JP2020008195A - 床下空調システム - Google Patents

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小林 裕昌
Hiromasa Kobayashi
裕昌 小林
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Abstract

【課題】 建物の仕様に基づく導入制限が緩和され、かつ、良好な空調を可能とする床下空調システムを提供すること。【解決手段】 本発明では、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムにおいて、前記床板は、前記通気口と異なる位置に、当該床板を境にして前記空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成され、前記空調装置は、設置された状態で床上に吸い込み口を有し床下に吹き出し口を有するように配置されるようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の居室の温度を調節する床下空調システムに関する。
従来、居室に温風を吹き付ける空調装置に代えて、床下の空気を暖めて床面から暖気が自然に上昇するようにすることで居室全体を均等に暖める床下空調システムが提案されている。
従来、床下空調システムとして、例えば、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空調した空気を床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口と、その通気口の近傍に暖めた空気を輸送する案内管とを備えた床下空調システムが知られている(特許文献1)。
特許文献1の床下空調システムによれば、空気を輸送する案内管を備えていることから、床下で暖めた空気を通気口の近傍に的確に案内でき、床上の空間を効果的に暖めることが可能となる。
特開2000−171047号公報
従来の床下空調システムにあっては、床下の空間に空調装置が設置されることから、床下の空間の高さ寸法が空調装置の高さ寸法より小さい場合には導入できないという導入制限があった。
また、空調装置の空調制御に用いられる温度センサは、損傷の防止や煩わしさの解消の観点から、空調装置の内部に設けられるのが通常である。
従来の床下空調システムにあっては、空調装置が床下に設置されることから温度センサの位置が床下となり、居室の温度を正確に捉えることができずに空調が良好に行われない場合があった。
また、従来の床下空調システムにあっては、吸い込み口を含む空調装置の全体が床下に配置されることから、床面に舞い降りた粉塵やゴミが吸い込み口に向けて降下して吸入されやすく、吸い込み口の目詰まりによる空調不良が生じやすい。
なお、従来の床下空調システムにあっては、空調装置が床下となることから、吸い込み口の目詰まり解消のためのメンテナンスも容易ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、建物の仕様に基づく導入制限が緩和され、かつ、良好な空調を可能とする床下空調システムを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムにおいて、前記床板は、前記通気口と異なる位置に、当該床板を境にして前記空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成され、前記空調装置は、設置された状態で床上に吸い込み口を有し床下に吹き出し口を有するように配置されることを特徴とする。
「床上の空間」は、居室や居室と連通するその他のスペースであり、少なくとも空調装置の吸い込み口が床上から突出可能なスペースであれば足りる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の床下空調システムに関するもので、前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間を埋める閉塞板を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の閉塞板に関するもので、前記閉塞板は、前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間に取り外し可能に嵌め込まれ、当該閉塞板の上面部に掴むことができる把持部を有することを特徴とする。
「把持部」は、閉塞板と別体として設けられ又は閉塞板の一部として形成され、閉塞板の上面部よりも上方に突設され、閉塞板の上面部のみの場合と比較して閉塞板を取り外しやすくなる部分である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空調装置に関するもので、前記空調装置は、当該空調装置の空調制御に用いられ、本体部の筐体外方であって床上に配置された温度センサを有することを特徴とする。
「本体部の筐体外方」は、本体部の筐体から離れた位置又は本体部の筐体の外側面部である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の床下空調システムに関するもので、前記建物の居室間で空気の循環を促す空気循環用ファンを備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の床下空調システムに関するもので、前記建物の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず且つ前記建物の床下に木炭が設けられるとともに、前記基礎の基礎スラブ内側底面部の一部又は全部を残して基礎を被覆する断熱材が設けられた床下蓄熱構造を備えることを特徴とする。
