JP2019534021A - D−アルロースの合成 - Google Patents
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Abstract
本発明は、化学および/または酵素触媒作用を含む不均一または均一触媒の作用下で、抽出物質サッカリド、好ましくはD−フルクトースから、生成物サッカリド、好ましくはD−アルロースを合成するための方法に関する。合成は、直列で配置された少なくとも2つの反応器内で行われ、第1の反応器から出る反応生成物は、第2の反応器に入る前にクロマトグラフィ分離に供される。好ましくは、クロマトグラフィ分離は、擬似移動床内に統合される。
Description
本発明は、化学および/または酵素触媒作用を含む不均一または均一触媒の作用下で、抽出物質サッカリド、好ましくはD−フルクトースから、生成物サッカリド、好ましくはD−アルロースを合成するための方法に関し、固体生成物であるサッカリド生成物、好ましくは固体アルロース生成物を提供するための方法にも関する。合成は、直列で配置された少なくとも2つの反応器内で行われ、第1の反応器から出る反応生成物は、第2の反応器に入る前にクロマトグラフィ分離に供される。好ましくは、クロマトグラフィ分離は、擬似移動床内に統合される。
アルロース(プシコース)は、砂糖と同様の混じりけのない甘味を有した、低カロリー糖である。アルロースは、天然で極微量に存在する多くの様々な糖の1種である。アルロースは、最初に小麦から特定され、以降はジャックフルーツ、イチジクおよびレーズンを含むある特定の果実で発見されている。アルロースは、カラメルソース、メープルシロップ、黒糖等の様々な甘味食品において天然で微量に存在している。アルロースは、体により吸収されるものの代謝されず、これによりほぼノンカロリーなものである。
H.Itoh et al.,Journal of Fermentation and Bioengeneering,80(1),1995,101−103は、固定化されたD−タガトース3−エピメラーゼによるD−フルクトースからのD−プシコースの調製を開示している。
N.Wagner et al.,Org.Process Res.Dev.2012,16,323−330は、精製化学合成のための生体内変換と擬似移動床(SMB)分離の統合された操作の実践的な側面に関する。D−プシコースは、D−タガトースエピメラーゼ触媒エピマー化を使用して、D−フルクトースから生成される。
N.Wagner et al.,Chemical Engineering Science 137 (2015) 423−435は、高温での希少糖D−プシコースの酵素生成のための反応−分離統合プロセスのモデルベースコスト最適化に関する。
N.Wagner et al.,Angew Chem Int Ed Engl.2015,54(14),4182−6は、希少糖合成における熱力学的限界を克服するための分離統合カスケード反応を開示している。
A.Bosshart et al.,Biotechnol Bioeng.2016,113(2),349−58は、2つの工学的D−タガトースエピメラーゼによる希少糖D−プシコースとL−タガトースの生成に関する。
N.Wagner,et al.,Journal of Chromatography A 2015,1398,47−56は、擬似移動床クロマトグラフィを使用したd−プシコースの経済的生成のための多目的な最適化に関する。
抽出物質サッカリド(educt saccharides)から、好ましくはフルクトースから、生成物サッカリド(product saccharides)を、好ましくはアルロースを提供するための従来技術によるプロセスは、あらゆる点で満足のいくものではなく、改善が要求されている。
本発明の目的は、従来技術と比較して利点を有する、生成物サッカリド、好ましくはアルロースを提供するためのプロセスを提供することにある。
この目的は、特許請求の範囲の主題によって達成されたものである。
驚くべきことに、SMB分離間で2つ以上の反応器を用いた操作によって、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換が、バッチ構成におけるその化学平衡と比較して、大幅に高められることが判明した。これによって、空時収量が増加し、溶離液の必要量が低減される。明らかに、プラントが必要とするリサイクルストリームおよび調整はより少なくなり、したがって、N.Wagnerらにより示されたもの等の同等のプロセスよりも高いエネルギー効率が得られる。
擬似移動床(SMB)プロセスは、クロマトグラフィ分離を実践するための極めて工学的なプロセスである。SMBの改善された経済性は、固定相を無制限に延長し、プロセスへの極めて高い溶質充填量を可能にするために使用される、弁−カラム構成によりもたらされる。移動床に代わる擬似移動床技術では、供給物入口、溶媒または溶離液入口、ならびに所望生成物出口および不要生成物出口の位置が連続的に移動し、固体粒子の連続流動、および固体粒子の反対方向の液体の連続流動により、移動床の印象を与える。真の移動床クロマトグラフィは、理論上の概念に過ぎない。そのシミュレーションは、直列の複数のカラム、および複雑な弁配置の使用により達成され、この弁配置は、供給物混合物および溶媒の流動、ならびに任意のカラムにおける「溶離液(eluent)」または「脱着剤(desorbent)」供給を提供する。弁および管の配置、ならびにこれらの所定の制御によって、規則的な間隔で、一方向での試料の進入、同じ方向であるが連続ループ内の異なる場所での溶媒の進入を切り替えながら、速い生成物および遅い生成物の取り出し位置を、同様に同じ方向であるがループ内の異なる相対位置に移動するように変更できる。
本発明に係る方法は、好ましくは、
(a)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む出発材料を提供するステップと;
(b)任意選択的で、出発材料を水または水性液体と混合して、溶解した抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度を調節し、それにより出発組成物を提供するステップと;
(c)化学および/または酵素触媒作用を含む不均一または均一触媒の作用下で、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより粗生成組成物(crude product composition)を提供し;任意選択的で、好ましくは同じ反応器内で、化学または酵素触媒である第2の触媒を使用して、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースから、前記抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを提供するステップと;
(d)任意選択的で、粗生成組成物を事前精製し、それにより事前精製生成物組成物を提供するステップと;
(e)任意選択的で、粗または事前精製生成物組成物(pre-purified product composition)を濃縮し、それにより濃縮生成組成物(concentrated product composition)を提供するステップと;
(f)任意選択的で、クロマトグラフィにより濃縮生成組成物を精製し、それにより精製生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(g)任意選択的で、精製生成物サッカリド組成物を濃縮し、それにより濃縮生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(h)液体生成物であるサッカリド生成物または固体生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(i’)任意選択的で、固体生成物であるサッカリド生成物を乾燥させ、それにより乾燥生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(j)任意選択的で、液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物を包装し、それにより包装生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(k)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物をパレットに載せ、それによりパレット積み生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(l)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物またはパレット積み生成物であるサッカリド生成物を保存するステップと
を含む。
(a)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む出発材料を提供するステップと;
(b)任意選択的で、出発材料を水または水性液体と混合して、溶解した抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度を調節し、それにより出発組成物を提供するステップと;
(c)化学および/または酵素触媒作用を含む不均一または均一触媒の作用下で、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより粗生成組成物(crude product composition)を提供し;任意選択的で、好ましくは同じ反応器内で、化学または酵素触媒である第2の触媒を使用して、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースから、前記抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを提供するステップと;
(d)任意選択的で、粗生成組成物を事前精製し、それにより事前精製生成物組成物を提供するステップと;
(e)任意選択的で、粗または事前精製生成物組成物(pre-purified product composition)を濃縮し、それにより濃縮生成組成物(concentrated product composition)を提供するステップと;
(f)任意選択的で、クロマトグラフィにより濃縮生成組成物を精製し、それにより精製生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(g)任意選択的で、精製生成物サッカリド組成物を濃縮し、それにより濃縮生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(h)液体生成物であるサッカリド生成物または固体生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(i’)任意選択的で、固体生成物であるサッカリド生成物を乾燥させ、それにより乾燥生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(j)任意選択的で、液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物を包装し、それにより包装生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(k)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物をパレットに載せ、それによりパレット積み生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(l)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物またはパレット積み生成物であるサッカリド生成物を保存するステップと
を含む。
ステップ(c)による抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換は、好ましくは、酵素触媒の作用下で行われる。選択される酵素は、抽出物質サッカリドの性質および生成物サッカリドの性質に依存する。所与の変換の触媒作用に好適な酵素は、当業者に知られており、市販されている。好ましい酵素は、ホスホリラーゼおよびイソメラーゼ(例えばエピメラーゼ)を含む。
好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、単糖、好ましくはフルクトースであり、生成物サッカリドは、単糖、好ましくはアルロースであり、ステップ(c)による変換は、好ましくはD−タガトース3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、単糖、好ましくはグルコースであり、生成物サッカリドは、単糖、好ましくはフルクトースであり、ステップ(c)による変換は、グルコース−フルクトース−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
さらに別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、単糖、好ましくはフルクトースであり、生成物サッカリドは、単糖、好ましくはタガトースであり、ステップ(c)による変換は、タガトース−3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
さらに別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、単糖、好ましくはガラクトースであり、生成物サッカリドは、単糖、好ましくはタガトースであり、ステップ(c)による変換は、タガトース−3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
さらなる好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、好ましくはほぼ等モル比の2種の単糖、好ましくはグルコース−1−リン酸およびグルコースの混合物であり、生成物サッカリドは、二糖、好ましくはセロビオースであり、ステップ(c)による変換は、セロビオースホスホリラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリドは、好ましくはほぼ等モル比の2種の単糖、好ましくはグルコース−1−リン酸およびフルクトースの混合物であり、生成物サッカリドは、二糖、好ましくはスクロースであり、ステップ(c)による変換は、スクロースホスホリラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。
本発明に係る方法のステップ(a)、(c)、および(h)は必須であり、一方ステップ(b)、(e)、(f)、(g)、(i’)、(j)、(k)および(l)は任意選択的である。任意選択のステップのいくつかは、互いに依存する。
例えば、ステップ(l)における包装生成物であるサッカリド生成物の保存には、ステップ(j)における液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物の先行する包装が必要である。同様に、ステップ(l)におけるパレット積み生成物であるサッカリド生成物の保存には、ステップ(k)における包装生成物であるサッカリド生成物の先行するパレット積み、およびステップ(j)における液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物の先行する包装が必要である。
また、酵素変換の方法に応じて、いくつかのステップは互いに結合され得る。例えば、ステップ(c)による膜反応器内での酵素変換は、好ましくは、ステップ(d)による限外濾過と結合される(ステップ−(c)−(d)−の部分列に対応する)。同様に、ステップ(c)によるクロマトグラフィ反応器または固定化されたカラム反応器内での酵素変換(橋本プロセス)は、好ましくは、ステップ(f)によるクロマトグラフィ精製と結合される(ステップ−(c)−(f)−の部分列に対応、好ましくはステップ(d)および(e)を省略)。
好ましくは、ステップは、アルファベット順に行われる。連続するステップは、互いに時間的に分離されてもよく、すなわち、後続のステップは、先行するステップが停止された後に開始してもよく、少なくともある程度同時に開始してもよい。
好ましい実施形態にて、本発明に係る方法は、ステップ(a)−(c)−(h);(a)−(b)−(c)−(h);(a)−(c)−(d)−(h);(a)−(c)−(e)−(h);(a)−(c)−(f)−(h);(a)−(c)−(g)−(h);(a)−(c)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(e)−(h);(a)−(c)−(d)−(f)−(h);(a)−(c)−(d)−(g)−(h);(a)−(c)−(e)−(f)−(h);(a)−(c)−(e)−(g)−(h);(a)−(c)−(f)−(g)−(h);(a)−(c)−(d)−(e)−(f)−(h);(a)−(c)−(d)−(e)−(g)−(h);(a)−(c)−(d)−(f)−(g)−(h);(a)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h);(a)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h);(a)−(c)−(d)−(e)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(f)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(e)−(f)−(h)−(i’);(a)−(c)−(e)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(e)−(f)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(e)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(h)−(i’);(a)−(c)−(d)−(h)−(i’);(a)−(c)−(e)−(h)−(i’);(a)−(c)−(f)−(h)−(i’);(a)−(c)−(g)−(h)−(i’);(a)−(c)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(h);(a)−(b)−(c)−(e)−(h);(a)−(b)−(c)−(f)−(h);(a)−(b)−(c)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(e)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(f)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(f)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(e)−(f)−(h);(a)−(b)−(c)−(e)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(f)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(f)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(f)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(f)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(e)−(f)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(e)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(f)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(d)−(f)−(g)−(h)−(i’);(a)−(b)−(c)−(e)−(f)−(g)−(h)−(i’);または(a)−(b)−(c)−(d)−(e)−(f)−(g)−(h)−(i’)を含む、または本質的にこれらからなる。
本発明に係る方法の必須のステップ(a)にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む出発材料が提供される。
代替的に、抽出物質サッカリドは、生成物サッカリドとしてのセロビオースに変換される2つの異なるサッカリド、例えばグルコース−1−リン酸およびグルコースの混合物であってもよい。
本明細書に記載の目的において、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、原則的に微量のL−抽出物質サッカリド、好ましくはL−フルクトースもまた含み得るD−抽出物質サッカリド、好ましくはD−フルクトースを指す。好ましくは、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、本質的に、純粋なD−抽出物質サッカリド、好ましくはD−フルクトースであり、すなわち、好ましくは、L−抽出物質サッカリド、好ましくはL−フルクトースを含まない。
抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、原則的に任意の形態で、例えば固体、好ましくは結晶性材料として、または液体、例えば水性シロップとして提供され得る。
抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、精製された形態で、または他の炭水化物、特に単糖および/もしくは二糖、例えば前駆体サッカリド、好ましくはグルコースもしくはスクロースとの混合物として提供され得る。
好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、好ましくはサトウダイコン、サトウキビ、トウモロコシ(コーン)、小麦、タピオカ、米、ヤシ、ヤシ果実、リュウゼツラン、カエデ、蜂蜜または菊芋をベースとする前駆体サッカリド/抽出物質サッカリドシロップ、好ましくはグルコース/フルクトースシロップの形態で提供される。
別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、好ましくは上述したような、前駆体サッカリド/抽出物質サッカリドシロップ、好ましくはグルコース/フルクトースシロップの形態で提供され、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースは、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの残留含有率が元の含有率と比較して低減されるように、その後抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに異性化される。前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに異性化し、それにより抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース含有率を高めるのに好適な方法は、当業者に知られている。例えば、グルコースは、ルイス酸またはブレンステッド塩基触媒を使用して、フルクトースに異性化され得る。代替として、グルコースは、酵素触媒作用にフルクトース−グルコース−イソメラーゼを使用して、フルクトースに異性化され得る。
好ましい実施形態にて、第2の酵素は、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースから抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースへの先行する変換に使用され、この酵素は、このようにして提供された抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースをその後生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換する酵素と並行して機能する。好ましくは、必要とされる機器がより少なくなり、プロセスの全体的な効率が改善されるように、両方の酵素が同じ反応器内に存在する。前駆体サッカリド、好ましくはグルコースは、スクロースに由来してもよく、これは一方で、例えば転化糖、すなわち前駆体サッカリド、好ましくはグルコースおよび抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの等モル混合物に変換されている。したがって、出発材料は、前駆体サッカリド部分、好ましくはグルコース部分および抽出物質サッカリド部分、好ましくはフルクトース部分(好ましくはスクロースに由来する)の混合物であってもよく、前駆体サッカリド部分、好ましくはグルコース部分は、別の抽出物質サッカリド部分、好ましくはフルクトース部分に酵素変換されてもよい。両方の抽出物質サッカリド部分、好ましくはフルクトース部分は、次いでその後に、好ましくは1つの反応器内で、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換されてもよい。
好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換は、不均一または均一触媒の作用下で、すなわち不均一または均一触媒の存在下で行われる。
さらに別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、別のプロセスにより提供された副生成物の形態で提供されてもよい。例えば、引用することによりその全てが本明細書の一部をなす国際公開第2016/038142号は、酵素触媒作用を用いて、抽出物質グルコシド、好ましくはスクロースから、生成物グルコシド、好ましくはセロビオース、および副生成物、好ましくはフルクトースを調製するための方法を開示している。それにより、抽出物質グルコシドは、まずグルコース1−リン酸および副生成物、好ましくはフルクトースに酵素的に切断され、その後グルコース1−リン酸が反応して生成物グルコシドが生じる。抽出物質グルコシド、好ましくはフルクトースの切断において形成された副生成物、およびグルコース1−リン酸の反応において形成された生成物グルコシドは、好ましくはそれぞれ単離される。したがって、本発明に係る前記した別の好ましい実施形態によれば、例えば国際公開第2016/038142号による方法において副生成物として提供された抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、本発明に係る方法のステップ(a)における出発材料として提供されてもよい。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(b)にて、ステップ(a)で提供された出発材料は、水または水性液体と混合され、溶解した抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度が調節されて、それにより出発組成物が提供される。したがって、出発組成物は、水性液体である。
ステップ(a)にて提供される出発材料が固体材料、例えば結晶性抽出物質サッカリド、好ましくは結晶性フルクトースである場合、本発明に係る方法のステップ(b)にて、固体材料は、好ましくは、緩衝剤、電解質、共同因子等のさらなる処理に役立つ他の構成物質をすでに含有していてもよい水(例えば水道水、もしくは脱塩水、もしくは蒸留水)中または水性液体中に溶解している。好適な電解質は、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム、コバルト、マンガン、ホスフェート等を含む。Mn2+またはMg2+の好ましい濃度は、1mMである。好適な緩衝剤は、例えば50mMの濃度の、例えばpH7.5またはpH9.0のTRIS/HClである。しかしながら、緩衝剤は、所与のpH値を調節および維持するために絶対に必要なわけではない。代替として、pH値は、必要量の強塩基、例えば水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムによる滴定によって調節および維持されてもよい。
ステップ(a)にて提供される出発材料が液体材料、例えば抽出物質サッカリドシロップ、好ましくはフルクトースシロップである場合、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、典型的にはすでに溶解しているが、さらなる処理には高過ぎる濃度である。したがって、これらの状況下では、本発明に係る方法のステップ(b)にて、液体材料は、好ましくは、さらなる処理に役立つ他の構成物質をすでに含有していてもよい水または水性液体で希釈される。
いずれの場合も、水または水性液体は、プロセス自体に由来してもよい。好ましい実施形態にて、水または水性液体は、本発明に係る方法のその後の濃縮ステップおよび/または乾燥ステップにて、好ましくは本発明に係る方法のステップ(e)、(g)および/または(i’)のいずれかにおいて提供された濃縮物または副次的ストリームを含む。
いずれの場合も、そのようにして提供された出発組成物中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度は、所望の濃度に調節される。好ましくは、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度は、出発組成物の総重量を基準として5.0重量%〜80重量%、より好ましくは5.0重量%〜70重量%、さらにより好ましくは20重量%〜60重量%の範囲内の濃度に調節される。好ましい実施形態にて、前記濃度は、20±10重量%、または25±10重量%、または30±10重量%、または35±10重量%、または40±10重量%、または45±10重量%、または50±10重量%、または55±10重量%、60±10重量%、または70±10重量%、または80±10重量%の範囲内である。
出発組成物のpH値は、酸、塩基または好適な緩衝剤系の添加により調節され得る。好ましくは、出発組成物のpH値は、pH2〜pH12、好ましくはpH3〜pH11の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記pH値は、pH3.0±1.0、またはpH3.5±1.0、またはpH4.0±1.0、またはpH4.5±1.0、またはpH5.0±1.0、またはpH5.5±1.0、またはpH6.0±1.0、またはpH6.5±1.0、またはpH7.0±1.0、またはpH7.5±1.0、またはpH8.0±1.0、またはpH8.5±1.0、またはpH9.0±1.0、またはpH9.5±1.0、またはpH10.0±1.0の範囲内である。
出発組成物は、その後のステップ(c)に供される前に、非溶解の残留材料を除去するために、例えば0.2μmの平均細孔サイズを有するフィルタを用いて濾過されてもよい。
本発明に係る方法の必須のステップ(c)にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、好ましくは酵素触媒の作用下で、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換(エピマー化)され、これによって粗生成組成物が提供される。好ましくは、粗生成組成物は、水性液体である。
本明細書に記載の目的のために、生成物サッカリド、好ましくはアルロース(プシコース)は、原則的に微量のL−生成物サッカリド、好ましくはL−アルロースもまた含み得るD−生成物サッカリド、好ましくはD−アルロースを指す。好ましくは、生成物サッカリド、好ましくはアルロースは、本質的に、純粋なD−生成物サッカリド、好ましくはD−アルロースであり、すなわち、好ましくは、L−生成物サッカリド、好ましくはL−アルロースを含まない。
本発明に係る方法は、好ましくは酵素的な方法であり、すなわち酵素触媒作用により生じる。選択される酵素は、抽出物質サッカリドの性質および生成物サッカリドの性質に依存する。所与の変換の触媒作用に好適な酵素は、当業者に知られており、市販されている。好ましい酵素は、ホスホリラーゼおよびイソメラーゼ(例えばエピメラーゼ)を含む。
フルクトースからアルロースまたはタガトース等への酵素変換のための酵素は、フルクトース−アルロース−エピメラーゼまたはフルクトース−タガトース−エピメラーゼであるべきである。前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに異性化し、それにより抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース含有率を高めるのに好適な方法は、当業者に知られている。好ましい実施形態によれば、フルクトース−アルロース−エピメラーゼは、例えばシュードモナスシコリイ(Pseudomonas cichorii)に由来するD−タガトース3−エピメラーゼ(EC5.1.3.31)であってもよく、バシラス属(Bacillus spp.)、ピキア属(Pichia spp.)あるいは大腸菌(E.coli)、好ましくは大腸菌JM109もしくは他のK12誘導体または大腸菌BL21もしくは他のB誘導体等の宿主生物において発現され得る好ましい酵素である。
好ましくは、D−タガトース3−エピメラーゼは、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、ロドバクター属(Rhodobacter sp.)およびメソリゾビウム属(Mesorhizobium sp.)からなる群から選択される細菌に由来する。細菌シュードモナスシコリイ、シュードモナス属ST−24、ロドバクタースフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)およびメソリゾビウムロティ(Mesorhizobium loti)に由来する酵素は、C3位における様々なケトースのエピマー化を触媒し、D−フルクトースおよびD−プシコース、D−タガトースおよびD−ソルボース、D−リブロースおよびD−キシルロース、ならびにL−リブロースおよびL−キシルロースを相互変換するため、全て好適である。特異性は、種に依存する。シュードモナスシコリイおよびロドバクタースフェロイデスに由来する酵素は、Mn2+またはMg2+等の共同因子を必要とし得る。
驚くべきことに、D−タガトース3−エピメラーゼ、および存在する場合には追加の酵素は、例えば1つ以上の膜反応器内でステップ(c)を行うことにより繰り返し使用(すなわちリサイクル)され得ること、ならびに、前記酵素は、別個の反応槽(反応器)内に位置する固体担体に固定化される必要がないことが判明した。さらに、反応後に前記酵素を不活性化する必要はない。
好ましくは、ステップ(c)は、有機溶媒を本質的に含有しない単一水相内で行われる。
酵素は、単離され精製された形態で、または粗抽出物(細胞を含まない凍結乾燥発酵ブロス)の形態で使用され得る。
酵素は、遊離して溶解していてもよく、または固体担体上に固定化されてもよい。酵素は、溶解状態で存在してもよく、すなわち溶液中で遊離していてもよく、また膜により反応器内に保持されてもよい。代替として、酵素は、固体担体上に固定化されてもよい。代替として、酵素は、膜により反応器内に保持された微生物中に存在してもよい。代替として、酵素は、固体担体上に固定化された微生物中に存在してもよい。
酵素または酵素を含む微生物が固体担体上に固定化される場合、固体担体材料は特に限定されず、樹脂、プラスチック、ガラス等を含み得る。酵素はまた、固体担体材料により、例えばアルギネートビーズの形態でカプセル化されてもよい。酵素を含む微生物が固定化される場合、それらは遊離していてもよく、または反応器内に密に充填されていてもよい。
変換温度は、好ましくは、10℃〜90℃、より好ましくは20℃〜70℃の範囲内である。好ましくは、酵素変換は、20℃〜60℃、より好ましくは20℃〜60℃の範囲内の温度で行われる。理想的な反応温度は、酵素の活性および温度安定性に依存し、慣例的な試験により決定され得る。好ましい実施形態にて、温度は、10±5℃、または15±5℃、または20±5℃、または25±5℃、または30±5℃、または35±5℃、または40±5℃、45±5℃または50±5℃または55±5℃または60±5℃または65±5℃または70±5℃または75±5℃または80±5℃の範囲内である。
適切な電解質、例えばナトリウム、カリウム、コバルト、マンガン、マグネシウム、ホスフェート等が存在してもよく、または、変換は、本質的に電解質の不在下で行われてもよい。
酵素変換が遊離して溶解した、または固定化された酵素を用いて行われる場合、変換は、連続的またはバッチ式で行われてもよい。変換中、さらなる基材(すなわち出発材料、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース)がフェドバッチにより追加されてもよい。
反応がバッチ式で行われる場合、典型的な反応時間は、数分から数日、例えば約30分から36時間の範囲内であってもよい。
所望に応じて、生成物サッカリド、好ましくはアルロースは単離されなくてもよいが、さらなる合成のための中間体として使用され得る。例えば、生成物サッカリド、好ましくはアルロースは、第2の酵素を用いてin situでアロースに変換されてもよく、一方第2の酵素はまた独立して遊離して溶解していてもよく、または固定化されてもよい(Y.R.Lim et al.,Appl Microbiol Biotechnol 2011,91(2),229−35)。
好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、生化学的変換をクロマトグラフィ分離に組み合わせたクロマトグラフィ反応器、好ましくは固定化されたカラム反応器が関与するいわゆる橋本プロセスに従って、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換される。これは、典型的には、反応混合物中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースが、反応器ユニットを通って流動する間に生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、その後クロマトグラフィユニットに進入して生成物サッカリド、好ましくはアルロースと残留(すなわち非変換)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースとの分離が行われるように、中に固定化された酵素を有する流通反応器ユニットを後続のクロマトグラフィユニットに結合することにより達成される。これらの状況下では、ステップ(f)におけるクロマトグラフィによるその後の精製は、ステップ(c)における酵素変換内に統合される。
好ましくは、本発明に係るこの態様は、少なくとも2つの反応器R1およびR2内で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを合成するための方法であって、
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体、典型的には抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの水溶液を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド(residual educt saccharide)、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと
を含む方法に関する。
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体、典型的には抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの水溶液を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド(residual educt saccharide)、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと
を含む方法に関する。
本発明に係る方法の好ましい変形例によれば、反応器R1およびR2は両方とも、
− 前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)、および
− 抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−イソメラーゼ)
の2種の酵素を含む。
− 前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)、および
− 抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−イソメラーゼ)
の2種の酵素を含む。
この好ましい変形例によれば、ステップ(i)にて供給される液体は、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含み、これは任意選択的で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(例えば転化糖)と混合して存在する。前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体は、反応器R1に供給され、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換され、それにより抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体を提供し;同時に、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部は、酵素触媒作用(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体を提供する。
この好ましい変形例によれば、液体クロマトグラフィによるステップ(ii)におけるその後の分離は、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第1のクロマトグラフィ分画と;生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第2のクロマトグラフィ分画と;前駆体サッカリド、好ましくはグルコースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含むさらなるクロマトグラフィ分画とを提供する。
