JP2020003025A - フロントフォーク - Google Patents

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Shigekazu Kawada
繁和 河田
俊彦 坂脇
Toshihiko Sakawaki
俊彦 坂脇
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Abstract

【課題】 ピストン速度が低速域にある場合であっても、圧側の減衰力が不足するのを防止できるフロントフォークを提供する。【解決手段】 フロントフォークFが、筒状であって車輪側のアウターチューブ1内に設けられ、上端が車体側のインナーチューブ2内に移動可能に挿入されるとともに、外周側の液室Lと、内側から上側にかけて形成されるリザーバ室Rとを仕切るシリンダ3と、インナーチューブ2に設けられて液室Lを伸側室L1と圧側室L2とに区画するピストン部20と、圧側室L2とリザーバ室Rとを連通する圧側オリフィス6と、圧側室L2内又はリザーバ室R内にチョーク通路8を形成するチョーク部材7とを備えている。【選択図】 図2

Description

本発明は、フロントフォークの改良に関する。
従来、鞍乗型車両の前輪を懸架するフロントフォークは、アウターチューブと、このアウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材を備えている。さらに、フロントフォークの中には、アウターチューブを車輪側に、インナーチューブを車体側に設けた、いわゆる正立型のフロントフォークがある(例えば、特許文献1)。
そして、そのような正立型のフロントフォークでは、アウターチューブの内側にシリンダを設けてこれらの間に形成される液室と、シリンダの内側からその上側にかけて形成されるリザーバ室とを仕切るとともに、インナーチューブの下端に設けたピストン部で液室を伸側室と圧側室とに区画している。また、シリンダには、伸側室とリザーバ室とを連通する伸側オリフィスと、圧側室とリザーバ室とを連通する圧側オリフィスが形成されている。
上記構成によれば、フロントフォークの伸長時には、伸側室の液体が伸側オリフィスを通ってリザーバ室へ移動して、その液体の流れに付与される抵抗に起因する伸側の減衰力が発生する。反対に、フロントフォークの収縮時には、圧側室の液体が圧側オリフィスを通ってリザーバ室へ移動して、その液体の流れに付与される抵抗に起因する圧側の減衰力が発生する。
特開平9−217780号公報
従来のフロントフォークでは、圧側の減衰力は、シリンダに形成された圧側オリフィスの大きさの変更により調節される。しかしながら、収縮時におけるピストン部の速度(ピストン速度)に対する減衰力の特性(減衰力特性)は、図7に示すように、オリフィス特有の二乗特性となる。このため、たとえ圧側オリフィスを小さくしたとしても、ピストン速度が低速域にある場合の減衰力を大きくするのが難しく、低速域での圧側の減衰力が不足することがある。
そこで、本発明は、このような問題を解決するために創案されたものであり、ピストン速度が低速域にある場合であっても、圧側の減衰力が不足するのを防止できるフロントフォークの提供を目的とする。
上記課題を解決するフロントフォークは、筒状であって車輪側のアウターチューブ内に設けられ、上端が車体側のインナーチューブ内に移動可能に挿入されるとともに、外周側の液室と、内側から上側にかけて形成されるリザーバ室とを仕切るシリンダと、インナーチューブに設けられて液室を伸側室と圧側室とに区画するピストン部と、圧側室とリザーバ室とを連通するオリフィスと、圧側室内又はリザーバ室内にチョーク通路を形成するチョーク部材とを備えている。
上記構成によれば、フロントフォークの収縮時に液体がオリフィスとチョーク通路を通過して、これらの抵抗によって圧力損失が生じ、圧側の減衰力が発生する。そして、フロントフォークの収縮時においてピストン速度が低速域にある場合には、チョーク通路による圧力損失が支配的となり、圧側の減衰力が比例特性となる。このため、低速域での圧側の減衰力を大きくできるので、低速域において圧側の減衰力が不足するのを防止できる。
また、上記フロントフォークでは、チョーク通路がシリンダとチョーク部材との間にできる隙間、又はチョーク部材に形成された孔により形成されているとよい。これらの構成によれば、チョーク通路を容易に形成できる。
また、上記フロントフォークでは、チョーク部材がシリンダ内に配置されているとよい。当該構成によれば、フロントフォークの収縮時にはチョーク通路がオリフィスの下流に配置されるので、液体がこれらを滞りなく通過しやすくなる。さらには、チョーク部材がフロントフォークのストロークの妨げにならないので、チョーク部材を設けたことでフロントフォークのストローク長を確保できなくなったり、フロントフォークが軸方向に嵩張ったりするのを防止できる。
