JP2020008370A - 風状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感温素子が熱伝導体に取り付けられると共に配線を介して信号処理回路に接続され、信号処理回路が台座に収容され、台座と熱伝導体を支柱が繋ぐ風状態検出装置において、台座による風状態検出への影響を抑える。【解決手段】風状態検出装置は、空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する複数個の感温素子3−1、…、3−16と、複数個の感温素子が取り付けられる筐体2と、複数個の感温素子に接続された複数本の感温素子配線63と、複数本の配線からの信号に基づいて空気の風向または風速を算出する風向風速算出回路74が実装される信号処理基板7と、信号処理基板を収容する台座11と、台座と筐体とを繋ぐ支柱4と、を備える。台座は、支柱または筐体よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を含み、高熱伝導部は、支柱側の表面から支柱側とは反対側の表面まで繋がる部分を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、風状態検出装置に関するものである。
従来、熱伝導体の表面に配置された感温素子を用いて風の状態を検出する風状態検出装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の風状態検出装置では、熱伝導体の中心にヒータが配置され、熱伝導体の表面の風に触れる複数箇所に感温素子(具体的には熱電対)が取り付けられる。この風状態検出装置では、ヒータが発した熱が熱伝導体を介して感温素子に伝わると共に、風によって感温素子が冷却される。これら感温素子によって検出された温度に基づいて、風向および風速が計測可能になる。
特開2000−019195号公報
発明者の検討によれば、複数個の感温素子から伸びる配線が気流を乱さないようにするためには、複数個の感温素子の近くに信号処理回路を配置することで、配線を減らすことができる。更に発明者は、そのような信号処理回路を収容する台座を設け、この台座と熱伝導体とを支柱で繋ぐことを着想した。発明者は、この場合において、微風の風状態を検出することを検討することにより、2つの課題を見出した。
1つ目の課題は、台座が台座の接地面の温度と異なると、複数個の感温素子の近傍の気流の状態が台座の温度による影響を受けてしまうことである。風状態検出装置が設けられていないときの風の状態を知りたいにもかかわらず、風状態検出装置が存在することによって風の状態が変化してしまうことは、できるだけ抑えたい。
2つ目の課題は、台座から支柱および熱伝導体を介して複数個の感温素子に熱が伝わり易いと、複数個の感温素子の温度が台座の温度による影響を受けてしまうことである。この影響により、風状態の検出結果に誤差が生じてしまう可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、感温素子が熱伝導体に取り付けられると共に配線を介して信号処理回路に接続され、信号処理回路が台座に収容され、台座と熱伝導体を支柱が繋ぐ風状態検出装置において、台座による風状態検出への影響を抑えることを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する複数個の感温素子(3−1、…、3−16)と、前記複数個の感温素子が取り付けられる筐体(2)と、前記複数個の感温素子に接続された複数本の配線(63)と、前記複数本の配線からの信号に基づいて前記空気の風向または風速を算出する算出回路(74)が実装される信号処理基板(7)と、前記信号処理基板を収容する台座(11)と、前記台座と前記筐体とを繋ぐ支柱(4)と、を備え、前記台座は、前記支柱または前記筐体よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を含み、前記高熱伝導部は、前記支柱側の表面から前記支柱側とは反対側の表面まで繋がる部分を含む風状態検出装置である。
このように、支柱または筐体よりも熱伝導率が高い高熱伝導部が支柱側の表面(以下、表側面という)から支柱側とは反対側の表面(以下裏側面という)まで繋がる。したがって、裏側面が風状態検出装置の取付対象に取り付けられた際、裏側面から表側面まで熱が伝わりやすいので、表側面が取付対象の温度と概ね同じになり易い。これにより、風状態検出装置が設けられていないときの風の状態により近い風の状態を実現できる。また、支柱または筐体の熱伝導率が相対的に低いので、高熱伝導部から支柱および筐体を介して感温素子に熱が伝わり難い。したがって、この影響により、風状態の検出結果に誤差が生じてしまう可能性が低減される。すなわち、台座による風状態検出への影響を抑えることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における車両のエンジンルームにおける風向風速計の配置を示す図である。 風向風速計の正面図である。 風向風速計の筐体および感温素子の平面図である。 図3のIV−IV断面図である。 感温素子の拡大図である。 台座の裏側面側から見た信号処理基板および実電子部品を示す平面図である。 風向風速計の電気的構成を示す図である。 風向風速算出回路が実行する処理のフローチャートである。 信号処理基板に実装された電子部品全体の使用電力の経時変化を示すグラフである。 風向風速計の作動時における風向風速計の周囲における気流を示す図である。 第2実施形態における風向風速計の図4と同様の形式の断面図である。 第3実施形態における風向風速計の図4と同様の形式の断面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、車両10は、エンジン114が車両前方に搭載されたエンジン車両である。車両10は、車両ボデー116、車両フード118、エンジン114、シャッター115、クーリングモジュール120等を備えている。
