JP2019515909A - 慢性リンパ性白血病の治療を目的とするhdac阻害剤単独またはbtk阻害剤との配合物 - Google Patents

慢性リンパ性白血病の治療を目的とするhdac阻害剤単独またはbtk阻害剤との配合物 Download PDF

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Abstract

それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を開示する。同様に、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を本明細書で提供する。その他の関連する方法を開示する。

Description

関連出願の参照
本出願は、2016年4月19日に出願された米国仮出願第62/324,733号に対する優先権の利益を主張するものである。本出願の全ての内容は参照により本明細書に援用される。
本開示は、HDAC阻害剤単独またはBTK阻害剤との配合物を用いた慢性リンパ性白血病を治療する方法に関する。
現在、細胞の増殖及び生存率に関するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の役割を理解するための大きな進歩が成し遂げられている(Emanuele S, et al.,Int J Oncol 2008;33(4):637−46、Dokmanovic M,et al.,Mol Cancer Res 2007;5(10):981−9、Marks PA.,Expert Opin Investig Drugs 2010;19(9):1049−66)。しかし、慢性リンパ性白血病(CLL)のB細胞受容体(BCR)シグナル伝達におけるその役割については未知である。CLLにおいて、免疫抑制表現型は、悪性B細胞が免疫検出を回避することによって免疫抑制をもたらすことを可能にする。CLLにおいて、別のBCRシグナル伝達の活性化に関与する、このような経路の発現を調節する標的化可能な分子機序を見出す継続的な努力により、その後の治療が不要になることを目標とする組み合わせ療法を用いて完全寛解を達成できる可能性がある。近年では、これらのプロセスでの転写及び翻訳後調節に関与し得る因子を系統的に理解すべく多大な努力がなされている。このような状況において、エピジェネティックな改変が特に注目を集めている。CLLにおけるDNAの過剰/低メチル化に関与するエピジェネティックな異常は十分に示されているが(Tong WG, et al.,Epigenetics 2010;5(6):499−508)、この悪性腫瘍の原因に関して、ヒストンアセチルトランスフェラーゼHAT及びHDACが果たす役割を調査する研究はほとんどみられない。実際に、バルプロ酸(VPA全HDAC阻害剤)(Stamatopoulos B,et al., Leukemia 2009;23(12):2281−9)及びMGCD0103(クラスI)(Blum KA,et al.,Br J Haematol 2009;147(4):507−14)は、CLLにおいて抗白血病活性を誘導したが、非選択性による望ましくない副作用は依然として重大な懸念事項である。
さらに、細胞周期及びアポトーシスの制御において十分に認められたHDAC阻害剤の作用とは対照的に、BCRシグナル伝達経路でのHDACの役割は依然として調査されている。この一般に認められている相違点は、(1)11個の亜鉛依存性HDAC全てを標的とするHDAC阻害剤の全阻害作用、及び(2)生理学的及び病理学的条件の両方において、様々な細胞型間でのこれらの酵素の発現プロファイルにおける固有の相違に対して少なくとも部分的に起因する可能性がある。したがって、等選択的なHDAC阻害剤の調査に関して価値ある焦点が当てられている。CLL細胞株及び患者の試料におけるHDAC6の異常な過剰発現が既に示されているため(Sahakian E,Blood 2012;120(21);Van Damme M,et al.,Epigen.2012;7(12):1403−12)、CLLに関するこのHDACの機序的な役割が調査されている。
リコリノスタットは、再発性及び難治性骨髄腫(Raje N,et al.,ASH Annual Meeting Abstracts 2012;120:4061、Vogl D,et al.,Blood,December 3,2015 126(23))ならびに再発性難治性リンパ腫(Amengual JE,et al,Poster ASH Annual Meeting 2015)の単独または併用療法において現在臨床試験中の、忍容性の高いHDAC6阻害剤である。また、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤である、低分子阻害剤イブルチニブの臨床応用とFDAの承認により、CLL患者の優れた転帰が示されている(Chavez JC,et al.,Core evidence 2013;8:37−45)。BTKの阻害は、増殖の遮断及びアポトーシスの増加を伴う。しかし、ほとんどの患者はイブルチニブにより部分的な反応しか得ておらず、一部は再発し、追加の治療が必要となる。
Emanuele S, et al.,Int J Oncol 2008;33(4):637−46 Dokmanovic M,et al.,Mol Cancer Res 2007;5(10):981−9 Marks PA.,Expert Opin Investig Drugs 2010;19(9):1049−66 Tong WG, et al.,Epigenetics 2010;5(6):499−508 Stamatopoulos B,et al., Leukemia 2009;23(12):2281−9 Blum KA,et al.,Br J Haematol 2009;147(4):507−14 Sahakian E,Blood 2012;120(21) Van Damme M,et al.,Epigen.2012;7(12):1403−12 Raje N,et al.,ASH Annual Meeting Abstracts 2012;120:4061 Vogl D,et al.,Blood,December 3,2015 126(23) Amengual JE,et al,Poster ASH Annual Meeting 2015 Chavez JC,et al.,Core evidence 2013;8:37−45
したがって、当技術分野では依然としてCLLを効果的かつ、より永久的に治療する必要性がある。
HDAC阻害剤単独及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤との配合物を用いた慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法及び配合物を本明細書で提供する。同様に、例えばCLL細胞の生存率の低下、T細胞及び/またはB細胞コンパートメントにおける抑制チェックポイント分子の発現の変化、CLL細胞のIL−10の発現低下及びCLL細胞の増殖の減少など、CLLに罹患している対象において特異的細胞応答を実現する様々な方法も本明細書で提供する。
第1の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を本明細書に開示する。一実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルである。
別の実施形態では、式Iの化合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2である。
一部の実施形態では、式IIの化合物は化合物C、
またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態では、式IIの化合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩である。
この第1の態様における一部の実施形態では、本方法は、対象に治療有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、例えばイブルチニブなど、またはその薬学的に許容される塩を投与することをさらに含む。一部のこれらの実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は、治療量以下の用量で投与され得る。
この第1の態様における一部の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は、慢性リンパ性白血病細胞のアポトーシスを誘導する。
第2の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤またはその薬学的に許容される塩、及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む慢性リンパ性白血病を治療する医薬配合物を本明細書に開示する。医薬配合物における一部の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルである。
医薬配合物における別の実施形態では、式Iの化合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬配合物における別の実施形態では、式Iの化合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬配合物におけるさらに他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2である。
医薬配合物における一部の実施形態では、式IIの化合物は化合物C、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬配合物における他の実施形態では、式IIの化合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬配合物における一部の実施形態では、BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。配合物は、薬学的に許容される担体をさらに含み得る。
一実施形態では、医薬配合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態では、医薬配合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態では、医薬配合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。
別の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤またはその薬学的に許容される塩、及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する医薬組成物を本明細書に開示する。医薬組成物における一部の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルである。
