JP2020001294A - Writing instrument - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、筆記具に関する。詳細には、筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体の後端部に、軸方向後方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に摩擦体を挿着した筆記具に関する。 The present invention relates to a writing instrument. More specifically, the present invention relates to a writing implement in which a mounting hole that opens rearward in the axial direction is provided at a rear end of a cylindrical body such as a shaft cylinder or a cap of the writing implement, and a friction body is inserted into the mounting hole.
特許文献1には、熱変色性インクによる筆跡を消去するための摩擦部材において、当該摩擦部材が、後端に露出された横断面において三角形状、四角形状、六角形状等、その他の多角形であることを特徴とする熱変色性筆記具が記載されている。
また、特許文献2には、筆記具の軸筒またはキャップ等の筒体の上端部に、軸方向上方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に軟質部材を挿着してなる軟質部材の取付構造であって、取付孔の内周面に内向突起を形成し、軟質部材の外周面に外向突起を形成し、前記外向突起が、前記内向突起を上方から下方に乗り越えてなることを特徴とする軟質部材の取付構造が記載されている。
Further, in
特許文献1に開示された技術では、摩擦操作前に、摩擦体の向きを視認しながら軸筒を回転させて持ち直す必要があり、迅速に摩擦操作に移行することができない。特に、軸筒にクリップ又は転がり防止突起の様な突起物を備える場合、使用者は、把持方法又は把持位置に制限を受ける可能性がある。そのため、摩擦部材(本発明の摩擦体に相当)の横断面形状が多角形状であっても、使用者の意図した摩擦部材の部位を使用して擦過することが困難となるおそれがある。
In the technique disclosed in
また、特許文献2に開示された技術では、軟質部材(本発明の摩擦体に相当)の小径部前端部の外周面(即ち軟質部材の小径部と大径部の肩部との連設部分の外周面)には、上方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面状(即ち円錐面状)の基部が形成され、軟質部材を取付孔内に挿着した際、傾斜面状の基部が、取付孔の開口縁と圧接されるため、使用者は、意図とする位置に軟質部材を自在に回転させられない可能性がある。そのため、軟質部材の横断面形状が多角形状であっても、使用者の意図した軟質部材の部位を使用して擦過することが困難となるおそれがある。
In the technique disclosed in
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、使用者の意図した摩擦体の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる筆記具を提供しようとするものである。 SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made to solve the above-mentioned conventional problems, and an object of the present invention is to provide a writing instrument that can start a friction operation quickly by using a portion of a friction body intended by a user. .
本発明で、「後」とは、筆記具全体において摩擦体側を指し、「前」とは摩擦体側とは反対側を指す。また、本発明において、「ペン没入状態」とは、ペン先が軸筒内に没入された状態をいい、「ペン先突出状態」とはペン先が軸筒の前端孔より外部に突出した状態をいう。 In the present invention, “rear” refers to the friction body side in the entire writing instrument, and “front” refers to the side opposite to the friction body side. In the present invention, the "pen immersion state" refers to a state in which the pen tip is immersed in the barrel, and the "pen tip protruding state" refers to a state in which the pen tip protrudes outside from the front end hole of the barrel. Say.
本発明は、筆記具の軸筒又はキャップ等の筒体の後端部に、軸方向後方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に弾性材料よりなる摩擦体を挿着してなる筆記具であって、前記筆記具は、前記取付孔の内周面に内向突起を形成し、前記摩擦体の外周面に外向突起を形成し、前記外向突起と前記内向突起とが前後方向に係止され、前記摩擦体は、前記筒体の後端より軸方向後方に突出する大径部を備えるとともに前記取付孔に軸心を中心として回転自在に挿着されてなり、前記大径部の外面が、横断面非円形状を有することを特徴とする筆記具である。 The present invention relates to a writing implement which is provided with a mounting hole that opens rearward in the axial direction at the rear end of a cylindrical body such as a shaft cylinder or a cap of the writing implement, and a friction body made of an elastic material is inserted into the mounting hole. The writing implement has an inward projection formed on an inner peripheral surface of the mounting hole, an outward projection formed on an outer peripheral surface of the friction body, and the outward projection and the inward projection are locked in a front-rear direction, The friction body includes a large-diameter portion projecting rearward in the axial direction from a rear end of the cylindrical body, and is rotatably inserted around the axis in the mounting hole, and an outer surface of the large-diameter portion is crossed. A writing implement characterized by having a surface non-circular shape.