「基礎」は、地盤に面して広がる基礎スラブのほか、基礎スラブの外周縁部等から立ち上がる基礎立ち上げ部が設けられる場合は、この基礎立ち上げ部も含む。
「断熱材」は、基礎よりも断熱効果の高い材料であればよく、例えば、基礎がコンクリートであれば、コンクリートよりも断熱効果の高いものであればよい。
請求項1に発明によれば、床板に形成された通気口と空気を空調して床下に吹き出す空調装置とを備えていることから、例えば、暖房の場合にあっては、空調装置で暖められて床下に吹き出された暖気は、建物の通気口を介して床下から床上に向かって流れ込むだけでなく、その暖気によって床面を床下から暖めることができる。
このため、壁に装着したり床面に置いて使用する空調装置のように吹き出し口が床上となる空調装置では得られない空調効果、即ち、床面から放出される温熱又は冷熱を利用した居室の温度ムラのない均等な空調が可能となる。なお、暖気は、比重により上昇していくため、本発明に係る床下空調システムは、居室の暖房に好適である。
また、本発明によれば、床板を境にして空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成されているため、床下の空間の高さ寸法が空調装置の高さ寸法よりも小さい場合であっても、空調装置を設置し床下空調システムを導入できる。
また、本発明によれば、床下から床上に空調装置を突出させて配置できることにより、従来の床下空調システムのように空調装置に内蔵される温度センサが床下の空間に埋没してしまう不具合を解消でき、居室の温度を正確に捉えて良好な空調が可能となる。
また、本発明によれば、床上に吸い込み口を有するものであるため、床面に舞い降りた粉塵やゴミが吸い込み口に吸入され難く、吸い込み口の目詰まりによる空調性能の低下を抑制でき良好な空調を維持しやすい。
なお、従来の床下空調システムと異なり、吸い込み口が床上となることから、目詰まり解消のためのメンテナンスも容易となる。
その結果、請求項1に記載の発明よれば、建物の仕様に基づく導入制限が緩和され、かつ、良好な空調が可能となる床下空調システムが実現する。
また、請求項2に係る発明によれば、空調装置の設置時に生じうる隙間を埋める閉塞板により、空調された空気が前記隙間から漏れ出にくいものとなる。
従って、本発明によれば、床面が床下から効果的に暖められ又は冷やされやすくなり、床面の温熱又は冷熱を利用した居室の温度ムラのない均等な空調の効果が高められる。
また、請求項3に係る発明によれば、閉塞板が取り外し可能であるため、空調装置の吹き出し口の目詰まり解消などのメンテナンスや空調装置の交換の際に空調装置を取り出しやすいものとなる。
ここで、前記閉塞板と床面との間で段差が生じないようにして居住者のつまずき転倒を防止して安全性を高め、また、空調装置と床板との間の隙間を可能な限り無くして床面を床下から効果的に暖めるようにすると、閉塞板が取り外しにくくなってしまい、空調装置のメンテナンスや交換が困難となってしまう。
これに対し、本発明によれば、閉塞板に把持部が設けられるため、閉塞板を取り外しやすいものとなっている。従って、本発明によれば、段差を解消して安全性を高めたり可能な限り隙間を無くして効果的に床面を暖め又は冷やすことと、空調装置のメンテナンスや交換の容易化との両立を図ることができる。
また、請求項4に係る発明によれば、空調装置の空調制御に用いられる温度センサが本体部の筐体外方であって床上に配置されていることから、空調装置の内部に設けられた温度センサと比較し、居室の温度をより正確に捉えることが可能となり、以って空調がより良好に行われるようになる。
また、請求項5に係る発明によれば、居室間の空気の循環を促す空気循環用ファンにより、2階層以上の建物であっても、空調された空気が床下から或いは1階居室から上階に向けて送り込まれやすくなり、建物全体をより良好に空調することができる。
また、居室を冷房したい場合であっても、空気循環用ファンによって冷気を上階に案内しやすくなり、暖房と冷房のいずれであっても効果的な空調機能を発揮する床下空調システムが実現する。
また、請求項6に係る発明によれば、建物の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず床下の空間が密室状となるため、空調装置の吹き出し口から床下に吹き出された暖気や冷気が建物外部に漏れにくく、より効果的に床面を暖め又は冷やして居室を空調することができる。
また、床下に木炭が設けられているため、床下の空間を密室状としても床下の湿気が炭材に吸収され床下が調湿される。
従って、本発明によれば、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖め又は冷やして居室を空調できるとともに、木炭の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となる。
また、請求項6に係る発明によれば、基礎が基礎スラブ内側底面部の一部ないし全部を残して断熱材で覆われているため、床下に吹き出された熱の一部は、断熱材で覆われない領域を介して基礎スラブの内部に蓄積される。
通常、電力会社は、昼夜問わず安定して電力を供給しなければならない一方で、夜間は極端に電力使用量が低下する傾向がある。そのため、電力会社は、夜間の電気料金を下げて発電した電力を捨てずに有効に活用してもらう仕組みを採ることが多いのが実情である。
このような実情において、通常の電気料金となる日中に空調装置を稼働停止させ又は低出力で稼働させ、電気料金が安くなる夜間に空調装置を稼働させて基礎スラブに蓄積しておいた熱を補完的に利用することが可能となる。
従って、請求項6に係る発明によれば、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖め又は冷やして居室を空調できるとともに、木炭の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となるだけでなく、基礎スラブを蓄熱槽とし、夜間電力の有効活用による空調コストの低減も図ることが可能となる。
