JP2019524972A - 波長範囲が狭い蛍光発光のヒドロポルフィリンビーズ - Google Patents
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Abstract
Description
光学及びレーザーの改善と結びついた、より優れた多重化能力に対する要望により、新しくて高パラメータフローサイトメーターが導入された。これには、Becton Dickinsonの50色FACSymphonyTMブランドの高速セル分析装置及びBio-Radの28色ZE5TMブランドの細胞分析装置などが含まれる。しかし、これら及び従来の機器におけるPFCの多重化能力は、現在、既存の色素の広いスペクトル帯域幅によって妨げられており、その結果、発光プロファイルがブロードになり重なり合いをもたらしており、これらの新しいデバイスの能力を十分に活用する可能性を著しく制限している。ブロードで重なり合った発光は、所与のレーザーによって分析することができるスペクトルの解像可能な色の数を減少させる。PFCに使用される現在の染料は、準最適なバンドパスフィルターの使用、分析前実験、及び補償(オーバーラップ補正)を必要とする。これらは、蛍光感度を低下させ、「広がり(spread)」などの人為産物を生じる。例えば、プロトタイプの50色の計測器を用いても、最先端のPFC研究者は、30パラメータのパネルしか実施できなかった(Chattopadhyay et al., 2015)。
いくつかの実施態様において、本発明は、本発明の方法の1つによって調製された個別に検出可能な蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子のセットを提供する。
本発明は、いくつかの実施態様において、本発明の個別に検出可能な蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子のセットを、フローサイトメーターを較正する方法に使用する方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本発明は、本発明の集団を、マルチウォールプレートのウェルを別個に標識するために使用する方法を提供する。いくつかの実施態様において、この方法は、コーティングされた複数のウェルが、そこに存在する特定の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子に由来する励起スペクトルに基づいて、互いに区別することが可能であるように、マルチウォールプレートの複数のウェルのそれぞれを、異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子でコーティングする段階を含む方法を提供する。
また本発明は、いくつかの実施態様において、本発明の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子の集団を、細胞を別個に標識するために使用する方法を提供する。いくつかの実施態様において、この方法は、個々の細胞が特定の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子に由来する励起スペクトルに基づいて互いに区別できるように、複数の細胞に異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を導入する段階を含む。
本明細書で使用する用語は、特定の実施態様のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。
本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、以下に別途定義されない限り、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することを意図したものである。本明細書で採用される技術への言及は、当業者にとって明らかなこれらの技術の変形又は同等の技術の置換を含む、当技術分野で一般に理解されている技術へ言及したものである。
以下の用語は、当業者によってよく理解されると考えられるが、以下の定義は、本発明の説明を促進するために説明される。
本発明を説明するにあたり、多くの技術及び段階が開示されることが理解されるであろう。これらの各々は個々の利益を有し、それぞれは、他に開示された技術の1又はそれ以上又は任意に全てと共に使用することもできる。
従って、明瞭化のために、この説明では、不必要に個々の段階の可能な組み合わせのすべて繰り返すことを控える。にもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが完全に本発明の範囲及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
本明細書で使用される場合、実体を列挙する文脈で使用される時、「及び/又は」という用語は、単独又は組み合わせで存在する実体を指す。従って、例えば、「A、B、C、及び/又はD」という語句は、A、B、C、及びDを個々に含むが、また、A、B、C、及びDの任意ならびに全ての組み合わせ及び部分組み合わせも含む。
本明細書で使用される場合、「のみからなる」という語句は、特許請求の範囲内に明記されないいかなる要素、ステップ、又は成分も除外する。「のみからなる」という語句が、前文の直後ではなく、特許請求の範囲の本文の条項に出現する場合、それは、その条項内に説明される要素のみを限定し、他の要素は特許請求の範囲全体からは除外されない。
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という語句は、特許請求の範囲を、明記される材料及び/又はステップ、ならびに開示内容やクレームの基本的及び新規の特徴(複数可)に実質的に影響を与えないものの範囲に限定する。例えば、蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、ポリマーマトリックス及びそれと結合する少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物から「本質的になる」という場合、言及されたポリマーマトリックスは、蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子中に存在する唯一のポリマーマトリックスであるということを意味する。
本明細書で使用される「メルカプト」は、−SH基を指す。
本明細書で使用する「アジド」は、−N3基を指す。
本明細書で使用される「シアノ」は、−CN基を指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシル/水酸基」は、−OH基を指す。
本明細書で使用される「ニトロ」は、−NO2基を指す。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「アルケニル」は、1又は2〜10,20又は50個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素であり(例えば、C1〜C4アルケニル、C4〜C10アルケニル、C50アルケニル)(又は炭素数1〜4の低級アルケニル)、通常鎖中に1〜4個の二重結合を含む。アルケニルの代表例には、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘプタジエニル、などが含まれるが、これらに限定されない。
用語「アルケニル」又は「低級アルケニル」は、他に示されない限り、置換及び非置換のアルケニル又は低級アルケニルの両方を含み、これらの基は、上記のアルキル及び低級アルキルに関連して記載された基で置換されてもよい。
本明細書で使用される「アルケニレン」は、置換又は非置換であり得る二官能性の直鎖、分岐又は環状アルケニル基を指し、「アルケニル」は上記で定義したとおりである。
本明細書で使用される「アルキニレン」は、置換又は非置換であってもよい二官能性の直鎖、分岐又は環状アルキニル基を指し、「アルキニル」は上記で定義したとおりである。
本明細書で使用される「アルキリデン鎖」は、置換又は非置換であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい、二官能性直鎖状、分枝状及び/又は環状有機基を指し、任意にN、O及びSからなる群から選択される1,2又は3個のヘテロ原子を含有してもよい。その例には、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、アルカリーレン及びアラルキレンが含まれるが、これらに限定されない。例えば、米国特許第6,946,533号を参照されたい。このアルキリデン鎖は、任意の適切な数の炭素原子を含んでもよい(例えば、C1〜C4;C4〜C10;C10〜C20;C20〜C50)。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アシル」は、−C(O)R基(式中、Rはアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又は他の適切な置換基などの本明細書に記載された任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「ハロアルキル」は、本明細書で定義されたアルキル基を介して親分子部分に結合した本明細書で定義された少なくとも1つのハロゲンを指す。ハロアルキルの代表例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロ−3−フルオロペンチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アルキルチオ」は、本明細書で定義されたチオ部分を介して親分子部分に結合した本明細書で定義されたアルキル基を指す。アルキルチオの代表例には、メチルチオ、エチルチオ、t−ブチルチオ、ヘキシルチオなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アリールアルキル」は、本明細書で定義されたアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義されたアリール基を指す。アリールアルキルの代表例には、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−ナフト−2−イルエチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アミノ」は、−NH2基を意味する。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アルキルアミノ」は、−NHR基(式中、Rはアルキル基である。)を意味する。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アリールアルキルアミノ」は、−NHR基(式中、Rはアリールアルキル基である。)を意味する。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アシルアミノ」は、−NRaRb基(式中、Raは本明細書で定義されたアシル基であり、Rbは水素原子、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。)を意味する。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アシルオキシ」は、−OR基(式中、Rは本明細書で定義されたアシル基である。)を意味する。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「エステル」は、−C(O)OR基(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書で使用される「ホルミル」は、−C(O)H基を指す。
