JP2020018268A - 製麹装置及び製麹方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種麹の胞子を蒸米全体により均等に分散させることができ、かつ種麹の使用量を大幅に削減することができる製麹装置及び製麹方法を提供する。【解決手段】製麹装置は、回転及び回転停止が自在であり、穀物又は豆類からなる原料を収容する回転ドラムと、空気流を回転ドラム内に供給するためのダクトと、回転ドラム内に装着され、種麹から分離された胞子を載置するためのカセットとを備えている。ダクトは空気流を吹き出す吹き出し口を有し、カセットはダクトの吹き出し口の近傍に装着され、この吹き出し口から吹き出される空気流により胞子を回転停止している回転ドラム内に散布させるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、回転ドラムを用いて原料の製麹を行う製麹装置及び製麹方法に関する。
麹は、日本酒、焼酎、味噌や醤油といった伝統的な発酵食品の製造において大切な役割を担っている。麹とは、米、米ぬか、麦又は豆等を蒸して麹菌を繁殖させたものであり、たとえば、米に麹菌を繁殖させたものは米麹と呼ばれている。従来、米麹の製造において「種菌」となる種麹の添加量は、発酵原料である米1kgに対して1.0g(0.1重量%)とされている。これは種麹に含まれる胞子数は20×10個/g程度であるので、麹の原料となる米に対しては2×10個/gの胞子を接種していることになる。
一方、種麹を蒸した原料米に対して混和する作業(種混ぜ)は麹製造のもっとも重要な工程である。この種麹が十分かつ均等に原料米に混和されていなければ、ハゼ(破精)落ち(麹菌の菌糸の増殖が不十分で、麹菌が蒸米の表面の一部にしか生育しないこと)の原因となり、ひいては麹菌以外の雑菌に汚染される一因ともなりかねない。
古来より、製麹はすべて手作業で行われていたが、現在では機械を用いて麹を製造する方法も用いられている。例えば、原料となる米・麦などの穀類を収容する回転ドラムを有するドラム型製麹機を用いて製麹を行う方法が周知されている(特許文献1)。
特許文献1には、洗米、浸漬、水切、蒸煮、接種及び製麹の前半工程には、回転式原料一貫処理製麹機を使用し、胞子着生の後半工程には、間隔約2cmに多数隔板が並立した堆積立型薄層培養器を使用することが記載されている。
上記回転式原料一貫処理製麹機は、回転缶本体の外周に原料や種麹を装置内部に投入するための原料出入口を備え、回転缶本体の内部には原料に水又は蒸気を供給する蒸気兼給水管、無菌空気を送風する主軸兼通風管、原料を支持する金網を備えている。回転缶本体の内部における金網の位置は、洗米時には下部、浸漬時には上部に固定され、水切り時には下部に固定されるようになっている。また、種麹の接種(種混ぜ)は、原料出入口から種麹を投入したのち、回転缶本体を回転させて種麹と蒸煮した原料とを混合させるように構成されている。
特開平4−179474号公報
特許文献1に記載されたような回転ドラム型製麹装置を用いた製麹における種混ぜは、蒸米が収容されたドラム型装置の中に種麹を直接投入した後にドラムを回転させることで種麹と蒸米とを混合させ、種麹の胞子を蒸米全体に分散させる方法をとっている。しかしながら、蒸米の表面は強い粘着性を有するため、装置内に投入されて一旦蒸米に付着した種麹の胞子は容易にその表面から剥離しない。それゆえ、装置内の蒸米全体に種麹の胞子を十分に分散させるため、大量の種麹を投入添加して対応しているのが現実である。
また、蒸米と種麹とをよく混合させようとして、過度に長期間ドラムを回転させると、蒸米がベタつき、麹菌が生育し難い性状になる危険性が高いという問題点もあった。
そのため、発酵原料に種麹を十分かつ均等に分散させることができ、ハゼ込みの良い上質な麹を製造することができる製麹装置及び製麹方法が要望されている。
本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、種麹の胞子を蒸米全体により均等に分散させることができ、かつ種麹の使用量を大幅に削減することができる製麹装置及び製麹方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、既製の装置を利用して簡単かつ低コストに構成することができる製麹装置を提供することにある。