医薬組成物における別の実施形態では、式Iの化合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬組成物における別の実施形態では、式Iの化合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬組成物におけるさらに他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2である。
医薬組成物における一部の実施形態では、式IIの化合物は化合物C、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬組成物における他の実施形態では、式IIの化合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩である。
医薬組成物における一部の実施形態では、BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含み得る。
一実施形態では、医薬組成物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態では、医薬組成物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態では、医薬組成物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を含む。
第3の態様では、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象において慢性リンパ性白血病細胞の細胞生存率を減少させる方法を本明細書に開示する。
第4の態様では、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象において慢性リンパ性白血病細胞のアポトーシスを相乗的に増加させる方法を本明細書に開示する。
第5の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象のT細胞及び/またはB細胞コンパートメントにおいて抑制チェックポイント分子の発現を変化させる方法を本明細書で提供する。一部の実施形態では、抑制チェックポイント分子は、CD274(PDL−1)、CD273(PDL−2)、CD80(B7−1)、CD86(B7−2)、CD152(CTLA4)、CD275(B7RP1)、CD276(B7−H3)、B7−H4(VTCN1)、CD270(HVEM)、BLTA、GAL9、CD366(TIM3)、A2aR、CD279(PD−1)、KIR及びCD223(LAG3)からなる群より選択され、発現は抑制される。さらなる実施形態では、CD274(PDL−1)及びCD273(PDL−2)は抑制される。このような実施形態では、チェックポイント分子はエフェクターTリンパ球上で抑制される(CD4+またはCD8+)。
第6の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象において抗原提示複合体の発現を変化させる方法を本明細書で提供する。一実施形態では、提示タンパク質はMHC IまたはMHC IIであり、発現は増加する。さらなる実施形態では、MHC IIの発現は増加する。
第7の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象の循環制御性Tリンパ球(Treg)を抑制する方法を本明細書で提供する。
第8の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象において慢性リンパ性白血病細胞のIL−10発現を抑制する方法を本明細書で提供する。
第9の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病の対象において慢性リンパ性白血病細胞の細胞増殖を抑制する方法を本明細書に開示する。
さらに第10の態様では、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、またはHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を対象に投与することで、それを必要とする慢性リンパ性白血病(CLL)の対象の循環リンパ球を抑制する方法を本明細書に開示する。
第11の態様では、過去に対象がヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤を用いたCLLの治療に対して無効であった、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、治療有効量のHDAC6選択的阻害剤及び治療有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を対象に投与することを含む方法を本明細書に開示する。
第12の態様では、過去に対象がブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を用いたCLLの治療に対して無効であった、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤及び治療有効量のBTK阻害剤を対象に投与することを含む方法を本明細書に開示する。
第3から第10の態様における実施形態では、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。第11及び第12の態様における実施形態を包含するこのような実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルである。
別の実施形態では、式Iの化合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2である。
一部の実施形態では、式IIの化合物は化合物C、
またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態では、式IIの化合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩である。
一部の実施形態では、本方法は、治療有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、例えばイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することをさらに含む。一部のこれらの実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は、治療量以下の用量で投与され得る。
他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなる。詳細な説明及び具体例は、本発明の趣旨及び範囲内での種々の変更及び修正が詳細な説明から当業者に明らかになることから、例示のみを目的として提供される。さらに、実施例は本発明の原理を実証する。
A及びBは、ヒト初代B−CLLにおけるHDAC6の過剰発現、及びHDAC6の発現を調節したCLL細胞株における細胞生存率の変化を示す。Aでは、Rai分類ステージが0〜4の範囲にある20種のB−CLLに対するHDAC6の発現について、qRT−PCR解析の結果を示す。Bは、MTS CellTiter96(登録商標)(Promega)解析を用いて測定した、本実験のCLL細胞株Mec1の生存率を示す。B左側、2つのポリクローナルHDAC6ノックダウン(HDAC6KD)細胞株において、対応する非標的対照と比較したときの生存率。B右側、HDAC6過剰発現(H6OE)プラスミドを濃度を増加しながらトランスフェクトしたMec1細胞の生存率、及び2つのHDAC6阻害剤を様々な用量で処理したときのMec1細胞の生存率。 A及びBは、化合物A(A)または化合物D(B)で48時間処理したOSU−CLL細胞において、cellTox assay SyTox(登録商標)Green(Promega)によって測定された細胞死を示す。Cは、化合物Aで24時間処理し、LPSで刺激したMec1細胞のIL−10産生量を示す。 A〜Cは、化合物A及びイブルチニブで72時間処理したMec2細胞(A)及びOSU−CLL(B)細胞において、CellTiter−Blue(Promega)アッセイによって測定された細胞生存率の相乗作用のプロットを示す。結果は、Chou及びTalalayが考案した併用指数(CI)法(Chou TC, Cancer research 2010;70(2):440−6)を用いることにより相乗作用について解析した。 Cは、化合物Aを様々な用量(0.5及び1μM)により単独で、またはイブルチニブ(0.2及び1μM)と組み合わせて24時間処理したMec1細胞におけるPARP及びpERKのウェスタンブロットの結果を示す。 A〜Eは、HDAC6の生物学的または薬学的な操作による疾患負荷及び生存率の向上を示す。Aは、最大300日目(最後のeu−TCL1有効期限終了日)のeu−TCL1及びeuTCL1/HDAC6KO群からのマウス8匹による生存率の結果を示す。euTCL1マウスは200日目から疾患により死亡し始めたが、eu−TCL1/HDAC6KOマウスは全て生存した。これらのマウスの脾臓を死後に測定して比較した(p値<0.0005***)。 BはeuTCL1脾臓細胞を注射したコホートに対する5x10個の脾細胞euTCL1(またはeuTCL1−HDAC6KOマウス)を養子移植した8匹のC57BL/6マウスの疾患負荷及び生存率の向上を示す。 CはCLL老化モデルにおいて化合物Dで処置したマウスの疾患負荷を示す。 DはCLL養子移植実験モデルにおいて化合物Dの処置を受けたマウスの全生存率(上)及び疾患負荷(下)を示す。 EはCLL老化モデルにおいて化合物Dで処置したマウスの全生存率を示す。 A〜Gは、インビボ及びインビトロでのHDAC6阻害が、CLLにおいてB細胞及びT細胞コンパートメントの表現型プロファイルを変化させることを示す。Aは、PDL−1及びPDL−2の発現が抑制され、HDAC6KD Mec1細胞のMHC II発現が非標的化対照との比較により増加したことを示す。 Bは、化合物Dの餌による処置を受けたマウス(養子移植後10週間目)において、CD4+T細胞上のPD−1及びLAG3の正常化を実証するフローサイトメトリー解析を示す。Cは、これらのマウスのT−reg数を実証するフローサイトメトリー解析を示す。 Dは、様々な処置によるマウスT−reg上のPD−1及びLAG3分子の発現を示す。Eは、非処置動物と比較したときの、化合物Dで処置したこれらのマウスから単離したB細胞上のPD−L1発現の減少を示す。フローサイトメトリー解析及びゲーティング、B細胞(悪性腫瘍細胞集団CD19+/CD5+/CD45R(B220)+/IgM+/Igk+、正常B細胞CD19+/CD5−/CD45R(B220)+/IgM+/Igk−)。T−regはCD3+/CD4+/CD25 hi/IL−7R lowとして同定された。共抑制分子には、CD223(LAG3)、CD279(PD−1)、CD274(PDL−1)及びCD273(PDL−2)の発現がみられる。 Fは、euTCL1脾細胞を用いて養子移植し、化合物D(飼料)及び化合物A(注射)で処置したマウスにおいて、共抑制分子PD−1及びLAG−3の発現がより低いことを示す(養子移植後10週間目)。 Gは、化合物Dの飼料により毎日処置したCLL老化モデルのマウスにおいて、T−reg上のPD−1及びLAG−3の発現がより低いことを示す。 A及びBは、化合物D及びイブルチニブを併用して処置したマウスの疾患負荷及び生存率の向上を示す。Aは、euTCL1脾細胞を用いて養子移植し、化合物D(飼料)及び/またはイブルチニブ(飲料水)による処置ならびに両試薬による併用処置を施したマウスを示す。本データは、化合物Dを単独で処置したマウスと比較したときの、組み合わせコホートにおける悪性腫瘍細胞数の有意な減少を示す。 Bは、euTCL1脾細胞を用いて養子移植し、化合物D(飼料)及び/またはイブルチニブ(飲料水)による処置ならびに両試薬による併用処置を施したマウスを示す。