エンジンルーム112は車両ボデー116および車両フード118に取り囲まれることによって形成されている。エンジンルーム112内には、車両10の駆動力を発生する内燃機関であるエンジン114が収容されている。エンジンルーム112の上方は車両フード118で覆われている。
エンジンルーム112の前方は、エンジンルーム112外の空気すなわち外気をエンジンルーム112内に流通させるため、およびエンジンルーム112内の空気を車両10の外に出すために、開口している。すなわち、車両10においてエンジンルーム112の前方には、エンジンルーム112から車両よりも前方の空間に開口した開口孔112aが形成されている。
シャッター115は、開口孔112aにおいて、クーリングモジュール120よりも車両前方側に配置されている。シャッター115は、開閉可能に制御され、開成時には車両よりも前方の空間とエンジンルーム112とを繋ぐ空気通路の開口面積を最大とし、閉成時には当該開口面積を最小とする。
クーリングモジュール120は、車両10に搭載された空調装置の冷媒とエンジン冷却液とを冷却すると共にエンジンルーム112内に送風するユニットであり、エンジンルーム112前方の開口孔112aに設けられている。クーリングモジュール120は、空調用の室外熱交換器122と、エンジン冷却液と空気を熱交換させるラジエータ124と、送風機126とを含んで構成されている。そして、この室外熱交換器122、ラジエータ124、送風機126は、車両前方から順に、室外熱交換器122、ラジエータ124、送風機126の順番で配置されている。そのため、送風機126は、エンジンルーム112内にて空気流れを生じさせると共に、室外熱交換器122およびラジエータ124に空気を流す。
また、エンジン114はエンジンルーム112内に収容されているが、エンジン114とエンジン114の上方に配置された車両フード118との間には、エンジン上部隙間112bが形成されている。このエンジン上部隙間112bはエンジンルーム112内においてエンジン114の前方と後方との間で空気が流通できるように、すなわち、エンジン114の前方の空間と後方の空間112cとをつなぐように形成されている。
送風機126は、車両よりも前方の空間からエンジンルーム112内へエンジンルーム112外の空気を流入させる第1送風方向と、エンジンルーム112内の空気をエンジン114側からシャッター115側へと流す第2送風方向とにそれぞれ送風可能である。例えば、送風機126が軸流ファン等のファンである場合、第1送風方向が実現されるときと第2送風方向が実現されるときのファンの回転方向が逆である。
例えば、冷房時には、シャッター115が開成され、車両よりも前方の空間からクーリングモジュール120および送風機126を通ってエンジンルーム112内に空気が流れる。すなわち、第1送風方向に空気が流れる。そして、この空気との熱交換により、室外熱交換器122内を流れる冷媒が凝縮し、かつ、ラジエータ124内の冷却液が冷却される。
また例えば、暖房時、特に暖房開始時には、シャッター115が閉成され、送風機126よりもエンジン114側の空間から送風機126よりもシャッター115側の空間に空気が流れる。すなわち、第2送風方向に空気が流れる。そして、この空気との熱交換により、室外熱交換器122内を流れる冷媒が加熱されて蒸発し、かつ、ラジエータ124内のエンジン冷却液が加熱される。また例えば、暖房時には、室外熱交換器122を流れる冷媒を十分加熱し、かつ、エンジン冷却液をオーバーヒートさせないよう、シャッター115の開閉が繰り返される。
このように、シャッター115が開閉し、また、第1送風方向と第2送風方向が交互に切り替わることで、エンジンルーム112内の温度分布が大きく変動する。しかもその変動の振る舞いは、エンジンルーム112内の位置によって大きく異なる。従って、エンジンルーム112内の複数の箇所で風速および風向を検出する必要性が生じる。
また、シャッター115の開成時は、車速が大きいとエンジンルーム112内の風速が非常に大きくなる。また、シャッター115の閉成時、および、シャッター115の開成時および車両が停車しているときは、エンジンルーム112内は微風が流れる状態になる。このように、エンジンルーム112内の風速の変動はとても大きく、エンジンルーム112内が強風であっても微風であっても良好に風向および風速を検出できることが望ましい。
図1に示すように、風向風速計1は、エンジンルーム112内で、エンジン114よりも前方かつ送風機126よりも後方に1個、エンジン上部隙間112bに1個、エンジン114よりも後方の空間112cに1個、配置されている。風向風速計1の取り付け先は、エンジンでの外殻を形成する金属壁であってもよいし、エンジンの周囲の他の金属製の部品であってもよい。これら風向風速計1は、すべて同等の構成を有している。以下、これらのうち1つの風向風速計1の構成について説明する。風向風速計1は風状態検出装置に対応する。
図2、図3、図4のように、個々の風向風速計1は、筐体2、16個の感温素子3−1、…、3−16、支柱4、信号引出線6、外気温センサ9、台座11、ヒータカバー31、ヒータ32、ヒータ温度センサ33、ヒータ電源配線62、感温素子配線63を有する。風向風速計1は、筐体2の周囲を流れる風の向きおよび速さを計測し、計測結果を電気信号として出力する。
筐体2は、計測すべき方位に対して断面形状が円形となる電気的絶縁体である。具体的には、筐体2は、樹脂製またはセラミック製の略球形状の、熱を伝導可能な熱伝導体である。ただし、筐体2の内部には、筐体2の中心から筐体2の表面まで台座11に向かって筒状に伸びる孔37が形成されている。
支柱4は、筐体2の下端部に固定された中空の円筒形状の部材である。具体的には、支柱4は、図4に示すように、支柱4の内部空間である中空部と筐体2の孔37とが連通した状態で、筐体2に固定されている。この固定により、支柱4は、筐体2を支える機能を有する。支柱4の他端は、台座11に固定されている。