本発明によれば、製麹装置は、回転及び回転停止が自在であり、穀物又は豆類からなる原料を収容する回転ドラムと、空気流(風)を回転ドラム内に供給するためのダクトと、回転ドラム内に装着され、種麹から分離された胞子を載置するためのカセットとを備えている。ダクトは空気流を吹き出す吹き出し口を有し、カセットはダクトの吹き出し口の近傍に装着され、この吹き出し口から吹き出される空気流により胞子を回転停止している回転ドラム内に散布させるように構成されている。
ダクトは、蒸米の冷却、製麹工程における発酵温度の調整に主に用いられていたが、本発明においては、回転ドラム内に空気流を供給するためにもダクトが使用される。即ち、ダクトの吹き出し口の近傍に装着されたカセットに種麹から篩分けされた麹菌の胞子を載置し、吹き出し口からの空気流により胞子を回転ドラム内に散布させることによって、種麹の胞子を蒸米の表面により均等に混和させることができ、かつ種麹の使用量を大幅に削減することができる。
吹き出し口が、基端がダクトに連結され、先端が斜め上方に向くように構成されていることが好ましい。
カセットが、先端部が所定角度で上方へ傾斜するように形成され、胞子を載置するための載置板と、この載置板の少なくとも後端部を覆うように構成された半円筒状部とを備えていることも好ましい。
カセットが、吹き出し口の先端に連結されるように着脱自在に装着されていることも好ましい。
ダクトが、回転ドラムの回転軸と同軸に配置された中空管材からなることも好ましい。
回転ドラムが、少なくとも網蓋で覆うことが可能な原料投入口を有することも好ましい。
本発明によれば、さらに、製麹方法は、予め篩を用いて種麹から胞子を分離する篩分け工程と、回転ドラム内に穀物又は豆類からなる原料を投入する原料投入工程と、原料投入工程で投入された原料を水洗して、水に浸漬する水洗浸漬工程と、所定時間に浸漬された原料を、水切りして、蒸気で蒸す蒸し工程と、篩分け工程で得られた胞子を、回転ドラム内に空気流(風)を供給するためのダクトの吹き出し口の近傍に設けられたカセット上に載せる胞子供給工程と、ダクトを介して空気流を回転ドラム内に供給し、カセット上の胞子を回転ドラム内に散布する散布工程と、回転ドラムを回転させ、散布工程で散布された胞子と原料とを均一になるように撹拌し混合させる混合工程とを備える。
散布工程は、回転ドラムが原料投入口の網蓋が原料によりふさがれる角度まで回転し、回転停止した状態で行うように構成されていることが好ましい。
胞子供給工程、散布工程、混合工程の順に複数回繰り返し行い、複数回の胞子供給のそれぞれの後に、散布工程において空気流の供給(送風)を所定時間に行い、複数回の空気流の供給のそれぞれの後に、回転ドラムを所定時間に回転させ、各回の空気流の供給で散布された胞子と原料とを均一になるように撹拌し混合させる混合作業を実行することも好ましい。
本発明によれば、回転ドラム内に空気流を供給するためにもダクトが使用される。即ち、ダクトの吹き出し口の近傍に装着されたカセットに種麹から篩分けされた麹菌の胞子を載置し、吹き出し口からの空気流により胞子を回転ドラム内に散布させることによって、種麹の胞子を蒸米の表面により均等に混和させることができ、かつ種麹の使用量を大幅に削減することができる。
また、カセットが、先端が所定角度で上方へ傾斜するように形成され、胞子を載置するための載置板と、この載置板の少なくとも後端部を覆うように構成された半円筒状部とを備え、吹き出し口の先端に連結されるように着脱自在に装着されていることから、既製装置を利用できるので高コスト化することなく、廉価なコストで実現することができる。
本発明の一実施形態における製麹装置の構成を概略的に示す側面図及び断面図である。 図1の製麹装置のカセットの構成例を概略的に示す斜視図及び側面図である。 図1の製麹装置の要部を概略的に示す斜視図である。 図1の製麹装置における胞子を回転ドラム内に散布する状態を示す図である。 カセットの他の構成例を概略的に示す斜視図、側面図及び正面図である。