この好ましい変形例によれば、ステップ(iii)にて、ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画およびさらなるクロマトグラフィ分画は、反応器R2に供給され、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、
− 残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、
− 残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。
本発明に係る方法の好ましい実施形態にて、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換は、酵素触媒の作用下で、好ましくは単一酵素により行われる。
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態にて、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換は、化学的不均一または均一触媒の作用下で行われる。
本発明に係る方法のさらに別の好ましい実施形態にて、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースは、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換と並行して同じ反応器内で、酵素触媒の作用下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。したがって、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換され、一方このようにして得られた抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換される。
本発明に係る方法のさらに別の好ましい実施形態にて、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースは、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換と並行して同じ反応器内で、化学的不均一または均一触媒の作用下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。したがって、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換され、一方このようにして得られた抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換される。
次いで、上述のステップ(i)から(iii)は、少なくとも上述のステップ(a)および(c)を含むプロセスにおいて統合されてもよく、ステップ(i)から(iii)は、ステップ(c)ならびに任意選択のステップ(d)、(e)および(f)に置き換わる。したがって、両方のプロセスを互いに統合する場合、本発明に係る最終的な方法は、好ましくは、
(a)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む出発材料を提供するステップと;
(b)任意選択的で、出発材料を水または水性液体と混合して、溶解した抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度を調節し、それにより出発組成物を提供するステップと;
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースまたは出発組成物を含む液体を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し;精製生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(g)任意選択的で、精製生成物サッカリド組成物を濃縮し、それにより濃縮生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(h)液体生成物であるサッカリド生成物または固体生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(i’)任意選択的で、固体生成物であるサッカリド生成物を乾燥させ、それにより乾燥生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(j)任意選択的で、液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物を包装し、それにより包装生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(k)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物をパレットに載せ、それによりパレット積み生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(l)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物またはパレット積み生成物であるサッカリド生成物を保存するステップと
を含む。
(a)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む出発材料を提供するステップと;
(b)任意選択的で、出発材料を水または水性液体と混合して、溶解した抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの濃度を調節し、それにより出発組成物を提供するステップと;
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースまたは出発組成物を含む液体を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し;精製生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(g)任意選択的で、精製生成物サッカリド組成物を濃縮し、それにより濃縮生成物サッカリド組成物を提供するステップと;
(h)液体生成物であるサッカリド生成物または固体生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(i’)任意選択的で、固体生成物であるサッカリド生成物を乾燥させ、それにより乾燥生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(j)任意選択的で、液体生成物であるサッカリド生成物または乾燥生成物であるサッカリド生成物を包装し、それにより包装生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(k)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物をパレットに載せ、それによりパレット積み生成物であるサッカリド生成物を提供するステップと;
(l)任意選択的で、包装生成物であるサッカリド生成物またはパレット積み生成物であるサッカリド生成物を保存するステップと
を含む。
供給するステップ(i)は、任意選択の乾燥させるステップ(i’)と混同されるべきではない。
また、以降で詳細に説明される任意選択の方法ステップ(iv)から(xi)の1つまたは複数は、好ましくはステップ(iii)の後およびステップ(g)の前に行われてもよい。
クロマトグラフィ反応器および固定化されたカラム反応器は、一般に、化学的および生化学的反応を、それぞれクロマトグラフィ分離と組み合わせ、それによりいくつかの方法ステップを1つの同じ設備において統合する選択肢を提供する。特に、擬似移動床(SMB)クロマトグラフィ等の向流プロセスを用いて平衡が乗り越えられ、それにより生産性の実質的な改善が達成される。擬似移動床(SMB)クロマトグラフィは、直列の複数のカラムおよび複雑な弁配置の使用により達成され、これは試料および溶媒供給、さらには任意のカラムの適切な場所での生成物および非反応抽出物質の取り出しを提供し、それにより、一方向における試料進入、逆方向における溶媒進入を一定の間隔で切り替えながら、生成物および非反応抽出物質取り出し位置もまた適宜変更することが可能となる。
クロマトグラフィ分離への化学反応の統合は、平衡により制約される反応の変換を改善する可能性を提供する。生成物の同時除去によって、反応平衡は、生成物側にシフトする。この反応およびクロマトグラフィ分離の組合せは、SMBプロセスのカラムに吸着剤および触媒を均一に充填することにより達成され得、これは反応(SMBR)プロセスをもたらす。
SMBRプロセスは、反応および分離ユニットの逐次的配置と比較して、より高い生産性の点で有利となり得る。しかしながら、SMBRにおける均一な触媒分布は、生成物出口付近での逆反応を促進し、これは生産性に有害である。不活性化触媒を新しくすることは、不活性触媒が吸着ビーズと混合している場合困難であり、分離および反応に同じ条件が選択されなければならず、これは最適以下の反応または最適以下の分離をもたらし得る。
橋本SMBプロセスは、吸着剤のみ、または触媒のみを含む別個のユニットで分離および反応を行うことにより、SMBRの欠点を克服する。この構成では、反応条件および分離条件を別個に選択することができ、反応器は、適切な切り替えにより、常にSMBプロセスの分離ゾーン内に設置され得る。
橋本プロセスは、SMBの原理に基づいており、カラム内での擬似移動床クロマトグラフィを反応器内での合成と組み合わせている(T.Borren et al.,Chemie Ingenieur Technik 2004,76(9),1291−2)。
個々の設計に応じて、橋本プロセスは、いくつかのゾーンを備えてもよい。橋本プロセスでは、分離および反応の機能は、異なるカラム内で行われ、反応器は、分離ゾーン内に固定される。ポートのシフトおよびポートに対する固定反応器位置の実現は、操作の全サイクルが終わったら各反応器が各分離カラムに接続されなければならないため、困難である。
橋本SMBプロセスは、3ゾーンプロセスまたは4ゾーンプロセスとして実行され得る。好ましくは、橋本SMBプロセスは、4ゾーンプロセスとして実行される。
3ゾーンプロセスでは、供給物ストリームは、必要な純度を有する生成物ストリームに完全に変換される。反応器および分離器は、反応器内で反応平衡に到達させ、後続の分離ユニット内で生成物を除去することによって変換率を増加させるために、交互配列で設置される。
4ゾーンプロセスは、抽出物質(本明細書では抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース)を含有する追加の抽残液ストリーム、および溶離液の再生を改善するための追加のゾーンIVを有する。それによって、所望の生成物ではない追加のストリームおよび追加のカラムを犠牲にして、プロセスは、より少ない脱着剤消費またはより高い供給物処理量で操作され得、またリサイクルストリームにわたる成分の破過がより容易に防止され得る(H.Schmidt−Traub et al.,Integrated Reaction and Separation Operations: Modelling and experimental validation,Springer,2006)。
本発明によれば、ゾーンIIIは、好ましくは、個々の分離カラム間に固定式反応器を備える。前記反応器は、ゾーンIII内に永久的に留まり、したがって流動方向のパルスと共に移動し、それにより反応および分離の区別を達成する。均一混合物と比較して、このような区別はいくつかの利点を有する。例えば、吸着質および触媒は、個々に置き換えられ、再生され得る。さらに、生産性を改善するために、一方では分離用に、および他方では合成用に、異なる最適化温度が調節され得る。
その高い複雑性に起因して、SMBクロマトグラフィは、設備の寸法を決め、さらにそれを操作するために、厳密なモデリングおよびシミュレーションを必要とする。またこの点において、分離および合成の区別が有利であるが、これは分離および合成という両方の目的を同時に果たすカラムのモデリングを必要としないためである。
橋本プロセスに従って、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、生成物サッカリド、好ましくはアルロースを抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから分離する場合、より弱い吸着種の必要な純度は、プロセス全体に制約を課す。より弱い吸着種が単離されるべき生成物(本明細書においては生成物サッカリド、好ましくはアルロース)である場合、純度を改善するために固定式反応器の数が増加されてもよい。より強い吸着種は、原則的に高い純度で単離され得る。代替として、SMB設備の上流側の反応器が有利となり得る。
N.Wagnerらは、見かけの変換率を増加させるために、反応器へのナノ濾過プラントによる非反応抽出物質のリサイクルと共に、反応器およびSMBクロマトグラフィの組合せを使用している。それと比較して、本発明に係る方法は、反応平衡をシフトさせるために複数の反応器(2つ以上の反応器)を用いて機能する。反応器は、SMB構成において連続的に設置され、一方、好ましくは、反応器およびクロマトグラフィカラムが交互に配置されるように、各反応器に続いてクロマトグラフィカラムが設置される。第1の反応器内で反応平衡に達したら、後続の第1のクロマトグラフィカラム内で非反応抽出物質(抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース)が生成物(生成物サッカリド、好ましくはアルロース)から分離される。前記非反応抽出物質(抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース)は、第1のクロマトグラフィカラムの後に配置された第2の反応器に供給される。第2の反応器内で反応平衡に達したら、後続の第2のクロマトグラフィカラム内で非反応抽出物質(抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース)が生成物(生成物サッカリド、好ましくはアルロース)から分離され、以降も同様である。
したがって、N.Wagnerらによる構成と比較して、本発明による1つの通過での変換率は、より低いエネルギー消費で実質的により高い。
N.Wagnerらの構成では全体的変換率を改善するために必要とされる追加のナノ濾過は、本発明によれば必要ではない。このようなナノ濾過なしで、本発明による全体的効率はより高い。本発明に従って反応器をSMB構成に設置することにより、必要とされる溶離液による希釈係数は、通常のSMB構成と同じである。
橋本プロセスに従う本発明に係る第1の態様は、少なくとも2つの反応器R1およびR2内で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを合成するための方法であって、
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと
を含む方法に関する。
(i)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を反応器R1に供給し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換し、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画を反応器R2に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと
を含む方法に関する。
本発明に係る方法の好ましい変形例によれば、反応器R1およびR2は両方とも、
− 前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)、および
− 抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−イソメラーゼ)の2種の酵素を含む。
− 前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)、および
− 抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素(例えば、生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−イソメラーゼ)の2種の酵素を含む。
この好ましい変形例によれば、ステップ(i)にて供給される液体は、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含み、これは任意選択的で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(例えば転化糖)と混合して存在する。前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体は、反応器R1に供給され、前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換され、それにより抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体を提供し;同時に、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの一部は、酵素触媒作用(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、それにより生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む液体を提供する。
この好ましい変形例によれば、液体クロマトグラフィによるステップ(ii)におけるその後の分離は、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第1のクロマトグラフィ分画と;生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第2のクロマトグラフィ分画と;前駆体サッカリド、好ましくはグルコースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含むさらなるクロマトグラフィ分画とを提供する。
この好ましい変形例によれば、ステップ(iii)にて、ステップ(ii)の第1のクロマトグラフィ分画およびさらなるクロマトグラフィ分画は、反応器R2に供給され、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)、
− 残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部は、生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され(抽出物質サッカリドから生成物サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば生成物サッカリド−抽出物質サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはアルロース−フルクトース−エピメラーゼ)、
− 残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースの少なくとも一部は、酵素触媒作用(前駆体サッカリドから抽出物質サッカリドへの変換を触媒することができる酵素、例えば抽出物質サッカリド−前駆体サッカリド−イソメラーゼ、好ましくはグルコース−フルクトース−イソメラーゼ)下で抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースに変換される。
典型的には、第1のクロマトグラフィ分画中および第2のクロマトグラフィ分画中それぞれの生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの総重量とそれぞれ比較した、第1のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースに対する残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量比は、第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースに対する残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量比と異なる。
好ましくは、第1のクロマトグラフィ分画中および第2のクロマトグラフィ分画中それぞれの生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの総重量とそれぞれ比較した、第1のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースに対する残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量比は、第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースに対する残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量比より高い。
