JP2019523431A - Hdl関連タンパク質のバイオマーカーパネル検出 - Google Patents

Hdl関連タンパク質のバイオマーカーパネル検出 Download PDF

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Abstract

本明細書では、心血管疾患(CVD)または他のHDL関連疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料から1種以上のHDL関連タンパク質(例えば、ApoC3;ApoC3及びApoA1;ApoC3及びSAA1/2;またはバイオマーカーパネル1〜30のタンパク質)を検出するための方法、システム、及び組成物を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法、システム、及び組成物を使用して、対象でのCVD(または他の疾患)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月21日出願の米国仮出願第62/365,175号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本明細書では、心血管疾患(CVD)または他のHDL関連疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料から1種以上のHDL関連タンパク質(例えば、ApoC3;ApoC3及びApoA1;ApoC3及びSAA1/2;またはバイオマーカーパネル1〜30のタンパク質)を検出するための方法、システム、及び組成物を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法、システム、及び組成物を使用して、対象でのCVD(または他の疾患)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定する。特定の実施形態では、システム及び組成物は、CVDに罹患している対象または罹患が疑われる対象由来の試料、及びHDL関連結合剤または質量分析標準物質で構成される。
近年、心血管疾患の病態生理学に関する理解と、アテローム性プラークの画像化技術のいずれもが進歩しているにもかかわらず、安定期の心臓病患者におけるリスクを正確に決定することは依然として困難である。積極的なリスク因子の改善を受けておらず、重大な心臓の有害事象を経験している臨床的に未確認の高リスク患者は重大な問題である。同様に、有限なヘルスケア資源を最も効果がありそうな人々へ再集中するには、リスクの低い対象をより正確に識別することが必要である。現在の臨床的リスク評価ツールは、大半が、未処置の一次予防集団の疫学に基づく研究から開発されたアルゴリズムに関連するものであり、高リスク及び投薬中の心臓病外来患者の場合に適用が限定されている。関心は高いものの、心臓リスク層別化を改善するためのより網羅的なアレイベースのフェノタイピング技術(例えば、ゲノムアレイ、プロテオームアレイ、メタボロームアレイ、発現アレイ)を取り入れる努力はまだ始まったばかりであり、臨床診療に要求される高速性に対応できる効率的かつ確実なプラットフォームにはまだ至っていない。
本明細書では、心血管疾患(CVD)または他のHDL関連疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料から1種以上のHDL関連タンパク質(例えば、ApoC3;ApoC3及びApoA1;ApoC3及びSAA1/2;またはバイオマーカーパネル1〜30のタンパク質)を検出するための方法、システム、及び組成物を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法、システム、及び組成物を使用して、対象でのCVD(または他の疾患)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定する。特定の実施形態では、システム及び組成物は、CVDに罹患している対象または罹患が疑われる対象由来の試料、及びHDL関連結合剤または質量分析標準物質で構成される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法には、対象由来の試料中の少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルを検出することを含み、その場合、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はApoC3を含み、対象は心血管疾患に罹患しているかまたは罹患の疑いがある。ある特定の実施形態では、試料は精製された高密度リポタンパク質試料である。他の実施形態では、試料は、血清試料、血漿試料、及び血液試料からなる群から選択される。追加の実施形態では、本方法は、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルを総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルで正規化して、少なくとも1種のHDLタンパク質の正規化値を生成することをさらに含む。
特定の実施形態では、試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルの決定には、試料に添加された内部標準物質のレベルを決定することを含み、その場合、内部標準物質には標識HDLタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDLタンパク質のレベルの検出には、試料に試薬を添加することを含み、その場合、試薬は試料中のHDLタンパク質を消化する(例えば、Lyc−C、ペプシン、トリプシンなど)。他の実施形態では、HDL関連タンパク質は事前に消化せずに検出される(例えば、インタクトなHDL関連タンパク質を検出する)。
他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、ApoC3またはApoC3断片を検出するアッセイを、試料の少なくとも一部に対して実施することを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoC3タンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoC3標準物質を検出することをさらに含む。さらなる実施形態では、ApoC3標準物質は、配列番号11に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。ある特定の実施形態では、アッセイは質量分析アッセイまたはイムノアッセイである。
特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質は血清アミロイドA1または2(SAA1及び/またはSAA2、本明細書で「SAA1/2」と称する)をさらに含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDLタンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)SAA1/2またはSAA1/2断片を検出するアッセイを実施することを含む。追加の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のSAA1/2タンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びSAA1/2標準物質を検出することをさらに含む。ある特定の実施形態では、SAA1/2標準物質は、配列番号35に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質1(ApoA1)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoA1またはApoA1断片を検出するアッセイを実施することを含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、及びiii)ApoA1またはApoA1断片を検出するアッセイを実施することを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoA1タンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoA1標準物質を検出することをさらに含む。他の実施形態では、ApoA1標準物質は、配列番号1または2に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質C1(ApoC1)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoC1またはApoC1断片を検出するアッセイを実施することを含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質C1(ApoC2)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoC1またはApoC2断片を検出するアッセイを実施することを含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質C4(ApoC4)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoC1またはApoC4断片を検出するアッセイを実施することを含む。特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)ApoA1またはApoA1断片、及びiii)ApoC1またはApoC1断片を検出するアッセイを実施することを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)ApoA1またはApoA1断片、及びiii)ApoC2またはApoC2断片を検出するアッセイを実施することを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質L1(ApoL1)及びリン脂質輸送タンパク質(PLTP)をさらに含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、iii)ApoL1またはApoL1断片、及びiv)PLTPまたはPLTP断片を検出するアッセイを実施することを含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識もしくは非標識のApoL1タンパク質もしくはタンパク質断片標準物質及び/または標識もしくは非標識のPLTPタンパク質もしくはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、ならびにApoL1標準物質及び/またはPLTP標準物質を検出することをさらに含む。追加の実施形態では、ApoL1標準物質は、配列番号18または19に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、PLTP標準物質は配列番号31または32を含むかまたはそれからなる。
他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質E(ApoE)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、iii)ApoL1またはApoL1断片、iv)PLTPまたはPLTP断片、及びv)ApoEまたはApoE断片を検出するアッセイを実施することを含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoEタンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoE標準物質を検出することをさらに含む。さらなる実施形態では、ApoE標準物質は、配列番号15または16に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質A1(ApoA1)及びアポリポタンパク質D(ApoD)をさらに含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、iii)ApoL1またはApoL1断片、iv)PLTPまたはPLTP断片、v)ApoEまたはApoE断片、vi)ApoA1またはApoA1断片、及びvii)ApoDまたはApoD断片を検出するアッセイを実施することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoDタンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoD標準物質を検出することをさらに含む。特定の実施形態では、ApoD標準物質は、配列番号13または14に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoA1タンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoA1標準物質を検出することをさらに含む。
他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質M(ApoM)及びリン脂質輸送タンパク質(PLTP)をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、iii)ApoMまたはApoM断片、及びiv)PLTPまたはPLTP断片を検出するアッセイを実施することを含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識もしくは非標識のApoMタンパク質もしくはタンパク質断片標準物質及び/または標識もしくは非標識のPLTPタンパク質もしくはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、ならびにApoM及び/またはPLTP標準物質を検出することをさらに含む。追加の実施形態では、ApoM標準物質は、配列番号20に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、PLTP標準物質は配列番号31または32に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
追加の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質C1(ApoC1)をさらに含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、及びiii)ApoC1またはApoC1断片を検出するアッセイを実施することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoC1タンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoC1標準物質を検出することをさらに含む。ある特定の実施形態では、ApoC1標準物質は、配列番号7または8に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
追加の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はアポリポタンパク質D(ApoD)をさらに含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、及びiii)ApoDまたはApoD断片を検出するアッセイを実施することを含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識または非標識のApoDタンパク質またはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及びApoD標準物質を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ApoD標準物質は、配列番号13または14に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質は、少なくともCLU、ApoE、CETP、PON1、ApoC1、ApoA2、ApoC2、ApoM、PLTP、及びApoL1からなる群から選択される追加タンパク質をさらに含むかまたはそれからなる。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、及びiii)少なくとも1つの追加タンパク質またはその断片を検出するアッセイを実施することを含む。特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、少なくとも1つの追加タンパク質に対応する、標識または非標識のタンパク質またはタンパク質断片標準物質を添加すること、及び対応する標準物質を検出することをさらに含む。さらなる実施形態では、対応する標準物質は、配列番号23、24、15、16、21、22、33、34、7、8、3、4、9、10、20、31、32、18、及び19に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質はApoC1及びApoC2をさらに含む。他の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)ApoC1またはApoC1断片、及びiii)ApoC2またはApoC2断片を検出するアッセイを実施することを含む。追加の実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識もしくは非標識のApoC1タンパク質もしくはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、及び/または標識もしくは非標識のApoC2タンパク質もしくはタンパク質断片標準物質を試料に添加すること、ならびにApoC1及び/またはApoC2標準物質を検出することをさらに含む。さらなる実施形態では、ApoC1標準物質は、配列番号7または8に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ApoC2標準物質は配列番号9または10に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質には、アポリポタンパク質C1(ApoC1)と、ApoM、ApoA1、ApoC2、ApoC4、CLU、SAA4、ApoL1、HP、C3、及びPLTPからなる群から選択される少なくとも1つの追加タンパク質とをさらに含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、i)ApoC3またはApoC3断片、ii)SAA1/2またはSAA1/2断片、iii)ApoC1またはApoC1断片、及びiv)少なくとも1つの追加タンパク質またはその断片を検出するアッセイを実施することを含む。さらなる実施形態では、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの検出には、標識もしくは非標識のApoC1タンパク質もしくはタンパク質断片標準物質及び/または標識もしくは非標識の追加タンパク質もしくはタンパク質断片標準物質を添加すること、ならびにApoC1標準物質及び/または追加タンパク質標準物質を検出することをさらに含む。他の実施形態では、ApoC1標準物質は、配列番号7または8に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、追加タンパク質標準物質は配列番号23、24、9、10、20、31、32、18、19、1、2、12、36、37、27、28、25、または26に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
さらなる実施形態では、本明細書で提供する方法は、対象由来の試料において、バイオマーカーパネル1〜30のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれのレベルを検出することを含む。バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す。ある特定の実施形態では、対象はヒト(例えば、ヒト男性またはヒト女性)である。ある特定の実施形態では、ヒトは心血管疾患に罹患していると診断されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるシステム及び組成物は、a)心血管疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料と、b)第1の成分とを含み、第1の成分が、i)アポリポタンパク質C3(ApoC3)結合剤、及び/またはii)ApoC3質量分析標準物質を含む。
ある特定の実施形態では、システム及び組成物は、c)試料中のシグナルを、試料中に存在する総計のHDL粒子、ApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルで正規化するための較正物質として機能し得る検出可能な標識HDLタンパク質を含んでいる組成物を含む第2の成分をさらに含む。他の実施形態では、検出可能な標識HDLタンパク質は、標識(例えば、同位体標識)ApoA1タンパク質またはその断片を含む。ある特定の実施形態では、試料は、血清試料、血漿試料、血液試料、及び精製された高密度リポタンパク質(HDL)試料からなる群から選択される。特定の実施形態では、ApoC3結合剤には、抗ApoC3抗体もしくはその結合部分、または抗ApoC3核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。ある特定の実施形態では、ApoC3質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoC3タンパク質またはタンパク質断片を含む。さらなる実施形態では、このタンパク質断片は、配列番号11に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
他の実施形態では、システムまたは組成物は、c)i)血清アミロイドA1/2(SAA1/2)結合剤、及び/またはii)SAA1/2質量分析標準物質を含む、第2の成分をさらに含む。特定の実施形態では、SAA1/2結合剤には、抗SAA1/2抗体もしくはその結合部分、または抗SAA1/2核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。いくつかの実施形態では、SAA1/2質量分析標準物質には、標識(例えば、同位体標識)または非標識のSAA1/2タンパク質またはタンパク質断片を含む。さらなる実施形態では、このタンパク質断片は、配列番号35に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
追加の実施形態では、システムまたは組成物は、d)i)アポリポタンパク質A1(ApoA1)結合剤、及び/またはii)ApoA1質量分析標準物質を含む、第3の成分をさらに含む。さらなる実施形態では、ApoA1結合剤には、抗ApoA1抗体もしくはその結合部分、または抗ApoA1核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。さらなる実施形態では、ApoA1質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoA1タンパク質またはタンパク質断片を含む。ある特定の実施形態では、このタンパク質断片は、配列番号1または2に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
追加の実施形態では、システムまたは組成物は、d)i)アポリポタンパク質L1(ApoL1)結合剤、及び/またはii)ApoL1質量分析標準物質を含む第3の成分と、e)i)リン脂質輸送タンパク質(PLTP)結合剤、及び/またはii)PLTP質量分析標準物質とを含む第4の成分とをさらに含む。さらなる実施形態では、ApoL1結合剤には、抗ApoA1抗体もしくはその結合部分、または抗ApoL1核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含み、PLTP結合剤には、抗PLTP抗体もしくはその結合部分、または抗PLTP核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。ある特定の実施形態では、ApoL1質量分析標準物質には、同位体標識もしくは非標識のApoL1タンパク質もしくはタンパク質断片を含み、及び/またはPLTP質量分析標準物質には、同位体標識もしくは非標識のPLTPタンパク質もしくはタンパク質断片を含む。さらなる実施形態では、ApoL1タンパク質断片は、配列番号18もしくは19に示すアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなり、及び/またはPLTPタンパク質断片は配列番号31もしくは32に示すアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる。
いくつかの実施形態では、システムまたは組成物は、i)アポリポタンパク質E(ApoE)結合剤、及び/またはii)ApoE質量分析標準物質を含む、第5の成分をさらに含む。他の実施形態では、ApoE結合剤には、抗ApoE抗体もしくはその結合部分、または抗ApoE核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。追加の実施形態では、ApoE質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoEタンパク質またはタンパク質断片を含む。他の実施形態では、ApoEタンパク質断片は、配列番号15または16に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、システム及び組成物は、i)アポリポタンパク質A1(ApoA1)結合剤、及び/またはii)ApoA1質量分析標準物質を含む、第6の成分をさらに含む。他の実施形態では、システムは、d)i)アポリポタンパク質M(ApoM)結合剤、及び/またはii)ApoM質量分析標準物質を含む第3の成分と、e)i)リン脂質輸送タンパク質(PLTP)結合剤、及び/またはii)PLTP質量分析標準物質を含む第4の成分とをさらに含む。ある特定の実施形態では、ApoM結合剤には、抗ApoM抗体もしくはその結合部分、または抗ApoM核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。特定の実施形態では、ApoM質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoMタンパク質またはタンパク質断片を含む。他の実施形態では、ApoMタンパク質断片は、配列番号20に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
追加の実施形態では、システム及び組成物は、d)i)アポリポタンパク質C1(ApoC1)結合剤、及び/またはii)ApoC1質量分析標準物質を含む第3の成分をさらに含む。追加の実施形態では、ApoC1結合剤には、抗ApoC1抗体もしくはその結合部分、または抗ApoC1核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。他の実施形態では、ApoC1質量分析標準物質には、標識(例えば、同位体標識)または非標識のApoC1タンパク質またはタンパク質断片を含む。ある特定の実施形態では、ApoC1タンパク質断片は、配列番号7または8に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