詳細な説明
本開示は、一般に、HDAC阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物ならびに慢性リンパ性白血病の治療方法に関する。
HDAC6の発現は、CLL患者試料において増加することが見出されている。さらに、選択的HDAC6阻害剤は、最終的にCLLの免疫原性増加につながり得る免疫調節分子の発現を改変することが見出されている。同様に、HDAC6阻害剤で処理したCLL細胞は、1)用量依存的な細胞死滅、2)CLL細胞増殖の調節において重要なサイトカインであるIL−10の減少、及び3)BTK阻害剤イブルチニブとの組み合わせにおいてCLL細胞生存率の相乗的減少を示すことが見出されている。MEC2−HDAC6KD細胞は、MHCIIの増加及びPD−L1発現の減少を示す。同様に、低用量のHDAC6阻害剤で処理したCLL細胞株では、PD−L1及び他の免疫チェックポイントマーカーにおいて発現の減少が見出されている。さらに、euTCL1マウスから単離され、HDAC6阻害剤によりエクスビボで処理された悪性B細胞は、免疫原性がより高くなり、より強力なタイプIの同種異系T細胞免疫応答を誘発する。最後に、インビボCLLマウスモデル(euTCL1及びeuTCL1−HDAC6KO)の利用時では、euTCL1−HDAC6KO及びHDAC6阻害剤の全身投与を受けたeuTCL1マウスにおいて循環リンパ球の減少が認められる。
したがって、CLLにおけるHDAC6の選択的阻害は、共抑制分子の減少、単独治療時の用量依存的な細胞死滅の増加、及びイブルチニブなどのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせたときの強力な相乗作用をもたらすことが見出されている。euTCL1T細胞及びB細胞コンパートメントに対するこれらの組み合わせの変更は、より好ましい免疫原性微小環境をもたらす可能性がある。
定義
以下の定義は、特定の場合に個別にまたはさらに広範な語群の一部として限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される用語に対して適用される。
用語「約」は一般に、値の10%、5%、または1%を超えない変化の可能性を示す。例えば「約25mg/kg」は一般に、最も広い意味で22.5〜27.5mg/kgの値、すなわち25±2.5mg/kgを示す。
用語「アルキル」は、ある特定の実施形態では、各々が1〜6個、または1〜8個の炭素原子を含有する飽和直鎖のまたは分枝鎖の炭化水素部分を指す。C1−6アルキル部分の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル部分が挙げられ、C1−8アルキル部分の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル及びオクチル部分が挙げられる。
アルキル置換基中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx−y」によって示される可能性があり、ここでxは最小であり、yは置換基中の炭素原子の最大数である。同様に、C鎖は、x個の炭素原子を含有するアルキル鎖を意味する。
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル部分を指す。
用語「シクロアルキル」または「シクロアルキレン」は、単環式または多環式の飽和または部分不飽和の炭素環式化合物から誘導される一価の基を意味する。C3−8シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられ、C−C12シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル及びビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。また同様に、単一の水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する単環式または多環式の炭素環式化合物から誘導される一価の基が意図される。このような基の例としては、これらに限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどが挙げられる。
用語「アリール」は、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニルなどを包含する、縮合または非縮合の1つ以上の芳香環を有する単環式または多環式の炭素環系を指す。一部の実施形態では、アリール基は6個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール基は6〜10個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール基は6〜16個の炭素原子を有する。
用語「ヘテロアリール」は、環を形成する原子の1つ以上が酸素、硫黄または窒素などのヘテロ原子である、少なくとも1つの芳香環を有する単環式または多環式(例えば、二環式または三環式またはそれ以上)の縮合もしくは非縮合部分または環系を指す。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は約1〜6個の炭素原子を有し、さらなる実施形態では1〜15個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は5〜16個の環原子を含有し、そのうち1個の環原子は酸素、硫黄及び窒素から選択され、0、1、2または3個の環原子は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。ヘテロアリールは、これらに限定されないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、アクリジニルなどが挙げられる。
用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲンを指す。
用語「配合物」は、本開示に記載される治療上の疾患または障害を治療する2つ以上の治療剤を指す。このような治療剤の配合物は、単一のピル、カプセルまたは静脈注射用溶液の形態であってもよい。しかし、用語「配合物」は、2つ以上の治療剤が別個のピル、カプセルまたは静脈注射用溶液中に含まれる状況も包含する。同様に、用語「併用療法」は、本開示に記載の治療上の疾患または障害を治療する2つ以上の治療剤の投与を指す。このような投与には、例えば、一定比率の有効成分を有する単一もしくは複数のカプセル、または各有効成分に対する別個の容器(例えば、カプセル)などによって、実質的に同時にこれらの治療剤を共投与することが包含される。さらに、このような投与は同様に、ほとんど同時にまたは異なる時間のいずれかにおいて、各種治療剤を順次使用することを包含する。いずれの場合も、本治療計画は、本明細書に記載の疾患または障害の治療に際して薬物配合物の有益な作用を提供する。
本明細書で使用される用語「組成物」または「医薬組成物」は、本発明の範囲内で有用な少なくとも1つの化合物と製薬上許容される担体との混合物を指す。医薬組成物は、患者または対象への化合物の投与を容易にする。化合物を投与する多数の技術が当技術分野に存在し、これらに限定されないが、静脈内、経口、エアロゾル、非経口、経眼、経肺及び局所投与が挙げられる。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される担体」は、例えば液体もしくは固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒または意図された機能を果たし得るような、本発明の範囲内での有用な化合物における患者体内もしくは患者への運搬もしくは輸送に関与するカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物または担体を意味する。このような構築物は通常、1つの器官または身体の一部から、別の器官または身体の一部に運搬または輸送される。各担体は、本発明の範囲内で有用な化合物を包含する製剤の他の成分と適合し、患者に有害でないという意味において「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料の一部の例としては、例えば乳糖、グルコース及びスクロースなどの糖類、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン、例えばカルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体、粉末状トラガカント、モルト、ゼラチン、タルク、例えばカカオ脂及び坐薬ワックスなどの賦形剤、例えば落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油などの油、例えばプロピレングリコールなどのグリコール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、例えばオレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、界面活性剤、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液及び医薬製剤に使用される他の非毒性適合物質が挙げられる。本明細書中で使用される「薬学的に許容される担体」とは、同様に、本発明の範囲内で有用な化合物の活性に適合する任意及び全てのコーティング、抗菌剤及び抗真菌剤ならびに吸収遅延剤などが挙げられ、患者に対して生理学的に許容される。同様に補助活性化合物を組成物に組み込んでもよい。「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物の薬学的に許容される塩をさらに包含し得る。本発明の実施において使用する医薬組成物に包含され得る他の追加成分は当該分野で公知であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences (Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985, Easton,PA)に記載され、その内容は参照により本明細書に援用される。