好ましい実施形態では、
− それぞれの場合において、第1のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第1のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%であり;ならびに/または
− それぞれの場合において、第2のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%である。
− それぞれの場合において、第1のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第1のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%であり;ならびに/または
− それぞれの場合において、第2のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%である。
好ましくは、ステップ(ii)にて、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースは、生成物サッカリド、好ましくはアルロースより短い保持時間を有する。
好ましくは、両方のクロマトグラフィ分画が反応器R2に供給されるが、第2のクロマトグラフィ分画は、第1のクロマトグラフィ分画の後に反応器R2に供給される。
好ましくは、ステップ(iii)の変換はまた、生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを提供する。
好ましい実施形態にて、本発明に係る方法は、
(iv)液体クロマトグラフィにより、ステップ(iii)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第3のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第4のクロマトグラフィ分画
を提供するさらなるステップを含む。
(iv)液体クロマトグラフィにより、ステップ(iii)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第3のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で残留前駆体サッカリド、好ましくはグルコースを含む第4のクロマトグラフィ分画
を提供するさらなるステップを含む。
好ましくは、第4のクロマトグラフィ分画は、ステップ(i)に再循環される。
好ましい実施形態では、
− それぞれの場合において、第3のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第3のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%であり;ならびに/または
− それぞれの場合において、第4のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第4のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%である。
− それぞれの場合において、第3のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第3のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%であり;ならびに/または
− それぞれの場合において、第4のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースの総重量と比較した、第4のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの相対重量含有率は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも97.5重量%である。
本発明によれば、一連の反応器および液体クロマトグラフィは、2つの反応器R1およびR2より多くの反応器、すなわち、
− 反応器R3に続く、第5のクロマトグラフィ分画を第6のクロマトグラフィ分画から分離するための液体クロマトグラフィ;
− 反応器R4に続く、第7のクロマトグラフィ分画を第8のクロマトグラフィ分画から分離するための液体クロマトグラフィ;
等を含んでもよい。
− 反応器R3に続く、第5のクロマトグラフィ分画を第6のクロマトグラフィ分画から分離するための液体クロマトグラフィ;
− 反応器R4に続く、第7のクロマトグラフィ分画を第8のクロマトグラフィ分画から分離するための液体クロマトグラフィ;
等を含んでもよい。
例えば、好ましい実施形態にて、本発明に係る方法は、以下のさらなるステップ、
(α)任意選択のステップ(iv)の第3のクロマトグラフィ分画を反応器R3に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと;
(β)任意選択的で、液体クロマトグラフィにより、ステップ(α)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第5のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第6のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと
を含む。
(α)任意選択のステップ(iv)の第3のクロマトグラフィ分画を反応器R3に供給し、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するステップと;
(β)任意選択的で、液体クロマトグラフィにより、ステップ(α)の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースの少なくとも一部を分離し、それにより、
− 残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび任意選択的で生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む第5のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含む第6のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと
を含む。
好ましくは、本発明に係るプロセスは、最大4つのこのような反応器、より好ましくは最大3つのこのような反応器、最も好ましくは2つの反応器R1およびR2を含む。したがって、包含される本発明によれば、以下において全ての好ましい定義は2つの反応器に重点を置いているが、当業者には、3つの反応器または4つの反応器の場合、全ての定義が、追加の反応器およびクロマトグラフィユニットに対してもそれぞれ同様に適用され得ることが理解される。
好ましくは、ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)における液体クロマトグラフィは、カルシウム系樹脂を含む吸着床を用いて行われる。好ましくは、ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)における液体クロマトグラフィは、40℃〜90℃の範囲内の温度で行われる。
好ましくは、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースへの変換は、単一酵素による酵素触媒の作用下で行われる。好ましくは、抽出物質サッカリドがフルクトースであり、生成物サッカリドがアルロースである場合、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による変換は、D−タガトース3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる。好ましくは、D−タガトース3−エピメラーゼは、シュードモナス属、ロドバクター属およびメソリゾビウム属からなる群から選択される細菌に由来する。好ましくは、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による変換は、酵素による酵素触媒の作用下で行われ、酵素は、
− 溶解状態で存在し、膜により反応器R1および/もしくはR2内に保持される;
− 固体担体上に固定化される;
− 膜により反応器R1および/もしくはR2内に保持された微生物中に存在する;または
− 固体担体上に固定化された微生物中に存在する。
− 溶解状態で存在し、膜により反応器R1および/もしくはR2内に保持される;
− 固体担体上に固定化される;
− 膜により反応器R1および/もしくはR2内に保持された微生物中に存在する;または
− 固体担体上に固定化された微生物中に存在する。
より好ましくは、ステップ(i)および/またはステップ(iii)による変換は、酵素による酵素触媒の作用下で行われ、酵素は、
− 固体担体上に固定化される;または
− 固体担体上に固定化された微生物中に存在する。
− 固体担体上に固定化される;または
− 固体担体上に固定化された微生物中に存在する。
好ましくは、反応器R1および/または反応器R2は、膜反応器または固定化されたカラム反応器またはクロマトグラフィ反応器である。より好ましくは、反応器R1および反応器R2は、両方ともクロマトグラフィ反応器または両方とも固定化されたカラム反応器である。より好ましくは、反応器R1および反応器R2は、両方とも固定化されたカラム反応器である。本明細書に記載の目的において、別段に明記されていない限り、クロマトグラフィ反応器は、酵素が固定化され、任意選択的で固定化された微生物内に組み込まれた反応器であり、またクロマトグラフィのために後続の吸着床に結合され得る反応器である。固定化されたカラム反応器は、このようなクロマトグラフィ反応器のサブタイプである。反応器ユニットおよびクロマトグラフィユニットの筐体は、特に限定されない。したがって、反応器ユニットおよびクロマトグラフィユニットは、同じ筐体内、例えばカラム内、または別個の筐体内に収納されてもよい。
本明細書に記載の目的において、「反応器(reactor)」という用語は、単一反応器、または互いに流動連通し、任意選択的で同じ1つの筐体内に統合されてもよい一連の、もしくはカスケードとしての個々の反応器を指し得る。
好ましくは、本発明に係る方法は、連続的に行われる。
特に好ましい実施形態にて、ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)の液体クロマトグラフィは、擬似移動床(SMB)内に統合される。
典型的には、液体がSMBを通って流動方向に流動し、吸着床が反対方向に移動するようにシミュレートされる。
好ましくは、SMBは、4つのゾーンI〜IVを備え、ゾーンI〜IVを通して液体が循環され、液体の流動方向に対して、ゾーンIVは、ゾーンIIIの下流にあり、ゾーンIIIは、ゾーンIIの下流にあり、ゾーンIIは、ゾーンIの下流にあり、ゾーンIは、ゾーンIVの下流にある。
好ましくは、前記4つのゾーンI〜IVの1つは、液体の流動方向に対して下流への配置で、ステップ(i)の変換のための反応器R1、ステップ(ii)の液体クロマトグラフィのための第1の吸着床、ステップ(iii)の変換のための反応器R2、および任意選択的で、任意選択のステップ(iv)の液体クロマトグラフィのための第2の吸着床を備える。
好ましくは、SMBは、
− 1つまたは複数の連続吸着床C−Imを備えるゾーンIであって、指数mは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IInを備えるゾーンIIであって、指数nは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIIと;
− ステップ(i)の変換のための反応器R1、ステップ(iii)の変換のための反応器R2、および1つまたは複数の連続吸着床C−IIIpを備えるゾーンIIIであって、指数pは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であり、液体(溶離液)の流動方向に対して、前記吸着床C−IIIpの少なくとも1つは、反応器R1の下流および反応器R2の上流に配置されているゾーンIIIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IVqを備えるゾーンIVであって、指数pは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIVと
を備える。
− 1つまたは複数の連続吸着床C−Imを備えるゾーンIであって、指数mは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IInを備えるゾーンIIであって、指数nは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIIと;
− ステップ(i)の変換のための反応器R1、ステップ(iii)の変換のための反応器R2、および1つまたは複数の連続吸着床C−IIIpを備えるゾーンIIIであって、指数pは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であり、液体(溶離液)の流動方向に対して、前記吸着床C−IIIpの少なくとも1つは、反応器R1の下流および反応器R2の上流に配置されているゾーンIIIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IVqを備えるゾーンIVであって、指数pは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2または少なくとも3の整数であるゾーンIVと
を備える。
好ましくは、指数m、n、pおよびqは、互いに独立して1〜12の範囲内であり、より好ましくは、それぞれの場合において互いに独立して2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11である。
好ましくは、指数m、n、pおよびqの少なくとも1つは、1より大きい。
好ましい実施形態にて、指数m、n、pおよびqは、同一である。別の好ましい実施形態にて、指数m、n、pおよびqは、同一ではなく、すなわち、少なくとも1つの整数が少なくとも1つの他の整数と異なり、一方残りの整数もまた、前記少なくとも1つの整数または前記少なくとも1つの他の整数と異なってもよく、または同一であってもよい。
本発明に係る方法の好ましい実施形態A1〜A15において、指数m、n、pおよびqは、以下の意味を有する。
本発明に係る方法の好ましい実施形態B1〜B15において、指数m、n、pおよびqは、以下の意味を有する。
本発明に係る方法の好ましい実施形態C1〜C15において、指数m、n、pおよびqは、以下の意味を有する。
本発明に係る方法の好ましい実施形態D1〜D16において、指数m、n、pおよびqは、以下の意味を有する。
好ましい実施形態にて、本発明に係る方法は、
(v)液体の流動方向とは反対の方向に、1つまたは複数の連続吸着床C−Im、1つまたは複数の連続吸着床C−IIn、1つまたは複数の連続吸着床C−IIIp、および1つまたは複数の連続吸着床C−IVqの移動を、
− ゾーンI(C−Im)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIV(C−IVq)内で操作されるように;
− ゾーンII(C−IIn)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンI(C−Im)内で操作されるように;
− ゾーンIII(C−IIIp)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンII(C−IIn)内で操作されるように;および
− ゾーンIV(C−IVq)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIII(C−IIIp)内で操作されるように
シミュレートするさらなるステップを含む。
(v)液体の流動方向とは反対の方向に、1つまたは複数の連続吸着床C−Im、1つまたは複数の連続吸着床C−IIn、1つまたは複数の連続吸着床C−IIIp、および1つまたは複数の連続吸着床C−IVqの移動を、
− ゾーンI(C−Im)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIV(C−IVq)内で操作されるように;
− ゾーンII(C−IIn)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンI(C−Im)内で操作されるように;
− ゾーンIII(C−IIIp)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンII(C−IIn)内で操作されるように;および
− ゾーンIV(C−IVq)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIII(C−IIIp)内で操作されるように
シミュレートするさらなるステップを含む。
好ましくは、SMBは、液体の流動方向に対して下流への配置で、ゾーンIの前の脱着剤用の入口、ゾーンIIの前の生成物サッカリド、好ましくはアルロース(抽出物)用の出口、ゾーンIIIの前の抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(供給物)用の入口、ゾーンIVの前の残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(抽残液)用の出口を備える。
SMBの操作、ならびにゾーンI、II、IIIおよびIVの好適な設計およびそれら同士の接続は、当業者に知られている。これに関して、例えば、A.Rodrigues,Simulated Moving Bed Technology: Principles,Design and Process Applications,1st ed.,Butterworth−Heinemann,2015;S.Ramaswamy,Separation and Purification Technologies in Biorefineries,1st ed.,Wiley 2013;T.Borren,Verfahrenstechnik 876,2007,Untersuchungen zu chromatographischen Reaktoren mit verteilten Funktionalitaten;およびH.Schmidt−Traub,Preparative Chromatography,2013,Viley−VCHを参照することができる。
図1は、本発明に係る方法の好ましい実施形態を概略的に示している。環状の流動方向に配置される4つのゾーン(点線の四角形)を備えるSMBに、フルクトースが液体形態で供給される。(新鮮な)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースがゾーンIIIに供給され、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、それを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するための反応器R1に入る。反応生成物は、反応器R2から出て、吸着床C−III3を備えるクロマトグラフィユニットに供給され、生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースが、典型的にはベースライン分離されないがある程度まで分離される。クロマトグラフィユニットから出る第1のクロマトグラフィ分画は、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを含有し、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換するためのR2に入る。異なる保持時間に起因して、生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含有する第2のクロマトグラフィ分画は、クロマトグラフィユニットからまだ出ておらず、したがって反応器R2内の反応平衡は、第2のクロマトグラフィ分画中に含有される生成物サッカリド、好ましくはアルロースにより影響されず、これはその後反応器R2に入り、それを通過する。第2のクロマトグラフィ分画が反応器R2に入る際、第1のクロマトグラフィ分画は、好ましくはすでに反応器R2から出ている。残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースが排出され得、残留液体が、ゾーンIVに、その後ゾーンIに、続いてゾーンIIに供給されてから、(新鮮な)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースの入口に戻される。向流様式で、時折、床の擬似移動の所望の切替え時間に従って、吸着床は、液体の流動方向とは反対の方向に移動するようにシミュレートされ、それにより、脱着剤を用いたゾーンIとゾーンIIとの間の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの排出が可能となる。ゾーンIIおよびIIIは、残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースおよび生成物サッカリド、好ましくはアルロースを互いに分離する目的を本質的に果たし、一方、ゾーンIおよびIVは、吸着床の次の擬似移動の前にゾーンIIおよびIIIにおいて使用される吸着床を生成する目的を本質的に果たす。