また、上記フロントフォークでは、チョーク通路の圧側室側の開口がオリフィスのリザーバ室側の開口と対向しない位置であって、そのオリフィスの開口よりも上側に配置されているとよい。当該構成によれば、液体がオリフィスとチョーク通路との間を滞りなく行き来しやすくなる。
また、上記フロントフォークでは、チョーク部材がアウターチューブとシリンダとを連結するボルトに取り付けられているとよい。当該構成によれば、チョーク通路をリザーバ内の所定の位置に容易に形成できる。さらには、チョーク部材の着脱が容易であるので、チョーク部材の交換による減衰力のチューニングを容易にできる。
本発明のフロントフォークによれば、ピストン速度が低速域にある場合であっても、圧側の減衰力が不足するのを防止できる。
本発明の一実施の形態に係るフロントフォークの取付状態を簡略化して示した側面図である。 本発明の一実施の形態に係るフロントフォークの縦断面図である。 図2の一部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るフロントフォークの減衰力特性図である。 本発明の一実施の形態に係るフロントフォークにおけるチョーク部材の第一の変形例を示し、そのチョーク部材部分を拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るフロントフォークにおけるチョーク部材の第二の変形例を示し、そのチョーク部材部分を拡大して示した縦断面図である。 従来のフロントフォークの減衰力特性図である。
以下に本発明の実施の形態のフロントフォークについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。また、フロントフォークが車両に取り付けられた状態での上下を、特別な説明がない限り、単に「上」「下」という。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFは、鞍乗型車両Vにおいて前輪Wを懸架する懸架装置である。鞍乗型車両とは、鞍に跨るような姿勢で乗車するタイプの車両全般のことであり、オートバイ、スクータ、自転車等が含まれる。本発明に係るフロントフォークは、如何なる鞍乗型車両に搭載されていてもよい。
つづいて、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの具体的な構造について説明する。フロントフォークFは、アウターチューブ1とインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材Tを備えている。さらに、フロントフォークFは正立型であり、アウターチューブ1の上側開口からインナーチューブ2が摺動自在に挿入されている。
そして、アウターチューブ1には、車輪側ブラケットBWが一体に設けられており、アウターチューブ1は、その車輪側ブラケットBWを介して前輪Wの車軸に連結される。その一方、インナーチューブ2は、その上端部に連結される車体側ブラケットBBを介して車体Bに連結される。
このように、フロントフォークFは、アウターチューブ1を前輪(車輪)W側へ、インナーチューブ2を車体B側へ向けて配置され、車体Bと前輪Wの車軸との間に介装されている。そして、鞍乗型車両Vが凹凸のある路面を走行する等して前輪Wが上下に振動すると、インナーチューブ2がアウターチューブ1に出入りしてフロントフォークFが伸縮する。
つづいて、インナーチューブ2の上端開口は、キャップ(図示せず)で塞がれている。その一方、アウターチューブ1は、図2に示すように有底筒状であり、アウターチューブ1の下側開口はその底部1aで塞がれている。さらに、アウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間は、オイルシール10とダストシール11により塞がれている。このようにしてチューブ部材T内は密閉空間とされており、そのチューブ部材T内に液体と気体が封入されている。
また、アウターチューブ1の底部1aには、シリンダ3がボルト30で連結されている。このシリンダ3は、筒状部3aと、この筒状部3aの先端から径方向外側へ張り出す環状のバルブケース部3bとを含む。そして、筒状部3aがアウターチューブ1の中心部に軸方向に沿うように起立して、そのバルブケース部3bがインナーチューブ2の内側に軸方向へ移動自在に挿入されている。
このシリンダ3により、チューブ部材T内は、バルブケース部3bの下側であって筒状部3aの外周側に形成される筒状の液室Lと、筒状部3aの内側から筒状部3a及びバルブケース部3bの上側にかけて形成されるリザーバ室Rとに仕切られている。さらに、シリンダ3の外周側の液室Lは、インナーチューブ2の下端部に設けられるピストン部20によって上側の伸側室L1と下側の圧側室L2とに区画されている。