本明細書で使用される「カルボン酸」は、−C(O)OH基を指す。
本明細書で使用される「スルホニル」は、式−S(O)(O)R(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)で表される化合物を指す。
本明細書で使用される「スルホネート」は、式−S(O)(O)OR(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)で表される化合物を指す。
本明細書で使用される「スルホン酸」は、式−S(O)(O)OHで表される化合物を指す。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「アミド」は、−C(O)NRaRb基(式中、Ra及びRbは水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「スルホンアミド」は、−S(O)2NRaRb基(式中、Ra及びRbは水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「アルコキシアシルアミノ」は、−N(Ra)C(O)ORb基(式中、Ra、Rbは水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される「アミノアシルオキシ」は、−OC(O)NRaRb基(式中、Ra及びRbは水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基である。)を指す。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「シクロアルキル」は、3,4又は5〜6、7又は8個の炭素原子(この炭素原子は以下で議論されるような複素環基で置換されていてもよい。)を含む飽和又は部分不飽和の環式炭化水素基を指す。シクロアルキルの代表例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。これらの環は、任意に、ハロ又は低級アルキルなどの本明細書に記載された追加の置換基で置換されていてもよい。用語「シクロアルキル」は、一般的なものであり、特に明記しない限り、以下に述べる複素環式基を含むことが意図される。
IIA.一般論
本発明は、いくつかの実施態様において、ポリマーマトリックス及びそれと結合する少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物(本明細書では、「ヒドロポルフィリン」とも呼ばれる。)を含む蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を提供する。本明細書で使用される場合、「ポリマーマトリックス」は、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を形成する分子の任意の分子又は複合体であってもよく、それにより、1又はそれ以上のポルフィリン大環状分子と結合するための足場を提供する。例示的なポリマーマトリックスには、ポリスチレンが含まれる。
同様に、用語「ナノ粒子」は、約1,000nm未満の寸法(例えば、長さ、幅、直径など)を有する少なくとも1つの領域を有する構造を指す。いくつかの実施態様において、この寸法はより小さい(例えば、約500nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約125nm未満、約100nm未満、約80nm未満、約70nm未満、約60nm未満、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、又は約20nm未満)。いくつかの実施態様において、この寸法は、約5nm〜約250nm(例えば、約1, 5, 10, 15, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 110, 120, 130, 140, 150, 160, 170, 180, 190, 200, 210, 220, 230, 240又は250nm)である。
このマイクロ粒子又はナノ粒子は、コア領域(すなわち、この粒子の外寸の間の空間)及び外表面(すなわち、粒子の外寸を画定する表面)を含むことができる。いくつかの実施態様において、このマイクロ粒子又はナノ粒子は、マイクロ粒子又はナノ粒子のコアを取り囲むか又は部分的に取り囲む1又はそれ以上のコーティング層を有することができる。従って、例えば、球状のマイクロ粒子又はナノ粒子は、1又はそれ以上の同心コーティング層を有することができ、各連続層は、その粒子の中心により近いほどより小さな層が外表面上に広がる。
ポリマーは、有機、無機、又はそれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する「無機」という用語は、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リン、又はハロゲンの1つ以外の少なくともいくつかの原子を含む一つの化合物又は組成物を指す。従って、例えば、無機化合物又は無機組成物は、1若しくはそれ以上のケイ素原子及び/又は1若しくはそれ以上の金属原子を含有することができる。いくつかの実施態様において、このポリマーはポリスチレンであり、このマイクロ粒子及び/又はナノ粒子はポリスチレンでできている。いくつかの実施態様において、このマイクロ粒子及び/又はナノ粒子はポリスチレンビーズである。
本明細書に開示された例示的なポルフィリン大環状化合物に関して、異なる及び/又は変更された発光スペクトルを有する追加のポルフィリン性大環状化合物を与えるように、この例示的なポルフィリン性大環状化合物を「波長調整」するために、これに改変を行うこともできる。いくつかの実施態様において、β-ピロール位に異なる補助色素を配置することによって、本発明のポルフィリン大環状化合物の発光波長は変更(すなわち、「調整」)される。いくつかの実施態様において、また、このポルフィリン大環状化合物の安定性を高めるために、還元されたピロール位にジメチル基が追加される。例えば、Lindsey, 2015を参照されたい。
本発明のいくつかの実施態様において、本発明のポルフィリン大環状化合物はバクテリオクロリンである。ここで使用される「バクテリオクロリン」は、本質的にポルフィリンと同じであるが、ポルフィリンとは2つの部分的に飽和した非隣接(すなわちトランス)ピロール環を有する点で異なる。例示的で非限定的なバクテリオクロリンとしては、米国特許第8,173,691号に開示されているバクテリオクロリンが挙げられるが、これらに限定されない。そこに記載されているように、例示的なバクテリオクロリンは、上記の化学式Iの構造を有し、
Mは金属であるか又は存在しない、任意にMはPd、Pt、Mg、Zn、Al、Ga、In、Sn、Cu、Ni及びAuから成る群から選択される金属であり;
Xは、Se、NH、CH2、O及びSから成る群から選択され;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルキルアルキニル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルコキシ、ハロ、メルカプト、アジド、シアノ、ホルミル、カルボン酸、ヒドロキシル、ニトロ、アシル、アリールオキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジ置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホキシル、スルホニル、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、尿素、アルコキシルアシルアミノ、アミノアシルオキシ、結合基、及び表面結合基から成る群から選択される。
いくつかの実施態様において、R1、R2、R5、R7及びR8はそれぞれ水素原子であり;R3及びR4がそれぞれアルキルであり;R6は任意に置換されてもよいアリールである。
いくつかの実施態様において、R1、R2、R5、R7及びR8はそれぞれ水素原子であり;R3及びR4はそれぞれメチルであり;R6はp−トリルである。
本発明のいくつかの実施態様において、本発明のポルフィリン大環状化合物は、クロリンである。ここで使用される「クロリン」は、本質的にポルフィリンと同じであるが,ポルフィリンとは1つの部分的に飽和したピロール環を有する点で異なる。植物の光合成の緑色色素であるクロロフィルの基本発色団はクロリンである。本発明の例示的な非限定的なクロリンとしては、米国特許第6,559,374号に開示されているトランス置換クロリンが挙げられる。そこに記載されているように、例示的なトランス置換クロリンは、上記の化学式IIの構造を有し、
Mは金属であるか又は存在しない、任意にMはPd、Pt、Mg、Zn、Al、Ga、In、Sn、Cu、Ni及びAuから成る群から選択される金属であり;
K1、K2、K3及びK4は、それぞれ独立して、N、O、S、Se、Te及びCHから成る群から選択されるヘテロ原子であり;
S3、S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14、ならびにS1及びS5のいずれか、又はS2及びS6のいずれかは、それぞれ独立して、水素原子、アリール、フェニル、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルチオ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアリール、ピリジル、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシル、スルホキシル、スルホニル、イミド、アミド、及びカルバモイルであり、又はS7とS13は共に=Oを形成する。