図2は、本発明に係る方法の別の好ましい実施形態を概略的に示しており、各ゾーンが2つの吸着床を備え、吸着床は、同じまたは別個のクロマトグラフィユニット内に収納され得る。
図3は、本発明に係る方法の別の好ましい実施形態を概略的に示しており、クロマトグラフィ分離効率を高めるために、反応器R1の後および反応器R2の前に2つの吸着床が配置されている。また、この実施形態にて、前記2つの吸着床は、同じまたは別個のクロマトグラフィユニット、例えば筐体内に収納されてもよい。図3はまた、様々なゾーンにおいて吸着床の数が異なる実施形態を示す。ゾーンIIIは、3つの吸着床C−III1、C−III2およびC−III3を備えるが、ゾーンI、IIおよびIVはそれぞれ、2つの吸着床を備えるだけである。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(vi)残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース用の出口から抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース用の入口に残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを再循環させるさらなるステップを含む。
(vi)残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース用の出口から抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース用の入口に残留抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを再循環させるさらなるステップを含む。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(vii)フィルタを用いて液体を濾過するさらなるステップを含む。
(vii)フィルタを用いて液体を濾過するさらなるステップを含む。
好ましくは、フィルタは、上で定義されたゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(viii)脱色剤を用いて液体を脱色するさらなるステップを含む。
(viii)脱色剤を用いて液体を脱色するさらなるステップを含む。
好ましくは、脱色剤は、上で定義されたゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(ix)pH調整剤を用いて液体のpHを調整するさらなるステップを含む。
(ix)pH調整剤を用いて液体のpHを調整するさらなるステップを含む。
好ましくは、pH調整剤は、上で定義されたゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(x)濃縮器を用いて液体を濃縮するさらなるステップを含む。
(x)濃縮器を用いて液体を濃縮するさらなるステップを含む。
好ましくは、濃縮器は、上で定義されたゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される。
好ましくは、本発明に係る方法は、
(xi)脱塩器を用いて液体を脱塩するさらなるステップを含む。
(xi)脱塩器を用いて液体を脱塩するさらなるステップを含む。
好ましくは、脱塩器は、上で定義されたゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される。
橋本プロセスに従う本発明に係る第2の態様は、液体流動連通した以下の構成要素
(I)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換することができる酵素を含む反応器R1と;
(II)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースを分離するための、反応器R1の後の第1のクロマトグラフィユニットと;
(III)第1のクロマトグラフィユニットの後の反応器R2であって、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換することができる酵素をやはり含む反応器R2と
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法を行うための装置に関する。
(I)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換することができる酵素を含む反応器R1と;
(II)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースを分離するための、反応器R1の後の第1のクロマトグラフィユニットと;
(III)第1のクロマトグラフィユニットの後の反応器R2であって、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換することができる酵素をやはり含む反応器R2と
を備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法を行うための装置に関する。
好ましくは、本発明に係る装置は、流体流動連通した、
(IV)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースを分離するための、反応器R2の後の第2のクロマトグラフィユニット
をさらに備える。
(IV)抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースから生成物サッカリド、好ましくはアルロースを分離するための、反応器R2の後の第2のクロマトグラフィユニット
をさらに備える。
好ましくは、第1のクロマトグラフィユニットおよび/または第2のクロマトグラフィユニットは、カルシウム系樹脂を含む吸着床を備える。
好ましくは、反応器R1および/または反応器R2は、クロマトグラフィ反応器または固定化されたカラム反応器である。
好ましくは、第1のクロマトグラフィユニットおよび任意選択的で存在する第2のクロマトグラフィユニットは、擬似移動床(SMB)分離システム内に統合される。
好ましくは、本発明に係る装置は、液体流動連通した、
− 抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを反応器R1に再循環させる手段;および/または
− フィルタ;および/または
− 脱色剤;および/または
− pH調整剤;および/または
− 濃縮器;および/または
− 脱塩器
をさらに備える。
− 抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを反応器R1に再循環させる手段;および/または
− フィルタ;および/または
− 脱色剤;および/または
− pH調整剤;および/または
− 濃縮器;および/または
− 脱塩器
をさらに備える。
橋本プロセスに従う本発明に係る別の態様は、上述の本発明に係る方法を実行するための上述の本発明に係る装置に関する。
別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、膜反応器内で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換され、酵素は膜を用いて反応器内に保持されているが、膜は、合成された生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび非変換抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(残留出発材料)に対して透過性である。
この実施形態によれば、膜反応器は、その後の事前精製ステップ(d)が実行され得る限外濾過デバイスと結合されてもよい。
好ましくは、反応器の膜は、30kDa以下、好ましくは25kDa以下、より好ましくは20kDa以下、最も好ましくは15kDa以下、特に10kDa以下のカットオフを有する。
さらに別の好ましい実施形態にて、抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースは、固定化された酵素または固定化された微生物の触媒の作用下で生成物サッカリド、好ましくはアルロースに変換される。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(d)において、ステップ(c)で提供された粗生成組成物は事前精製され、それにより事前精製生成物組成物が提供される。好ましくは、事前精製生成物組成物は、水性液体である。
好ましくは、ステップ(d)は、サブステップ(d1)、すなわち好ましくは活性炭、または脱色目的のために特別に設計され、市販されている脱色樹脂(例えばTreverlite(登録商標)、Chemra)を用いた脱色を含む。脱色のための温度は、好ましくは、30℃〜70℃の範囲内である。
好ましくは、サブステップ(d1)に加えて、または代替として、ステップ(d)は、サブステップ(d2)、すなわち好ましくはイオン交換樹脂を用いた脱塩を含む。好ましくは、サブステップ(d2)は、異なる電荷のイオン交換樹脂を用いた、例えばカチオン交換体で開始し、続いてアニオン交換体、続いて混合床交換体を用いた逐次的脱塩を含む。
代替として、または追加的に、脱塩は、逆浸透、電気透析、透析またはクロマトグラフィにより達成されてもよい。
好ましくは、サブステップ(d1)および/または(d2)に加えて、または代替として、ステップ(d)は、サブステップ(d3)、すなわち濾過、好ましくはナノ濾過または限外濾過を含み、それにより粗生成組成物から固体を分離する。特に、先行する酵素変換ステップ(c)が、限外濾過デバイスが結合され得る膜反応器内で行われる場合、限外濾過が好ましい。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(e)において、ステップ(c)で提供された粗生成組成物またはステップ(d)で提供された事前精製生成物組成物は濃縮され、それにより濃縮生成組成物が提供される。好ましくは、濃縮生成組成物は、水性液体である。
好ましくは、濃縮は、組成物の総重量に対する乾燥物質含有率が、組成物100g当たり少なくとも1gの乾燥物質だけ相対的に増加する効果を有する(濃縮生成組成物対粗生成組成物)。
ステップ(c)で提供された粗生成組成物またはステップ(d)で提供された事前精製生成物組成物の濃縮は、蒸発器を用いて、好ましくは60℃未満の温度で達成され得る。好適な蒸発器は、これらに限定されないが、回転蒸発器、プレート蒸発器、上昇膜式プレート蒸発器(または垂直長管型蒸発器)、流下膜式蒸発器、Robert蒸発器および循環蒸発器を含み、いずれの場合も、単一ステップまたは複数ステップの蒸発が可能である。
好ましくは、蒸発は、高温で行われる。好ましくは、加熱媒体、例えば蒸気の温度は、100℃〜150℃、より好ましくは110℃〜140℃、最も好ましくは120℃〜130℃の範囲内であり、一方生成物の温度は、好ましくは30℃〜59℃の範囲内である。驚くべきことに、60℃以上の生成物温度では、生成物は、おそらくはカラメル化反応に起因して、不必要にも着色してしまう。好ましくは、蒸発は、減圧下、好ましくは1mbar〜300mbarの範囲内の真空下で行われる。
代替として、濃縮は、好ましくは20bar〜60barの範囲内の圧力下でのナノ濾過により、または、好ましくは20bar〜100barの範囲内の圧力下での逆浸透により達成されてもよい。
いずれの場合も、ステップ(c)で提供された粗生成組成物またはステップ(d)で提供された事前精製生成物組成物は、好ましくは、提供される濃縮生成組成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースを含む乾燥物質の最終濃度が、好ましくは方法ステップ(f)におけるその後の処理に好適であるように濃縮される。好ましくは、そのようにして提供された濃縮生成組成物中の乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロース、および他の全ての溶解した構成物質を含むが水を含まない物質の濃度は、濃縮生成組成物の総重量を基準として40〜80重量%の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記濃度は、50±10重量%、または55±10重量%、または60±10重量%の範囲内である。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(f)において、ステップ(e)で提供された濃縮生成組成物はクロマトグラフィにより精製され、それにより精製生成物サッカリド組成物が提供される。好ましくは、精製生成物サッカリド組成物は、水性液体である。
クロマトグラフィは、連続的またはバッチ式で行われてもよい。本発明に係る方法のステップ(c)が、生化学的変換をクロマトグラフィ分離に組み合わせたクロマトグラフィ反応器、好ましくは固定化されたカラム反応器を含む場合(橋本プロセス)、ステップ(f)におけるクロマトグラフィによるその後の精製は、(c)内に統合される。
ステップ(f)におけるクロマトグラフィは、生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび非変換抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(出発材料)を互いに分離する目的を本質的に果たす。したがって、ステップ(f)で提供された精製生成物サッカリド組成物は、ステップ(c)で提供された生成物組成物、ステップ(d)で提供された事前精製生成物組成物、およびステップ(e)で提供された濃縮生成組成物よりも実質的に低い含有率の非変換抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを有する。
そのようにして分離された非変換抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトース(出発材料)は、本発明に係る方法のステップ(a)またはステップ(b)に再循環されてもよい。
クロマトグラフィは、好ましくは、高圧でのカラムクロマトグラフィ(MPLCまたはHPLC)として行われる。クロマトグラフィの好ましい方法は、これらに限定されないが、バッチ式クロマトグラフィ、連続クロマトグラフィ、擬似移動床(SMB)クロマトグラフィおよび逐次的擬似移動床クロマトグラフィ(SSMB)を含む。
生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび抽出物質サッカリド、好ましくはフルクトースを互いにクロマトグラフィ分離するための好適な固定相は、当業者に知られており、市販されている。好ましい固定相は、カルシウム系樹脂、例えばDOWEX(登録商標)MONOSPHERE 99 Ca、Lewatit(登録商標)MDS 1368 Ca/320、Purolite(登録商標)PCR642Caである。
好ましくは、クロマトグラフィは、好ましくは40℃〜90℃、より好ましくは50℃〜80℃、最も好ましくは60℃〜75℃の範囲内の高温で行われる。
好ましくは、そのようにして提供された精製生成物サッカリド組成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの純度は、精製生成物サッカリド組成物中に含有される乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび他の全ての溶解した構成物質を含むが水を含まない物質の全含有量に対して、65重量%〜99重量%の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記純度は、75±10重量%、または80±10重量%、または85±10重量%、または90±10重量%の範囲内である。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(g)において、ステップ(f)で提供された精製生成物サッカリド組成物は濃縮され、それにより濃縮生成物サッカリド組成物が提供される。好ましくは、濃縮生成物サッカリド組成物は、水性液体である。
好ましくは、濃縮は、組成物の総重量に対する乾燥物質含有率が、組成物100g当たり少なくとも1gの乾燥物質だけ相対的に増加する効果を有する(濃縮生成物サッカリド組成物対精製生成物サッカリド組成物)。
ステップ(f)で提供された精製生成物サッカリド組成物の濃縮は、蒸発器を用いて、好ましくは60℃未満の温度で達成され得る。好適な蒸発器は、これらに限定されないが、回転蒸発器、プレート蒸発器、上昇膜式プレート蒸発器(または垂直長管型蒸発器)、流下膜式蒸発器、Robert蒸発器および循環蒸発器を含み、いずれの場合も、単一ステップまたは複数ステップの蒸発が可能である。
好ましくは、蒸発は、高温で行われる。好ましくは、加熱媒体、例えば蒸気の温度は、100℃〜150℃、より好ましくは110℃〜140℃、最も好ましくは120℃〜130℃の範囲内であり、一方生成物の温度は、好ましくは30℃〜59℃の範囲内である。好ましくは、蒸発は、減圧下、好ましくは1mbar〜300mbarの範囲内の真空下で行われる。
好ましくは、そのようにして提供された濃縮生成物サッカリド組成物中の乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロース、および他の全ての溶解した構成物質を含むが水を含まない物質の濃度は、濃縮生成物サッカリド組成物の総重量を基準として40重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜70重量%、または70重量%〜95重量%の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記濃度は、50±10重量%、または55±10重量%、または60±10重量%、または65±10重量%、または70±10重量%、または75±10重量%、または80±10重量%、または85±10重量%、または90±10重量%の範囲内である。
本発明に係る方法の必須のステップ(h)において、液体生成物であるサッカリド生成物または固体生成物であるサッカリド生成物が提供される。
好ましくは、液体または固体生成物であるサッカリド生成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの純度は、液体または固体生成物であるサッカリド生成物中に含有される乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび他の全ての構成物質を含むが水を含まない物質の全含有量に対して、65重量%〜100重量%の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記純度は、75±10重量%、または80±10重量%、または85±10重量%、または90±10重量%の範囲内である。
液体生成物であるサッカリド生成物、好ましくは水性生成物サッカリド、好ましくはアルロースシロップが提供される場合、液体生成物であるサッカリド生成物は、ステップ(f)で提供された精製生成物サッカリド組成物、またはステップ(g)で提供された濃縮生成物サッカリド組成物に本質的に対応し得る。
好ましくは、液体生成物であるサッカリド生成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの濃度は、液体生成物であるサッカリド生成物の総重量に対して少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%、さらにより好ましくは少なくとも55重量%、さらにより好ましくは少なくとも60重量%、最も好ましくは少なくとも65重量%、特に少なくとも70重量%である。好ましい実施形態にて、液体生成物であるサッカリド生成物(シロップ)中の乾燥物質の濃度は、液体生成物であるサッカリド生成物の総重量に対して少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも65重量%、特に少なくとも70重量%であり、生成物サッカリド、好ましくはアルロースの含有率は、乾燥物質の全含有量に対して90〜100重量%の範囲内である。
液体生成物であるサッカリド生成物は、好ましくは、包装前に濾過される。
固体生成物であるサッカリド生成物が提供される場合、固体生成物サッカリド、好ましくはアルロースは、好ましくは、沈殿により、好ましくは結晶化により溶液から、すなわちステップ(f)で提供された精製生成物サッカリド組成物、またはステップ(g)で提供された濃縮生成物サッカリド組成物から単離される。