他の実施形態では、システム及び組成物は、d)i)アポリポタンパク質D(ApoD)結合剤、及び/またはii)ApoD質量分析標準物質を含む第3の成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、ApoD結合剤には、抗ApoD抗体もしくはその結合部分、または抗ApoD核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。さらなる実施形態では、ApoD質量分析標準物質には、標識(例えば、同位体標識)または非標識のApoDタンパク質またはタンパク質断片を含む。さらなる実施形態では、ApoDタンパク質断片は、配列番号13または14に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、システム及び組成物は、d)i)追加タンパク質結合剤、及び/またはii)追加タンパク質の質量分析標準物質を含む第4の成分をさらに含み、その場合、追加タンパク質は、CLU、ApoE、CETP、PON1、ApoC1、ApoA2、ApoC2、ApoM、PLTP、及びApoL1からなる群から選択される。さらなる実施形態では、追加タンパク質結合剤には、抗追加タンパク質抗体もしくはその結合部分、または抗追加タンパク質の核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。他の実施形態では、追加タンパク質の質量分析標準物質には、同位体標識または非標識の追加タンパク質またはタンパク質断片を含む。他の実施形態では、追加タンパク質断片は、配列番号23、24、15、16、21、22、33、34、7、8、3、4、9、10、20、31、32、18、及び19に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
いくつかの実施形態では、システム及び組成物は、c)i)ApoC1結合剤、及び/またはii)ApoC1質量分析標準物質を含む第2の成分と、d)i)ApoC2結合剤、及び/またはii)ApoC2質量分析標準物質を含む第3の成分とをさらに含む。さらなる実施形態では、ApoC1結合剤には、抗ApoC1抗体もしくはその結合部分、または抗ApoC1核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含み、ApoC2結合剤には、抗ApoC2抗体もしくはその結合部分、または抗ApoC2核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。他の実施形態では、ApoC1質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoC1タンパク質またはタンパク質断片を含み、ApoC2質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoC2タンパク質またはタンパク質断片を含む。
特定の実施形態では、システム及び組成物は、d)i)アポリポタンパク質C1(ApoC1)結合剤、及び/またはii)ApoC1質量分析標準物質を含む第3の成分と、e)i)追加タンパク質結合剤、及び/またはii)追加タンパク質の質量分析標準物質を含む第4の成分とをさらに含み、その場合、追加タンパク質は、ApoM、ApoA1、ApoC2、ApoC4、CLU、SAA4、ApoL1、HP、C3、及びPLTPからなる群から選択される。他の実施形態では、ApoC1結合剤には、抗ApoC1抗体もしくはその結合部分、または抗ApoC1核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含み、追加タンパク質結合剤には、抗追加タンパク質抗体もしくはその結合部分、または抗追加タンパク質核酸もしくはタンパク質アプタマーもしくはそれらの結合部分を含む。いくつかの実施形態では、ApoC1質量分析標準物質には、同位体標識または非標識のApoC1タンパク質またはタンパク質断片を含み、追加タンパク質の質量分析標準物質には、同位体標識または非標識の追加タンパク質またはタンパク質断片を含む。さらなる実施形態では、ApoC1タンパク質断片は、配列番号7または8に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、追加タンパク質断片は、配列番号23、24、9、10、20、31、32、18、19、1、2、12、36、37、27、28、25、または26に示すアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。ある特定の実施形態では、ヒトは心血管疾患に罹患していると診断されている。
いくつかの実施形態では、心血管疾患(例えば、CAD、動脈硬化性疾患など)の概算リスク及び/または概算のコレステロール逆転送能を決定する方法を本明細書で提供し、これには、a)対象由来の試料において、バイオマーカーパネル1〜30(バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す)のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれのレベルを検出することと;b)対象での心血管疾患(CVD)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定することを含む。
いくつかの実施形態では、試料は、血清試料、血漿試料、血液試料、及び精製された高密度リポタンパク質(HDL)試料からなる群から選択される。さらなる実施形態では、決定には、第1のアルゴリズムを用いて、心血管疾患(CVD)リスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成することを含み、その場合の第1のアルゴリズムは、i)各HDL関連タンパク質レベルに所定の係数を乗じて乗算値を生成することと、ii)乗算値を合計してパネル固有の定数値を加算することを含む演算を実行し、それによってCVDリスクスコアまたはCECスコアを生成する。他の実施形態では、この方法には、c)CVDリスクスコア及び/またはCECスコアを示すレポートを生成することをさらに含む。ある特定の実施形態では、このレポートは、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルをさらに含む。他の実施形態では、決定は、第2のアルゴリズムを用いて、CVDの確率を生成することをさらに含み、その場合の第2のアルゴリズムは、CVDリスクスコアを以下の式:CVD確率=1/(1+exp(−リスクスコア))または類似式に適用する。他の実施形態では、この方法には、c)CVD(例えば、CAD)の確率を示すレポートを生成することをさらに含む。さらなる実施形態では、このレポートは、少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルをさらに含む。
ある特定の実施形態では、バイオマーカーパネルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC1、ApoC2、ApoC3、及びApoC4で構成されるバイオマーカーパネル番号18である。他の実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoD、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号19である。他の実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC2、及びApoC3で構成されるバイオマーカーパネル番号5である。追加の実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoC1、ApoC3、CLU、PLTP、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号4である。他の実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、CLU、HP、SAA1/2、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号28である。さらなる実施形態では、バイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、HP、PLTP、PON1、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号30である。いくつかの実施形態では、CVDは冠動脈疾患(CAD)である。さらなる実施形態では、CECは全体的なCECである。さらなる実施形態では、CECはABCA1のCECである。
いくつかの実施形態では、本方法は、工程a)の後だが、工程b)の前に、少なくとも1つのバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質それぞれのレベルを正規化する工程をさらに含み、その場合、正規化とは、試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルで正規化して、HDLタンパク質の正規化値を生成することである。追加の実施形態では、本方法は、試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルを決定することをさらに含む。さらなる実施形態では、試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルの決定には、試料に添加された内部標準物質のレベルを決定することを含み、その場合の内部標準物質には標識HDLタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質それぞれのレベルの検出には、バイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質またはその断片のそれぞれを検出するアッセイを、試料の少なくとも一部に対して実施することを含む。特定の実施形態では、アッセイは質量分析アッセイまたはイムノアッセイである。さらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質それぞれのレベルの検出には、検出されるHDL関連タンパク質の少なくとも1つに対応する試料に、標識または非標識のタンパク質断片標準物質を添加すること、及び標準物質を検出することをさらに含む。他の実施形態では、対象はヒトである。さらなる実施形態では、ヒトは心血管疾患に罹患していると診断されている。
他の実施形態では、本明細書で提供されるシステム及び組成物は、a)心血管疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料と、b)以下のうち少なくとも1つとを含む:i)バイオマーカーパネル1〜30(バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す)のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する結合剤;及び/またはii)バイオマーカーパネル1〜30のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する質量分析標準タンパク質。
特定の実施形態では、システムは、c)少なくとも1つのバイオマーカーパネルについての、試料中のHDL関連タンパク質の未加工レベルまたは正規化レベルを示すレポートをさらに含む。さらなる実施形態では、システムは、c)少なくとも1つのバイオマーカーパネルについての、試料中のHDL関連タンパク質のレベルに基づいた、対象のCVDリスクスコア及び/またはコレステロール引き抜き能(CEC)を示すレポートをさらに含む。他の実施形態では、このシステムには、c)対象でのCVDの確率リスクを示すレポートをさらに含む。特定の実施形態では、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能スコアを報告する方法を本明細書で提供し、これには、a)バイオマーカーパネル1〜30(バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す)のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する対象の値を取得することと、b)処理システムで対象値を処理することによって、対象でのCVDリスクスコア及び/またはコレステロール引き抜き能スコアを決定することを含み、該処理システムは、i)コンピュータープロセッサと、ii)1つ以上のコンピュータープログラム及びデータベースを含む非一過性のコンピューターメモリとを含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーパネルモデルアルゴリズムを含み、データベースは、i)少なくとも1つのバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質それぞれに対する所定の係数と、ii)少なくとも1つのバイオマーカーパネルについてのパネル固有の定数値とを含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーパネルモデルのアルゴリズムを適用し、i)少なくとも1つのバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質それぞれのレベルに、対応する所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
ある特定の実施形態では、この方法には、c)処理システムによって決定された、対象でのCVDリスクスコア及び/またはCECスコアを報告することをさらに含む。いくつかの実施形態では、CVDリスクスコアは、対象でのCVDリスクの確率を決定するために使用される。さらなる実施形態では、方法には、d)以下の1つ以上の処置を行うことをさらに含む:i)CVDリスクの確率が高いことを根拠に、対象に対して冠状動脈カテーテル挿入を実施すること、ii)CVDリスクの確率が高いかまたは中程度であることを根拠に、心血管疾患(CVD)治療薬(例えば、スタチン、ACE阻害薬、アルドステロン阻害薬、アンジオテンシンII受容体遮断薬、ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬、コレステロール低下薬、ジゴキシン、利尿薬、カリウム、マグネシウム、血管拡張薬、またはワルファリン)で対象を治療すること、iii)CVDリスクの確率が高いかまたは中程度であることを根拠に、CVD治療薬を対象に処方すること、iv)CVDリスクの確率が中程度であるかまたは高いことを根拠に、対象に対して少なくとも1つの追加診断試験を実施すること、v)CVDリスクの確率が高いことを根拠に、対象を入院させる及び/または入院を指示すること、vi)CVDリスクの確率が中程度であるかまたは高いことを根拠に、バイオマーカーパネル以外の1つ以上のCVDリスクアッセイを用いて対象由来の試料を試験すること、vii)CVDリスクの確率が低いことを根拠に、対象を治療施設から退院させること、ならびにviii)CVDリスクの確率が中程度であるかまたは高いことを根拠に、対象に対してストレス試験を実施すること。
ある特定の実施形態では、方法には、d)以下の1つ以上の処置を行うことをさらに含む:i)対象でのCVDリスクの確率をユーザーに伝えること、ii)対象でのCVDリスクの確率を表示すること、iii)対象でのCVDリスクの確率を示すレポートを生成すること、ならびにiv)対象でのCVDリスクの確率を示すレポートを作成及び/または送信すること。他の実施形態では、対象値の取得には、試験室から、対象から、分析試験システムから、及び/またはハンドヘルドもしくはポイントオブケア検査装置から対象値を受信することを含む。いくつかの実施形態では、処理システムは、分析試験システム及び/またはハンドヘルドもしくはポイントオブケア検査装置をさらに含む。
特定の実施形態では、対象値の取得には、対象値を電子的に受信することを含む。他の実施形態では、対象値の取得には、検出アッセイを用いて対象由来の試料を試験することを含む。さらなる実施形態では、検出アッセイはイムノアッセイまたは質量分析アッセイを含む。追加の実施形態では、処理システムはグラフィカルユーザーインターフェースをさらに含み、この方法はグラフィカルユーザーインターフェース経由で対象値を入力することをさらに含む。ある特定の実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェースは、デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、及びポイントオブケア分析装置から選択される装置の一部である。
追加の実施形態では、処理システムは試料分析器をさらに含む。さらなる実施形態では、コンピューターメモリの少なくとも一部は試料分析器の内部に配置されている。さらなる実施形態では、処理システムはラボラトリインターフェースシステム(LIM)をさらに含む。他の実施形態では、コンピューターメモリの少なくとも一部はLIMの一部である。
いくつかの実施形態では、処理システムは、デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、及びポイントオブケア分析装置からなる群から選択される処理装置をさらに含む。追加の実施形態では、コンピューターメモリの少なくとも一部は処理装置の内部に配置されている。
他の実施形態では、1つ以上のコンピュータープログラムがCVD確率アルゴリズムをさらに含み、該1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、CVD確率アルゴリズムアルゴリズムを利用し、iii)CVDリスクスコアを以下の式:CVD確率=1/(1+exp(−CVDリスクスコア)に適用するようにさらに構成されている。特定の実施形態では、CVDは冠動脈疾患(CAD)である。他の実施形態では、CECは全体的なCECである。いくつかの実施形態では、CECはABCA1のCECである。
追加の実施形態では、HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値は、正規化レベルである(例えば、試料中の総計のHDL粒子、もしくはApoA1、もしくはHDLコレステロールの概算レベル、または試料中の他の何らかのタンパク質、例えばHSAの概算レベルに対する)。さらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC1、ApoC2、ApoC3、及びApoC4で構成されるバイオマーカーパネル番号18である。他の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoD、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号19である。追加の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC2、及びApoC3で構成されるバイオマーカーパネル番号5である。他の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoC1、ApoC3、CLU、PLTP、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号4である。さらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、CLU、HP、SAA1/2、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号28である。他の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、HP、PLTP、PON1、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号30である。さらなる実施形態では、対象はヒトである。他の実施形態では、ヒトは心血管疾患に罹患していると診断されている。
さらなる実施形態では、本明細書で提供される処理システムは、a)コンピュータープロセッサと、b)1つ以上のコンピュータープログラム及びデータベースを含む非一過性のコンピューターメモリとを含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーパネルモデルアルゴリズムを含み、データベースは、i)バイオマーカーパネル1〜30(バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す)のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値と、ii)バイオマーカーパネル1〜30のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対するパネル固有の所定の係数と、iii)少なくとも1つのバイオマーカーパネルについてのパネル固有の定数値とを含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーパネルモデルのアルゴリズムを適用し、i)HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値に、対応するパネル固有の所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
ある特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータープログラムがCVD確率アルゴリズムをさらに含み、該1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、CVD確率アルゴリズムを利用し、iii)CVDリスクスコアを以下の式:CVD確率=1/(1+exp(−CVDリスクスコア)に適用するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態では、CVDは冠動脈疾患(CAD)である。さらなる実施形態では、CECは全体的なCECである。他の実施形態では、CECはABCA1のCECである。
ある特定の実施形態では、HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値は、試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールに対する正規化レベルである。他の実施形態では、システムは、c)HDL関連タンパク質分析試験システム及び/またはハンドヘルドもしくはポイントオブケアHDL関連タンパク質ポイントオブケア検査装置をさらに含む。特定の実施形態では、HDL関連タンパク質分析試験システムは質量分析計または光学検出器を含む。他の実施形態では、システムは、c)HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値をコンピューターメモリに入力するためのグラフィカルユーザーインターフェースをさらに含む。他の実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェースは、デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、及びポイントオブケア分析装置から選択される装置の一部である。
いくつかの実施形態では、システムは試料分析器をさらに含み、コンピューターメモリの少なくとも一部は試料分析器の内部に配置されている。特定の実施形態では、システムは、ラボラトリインターフェースシステム(LIM)の少なくとも一部をさらに含む。他の実施形態では、コンピューターメモリの少なくとも一部はLIMの一部である。他の実施形態では、システムは、c)デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、及びポイントオブケア分析装置からなる群から選択される処理装置をさらに含む。他の実施形態では、コンピューターメモリの少なくとも一部は処理装置の内部に配置されている。追加の実施形態では、システムは、患者のCVDリスクスコアまたはCECスコアを表示するように構成されたディスプレイコンポーネントをさらに含む。他の実施形態では、ディスプレイコンポーネントは、コンピューターモニター、タブレットコンピューター画面、スマートフォン画面、及びポイントオブケア分析装置画面から選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC1、ApoC2、ApoC3、及びApoC4で構成されるバイオマーカーパネル番号18である。さらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoD、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号19である。他の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoC2、及びApoC3で構成されるバイオマーカーパネル番号5である。さらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoC1、ApoC3、CLU、PLTP、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号4である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、CLU、HP、SAA1/2、及びSAA4で構成されるバイオマーカーパネル番号28である。特定の実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーパネルは、HDL関連タンパク質ApoA1、ApoA2、ApoC3、ApoC4、ApoD、ApoE、ApoL1、ApoM、C3、HP、PLTP、PON1、及びSAA1/2で構成されるバイオマーカーパネル番号30である。他の実施形態では、対象はヒトである。追加の実施形態では、ヒトは心血管疾患に罹患していると診断されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される非一過性のコンピューターメモリ構成要素は、データベースにアクセスするように構成された1つ以上のコンピュータープログラムを含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーパネルモデルアルゴリズムを含み、データベースは、i)バイオマーカーパネル1〜30(バイオマーカーパネル1〜26は表2に示し、バイオマーカーパネル27〜30は表54に示す)のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値と、ii)バイオマーカーパネル1〜30のうちの少なくとも1つの、HDL関連タンパク質それぞれに対する所定の係数と、iii)少なくとも1つのバイオマーカーパネルについてのパネル固有の定数値とを含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーパネルモデルのアルゴリズムを適用し、i)HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値に、対応する所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
さらなる実施形態では、HDL関連タンパク質のアッセイは、質量分析法(MS)、クロマトグラフィー、LC−MS、プラズモン共鳴、ならびにポリビニルスルホン酸(PVS)及びポリエチレングリコールメチルエーテル(PEGME)の使用を含むアッセイからなる群から選択される技術を用いて実施される。ある特定の実施形態では、検出は、精製されたHDL試料を、クロマトグラフィーと質量分析の両方を実行する装置に注入することによって行われる。いくつかの実施形態では、装置は液体クロマトグラフィー−質量分析(LC/MS)装置である。
ある特定の実施形態では、HDL値は正規化値である。特定の実施形態では、正規化は総計のHDLコレステロール、またはApoA1タンパク質、またはHDL粒子に対するものである。総HDLの決定は、HDLコレステロールを測定することによって実施することができる。一般的に、実施の際には、特定の順序で添加される選択試薬を使用する「ホモジニアス」アッセイを用いて、リポタンパク質ApoBを含有するLDLコレステロール粒子の血清試料を「除去する」。その後、従来的な酵素結合アッセイを用いてHDLコレステロールを化学的に決定する。総HDLの測定はまた、HDL粒子を単離する物理的方法、通常は超遠心分離を利用して実施することができる(例えば、Warnick et al.,Clinical Chemistry September 2001 vol.47 no.9 1579−1596、参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、HDL関連タンパク質の測定量を最初の試料中の天然ApoA1の総量と比較して、正規化した比を決定してもよい。ApoA1は、各HDL粒子の主たるリポタンパク質成分である。ApoA1ではなくHDLコレステロールの測定が心血管リスク評価の主流であったが、ApoA1の測定が無症候性アテローム性動脈硬化症の同定に有用であることから、この見解は変わりつつある(Florvall et al.,Journal of Gerontology:BIOLOGICAL SCIENCES 2006,Vol.61A,No.12,1262−1266、参照により本明細書に組み込まれる)。総ApoA1は通常、広く利用されているイムノアッセイプラットフォームアッセイを用いて測定される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法には、対象由来の試料中の少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のレベルを検出することを含み、その場合、対象は心血管疾患に罹患しているかまたは罹患の疑いがある。特定の実施形態では、試料は精製された高密度リポタンパク質試料である。