本発明によれば、前記筆記具は、前記取付孔の内周面に内向突起を形成し、前記摩擦体の外周面に外向突起を形成し、前記外向突起と前記内向突起とが前後方向に係止され、前記摩擦体は、前記筒体の後端より軸方向後方に突出する大径部を備えるとともに前記取付孔に軸心を中心として回転自在に挿着されてなり、前記大径部の外面が、横断面非円形状を有することより、筒体にクリップ又は転がり防止突起の様な突起物を備え、使用者は把持方法又は把持位置に制限を受ける可能性があったとしても、使用者の意図した摩擦体の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。 According to the present invention, in the writing instrument, an inward projection is formed on an inner peripheral surface of the mounting hole, an outward projection is formed on an outer peripheral surface of the friction body, and the outward projection and the inward projection are engaged in the front-rear direction. The friction member is provided with a large-diameter portion projecting rearward in the axial direction from the rear end of the cylindrical body, and is rotatably inserted around the axis in the mounting hole. Since the outer surface has a non-circular cross-section, the cylindrical body is provided with a projection such as a clip or anti-rolling projection. Using the part of the friction body intended by the user, the friction operation can be started quickly.
本発明の筆記具によれば、使用者の意図した摩擦体の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the writing instrument of this invention, a friction operation can be started quickly using the site | part of the friction body which the user intended.
以下、図面を参照して本発明の4つの実施の形態について説明する。 Hereinafter, four embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
<第1実施形態>
図1乃至図6に本発明の第1実施形態を示す。
本実施の形態の筆記具1は、筒体2と、該筒体2内に収容される筆記体3と、該筆記体3のペン先31を筒体2の前端孔21より出没自在にさせる出没機構とを備える。
<First embodiment>
1 to 6 show a first embodiment of the present invention.
The writing implement 1 according to the present embodiment includes a
・筆記体
前記筆記体3は、ペン先31と、該ペン先31が前端開口部に圧入固着されたインキ収容管32と、該インキ収容管32内に充填される熱変色性インキ33と、該熱変色性インキ33の後端に充填され且つ該熱変色性インキ33の消費に伴い前進する追従体34(例えば高粘度流体)とからなる。
-Writing body The writing
前記ペン先31は、例えば、前端に回転可能にボールを抱持した金属製のボールペンチップのみからなる構成、または前記ボールペンチップの後部外面を保持した合成樹脂製のペン先ホルダーからなる構成のいずれであってもよい。また、前記インキ収容管32の後端開口部に、インキ収容管32と外部とが通気可能な通気孔を備えた尾栓が取り付けられる。前記ペン先31の内部には、前端のボールを前方に押圧するスプリングが収容される。前記スプリングは、圧縮コイルスプリングの前端部にロッド部を備えた構成であり、前記ロッド部の前端がボール後面に接触している。非筆記時、前記スプリングの前方付勢によりボールがボールペンチップ前端の内向きの前端縁部内面に密接され、ペン先31の前端からのインキの漏出及びインキの蒸発を防止できる。
The
・筒体