ヒータカバー31は、ヒータ32を覆う樹脂製またはセラミック製の部材であり、ヒータ32を覆うと共に、孔37の底の部分すなわち筐体2の中心部に配置されている。したがって、ヒータ32およびヒータカバー31は、筐体2の内部、具体的には孔37内に配置されている。このように、孔37は、ヒータ32およびヒータカバー31を受け入れるために形成された孔である。
ヒータ32は、ヒータ電源配線62から給電されることで発熱する。例えば、ヒータ32は、電熱線で構成されていてもよい。ヒータ32の発熱によって発生した熱は、熱伝導によりヒータカバー31、筐体2をこの順に伝わり、筐体2から感温素子3−1、…、3−16に熱伝導により伝わる。
16個の感温素子3−1、…、3−16は、図2、図3、図4に示すように、筐体2の表面に分散して貼り付けられている。これにより、感温素子3−1、…、3−16は、裏面で筐体2と接触すると共に、表面で筐体2の周囲を流れる空気(すなわち外気)に接触する。したがって、感温素子3−1、…、3−16は、外気と熱伝導により熱交換することで、外気から熱的に影響を受ける。
図2、図3に示すように、感温素子3−1、…、3−16の中心位置は、方位角が22.5度ずつずれて0°から337.5°まで等間隔で配置されている。また、図2、図3に示すように、感温素子3−1、…、3−16の中心位置の各々は、極角が−45°、0°、45°のいずれかに配置されており、かつ、方位角が隣り合う感温素子に対して極角が45度ずれて配置されている。また、中心位置の極角が−45°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子は、中心位置の極角が0°である。また、中心位置の極角が45°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子も、中心位置の極角が0°である。また、中心位置の極角が0°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子のうち、一方の感温素子の中心位置の極角が−45°であり、他方の感温素子の中心位置の極角が45°である。
より具体的には、感温素子3−1、3−5、3−9、3−13の各々は、中心位置の極角が−45°となる。また、感温素子3−2、3−4、3−6、3−8、3−10、3−12、3−14、3−16の各々は、中心位置の極角が0°となる。また、感温素子3−3、3−7、3−11、3−15の各々は、中心位置の極角が45°となる。
ここで、極角および方位角は、筐体2の中心を中心とする球面座標表示における極角θおよび方位角φである。より具体的には、ある方向の極角は、その方向とz軸方向が成す角度であり、その方向の方位角は、その方向をx−y平面に射影した方向とx軸方向とが成す角度である。本実施形態では、z軸は、筐体2の中心を通り、図2中上下方向に伸びる軸であり、x軸は当該中心を通りz軸に直交する軸であり、y軸は当該中心を通りz軸およびx軸に直交する軸である。また、x−y平面は、x軸とy軸とを含む平面である。感温素子3−1、…、3−16の各々は、導電性金属から成る。感温素子3−1、…、3−16の各々は、図5に示すように蛇行しながら一端から他端まで伸びている。感温素子3−1、…、3−16の各々は、自己の温度を検出する温度センサとして機能する。
感温素子3−1、…、3−16の各々は、通電されると発熱する電気抵抗であるが、その発熱量は、ヒータ32の発熱量に比べると無視できるほど小さい。したがって、感温素子3−1、…、3−16は、筐体2の周囲を流れる空気以外に由来して当該空気から伝わる熱以外の熱によって、具体的には、ヒータ32によって生成されてヒータカバー31、筐体2を伝導した熱によって、加熱される。感温素子3−1、…、3−16に用いられる金属は、温度が上昇するにつれて電気抵抗値(以下、単に抵抗値という)が増大する。つまり、感温素子3−1、…、3−16は、自己の温度に応じて電気的特性すなわち抵抗値が変化する。例えば、感温素子3−1、…、3−16は、温度が上昇すると抵抗値が高くなる。
台座11は、外形が平板形状の部材であり、内部に平板形状の内部空間が形成されている。台座11の外形を構成する板面(すなわち、最も広い2つの面)のうち、一方側の面(以下、表側面111という)は、支柱4に対向する面、すなわち、台座11を基準として支柱4側の面である。また、台座11の外形を構成する板面のうち、他方側の面(以下、裏側面113という)は、台座11を基準として支柱4とは反対側にある面である。台座11が取付対象12に取り付けられた際、図4に示すように、裏側面113が取付対象12に接触する。
台座11の内部空間よりも支柱4側の壁、すなわち、表側面111が形成された壁には、当該壁を貫通する貫通孔11hが形成されている。支柱4の台座11側の端部は、表側面111に接着、ネジ留め等で固定される。支柱4が台座11に固定された状態において、支柱4の内部空間である中空部と貫通孔11hとが連通し、更に貫通孔11hと台座11の内部空間が連通する。
図4、図6に示す通り、台座11は、内部に信号処理基板7、感温素子電源回路71、AD変換回路72、ヒータ電源回路73、風向風速算出回路74、16個の感温特性検出部X1、…、X16が収容されている。台座11は、第1カバー部11aおよび第2カバー部11bを有している。第1カバー部11aおよび第2カバー部11bは互いに別体に形成される。
第1カバー部11aは、アルミニウム等の金属製の部材である。第1カバー部11aの熱伝導率は、筐体2と比べても支柱4と比べても大きい。第1カバー部11aは、台座11のうち、表側面111を含む壁および側壁から成る。第1カバー部11aの側壁のうち、支柱4とは反対側の端部は、第2カバー部11bの支柱4側の表面に接している。
