JP2019535407A - 画像表示品質が制御される遠隔超音波診断 - Google Patents

Abstract

超音波システム及び方法は、遠隔地にいる診断撮像の専門家の誘導下で経験のない人による超音波撮像を可能にする。走査デバイスの不適切な使用は、走査を行っている人には低品質の画像のみを提示する一方で、高品質画像が診断のために遠隔地にいる専門家に送信されるようにデバイスを制御することによって防止される。したがって、走査が行われる場所では、走査処置の視覚誘導を与えるのに十分であるが走査対象の患者の場所にいる人によって不適切に使用されないような画像を提供することによって、専門家による効果的な診断が容易になる。

Description

本発明は、医療診断用超音波システムに関し、特にローカルの画像表示品質が制御される遠隔診断のための超音波システムの使用に関する。

現在利用可能な医療用超音波システムは、臨床医が患者に超音波走査を行い、画像を取り込み、測定を行い、組み込みアルゴリズム及びレポート生成ソフトウェアを使用して診断を行い、診断結果を報告することを可能にする。これらの処置を行う臨床医は、経験豊富な放射線科医、心臓専門医、産科医又は訓練を受けた超音波検査技師である。臨床医が処置を行い、走査画像を解釈するには十分な訓練が必要である。しかし、このような医療専門家は、遠隔地ではすぐに見つからない場合がある。必要な診断ケアを提供するための１つの手法は、遠隔地にいる医療専門家によって、患者の場所にいる経験のない人が走査の実施において誘導されるテレラジオロジーである。しかし、ローカルのユーザ（例えば患者自身）の助けを借りて遠隔支援を提供することは、適切なセキュリティガイドラインを満たすように十分に堅牢かつ安全でなければならない。また、患者や他の未経験者が走査を進んで行うことができるように、低コストの解決策であるべきである。

更に、多くの国では、超音波の使用を、医療診断目的のためだけに専門家による使用に制限する法律が制定されている。幾つかの国では、性別同定は問題であり、超音波を用いて出生前に胎児の性別を決定することは違法である。有資格者だけが超音波撮像を行うことができる。心臓の状態をチェックする等の合法的な使用のために、遠隔超音波システムが患者に提供されている場合、当該デバイスは性別同定目的で乱用される可能性があると考えられる。このような乱用を防ぐための１つの手法は、資格のない又は許可されていないユーザへの画像の表示をブロックすることである。しかし、ユーザは、画像のみが提供することができるプローブ配置における何らかの誘導を必要とするので、ユーザに対してローカルでの画像の表示を防止することは、有用な合法的な走査を行うことを難しくする。したがって、本発明は、遠隔地にいる専門家の助けを借りて、患者の場所において超音波撮像を利用できるようにすることを目的とする。またこれを、違法な性別同定といった走査デバイスの不適切な使用は容易にすることなく、遠隔の専門家の支援を受けてローカルでの走査を容易にするようなやり方ですることが更なる目的である。これらの目的を達成する解決策は、費用や他の理由から、診断撮像の専門家がすぐには見つからない地域での診断撮像を可能にする。

幾つかの態様では、本発明は、走査処置の遠隔誘導システムを提供する。当該システムは、超音波プローブと、画像ディスプレイと、遠隔地に画像を送信し、遠隔地から制御信号を受信する画像通信ユニットとを含むローカル超音波走査デバイスを含む。当該システムはまた、遠隔地にあり、ローカル超音波走査デバイスから受信した画像を表示し、ローカル超音波走査デバイスに制御信号を送信する超音波システムを含む。ローカル超音波走査デバイスは、超音波システムから受信した制御信号に反応し、画像ディスプレイでの表示のための低画質画像及び遠隔地における超音波システムに送信するための高品質画像を生成する画像プロセッサを含むことができ、画像ディスプレイは、ローカル超音波走査デバイスの低画質画像を表示することができる。

特定の態様では、低画質画像は、高品質画像よりも低い画像解像度を含む。低画質画像及び高品質画像の品質係数は、ローカル超音波走査デバイスのデフォルト設定に従って設定することができる。或いは、低画質画像及び高品質画像の品質係数は、遠隔地にある超音波システムから受信した画質制御信号に従って設定することができる。幾つかの態様では、超音波プローブは、遠隔地における専門家からの誘導下で、ローカル超音波走査デバイスの場所における患者を走査することができる。ローカル超音波走査デバイスの画像プロセッサは、エコー画素間の画像画素値の完全補間を有する高品質画像と、エコー画素に補間値が追加されていない低品質画像とを生成する走査変換器を含む。ローカル超音波走査デバイスの画像プロセッサは更に、ビデオ圧縮プロセッサを含む。特定の態様では、ローカル超音波走査デバイス及び超音波システムそれぞれは、制御データ及び／又は画像データを送受信するネットワーク通信ユニットを含む。

