JP2020002811A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な時期にエンジントルクを増加させることができ、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる車両制御装置を提供する。【解決手段】本発明は、車両の制御装置であって、操舵装置と、車両の後輪を駆動するエンジンと、吸気スロットル弁と、その下流側に設けられた吸気圧センサと、燃料噴射弁と、操舵角速度を検出する操舵角関連値検出センサと、運転状態センサと、制御器と、を有し、制御器は、運転状態に基づいて基本トルクを設定し、操舵角速度が所定の開始閾値以上となったとき、増加トルクを設定し、エンジンが、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを発生するように、吸気スロットル弁及び燃料噴射弁を制御するように構成されていると共に、制御器は、吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定するように構成されていることを特徴としている。【選択図】図5

Description

本発明は車両の制御装置に関し、特に、後輪が駆動される車両の制御装置に関する。
特許第6168484号公報(特許文献1)には、エンジンの制御装置が記載されている。このエンジンの制御装置においては、車両のステアリングが操作されたとき、エンジンが発生するトルクを低減することにより、車両の挙動を安定化させると共に、ドライバの意図に沿って車両が旋回されるようにしている。また、特許文献1記載のエンジンの制御装置においては、ステアリングの操作に基づいてエンジンの発生トルクを低減する際、エンジンの点火装置による点火時期を遅角させることにより、トルクを低減している。
特許第6168484号公報
しかしながら、本件発明者が、特許文献1に記載されているような、車両の操舵に伴ってエンジンの発生トルクを低減する制御の、後輪駆動車への適用を試みたところ、特許文献1記載の発明において得られている操縦安定性の向上や、車両挙動の応答性等の向上という効果を得ることはできなかった。
即ち、本件発明者は、車両姿勢制御として、特許文献1に記載されているように、車両のステアリング操作に伴ってエンジンの発生トルクを低減する制御を適用した。しかしながら、このような従来から知られている車両姿勢制御を後輪駆動車に適用した場合には、前輪駆動車において得られていたような車両の応答性等の向上といった効果を得ることはできなかった。この新たに見出された課題を解決するために本件発明者が鋭意研究を進めた結果、後輪駆動車においては、驚くべきことに、ドライバによる操舵に応じて車両の駆動トルクを増加させることにより、車両応答性やリニア感が向上することが明らかとなった。
一般に、エンジンが発生するトルクを低減して車両に減速度を付与すると、車両の重心に作用する慣性力により、車両にはフロント側が沈むピッチング運動が発生するため、操舵輪である前輪荷重が増加して、ステアリング操作に対する応答性が向上するものと考えられていた。しかしながら、後輪駆動車においては、後輪の駆動トルクを減じて車両に減速度を付与した際、上記の慣性力の他に、後輪からサスペンションを介して車体を後傾させる(リア側を沈ませる)力が瞬間的に発生する。この瞬間的な力は、前輪荷重を低下させるように作用するため、後輪駆動車においては、ドライバによる操舵に応じて車両に減速度を付与しても、期待通りに車両応答性やリニア感を向上させることができなかったものと考えられる。
これとは反対に、後輪駆動車においては、後輪の駆動トルクを増加させることにより、後輪からサスペンションを介して車体を前傾させる(フロント側を沈ませる)力が瞬間的に作用して前輪荷重が増加するため、車両応答性やリニア感が向上するものと考えられる。即ち、後輪駆動車において、後輪の駆動トルクを増加させて加速度を付与すると、車体を後傾させる慣性力と、車体を前傾させる瞬間的な力が発生するが、ステアリング操作に対する車両応答性やリニア感に対しては瞬間的な車体を前傾させる力が支配的に寄与しているものと考えられる。
本件発明者は、車両に搭載された操舵装置の操舵角関連値に基づいて、基本トルクを増加させるように、増加トルクを設定することにより、上記の瞬間的な力により前輪荷重が増加し、ステアリング操作に対する車両応答性やリニア感を向上できることを見出した。しかしながら、ドライバのステアリング操作に基づいてエンジンが発生するトルクを瞬時に増加させることは困難である。従来の車両姿勢制御のように、ドライバのステアリング操作に基づいてエンジントルクを低下させる制御は、エンジンの点火プラグの点火時期を遅角させることにより、比較的容易に実現することができる。ここで、エンジンの点火時期は、一般に、生成されるトルクが最も高くなる時期に設定されているため、点火時期を進角又は遅角させることにより、エンジントルクを増加させることは困難である。
また、エンジンが発生するトルクの増加は、エンジンの気筒内に供給される空気量を増加させると共に、燃料噴射弁によって噴射される燃料を増加させることにより実現することも可能である。しかしながら、この方法による生成トルクの増加は応答性が悪く、また、供給空気量の増加から、実際に生成されるトルクが増加するまでのタイムラグも一定ではないため、車両姿勢制御において要求される時期に正確にトルクを増加させることは困難である。
従って、本発明は、エンジンにより後輪が駆動される車両を制御する場合であっても、適切な時期にエンジントルクを増加させることができ、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる車両制御装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、後輪が駆動される車両の制御装置であって、車両を操舵するための操舵装置と、車両の後輪を駆動するエンジンと、このエンジンの吸気通路に設けられた吸気スロットル弁と、吸気通路の、吸気スロットル弁よりも下流側に設けられた吸気圧センサと、燃料噴射弁と、操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値を検出する操舵角関連値検出センサと、車両の運転状態を検出する運転状態センサと、エンジンを制御する制御器と、を有し、制御器は、運転状態センサによって検出された運転状態に基づいて基本トルクを設定し、操舵角関連値検出センサによって検出された操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、操舵角関連値に基づいて増加トルクを設定し、エンジンが、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを発生するように、吸気スロットル弁及び燃料噴射弁を制御するように構成されていると共に、制御器は、吸気圧センサによって検出された吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定するように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、制御器は、吸気スロットル弁及び燃料噴射弁を制御することにより、運転状態に基づいて設定された基本トルクと、操舵角関連値に基づいて設定された増加トルクを加算したトルクを、エンジンに発生させる。増加トルクは、操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき設定される。制御器は、吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定する。
エンジンが発生するトルクを増加させるべく、吸気スロットル弁を開いた場合において、これに反応してエンジンが発生するトルクが実際に増加し始めるまでにはタイムラグが存在する。このタイムラグは、吸気スロットル弁の前後の差圧が大きい状態では短く、差圧が小さい状態では長くなる。即ち、吸気スロットル弁前後の差圧が大きい場合には、吸気スロットル弁の開度を大きくすると、吸気スロットル弁前後の差圧に基づいて速やかに空気吸入量が増加するので、吸気スロットル弁を開くと、比較的短時間でトルクが増加し始める。これに対して、吸気スロットル弁前後の差圧が小さい場合には、吸気スロットル弁前後の差圧に基づく空気吸入量の増加が少なく、吸気スロットル弁を開いた後、実際にトルクが増加し始めるまでの時間が長くなる。
