JP2020015641A - 光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置 - Google Patents

光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置 Download PDF

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一真 大高
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高遠 兒玉
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Ryo Sugiyama
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Abstract

【課題】失透安定性が良好であり、高屈折低分散な光学ガラスの提供。【解決手段】質量%で、SiO2成分:2〜6%、B2O3成分:7〜20%、ZnO成分:1.5〜10%、Gd2O3成分:5〜42%、ZrO2成分:0.5〜10%、La2O3成分:0.5〜60%、TiO2成分:0〜8%、WO3成分:0〜0.5%、であり、SiO2成分/B2O3成分が0.23以上であり、Ta2O5成分/ZnO成分が3以下であり、Gd2O3成分/La2O3成分が0.1以上であり、(ZrO2成分+Nb2O5成分+Ta2O5成分)/(SiO2成分+B2O3成分)が1以下である、光学ガラスの提供。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラス、これを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置に関する。
近年、カメラ等の光学レンズ系の設計において、小型化や軽量化の進歩が著しい。それらの製品性能を達成するために、高性能な光学ガラスが求められている。このような光学ガラスとして、例えば、特許文献1にはSiO−PbO−LiO系のガラスが開示されている。
特開平03−050138号公報
本発明の第一の態様は、質量%で、SiO成分:2〜6%、B成分:7〜20%、ZnO成分:1.5〜10%、Gd成分:5〜42%、ZrO成分:0.5〜10%、La成分:0.5〜60%、TiO成分:0〜8%、WO成分:0〜0.5%、であり、SiO成分/B成分が0.23以上であり、Ta成分/ZnO成分が3以下であり、Gd成分/La成分が0.1以上であり、(ZrO成分+Nb成分+Ta成分)/(SiO成分+B成分)が1以下である、光学ガラスである。
本発明の第二の態様は、上述の光学ガラスを用いた光学素子である。
本発明の第三の態様は、上述の光学ガラスを含む光学系である。
本発明の第四の態様は、上述の光学系を含む交換レンズである。
本発明の第五の態様は、上述の光学系を備える光学装置である。
図1は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。 図2(a)、(b)は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の他の例の概略図であり、図2(a)は撮像装置の正面図であり、図2(b)は撮像装置の背面図である。 図3は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える多光子顕微鏡の構成の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書中において特に断りがない場合、各成分の含有量は全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%であるものとする。なお、ここで述べる酸化物換算組成とは、本実施形態のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩等が溶融時に全て分解されて酸化物に変化すると仮定し、当該酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
本実施形態に係る光学ガラスは、質量%で、SiO成分:2〜6%、B成分:7〜20%、ZnO成分:1.5〜10%、Gd成分:5〜42%、ZrO成分:0.5〜10%、La成分:0.5〜60%、TiO成分:0〜8%、WO成分:0〜0.5%、であり、SiO成分/B成分が0.23以上であり、Ta成分/ZnO成分が3以下であり、Gd成分/La成分が0.1以上であり、(ZrO成分+Nb成分+Ta成分)/(SiO成分+B成分)が1以下である。
本実施形態に係る光学ガラスは、失透安定性が良好であり、高屈折低分散な光学ガラスである。従来、高屈折率低分散を指向した光学ガラスとして、例えば、シリカ、ホウ素、ランタン、を主成分にするガラス(Si−B−La系ガラス)等が挙げられるが、かかる組成のガラスはガラス化が難しい領域である。そのため、例えば、鉛やヒ素といった環境悪化成分を多量に含有させなければならないといった制約もあった。また、仮にガラス化できたとしても、十分な高屈折率低分散性が得られないといった問題もある。本実施形態に係る光学ガラスは、かかる事情を踏まえた上でなされたものである。
