JP2020015160A - ロボットの対人保護装置 - Google Patents

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声一 高田
中村 昌平
Shohei Nakamura
昌平 中村
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Eiichiro Shimazu
英一郎 島津
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Kayo Sakai
香代 堺
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Abstract

【課題】協働ロボットの電界方式を利用した対人保護装置において、床面電極を用いない簡単な構成で、ロボットと作業者との接近を検知できる距離を長くする。【解決手段】ロボット1の周囲で作業する作業者2に保持される交流電圧付加装置3と、ロボット1に設けられる電極4と、電極4の電圧を計測するグランド電極7付きの計測器5とからなる簡単な構成で、ロボット1と作業者2とが接近して電極4の電圧が高くなると、計測器5が計測した電圧値に応じた制御信号をロボット1の制御器6に送り、制御器6が受信した制御信号に基づいてロボット1に対人保護のための動作を行わせるようにした。この構成では、交流電圧付加装置3で作業者2の体表面近傍の電界に正負に変動する交流電圧を付加して、人体の帯電状態を大きくするので、従来の人体通信を用いたものよりも最長検知距離を長くすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、産業用ロボットの周囲の作業者をそのロボットとの衝突から保護するための対人保護装置に関する。
近年、工業製品の製造現場等においては、労働人口の不足や製品品質の向上要求に対応するため、従来は人が行っていた作業を人に代わって行う協働ロボットの開発が進んでいる。この協働ロボットは、例えば種々の作業工程の中で作業者の欠員が生じた工程に配置され、作業者と隣り合う状態で作業を行う等、従来の産業用ロボットと異なり安全柵で囲まれない状態で使用される。このため、協働ロボットを使用する場合は、その周囲の作業者を協働ロボットとの衝突から保護するための対人保護装置が必要となっている。
ロボットの対人保護装置(以下、単に「対人保護装置」とも称する。)は、従来の安全柵で囲まれた産業用ロボットに対しても開発されており、例えば特許文献1では、携帯装置(信号発信機)を携帯した作業者が安全柵内で調整作業等を行う際にロボットに接近すると、携帯装置から発信される識別信号が人体通信によってロボットに伝達され、その識別信号をロボットから受信したロボット制御装置がロボットを停止または減速させて、ロボットと作業者との衝突を防止する方法が提案されている。
一方、特許文献2で提案されている衝突防止装置(対人保護装置)は、協働ロボットを対象としたものであり、人体通信送信機(信号発信機)と接続された電極を作業場の床面に設置し、その上に立っている作業者がロボットに接近すると、人体通信送信機で生成した識別信号が床面の電極から人体通信によってロボット側の受信機に伝達され、その受信機に接続されたロボット制御機がロボットを停止させるようにしている。
特開2010−188458号公報 特開2013−193137号公報
上記特許文献1、2で提案されているロボットの対人保護装置は、いずれも電界方式の人体通信技術を利用したもので、非常にシンプルな回路方式で作業者とロボットの接近を検知することができる。
ところが、電界方式の人体通信は、人体が有しているごく微小な静電界を利用して、人体の表面から数cmまでの領域を覆っている静電気層に通信相手が入ってきたときに信号伝達を行うものなので、これを利用したロボットの対人保護装置では、ロボットが作業者の体表面から数cm以内の距離に入るまでは両者の接近を検知できず、ロボットが高速で動作している場合、ロボットと作業者の接近を検知してからロボットを停止させても、両者の衝突を避けられないおそれがある。
また、特許文献2の対人保護装置では、対象となる協働ロボットの使用場所が変わるごとに、その場所の床面に応じた形状の電極を設置する必要があり、その電極の形状変更や設置作業に手間がかかるという問題もある。