以下、本発明に係る製麹装置及び製麹方法の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態における製麹装置100の構成を示しており、同図(a)は麹装置100を側面から表しており、同図(b)は製麹装置100をA-A線断面で示している。図2はカセット40の構成例を示しており、同図(a)はカセット40を斜視で表しており、同図(b)はカセット40(胞子Pを載せた状態)を側面で示している。図3は製麹装置の要部を概略的に示している。図4は胞子を回転ドラム内に散布する際の状態(回転ドラムの回転位置)を示している。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る製麹装置100は、穀物又は豆類からなる原料Rを収容し、水平方向の回転軸の回りを回転すること及びその回転を停止することが自在な回転ドラム10と、回転ドラム10の回転軸と同軸に配置された中空管材からなり、空気流(風)を回転ドラム10内に供給するためのダクト20と、胞子Pを載置するためのカセット40と、カセット40を装着するための装着バー50とを備えている。ここで、胞子Pは、胞子のみ又は胞子に微細な粉末状アルファーデンプンのような物質を混合したものである。また、製麹装置100において、ダクト20、カセット40及び装着バー50は回転せず、回転ドラム10のみが回転できるように構成されている。
回転ドラム10は、穀物又は豆類からなる原料Rを収容するものであり、水平方向の回転軸の回りを回転すること及び所定角度でその回転を停止することが可能に配設した円筒状容器から構成されている。この回転ドラム10は、原料Rを出し入れするための原料投入口を有し、この原料投入口には網蓋11が設けられている。回転ドラム10は、モータ等により回転駆動される。なお、原料Rとしては、主に米や麦(小麦、大麦、ライ麦など)が選択されるが、トウモロコシやそば、その他雑穀類などの穀物や豆類も含まれる。
ダクト20は、中空管材から構成され、風を回転ドラム10内に供給するための通風管である。この中空管材は、回転ドラム10の回転軸と同軸に配置されており、回転せず、回転ドラム10の固定主軸としても機能する。ダクト20は、その長手方向と垂直な方向に風を吹き出す吹き出し口21を有する。この吹き出し口21は、短円筒状に形成され、その基端がダクト20に連結され、その先端が斜め上方に向くように設けられている。なお、回転ドラム10が回転する際に原料Rが進入することを防ぐために、網で吹き出し口21を覆うようにしても良い。
カセット40は、種麹から分離された胞子Pを載置するためのものである。このカセット40は、図2に示すように、先端部41aが上方へ所定角度θ(例えば、θ=0〜90度)に傾斜するように形成され、胞子Pを載置するための載置板41と、この載置板41の少なくとも後端部を覆うように形成された半円筒状部42と、1対の取り付け用金具43とを備えている。載置板41は、このカセット40が吹き出し口21の先端に連結された際に、その吹き出し口21の略中央に位置するように構成されている。載置板41の先端部41aが上方へ所定角度θに傾斜することで、吹き出し口21から吹き出された風で散布する際に胞子Pがすぐに下に落ちることを防ぐと共に、その風により斜め上方へ飛ぶようになり、より均一に散布することができる。また、載置板41は、吹き出し口21の略中央に位置することで、載置板41の下の風で吹き出された胞子Pが下に落ちるのを防ぐことができる。また、カセット40は、吹き出し口21の先端に連結するように着脱自在に装着されている。本実施形態においては、1対の取り付け用金具43を吹き出し口21上方にある装着バー50に引っ掛けることでカセット40が装着されるように構成されている。また、カセット40は簡単に取り外すことができる。
次に、本発明に係る製麹装置100を用いた製麹方法について説明する。