第2カバー部11bは、アルミニウム等の金属製の部材である。第2カバー部11bの熱伝導率は、筐体2と比べても支柱4と比べても大きく、第1カバー部11aと比べると同じである。第2カバー部11bは、台座11のうち、裏側面113を含む壁から成る。裏側面113に接触する裏側面113の全体が、第2カバー部11bに含まれる。第1カバー部11aの側壁の第2カバー部11b側端面と、第2カバー部11bの支柱4側の面とが、接触して固定される。
図2、図3、図4、図6に示すように、感温素子配線63は感温素子3−1、…、3−16を直列に接続すると共に、感温素子3−1、…、3−16の各々を台座11内の電子部品に接続する導線である。感温素子配線63の一部は、感温素子3−1、…、3−16の両端から伸びて筐体2の表面に配置され、筐体2の表面に沿って伸びる。感温素子配線63の残りの一部は、図4に示すように、筐体2と支柱4の隙間から筐体2の孔37に入る。そして感温素子配線63の当該残りの一部は、孔37に入った後に支柱4の中空部を通り、台座11内の電子部品に接続される。ヒータ電源配線62は、ヒータ32から伸びて、孔37および支柱4の中空部を通った後、台座11内の電子部品に接続される。
信号処理基板7は、台座11の内部空間に収容されたプリント基板であり、例えばガラスエポキシ基板である。信号処理基板7の裏側面113側の表面には、感温素子電源回路71、AD変換回路72、ヒータ電源回路73、風向風速算出回路74、感温特性検出部X1、…、X16等の電子部品が実装されている。信号処理基板7に実装されるすべての電子部品が信号処理基板7の裏側面113側の表面に実装されるのは、配策の都合である。すなわち、ヒータ電源配線62、感温素子配線63が支柱4内の貫通孔41を通って、内部空間中の信号処理基板7の支柱4側に入るので、ヒータ電源配線62、感温素子配線63は信号処理基板7の支柱4側の表面に接続させることが配策上望ましい。そしてその場合、上記電子部品は信号処理基板7の裏側面113側の表面に実装することで、これら部品の端子を信号処理基板7の裏側面113側から支柱4側に出すことができる。このようにすれば、ヒータ電源配線62、感温素子配線63と上記電子部品との位置的な干渉を防止できる。
また、信号処理基板7には、風向風速計1の外部にデジタルデータを出力するための信号引出線6が1本接続されている。信号引出線6の本数は、信号引出線6は、台座11の内部空間から外部に伸びている。
感温素子電源回路71は、感温素子配線63を介して感温素子3−1、…、3−16に電力を供給する回路である。本実施形態では、感温素子電源回路71は定電流源である。AD変換回路72は、信号処理基板7から出力された信号をデジタルデータに変換して信号引出線6に出力する回路である。ヒータ電源回路73は、ヒータ電源配線62に接続され、ヒータ32に電力を供給する回路である。
16個の感温特性検出部X1、…、X16は、それぞれ、感温素子配線63に接続され、感温素子配線63を介して、対応する感温素子3−1、…、3−16に接続されている。各々の感温特性検出部は、対応する感温素子の感温特性を検出して風向風速算出回路74に出力する。感温素子の感温特性とは、当該感温素子の温度に応じて変化する電気的特性に応じた量である。本実施形態における感温素子3−1、…、3−16の感温特性は、当該感温素子3−1、…、3−16の両端にかかる電圧である。すなわち、本実施形態における感温特性検出部X1、…、X16は、電圧計である。感温素子3−1、…、3−1は、自己の温度が変化すると抵抗値が変化する。そして、感温素子3−1、…、3−16には定電流が流れている。したがって、感温素子3−1、…、3−16の両端にかかる電圧は、当該感温素子3−1、…、3−16の温度に応じて変化する電気的特性である。
風向風速算出回路74は、感温特性検出部X1、…、X16によって検出されて出力された感温素子3−1、…、3−16の感温特性等に基づいて筐体2の周囲の風の状態すなわち風向および風速を算出する。そして風向風速算出回路74は、算出した風向および風速に応じた信号をAD変換回路72に出力する。風向風速算出回路74は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータとして実現できる。なお、風向風速算出回路74は、感温特性検出部X1、…、X16の電源のオン、オフを切り替えることができる。
外気温センサ9は、筐体2の近傍に配置され、エンジンルーム112内かつ筐体2の周囲の空気の温度(すなわち外気温)に応じた電気信号を風向風速算出回路74に出力するセンサである。外気温センサ9は、台座11の表側面111に固定されている。
以下、上記のような構成の風向風速計1の作動について説明する。風向風速計1の作動が開始されると、風向風速算出回路74は、図8に示す処理の実行を開始する。風向風速計1の作動開始時は、感温特性検出部X1、…、X16の電源はオフになっている。また、風向風速計1の作動が開始されると、ヒータ電源回路73からヒータ32に電力が供給される。ヒータ電源回路73の使用電力は、一定に維持される。使用電力は単位時間当たりの発熱量に比例する。
風向風速算出回路74は、起動直後、まずステップS105で、変数iにゼロを代入し、続いてステップS110で、変数iの値を1だけ増加させる。これにより変数iの値は1になる。続いて風向風速算出回路74は、ステップS115で、16個の感温特性検出部X1、…、X16のうちi番目の感温特性検出部Xiの電源をオンにする。ここでは、i番目の感温特性検出部Xiは1番目の感温特性検出部X1である。これにより、感温特性検出部X1は作動を開始すると共に電力を消費し始める。すなわち、感温特性検出部X1は、対応する感温素子3−1の感温特性(すなわち、本実施形態では両端にかかる電圧)を検出して風向風速算出回路74に出力し始める。
風向風速算出回路74は、ステップS115に続くS120で、i番目の感温特性検出部Xiによって検出されて出力された感温特性を取得する。この感温特性は、16個の感温素子3−1、…、3−16のうちi番目の感温素子の感温特性である。続いて風向風速算出回路74は、ステップS123で、i番目の感温特性検出部Xiの電源をオフにする。これにより、感温特性検出部X1は作動を停止すると共に電力の消費を終了する。