上記のように、ステアリング操作に対する車両の応答性やリニア感を向上させるためのトルクの増加は、ステアリング操作に対して速やかに実行する必要があるため、実際に発生するトルクの増加が遅れると十分な効果を得ることができない。また、エンジンの運転状態によって実際にトルクが増加するまでの時間が異なると、車両の応答性やリニア感の改善効果のばらつきが大きくなり、ドライバに違和感を与えてしまう場合がある。
上記のように構成された本発明によれば、吸気圧センサによって検出された吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値が低く設定される。この結果、吸気スロットル弁前後の差圧が小さい状態では、ドライバによる操舵開始後、早期に増加トルクが設定されるようになるため、増加トルクの設定から実際にトルクが増加するまでのタイムラグが長くなっても、適切な時期にトルクを増加させることが可能になる。これにより、ステアリング操作に対する車両の応答性やリニア感を十分に向上させることができる。
さらに、吸気スロットル弁前後の差圧が小さく、トルクの増加遅れが生じやすい場合に、開始閾値が低くされ、トルクの増加時期を早めるため、吸気スロットル弁前後の差圧が小さい場合と大きい場合で、ドライバが操舵を開始した後、実際にトルクが増加するタイミングのずれが小さくなる。これにより、エンジンの運転状態による車両の応答性やリニア感の改善効果のばらつきが抑制され、ドライバに違和感を与えにくくすることができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも開始閾値を低く設定するように構成されている。
吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、吸気スロットル弁を流れる空気の流路抵抗が小さくなるので、吸気スロットル弁前後の差圧が小さくなる傾向がある。上記のように構成された本発明によれば、吸気スロットル弁の開度が大きい場合には開始閾値が低く設定されるので、吸気スロットル弁の前後差圧が小さい状態でトルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも、同一の操舵角関連値に対する増加トルクの値を大きく設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも増加トルクの値が大きく設定される。この結果、吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい状態では、僅かな操舵角関連値の変化により大きな増加トルクが設定されるようになり、トルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
本発明において、好ましくは、制御器は、吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも、同一の操舵角関連値に対する増加トルクの値を大きく設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも、同一の操舵角関連値に対する増加トルクの値が大きく設定される。この結果、吸気スロットル弁の開度が大きい状態では、僅かな操舵角関連値の変化により大きな増加トルクが設定されるようになり、トルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
本発明において、好ましくは、エンジンは過給機を備え、制御器は、過給機による過給圧と、吸気圧センサによって検出された吸気スロットル弁の下流側の圧力との差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定するように構成されている。
エンジンが過給機を備えている場合には、吸気スロットル弁の前後の差圧は、過給圧と吸気スロットル弁の下流側の圧力の差によって求めることができる。上記のように構成された本発明によれば、過給圧と、吸気スロットル弁の下流側の圧力との差圧が小さい場合に、開始閾値が低く設定されるので、過給機を備えているエンジンにおいても適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
本発明において、好ましくは、エンジンは点火プラグを備え、制御器は、増加トルクの設定による吸気量の増分に基づいて、点火プラグの点火時期を遅角させるように構成されている。
エンジンが発生する正味のトルクは、燃料の燃焼によって生成されるトルクから、空気を吸気流路からシリンダ内に引き込むために必要とされるトルク(ポンプロス)を差し引いたトルクとなる。ここで、エンジンが発生するトルクを増加させるべく吸気スロットル弁を開くと、吸気スロットル弁における流路抵抗が減少するため、ポンプロスが低下して正味のトルクが増大する。操舵角関連値に基づいて設定される増加トルクは、このポンプロスの低下分程度で賄うことができる。一方、ガソリンエンジンは、通常、一定の理論空燃比で運転されるため、吸気スロットル弁を開き、吸入空気量を増加させると、これに伴い燃料噴射量も増加され、燃料の燃焼によって生成されるトルクも増加する。このように、ポンプロスの低下による正味のトルク増大と、燃料の燃焼によって生成されるトルクの増大が重畳されると、トルクの増加が過剰となる場合がある。上記のように構成された本発明によれば、増加トルクの設定による吸気量の増分に基づいて、点火プラグの点火時期が遅角されるので、吸気スロットル弁の開度を大きくしてポンプロスが低下した場合に、燃料の燃焼によって生成されるトルクを低下させることができる。これにより、過剰なトルクの増加を抑制することができる。
また、本発明は、後輪が駆動される車両の制御装置であって、車両を操舵するための操舵装置と、車両の後輪を駆動するエンジンと、このエンジンの吸気通路に設けられた吸気スロットル弁と、この吸気スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサと、燃料噴射弁と、操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値を検出する操舵角関連値検出センサと、車両の運転状態を検出する運転状態センサと、エンジンを制御する制御器と、を有し、制御器は、運転状態センサによって検出された運転状態に基づいて基本トルクを設定し、操舵角関連値検出センサによって検出された操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、操舵角関連値に基づいて増加トルクを設定し、エンジンが、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを発生するように、吸気スロットル弁及び燃料噴射弁を制御するように構成されていると共に、制御器は、スロットル開度センサによって検出された吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも開始閾値を低く設定するように構成されていることを特徴としている。
さらに、本発明は、前輪が操舵装置によって操舵され、後輪がエンジンによって駆動される車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、エンジンが生成するトルクを増加させる車両姿勢制御手段と、エンジンの吸気スロットル弁の上流側と下流側の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定する閾値設定手段と、を有することを特徴としている。
また、本発明は、前輪が操舵装置によって操舵され、後輪がエンジンによって駆動される車両の制御装置であって、操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、エンジンが生成するトルクを増加させる車両姿勢制御手段と、エンジンの吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも開始閾値を低く設定する閾値設定手段と、を有することを特徴としている。
本発明の車両制御装置によれば、エンジンにより後輪が駆動される車両を制御する場合であっても、適切な時期にエンジントルクを増加させることができ、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる。