そこで、本発明は、協働ロボットの電界方式を利用した対人保護装置において、床面電極を用いない簡単な構成で、ロボットと作業者との接近を検知できる距離を長くすることを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、ロボットとそのロボットの周囲で作業する作業者とが接近したときに、前記ロボットに作業者との接触を回避するための動作(以下、「接触回避動作」と称する。)をさせるロボットの対人保護装置において、前記作業者に保持され、その作業者の体表面近傍に人体の有する静電界よりも大きな絶対値の正負に変動する交流電界を付与する交流電圧付加装置と、前記ロボットに設けられる電極と、前記電極における電圧を計測する計測器とを備え、前記計測器で計測した電圧値に基づいてロボットの制御器へ信号を送りロボットの動作を制御する構成としたのである。
すなわち、従来の人体通信を用いた対人保護装置において、ロボットと作業者との接近を検知できる距離が短いのは、人体表面近傍に通常生じている静電界が微小で、人体の筋肉の動きや周囲の帯電状況に応じて微小な変化はするが、放電しない限りほぼ一定とみなせる帯電状態となっているためと考えられることから、本発明では、作業者に保持されるウェアラブル型の交流電圧付加装置で作業者の体表面近傍の電界に正負に変動する交流電圧を付加して、人体の帯電状態を大きくすることにより、ロボットと作業者との接近を検知できる距離(以下、「最長検知距離」と称する。)が長くなるようにしたのである。
そして、従来方式では、最長検知距離が数cm程度しかないため、ロボットの接触回避動作が実質的に停止動作のみに限定されてしまうのに対し、本発明では、上記のように最長検知距離を長くできるので、ロボットと作業者とが接近したときに、アラームの発信、減速、停止等の接触回避動作のうち、検知された距離に応じた適切な動作をロボットに行わせることができる。
また、人体に付与する電界を直流電界ではなく正負に変動する交流電界としたことで、人体から周辺機器への放電のおそれがなくなり、放電による人体の電界強度の変動をなくすことができ、放電に伴うノイズの発生および周辺機器の故障や誤作動の懸念もなくなる。
ここで、作業者の体表面近傍の電界に付加する交流電圧は、その実効値を人体の通常有するレベルの静電界よりも高くすればよく、具体的には3Vrms〜10Vrmsとすることが望ましい。実効値が3Vrmsよりも低いと十分な検知距離が得られにくく、10Vrmsよりも高いと交流電圧付加装置の消費電力が大きくなって、充電や電池交換等を頻繁に行うことが必要になるからである。そして、実効値を3Vrms〜10Vrmsとすれば、最長検知距離を1m程度とすることが可能となる。
また、交流電圧の周波数は、特に制限されるものではないが、数MHz〜数十MHzとすることが好ましい。数十MHzを超えると、人体がいわばアンテナとなって付加した電圧が外部にノイズとして放出されてしまい、人体に帯電しなくなる懸念があり、数MHz未満では、交流電圧付加装置が大型化して携帯しにくくなりやすいからである。そして、周波数を数MHz〜数十MHzとすれば、数MHz未満のAM波や各種無線、数十MHzを超えるFM放送や無線LAN等の外部要因のノイズとの区別がしやすくなる。したがって、例えば、交流電圧付加装置の周波数の電圧情報だけを検知するように電極と計測器の間にフィルタを設けたり、計測器で周波数解析を行ったりすることにより、ロボットと作業者との接近をより精度よく検知できるようになる。
ところで、上記構成の対人保護装置を採用しても、ロボットの設置場所によっては、床に施されている帯電防止対策や絶縁性の塗装の影響により、計測器側でアースをとってもグランド電位が0Vにならず、交流電圧付加装置と計測器とで基準電位が異なってロボットと作業者との距離の検知が困難になる場合がある。また、作業者側も移動を伴う作業の場合もあり、そもそもアースを取り難い場合もある。さらに、作業者の動作や着衣の材質等の影響によっても検知が困難になることがある。
このような場合には、前記交流電圧付加装置と計測器の少なくとも一方に、前記交流電圧付加装置の周波数の1/4電気長を有するグランド電極を接続しておくことにより、ロボットの設置場所によらず交流電圧付加装置と計測器の基準電位差をなくし、安定して精度よく検知動作を行えるようになる。特に、作業者側のグランド電位は不安定になりやすいことから、交流電圧付加装置のグランド電極を1/4電気長を有するものとすることの効果が大きい。なお、このグランド電極は、作業者が交流電圧付加装置を保持した状態やロボットに設置した状態で、交流周波数の1/4電気長となるように調整して使用することが望ましい。また、必要に応じて、この1/4電気長を有するグランド電極を複数並列に接続して、より安定した検知動作を行えるようにすることもできる。