以下、本実施形態に係る光学ガラスの成分を説明する。
SiOは、ガラス骨格を形成する成分である。SiOの含有量が6%を超える場合には、ガラスを高屈折率とすることが難しくなる。よって、SiOの含有量は、2〜6%である。そして、その含有量の下限値は、4%であることが好ましい。また、その上限値は、6%であることが好ましい。
は、ガラス骨格を形成する成分である。Bの含有量が7%未満の場合には、ガラスの失透安定性が低下する。また、Bの含有量が20%を超える場合には、ガラスを高屈折率とすることが難しくなる。よって、Bの含有量は、7〜20%である。そして、その含有量の下限値は、10%であることが好ましく、12%であることがより好ましい。また、その上限値は、18%であることが好ましい。
ZnOは、ガラスの屈折率を高め、熔融性を向上させる成分である。ZnOの含有量が1.5%未満の場合にはガラスを高屈折率とすることが難しくなる。また、ZnOの含有量が10%を超える場合には失透安定性が低下する。よって、ZnOの含有量は、1.5〜10%である。そして、その含有量の上限値は、9%であることが好ましく、8%であることがより好ましい。
Gdは、ガラスの屈折率を高める効果を有する成分である。Gdの含有量が5%未満の場合にはガラスを高屈折率とすることが難しくなる。また、Gdの含有量が42%を超える場合には失透安定性が低下する。よって、Gdの含有量は、5〜42%である。そして、その含有量の下限値は、10%であることが好ましい。また、その上限値は、35%であることが好ましく、30%であることがより好ましい。
ZrOは、ガラスの屈折率を高める効果を有する成分である。ZrOの含有量が0.5%未満の場合にはガラスを高屈折率とすることが難しくなる。また、ZrOの含有量が10%を超える場合には失透安定性が低下する。よって、ZrOの含有量は、0.5〜10%である。そして、その含有量の下限値は、2%であることが好ましく、3%であることがより好ましい。また、その上限値は、9%であることが好ましく、8%であることがより好ましい。
Laは、ガラスの屈折率を高める効果を有する成分であるが、その含有量が60%を超える場合には失透安定性が低下する。よって、Laの含有量は、0.5〜60%である。そして、その含有量の下限値は、15%であることが好ましく、25%であることがより好ましい。また、その上限値は、50%であることが好ましい。
TiOは、ガラスの屈折率を大きく高めるが、分散も大きく高める成分である。TiOの含有量が8%を超える場合には低分散とすることが難しくなる。よって、TiOの含有量は、0〜8%である。そして、その含有量の上限値は、4%であることが好ましく、3%であることがより好ましい。また、その含有量の下限値は、0.5%であることが好ましく、1%であることがより好ましい。
WOは、ガラスの屈折率を高めるが、その含有量が0.5%を超える場合には失透安定性が低下する。よって、WOの含有量は、0〜0.5%である。そして、その含有量の上限値は、0.3%であることが好ましく、実質的に含有しないことがより好ましい。本明細書中において、特に断りがない限り、「実質的に含有しない」とは、当該成分が、不純物として不可避的に含有される濃度を越えて、ガラス組成物の特性に影響する構成成分として含有されないことを意味する。例えば、製造過程における100ppm以下程度のコンタミネーションについては、実質的に含有されていないものとする。
SiO、Bはそれぞれガラス骨格を形成する成分であるが、Bの含有量が多すぎる場合、ガラス融液の粘性が低くなり、ガラスの失透安定性が低下する。これはBに対するSiOの比率(SiO/B)を、一定の値以上とすることで解消することができる。かかる観点から、SiO/Bを0.23以上にすることが、失透安定性に優れたガラスを得るために有効である。SiO/Bは、0.30以上であることが好ましく、0.40以上であることがより好ましい。
Taはガラスの屈折率を高めるが、多く含有すると熔融性が悪くなり、ガラスの失透安定性が低下する。一方で、ZnOを含有させることで、熔融性が高まり、また失透安定性も向上させることができる。かかる観点から、ZnOに対するTaの比率(Ta/ZnO)を3以下にすることが、熔融性や失透安定性に優れたガラスを得るために有効である。Ta/ZnOは、2.75以下であることが好ましく、2.5以下とすることがより好ましい。
La、Gdはガラスを高屈折率かつ低分散とする成分であるが、Laの含有量を、Gdの含有量に比べて非常に多くした場合、失透安定性が低下する。かかる観点から、Laに対するGdの比率(Gd/La)を0.1以上にすることが、失透安定性に優れたガラスを得るために有効である。Gd/Laは、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。