本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置における車両姿勢制御処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による車両の制御装置における閾値設定・増加トルク設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による車両の制御装置における車両姿勢制御の開始閾値を定めたマップである。 本発明の実施形態による車両の制御装置における付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態による車両の制御装置における付加加速度を補正するためのマップである。 本発明の実施形態による車両の制御装置におけるスロットルバルブの開度と、その前後の圧力差の関係を示す図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置における増加トルクの設定に基づく吸気増加量に対する点火時期の遅角量を示すマップである。 本発明の実施形態による車両の制御装置の作用の一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態による車両の制御装置の作用の一例を示すタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置について説明する。
<システム構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用された車両の全体構成を示すブロック図である。
図1において、符号200は、本実施形態による車両の制御装置を搭載した車両を示す。車両200の車体前部には操舵輪である左右の前輪202aが設けられ、車体後部には駆動輪である左右の後輪202bが設けられている。これら車両200の前輪202a、後輪202bは、車体に対してサスペンション203により夫々支持されている。また、車両200の車体前部には、後輪202bを駆動する原動機であるエンジン10が搭載されている。本実施形態においては、エンジン10は、ガソリンエンジンである。また、本実施形態において、車両200は、車体前部に搭載されたエンジン10により、変速機204a、プロペラシャフト204b、ディファレンシャルギア204cを介して後輪202bが駆動される所謂FR車であるが、車体後部に搭載されたエンジン10により後輪202bを駆動する所謂RR車等、エンジン10により後輪が駆動される任意の車両に本発明を適用することができる。
また、車両200には、ステアリングホイール206(以下では単に「ステアリング」とも表記する。)などを含む操舵装置207が搭載されており、車両200の前輪202aは、このステアリングホイール206の回転操作に基づいて操舵(転舵)されるようになっている。さらに、車両200は、操舵装置207の操舵角を検出する操舵角関連値検出センサである操舵角センサ40、アクセルペダルの踏込量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ30、及び、車速を検出する車速センサ39を有する。操舵角センサ40は、典型的にはステアリングホイール206の回転角度を検出するが、当該回転角度に加えて又は当該回転角度の代わりに、前輪202aの転舵角(タイヤ角)を検出してもよい。これらの各センサは、それぞれの検出信号を、制御器であるPCM(Power-train Control Module)50に出力する。
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図2は、本発明の実施形態による車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。図3は、本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路1と、この吸気通路1から供給された吸気と、後述する燃料噴射弁13から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン10(具体的にはガソリンエンジン)と、このエンジン10内の燃焼により発生した排気ガスを排出する排気通路25と、を有する。
吸気通路1には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気の量(吸入空気量)を調整するスロットルバルブ5と、エンジン10に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク7と、が設けられている。他方で、排気通路25には、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気ガスの浄化機能を有する排気浄化触媒26a、26bが設けられている。
本実施形態のエンジン10は、直線状に並ぶ4つの気筒2を備えた直列4気筒型のエンジンである。このエンジン10は、主に、吸気通路1から供給された吸気を燃焼室11内に導入する吸気バルブ12と、燃焼室11に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃焼室11内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ14と、燃焼室11内での混合気の燃焼により往復運動するピストン15と、ピストン15の往復運動により回転されるクランクシャフト16と、燃焼室11内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路25へ排出する排気バルブ17と、を有する。
また、エンジン10は、吸気バルブ12及び排気バルブ17のそれぞれの動作タイミング(バルブの位相に相当する)を、可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing Mechanism)としての可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19によって可変に構成されている。可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19としては、公知の種々の形式を適用可能であるが、例えば電磁式又は油圧式に構成された機構を用いて、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを変化させることができる。
更に、エンジンシステム100には、当該エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ30〜40が設けられている(図2及び図3参照)。アクセル開度センサ30、車速センサ39及び操舵角センサ40は、上述した通りである。エアフローセンサ31は、吸気通路1を通過する吸気の流量に相当する吸入空気量を検出する。スロットル開度センサ32は、スロットルバルブ5の開度であるスロットル開度を検出する。圧力センサ33は、エンジン10に供給される吸気の圧力に相当するインマニ圧(インテークマニホールドの圧力)を検出する。クランク角センサ34は、クランクシャフト16におけるクランク角(エンジン回転数に相当する)を検出する。このクランク角センサ34は、エンジン回転数センサに相当する。水温センサ35は、エンジン10を冷却する冷却水の温度である水温を検出する。大気圧センサ36は、大気圧を測定する。カム角センサ37、38は、それぞれ、吸気バルブ12及び排気バルブ17の閉弁時期を含む動作タイミングを検出する。これらの各種センサ30〜40は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号をPCM50に出力する。
PCM50は、上述した各種センサ30〜40から入力された検出信号に基づいて、エンジンシステム100内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、図3に示すように、PCM50は、スロットルバルブ5に制御信号を供給して、スロットルバルブ5の開閉時期やスロットル開度を制御し、燃料噴射弁13に制御信号を供給して、燃料噴射量や燃料噴射タイミングを制御し、点火プラグ14に制御信号を供給して、点火時期を制御し、可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19のそれぞれに制御信号を供給して、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを制御する。