また、ピストン部20の上側には、伸切ばね21が積層されている。そして、この伸切ばね21は、フロントフォークFの最伸長時にピストン部20とバルブケース部3bとの間で圧縮されて、最伸長時の衝撃を緩和する。なお、図2に示す伸切ばね21は、コイルばねであるが、コイルばね以外のばねでもよい。また、伸切ばね21に替えて、クッションラバー等を設け、このクッションラバーでフロントフォークFの最伸長時の衝撃を緩和してもよい。
また、バルブケース部3bの上側には、懸架ばねSが積層されている。この懸架ばねSの上端は、インナーチューブ2の上端を塞ぐキャップ(図示せず)で支えられている。このため、本実施の形態の懸架ばねSは、シリンダ3とインナーチューブ2との間に介装されているといえる。
そして、インナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入してフロントフォークFが収縮すると、懸架ばねSの圧縮量が大きくなり、当該圧縮に抗する懸架ばねSの弾性力が大きくなる。このように、懸架ばねSは、その圧縮量に見合った弾性力を発揮するようになっており、フロントフォークFを伸長方向へ附勢して車体Bを弾性支持するようになっている。
なお、懸架ばねSの配置は、図示する限りではなく、適宜変更できる。例えば、懸架ばねSは、インナーチューブ2の下端とアウターチューブ1の底部1aとの間に介装されていてもよい。さらに、本実施の形態の懸架ばねSは、コイルばねであるが、エアばね等のコイルばね以外のばねでもよい。
つづいて、伸側室L1と圧側室L2には、それぞれ作動油等の液体が充填されている。その一方、リザーバ室Rには、上記液体と同じ液体が貯留されるとともに、その液面上方にエア等の気体が封入されている。その液面は、シリンダ3のバルブケース部3bよりも高い位置にある。
そして、そのバルブケース部3bの外周には、環状のバルブ収容溝3cが形成されており、このバルブ収容溝3cの内側にインナーチューブ2の内周に摺接する環状のチェックバルブ4が軸方向へ移動可能に挿入されている。また、バルブ収容溝3cの壁面のうちチェックバルブ4の上端に対向する部分がシート面3dとなっており、このシート面3dにチェックバルブ4が離着座する。
そして、フロントフォークFの収縮時には、チェックバルブ4がシート面3dから離れ、そのチェックバルブ4の内周側を通ってリザーバ室Rから伸側室L1へ向かう液体の流れが許容される。反対に、フロントフォークFの伸長時には、チェックバルブ4がシート面3dに着座して、リザーバ室Rと伸側室L1との連通を遮断した状態に維持される。
また、シリンダ3における筒状部3aの上部には、伸側室L1とシリンダ3の内側とを連通する伸側オリフィス5が形成されるとともに、筒状部3aの下部には、圧側室L2とシリンダ3の内側とを連通する圧側オリフィス6が形成されている。シリンダ3の内側は、リザーバ室Rの一部であるので、伸側オリフィス5及び圧側オリフィス6は、ともに伸側室L1又は圧側室L2とリザーバ室Rとを連通しているといえる。
そして、フロントフォークFの伸長時には、液体が伸側オリフィス5を通って伸側室L1からリザーバ室Rへと流れ、その流れに対して抵抗が付与される。反対に、フロントフォークFの収縮時には、液体が圧側オリフィス6を通って圧側室L2からリザーバ室Rへと流れ、その流れに対して抵抗が付与される。
つづいて、シリンダ3内には、圧側オリフィス6のリザーバ室R側開口と対向する位置であって、伸側オリフィス5のリザーバ室R側開口よりも下側にチョーク部材7が設けられている。
図3に示すように、そのチョーク部材7は、ニードル状の弁体部7aと、この弁体部7aの末端に連なる螺子部7bとを含む。そして、チョーク部材7は、その螺子部7bがボルト30の先端に螺合され、弁体部7aの尖端が上側を向くようにしてシリンダ3内に配置されている。弁体部7aの外径は、シリンダ3における筒状部3aの内径よりも若干小さく、弁体部7aとシリンダ3との間にできる筒状の隙間によってチョーク通路8が形成される。
このように、本実施の形態では、リザーバ室Rにおけるシリンダ3内の下側部分にチョーク通路8が形成されている。そして、フロントフォークFの収縮時に液体が圧側オリフィス6を通って圧側室L2からリザーバ室Rへ流入すると、リザーバ室Rの液体がチョーク通路8を通過してチョーク部材7の上方へと向かい、その流れに対して抵抗が付与される。
また、本実施の形態では、シリンダ3において圧側オリフィス6が形成される部分は、その直上部よりも内径が拡径された拡径部3eとされており、この拡径部3eとチョーク部材7との間が絞りとならない設定となっている。換言すると、本実施の形態では、チョーク通路8の下端に位置する圧側室L2側の開口が圧側オリフィス6のリザーバ室R側の開口よりも上側にあり、チョーク通路8と圧側オリフィス6が直接連通しない構造となっている。