本発明は、上記のような構成および作用を有するものであるから、前記ロボットが作業者との共同作業を行う協働ロボットである場合に、特に有効に適用することができる。
そして、前記交流電圧付加装置が作業者に複数保持されている構成とすれば、作業者が複数のロボットと接触する可能性がある場合、例えば作業者の両側に協働ロボットが配置された場合にも、各ロボットと作業者との接近をそれぞれ検知することができる。このとき、前記複数の交流電圧付加装置が互いに異なる周波数の交流電圧を付加するものとし、前記計測器でそれぞれの周波数の電圧を計測するようにすれば、それぞれの周波数の電圧を比較することにより、各ロボットと作業者との距離の検知精度の向上や作業者の体勢の推定が可能となり、対人保護のためのロボットの制御をより細やかに行えるようになる。
一方、前記交流電圧付加装置として、帽子型やヘルメット型等、前記作業者の頭部へ装着可能なものを採用すれば、作業者の体の左右で電界強度の差がほとんどなく、ほぼ左右均等に近接検知ができるので、作業者が左右でロボットに接触する可能性がある作業環境でも装着個数が1個で済む等、取り扱いがしやすいものとなる。このとき、前記作業者が1台のロボットの周囲に複数配置される場合は、各作業者に装着される交流電圧付加装置を互いに異なる周波数の交流電圧を付加するものとし、前記計測器でそれぞれの周波数の電圧を計測するようにすることが望ましい。複数の作業者に同一の周波数の交流電圧を付加すると、ロボットと作業者の配置によっては各作業者に帯電させた交流電圧が影響し合ってロボットの電極で検知される電圧値が過大になったり、過小になったりすることがあるからである。
本発明のロボットの対人保護装置は、上述したように、作業者に保持される交流電圧付加装置で作業者の体表面近傍に人体の有する静電界よりも大きな絶対値の正負に変動する交流電界を付与し、ロボットと作業者とが接近したときに、ロボットに設けた電極における電圧を計測器で計測し、その電圧値に基づいてロボットの制御器へ信号を送りロボットの動作を制御するものであるから、従来の人体通信を用いたものよりも最長検知距離が長く、高速で動作するロボットに対しても十分な安全性を確保することができる。
また、作業者の体表面近傍の電界に付加する電圧を正負に変動する交流電圧としたことにより、作業者と周囲の物体との間での放電現象を避けることができ、作業者にも周辺の機器類にも放電被害を発生させることなく安全に使用できるものとなっている。
また、その交流電圧付加装置は作業者に保持され、電極および計測器はロボット側に設けられるので、従来の床面電極を用いたものに比べて構成が簡単であり、ロボットの使用場所が変わっても電極の形状変更や設置作業が不要で、ロボットの移設を効率よく行うことができる。
本発明の対人保護装置の基本構成の説明図 図1の交流電圧付加装置の基本構成の説明図 第1実施形態の対人保護装置を適用したロボットの正面図 図3のロボットと作業者との接近状態での平面的な位置関係の説明図 図3の制御器の制御方法を説明するグラフ 第2実施形態の対人保護装置の適用状態の概略を説明する平面図 (a)、(b)は、それぞれ交流電圧付加装置の変形例(帽子型)の正面図 (a)は交流電圧付加装置の別の変形例(ヘルメット型)の正面図、(b)は(a)の一部切欠き正面図、(c)は(a)、(b)の部品配置を変えた例の正面図 第3実施形態の対人保護装置の適用状態の概略を説明する平面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。本発明のロボットの対人保護装置は、図1に示すように、ロボット1の周囲で作業する作業者2(腕先のみ図示)に保持され、作業者2の体表面近傍の電界に正負に変動する交流電圧を付加する交流電圧付加装置3と、ロボット1に設けられる電極4と、電極4の電圧を計測する計測器5とで基本的に構成されており、その計測器5がロボット1の制御器6に接続されている。その計測器5は、図示のようにグランド電極7が接続されたものとすることが望ましい。また、制御器6には、一般的なモータドライバやコントローラが用いられる。
