにより、流体供給機能を持たない汎用の照射ヘッドを用いた場合であっても、不活性ガスが充満した雰囲気においてレーザ加工を行うことができ、酸化物の生成を防止することができる。
請求項21に係る発明は、前記カバー部の内部に配置された吸入口を有し、前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えることを特徴とする請求項20に記載の流体供給装置である。
これによれば、レーザ光の照射により発生した塵埃が照射対象物に再付着してレーザ加工の品質を損なうことを防止できる。
また、塵埃が周囲に飛散することを防止して施工現場の環境を向上することができる。
請求項22に係る発明は、レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系と、前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系とを含む光学系から出射されるレーザ光により照射対象物の表面を走査するレーザ加工方法であって、前記焦点位置の前記走査パターンを含む領域に不活性ガスを主成分とするシールドガスを供給して少なくとも前記焦点位置を前記シールドガスが充満した雰囲気とすることを特徴とするレーザ加工方法である。
請求項23に係る発明は、レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系を含む光学系から出射されるレーザ光により照射対象物の表面を走査するレーザ加工方法であって、前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側のものが配置される空間部に第1の流体と供給するとともに前記第1の流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させ、前記焦点位置を含む領域に前記第1の流体とは組成が異なる第2の流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記第2の流体が充満した雰囲気とすることを特徴とするレーザ加工方法である。
これらの各発明によれば、上述したレーザ照射装置に係る発明の効果と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、照射箇所の雰囲気制御により加工品質を向上したレーザ照射装置、流体供給装置、及び、レーザ加工方法を提供することができる。
本発明を適用したレーザ照射装置の第1実施形態における照射ヘッドの断面図である。 本発明を適用したレーザ照射装置の第2実施形態における照射ヘッドの断面図である。 第2実施形態のレーザ照射ヘッドの出射側端部の外観斜視図である。 第2実施形態のレーザ照射ヘッドにおけるノズル周辺の拡大断面図である。 本発明を適用したレーザ照射装置の第3実施形態における照射ヘッドの断面図である。 図3のVI−VI部矢視断面図である。 本発明を適用したレーザ照射ヘッドの第4実施形態における照射ヘッドの出射側端部の断面図である。 第4実施形態のレーザ照射ヘッドの出射側端部の外観斜視図である。 本発明を適用したレーザ照射ヘッドの第5実施形態における照射ヘッドの断面図である。 本発明を適用した流体供給装置の実施形態の外観を示す二面図である。 実施形態の流体供給装置の使用時における状態を示す断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したレーザ照射装置及びレーザ加工方法の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のレーザ照射装置は、レーザ発振器からファイバを介して供給されるレーザ光を照射対象物Oに照射し、照射箇所(ビームスポットBS)が照射対象物Oの表面を円弧上の走査パターンに沿って走査することによって、旧塗膜の剥離や付着した異物除去等の各種クリーニング処理を行う照射ヘッド1を備えている。
照射対象物Oは、一例として、一般鋼、ステンレス鋼、アルミニウム系合金などの金属製の構造物や、コンクリート等である。
クリーニング処理は、照射対象物Oの表面で照射箇所(ビームスポットBS)を、例えば直径10mm程度あるいはそれ以上の比較的大径の円弧に沿って旋回させて走査し、照射対象物Oの表面に付着した旧塗膜(剥離すべき塗膜)、酸化皮膜等の各種皮膜、ダスト、錆、煤等をクリーニングするレーザ加工(表面処理)である。
図1は、第1実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの断面図である。
照射ヘッド1は、図示しないファイバを介し、図示しないレーザ発振器から伝達されるCWのレーザ光Rを、照射対象物Oに照射するものである。
レーザ発振器として、例えば、平均出力が1kW程度のCWレーザを用いることができる。
照射ヘッド1は、例えば、作業者が手持ちして作業を行うことが可能なハンディタイプのものであるが、所定のパスに沿って照射ヘッド1を移動可能なロボットに取り付けて用いることも可能である。
照射ヘッド1は、フォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30、回転筒40、モータ50、モータホルダ60、保護ガラスホルダ70、ハウジング80、ダクト90等を備えている。
フォーカスレンズ10は、レーザ発振器からファイバを経由して照射ヘッド1に伝達されたレーザ光Rが、図示しないコリメートレンズを通過した後に入射される光学素子である。
コリメートレンズは、ファイバの端部から出射されたレーザ光を、実質的に平行にする(コリメートする)光学素子である。
フォーカスレンズ10は、コリメートレンズが出射するレーザ光Rを、所定の焦点位置において集光(合焦)させる光学素子である。
フォーカスレンズ10として、例えば、正のパワーを有する凸レンズを用いることができる。
なお、レーザ光Rによる照射対象物Oの表面における照射箇所であるビームスポットBSは、この焦点位置と一致し(フォーカス状態)、あるいは、焦点位置に近接して(デフォーカス状態)配置される。