図1は本発明に係る床下空調システムの一実施形態を示す図であり、床下空調システムが適用された建物の縦断面図である。 図2は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を示す図であり、図1の部分拡大図である。 図3は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、床板の構造を示す図である。 図4は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、閉塞板の構造を示す図である。 図5は本実施形態の床下空調システムを構成する閉塞板の斜視図である。
添付図面を参照して、本発明に係る床下空調システムを実施形態に基づき詳細に説明する。
本実施形態の床下空調システムは、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムである。
図1は本実施形態の床下空調システムが適用された建物の縦断面図であり、図2は図1のP部拡大図である。図1に示すように、本実施形態の床下空調システム10は、2階立て戸建住宅型の建物50に適用されている。
床下空調システム10は、図1及び図2に示すように、床板11、通気口12、空調装置13、設置板14、閉塞板15、基礎16、断熱材17、17・・、及び木炭塊18,18・・により構成されている。
図3は図2の空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、図2の閉塞板15を取り外した状態を示したものである。
図3に示すように、床下空調システム10の床板11は、図2に示す壁51と接触しない開口部111を有している。この開口部111を利用し、図2に示すように、床板11を境にして空調装置13を床上と床下に跨って設置可能となっている。
床下空調システム10の通気口12は、図1に示すように、空調装置13が設けられる建物50の外壁51と対面する反対側の外壁52に隣接した位置に形成されている。
床下空調システム10の空調装置13は、図2に示すように、その本体部131が設置された状態で床上に吸い込み口132を有し床下に吹き出し口133を有するように配置されている。
空調装置13の本体部131は、図2に示すように、外壁51の内側に取り付けられた木製の設置板14に固定されている。本体部131と設置板14の間に隙間が形成されないように、本体部131と設置板14は互いに密着している。
空調装置13は、図3に示すように、この空調装置13の空調制御に用いられ、本体部131の筐体外方であって床上に配置された温度センサ134を有している。なお、この温度センサ134は、サーミスタにより構成されている。
空調装置13の温度センサ134は、図3に示すように、空調装置13の本体部131をその側面部から上面部に亘って取り囲むようにして収納する木製の収納体30の内側面部31に取り付けられている。
なお、収納体30の前面を覆うガラリ式の引き戸(図示省略)が用意されており、空調装置13による空気の吸い込みを阻害しないようにしつつ、空調装置13を覆い隠すことが可能となっている。
図4は図2の空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、図5は空調装置設置場を構成する閉塞板の斜視図である。
床下空調システム10の閉塞板15は、図4に示すように、平板材151及び把持部152を有している。
閉塞板15の平板材151は、図5に示すように、全体としてコの字状に形成されており、図3に示す空調装置13の本体部131が設置された状態で残る床板11の開口部111(隙間40)を埋める形状及び寸法が設定されている。
また、平板材151は、図5に示す端部156,156が図2に示す設置板14に密着するように形成されている。即ち、平板材151は、図3に示す隙間40を完全に閉塞するように構成されている。
なお、平板材151は、図4示すように、床板11と空調装置13との間に形成される隙間40(図3)に嵌め込まれた状態で、その上面部155と床面112の間で段差が生じないように形成されている。
閉塞板15の把持部152は、図4及び図5に示すように、平板材151の上面部155のうち手前となる空調装置13の前方側の中央部に設けられ、掴むことができる金属製の取っ手により構成されている。
床下空調システム10の基礎16は、図1に示すように、地盤80に面して広がり建物50を支える鉄筋コンクリートの基礎スラブ161と、この基礎スラブ161の外周縁部から立ち上がる基礎立ち上げ部162により構成されている。床板11と基礎16とで囲まれた領域である床下は、空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられていない。
床下空調システム10の断熱材17,17・・は、発泡ポリスチレンにより構成されており、基礎スラブ161の外側前面と基礎立ち上げ部162の内側及び外側を被覆している。
床下空調システム10の木炭塊18,18・・は、夫々、細かく砕かれた木炭を1つの塊状に集合させて構成されており、床下において基礎スラブ161の上面部から持ち上げられた状態で間隔を置いて数か所に載置されている。
なお、建物50は、図1に示すように、2階天井53は主としてセルロースを用いた断熱材が設けられており、1階外壁上部54は発泡プラスチックとセルロースを用いた断熱材で被覆されている。
また、建物50は、空気清浄装置55が設けられており、床下に新鮮な外気を24時間常時取り込むようになっている。空気清浄装置55の配管56は、基礎立ち上げ部162を貫通して設けられているが、貫通口と配管56の間に隙間が形成されないようにシールされており、建物50の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口とならないようになっている。
