JP2020016881A - 光学構造体、光学構造体付き偏光板及び表示装置 - Google Patents

光学構造体、光学構造体付き偏光板及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得るための光学構造体の提供。【解決手段】光学構造体100は、低屈折率層102と高屈折率層103とを備える。低屈折率層102と高屈折率層103との界面は凹凸形状をなし、凹凸形状の凹部121は低屈折率層102側に凹み、凸部122は高屈折率層103側に凸となり、凹部121及び凸部122のそれぞれは、低屈折率層102及び高屈折率層103の面方向に沿って延びる平坦部を有する。凹凸形状の側面120Sでは、凹部121の平坦部を挟んで隣り合う2つの側面120Sが低屈折率層側に向けて先細り形状を形成し、凸部122の平坦部122Aを挟んで隣り合う2つの側面120Sが高屈折率層側に向けて先細り形状を形成する。そして高屈折率層103が表示装置の表示面側に向けられるように配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、表示装置の表示面から出射される光に光学的作用を及ぼす光学構造体に関する。また、本発明は、当該光学構造体を備えた光学構造体付き偏光板及び表示装置に関する。
表示装置の一例である液晶表示装置は、種々の分野で用いられている。液晶表示装置の液晶パネルは、大別すると、TN(Twisted Nematic)方式と、VA(Vertical Alignment)方式と、IPS(In−Plane Switching)方式と、に分類される。
液晶表示装置では、波長の異なる複数の光を混ぜ合わせることで色を表現するが、液晶を透過する際の光の角度によっては互いに異なる波長の光の強度に大きな差が生じる場合がある。具体的には例えば、互いに異なる二つの波長の光のうちの一方の波長の光の強度と他方の波長の光の強度との差が、正面視と高角度側とで大きく異なることがある。このような特性を有する液晶パネルを備える液晶表示装置では、斜めから見た際の色味が正面視の色味に対し大きく変化し得る。
例えばVA方式の液晶パネルでは、液晶分子に印加する電圧がオフのときに黒色が表示され、黒色を表示する部分から正面方向へ漏れ出る光が非常に少ないことで、正面視のコントラスト比を非常に高くすることができる。その一方で、表示面の法線方向に対して傾斜した方向から視認された場合には、正面視で黒色とされた画素から斜め方向に漏れ出る光が比較的多くなることで、正面視の場合に比較してコントラスト比が著しく低下し、また色味が大きく変化する場合があり、その結果、視野角内におけるコントラスト比および色味が大きくばらつく場合がある。
またVA方式の液晶パネルでは、例えば赤、緑、青のうちの赤及び緑の光の強度を弱め又は遮断して、青の表示を行う場合に、赤、緑の光が斜めに漏れることで、正面から見た場合と斜めから見た場合との色味が大きく変化する状況が生じ易くなる。
また青表示の視認角度に対する発光スペクトル形状変化が(赤表示や緑表示と比較して)強いことにより、具体的には「緑に対応する波長成分の強度」が「青に対応する波長成分の強度」に対して大きくなるような変化によって、斜めから見た際の表示色が正面視に対して黄ばむ傾向がある。
上述のようなコントラスト比のばらつき及び色変化の問題に鑑みて、VA方式の液晶パネルでは、カラーフィルタに複数種のパターンでセルを形成することがある。この手法では、例えばパターンが異なるセルを透過した光の配光特性を互いに異ならせることで、斜めから見た際の色味と正面視の色味との差を抑制することができる。
しかしながら、近年、液晶表示装置の高精細化が急速に進んでおり、所望される高解像度に対応してカラーフィルタ上に上述のような複数種のセルを形成しようとすると、加工に非常に手間がかかったり、所望される解像度によっては加工が不能となったりすることがある。特にVA方式ではIPS方式などの他の形式よりも一般にセルの区切りを細かくする必要があるため、所望される高解像度を達成しつつ色変化などを効果的に抑制できるようなセル構造を得ることが困難となる場合がある。これに対し、色変化の抑制を液晶パネル側で行うのではなく液晶パネルの表示面に設けられる光学シートによって行う提案も従来からなされている。この種の光学シートは、例えば特許文献1乃至6に開示されている。
特開平7−43704号公報 特許第3272833号 特許第3621959号 特開2016−126350号公報 特開2012−145944号公報 特開2011−118393号公報
表示装置では、正面視での表示品質を最も良好な状態にしつつ視野角全域での表示品質を正面視に対して大幅に低下させないことが一般に望まれる。一方で、正面視及び高角度側の一部の角度範囲において良好な表示品質を求め、その他の角度範囲における表示品質は強く求めないという要望も存在する。しかしながら、このような要望に対応可能な光学シートは、これまでに知られていない。
本件発明者は上述のような要望に対応可能な構造体を実現すべく鋭意研究を行った。そして、正面視方向に対して高角度側に傾斜した一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得る場合には、全反射を利用することが有効であることを見出した。
また、特許文献1乃至6に開示されるような光学部材には、入射した光に光学的作用を及ぼす層の外側に光の出射側の最表面を形成する表面材が設けられる場合がある。このような表面材は保護層として機能し得るが、最表面から出射する光の輝度を低下させ、特に高角側の輝度を大きく低下させる場合がある。そのため、このような表面材は、光学的作用を及ぼす層による視野角の改善効果を不所望に阻害する場合がある。
本発明は上記の実情を考慮してなされたものであって、表示装置の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得ることができる光学構造体、それを備えた光学構造体付き偏光板及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光学構造体は、表示装置の表示面上に配置される光学構造体であって、低屈折率層と、前記低屈折率層に積層され、且つ屈折率が前記低屈折率層よりも高い高屈折率層と、を備え、前記低屈折率層と前記高屈折率層との界面が凹凸形状をなし、前記凹凸形状を形成する凹部及び凸部はシート状の前記低屈折率層及び前記高屈折率層の主面に平行な第1方向に交互に並び、前記主面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿って線状に延び、前記凹部及び前記凸部のそれぞれが、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の面方向に沿って延びる平坦部を有しており、前記凹部は前記低屈折率層側に凹んだ部分であり、前記凸部は前記高屈折率層側に凸となる部分であり、前記凹部の平坦部と前記凸部の平坦部との間に前記凹凸形状の側面が形成され、前記凹部の平坦部を挟んで隣り合う前記凹凸形状の2つの側面は、前記高屈折率層側から前記低屈折率層側に向けて先細り形状を形成し、前記凸部の平坦部を挟んで隣り合う前記凹凸形状の2つの側面は、前記低屈折率層側から前記高屈折率層側に向けて先細り形状を形成し、前記高屈折率層が前記表示装置の表示面側に向けられるように配置される、光学構造体である。
本発明に係る光学構造体においては、前記凹凸形状の側面が、前記高屈折率層側に凸となる曲面、折れ面、又は少なくとも一つの前記高屈折率層側に凸となる曲面と少なくとも一つの平面とを含む面となっていてもよい。
本発明に係る光学構造体においては、前記凹凸形状の側面の両端点を結んだ直線と、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向と、により規定される前記凹凸形状の側面の平均斜面角度が、11度以上17度以下となっていてもよい。
本発明に係る光学構造体においては、前記凹凸形状の側面が前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向となす最大角度と最小角度との差が、14度以上18度以下となっていてもよい。
本発明に係る光学構造体においては、前記凹部及び前記凸部の1周期分の長さに対する前記平坦部の合計長さの割合が、0.75以上0.85以下となっていてもよい。
本発明に係る光学構造体においては、前記表示装置の前記表示面から当該光学構造体を介して外部に投射される光を、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向と平行な前記表示装置の正面視方向と、前記正面視方向及び前記第1方向を含む平面において前記正面視方向に対して傾斜する方向とから観察した際に、前記正面視方向に投射される光の色に対する前記傾斜する方向に投射される光の色変化Δu’v’が、前記正面視方向から当該正面視方向に対して40度以上55度以下の間に設定される傾向変化角度まで次第に増加し、前記傾向変化角度以降は減少傾向に転じる、ようになっていてもよい。
前記表示面から前記光学構造体を介して外部に投射される光の前記傾向変化角度における色変化Δu’v’は、前記表示面から前記光学構造体を介さずに外部に投射される光の前記傾向変化角度に対応する角度での色変化Δu’v’よりも小さくてもよい。
前記正面視方向に対して60度以上70度以下の範囲における、前記表示面から前記光学構造体を介して外部に投射される光の色変化Δu’v’の各値が、前記表示面から当該光学構造体を介さずに外部に投射される光の前記各値に対応する位置での色変化Δu’v’の値に対して半分以下になっていてもよい。
本発明に係る光学構造体は、前記低屈折率層の前記高屈折率層側とは反対の側に配置される表面材をさらに備え、前記表面材の屈折率は、1.40以下でもよい。