本発明はまた、遠隔地から超音波走査処置を誘導する方法を含む。当該方法は、患者の場所における超音波走査デバイスを用いて対象を超音波走査するステップと、超音波走査によって取得される高品質超音波画像を遠隔地に送信するステップと、画質制御信号又は超音波走査デバイスのデフォルト設定に応えて、低品質超音波画像を生成するステップと、患者の場所において、低品質超音波画像を表示するステップとを含む。

上記方法はまた、遠隔地から患者の場所に、走査誘導を提供するステップ、遠隔地における画像表示デバイスに高品質超音波画像を表示するステップ、遠隔地において高品質超音波画像を使用して診断するステップ、患者の場所と遠隔地との間に音声通信を確立するステップ、及び／又は、遠隔地から走査のために超音波走査デバイスを有効にするステップを含み、低品質超音波画像を生成するステップは、超音波走査デバイスによって行われる。

図１は、本発明の原理に従って構成された超音波走査デバイス及び遠隔専門家診断ワークステーションを示す。 図２は、本発明の原理に従って、訓練を受けていないユーザによって使用される超音波走査デバイスをブロック図形式で示す。 図３は、本発明の原理に従って、超音波走査デバイスと遠隔地にいる専門家との対話を説明するフローチャートである。

本発明の原理に従って、遠隔地にいる診断撮像の専門家の誘導下で、未経験者による超音波撮像を可能にするシステム及び方法が説明される。走査デバイスの不適切な使用は、走査を行う人には低品質画像のみを提示する一方で、診断のために高品質画像が遠隔の専門家に送信されるように当該デバイスを制御することによって防止される。走査を行っている未経験者に提示される超音波画像の品質を制御可能に設定する様々なやり方を説明する。したがって、専門家による効果的な診断が容易になる一方で、走査が行われる場所では、走査処置の視覚誘導を提供するのには十分ではあるが、走査されている患者の場所にいる人々によって不適切に使用されない画像のみが提供される。

図１は、図面の上部に、スマートフォン１２の形態の手持ち式表示デバイスに結合されたＬ１２−５Ｌｕｍｉｆｙ（登録商標）超音波プローブ１０を含む、使い勝手の良い超音波走査デバイスを示す。米国マサチューセッツ州アンドーバーのフィリップスヘルスケア社から入手可能なＬｕｍｉｆｙ超音波システムは、図示されるようなＬｕｍｉｆｙプローブと、ＰＤＡ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ又は図示されるようにスマートフォン１２を含んでよい画像表示デバイスとからなる。このシステムでは、トランスデューサアレイ、ビームフォーマ、超音波信号プロセッサ並びにＢモード及びドップラープロセッサといった超音波固有の構成要素のすべてが、圧電及び集積回路形式で構成され、プローブ１０内に配置されている。表示デバイス１２は、画像ディスプレイ及びユーザインターフェース構成要素（スマートフォンの場合は、タッチスクリーンの形態）を含む。表示デバイスはまた、Ｌｕｍｉｆｙプローブに特有のソフトウェアアプリケーションを含み、これは、図示されるように、超音波画像及びユーザ制御部をデバイスのスクリーンに表示させる。このスマートフォンの実施態様では、ユーザは、片手で超音波プローブ１０を患者の皮膚に対して保持しながら、他方の手で表示及びユーザ制御デバイス１２を保持する。取得した超音波画像は、以下に説明されるように、遠隔地にいる専門家によって設定された画質で表示デバイスに表示され、同じ画像であるが高品質の形態の画像が、遠隔の専門家の表示デバイスに無線で送信される。図示する実施態様では、専門家の超音波画像表示デバイスは、キーボード１１０によって制御されるワークステーション１０８のスクリーンである。専門家は走査デバイスにコマンドを送信し、モデム又は無線通信器１３２によって、走査デバイスから画像を受信する。当該画像は、有線ネットワーク４２又は４４によって示される無線ネットワークの形を取ってよい例えばインターネットであるデータネットワーク４０を介して運ばれる。