ある特定の実施形態では、心血管疾患の概算リスク及び/または概算のコレステロール逆転送能を決定する方法を本明細書で提供し、これには、a)対象由来の試料中の少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のレベルを検出することと、b)対象での心血管疾患(CVD)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるシステムは、a)心血管疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料と、b)以下のうち少なくとも1つとを含む:i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のそれぞれに対する結合剤;及び/またはii)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質それぞれに対する質量分析標準タンパク質。
他の実施形態では、対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能スコアを報告する方法を本明細書で提供し、これには、a)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のそれぞれに対する対象値を取得することと;b)処理システムで対象値を処理することによって、対象でのCVDリスクスコア及び/またはコレステロール引き抜き能スコアを決定することを含み、該処理システムは、i)コンピュータープロセッサと、ii)1つ以上のコンピュータープログラム及びデータベースを含む非一過性のコンピューターメモリと、を含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーのアルゴリズムを含み、データベースは、i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質それぞれに対する所定の係数と、ii)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質の組み合わせに対するパネル固有の定数値とを含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーのアルゴリズムを適用し、i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質それぞれのレベルに、対応する所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される処理システムは、a)コンピュータープロセッサと、b)1つ以上のコンピュータープログラム及びデータベースを含む非一過性のコンピューターメモリとを含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーアルゴリズムを含み、データベースは、i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のそれぞれに対する対象値と、ii)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質それぞれに対するパネル固有の所定の係数と、iii)少なくとも3種のHDL関連タンパク質の組み合わせに対するパネル固有の定数値とを含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーのアルゴリズムを適用し、i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質それぞれに対する対象値に、対応するパネル固有の所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
特定の実施形態では、本明細書で提供される非一過性のコンピューターメモリ構成要素は、データベースにアクセスするように構成された1つ以上のコンピュータープログラムを含み、1つ以上のコンピュータープログラムはバイオマーカーアルゴリズムを含み、データベースは、i)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質(例えば、表2及び表54に列挙されたものから選択される)のそれぞれに対する対象値と、ii)HDL関連タンパク質それぞれに対する所定の係数と、iii)少なくとも3種(または少なくとも2種)のHDL関連タンパク質の組み合わせに対するパネル固有の定数値と、を含み、1つ以上のコンピュータープログラムは、コンピュータープロセッサと連携して、バイオマーカーのアルゴリズムを適用し、i)HDL関連タンパク質それぞれに対する対象値に、対応する所定の係数を乗じて乗算値を生成し、ii)乗算値を合計して、パネル固有の定数値を加算し、それによって対象でのCVDリスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成するように構成されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のバイオマーカーパネルは、心血管疾患、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、紅斑性狼瘡、過敏性腸症候群(IBS)、慢性腎臓病(CKD)、関節リウマチ(RA)、及びアルツハイマー病から選択されるHDL関連疾患のリスクを診断するために使用される。
パネル1に関して以下の実施例1に記載する工程に対応する例示的ワークフローを示す。 ApoA−I関連血清画分の単離−血清をHisApoA−Iとインキュベートし、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を用いてHisタグを標的とすることにより、ApoA−I関連タンパク質を単離する概要模式図。 ApoA−I関連プロテオームとHDLプロテオームの重複−HDL Proteome Watchリストの枠内で、ApoA−Iアフィニティー精製によって同定されたタンパク質と、勾配超遠心分離によって調製されたHDLとの重複を示すベン図。 細胞系のコレステロール引き抜きアッセイとの関連−cAMP刺激されたJ774マクロファージからの実測のコレステロール引き抜き能(CEC)と、(A)ApoA−I関連血清タンパク質の標的分析に基づく、タンパク質6種のパネルを用いた予測CEC、ならびに(B)ApoA−I、(C)HDL、及び(D)hsCRPの血清濃度との相関関係。 予測CECとCADとの逆相関−標的HDLプロテオーム分析によって予測されたCECの分布。全対照及びCAD患者集団(MACEあり、またはなし)の比較。 ApoA−I関連タンパク質の標的MRM測定において観察された内因性ApoA−Iと、委託臨床研究所内で免疫比濁分析によって測定された血清ApoA−Iレベルとの相関関係。 試料30個(対照がn=15、CADがn=15)の標的HDLプロテオーム分析から予測されるCECと、cAMP刺激されたJ774マクロファージにおける同試料セットの細胞系アッセイによる実測の細胞コレステロール引き抜きとの比較。 コホート間の予測コレステロール引き抜き値を比較し、対照コホートと比較してCADコホートのコレステロール引き抜きの方が全体的に低いことを明らかにしている実施例4の結果を示す。 実施例4の転帰最適化モデルの適用結果が、CADと診断されるリスクと相関するバイオマーカースコア尺度で患者を層別化していることを示す。
定義
本明細書で使用される場合、「高密度リポタンパク質」すなわち「HDL」は、血中を流れる、両親媒性タンパク質の非共有結合複合体であり、コレステロール及びトリグリセリドなどの脂質を水性の血流内で輸送できるようにする。HDLは、約50質量%が、遊離コレステロール(約4%)の埋め込まれたリン脂質一重層(約25%)と、トリグリセリド(約3%)及びコレステロールエステル(約12%)のコアとで構成される、脂質エマルジョンを安定化させる両親媒性タンパク質で構成されている。HDLのサブクラスとして、HDL2及びHDL3が挙げられる。HDL2粒子の方が大きくて脂質含有量が多く、対するHDL3粒子は小さくて脂質含有量が少ない。それ以外のサブクラスとして、最大粒子から最小粒子の順に、HDL2b、HDL2a、HDL3a、HDL3b、及びHDL3cが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「リポタンパク質」とは、1つ以上の脂質分子と結合するかまたは結合することができるタンパク質の種類を指す。場合によって、リポタンパク質は、結合しているリン脂質が4分子以下である「脂質欠乏リポタンパク質」であり得る。本明細書で使用される場合、リポタンパク質は、脂質が結合していないがHDL粒子中に交換可能であるタンパク質(例えばアポリポタンパク質)を含む。
本明細書で使用される場合、語句「コレステロール逆転送」とは、血漿を介してコレステロールを末梢組織から肝臓に戻す実移動をもたらす多段階の過程を指す。
本明細書で使用される場合、試料の「コレステロール引き抜き能(CEC)」という語句は、試料中のHDLが、脂質を含んだマクロファージからコレステロールを受け取ることによってコレステロール逆転送を促進する能力を指す。CECの測定方法としては、限定されないが、de la Llera−Moya et al.,Arterioscler Thromb Vasc Biol.2010 Apr;30(4):796−801;Sankaranarayanan et al.,J Lipid Res.2011 Dec;52(12):2332−40;及びKhera et al.,NEJM,364;2,2011に記載のものが挙げられ、これらはすべて、そこに開示されるアッセイを含め、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ABCA1のCECは特に、ABCA1トランスポーターによって特異的に誘導されるコレステロール逆転送を指す。例えばこれは、試薬処理(例えば、cAMP処理)したマクロファージと試薬未処理のマクロファージとの間のCECの差を差し引くことによって測定することができる。この場合、マクロファージは、処理試薬の存在下でABCA1発現が直ちに増加するように変性される。
本明細書で使用される場合、「血液試料」とは、全血試料、またはそれに由来する血漿もしくは血清画分を指す。ある特定の実施形態では、血液試料は、全血試料、またはそれに由来する血漿もしくは血清画分などのヒト血液試料を指す。いくつかの実施形態では、血液試料は、全血試料、またはそれに由来する血漿もしくは血清画分などの非ヒト哺乳動物(「動物」)の血液試料を指す。
本明細書で使用される場合、用語「全血」とは、分画されておらず、細胞成分と流体成分の両方を含有する血液試料を指す。
本明細書で使用される場合、「血漿」とは、全血のうち流体性の非細胞成分を指す。使用する分離方法に応じて、血漿は細胞成分を全く含まなくてもよく、または様々な量の血小板及び/または少量の他の細胞成分を含んでいてもよい。血漿はフィブリノーゲンなどの種々の凝固因子を含むため、用語「血漿」は以下に記載する「血清」とは区別される。
本明細書で使用される場合、用語「血清」とは、哺乳動物の全血清、例えば、ヒト全血清、試験動物由来の全血清、ペット由来の全血清、家畜由来の全血清などを指す。さらに、本明細書で使用される場合、「血清」とは、凝固因子(例えば、フィブリノーゲン)が除去された血漿を指す。
本明細書で使用される場合、語句「精製された高密度リポタンパク質試料」とは、血液試料(例えば、血清、または血漿、または全血試料)を(例えば、以下に記載される超遠心分離法またはApoA1の交換法によって)精製して得られる、精製試料中の全タンパク質の少なくとも90%(例えば、少なくとも90%…94%…98%…99%…または少なくとも99.9%)がHDLリポタンパク質である精製試料を指す。いくつかの実施形態では、精製された試料中の全タンパク質の10%未満が非HDLリポタンパク質である(例えば、10%…5%…1%…0.2%未満)。ある特定の実施形態では、非HDLリポタンパク質は、主としてまたはすべてが血清アルブミンである。
本明細書で使用される場合、用語「心血管疾患」(CVD)または「心血管障害」とは、身体の心臓、心臓弁、及び血管系(例えば、静脈及び動脈)に影響を及ぼす多数の病態を分類するために使用される用語であり、これに包含される疾患及び病態には、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠症候群、狭心症、鬱血性心不全、大動脈瘤、大動脈解離、腸骨動脈瘤または大腿動脈瘤、肺塞栓症、原発性高血圧、心房細動、脳卒中、一過性虚血発作、収縮機能不全、拡張機能不全、心筋炎、心房頻拍、心室細動、心内膜炎、動脈症、血管炎、アテローム性プラーク、脆弱性プラーク、急性冠症候群、急性虚血性発作、心臓突然死、末梢血管疾患、冠動脈疾患(CAD)、末梢動脈疾患(PAD)、及び脳血管疾患を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、語句「CVDの罹患が疑われる」とは、CVDに関連した少なくとも1つの徴候または症状、例えば、極度の疲労、常時のめまいまたはふらつき、速い心拍数(例えば、安静時に毎分100回超の拍動)、新たな不規則な心拍、休息すると消える活動時の胸痛または不快感、通常の活動時及び安静時の呼吸困難、悪化する呼吸器感染症または咳、不安感または混乱、睡眠パターンの変化、ならびに食欲不振または吐き気がある患者を指す。
本明細書で使用される場合、用語「動脈硬化性心血管疾患」または「動脈硬化性心血管障害」とは、アテローム性動脈硬化症を要素として含む心血管疾患の一部、または特定の種類の心血管疾患の前兆を指し、CAD、PAD、脳血管疾患を含むがこれらに限定されない。アテローム性動脈硬化症は、動脈血管壁に起こる慢性的な炎症反応である。これはアテローム性プラークの形成を伴い、それによって動脈の狭小化(「狭窄」)を招き、最終的に動脈開口部の部分的または完全な閉鎖及び/またはプラークの破裂に至るおそれがある。したがって、動脈硬化性疾患または障害には、アテローム性プラークの形成及び破裂の結果を含み、これには、動脈の狭窄または狭小化、心不全、大動脈瘤を含む動脈瘤の形成、大動脈解離、ならびに心筋梗塞及び脳卒中などの虚血性イベントを含むが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法、組成物、及びシステムは、動脈硬化性CVDを少なくとも部分的に診断するために使用される。
用語「個体」、「宿主」、「対象」、及び「患者」は、本明細書で同義に使用され、一般に、類人猿及びヒトを含む霊長類、ウマ科動物(例えばウマ)、イヌ科動物(例えばイヌ)、ネコ科動物、様々な家畜(例えば、ブタ類、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの有蹄動物)、ならびに家庭で飼育されるペット及び動物園で管理されている動物を含むが、これらに限定されない哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、対象は特にヒト対象である。
発明の詳細
本明細書では、心血管疾患(CVD)または他のHDL関連疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料から1種以上のHDL関連タンパク質(例えば、ApoC3;ApoC3及びApoA1;ApoC3及びSAA1/2;またはバイオマーカーパネル1〜30のタンパク質)を検出するための方法、システム、及び組成物を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法、システム、及び組成物を使用して、対象でのCVD(または他の疾患)の概算リスク、及び/または試料の概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定する。特定の実施形態では、システム及び組成物は、CVDに罹患している対象または罹患が疑われる対象由来の試料、及びHDL関連結合剤または質量分析標準物質で構成される。
本明細書では、以下の表2及び54に示すパネルのうちの1つ以上におけるタンパク質レベルの測定に基づいて、予測される心血管疾患及び/またはコレステロール引き抜きを決定するための方法、組成物、及びキットを提供する。本開示の実施形態の開発中に実施した研究から、単独のタンパク質のレベル(例えば、パネル10であるApoC3)または複数のタンパク質の組み合わせ(例えば、パネル1〜9及び11〜30)のいずれもCVD及びコレステロール引き抜き能の決定に使用できることを見出した。以下に記載するのは、心血管疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料にバイオマーカーパネルを使用する際に用いられる、例示的、非限定的な方法及びシステムである。
いくつかの実施形態では、最初に、心血管疾患の症状(例えば、胸痛)を有する対象から、病院、診療所、または他の医療施設で血液を採取する。この血液試料を処理して血清試料を生成する。次に、この血清試料を、超遠心分離またはタグ付きHDL結合粒子の精製など、試料中のHDLを精製する方法で処理する。さらに、この精製された血清試料を、精製試料中に存在するHDL関連タンパク質を消化する酵素(例えば、Lys−Cなど)で処理する。次に、この消化した試料を1つ以上の検出アッセイ(例えば、質量分析、免疫学的アッセイ、アプタマー結合アッセイ)にかけて、バイオマーカーパネル1〜30のうちの1つ以上に存在するHDL関連タンパク質レベルを検出する。
いくつかの実施形態では、質量分析法を用いる場合、検出プロトコールは以下の通りであり得る。消化したHDL精製試料の一部を希釈し、LCカラムに充填する。次に、ペプチドをトリプル四重極質量分析計(例えば、ダイナミックMRMモードで動作)を使用して検出する。インタクトペプチドの質量に対する所定のm/z値(機器のQ1でフィルタリング)、インタクトペプチドが機器のq2で受ける衝突エネルギー、及びペプチド断片に対するフラグメント(m/z)値(Q3でフィルタリング)で構成される所定の「トランジション」で、ペプチドを標的化する。トランジションは、試料内の標的とするペプチド固有であるように選択される。2つのトランジション(後半の定量化に使用される「クオンティファイア」と、品質管理に使用される「クオリファイア」)をペプチドごとにモニタリングし、タンパク質あたり最大2つのペプチドを標的化する。ペプチド標的及びそのトランジションの詳細な一覧を、以下実施例1の表1に示す。
ペプチドシグナル強度は、各ペプチドの「クオンティファイア」トランジションのクロマトグラフピークを積分することによって得られる。タンパク質強度は、タンパク質の標的ペプチドそれぞれのクオンティファイアのピーク面積を合計し、1つ以上のHDL関連タンパク質の強度で正規化することによって決定される。
さらに、選択したバイオマーカーパネルのHDL関連タンパク質のレベルを多変量アルゴリズムで処理してコレステロール引き抜きまたはCVDリスクスコアを決定する。このアルゴリズムは、各パネル固有の(及びCVDリスクスコアまたは全体的な引き抜きもしくはABCA1引き抜きに固有の)定数(i)、ならびに検出された固有のタンパク質レベルで乗算されるタンパク質及びパネル固有の係数(c)を含む。アルゴリズムは以下の通りである:
CVDリスクスコア/予測される全体的なコレステロール引き抜き=c +c …c +i
ここで、引き抜きまたはCVDリスクは、係数(c)を所与のタンパク質のタンパク質レベル(p)(例えば、正規化されたピーク面積)で乗算したものの加算合計に定数(i)を加えることで決定される。以下の実施例1は、質量分析により決定されるタンパク質値及びモルタンパク質値の両方について、各パネルの各タンパク質に対する係数及び定数を示している。実施例1はさらに、これらの数値のそれぞれに対する95%信頼区間を示している。例えば、CVDリスクスコア及び/またはコレステロール引き抜き値を計算するとき、(c)または(p)の値に、この範囲内の任意の値を使用することができる。
上記のアルゴリズム及び以下の実施例1の値を使用して決定されるCVDリスクスコアを、以下の式を使用して確率(CVDのリスク率)に変換することができる:
確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
さらに、この確率値に100を掛け、CVDのリスク率を求めることができる。CVDのリスクスコアまたは確率またはリスク率は、医療従事者が、心臓疾患が疑われる患者の治療を決定する際の一助として、または治療もしくは監視を必要とするような患者を除外するために用いることができる。例えば、一般に、CADのリスク率が10%未満である患者は通常、低リスクとみなされ(例えば、心臓疾患の治療または監視を必要としない患者とみなすことができる)、CADのリスク率が10〜20%のリスクである患者は通常、中間リスクとみなされ(例えば、患者に心臓疾患の追加徴候がないか監視することができる)、CADのリスク率が20%を超える患者は通常、高リスクとみなされる(例えば、治療的または手術的介入により処置することができる)。
ある特定の実施形態では、精製された高密度リポタンパク質試料中に、パネル1〜30の一部として検出されるタンパク質が1種または複数種検出される。精製されたHDL試料は、超遠心分離法またはHDL結合ペプチド法を含む任意の好適な方法によって得ることができる。
超遠心分離法の場合、例えば、密度1.006kg/Lの血清の、18℃、18時間の超遠心分離(105,000xg)を用いて、マンガンとヘパリンによる低密度リポタンパク質の沈降を妨げる超低密度リポタンパク質を除去することができる。塩化マンガン及びヘパリンを、最終濃度0.0456モルのMn2+及び183UPS kU/Lのヘパリンを得るのに十分な量で下層画分に添加すると、非HDL−Cリポタンパク質が沈降する。4℃、1500xgで30分間遠心分離した後、得られた上清をさらに臭化カリウムを用いて1.21kg/L以上の密度に調整する。次に、密度調整した溶液を再度、24時間遠心分離する(約105,000xg)。遠心分離後、最上層を注意深く除去すると、HDLの濃縮画分を得ることができる。
ある特定の実施形態では、HDLは、アフィニティータグを付けたHDL結合ペプチド(例えば、ApoA1)を使用して精製される。そのような精製方法は、2015年5月15日出願の米国出願番号第14/713,046号に記載されており、これは本明細書に完全に記載されているものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。簡潔には、アフィニティータグを付けたHDL結合ペプチド(例えば、ApoA1)を試料に添加する。HDL粒子は結合粒子の一部を取り込む。次に、そのようなHDL粒子を、アフィニティータグを利用して精製し、それによって精製されたHDL試料を得る。
本発明は、対象試料からHDL関連ペプチド(例えば、ApoC3、SAA1/2、ApoE、ApoL1など)を検出するために使用される方法に限定されない。
ある特定の実施形態では、HDL関連タンパク質は、以下から選択される検出方法を用いて検出される:イムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、in vitroアッセイ、活性アッセイ、共免疫沈降アッセイ、質量分析、蛍光エネルギー移動(FRET)、生物発光エネルギー移動(BRET)、干渉法、バイオレイヤー干渉法(BLI)、二重偏光干渉法(「DPI」)、偏光解析法、及び水晶振動子マイクロバランス。
実施例1
本実施例では、全体的なコレステロール引き抜き及び冠動脈疾患リスクに関する種々のアルゴリズムを使用し、単一及び複数のHDLタンパク質からなる26のパネルによって全体的なコレステロール引き抜き及び心血管疾患リスクを予測する能力を試験することについて説明する。HDLタンパク質は質量分析法によって測定した。
HDLの精製
HDLの精製には以下のプロトコールを使用した。1倍リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4)中で、15N標識Hisタグ付きアポリポタンパク質A−Iの0.5mg/mL溶液25μLとヒト血清12μLを混合する。血清とApoA−Iの混合物を37℃で15分間インキュベートする間にHisタグ付きApoA−Iが血清試料中のHDL粒子に取り込まれる。次に、ハイスループット自動液体処理プラットフォームに適するピペットチップ形式の固定化金属アフィニティークロマトグラフィーによって、混合物からHDLを精製する。簡潔には、164μLの結合緩衝液(5mMイミダゾール、50mMリン酸ナトリウム、300mM塩化ナトリウム、pH8.0)を添加して、血清とApoA−Iの混合物を200μLに希釈する。アフィニティーカラムチップを400μLの結合緩衝液で平衡化する。次いでアフィニティーカラムを用いて、180μLの血清/ApoA−I混合物を流速200μL/分で6回吸引し、カラムベッド上に分注する。次に、結合緩衝液200μLを吸引して分注することによりカラムベッドを1回洗浄し、続いて強洗浄緩衝液(10mMイミダゾール、50mMリン酸ナトリウム、300mM塩化ナトリウム、pH8.0)200μLで2回目の洗浄を行う。その後、結合したHDL粒子を、溶出緩衝液(300mMイミダゾール、50mM Tris−HCl、25%メタノール、pH9.0)90μLを吸引して分注することにより溶出する。
HDLの消化
次に、100mMジチオスレイトール5μL及び50ng/μLエンドプロテイナーゼLys−C10μLを、溶出したHDLに加え、37℃で4時間インキュベートする。Lys−Cが、配列中のリジンアミノ酸残基のC末端側でHDL関連タンパク質を切断し、LC−MS分析及び定量化で予測可能な標的ペプチドを産生する。
HDLプロテオーム標的ペプチドのLC−MS分析
25%メタノールを含有する溶出緩衝液中の、Lys−Cで消化したHDL25μLを、ミキシングティーを使用してインラインで注入及び5倍希釈した後、LCカラムに直接装填する。希釈及び充填は、0.1%ギ酸水溶液をミキシングティーへ150μL/分で送液する試料充填ポンプ、及び99%移動相A(0.1%ギ酸水溶液)、1%移動相B(0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)をティーへ600μL/分で送液するバイナリポンプを使用して行う。充填後、バイナリポンプをカラムと同一直線上に切り換え、500μL/分で1%から65%までの移動相Bの直線勾配で5分間ペプチドを溶出させる。ダイナミックMRMモードで動作するAgilent 6490トリプル四重極質量分析計を使用してペプチドを検出する。ダイナミックMRMは、スケジュール設定した保持時間枠内でペプチド標的の標的化検出及び定量化を可能にする。インタクトペプチドの質量に対する所定のm/z値(機器のQ1でフィルタリング)、インタクトペプチドが機器のq2で受ける衝突エネルギー、及びペプチド断片に対するフラグメント(m/z)値(Q3でフィルタリング)で構成される所定の「トランジション」で、ペプチドを標的化する。トランジションは、試料内の標的とするペプチド固有であるように選択される。2つのトランジション(後半の定量化に使用される「クオンティファイア」と、品質管理に使用される「クオリファイア」)をペプチドごとにモニタリングし、タンパク質あたり最大2つのペプチドを標的化する。ペプチド標的及びそのトランジションの詳細な一覧を表1に示す。なお、質量分析測定を行う際、列挙したペプチド配列以外の他の部分を使用することができる。
26のHDLタンパク質パネル
表2に示しているのは、HDLの全体的なコレステロール引き抜きの測定において良好な結果が得られたタンパク質の組み合わせを示す26のパネルである。