前記表面材は前記表示装置の表示面側とは反対の側における最表面を形成してもよい。
本発明に係る光学構造体付き偏光板は、偏光板と、前記偏光板の表面に前記の光学構造体と、を備える、光学構造体付き偏光板である。
本発明に係る表示装置は、前記光学構造体が表示面に配置された、表示装置である。
前記表示装置は、前記表示面と、前記表示面に対向して配置された裏面と、を有する液晶パネルと、前記液晶パネルの裏面に対面して配置された面光源装置と、を有するものでもよい。
前記液晶パネルは、液晶分子に対する電圧がオフまたは最小値のときに前記液晶分子が前記表示面の法線方向に沿って配向して前記面光源装置からの光が遮断される状態となり、前記液晶分子に対する電圧を徐々に増加させて前記液晶分子を前記表示面に沿う側に次第に傾斜させることにより、前記面光源装置からの光の透過率を徐々に増加させるように構成された、VA型液晶パネルであってもよい。
本発明によれば、表示装置の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る光学構造体を備える表示装置の概略的な断面図である。 図1に示す表示装置における光の挙動を説明するための表示装置の概略的な断面図である。 図1に示す光学構造体の拡大断面図である。 図1に示す光学構造体の高屈折率層と低屈折率層との間の界面に形成される凹凸形状の拡大図である。 図1に示す光学構造体を備えた表示装置の視野角内における色変化Δu’v’と、光学構造体を取り付けていない同表示装置の視野角内における色変化Δu’v’と、を示したグラフを示す図である。 一変形例に係る光学構造体の断面図である。 一変形例に係る光学構造体の断面図である。 一変形例に係る光学構造体の断面図である。 一変形例に係る光学構造体の断面図である。 一変形例に係る光学構造体の断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」、「層」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板や層とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。また、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向(面方向)と一致する面のことを指す。なお、「シート面(板面、フィルム面)」は、主面と呼ばれる場合もある。さらに、本明細書において、シート状の部材の法線方向とは、対象となるシート状の部材のシート面への法線方向のことを指す。
図1〜図4を参照しつつ、まず、本発明の一実施の形態に係る光学構造体100を備える表示装置10の基本的な構成を説明する。図1は、光学構造体100を備える表示装置10の概略的な断面図であり、図2は、表示装置10における光の挙動を説明するための表示装置10の概略的な断面図である。図3は、光学構造体100の拡大断面図であり、図4は、光学構造体100の高屈折率層と低屈折率層との間の界面に形成される凹凸形状の拡大図である。なお、上記の各断面図においては、説明の便宜上、ハッチングが省略されている場合がある。また、図1〜図4は、表示装置10における液晶パネル15及びシート状の光学構造体100の各シート面と平行な第1方向dと、表示装置10における液晶パネル15及びシート状の光学構造体100の法線方向と、を含む面における断面図を示している。なお、本実施の形態では、第1方向dは、表示装置10において後述するようにエッジライト型となる面光源装置20の光源24が導光板30に光を出射する方向と平行な方向であり、また光学構造体100に形成される後述する凹凸形状120の凹部121及び凸部122が交互に並ぶ方向である。
(表示装置)
まず、表示装置10の全体の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る表示装置10は、液晶パネル15と、液晶パネル15の裏面15Bに対面して配置されて液晶パネル15を裏面15B側から面状に照らす面光源装置20と、液晶パネル15の表示面15A上に配置されるシート状の光学構造体100と、を備えている。液晶パネル15は、静止画像又は動画像である像を表示する表示面15Aと、表示面15Aに対向して配置された裏面15Bと、を有している。表示装置10では、液晶パネル15が面光源装置20からの光の透過または遮断を、画素を形成する領域(サブピクセル)毎に制御するシャッターとして機能し、液晶パネル15の駆動により表示面15Aに像が表示されるようになっている。
図示された液晶パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(例えばP波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12では、一つの画素を形成する領域毎に、電圧印加がなされ得るようになっており、電圧印加の有無によって液晶層12中の液晶分子の配向方向が変化するようになっている。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電圧が印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電圧が印加された液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電圧印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。このようにして液晶パネル15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を、画素を形成する領域毎に制御し得るようになっている。
本実施の形態においては、液晶パネル15が、一例としてVA(Vertical Alignment)型液晶パネルとなっている。したがって、液晶パネル15は、液晶層12内の液晶分子に対する電圧がオフまたは最小値のときに前記液晶分子が表示面15Aの法線方向に沿って配向して面光源装置20からの光が遮断される状態となり、前記液晶分子に対する電圧を徐々に増加させて前記液晶分子を表示面15Aに沿う側に次第に傾斜させることにより、面光源装置20からの光の透過率を徐々に増加させる構成を有する。なお、液晶パネル15は、VA型に限られるものでなく、TN(Twisted Nematic)型液晶パネルであってもよいし、IPS(In−Plane Switching)型液晶パネルであってもよい。液晶パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有しており、本実施の形態では、液晶パネル15を裏面15B側から照明する装置として用いられている。図1に示すように、面光源装置20は、一例としてエッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の一方の側(図1に於いては左側)の側方に配置された光源24と、導光板30にそれぞれ対面するようにして配置された光学シート(プリズムシート)60および反射シート28と、を有している。図示された例では、光学シート60が、液晶パネル15に直面して配置されている。そして光学シート60の出光面61によって、面光源装置20の発光面21が画成されている。
図示の例では、導光板30の出光面31が、液晶パネル15の表示面15Aおよび面光源装置20の発光面21と同様に、平面視形状(上方から見下ろして見た形状)が四角形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。同様に、光学シート60および反射シート28は、全体的に、相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されている。
図1および図2に示すように、導光板30は、液晶パネル15側の一方の主面によって構成された上述した出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有し、側面のうちの第1方向dに対向する二つの面のうちの一方の側面が、入光面33をなしている。そして図1および図2に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30内に入射した光は、図2に示すように、第1方向(導光方向)dに沿って入光面33に対向する反対面34に向けて、概ね第1方向(導光方向)dに沿って導光板30内を導光されるようになる。ここで、本実施の形態に係る表示装置10は、第1方向dが水平方向すなわち左右方向に沿うように配置されることを想定されたものであり、この場合、光源24からの光は左右方向に導光されることになる。しかしながら、このような配置は特に限られるものではなく、表示装置は他の態様で配置されてもよい。また、本実施の形態では、面光源装置20がエッジライト型であるが、面光源装置20は、直下型や裏面照射型などの他の形式であってもよい。
導光板30についてさらに詳述すると、本実施の形態では、導光板30の裏面32が凹凸面として形成されている。具体的な構成として、図2に示すように、裏面32が、傾斜面37と、導光板30の法線方向に延びる段差面38と、導光板30の板面方向に延びる接続面39と、を有している。導光板30内での導光は、導光板30の一対の主面31,32での全反射作用によってなされる。その一方で、傾斜面37は、入光面33側から反対面34側へ向かうにつれて出光面31に接近するよう、導光板30の板面に対して傾斜している。したがって、傾斜面37で反射した光については、一対の主面31,32に入射する際の入射角度は小さくなる。そして傾斜面37で反射することにより、一対の主面31,32への入射角度が全反射臨界角度未満になると、図2のL1に示すように、光は、導光板30から出射するようになる。すなわち、傾斜面37は、導光板30から光を取り出すための要素として機能する。なお、導光板30は、本実施の形態における態様に限られるものではなく、例えばドットパターン方式等の他の態様であってもよい。