図２は、例示的な超音波走査デバイスの構成要素をブロック図形式で示す。図１の１０のような超音波プローブは、超音波パルスを送受信する超音波トランスデューサ素子のアレイ１４を含む。アレイは、２次元撮像のために１次元線形アレイ又は曲面アレイであっても、２又は３次元における電子ビーム操縦及び集束のためにトランスデューサ素子の２次元マトリクスであってもよい。アレイ１４内の超音波トランスデューサ素子は、ビームフォーマ１６による時限作動によって超音波エネルギーのビームを送信し、この送信に応答して戻ってきたエコーを受信する。

送信された超音波エネルギーからのエコーは、アレイ１４のトランスデューサによって受信される。トランスデューサは、ビームフォーマ１６に結合されるエコー信号を生成する。ビームフォーマ１６において、エコー信号はデジタル化され、コヒーレントエコー信号にビーム形成される。アレイ１４の個々のトランスデューサ素子からのエコー信号サンプルは、ビームフォーマ１６によって遅延及び合計されて、画像の走査線方向に沿ってコヒーレントエコー信号が形成される。コヒーレントエコー信号は、デジタルフィルタによるフィルタリング及び空間又は周波数合成によるノイズ低減を含む信号プロセッサ１８による信号処理を受ける。信号プロセッサはまた、周波数帯域をより低い又はベースバンド周波数範囲にシフトすることもできる。信号プロセッサ１８のデジタルフィルタは、例えば米国特許第５，８３３，６１３号（Ａｖｅｒｋｉｏｕ他）に開示されているタイプのフィルタであってよい。ドップラー処理の場合のように位相情報が必要である場合、直交（Ｉ及びＱ）復調も信号プロセッサによって行われる。

ビーム形成及び処理されたコヒーレントエコー信号は、Ｂモード組織画像を生成するＢモードプロセッサ２２に結合される。Ｂモードプロセッサは、（Ｉ^２＋Ｑ^２）^１／２の形でエコー信号振幅を計算することによって直交復調されたＩ及びＱ信号成分の振幅（包絡線）検出を行う。直交エコー信号成分はまた、ドップラープロセッサ２４に結合される。ドップラープロセッサ２４は、画像フィールド内の離散点からのエコー信号のアンサンブルを記憶し、当該アンサンブルは次に、高速フーリエ変換（ＦＦＴ）プロセッサを用いて画像内の点でのドップラーシフトを推定するために使用される。図１の表示デバイスに示されるようなカラードップラー画像では、血管内の各点における推定ドップラーフロー値がウォールフィルタリングされ、ルックアップテーブルを用いてカラー値に変換される。Ｂモード画像信号及びドップラーフロー値は、走査変換器２６に結合される。走査変換器２６は、Ｂモード及びドップラーサンプルを、それらの取得Ｒ−θ座標からデカルト（ｘ，ｙ）座標に変換して、例えばセクタフォーマット又は図１に示すような直線画像フォーマットである所望の表示フォーマットで表示する。Ｂモード画像又はドップラー画像のいずれかを単独で表示しても、２つを解剖学的に位置合わせして、カラードップラーオーバーレイが画像内の組織及び血管内の血流を示すように一緒に表示してもよい。

典型的な画像ディスプレイの画素密度は、通常、身体の画像フィールドから取得されたエコー信号の密度よりも大きい。したがって、走査変換はまた、典型的に、取得されたエコー信号の画像点間の画素表示のための追加の画像点を計算することを含む。取得された走査線とエコー信号との間のスペースは、通常、表示フィールド内のボイドを囲むエコー信号の４点補間で埋められる。本発明の原理に従って、１つの実施態様では、走査変換器２６は、２つの異なる表示品質で画像フィールド内の各シーンの２つの画像を生成する。これを行う１つのやり方は、エコー画素間の画像画素値の完全補間を伴う通常の走査変換画像と、補間値がエコー画素に追加されない第２の低品質画像とを生成することである。したがって、後者の画像は、粗く、解剖学的解像度が低い。低解像度画像は、画像メモリ２８に記憶され、そこから、図１に示すように、走査デバイスの画像ディスプレイ３６に表示するために表示プロセッサ３４に結合される。通常の高品質画像は、遠隔地にいる専門家の表示デバイスに画像を送信するモデム又はＷｉＦｉ無線器３０といったネットワーク通信ユニットに結合される。したがって、遠隔地にいる専門家は、患者の状態の診断に適している高解像度で高品質の画像を見る一方で、患者の場所にいる個人、走査を行っている訓練を受けていない人及び／又は患者は、同じ画像であるが、診断には適さない品質で低解像度の画像を見る。ローカルで表示される画像は、走査を誘導するには十分であるが、性別同定といった意図しない使用が当該画像では行うことができないように十分に低品質である。