用語「HDAC」は、コアヒストン中のリジン残基からアセチル基を除去することで、凝縮されて転写が抑制されたクロマチン形成をもたらす酵素であるヒストン脱アセチル化酵素を指す。現在18種のヒストン脱アセチル化酵素が知られており、これらは4つの群に分類される。HDAC1、HDAC2、HDAC3及びHDAC8を包含するクラスI HDACは、酵母RPD3遺伝子に関連する。HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC9及びHDAC10を包含するクラスII HDACは、酵母Hda1遺伝子に関連する。サーチュインとしても知られているクラスIII HDACは、Sir2遺伝子に関連し、SIRT1〜7を包含する。HDAC11のみを含有するクラスIV HDACは、クラスI及びクラスII HDACの両機能を備える。用語「HDAC」は特記しない限り、18種の既知のヒストン脱アセチル化酵素のうち任意の1つ以上を指す。
用語「HDAC6選択的」は、例えばHDAC1またはHDAC2などの他の種類のHDAC酵素よりも、例えば5倍、10倍、15倍、20倍またはそれ以上実質的に高い強度でHDAC6に結合する化合物を意味する。すなわちその化合物は、他の種類のHDAC酵素よりもHDAC6に対して選択的である。例えば、10nMのIC50をもってHDAC6に結合し、50nMのIC50をもってHDAC1に結合する化合物は、HDAC6に特異的である。一方、50nMのIC50をもってHDAC6に結合する化合物及び60nMのIC50をもってHDAC1に結合する化合物は、HDAC6に特異的ではない。
用語「阻害剤」は、用語アンタゴニストと同義である。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤
本明細書において、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する化合物及び医薬配合物を提供する。同様に、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を本明細書で提供する。
本明細書に開示される化合物、配合物及び方法は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤を含む。HDAC阻害剤は、任意のHDAC阻害剤であり得る。したがって、HDAC阻害剤は、ある特定の種類のヒストン脱アセチル化酵素に対して選択的または非選択的であり得る。HDAC阻害剤は、好ましくは選択的HDAC阻害剤である。HDAC阻害剤は、より好ましくは、HDAC6選択的阻害剤である。
一部の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルである。
式Iの代表的な化合物としては、これらに限定されないが、化合物A(リコリノスタット)及びB、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
式Iの選択的HDAC6阻害剤の調製及び特性は、国際特許出願番号PCT/US2011/021982号に提供されており、その全ての内容は参照により本明細書に援用される。
他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2である。
式IIの代表的な化合物としては、これらに限定されないが、化合物C及びD、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
式IIの選択的HDAC6阻害剤の調製及び特性は、国際特許出願番号PCT/US2011/060791号に提供されており、その全ての内容は参照により本明細書に援用される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は非溶媒和である。他の実施形態では、化合物の1つ以上が溶媒和形態である。当技術分野で知られているように、溶媒和物は、例えば水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒のいずれであってもよい。
式I及びIIの化合物は中性の形態で示されるが、一部の実施形態では、これらの化合物は薬学的に許容される塩の形態で使用される。「薬学的に許容される塩」は、親化合物が既存の酸または塩基部分をその塩の形態に変換することによって改変される、開示された化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、これらに限定されないが、例えばアミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩、例えばカルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられる。薬学的に許容される塩としては、例えば非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物における従来の非毒性塩が挙げられる。薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的方法により合成され得る。このような塩は一般に、これらの化合物の遊離酸または塩基の形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中あるいは有機溶媒中またはその2種の混合物中、好ましくは一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体中で反応させることにより調製され得る。適切な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に記載され、その全ての内容は参照により本明細書に援用される。
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤
一部の実施形態は、BTK阻害剤の使用方法を含む。本方法の一部の実施形態は、同様にBTK阻害剤を含む。BTK阻害剤は、任意のBTK阻害剤であってもよい。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
用語「ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤」及び「BTK阻害剤」は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)またはそのホモログの触媒活性を抑制し、これによりBTK媒介性シグナル伝達を抑制する任意の化合物を指す。
用語「ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)」は、米国特許第6,326,469号(GenBank登録番号NP−000052)に記載されているように、ホモサピエンス由来のブルトン型チロシンキナーゼまたはそのホモログを指す。
用語「ブルトン型チロシンキナーゼオルソログ」は、ブルトン型チロシンキナーゼのオルソログ(例えば、マウス(GenBank登録番号AAB47246)、イヌ(GenBank登録番号XP−549139)、ラット(GenBank登録番号NP−001007799)、ニワトリ(GenBank登録番号NP−989564)またはゼブラフィッシュ(GenBank登録番号XP−698117)に由来するオルソログ及びブルトン型チロシンキナーゼの1つ以上の基質に対するキナーゼ活性を示す上記のいずれかの融合タンパク質を指す。
語句「BTK媒介性シグナル伝達」は、BTKの活性に直接的または間接的のいずれかにより依存するあらゆる生物学的活性を意味する。BTK媒介性シグナル伝達の例としては、BTK発現細胞の増殖及び生存につながるシグナル、ならびにBTK発現細胞内の1つ以上のBTKシグナル伝達経路の刺激がある。
BTKの「シグナル伝達経路(signaling pathway)」または「シグナル伝達経路(signal transduction pathway)」は、BTKの活性に起因する少なくとも1つの生化学的反応または生化学的反応群を意味することを意図し、これによってシグナル経路を介して伝達されるとき、シグナル伝達カスケードにおける1つ以上の下流分子の活性化を導くシグナルを発生する。シグナル伝達経路は、細胞表面から細胞の形質膜を通して、また一連のシグナル伝達分子の1つ以上を介して、細胞の細胞質を介して、また場合によっては細胞の核へとシグナルの伝達を導く多数のシグナル伝達分子に関与する。BTKシグナル伝達経路は、最終的にNF−κBシグナル伝達経路を介したNF−κBの活性化を調節(増強または阻害)する。
一部の実施形態では、BTK阻害剤はアンタゴニスト抗BTK抗体であり得る。一実施形態では、アンタゴニスト抗BTK抗体は、1つの細胞応答において有意なアゴニスト活性を有さない。別の実施形態では、アンタゴニスト抗BTK抗体は、複数の細胞応答(例えば、増殖及び分化、または増殖、分化及びB細胞については抗体産生)のアッセイにおいて有意なアゴニスト活性を持たない。
他の実施形態では、BTK阻害剤は可逆的または不可逆的のいずれかによる小分子阻害剤であってもよい(D’Cruz et al.,OncoTargets and Therapy 2013:6 161−176により近年評価されている)。
用語「不可逆的BTK阻害剤」は、BTKシグナル伝達活性の抑制をもたらすBTKのアミノ酸残基と共有結合を形成し得るBTK阻害剤を指す。一実施形態では、BTKの不可逆的阻害剤は、BTKのCys残基と共有結合を形成する可能性があり、特定の実施形態では、不可逆的阻害剤はBTKのCys481残基(またはそのホモログ)と共有結合を形成する可能性がある。不可逆的BTK阻害剤の例としては、これらに限定されないが、例えばイブルチニブ/PCI−32765(以下の構造及び米国特許第8,088,781号を参照のこと)、CNX−774、CC−292、AVL−101及びAVL−291/292が挙げられる。
用語「可逆的BTK阻害剤」は、BTKに可逆的に結合してBTKシグナル伝達活性を抑制するBTKの阻害剤を指す。可逆的BTK阻害剤の例としては、これらに限定されないが、ダサチニブ(Sprycel/BMS−354825、Bristol−Myers Squibb)[N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チアゾール−5−カルボキサミド]、LFM−A13、ONO−WG−307、RN−486、及びGDC−0834が挙げられる。
現在臨床開発中のBTK阻害剤は、Akinleyeにより評価されている。Journal of Hematology & Oncology 2013,6:59については、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は非溶媒和である。他の実施形態では、化合物の1つ以上が溶媒和形態である。当技術分野で既知であるように、溶媒和物は、例えば水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒のいずれであってもよい。
組成物、配合物ならびに医薬組成物及び配合物