いくつかの実施態様において、MはZn又はMgである。いくつかの実施態様において、K1、K2、K3及びK4は、それぞれ独立して、N、O、S及びCHから成る群から選択される。いくつかの実施態様において、K1、K2、K3及びK4はすべてNである。いくつかの実施態様において、S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14は全てアルキルである。
本発明のいくつかの実施態様において、本発明のポルフィリン大環状化合物は、イソバクテリオクロリンである。「イソバクテリオクロリン」は、本質的にポルフィリンと同じであるが、ポルフィリンとは2つの部分的に飽和した隣接(すなわちシス)ピロール環を有する点で異なる。本発明の例示的なイソバクテリオクロリンには、米国特許第8,546,088号に開示のものが含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施態様において、本発明のマイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)供与体を含み、ポルフィリン大環状化合物はFRET受容体として作用する。これは、ポルフィリン大環状分子(典型的にはこれ自体は励起効率をほとんど又は全く示さない。)を励起するために異なる蛍光励起波長を加えることを提供する。限定するためではなく例えば、ビーズ及び粒子に個々のポルフィリン大環状化合物をドープするための本明細書に記載の方法を用いて、ポルフィリン大環状化合物及び第2の疎水性染料を含む有機溶液をビーズ及び粒子に加える。典型的には、所望の励起特性と選択されたポルフィリン大環状分子の励起最大値と有意に重なる発光とを有するFRET供与体が選択される。いくつかの実施態様において、このFRET供与体は、第1の蛍光分子の発光極大と顕著に重複する発光スペクトルによって特徴付けられる。本明細書中で使用される場合、「顕著に重複する」とは、正規化された供与体発光と正規化された受容体吸収との間の重複領域を指す。Lakowicz, 1999を参照されたい。
いくつかの実施態様において、本発明はまた、ポルフィリン大環状分子のダイアドを提供する。本明細書で使用される場合、用語「ダイアド」は、1又はそれ以上の他のポルフィリン大環状分子及び/又は他の色素に共有結合したポルフィリン大環状分子を指す。従って、本明細書で使用される場合、用語「ダイアド」は、1,2,3,4,5又はそれ以上の異なるポルフィリン大環状分子及び/又は他の色素に共有結合で結合したポルフィリン大環状分子を指す。リンカーは、典型的には、アルキニル、フェニル−アルキニル、アリール−アルキニルなど様々であってもよいが、リンカーはポルフィリン大環状分子及び他のパートナーを結合させるために使用される。いくつかの場合では、これは、蛍光量子収量などの特性を向上させることができ、又は溶媒依存性蛍光などの特性を提供することができる(Yu et al., 2014を参照されたい。)。例えば、クロリン−バクテリオクロリンのダイアドは、クロリンの励起とバクテリオクロリンの近赤外(NIR)蛍光発光とを組み合わせることができる( Muthiah et al., 2008を参照されたい。)。いかなる操作理論にも縛られることを望まないが、このアプローチを使用して、クロリンで典型的な赤色発光だけでなく、クロリン−バクテリオクロリンダイアドを使用した近赤外(NIR)発光を伴う紫色で励起可能なビーズ/粒子を作製することが可能である。米国特許第6,420,648号もまた参照されたい。参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明はまた、複数の異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む集団を提供する。本明細書で使用される場合、用語「異なる」とは、任意の測定可能な基準に基づいて互いに区別することができる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を指す。例えば、蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が結合する異なるポルフィリン大環状化合物を有し、それが識別可能な発光スペクトルを有する場合、蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は「異なる」と考えることができる。いくつかの実施態様において、本発明の異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、1又はそれ以上の異なるポルフィリン大環状化合物と結合し、各異なるポルフィリン大環状化合物は、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、かつこのピークが該集団中の他の異なるポルフィリン大環状化合物のいずれかの発光波長帯から少なくとも5nm離れている、発光波長帯を有する。
いくつかの実施態様において、各異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、1又はそれ以上の異なるポルフィリン大環状分子と結合し、かつ各異なるポルフィリン大環状化合物は、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、かつこのピークが該集団中の他の異なるポルフィリン大環状化合物のいずれかの発光波長帯から少なくとも5nm離れている、発光波長帯を有する。いくつかの実施態様において、この集団は、少なくとも3,4,5,6,7又は8の異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む。
いくつかの実施態様において、このポリマーマトリックスは、ポリスチレンを含み、任意にビーズの形態である。いくつかの実施態様において、この少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物は、蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はビーズの外表面と非共有結合的に結合し、蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はビーズによってカプセル化され、蛍光性マイクロ粒子の表面、ナノ粒子、及び/又はビーズ、又はそれらの任意の組み合わせの表面に共有結合的に結合する。
いくつかの実施態様において、この異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子の少なくとも一つのサブセットは、ポルフィリン類(17,18−ジデヒドロホルビン類を含む。)、クロリン類(ホルビン類を含む。)、バクテリオクロリン類(バクテリオホルビン類を含む。)、及びイソバクテリオクロリン類(融合「E」環を含むイソバクテリオクロリン類を含む。)からなる群から選択される1つのポルフィリン大環状化合物を含む。いくつかの実施態様において、この少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物の内の1又はそれ以上は、上記化学式I及びIIから成る群から選択される構造を有する。いくつかの実施態様において、この少なくとも1つのポルフィリン大環状分子の1又はそれ以上は、ヒドロポルフィリンSE197、SE211、SE420、SE357、SE355、B56、B62、B66、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
本発明の集団のいくつかの実施態様において、複数の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、それぞれ、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、及び/又はこのピークが他の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のいずれかから少なくとも5nm離れている、異なる発光波長帯を有する。
いくつかの実施態様において、この方法は、更に、分子、タンパク質、抗体、抗体断片、核酸、及び細胞からなる群の1つに前記マイクロ粒子及び/又はナノ粒子の1又はそれ以上を結合させる段階を含む。
典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含むことが知られている。各四量体は、2つの同一の一対のポリペプチド鎖からなり、各対は1つの軽鎖(平均分子量が約25キロダルトン(kDa))及び1つの重鎖(平均分子量が約50-70kDa)を有する。この2つの同一の一対のポリペプチド鎖は、重鎖領域内に存在するジスルフィド結合によって二量体形態で共に保持される。各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100〜110又はそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、これらの軽鎖及び重鎖を指す。
様々な抗体断片は、完全な抗体の消化に関して定義されているが、当業者は、これらの種々の断片(Fab'断片を含むが、これに限定されない。)が、初めから、化学的に又は組換えDNA法により合成できることを知っている。従って、本明細書で使用される用語「抗体」は、完全抗体の改変によって産生される抗体断片、又は組換えDNA法を使用して新規に合成される抗体断片のいずれをも含む。いくつかの実施態様において、用語「抗体」は、少なくとも1つの抗原結合ドメインを有する断片を含む。
本発明の抗体、断片及び誘導体は、一本鎖抗体及び一本鎖抗体断片であってもよい。一本鎖抗体断片は、ここに記載した抗体全体の可変領域及び/又はCDRの少なくとも1つを有するアミノ酸配列を含むが、これらの抗体の定常ドメインの一部又は全部を欠いている。これらの定常ドメインは、抗原結合には必要ではないが、抗体全体の構造の主要部分を構成する。
いくつかの実施態様において、本発明は、また、いくつかの実施態様において、本発明の方法によって生成される別々に検出可能な複数の蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、及び/又はダイアドのセットを提供する。いくつかの実施態様において、別々に検出可能な複数の蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、及び/又はダイアドのセットは、少なくとも1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50又はそれ以上の別個に検出可能な蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、及び/又はダイアドを含む。