また光源24は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態における光源24は、入光面33の長手方向に沿って並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。
また反射シート28は、導光板30の裏面32に対面するようにして配置される部材であって、導光板30の裏面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜や誘電体多層膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート28での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート28での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
また光学シート60は、透過光の進行方向を変化させる機能を有した部材である。図2に示すように、本例に係る光学シート60は、板状に形成された本体部65と、本体部65の入光側面67上に形成された複数の単位プリズム(単位形状要素、単位光学要素、単位レンズ)70と、を有している。本体部65は、一対の平行な主面を有する平板状の部材として構成されている。図示の例においては、単位プリズム70が本体部65の入光側面67上に並べて配置されており、各単位プリズム70は柱状に形成され、その配列方向と交差する方向に延びている。なお、本実施の形態では、一つの光学シート60が導光板30上に設けられるが、導光板30上には、複数の光学シートが設けられてもよい。この場合、各光学シートのプリズムの溝の向きは、互いに異なっていてもよい。
以上のような面光源装置20は、光学シート60を備えることにより、導光板30からの光を所望の進行方向に変換して液晶パネル15に入射させるようになっている。そして液晶パネル15に入射した光は、上述したように、電圧印加に応じて液晶層12において透過または遮断を画素の形成領域毎に制御され、これにより、液晶パネル15の表示面15Aに像が表示されることになる。
(光学構造体)
次に図2〜図4を参照しつつ光学構造体100について詳しく説明する。図2および図3に示すように、本実施の形態に係る光学構造体100は、出光面101Aと出光面101Aに対向して配置された裏面101Bとを有するシート状またはフィルム状の基材101と、基材101の裏面101B上に設けられるとともに基材101に沿って延びるシート状またはフィルム状に形成され、厚さ方向に対向する一対の主面を有する低屈折率層102と、低屈折率層102の基材101側とは反対側の面上に設けられるとともに基材101に沿って延びるシート状またはフィルム状に形成され、厚さ方向に対向する一対の主面を有し、且つ屈折率が低屈折率層102よりも高い高屈折率層103と、低屈折率層102の高屈折率層103側とは反対の側に配置され、本例では基材101の出光面101A上に設けられたシート状またはフィルム状の反射防止層104と、を備えている。本実施の形態における反射防止層104は、光の出射側の最表面を形成するいわゆる表面材に対応する部材である。
基材101は、樹脂やガラス等からなる光透過性を有する透明基材であり、その材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリオリフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ガラス、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。すなわち、基材101は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリオリフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、トリアセチルセルロースを主成分とするフィルム、ガラスなどから構成される。基材101の厚みは、例えば10μm以上200μm以下である。また基材101の屈折率は例えば1.46以上1.67以下である。なお、主成分とは、ある物質を構成する複数の成分のうちの物質全体に対して50%以上の割合で含まれる成分又は最も多く含まれる成分のことを意味する。
光学構造体100は、図2に示すように、高屈折率層103が表示装置10(液晶パネル15)の表示面15A側に向けられるように配置され、図示の例では、高屈折率層103が液晶パネル15の表示面15Aに直接的に接している。また反射防止層104は、光学構造体100において液晶パネル15の表示面15A側とは反対の側における最表面を形成するようになっており、光学構造体100へ入射する外光の表面反射を抑制するために設けられている。これにより、外光の表面反射によって表示装置10に表示される像の視認性が損なわれることを防止できる。
反射防止層104の屈折率は1.40以下であり、より詳しくは本実施の形態では一例として1.35になっている。反射防止層のような表面材の一般的な屈折率は、1.45程度であり、このような屈折率の部材であると、比較的安価に入手できるためコストを抑制できる。しかしながら、1.45程度の屈折率を有する表面材を用いた場合、表示装置側から出射しようとする光が空気との界面で全反射し始める全反射臨界角が比較的小さくなるため、光の取り出し量が少なくなる。その結果、表示装置上の像を観察した際、像の輝度が低下し、特に高角側の輝度が著しく低下する場合がある。これに対し、本実施の形態では反射防止層104の屈折率を1.40以下に設定することによって、光が反射防止層104と空気との界面で全反射し始める全反射臨界角を大きくし、一般的な表面材の場合よりも光の取り出し量を増加させる。これにより、視野角内の輝度が不所望に低下することを抑制している。
本件発明者は鋭意研究により、外光の表面反射の防止と、表示装置からの十分な光の取り出しとを両立するためには、表面材としての反射防止層104の屈折率が1.28以上1.40以下であることが好ましく、1.30以上1.36以下であることが特に好ましいことを実験及びシミュレーションから知見した。なお、本実施の形態では、表面材としての反射防止層104が外光の表面反射を抑制する機能を有するが、表面材はこのような機能を有してなくてもよい。また、光学構造体100では以下に説明する低屈折率層102及び高屈折率層103が光に対して及ぼす光学的作用によって視野角内の色変化の抑制効果が得られるが、このような効果は反射防止層104が設けられていなくても得られる。
反射防止層104は透明であり、反射防止層104の厚みは、例えば0.05μm以上1.μm以下である。反射防止層104は、例えば、中空状シリカ微粒子と、中空状シリカ微粒子を保持するベース樹脂とを含有するものでもよいが、所望の屈折率が得られるものであれば特に限られるものではない。
反射防止層104が中空状シリカ微粒子と中空状シリカ微粒子を保持するベース樹脂とを含有するものある場合、より具体的には例えば、(メタ)アクリル樹脂、中空状シリカ微粒子、反応性シリカ微粒子及び2種類の防汚剤を含有するものであってもよい。
上記(メタ)アクリル樹脂はベース樹脂に対応するものであり、反射防止層104において、中空状シリカ微粒子や反応性シリカ微粒子のバインダー成分として機能する成分である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。上記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリルモノマーの重合体又は共重合体が挙げられ、上記(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。また、これら(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。これらの(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの(メタ)アクリルモノマーは、硬化反応性に優れ、得られる反射防止層104の硬度を向上させることができる。
上記(メタ)アクリルモノマーを硬化した重合体又は共重合体は、屈折率が1.47以上1.53以下であることが好ましい。屈折率を1.47未満とすることは事実上不可能であり、1.53を超えると、充分に低い屈折率の反射防止層を得ることができないことがある。
また、上記(メタ)アクリルモノマーは、重量平均分子量が250以上1000以下であることが好ましい。250未満であると、官能基数が少なくなるため、得られる反射防止層104の硬度が低下する恐れがある。1000を超えると、一般的には、官能基当量(官能基数/分子量)が小さくなるため、架橋密度が低くなり充分な硬度の反射防止層104が得られなくなることがある。なお、上記(メタ)アクリルモノマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記中空状シリカ微粒子は、反射防止層104の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げる役割を果たす成分である。なお、本明細書において、「中空状シリカ微粒子」とは、内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体であり、シリカ微粒子本来の屈折率に比べて気体の占有率に反比例して屈折率が低下するシリカ微粒子を意味する。反射防止層104は、中空状シリカ微粒子を含有することで、所望の反射率を達成することができる。また、反射防止層104は、硬く、より低い屈折率を備えたものとすることができる。