次に、床下空調システム10の効果を説明する。
例えば、1階居室61や2階居室62を暖房する場合、床下空調システム10の空調装置13を暖房モードで稼働させる。
1階居室61の空気73は、空調装置13に取り込まれ、温風71となって床下に吹き出される。
空調装置13から吹き出された温風71は、床板11を温めながら床下を移動し、空調装置13が設置された外壁51と対向する反対側の外壁52に隣接して設けられた通気口12から1階居室61に出ていく。
その際、通気口12は、空調装置13が設置された外壁51と対向する反対側の外壁52に隣接して設けられていることから、床下における温風71の拡散範囲が最大限確保され床板11が略全体に亘って暖められる。
温風71によって全体に亘って温められた床板11から暖気72が上昇し、1階居室61が温度ムラなく均等に暖められる。
なお、通気口12から出た温風71は、1階居室61を温めながら2階居室62へと上昇していき、また、床板11から上昇する暖気72も2階居室62へと上昇していくため、2階居室62も暖められる。
また、床下空調システム10によれば、空調装置13の設置時に生じうる隙間40を埋める閉塞板15により、隙間40から温風61が漏れ難くなっている。
このため、床下空調システム10によれば、床面が床下から効果的に暖められ、床面の温熱を利用した1階居室61の温度ムラのない均等な空調の効果が高められる。
また、床下空調システム10によれば、閉塞板15が取り外し可能であるため、空調装置13の吹き出し口133の目詰まり解消などのメンテナンスや空調装置13の交換の際に空調装置13を取り出し可能となる。
また、閉塞板15に把持部152が設けられているため、閉塞板15を取り外しやすい。従って、床下空調システム10によれば、床板11と閉塞板15との間の段差を解消して安全性を高め且つ可能な限り隙間を無くして効果的に床面を暖めることと、空調装置13のメンテナンスや交換の容易化との両立を図ることができる。
また、床下空調システム10によれば、空調装置13の空調制御に用いられる温度センサ134が本体部131の筐体外方であって床上に配置されていることから、空調装置13の本体部131の内部に設けられた温度センサと比較し、1階居室61の温度をより正確に捉えることが可能となり、以って暖房がより良好に行われるようになる。
また、床下空調システム10によれば、建物50の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず床下の空間が密室状となるため、空調装置13の吹き出し口133から床下に吹き出された温風71が建物外部に漏れにくく、より効果的に床面を暖めて1階居室61や2階居室62を暖房することができる。
また、床下に木炭塊18,18・・が設けられているため、床下の空間を密室状としても床下の湿気が炭材に吸収され床下が調湿される。このため、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖めることができるとともに、木炭塊18,18・・の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となる。
また、床下空調システム10によれば、基礎16が基礎スラブ161の内側底面部を残して断熱材17,17・・で覆われているため、床下に吹き出された温風71による熱の一部は、17,17・・で覆われない領域を介して基礎スラブ161の内部に蓄積される。
また、床下空調システム10によれば、通常の電気料金となる日中に空調装置13を稼働停止させ又は低出力で稼働させ、電気料金が安くなる夜間に空調装置13を稼働させて基礎スラブ161に蓄積しておいた熱を補完的に利用することが可能となる。
なお、木炭塊18,18・・は、床下にて基礎スラブ161から持ち上げられた状態で設置されているため、温風71の基礎スラブ161への移行が阻害されることがなく、基礎スラブ161に熱が効果的に蓄積される。
以上、本発明に係る床下空調システムを1つの実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、本実施形態に限られるものではない。
例えば、建物の2階床板に1階居室と2階居室の間で空気の循環を促す空気循環用ファンを備えるようにしてもよい。このように構成することにより、空調された空気が1階居室から2階居室に向けて送り込まれやすくなり、建物全体をより良好に空調することができるようになる。
また、居室を冷房したい場合であっても、空気循環用ファンによって冷気を床下から1階居室に又は1階居室から2上居室に案内しやすくなり、暖房と冷房のいずれであっても効果的な空調機能を発揮する。
本発明は、良好な空調を可能とする床下空調システムであるから、広く産業上の可能性を有している。
10…空調システム
11…床板
111…開口部
112…床面
12…通気口
13…空調装置
131…本体部
132…吸い込み口
133…吹き出し口
134…温度センサ
14…設置板
15…閉塞板
151…平板材
152…把持部
153…内周面部
154…外周面部
155…上面部
156…端部
16…基礎
161…基礎スラブ
162…基礎立ち上げ部
17…断熱材
18…木炭塊
30…収納体
31…内側面部
40…隙間
50…建物
51,52…外壁
53…2階天井
54…1階外壁上部
55…空気清浄装置
56…配管
61…1階居室
62…2階居室
71…温風
72…暖気
本発明は、建物の居室の温度を調節する床下空調システムに関する。
従来、居室に温風を吹き付ける空調装置に代えて、床下の空気を暖めて床面から暖気が自然に上昇するようにすることで居室全体を均等に暖める床下空調システムが提案されている。