続いて風向風速算出回路74は、ステップS125で、変数iの値が16であるか否かを判定する。そして、16でなければステップS110に戻る。現時点では変数iの値が1なので、ステップS110に戻る。
その後、変数iが2から16になるまで1ずつ変動しながら、変数iの各値について、上述のステップS110、S115、S120、S1118、S120が1回ずつ繰り返される。そして、各回において、ステップS115でi番目の感温特性検出部がオンし、ステップS120で当該感温特性検出部から感温特性が取得され、ステップS118でi番目の感温特性検出部がオフする。そして、変数iが16になったときのステップS125では、ステップS130に進む。ステップS130に進んだ段階で、信号処理基板7は、感温素子3−1、…、3−16のすべてについて、最新の感温特性を取得した状態となっている。
このように、感温特性検出部X1、…、X16は、1個ずつ順に電源オンおよび電源オフが実行される。したがって、図9の示すように、信号処理基板7に実装されたすべての電子部品の電力使用量211は、1つの感温特性検出部が作動を開始するとその感温特性検出部の使用電力分だけ上昇する。また、電力使用量211は、当該感温特性検出部の作動が停止するとその感温特性検出部の使用電力分だけ減少する。例えば、時点t0において感温特性検出部X1が電源オンして作動を開始すると感温特性検出部X1の使用電力分だけ電力使用量211が上昇する。そして、時点t1において感温特性検出部X1が電源オフして作動を停止すると感温特性検出部X1の使用電力分だけ電力使用量211が減少する。
時点t0から時点t16までの期間において、感温特性検出部X1、…、X16が順番に、かつ、作動している時間の重複なしに、作動開始およびその後の作動停止を行う。作動している時間の重複がないので、信号処理基板7の総使用電力の最大値を低く抑えることができる。なお、信号処理基板7の総使用電力の最大値は、感温特性検出部X1、…、X16のうち1つが作動しているときの総使用電力となっている。すなわち、信号処理基板7の総使用電力に対する感温特性検出部X1、…、X16の使用電力の寄与度は、信号処理基板7に実装された他の部品よりも高い。
もし、感温特性検出部X1、…、X16がすべて同時に作動すると、感温特性検出部X1、…、X16が作動を開始することによって信号処理基板7の総消費電力が上昇する量は、1つの感温特性検出部が作動を開始する場合の256倍となってしまう。これは、各感温特性検出部に流れる電流値が同じである場合の試算である。本実施形態の感温特性検出部X1、…、X16は、すべてが同時に作動しないよう、順番に作動する。したがって、信号処理基板7に実装された電子部品全体の単位時間当たりの発熱量の最大値を低減することができると共に、1つの計測周期における当該電子部品全体の発熱量を低減することができる。
また、感温特性検出部X1、…、X16の個々は、それぞれを用いた感温特性の取得が風向風速算出回路74で行われる直前に作動が始まり、行われた直後に作動が終了する。したがって、感温特性検出部X1、…、X16の作動時間を低く抑えることができる。したがって、1つの計測周期における上記電子部品全体の発熱量を低減することができる。
風向風速算出回路74は、ステップS125からステップS130に進むと、外気温センサ9から出力された最新の信号に基づいて、外気温を算出する。これにより、図9の時間帯W1において、信号処理基板7の総消費電力が、外気温の取得、算出のための作動により、上昇する。時間帯W1は、感温特性検出部X1、…、X16の作動期間と一部分も重複しない。
続いて風向風速算出回路74は、ステップS135で、筐体2の周囲空気の風向および風速を算出する。以下、風向および風速の算出過程について説明する。まず風向風速算出回路74は、ステップS120で取得した、感温素子3−1、…、3−16の感温特性に基づいて、感温素子3−1、…、3−16の各々の温度を特定する。具体的には、風向風速算出回路74は、感温素子3−1、…、3−16の各々について、当該感温素子の感温特性である電圧値に基づいて、当該感温素子の抵抗値を算出する。そして風向風速算出回路74は、算出した抵抗値を、風向風速算出回路74の記憶媒体にあらかじめ記録されている抵抗値−温度テーブルに適用することで、当該感温素子が当該抵抗値を示すときの当該感温素子の温度を特定する。抵抗値−温度テーブルは、抵抗値と、感温素子3−1、…、3−16が当該抵抗値を示すときの当該感温素子の温度との対応関係を表すデータである。
そして風向風速算出回路74は、感温素子3−1、…、3−16の温度の平均値を算出し、算出した平均値とステップS130で取得した外気温との差の絶対値が大きいほど風速が大きくなるよう、あらかじめ記録されたマップ等に基づいて、風速を算出する。
また、風向風速算出回路74は、感温素子3−1、…、3−16の周囲の風向を、以下のような方法で導出する。風向風速算出回路74は、まず、16個の感温素子3−1、…、3−16の温度のうち、低いものから順に5個の温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4、Tx5を抽出する。ここでは、温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4、T5は少なくとも1つの値(例えばすべての値)が異なる値であるとする。
続いて風向風速算出回路74は、抽出した5つの温度に基づいて、風向を算出する。算出方法は、感温素子3−1、…、3−16の各々の温度Tsが以下の式(1)のように極角θ、方位角φの関数で近似されることを利用する。
Ts=a×θ+b×φ+c×θ+d×φ+e (1)
ここで、Tsは、対象となる感温素子の温度、θおよびφは当該感温素子の中心位置の極角および方位角である。またa、b、c、d、eは定数である。