幾つかの態様では、ローカルで表示される画像は、ローカルの超音波システムのデフォルト設定に従って設定される画質係数を有することができる。例えばデフォルト設定は、低画像解像度、又は、遠隔撮像システム又はワークステーションにおけるよりも低品質であるゲイン又は深度といった他の品質パラメータを含んでよい。他の態様では、ローカルで表示される画像の解像度及び／又は画質パラメータの程度は、遠隔地の専門家が自分の撮像システム又はワークステーションと通信することによって設定されてよい。患者の場所での走査に先立って、専門家は、画質制御信号を走査システムに送り、当該信号は、モデム／ＷｉＦｉ無線器３０によって受信され、システムコントローラ２０に結合される。システムコントローラは次に、画質制御信号を走査変換器２６に結合し、走査変換器に低品質画像を形成する方法を指示する。上記例では、これは、取得されたエコー信号画像点間のボイドを平滑化された補間値で埋めないように走査変換器に指示し、これにより、ローカルでの表示用の粗く低品質の画像を生成することによって行われる。画像内の各表示値に小さい乱数を加えることによって画像にノイズを注入するといったように他の手法を取ることもできる。空間的又は時間的フィルタリングもまた、画像の品質を低下させるために使用されてよい。画像をぼかす画像修正技術を使用してもよい。

図２は、ローカルディスプレイ３６での低品質画像を生成するための更に別の手法を示す。当該手法は、ビデオ圧縮制御によるものである。この実施態様では、通常の高品質走査変換画像は、専門家への通信のためにモデム／ＷｉＦｉ無線器に結合され、また、画像メモリ２８にも記憶される。画像がローカルディスプレイ３６に表示される前に、当該画像は、ビデオ圧縮プロセッサ３２による制御可能なビデオ圧縮を受ける。ＪＰＥＧ及びＭＰＥＧ圧縮といったビデオ圧縮技術は、ビデオ処理技術においてよく知られている。高度のビデオ圧縮を適用することにより、画質が低下し、超音波画像は診断目的にはもはや使用できなくなる。適用されるビデオ圧縮の程度は、診断専門家のシステムからの画質制御信号の受信に反応してシステムコントローラ２０によって提供される画質制御信号によって制御される。結果として得られる低品質画像は、ローカル画像ディスプレイ３６に表示するために表示プロセッサ３４に結合される。上記例と同様に、診断目的に画像を使用する遠隔地の専門家は高い診断品質の画像を見るが、患者側の人は、低画質の画像のみを見る。

図１のＬｕｍｉｆｙシステムでは、表示プロセッサ３４及びディスプレイ３６、並びにモデム／ＷｉＦｉ無線器３０は、スマートフォンの表示ユニット１２内に配置されている一方で、図２の他の構成要素は、プローブ１０内に配置されている。図２には示されていないが、スマートフォン表示ユニットのタッチスクリーンディスプレイ上のユーザ制御部は、システムコントローラ２０に制御信号を送る。システムコントローラ２０は、ユーザによる制御部の操作に従って走査システムの他の構成要素を適切に制御する。例えばタブレット又はラップトップコンピュータを表示デバイスとして使用する他の実施態様は、より多くの構成要素がコンピュータ内に配置されるように構成要素を異なるように区分することができる。例えばビデオ圧縮３２は、画像メモリ保管及び他の画像処理機能と同様に、コンピュータによって行われてよい。