筒体2は、先細円筒状の前軸2aと、該前軸2aの後端部に連結される円筒状の中間軸2bと、該中間軸2bの後端部に連結される円筒状の後軸2cとからなる。前記筒体2側壁(例えば中間軸2bの側壁及び後軸2cの側壁)には、軸方向に延びるスライド孔22が形成される。前記筒体2の後端(即ち後軸2cの後端)には、取付孔23が軸方向に貫設される。前記取付孔23に弾性材料からなる摩擦体7が圧入嵌合される。前記摩擦体7は、前記操作部4の軸方向の移動に連動せず、後軸2c(筒体2)の後端外面に固定される。前記摩擦体7は、操作部4と独立して設けられる。また、本発明の筒体は、筆記具のキャップ等の筒状体であってもよい。
The
・内向突起
前記取付孔23の内周面には、環状の内向突起24が一体に形成される。前記内向突起24は、前方に向かうに従い内径が次第に小さくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部24aを有する。また、前記内向突起24は、前記ガイド部24aの前方に、軸線に対して垂直な面よりなる前端面を有する。前記ガイド部24aと前端面との間に鋭角な角部よりなる最小内径部24bが形成される。
Inward projection An annular
・出没機構
前記出没機構は、回転カム機構を用いたサイドスライド式出没機構である。前記出没機構は、中間軸2b内面に形成されたカム部と、該カム部に係合し且つ筆記体3の後端に当接する回転部材5と、該回転部材5に係合し且つスライド孔22より径方向外方に突出する操作部4と、筒体2内に収容され且つ筆記体3を後方に付勢する弾発体6(例えば圧縮コイルスプリング)とからなる。本実施の形態の出没機構は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもが操作部4を前方にスライド操作するダブルノック式である。前記回転部材5は合成樹脂(例えばポリアセタール樹脂)の成形体により得られる。
The retracting mechanism is a side slide type retracting mechanism using a rotating cam mechanism. The retracting mechanism includes a cam portion formed on the inner surface of the
前記カム部は、前方に突出する鋸歯状の複数のカム歯と、該カム歯間に形成される、軸方向に延びる複数のカム溝とを備える。前記回転部材5は、その外面に軸方向に延びる複数本(例えば4本)の突条を備え、該突条が、カム部のカム歯及びカム部のカム溝と係合される。前記操作部4の軸部43の前端には、回転部材5の突条の後端と係合するカム歯が一体または別部材の取り付けにより形成される。
The cam portion includes a plurality of saw-toothed cam teeth protruding forward, and a plurality of axially extending cam grooves formed between the cam teeth. The rotating
・操作部
前記操作部4は、筒体2側壁の軸方向に延びるスライド孔22より径方向外方に突出される操作基部41を備える。また、前記操作部4は、前記操作基部41より連設され且つ筒体2内に軸方向に移動可能に収容される軸部43と、前記操作基部41より前方に連設されるクリップ部44とを備える。前記クリップ部44は、ポケット等の衣服を挟持可能である。前記操作部4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)の成形体により得られる。前記クリップ部44の裏面(内面)に玉部42が突設される。前記操作基部41と前記軸部43、前記操作基部41と前記クリップ部44、前記クリップ部44と前記玉部42のそれぞれは、一部材により一体に形成されるかまたは二分材の組立により形成される。
Operation Unit The
前記操作基部41が前記スライド孔22に沿って軸方向に移動可能である。前記操作基部41を前方に押圧操作することによって、筆記体3のペン先31が筒体2の前端孔21から出没自在に構成される。
The
・ペン先の出没
ペン先没入状態から操作部4の操作基部41を前方に、弾発体6による後方付勢に抗してスライド操作すると、操作部4の軸部43のカム歯によって回転部材5が前方に押圧され、前記回転部材5の突条がカム溝に沿って前方に移動するに伴って、前記回転部材5が筆記体3の後端を前方に押圧し、ペン先31が前端孔21より外部に突出される。このとき、前記軸部43のカム歯と前記回転部材5の突条との当接によって回転部材5がカム部に対して一定角度だけ回転する。それにより、前記回転部材5の突条がカム部のカム歯に係合され、ペン先突出状態が維持される。
When the pen tip is slid and the
ペン先突出状態から操作部4の操作基部41を前方にスライド操作すると、操作部4の軸部43が回転部材5を前方に押圧し、前記軸部43のカム歯と前記回転部材5の突条との当接によって回転部材5がカム部に対して一定角度だけ回転する。それによって、前記突条とカム部のカム歯との係合状態が解除され、弾発体6による後方付勢により、前記突条がカム部のカム溝に沿って後方に移動する。前記回転部材5が後方に移動することに伴って、筆記体3が後方に移動し、ペン先没入状態となる。