前記交流電圧付加装置3は、図2に示すように、交流電流付加回路31とこれに接続される電極32およびグランド電極33からなり、その電極32から作業者に交流電圧を付加するウェアラブル機器であり、図1では作業者2の手首に装着されるブレスレット型のものが例示されている。
交流電流付加回路31は、直流電源34と、スイッチ35と、安定化電源回路36と、発振回路37と、RFアンプ回路38とで構成され、そのRFアンプ回路38の出力側に電極32とグランド電極33が接続されている。この例では、直流電源34として9V乾電池を使用し、発振回路37の発振周波数を12MHzとするとともに、発振回路37に供給する電力を安定させるために+3.3Vの安定化電源回路36を組み込んで、作業者2に9V、12MHzの交流電圧が付加されるようにしている。
また、グランド電極33は、交流電流付加回路31への接続部分と先端部を残した中央部を樹脂製ボビン39に巻き付けてコンパクトに配置できるようにしており、作業者2が交流電圧付加装置3を保持した状態で、作業者2に付加する交流電圧周波数(12MHz)の1/4電気長となるように長さ等を調整されている。この1/4電気長のグランド電極33を用いることにより、外部ノイズの影響を低減することができる。
なお、直流電源としては、この例のような乾電池のほか充電池を用いることもできる。また、必要に応じて、直流電源の電圧を任意の大きさまで昇圧または降圧するためのDC−DC電源回路を組み込むこともできる。一方、使用状況によっては、安定化電源回路は省略してもよいし、グランド電極も1/4電気長を有するものとしなくてもよい。
そして、この交流電圧付加装置3の作用によって、作業者2の体表面近傍に人体の有する静電界よりも大きな絶対値の正負に変動する交流電界が付与されている状態で、ロボット1と作業者2とが接近することによりロボット1側の電極4の電圧が高くなると、計測器5が計測した電圧値に応じた対人保護のための制御信号を制御器6に送り、制御器6が計測器5から受信した制御信号に基づいてロボット1を減速させたり、停止させたりするようになっている。
図3乃至図5は本発明の第1実施形態を示す。この第1実施形態の対人保護装置を適用したロボット1は、図3に示すように、下面側に複数のローラ8を有する台車9の上面にロボット本体10と制御器6を取り付けたもので、種々の作業場所へ移動可能な協働ロボットである。また、このロボット1と隣り合う状態で作業する作業者2には、図4に示すように、その手首にブレスレット型の交流電圧付加装置3が装着されている。その交流電圧付加装置3が付加する交流電圧の実効値は3Vrms〜10Vrms、周波数は数MHz〜数十MHzとしている。なお、交流電圧付加装置3には、例えばLEDランプ等を取り付け、電源の電力に問題がないことを表示できるようにしてもよい。
前記ロボット1のロボット本体10は、図3および図4に示すように、台車9の上面に固定されるベース11と、ベース11の上部に水平面内で回動自在に取り付けられる第1アーム12aと、第1アーム12aの先端部に水平面内で回動自在に取り付けられる第2アーム12bとを備えている。そのベース11の上部には第1アーム12aを回動させる第1アクチュエータ13aが内蔵され、第1アーム12aの先端部には第2アーム12bを回動させる第2アクチュエータ13bが内蔵されている。そして、第2アーム12bの先端部にエンドエフェクタ14が取り付けられている。
また、ロボット本体10の第1アーム12aおよび第2アーム12bには、それぞれの上面および両側面に1枚ずつ板状の電極4a、4bが貼り付けられ、それぞれの基端部に各電極4a、4bに接続される計測器5a、5bが内蔵されている。各計測器5a、5bは制御器6およびグランド電極(図示省略)と接続されており、そのグランド電極は交流電圧付加装置3の周波数の1/4電気長を有するものが用いられている。
この対人保護装置は、上述した作業者2側の交流電圧付加装置3と、ロボット1側の電極4a、4b、グランド電極付き計測器5a、5bからなり、ロボット1と作業者2が接近すると、ロボット1側の電極4a、4bの電圧が上昇し、これを計測した計測器5a、5bが電圧値に応じた制御信号をロボット1の制御器6に送り、制御器6がロボット1に作業者2との接触を回避するための動作(接触回避動作)をさせるようになっている。