ペプチド及びタンパク質の定量化及び正規化
ペプチドシグナル強度は、各ペプチドの「クオンティファイア」トランジションのクロマトグラフピークを積分することによって得られる。タンパク質強度は、タンパク質の標的ペプチドそれぞれのクオンティファイアのピーク面積を合計し、1つ以上のHDL関連タンパク質の強度で正規化することによって決定される。
引き抜き能及びCADリスクのアルゴリズム
測定されたタンパク質から正規化した強度に基づいて、引き抜き能(探索コホート、及び新鮮時と凍結時の比較)及びCADリスク(総計、イベントの有無を問わない)の多変量アルゴリズムを開発し、これを利用して、元の血清試料のコレステロール引き抜き能またはCADリスクに関連する値を得た。モデル1は、探索試料の全体的なコレステロール引き抜きであり、モデル2は、新鮮試料と凍結試料の全体的なコレステロール引き抜きであり、モデル3は総計の冠動脈疾患(CAD)リスクであり、モデル4はイベントありCADリスクであり、モデル5はイベントなしCADリスクである。これらのモデルの一般式を以下に示す:
モデル1及び2−予測される全体的なコレステロール引き抜き=c +c …c+i
モデル3〜5−CAD(イベントあり/なし)リスクスコア=c+c…c+i
ここで、引き抜きは、係数(c)をいくつかのタンパク質の正規化されたピーク面積(p)で乗算したものの加算合計に定数(i)を加えることで決定される。
統計解析
各パネルに関するデータの統計解析は、R(「www.」の後に「r−project.org」)及びBioconductor(「www.」の後に「bioconductor.org」)を使用して実施した。データは、15N ApoA1タンパク質の総強度で正規化した。MRMで測定した2つのペプチドをもつタンパク質に関して、分析した試料の大半で最高強度を示すペプチドを基準にタンパク質のレベルを算出した。ロバスト線形回帰を用いて、各タンパク質と全体的なコレステロール引き抜きとの相関関係を算出した。最小絶対収縮選択演算子(LASSO:Least absolute shrinkage and selection operator)をすべてのタンパク質に適用し、係数が0にならない特徴を選択した。70の探索試料で測定して選択された特徴に段階的ロバスト線形回帰を適用した。各パネルについて、赤池情報量基準(AIC)が最も低いモデルを選択した。
タンパク質の絶対モル量の決定
モル値を得るために、合成ペプチド標準物質を使用したLC−MSにより、表1の各ペプチドに関する測定シグナルの範囲を包含する5点外部検量線を作成し、モニターした。検量線を線形フィットし、1/X(Xはペプチド濃度)の重み付けを行った。その後、算出したモル値を用いてモル量係数を計算した。
パネル1
パネル1の全体的なコレステロール引き抜きを予測するために、モデル1及び2を作成した。このモデルを以下に示す。
モデル1及び2−予測される全体的なコレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoE+(c3)ApoL1+(c4)PLTP+(c5)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表3Aに示す。一例として、モデル1は以下の値になる:
モデル1−予測される全体的なコレステロール引き抜き=9.25+(165.75)ApoC3+(−834.8)ApoE+(−144.26)ApoL1+(−11548.33)PLTP+(−160.58)SAA1/2。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.78であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)は上(表2)に示したものであり、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.52であった。一例として、モデル2は以下の値になる:
モデル2−予測される全体的なコレステロール引き抜き=5.27+(230.53)ApoC3+(4786.52)ApoE+(41.71)ApoL1+(14368.89)PLTP+(−93.37)SAA1/2。
次に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデル(モデル3)は、5分割交差検証に基づくと、0.62に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデル(モデル4)は、5分割交差検証に基づくと、0.64に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデル(モデル5)は、5分割交差検証に基づくと、0.66に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表3Aに示し、式を以下に示す。
CAD(イベントあり/なし)リスクスコア=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoE+(c3)ApoL1+(c4)PLTP+(c5)SAA1/2
モデル3−総CADリスクスコア=2.49+(11.44)ApoC3+(−1434.48)ApoE+(17.74)ApoL1+(−9141.23)PLTP+(16.45)SAA1/2。
モデル4−イベントありCADのリスクスコア=2.42+(7.8)ApoC3+(−1597.95)ApoE+(−28)ApoL1+(−9584.47)PLTP+(12.03)SAA1/2。
モデル5−イベントなしCADのリスクスコア=1.08+(13.1)ApoC3+(−1221.33)ApoE+(73.58)ApoL1+(−8509.05)PLTP+(24.59)SAA1/2。
なお、表3Aの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
その後、これらの式と値を使用して3人の患者(P1、P2、及びP3)の最終値を算出した。結果を以下の表3Bに示す。