これらのPCM50の各構成要素は、1つ以上のプロセッサ、当該プロセッサ上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
なお、1つの例では、本発明における車両の制御装置は、主に、エンジン10、操舵装置207、操舵角センサ40、アクセル開度センサ30、車速センサ39、及びPCM50により構成される。他の例では、本発明における車両の制御装置は、PCM50により構成され、この例では、PCM50は、本発明における車両姿勢制御手段及び閾値設定手段として機能する。
更に、アクセル開度センサ30及び車速センサ39は、車両200の運転状態を検出する運転状態センサに相当する。また、操舵角センサ40は、操舵装置207の操舵角に関連する操舵角関連値を検出する操舵角関連値センサに相当する。以下では、操舵角関連値として操舵速度を用いる実施形態を例示する。この操舵速度は、操舵角センサ40によって検出された操舵角からPCM50によって求められるものである。この場合、操舵角関連値センサは、操舵角センサ40及びPCM50により構成される。
<車両姿勢制御>
次に、本実施形態において、PCM50が車両200の姿勢を制御(車両姿勢制御)するために実施する制御内容について説明する。まず、図4により、本実施形態においてPCM50が行う車両姿勢制御処理の全体的な流れを説明する。図4は、本発明の実施形態による車両姿勢制御処理のフローチャートである。
図4の車両姿勢制御処理は、車両200のイグニッションがオンにされ、PCM50に電源が投入された場合に起動され、所定周期(例えば50ms)で繰り返し実行される。
車両姿勢制御処理が開始されると、図4に示すように、ステップS1において、PCM50は、車両200の運転状態に関する各種センサ情報を取得する。具体的には、PCM50は、操舵角センサ40が検出した操舵角、アクセル開度センサ30が検出したアクセル開度、車速センサ39が検出した車速、クランク角センサ34が検出したクランク角に対応するエンジン回転数、車両200の変速機204aに現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次に、ステップS2において、PCM50は、ステップS1において取得された車両200の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、PCM50は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を設定する。
次に、ステップS3において、PCM50は、ステップS2において設定した目標加速度を実現するためにエンジン10が発生すべき基本トルクを決定する。この場合、PCM50は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン10が出力可能なトルクの範囲内で、基本トルクを決定する。
また、ステップS2及びS3の処理と並行して、ステップS4において、閾値設定処理が実行される。後述するように、PCM50は、ステアリング操作に基づき車両200に加速度を付加するためのトルク(増加トルク)を設定する増加トルク設定処理を実行する。ステップS4においては、この増加トルクによる加速度の付加を開始する、ステアリング操作の閾値を運転状態に応じて変更する処理を実行する。なお、ステップS4の閾値設定処理については、図5及び図6を参照して後述する。
次に、ステップS5においては、増加トルク設定処理が実行される。即ち、PCM50は、操舵装置207の操舵角の増加に応じて、つまりステアリングの切り込み操作に応じて、基本トルクを増大させるための増加トルクを設定する。本実施形態では、PCM50は、ステアリングが切り込み操作されたときに、トルクを一時的に増加させて車両200に加速度を付加することにより、車両姿勢を制御するようにする。なお、ステップS5の増加トルク設定処理については、図7及び図8などを参照して後述する。
ステップS2及びS3の処理並びにステップS4の閾値設定処理及びS5の増加トルク設定処理を実行した後、ステップS6において、PCM50は、ステップS3において設定した基本トルクと、ステップS5において設定した増加トルクに基づき、最終目標トルクを設定する。具体的には、PCM50は、基本トルクに対して増加トルクを加算して、最終目標トルクを算出する。
次に、ステップS7において、PCM50は、ステップS6において設定した最終目標トルクを実現するためのアクチュエータ制御量を設定する。具体的には、PCM50は、ステップS6において設定した最終目標トルクに基づき、最終目標トルクを実現するために必要となる各種状態量を決定し、それらの状態量に基づき、エンジン10の各構成要素を駆動する各アクチュエータの制御量を設定する。この場合、PCM50は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定する。続いて、ステップS8において、PCM50は、ステップS7において設定した制御量に基づき各アクチュエータへ制御指令を出力する。
具体的には、PCM50は、ステップS6において基本トルクに増加トルクを加算することで最終目標トルクを設定した場合には、PCM50は、スロットルバルブ5のスロットル開度を大きくしたり、下死点後に設定されている吸気バルブ12の閉時期を進角させたりすることによって、吸入空気量を増加させる。この場合、PCM50は、所定の空燃比が維持されるように、吸入空気量の増加に対応して、燃料噴射弁13による燃料噴射量を増加させる。
このようなステップS8の後、PCM50は、図4に示すフローチャートの1回の処理(車両姿勢制御処理)を終了する。
<閾値設定処理・増加トルク設定処理>
次に、図5乃至図10を参照して、本発明の実施形態における閾値設定処理及び増加トルク設定処理(図4のステップS4、S5参照)について説明する。これらの処理は、ステアリングの切り込み時において実行される車両姿勢制御のための増加トルクを設定するものである。
図5は、本発明の実施形態による閾値設定・増加トルク設定処理のフローチャートである。図6は、本発明の実施形態による車両姿勢制御の開始閾値を定めたマップである。図7は、本発明の実施形態による付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。図8は、本発明の実施形態による付加加速度を補正するためのマップである。
増加トルク設定処理が開始されると、図5のステップS11において、PCM50は、吸気圧センサである圧力センサ33、及び大気圧センサ36の検出信号に基づき、開始閾値マップを使用して車両姿勢制御の開始条件を規定する開始閾値を設定する。
図6は、吸気スロットル弁であるスロットルバルブ5の前後の差圧(横軸)と開始閾値(縦軸)との関係を定めたマップを示している。図6に示すように、本実施形態においては、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きくなるほど、開始閾値を大きい値に設定している。即ち、PCM50は、吸気通路1の、スロットルバルブ5よりも下流側に設けられた圧力センサ33の検出信号と、大気圧センサ36の検出信号に基づいて、スロットルバルブ5の前後の差圧を求め、この差圧に対応する開始閾値の値を図6に示すマップを使用して決定する。このように開始閾値を決定するPCM50の回路は、エンジン10のスロットルバルブ5の上流側と下流側の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値を低く設定する閾値設定手段に相当する。
後述するように、PCM50は、ドライバがステアリングホイール206の切り込みを始めると、車両姿勢制御を開始するように構成されている。即ち、ドライバがステアリングホイール206の操舵を開始して、操舵角速度が所定の角速度まで上昇すると、車両姿勢制御が開始される。この車両姿勢制御が開始される操舵角速度[deg/sec]の値が開始閾値として設定されており、ステアリングホイール206の切り込みにより、操舵角速度が開始閾値まで上昇すると、車両姿勢制御が開始される。このように車両姿勢制御を開始させるPCM50の回路は、操舵装置207の操舵角速度が所定の開始閾値以上となったとき、エンジン10が生成するトルクを増加させる車両姿勢制御手段に相当する。