When the
・摩擦体
前記摩擦体7は、大径部72と、大径部72の前方に一体に連設される小径部74とからなり、弾性材料により一体に形成される。本実施の形態では、前記摩擦体7は、熱変色性の筆跡の表面を擦って筆跡を熱変色させる摩擦変色部材が採用される。
-Friction body The
摩擦体7は、外周面に外向突起75を形成し、前記外向突起75と前記内向突起24とが前後方向に係止される。前記摩擦体7は、前記筒体2の後端より軸方向後方に突出する大径部72を備えるとともに前記取付孔23に軸心を中心として回転自在に挿着されてなり、前記大径部72の外面が、横断面非円形状を有する。これにより、筒体2にクリップ又は転がり防止突起の様な突起物を備え、使用者は把持方法又は把持位置に制限を受ける可能性があったとしても、使用者の意図した摩擦体7の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。言い換えれば、摩擦体7が回転自在に挿着されていない場合は、使用者が意図した摩擦体7の部位で摩擦しようとしてもクリップ又は転がり防止突起の様な突起物が適切は把持を妨げ、迅速に摩擦操作を開始することができない。
The
図5は、本発明の第1実施形態における筆記具1(摩擦体7)の拡大図であり、図6は図5の斜視図である。図5及び図6に示されるように、摩擦体7は筒体2(後軸2c)に取り付けられた状態で、筒体2から露出した大径部72の横断面形状が略長方形(図5(c))となるよう形成されている。具体的には、横断面において長方形の頂点は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は摩擦体7の大径部72前端の方がより大きくなっている。これにより、本発明の第1実施形態の摩擦体7は横断面略長方形状であり、横断面略長方形状の短辺側で摩擦すると狭い範囲を集中して摩擦することができ、横断面略長方形状の長辺側で摩擦すると広範囲を迅速に摩擦することができ、使用者の意図した摩擦操作が可能となる。なお、横断面形状は略長方形に限定されず、楕円、四角形、六角形、その他多角形であってもよい。
FIG. 5 is an enlarged view of the writing instrument 1 (friction body 7) according to the first embodiment of the present invention, and FIG. 6 is a perspective view of FIG. As shown in FIGS. 5 and 6, when the
前記摩擦体7は、好ましくは、前記大径部72から前方に一体に連設され且つ前記取付孔23内に挿着される小径部74を備え、前記小径部74の外面が、横断面円形状を有する。これにより、取付孔23内に安定して取り付けられるとともに、摩擦体7を容易に回転させることができ、使用者の意図した摩擦体7の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。ただし、小径部74の外面に射出成型のゲート等を設けても上記構成を満たし、上記効果を妨げることはない。
The
また摩擦体7は、好ましくは、小径部74後端部の外周面に基部77が形成され、非摩擦時に前記小径部74の基部77と前記取付孔23の開口縁内周面とが非接触である。これにより、摩擦体7を挿着する際の挿入抵抗が減り、組立性が向上する。また、摩擦体7を取付孔23内に挿着した際、摩擦体7をより容易に回転させることができ、使用者の意図した摩擦体7の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。
In addition, the
また、好ましくは、紙面8を摩擦した際に前記小径部74の基部77と前記取付孔23の開口縁内周面との接触部分79を有する。これにより、前記小径部74の基部77と前記取付孔23の開口縁内周面に抵抗が発生し、摩擦時に、摩擦体7が不意に軸心を中心に回転してしまうことが無いため、より使用者の意図した摩擦体7の部位を使用して、摩擦操作を行うことができる。
In addition, preferably, there is provided a
また、より好ましくは、摩擦体7の前記大径部72の外周面に、前記摩擦体7の回転操作時の摘み部78が形成される。これにより、摩擦体7を、より使用者の意図した摩擦体7の部位に回転させることができる。摘み部78とは、具体的には、スパナ掛け可能な6角形や8角形等の二面幅部、又はローレット部等の横断面非円形状の形態を挙げることができる。また、摘み部78は滑り止めの効果を有している。第1実施形態においては、大径部72に一対の面取り部を設け、面取り部を指で挟んで、より容易に摩擦体7を回転させることができる。ただし、摩擦体7の大径部72自体を指でつまんで回転させやすい形状である場合は、大径部72自体が摘み部78の機能を果たす。
More preferably, a
また、好ましくは、摩擦体7が挿着された筒体2は筆記具1に対して着脱自在である。これにより、摩擦体7が摩耗した場合に新しい摩擦体7に容易に交換ができる。また、使用者が好みの摩擦体7形状を選択、交換して、使用することができる。着脱自在である摩擦体7が挿着された筒体2は、着脱自在な螺合または嵌合により筆記具1に取り付けられる。