次の式に基づいて、表3Bのリスクスコア結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。さらに、この値に100を掛け、リスク率を求めることができる。
例えば、患者P1の場合、表3Aのモデル3のリスクスコア結果は−1.16である。これを式に代入すると、次のようになる:1/(1+exp(−(−1.16)))=0.2386673。結果に100を掛けると、患者P1のCADのリスク確率は23.8%になる。表3Bのモデル及び患者のすべて、ならびに本実施例及び以下の実施例2の他のパネルについて以下で報告する結果に対しても、この同じ式を使用することができる。
リスクスコアは、医療従事者が、心臓疾患が疑われる患者の治療を決定する際の一助として、または治療もしくは監視を必要とするような患者を除外するために用いることができる。例えば、一般に、CADのリスク率が10%未満である患者は通常、低リスクとみなされ(例えば、心臓疾患の治療または監視を必要としない患者とみなすことができる)、CADのリスク率が10〜20%のリスクである患者は通常、中間リスクとみなされ(例えば、患者に心臓疾患の追加徴候がないか監視することができる)、CADのリスク率が20%を超える患者は通常、高リスクとみなされる(例えば、治療的または手術的介入により直ちに処置することができる)。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表3Cの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表3Cの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。例えば、ApoC3の値は正確に150.35ではなく、109.91〜190.8の間のいずれの値でもよく、これをモデルに使用できる。
パネル2
パネル2の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル2のモデル1〜5を以下に示す:
パネル2のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC2+(c2)ApoC3+(c3)ApoE+(c4)ApoL1+(c5)CLU+(c6)PLTP
モデル1〜5の値を以下の表4に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.77であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)の値を上記の表4に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.6であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.61に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.59に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を表4に示す。なお、表4の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表5Aに示す。

次の式に基づいて、表5Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表5bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表5Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル3
パネル3の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル3のモデル1〜5を以下に示す:
パネル3のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC2+(c2)ApoC3+(c3)ApoL1+(c4)PLTP
モデル1〜5の値を以下の表6に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.73であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表6に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.5であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.61に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.61に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルを表6に示す。なお、表6の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表7Aに示す。

次の式に基づいて、表7Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表7bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表7Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル4
パネル4の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル4のモデル1〜5を以下に示す:
パネル4のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3+(c3)CLU+(c4)PLTP+(c5)SAA4
モデル1〜5の値を以下の表8に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.78であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデルの値を上記の表8に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.68であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.72に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.8に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.66に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表8に示す。なお、表4の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを表9Aに示す。

次の式に基づいて、表9Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表9bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表9Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル5
パネル5の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル5のモデル1〜5を以下に示す:
パネル5のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoC1+(c3)ApoC3
モデル1〜5の値を以下の表10に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.85であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を上記の表10に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.53であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.75に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.81に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を表10に示す。なお、表10の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表11Aに示す。

次の式に基づいて、表11Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表11bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表11Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル6
パネル6の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル6のモデル1〜5を以下に示す:
パネル6のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoL1+(c3)PLTP+(c4)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表12に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.74であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表12に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.49であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.6に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.63に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.64に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。CADリスクに関する3つのモデル(モデル3〜5)の値を表12に示す。なお、表12の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の患者に基づく予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表13Aに示す。

次の式に基づいて、表13Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表13bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表13Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル7
パネル7の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル7のモデル1〜5を以下に示す:
パネル7のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3+(c3)ApoM
モデル1〜5の値を以下の表14に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.84であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表14に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.54であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.75に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.82に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.73に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表14に示す。なお、表14の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表15Aに示す。

次の式に基づいて、表15Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表15bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表15Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル8
パネル8の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル8のモデル1〜5を以下に示す:
パネル8のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表16に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.8であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表16に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.48であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.58に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.54に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.53に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表16に示す。なお、表16の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表17Aに示す。

次の式に基づいて、表17Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表17bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表17Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル9
パネル9の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル9のモデル1〜5を以下に示す:
パネル9のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3
モデル1〜5の値を以下の表18に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.85であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表18に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.54であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.77に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表18に示す。なお、表18の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表19Aに示す。

次の式に基づいて、表19Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表19bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表19Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル10
パネル10の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル10のモデル1〜5を以下に示す:
パネル10のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3
モデル1〜5の値を以下の表20に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.8であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表20に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.48であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.56に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.58に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.49に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表20に示す。なお、表20の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表21Aに示す。

次の式に基づいて、表21Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。この値に100を掛け、CADのリスク率を求めることができる。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表21bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表21Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル11
パネル11の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル11のモデル1〜5を以下に示す:
パネル11のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoL1+(c3)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表22に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.8であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表22に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.48であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.54に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.53に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.48に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表22に示す。なお、表22の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表23Aに示す。