上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が5nm以上300nm以下で有ることが好ましく、8nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上80nm以下であることが更に望ましい。5nm未満であると、反射防止層104の空隙率が不充分で、屈折率を充分に低くできなくなる。一方、300nmを超えると、反射防止層104の表面に凹凸が形成され、光学構造体100の耐擦傷性が悪くなり、また、上記中空状シリカ微粒子自体の強度が弱くなり、反射防止層104の膜強度低下に繋がる。中空状シリカ微粒子の平均粒子径の好ましい下限は10nm、好ましい上限は80nmである。この範囲にあることで、反射防止層104の強度を維持したまま、所望の反射率を達成することができる。なお、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径は、例えば、動的光散乱法や断面TEM法による観察により測定された値を意味する。
上記中空状シリカ微粒子の具体例としては特に限定されず、例えば、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製した中空状シリカ微粒子が好ましく挙げられる。中空状シリカ微粒子は、製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、有機系のバインダー成分と混合して反射防止層104を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率が低くなるよう調整することが可能となる。
また、上記中空状シリカ微粒子の空隙率としては、6.4%以上80.0%以下であることが好ましい。上記空隙率が6.4%未満であると、反射防止層104の屈折率を充分に低くできなくなる。一方、上記空隙率が80.0%を超えると、上記中空状シリカ微粒子の強度が低下して反射防止層104全体の強度が不充分となることがある。上記中空状シリカ微粒子の空隙率は、より好ましい下限が8.5%、より好ましい上限が76.4%である。この範囲の空隙率を有することで、反射防止層104を、充分に低屈折率化させることができるとともに、優れた強度を有するものとすることができる。
上記中空状シリカ微粒子は、上記(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、80質量部以上200質量部以下含有されてもよい。上記中空状シリカ微粒子は、アクリル樹脂100質量部に対して、100質量部以上180質量部以下含有されることが好ましい。上記中空状シリカ微粒子が、上記(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、80質量部未満であると、反射防止層104の屈折率を充分に低くすることができなくなる。上記中空状シリカ微粒子が、上記(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、200質量部を超えると、耐擦傷性が低下してしまう。上記中空状シリカ微粒子が、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、100質量部以上180質量部以下含有される場合には、反射防止層104の強度を維持したまま、所望の反射率を達成することができる。
上記反応性シリカ微粒子は、表面に反応性官能基を有するシリカ微粒子である。上記反応性シリカ微粒子は、反射防止層104の表面硬度を高くする役割を果たす成分である。上記反応性官能基としては特に限定されず、上記(メタ)アクリル樹脂との架橋が可能なように適宜選択され、紫外線硬化型の官能基が好適に用いられる。上記反応性官能基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合であることが好ましい。
このような反応性シリカ微粒子としては、少なくともシリカ微粒子の表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有するものであることが好ましい。ここで、有機成分とは、炭素を含有する成分である。また、少なくともシリカ微粒子の表面の一部に有機成分が被覆されている態様としては、例えば、シリカ微粒子の表面に存在する水酸基にシランカップリング剤等の有機成分を含む化合物が反応して、表面の一部に有機成分が結合した態様、又は、シリカ微粒子の表面に存在する水酸基にイソシアネート基を有する有機成分を含む化合物が反応して、表面の一部に有機成分が結合した態様の他、例えば、シリカ微粒子の表面に存在する水酸基に水素結合等の相互作用により有機成分を付着させた態様等が含まれる。
少なくともシリカ微粒子の表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する反応性シリカ微粒子を調製する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
上記反応性シリカ微粒子は、平均粒子径が1nm以上25nm以下であることが好ましい。1nm未満であると、反射防止層104の硬度向上に寄与できないことがあり、25nmを超えると、反射防止層104の透明性が低下し、透過率の悪化、ヘイズの上昇を招く恐れがあり、また、反射防止層104に欠点が生じる原因となることがある。上記反応性シリカ微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は20nmである。なお、本明細書において、上記反応性シリカ微粒子の平均粒子径は、溶液中の反応性シリカ微粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒子径は、日機装社製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。また、断面TEM法による観察によっても確認できる。
なお、上記反応性シリカ微粒子は、単粒子で分散されていることが好ましいが、例えば、3〜20個、好ましくは3〜10個の反応性シリカ微粒子が、無機の化学結合によって結合された粒子(鎖状粒子)が含まれていてもよい。このような鎖状粒子を含有することで、反射防止層104の耐擦傷性を向上させることができる。なお、上記鎖状粒子は、全反応性シリカ微粒子(単粒子+鎖状粒子)100質量%中、0〜80質量%の割合で含有されていることが好ましい。80質量%を超えると、反射防止層104に欠点が生じる原因となり得る。上記鎖状粒子の含有割合のより好ましい下限は10質量%、より好ましい上限は70質量%である。
上記無機の化学結合としては、例えば、イオン結合、金属結合、配位結合及び共有結合が挙げられる。なかでも、上記反応性シリカ微粒子を極性溶媒中に添加しても、結合した球状のシリカ微粒子が分散しない結合、具体的には、金属結合、配位結合、及び共有結合が好ましく、更に、共有結合が好ましい。なお、極性溶媒としては、例えば、水、並びにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等が挙げられる。
上記反応性シリカ微粒子の平均結合数は、反射防止層104の断面をSEM画像又はTEM画像を用いて観察し、観察された凝集粒子を100個選び、各鎖状粒子中に含まれる反応性シリカ微粒子を数え、その平均値として求めることができる。また、鎖状粒子の平均粒子径は、長軸と短軸の平均をいう。
このような反応性シリカ微粒子が結合した鎖状粒子は、従来公知の方法で得ることができる。例えば、単分散状態の反応性シリカ微粒子の分散液の濃度、あるいはpHを調節し、100℃以上の高温で水熱処理することによって得ることができる。このとき、必要に応じてバインダー成分を添加して反応性シリカ微粒子の結合を促進することもできる。また、使用される反応性シリカ微粒子の分散液をイオン交換樹脂に通液することで、イオンを除去してもよい。このようなイオン交換処理によって反応性シリカ微粒子の結合を促進することができる。水熱処理後、再度イオン交換処理を行ってもよい。
上述した反応性シリカ微粒子は、上記(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下で含有されることが好ましい。5質量部未満であると、反射防止層104を充分に高硬度化することができず、60質量部を超えると、他の層との密着性が不充分となる虞がある。また、反応性シリカ微粒子を添加しただけの効果が見られず、製造コストの上昇につながり、反射率上昇も引き起こすこととなる。上記反応性シリカ微粒子の含有量の好ましい下限は10質量部、好ましい上限は50質量部である。この範囲にあることで、反射率等を損なうことなく、反射防止層104の膜強度を向上させることができる。
また、反射防止層104の耐擦傷性をより向上させることができることから、該反射防止層104における反応性シリカ微粒子の含有量は、上述した中空状シリカ微粒子の含有量との関係において適宜調整することが好ましい。具体的には、上記中空状シリカ微粒子の(メタ)アクリル樹脂に対する配合比(中空状シリカ微粒子の含有量/(メタ)アクリル樹脂の含有量)が、0.9〜1.1((メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、中空状シリカ微粒子が90質量部以上110質量部以下)であるとき、上記反応性シリカ微粒子の含有量が、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して5質量部以上40質量部以下であることが好ましい。また、上記中空状シリカ微粒子の(メタ)アクリル樹脂に対する配合比が、1.1〜1.4((メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、中空状シリカ微粒子が110質量部以上140質量部以下)である場合、上記反応性シリカ微粒子の含有量が、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。