本発明の蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はダイアドを合成するための更なる出発材料及び方法は、米国特許第7,332,599号;同7,408,058号;同7,423,160号;同7,470,785号;同7,501,508号;同7,518,905号;同7,534,807号;同7,553,977号;同7,582,751号;同7,595,407号;同7,633,007号;同7,678,900号;同7,723,513号;同7,745,618号;同7,884,280号;同7,947,828号;同7,947,829号;同7,951,939号;同7,964,720号;同7,994,312号;同8,013,149号;同8,062,756号;同8,080,653号;同8,097,609号;同8,129,520号;同8,173,691号;同8,173,692号;同8,187,824号;同8,188,298号;同8,207,329号;同8,212,023号;同8,212,055号;同8,278,439号;同8,304,561号;同8,445,695号;同8,524,892号;同8,530,459号;同8,546,088号;同8,664,260号;同8,980,565号;同9,303,165号;同9,365,722号;同及び9,417,245号に見いだすことが可能で、これらの各々はその全体が参照により組み込まれる。
本発明の組成物(例えば、蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、ビーズ、ダイアドなど)は、蛍光分子(特に、複数の蛍光分子を含む粒子)をそのために使用することができる任意の目的に用いることができる。本発明の蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、ビーズ、ダイアド、及びそれらの集団の例示的な使用法には、フローサイトメトリーやその他の診断用途の校正標準として使用(補償制御、機器設定制御などを含むが、これに限定されない。例えば、Perfetto et al., 2006を参照されたい。);フローサイトメトリーのための多重ビーズアレイにおける使用(イムノアッセイ、核酸検出、PCR産物などを含むが、これに限定されない。);細胞表面マーカーのフローサイトメトリー分析のための標識;イメージング及び顕微鏡検査用の標識;及び限定されるものではないが、抗体及びその断片及びその誘導体などの細胞及び生体分子の粒子アレイ及びバーコード化における使用、等が含まれる。
同様に、いくつかの実施態様において、本発明の蛍光性ポリマーマイクロ粒子、ナノ粒子、及び/又はダイアドの集団を、細胞及び/又は生体分子を区別して標識するために用いることができる。いくつかの実施態様において、これは、個々の細胞及び/又は生体分子が、その中に存在する及び/又は結合又は会合している特定の蛍光微粒子、ナノ粒子及び/又はダイアド由来の励起スペクトルに基づいて、互いに区別することができるように、1又はそれ以上の細胞に、異なる蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はダイアド、又はそれらの組み合わせを導入すること、又はそれを生体分子(抗体又はその断片又は誘導体を含むが、これに限定されない。)に会合させる及び/又は結合させることによって行うことができる。
本発明はまた、いくつかの実施態様において、1又はそれ以上の蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はダイアドを含むキットを提供する。いくつかの実施態様において、本発明のキットは、複数の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子及び/又はダイアドを含み、各蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子又はダイアドは、少なくとも1つのポルフィリン大環状分子を含む。いくつかの実施態様において、このキットは、各容器が蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子、又はダイアドのうちの1種のみを含むように、個々の容器に精製された種として少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物を含む、複数の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子及び/又はダイアドを供給する。本明細書中で使用される場合、用語「種」とは、異なる種が互いに別々に検出可能であるように、1若しくはそれ以上のポルフィリン大環状分子で標識された単一のマイクロ粒子、ナノ粒子若しくはダイアド、又は1若しくはそれ以上の同じポルフィリン大環状分子で標識された複数の同一のマイクロ粒子、ナノ粒子若しくはダイアドのことをいう。従って、いくつかの実施態様において、このキットは、この方法を実施するため及び/又は本明細書に上記記載の使用法の一部に関与するために、単一又は様々な組み合わせで使用できる試薬を提供する。いくつかの実施態様において、このキットは、少なくとも1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50又はそれ以上の別々に検出可能な蛍光性マイクロ粒子、ナノ粒子及び/又はダイアドを含む。
クロリンによるポリスチレンビーズの染色
材料:Pluronic(R)F127ブランドの非イオン性界面活性剤は、Sigma-Aldrich Co., LLC (St. Louis, Missouri, USA)から購入した。SE197、SE211、SE420、SE355及びSE357(図3参照)を含む種々のクロリンは、ノースカロライナ州立大学(Raleigh, North Carolina, USA)のJohn Lindseyから入手した。阻害剤なし(BHTなし)のテトラヒドロフラン(THF)はSigma-Aldrich Co., LLC (St. Louis, Missouri, USA)から購入した(カタログ番号401757)。ポリスチレン(PS)ビーズ(平均直径5.43μm)は、Bangs Laboratories, Inc. (Fishers, Indiana, USA)から購入した(カタログ番号PS06N)。米国臨床検査標準委員会(NCCLS)の基準に合う水は、Worldwide Medical Corporation (Lake Forest, California, USA) から購入した(カタログ番号ES612PS06N)。蛍光は、Varian Cary Eclipse 蛍光分光光度計(Varian, Inc., now part of Agilent Technologies, Palo Alto, California, USA)で検出し定量した。
ラベルの相対的な明るさを評価するためのクロリンでドープされたPSビーズのフローサイトメトリー
ポリスチレンビーズ(5.43μm)をBangs Laboratoriesから得て、実施例1の記載と同様にクロリンで処理した。サンプルを、5mLのポリスチレン丸底管(カタログ番号352058、Corning, Inc., Corning, New York, USA)でフローサイトメトリーを行うように調整した。陰性対照については、色素を添加しないこと以外は、非標識ポリスチレンビーズを実施例1と同様にTHFで処理し充填した。材料を同じ方法で洗浄し、フローサイトメトリーでブランクとして使用するために水に再懸濁した。分析のために、ビーズ(ブランク又は染色したもの)を、0.05%Pluronic(R)F127ブランドの非イオン性界面活性剤を含有する水で1:400に希釈し、フローサイトメトリーチューブに入れた。
これらのサンプルを、ノースカロライナ大学コアフローサイトメトリー装置(Chapel Hill, North Carolina, USA)において、(1) 7つのレーザー(波長:355, 405, 488, 532, 561, 594及び633nm)を備えた19パラメーターLSR-II SORPフローサイトメーター(BD Biosciences, San Jose, California, USA)、又は(2) 5つのレーザー(波長:355, 405, 488, 561及び640nm)を備えたLSRFORTESSA(商標)ブランドのフローサイトメーター(BD Biosciences)のいずれかを使用し、FACSDiva 8.0獲得ソフトウェア(BD Biosciences)を用いて分析した。クロリンSE420のデータを、630nmロングパス(LP)フィルター及び660/20nmバンドパス(BP)フィルターを備えた100mW 405nmレーザーのチャネルAに収集し、図4に示すデータを得た。このLP及びBPフィルターは、BD Biosciences 又はChroma Technology Corporation (Bellows Falls, Vermont, USA)のいずれかから入手した。図5に示す5つのクロリンパネルデータについては、表1に記載されたフィルター及びチャネルを使用した。実験後の分析は、FlowJoソフトウェア(version 10.0.8, FlowJo, LLC, Ashland, Oregon, USA)を用いて行った。
図4は、1μg/ mLに等しい最高ドーピング濃度を有する半対数濃度工程で調製された単一クロリン(SE420)の溶液で処理した、複数セットのビーズの組み合わせについてのフローサイトメトリーヒストグラムの例を示す。シャープなピークは、ビーズへのクロリン適用が2対数濃度範囲以上均一であることを示す。
図5は、混合されたビーズ集団の間の対の同時相互作用のドットプロットの選択を示す。これらのドットプロットは、表2の補償マトリックス値を適用した後に生成された。これらの補償値は、個々のビーズの他の4つのチャネルへのスピルオーバーの測定から決定された。このデータセットにおいて、チャネル及びクロリンは表1に示すようにC1〜C5と命名された。これらのデータ及び補正表の値は、120nm未満で分離されたピーク発光を有する、紫色で励起可能で発光の波長範囲が狭い5つのクロリンは、最低限の修正(補償)で、市販のフィルターセットを用いた従来のフローサイトメーターを使用するフローサイトメトリーによって正確に分析することができることを示す。
バクテリオクロリンによるポリスチレンビーズの染色
実施例1でクロリン染色されたビーズの調製に使用されたものと同様の手順で、ポリスチレン(PS)ビーズ(平均直径5.43μm、Bangs Laboratories, Inc.、カタログ番号PS06N/6667)を、3つのバクテリオクロリンで染色した。これらのバクテリオクロリンを、Taniguchi et al., 2008又はYang et al., 2011のいずれかに従って調整した。図6にこれら3つのバクテリオクロリンの構造とトルエン中の蛍光発光スペクトルを示す。
フローサイトメトリーによるバクテリオクロリンでドープされたビーズの分析
フローサイトメトリー分析を、実施例2に記載の方法と同様に行った。但し、LSRFORTESSA(商標)ブランドのフローサイトメーターを使用し、その励起源はUVレーザー(355nm)であり、分析のためのフィルターは表3に指定した通りであった。図7A〜7Cは、表3に示すフィルターを使用して分析された、各バクテリオクロリンについて0, 0.25, 0.5, 1.0及び5.0μg/mLの各ドーピング溶液を使用した、3種のバクテリオクロリンの滴定を示す。図7中のシャープなピークは、これらビーズ内でヒドロポルフィリンのドーピングが均一であることを示す。
