JP2020015258A - 押出成形用金型及びハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が最外周以外の部分から押し出される原料の流速に比べて速くなることを抑制することが可能な押出成形用金型を提供すること。【解決手段】 第一の面と第二の面を備える口金と、上記口金の上記第一の面の外周を覆う押さえ枠と、からなる押出成形用金型であって、上記口金は、上記第二の面から上記第一の面に向かって原料が導入される裏穴部と、上記裏穴部と繋がっていて上記第一の面から原料が押し出されるスリット部とを有しており、上記押出成形用金型の上記裏穴部及び上記スリット部の長手方向に沿った断面形状において、上記口金の上記第一の面の外周は面取り形状となっていて、上記面取り形状は、上記裏穴部に中心が凹となるR面取り形状を含んでおり、上記押さえ枠の内周も面取り形状となっていて、上記口金の上記裏穴部のR面取り形状に対向する部位における上記押さえ枠の内周の形状は、中心が凸となるR面取り形状であることを特徴とする押出成形用金型。【選択図】 図1

Description

本発明は、押出成形用金型及びハニカム構造体の製造方法に関する。
自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等の有害ガスが含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒は三元触媒とも称され、コージェライト等からなるハニカム状のモノリス基材(ハニカム構造体)に触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーをウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的である。
一般に、ハニカム構造体を製造する際には、セラミック粉末を含む成形体作製用の混合組成物を調製した後、この混合組成物を押出成形用金型を備えた押出成形装置に投入し、押出成形を行うことにより、多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された柱形状のハニカム成形体を作製する。
続いて、得られたハニカム成形体をヒーター等を用いて乾燥させた後、ハニカム成形体中のバインダー等を熱分解させる脱脂工程、及び、セラミックの焼成を行う焼成工程を行うことによってハニカム構造体を製造している。
特許文献1には、ハニカム成形体を作製するための押出成形用金型として、成形原料を導入する裏孔部と成形原料を押し出すスリット部を備える口金と、口金を固定する押さえ板とを有する金型が開示されている。
特開2002−283326号公報
特許文献1に記載された押出成形用金型は、押さえ板と口金の間の隙間部の隙間間隔を可変とする隙間調節手段を備えており、隙間部の隙間間隔を調節して原料を押し出すことにより、均一な厚さの外壁を形成し得るものとされている。
特許文献1に記載された押出成形用金型を使用した場合、最外周において原料が押し出される流速が、最外周以外の部分から押し出される原料の流速に比べて速くなるという現象が見られることがあった。
この現象は、原料が無機繊維を含んでいる場合等、流動性が低い原料を使用した場合に特に顕著に現れており、ときに成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じることがあった。また、焼成工程後のハニカム構造体の最外周にクラックが発生することもあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が最外周以外の部分から押し出される原料の流速に比べて速くなることを抑制することが可能な押出成形用金型を提供することを目的とする。
本発明の押出成形用金型は、第一の面と第二の面を備える口金と、上記口金の上記第一の面の外周を覆う押さえ枠と、からなる押出成形用金型であって、上記口金は、上記第二の面から上記第一の面に向かって原料が導入される裏穴部と、上記裏穴部と繋がっていて上記第一の面から原料が押し出されるスリット部とを有しており、上記押出成形用金型の上記裏穴部及び上記スリット部の長手方向に沿った断面形状において、上記口金の上記第一の面の外周は面取り形状となっていて、上記面取り形状は、上記裏穴部に中心が凹となるR面取り形状を含んでおり、上記押さえ枠の内周も面取り形状となっていて、上記口金の上記裏穴部のR面取り形状に対向する部位における上記押さえ枠の内周の形状は、中心が凸となるR面取り形状であることを特徴とする。