本明細書において、それを必要とする対象において慢性リンパ性白血病を治療する組成物及び配合物を提供する。一部の実施形態では、それを必要とする対象において慢性リンパ性白血病を治療するHDAC阻害剤、またはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を提供する。一部の実施形態では、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療するHDAC阻害剤、または配合物において化合物の一方もしくは両方が単独で投与される時に有効ではないが、その量が併用する時に有効である投与量により投与される、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物を提供する。
組成物及び配合物における一部の実施形態では、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。特定の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
実施形態では、式Iの化合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらに他の実施形態では、式Iの化合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩である。
他の特定の実施形態では、式IIの化合物はHDAC6選択的阻害剤、
またはその薬学的に許容される塩である。
実施形態では、式IIの化合物は化合物C、
またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態では、式IIの化合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩である。
配合物における一部の実施形態では、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤はイブルチニブ、
またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、HDAC6選択的阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む併用療法が本明細書で提供され、ここでHDAC6選択的阻害剤は式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
RはHまたはC1−6アルキルであり、
BTK阻害剤は任意のBTK阻害剤である。
配合物における特定の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は
またはその薬学的に許容される塩を含み、
BTK阻害剤は、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、配合物は化合物A、
またはその薬学的に許容される塩を含み、
BTK阻害剤は、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、配合物は化合物B、
またはその薬学的に許容される塩を含み、
BTK阻害剤は、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む併用療法が本明細書で提供され、ここでHDAC6選択的阻害剤は式IIの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
mは0、1または2であり、
BTK阻害剤は任意のBTK阻害剤である。
配合物における特定の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤は
またはその薬学的に許容される塩であり、
BTK阻害剤は、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、配合物は化合物D、
またはその薬学的に許容される塩を含み、
BTK阻害剤は、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの式Iの化合物及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの式IIの化合物及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物A及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物B及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物C及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物D及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの式Iの化合物及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの式IIの化合物及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物A及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物B及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物C及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物D及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの式Iの化合物及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの式IIの化合物及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの化合物A及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの化合物B及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの化合物C及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの化合物D及びBTK阻害剤を含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの式Iの化合物及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬組成物は少なくとも1つの式IIの化合物及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物A及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物B及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物C及びイブルチニブを含む。
実施形態では、医薬配合物は少なくとも1つの化合物D及びイブルチニブを含む。
投与/用量
一部の実施形態では、HDAC阻害剤(式IまたはIIの化合物)は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と同時に投与される。同時投与は通常、両化合物が正確に同じ時間に患者の体内に入ることを意味する。しかし同時投与には、HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤が異なる時間に患者に投与される可能性も包含されるが、その時間差は、第2の投与化合物が投与される前に第1の投与化合物が患者に作用する時間を与えないほど十分に短い。このような遅延時間は、通常は1分未満、さらに通常的には30秒未満に相当する。化合物が溶液中に存在する一例として、化合物の配合物を含有する溶液の投与により同時投与が実現され得る。別の例では、1つはHDAC阻害剤を含有し、もう1つはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含有する、別個の溶液による同時投与が用いられ得る。化合物が固体形態である場合の一例では、同時投与は、化合物の配合物を含有する組成物の投与により実現され得る。あるいは、HDAC阻害剤を含む組成物及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む組成物における2つの別個の組成物を投与することにより、同時投与を実現し得る。
他の実施形態では、HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤は同時に投与されない。一部の実施形態では、HDAC阻害剤はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の前に投与される。他の実施形態では、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤はHDAC阻害剤の前に投与される。非同時投与における時間差は、1分、5分、10分、15分、30分、45分、60分、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間などであってもよい。他の実施形態では、第1の投与化合物は、第2の投与化合物が投与される前に患者に作用する時間が与えられる。一般にその時間差は、第1の投与化合物が患者体内でその作用を完了するまでの時間を超えないか、または第1の投与化合物が患者体内で完全にもしくは実質的に除去されるかもしくは失活する時間を超えない。
一部の実施形態では、HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の一方または両方は、治療有効量または薬用量で投与される。「治療有効量」は、単独で患者に投与したときに慢性リンパ性白血病を効果的に治療する、HDAC6選択的阻害剤(式IもしくはIIの化合物)またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の量である。特定の対象に与えられた事例で「治療有効量」であることが立証されている量は、たとえこのような投与量が当業者に「治療有効量」であるとみなされても、検討中の疾病または疾患について同様に処置された対象の100%に対して有効ではない場合がある。治療有効量に対する化合物の量は、がんの種類、がんのステージ、治療する患者の年齢、及びその他の事実に強く依存する。一般に、上記で引用した参考文献に提供されているようなこれらの化合物の治療有効量は、当技術分野で周知である。
他の実施形態では、HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の1つまたは両方は、部分治療有効量または薬用量で投与される。部分治療有効量は、単独で患者に投与したとき、経時的に標的の生物学的活性を完全に阻害しないHDAC阻害剤(例えば、式IまたはIIの化合物)またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の量である。
HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の配合物は、治療量または部分治療量のどちらの投与においても慢性リンパ性白血病の治療に有効でなければならない。例えば、部分治療量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤は、式IまたはIIの化合物(HDAC6選択的阻害剤)と組み合わせたとき、その配合物が慢性リンパ性白血病の治療に有効である治療有効量であり得る。