次の式に基づいて、表23Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表23bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表23Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル12
パネル12の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル12のモデル1〜5を以下に示す:
パネル12のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoC1+(c3)ApoC3+(c4)CLU
モデル1〜5の値を以下の表24に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.86であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表24に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.61であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5倍交差検証に基づくと、0.75に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5倍交差検証に基づくと、0.82に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5倍交差検証に基づくと、0.63に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表24に示す。なお、表24の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表25Aに示す。

次の式に基づいて、表25Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表25bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表25Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル13
パネル13の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル13のモデル1〜5を以下に示す:
パネル13のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3+(c3)ApoL1+(c4)HP+(c5)PLTP
モデル1〜5の値を以下の表26に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.74であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表26に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.54であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.79に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表14に示す。なお、表26の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表27Aに示す。

次の式に基づいて、表27Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表27bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表27Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル14
パネル14の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル14のモデル1〜5を以下に示す:
パネル14のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoD+(c3)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表28に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.8であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表28に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.48であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.71に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表28に示す。なお、表28の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表29Aに示す。

次の式に基づいて、表29Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表29bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表29Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル15
パネル15の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル15のモデル1〜5を以下に示す:
パネル15のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC2+(c3)ApoC3+(c4)ApoD+(c5)CLU+(c6)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表30に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.73であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に部分線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表20に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.57であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.61に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.6に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表30に示す。なお、表30の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表31Aに示す。

次の式に基づいて、表31Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表31bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表31Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル16
パネル16の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル16のモデル1〜5を以下に示す:
パネル16のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC2+(c3)ApoC3+(c4)ApoD+(c5)ApoM+(c6)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表32に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.65であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に部分線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表32に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.51であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.74に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表32に示す。なお、表32の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表33Aに示す。

次の式に基づいて、表33Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表33bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表33Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル17
パネル17の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル17のモデル1〜5を以下に示す:
パネル17のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC2+(c3)ApoC3
モデル1〜5の値を以下の表34に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.81であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にelastic netモデルを適用した。このモデル(モデル2)を上記の表34に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.53であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.74に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.78に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.72に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのモデルの値を上記の表34に示す。なお、表34の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表35Aに示す。

次の式に基づいて、表35Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表35Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表35Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル18
パネル18の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル18のモデル1〜5を以下に示す:
パネル18のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoC1+(c3)ApoC2+(c4)ApoC3+(c5)ApoC4
モデル1〜5の値を以下の表36に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.86であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表36に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.55であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.77に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.81に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.72に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表36に示す。なお、表36の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表37Aに示す。

次の式に基づいて、表37Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表37Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表37Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル19
パネル19の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル19のモデル1〜5を以下に示す:
パネル19のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC1+(c3)ApoC2+(c4)ApoC3+(c5)ApoD+(c6)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表38に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.71であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に部分線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)の値を表38に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.51であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.74に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.79に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.73に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表38に示す。なお、表38の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表39Aに示す。

次の式に基づいて、表39Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表39Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表39Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル20
パネル20の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル20のモデル1〜5を以下に示す:
パネル20のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC3+(c3)ApoD+(c4)ApoE+(c5)ApoL1+(c6)PLTP+(c7)SAA1/2
パネル20のモデル1〜5の値を以下の表40に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.8であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にelastic netモデルを適用した。このモデル(モデル2)を上記の表40に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.52であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.64に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.66に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表40に示す。なお、表40の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表41に示す。

次の式に基づいて、表41Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表41Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表41Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル21
パネル21の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル21のモデル1〜5を以下に示す:
パネル21のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoM+(c3)PLTP+(c4)SAA1/2
パネル21のモデル1〜5の値を以下の表42に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.76であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を上記の表42に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.5であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.71に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.68に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表42に示す。なお、表42の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表43Aに示す。

次の式に基づいて、表43Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表43Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表43Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル22
パネル22の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル22のモデル1〜5を以下に示す:
パネル22のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoD+(c3)PLTP+(c4)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表44に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.79であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を上記の表44に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.5であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.71に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.66に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表44に示す。なお、表44の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表45Aに示す。

次の式に基づいて、表45Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表45Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表45Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル23
パネル23の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル23のモデル1〜5を以下に示す:
パネル23のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC3+(c3)ApoD+(c4)ApoL1+(c5)ApoM+(c6)PLTP+(c7)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表46に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.79であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にelastic netモデルを適用した。このモデル(モデル2)を上記の表46に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.5であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.65に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.67に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表46に示す。なお、表46の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表47Aに示す。

次の式に基づいて、表47Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表47Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表47Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル24
パネル24の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル24のモデル1〜5を以下に示す:
パネル24のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3+(c3)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表48に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.85であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質に線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を上記の表48に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.53であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.75に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.67に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表48に示す。なお、表48の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表49Aに示す。

次の式に基づいて、表49Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表49Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表49Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル25
パネル25の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル25のモデル1〜5を以下に示す:
パネル25のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoC1+(c2)ApoC3+(c3)C3+(c4)PLTP
モデル1〜5の値を以下の表50に示す。

次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.79であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロバスト線形回帰を適用した。このモデル(モデル2)を表50に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.56であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.74に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.8に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.7に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表50に示す。なお、表50の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表51Aに示す。

次の式に基づいて、表51Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表51Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表51Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル26
パネル26の全体的なコレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル26のモデル1〜5を以下に示す:
パネル26のモデル1〜5=(i)+(c1)ApoA2+(c2)ApoC2+(c3)ApoC3+(c4)ApoD+(c5)ApoE+(c6)ApoL1+(c7)ApoM+(c8)CETP+(c9)CLU+(c10)PLTP+(c11)PON1+(c12)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表52に示す。
次に、このモデルを35の複製試料で試験した。実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.78であった。次に、76の新鮮試料及び凍結試料(40が新鮮試料及び36が凍結試料)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にelastic netモデルを適用した。このモデル(モデル2)を上記の表52に示しており、実験室で測定したコレステロール引き抜きと予測コレステロール引き抜きとの相関は0.62であった。
最後に、74の健常対照及び157のCAD患者(83がイベントあり、74がイベントなし)で構成される試料の別のコホートにおいて、このパネルのタンパク質にロジスティック回帰を適用した。健常対照とCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.63に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントありCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.71に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。健常対照とイベントなしCAD患者の比較に適合させたモデルは、5分割交差検証に基づくと、0.6に等しいROC曲線下面積(AUC)を有した。3つのCADモデルの値を上記の表52に示す。なお、表52の値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表53Aに示す。

次の式に基づいて、表53Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
上記のように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表53Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表53Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
実施例2
本実施例では、ABCA1のコレステロール引き抜き及び冠動脈疾患リスクに関する種々のアルゴリズムを使用し、単一及び複数のHDLタンパク質からなる5つのパネルによって全体的なABCA1コレステロール引き抜き(全体的なコレステロール引き抜きではない)及び心血管疾患リスクを予測する能力を試験することについて説明する。上記5つのパネルについて、上記の実施例1と同様に同じアッセイ及び試料を測定した。以下の表54に示すように、5つのパネルはパネル27〜30及びパネル10である。

パネル27
パネル27のABCA1コレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル27のモデル1〜5を以下に示す:
パネル27のモデル1〜5=予測されるABCA1コレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoC3+(c2)ApoE+(c3)ApoL1+(c4)HP+(c5)PLTP
モデル1〜5の値を以下の表55に示す。

5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表56Aに示す。

次の式に基づいて、表56Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
実施例1に上述したように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表56Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。