本発明の押出成形用金型を使用して押出成形を行うと、口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周の間の隙間を原料が通って成形体の最外周に外周壁が形成される。口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周が共に面取り形状となっていて、これらの面取り形状がいずれもR面取り形状を含んでいると、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が速くなることが抑制される。その結果、成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じることを防止することができる。
本発明の押出成形用金型では、上記押さえ枠の内周のR面取り形状の曲率半径が1〜4.5mmであることが好ましく、曲率半径が1〜3mmであることがより好ましい。
押さえ枠の内周のR面取り形状の曲率半径が上記範囲であると、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が、最外周以外の部分から押し出される原料の流速により近くなる。
本発明の押出成形用金型では、上記口金の上記第一の面から見た正面視において、上記口金の上記第一の面の外周と上記押さえ枠の内周の間の幅が0.3〜1.0mmであることが好ましい。
口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周の間の幅は、押出成形により形成される外周壁の厚さに対応する。本発明の押出成形用金型は、成形体の外周壁の厚さを0.3〜1.0mmとする場合に特に好適に使用することができる。
本発明の押出成形用金型では、上記裏穴部及び上記スリット部の長手方向に沿った断面形状において、上記口金の上記第一の面の外周と上記押さえ枠の内周の間の隙間に繋がる裏穴の配列数は2又は3列であることが好ましい。
口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周の間の隙間に繋がる裏穴の配列数を2又は3列にすることによって、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速を、最外周以外の部分から押し出される原料の流速にさらに近づけることができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料を本発明の押出成形用金型を使用して押出成形する工程を含むことを特徴とする。
セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料は、無機繊維を含むことに起因して、流動性が低い。そのため、特許文献1に記載されたような従来の押出成形用金型を使用した場合に、最外周において原料が押し出される流速が速くなりやすい原料である。
本発明の押出成形用金型を使用すると、このような流動性の低い原料に対して最外周において原料が押し出される流速が速くなることを抑制して押出成形を行うことができる。そのため、成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じることを防止して、ハニカム構造体を製造することができる。
図1(a)は、本発明の押出成形用金型を構成する押さえ枠及び口金の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、本発明の押出成形用金型の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1(b)におけるA−A線断面図である。 図3は、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、比較例1に係る押出成形用金型を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
まず、本発明の押出成形用金型について説明する。
図1(a)は、本発明の押出成形用金型を構成する押さえ枠及び口金の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、本発明の押出成形用金型の一例を模式的に示す斜視図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、押出成形用金型1は、口金20と押さえ枠10とからなる。
図1(b)に示すように、口金20の第一の面20aには押さえ枠10が配置されている。
口金20の第一の面20aのうち、押さえ枠10が配置される部分の一部には面取りが施されている。
また口金20の第一の面20aのうち、押さえ枠10により覆われていない部分にはスリット22aが設けられている。
続いて、本発明の押出成形用金型のより詳細な構造について、図2を用いて説明する。
図2は、図1(b)におけるA−A線断面図である。
図2に示すように、口金20は、押さえ枠10が配置される第一の面20aと、第一の面20aに対向する第二の面(図示しない)とを有している。さらに口金20は、第二の面から第一の面20aに向かって原料を導入する裏穴24aと、裏穴24aから繋がっていて第一の面20aから原料が押し出されるスリット22aとを有している。