ウェッジプリズム20は、フォーカスレンズ10が出射するレーザ光Rを、所定の偏角θ(図1参照)だけ偏向させ、入射側と出射側の光軸角度を異ならせる光学素子である。
ウェッジプリズム20は、入射側の光軸方向と直交する方向における一方の厚さが他方の厚さに対して大きくなるように、連続的に厚さが変化する板状に形成されている。
保護ガラス30は、ウェッジプリズム20に対して光軸方向に沿って焦点位置側(照射対象物O側・ビームスポットBS側)に隣接して配置された平板ガラス等からなる光学素子である。
保護ガラス30は、照射対象物O側から飛散するスパッタや粉塵等の異物が、ウェッジプリズム20等の他の光学素子に付着することを防止する保護部材である。
保護ガラス30は、照射ヘッド1が有する光学系のうち、光軸方向に沿って最も焦点位置側に配置された光学素子であり、後述する空間部Sやダクト90の内部を介して、照射対象物O側に露出することになる。
フォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30は、例えば光学ガラス等の透明な材料からなる部材の表面に、反射防止や表面保護等を目的としたコーティングを施して構成されている。
回転筒40は、内径側にフォーカスレンズ10及びウェッジプリズム20を保持する円筒状の部材である。
回転筒40は、フォーカスレンズ10の光軸、及び、フォーカスレンズ10に入射するレーザ光Rの光軸(コリメートレンズの光軸)と同心に形成されている。
回転筒40は、図示しないベアリングにより、ハウジング80に対して、フォーカスレンズ10の光軸と一致する回転中心軸回りに回転可能に指示されている。
回転筒40は、例えばアルミニウム系合金等の金属や、エンジニアリングプラスチック等により形成されている。
モータ50は、回転筒40をハウジング80に対して回転中心軸回りに回転駆動する電動アクチュエータである。
モータ50は、例えば、回転筒40と同心に構成され、回転筒40の外径側に設けられた円環型モータとして構成される。
モータ50の図示しないステータは、モータホルダ60を介してハウジング80に固定されている。
モータ50の図示しないロータは、回転筒40に固定されている。
モータ50は、図示しない制御装置によって、回転筒40の回転速度が所望の目標回転速度と実質的に一致するように制御される。
回転筒40の目標回転速度は、例えば15000乃至20000rpm程度である。
回転筒40の回転中心軸が照射対象物Oの照射箇所付近の表面と直交するよう照射ヘッド1の姿勢を維持し、モータ50が回転筒40とともにウェッジプリズム20を回転させることにより、ビームスポットBSは、照射対象物Oの表面に沿って、回転筒40の回転中心軸回りに円弧状に旋回走査することになる。
この状態で照射ヘッド1を照射対象物Oの表面に沿って並進移動させると、ビームスポットBSは、円弧状に旋回しつつ照射対象物Oの表面を走査することになる。
これにより、照射対象物O上の任意の点に着目した場合には、例えば数msec程度の短時間のみレーザ光Rがパルス状に入射し、短時間のうちに急速加熱、急速冷却が順次行われる。
このとき、照射対象物Oの表面に形成された旧塗膜、錆、被膜等や、付着した異物などのクリーニング対象物は、破砕されて飛散する。
モータホルダ60は、ハウジング80の内部において、モータ50のステータを所定の位置に保持する支持部材である。
モータホルダ60の本体部は、円筒状に形成され、ハウジング80の内径側に挿入された状態でハウジング80に固定されている。
モータホルダ60の内周面は、モータ50の外周面と対向して配置され、モータ50のステータに固定されている。
モータホルダ60の外周面と内周面との間隔の一部には、パージガスPGが通流されるパージガス流路61が形成されている。
パージガスPGは、照射ヘッド1の使用時(照射時)に、後述するダクト90の内筒91の内部における保護ガラス30の照射対象物O側の面部が接する空間部Sから、照射対象物O側へ噴出される気体である。保護ガラス30の照射対象物O側の面部は、この空間部Sの内部に露出して配置されている。
パージガスPGは、照射対象物O側から飛散する旧塗膜、錆、皮膜の破片などの塵埃や、スパッタ等の異物が、ハウジング80の内部に飛来して保護ガラス30に付着することを防止する機能を有する。
パージガス流路61は、モータホルダ60の一部を、モータ50の軸方向に貫通して形成された開口である。
パージガス流路61から出たパージガスPGは、ハウジング80内に設けられた流路を経由して、ダクト90の内筒91の内径側に導入される。
例えばボンベや気体発生装置などの流体供給源、及び、照射ヘッド1内の各流路は、協働して本発明にいう流体供給部として機能する。
保護ガラスホルダ70は、保護ガラス30を保持した状態でハウジング80の内径側に固定される部材である。
保護ガラスホルダ70は、例えば、中央部に円形の開口が形成された円盤状に形成されている。
レーザ光Rは、開口を介してウェッジプリズム20側から照射対象物O側へ通過する。
保護ガラスホルダ70の照射対象物O側の面部には、保護ガラス30がはめ込まれる凹部が形成されている。
保護ガラス30は、この凹部にはめ込まれた状態で、ハウジング80の内部において保持されている。
保護ガラス30は、汚染や焼損が発生した場合には交換が可能なよう、保護ガラスホルダ70に着脱可能に取り付けられている。
保護ガラスホルダ70の照射対象物O側とは反対側の面部は、モータホルダ60の照射対象物O側の端面と間隔を隔てて対向して配置されている。
この間隔は、モータホルダ60のパージガス流路61から導入されるパージガスPGを保護ガラス30の照射対象物O側の空間部Sに導入する流路の一部(流体供給部の一部)を構成する。
ハウジング80は、照射ヘッド1の本体部の筐体を構成する円筒状の部材である。
ハウジング80の内部には、上述したフォーカスレンズ10、ウェッジプリズム20、保護ガラス30、回転筒40、モータ50、モータホルダ60、保護ガラスホルダ70等のほか、図示しないファイバの照射ヘッド1側の端部や、コリメートレンズ等が収容されている。