次に、図5のステップS12において、操舵装置207の操舵角が増加しているか否かがPCM50によって判断され、操舵角が増加している場合には、ステップS13に進む。また、操舵角が増加していない場合には、図5に示すフローチャートの1回の処理を終了し、処理は図4のフローチャートに復帰する。この場合には、増加トルクの設定は行われず、基本トルクがそのまま最終決定トルクとして設定される(図4のステップS6)。なお、操舵角(の絶対値)は、車両200が直進する状態をゼロとし、この状態から時計回り又は反時計回りにステアリングホイール206を回転させることにより増加する。
次いで、ステップS13において、PCM50は、操舵角速度がステップS11で設定された開始閾値以上であるか否かを判断し、開始閾値以上である場合にはステップS14に進む。また、操舵角速度が開始閾値未満である場合には図5に示すフローチャートの1回の処理を終了し、処理は図4のフローチャートに復帰する。即ち、ドライバに操舵の意図がない程度の微少な操舵角の増加に対しては、車両姿勢制御は実行されず、車両姿勢制御の過剰な介入が防止される。一方、操舵角速度が開始閾値以上である場合にはステップS14以下の処理が実行され、車両姿勢制御により増加トルクが設定される。
ステップS14においては、PCM50は、操舵速度に基づき付加加速度を設定する。この付加加速度は、ドライバの意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両200に付加すべき加速度である。
具体的には、PCM50は、図7のマップに示す付加加速度と操舵速度との関係に基づき、現在の操舵速度に対応する付加加速度を設定する。図7において、横軸は操舵角速度を示し、縦軸は付加加速度を示す。図7に示すように、操舵速度が増大するに従って、この操舵角速度に対応する付加加速度は、所定の上限値Amaxに漸近する。即ち、操舵角速度が増大するほど付加加速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Amaxは、ステアリング操作に応じて車両200に加速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の加速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。なお、操舵角速度が所定の閾値以上になると、付加加速度は上限値Amaxに維持される。
次いで、ステップS15において、PCM50は、ステップS14において設定された付加加速度を実現するために必要な増加トルクを設定する。
さらに、ステップS16において、PCM50は、ステップS15において設定された増加トルクを補正する。この増加トルクの補正は、ステップS15において設定された増加トルクに増加トルク補正係数を乗じることによって実行される。
図8は、増加トルク補正係数を設定するためのマップであり、スロットルバルブ5の前後の差圧(横軸)と増加トルク補正係数(縦軸)との関係を定めている。図8に示すように、本実施形態においては、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きくなるにつれて、増加トルク補正係数の値が直線的に小さい値に設定される。このため、本実施形態においては、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも、同一の操舵角速度に対する補正後の増加トルクの値が大きくされる。
次に、ステップS17において、スロットルバルブ5の開度が所定開度以上であるか否かが判断される。スロットルバルブ5の開度が所定開度未満である場合にはステップS18に進み、所定開度以上である場合には図5に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
スロットルバルブ5の開度が所定開度未満である場合にはステップS18が実行され、ステップS18においては、車両姿勢制御に基づく吸入空気量の増加に合わせて、点火プラグ14による点火時期の遅角量が設定される。
ここで、スロットルバルブ5の開度に対する、その前後の圧力差の関係を図9に示す。図9に示すように、スロットルバルブ5の開度が小さい状態においては、スロットルバルブ5における流路抵抗が大きいため、スロットルバルブ5の前後(上流側と下流側)で比較的大きな圧力差を生じる。これに対し、スロットルバルブ5の開度が大きくなると、その流路抵抗が小さくなるため、スロットルバルブ5前後の圧力差が小さくなり、約60%の開度で前後の圧力差は実質的にゼロになる。
一方、エンジン10が発生する正味のトルクは、燃料の燃焼に基づいて発生するトルクから、吸気通路1からエンジン10のシリンダ内に空気を吸い込むために必要なトルク(ポンピングロス)を差し引いたトルクとなる。ここで、スロットルバルブ5の開度が大きい状態では、その流路抵抗が比較的小さいため、ポンピングロスも小さくなる。これに対し、スロットルバルブ5の開度が小さい状態では、その流路抵抗が比較的大きいため、ポンピングロスが大きくなる。このため、スロットルバルブ5の開度が小さい状態からスロットルバルブ5の開度を大きくすると、ポンピングロスが大きく低下し、これによりエンジン10が発生する正味のトルクが大きくなる。
加えて、スロットルバルブ5を開くことにより吸入空気量も増加するので、理論空燃比を維持するために燃料噴射量も増加され、これにより、燃料の燃焼によって発生するトルクも大きくなる。このため、スロットルバルブ5の開度が小さい状態からスロットルバルブ5の開度を大きくした場合には、トルクの増加が過剰となる傾向がある。このため、本実施形態においては、スロットルバルブ5の開度が小さい状態において車両姿勢制御を実行し、増加トルクを設定した場合には、点火プラグ14による点火時期を遅角させ、燃料の燃焼によって生成されるトルクを減少させている。
図10は、増加トルクの設定に基づく吸気増加量に対する点火時期の遅角量を示すマップである。図10に示すように、本実施形態においては、増加トルクの設定に基づく吸気増加量[cc]に比例して、点火時期の遅角量[deg]を増加させている。これにより、車両姿勢制御における過剰なトルクの増加が防止される。ここで、エンジン10における、燃料の燃焼によって生成されるトルクは、吸気量が増加した後、遅れて増加するのに対し、ポンピングロスの減少による正味トルクの増加はタイムラグが小さいため、車両姿勢制御を目的としたトルクの増加には好適である。
なお、本実施形態においては、増加トルクの設定に基づく吸気増加量を、エアフローセンサ31の検出信号に基づいて求めているが、スロットルバルブ5の開度に基づいて吸気増加量を推定することもできる。また、本実施形態においては、スロットルバルブ5の開度が所定値未満の場合において、点火時期の遅角を行っているが、増加トルクを調整するために、常に点火時期の遅角を行うように本発明を構成することもできる。また、スロットルバルブ5の特性によっては、増加トルクの調整を目的とした点火時期の遅角が必要ない場合もある。
ステップS18において、点火時期の遅角量が設定されると、図5に示すフローチャートの1回の処理が終了し、処理は図4のフローチャートに復帰する。上述したように、図4に示すフローチャートにおいては、基本トルクに増加トルクを加算することにより最終目標トルクが設定され(ステップS6)、この最終目標トルクを実現するための各アクチュエータの制御量が設定される(ステップS7)。さらに、この制御量が各アクチュエータに指令され(ステップS8)、最終目標トルクがエンジン10から出力される。
上述したように、図5に示す開始閾値・増加トルク設定処理においては、車両姿勢制御の開始の可否を判断するための開始閾値の値が、スロットルバルブ5の前後の差圧に基づいて変更されている。即ち、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい状態においては、開始閾値が低く設定されることにより(図6)、ドライバが操舵を開始すると早期に開始閾値を超え、車両姿勢制御が早期に開始される。