裏穴24aが形成されている部分が裏穴部24であり、スリット22aが形成されている部分がスリット部22である。
口金20の第一の面20aの外周20cは面取り形状となっており、面取りされた部分には裏穴24aが露出している。第一の面20aの外周20cのうち、Rで示される箇所には、中心が凹となるR面取り形状(以下、隅R面取り形状ともいう)が設けられており、該隅R面取り形状に対向する押さえ枠10の内周10cのうち、Rで示される箇所には、中心が凸となるR面取り形状(以下、角R面取り形状ともいう)が設けられている。
なお、本発明の押出成形用金型において、R面取り形状とは、曲率半径が0.1mmを超える形状を指し、曲率半径が0.1mm以下のR面取り形状については、R面取り形状ではないもの(いわゆるピン角)とする。
また、第一の面20aを正面視した際に、押さえ枠10の内周10cと口金20の第一の面20aの外周20cとの間には、所定の幅(図2中、tで示される長さ)の隙間が設けられている。図2において、この隙間に繋がる裏穴の配列数は2列である。
なお、第一の面20aの外周20cとは、第一の面20aのうち面取りにより露出する部分全てを指している。従って、第一の面20aの外周に施された面取り形状は、隅R面取り形状以外の形状を有していてもよい。
例えば、図2に示す口金20では、口金20の第一の面20aの外周20cのうち、面取りにより露出した表面の一部(スリット部22の側面の一部)に傾斜がつくよう加工されている。傾斜の角度は5〜20°であることが好ましい。傾斜をつけることで、押し出されたハニカム成形体の外周壁の密度を高くすることができる。
図2に示すような、裏穴部及びスリット部の長手方向に沿った断面形状において、口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周の間の隙間に繋がる裏穴の配列数は特に限定されないが、2又は3列であることが好ましい。
口金の第一の面の外周と押さえ枠の内周の間の隙間に繋がる裏穴の配列数が2又は3列であると、隔壁を押し出す速度と同じ速度で、充分な機械的強度を備えたハニカム成形体の外周壁を成形しやすくなる。
第一の面20aからみた正面視における、口金20の第一の面20aの外周20cと押さえ枠10の内周10cの間の幅(図2中、tで示される長さ)は特に限定されないが、0.3〜1.0mmであることが好ましい。
スリット22aの幅(図2中、t22で示される長さ)は特に限定されないが、0.05〜0.5mmであることが好ましい。
スリット22aの深さ(図2中、d22で示される長さ)は特に限定されないが、1〜5mmであることが好ましい。
押さえ枠10の内周10cに設けられたR面取り形状(角R面取り形状)の曲率半径は特に限定されないが、1〜4.5mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。
押さえ枠の内周の角R面取り形状の曲率半径が上記範囲であると、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が、最外周以外の部分から押し出される原料の流速により近くなる。
口金20の第一の面20aの外周20cに設けられたR面取り形状(隅R面取り形状)の曲率半径は特に限定されないが、1〜4.5mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。
面取りの深さ(図2中、d20で示される長さ)はスリットの深さよりも深ければよく、例えば2〜10mmであることが好ましい。
裏穴部の断面形状は特に限定されず、円形であっても多角形であってもよいが、円形であることが好ましい。
裏穴部の断面積は特に限定されないが、0.5〜3.2mmであることが好ましい。
裏穴24aの幅(図2中、t24で示される長さ)は特に限定されないが、0.8〜2.0mmであることが好ましい。
口金を第一の面から上面視した場合において、スリットの交点と裏穴の中心は、一致していてもよく一致していなくてもよいが、一致していることが好ましい。
押出成形用金型の素材は、炭化タングステンとコバルトとを混合して焼結した超硬合金、炭化タングステンとコバルトとその他微量粒子(例えば、TiC、TiN等)とを混合して焼結した超硬合金、工具鋼、ステンレス鋼、又は、アルミニウム合金等であることが好ましく、工具鋼又はステンレス鋼であることがより好ましい。
次に、本発明の押出成形用金型を製造する方法について説明する。
本発明の押出成形用金型は、例えば、従来公知の押出成形用金型の製造方法において、口金となる金属素材の一方の主面の外周を面取りして、隅部にR面取り形状を形成する工程と、該面取りにより形成された形状に対応した押さえ枠を準備する工程とを行うことにより作製することができる。
口金を面取りする方法としては、例えばエンドミル等による切削加工や放電加工等が挙げられる。