ZrO+Nb+Taの合算量は、多いほど高屈折率化が容易となるが、失透安定性が低下する。一方、SiO+Bの合算量は、多いほど失透安定性が向上するが、高屈折率とすることが難しくなる。これら合算量は相反する関係性にあり、(ZrO+Nb+Ta)/(SiO+B)は、1以下とすることが、高屈折率、かつ失透安定性に優れたガラスを得るために有効である。(ZrO+Nb+Ta)/(SiO+B)の下限値は、0.03であることが好ましく、0.06であることがより好ましい。そして、この上限値は、0.90であることが好ましく、0.80であることがより好ましい。
さらに、本実施形態に係る光学ガラスは、以下の成分を含んでもよい。
Nbは、高屈折率のガラスを得るために有効な成分であるが、その一方で、多量に含有するとアッベ数が低くなり過ぎ、所望のガラスを得ることが困難となる。かかる観点から、その含有量は、0〜10%であることが好ましい。この含有量の上限値は、9%であることがより好ましく、8%であることが更に好ましい。そして、下限値は、1%であることが好ましく、2%であることが更に好ましい。
Taは、0%超含む場合に、アッベ数を低く維持する任意成分である。その一方で、多量に含有すると失透安定性が低下してしまう傾向にある。かかる観点から、その含有量は、0〜12%であることが好ましい。また、その含有量の上限値は、10%としてよく、8%としてもよい。また、その含有量の下限値は、2%としてもよい。
は、高屈折率のガラスを得るために有効な成分である。かかる観点から、その含有量は、0〜40%であることが好ましい。この含有量の上限値は、35%であることがより好ましく、30%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.5%であることが好ましく、1%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおける好ましい成分の組み合わせの1つとして、NbとTaとYが上述した数値範囲にあることが挙げられる。これにより、失透安定性と高屈折低分散性を一層向上させることができる。
また、Alは、ガラスの化学的耐久性を向上させる効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。かかる観点から、その含有量は、0〜6%であることが好ましい。この含有量の上限値は、4%であることがより好ましく、2%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.5%であることが好ましく、1%であることが更に好ましい。
BaOは、ガラスの屈折率を高める効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。かかる観点から、その含有量は、0〜5%であることが好ましい。この含有量の上限値は、4%であることがより好ましく、3%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.1%であることが好ましく、0.5%であることが更に好ましい。
CaOは、ガラスの屈折率を高める効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。かかる観点から、その含有量は、0〜5%であることが好ましい。この含有量の上限値は、4%であることがより好ましく、3%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.1%であることが好ましく、0.5%であることが更に好ましい。
SrOは、ガラスの屈折率を高める効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。かかる観点から、その含有量は、0〜5%であることが好ましい。この含有量の上限値は、4%であることがより好ましく、3%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.1%であることが好ましく、0.5%であることが更に好ましい。
MgO成分は、ガラスの屈折率を高める効果があるが、過剰に導入するとガラスが失透しやすくなる。かかる観点から、その含有量は、0〜5%であることが好ましい。この含有量の上限値は、4%であることがより好ましく、3%であることが更に好ましい。そして、下限値は、0.1%であることが好ましく、0.5%であることが更に好ましい。
Sbは、0%超含む場合に、ガラスの清澄や均質化のために有効な任意成分である。かかる観点から、その含有量は、0〜2%であることが好ましい。その上限値は、1%であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおける好ましい成分の組み合わせの1つとして、AlとBaOとCaOとSrOとMgOとSbが上述した数値範囲にあることが挙げられる。これにより、失透安定性と高屈折低分散性を一層向上させることができる。
また、LiOは、多量に含有すると失透安定性が低下する傾向にある。かかる観点から、LiOは、実質的に含有しないことがより好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスは、環境汚染物質であり有害なPbOを実質的に含有しないことが好ましい。本実施形態によれば、かかる環境汚染物質を用いなくとも、失透安定性が良好であり、高屈折低分散な光学ガラスとすることができる。