磁性ビーズのクロリンによる染色
2種のビーズを用意した:(1)ポリスチレン(PS)ビーズ:平均サイズ5.43μm、カタログ番号PS06N/6667、Bangs Laboratories);(2)ポリスチレン(PS)磁性粒子:平均サイズ5.21μm(カタログ番号PM-50-10、ロットAF01; Spherotech, Inc., Lake Forest, Illinois, USA)。色素ドープされたPSビーズ及びPS磁性粒子を、THF中の最大クロリン濃度1.0μg/ mLで、実施例1に記載の方法によって作製した。このPSビーズをクロリンSE197で染色し、この磁気PSビーズをクロリンSE357で染色した。このPS磁性粒子は2.5%w/vのストックとして供給される。ドーピング中の粒子/ビーズ濃度を等しくするために、適切なチューブ中で15.0μLのPSビーズ(10.2%w / vストック)及び60.0μLのPS磁性粒子(2.5%ストック)を別々に使用した。
1.7mLの微量遠心管に、0.05%のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤(Sigma-Aldrich、Inc.)、1.0μg/ mLのSE197でドープされたPSビーズ20.0μL、及び20.0μLのSE197でドープされたPSビーズ、及び20.0μLの5.0μg/ mL SE357でドープされたPS磁性粒子を含有する60.0μLの1xPBSを加えた。染色されていない磁気ビーズ(図9A)及びクロリン染色されたPS粒子と磁性粒子の混合物の両方の水1:15希釈液としての蛍光を測定した(図9B)。この混合物を入れた微量遠心管を3分間、磁気ラック(DynaMag(R)2、Life Technologies Corp., Thermo Fischer Scientific Corp., Waltham, Massachusetts, USAの一部)上に置いた。1000μLのピペットを用いて上清を除去し、水の1:15希釈物の蛍光を計測した(図9C)。磁気ラック上の微量遠心管に残っている磁性粒子に、0.05%TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するPBS(300μL)を加え、そのペレットを5/8速度×5パルスで「パルス」法を用いて渦巻状に撹拌した。これを上記磁気ラック上に3分間置いた。そして、渦巻状の撹拌工程、磁気ラック工程、上清除去工程、及び緩衝液添加工程を繰り返した。その後、ペレットを80μLの水で再懸濁し、5パルスで5/8速度で「パルス」法を用いて渦巻状に撹拌した。この混合物を水で1:15に希釈し、蛍光を計測した(図9D)。図9B〜図9Dに見られるように、磁気ラックを使用して2つのビーズ集団の明確な分離が得られた。これは、蛍光磁気ビーズを必要とするバイオアッセイに、ヒドロポルフィリンを効果的に使用できることを実証した。
クロリンがドープされた径がサブミクロンのPS粒子の調製
実施例1の記載に従い、但し、下記の変更を施して、クロリンSE420及び0.46μmのPS-COOHビーズ(カルボキシルポリスチレン粒子;0.46μm;5%(w/v);カタログ番号CP-05-10/AH02;;Spherotech)を用いて0.46μmのビーズを調製した。反応管を9,000×gで15分間遠心分離し、水洗浄容量を300μLではなく600μLとした。図10は、20, 40及び80μg/ mLのクロリンSE420の溶液から得たドープされた一連の0.46μmPSビーズを405nmで励起した蛍光発光を示す。ビーズは5%懸濁液から水で75倍に希釈した。
直径がより大きいポリスチレンビーズ(例えば、0.46μm及び5.4μmのビーズ)を、処理し、遠心分離を用いてビーズを未結合の試薬、溶媒及び緩衝液から分離して洗浄することができた。しかし、より小さな粒子のドーピング及び表面処理については、遠心分離はあまり有効ではなく、改質粒子を他の成分から分離するために、接線流濾過(TFF)のような他の分離方法が必要であった。
直径が0.11μm及び0.046μmのドープされた粒子を調製するために、MICROKROS(R)ブランドのTFFシステム及びフィルターを使用した(Spectrum Laboratories, Rancho Dominguez, California, USA)。0.11μm粒子については、750キロダルトン(kDa)の中空繊維フィルター(カタログ番号C02E750-10N、Spectrum Laboratories)を使用し、0.046μm粒子については300kDaの中空繊維フィルターを使用した(カタログ番号C02E300-05N、Spectrum Laboratories)。これらの繊維を、この繊維を、製造元の指示に従って、5.0mLのシリンジを用いて0.1%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するNCCLS水を用いて、3回の別サイクルで合計15mLで平衡化させた。
この反応混合物を、0.1%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する44.88mLの水で希釈し、THFを0.74%に希釈した(中空繊維フィルターへの溶媒の影響を最小限にするために1%未満)。この750kDaの中空繊維フィルターは、0.1%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するNCCLS水で、5mLシリンジを用いて、合計15mLの3回の別サイクルで調整した。5mLシリンジを用いて、未反応の染料及び他の反応物をドープ粒子から除去して、チェックバルブを通る流れを制御した。これを100μL(残留物)になるまで継続した。この残留物を、0.1%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する5.0mLの水で4回洗浄し、100μLの残留物にこの水合計20.0mLを循環させた。更に、濾液シリンジに、0.1%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する500μLの水を加え、最も遠位の残留物シリンジを介した負圧バックフラッシュを用いて、この洗浄した残留物100μLを回収した。これを繰り返して約3.0mLの最終ドープ粒子(2.54×10 12粒子/ mLで0.166%粒子(w / v))を得た。このサンプルをNCCLS水で1:75に希釈して、蛍光分析した(図11)。
この反応混合物を、0.1%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する水34mLに希釈して、THFを0.74%に希釈した(中空繊維フィルターへの溶媒の影響を最小限にするために1%未満)。この300kDaの中空繊維フィルターは、0.1%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するNCCLS水で、5mLシリンジを用いて、合計15mLの3回の別サイクルで調整した。5mLシリンジを用いて、未反応の染料及び他の反応物をドープ粒子から除去して、チェックバルブを通る流れを制御した。これを100μL(残留物)になるまで継続した。この残留物を、0.1%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する5.0mLの水で4回洗浄し、100μLの残留物にこの水合計20.0mLを循環させた。更に、濾液シリンジに、0.1%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有する250μLの水を加え、最も遠位の残留物シリンジを介した負圧バックフラッシュを用いて、この洗浄した残留物100μLを回収した。これを繰り返して約1.0mLの最終ドープ粒子を得た。このサンプルをNCCLS水で1:75に希釈して、蛍光分析した(図12)。
マウス抗ヒトCD8及びマウス抗ヒトCD3 IgG抗体で被覆されたクロリンをドープした0.11μm径のPS粒子
実施例6に記載したように調製されたクロリンがドープされた直径0.11μmのPSビーズを、ヒト抗CD8抗体を標識するために使用した。750kDa中空繊維フィルターを、製造業者の説明書に従って、5mLシリンジを用いて3回の別々のサイクルを用いて計15mLについて平衡化した。この繊維を、製造元の指示に従って、5.0mLのシリンジを用いて0.0008%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するPBSを用いて、3回の別サイクルで合計15mLで平衡化させた。0.0008%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するPBSへの緩衝液交換を、新たに調製したSE420色素をドープした0.10μmのPS-COOHビーズ90.0μg/mLを用いて開始した。
新しい新鮮な5.0mLシリンジを使用し、チェックバルブポートを通して注入し、0.0008%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するPBSで4サイクル交換し、残留物100μLに合計合計20.0mLを循環させた。0.0008%(v/v)TWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含有するPBS500μLを濾液シリンジを用いて添加し、最も遠位の残留物シリンジを介して負圧バックフラッシュを用いて洗浄し、残留物100μLを回収した。この洗浄工程を2回繰り返して、約5mLのドープ粒子を得た(1.53×1012粒子/mLで0.1%粒子(w / v))。
マウス抗ヒトCD3で被覆されたナノ粒子を調製するために、CD8にしたのと同じ手順を用いたが、マウス抗ヒトCD3 IgG(クローンUCHT-1、Leinco)を同じコーティング濃度及び量で置換した(0. 0,28. 6,143及び715μg)。
図13Bは、1.0x単層抗CD3 IgGで被覆されたSE420直径0.11μmナノ粒子の3つの異なる希釈物(0, 1:10及び1:1)の、抗マウスIgG捕捉ビーズ(Bangs Laboratories、Inc.)に対する結合を示し、同じ抗体クローンの市販のFITC標識IgG(図13A;Bangs Quantum Simply Cellular Microspheres、製品番号814)と比較した。フローサイトメーターは、SE420でドープされたビーズのフローサイトメトリーのための実施例2の記載と同様に設定した。
プロテインG及び抗CD3 IgG抗体で被覆されたクロリンをドープした0.11μm径のPS粒子