なお、口金となる金属素材の一方の主面の外周を面取りする方法に代わって、ニアネットシェイプ成形のように、一方の主面に予め面取りが施された形状となるように金型素材を形成する方法を用いてもよい。
口金となる金型素材に貫通孔、非貫通孔及びスリットを形成する方法としては、例えばブレード加工等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子(以下、CZ粒子ともいう)、無機粒子及び無機繊維を含む原料を本発明の押出成形用金型を使用して押出成形する工程を含むことを特徴とする。
CZ粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料は、無機繊維を含むことに起因して、流動性が低い。そのため、特許文献1に記載されたような従来の押出成形用金型を使用した場合に、最外周において原料が押し出される流速が速くなりやすい原料である。
本発明の押出成形用金型を使用すると、このような流動性の低い原料に対して最外周において原料が押し出される流速が速くなることを抑制して押出成形を行うことができる。そのため、成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じることを防止して、ハニカム構造体を製造することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法の例を以下に説明する。
(1)CZ粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料(以下、押出成形用原料ともいう)は、例えば、CZ粒子と、無機粒子と、無機繊維と、有機バインダと、液状の可塑剤と、潤滑剤と、水とを混合することにより調製することができる。
このとき、押出成形用原料は少なくともCZ粒子、無機粒子及び無機繊維を含むことが好ましい。CZ粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料(押出成形用原料)は無機繊維を含むことに起因して、流動性が低いため、最外周において原料が押し出される流速が速くなりやすい。本発明のハニカム構造体の製造方法では、本発明の押出成形用金型を用いるため、このような流動性の低い原料に対して最外周において原料が押し出される流速が速くなることを抑制して押出成形を行うことができる。そのため、CZ粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料を用いてハニカム構造体を作製する場合であっても、成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じることを防止することができる。
(2)次に、上記原料を押出成形し、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させることにより、所定の形状のハニカム成形体を作製する。
この際、本発明の押出成形用金型を用いて押出成形を行う。
(3)その後、ハニカム成形体を、所定の条件で脱脂処理(例えば、200〜500℃)、及び、焼成処理(例えば、1400〜2300℃)を行う。
上記の工程を経ることにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、周囲に外周壁が形成されたハニカム焼成体を作製することができる。
なお、上記ハニカム成形体の乾燥体の脱脂処理及び焼成処理の条件は、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法により得られるハニカム構造体について説明する。
図3は、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
図3に示すハニカム構造体100は、複数の貫通孔120が隔壁110を隔てて長手方向に並設され、外周に外周壁130が形成された単一のハニカム焼成体を備えている。
図3に示すハニカム構造体100は単一のハニカム焼成体からなるが、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体は、本発明の押出成形用金型を用いて製造された複数個のハニカム焼成体で構成されていてもよい。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を作製することもできる。この場合、上記(3)の工程において、乾燥後、ハニカム成形体の乾燥体が有するセルの所定の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填してセルを封止する。その後、上述した脱脂処理及び焼成処理を行うことにより、セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を作製することができる。なお、セルを封止する処理は、焼成処理以降に行うこともできる。