一部の実施形態では、化合物の配合物は慢性リンパ性白血病の治療において相乗作用(すなわち相加作用よりも優れた作用)を示す。用語「相乗作用」は、例えば、HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤などの、例えば、がんまたはその症状において症状の進行を遅らせるなど、単独で投与される各薬物の作用の単純な相加よりも高い効果が得られる作用を生み出す2つの薬物の作用を指す。相乗作用は、例えばSigmoid−Emax式(Holford,N.H.G.及びScheiner,L.B.,Clin.Pharmacokinet.6:429−453(1981))、Loewe additivityの式(Loewe,S.及びMuischnek,H.,Arch.Exp. Pathol Pharmacol.114:313−326(1926))及びmedian−effect式(Chou,T.C.及びTalalay,P.,Adv.Enzyme Regul.22:27−55(1984))などの適切な方法を用いて計算され得る。上記の各式は、実験データに適用し、対応するグラフを生成し、薬物配合物の作用を評価するための助力になり得る。上記の式に関連した対応するグラフは、それぞれ濃度−作用曲線、アイソボログラム曲線及び併用指数曲線である。一部の実施形態では、化合物の配合物は慢性リンパ性白血病(CLL)の治療において相乗作用(すなわち相加作用よりも優れた作用)を示す。表1では、相乗作用の決定に使用されるCIの範囲を記載する。
様々な実施形態では、使用する配合物及び治療有効量に応じて、化合物の配合物は、がんの増殖を阻害するか、がんの静止を達成するかまたは実質的にもしくは完全にがんの退縮を達成する可能性さえある。
HDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の量は、慢性リンパ性白血病の有効な治療をもたらすはずであるが、その量は、組み合わせるときに患者に対して過度に毒性がない(すなわち、医学的ガイドラインに定められた毒性制限内である)ことが好ましい。一部の実施形態では、過度の毒性を防ぐため、及び/またはより有効な慢性リンパ性白血病の治療を提供するために投与される全投与量に制限が設けられている。通常、本明細書で検討する量は1日あたりであるが、半日及び2日または3日周期もまた本明細書で検討する。
慢性リンパ性白血病を治療するために、様々な投薬計画を使用してもよい。一部の実施形態では、1日あたりの投与量、例えば上記の任意の例示的な投与量などを、1日あたり1回、2回、3回もしくは4回か、または1日あたり4回を3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日もしくは10日間投与する。慢性リンパ性白血病のステージ及び重症度に応じて、高容量による短期間の治療(例えば、最大5日まで)、または低用量による長期間の治療(例えば、10日以上、または数週間、または1ヶ月またはそれ以上)を用いてもよい。一部の実施形態では、1日1回または2回の投与量で隔日で投与する。
一部の実施形態では、各投薬にHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の両方が含有されるが、他の実施形態では、各投薬にHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤のいずれかが含有され、別個の投薬として送達される。
式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和形態の、純粋な形態または適切な医薬組成物は、任意の一般に認められた投与方法または当該分野で公知の薬物を介して投与され得る。化合物は、例えば、経口的、経鼻的、非経口的(静脈内、筋肉内もしくは皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、大槽内または直腸内に投与することができる。剤形は、例えば、錠剤、丸剤、軟カプセルまたは硬ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、坐剤、エアロゾルなどの固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体剤形であってもよく、好ましくは、正確な用量の簡便な投与に適した単位剤形であってもよい。特定の投与経路は経口であり、特に、治療すべき疾患の重篤度に応じて毎日の投薬計画を簡便に調整できるものである。
上記のように、HDAC阻害剤及びBTK阻害剤の医薬配合物は、単一の単位用量または別個の剤形で投与され得る。したがって、語句「医薬配合物」は、単一の剤形または別個の剤形のいずれかである2つの薬物の配合物を包含し、すなわち、本出願全体を通じて記載される薬学的に許容される担体及び賦形剤は、HDAC阻害剤及びBTK阻害剤と単一の単位用量で組み合わせられる可能性があり、同様にこれらの化合物を別々に投与する場合は、HDAC阻害剤及びBTK阻害剤と個別に組み合わせられ得る。
助剤及びアジュバント剤は、例えば、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、着香剤、乳化剤及び予製剤を含んでもよい。微生物作用の予防は、一般に、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤及び抗真菌剤により提供される。同様に、例えば、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤が包含されてもよい。例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収遅延剤の使用により、注射用医薬形態として長期の吸収がもたらされ得る。助剤は同様に、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、及び、例えばクエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤が挙げられ得る。
固体剤形は、腸溶性コーティング及び当技術分野で周知のその他のものなどの、コーティング及びシェルと共に調製することができる。これらは、鎮静剤を含有する可能性があり、腸管の特定の部分において1つ以上の活性化合物を遅延的に放出するような組成物であり得る。使用できる埋め込み用組成物の例は、ポリマー物質及びワックスである。活性化合物は同様に、必要に応じて、上記の賦形剤の1つ以上を用いてマイクロカプセル化された形態であり得る。
経口投与を目的とする液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられる。このような剤形は、例えば、本明細書に記載のHDAC阻害剤もしくはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩と、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの担体中の任意の医薬アジュバント剤、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなど、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびにソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを溶解させ、分散させるなどにより、溶液または懸濁液を形成することによって調製される。
一般に、目的する投与方法に応じて、薬学的に許容される組成物は、約1〜約99重量%の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び99〜1重量%の薬学的に許容される賦形剤を含有する。一例では、組成物は、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が約5〜約75重量%であり、残りは好適な医薬賦形剤である。
このような剤形の実際の調製方法は、当業者に既知であるか、または明らかである。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照のこと。
方法
本明細書で開示されるHDAC阻害剤または医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で開示する。したがって、本明細書では、例えばHDAC6選択的阻害剤などのHDAC阻害剤、または例えばHDAC6選択的阻害剤などのHDAC阻害剤及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む配合物の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を提供する。
対象は通常、ヒトである。しかし、対象は治療が望まれる任意の哺乳動物であり得る。したがって、本明細書に記載の方法は、ヒト及び動物向けの両用途に適用することができる。
用語「治療(treating)」または「治療(treatment)」は、本方法が少なくとも異常な細胞増殖を軽減させたことを示す。例えば、本方法は、患者の細胞増殖の速度を抑制し、または慢性リンパ性白血病の継続的な増殖もしくは拡散を防ぎ、または慢性リンパ性白血病の症状が及ぶ全体的な範囲を縮小する可能性すらある。異常な細胞増殖の阻害は、これらに限定されないが、細胞死、アポトーシス、有糸***の停止、細胞***の阻害、転写、翻訳、形質導入などを包含する様々な機序により発生し得る。
一実施形態では、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法を本明細書で提供する。
さらに別の実施形態では、治療有効量の化合物Aまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の化合物Bまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の化合物Cまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の化合物Dまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブを対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、治療有効量の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブを対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、対象に治療有効量の化合物A及びイブルチニブを投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、対象に治療有効量の化合物B及びイブルチニブを投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、対象に治療有効量の化合物C及びイブルチニブを投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