この実施例では、実施例6のSE420クロリンドープ粒子(45μg/ mL)を使用した。但し、最初にIgGで受動的にコーティングする代わりに、500μgのプロテインG溶液(0.05%アジド;rec-Protein Gを含む10mg/mL溶液0.05mL;Life Technologiesカタログ番号003005)を含む微量遠心管に、クロリンをドープした粒子(0.0008%(v/v)のTWEEN(R)20ブランドのポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含むPBS中0.25%v/vの約1.0mL)を添加した。この微量遠心管を室温で70〜80RPMで震動させ、4時間光から遮断し、次いで4℃で16〜18時間放置した。被覆された粒子を、125μLの10%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液の添加によりブロックし(最終濃度BSA1.0%)、この微量遠心管を室温で70〜80RPMで再度震動させ、光から1時間遮断した。この微量遠心管の内容物を上記の中空繊維法を用いて洗浄して、約1.0mLを得た。
最初に受動的にコーティングされた、プロテインGでコーティングされクロリンをドープした直径0.11μmのポリスチレン粒子の50μL分割量を、プロテインGと共にインキュベートし、次に0.024μgの抗CD3 IgG抗体とインキュベートした。これらを分析し(クローンUCHT-1、Leinco)、室温で30分間インキュベートし、次いで、0.5%BSAを含む1mLのPBSで2回洗浄した。図14は、前の実施例に記載した方法と同様のフローサイトメトリーによる分析を示す。Fc部分を介して抗体を配向させるために固定化されたプロテインGを用いることにより、有効な粒子コーティングが得られた。
アレイを作成するための複数のヒドロポルフィリンでドーピングされた粒子
実施例1に記載の方法を用いて、5.43μmのPSビーズをドーピングするために、クロリンSE197及びSE420を、それぞれ、0, 0.25, 0.5及び1.0μg/ mLの濃度で、及び互いに組み合わせて調製した。
図15は、405nmの励起を用いて0.25, 0.5及び1.0μg/ mL濃度の各色素をドープした粒子の懸濁液の蛍光を示す。これらは、各クロリンについて2つの明瞭かつ狭い蛍光発光ピークを示した。
図16は、SE197とSE420の9つの組み合わせのビーズの混合物(SE197/SE420: 0/0, 0/0.025, 0/0.25, 0.025/0, 0.25/0, 0.025/0.025, 0.025/0.25, 0.25/0.025, 0.25/0.25 μg/mL)のフローサイトメトリーを示す。異なる集団の分離は十分に明瞭であり、補償の必要性は最小限であり、このことは、これら又は同様に調製されたビーズを、アドレス可能なアレイ中の異なる集団の細胞をバーコードするために使用できることを示す。
蛍光エネルギー移動供与体及びヒドロポルフィリンエネルギー移動受容体で増強されたヒドロポルフィリンでドープされたビーズの調製
実施例1に記載の法を用いて、5.43μmのPSビーズに、クロリンSE211及びUV吸収フルオレンオリゴマーADS036FO (American Dye Source, Inc, Quebec, Canada)を組み込んだ。SE211は、THF中0, 40, 80又は160μg/ mL濃度のADS036FOを用いて1.0, 2.0及び4.0μg/ mLの濃度で調製された。図17は、355nm又は405nmで励起されたビーズ懸濁液の蛍光発光を示す。図18は、様々な量のオリゴマーを含む4.0μg/ mL SE211の蛍光強度を示す。80及び160μg/ mLのオリゴマーが存在すると、クロリンの発光は、355nmの励起で、SE211単独に対して3倍から4倍に増加した。これは、オリゴマーからクロリンへのエネルギー移動が起こったことを示す。
ヒドロポルフィリンダイアドでドープされた粒子
THF中のダイアドの20μg/ mL溶液を用いて、実施例1に記載の方法により、5.43μmのPS粒子にペリレン−クロリンダイアド(C-PMI13、Hu et al., 2016参照)を組み込んだ。図19にダイアドの構造を示す。図20に、異なる励起波長で励起されたダイアドでドープされたビーズの懸濁液の蛍光発光を示す。励起波長は355, 405, 488, 532, 561, 640nmであり、これらはマルチレーザフローサイトメータに使用される、BD LSRFortessa(R)(BD Biosciences, San Jose, CA, USA)のような一般的なレーザ及び/又はレーザダイオードに対応する。ダイアドでドープされたビーズは全ての励起波長で678〜679nmの蛍光発光を示し、マルチレーザー装置の較正ビーズとしての使用可能性を示した。
ヒドロポルフィリンは、ポルフィリンに関連する複数の化合物内の一つのクラスであるが、コアのテトラピロール環系内の1又はそれ以上の結合が還元されている(例えば、Scheer et al., 1978を参照されたい。)。天然に存在し生物学的に活性なヒドロポルフィリンには、クロロフィルやバクテリオクロロフィルが含まれる。クロリン類及びバクテリオクロリン類は、構造的にクロロフィル及びバクテリオクロロフィルに関連するが、クロロフィル及びバクテリオクロロフィルとは、それぞれ1及び2の還元された結合の存在によって異なる。ヒドロポルフィリンは、しばしば2つの蛍光発光ピークを特徴とするポルフィリンと比較して、典型的に赤色〜近赤外(NIR)スペクトル領域において単一の鋭い発光バンドを有し、ほとんどの場合、ポルフィリンよりもはるかに大きな蛍光発光強度を有する。
今日まで、殆どの較正標準及び多重ビーズアレイ(例えば、ローダミン、スクアライン、カルボシアニンなど)には従来の染料が使用されていた。このような色素は、典型的には広い発光プロファイルを有する(swhmが40〜50nm又はそれ以上)。本発明によれば、本発明で使用するポルフィリン大環状化合物は、シャープで狭い発光ピークを有する(典型的には、クロリンについては15〜20nm、バクテリオクロリンについては20〜25nmである。)。一緒に使用すると、これらの色素のうちの2又はそれ以上は、従来の色素を用いた場合に可能であるよりも、単一の励起源からより高いレベルの多重化を可能とする。例えば、590nm〜740nmの間で、5つのクロリンが、それらの間のスペクトル重複が最小限で、検出可能である。この範囲内では、従来3つの色素のみが、本発明の5つのクロリンよりもスペクトル重複が大きい状態で、分離可能であるにすぎない。
従来の色素に対するポルフィリン大環状分子の別の有利な点は、大きな有効ストークスシフト(励起波長と発光波長の差)である。従来の染料が20〜30nmより大きいストークスシフトを有することはめったにない。一方、クロリンは、405nmで励起されると、590nm〜750nmの間の発光が得られ、有効ストークスシフトは185nm〜350nm又はそれ以上になる。これにより、より明瞭で信頼性の高い蛍光負対照信号及びより正確な正信号を提供するなど、ポリスチレンなどの他のビーズ又は粒子非色素成分からのバックグラウンドが低減される。
本開示で挙げられた全ての参考文献、即ち、全ての特許、特許出願及びその公開物、科学雑誌記事、及びデータベースエントリーは、それらが補完し、説明し、及び/又は本明細書で使用される方法、技術及び/又は組成物について根拠を提供し、教示する範囲において、本明細書にその全体が参照により組み込まれる。参考文献の議論は、単にその著者の主張を要約することを意図している。いかなる参考文献(又はその一部)も関連する先行技術であると認められない。出願人は、引用された参考文献の正確性及び妥当性に挑戦する権利を留保する。
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本発明の様々な詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更されてもよいことが理解されるであろう。さらに、前述の説明及び実施例は、例示のみを目的としたものであり、本発明を限定することを目的とするものではない
Claims (50)
- ポリマーマトリックス及びそれと結合する少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物を含む蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- 前記少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物が、ポルフィリン類(17,18−ジデヒドロホルビン類を含む。)、クロリン類(ホルビン類を含む。)、バクテリオクロリン類(バクテリオホルビン類を含む。)、及びイソバクテリオクロリン類(融合「E」環を含むイソバクテリオクロリン類を含む。)からなる群から選択される、請求項1に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- 前記少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物の内の1又はそれ以上が、下記化学式I及びIIから成る群から選択される構造を有する、請求項1又は2に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
Xは、Se、NH、CH2、O及びSから成る群から選択され;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルキルアルキニル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルコキシ、ハロ、メルカプト、アジド、シアノ、ホルミル、カルボン酸、ヒドロキシル、ニトロ、アシル、アリールオキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジ置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホキシル、スルホニル、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、尿素、アルコキシルアシルアミノ、アミノアシルオキシ、結合基、及び表面結合基から成る群から選択され;
K1、K2、K3及びK4は、それぞれ独立して、N、O、S、Se、Te及びCHから成る群から選択されるヘテロ原子であり;