ここで、封止材ペーストとしては、ハニカム成形体を作製した原料と同じものを用いることができる。
セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を含むハニカム構造体は、セラミックフィルタとして好適に使用することができる。また、セルのいずれの端部も封止されていないハニカム焼成体を含むハニカム構造体は、触媒担持体として好適に使用することができる。
複数のハニカム焼成体を接着剤を介して複数のハニカム焼成体を結束したセラミックブロックとしてもよい。
接着剤としては、ハニカム成形体を作製した原料と同じものを用いることができる。
得られたセラミックブロックは、必要に応じてその外周を切削加工してもよい。
また、切削加工した表面に外周コート材ペーストを塗布し、乾燥固化して外周コート層を形成してもよい。
(実施例)
以下、本実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)押出成形用金型の製造
まず、口金の金型素材として、厚さ20mmの工具鋼を準備した。ここで、金型素材の硬度は、750Hvであった。
この金型素材の第一の面の外周を深さ5.0mmまで削り取ることにより面取りを行った以外は、従来公知の方法で、図2に示すようなパターンとなるようスリット及び裏穴を形成し、隅にR面取り形状(隅R面取り形状)を形成した。形成した隅R面取り形状の曲率半径は、2.0mmであった。
また、製造した口金は、第一の面のうち面取りが施されていない領域にスリットが形成されており、面取りが施された領域には裏穴部が露出していた。面取りが施されていない領域は直径144.5mmの円形であり、幅0.176mmのスリットが一の方向とこれに直交する方向にそれぞれ1.198mmの等間隔で配置されており、スリットの深さは2.0mm、裏穴の直径は0.95mm、裏穴の深さは18mmであった。
口金と同様の工具鋼を厚さ5.0mmの環状に切削し、押さえ枠とした。
押さえ枠の上面視形状は、外寸が口金と同じであり、内寸が、口金の第一の面に押さえ枠を配置した際に、押さえ枠の外周と口金の第一の面の外周との間に隙間が設けられる形状であった。押さえ枠の内周の一方の角(口金に設けられた隅R面取り形状に対応する部位)に対して、切削加工によりR加工を施し、角にR面取り形状(角R面取り形状)を形成した。得られた押さえ枠の形状は図2に示すような形状であり、角R面取り形状の曲率半径は4.42mmであった。また、押さえ枠の内周と口金の第一の面の外周との間の距離は0.85mmであった。
(2)ハニカム成形体の製造
(2−1)成形原料組成物準備工程
CZ粒子(平均粒子径:2μm)を26.4重量%、θ−アルミナ粒子(平均粒子径:2μm)を13.2重量%、アルミナ繊維(平均繊維径:3μm、平均繊維長:60μm)を5.3重量%、無機バインダとしてベーマイトを11.3重量%、有機バインダとしてメチルセルロースを5.3重量%、造孔剤としてアクリル樹脂を2.1重量%、同じく造孔剤としてコークスを2.6重量%、成形助剤として界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルを4.2重量%、及び、イオン交換水を29.6重量%混合混練して、成形原料組成物を調製した。
(2−2)押出成形工程
上記(1)で製造した押出成形用金型を押出成形装置に取付け、上記(2−1)で準備した成形原料組成物を押出成形装置内に投入した。その後、成形速度150mm/minで成形体を連続的に作製した後、切断、及び、乾燥させることにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された、実施例1に係るハニカム成形体を作製した。
なお、作製したハニカム成形体の長手方向の長さは150mmであり、長手方向に垂直な断面において、断面形状は円形で、直径は144.5mm、外周壁の厚さは0.85mm、隔壁の厚さは0.176mm、隔壁によって区画された貫通孔の平面視寸法は、外周部以外において1.198mm×1.198mmであった。
このハニカム成形体を1100℃で10時間脱脂・焼成することにより、実施例1に係るハニカム焼成体(ハニカム構造体)を得た。
(実施例2〜3)
製造した押出成形用金型のうち、押さえ枠に設けた角R面取り形状の曲率半径を、それぞれ、2.5mm、1.5mmに変更したほかは、実施例1と同様の手順で押出成形用金型を製造し、その後、上記押出成形用金型を用いてハニカム成形体及びハニカム焼成体(ハニカム構造体)を作製した。
(比較例1)