Preferably, the
本実施の形態において、前記摩擦体7を構成する弾性材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記摩擦体7を構成する弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
In the present embodiment, the elastic material constituting the
・大径部
前記大径部72の後面は凸曲面状を有する。前記大径部72の前端には、取付孔23の開口端(具体的には後軸2cの後端)に当接可能な肩部73が形成される。前記大径部72の最大外径は、取付孔23の内径よりも大きく且つ後軸2cの後端の外径よりも小さく設定される。
Large diameter portion The rear surface of the
・小径部
前記小径部74の前端部の外周面には環状の外向突起75が一体に形成される。前記外向突起75は、後方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部75aを有する。前記外向突起75は、軸線に対して垂直な面よりなる後端面を有する。前記ガイド部75aと後端面との間に鋭角な角部が形成される。前記角部が外向突起75における最大外径部75bとなる。即ち、前記外向突起75が、後方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面よりなるガイド部75aと、該ガイド部75aより後方に形成した最大外径部75bとを備える。
Small diameter portion An annular
前記外向突起75の最大外径は、内向突起24の最小内径より大きく且つ内向突起24よりも後方の取付孔23の内径bより小さく設定される。本実施の形態では、外向突起75の最大外径(即ち最大外径部75bの外径)は、4.9mmに設定され、内向突起24の最小内径(即ち最小内径部24bの内径)は、4.1mmに設定される。前記外向突起75の最大外径と前記内向突起24の最小内径との差は、0.5mm〜2mm(好ましくは0.5mm〜1mm)の範囲が好ましい。それにより、摩擦体7の確実な脱落防止が可能となるとともに、外向突起75と内向突起24とのスムーズな乗り越えが可能となる。
The maximum outer diameter of the
前記摩擦体7の内部には、軸方向に延びる内孔71が形成される。前記内孔71の前端は軸方向前方に開口される。前記内孔71の後端は大径部72内部に位置している。前記内孔71により、前記摩擦体7は、後端が閉鎖され且つ前端が開口された有底円筒状に形成される。本実施の形態では、少なくとも外向突起75の径方向内方には内孔71が形成されているため、外向突起75が内向突起24を乗り越える際の、外向突起75の径方向内方への弾性変形が容易となる。
・環状空間
前記小径部74の中間部(即ち外向突起75と肩部73との間の部分)の外径aは、取付孔23の内向突起24よりも後方部分の内径bよりも小さく設定される。それにより、外向突起75が内向突起24を乗り越える直前の外向突起75と内向突起24とが当接した際、外向突起75よりも後方の小径部74の外周面と、内向突起24よりも後方の取付孔23の内周面との間に環状空間76が形成される。図2に示すように、外向突起75が内向突起24を乗り越える直前に、外向突起75と内向突起24とが強く圧接される時、外向突起75よりも後方の小径部74が径方向外方に弾性変形により膨らんでも、前記環状空間76が形成されているため、外向突起75よりも後方の小径部74の外周面が取付孔23の内周面に強く圧接されず、摩擦体7の挿着時の抵抗となるおそれがない。その結果、外向突起75と内向突起24との円滑な乗り越えが可能となる。具体的には、前記外径aは、4.9mmに設定され、前記内径bは、5.6mmに設定される。
An
The outer diameter a of the middle portion of the annular space 74 (that is, the portion between the
・軸方向の隙間
図3に示すように、摩擦体7の肩部73から外向突起75の後端(即ち最大外径部75b)までの軸方向の長さAは、後軸2cの後端から取付孔23の内向突起24の前端(即ち最小内径部24b)までの軸方向の長さBよりも僅かに大きく設定される(図3参照)。それにより、外向突起75が内向突起24を乗り越える時、外向突起75と内向突起24との滑りが悪くても、外向突起75が内向突起24を確実に乗り越えることができる。図3に示すように、摩擦体7の取付孔23への挿着が終了した状態で、外向突起75の後端(即ち最大外径部75b)が内向突起24の前端(即ち最小内径部24b)よりも前方に位置し、内向突起24の前端と外向突起75の後端との間に、軸方向の隙間Cが形成される。前記軸方向の隙間Cは、具体的には0.05mm〜1.0mm(好ましくは0.1mm〜0.5mm)の範囲が有効である。前記軸方向の隙間Cの寸法により、摩擦体7の使用時も軸方向の大きなガタツキがなく、しかも、摩擦体7の挿着時の内向突起24と外向突起75との確実な乗り越えが得られる。本実施の形態では、具体的には、前記軸方向の長さAは、8mmに設定され、前記軸方向の長さBは、7.9mmに設定される。