そして、シリンダ3の拡径部3eとチョーク部材7との間に形成されて、チョーク通路8と圧側オリフィス6とを接続する部分を接続部9とすると、本実施の形態では、この接続部9とチョーク通路8がリザーバ室R内に形成されている。このようなリザーバ室Rにおいて、実質的にリザーバ室として機能する部分は、チョーク部材7よりも上側の接続部9及びチョーク通路8を除いた部分である。
つまり、実質的にリザーバ室として機能する部分をリザーバ室部rとすると、本実施の形態では圧側室L2とそのリザーバ室部rとが圧側オリフィス6、接続部9、及びチョーク通路8を介して連通されるようになっている。その一方、伸側室L1は、伸側オリフィス5を介してリザーバ室部rと連通されている。
次に、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの作動について説明する。
インナーチューブ2がアウターチューブ1から退出するフロントフォークFの伸長時には、インナーチューブ2がアウターチューブ1とシリンダ3との間に形成される筒状の液室Lから退出し、ピストン部20がその液室L内を上方へ移動して伸側室L1を縮小するとともに圧側室L2を拡大する。
そして、このフロントフォークFの伸長時には、縮小される伸側室L1の液体が伸側オリフィス5を通ってリザーバ室部r(リザーバ室R)へと移動する。その一方、拡大する圧側室L2には、リザーバ室部rの液体がチョーク通路8、接続部9、及び圧側オリフィス6を介して供給される。
このようなフロントフォークFの伸長時には、伸側室L1からリザーバ室Rへと向かう液体の流れに対し、伸側オリフィス5により抵抗が付与される。このため、フロントフォークFの伸長時には伸側室L1の圧力が上昇し、フロントフォークFの伸長作動を妨げる伸側の減衰力が発生する。
反対に、インナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入するフロントフォークFの収縮時には、インナーチューブ2がアウターチューブ1とシリンダ3との間に形成される筒状の液室L内へ侵入し、ピストン部20がその液室L内を下方へ移動して圧側室L2を縮小するとともに伸側室L1を拡大する。
そして、このフロントフォークFの収縮時には、縮小される圧側室L2の液体が圧側オリフィス6を通ってリザーバ室Rへ移動するとともに、このリザーバ室R内を接続部9、チョーク通路8の順に通ってリザーバ室部rへと移動する。また、フロントフォークFの収縮時にはチェックバルブ4が開き、リザーバ室部rの液体が拡大する伸側室L1へと供給される。
このようなフロントフォークFの収縮時には、圧側室L2からリザーバ室Rへと向かう液体の流れに対し、圧側オリフィス6により抵抗が付与されるとともに、リザーバ室R内を接続部9からリザーバ室部rへと向かう液体の流れに対し、チョーク通路8により抵抗が付与される。このため、フロントフォークFの収縮時には圧側室L2の圧力が上昇し、フロントフォークFの収縮作動を妨げる圧側の減衰力が発生する。
より詳しくは、圧側オリフィス6及びチョーク通路8は、通過する液体に抵抗を与えて圧力損失をもたらす。また、オリフィスである圧側オリフィス6による圧力損失は、流量の二乗に比例して大きくなる二乗特性をもつ。その一方、チョーク通路8による圧力損失は、流量に比例して大きくなる比例特性をもつ。
そして、通過する液体の流量が少ないときには、圧側オリフィス6による圧力損失がチョーク通路8による圧力損失よりも小さいが、流量の増加に伴い圧側オリフィス6による圧力損失がチョーク通路8による圧力損失を追い抜いて大きくなるように設定されている。
また、流量はピストン部20の速度(ピストン速度)に比例するので、フロントフォークFの収縮時においてピストン速度が低速域にある場合には、チョーク通路8による圧力損失が支配的となる。このため、低速域での圧側の減衰力は、図4中実線aに示すように、ピストン速度の増加に伴い比例的に増加する比例特性となり、図4中破線cで示す従来のフロントフォークの低速域での圧側の減衰力と比べて大きくなる。
その一方、フロントフォークFの収縮時におけるピストン速度が低速域を超えて中高速域にある場合には、圧側オリフィス6による圧力損失が支配的となる。このため、中高速域での圧側の減衰力は、図4中実線bに示すように、ピストン速度の増加に伴いその速度の二乗に比例して増加する二乗特性となり、従来のフロントフォークの中高速域での圧側の減衰力と同等になる。
次に、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの作用効果について説明する。
本実施の形態のフロントフォークFは、前輪(車輪)W側のアウターチューブ1と、このアウターチューブ1内に摺動自在に挿入される車体B側のインナーチューブ2と、筒状であってアウターチューブ1内に設けられ、上端がインナーチューブ2内に移動可能に挿入されるシリンダ3とを備えている。そして、このシリンダ3により、シリンダ3の外周側の液室Lと、シリンダ3の内側から上側にかけて形成されるリザーバ室Rとが仕切られている。