ここで、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きい状態においては、スロットルバルブ5の開度を大きくすると、圧力差に基づいて急激に空気吸入量が増加するのに対し、前後の差圧が小さい状態ではスロットルバルブ5の開度を大きくした後、実際に空気吸入量が増加するまでのタイムラグが大きくなる。このため、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きい状態では、車両姿勢制御を開始するとエンジン10が発生するトルクが速やかに上昇するのに対し、前後の差圧が小さい状態では、エンジン10が発生するトルクが実際に上昇するまでの時間が長くなる。このようなトルクが上昇するまでのタイミングのずれを抑制するために、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合には、車両姿勢制御により増加トルクの設定を開始する開始閾値を低く設定して、ドライバが操舵を開始すると早期に開始閾値を超え、早期に車両姿勢制御が開始されるようにしている。
さらに、図5に示すフローチャートのステップS16においては、増加トルクの補正が実行され、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも、同一の操舵角速度に対する補正後の増加トルクの値が大きくされる。このように、増加トルクの値が大きな値とされると、PCM50は、大きなトルク値を目標値として、発生させるトルクを増加させるように作用するので、エンジン10が実際に発生するトルクは、より急速に立ち上がるようになる。このため、上述したスロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合における、トルク上昇の遅れを抑制することができる。
本実施形態においては、スロットルバルブ5の前後の差圧による、発生トルクの立ち上がりのばらつきを、開始閾値の設定(図6)及び増加トルク補正係数の設定(図8)により抑制しているが、何れか一方のみでばらつきを抑制するように本発明を構成することもできる。
次に、図11を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置の作用を説明する。
図11は、本実施形態の車両の制御装置の作用の一例を示すタイムチャートであり、上段から順に操舵角、操舵角速度、最終目標トルク、実発生トルク、ポンピングロス、スロットルバルブ開度、吸入空気量を示している。なお、図11のタイムチャートは、ドライバによるアクセルペダルの踏込量が一定であり、基本トルクの値が一定である場合の作用を示している。さらに、図11のタイムチャートは、アクセルペダルの踏込量が比較的大きく、基本トルクを生成するために必要とされるスロットルバルブ5の開度が所定値以上の場合(図5のステップS17→リターンの処理)の作用を示している。
まず、ドライバが操舵を行っていない状態では操舵角=0であるため、図5に示すフローチャートにおいては、ステップS11→S12→リターンの処理が繰り返し実行され、車両姿勢制御は実行されず、増加トルクは設定されない。従って、この状態においては、基本トルクがそのまま最終目標トルク(図4のステップS6)とされ、エンジン10から出力される。
次いで、図11の時刻t1において、ドライバが操舵を開始すると操舵角(の絶対値)が増加し始めるので、図5のフローチャートにおいては、ステップS11→S12→S13→リターンの処理が繰り返し実行されるようになる。さらに、操舵角速度が、ステップS11において設定される開始閾値以上となると、車両姿勢制御が開始される。これにより、図5のフローチャートにおいては、ステップS11→S12→S13→S14→S15→S16→S17→リターンの処理が繰り返し実行されるようになる。
車両姿勢制御が開始されると、PCM50は、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを最終目標トルクとして発生させるように、各アクチュエータを制御する。具体的には、PCM50は、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを発生させるために、スロットルバルブ5の開度を大きくする。これにより、スロットルバルブ5を通って吸入される吸入空気量も増加するが、スロットルバルブ5の開度が大きくされた後、実際に吸入空気量が増加するまでには、タイムラグがある。なお、実際の吸入空気量の変化はエアフローセンサ31の検出信号等から推定することができる。
このように、スロットルバルブ5の開度が大きくされた後、吸入空気量が増加するまでにタイムラグがあるため、エンジン10が実際に発生するトルクの増加にもタイムラグが生じる。なお、燃料噴射弁13から噴射される燃料噴射量も、理論空燃比を維持するため、吸入空気量の増加と共に増加される。
ここで、上記のように、図11に示すタイムチャートは、基本トルクを生成するために必要なスロットルバルブ5の開度が比較的大きい場合を示している。このため、スロットルバルブ5前後の差圧は比較的小さくなる(図9)。この結果、図6のマップを使用して設定される車両姿勢制御の開始閾値の値が低く設定され、車両姿勢制御が早期に開始される。即ち、図11の操舵角速度のタイムチャートにおいて、スロットルバルブ5前後の差圧が大きい状態ではTh1[deg/sec]に設定されている開始閾値が低下され、Th2[deg/sec]に変更されている。これにより、開始閾値がTh1に設定されている場合には時刻t3において開始される車両姿勢制御(増加トルクの設定)が、開始閾値がTh2に低下されることにより、早期に、時刻t2から開始される。
図11に示すタイムチャートにおいては、車両姿勢制御の開始閾値をTh2に低下させた場合の各状態量の変化を実線で示し、開始閾値を低下させずにTh1のままとした場合を破線で示している。図11の実線に示すように、車両姿勢制御の開始閾値をTh2に低下させることにより、スロットルバルブ5の開度の増加が早期に開始され、これに伴い吸入空気量や、実発生トルクも、破線に示す開始閾値をTh1とした場合に比べ早期に増加し始めている。
次いで、時刻t4において操舵角速度が一定になると、これに伴い設定される付加加速度の値も一定値となり、増加トルクの値も一定となるため、最終目標トルクの値も一定となる(図11において、基本トルクは一定)。これに対し、吸入空気量、及びエンジン10が実際に発生するトルクの増加にはタイムラグがあり、時刻t4よりも後の時刻t5において最終目標トルクに対応する吸入空気量及びトルクに到達する。
さらに、時刻t6において操舵角速度が低下し始めると、設定される付加加速度、増加トルクの値も低下し始め、時刻t7において保舵に移行すると、設定される付加加速度、増加トルクの値はゼロにされる。これに対して、エンジン10の吸入空気量、及び実発生トルクは、時刻t6よりも少し遅れて低下し始め、基本トルクに相当する吸入空気量、実発生トルクまで低下する。
また、上記のように、図11に示すタイムチャートは、基本トルクを生成するために必要なスロットルバルブ5の開度が比較的大きい場合を示しており、増加トルクを設定していない状態においてもポンピングロスは比較的小さい。このため、増加トルクの設定によりスロットルバルブ5の開度を大きくしても、ポンピングロスの大きさは実質的に低下せず、ほぼ一定である。
次に、図12を参照して、車両の制御装置の作用他の一例を説明する。
図12は、本実施形態の車両の制御装置の作用の一例を示すタイムチャートであり、上段から順に操舵角、操舵角速度、最終目標トルク、実発生トルク、ポンピングロス、スロットルバルブ開度、吸入空気量、点火時期を示している。なお、図12のタイムチャートは基本トルクの値が一定であり、アクセルペダルの踏込量が比較的小さく、基本トルクを生成するために必要とされるスロットルバルブ5の開度が所定値未満の場合(図5のステップS17→S18の処理)の作用を示している。
まず、図12の時刻t11において、ドライバが操舵を開始すると操舵角(の絶対値)が増加し始め、操舵角速度が、図5のステップS11において設定される開始閾値以上となると、車両姿勢制御が開始される。図12に示す例では、基本トルクに対応するスロットルバルブ5の開度が比較的小さく、スロットルバルブ5の前後の差圧が比較的大きいため、車両姿勢制御の開始閾値は、図11に示すタイムチャートの場合よりも大きいTh1に設定されている。図12の時刻t12において、操舵角速度が開始閾値Th1に到達すると、車両姿勢制御が開始され、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを発生させるために、スロットルバルブ5の開度が増加される。