好ましくは、固体生成物であるサッカリド生成物が沈殿により提供される濃縮生成物サッカリド組成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの純度は、固体生成物であるサッカリド生成物が沈殿により提供される濃縮生成物サッカリド組成物中に含有される乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび他の全ての構成物質を含むが水を含まない物質の全含有量に対して、80重量%〜100重量の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記純度は、75±10重量%、または80±10重量%、または85±10重量%、または90±10重量%の範囲内である。
好ましくは、固体生成物であるサッカリド生成物が沈殿により提供される濃縮生成物サッカリド組成物中の乾燥物質、すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロースおよび他の全ての溶解した構成物質を含むが水を含まない物質の濃度は、濃縮生成物サッカリド組成物の総重量を基準として30重量%〜99.9重量%の範囲内である。好ましい実施形態にて、前記濃度は、50±10重量%、または55±10重量%、または60±10重量%、または65±10重量%、または70±10重量%、または75±10重量%、または80±10重量%、または85±10重量%、または90±10重量%の範囲内である。
結晶化による沈殿に好適なデバイスは、当業者に知られており、これらに限定されないが、冷却結晶化器、真空蒸発結晶化器、強制循環(FC)、撹拌容器、および内部ガイドスリーブ結晶化器を含む。
粉砕に好適なデバイスは、当業者に知られており、これらに限定されないが、ローターミル、カッティングミル、ナイフミル、乳鉢ミル、ディスクミル、ボールミルおよびジョークラッシャを含む。
沈殿、好ましくは結晶化は、例えば、冷却結晶化または真空蒸発結晶化とその後の遠心分離として、すなわち、冷却結晶化およびその後の遠心分離として、または蒸発結晶化およびその後の遠心分離として行われてもよい。
好ましくは、結晶化は、フラッシュ結晶化(flash crystallization)として行われる。好ましくは、フラッシュ結晶化器(flash crystallizator)内の真空は、1mbar〜300mbarの範囲内である。
結晶化は、好ましくは、懸濁結晶化として、または自発結晶化もしくはフラッシュ結晶化として行われる。
本発明による懸濁結晶化は、所望の生成物(すなわち生成物サッカリド、好ましくはアルロース)、溶媒(例えば水、エタノール等)を含有し、またさらなる構成物質(炭水化物、塩等)を含有してもよい溶液の制御された、または制御されていない過飽和による結晶化を指す。必要とされる過飽和は、任意選択的で真空下で、冷却および/または蒸発により達成され得る。
本発明による自発結晶化は、高濃度の所望の生成物(例えば95重量%ds生成物サッカリド、好ましくはアルロース)を有する溶液が高温(例えば100〜150℃)で提供される結晶化を指す。所望の生成物(生成物サッカリド、好ましくはアルロース)の種材料が固体形態(結晶性、非晶質)で添加され、溶液が高せん断に供される。ある特定の場合において、種材料の添加は省略されてもよく、結晶化はせん断のみによって達成される。乾燥物質の高い含有率およびせん断によって、相は自発的に液体から固体に変化し、それにより発熱して水を蒸発させる。
本発明によるフラッシュ結晶化は、真空中で所望の生成物(生成物サッカリド、好ましくはアルロース)の加熱された不飽和溶液を噴霧し、それにより微結晶材料を提供することにより達成される。液体/固体分離後、微結晶は互いに凝集し得る。
結晶化が懸濁結晶化として行われる場合、結晶化に供される組成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの純度は、好ましくは、前記組成物中に含有される乾燥物質の全含有量に対して80重量%〜100重量%の範囲内である。好ましくは、乾燥物質の含有率は、前記組成物の総重量に対して少なくとも60重量%である。好ましくは、組成物は、1rpm〜250rpmの範囲内の回転数で撹拌される。好ましくは、種結晶の量は、前記組成物中に含有される乾燥物質の重量に対して0.001重量%〜10重量%の範囲内である。好ましくは、種結晶は、0.1μm〜200μmの範囲内の平均粒子サイズを有する。好ましくは、結晶化は、20℃〜120℃、より好ましくは30℃〜65℃の範囲内の開始温度で開始し、および/または、0℃〜80℃、より好ましくは25℃〜40℃の範囲内の終了温度で停止する。好ましくは、冷却速度は、5℃/h〜0.005℃/h、より好ましくは1℃/h〜0.05℃/hの範囲内である。好ましくは、結晶化は、真空下で、より好ましくは1mbar〜200mbarの範囲内で行われる。好ましくは、結晶性生成物であるサッカリド、好ましくはアルロース生成物の平均粒子サイズは、10μm〜20,000μm、より好ましくは10μm〜1000μmの範囲内である。好ましくは、沈殿物は遠心分離に供され、懸濁液の体積当たり添加される補充水(cover water)の量は、遠心分離後の溶液の体積に対して0体積%〜70体積%の範囲内である。
結晶化が自発的結晶化として行われる場合、結晶化に供される組成物中の生成物サッカリド、好ましくはアルロースの純度は、好ましくは、前記組成物中に含有される乾燥物質の全含有量に対して80重量%〜100重量%の範囲内である。好ましくは、蒸発後、乾燥物質の含有率は、前記組成物の総重量に対して90重量%〜99.9重量%の範囲内である。好ましくは、種結晶とのブレンド中の生成物温度は、0℃〜80℃の範囲内である。好ましくは、ブレンドは、1Nm〜5000Nmの範囲内のトルクで行われる。好ましくは、種結晶の量は、前記組成物中に含有される乾燥物質の重量に対して1重量%〜50重量%の範囲内である。好ましくは、結晶性生成物であるサッカリド、好ましくはアルロース生成物の平均粒子サイズは、10μm〜2000μmの範囲内である。
代替として、沈殿、好ましくは結晶化は、高せん断ブレンダに続くその後の分級、粉砕および篩い分けを用いて達成されてもよい。
混合およびブレンドのための好適なデバイスは、当業者に知られており、これらに限定されないが、鋤型ミキサー、遊星型ミキサー、およびタービュライザを含む。
代替として、沈殿、好ましくは結晶化は、噴霧乾燥、噴霧凝固、噴霧造粒もしくは噴霧結晶化として、またはベルト乾燥機もしくは赤外線乾燥機を用いて行われてもよい。
好ましくは、噴霧乾燥または噴霧造粒等の噴霧技術により固体生成物であるサッカリド生成物が提供される濃縮生成物サッカリド組成物(噴霧溶液)の温度は、15℃〜80℃の範囲内である。
噴霧乾燥または噴霧造粒等の噴霧技術は、典型的には、噴霧塔を用いて達成される。好ましくは、噴霧塔の入口温度は、40℃〜200℃の範囲内である。好ましくは、平均乾燥滞留時間(体積/体積ストリーム)は、1秒〜3600秒の範囲内である。好ましくは、噴霧塔の出口の生成物温度は、20℃〜105℃の範囲内である。好ましくは、噴霧圧力は、1bar〜200barの範囲内である。
噴霧技術に好適なノズル(ジェット)は、当業者に知られており、これらに限定されないが、二成分ジェット、中空円錐ジェット、多成分ジェット、完全円錐ジェット、および平坦ストリームジェットを含む。
固体生成物であるサッカリド生成物が噴霧造粒により提供される場合、種材料として使用される結晶性生成物サッカリド、好ましくはアルロースの平均粒子サイズは、好ましくは50μm〜500μmのdmin−dmaxの範囲内である。好ましくは、流動化種材料に対する噴霧溶液の比率は、1%〜80%の範囲内である。例えば、上記比率が25%であり、5kgの種材料が流動化される場合、噴霧溶液は20kgとなる。
造粒に好適なデバイスは、当業者に知られており、これらに限定されないが、造粒プレート、造粒ドラム、圧力凝集器、ブレンド造粒器、および溶融造粒器を含む。
0.01μm〜20,000μm、好ましくは0.05μm〜2000μmの範囲内の粒子サイズを有する生成プロセスからの生成物サッカリド、好ましくはアルロースは、好ましくは遠心分離に供給される。
液体から固体を分離することができる好適な遠心分離は、当業者に知られており、これらに限定されないが、バスケット遠心分離を含む。遠心分離は、連続的または不連続的に操作され得る。回転速度は、出発材料の細かさに依存する。結晶の精製には、補充水が濯ぎに使用され得る。他の好適な濯ぎ液は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を含む。
固体生成物であるサッカリド生成物の沈殿が噴霧乾燥により達成される場合、そのようにして提供された生成物サッカリド、好ましくはアルロース粒子の平均粒子サイズは、好ましくは50μm〜500μmのdmin〜dmaxの範囲内である。
固体生成物であるサッカリド生成物の沈殿が噴霧造粒またはフラッシュ結晶化により達成される場合、そのようにして提供された生成物サッカリド、好ましくはアルロース粒子の平均粒子サイズは、好ましくは10μm〜20,000μmのdmin〜dmaxの範囲内である。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(i’)において、ステップ(h)で提供された固体生成物であるサッカリド生成物は(さらに)乾燥され、それにより乾燥生成物であるサッカリド生成物が提供される。
好適な乾燥機は、これらに限定されないが、ドラム乾燥機、乾燥キャビネット、真空乾燥機、噴霧乾燥機、赤外線乾燥機、流下膜式乾燥機(falling film dryer)、流動床乾燥機、振動流動床乾燥機、および回転式乾燥機(revolver dryer)を含む。
好ましくは、乾燥は、20℃〜150℃の範囲内の温度で行われる。好ましい実施形態にて、乾燥は、40±20℃、または50±20℃、または60±20℃、または70±20℃、または80±20℃、または90±20℃、または100±20℃、または110±20℃、または120±20℃、または130±20℃の範囲内の温度で行われる。
乾燥プロセスにおいて利用されるガスは、例えば、0%〜20%の範囲内の相対湿度まで任意選択的で予備乾燥されてもよい空気、窒素または二酸化炭素であってもよい。
乾燥生成物であるサッカリド生成物の最終含水率は、好ましくは0重量%〜2重量%、より好ましくは0.001重量%〜0.2重量%の範囲内である。
乾燥後、生成物サッカリド、好ましくはアルロースは、異なる粒度の分画に分割され得る。篩い分け(分級)に好適なデバイスは、当業者に知られており、これらに限定されないが、転動篩(tumbling sieve)、振動篩、超音波篩、回転篩等を含む。スクリーンクロスは、プラスチックまたは金属で作製されてもよく、織物であってもよく、有孔であってもよく、穿孔されてもよく、または穴が開けられてもよい。
好適なメッシュサイズは、これらに限定されないが、以下を含む。
任意の中間のメッシュサイズもまた可能である。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(j)において、ステップ(h)で提供された液体生成物であるサッカリド生成物またはステップ(i’)で提供された乾燥生成物であるサッカリド生成物は包装され、それにより包装生成物であるサッカリド生成物が提供される。
小さい包装は、50g〜5000gの範囲内の好ましいサイズを有する。
好適な包装機は、当業者に知られており、これらに限定されないが、体積測定投入、または秤量質量差による重量測定投入に基づく機械を含む。投入は、例えば、スクリュー、振動シュートまたはコンベヤベルトを用いて達成され得る。
好適な包装材料は、これらに限定されないが、紙、プラスチックおよび複合材料を含む。
好適な包装は、フィルムチューブ袋(tubing bag)、溶着シームを有する複合チューブ袋、接着シームを有する紙チューブ袋、および再封可能な袋を含む。袋は、自立式パウチ、自立式段ボール箱または厚底の袋(chunk bottom bag)であってもよい。上記は、プラスチックフィルムの紙で作製された内袋を備えてもよい。
5kgを超える大型包装もまた、紙、プラスチックまたは複合材で作製され得る。プラスチックフィルムは、好ましくは気密性である、針が刺される、または穿刺される。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(k)において、ステップ(j)で提供された包装生成物であるサッカリド生成物はパレットに載せられされ、それによりパレット積み生成物であるサッカリド生成物が提供される。
本発明に係る方法の任意選択のステップ(l)において、ステップ(j)で提供された包装生成物であるサッカリド生成物またはステップ(k)で提供されたパレット積み生成物であるサッカリド生成物は、保存される。
包装生成物であるサッカリド生成物は、袋内で、大袋内で、または容器(サイロ)内のばら材料として保存され得る。保存温度は、好ましくは0℃〜35℃の範囲内、好ましくは約20℃である。保存時の相対湿度は、好ましくは0%〜80%、より好ましくは30%〜50%の範囲内である。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
[実施例1]
<完全プロセス、膜反応器:>
結晶性フルクトースを、アルロース生成の出発材料として使用した。フルクトースを水に溶解し、濃度を組成物の総重量に対して40重量%の乾燥物質まで調節した。添加する水は、水道水、脱塩水、プロセスの後続のステップにおいて提供される凝縮水、または前記のいずれかの混合物であってもよい。適切な緩衝剤および塩を添加することにより、pH値および電解質含有率を調節した。
<完全プロセス、膜反応器:>
結晶性フルクトースを、アルロース生成の出発材料として使用した。フルクトースを水に溶解し、濃度を組成物の総重量に対して40重量%の乾燥物質まで調節した。添加する水は、水道水、脱塩水、プロセスの後続のステップにおいて提供される凝縮水、または前記のいずれかの混合物であってもよい。適切な緩衝剤および塩を添加することにより、pH値および電解質含有率を調節した。
限外濾過デバイスに結合された膜反応器(カットオフ10kDa)内で、酵素変換を行った。反応器内の酵素は、遊離して溶解しており、すなわち固定化されておらず、また微生物中に含まれてもいなかった。
精製された凍結乾燥酵素(シュードモナスシコリイに由来するD−タガトース3−エピメラーゼ、大腸菌JM109で発現)または粗抽出物(細胞を含まない発酵ブロス)を、50mM TRIS/HCl緩衝液および1mM MnCl2中50g/L〜500g/Lの範囲内の濃度のフルクトースの水溶液に添加した。必要量のHCl水溶液を用いてpH値をpH7.5またはpH9に調節し、撹拌溶液を55℃または60℃でインキュベートした。フルクトースの濃度に依存して、1時間後、使用されたフルクトースに対して30%のアルロースの収率が達成され得た。
フルクトースを含有する組成物を、フィルタ(0.2マイクロメートル)を通して濾過し、膜反応器に供給した。30℃で36時間、酵素触媒作用によりフルクトースをアルロースに変換した。限外濾過により反応器から生成物を除去し、これによって炭水化物(本質的にアルロースおよび残留フルクトース)を酵素から分離し、一方で酵素を再利用のために膜反応器にリサイクルした。
組成物を事前に精製した。脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて、いずれの場合も30℃〜70℃の範囲内の温度で脱色を達成した。イオン交換樹脂を用いて、カチオン交換体で開始し、続いてアニオン交換体、続いて混合床交換体で脱塩を達成した。
そのようにして提供された組成物を、蒸発器を用いて60℃未満の温度で濃縮し、乾燥物質の濃度を、組成物の総重量に対して40重量%〜70重量%の範囲内の濃度に調節した。蒸発器は、上昇膜式プレート蒸発器(または垂直長管型蒸発器)、流下膜式蒸発器、Robert蒸発器および循環蒸発器から選択され、いずれの場合も、単一ステップまたは複数ステップの蒸発が可能である。アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離した。クロマトグラフィは、バッチ式クロマトグラフィ、連続クロマトグラフィ、擬似移動床(SMB)クロマトグラフィおよび逐次的擬似移動床(SMB)クロマトグラフィ(SSMB)から選択される。
このようにして提供された組成物を、再び蒸発器を用いて60℃未満の温度で濃縮し、乾燥物質の濃度を、組成物の総重量に対して70重量%〜95重量%の範囲内の濃度に調節した。蒸発器は、上昇膜式プレート蒸発器(または垂直長管型蒸発器)、流下膜式蒸発器、Robert蒸発器および循環蒸発器から選択され、いずれの場合も、単一ステップまたは複数ステップの蒸発が可能である。
このようにして提供された組成物から、冷却結晶化とその後の遠心分離により、または蒸発結晶化とその後の遠心分離により、または高せん断ブレンドとその後の粉砕および篩い分けにより、または噴霧乾燥により、または噴霧造粒により、または噴霧結晶化により、またはベルト乾燥機を用いて、または赤外線乾燥機を用いて、アルロースを固体材料として得た。次いで、ドラム乾燥機を用いて、または流動床乾燥機を用いて、または振動流動床乾燥機を用いて、または回転式乾燥機を用いて、アルロースを(さらに)乾燥させた。次いで、固体アルロースを袋に包装し、パレットに載せた。
[実施例2]
<完全プロセス、膜反応器:>
フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用した。実施例1に従って、
− 適切な緩衝剤および塩を添加することにより、または反応中の滴定により、pH値および電解質含有率を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 複数ステップ蒸発を含む蒸発器を用いて濃縮を達成すた。
<完全プロセス、膜反応器:>
フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用した。実施例1に従って、
− 適切な緩衝剤および塩を添加することにより、または反応中の滴定により、pH値および電解質含有率を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 複数ステップ蒸発を含む蒸発器を用いて濃縮を達成すた。
次いで、液体生成物であるサッカリド生成物を濾過し、水を添加することによりアルロース濃度を任意選択的で調節した。液体生成物であるサッカリド生成物を袋に包装し、保存した。
[実施例3]
<完全プロセス、橋本:>
実施例2に従って、
− フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用し;
− 適切な塩を添加することによりpH値を調節した。
<完全プロセス、橋本:>
実施例2に従って、
− フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用し;
− 適切な塩を添加することによりpH値を調節した。
橋本プロセスに従って、すなわち、残留非変換フルクトースがクロマトグラフィにより分離されている生成物サッカリド組成物をすでに提供しているクロマトグラフィ反応器内で酵素変換を行った。
実施例1および実施例2に従い、蒸発器を用いて濃縮を達成した。
冷却結晶化により、濃縮水溶液からのアルロースの沈殿を達成した。
[実施例4]
<完全プロセス、固定化された酵素:>
別のプロセスからの副生成物として提供されたフルクトースを出発材料として使用した。前記別のプロセスは、国際公開第2016/038142号に従った。実施例1および実施例2に従い、適切な緩衝剤および塩を添加することによって、pH値および電解質含有率を調節した。
<完全プロセス、固定化された酵素:>
別のプロセスからの副生成物として提供されたフルクトースを出発材料として使用した。前記別のプロセスは、国際公開第2016/038142号に従った。実施例1および実施例2に従い、適切な緩衝剤および塩を添加することによって、pH値および電解質含有率を調節した。
酵素変換を、固定化された酵素により触媒した。
実施例1に従い、
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− イオン交換樹脂を用いて脱塩を達成し;
− 蒸発器を用いて濃縮を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 別の蒸発器を用いて濃縮を達成した。
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− イオン交換樹脂を用いて脱塩を達成し;
− 蒸発器を用いて濃縮を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 別の蒸発器を用いて濃縮を達成した。
噴霧乾燥により、濃縮水溶液からのアルロースの沈殿を達成した。
[実施例5]
<完全プロセス、膜反応器:>
グルコース/フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用した。
<完全プロセス、膜反応器:>
グルコース/フルクトースシロップを、アルロース生成の出発材料として使用した。
実施例1に従って、
− 濃度を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− イオン交換樹脂を用いて脱塩を達成し;
− 蒸発器を用いて濃縮を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 別の蒸発器を用いて濃縮を達成した。
− 濃度を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− イオン交換樹脂を用いて脱塩を達成し;