ダクト90は、ハウジング80の照射対象物O側の端部から突出して設けられた二重筒状の部材である。
ダクト90は、内筒91、外筒92、集塵機接続筒93等を有する。
上述したモータホルダ60、保護ガラスホルダ70、ハウジング80は、例えばアルミニウム系合金等の金属や、エンジニアリングプラスチック等により形成されている。
内筒91は、円筒状に形成されている。
レーザ光Rは、内筒91の内径側を通過して照射対象物O側に出射される。
内筒91のハウジング80側の端部には、他部に対して段状に小径に形成された小径部91aが形成されている。
小径部91aの内部の空間部Sには、ハウジング80の内部から、パージガスPGが導入される。
内筒91の照射対象物O側の端部には、照射対象物O側が小径となるように先窄みとなったテーパ部91bが形成されている。
テーパ部91bは、レーザ光Rの通過を許容しつつ、パージガスPGの気流を絞って流速を増加させる機能を有する。
外筒92は、内筒91と同心に配置された円筒状の部材であって、内筒91の外径側に設けられている。
外筒92の内周面と外筒91の外周面との間には、全周にわたって連続した隙間が形成されている。
外筒92のハウジング80側の端部には、他部に対して段状に小径に形成された小径部92aが形成されている。
小径部92aは、ハウジング80の照射対象物O側の端部に嵌め込まれた状態で固定される。
外筒92の照射対象物O側の端部92bの縁は、回転筒40の回転中心軸を水平として照射する際の通常使用時における上方が下方に対してハウジング80側となるように、回転筒40の回転中心軸に対して傾斜して形成されている。
外筒92の端部92bと、内筒91との間隔は、本発明にいう吸塵部の吸入口として機能する。
集塵機接続筒93は、外筒92から外径側に突出し、外筒92の内径側と連通した状態で接続された円筒状の筒体である。
集塵機接続筒93は、上述した通常使用時における外筒92の下方に設けられている。
集塵機接続筒93は、照射対象物O側からハウジング80側に近づくとともに、外筒92から離間するように、外筒92に対して傾斜して配置されている。
集塵機接続筒93の一方の端部は、外筒92の照射対象物O側の端部近傍において、外筒92の内部と連通するように外筒92に接続されている。
集塵機接続筒93の他方の端部は、図示しない集塵機に接続され、内部が負圧となるように真空吸引されるようになっている。
第1実施形態においては、レーザ光Rを出射しながら、回転筒40及びウェッジプリズム20を回転させることにより、ビームスポットBSが照射対象物Oの表面に沿って所定の半径の円弧上に旋回する。
この状態で、照射ヘッド1を照射対象物Oの表面に沿って並進移動させることにより、照射対象物Oの表面をビームスポットBSが走査するクリーニング処理を行うことが可能である。
また、第1実施形態においては、パージガスPGとして、シールドガスとしても機能する例えば窒素ガス等の不活性ガスを用いる。
この不活性ガスは、ビームスポットBS及びその旋回半径内(走査パターン内)を含む領域を、窒素が充満した雰囲気とし、酸素から遮断した状態とする。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ビームスポットBSを、窒素ガス等のパージガスPGで充満させることにより、照射対象物Oがレーザ光Rの入射により高温となる際に酸素と接触することを防止し、酸化物からなる被膜等が形成されることを防止することができる。
また、ビームスポットBSを円弧状の走査パターンで旋回させることにより、CWレーザを利用した場合であっても照射対象物Oの表面における同一箇所が長時間照射され続けることを防止することができる。
このため、照射対象物Oの一部が局所的に過度な入熱を受けて好ましくない熱影響が生じることを防止できる。また、照射対象物Oの比較的広い範囲を、迅速にレーザ加工することができる。
(2)パージガスPGを保護ガラス30が配置される空間部S内を経由して照射対象物O側へ供給されるようにしたことにより、レーザ光Rの照射により照射対象物Oから飛散する塵埃やスパッタ等の異物が保護ガラス30側に流入することを防止し、保護ガラス30の汚染や、保護ガラス30の表面に付着した異物がレーザ光Rに加熱されることによる保護ガラス30の焼損を防止することができる。
(3)ビームスポットBSに隣接して配置された吸入口から塵埃を吸引することにより、レーザ光Rの照射により発生した塵埃が照射対象物Oに再付着してレーザ加工の品質を損なうことを防止できる。
また、塵埃が周囲に飛散することを防止して施工現場の環境を向上することができる。
(4)窒素ガスからなるパージガスPGを照射対象物Oに供給する内筒91と、その外径側に配置された外筒92との隙間を吸入口とすることにより、コンパクトな構成により焦点位置に確実に窒素ガスを供給するとともに、その周囲から塵埃を吸引することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射装置及びレーザ加工方法の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と同様の箇所は同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図2は、第2実施形態のレーザ照射ヘッドの断面図である。
図3は、第2実施形態のレーザ照射ヘッドの出射側端部の外観斜視図である。
第2実施形態の照射ヘッド1は、第1実施形態におけるダクト90に代えて、照射対象物の表面におけるレーザ光Rによる照射箇所(ビームスポットBS)及びその近傍の領域を、外気から遮断してシールドガスSGが充満された状態(シールドガス雰囲気)とするために、ノズル100、ノズルキャップ110、支柱120、支柱基部130、シールドガス導入筒140等を有する。
シールドガスSGは、本発明にいう第2の流体である。
また、第2実施形態においては、パージガスPGとして、例えば、空気を用いる。
パージガスPGは、本発明にいう第1の流体である。
図4は、第1実施形態のレーザ照射ヘッドにおけるノズル周辺の拡大断面図であって、シールドガスの噴出状態を示す図である。