S3、S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14、ならびにS1及びS5のいずれか、又はS2及びS6のいずれかは、それぞれ独立して、水素原子、アリール、フェニル、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルチオ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアリール、ピリジル、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシル、スルホキシル、スルホニル、イミド、アミド、及びカルバモイルであり、又はS7とS13は共に=Oを形成する。) - R1、R2、R5、R7及びR8がそれぞれ水素原子であり;R3及びR4がそれぞれアルキルであり;R6が任意に置換されてもよいアリールである、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- R1、R2、R5、R7及びR8がそれぞれ水素原子であり;R3及びR4がそれぞれメチルであり;R6がp−トリルである、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- Mが存在し、MがPd、Pt、Mg、Zn、Al、Ga、In、Sn、Cu、Ni及びAuから成る群から選択される、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- MがZn又はMgである、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- K1、K2、K3及びK4が、それぞれ独立して、N、O、S及びCHから成る群から選択される、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- K1、K2、K3及びK4がすべてNである、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14が全てアルキルである、請求項3に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- 前記蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子の集団中に存在し、さらに、
(i) 該集団が、複数の異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含み;
(ii) 各異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、1又はそれ以上の異なるポルフィリン大環状分子と結合し;及び
(iii) 各異なるポルフィリン大環状化合物が、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、かつこのピークが該集団中の他の異なるポルフィリン大環状化合物のいずれかの発光波長帯から少なくとも5nm離れている、発光波長帯を有する、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。 - 前記ポリマーマトリックスがポリスチレンであり、任意に前記ポリマーマトリックスがポリスチレンビーズを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- 前記少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物が、前記蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子の外表面と非共有結合的に結合し、前記蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子又はその両方によってカプセル化される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の複数の異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む集団であって、
(i) 各蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、ポリマーマトリックス及び少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物を含み、かつ
(ii) 該集団が、異なるポルフィリン大環状分子を含む、少なくとも2つの異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む、集団。 - 各異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、1又はそれ以上の異なるポルフィリン大環状分子と結合し、各異なるポルフィリン大環状化合物が、約25nm未満であり、各異なるポルフィリン大環状化合物の、最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、かつこのピークが該集団中の他の異なるポルフィリン大環状化合物のいずれかのものから少なくとも5nm離れている、発光波長帯を有する、請求項14に記載の集団。
- 前記集団が、少なくとも3,4,5,6,7又は8の異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む、請求項14又は15に記載の集団。
- 前記ポリマーマトリックスがポリスチレンを含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の集団。
- 前記集団中の異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のそれぞれが、単一波長の光及び/又は約320nm〜約450nmの光による励起が可能である、請求項14〜17のいずれか一項に記載の集団。
- 前記異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子の少なくとも一つのサブセットが、ポルフィリン類(17,18−ジデヒドロホルビン類を含む。)、クロリン類(ホルビン類を含む。)、バクテリオクロリン類(バクテリオホルビン類を含む。)、及びイソバクテリオクロリン類(融合「E」環を含むイソバクテリオクロリン類を含む。)からなる群から選択される1つのポルフィリン大環状化合物を含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載の集団。
- 前記少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物の内の1又はそれ以上が、下記化学式I及びIIから成る群から選択される構造を有する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の集団。
Xは、Se、NH、CH2、O及びSから成る群から選択され;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルキルアルキニル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルコキシ、ハロ、メルカプト、アジド、シアノ、ホルミル、カルボン酸、ヒドロキシル、ニトロ、アシル、アリールオキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジ置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホキシル、スルホニル、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、尿素、アルコキシルアシルアミノ、アミノアシルオキシ、結合基、及び表面結合基から成る群から選択され;
K1、K2、K3及びK4は、それぞれ独立して、N、O、S、Se、Te及びCHから成る群から選択されるヘテロ原子であり;
S3、S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14、ならびにS1及びS5のいずれか、又はS2及びS6のいずれかは、それぞれ独立して、水素原子、アリール、フェニル、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルチオ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアリール、ピリジル、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシル、スルホキシル、スルホニル、イミド、アミド、及びカルバモイルであり、又はS7とS13は共に=Oを形成する。) - R1、R2、R5、R7及びR8がそれぞれ水素原子であり;R3及びR4がそれぞれアルキルであり;R6が任意に置換されてもよいアリールである、請求項20に記載の集団。
- R1、R2、R5、R7及びR8がそれぞれ水素原子であり;R3及びR4がそれぞれメチルであり;R6がp−トリルである、請求項20に記載の集団。
- Mが存在し、MがPd、Pt、Mg、Zn、Al、Ga、In、Sn、Cu、Ni及びAuから成る群から選択される、請求項20に記載の集団。
- MがZn又はMgである、請求項20に記載の集団。
- K1、K2、K3及びK4が、それぞれ独立して、N、O、S及びCHから成る群から選択される、請求項20に記載の集団。
- K1、K2、K3及びK4がすべてNである、請求項20に記載の集団。
- S4、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13及びS14が全てアルキルである、請求項20に記載の集団。
- 複数の異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む集団であって、任意に、該異なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のそれぞれが、
(a) 溶剤(任意に、テトラヒドロフラン(THF))中の少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物の溶液を、ポリマーマトリックスを含むマイクロ粒子の水溶液と混合する段階及び次にこの溶剤を除去する段階により調製され、かつ
(b)その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、かつこのピークが該集団中の他の異なるポルフィリン大環状化合物のいずれかの発光波長帯から少なくとも5nm離れている、発光波長帯を有する、集団。 - 下記段階(a)〜(f)から成る方法によって得られた複数の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む集団であって、
(a) 溶剤(任意に、テトラヒドロフラン(THF))中の1又はそれ以上のポルフィリン大環状化合物の第1溶液を調製する段階であって、任意に該第1溶液が約0.25μg/ml〜約20μg/mlのヒドロポルフィリンを含む段階;
(b) 該第1溶液を、ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子、水、及びポリマー界面活性剤を含む第1混合液に添加して、第2混合液を調整する段階であって、任意に、該第1溶液を、約33%の溶媒を含む第2混合液を提供するために、添加し、及び/又は該ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子がポリスチレンを含み、及び/又は該ポリマー界面活性剤がポリアルキレングリコールブロックコポリマーである、段階;