− 蒸発器を用いて濃縮を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 別の蒸発器を用いて濃縮を達成した。
高せん断ブレンダを用いて、濃縮水溶液からのアルロースの沈殿を達成した。
[実施例6]
<完全プロセス、膜反応器:>
実施例5に従い、グルコース/フルクトースシロップを出発材料として使用した。
<完全プロセス、膜反応器:>
実施例5に従い、グルコース/フルクトースシロップを出発材料として使用した。
実施例1に従って、
− 適切な緩衝剤および塩を添加することにより、pH値および電解質含有率を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 複数ステップ蒸発を含む蒸発器を用いて濃縮を達成した。
− 適切な緩衝剤および塩を添加することにより、pH値および電解質含有率を調節し;
− 膜反応器内で酵素変換を行い;
− 脱色カラムを用いて、または活性炭を用いて脱色を達成し;
− アルロースおよび残留フルクトースを、クロマトグラフィにより互いに分離し;
− 複数ステップ蒸発を含む蒸発器を用いて濃縮を達成した。
蒸発結晶化を用いて、濃縮水溶液からのアルロースの沈殿を達成した。
[実施例7]
<噴霧造粒、底部噴霧:>
2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。100μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
<噴霧造粒、底部噴霧:>
2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。100μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
65重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して95重量%の純度を有するアルロース水溶液を、室温および5barの圧力で、供給空気と並流で底部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。種材料に対する噴霧溶液の比率は25%であった。
生成物は、ジグザグ分離器を用いて、0.4barの逆圧で連続的に排出された。生成物は、120μm〜140μmの範囲内の平均粒子サイズ、および1重量%未満の含水率を有していた。生成物は、自由流動性であった。
[実施例8]
<噴霧造粒、底部噴霧:>
実施例7に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。200μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、450m3/hに調節して、約5秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
<噴霧造粒、底部噴霧:>
実施例7に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。200μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、450m3/hに調節して、約5秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
70重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース水溶液を、室温および5barの圧力で、供給空気と並流で底部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。種材料に対する噴霧溶液の比率は20%であった。
生成物は、ジグザグ分離器を用いて、0.6barの逆圧で連続的に排出された。生成物は、250μm〜270μmの範囲内の平均粒子サイズと1重量%未満の含水率を有していた。生成物は、自由流動性であった。
[実施例9]
<噴霧造粒、底部噴霧:>
実施例7および実施例8に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。350μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、600m3/hに調節して、約4秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
<噴霧造粒、底部噴霧:>
実施例7および実施例8に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。350μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、600m3/hに調節して、約4秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
70重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して95重量%の純度を有するアルロース水溶液を、室温および5barの圧力で、供給空気と並流で底部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。種材料に対する噴霧溶液の比率は30%であった。
生成物は、ジグザグ分離器を用いて0.8barの逆圧で連続的に排出された。生成物は、350μm〜400μmの範囲内の平均粒子サイズ、および3重量%未満の含水率を有しており、シロップの粘着性を示した。
[実施例10]
<噴霧造粒、上部噴霧:>
実施例7〜9に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。100μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
<噴霧造粒、上部噴霧:>
実施例7〜9に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。100μmの平均粒子サイズを有する5kgのアルロースを、種材料として使用した。体積流を底部から上部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を140℃〜160℃の間の温度に調節すると、生成物温度は最大95℃であった。
65重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して95重量%の純度を有するアルロース水溶液を、室温および5barの圧力で、供給空気と並流で上部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。種材料に対する噴霧溶液の比率は25%であった。
生成物は、100μm〜120μmの範囲内の平均粒子サイズ、および1重量%未満の含水率を有していた。生成物は、自由流動性であった。
[実施例11]
<噴霧乾燥、上部噴霧:>
2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。体積流を上部から底部に誘導し、600m3/hに調節して、約4秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を、180℃〜220℃の間の温度に調節した。
<噴霧乾燥、上部噴霧:>
2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。体積流を上部から底部に誘導し、600m3/hに調節して、約4秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を、180℃〜220℃の間の温度に調節した。
65重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース水溶液を、50℃に加熱し、40barの圧力で、供給空気と並流で上部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。
生成物は、80μm〜120μmの範囲内の平均粒子サイズを有していた。
[実施例12]
<噴霧乾燥、上部噴霧:>
実施例11に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。体積流を上部から底部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を、180℃〜220℃の間の温度に調節した。
<噴霧乾燥、上部噴霧:>
実施例11に従い、2mの全高、0.75mの最大直径、円錐テーパ状生成物空間(高さ1m)、および約0.6m3の容積を有する噴霧塔を使用した。体積流を上部から底部に誘導し、300m3/hに調節して、約7秒の平均最小滞留時間とした。空気流の入口温度を、180℃〜220℃の間の温度に調節した。
65重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース水溶液を、50℃に加熱し、5barの圧力で、供給空気と並流で上部噴霧ノズル(二成分ジェット)を通して噴霧した。
生成物は、150μm〜200μmの範囲内の平均粒子サイズを有していた。
[実施例13]
<フラッシュ結晶化:>
円錐テーパ状底部を有する結晶化容器を、100mbarの真空下で使用した。80重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース水溶液を、50℃に加熱し、50barの圧力で、上部噴霧ノズル(中空円錐ジェット)を通して噴霧した。結晶化器内には、50℃の温度で、85重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有する過飽和溶液が存在していた。アルロース溶液を噴霧することにより、30μm〜90μmの範囲内の平均粒子サイズを有する生成物が、底部に懸濁液として得られた。
<フラッシュ結晶化:>
円錐テーパ状底部を有する結晶化容器を、100mbarの真空下で使用した。80重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース水溶液を、50℃に加熱し、50barの圧力で、上部噴霧ノズル(中空円錐ジェット)を通して噴霧した。結晶化器内には、50℃の温度で、85重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有する過飽和溶液が存在していた。アルロース溶液を噴霧することにより、30μm〜90μmの範囲内の平均粒子サイズを有する生成物が、底部に懸濁液として得られた。
脱塩水を添加することにより、懸濁液を6000rpmで10分間遠心分離した。分離した結晶を、造粒ドラム内で、70重量%の乾燥物質の含有率、および乾燥物質の総含有量に対して99重量%の純度を有するアルロース溶液(50℃)を噴霧することにより造粒した。得られた生成物は、200μmの平均粒子サイズを有していた。
[実施例14]
<回転蒸発器を用いた濃縮>
回転蒸発器のフラスコに、5500gのアルロース溶液(69重量%乾燥物質;純度=95重量%)を充填した。18mbarの真空下、80℃の水浴温度で70rpmでアルロース溶液を蒸発させると、85重量%の乾燥物質が得られた。
<回転蒸発器を用いた濃縮>
回転蒸発器のフラスコに、5500gのアルロース溶液(69重量%乾燥物質;純度=95重量%)を充填した。18mbarの真空下、80℃の水浴温度で70rpmでアルロース溶液を蒸発させると、85重量%の乾燥物質が得られた。
[実施例15]
<回転蒸発器を用いた濃縮>
回転蒸発器のフラスコに、5500gのアルロース溶液(45重量%乾燥物質;純度=99重量%)を充填した。12mbarの真空下、80℃の水浴温度にて70rpmでアルロース溶液を蒸発させると、86.5重量%の乾燥物質が得られた。
<回転蒸発器を用いた濃縮>
回転蒸発器のフラスコに、5500gのアルロース溶液(45重量%乾燥物質;純度=99重量%)を充填した。12mbarの真空下、80℃の水浴温度にて70rpmでアルロース溶液を蒸発させると、86.5重量%の乾燥物質が得られた。
[実施例16]
<上昇膜式プレート蒸発器を用いた蒸発:>
上昇膜式プレート蒸発器に、アルロース溶液(35重量%乾燥物質;95重量%純度)を連続供給し、2段階で蒸発させた。第1段階の蒸気圧は3バール(134℃)であり、生成物空間を30mbarの真空下で操作した。第1段階から出た後、生成物温度は56℃であり、乾燥物質含有率は75重量%であった。第2段階から出た後、生成物温度は59℃であり、乾燥物質含有率は85重量%であった。
<上昇膜式プレート蒸発器を用いた蒸発:>
上昇膜式プレート蒸発器に、アルロース溶液(35重量%乾燥物質;95重量%純度)を連続供給し、2段階で蒸発させた。第1段階の蒸気圧は3バール(134℃)であり、生成物空間を30mbarの真空下で操作した。第1段階から出た後、生成物温度は56℃であり、乾燥物質含有率は75重量%であった。第2段階から出た後、生成物温度は59℃であり、乾燥物質含有率は85重量%であった。
[実施例17]
<種結晶の調製:>
3585gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、79.4重量%の乾燥物質含有率まで濃縮した。溶液を、結晶化器内で32℃の温度にて40rpmで撹拌した。エタノール(Merck、p.a.)中のアルロース結晶(Sigma−Aldrich;純度≧95重量%)の種結晶溶液を、0.7重量%(種結晶のg/溶液中のアルロースのg)の比率で添加した。溶液の温度を1℃/hの速度で2℃低下させた。48時間後、種結晶を遠心分離により分離することができた。結晶を流動床乾燥機内で55℃の生成物温度で乾燥させたが、0.1μm〜200μmの範囲内の平均粒子サイズを有していた。
<種結晶の調製:>
3585gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、79.4重量%の乾燥物質含有率まで濃縮した。溶液を、結晶化器内で32℃の温度にて40rpmで撹拌した。エタノール(Merck、p.a.)中のアルロース結晶(Sigma−Aldrich;純度≧95重量%)の種結晶溶液を、0.7重量%(種結晶のg/溶液中のアルロースのg)の比率で添加した。溶液の温度を1℃/hの速度で2℃低下させた。48時間後、種結晶を遠心分離により分離することができた。結晶を流動床乾燥機内で55℃の生成物温度で乾燥させたが、0.1μm〜200μmの範囲内の平均粒子サイズを有していた。
[実施例18]
<種結晶の調製:>
実施例17による結晶を、好適なメッシュサイズの篩い分けにより分級した。分級した結晶を、エタノール中のスラリーに合わせた。乾燥物質(アルロース)および液相(エタノール、p.a.;Merck)の重量比は、1:4であった。
<種結晶の調製:>
実施例17による結晶を、好適なメッシュサイズの篩い分けにより分級した。分級した結晶を、エタノール中のスラリーに合わせた。乾燥物質(アルロース)および液相(エタノール、p.a.;Merck)の重量比は、1:4であった。
[実施例19]
<冷却結晶化:>
95重量%の純度を有し、3733gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で50℃の温度にて40rpmで撹拌した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、50μm〜120μmであった。種結晶は、0.3重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
<冷却結晶化:>
95重量%の純度を有し、3733gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で50℃の温度にて40rpmで撹拌した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、50μm〜120μmであった。種結晶は、0.3重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
種結晶を溶液中に均質に分布させるために回転速度を一時的に増加させ、次いで40rpmに再設定した。0.085℃/hの直線冷却勾配で結晶化を行い、30℃で停止させた。8000rpmで遠心分離器を用いて、懸濁液を20分間分離した。補充水(脱塩)を20体積%(脱塩水:懸濁液の体積)の比率で添加した。53重量%の収率に対応する1980gの結晶性アルロースが得られた。サイズ分画は、50μm〜150μm(d15〜d85)であった。
[実施例20]
<冷却結晶化:>
99重量%の純度を有し、4230gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、82.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で45℃の温度にて10rpmで撹拌した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、40μm〜100μmであった。種結晶は、1重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
<冷却結晶化:>
99重量%の純度を有し、4230gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、82.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で45℃の温度にて10rpmで撹拌した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、40μm〜100μmであった。種結晶は、1重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
種結晶を溶液中に均質に分布させるために回転速度を一時的に増加させ、次いで10rpmに再設定した。0.16℃/hの直線冷却勾配で結晶化を行い、35℃で停止させた。8000rpmで遠心分離器を用いて、懸濁液を10分間分離した。補充水(脱塩)を10体積%(脱塩水:懸濁液の体積)の比率で添加した。56重量%の収率に対応する2370gの結晶性アルロースが得られた。サイズ分画は、300μm〜400μm(d15〜d85)であった。
[実施例21]
<冷却結晶化:>
90重量%の純度を有し、3890gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で55℃の温度で20rpmで撹拌した。溶液を、1℃/hの冷却速度で52℃に冷却した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、40μm〜100μmであった。種結晶は、0.5重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
<冷却結晶化:>
90重量%の純度を有し、3890gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、結晶化器内で55℃の温度で20rpmで撹拌した。溶液を、1℃/hの冷却速度で52℃に冷却した。調整された溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、40μm〜100μmであった。種結晶は、0.5重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。
0.1℃/hの直線冷却勾配で結晶化を行い、25℃で停止させた。8000rpmで遠心分離器を用いて、懸濁液を10分間分離した。補充水(脱塩)を5体積%(脱塩水:懸濁液の体積)の比率で添加した。40重量%の収率に対応する1560gの結晶性アルロースが得られた。サイズ分画は、50μm〜120μm(d15〜d85)であった。
[実施例21]
<蒸発結晶化:>
95重量%の純度を有し、7040gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、蒸発結晶化器内で55℃の温度にて20rpmで撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を60mbarに設定した。
<蒸発結晶化:>
95重量%の純度を有し、7040gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86.5重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、蒸発結晶化器内で55℃の温度にて20rpmで撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を60mbarに設定した。
溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、40μm〜100μmであった。種結晶は、0.5重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。溶液を、蒸発により濃縮した。飽和の低下は、屈折率測定法により制御した。低下は、2〜3%(屈折率測定法による)を超えるべきではなく、また連続蒸発により初期値に近付けるべきである。飽和が速過ぎる場合は、微粒子形成を回避するために真空度を減らした。8000rpmで遠心分離器を用いて、懸濁液を15分間分離した。補充水(脱塩)を20体積%(脱塩水:懸濁液の体積)の比率で添加した。
[実施例22]