訓練されていないユーザによる図１の超音波走査デバイスの使用方法及び診断専門家による図１の遠隔画像ワークステーションの使用方法について、図３のフローチャートによって概説する。患者自身といった患者の場所にいる人が走査を行う準備ができている場合、このユーザは、ステップ５０において、超音波走査デバイスをオンにすることによって、当該超音波走査デバイスを作動させる。図３のステップには概して、（例えばスマートフォンである）走査デバイスの電話機又はボイスオーバーインターネットを使用することによるユーザと専門家との間の音声によるやり取りが伴う。走査デバイスの作動は、訓練された医師又は超音波検査技師といった遠隔地にいる専門家のワークステーション又は撮像システムに走査処置のリクエストを送る。遠隔地の専門家が走査リクエストは有効であると決定した後、当該専門家は、ステップ５２において、ローカル走査デバイスを認証する信号を送る。遠隔地の専門家が処置を支援する準備ができると、ステップ５４において、専門家は、ローカル走査デバイスを有効にし、ステップ５６において、走査デバイスにローカルディスプレイ３６の画質を設定するコマンドを送る。このコマンドは、例えば上記画像解像度設定技術を使用してローカルの画質を設定するために使用される。ステップ５８において、訓練を受けていないローカルユーザが、走査デバイスを用いて走査を開始し、高品質画像が専門家のディスプレイ１０８での検討のために遠隔地にいる専門家に送られる。ローカルユーザは、ステップ５６において、専門家によって設定された低品質の画像のみを見る。ローカルユーザが走査するときに、ローカルユーザは専門家との音声通信から、プローブ１０をどのように持つか又は診断画像のために必要な画像平面の画像を取得するためにどのようにプローブを位置決めするかといった動作においてユーザに指示する口頭による誘導を受ける。ローカルユーザはまた、ローカルディスプレイ３６に表示される低品質画像の変化に自身の動作の結果を見ることができる。ローカルユーザが、診断のために解剖学的構造の適切な視野の画像を取得しているとき、ステップ６０において、遠隔地にいる専門家は患者状態の診断を行い、ローカルの走査セッションを終了する。走査セッションを終了する際に、専門家は、もしあれば、どの画像が走査デバイスに記憶されるべきか、及び、それらが記憶されるべき画質に関して、走査デバイスに命令することができる。診断結果は、必要に応じて後続のケア又は治療のために患者又は当該患者の場所にいる医療関係者に通信される。走査セッションが終了すると、ステップ６２において、ローカルユーザはローカル走査デバイスをオフにする。

当業者であれば、上記システム及び方法の変形を容易に想到するであろう。図１の専門家によって使用されるシステムは、例えばワークステーションの代わりに、完全に機能的な超音波診断撮像システムであってよい。走査が行われる場所での画像の表示は、専門家の場所での画像の表示に対して時間的に遅らされてもよく、これにより、専門家に、最初に画像を見て、走査が行われる場所では不適切と思われる任意の画像の表示をブロックする時間が与えられる。

なお、本発明の一実施態様における使用に適した超音波システム、特に図１及び図２のワークステーション及び超音波システムの構成要素構造は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現することができる。超音波システムの様々な実施形態及び／又は構成要素、例えばモジュール又はその中の構成要素及びコントローラは、１つ以上のコンピュータ又はマイクロプロセッサの一部として実現されてよい。コンピュータ又はプロセッサは、例えば図１に示すようにインターネットにアクセスするためのコンピューティングデバイス、入力デバイス、表示ユニット及びインターフェースを含んでよい。コンピュータ又はプロセッサは、マイクロプロセッサを含んでよい。マイクロプロセッサは、例えばＰＡＣＳシステム又は図１に示すデータネットワークにアクセスするための通信バスに接続されてよい。コンピュータ又はプロセッサはまた、メモリを含んでよい。画像メモリ２８といったメモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）及び読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）を含んでよい。コンピュータ又はプロセッサはまた、ハードディスクドライブ、又は、フロッピー（登録商標）ディスクドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステートサムドライブといった取り外し可能な記憶ドライブであってよいストレージデバイスを含んでよい。ストレージデバイスはまた、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータ又はプロセッサにロードするための他の同様の手段であってもよい。

本明細書において使用される場合、「コンピュータ」、「モジュール」、「プロセッサ」又は「ワークステーション」との用語には、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ（ＲＩＳＣ）、ＡＳＩＣ、論理回路及び本明細書において説明される機能を実行可能である任意の他の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む任意のプロセッサベース又はマイクロプロセッサベースのシステムが含まれる。上記例は例示に過ぎないので、これらの用語の定義及び／又は意味をいかようにも限定することを意図していない。

コンピュータ又はプロセッサは、入力データを処理するために、１つ以上のストレージ素子に記憶される命令のセットを実行する。ストレージ素子は更に、必要に応じて、データ又は他の情報も記憶する。ストレージ素子は、処理マシン内の情報源又は物理的なメモリ素子の形であってよい。