ここで、図4に示すように作業者2とロボット1(電極4a、4b)との接近距離をAとすると、図5に示すように、その接近距離Aが近くなるほど電極4a、4bで計測される電圧は高くなる。したがって、予め計測器5a、5bに対してロボット1の各部の動作速度に応じた電圧の閾値を設定しておき、計測器5a、5bでは、計測した電圧値と設定した閾値とを比較して、その比較結果に基づく制御信号を制御器6に送るようにすればよい。図5に示した例では、2段階の閾値VT1、VT2を設定し、計測した電圧値がVT1未満であればロボット1に通常運転を続けさせ、VT1とVT2の間にあるときはロボット1を減速させて低速運転とし、VT2を超えればロボット1を停止させるようにしている。また、計測した電圧値が低いときに作業者2に対して警告(アラーム発信)を行ったり、電圧値が高くなったときにロボット1を停止させずに接触回避動作をさせたりすることもできる。
この対人保護装置は、上述したように、作業者2に保持される交流電圧付加装置3で作業者2の体表面近傍に人体の有する静電界よりも大きな絶対値の正負に変動する交流電界を付与し、ロボット1と作業者2とが接近したときに、ロボット1に設けた電極4a、4bにおける電圧を計測器5a、5bで計測し、その電圧値に基づいてロボット1の制御器6へ信号を送りロボット1の動作を制御するようにしたので、従来の人体通信を用いたものよりも最長検知距離が長く、ロボット1が高速で動作する場合も十分な安全性を確保することができる。また、従来の床面電極を用いたものに比べて構成が簡単であり、ロボット1の使用場所が変わっても電極の形状変更や設置作業が不要で、ロボット1の移設を効率よく行うことができる。
この実施形態では、計測器5a、5bが計測した電圧値に応じた制御信号を制御器6に送るようにしたが、計測器5a、5bは電圧値情報のみを制御器6に送り、制御器6の方で受信した電圧値と設定した閾値とを比較し、その比較結果に基づいてロボット1の対人保護の制御を行うようにしてもよい。このとき、制御器6では、各計測器5a、5bから受信した電圧値情報を識別して、作業者2がロボット1の第1アーム12aと第2アーム12bのいずれにどの方向から近づいているかを判断し、アーム12a、12bごとに制御を行うようにするとよい。
一方、作業者2と接近したロボット1の部位を細かく特定する必要がない場合は、1つの計測器で各電極4a、4bの電圧を計測するようにしてもよい。
また、計測器は、この実施形態のようにグランド電極付きのものとして、ロボットの設置場所によらず安定して精度よく検知動作を行えるようにすることが望ましいが、ロボットの設置場所によって計測器自体と交流電圧付加装置の基準電位が大きく異ならないと考えられる場合は、グランド電極を省略してコストの削減を図ることもできる。
また、この実施形態では作業者2の片腕にのみ交流電圧付加装置3を装着したが、このようにすると、交流電圧付加装置によって人体に帯電する電圧(電界強度)は片腕がもう一方の腕よりも高くなり、近接検知できる距離が作業者の左右の腕で異なることになるので、作業者が体の左右両側でロボットに接近する可能性がある場合は、作業者の体の左右(例えば両腕)に交流電圧付加装置を装着して、作業者とロボットの接近状況をより精度よく検知できるようにすることが望ましい。
さらに、上述した第1実施形態の変形例として、交流電圧付加装置3で付加する交流電圧の信号に対して、その周波数よりも高い周波数の信号を重畳したり、信号に応じた変調をかけたりして、信号情報を付加することができる。付加する信号情報としては、例えば接近した作業者を特定可能なID情報があげられる。そして、計測器にフィルタを追加するとともに、計測器に接続される受信機およびデータ保存装置を追加することにより、計測器が計測した電圧から付加された信号情報をフィルタで分離して読み取り、その信号情報をデータとして保存することもできる。このようにすれば、ロボットと作業者の接近を検知したときに、データ保存装置に保存されているデータを照合することにより、接近した作業者をリアルタイムで特定し、その作業者に応じた接触回避動作を行うようにロボットを制御することも可能となる。
図6は第2実施形態の対人保護装置の適用状態を示す。この実施形態は、横長の作業台15に沿って作業者2とロボット(協働ロボット)1’が交互に配置され、左右で隣り合う状態で作業を行う作業現場において、各作業者2および各ロボット1’を適用対象としたものである。この作業現場では、図6に示す仮想線Bよりも左側と右側とでは作業工程が異なっている。