<後処理を伴う蒸発結晶化:>
97重量%の純度を有し、5230gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、蒸発結晶化器内で50℃の温度で撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を70mbarに設定した。
<後処理を伴う蒸発結晶化:>
97重量%の純度を有し、5230gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、86重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、蒸発結晶化器内で50℃の温度で撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を70mbarに設定した。
溶液に、実施例18の懸濁液を播種した。使用した結晶分画は、50μm〜120μmであった。種結晶は、0.4重量%の含有率となった(種結晶/アルロース溶液のg)。溶液を、蒸発により濃縮した。飽和の低下は、屈折率測定法により制御した。低下は、2〜3%(屈折率測定法による)を超えるべきではなく、また連続蒸発により初期値に近付けるべきである。飽和が速過ぎる場合は、微粒子形成を回避するために真空度を減らした。
プロセスを連続的に操作するために、100gの濃縮物の低減後、アルロース溶液の対応する重量を添加した(純度97%、乾燥物質含有率85重量%)。屈折率測定法により飽和の著しい低下が観察され得ない場合、結晶化を停止した。
8000rpmで遠心分離器を用いて、懸濁液を15分間分離した。補充水(脱塩)を35体積%(脱塩水:懸濁液の体積)の比率で添加した。
[実施例23]
<自発的結晶化:>
99重量%の純度を有し、2140gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、99重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、ミキサー内で4000rpmおよび80℃で撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を70mbarに設定した。212gの結晶性アルロースを溶液に添加した(10%)。これらの条件下で、溶液を30分間撹拌した。撹拌操作の間、著しい濁りを観察することができた。混合操作の停止後、混合物を乾燥トレイ上に可能な限り平坦に広げ、乾燥キャビネット内で50℃にて乾燥させた。1重量%未満の残留含水率を有する乾燥物質を、ナイフミルを用いて粉砕した。粒子サイズは、50μm〜120μmであった。
<自発的結晶化:>
99重量%の純度を有し、2140gのアルロースを含有する精製アルロース溶液を、99重量%の乾燥物質含有率まで蒸発させた。溶液を、ミキサー内で4000rpmおよび80℃で撹拌した。温度が平衡に達した後、真空を70mbarに設定した。212gの結晶性アルロースを溶液に添加した(10%)。これらの条件下で、溶液を30分間撹拌した。撹拌操作の間、著しい濁りを観察することができた。混合操作の停止後、混合物を乾燥トレイ上に可能な限り平坦に広げ、乾燥キャビネット内で50℃にて乾燥させた。1重量%未満の残留含水率を有する乾燥物質を、ナイフミルを用いて粉砕した。粒子サイズは、50μm〜120μmであった。
[実施例24]
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
[実施例25]
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
[実施例26]
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
[実施例27]
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
<橋本プロセス:>
以下の表に、本発明による橋本プロセスの好ましい条件を纏めた。
Claims (48)
- 少なくとも2つの反応器R1およびR2内で生成物サッカリドを合成するための方法であって、
(i)抽出物質サッカリドを含む液体を前記反応器R1に供給し、前記抽出物質サッカリドの一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリドに変換して、これによって生成物サッカリドおよび残留抽出物質サッカリドを含む液体を提供するステップと;
(ii)液体クロマトグラフィにより、ステップ(i)の前記残留抽出物質サッカリドから前記生成物サッカリドの少なくとも一部を分離し、これによって、
− 残留抽出物質サッカリドおよび任意選択的で生成物サッカリドを含む第1のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリドおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリドを含む第2のクロマトグラフィ分画
を提供するステップと;
(iii)ステップ(ii)の前記第1のクロマトグラフィ分画を前記反応器R2に供給し、前記残留抽出物質サッカリドの少なくとも一部を酵素触媒の作用下で生成物サッカリドに変換するステップと
を含む方法。 - 前記抽出物質サッカリドが、フルクトースであり、前記生成物サッカリドが、アルロースである、請求項1に記載の方法。
- ステップ(i)および/またはステップ(iii)による前記変換が、D−タガトース3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる、請求項2に記載の方法。
- 前記D−タガトース3−エピメラーゼが、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、ロドバクター属(Rhodobacter sp.)およびメソリゾビウム属(Mesorhizobium sp.)からなる群から選択される細菌に由来する、請求項3に記載の方法。
- (i)前記抽出物質サッカリドが、グルコースであり、前記生成物サッカリドが、フルクトースであり、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による前記変換が、グルコース−フルクトース−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる;または
(ii)前記抽出物質サッカリドが、フルクトースであり、前記生成物サッカリドが、タガトースであり、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による前記変換が、タガトース−3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる;または
(iii)前記抽出物質サッカリドが、単糖、好ましくはガラクトースであり、前記生成物サッカリドが、単糖、好ましくはタガトースであり、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による前記変換が、タガトース−3−エピメラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる;または
(iv)前記抽出物質サッカリドが、グルコース−1−リン酸およびグルコースの混合物であり、前記生成物サッカリドが、セロビオースであり、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による前記変換が、セロビオースホスホリラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる;または
(v)前記抽出物質サッカリドが、グルコース−1−リン酸およびフルクトースの混合物であり、前記生成物サッカリドが、スクロースであり、ステップ(i)および/もしくはステップ(iii)による前記変換が、スクロースホスホリラーゼによる酵素触媒の作用下で行われる、請求項1に記載の方法。 - 前記第1のクロマトグラフィ分画中および前記第2のクロマトグラフィ分画中のそれぞれについて、生成物サッカリドおよび残留抽出物質サッカリドの総重量と各々比較した、前記第1のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリドに対する残留抽出物質サッカリドの相対重量比が、前記第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリドに対する残留抽出物質サッカリドの相対重量比と異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1のクロマトグラフィ分画中および前記第2のクロマトグラフィ分画中のそれぞれについて、生成物サッカリドおよび残留抽出物質サッカリドの総重量と各々比較した、前記第1のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリドに対する残留抽出物質サッカリドの相対重量比が、前記第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリドに対する残留抽出物質サッカリドの相対重量比より高い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- − 前記第1のクロマトグラフィ分画中の前記抽出物質サッカリドおよび前記生成物サッカリドの総重量と比較した前記第1のクロマトグラフィ分画中の抽出物質サッカリドの相対重量含有率が、少なくとも70重量%である;ならびに/または
− 前記第2のクロマトグラフィ分画中の前記抽出物質サッカリドおよび前記生成物サッカリドの総重量と比較した前記第2のクロマトグラフィ分画中の生成物サッカリドの相対重量含有率が、少なくとも70重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 - ステップ(ii)において、前記残留抽出物質サッカリドが、前記生成物サッカリドより短い保持時間を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2のクロマトグラフィ分画が、前記第1のクロマトグラフィ分画の後に前記反応器R2に供給される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(iii)の前記変換がまた、生成物サッカリドおよび残留抽出物質サッカリドを提供する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- (iv)液体クロマトグラフィにより、ステップ(iii)の前記残留抽出物質サッカリドから前記生成物サッカリドの少なくとも一部を分離し、それによって、
− 残留抽出物質サッカリドおよび任意選択的で生成物サッカリドを含む第3のクロマトグラフィ分画;ならびに
− 生成物サッカリドおよび任意選択的で残留抽出物質サッカリドを含む第4のクロマトグラフィ分画
を提供するさらなるステップを含む、請求項11に記載の方法。 - 前記第4のクロマトグラフィ分画が、ステップ(i)に再循環される、請求項12に記載の方法。
- ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)における前記液体クロマトグラフィが、カルシウム系樹脂を含む吸着床を用いて行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)における前記液体クロマトグラフィが、40℃〜90℃の範囲内の温度で行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(i)および/またはステップ(iii)による前記変換が、単一酵素による酵素触媒の作用下で行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(i)および/またはステップ(iii)による前記変換が、酵素による酵素触媒の作用下で行われ、前記酵素は、
− 溶解状態で存在し、膜により前記反応器R1および/もしくはR2内に保持される;
− 固体担体上に固定化される;
− 膜により前記反応器R1および/もしくはR2内に保持された微生物中に存在する;または
− 固体担体上に固定化された微生物中に存在する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。 - 反応器R1および/または反応器R2が、膜反応器またはクロマトグラフィ反応器、好ましくは固定化されたカラム反応器である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 連続的に行われる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(ii)および/または任意選択のステップ(iv)の前記液体クロマトグラフィが、擬似移動床(SMB)内に統合される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 液体が前記SMBを通って流動方向に流動し、吸着床が反対方向に移動するようにシミュレートされる、請求項20に記載の方法。
- 前記SMBが、4つのゾーンI〜IVを備え、ゾーンI〜IVを通して液体が循環され、液体の流動方向に対して、ゾーンIVは、ゾーンIIIの下流にあり、ゾーンIIIは、ゾーンIIの下流にあり、ゾーンIIは、ゾーンIの下流にあり、ゾーンIは、ゾーンIVの下流にある、請求項20または21に記載の方法。
- 前記4つのゾーンI〜IVの1つが、液体の流動方向に対して下流への配置で、ステップ(i)の前記変換のための前記反応器R1、ステップ(ii)の前記液体クロマトグラフィのための第1の吸着床、ステップ(iii)の前記変換のための前記反応器R2、および任意選択的で、任意選択のステップ(iv)の前記液体クロマトグラフィのための第2の吸着床を備える、請求項22に記載の方法。
- 前記SMBが、
− 1つまたは複数の連続吸着床C−Imを備えるゾーンIであって、指数mは、少なくとも1の整数であるゾーンIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IInを備えるゾーンIIであって、指数nは、少なくとも1の整数であるゾーンIIと;
− ステップ(i)の前記変換のための前記反応器R1、ステップ(iii)の前記変換のための前記反応器R2、および1つまたは複数の連続吸着床C−IIIpを備えるゾーンIIIであって、指数pは、少なくとも1の整数であり、液体(溶離液)の流動方向に対して、前記吸着床C−IIIpの少なくとも1つは、前記反応器R1の下流および前記反応器R2の上流に配置されているゾーンIIIと;
− 1つまたは複数の連続吸着床C−IVqを備えるゾーンIVであって、指数pは、少なくとも1の整数であるゾーンIVと
を備える、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。 - 指数m、n、pおよびqが、互いに独立して、1〜12の範囲内である、請求項24に記載の方法。
- 指数m、n、pおよびqの少なくとも1つが、1より大きい、請求項24または25に記載の方法。
- 指数m、n、pおよびqが、同一である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
- 指数m、n、pおよびqが、同一でない、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
- (v)液体の流動方向とは反対の方向に、前記1つまたは複数の連続吸着床C−Im、前記1つまたは複数の連続吸着床C−IIn、前記1つまたは複数の連続吸着床C−IIIp、および前記1つまたは複数の連続吸着床C−IVqの移動を、
− ゾーンI(C−Im)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIV(C−IVq)内で操作されるように;
− ゾーンII(C−IIn)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンI(C−Im)内で操作されるように;
− ゾーンIII(C−IIIp)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンII(C−IIn)内で操作されるように;および
− ゾーンIV(C−IVq)内で以前に操作されていた少なくとも1つの吸着床が、次いでゾーンIII(C−IIIp)内で操作されるように
シミュレートするさらなるステップを含む、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。 - 前記SMBが、液体の流動方向に対して下流への配置で、脱着剤用の入口、前記ゾーンI、生成物サッカリド用の出口、前記ゾーンII、抽出物質サッカリド用の入口、前記ゾーンIII、残留抽出物質サッカリド用の出口、前記ゾーンIV、および脱着剤用の前記入口への接続手段を備える、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
- (vi)残留抽出物質サッカリド用の前記出口から抽出物質サッカリド用の前記入口に残留抽出物質サッカリドを再循環させるさらなるステップを含む、請求項30に記載の方法。
- (vii)フィルタを用いて前記液体を濾過するさらなるステップを含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記フィルタが、請求項22〜30のいずれか一項に記載のゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される、請求項32に記載の方法。
- (viii)脱色剤を用いて前記液体を脱色するさらなるステップを含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記脱色剤が、請求項22〜30のいずれか一項に記載のゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される、請求項34に記載の方法。
- (ix)pH調整剤を用いて前記液体のpHを調整するさらなるステップを含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記pH調整剤が、請求項22〜30のいずれか一項に記載のゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される、請求項36に記載の方法。
- (x)濃縮器を用いて前記液体を濃縮するさらなるステップを含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
- 前記濃縮器が、請求項22〜30のいずれか1項に記載のゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される、請求項38に記載の方法。
- (xi)脱塩器を用いて前記液体を脱塩するさらなるステップを含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
- 前記脱塩器が、請求項22〜30のいずれか1項に記載のゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIおよび/またはゾーンIV内で操作される、請求項40に記載の方法。
- 請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法を行うための装置であって、液体流動連通した以下の構成要素:
(I)抽出物質サッカリドを生成物サッカリドに変換することができる酵素を含む反応器R1と;
(II)抽出物質サッカリドから生成物サッカリドを分離するための、反応器R1の後の第1のクロマトグラフィユニットと;
(III)前記第1のクロマトグラフィユニットの後の反応器R2であって、抽出物質サッカリドを生成物サッカリドに変換することができる酵素をやはり含む反応器R2と
を備える装置。 - 液体流動連通した、
(IV)抽出物質サッカリドから生成物サッカリドを分離するための、反応器R2の後の第2のクロマトグラフィユニット
をさらに備える、請求項42に記載の装置。 - 前記第1のクロマトグラフィユニットおよび/または前記第2のクロマトグラフィユニットが、カルシウム系樹脂を含む吸着床を備える、請求項42または43に記載の装置。
- 反応器R1および/または反応器R2が、クロマトグラフィ反応器、好ましくは固定化されたカラム反応器である、請求項42〜44のいずれか一項に記載の装置。
- 前記第1のクロマトグラフィユニットおよび任意選択的で存在する前記第2のクロマトグラフィユニットが、擬似移動床(SMB)分離システム内に統合される、請求項42〜45のいずれか一項に記載の装置。
- 液体流動連通した、
− 抽出物質サッカリドを前記反応器R1に再循環させる手段;および/または
− フィルタ;および/または
− 脱色剤;および/または
− pH調整剤;および/または
− 濃縮器;および/または
− 脱塩器
をさらに備える、請求項42〜46のいずれか一項に記載の装置。 - 請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法を行うための、請求項42〜47のいずれか一項に記載の装置の使用。
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