また、上記反射防止層104は、上記防汚剤としてフッ素系化合物からなる防汚剤とフッ素−シリコーン系化合物からなる防汚剤とを含有する。このように2種類の防汚剤を使用することで、例えば、上記フッ素系化合物からなる防汚剤を含有することで、指紋付着防止性能及び指紋拭取り性能が優れたものとなる。また、上記フッ素−シリコーン系化合物からなる防汚剤を含有することで、マジックはじき性能及びマジック拭取り性能、滑り性及び耐擦傷性が優れたものとなり、更に、反射防止層104に欠点が発生することを抑制できる。
上記フッ素系化合物の含有量としては特に限定されないが、上記中空シリカ微粒子と(メタ)アクリル樹脂との合計100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
以上のように反射防止層104が構成される場合、反射防止層104における中空状シリカ微粒子、ベース樹脂である(メタ)アクリル樹脂、反応性シリカ微粒子等の各質量部は、例えば反射防止層104の断面のSEM画像を用いて各成分の面積比を特定し、各成分の比重を勘案することで推定できる。また、反射防止層104の製造過程を特定することによっても特定することができる。
続いて低屈折率層102及び高屈折率層103について説明する。図3に示すように、本実施の形態では、低屈折率層102が、基材101側とは反対側の面に複数のレンズ部110を有し、レンズ部110は、低屈折率層102及び高屈折率層103の共通の法線方向dに沿って高屈折率層103側に凸となるように形成されている。すなわち、低屈折率層102は、基材101側を向く表面および当該表面に対向して配置され高屈折率層103側を向く裏面を有するフィルム状の層本体102Aと、層本体102Aの裏面上に並べて配置された複数のレンズ部110と、を一体に有している。これに対し、高屈折率層103は、レンズ部110を覆い且つ複数のレンズ部110の間まで充填されるように、低屈折率層102に積層されている。これにより本実施の形態では、低屈折率層102と高屈折率層103との界面が凹凸形状120をなすことになる。
凹凸形状120は、一つの凹部121と凸部122とで1周期の形状をなし、この1周期の形状を繰り返し形成することにより構成されている。なお、凹部121の底部と凸部122の頂部との中点を通り低屈折率層102及び高屈折率層103の主面に平行に延びる基準線SLに対し低屈折率層102側に凹んだ部分が凹部121に対応し、基準線SLに対し高屈折率層103側に凸となる部分が凸部122に対応している。凹部121及び凸部122はそれぞれ、低屈折率層102及び高屈折率層103の主面に平行な第1方向dに配列され、第1方向dと非平行、具体的には第1方向dに交差する、本例では直交する第2方向dに沿って線状に延びている。なお、図3に示すように、低屈折率層102及び高屈折率層103の法線方向dは、第1方向d及び第2方向dの両方に直交する関係となる。また、上述した「低屈折率層102及び高屈折率層103の主面に平行に延びる」という状態は、本実施の形態では、低屈折率層102及び高屈折率層103それぞれの平坦な一方の主面に平行に延び、且つ、低屈折率層102及び高屈折率層103の界面における凹部121及び凸部122が並ぶ方向及び線状に延びる方向を含む平面である低屈折率層102及び高屈折率層103の他方の主面に平行に延びる状態のことを意味する。
ここで、本実施の形態の凹部121と凸部122のそれぞれは、図3に示すように、低屈折率層102および高屈折率層103の面方向に沿って延びる平坦部121A,122Aを有し、詳しくは、凹部121の底部が平坦部121Aとなっており、凸部122の頂部が平坦部122Aとなっている。また凹部121の平坦部121Aと凸部122の平坦部122Aとの間に延びる凹凸形状120の側面120Sは、高屈折率層103側に凸となる曲面となっている。側面120Sは、これが接続する平坦部121Aの端点から法線方向dに沿って延ばした直線を面方向に越えないように形成されている。これにより、側面120Sをなすレンズ部110を有する低屈折率層102を型抜きすることが可能となる。なお、本実施の形態では側面120Sが曲面となっているが、側面120Sは、高屈折率層103側に凸となる折れ面(多角形状)となっていてもよい。また、曲面として形成される側面120Sは、正円の円弧に沿って形成されるものでもよいし、楕円の円弧に沿って形成されるものでもよい。
以上のような凹凸形状120は、表示面15Aから出射される像を表示するための光に対して反射や屈折、および透過等の光学的作用を及ぼすことにより、表示面15A上に表示される像の表示品質を向上させるために設けられている。より具体的に説明すると、本実施の形態に係る光学構造体100では、上述したように低屈折率層102及び高屈折率層103のうちの高屈折率層103が表示装置10の表示面15A側に向けられようになっており、且つ凹凸形状120に平坦部121A,122Aが形成され、凹部121の平坦部121Aを挟んで隣り合う2つの側面120Sが、高屈折率層103側から低屈折率層102側に向けて先細り形状を形成し、凸部122の平坦部122Aを挟んで隣り合う2つの側面120Sは、低屈折率層102側から高屈折率層103側に向けて先細り形状を形成する。これにより、表示装置10の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質が得られるようになる。
より詳しく説明すると、上記の各種形状を採用した場合、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に入り、低屈折率層102から側面120Sに向かう光は、側面120Sで全反射せず、側面120Sで一部が反射し、一部が屈折及び透過する。この際、反射した光は、正面視方向及びこれに近い角度範囲に集まる。また、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に入射しないで、側面120Sから低屈折率層102側に向かおうとする光は側面120Sによって全反射されて高角度側の角度範囲に集まる。ここで、液晶表示装置で生じる視野角度内の色変化のばらつきは、カラー画像を表示する際に投射される例えば、赤、青、緑の光の強度の割合が角度によって変化することによって生じ得るが、上記の形状を採用した場合には、このような赤、青、緑の光を、正面視方向及びこれに近い角度範囲と、高角度側の角度範囲とに集めるができる。本件発明者は、このような2つの領域への光の集中によって、正面視方向での例えば赤、青、緑の光の強度の割合に対する高角度側での赤、青、緑の光の強度の割合の変化を抑制でき、正面視方向に投射される光の色に対する高角度側の角度範囲の光の色変化を局所的に効果的に抑制できることを知見した。本件発明では、このように知見に基づいて上記のような各種形状が採用されている。
また本件発明者は、本実施の形態のように側面120Sが高屈折率層103側に凸となる曲面であるか又は折れ面(多角形状)である場合には、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において光を分散させることが可能となることで、正面視方向に投射される光の色に対する上記高角度側の一部の角度範囲における色変化を特に効果的に抑制できることも見出し、本実施の形態では、側面120Sが曲面となる構成を採用している。
また本実施の形態においては、低屈折率層102の屈折率と高屈折率層103の屈折率との差が、0.05以上0.25以下の範囲となるように、低屈折率層102および高屈折率層103が選択されている。また低屈折率層102は、表示装置10の正面側、すなわち光が投射される方向に向けられるように配置され、高屈折率層103は、液晶パネル15の表示面15A側に向けられるように配置されている。そして図示の例においては、高屈折率層103が粘着層となっており、図2に示すように、光学構造体100は高屈折率層103によって液晶パネル15の表示面15Aに接合されている。これら低屈折率層102および高屈折率層103も光透過性を有する部材であり、その材質は特に限られるものではない。なお、高屈折率層103は、他の層を介して液晶パネル15の表示面15Aに接合されてもよく、粘着層でなくてもよい。
低屈折率層102は、例えば紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂を硬化させることで形成されてもよい。低屈折率層102が紫外線硬化樹脂を硬化して形成される場合、紫外線硬化樹脂はアクリル系樹脂を含むものでもよいし、エポキシ系樹脂を含むものでもよい。
高屈折率層103も同様に、例えば紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂を硬化させることで形成されてもよい。高屈折率層103が紫外線硬化樹脂を硬化して形成される場合、紫外線硬化樹脂はアクリル系樹脂を含むものでもよいし、エポキシ系樹脂を含むものでもよい。また、高屈折率層103が粘着層として形成される場合、高屈折率層103は、アクリル系樹脂粘着剤から形成されてもよい。