各ロボット1’は、第1実施形態のロボット1に対して、そのベース11の上部に第3アーム12cを第1アーム12aと同一の軸のまわりに水平面内で回動自在に取り付け、第3アーム12cの先端部に第4アーム12dを水平面内で回動自在に取り付けたものである。そして、図示は省略するが、第3、第4アーム12c、12dも第1、第2アーム12a、12dと同様、それぞれアクチュエータで駆動されるようになっており、電極とグランド電極付き計測器が3つずつ取り付けられている。
一方、各作業者2は、両腕(両手首)に1つずつ交流電圧付加装置3を装着している。その交流電圧付加装置3の周波数は作業工程によって異なっており、一方の工程の作業者2と他方の工程の作業者2に挟まれる位置(図6の右側)のロボット1’が、検知した周波数に応じた接触回避動作を行うことにより、左右のいずれの作業者2との衝突も確実に防止できるようになっている。
また、各作業者2の交流電圧付加装置3の周波数を互いに異ならせるようにすれば、各ロボット1’がその左右のいずれの側の作業者2と接触のおそれがあるかを判定して、各ロボット1’により適切な接触回避動作を行わせることができる。
ところで、第1および第2実施形態で用いたようなブレスレット型の交流電圧付加装置は、前述のように、作業者が左右でロボットに接触する可能性がある作業環境では作業者の両腕に装着することが好ましいが、その場合は装着個数が複数となり、取り扱いがやや煩雑となる。
これに対し、交流電圧付加装置として、後述するように作業者の頭部へ装着可能なものを採用すれば、作業者の体の左右で電界強度の差がほとんどなく、ほぼ左右均等に近接検知ができるので、作業者が左右でロボットに接触する可能性がある作業環境でも装着個数が1個で済む等、取り扱いがしやすくなる。
また、グランド電極として1/4電気長を有するものを用いる場合、地面から距離の遠い作業者の頭部へ装着できる形態にすると、特にノイズの影響を受けにくくなる。なお、1/4電気長のグランド電極の先端部は、もう一方の電極および作業者の体表から離れたところに配置できるほど、また作業者の頭頂部に近いところに配置できるほどノイズの低減効果が高くなるため好ましい。
以下、作業者の頭部へ装着できるようにした交流電圧付加装置の例を、図7および図8に基づいて説明する。図7は、つばを有する帽子型の交流電圧付加装置16の例を示す。このうち、図7(a)の例では、帽子17のクラウン部(胴体部)の後部の外側面に交流電流付加回路18を取り付け、帽子17のクラウン部の頭頂部付近の内側面に薄板状の電極19を取り付けている。また、1/4電気長のグランド電極20は、作業者に付加する交流電圧の周波数が12MHzの場合6〜8mの長さになるので、交流電流付加回路18への接続部分および先端部の約70cmを残して中央部を直径12mmの樹脂製ボビンに巻き付けたものを準備し、そのボビン巻付け部20aを帽子17のクラウン部の外側面に固定し、最先端の約15cmを帽子17のつば部に巻き付けている。
また、図7(b)の例は、交流電流付加回路18の取付位置は図7(a)と同じであるが、電極19を帽子17のクラウン部の内側面のスベリ(ヘッドバンド)の位置に取り付けることにより、電極19の作業者頭部への密着性を良くしている。また、1/4電気長のグランド電極20は、そのボビン巻付け部20aを図7(a)と同じく帽子17のクラウン部の外側面に固定し、先端部を地面から最も遠くなる帽子17の頭頂部に向けて巻き付けている。
なお、電極19は、汗による錆に対する対策や、帽子17を被った際のケガ防止のために、表面を樹脂コートしてもよい。また、電圧印加に支障がなければ、帽子17のクラウン部のどこへ配置してもよい。
図8は、ヘルメット型の交流電圧付加装置21の例を示す。このうち、図8(a)、(b)の例では、帽体22の後部の外側面に交流電流付加回路23を取り付け、帽体22内にセットされたハンモック24の頭頂部付近の内側面に電極25を取り付けている。また、1/4電気長のグランド電極26は、そのボビン巻付け部26aを帽体22の外側面に固定し、先端部を帽体22の頭頂部に向けて巻き付けている。
このように、ヘルメット型の交流電圧付加装置21では、電極25とグランド電極26の先端部をいずれも帽体22の頭頂部付近に設けても、両者の間にはハンモック24や衝撃吸収ライナ27が設けられて十分な距離が確保されるので、ノイズの影響が小さい。