シールドガスSGとして、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることができる。
ノズル100は、ノズルキャップ110と協働して、支柱120の内部から供給されるシールドガスSGを、照射対象物O側へ噴出するものである。
ノズル100は、ノズルキャップ110、支柱120等と協働して、本発明にいう第2の流体供給部として機能する。
ノズル100は、ハウジング80に対して、照射対象物O側へ突出して配置されている。
ノズル100は、例えばアルミニウム合金等の金属材料により、円筒部101、フランジ部102、テーパ部103等を一体に形成して構成されている。
円筒部101は、円筒状に形成され、回転筒40の回転中心軸と同心に配置されている。
レーザ光Rは、円筒部101の内径側を通過して照射対象物O側へ出射される。
フランジ部102は、円筒部101のハウジング80側の端部から外径側につば状に張り出して形成された面部である。
フランジ部102は、中央部にレーザ光Rが通過する円形の開口を有する円盤状に形成されている。
フランジ部102には、支柱120の照射対象物O側の端部が固定されている。
テーパ部103は、円筒部101の照射対象物O側(フランジ部102側と反対側)の端部近傍における外周面を、照射対象物O側の外径が縮径される先窄みのテーパ状に形成したものである。
ノズルキャップ110は、ノズル100のテーパ部103の外径側に設けられる筒状の部材である。
ノズルキャップ110は、テーパ部103と同等のテーパ角を有するテーパ筒状に形成されている。
図4に示すように、ノズルキャップ110の内周面と、テーパ部103の表面(ノズル100の外周面)との間には、シールドガスSGの噴出孔として機能する隙間Gが、ノズル100の全周にわたって設けられている。
支柱120からノズル100に供給される例えば窒素ガス等のシールドガスSGは、この隙間Gの内部に供給される。
隙間Gに供給されたシールドガスSGは、ノズル100の全周から、照射対象物O側に噴出される。
このとき、シールドガスSGは、ビームス1ポットBSが含まれる領域を包囲する筒状のカーテン状に噴出される。
照射対象物Oに衝突したシールドガスSGの一部は、進行方向を反転させてノズル100の外径側から内径側に向けて、さらにはハウジング80側へ進行する気流Aを形成する。
このような反転した気流Aは、照射箇所近傍に例えば空気等のパージガスPGが流入することを防止する機能を有する。
また、照射対象物Oに衝突したシールドガスSGの別の一部は、照射対象物Oとの衝突箇所からノズル100の外径側に向かって、照射対象物Oの表面に沿って進行する気流Bを形成する。
支柱120は、ハウジング80側から照射対象物O側へ延出して設けられ、ノズル100等を支持する部材である。
支柱120は、例えば、回転筒40の回転中心軸と並行な方向に沿って伸びた円筒状に形成されている。
支柱120の照射対象物O側の端部は、ノズル100のフランジ部102に固定されている。
支柱120のハウジング80側の端部は、支柱基部130のノズル100側の面部に固定されている。
シールドガス導入筒140から導入されるシールドガスSGは、支柱120の内部を通過してノズル100に供給され、テーパ部103とノズルキャップ110との間の隙間から噴出されるようになっている。
支柱120は、ノズル100の周方向に等間隔に分散して複数(一例として第1実施形態の場合には4本が設けられている。
支柱基部130は、シールドガス導入筒140を介してハウジング80に取り付けられる環状の部材である。
支柱基部130は、支柱120のハウジング80側の端部が固定される基部となる。
支柱基部130には、シールドガス導入筒140から導入されたシールドガスSGを支柱120の内径側に導入する流路が形成されている。
シールドガス導入筒140は、ハウジング80の照射対象物O側の端部から突出して形成された円筒状の部材である。
シールドガス導入筒140の突端部(ノズル100側の端部)には、支柱基部130が取り付けられる。
シールドガス導入筒140の外周面には、図示しないシールドガス供給源からシールドガスSGが供給される管路が接続される接続部141が形成されている。
接続部141から導入されたシールドガスSGは、支柱基部130の流路に導入されるようになっている。
保護ガラス30の照射対象物O側の面部は、シールドガス導入筒140の内径側の空間部S内に露出した状態(空間部Sに接した状態)で配置されている。
モータホルダ60のパージガス流路61を経由してハウジング80の内部に導入されたパージガスPGは、シールドガス導入筒140の内径側の空間部S内に導入され、支柱基部130の内径側から照射対象物O側へ流出するようになっている。
パージガスPGの流量、流速等は、照射対象物Oから飛散するダスト(塵埃)やスパッタ等が保護ガラス30に到達し、付着することを防止することを考慮して設定されている。
シールドガス導入筒140は、支柱基部130、ハウジング80、モータホルダ60のパージガス流路61等と協働して、本発明にいう第1の流体供給部として機能する。
照射ヘッド1は、さらに、パージガス偏向ノズル150を有する。
パージガス偏向ノズル150は、支柱基部130から照射対象物O側へ流出するパージガスPGの気流に対して支柱基部130の径方向外側から交わるように噴き込まれ、衝突する気流を発生するものである。
パージガス偏向ノズル150は、例えば、通常使用時における照射ヘッド1の上方側に設けられる。
これにより、パージガスPGはパージガス偏向ノズル150が設けられた側とは反対側(この場合には下方)に偏向し、照射箇所へ流入することが防止される。
パージガス偏向ノズル150は、本発明にいう流体偏向部、流体流発生手段である。
以上説明した第2実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)ビームスポットBS及びその周辺部を、不活性ガスである窒素ガスからなるシールドガスSGが充満した雰囲気とすることが可能であり、そのシールド効果により酸素を遮断し、ビームスポットBSにおいて照射対象物Oの表面が酸化して酸化皮膜等が形成されることを防止できる。