以上のような本実施の形態の表示装置10における光の挙動を図2等を参照しつつ説明すると、本実施の形態の表示装置10において像を表示する場合には、まず光源24から光が照射される。これにより入光面33から導光板30内に入射した光が、図2に示すように、第1方向dに沿って入光面33に対向する反対面34に向けて、概ね第1方向dに沿って導光板30内を導光される。導光された光は、導光板30の主面31,32の間で全反射を繰り返し、主面31への入射角度が全反射臨界角度未満になると、図2のL1に示すように、導光板30から光が出射される。導光板30から出射された光は、光学シート60を通過する際に単位プリズム70によって、所望の進行方向に転換されて液晶パネル15に入射する。次いで液晶パネル15に入射した光は、電圧印加に応じて液晶層12において透過または遮断を画素の形成領域毎に制御され、これにより液晶パネル15の表示面15Aに像が表示されることになる。
そして本実施の形態においては、液晶パネル15の表示面15Aから出射された光が、光学構造体100に入射する。このとき、液晶パネル15側から光学構造体100に入射する光は、凹凸形状120によって反射及び透過(屈折)による光学的作用を付与される。すなわち、この際に、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に入り、低屈折率層102から側面120Sに向かう光は、側面120Sで全反射せず、一部が反射し、一部が屈折及び透過する。この際、反射した光は、正面視方向及びこれに近い角度範囲に集まる。一方で、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に入射しないで、側面120Sから低屈折率層102側に向かおうとする光は側面120Sによって全反射されて高角度側の角度範囲に集まる。これにより、正面視方向に投射される光の色に対する高角度側の角度範囲の光の色変化が抑制されることになる。一方で、凹凸形状120の平坦部121A,122Aは、光学構造体100に垂直入射する光を正面方向へ透過させる機能を有する。これにより、本実施の形態では、正面側に出射される光の拡散が抑制され、正面視での表示品質が良好に維持される。この際、上述したように側面120Sによって反射され、正面視方向及びこれに近い角度範囲に集まった光は大きく拡散することはないため、正面視での表示品質に影響を及ぼす程のものではない。
以上のようにして本実施の形態では、表示装置10の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得ることができるようになる。
以下では、図4を参照しつつ凹凸形状120の好ましい条件について詳しく説明する。図4において、符号θ1は、凹凸形状120の側面120Sが低屈折率層102および高屈折率層103の法線方向dとなす最小角度を示し、符号θ2は、凹凸形状120の側面120Sが低屈折率層102および高屈折率層103の法線方向dとなす最大角度を示している。詳しくは、最小角度θ1は、側面120Sの凹部121側の端点を通る接線が低屈折率層102および高屈折率層103の法線方向dとなす角度(狭角、言い換えると鋭角となる方の角度)であり、最大角度θ2は、側面120Sの凸部122側の端点を通る接線が低屈折率層102および高屈折率層103の法線方向dとなす角度(狭角、言い換えると鋭角となる方の角度)である。なお、側面120Sが折れ面である場合、最小角度θ1は、側面120Sにおける凹部121側の端点を含む要素面を通る直線が低屈折率層102および高屈折率層103の界面の法線方向dとなす角度となり、最大角度θ2は、側面120Sにおける凸部122側の端点を含む要素面を通る直線が低屈折率層102および高屈折率層103の界面の法線方向dとなす角度となる。また符号θ0は、凹凸形状の側面120Sの両端点を結んだ直線と、低屈折率層102および高屈折率層103の法線方向dと、により規定される側面120Sの「平均斜面角度」を示している。平均斜面角度も、凹凸形状の側面120Sの両端点を結んだ直線と、法線方向dとがなす角度のうちの狭角、言い換えると鋭角となる方の角度である。また符号Pは、凹凸形状120における一つの凹部121と凸部122との1周期の間隔であるピッチを示している。また符号Hは、凹部121から凸部122までの法線方向に沿った凹凸形状120の高さを示し、符号Lは、側面120Sの両端点間の面方向における距離を示している。なお、以上の角度等は、光学構造体100の主面において第2方向dに直交する方向、すなわち第1方向dと、法線方向dとを含む面における角度等である。
本件発明者は、上述の「平均斜面角度θ0」が11度以上17度以下となることが好ましいことを知見している。このように平均斜面角度θ0が11度以上17度以下の範囲で設定される場合、本件発明者の実験及びシミュレーションでは、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に入り、低屈折率層102から側面120Sに向かう光の一部が側面120Sで反射して正面視方向及びこれに近い角度範囲に特に集まり易くなり、側面120Sから低屈折率層102側に向かおうとする光は、側面120Sによって全反射されて、高角度側の角度範囲、特に60度以上70度以下の範囲に集まり易くなることが知見された。したがって、平均斜面角度θ0が上記の角度範囲内で設定された場合には、正面視方向に投射される光の色に対する視野角度内での色変化を、高角度側の一部の角度範囲において局所的に特に効果的に抑制することできるようになる。
また最大角度θ2と最小角度θ1との差によって、「斜面角度範囲α」が規定される。本件発明者は、鋭意研究の結果、上述した平均斜面角度θ0が11度以上17度以下である場合に、この斜面角度範囲αが14度以上18度以下となることが好ましいことを知見した。具体的に、本件発明者は鋭意研究の結果、斜面角度範囲αが14度以上18度以下である場合には、斜面角度範囲αを比較的狭い範囲内とすることで、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において光を集めつつ、この角度範囲において光を効果的に分散させることが可能となることで、例えば赤、青、緑の光が投射された際に、当該角度範囲におけるこれら光の強度の割合を平準化でき、その結果、正面視方向に投射される光の色に対する高角度側の角度範囲の光の色変化を効果的に抑制できることを見出した。
また本件発明者は、凹凸形状120の凹部121および凸部122の1周期分の長さに対する平坦部121A,122Aの合計の長さの割合β、すなわち図4を参照し、β=(a+b)/Pが、0.60以上0.90以下となることが好ましく、0.75以上0.85以下となることが特に好ましいことも知見した。なお、上記aは、凸部122の平坦部122Aの幅(長さ)であり、上記bは、凹部121の平坦部121Aの幅(長さ)である。一般的な液晶パネルでは、正面視方向の表示品質が良好となるように正面視方向に進む光が最適な状態に制御されているため、光学構造体100のような部材を設けた場合であっても、このような光は有効に活用することが望ましい。割合βが過剰に小さく、つまり平坦部121A,122Aの割合が過剰に小さくなると、液晶パネルが最適な状態に制御した正面視方向に進む光を有効に活用できず、光学構造体100によって表示品質が不所望に損なわれる虞がある。そのため、本件発明者は、側面120Sによる光学的作用を十分に得つつ、平坦部121A,122Aを比較的大きく確保できる設定として、上記割合βの範囲を好ましい数値として定めている。
凹凸形状120においては、平均斜面角度θ0が11度以上17度以下で、斜面角度範囲αが14度以上18度以下で、且つ割合βが0.75以上0.85以下である場合に、特に効果的に表示装置10の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲において局所的に良好な表示品質(色変化抑制効果)を得ることができる。しかしながら、上述の三種の寸法条件の一部のみが充足された場合であっても、凹凸形状120は有用である。
なお、平均斜面角度θ0、斜面角度範囲αを求める際に用いる最小角度θ1及び最大角度θ2、そして割合βを求める際に用いる凹部121の平坦部121Aの幅a、凸部122の平坦部122Aの幅b等は、例えば光学構造体100を厚み方向に切断した際の断面のSEM画像、すなわち図4に示す断面に対応するSEM画像を撮像して評価することで特定することができる。
また、上述の三種の寸法条件、すなわち、平均斜面角度θ0が11度以上17度以下であり、斜面角度範囲αが14度以上18度以下であり、且つ割合βが0.75以上0.85以下である場合には、低屈折率層102と高屈折率層103との屈折率を調整することで、正面視方向に投射される光の色に対する、正面視方向に対して傾斜する方向に投射される光の色変化Δu’v’が、正面視方向から当該正面視方向に対して40度以上55度以下の間に設定される傾向変化角度まで次第に増加し、傾向変化角度以降は減少傾向に転じる特性を形成することができる。
より具体的には、表示装置10(液晶パネル15)の表示面15Aから光学構造体100を介して外部に投射される光を、低屈折率層102及び高屈折率層103の法線方向dと平行な表示装置10の正面視方向と、この正面視方向及び第1方向dを含む平面において前記正面視方向に対して傾斜する方向とから観察した際に、前記正面視方向に投射される光の色に対する前記傾斜する方向に投射される光の色変化Δu’v’が、前記正面視方向から当該正面視方向に対して40度以上55度以下の間に設定される傾向変化角度まで次第に増加し、傾向変化角度以降は減少傾向に転じる特性を形成することができる。このような特性が生じる場合には、正面視方向に投射される光の色に対する視野角度内での色変化を、高角度側の一部の角度範囲において局所的に効果的に抑制できていると言える。なお、傾向変化角度は、正面視方向に投射される光の色に対する、傾斜する方向に投射される光の色変化Δu’v’の極大値が生じる角度のことを意味する。