従来、床下空調システムとして、例えば、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空調した空気を床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口と、その通気口の近傍に暖めた空気を輸送する案内管とを備えた床下空調システムが知られている(特許文献1)。
特許文献1の床下空調システムによれば、空気を輸送する案内管を備えていることから、床下で暖めた空気を通気口の近傍に的確に案内でき、床上の空間を効果的に暖めることが可能となる。
特開2000−171047号公報
従来の床下空調システムにあっては、床下の空間に空調装置が設置されることから、床下の空間の高さ寸法が空調装置の高さ寸法より小さい場合には導入できないという導入制限があった。
また、空調装置の空調制御に用いられる温度センサは、損傷の防止や煩わしさの解消の観点から、空調装置の内部に設けられるのが通常である。
従来の床下空調システムにあっては、空調装置が床下に設置されることから温度センサの位置が床下となり、居室の温度を正確に捉えることができずに空調が良好に行われない場合があった。
また、従来の床下空調システムにあっては、吸い込み口を含む空調装置の全体が床下に配置されることから、床面に舞い降りた粉塵やゴミが吸い込み口に向けて降下して吸入されやすく、吸い込み口の目詰まりによる空調不良が生じやすい。
なお、従来の床下空調システムにあっては、空調装置が床下となることから、吸い込み口の目詰まり解消のためのメンテナンスも容易ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、建物の仕様に基づく導入制限が緩和され、かつ、良好な空調を可能とする床下空調システムを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムにおいて、前記床板は、前記通気口と異なる位置に、当該床板を境にして前記空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成され、前記空調装置は、設置された状態で床上に吸い込み口を有し床下に吹き出し口を有するように配置され、前記床板と前記床板下方に設置された基礎との間に空調風を放出し、前記建物の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず且つ前記建物の床下に木炭が設けられるとともに、基礎スラブ内側底面部の一部又は全部を残して前記基礎を被覆する断熱材が設けられた床下蓄熱構造を備え、
前記空調装置を用いて前記床下に蓄熱し、前記床下から前記床上へ空調風を流通させ、 記床下及び前記床上を含め、建物全体を空調することを特徴とする。
「床上の空間」は、居室や居室と連通するその他のスペースであり、少なくとも空調装置の吸い込み口が床上から突出可能なスペースであれば足りる。
「基礎」は、地盤に面して広がる基礎スラブのほか、基礎スラブの外周縁部等から立ち上がる基礎立ち上げ部が設けられる場合は、この基礎立ち上げ部も含む。
「断熱材」は、基礎よりも断熱効果の高い材料であればよく、例えば、基礎がコンクリートであれば、コンクリートよりも断熱効果の高いものであればよい。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の床下空調システムに関するもので、前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間を埋める閉塞板を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の閉塞板に関するもので、前記閉塞板は、前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間に取り外し可能に嵌め込まれ、当該閉塞板の上面部に掴むことができる把持部を有することを特徴とする。
「把持部」は、閉塞板と別体として設けられ又は閉塞板の一部として形成され、閉塞板の上面部よりも上方に突設され、閉塞板の上面部のみの場合と比較して閉塞板を取り外しやすくなる部分である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空調装置に関するもので、前記空調装置は、当該空調装置の空調制御に用いられ、本体部の筐体外方であって床上に配置された温度センサを有することを特徴とする。
「本体部の筐体外方」は、本体部の筐体から離れた位置又は本体部の筐体の外側面部である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の床下空調システムに関するもので、前記建物の居室間で空気の循環を促す空気循環用ファンを備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記木炭は、前記基礎スラブの上面部から持ち上げられて設置されていることを特徴とする。
請求項1に発明によれば、床板に形成された通気口と空気を空調して床下に吹き出す空調装置とを備えていることから、例えば、暖房の場合にあっては、空調装置で暖められて床下に吹き出された暖気は、建物の通気口を介して床下から床上に向かって流れ込むだけでなく、その暖気によって床面を床下から暖めることができる。
このため、壁に装着したり床面に置いて使用する空調装置のように吹き出し口が床上となる空調装置では得られない空調効果、即ち、床面から放出される温熱又は冷熱を利用した居室の温度ムラのない均等な空調が可能となる。なお、暖気は、比重により上昇していくため、本発明に係る床下空調システムは、居室の暖房に好適である。
また、本発明によれば、床板を境にして空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成されているため、床下の空間の高さ寸法が空調装置の高さ寸法よりも小さい場合であっても、空調装置を設置し床下空調システムを導入できる。