Axial gap As shown in FIG. 3, the axial length A from the
そして、図3に示すように、外向突起75と内向突起24との乗り越えが終了した状態において、外向突起75の後端と内向突起24の前端との間には軸方向の隙間Cが形成される。それにより、外向突起75と内向突起24との滑りが悪くても、潤滑剤等を塗布すること無しに外向突起75と内向突起24との確実な乗り越えが可能となる。また、外向突起75と内向突起24との乗り越えが終了した状態において、内向突起24は、外向突起75よりも後方の小径部74の外周面に圧接される。それにより、小径部74の軸方向及び径方向のガタツキを防止できる。また、外向突起75と内向突起24との乗り越えが終了した状態において、肩部73に後軸2cの後端が圧接される。それにより、大径部72の取付孔23内への没入が防止でき、且つ、大径部72の径方向のガタツキを防止できる。
Then, as shown in FIG. 3, in a state where the overhang between the
本発明によれば、筆記具1は、取付孔23の内周面に内向突起24を形成し、前記摩擦体7の外周面に外向突起75を形成し、前記外向突起75と前記内向突起24とが前後方向に係止され、前記摩擦体7は、前記筒体2の後端より軸方向後方に突出する大径部72を備えるとともに前記取付孔23に軸心を中心として回転自在に挿着されてなり、前記大径部72の外面が、横断面非円形状を有する。
According to the present invention, the
これにより、筒体2にクリップ又は転がり防止突起の様な突起物を備え、使用者は把持方法又は把持位置に制限を受ける可能性があったとしても、使用者の意図した摩擦体7の部位を使用して、迅速に摩擦操作を開始することができる。
Thereby, the
<第2実施形態>
図7及び図8に、本発明の第2実施形態を示す。これは、第1実施形態の変形例であり、第1実施形態と異なる点は、摩擦体7の大径部72の形状である。他の構成及び作用効果は第1実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
<Second embodiment>
7 and 8 show a second embodiment of the present invention. This is a modification of the first embodiment, and differs from the first embodiment in the shape of the
図7は、本発明の第2実施形態における筆記具1(摩擦体7)の拡大図であり、図8は図7の斜視図である。図7及び図8に示されるように、摩擦体7は筒体2(後軸2c)に取り付けられた状態で、筒体2から露出した大径部72の横断面形状が略長方形(図7(c))となるよう形成され、第1実施形態の横断面長方形状よりも長辺と短辺の差が大きい。すなわち第1実施形態に比べ横断面がより細長い長方形状に形成されている。具体的には、横断面において長方形の頂点は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は摩擦体7の大径部72前端の方がより大きくなっている。これにより、本発明の第2実施形態の摩擦体7は横断面略長方形状であり、横断面略長方形状の短辺側で摩擦すると狭い範囲を集中して摩擦することができ、横断面略長方形状の長辺側で摩擦すると広範囲を迅速に摩擦することができ、使用者の意図した摩擦操作が可能となる。
FIG. 7 is an enlarged view of the writing instrument 1 (friction body 7) according to the second embodiment of the present invention, and FIG. 8 is a perspective view of FIG. As shown in FIGS. 7 and 8, when the
また、第2実施形態の摩擦体7は、横断面がより細長い長方形状に形成されているため、摩擦体7の大径部72自体を指でつまんで容易に回転できる形状であり、大径部72自体が摘み部78の機能を果たす。
Further, since the
<第3実施形態>
図9及び図10に、本発明の第3実施形態を示す。これは、第1実施形態の変形例であり、第1実施形態と異なる点は、摩擦体7の大径部72の形状である。他の構成及び作用効果は第1実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
<Third embodiment>
9 and 10 show a third embodiment of the present invention. This is a modification of the first embodiment, and differs from the first embodiment in the shape of the