次いで、時刻t13において操舵角速度が一定となると、基本トルクに増加トルクを加算したトルクを加算した最終目標トルクも一定値となる。時刻t12において、スロットルバルブ5の開度が増加し始めることにより、吸入空気量及びエンジン10の実発生トルクも遅れて増加し始め、時刻t13よりも遅れて時刻t14において、一定値となる。
このように、スロットルバルブ5開度の増加と吸入空気量の増加の間にはタイムラグが存在する。しかしながら、図12に示すタイムチャートでは、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きいため、図11に示すタイムチャートの場合よりも急速に吸入空気量が増加し、スロットルバルブ5開度の増加と吸入空気量の増加の間のタイムラグが小さくなる。この吸入空気量の増加に伴い燃料噴射量も増加され、エンジン10が実際に発生するトルクも増加するが、このトルクの増加も、図12のタイムチャートでは、図11の場合よりもスロットルバルブ5の開度が増加し始めた後のタイムラグが小さくなる。
このように、図11のタイムチャートでは、図12よりも車両姿勢制御の開始閾値を低く設定することにより、ドライバによる操舵開始後、車両姿勢制御によるトルクが実際に増加するまでのタイムラグを同程とすることに成功している。即ち、ドライバが操舵を開始した後、車両姿勢制御によりトルクが実際に増加するまでのタイムラグが、アクセルペダルの踏込量が大きく、スロットルバルブ5前後の差圧が小さい場合のタイムラグ(図11の時刻t1〜t5)と、踏込量が小さく、前後の差圧が大きい場合のタイムラグ(図12の時刻t11〜t14)で同程度とすることができる。
また、図12に示すタイムチャートでは、スロットルバルブ5の開度が所定値未満であるため、車両姿勢制御が開始されると、図5のステップS18における処理が実行される。これにより、車両姿勢制御による吸入空気量の増加に合わせて点火プラグ14による点火時期が遅角される。
ここで、図12に示すタイムチャートにおいては、スロットルバルブ5の開度が比較的小さいため、エンジン10が基本トルクを発生させている状態では、ポンピングロスが比較的大きくなる。この状態から、車両姿勢制御によりスロットルバルブ5の開度が増加されると、これに伴いスロットルバルブ5の流路抵抗が低下し、ポンピングロスが低下する。このため、エンジン10が発生する正味のトルクは、このポンピングロスの低下によっても増加し、この増加分により、車両姿勢制御に必要とされる程度のトルク増加が発生する。
これに加えて、スロットルバルブ5の開度を大きくすることにより、吸入空気量及び燃料噴射量が増加するため、燃料の燃焼によって発生するトルクも増大する。このように、ポンピングロスの低下によるトルクの増加と、燃焼によって発生するトルクの増加が重なることにより、基本トルクに対するトルクの増分が過剰となる。これを防止するため、スロットルバルブ5の開度が所定値未満の状態から、車両姿勢制御を実行した場合には、吸気量の増加に合わせて点火プラグ14による点火時期を遅角させている。これにより、燃料の燃焼によって発生するトルクを低下させ、トルクが過剰となるのを抑制することができる。
さらに、図5のステップS16においては、スロットルバルブ5の前後の差圧に基づいて、図8に示す増加トルク補正係数を使用して、増加トルクを補正している。ここで、図11に示すタイムチャートの場合と、図12に示すタイムチャートの場合では、図11の方がスロットルバルブ5の前後の差圧が小さいため、増加トルク補正係数の値が大きくなる。従って、同一の操舵角速度に対して、同一の付加加速度が設定された場合でも、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい図11の場合の方が、増加トルクの値が大きくなる。
このため、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合には、増加トルク補正係数を乗じる補正により、増加トルクの値が大きな値にされるので、これを実現するためにスロットルバルブ5の開度が急速に増大する。これにより、エンジン10が発生するトルクのタイムラグが、より短縮され、スロットルバルブ5の前後の差圧が大きい場合のタイムラグに近づけることができる。また、スロットルバルブ5の前後の差圧とスロットルバルブ5の開度の間には、所定の関係が存在する。このため、スロットルバルブ5の開度に基づいて、開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも、増加トルク補正係数の値が大きくなるように本発明を構成することもできる。
本発明の実施形態の車両の制御装置によれば、吸気圧センサである圧力センサ33によって検出されたスロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合(図11)には、差圧が大きい場合(図12)よりも開始閾値Thが低く設定される。この結果、スロットルバルブ5前後の差圧が小さい状態では、ドライバによる操舵開始(図11の時刻t1)後、早期に増加トルクが設定される(時刻t2)ようになるため、増加トルクの設定から実際にトルクが増加するまでのタイムラグが長くなっても、適切な時期にトルクを増加させることが可能になる。これにより、ステアリング操作に対する車両200の応答性やリニア感を十分に向上させることができる。
さらに、スロットルバルブ5前後の差圧が小さく、トルクの増加遅れが生じやすい場合に、開始閾値が低くされ(図6)、トルクの増加時期を早めるため、スロットルバルブ5前後の差圧が小さい場合(図11)と大きい場合(図12)で、ドライバが操舵を開始した(図11の時刻t1、図12の時刻t11)後、実際にトルクが増加するタイミング(図11の時刻t5、図12の時刻t14)のずれが小さくなる。これにより、エンジン10の運転状態による車両200の応答性やリニア感の改善効果のばらつきが抑制され、ドライバに違和感を与えにくくすることができる。
また、本実施形態の車両の制御装置によれば、スロットルバルブ5の開度が大きい場合には、スロットルバルブ5を流れる空気の流路抵抗が小さくなるので、スロットルバルブ5前後の差圧が小さくなる傾向がある(図9)。本実施形態においては、スロットルバルブ5の開度が大きい場合(図11)には開始閾値が低く設定(開始閾値=Th2)されるので、スロットルバルブ5の前後差圧が小さい状態でトルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
さらに、本実施形態の車両の制御装置によれば、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい場合(図11)には、差圧が大きい場合(図12)よりも増加トルクの値が大きく設定される(図5のステップS16、図8)。この結果、スロットルバルブ5の前後の差圧が小さい状態では、僅かな操舵角速度の変化により大きな増加トルクが設定されるようになり、トルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
また、本実施形態の車両の制御装置によれば、スロットルバルブ5の開度が大きい場合(図11)には、開度が小さい場合(図12)よりも、同一の操舵角速度に対する増加トルクの値が大きく設定される(図5のステップS16、図8)。この結果、スロットルバルブ5の開度が大きい状態では、僅かな操舵角速度の変化により大きな増加トルクが設定されるようになり、トルクの増加時期を早めることができ、適切なタイミングで発生するトルクを増加させることができる。
さらに、本実施形態の車両の制御装置によれば、増加トルクの設定による吸気量の増分に基づいて、点火プラグ14の点火時期が遅角される(図5のステップS18、図10)ので、スロットルバルブ5の開度を大きくしてポンプピングロスが低下した場合(図12)に、燃料の燃焼によって生成されるトルクを低下させることができる。これにより、過剰なトルクの増加を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、スロットルバルブ5の前後の圧力差を、圧力センサ33及び大気圧センサ36の検出信号に基づいて検出していたが、スロットルバルブ5の下流側の吸気圧を測定する圧力センサ33の検出信号のみから圧力差を求めることもできる。