本発明に係る製麹方法は、予め篩を用いて種麹から胞子を分離する篩分け工程と、水平方向の回転軸の回りを回転すること及び所定角度でその回転を停止することが可能な回転ドラム10内に穀物又は豆類からなる原料Rを投入する原料投入工程と、原料投入工程で投入された原料Rを水洗した後、水に浸漬する水洗浸漬工程と、所定時間に浸漬された原料を、水切りして、蒸気で蒸す蒸し工程と、蒸米の冷却工程と、回転ドラム10の回転を所定角度で停止した状態で篩分け工程で得られた胞子Pを、ダクト20の吹き出し口21の先端に設置されたカセット40に載せる胞子供給工程と、ダクト20の吹き出し口21を介して空気流(風)を回転が所定角度で停止した状態の回転ドラム10内に供給し、胞子Pを回転ドラム10内に散布する散布工程と、回転ドラム10を回転させ、散布工程で散布された胞子Pと原料Rとを均一になるように撹拌し混合させる混合工程とを備える。
具体的な作業手順は、予め篩を用いて種麹から胞子Pを分離し、胞子Pを収集する。製麹作業は、まず、穀物又は豆類からなる原料R(この例では、米)を回転ドラム10に投入する。次いで、投入された原料Rを水洗して、水に浸漬する。ここで、水洗は複数回を行う。また、浸漬は米粒の中心まで水を吸収させるため、浸漬時間や水温等をコントロールする必要がある。次いで、所定時間に浸漬された原料Rを水切りする。ここで、回転ドラム10を回転させ、原料投入口の網蓋11を下方に位置するようにし、網蓋11を介して余分な水を排出する。次いで、蒸気を回転ドラム10に供給し浸漬された原料Rを蒸す。蒸し工程では米のデンプンをβ型(生デンプン)からα型(蒸米)に変化させ、糖化酵素の作用を受けやすくする。次いで、回転ドラム10を回転させながら回転ドラム10内に風を供給し、蒸米を冷却させる。次いで、ダクト20の吹き出し口21の先端にカセット40を設置し、カセット40の載置板41に胞子Pを載せる。次いで、回転ドラム10を回転させ、原料投入口の網蓋11が原料Rによりふさがれる位置に回転し、回転停止した状態(図4参照)で回転ドラム10内に風を供給し、胞子Pを回転ドラム10内に散布する。ここで、送風時間は、例えば1分程度にする。また、網蓋11が原料Rによりふさがれる位置にすることで、胞子Pが回転ドラム10の外部へ飛ばされるのを防ぐと共に、風が蒸米層を通過する際に胞子Pを蒸米層に進入させ、その過程で胞子が蒸米の表面に付着するようになる。次いで、送風を止め、回転ドラム10を所定時間(例えば、5分間)回転させ、散布された胞子Pと原料Rとを均一になるように撹拌し混合させる。上記胞子供給、散布、混合の操作(種付操作)を繰り返し複数回(例えば、3回)行うことが好ましい。そして、胞子Pと原料Rを混合した後、原料Rの温度が予め設定された温度を超えないように回転ドラム10で製麹する。
(実施例1、実施例2及び実施例3)
本発明に係る製麹装置を用いた製麹を以下のとおり行った。500kgの原料米を回転ドラム内に投入し、複数回洗米した。次いで、水に浸漬して水切りを行い、蒸煮を行った。回転ドラムを回転させながら回転ドラム内に空気流(風)を供給し、蒸米を冷却させた。次いで、回転ドラムが停止した状態でダクトの吹き出し口の先端にカセットを設置し、カセットの載置板に所定量の種麹の胞子(表1の使用種麹量及び種麹胞子数参照)を載せた。回転ドラムを所定角度回転させて原料投入口の網蓋が蒸米によりふさがれる位置に配置し、回転を停止した状態で回転ドラム内に風を1分間供給し、回転ドラム内に胞子を散布した。送風を止めた後、回転ドラムを5分間回転させ、蒸米中に散布された胞子が分散されるように撹拌し混合させた。上述したカセットの載置板への胞子供給、1分間の送風による胞子散布、及び5分間のドラム回転による混合に係る一連の操作(風媒種混ぜ操作)を3回繰り返して行った。混合工程の後、回転ドラム全体を保温して品温の上昇を観察した結果を表1に示している。
(比較例)
比較例として、従来法による製麹を以下のとおり行った。500kgの原料米を回転ドラムに投入し、複数回洗米した。次いで、水に浸漬して水切りを行い、蒸煮を行った。回転ドラムを回転させながらドラム内に風を供給し、蒸米を冷却させた。次いで、原料米を投入した投入口から所定量の種麹(表1の使用種麹量及び種麹胞子数参照)を落下投入した。その後、回転ドラムを1分間回転させ、蒸米中に投入された胞子が分散されるように撹拌し混合させた。上述した投入口からの種麹の投入及び5分間のドラム回転による混合に係る一連の操作を3回繰り返して行った。
Figure 2020018268