具体的には、風向風速算出回路74は、温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4、Tx5を示した感温素子について、温度、中心位置の極角、中心位置の方位角の3つの値を上記式(1)に代入する。それにより、a、b、c、d、eに関する5つの連立方程式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を得る。
Tx1=a×θ1+b×φ1+c×θ1+d×φ1+e (2)
Tx2=a×θ2+b×φ2+c×θ2+d×φ2+e (3)
Tx3=a×θ3+b×φ3+c×θ3+d×φ3+e (4)
Tx4=a×θ4+b×φ4+c×θ4+d×φ4+e (5)
Tx5=a×θ5+b×φ5+c×θ5+d×φ5+e (6)
風向風速算出回路74は、この連立方程式を解いてa、b、c、d、eを算出する。そして、算出したa、b、c、d、eを式(1)に代入し、更に式(1)の1階全微分がゼロになるθ、φを算出する。風向風速算出回路74は、算出したθ、φの位置から筐体2の中心に向かう方向を、風向として決定する。
このようにして風向および風速を算出すると、風向風速算出回路74は、ステップS140に進む。ステップS140では、ステップS135で算出した風向および風速を示す信号をAD変換回路72に出力する。するとAD変換回路72は、風向風速算出回路74から出力された信号をA/D変換する。そしてAD変換回路72は、風向の情報および風速の情報を含むデジタルデータ信号を信号引出線6に出力する。信号引出線6に出力されたデータ信号は、例えば、車両の外部のコンピュータにて受信される。
ステップS135、S140における作動により、図9の時間帯W2において、信号処理基板7の総消費電力が、外気温の取得、算出のための作動により、上昇する。時間帯W2は、感温特性検出部X1、…、X16の作動期間とも時間帯W1とも一部分も重複しない。
ステップS140の後、風向風速算出回路74はステップS105に戻る。このように、ステップS105からステップS104までの処理によって実現する作動が、1つの計測周期において実現する。そして、風向風速算出回路74がステップS105からステップS104までの処理を繰り返し実行することにより、この計測周期が繰り返し実現されていく。
以下、上記のような風向風速計1の作動中における、風向風速計1およびその周囲における熱の状態および空気の状態について説明する。
本実施形態では、感温素子配線63がエンジンルーム112内の信号処理基板7まで伸び、信号処理基板7からエンジンルーム112外には1本の信号引出線6が伸びている。このように、感温素子3−1、…、3−16の近くに信号処理基板7を配置することで、配線を減らすことができる。したがって、感温素子3−1、…、3−16から伸びる感温素子配線63の束がエンジンルーム112内の気流を乱す可能性が軽減される。発明者は、この場合において、微風の風状態を検出することを検討することにより、2つの課題を見出した。
1つ目の課題は、本実施形態とは異なり、台座が台座の接地面の温度と異なると、複数個の感温素子の近傍の気流の状態が台座の温度による影響を受けてしまうことである。風状態検出装置が設けられていないときの風の状態を知りたいにもかかわらず、風状態検出装置が存在することによって風の状態が変化してしまうことは、できるだけ抑えたい。
2つ目の課題は、本実施形態とは異なり、台座から支柱および熱伝導体を介して複数個の感温素子に熱が伝わり易いと、複数個の感温素子の温度が台座の温度による影響を受けてしまうことである。この影響により、風状態の検出結果に誤差が生じてしまう可能性がある。
本実施形態では、取付対象12に接触している第1カバー部11aの熱伝導率は、信号処理基板7と比べても、支柱4と比べても、筐体2と比べても、高い。同様に、第1カバー部11aに接触している第1カバー部11aの熱伝導率も、信号処理基板7と比べても、支柱4と比べても、筐体2と比べても、高い。本実施形態では、台座11の全体が、筐体2よりも支柱4よりも信号処理基板7よりも熱伝導が高いので、高熱伝導部である。また、高熱伝導部は、台座11の表側面111から裏側面113まで繋がる部分を含む。
このように、筐体2、支柱4、信号処理基板7よりも熱伝導率が高い高熱伝導部が台座11の表側面111から裏側面113まで繋がる。したがって、裏側面113が風向風速計1の取付対象12に取り付けられた際、裏側面113から表側面111まで熱が伝わりやすいので、表側面111が取付対象12の温度と概ね同じになり易い。
エンジンルーム112内では、風向風速計1の取付対象12が高温になることが多い。例えば、車両が走行後に停止した場合、エンジンは高温の状態で、エンジンルーム112内の空気は微風状態となる。このような状況では、裏側面113を車両上下方向下方に向いた状態で裏側面113が取付対象12(例えばエンジン)に固定されていれば、取付対象12の表面から、図10示すような上昇気流S1、S2が発生する。そして、上述の通り、表側面111が取付対象12の温度と概ね同じになり易いので、表側面111からも、上昇気流S1、S2と同様の上昇気流S3、S4が発生する。つまり、台座11にも、周囲と同じ自然対流が起こる。これにより、風向風速計1が設けられていないときの風の状態により近い風の状態を実現できる。
また、支柱4および筐体2の熱伝導率が高熱伝導部に比べて相対的に低いので、高熱伝導部から支柱4および筐体2を介して感温素子3−1、…、3−16に熱が伝わり難い。したがって、この影響により、風状態の検出結果に誤差が生じてしまう可能性が低減される。すなわち、台座11による風状態検出への影響を抑えることができる。
また、信号処理基板7の熱伝導率が高熱伝導部に比べて相対的に低いので、信号処理基板7に実装されている電子部品を取付対象12の熱から保護することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して、台座11の構成が変更されている。本実施形態の台座11の形状は、第1実施形態と同じである。ただし、本実施形態の台座11が有する第1カバー部11a、第2カバー部11bは、第1実施形態と異なる。