また、図8(c)の例は、電極25の取付位置は図8(a)、(b)と同じであるが、交流電流付加回路23およびグランド電極26のボビン巻付け部26aの取付位置を図8(a)、(b)よりも帽体22の頭頂部側へ移し、グランド電極26の先端を帽体22のつば部に配置して電極25との間の距離を広げることにより、ノイズの影響が一層小さくなるようにしている。
図9は第3実施形態の対人保護装置の適用状態を示す。この実施形態は、図6に示した第2実施形態と同じ作業現場の作業者2とロボット1’を適用対象として、各作業者2に図8(a)、(b)に示したヘルメット型の交流電圧付加装置21を装着させたものである。
そして、各作業者2の交流電圧付加装置21の周波数をそれぞれ異なる値にしておき、計測器側では周波数分析を用いて周波数ごとの電圧を測定して、測定された電圧のうちで最も大きい電圧値に応じてロボット1’の動作を制御する制御信号をロボット1’の制御装置に発信することにより、各ロボット1’が、検知した周波数に応じた接触回避動作を行うようにしている。
このとき、各作業者2に付加する交流電圧の周波数をそれぞれ異ならせているので、ロボット1’と作業者2の配置によらず、ロボット1’の電極で検知される電圧値を適切な範囲に抑えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、交流電圧付加装置は、実施形態で説明したブレスレット型のものや帽子型あるいはヘルメット型のものとするほか、カード状に形成して作業者の体の任意の位置(例えば、作業着やベルト等)に取り付けるようにしてもよい。また、電極は、通常はロボットのアーム等の動作部に貼り付けられるが、ロボット本体自体を電極としてもよい。
なお、本発明は、対象となるロボットが上述した各実施形態のような協働ロボットである場合に特に有効に適用できるが、従来の産業用ロボットとその調整作業やメンテナンス等を行う作業者に適用して、作業者がロボットの周囲で作業するときの衝突を防ぐようにすることもできる。
1、1’ ロボット(協働ロボット)
2 作業者
3、16、21 交流電圧付加装置
4、4a、4b (ロボットの)電極
5、5a、5b 計測器
6 制御器
7 (計測器の)グランド電極
10 ロボット本体
12a、12b、12c、12d アーム
17 帽子
18、23、31 交流電流付加回路
19、25、32 (交流電圧付加装置の)電極
20、26、33 (交流電圧付加装置の)グランド電極
22 帽体

Claims (7)

  1. ロボットとそのロボットの周囲で作業する作業者とが接近したときに、前記ロボットに作業者との接触を回避するための動作をさせるロボットの対人保護装置において、
    前記作業者に保持され、その作業者の体表面近傍に人体の有する静電界よりも大きな絶対値の正負に変動する交流電界を付与する交流電圧付加装置と、前記ロボットに設けられる電極と、前記電極における電圧を計測する計測器とを備え、前記計測器で計測した電圧値に基づいてロボットの制御器へ信号を送りロボットの動作を制御することを特徴とするロボットの対人保護装置。
  2. 前記交流電圧付加装置と計測器の少なくとも一方に、前記交流電圧付加装置の周波数の1/4電気長を有するグランド電極が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のロボットの対人保護装置。
  3. 前記ロボットが作業者との共同作業を行う協働ロボットであることを特徴とする請求項1または2に記載のロボットの対人保護装置。
  4. 前記交流電圧付加装置が作業者に複数保持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロボットの対人保護装置。
  5. 前記複数の交流電圧付加装置が互いに異なる周波数の交流電圧を付加するものであり、前記計測器でそれぞれの周波数の電圧を計測することを特徴とする請求項4に記載のロボットの対人保護装置。
  6. 前記交流電圧付加装置が、前記作業者の頭部へ装着可能なものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロボットの対人保護装置。
  7. 前記作業者が1台のロボットの周囲に複数配置され、各作業者に装着される交流電圧付加装置が互いに異なる周波数の交流電圧を付加するものであり、前記計測器でそれぞれの周波数の電圧を計測することを特徴とする請求項6に記載のロボットの対人保護装置。
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