表1に示すように、実施例2及び実施例3に係る製麹では、従来法(比較例)と比べて蒸米1gあたりの胞子数が6割程度であるにも関わらず、品温上昇が速いことが分かった。また、実施例2及び実施例3では各麹250gを容積40Lの容器内で培養した時の36時間後の炭酸ガス濃度の濃度も高くなっていることが分かった。これらの結果は、胞子が蒸米の表面に均等に混合された結果、麹菌の生育速度が上昇したことを裏付けるものである。
さらに、目視であるが実施例2から実施例3までの本発明の方法で種麹を混和後、15時間経過した米麹を観察したところ、従来の方法よりもハゼ廻り(麹菌の胞子が発芽成育して、菌糸が白く見えるようになった状態)がよく、蒸米全体で明らかに均等に生育していた。
以上から明らかなように、胞子を風で散布する場合(風媒種混ぜ)、蒸米1gあたりの混和胞子数は少なくなるにも関わらずその生育速度は明らかに加速されている。つまり1g当たりの必要胞子数は従来の55%で十分であることが分かった。
本発明の製麹装置100及び製麹方法を用いる場合、使用する種麹の量を大幅に軽減できるのみならず、より均等に麹が生育した良質な麹を作れることが明白である。
以上説明したように、本実施形態の製麹装置100は、穀物又は豆類からなる原料Rを収容し、水平方向の回転軸の回りを回転すること及びその回転を停止することが自在な回転ドラム10と、回転ドラム10の回転軸と同軸に配置された中空管材からなり、風を回転ドラム10内に供給するためのダクト20と、種麹から分離された胞子Pを載置するためのカセット40とを備え、ダクト20は空気流を吹き出す吹き出し口21を有し、カセット40はダクト20の吹き出し口21の近傍に装着され、この吹き出し口21から吹き出される風により胞子Pを回転停止している回転ドラム10内に散布させるように構成されている。
これにより、種麹の胞子Pを原料R(蒸米)の表面により均一に混和することができ、かつ種麹の使用量を大幅に削減することができる。また、原料の洗浄、浸漬、水切り、蒸し、種付及び製麹の工程を同一の装置内で行うことができる。
また、カセット40は、先端部41aが所定角度で上方へ傾斜するように形成され、胞子Pを載置するための載置板41と、この載置板41の少なくとも後端部を覆うように構成された半円筒状部42とを備え、かつ吹き出し口21の先端に連結されるように着脱自在に装着されていることで、既製装置を利用することができるので、高コスト化することなく、廉価なコストで実現することができる。
なお、上述した実施形態の製麹装置100において、カセット40は、先端部41aが上方へ所定角度に傾斜するように形成され、胞子Pを載置するための載置板41と、この載置板41の少なくとも後端部を覆うように形成された半円筒状部42とを備える構成例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の形状、例えば図5に示すようなカセット40Aにしても良い。
図5はカセット40Aの構成を示しており、同図(a)はカセット40を斜視で表しており、同図(b)はカセット40A(胞子Pを載せた状態)を側面で示しており、同図(c)はカセット40Aを正面で示している。図5に示すように、カセット40Aは、先端部41aが上方へ所定角度θに傾斜するように形成され、胞子Pを載置するための載置板41Aと、この載置板41Aの後端上部をカーバするように形成された傾斜板部42Aと、1対の取り付け用金具43Aとを備えている。角度θは、必要に応じて、0〜90度の範囲内に適宜に設定することができる。また、傾斜板部42Aの傾斜角度も必要に応じて設定することができる。このカセット40Aを用いる場合、より良い散布効果が得られる。
また、上述した実施形態の製麹装置100において、カセット40は、取り付け用金具43を介して吹き出し口21の上方にある装着バー50に引っ掛けることで装着される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、直接に吹き出し口21に装着されるようにしても良い。
また、上述した実施形態の製麹方法において、カセット40を設置した後、胞子Pをカセット40に載せる例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、予め胞子Pをカセット40に充填した後、カセット40を回転ドラム10内に設置するようにしても良い。