第1カバー部11aおよび第2カバー部11bは互いに別体に形成される。第1カバー部11aの材質は、第1実施形態と同じである。第1カバー部11aは、台座11のうち、表側面111を含む壁および側壁から成る。第1カバー部11aの側壁のうち、支柱4とは反対側の端部は、第2カバー部11bではなく取付対象12の表面に接している。
第2カバー部11bは、樹脂、セラミック等の部材である。第2カバー部11bの熱伝導率は、第1カバー部11aと比べると小さい。第2カバー部11bは、台座11のうち、裏側面113を含む壁から成る。裏側面113に接触する裏側面113のうち、その外周部を除く一部が、第2カバー部11bに含まれる。第1カバー部11aの側壁の第2カバー部11b側端と、第2カバー部11bの側面とが、接触して固定される。第2カバー部11bは、信号処理基板7に実装される感温特性検出部X1、…、X16、感温素子電源回路71、AD変換回路72、ヒータ電源回路73、風向風速算出回路74と取付対象12との間に介在する。本実施形態の高熱伝導部は、第1カバー部11aの全体を含み、第2カバー部11bを含まない。すなわち、第2カバー部11bは高熱伝導部を含まない。
このようになっている場合、熱伝導率が高い第1カバー部11aは、取付対象12から熱伝導により直接熱を受けるので表側面111は、取付対象12と同等の温度になりやすい。しかも、第2カバー部11bは第1カバー部11aに比べて熱伝導率が低いので、取付対象12からの熱の移動量が少ない。したがって、第2カバー部11bが取付対象12に取り付けられたとき、感温特性検出部X1、…、X16、感温素子電源回路71、AD変換回路72、ヒータ電源回路73、風向風速算出回路74を取付対象12の熱から保護することができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、断熱層15が追加されている。断熱層15は、信号処理基板7の裏側面113側の表面と第2カバー部11bとの間に封入されている。信号処理基板7の裏側面113側の表面は、感温特性検出部X1、…、X16、感温素子電源回路71、AD変換回路72、ヒータ電源回路73、風向風速算出回路74等の電子部品が実装された実装面である。また、第2カバー部11bは、台座11のうち上記実装面と対向する対向壁である。断熱層15の熱伝導率は、第2カバー部11bよりも熱伝導率が低い。
このようになっていることで、高温となっている取付対象12の熱が信号処理基板7へ直接放射される可能性が低減される。したがって、信号処理基板7に実装されている電子部品を取付対象12の熱から保護することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、感温素子3−1、…、3−16の各々は、温度に応じて抵抗値が変化する素子であった。しかし、感温素子は、そのようなものに限られず、自己の温度に応じて電気的特性が変化する素子ならばどのようなものでもよい。例えば、感温素子3−1、…、3−16は、熱電対であってもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、風向風速計1は車両に搭載されているが、車両以外の環境で、取付対象が高温かつ微風の環境に搭載されていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態において、ヒータ32は廃されてもよい。その場合、感温素子3−1、…、3−16は、感温素子3−1、…、3−16自体が通電によって発した熱によって温度が上昇する。
(変形例4)
上記実施形態では、感温素子3−1、…、3−16の数は16個設けられている。しかし、感温素子の数は16個より多くてもよいし少なくてもよい。感温特性検出部X1、…、X16の個数についても同様である。
(変形例5)
上記実施形態においては、風状態検出装置の一例として、風向と風速の両方を計測する風向風速計1が例示されている。しかし、上記実施形態の風向風速計1は、風向のみを計測する風向計に置き換えられてもよいし、風速のみを計測する風速計に置き換えられてもよい。風向計も風速計も、風状態検出装置に該当する。
(変形例6)
上記実施形態では、ヒータ32の使用電力(すなわち単位時間当たりの発熱量)が一定である例が示されている。しかし、ヒータ32は、使用電力が一定となっていなくてもよい。例えば、ヒータ32の温度と外気温の温度差が一定になるように、ヒータ32の使用電力がフィードバック制御されてもよい。また例えば、感温素子3−1、…、3−16の温度の平均値と外気温との温度差が一定になるように、ヒータ32の使用電力がフィードバック制御されてもよい。
このように、ヒータ32の使用電力が経時敵に変化する場合でも、1つの計測周期における信号処理基板7に実装された電子部品全体の発熱量は、当該計測周期におけるヒータ32の発熱量よりも、低い。
(変形例7)
上記実施形態における感温特性検出部X1、…、X16は、それぞれ、感温素子3−1、…、3−16の両端にかかる電圧を感温特性として検出しているが、かならずしもこのようになっていなくてもよい。例えば、感温素子電源回路71が定電流回路ではなく定電圧回路である場合、感温特性検出部X1、…、X16は、それぞれ、感温素子3−1、…、3−16に流れる電流値を感温特性として検出してもよい。
(変形例7)
上記実施形態では、感温特性検出部X1、…、X16は、どの2つを取っても作動時間が一部も重ならないようになっている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。感温特性検出部X1、…、X16のうち、作動時間が部分的に重なる組み合わせがあったとしても、結果的に、信号処理基板7に実装された電子部品全体の1計測周期に亘る消費電力がヒータ32の1計測周期に亘る消費電力よりも低ければよい。