また、スロットルバルブ5の前後の圧力差とスロットルバルブ5の開度の間には所定の関係が存在する。このため、スロットルバルブ5の開度に基づいて車両姿勢制御の開始閾値を設定し、開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも開始閾値を低く設定するように本発明を構成することもできる。
さらに、図2に想像線で示すように、過給機42を備えたエンジンシステム100に本発明を適用することもでき、この場合には、過給機42による過給圧と、圧力センサ33によって検出されたスロットルバルブ5の下流側の圧力との差圧に基づいて開始閾値を設定することができる。この場合には、過給圧とスロットルバルブ5の下流側の圧力の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも開始閾値が低く設定されるように本発明を構成することもできる。
1 吸気通路
5 スロットルバルブ(吸気スロットル弁)
10 エンジン
13 燃料噴射弁
14 点火プラグ
15 ピストン
16 クランクシャフト
25 排気通路
30 アクセル開度センサ
31 エアフローセンサ
32 スロットル開度センサ
33 圧力センサ(吸気圧センサ)
36 大気圧センサ
39 車速センサ
40 操舵角センサ(操舵角関連値検出センサ)
42 過給機
50 PCM(制御器)
100 エンジンシステム
200 車両
202a 前輪
202b 後輪
203 サスペンション
204a 変速機
204b プロペラシャフト
204c ディファレンシャルギア
206 ステアリングホイール
207 操舵装置

Claims (9)

  1. 後輪が駆動される車両の制御装置であって、
    上記車両を操舵するための操舵装置と、
    上記車両の後輪を駆動するエンジンと、
    このエンジンの吸気通路に設けられた吸気スロットル弁と、
    上記吸気通路の、上記吸気スロットル弁よりも下流側に設けられた吸気圧センサと、
    燃料噴射弁と、
    上記操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値を検出する操舵角関連値検出センサと、
    上記車両の運転状態を検出する運転状態センサと、
    上記エンジンを制御する制御器と、を有し、
    上記制御器は、
    上記運転状態センサによって検出された運転状態に基づいて基本トルクを設定し、
    上記操舵角関連値検出センサによって検出された操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、操舵角関連値に基づいて増加トルクを設定し、
    上記エンジンが、上記基本トルクに上記増加トルクを加算したトルクを発生するように、上記吸気スロットル弁及び上記燃料噴射弁を制御するように構成されていると共に、
    上記制御器は、上記吸気圧センサによって検出された上記吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも上記開始閾値を低く設定するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 上記制御器は、上記吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも上記開始閾値を低く設定するように構成されている請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 上記制御器は、上記吸気スロットル弁の前後の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも、同一の操舵角関連値に対する増加トルクの値を大きく設定するように構成されている請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 上記制御器は、上記吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも、同一の操舵角関連値に対する増加トルクの値を大きく設定するように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 上記エンジンは過給機を備え、上記制御器は、上記過給機による過給圧と、上記吸気圧センサによって検出された上記吸気スロットル弁の下流側の圧力との差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも上記開始閾値を低く設定するように構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 上記エンジンは点火プラグを備え、上記制御器は、増加トルクの設定による吸気量の増分に基づいて、上記点火プラグの点火時期を遅角させるように構成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  7. 後輪が駆動される車両の制御装置であって、
    上記車両を操舵するための操舵装置と、
    上記車両の後輪を駆動するエンジンと、
    このエンジンの吸気通路に設けられた吸気スロットル弁と、
    この吸気スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサと、
    燃料噴射弁と、
    上記操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値を検出する操舵角関連値検出センサと、
    上記車両の運転状態を検出する運転状態センサと、
    上記エンジンを制御する制御器と、を有し、
    上記制御器は、
    上記運転状態センサによって検出された運転状態に基づいて基本トルクを設定し、
    上記操舵角関連値検出センサによって検出された操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、操舵角関連値に基づいて増加トルクを設定し、
    上記エンジンが、上記基本トルクに上記増加トルクを加算したトルクを発生するように、上記吸気スロットル弁及び上記燃料噴射弁を制御するように構成されていると共に、
    上記制御器は、上記スロットル開度センサによって検出された上記吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも上記開始閾値を低く設定するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
  8. 前輪が操舵装置によって操舵され、後輪がエンジンによって駆動される車両の制御装置であって、
    上記操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、上記エンジンが生成するトルクを増加させる車両姿勢制御手段と、
    上記エンジンの吸気スロットル弁の上流側と下流側の差圧が小さい場合には、差圧が大きい場合よりも上記開始閾値を低く設定する閾値設定手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
  9. 前輪が操舵装置によって操舵され、後輪がエンジンによって駆動される車両の制御装置であって、
    上記操舵装置の操舵角に関連する操舵角関連値が所定の開始閾値以上となったとき、上記エンジンが生成するトルクを増加させる車両姿勢制御手段と、
    上記エンジンの吸気スロットル弁の開度が大きい場合には、開度が小さい場合よりも上記開始閾値を低く設定する閾値設定手段と、
    を有することを特徴とする車両の制御装置。
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JP2008002327A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射量制御装置

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