一方、光学系の汚染防止等を行うパージガスPGとして比較的低コストかつ利用が容易な空気を利用することにより、シールドガスSGの使用量を抑制し、装置のランニングコスト(施工コスト)を低減するとともに、気体供給源(例えば不活性ガスのボンベあるいは発生装置)等の装置構成を簡素化することができる。
(2)ウェッジプリズム20を集光光学系10の光軸回りに回転させて、ビームスポットBSが照射対象物Oの表面を円弧に沿って旋回しながら走査することにより、CWレーザを利用した場合であっても照射対象物Oの表面における同一箇所が長時間照射され続けることを防止することができる。このため、照射対象物Oの一部が局所的に過度な入熱を受けて熱影響が生じることを防止できる。
また、照射対象物Oの比較的広い範囲を、迅速にレーザ加工することができる。
(3)ノズル100を、内径側をレーザ光Rが通過する環状としたことによって、簡単な構成により適切に照射対象物Oの表面付近におけるビームスポットBSを含む領域を、シールドガスSGが充満した雰囲気とすることができる。
(4)ノズル100の噴出孔であるテーパ部103とノズルキャップ110との隙間Gが、環状のノズル100の内径側を指向するようレーザ光Rの光軸に対して傾斜していることにより、ビームスポットBSを含む領域をより確実にシールドガスSGが充満した雰囲気とすることができる。
(5)ノズル100がハウジング80の先端部に設けられた支柱基部130から支柱120で支持されるとともに、支柱120がその内部にシールドガスSGの流路を有することによって、簡単な構成によりノズル100の支持、及び、照射ヘッド1の本体部側(ハウジング80側)からノズル100側へのシールドガスSGの供給を行うことができる。
また、空間部Sから流出したパージガスPGを、複数の支柱120の間に設けられる隙間から排出することが可能であり、パージガスPGがビームスポットBS近傍に流入してシールドガスSGが充満した雰囲気を損なうことを防止できる。
(6)パージガス偏向ノズル150から噴出される気流を、パージガスPGの気流内にこの気流と交わるように噴出させることによって、パージガスPGの主流方向を偏向させてパージガスPGがビームスポットBS近傍に流入することを防止し、ビームスポットBSを含む領域をより確実にシールドガスSGが充満した状態とすることができる。
また、パージガス偏向ノズル150から噴出される気流の流速、流量、方向、衝突箇所などの設定により、パージガスPGからなる気流の偏向の制御自由度を高めることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射装置及びレーザ加工方法の第3実施形態について説明する。
上述した第2実施形態と同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図5は、第3実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの断面図である。
図6は、図5のVI−VI部矢視図である。
第3実施形態の照射ヘッド1は、第2実施形態のパージガス偏向ノズル150に代えて、デフレクタとして機能する以下説明するパージガス偏向板160を備えている。
パージガス偏向板160は、本発明にいう流体偏向部、偏向部材である。
パージガス偏向板160は、支柱120の長手方向における中間部に設けられ、パージガスPGが通過する領域の一部を閉塞してパージガスPGの気流の一部と干渉し、その通過を阻止することにより、パージガスPGの進行方向における主流方向を、パージガス偏向板160から遠ざかる方向(第3実施形態の場合には通常使用時における下方)に偏向させる機能を有する。
第3実施形態においては、図6等に示すように、パージガス偏向板160は、回転筒40の回転中心軸方向から見た平面形状が、レーザ光Rの通過領域側が凹まされた三日月状に形成されている。
パージガス偏向板160は、照射ヘッド1の通常使用時における上方側の領域に設けられ、パージガス偏向板160にパージガスPGの一部が衝突する領域とその他の領域との圧力差により、パージガスPGの主流を図5に示すように下方に偏向させるデフレクタである。
パージガス偏向板160は、本発明にいう偏向部材として機能する。
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第2実施形態の効果と同様の効果に加えて、動力等を必要としない簡単な構成により空気等のパージガスPGが照射箇所近傍に流入することを防止し、ビームスポットBS周辺の領域をより確実に窒素等のシールドガスが充満した状態とすることができる。
<第4実施形態>
以下、本発明を適用したレーザ照射装置及びレーザ加工方法の第4実施形態について説明する。
図7は、第4実施形態の照射ヘッドの照射側端部の断面図である。
図8は、第4実施形態の照射ヘッドの照射側端部の外観斜視図である。
第4実施形態の照射ヘッドは、第3実施形態のパージガス偏向板160に代えて、以下説明するパージガス偏向板170を設けるとともに、ノズル100の周囲に、以下説明する吸塵ダクト180を設けたものである。
パージガス偏向板170は、図7,8に示されるように、レーザ光Rが通過する領域の全周にわたって設けられた偏向部材(デフレクタ)である。
パージガス偏向板170は、平板の円盤状に形成されるとともに、中央部にレーザ光Rが通過する円形の開口が設けられている。
パージガス偏向板170は、外周縁部を内径側に凹ませて形成した凹部において、支柱120の外周面に固定されている。
図7に示すように、パージガス偏向板170は、直径方向における一方の端部(通常使用時における上端部)が他方の端部(通常使用時における下端部)に対してノズル100側となるように、回転筒40の回転中心軸に対して傾斜して配置されている。
パージガス偏向板170の法線方向は、集光光学系10の光軸(パージガスPGの主流の進行方向とほぼ平行)に対して、図7に示すθpだけ傾斜している。