なお、表56Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル28
パネル28のABCA1コレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル28のモデル1〜5を以下に示す:
パネル28のモデル1〜5=予測されるABCA1コレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoA2+(c3)ApoC1+(c4)ApoC2+(c5)ApoC3+(c6)ApoC4+(c7)ApoD+(c8)ApoE+(c9)ApoL1+(c10)ApoM+(c11)C3+(c12)CLU+(c13)HP+(c14)SAA1/2+(c15)SAA4
モデル1〜5の値を以下の表57に示す。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表58Aに示す。
次の式に基づいて、表58Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
実施例1に上述したように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表58Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。
なお、表58Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル29
パネル29のABCA1コレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル29のモデル1〜5を以下に示す:
パネル29のモデル1〜5=予測されるABCA1コレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoC3+(c3)ApoD+(c4)ApoE+(c5)ApoL1+(c6)ApoM+(c7)HP+(c8)PLTP+(c9)PON1+(c10)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表59に示す。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表60Aに示す。
次の式に基づいて、表60Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
実施例1に上述したように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表60Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。
なお、表60Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル30
パネル30のABCA1コレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル30のモデル1〜5を以下に示す:
パネル30のモデル1〜5=予測されるABCA1コレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoA1+(c2)ApoA2+(c3)ApoC3+(c4)ApoC4+(c5)ApoD+(c6)ApoE+(c7)ApoL1+(c8)ApoM+(c9)C3+(c10)HP+(c11)PLTP+(c12)PON1+(c13)SAA1/2
モデル1〜5の値を以下の表61に示す。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表62Aに示す。
次の式に基づいて、表62Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
実施例1に上述したように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表62Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。
なお、表62Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
パネル10
パネル10のABCA1コレステロール引き抜き及びCADリスクを予測するために、モデル1〜5を作成した。パネル10のモデル1〜5を以下に示す:
パネル10のモデル1〜5−予測されるABCA1コレステロール引き抜き=(i)+(c1)ApoC3
モデル1〜5の値を以下の表63に示す。
5つのモデル及び3人の特異的患者に基づいて算出した予測コレステロール引き抜き及びCADリスクを以下の表64Aに示す。
次の式に基づいて、表64Aの結果を使用してCADの確率を得ることができる:確率=1/(1+exp(−リスクスコア))。
実施例1に上述したように、各タンパク質の絶対モル量は、内部標準物質の絶対量を用いて決定した。次に、これらのモル量を用い、モデル1、3、4、及び5に関して表64Bの係数を決定した。これらの係数はモル量単位であるため、どの種類の検出アッセイ(例えば、ELISA、質量分析など)でタンパク質値が決定されるモデルでも使用することができる。
なお、表64Bの値は、95%信頼区間の範囲の数も含む。式(モデル)の各値に関して、この範囲の数を式に代入することができる。
実施例3
アポリポタンパク質A−I関連プロテオームはコレステロール引き抜き能及び冠動脈疾患と関連する
本実施例では、コレステロール引き抜きと関連した、ApoA−I関連血清プロテオーム及びそのHDL機能との関係について考察した。さらに、本研究ではコレステロール引き抜き能(CEC)の予測方法の構築を試みた。Hisタグ付き組換えApoA−Iに関連する血清タンパク質画分をデータ依存型プロテオーム解析にかけ、コレステロール逆転送及び/または冠動脈疾患(CAD)に関連する21種のタンパク質に関する標的定量プロテオーム法を開発した。この標的化方法を細胞系のCEC測定値(N=105)と比較して、プロテオーム予測アルゴリズムを導出し、このアルゴリズムを、健常検体(N=74)ならびに主要有害心血管イベントありCAD検体(N=83)、及び主要有害心血管イベントなしCAD検体(N=74)の症例/対照研究において評価した。ApoA−I関連血清プロテオームと、HDLに観察されるタンパク質との間に有意な共通点がみられた。ApoA−II、ApoC−I、ApoC−II、ApoC−III、ApoD、及び血清アミロイドA(パネル19)で構成されるプロテオーム予測アルゴリズムは、細胞系のCECアッセイ結果と強く相関した(R=0.77)。症例/対照コホートにおけるプロテオーム予測したCEC測定値は、CECとCAD診断との間に有意な逆相関を示し(P=0.0032)、対照とMACEなしCAD検体との間には有意なCECの低下が観察され(P=0.04)、MACEありCAD検体に観察されたCECはさらに減少した。
材料及び方法
試験方法はすべて、必要に応じて現地の治験審査委員会による承認を得た。特に明記しない限り、試薬はすべてSigma−Aldrich(St.Louis,MO)またはThermoFisherから入手可能な最高等級品を購入した。この試験で使用した検体は、プールされた血清試料を供給するGolden West biologicalsから入手した。免疫親和性除去によって調製されたリポタンパク質非含有血清は、GenwayBio(San Diego,CA)から購入した。加えて、Cleveland HeartLabから入手したレムナント試料を使用した。冠動脈疾患の症例を呈する臨床検体及び対照は、Fairbanks Institute for Healthy Communitiesから入手した。
ApoA−I関連血清画分の濃縮
組換え発現及び精製した0.5mg/mLの15N標識Hisタグ付きアポリポタンパク質A−I(15N−HisApoA−I)(Genscript,Piscataway,NJ)の1倍PBS(pH7.4)溶液24μLを、12μLのヒト血清に加えた。15N−HisApoA−I/血清混合物を37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、製造業者のプロトコールに従って、5mmイミダゾール、20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH8.0で総容積200μLに試料を希釈した後、Ni−NTA HisBind Superflow固定相5μLを充填した、PhyTip(Phynexus,San Jose,CA)搭載Tecan Freedom Evo自動液体ハンドラー(Tecan,Mannedorf,Switzerland)を使用して精製した。簡潔には、希釈した試料を、反復ピペットサイクルを用いて250μL/分でPhytipカラムにゆっくりと結合させ、続いて300μLの20mMイミダゾール、20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH8.0で引き続き洗浄した。次に、結合したHis−ApoA−I及び関連種を300mMイミダゾール、50mM Tris−HCl、pH9.0、25%メタノールで溶出した。溶出後、試料は直ちに次の分析に使用するか、または必要になるまで−80℃で保存した。
ナノLC−MSによるデータ依存型プロテオーム解析
500ngのエンドプロテイナーゼLysC(Wako Chemicals USA,Richmond,VA)に加えて、ジチオスレイトールを最終濃度5mMの濃縮ApoA−I関連血清画分に添加した。試料をEppendorf PCRサーマルサイクラーにて、37℃で4時間消化した後、4℃に保ち、エンドプロテイナーゼ活性を停止させた。得られたペプチド混合物を、Waters nanoACQUITY超高圧LCシステム(Waters,Inc.,Milford,MA)を使用して分離した。全ペプチド材料500ngを含む10μL容積を逆相Symmetry C18捕捉カラム(180μm内径×20mm、5μm粒子)(Waters,Inc)に、移動相A(0.1%ギ酸、2%アセトニトリル水溶液)を用いて、10μL/分で4分間、注入して捕捉し、洗浄した。次に、1.7μmのBEH130 C18固定相を充填したnanoACQUITYカラム(75μm内径×250mm)で、300nL/分でペプチドを溶出した。その際、移動相B(0.1%ギ酸、2%アセトニトリル水溶液)を2%〜50%の勾配で210分間、その後移動相Bを100%に増加して15分間用い、続いて2%の移動相Bで15分間再平衡化した。分解能120,000のオービトラップ内でのm/z350〜1800のプリカーサーイオンスキャンを使用し、続いて衝突誘起解離を用いてイオントラップして25のデータ依存型MS/MSイベントを行う、LTQ−Orbitrap Velos質量分析計(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)でペプチドを検出した。プリカーサーは選択幅2.5m/zで分離し、20msの間、35%正規化衝突エネルギーで断片化した。モノアイソトピックなプリカーサーの選択が可能であり、1+及び空電荷状態を有するプリカーサーはMS/MSの選択から除外された。プラスまたはマイナス10ppmの質量を除外枠とするプリカーサーの動的除外を60秒間利用した。イオントラップとオービトラップの自動利得制御限界をそれぞれ1×10と1×10に設定した。RAW形式の質量分析データファイルを、統合型Andromeda検索アルゴリズム15を使用して、MaxQuant(バージョン1.4.1.2)14で処理し、タンパク質を同定した。一般汚染物質データベースに加えて、UniProt Human Database(2013年10月14日にEuropean Bioinformatics Instituteからダウンロード、88,304エントリからなる)に対して検索を行った。プリカーサー質量許容値±7ppm及びフラグメント質量許容値0.6Daで検索を実施した。LysCを切断酵素に設定し、少なくとも6個のアミノ酸を含み、切断エラーが2つまでのペプチドを分析対象とした。メチオニン酸化は可変修飾として許容した。タンパク質及びペプチドの偽陽性率は1%に設定した。タンパク質の同定をさらに高精度化し、少なくとも2つのペプチドが同定されるようにした。
標的プロテオーム解析
還元剤(100mMジチオスレイトール5μL)及びプロテアーゼ(50ng/μLエンドプロテイナーゼLysC(Wako)10μL)を、濃縮されたApoA−I関連血清画分85μLに添加し、37℃で4時間インキュベートした。その時点の温度は4℃に低下していた。1315−リジン標識内部標準ペプチドの規定混合物5μLをタンパク質消化物75μLに添加し、続いて25μLを注入して液体クロマトグラフィー多重反応モニタリング質量分析(LC−MRM)により分析した。注入試料を1.25分間カラムに充填して洗浄した後、移動相Bの直線勾配により500μL/分で溶出した。スケジュール設定した保持時間枠内でペプチド標的の標的化検出が可能である、ダイナミックMRMモードで動作するAgilent 6490トリプル四重極質量分析計を使用してペプチドを検出した。トランジションは、試料内の標的とするペプチド固有であるように選択、最適化して、決定される。2つのトランジションをペプチドごとに、かつタンパク質あたり最大2つのペプチドをモニタリングした。ペプチド標的及びそのトランジションの詳細な一覧を上記の表1に記載しており、パネル19については以下の表67に記載している。
MassHunter Quantitative Analysisソフトウェア(Agilent)を使用して、クオンティファイアトランジションに対するクロマトグラフピークを積分することにより、ペプチドシグナル強度を得た。クオリファイアイオン比及び内部標準ピークを使用して、すべてのピークを手作業でレビューした。
超遠心分離によるHDLの単離
プールされた血清由来のHDL(1.063g/mL<p<1.21g/mL)を、Brewerの方法に多少の変更を加えて用い単離した16
コレステロール引き抜き能の細胞系による評価
ヒト血清試料をLDL除去し、J774マクロファージからのH標識コレステロールの引き抜きを測定する細胞系のアッセイを、de la Llera−Moya17によって記載された方法を用いてVascular Strategies,Inc.,(Plymouth Meeting,PA)に外部委託して実施した。測定値はすべて、引き抜き値を正規化して報告した。
CECアルゴリズム開発用検体
引き抜き相関モデルを開発するための血清試料は、訓練用と試験用のセットをそれぞれ用意するために、6週間空けて2つのバッチで回収されたCHLの未同定のレムナント検体から採取した。各セットに対する候補試料の選択指針として、LDL−c、HDL−c、ApoA、ApoB、トリグリセリド、及び高感度C反応性タンパク質(hsCRP)の定量分析を用い、最終的に好適合の検体セットを得た(表65)。
定量的ApoA−I関連プロテオーム分析及びCEC測定値を、品質管理用物質として高度に特性決定された血清プールとともに105の検体について収集した。
臨床確認用の検体
検体はFairbanks Institute for Healthy Communitiesバイオバンクから選択した。これは、22〜87歳の男女1500人から得た血清試料からなり、内訳は、冠動脈造影によるCAD所見(≧50%閉塞)750人、CAD、陽性ストレス試験、糖尿病、高血圧症、または脂質異常(LDL−C≧130mg/dL、HDL−C≦40mg/dL、総コレステロール≧240mg/dL、またはトリグリセリド≧200mg/dL)に関して陽性所見のない対照対象750人であった。空腹時の血液試料を試験SOPに従って採取した後、−80℃で保存した。CADと診断された対象を評価して、症例とイベントあり症例の2群を決定した。全CAD患者を、主要有害心血管イベント(MACE)を規定するICD−9コードに従って、心筋梗塞(410)、冠動脈バイパス術もしくは血管形成術(36.1、45.82)、または脳卒中(434.91)に分類した。ICD9分類により心筋梗塞と確認された場合、記録を調査し、虚血性疼痛の履歴、異常なECG、異常なトロポニンの3つのうち2つを有する患者を選択した。合計で、イベントなしCAD対象74人と、MACEイベントありCAD対象83人を選択した(表66)。
74人の適合対照群も選択した。
標的アルゴリズムの開発
コンピューター解析の前に、各標的ペプチドのピーク面積存在量を、濃縮過程で使用した15N−HisApoA−Iの強度で正規化した。LC−MS/MSで測定した2種以上のペプチドを有するタンパク質に関して、分析した試料の大半で最高強度を示すペプチドを用いてタンパク質の相対量を確定した。タンパク質レベルのデータを統計分析に使用した。特性選択のための一連の逐次工程を包含する分析パイプラインを正規化タンパク質レベルデータに適用して、CECに関連するタンパク質を探索した18。一変量分析では、ロバスト線形回帰を各タンパク質に適用し、70個の訓練試料に対するCECを予測し、p値<0.1を有するタンパク質を選択した。elastic netモデルを用いてさらなるフィルタリングを適用した。多変量解析では、部分最小二乗回帰を用いてフィルタリングしたタンパク質でバイオマーカーパネルを構築した。バイオマーカーパネルの性能を評価するために、予測CECと測定CECとの間のスピアマン相関及び中央絶対偏差(cost)を計算した。最初に、未較正のLC−MSピーク強度を用いてバイオマーカーパネルを作成した。プロテオーム法は較正後の絶対モル量が得られるように後に改良し、パネル係数は部分最小二乗回帰を用いて較正後のMRMデータで高精度化した。最後に、パネルを35個の検証試料で試験した。CEC予測バイオマーカーパネルがCADの有無によって対象を区別できるかどうかを評価するために、74人の健常対照と157人のCAD患者のバイオマーカータンパク質を試験した。データの統計分析は、Rバージョン3.2.3を使用して実施した(R Core Team (2013).R:A language and environment for statistical computing,R Foundation for Statistical Computing,Vienna,Austria)。患者コホート累積分布の比較は、コルモゴロフ−スミルノフ(K−S)検定を用いて実施した。
結果:
ApoA−Iアフィニティープールの迅速な調製
質量分析に基づくプロテオミクスを用いた、無脂質ApoA−I関連タンパク質の正確かつハイスループットな分析を容易にするために、迅速なアフィニティー濃縮のための戦略を考案した。この戦略では、Hisタグ付きApoA−Iと固定化金属アフィニティークロマトグラフィーを使用した(図2)。N末端ポリヒスチジンタグを有する組換え型の無脂質ApoA−I(HisApoA−I)をヒト血清に添加し、37℃でインキュベートした。次に、試料をニッケル−NTA固定相に通して、HisApoA−I及び関連タンパク質と結合させた。低濃度のイミダゾールで固定相を洗浄して、非特異的に結合したタンパク質を抑制した後、複合体化タンパク質及び過剰なHisApoA−Iを、高濃度イミダゾールを含む望ましい回収緩衝液に溶出する。次に、最終的に液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS/MS)で分析するため、標準的な酵素消化ワークフローを、溶出した試料に施した。分析対象の検体に属する内因性タンパク質と区別するため、外因性ApoA−Iの特異的測定が可能である15N標識HisApoA−I(15N−HisApoA−I)を使用した。
無脂質ApoA−Iアフィニティープールのデータ依存型プロテオーム解析
初期のデータ依存型実験で明らかになったように、無脂質ApoA−Iの親和性画分で同定されたタンパク質の大半がHDL関連であることがわかっている。従来の超遠心分離を用いて単離したHDLと、400人の男性ドナーの市販血清プールを用いたApoA−I関連血清画分との定性的プロテオーム比較により、この観察結果のさらなる明確化を試みた。各濃縮技術あたり3回の繰り返し工程を実施した。総じて、91種のタンパク質が超遠心分離によって精製されたHDL中で同定され、162種のタンパク質が無脂質ApoA−Iアフィニティープールで同定され、そのうち78種のタンパク質は両方の調製方法に共通していた(図3を参照)。
我々の実験で同定されたタンパク質を、17の公開されているHDLプロテオーム試験の結果をまとめたHDL Proteome Watchリストと比較した。このリストには229種のタンパク質が含まれており、うち95種のタンパク質が3つ以上の研究で同定されているか、または他の分子生物学的手法で検証されている。Proteome Watchリストの全229種のタンパク質のうち、80種は超遠心分離で調製したHDLで同定され、86種は我々のアフィニティー精製プールで同定され、72種(ケラチンなどの一般的な夾雑物を除く)は両方の調製方法で共通していた(77%が共通)(図3)。
多重反応モニタリング質量分析による標的定量
ApoA−Iアフィニティープールとコレステロール引き抜き能(CEC)との関係を調べるため、液体クロマトグラフィー多重反応モニタリング(LC−MRM)に基づく正確な定量方法の使用を試みた。文献検索及び我々のデータ依存型LC−MS結果に基づいて、脂質輸送、コレステロール逆転送及び/または心血管疾患との関連が知られている21種のタンパク質を開発対象として選択した(脂質代謝(アポリポタンパク質A−I、A−II、A−IV、C−I、C−II、C−III、C−IV、D、E、F、J、L−I、M)、酵素(リン脂質輸送タンパク質−PLTP、コレステリルエステル転送タンパク質−CETP、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ−LCAT、パラオキソナーゼ1−PON1)、ならびに急性期反応タンパク質(補体C3、ハプトグロビン、血清アミロイドA1及び2−SAA1/2、ならびにSAA4))。アッセイ開発対象とする各タンパク質由来の2つのペプチド(可能な場合)を同定し、ワークフロー全体を最適化した。4時間以内に全タンパク質について安定なペプチド存在量が産生される消化条件を得た。血清原液からの天然ApoA−Iの回収率は、約55%であると推定され、これは、イムノアッセイによって決定された血清中のApoA−Iレベルと強く相関していた(ピアソンr=0.84、補足図6)。比較すると、無脂質の15N−HisApoA−Iの平均回収率はPBS緩衝液からは85%であり、溶媒除去した血清からは72%であった。
CEC予測のための多変量アルゴリズムの開発及び検証
無脂質のApoA−Iアフィニティー濃縮技術を使用して、一連の血清試料を分析し、アフィニティー濃縮タンパク質とCECとの間に関連性が存在するかどうかを調べた。70の訓練試験試料及び35の独立した試験試料(表65)のセットは、どの疾患診断かは問わずに無作為に選択したが、リポタンパク質測定との一致に関しては慎重を期した。各検体について、21種のタンパク質の補体の正規化CEC及び正規化質量分析データを決定した。一変量統計法及び多変量統計法を含む多段階インフォマティクスパイプラインを実施して、相対タンパク質存在量が細胞系のCEC18と相関するバイオマーカーパネルを開発した。一変量解析の後、p値<0.1を有する9種のタンパク質(アポリポタンパク質A−I、A−II、C−I、C−II、C−III、C−IV、D、CETP、及びSAA)をロバスト線形回帰によって同定した。それに続くelastic net回帰で、6種のタンパク質(ApoA−II、ApoC−I、ApoC−II、ApoC−III、ApoD、及びSAA)を選択して、それに部分線形回帰を適用し、最終予測モデルを確定した。
予測パネルは、CEC測定値の測定誤差を考慮すると十分に機能した(訓練セット、スピアマンr=0.63、p<0.001;検証セット、スピアマンr=0.70、P<0.001)。全開発試料セット内でのプロテオーム予測CECアルゴリズムの性能を図4Aに示す(ピアソンr=0.77)。細胞系のアッセイ及びプロテオーム推定及び他の臨床測定値(総コレステロール、HDL−c、LDL−c、非HDL−c、トリグリセリド、ApoA−I、ApoB、及びhsCRP)によって決定されたCEC間の関連性を調べた。細胞系のCECと最も有意な関連性があるのは、以前の報告11、12と同様、ApoA−I(ピアソンr=0.57、図4B)及びHDL−c(ピアソンr=0.45、図4C)であった。また、CECとhsCRPとの間には有意な負の相関がみられた(ピアソンr=−0.23、図4D)。予測CECは総コレステロールに対しても同様に挙動したが、ApoA−I及びHDL−cとの関係については、プロテオームパネルにApoA−Iが含まれているため、計算しなかった。
予測CECはCADと逆相関する
予測CECは、細胞系のCEC測定に関する報告と同様に心血管疾患と逆相関するはずであると仮定し、本発明者らの多変量パネルを使用して、157人のCAD患者(主要有害心血管イベント(MACE)なし74人、MACEあり83人)、ならびに年齢及び性別が一致する外見は健常な対照74人に関してCECを予測した(表66)。
これらコホート間での予測CECの分布を図5Aに示す。CAD患者の予測CEC中央値が低いことがわかった(9.54%引き抜き/4時間;対照9.98%引き抜き/4時間;p=0.0032)。CAD症例をMACEのない症例と特定の有害事象を伴わない症例に分けた場合、MACEのないCAD患者に、対照と比較して有意に低い予測CECが観察される(P=0.04)。血管再生術を受けたCAD患者(n=29)は、MACEのないCAD患者よりも低い予測CECを示した(P=0.027、対照との比較P=0.0003)。心筋梗塞(n=38)または脳卒中(n=16)を経験したCAD患者は、低い予測CEC中央値を示したが、MACEのないCAD患者との有意差はなかった。年齢及び性別が一致する対照とCAD試料との比較を6週間後に繰り返し、初回の分析で観察された傾向を裏付けることを実証した。また、臨床転帰を伴う少数の選択試料において、予測CECと細胞系のCEC測定との性能の比較を実施した。対照及びCADコホートにおいて、それぞれ15の最高及び最低予測CEC値を同定した後、細胞系のCEC測定値を取得した。補足図7に示すように、CAD検体のサブセットは、プロテオーム予測と細胞系のCEC測定のいずれによって決定した場合にもCECが有意に低かった(P値<0.001)。さらに、転帰が同じサブセットで、予測値と細胞系の測定値とを比較した場合、明らかな有意差はなかった(対照ではP=0.39、CADではP=0.08)。
細胞系アッセイによるCECの決定がコレステロール代謝の調査に効果的であることは明白であり、血清系のCEC測定値が心血管リスクの独立した予測因子であることを示す研究が増えている。残念ながら、この方法は、労働集約的でワークフローが複雑であり、相対的に不正確なため、規模、スループット、精度、較正、そして最終的には分析検証の実現が求められる臨床検査に、この技術を転用するには支障がある。
プロテオーム予測CECの性能
試験セットでのプロテオーム予測CECの性能(r=0.71)は有望であり、コレステロール引き抜きの調節にApoA−I以外のタンパク質が果たす重要な役割を示唆している。蛍光標識コレステロールを用いた修飾細胞系のアッセイを実施する最近のCECの臨床研究によると、前提となる放射性同位体アッセイを用いた正規化引き抜きとやや一致する有意な予測値がみられた(R=0.54)12。それ以外にも引き抜きとの相関が確認されている。予測された通り、多くの研究において、r=0.22〜0.64(本研究ではr=0.57)の範囲でApoA−Iとの正の一変量相関が報告されている11、19。高HDL−C(>68mg/dL)検体では、スフィンゴミエリン/ホスホルエタノールアミン比が引き抜きと有意に関連している(r=0.64)が、正常なHDL−Cレベルでは関連していないことが実証された。引き抜きはまた、HDLサブクラスに依存することが知られており、これは一連の構造的及び機能的相互作用の複雑さをさらに示唆している20。これらの多様性は完全には解明されないままであるが、追加の生化学的及び生物物理学的データをモデルに統合し、CEC予測を改善できる可能性がある。
CEC予測パネルタンパク質の機構的考察
本発明者らの研究で得たCECのプロテオーム予測因子は、コレステロール輸送と機械的に関連するタンパク質(アポリポタンパク質A−II、C−I、C−II、C−III、D、及びSAA;パネル19)で構成される。引き抜きと正の相関を有するタンパク質では、ApoA−I及びApoA−IIが細胞コレステロールの一次受容体として機能している1、21。同様にApoC−Iは、重要ではないが効率的なコレステロール受容体であり、HDLの成熟に役割を果たすレシチン−コレステロールアシルトランスフェラーゼLCATも活性化する22。ApoC−II及びApoC−IIIは、HDLリモデリングに関与するリポタンパク質リパーゼを調節し、ApoDは、pre−β−HDL、すなわちHDLの強力な細胞コレステロール受容形態の形成に役割を果たす22、23。血清アミロイドA(SAA)は急性期反応タンパク質であり、HDLからのApoA−Iの変位によりコレステロール引き抜き能に負の影響を与えることが広く特性決定されている24、25。本発明者らはまた、引き抜きの調節にSAAが果たす機能的役割が、引き抜きとhsCRPとの間の負の相関に反映されることにも注目した。hsCRPは、全身性炎症の測定によく用いられる別のバイオマーカーである(ただし、本研究ではApoA−Iの関連性は同定していない)。興味深いことに、プロテオーム解析によって解明された無脂質ApoA−Iと血清タンパク質との相互作用は、Proteome Watchリストに分類されている標準的なHDLプロテオームと高度の重複を示す。
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実施例4
本実施例では、パネル18(ApoA1、ApoC1、ApoC2、ApoC3、及びApoC4)をFairbanks Institute for Healthy Communititiesの試料及びAbcodia Biobankのサブセットに適用した。
Fairbanks Institute for Healthy Communities(Fairbanks Institute)は、仮説駆動型研究のための広範なアノテーション付き生物検体リポジトリを作成している。これらの生体試料は、全州的な電子臨床データリポジトリであるIndiana Network for Patient Care(INPC)から抽出した縦断的な臨床的及び疾患特異的な健康記録情報とリンクされている。使用されたFairbanks InstituteのCADコレクションには、冠動脈疾患と診断された個人に加え、一致する対照由来の血清及び血漿を含む。この試料セットを用いて、質量分析法で測定したモルタンパク質量に基づくコレステロール引き抜き予測モデル(表37B、モデル1)を、健常だった(対照)患者(n=74)または冠動脈疾患(CAD)と診断されたことがある患者(n=157)で構成される試料セットに適用した。図8に示すように、各コホート間で予測コレステロール引き抜き値を比較すると、対照コホートと比較してCADコホートのコレステロール引き抜きの方が全体的に低いことが明らかである(P=0.03、マンホイットニー検定による)。臨床転帰の分岐(対照対CAD)を最適化するためにパネル18のタンパク質成分に対してロジスティック回帰を実行すると、表37、モデル3のパラメーターになる。本発明者らは、Fairbanksの臨床セットに適用した場合、転帰に基づく患者コホートの層別化が改善されることを確認している。図9に示すように、転帰最適化モデルの適用は、CADと診断されるリスクと相関するバイオマーカースコア尺度で患者を層別化する。ここでは、CADコホートは、対照群と比較して有意に高いバイオマーカースコアを示している(P<0.0001、マンホイットニー検定による)。
本発明者らはまた、パネル18のモデルをAbcodia Biobankのサブセットにも適用した。このサブセットは、50〜74歳の閉経後女性の20万人で構成され、そのうち5万人を数年間にわたり縦断的にサンプリングした。本試験では、対照患者は、非致命的な心筋梗塞が確認された症例とサンプリング場所、年齢、及びサンプリング日時が一致していた。モデル1とモデル3(表37B)はいずれも、これらのコホート間で、イベント発生前の0〜8年の範囲にわたり、持続的かつ統計的に有意な分岐を示している。
本出願で言及された全ての刊行物及び特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない、記載された本発明の方法及び組成物の種々の変更及び変形例が当業者に明らかであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して説明されているが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないものと理解されるべきである。実際には、関連分野の当業者には明らかである、記載された本発明の実施形態の様々の変更が、添付の特許請求の範囲内であることが意図されている。