本実施形態に係る光学ガラスは、環境汚染物質であり有害なAsを実質的に含有しないことが好ましい。本実施形態によれば、かかる環境汚染物質を用いなくとも、失透安定性が良好であり、高屈折低分散な光学ガラスとすることができる。
その他、必要に応じて清澄、着色、消色や光学恒数値の微調整等の目的で、上記以外の成分で、公知の清澄剤や着色剤、脱泡剤、フッ素化合物、リン酸等の成分を、本実施形態の効果が得られる範囲で、ガラス組成に適量添加することができる。また、上記成分に限らず、本実施形態の効果が得られる範囲で、その他の成分を添加することもできる。
本実施形態に係る光学ガラスの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、製造条件は、適宜好適な条件を選択することができる。例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の原料を目標組成となるように調合し、好ましくは1200〜1500℃、より好ましくは1250〜1450℃にて溶融し、攪拌することで均一化し、泡切れを行った後、金型に流し成形する製造方法等を採用できる。このようにして得られた光学ガラスは、必要に応じてリヒートプレス等を行って所望の形状に加工し、研磨等を施すことで、所望の光学素子とすることができる。
以下に、本実施形態における光学ガラスが持つ好適な特性を説明する。
まず、本実施形態に係る光学ガラスは、d線に対する屈折率(n)が1.80〜1.90であることが好ましい。ここでいうnは、波長587.562nmの光に対するガラスの屈折率である。
本実施形態に係る光学ガラスは、アッベ数(ν)が33〜45であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスは、例えば、薄型の光学素子としての使用といった観点から、屈折率とアッベ数の両方が上述した数値範囲にあることが好ましい。
上述したような特性を有する本実施形態に係る光学ガラスは、例えば、光学装置等に用いられる光学素子として好適に用いることができる。このような光学素子には、ミラー、レンズ、プリズム、フィルタ等が含まれる。そして、かかる光学素子を含む光学系としては、例えば、対物レンズ、集光レンズ、結像レンズ、カメラ用交換レンズ等の交換レンズが挙げられる。
さらに、これらの光学系は、レンズ交換式カメラ、レンズ非交換式カメラ等の撮像装置、多光子顕微鏡等の顕微鏡等の光学装置に好適に用いることができる。かかる光学装置としては、上述した撮像装置や顕微鏡に限られず、ビデオカメラ、テレコンバーター、望遠鏡、双眼鏡、単眼鏡、レーザー距離計、プロジェクタ等も含まれる。以下にこれらの一例を説明する。
<撮像装置>
図1は、光学装置を撮像装置とした場合の一例の斜視図である。
撮像装置1はいわゆるデジタル一眼レフカメラ(レンズ交換式カメラ)であり、撮影レンズ103(光学系)は本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。カメラボディ101のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒102が着脱自在に取り付けられる。そして、該レンズ鏡筒102の撮影レンズ103を通した光がカメラボディ101の背面側に配置されたマルチチップモジュール106のセンサチップ(固体撮像素子)104上に結像される。このセンサチップ104は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップであり、マルチチップモジュール106は、例えば、センサチップ104がガラス基板105上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。
図2は、光学装置を撮像装置とした場合の他の例の概略図である。図2(a)は撮像装置CAMの正面図を、図2(b)は撮像装置CAMの背面図を示す。
撮像装置CAMはいわゆるデジタルスチルカメラ(レンズ非交換式カメラ)であり、撮影レンズWL(光学系)は本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。
撮像装置CAMは、不図示の電源ボタンを押すと、撮影レンズWLのシャッタ(不図示)が開放されて、撮影レンズWLで被写体(物体)からの光が集光され、像面に配置された撮像素子に結像される。撮像素子に結像された被写体像は、撮像装置CAMの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズボタンB1を押し下げて被写体像を撮像素子で撮像し、メモリー(不図示)に記録保存する。
撮像装置CAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、撮像装置CAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB2等が配置されている。
<多光子顕微鏡>
図3は、多光子顕微鏡2の構成の例を示すブロック図である。