さらに、本実施の形態のフロントフォークFは、インナーチューブ2に設けられて、液室Lを伸側室L1と圧側室L2とに区画するピストン部20と、圧側室L2とリザーバ室Rとを連通する圧側オリフィス(オリフィス)6と、リザーバ室R内にチョーク通路8を形成するチョーク部材7とを備えている。
上記構成によれば、フロントフォークFの収縮時に液体が圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8を通過して、これらの抵抗によって圧力損失が生じ、圧側の減衰力が発生する。そして、フロントフォークFの収縮時においてピストン速度が低速域にある場合には、チョーク通路8による圧力損失が支配的となり、圧側の減衰力が比例特性となる(図4中実線a)。
このため、本実施の形態のフロントフォークFでは、従来のフロントフォークのように、圧側オリフィスのみで圧側の減衰力を発生する場合(図4中破線c、図7)と比較して、低速域の圧側減衰力を大きくできる。よって、本実施の形態のフロントフォークFによれば、ピストン速度が低速域にある場合であっても、圧側の減衰力が不足するのを防止できる。
さらには、このような効果を奏するのに必要な従来のフロントフォークからの主な変更は、チョーク部材7の追加のみである。このため、上記構成によれば、ピストン速度が低速域にある場合に圧側の減衰力が不足するのを防止するための構造を非常に安価に実現できる。
なお、本実施の形態では、ピストン速度の領域を低速域と、中高速域とに区画しているが、各領域の閾値はそれぞれ任意に設定できる。
また、本実施の形態のフロントフォークFでは、チョーク通路8がシリンダ3とチョーク部材7との間にできる隙間により形成されている。このため、チョーク通路8を容易に形成できる。なお、チョーク通路8の形成方法は、適宜変更できる。例えば、チョーク部材7に形成された孔によりチョーク通路が形成されていてもよく、この場合にもチョーク通路を容易に形成できる。
また、本実施の形態では、チョーク通路8の下端(圧側室L2側の開口)が圧側オリフィス(オリフィス)6のリザーバ室R側の開口と対向しない位置であって、その開口よりも上側に配置されている。このように、本実施の形態では、圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8が直接連通されない構造となっている。このため、液体が圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8との間を滞りなく行き来しやすい。
さらに、本実施の形態では、シリンダ3において圧側オリフィス6が形成される部分の内径が拡径されて拡径部3eとなっている。当該構成によれば、その拡径部3eとチョーク部材7との間に絞りとして機能しない接続部9を形成し、この接続部9を介して圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8とを連通できる。つまり、上記構成によれば、圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8が直接連通されない構造を容易に実現できる。
なお、圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8との間に接続部9を介在させて、液体の流れを良くするための構成は、上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、図5に示す第一の変形例に係るチョーク部材7Aように、圧側オリフィス(オリフィス)6と対向する部分に他の部分よりも外径が小さい縮径部7cを形成し、その縮径部7cとシリンダ3との間に接続部9を形成してもよい。
さらには、接続部9を廃し、圧側オリフィス(オリフィス)6とチョーク通路8とを直接連通させるようにしてもよい。
また、第一の変形例を含む本実施の形態のチョーク部材7,7Aは、アウターチューブ1とシリンダ3とを連結するボルト30に取り付けられている。このため、チョーク通路8をリザーバ室R内の所定の位置に容易に形成できる。
さらに、上記構成によれば、チョーク部材7,7Aの着脱を容易にできるので、チョーク部材7,7Aの交換により減衰力のチューニングを容易にできる。具体的には、例えば、一実施の形態に係るチョーク部材7を利用する場合、外径又は軸方向長さの異なる弁体部7aを有する複数種類のチョーク部材7を予め用意しておき、減衰力のチューニングの際には異なる種類のチョーク部材7に交換すればよい。
さらに、第一の変形例を含む本実施の形態では、チョーク部材7,7Aとボルト30が別体形成されていて、これらが螺合により連結されている。このため、減衰力のチューニングの際には、チョーク部材7,7A部分のみを交換すればよく、交換部品のコストを低減できる。