図9は、本発明の第3実施形態における筆記具1(摩擦体7)の拡大図であり、図10は図9の斜視図である。図9及び図10に示されるように、摩擦体7は筒体2(後軸2c)に取り付けられた状態で、筒体2から露出した大径部72の横断面形状が略三角形(図9(c))となるよう形成されている。具体的には、横断面において三角形の頂点は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は摩擦体7の大径部72前端の方がより大きくなっている。また、横断面において三角形の辺はわずかに丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は摩擦体7の大径部72前端の方が小さくなっている。これにより、本発明の第3実施形態の摩擦体7は横断面略三角形状であり、横断面略三角形状の頂点部で摩擦すると狭い範囲を集中して摩擦することができ、横断面略三角形状の辺側で摩擦すると広範囲を迅速に摩擦することができ、使用者の意図した摩擦操作が可能となる。
FIG. 9 is an enlarged view of the writing instrument 1 (friction body 7) according to the third embodiment of the present invention, and FIG. 10 is a perspective view of FIG. As shown in FIGS. 9 and 10, when the
また、図9(c)に示すように、第3実施形態の摩擦体7は、摩擦体7の大径部72の前部に横断面六角形の摘み部78が形成されている。これにより、より容易に摩擦体7を回転させることができる。
As shown in FIG. 9C, the
<第4実施形態>
図11及び図12に、本発明の第4実施形態を示す。これは、第1実施形態の変形例であり、第1実施形態と異なる点は、摩擦体7の大径部72の形状である。他の構成及び作用効果は第1実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
<Fourth embodiment>
11 and 12 show a fourth embodiment of the present invention. This is a modification of the first embodiment, and differs from the first embodiment in the shape of the
図11は、本発明の第3実施形態における筆記具1(摩擦体7)の拡大図であり、図12は図11の斜視図である。図11及び図12に示されるように、摩擦体7は筒体2(後軸2c)に取り付けられた状態で、筒体2から露出した大径部72の横断面形状が略三角形(図11(c))となるよう形成されている。具体的には、横断面において三角形の頂点は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は摩擦体7の大径部72前端の方がより大きくなっている。これにより、また、横断面において三角形の辺は丸く円弧状に形成され、その円弧の曲率半径は第3実施形態よりも小さい。これにより、本発明の第4実施形態の摩擦体7は横断面略三角形状であり、横断面略三角形状の頂点部で摩擦すると狭い範囲を集中して摩擦することができ、横断面略三角形状の辺側で摩擦すると広範囲を迅速に摩擦することができ、使用者の意図した摩擦操作が可能となる。
FIG. 11 is an enlarged view of the writing instrument 1 (friction body 7) according to the third embodiment of the present invention, and FIG. 12 is a perspective view of FIG. As shown in FIGS. 11 and 12, when the
また、第4実施形態の摩擦体7は、摩擦体7の大径部72の前部にローレット部が形成されている。これにより、より容易に摩擦体7を回転させることができる。
Further, in the
1 筆記具
2 筒体
2a 前軸
2b 中間軸
2c 後軸
21 前端孔
22 スライド孔
23 取付孔
24 内向突起
24a ガイド部
24b 最小内径部
3 筆記体
31 ペン先
32 インキ収容管
4 操作部
41 操作基部
42 玉部
43 軸部
44 クリップ部
5 回転部材
6 弾発体
7 摩擦体
71 内孔
72 大径部
73 肩部
74 小径部
75 外向突起
75a ガイド部
75b 最大外径部
76 環状空間
77 基部
78 摘み部
79 接触部分
8 紙面
A 大径部の前端から外向突起の後端までの軸方向の長さ
B 筒体の後端から内向突起の前端まで軸方向の長さ
C 軸方向の隙間
a 小径部の中間部の外径
b 取付孔の内向突起よりも後方部分の内径
DESCRIPTION OF
77 base
78
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