多光子顕微鏡2は、対物レンズ206、集光レンズ208、結像レンズ210を備える。対物レンズ206、集光レンズ208、結像レンズ210のうち少なくとも1つは、本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。以下、多光子顕微鏡2の光学系を中心に説明する。
パルスレーザ装置201は、例えば、近赤外波長(約1000nm)であって、パルス幅がフェムト秒単位の(例えば、100フェムト秒の)超短パルス光を射出する。パルスレーザ装置201から射出された直後の超短パルス光は、一般に所定の方向に偏光された直線偏光となっている。
パルス分割装置202は、超短パルス光を分割し、超短パルス光の繰り返し周波数を高くして射出する。
ビーム調整部203は、パルス分割装置202から入射される超短パルス光のビーム径を、対物レンズ206の瞳径に合わせて調整する機能、試料Sから発せられる多光子励起光の波長と超短パルス光の波長との軸上の色収差(ピント差)を補正するために超短パルス光の集光及び発散角度を調整する機能、超短パルス光のパルス幅が光学系を通過する間に群速度分散により広がってしまうのを補正するために、逆の群速度分散を超短パルス光に与えるプリチャープ機能(群速度分散補償機能)等を有する。
パルスレーザ装置201から射出された超短パルス光は、パルス分割装置202によりその繰り返し周波数が大きくされ、ビーム調整部203により上述した調整が行われる。そして、ビーム調整部203から射出された超短パルス光は、ダイクロイックミラー204によりダイクロイックミラー205の方向に反射され、ダイクロイックミラー205を通過し、対物レンズ206により集光されて試料Sに照射される。このとき、走査手段(不図示)を用いることにより、超短パルス光を試料Sの観察面上に走査させてもよい。
例えば、試料Sを蛍光観察する場合には、試料Sの超短パルス光の被照射領域及びその近傍では、試料Sが染色されている蛍光色素が多光子励起され、赤外波長である超短パルス光より波長が短い蛍光(以下、「観察光」という。)が発せられる。
試料Sから対物レンズ206の方向に発せられた観察光は、対物レンズ206によりコリメートされ、その波長に応じて、ダイクロイックミラー205により反射されたり、あるいは、ダイクロイックミラー205を透過したりする。
ダイクロイックミラー205により反射された観察光は、蛍光検出部207に入射する。蛍光検出部207は、例えば、バリアフィルタ、PMT(photo multiplier tube:光電子増倍管)等により構成され、ダイクロイックミラー205により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部207は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
一方、ダイクロイックミラー205を透過した観察光は、走査手段(不図示)によりデスキャンされ、ダイクロイックミラー204を透過し、集光レンズ208により集光され、対物レンズ206の焦点位置とほぼ共役な位置に設けられているピンホール209を通過し、結像レンズ210を透過して、蛍光検出部211に入射する。
蛍光検出部211は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、結像レンズ210により蛍光検出部211の受光面において結像した観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部211は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
なお、ダイクロイックミラー205を光路から外すことにより、試料Sから対物レンズ206の方向に発せられた全ての観察光を蛍光検出部211で検出するようにしてもよい。
また、試料Sから対物レンズ206と逆の方向に発せられた観察光は、ダイクロイックミラー212により反射され、蛍光検出部213に入射する。蛍光検出部213は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、ダイクロイックミラー212により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部213は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
蛍光検出部207、211、213からそれぞれ出力された電気信号は、例えば、コンピュータ(不図示)に入力され、そのコンピュータは、入力された電気信号に基づいて、観察画像を生成し、生成した観察画像を表示したり、観察画像のデータを記憶したりすることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。各表は実施例及び比較例に係る光学ガラスについて、各成分の酸化物基準の質量%による組成、及び得られた光学ガラスの物性の評価結果を示したものである。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<光学ガラスの作製>