別の実施形態では、対象に治療有効量の化合物D及びイブルチニブを投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病の治療方法を本明細書で提供する。
一実施形態では、慢性リンパ性白血病細胞の細胞生存率は、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物を対象に投与することにより、慢性リンパ性白血病の対象において減少する。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
一実施形態では、慢性リンパ性白血病細胞のアポトーシスは、HDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物を慢性リンパ性白血病の対象に投与することにより相乗的に増加する。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
一実施形態では、慢性リンパ性白血病の対象のT細胞及び/またはB細胞コンパートメントにおける抑制チェックポイント分子の発現は、対象に治療有効量のHDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物を投与することにより変化する。このような実施形態では、発現が減少する場合、これらのチェックポイント分子は、CD274(PDL−1)、CD273(PDL−2)、CD80(B7−1)、CD86(B7−2)、CD152(CTLA4)、CD275(B7RP1)、CD276(B7−H3)、B7−H4(VTCN1)、CD270(HVEM)、BLTA、GAL9、CD366(TIM3)、A2aR、CD279(PD−1)、KIR及びCD223(LAG3)からなる群より選択される。一部の実施形態では、これらのチェックポイント分子は、CD274(PDL−1)及びCD273(PDL−2)である。さらに別の実施形態では、チェックポイント分子は調節性Tリンパ球(Treg)上で減少する。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
別の実施形態では、抗原提示複合体の発現は、対象に治療有効量のHDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物を投与することにより、慢性リンパ性白血病の対象において変化する。このような実施形態では、抗原提示複合体分子はMHC IまたはMHC IIであり、発現が増加する。さらなる実施形態では、MHC IIは増加する。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
別の実施形態では、循環制御性Tリンパ球(Treg)は、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物の治療有効量を対象に投与することにより、慢性リンパ性白血病の対象において抑制される。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
別の実施形態では、慢性リンパ性白血病の対象の慢性リンパ性白血病細胞において、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物の治療有効量を対象に投与することによりIL−10の発現が抑制される。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
別の実施形態では、慢性リンパ性白血病の対象において、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物の治療的有効量を対象に投与することにより、細胞増殖が低下する。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
別の実施形態では、循環腫瘍性リンパ球は、HDAC阻害剤、またはHDAC阻害剤及びBTK阻害剤を含む配合物の治療有効量を対象に投与することにより、慢性リンパ性白血病の対象において抑制される。好ましくは、HDAC阻害剤はHDAC6選択的阻害剤である。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。好ましくは、BTK阻害剤はイブルチニブである。
さらに別の実施形態では、対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法であって、過去に対象がHDAC6選択的阻害剤を用いた慢性リンパ性白血病の治療に対して無効であり、治療有効量のHDAC6選択的阻害剤及び治療有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を対象に投与することを含む方法を本明細書で提供する。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。BTK阻害剤は、イブルチニブであり得る。
別の実施形態では、治療が必要な対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法であって、過去に対象が慢性リンパ性白血病のBTK阻害剤を用いた治療に対して無効であり、治療有効量のHDAC6選択的阻害剤及び治療有効量のBTK阻害剤を対象に投与することを含む方法を本明細書で提供する。HDAC6選択的阻害剤は、化合物A〜Dのうち1つを含み得る。BTK阻害剤は、イブルチニブであり得る。
別の態様では、治療有効量の式Iもしくは式II、またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする対象のCLLを治療する方法を本明細書で提供する。一実施形態では、式Iまたは式II及びイブルチニブは、相乗効果を生じる投与量及び時間間隔で投与される。
別の態様では、治療有効量の化合物A、またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする対象のCLLを治療する方法を本明細書で提供する。一実施形態では、化合物A及びイブルチニブは、相乗効果を生じる投与量及び時間間隔で投与される。
別の態様では、治療有効量の化合物B、またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする対象のCLLを治療する方法を本明細書で提供する。一実施形態では、化合物B及びイブルチニブは、相乗効果を生じる投与量及び時間間隔で投与される。
別の態様では、治療有効量の化合物C、またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする対象のCLLを治療する方法を本明細書で提供する。一実施形態では、化合物C及びイブルチニブは、相乗効果を生じる投与量及び時間間隔で投与される。
別の態様では、治療有効量の化合物D、またはその薬学的に許容される塩、及びイブルチニブ、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、それを必要とする対象のCLLを治療する方法を本明細書で提供する。一実施形態では、化合物D及びイブルチニブは、相乗効果を生じる投与量及び時間間隔で投与される。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用するHDAC6選択的阻害剤及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する式Iの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する式IIの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する化合物A及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する化合物B及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する化合物C及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、治療に使用する化合物D及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する式Iの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する式IIの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物A及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物B及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物C及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物D及びBTK阻害剤を提供する。一実施形態では、本明細書において、HDAC6選択的阻害剤をBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用するHDAC6選択的阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、式Iの化合物をBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する式Iの化合物を提供する。
一実施形態では、本明細書において、式Iの化合物をBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する式IIの化合物を提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物AをBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物Aを提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物BをBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物Bを提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物CをBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物Cを提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物DをBTK阻害剤と組み合わせて使用する、それを必要とする対象のCLLの治療に使用する化合物Dを提供する。