口金の製造において、隅部にRを設けず(曲率半径が0.1mmのピン角を形成し)、さらに押さえ枠の製造において、口金の隅部に対応する部位に、2mmの寸法でC面取りを施したほかは、実施例1と同様の手順で、図4に示すような押出成形用金型を製造し、その後、上記押出成形用金型を用いてハニカム成形体及びハニカム焼成体(ハニカム構造体)を作製した。図4は、比較例1に係る押出成形用金型を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、比較例1に係る押出成形用金型1’では、押さえ枠10’の内周10c’にC面取り形状が施されており、口金20’の第一の面20aの外周20c’にピン角が設けられている。
(良品率の算出)
実施例1〜3及び比較例1に係る押出成形用金型を用いて、ハニカム成形体をそれぞれ100個ずつ作製した。そして、外周壁が切れていない、外周壁に穴が開いていない、かつ、外周壁が波打っていないハニカム成形体を良品であるとして、良品率を下記式(1)に基づき算出した。算出した良品率を表1に示す。
Figure 2020015258
(押出速度のシミュレーション)
以下の方法により、実施例1〜3及び比較例1で用いた押出成形用金型を用いた際の、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速と、中央付近から押し出される原料の流速とをシミュレーションした。中央付近における原料の平均流速と、外周付近における原料の最大流速とを比較し、中央付近における原料の平均流速からの変化値が最も大きい原料の流速に対する中央付近のセルの平均流速の割合を表1に示す。
Figure 2020015258
表1の結果より、本発明の押出成形用金型は、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が最外周以外の部分から押し出される原料の流速に比べて速くなっていないことがわかる。そのため、外周壁の成形不良が発生しにくくなっているものと推察される。
一方、比較例1に係る押出成形用金型では、押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が最外周以外の原料の流速に比べて速くなっている。
そのため、表1に示したように、本発明の押出成形用金型を使用すると、ハニカム成形体の最外周において原料の切れ、セルの形の歪みが生じにくく、良品率が高くなると考えられる。
特に、押さえ枠の角R面取り形状の曲率半径を1〜3mmとした実施例2及び3では、特に押出成形用金型の最外周から押し出される原料の流速が最外周以外の部分から押し出される原料の流速に近く、ハニカム成形体の成形性が良好であることがわかる。
1、1’ 押出成形用金型
10、10’ 押さえ枠
10c、10c’ 押さえ枠の内周
20、20’ 口金
20a 口金の第一の面
20c、20c’ 口金の第一の面の外周
22 スリット部
22a スリット
24 裏穴部
24a 裏穴
100 ハニカム構造体
110 隔壁
120 貫通孔
130 外周壁

Claims (5)

  1. 第一の面と第二の面を備える口金と、
    前記口金の前記第一の面の外周を覆う押さえ枠と、からなる押出成形用金型であって、
    前記口金は、前記第二の面から前記第一の面に向かって原料が導入される裏穴部と、前記裏穴部と繋がっていて前記第一の面から原料が押し出されるスリット部とを有しており、前記押出成形用金型の前記裏穴部及び前記スリット部の長手方向に沿った断面形状において、
    前記口金の前記第一の面の外周は面取り形状となっていて、前記面取り形状は、前記裏穴部に中心が凹となるR面取り形状を含んでおり、
    前記押さえ枠の内周も面取り形状となっていて、前記口金の前記裏穴部のR面取り形状に対向する部位における前記押さえ枠の内周の形状は、中心が凸となるR面取り形状であることを特徴とする押出成形用金型。
  2. 前記押さえ枠の内周のR面取り形状の曲率半径が1〜4.5mmである請求項1に記載の押出成形用金型。
  3. 前記口金の前記第一の面から見た正面視において、前記口金の前記第一の面の外周と前記押さえ枠の内周の間の幅が0.3〜1.0mmである請求項1又は2に記載の押出成形用金型。
  4. 前記裏穴部及び前記スリット部の長手方向に沿った断面形状において、前記口金の前記第一の面の外周と前記押さえ枠の内周の間の隙間に繋がる裏穴の配列数は2又は3列である請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形用金型。
  5. セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、無機粒子及び無機繊維を含む原料を請求項1〜4のいずれかに記載の押出成形用金型を使用して押出成形する工程を含むことを特徴とする、ハニカム構造体の製造方法。
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CN115362020A (zh) * 2020-04-01 2022-11-18 住友化学株式会社 成形催化剂和卤素的制造方法

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