また、本発明によれば、床下から床上に空調装置を突出させて配置できることにより、従来の床下空調システムのように空調装置に内蔵される温度センサが床下の空間に埋没してしまう不具合を解消でき、居室の温度を正確に捉えて良好な空調が可能となる。
また、本発明によれば、床上に吸い込み口を有するものであるため、床面に舞い降りた粉塵やゴミが吸い込み口に吸入され難く、吸い込み口の目詰まりによる空調性能の低下を抑制でき良好な空調を維持しやすい。
なお、従来の床下空調システムと異なり、吸い込み口が床上となることから、目詰まり解消のためのメンテナンスも容易となる。
その結果、請求項1に記載の発明よれば、建物の仕様に基づく導入制限が緩和され、かつ、良好な空調が可能となる床下空調システムが実現する。
また、床下に木炭が設けられているため、床下の空間を密室状としても床下の湿気が炭材に吸収され床下が調湿される。
従って、本発明によれば、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖め又は冷やして居室を空調できるとともに、木炭の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となる。
また、請求項6に係る発明によれば、基礎が基礎スラブ内側底面部の一部ないし全部を残して断熱材で覆われているため、床下に吹き出された熱の一部は、断熱材で覆われない領域を介して基礎スラブの内部に蓄積される。
通常、電力会社は、昼夜問わず安定して電力を供給しなければならない一方で、夜間は極端に電力使用量が低下する傾向がある。そのため、電力会社は、夜間の電気料金を下げて発電した電力を捨てずに有効に活用してもらう仕組みを採ることが多いのが実情である。
このような実情において、通常の電気料金となる日中に空調装置を稼働停止させ又は低出力で稼働させ、電気料金が安くなる夜間に空調装置を稼働させて基礎スラブに蓄積しておいた熱を補完的に利用することが可能となる。
従って、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖め又は冷やして居室を空調できるとともに、木炭の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となるだけでなく、基礎スラブを蓄熱槽とし、夜間電力の有効活用による空調コストの低減も図ることが可能となる。
また、請求項2に係る発明によれば、空調装置の設置時に生じうる隙間を埋める閉塞板により、空調された空気が前記隙間から漏れ出にくいものとなる。
従って、本発明によれば、床面が床下から効果的に暖められ又は冷やされやすくなり、床面の温熱又は冷熱を利用した居室の温度ムラのない均等な空調の効果が高められる。
また、請求項3に係る発明によれば、閉塞板が取り外し可能であるため、空調装置の吹き出し口の目詰まり解消などのメンテナンスや空調装置の交換の際に空調装置を取り出しやすいものとなる。
ここで、前記閉塞板と床面との間で段差が生じないようにして居住者のつまずき転倒を防止して安全性を高め、また、空調装置と床板との間の隙間を可能な限り無くして床面を床下から効果的に暖めるようにすると、閉塞板が取り外しにくくなってしまい、空調装置のメンテナンスや交換が困難となってしまう。
これに対し、本発明によれば、閉塞板に把持部が設けられるため、閉塞板を取り外しやすいものとなっている。従って、本発明によれば、段差を解消して安全性を高めたり可能な限り隙間を無くして効果的に床面を暖め又は冷やすことと、空調装置のメンテナンスや交換の容易化との両立を図ることができる。
また、請求項4に係る発明によれば、空調装置の空調制御に用いられる温度センサが本体部の筐体外方であって床上に配置されていることから、空調装置の内部に設けられた温度センサと比較し、居室の温度をより正確に捉えることが可能となり、以って空調がより良好に行われるようになる。
また、請求項5に係る発明によれば、居室間の空気の循環を促す空気循環用ファンにより、2階層以上の建物であっても、空調された空気が床下から或いは1階居室から上階に向けて送り込まれやすくなり、建物全体をより良好に空調することができる。
また、居室を冷房したい場合であっても、空気循環用ファンによって冷気を上階に案内しやすくなり、暖房と冷房のいずれであっても効果的な空調機能を発揮する床下空調システムが実現する。
また、請求項6に係る発明によれば、木炭は、床下にて基礎スラブから持ち上げられた状態で設置されているため、温風の基礎スラブへの移行が阻害されることがなく、基礎スラブに熱が効果的に蓄積される。
図1は本発明に係る床下空調システムの一実施形態を示す図であり、床下空調システムが適用された建物の縦断面図である。 図2は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を示す図であり、図1の部分拡大図である。 図3は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、床板の構造を示す図である。 図4は本実施形態の床下空調システムにおける空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、閉塞板の構造を示す図である。 図5は本実施形態の床下空調システムを構成する閉塞板の斜視図である。
添付図面を参照して、本発明に係る床下空調システムを実施形態に基づき詳細に説明する。
本実施形態の床下空調システムは、建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムである。
図1は本実施形態の床下空調システムが適用された建物の縦断面図であり、図2は図1のP部拡大図である。図1に示すように、本実施形態の床下空調システム10は、2階立て戸建住宅型の建物50に適用されている。