(c) 第2混合液をある期間混合する段階であって、任意に該期間が約15分間である段階;
(d) 該第2混合液から溶媒を除去して第1の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を提供する段階であって、任意に該除去する段階が、第2混合液を遠心分離する段階及び/又は該マイクロ粒子をすすぐ段階を含む、段階;
(e) 該段階(a)〜(d)を繰り返して、1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を提供する段階であって、該1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のそれぞれが、該第1の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子、及び/又は1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子とは異なる1つのポルフィリン大環状分子又はポルフィリン大環状分子混合物を含む、段階;及び
(f) 該第1の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を、該1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のいずれかと混合する段階;
その結果、複数の異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む集団であって、各蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、ポリマーマトリックス及び少なくとも1つのポルフィリン大環状化合物を含む、集団が提供され、該集団が光によって励起されると(任意に、該光は約320nm〜約450nmの光である。)、該複数の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、別個に及び/又は同時に検出されることができる、集団。 - 前記複数の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のそれぞれが、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、及び/又はこのピークが他の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のいずれかから少なくとも5nm離れている、異なる発光波長帯を有する、請求項14〜30のいずれか一項に記載の集団。
- 前記複数の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又は前記ナノ粒子のそれぞれの発光波長帯域が、約590nm〜約750nmの間である、請求項14〜31のいずれか一項に記載の集団。
- 前記集団が、405nmの光による励起が可能である、請求項14〜32のいずれか一項に記載の集団。
- 各蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子が、ポリマーマトリックス及び1つのポルフィリン大環状化合物を含む、請求項14〜33のいずれか一項に記載の集団。
- マルチプレックスアッセイに使用するための別個に検出可能な蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子のセットを調製するための、下記段階(a)〜(e)から成る方法であって、
(a) 溶剤(任意に、テトラヒドロフラン(THF))中の1又はそれ以上のポルフィリン大環状化合物の第1溶液を調製する段階であって、任意に該第1溶液が約0.25μg/ml〜約20μg/mlのヒドロポルフィリンを含む段階;
(b) 該第1溶液を、ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子、水、及びポリマー界面活性剤を含む第1混合液に添加して、第2混合液を調整する段階であって、任意に、該第1溶液を、約33%の溶媒を含む第2混合液を提供するために、添加し、及び/又は該ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子がポリスチレンを含み、及び/又は該ポリマー界面活性剤がポリアルキレングリコールブロックコポリマーである、段階;
(c) 第2混合液をある期間混合する段階であって、任意に該期間が約15分間である段階;
(d) 該第2混合液から溶媒を除去して第1の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を提供する段階であって、任意に該除去する段階が、第2混合液を遠心分離する段階及び/又は水を用いて該マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を1回又はそれ以上すすぐ段階を含む、段階;及び
(e) 該段階(a)〜(d)を繰り返して、1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を提供する段階であって、該1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のそれぞれが、該第1の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子、及び/又は1又はそれ以上の更なる蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子とは異なる1つのポルフィリン大環状分子又はポルフィリン大環状分子混合物を含む、段階;
該セット中の該蛍光性高分子マイクロ粒子及び/又は前記ナノ粒子の吸着波長帯域が重複しており、該セット中の該蛍光性高分子マイクロ粒子及び/又は前記ナノ粒子のそれぞれが、その最大ピーク半値幅が約25nm未満であり、及び/又はこのピークが他の蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子のいずれかから少なくとも5nm離れている、異なる発光波長帯を有する、方法。 - 更に、分子、タンパク質、抗体、抗体断片、核酸、及び細胞からなる群の1つに前記マイクロ粒子及び/又はナノ粒子の1又はそれ以上を結合させる段階を含む、請求項36に記載の方法。
- 請求項36又は37に記載の方法によって調製された個別に検出可能な蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子のセット。
- 請求項38に記載の個別に検出可能な蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子のセットを、フローサイトメーターを較正する方法に使用する方法。
- 粒子(任意に、マイクロ粒子又はナノ粒子、更に任意に、該マイクロ粒子又はナノ粒子はビーズである、)に結合したポルフィリン大環状分子を含むダイアド。
- 前記ビーズがポリスチレンビーズである、請求項40に記載のポルフィリン大環状化合物含有ダイアド。
- 該ビーズが少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の異なる蛍光分子を含むように、該ビーズが、さらに、複数の異なるポルフィリン大環状分子含有ダイアドを含む、請求項40又は41に記載のポルフィリン大環状分子含有ダイアド。
- 前記第1の蛍光分子がクロリンを含み、前記第2の蛍光分子がバクテリオクロリンを含み、更に、紫色光による励起の際に、該ダイアドが赤色及び近赤外の両方の光を放射する、請求項40〜42のいずれか1項に記載のポルフィリン大環状分子ダイアド。
- 前記第2の蛍光分子が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)供与体を含み、更に、該FRET供与体が該第1の蛍光分子の最大発光と重複する発光スペクトルを持つことを特徴とする請求項40〜43のいずれか一項に記載のポルフィリン大環状分子含有ダイアド。
- 請求項40〜43のいずれか一項に記載のポルフィリン大環状分子含有ダイアドを、多レーザーフローサイトメーターの較正、共焦点蛍光顕微鏡の位置合わせ及び/又は較正、又は細胞及び/又は他の生体分子の差別的標識に使用する方法。
- 前記他の生体分子が、抗体及び/又はパラトープ含有断片又はその誘導体である、請求項45に記載の使用方法。
- 蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子の集団を、マルチウォールプレートのウェルを別個に標識するために使用する方法であって、該マルチウォールプレートの複数のウェルのそれぞれが、異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子でコーティングされ、このコーティングされた複数のウェルが、そこに存在する特定の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子に由来する励起スペクトルに基づいて、互いに区別することが可能である、方法。
- 蛍光性ポリマーマイクロ粒子及び/又はナノ粒子の集団を、細胞を別個に標識するために使用する方法であって、個々の細胞が特定の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子に由来する励起スペクトルに基づいて互いに区別できるように、複数の細胞に異なる蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を導入する、方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の蛍光性マイクロ粒子及び/又はナノ粒子、及び/又は請求項40〜44のいずれか1項に記載のポルフィリン大環状分子ダイアドに共有結合した、抗体又はその断片もしくはその誘導体。
- 前記ポルフィリン大環状化合物が、ポルフィリン大環状分子SE197、SE211、SE420、SE357、SE355、B56、B62、B66、及び/又はそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、及び/又は請求項40〜44のいずれか1項に記載のポルフィリン大環状分子ダイアドが、ポルフィリン大環状分子SE197、SE211、SE420、SE357、SE355、B56、B62、B66、及び/又はそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つのポルフィリン大環状分子を含む、請求項49に記載の抗体又はその断片もしくはその誘導体。
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