吸塵ダクト180は、ノズル100周辺部の周囲を囲って設けられた筒状の部材である。
吸塵ダクト180は、回転筒40の回転中心軸と同心の円筒状に形成されている。
吸塵タクト180の内周面は、ノズルキャップ110の外周面及び内筒183と、間隔を隔てて対向して配置されている。
吸塵ダクト180の照射対象物O側の端部181は、吸塵ダクト180の中心軸と直交する平面に沿って形成されている。
ノズル100及びノズルキャップ110の照射対象物O側の端部は、吸塵ダクト180の端部から照射対象物O側へ突き出して配置されている。
吸塵ダクト180の支柱基部130側の端部には、内径側に張り出したフランジ182が形成されている。
フランジ182の内周縁部は、支柱120の表面と当接し、又は微小な隙間を隔てて配置されている。
内筒183は、ノズル100よりも支柱基部130側の領域において、吸塵ダクト180の内径側に同心に配置される円筒状の部材である。
内筒183の内周面は、支柱120の表面と当接しあるいは微小な隙間を隔てて対向している。
内筒183の外周面と吸塵ダクト180の内周面との間には、吸引された塵埃等が通過可能な隙間が形成されている。
吸塵ダクト180には、集塵機接続筒190が接続されている。
集塵機接続筒190は、吸塵ダクト180から外径側に突出し、吸塵ダクト180の内径側と連通した状態で接続された円筒状の筒体である。
集塵機接続筒190は、通常使用時における吸塵ダクト180の下方に設けられている。
集塵機接続筒190は、照射対象物O側から支柱基部130側に近づくとともに吸塵ダクト180から離間するように、吸塵ダクト180に対して傾斜して配置されている。
集塵機接続筒190の一方の端部は、吸塵ダクト180の周面部において、吸塵ダクト180の内部と連通するように吸塵ダクト180に接続されている。
集塵機接続筒190の他方の端部は、図示しない集塵機に接続され、内部が負圧となるように真空吸引されるようになっている。
以上説明した第4実施形態によれば、第2、第3実施形態と同様にシールドガスSGの使用量を低減するとともに、第1実施形態と同様の集塵機能を付加して照射対象物Oの表面が汚染されることを防止するとともに、施工環境の改善も図ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明を適用したレーザ照射装置及びレーザ加工方法の第5実施形態について説明する。
図9は、第5実施形態のレーザ照射装置における照射ヘッドの断面図である。
第5実施形態の照射ヘッド1は、第2実施形態のパージガス偏向ノズル150に代えて、一部の支柱120(例えば4本支柱120が存在する場合には1,2本)の内部に、シールドガスSGに代えてパージガスPGを導入するとともに、支柱120に形成した噴孔121から、空間部Sから流出するパージガスPGの主流方向に向けて、パージガスPG(例えば空気)を噴出させるものである。
パージガスPGが導入される支柱120は、パージガスPGがノズル100に流入してシールドガスSGと混合することがないよう、ノズル100の手前で閉塞されている。
以上説明した第5実施形態によれば、部品点数を低減した簡単な構成により上述した第2実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
<第6実施形態>
次に、本発明を適用した流体供給装置の実施形態であって、本発明を適用したレーザ加工方法の第6実施形態について説明する。
第6実施形態においては、照射対象物Oに以下説明する流体供給装置500を取り付けて照射箇所周辺をシールドガスSGが充満した雰囲気とし、流体供給装置500の内部に別体の照射ヘッドからレーザ光Rを照射して走査する。
図10は、実施形態の流体供給装置の外観二面図である。
図10(a)は、流体供給装置を照射ヘッド側(照射対象物表面の法線方向)から見た図である。
図10(b)は、図10(a)のb−b部矢視図である。
図11は、実施形態の流体供給装置の使用時における状態を示す断面図である。
流体供給装置500は、カバー部510、シールドガス供給筒520、集塵機接続筒530等を有する。
カバー部510は、照射箇所を覆うよう照射対象物Oに取り付けられる容器状の部材である。
カバー部510は、側面部511、天面部512、開口513、フランジ514等を有する。
側面部511は、照射対象物Oの表面から垂直に立ち上がるよう形成された壁面部である。
側面部511は、例えば、照射ヘッド側(照射対象物Oの表面の法線方向)から見た形状が、矩形となるように形成されている。
天面部512は、カバー部510における照射ヘッド側(照射対象物O側とは反対側)の端部に設けられる面部である。
天面部512は、矩形の平板状に形成されている。
天面部512の周縁部は、側面部511の照射対象物O側とは反対側の端部に全周にわたって接続されている。
開口513は、天面部512の中央部に形成された貫通穴である。
開口513は、照射ヘッドからレーザ光Rを照射し、照射対象物Oの表面をビームスポットBSが走査する際に、レーザ光Rを遮らない程度の大きさ、形状に形成されている。
フランジ514は、開口513の周縁部において、天面部512から照射ヘッド側に立ち上げて形成されている。
シールドガス供給筒520は、図示しないシールドガス供給装置から、不活性ガスを主成分とするシールドガスSGが供給される流体供給部である。
シールドガス供給筒520は、一方の側壁511における照射対象物Oに近接する領域 からカバー部510の外側に突出し、カバー部510の内部と連通して形成されている。
集塵機接続筒530は、図示しない集塵機が接続され、カバー部510の内部で発生した塵埃を吸引する集塵部である。
集塵機接続筒530は、シールドガス供給筒520とは反対側の側壁511における中央部からカバー部510の外側に突出し、カバー部510の内部と連通して形成されている。