床下空調システム10は、図1及び図2に示すように、床板11、通気口12、空調装置13、設置板14、閉塞板15、基礎16、断熱材17、17・・、及び木炭塊18,18・・により構成されている。
図3は図2の空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、図2の閉塞板15を取り外した状態を示したものである。
図3に示すように、床下空調システム10の床板11は、図2に示す壁51と接触しない開口部111を有している。この開口部111を利用し、図2に示すように、床板11を境にして空調装置13を床上と床下に跨って設置可能となっている。
床下空調システム10の通気口12は、図1に示すように、空調装置13が設けられる建物50の外壁51と対面する反対側の外壁52に隣接した位置に形成されている。
床下空調システム10の空調装置13は、図2に示すように、その本体部131が設置された状態で床上に吸い込み口132を有し床下に吹き出し口133を有するように配置されている。
空調装置13の本体部131は、図2に示すように、外壁51の内側に取り付けられた木製の設置板14に固定されている。本体部131と設置板14の間に隙間が形成されないように、本体部131と設置板14は互いに密着している。
空調装置13は、図3に示すように、この空調装置13の空調制御に用いられ、本体部131の筐体外方であって床上に配置された温度センサ134を有している。なお、この温度センサ134は、サーミスタにより構成されている。
空調装置13の温度センサ134は、図3に示すように、空調装置13の本体部131をその側面部から上面部に亘って取り囲むようにして収納する木製の収納体30の内側面部31に取り付けられている。
なお、収納体30の前面を覆うガラリ式の引き戸(図示省略)が用意されており、空調装置13による空気の吸い込みを阻害しないようにしつつ、空調装置13を覆い隠すことが可能となっている。
図4は図2の空調装置設置場を床上から見た正面方向の斜視図であり、図5は空調装置設置場を構成する閉塞板の斜視図である。
床下空調システム10の閉塞板15は、図4に示すように、平板材151及び把持部152を有している。
閉塞板15の平板材151は、図5に示すように、全体としてコの字状に形成されており、図3に示す空調装置13の本体部131が設置された状態で残る床板11の開口部111(隙間40)を埋める形状及び寸法が設定されている。
また、平板材151は、図5に示す端部156,156が図2に示す設置板14に密着するように形成されている。即ち、平板材151は、図3に示す隙間40を完全に閉塞するように構成されている。
なお、平板材151は、図4示すように、床板11と空調装置13との間に形成される隙間40(図3)に嵌め込まれた状態で、その上面部155と床面112の間で段差が生じないように形成されている。
閉塞板15の把持部152は、図4及び図5に示すように、平板材151の上面部155のうち手前となる空調装置13の前方側の中央部に設けられ、掴むことができる金属製の取っ手により構成されている。
床下空調システム10の基礎16は、図1に示すように、地盤80に面して広がり建物50を支える鉄筋コンクリートの基礎スラブ161と、この基礎スラブ161の外周縁部から立ち上がる基礎立ち上げ部162により構成されている。床板11と基礎16とで囲まれた領域である床下は、空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられていない。
床下空調システム10の断熱材17,17・・は、発泡ポリスチレンにより構成されており、基礎スラブ161の外側前面と基礎立ち上げ部162の内側及び外側を被覆している。
床下空調システム10の木炭塊18,18・・は、夫々、細かく砕かれた木炭を1つの塊状に集合させて構成されており、床下において基礎スラブ161の上面部から持ち上げられた状態で間隔を置いて数か所に載置されている。
なお、建物50は、図1に示すように、2階天井53は主としてセルロースを用いた断熱材が設けられており、1階外壁上部54は発泡プラスチックとセルロースを用いた断熱材で被覆されている。
また、建物50は、空気清浄装置55が設けられており、床下に新鮮な外気を24時間常時取り込むようになっている。空気清浄装置55の配管56は、基礎立ち上げ部162を貫通して設けられているが、貫通口と配管56の間に隙間が形成されないようにシールされており、建物50の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口とならないようになっている。
次に、床下空調システム10の効果を説明する。
例えば、1階居室61や2階居室62を暖房する場合、床下空調システム10の空調装置13を暖房モードで稼働させる。
1階居室61の空気73は、空調装置13に取り込まれ、温風71となって床下に吹き出される。
空調装置13から吹き出された温風71は、床板11を温めながら床下を移動し、空調装置13が設置された外壁51と対向する反対側の外壁52に隣接して設けられた通気口12から1階居室61に出ていく。
その際、通気口12は、空調装置13が設置された外壁51と対向する反対側の外壁52に隣接して設けられていることから、床下における温風71の拡散範囲が最大限確保され床板11が略全体に亘って暖められる。
温風71によって全体に亘って温められた床板11から暖気72が上昇し、1階居室61が温度ムラなく均等に暖められる。
なお、通気口12から出た温風71は、1階居室61を温めながら2階居室62へと上昇していき、また、床板11から上昇する暖気72も2階居室62へと上昇していくため、2階居室62も暖められる。
また、床下空調システム10によれば、空調装置13の設置時に生じうる隙間40を埋める閉塞板15により、隙間40から温風61が漏れ難くなっている。
このため、床下空調システム10によれば、床面が床下から効果的に暖められ、床面の温熱を利用した1階居室61の温度ムラのない均等な空調の効果が高められる。