なお、色変化Δu’v’は色の差を示し、本実施の形態では、その値が小さい程、正面視方向に投射される光に対して色の差が小さいことを示す。色変化Δu’v’は、均等色空間におけるu’とv’とで規定される色から計算される。ある視野角中の角度θにおけるΔu’v’の値は、次の式(1)で表わされる。
式(1)における均等色空間の色座標であるu’とv’は、それぞれ次の式(2−1),(2−2)で表わされる。
ここで、上記の各式において、xとyは、CIE1931色空間(CIE xyY色空間)で規定される色座標である。
上述した色変化Δu’v’の特性は基本的に、表示装置10(液晶パネル15)の表示面15Aから投射されるいかなる光であっても生じるものであるが、本実施の形態では、光学構造体100を設ける表示装置の本体(液晶パネル15)として、SONY社製のマルチドメイン型VA型液晶表示装置を用いて、色変化Δu’v’の特性を確認した。より詳しくは、上記表示装置の本体において光学構造体100を取り付けて、パターンジェネレータによってブルーの画像を表示し光学構造体100を介して外部に投射した際の色変化を、トプコン社製の「分光放射計 SR−2」を用いて評価した。
また、上述した三種の寸法条件が充足される場合、基本的には、表示面15Aから光学構造体100を介して外部に投射される光の前記傾向変化角度(減少傾向への変化点、つまり極大値)における色変化Δu’v’が、表示装置10の表示面15Aから光学構造体100を介さずに外部に投射される光の前記傾向変化角度に対応する角度での色変化Δu’v’よりも小さい値になる、という特性がさらに生じる。このようなさらなる特性が生じる場合には、光学構造体100を介して外部に投射される光の傾向変化角度よりも高角度側の所定の角度範囲における色変化Δu’v’を、光学構造体100を設けない場合に比較して、大幅に抑制することが可能となり、高角度側の色変化を顕著に抑制できる。
さらには、上述した三種の寸法条件においては、適宜の寸法調整により、表示装置10の正面視方向に対して60度以上70度以下の範囲における、表示装置10の表示面15Aから光学構造体100を介して外部に投射される光の色変化Δu’v’の各値を、表示装置10の表示面15Aから光学構造体100を介さずに外部に投射される光の前記各値に対応する位置での色変化Δu’v’の値に対して半分以下に設定することもできる。この場合、高角度側の所定の角度範囲の色変化Δu’v’を観察者が容易に感知できる程度の顕著な色変化抑制効果が得られる。
また、凸部122の平坦部122Aの幅aと、凹部121の平坦部121Aの幅bとの比a:bは、1:6〜3:1の範囲が望ましい。本件発明者の鋭意研究によれば、割合βが0.75以上0.85以下の範囲において、a:bを、1:6〜3:1の範囲に設定することで、側面120Sによって高角度側の色変化を十分に抑制できる程度に、凸部122の平坦部122Aから低屈折率層102内に光を入射させることができることが知見された。
なお低屈折率層102における層本体102Aの法線方向dにおける厚みは、例えば0.5μm以上30μm以下である。また低屈折率層102におけるレンズ部110の法線方向dにおける厚み(高さ)は、例えば1.0μm以上30μm以下である。また低屈折率層102の屈折率は例えば1.40以上1.55以下である。一方、凸部122の平坦部122Aから高屈折率層103の液晶パネル15側の面までの高屈折率層103の法線方向dにおける厚みは、5μm以上100μm以下である。また高屈折率層103の屈折率は例えば1.55以上1.90以下であって、低屈折率層102の屈折率よりも大きい。
ここで、図5のグラフでは、所定の条件下おける、本実施の形態にかかる光学構造体100を備えた表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’と、光学構造体100を取り付けていない表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’と、が示されている。光学構造体100を取り付けていない表示装置10の色変化Δu’v’とは、表示装置10の表示面15Aから光学構造体100を介さずに外部に投射される光についての、正面視方向の光の色に対する斜め方向から見た際の光の色の色変化(色の差)のことである。より詳しくは、図5における本実施の形態にかかる光学構造体100を備えた表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’は、光学構造体100の主面において第2方向dに直交する方向、すなわち第1方向dと、法線方向dとを含む面において正面視方向に対して傾斜した方向で光を視認した際の光の色の、正面視方向の光の色に対する色変化のことである。また、光学構造体100を取り付けていない表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’は、光学構造体100の主面において第2方向dに直交する方向、すなわち第1方向dと、法線方向dとを含む面に相当する面おいて正面視方向に対して傾斜した方向で光を視認した際の光の色の、正面視方向の光の色に対する色変化のことである。
図5の例では、以下の条件を設定した上で、光学構造体100を介して外部に投射される光の色変化Δu’v’と、光学構造体100を介さずに外部に投射される光の色変化Δu’v’とを、トプコン社製の「分光放射計 SR−2」を用いて評価した。
(光学構造体100の条件)
・側面120Sの形状:高屈折率層103側に凸の曲面
・平均斜面角度θ0:12.0度
・斜面角度範囲α:15.0度(最小角度θ1:5度、最大角度θ2:20度)
・割合β:0.79
また、光学構造体100の各層の寸法及び物性は、以下である。
・低屈折率層102の層本体102Aの厚みは4μmであり、レンズ部110の厚みは16μmであり、その屈折率は1.48である。
・凸部122の平坦部122Aから高屈折率層103の液晶パネル15側の面までの高屈折率層103の厚みは45μmであり、その屈折率は1.65である。
・基材101の厚みは70μmであり、その屈折率は1.49である。
・反射防止層104の厚みは12μmであり、その屈折率は1.35である。
(表示面15Aから投射する光)
・光学構造体100を設ける表示装置の本体(液晶パネル15):SONY社製のマルチドメイン型VA型液晶表示装置
・投射した光:ブルーの画像
図5においては、ラインL1が、光学構造体100を備えた表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’を示し、ラインL2が、光学構造体100を取り付けていない表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’を示している。ラインL1とラインL2とを対比して明らかなように、光学構造体100を備えた表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’は、光学構造体100を取り付けていない場合よりも抑制されており、特に傾向変化角度CAよりも大きい角度の範囲において顕著に抑制されている。なお、図5に示される光学構造体100を備えた表示装置10の視野角内の色変化Δu’v’では、視野角内において、上述の傾向変化角度CAが48度に設定されており、視野角内における60度以上70度以下の範囲における光学構造体100を介して外部に投射される色変化Δu’v’の各値が、光学構造体100を介さずに外部に投射される光の前記各値に対応する位置での色変化Δu’v’の値に対して半分以下になっている。なお、目視の確認では、光学構造体100を介して正面視方向に投射した光と、光学構造体100を介さずに正面視方向に投射した光との間において色の差は感知されなかった。
以上のような図5の結果からも、光学構造体100によって、表示装置10の正面視での良好な表示品質を維持しつつ、視野角内の高角度側の一部の角度範囲、特に60度以上70度以下の角度範囲において局所的に良好な表示品質を得ることができることが確認された。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、これら実施の形態に対してはさらに変更を加えることが可能である。例えば、上述の実施の形態では、面光源装置20がエッジライト型である例が示されたが、面光源装置20は、直下型であってもよい。
また、上述の実施の形態では、液晶パネル15の上偏光板13に光学構造体100が貼り付けられる。この際、光学構造体100は、液晶パネル15に一体化された上偏光板13に貼り付けられてもよいが、液晶パネル15に一体化される前の上偏光板13に貼り付けられてもよい。すなわち、上偏光板13と光学構造体100が一体化された光学構造体付き偏光板が、液晶パネル15の液晶層12に一体化されてもよい。
また、図6乃至図10のそれぞれには上述実施の形態の変形例の断面図が示されている。各変形例における構成要素のうちの上述の実施の形態で説明した構成要素と同一のものには同一の符号が示され、相違点以外の説明は省略する。
図6に示す変形例では、側面120Sが折れ面であり、それぞれ平面として構成される3つの要素面である第1要素面131、第2要素面132及び第3要素面133を有している。図7に示す変形例では、側面120Sが、曲面134と、平面として構成される2つの要素面135,136を有する折れ面とを含んでいる。図8に示す変形例では、側面120Sが、曲面137と平面138とを含んでいる。