以上説明した流体供給装置の実施形態、及び、第6実施形態のレーザ加工方法によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)流体供給装置500を照射対象物Oに取り付けてシールドガスSGを供給した状態で、カバー部510の開口513からレーザ光Rを照射することにより、流体供給機能を持たない汎用の照射ヘッドを用いた場合であっても、不活性ガスが充満した雰囲気においてレーザ加工を行うことができ、酸化物の生成を防止することができる。
(2)流体供給装置500に、吸塵機に接続される吸塵機接続筒530を設けたことにより、レーザ光Rの照射により発生した塵埃が照射対象物Oに再付着してレーザ加工の品質を損なうことを防止できる。
また、塵埃が周囲に飛散することを防止して施工現場の環境を向上することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)レーザ照射装置、照射ヘッド、流体供給装置、レーザ加工方法の構成は、上述した各実施形態に限定されず、適宜変更することが可能である。
(2)各実施形態において、偏向光学系は、一例として回転する単一のウェッジプリズムであるが、このようなウェッジプリズムを複数組み合わせて用いてもよい。このような複数のウェッジプリズムは、一体的に回転する構成としてもよく、また、独立して回転する構成としてもよい。
また、ウェッジプリズムに代えて、あるいは、ウェッジプリズムとともに、例えばガルバノミラー等の他種の偏向光学系を用いてもよい。
(3)第2乃至第5実施形態において、第1の流体は、一例として空気であったが、他種の気体、液体、気液混合体などを用いてもよい。
また、第2の流体も窒素ガスに限らず、他の不活性ガスや、その他の気体、液体、気液混合体などを利用することができる。
また、照射対象物の表面に所定の成分の被膜を形成したい場合には、その原材料を含む気体を用いてもよい。
例えば、照射対象物の表面に酸化皮膜を意図的に形成したい場合には、酸素を含んだ気体を利用することが可能である。
(4)第2実施形態においては、パージガスPGの気流に他の気流を衝突させることにより、気流の偏向を図っているが、これに代えて、あるいは、これとともに、パージガスPGの気流を吸引する吸引手段を設けてもよい。
(5)各実施形態のレーザ加工は、一例としてクリーニング処理であったが、本発明はこれに限定されず、他の目的にも利用することができる。
例えば、塗装前の下地調整や、防錆用等の被膜の形成等にも利用することができる。
例えば、第2の流体として不活性ガスからなるシールドガスに代えて、高濃度の酸素を含有する気体を用いることにより、金属の表面に耐蝕性のある酸化被膜を形成することも可能である。
1 照射ヘッド 10 フォーカスレンズ
20 ウェッジプリズム 30 保護ガラス
40 回転筒 50 モータ
60 モータホルダ 61 パージガス流路
70 保護ガラスホルダ 80 ハウジング
90 ダクト 91 内筒
91a 小径部 91b テーパ部
92 外筒 92a 小径部
92b 端部 93 集塵機接続筒
100 ノズル 101 円筒部
102 フランジ部 103 テーパ部
110 ノズルキャップ 120 支柱
121 噴孔 130 支柱基部
140 シールドガス導入筒 141 接続部
150 パージガス偏向ノズル 160 パージガス偏向板
170 パージガス偏向板 180 吸塵ダクト
181 端部 182 フランジ
183 内筒 190 吸塵機接続筒
500 流体供給装置 510 カバー部
511 側面部 512 天面部
513 開口 514 フランジ
520 シールドガス供給筒 530 集塵機接続筒
O 照射対象物 R レーザ光
BS ビームスポット PG パージガス
SG シールドガス S 空間部

Claims (23)

  1. レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系と、
    前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系とを含む光学系と、
    前記焦点位置の前記走査パターンを含む領域に不活性ガスを主成分とする流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記流体が充満した雰囲気とする流体供給部と
    を備えることを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 前記流体供給部は、前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側に配置された光学素子の前記焦点位置側の面部と接した空間部に前記流体を供給するとともに前記流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
  3. 前記焦点位置に隣接して配置された吸入口を有し、前記照射対象物に対する前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ照射装置。
  4. 前記光学系から出射される前記レーザ光が内部を通過する内筒と、
    前記内筒の外径側に設けられた外筒とを備え、
    前記流体供給部は、前記内筒の内径側から前記照射対象物側へ前記流体を供給し、
    前記集塵部は、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面との隙間から前記塵埃を吸引すること
    を特徴とする請求項3に記載のレーザ照射装置。
  5. レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系を含む光学系と、
    前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側に配置された光学素子の前記焦点位置側の面部と接した空間部に第1の流体を供給するとともに前記第1の流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させる第1の流体供給部と、
    前記第1の流体供給部よりも前記焦点位置側に設けられ、前記焦点位置を含む領域に前記第1の流体とは組成が異なる第2の流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記第2の流体が充満した雰囲気とする第2の流体供給部と