とはいえ、チョーク部材7,7Aとボルト30を一つの部品として一体成形してもよい。さらには、チョーク部材7,7Aは、必ずしもボルト30に取り付けられていなくてもよい。例えば、図6に示す第二の変形例に係るチョーク部材7Bのように、シリンダ3の内周に嵌合されていてもよい。
なお、図6に示すチョーク部材7Bには、軸方向に貫通する孔が形成されており、当該孔によりチョーク通路8が形成されている。しかし、本例のようにチョーク部材7Bをシリンダ3に嵌合する場合であっても、例えば、チョーク部材7Bの外周に軸方向に沿って切欠きを形成し、この切欠きによってチョーク部材7Bとシリンダ3との間にできる隙間によりチョーク通路8を形成してもよい。
また、図6に示すチョーク部材7Bのように、チョーク部材7Bをシリンダ3の内周に嵌合して固定した場合、そのチョーク部材7Bを圧側オリフィス6より上側に嵌合すれば、シリンダ3に拡径部3e(図3)を形成したり、チョーク部材7Aに縮径部7c(図5)を形成したりせず、圧側オリフィス6とチョーク通路8との間に接続部9を形成できる。このため、接続部9を形成するのが容易である。
また、各変形例を含む本実施の形態のチョーク部材7,7A,7Bは、シリンダ3内に配置されており、チョーク通路8がリザーバ室R内に形成されている。このため、フロントフォークFの収縮時にはチョーク通路8が圧側オリフィス6の下流に配置されるので、液体がこれらを滞りなく通過しやすい。
さらに、上記構成によれば、チョーク部材7,7A,7BがフロントフォークFのストロークの妨げにならない。このため、チョーク部材7,7A,7Bを設けたことで、フロントフォークFのストローク長を確保できなくなったり、フロントフォークFが軸方向に嵩張ったりするのを防止できる。
しかし、チョーク通路8を圧側室L2内に形成してもよい。この場合、例えば、シリンダ3の外周であって圧側オリフィス6と対向する位置に筒状のチョーク部材を設け、このチョーク部材とシリンダ3との間にできる隙間によりチョーク通路を形成してもよい。また、シリンダ3の外周及びアウターチューブ1の内周に嵌合する環状のチョーク部材を圧側オリフィス6よりも上側に設け、このチョーク部材を貫通する孔によりチョーク通路を形成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
B・・・車体、F・・・フロントフォーク、L・・・液室、L1・・・伸側室、L2・・・圧側室、R・・・リザーバ室、W・・・前輪(車輪)、1・・・アウターチューブ、2・・・インナーチューブ、3・・・シリンダ、6・・・圧側オリフィス(オリフィス)、7・・・チョーク部材、8・・・チョーク通路、20・・・ピストン部、30・・・ボルト

Claims (6)

  1. 車輪側のアウターチューブと、
    前記アウターチューブ内に摺動自在に挿入される車体側のインナーチューブと、
    筒状であって前記アウターチューブ内に設けられ、上端が前記インナーチューブ内に移動可能に挿入されるとともに、外周側の液室と、内側から上側にかけて形成されるリザーバ室とを仕切るシリンダと、
    前記インナーチューブに設けられて、前記液室を伸側室と圧側室とに区画するピストン部と、
    前記圧側室と前記リザーバ室とを連通するオリフィスと、
    前記圧側室内又は前記リザーバ室内にチョーク通路を形成するチョーク部材とを備えている
    ことを特徴とするフロントフォーク。
  2. 前記チョーク通路は、前記シリンダと前記チョーク部材との間にできる隙間により形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 前記チョーク通路は、前記チョーク部材に形成された孔により形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  4. 前記チョーク部材は、前記シリンダ内に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のフロントフォーク。
  5. 前記チョーク通路の圧側室側の開口は、前記オリフィスのリザーバ室側の開口と対向しない位置であって、前記オリフィスの前記開口よりも上側に配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のフロントフォーク。
  6. 前記チョーク部材は、前記アウターチューブと前記シリンダとを連結するボルトに取り付けられている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のフロントフォーク。
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