また、床下空調システム10によれば、閉塞板15が取り外し可能であるため、空調装置13の吹き出し口133の目詰まり解消などのメンテナンスや空調装置13の交換の際に空調装置13を取り出し可能となる。
また、閉塞板15に把持部152が設けられているため、閉塞板15を取り外しやすい。従って、床下空調システム10によれば、床板11と閉塞板15との間の段差を解消して安全性を高め且つ可能な限り隙間を無くして効果的に床面を暖めることと、空調装置13のメンテナンスや交換の容易化との両立を図ることができる。
また、床下空調システム10によれば、空調装置13の空調制御に用いられる温度センサ134が本体部131の筐体外方であって床上に配置されていることから、空調装置13の本体部131の内部に設けられた温度センサと比較し、1階居室61の温度をより正確に捉えることが可能となり、以って暖房がより良好に行われるようになる。
また、床下空調システム10によれば、建物50の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず床下の空間が密室状となるため、空調装置13の吹き出し口133から床下に吹き出された温風71が建物外部に漏れにくく、より効果的に床面を暖めて1階居室61や2階居室62を暖房することができる。
また、床下に木炭塊18,18・・が設けられているため、床下の空間を密室状としても床下の湿気が炭材に吸収され床下が調湿される。このため、床下を密室状にしてより効果的に床面を暖めることができるとともに、木炭塊18,18・・の調湿作用により床下の防カビや木質構造体の坊腐朽が可能となる。
また、床下空調システム10によれば、基礎16が基礎スラブ161の内側底面部を残して断熱材17,17・・で覆われているため、床下に吹き出された温風71による熱の一部は、17,17・・で覆われない領域を介して基礎スラブ161の内部に蓄積される。
また、床下空調システム10によれば、通常の電気料金となる日中に空調装置13を稼働停止させ又は低出力で稼働させ、電気料金が安くなる夜間に空調装置13を稼働させて基礎スラブ161に蓄積しておいた熱を補完的に利用することが可能となる。
なお、木炭塊18,18・・は、床下にて基礎スラブ161から持ち上げられた状態で設置されているため、温風71の基礎スラブ161への移行が阻害されることがなく、基礎スラブ161に熱が効果的に蓄積される。
以上、本発明に係る床下空調システムを1つの実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、本実施形態に限られるものではない。
例えば、建物の2階床板に1階居室と2階居室の間で空気の循環を促す空気循環用ファンを備えるようにしてもよい。このように構成することにより、空調された空気が1階居室から2階居室に向けて送り込まれやすくなり、建物全体をより良好に空調することができるようになる。
また、居室を冷房したい場合であっても、空気循環用ファンによって冷気を床下から1階居室に又は1階居室から2上居室に案内しやすくなり、暖房と冷房のいずれであっても効果的な空調機能を発揮する。
本発明は、良好な空調を可能とする床下空調システムであるから、広く産業上の可能性を有している。
10…空調システム
11…床板
111…開口部
112…床面
12…通気口
13…空調装置
131…本体部
132…吸い込み口
133…吹き出し口
134…温度センサ
14…設置板
15…閉塞板
151…平板材
152…把持部
153…内周面部
154…外周面部
155…上面部
156…端部
16…基礎
161…基礎スラブ
162…基礎立ち上げ部
17…断熱材
18…木炭塊
30…収納体
31…内側面部
40…隙間
50…建物
51,52…外壁
53…2階天井
54…1階外壁上部
55…空気清浄装置
56…配管
61…1階居室
62…2階居室
71…温風
72…暖気

Claims (6)

  1. 建物の床下から床上に向かって空調された空気が流れるように、空気を空調して床下に吹き出す空調装置と、床下の空間と床上の空間とが連通するように床板に形成された通気口とを備える床下空調システムにおいて、
    前記床板は、前記通気口と異なる位置に、当該床板を境にして前記空調装置を床上と床下に跨って設置可能に構成され、
    前記空調装置は、設置された状態で床上に吸い込み口を有し床下に吹き出し口を有するように配置されることを特徴とする床下空調システム。
  2. 前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間を埋める閉塞板を備えることを特徴とする請求項1に記載の床下空調システム。
  3. 前記閉塞板は、前記床板と前記空調装置との間に形成される隙間に取り外し可能に嵌め込まれ、当該閉塞板の上面部に掴むことができる把持部を有することを特徴とする請求項2に記載の床下空調システム。
  4. 前記空調装置は、当該空調装置の空調制御に用いられ、本体部の筐体外方であって床上に配置された温度センサを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の床下空調システム。
  5. 前記建物の居室間で空気の循環を促す空気循環用ファンを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の床下空調システム。
  6. 前記建物の床下に空気が自然に外部へ抜け出す換気口が設けられず且つ前記建物の床下に木炭が設けられるとともに、前記基礎の基礎スラブ内側底面部の一部又は全部を残して基礎を被覆する断熱材が設けられた床下蓄熱構造を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の床下空調システム。
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