    を備えることを特徴とするレーザ照射装置。
  6. 前記光学系は、前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系を有すること
    を特徴とする請求項5に記載のレーザ照射装置。
  7. 前記偏向光学系は、前記レーザ光を所定の偏角だけ偏向させるとともに、前記集光光学系から出射される前記レーザ光の光軸回りに回転駆動されるウェッジプリズムを有すること
    を特徴とする請求項6に記載のレーザ照射装置。
  8. 前記第1の流体は空気を主成分とし、前記第2の流体は不活性ガスを主成分とすること
    を特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  9. 前記第2の流体供給部は、内側に前記レーザ光が通過する環の周方向に分布して形成された噴出孔を有し照射対象物に前記第2の流体を噴射するノズル部を有すること
    を特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  10. 前記環の外径側から内径側に向けて前記第2の流体が噴出されるように、前記ノズル部の前記噴出孔が前記レーザ光の光軸に対して前記環の内径側に向けて傾斜して設けられていること
    を特徴とする請求項9に記載のレーザ照射装置。
  11. 前記ノズル部は、前記第1の流体供給部又はその近傍から照射対象物側に延出した支柱により支持され、
    前記支柱は、前記ノズル部に前記第2の流体を供給する流路を有すること
    を特徴とする請求項9又は請求項10に記載のレーザ照射装置。
  12. 前記焦点位置に隣接して配置された吸入口を有し、照射対象物に対する前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えること
    を特徴とする請求項5から請求項11までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  13. 前記集塵部の前記吸入口は、前記第2の流体供給部が前記照射対象物に向けて前記第2の流体を噴出する箇所の周囲に周方向に延在して設けられること
    を特徴とする請求項12に記載のレーザ照射装置。
  14. 前記第1の流体供給部から供給された前記第1の流体の進行方向を、前記レーザ光の照射方向から偏向させる流体偏向部を有すること
    を特徴とする請求項5から請求項13までのいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  15. 前記流体偏向部は、前記第1の流体の進行方向の前記集光光学系の光軸の周縁の周方向における少なくとも一部の領域に設けられ、前記第1の流体の一部と干渉して前記第1の流体の進行方向を偏向させる偏向部材を有すること
    を特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置。
  16. 前記偏向部材における前記第1の流体と干渉する面部は、前記第1の流体の流出方向に対して傾斜して配置されること
    を特徴とする請求項15に記載のレーザ照射装置。
  17. 前記偏向部材は、前記第1の流体の上流側に面して配置され中央部に前記レーザ光が通過する開口が形成された面部を有すること
    を特徴とする請求項15又は請求項16に記載のレーザ照射装置。
  18. 前記流体偏向部は、前記第1の流体からなる流体流に交わるよう噴き込まれ前記第1の流体からなる流体流を偏向させる他の流体流を発生する流体流発生手段を有すること
    を特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置。
  19. 前記流体偏向部は、前記第1の流体からなる流体流を吸引する吸引手段を有すること
    を特徴とする請求項14に記載のレーザ照射装置。
  20. レーザ照射装置により照射されるレーザ光が照射対象物に入射する照射箇所の周囲に取り付けられる流体供給装置であって、
    前記照射箇所の周囲を包囲した状態で前記照射対象物に着脱可能に取り付けられるとともに、前記レーザ光が通過する開口を有するカバー部と、
    前記カバー部の内部に不活性ガスを主成分とする流体を供給して少なくとも前記照射箇所を前記流体が充満した雰囲気とする流体供給部と
    を備える流体供給装置。
  21. 前記カバー部の内部に配置された吸入口を有し、前記レーザ光の照射により発生した塵埃を吸引する集塵部を備えること
    を特徴とする請求項20に記載の流体供給装置。
  22. レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系と、
    前記レーザ光を偏向させて前記焦点位置を照射対象物の表面に沿って所定の走査パターンで走査させる偏向光学系と
    を含む光学系から出射されるレーザ光により照射対象物の表面を走査するレーザ加工方法であって、
    前記焦点位置の前記走査パターンを含む領域に不活性ガスを主成分とするシールドガスを供給して少なくとも前記焦点位置を前記シールドガスが充満した雰囲気とすること
    を特徴とするレーザ加工方法。
  23. レーザ発振器が発生するレーザ光を所定の焦点位置において集光させる集光光学系を含む光学系から出射されるレーザ光により照射対象物の表面を走査するレーザ加工方法であって、
    前記光学系を構成する光学素子のうち最も前記焦点位置側のものが配置される空間部に第1の流体と供給するとともに前記第1の流体を前記空間部から前記焦点位置側へ流出させ、
    前記焦点位置を含む領域に前記第1の流体とは組成が異なる第2の流体を供給して少なくとも前記焦点位置を前記第2の流体が充満した雰囲気とすること
    を特徴とするレーザ加工方法。
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