また図9の変形例では、基材101と低屈折率層102との間に平坦層105が設けられている。平坦層105は、低屈折率層102と基材101との間に介在して低屈折率層102と基材101との結合状態を安定化させるための層である。平坦層105は、光透過性を有する透明材料からなり、特に本実施の形態では可視光及び紫外線を透過可能な材料からなり、例えばポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂等を主成分として含んでもよい。平坦層105は、例えばポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂、又はウレタン樹脂の溶液を乾燥させることで形成され得る。平坦層105の厚みは、例えば1μm以上20μm以下である。また平坦層105の屈折率は例えば1.46以上1.1.67以下である。
また図10の変形例では、低屈折率層102と高屈折率層103との位置関係が、上述の実施の形態に対して入れ替わっている。すなわち、低屈折率層102が高屈折率層103よりも液晶パネル15側に配置される。そして、側面120Sは、低屈折率層102側に凸となる曲面、折れ面、又は少なくとも一つの低屈折率層102側に凸となる曲面と少なくとも一つの平面とを含む面となっており、図示の例では低屈折率層102側に凸となる曲面になっている。なお、低屈折率層102、高屈折率層103、基材101及び反射防止層104の寸法や物性は上述の実施の形態と同様に設定される。
図10に示す変形例では、図2に示した液晶パネル15側から光学構造体100に入射する光が、凹凸形状120によって光学的作用を付与される。詳しくは、この際に、凸部122の平坦部122Aから入射し低屈折率層102側に凸となる曲面状の側面120Sに向かう視野角の高角側を進行する光が、側面120Sによって全反射されて低角側を含む方向に広範囲に拡散されるとともに、凹凸形状120の平坦部121A,122Aによって、光学構造体100に垂直入射する光は正面方向へ進み、拡散は抑制される。これにより、視野角内における色変化が抑制されるとともに、正面視での輝度やコントラストの低下は抑制されるようになる。
図4を用いて説明した斜面角度範囲α、平均斜面角度θ0、及び凹凸形状120の凹部121および凸部122の1周期分の長さに対する平坦部121A,122Aの合計の長さの割合βに関して、図10に示す変形例では、斜面角度範囲αが3度以上60度以下となることが好ましい。斜面角度範囲αは大きい方が光を分散でき、20度以上であることが良く、30度以上であることがより良く、40°以上であることが更によい。また、平均斜面角度θ0は、9度以上18度以下となることが好ましい。さらに、割合β、すなわち図4を参照し、β=(a+b)/Pは、0.60以上0.90以下となることが特に好ましい
なお、型抜きの容易化を考慮すると、割合βは大きい程、型抜きが容易になる。このような製造上のメリットを考慮した場合には、割合βは、0.50以上1.00未満であることが好ましく、色変化の抑制効果を確保し易くすることを考慮すると、0.60以上0.90未満であることがより好ましい。
凹凸形状120においては、上述の三種の寸法条件を同時に充足するように形成されることで、表示装置の正面視での表示品質を良好に保ちつつ、視野角内における色変化を極めて効果的に抑制することができるようになる。しかしながら、上述の寸法条件の一部のみが充足された場合であっても、凹凸形状120は、視野角内における色変化を効果的に抑制することができる。
上述した凹凸形状120の寸法設定が望ましい理由は、本件出願人が以前に出願した特開2018−180415号公報(2017年4月19日出願、特願2017−82978号)に記載されている。特願2017−82978号のすべての内容は参照されて本出願に組み込まれるものとする。また、反射防止層104が設けられることで輝度の低下が抑制され、これが無い場合に対して視野角内における表示品質を効果的に向上できる。
10…表示装置、12…液晶層、13…上偏光板、14…下偏光板、15…液晶パネル、15A…表示面、15B…裏面、20…面光源装置、21…発光面、24…光源、28…反射シート、30…導光板、31…出光面、32…裏面、33…入光面、34…反対面、37…傾斜面、38…段差面、39…接続面、60…光学シート、65…本体部、67…入光側面、70…単位プリズム、100…光学構造体、101…基材、101A…出光面、101B…裏面、102…低屈折率層、102A…層本体、103…高屈折率層、104…反射防止層、110…レンズ部、120…凹凸形状、120S…側面、121…凹部、121A…平坦部、122…凸部、122A…平坦部、SL…基準線、d…第1方向、d…第2方向、d…法線方向

Claims (14)

  1. 表示装置の表示面上に配置される光学構造体であって、
    低屈折率層と、
    前記低屈折率層に積層され、且つ屈折率が前記低屈折率層よりも高い高屈折率層と、を備え、
    前記低屈折率層と前記高屈折率層との界面が凹凸形状をなし、
    前記凹凸形状を形成する凹部及び凸部はシート状の前記低屈折率層及び前記高屈折率層の主面に平行な第1方向に交互に並び、前記主面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿って線状に延び、
    前記凹部及び前記凸部のそれぞれが、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の面方向に沿って延びる平坦部を有しており、
    前記凹部は前記低屈折率層側に凹んだ部分であり、前記凸部は前記高屈折率層側に凸となる部分であり、前記凹部の平坦部と前記凸部の平坦部との間に前記凹凸形状の側面が形成され、
    前記凹部の平坦部を挟んで隣り合う前記凹凸形状の2つの側面は、前記高屈折率層側から前記低屈折率層側に向けて先細り形状を形成し、前記凸部の平坦部を挟んで隣り合う前記凹凸形状の2つの側面は、前記低屈折率層側から前記高屈折率層側に向けて先細り形状を形成し、
    前記高屈折率層が前記表示装置の表示面側に向けられるように配置される、光学構造体。
  2. 前記凹凸形状の側面が、前記高屈折率層側に凸となる曲面、折れ面、又は少なくとも一つの前記高屈折率層側に凸となる曲面と少なくとも一つの平面とを含む面となっている、請求項1に記載の光学構造体。
  3. 前記凹凸形状の側面の両端点を結んだ直線と、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向と、により規定される前記凹凸形状の側面の平均斜面角度が、11度以上17度以下となっている、請求項2に記載の光学構造体。
  4. 前記凹凸形状の側面が前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向となす最大角度と最小角度との差が、14度以上18度以下となっている、請求項3に記載の光学構造体。
  5. 前記凹部及び前記凸部の1周期分の長さに対する前記平坦部の合計長さの割合が、0.75以上0.85以下となっている、請求項2乃至4のいずれかに記載の光学構造体。
  6. 前記表示装置の前記表示面から当該光学構造体を介して外部に投射される光を、前記低屈折率層及び前記高屈折率層の法線方向と平行な前記表示装置の正面視方向と、前記正面視方向及び前記第1方向を含む平面において前記正面視方向に対して傾斜する方向とから観察した際に、前記正面視方向に投射される光の色に対する前記傾斜する方向に投射される光の色変化Δu’v’が、前記正面視方向から当該正面視方向に対して40度以上55度以下の間に設定される傾向変化角度まで次第に増加し、前記傾向変化角度以降は減少傾向に転じる、請求項1に記載の光学構造体。
  7. 前記表示面から前記光学構造体を介して外部に投射される光の前記傾向変化角度における色変化Δu’v’は、前記表示面から前記光学構造体を介さずに外部に投射される光の前記傾向変化角度に対応する角度での色変化Δu’v’よりも小さい、請求項6に記載の光学構造体。
  8. 前記正面視方向に対して60度以上70度以下の範囲における、前記表示面から前記光学構造体を介して外部に投射される光の色変化Δu’v’の各値が、前記表示面から当該光学構造体を介さずに外部に投射される光の前記各値に対応する位置での色変化Δu’v’の値に対して半分以下になる、請求項7に記載の光学構造体。
  9. 前記低屈折率層の前記高屈折率層側とは反対の側に配置される表面材をさらに備え、
    前記表面材の屈折率は、1.40以下である、請求項1乃至8のいずれかに記載の光学構造体。
  10. 前記表面材は前記表示装置の表示面側とは反対の側における最表面を形成する、請求項9に記載の光学構造体。
  11. 偏光板と、
    前記偏光板の表面に請求項1乃至10のいずれかに記載の光学構造体と、を備える、光学構造体付き偏光板。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光学構造体が表示面に配置された、表示装置。
  13. 前記表示装置は、
    前記表示面と、前記表示面に対向して配置された裏面と、を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの裏面に対面して配置された面光源装置と、を有する、請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記液晶パネルは、液晶分子に対する電圧がオフまたは最小値のときに前記液晶分子が前記表示面の法線方向に沿って配向して前記面光源装置からの光が遮断される状態となり、前記液晶分子に対する電圧を徐々に増加させて前記液晶分子を前記表示面に沿う側に次第に傾斜させることにより、前記面光源装置からの光の透過率を徐々に増加させるように構成された、VA型液晶パネルである、請求項13に記載の表示装置。
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