超音波システムの命令のセットには、コンピュータ又はプロセッサに、処理マシンとして、本発明の様々な実施形態の方法及び処理といった特定の演算を行うように命令する様々なコマンドが含まれる。命令のセットは、ソフトウェアプログラムの形であってよい。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアといった様々な形式であってよく、また、有形及び非一時的なコンピュータ可読媒体として具体化される。更に、ソフトウェアは、別箇のプログラム又はモジュールの集合体、より大きいプログラム内のプログラムモジュール又はプログラムモジュールの一部の形であってよい。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形のモジュラプログラミングを含んでもよい。処理マシンによる入力データの処理は、操作者のコマンドに応えて、前の処理の結果に応じて、又は、別の処理マシンによるリクエストに応えて行われる。例えば図１に示すＬｕｍｉｆｙシステムのスマートフォンでは、ソフトウェア命令が従来通り使用され、上記表示及びユーザ制御機能が作成及び制御される。

更に、以下の請求項における限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記載されておらず、当該請求項の限定が、更なる構造のない機能の説明が後に続く「〜の手段（means for）」の表現を明示的に使用しない限り又は明示的に使用するまで、米国特許法第１１２条第６パラグラフに基づいて解釈されることを意図していない。

Claims (15)

1. 走査処置の遠隔誘導のためのシステムであって、
   超音波プローブ、画像ディスプレイ、及び、遠隔地に画像を送信し、前記遠隔地から制御信号を受信する画像通信ユニットを含む、ローカル超音波走査デバイスと、
   前記遠隔地にあり、前記ローカル超音波走査デバイスから受信した画像を表示し、前記ローカル超音波走査デバイスに制御信号を送信する超音波システムと、
   を含み、
   前記ローカル超音波走査デバイスは更に、前記超音波システムから受信した制御信号に反応し、前記画像ディスプレイでの表示のための低画質画像及び前記遠隔地における前記超音波システムに送信するための高品質画像を生成する画像プロセッサを含み、
   前記画像ディスプレイは、前記ローカル超音波走査デバイスの前記低画質画像を表示する、システム。
2. 前記低画質画像は、前記高品質画像よりも低い画像解像度を含む、請求項１に記載のシステム。
3. 前記低画質画像及び前記高品質画像の品質係数は、前記ローカル超音波走査デバイスのデフォルト設定に従って設定される、請求項１又は２に記載のシステム。
4. 前記低画質画像及び前記高品質画像の品質係数は、前記遠隔地にある前記超音波システムから受信した画質制御信号に従って設定される、請求項１乃至３の何れか一項に記載のシステム。
5. 前記超音波プローブは更に、前記遠隔地における専門家からの誘導下で、前記ローカル超音波走査デバイスの場所における患者を走査する、請求項１乃至４の何れか一項に記載のシステム。
6. 前記ローカル超音波走査デバイスの前記画像プロセッサは、エコー画素間の画像画素値の完全補間を有する前記高品質画像と、前記エコー画素に補間値が追加されていない低品質画像を生成する走査変換器を含む、請求項１乃至５の何れか一項に記載のシステム。
7. 前記ローカル超音波走査デバイスの前記画像プロセッサは更に、ビデオ圧縮プロセッサを含む、請求項１乃至６の何れか一項に記載のシステム。
8. 前記ローカル超音波走査デバイス及び前記超音波システムそれぞれは、制御データ及び／又は画像データを送受信するネットワーク通信ユニットを含む、請求項１乃至７の何れか一項に記載のシステム。
9. 遠隔地から超音波走査処置を誘導するための方法であって、
   患者の場所における超音波走査デバイスを用いて対象を超音波走査するステップと、
   前記超音波走査によって取得される高品質超音波画像を遠隔地に送信するステップと、
   画質制御信号又は前記超音波走査デバイスのデフォルト設定に応えて、低品質超音波画像を生成するステップと、
   前記患者の場所において、前記低品質超音波画像を表示するステップと、
   を含む、方法。
10. 前記遠隔地から前記患者の場所に、走査誘導を提供するステップを含む、請求項９に記載の方法。
11. 前記遠隔地における画像表示デバイスに前記高品質超音波画像を表示するステップを含む、請求項９又は１０に記載の方法。
12. 前記遠隔地において前記高品質超音波画像を使用して診断するステップを含む、請求項９乃至１１の何れか一項に記載の方法。
13. 前記低品質超音波画像を生成するステップは、前記超音波走査デバイスによって行われる、請求項９乃至１２の何れか一項に記載の方法。
14. 前記患者の場所と前記遠隔地との間に音声通信を確立するステップを含む、請求項９乃至１３の何れか一項に記載の方法。
15. 前記遠隔地から走査のために前記超音波走査デバイスを有効にするステップを含む、請求項９乃至１４の何れか一項に記載の方法。
    

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