各実施例及び各比較例に係る光学ガラスは、以下の手順で作製した。まず、各表に記載の化学組成(質量%)となるよう、酸化物、炭酸塩、及び硝酸塩等のガラス原料を秤量した。次に、秤量した原料を混合して坩堝に投入し、1200〜1500℃の温度で溶融させて攪拌均質化した。清澄を行った後、金型に鋳込んで徐冷し、成形することで各サンプルを得た。
<光学ガラスの測定>
各サンプルの屈折率(n)、及びアッベ数(ν)は屈折率測定器(株式会社島津デバイス製造製:KPR−2000)を用いて測定、及び算出した。なお、アッベ数(ν)は下記式(1)に基づき算出した。屈折率の値は小数点以下第4位までとした。
ν=(n−1)/(n−n)・・・・(1)
:波長587.562nmの光に対するガラスの屈折率
:波長486.133nmの光に対するガラスの屈折率
:波長656.273nmの光に対するガラスの屈折率
以下に、各実施例及び各比較例の化学組成と評価結果を示す。特に断りがない限り、表中の化学組成は質量%基準である。
Figure 2020015641
Figure 2020015641
Figure 2020015641
Figure 2020015641
各実施例の光学ガラスは、いずれものサンプルでも失透が認められず、実用可能なガラスであり、環境汚染物質であり有害なPbOやAsを含有せずとも、高屈折率かつ低分散であることが少なくとも確認された。一方、表4に示すように、本実施形態の成分範囲と異なる組成である比較例1、2の光学ガラスは、いずれのサンプルでも失透が認められ、ガラスの失透安定性が低下していることが確認された。また、比較例3は、ある程度ガラス化はしたものの、十分な屈折率が得られていないことが確認された。
1・・・撮像装置、101・・・カメラボディ、102・・・レンズ鏡筒、103・・・撮影レンズ、104・・・センサチップ、105・・・ガラス基板、106・・・マルチチップモジュール、2・・・多光子顕微鏡、201・・・パルスレーザ装置、202・・・パルス分割装置、203・・・ビーム調整部、204,205,212・・・ダイクロイックミラー、206・・・対物レンズ,207,211,213・・・蛍光検出部、208・・・集光レンズ、209・・・ピンホール、210・・・結像レンズ、CAM・・・撮像装置、WL・・・撮影レンズ、EF・・・補助光発光部、M・・・液晶モニター、B1・・・レリーズボタン、B2・・・ファンクションボタン、S・・・試料

Claims (13)

  1. 質量%で、
    SiO成分:2〜6%、
    成分:7〜20%、
    ZnO成分:1.5〜10%、
    Gd成分:5〜42%、
    ZrO成分:0.5〜10%、
    La成分:0.5〜60%、
    TiO成分:0〜8%、
    WO成分:0〜0.5%、
    であり、
    SiO成分/B成分が0.23以上であり、
    Ta成分/ZnO成分が3以下であり、
    Gd成分/La成分が0.1以上であり、
    (ZrO成分+Nb成分+Ta成分)/(SiO成分+B成分)が1以下である、
    光学ガラス。
  2. Nb成分:0〜10%
    Ta成分:0〜12%
    成分:0〜40%
    である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. Al成分:0〜6%、
    BaO成分:0〜5%、
    CaO成分:0〜5%、
    SrO成分:0〜5%、
    MgO成分:0〜5%、
    Sb成分:0〜2%、
    である請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. LiO成分を実質的に含有しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. WO成分を実質的に含有しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  6. PbO成分を実質的に含有しない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  7. Asを実質的に含有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  8. d線に対する屈折率(n)が1.80〜1.90である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  9. アッベ数(ν)が33〜45である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学ガラスを用いた光学素子。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学ガラスを含む光学系。
  12. 請求項11に記載の光学系を含む交換レンズ。
  13. 請求項11に記載の光学系を備える光学装置。
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