また、上述した実施形態の製麹方法において、胞子供給、散布、混合の操作(種付操作)を繰り返し複数回(例えば、3回)行う例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
本発明は、より均等に胞子を蒸米の表面に混和し、かつ種麹の使用量を大幅に削減する目的に利用できる。
10 回転ドラム
11 網蓋
20 ダクト
21 吹き出し口
40、40A カセット
41、41A 載置板
41a 先端部
42、42A 半円筒状部
43、43A 取り付け用金具
50 装着バー
100 製麹装置
P 胞子
R 原料

Claims (9)

  1. 回転及び回転停止が自在であり、穀物又は豆類からなる原料を収容する回転ドラムと、空気流を前記回転ドラム内に供給するためのダクトと、前記回転ドラム内に装着され、種麹から分離された胞子を載置するためのカセットとを備え、
    前記ダクトは空気流を吹き出す吹き出し口を有し、前記カセットは前記吹き出し口の近傍に装着され、前記吹き出し口から吹き出される空気流により前記胞子を回転停止している前記回転ドラム内に散布させるように構成されていることを特徴とする製麹装置。
  2. 前記吹き出し口が、基端が前記ダクトに連結され、先端が斜め上方に向くように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製麹装置。
  3. 前記カセットが、先端部が所定角度で上方へ傾斜するように形成され、前記胞子を載置するための載置板と、該載置板の少なくとも後端部を覆うように構成された半円筒状部とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製麹装置。
  4. 前記カセットが、前記吹き出し口の先端に連結されるように着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製麹装置。
  5. 前記ダクトが、前記回転ドラムの回転軸と同軸に配置された中空管材からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の製麹装置。
  6. 前記回転ドラムが、少なくとも網蓋で覆うことが可能な原料投入口を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の製麹装置。
  7. 予め篩を用いて種麹から胞子を分離する篩分け工程と、
    回転ドラム内に穀物又は豆類からなる原料を投入する原料投入工程と、
    原料投入工程で投入された前記原料を水洗して、水に浸漬する水洗浸漬工程と、
    所定時間に浸漬された前記原料を、水切りして、蒸気で蒸す蒸し工程と、
    前記篩分け工程で得られた胞子を、前記回転ドラム内に空気流を供給するためのダクトの吹き出し口の近傍に設けられたカセット上に載せる胞子供給工程と、
    前記ダクトを介して空気流を前記回転ドラム内に供給し、前記カセット上の前記胞子を前記回転ドラム内に散布する散布工程と、
    前記回転ドラムを回転させ、前記散布工程で散布された前記胞子と前記原料とを均一になるように撹拌し混合させる混合工程とを備えることを特徴とする製麹方法。
  8. 前記散布工程は、前記回転ドラムが原料投入口の網蓋が前記原料によりふさがれる角度まで回転し、回転停止した状態で行うように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の製麹方法。
  9. 前記胞子供給工程、前記散布工程、前記混合工程の順に複数回繰り返し行い、
    前記複数回の胞子供給のそれぞれの後に、前記散布工程において空気流の供給を所定時間行い、
    前記複数回の空気流の供給のそれぞれの後に、前記回転ドラムを所定時間に回転させ、各回の空気流の供給で散布された前記胞子を前記原料と混合させる混合作業を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の製麹方法。
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