(変形例8)
上記実施形態では、筐体2も支柱4も、台座11の高熱伝導部よりも熱伝導率が低くなっている。しかし、筐体2および支柱4のうち筐体2だけが台座11の高熱伝導部よりも熱伝導率が低くなっていてもよい。例えば、支柱4が金属製であってもよい。あるいは、筐体2および支柱4のうち支柱4だけが台座11の高熱伝導部よりも熱伝導率が低くなっていてもよい。これらいずれの場合も、台座11から支柱4、筐体2を介して感温素子3−1、…、3−16に伝わる熱の量を低減することができる。
(変形例9)
上記実施形態では、信号処理基板7が台座11の高熱伝導部よりも熱伝導率が低くなっている。しかし、信号処理基板7に実装されている電子部品を保護する必要性が低ければ、信号処理基板7が台座11の高熱伝導部と同じか高い熱伝導率を有していてもよい。
(変形例10)
上記第3実施形態における、第1実施形態に対する変更点は、第2実施形態に対する変更点として適用してもよい。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、台座は、支柱または筐体よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を含み、高熱伝導部は、支柱側の表面から支柱側とは反対側の表面まで繋がる部分を含む。
また、第2の観点によれば、高熱伝導部は、信号処理基板よりも熱伝導率が高い。このように、信号処理基板の熱伝導率が相対的に低いので、信号処理基板に実装されている電子部品を保護することができる。
また、第3の観点によれば、台座は、信号処理基板の筐体側を覆う第1カバー部と、信号処理基板の前記筐体側とは反対側を覆う第2カバー部と、を備え、第1カバー部は高熱伝導部を含み、第2カバー部は高熱伝導部を含まずに第1カバー部よりも熱伝導率が低い。このようになっていることで、第2カバー部が取付対象に取り付けられたときに、信号処理基板に実装されている電子部品を取付対象の熱から保護することができる。
また、第4の観点によれば、信号処理基板において電子部品が実装されている側の実装面と、台座のうち実装面と対向する対向壁との間に、対向壁よりも熱伝導率が低い断熱層を、風状態検出装置が備える。このようになっていることで、対向壁が取付対象に取り付けられたときに、信号処理基板に実装されている電子部品を取付対象の熱から保護することができる。
また、第5の観点によれば、風状態検出装置は、筐体の内部に配置されて発熱するヒータを備え、ヒータが発熱しているときにおいて、信号処理基板に実装されているすべての電子部品の発熱量は、ヒータの発熱量よりも小さい。このようになっていることで、信号処理基板に実装されている電子部品の発熱による周囲への影響を低減することができる。
また、第6の観点によれば、風状態検出装置は、信号処理基板に実装されて、複数個の感温素子の電気的特性に応じた量をそれぞれが検出する複数個の感温特性検出部を備え、複数個の感温特性検出部は、すべてが同時に作動しないよう、順番に作動する。このようになっていることで、信号処理基板に実装された電子部品全体の発熱量の最大値を低減することができる。
1 風向風速計
2 筐体
4 支柱
7 信号処理基板
11 台座
63 感温素子配線

Claims (6)

  1. 流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する複数個の感温素子(3−1、…、3−16)と、
    前記複数個の感温素子が取り付けられる筐体(2)と、
    前記複数個の感温素子に接続された複数本の配線(63)と、
    前記複数本の配線からの信号に基づいて前記空気の風向または風速を算出する算出回路(74)が実装される信号処理基板(7)と、
    前記信号処理基板を収容する台座(11)と、
    前記台座と前記筐体とを繋ぐ支柱(4)と、を備え、
    前記台座は、前記支柱または前記筐体よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を含み、
    前記高熱伝導部は、前記支柱側の表面から前記支柱側とは反対側の表面まで繋がる部分を含む風状態検出装置。
  2. 前記高熱伝導部は、前記信号処理基板よりも熱伝導率が高い請求項1に記載の風状態検出装置。
  3. 前記台座は、前記信号処理基板の前記筐体側を覆う第1カバー部(11a)と、
    前記信号処理基板の前記筐体側とは反対側を覆う第2カバー部(11b)と、を備え、
    前記第1カバー部は前記高熱伝導部を含み、前記第2カバー部は前記高熱伝導部を含まずに前記第1カバー部よりも熱伝導率が低い請求項1または2に記載の風状態検出装置。
  4. 前記信号処理基板において電子部品(71〜74、X1〜X16)が実装されている側の実装面と、前記台座のうち実装面と対向する対向壁(11b)との間に、前記対向壁よりも熱伝導率が低い断熱層(15)を備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載の風状態検出装置。
  5. 前記筐体の内部に配置されて発熱するヒータ(32)を備え、
    前記ヒータが発熱しているときにおいて、前記信号処理基板に実装されているすべての電子部品(71〜74、X1〜X16)の発熱量は、前記ヒータの発熱量よりも小さい請求項1ないし4のいずれか1つに記載の風状態検出装置。
  6. 前記信号処理基板に実装されて、前記複数個の感温素子の電気的特性に応じた量をそれぞれが検出する複数個の感温特性検出部(X1〜X16)を備え、
    前記複数個の感温特性検出部は、すべてが同時に作動しないよう、順番に作動する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の風状態検出装置。
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