Claims (24)

  1. 対象由来の試料中の少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルを検出することを含む方法であって、前記少なくとも1種のHDL関連タンパク質がApoC3を含み、前記対象は心血管疾患に罹患しているかまたは罹患の疑いがある、前記方法。
  2. 前記試料が精製された高密度リポタンパク質試料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料が、血清試料、血漿試料、及び血液試料からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1種のHDL関連タンパク質の前記レベルを総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの前記概算レベルで正規化して、少なくとも1種のHDLタンパク質の正規化値を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記試料中の総計のHDL粒子、またはApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルの前記決定に、前記試料に添加された内部標準物質のレベルを決定することを含み、前記内部標準物質に標識HDLタンパク質を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも1種のHDLタンパク質のレベルの前記検出に、前記試料に試薬を添加することを含み、前記試薬は前記試料中のHDLタンパク質を消化する、請求項1に記載の方法。
  7. 少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの前記検出に、ApoC3またはApoC3断片を検出するアッセイを、前記試料の少なくとも一部に対して実施することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アッセイが質量分析アッセイまたはイムノアッセイである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1種のHDL関連タンパク質がアポリポタンパク質A1(ApoA1)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 少なくとも1種のHDLタンパク質のレベルの前記検出に、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoA1またはApoA1断片を検出するアッセイを実施することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種のHDL関連タンパク質がアポリポタンパク質C1(ApoC1)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの前記検出に、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoC1またはApoC1断片を検出するアッセイを実施することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1種のHDL関連タンパク質がアポリポタンパク質C2(ApoC2)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 少なくとも1種のHDL関連タンパク質のレベルの前記検出に、i)ApoC3またはApoC3断片、及びii)ApoC2またはApoC2断片を検出するアッセイを実施することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. a)心血管疾患に罹患している対象、または罹患が疑われる対象由来の試料と、
    b)第1の成分と、を含み、前記第1の成分が
    i)アポリポタンパク質C3(ApoC3)結合剤、及び/または
    ii)ApoC3質量分析標準物質を含む、システムまたは組成物。
  16. c)前記試料中のシグナルを、前記試料中に存在する総計のHDL粒子、ApoA1、またはHDLコレステロールの概算レベルで正規化するための較正物質として機能し得る検出可能な標識HDLタンパク質を含んでいる組成物を含む第2の成分をさらに含む、請求項15に記載のシステムまたは組成物。
  17. 前記試料が、血清試料、血漿試料、血液試料、及び精製された高密度リポタンパク質(HDL)試料からなる群から選択される、請求項15に記載のシステムまたは組成物。
  18. c)i)アポリポタンパク質A1(ApoA1)結合剤、及び/またはii)ApoA1質量分析標準物質を含む、第2の成分をさらに含む、請求項15に記載のシステムまたは組成物。
  19. c)i)アポリポタンパク質C1(ApoC1)結合剤、及び/またはii)ApoC1質量分析標準物質を含む、第2の成分をさらに含む、請求項15に記載のシステムまたは組成物。
  20. c)i)アポリポタンパク質C2(ApoC2)結合剤、及び/またはii)ApoC2質量分析標準物質を含む、第2の成分をさらに含む、請求項15に記載のシステムまたは組成物。
  21. 心血管疾患の概算リスク及び/または概算のコレステロール逆転送能を決定する方法であって、
    a)対象由来の試料において、バイオマーカーパネル17、18、及び/または19
    (前記バイオマーカーパネル17は、タンパク質ApoC1、ApoC2、及びApoC3を含み、
    前記バイオマーカーパネル18は、タンパク質ApoA1、ApoC1、ApoC2、ApoC3、及びApoC4を含み、
    前記バイオマーカーパネルは、タンパク質ApoA2、ApoC1、ApoC2、ApoC3、ApoD、及びSAA1/2を含む)
    のHDL関連タンパク質それぞれのレベルを検出することと;
    b)前記対象での心血管疾患(CVD)の概算リスク及び/または前記試料の前記概算コレステロール引き抜き能(CEC)を決定することを含む、前記方法。
  22. 前記試料が、血清試料、血漿試料、血液試料、及び精製された高密度リポタンパク質(HDL)試料からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記決定に、第1のアルゴリズムを用いて、心血管疾患(CVD)リスクスコアまたはコレステロール引き抜き能(CEC)スコアを生成することを含み、前記第1のアルゴリズムが、i)各HDL関連タンパク質レベルに所定の係数を乗じて乗算値を生成することと、ii)前記乗算値を合計してパネル固有の定数値を加算することを含む演算を実行し、それによって前記CVDリスクスコアまたは前記CECスコアを生成する、請求項21に記載の方法。
  24. c)前記CVDリスクスコア及び/または前記CECスコアを示すレポートを生成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
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