一実施形態では、本明細書において、HDAC6選択的阻害剤及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用するHDAC6選択的阻害剤及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、式Iの化合物及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する式Iの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、式IIの化合物及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する式IIの化合物及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物A及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する化合物A及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物B及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する化合物B及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物C及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する化合物C及びBTK阻害剤を提供する。
一実施形態では、本明細書において、化合物D及びBTK阻害剤を同時、順次または別々に投与する、それを必要とする対象のCLLを治療する併用療法に使用する化合物D及びBTK阻害剤を提供する。
医薬配合物の一実施形態では、HDAC6選択的阻害剤とBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲である。別の実施形態では、HDAC6選択的阻害剤とBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、式IとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、式IとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、式IIとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、式IIとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物AとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物AとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物BとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物BとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物CとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物CとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物DとBTK阻害剤の比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物DとBTK阻害剤の比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物Aとイブルチニブの比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物Aとイブルチニブの比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物Bとイブルチニブの比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物Bとイブルチニブの比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物Cとイブルチニブの比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物Cとイブルチニブの比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
医薬配合物の一実施形態では、化合物Dとイブルチニブの比は、700:1〜1:40の範囲内である。医薬配合物の別の実施形態では、化合物Dとイブルチニブの比は、2:1〜1:2、例えば2:1、1:1もしくは1:2であるか、170:1〜150:1、例えば170:1、160:1もしくは150:1であるか、3:1〜1:1、例えば3:1、2:1もしくは1:1であるかまたは30:1〜10:1、例えば30:1、20:1もしくは10:1の範囲内である。
キット
他の実施形態では、キットを提供する。キットには、本明細書に開示される化合物または組成物を含むパッケージ(複数可)が包含される。一部の実施形態では、キットは、HDAC阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはHDAC阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩及びBTK阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩を含む。
「パッケージ」は、本明細書に提示される化合物または組成物を含む任意の容器を意味する。一部の実施形態では、パッケージは箱または包装であり得る。医薬製品の包装に使用する包装材料は、当業者に周知である。医薬品包装材料の例には、これらに限定されないが、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトルならびに選択した製剤ならびに意図した投与及び治療方法に適した任意の包装材料が挙げられる。
同様にキットは、パッケージ内に含有されないが、例えばピペットのようにパッケージの外側に付属しているものも含有し得る。
キットは、開示された化合物または組成物を患者に投与するための説明書をさらに含有し得る。同様にキットは、例えば米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局に認可された本明細書の化合物の使用に関する説明書を含有し得る。同様にキットは、化合物のラベリングまたは製品添付文書を含有し得る。パッケージ(複数可)及び/または製品添付文書(複数可)は、それ自体が規制当局に承認される場合がある。キットは、パッケージ内に固相または液相(例えば、提供される緩衝液など)の化合物を包含し得る。同様にキットは、本方法の実施を目的とする溶液を調製するための緩衝液、及びある容器から別の容器へ液体を移すためのピペットを包含し得る。
以下の実施例は、例示を目的とし、ある特定の実施形態を説明するために記載されている。しかし、特許請求の範囲は、本明細書に記載された実施例によっていかなる形でも限定されるものではない。開示された実施形態に対する様々な変更及び改変は当業者には明らかであり、このような変更及び改変は、これらに限定されないが、開示された化学構造、置換基、誘導体、製剤及び/または方法に関連する変更及び改変を包含し、本発明の趣旨及び添付の請求項の範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書のスキーム中の構造における変数の定義は、本明細書に提示される式の対応する位置の定義と相応する。
式Iの化合物(例えば、化合物A及びB)の合成は、PCT/US2011/021982で提供され、その内容全体が参照により本明細書に援用される。式IIの化合物(例えば、化合物C及びD)の合成は、PCT/US2011/060791で提供され、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
実施例1
2−(ジフェニルアミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物A)
反応スキーム
中間体2の合成
DMF(100ml)中で、アニリン(3.7g、40mmol)、化合物1(7.5g、40mmol)及びKCO(11g、80mmol)の混合物を脱気し、120℃、N下で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(200ml)で希釈し、その後飽和ブライン(200ml×3)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発乾固して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1)により精製し、白色固体の目的生成物を得た(6.2g、64%)。
中間体3の合成
TEOS(200ml)中で、化合物2(6.2g、25mmol)、ヨードベンゼン(6.12g、30mmol)、CuI(955mg、5.0mmol)、CsCO(16.3g、50mmol)の混合物を脱気し、窒素でパージした。得られた混合物を140℃で14時間撹拌した。室温まで冷却した後、残留物をEtOAc(200ml)で希釈した。95%EtOH(200ml)及びシリカゲル担持NHF−HO[50g、水(1500ml)中のNHF(100g)をシリカゲル(500g、100〜200メッシュ)に加えて前処理した]を加え、得られた混合物を室温に2時間置いた。凝固した物質をろ過し、EtOAcにより洗浄した。ろ液を蒸発乾固し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1)で精製して、黄色固体(3g、38%)を得た。
中間体4の合成
化合物3(3.0g、9.4mmol)のEtOH(200ml)溶液に2N NaOH(200ml)を加えた。混合物を60℃で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、溶液を2N HClで中和して白色沈殿物を得た。懸濁液をEtOAc(2×200ml)で抽出して有機層を分離し、水(2×100ml)、ブライン(2×100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去し、褐色固体(2.5g、92%)を得た。
中間体6の合成
化合物4(2.5g、8.58mmol)、化合物5(2.52g、12.87mmol)、HATU(3.91g、10.30mmol)及びDIPEA(4.43g、34.32mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をろ過した後、ろ液を蒸発乾固し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2/1)により精製して褐色固体(2g、54%)を得た。
2−(ジフェニルアミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物A)の合成
MeOH(50mL)及びDCM(25mL)中で、化合物6(2.0g、4.6mmol)、水酸化ナトリウム(2N、20mL)の混合物を0℃で10分間撹拌した。ヒドロキシルアミン(50%)(10ml)を0℃に冷却し、混合物に加えた。得られた混合物を室温で20分撹拌した。溶媒を除去した後、混合物を1M HClで中和して白色沈殿物を得た。粗生成物をHPLC前処理によってろ過精製し、白色固体(950mg、48%)を得た。
実施例2
2−((2−クロロフェニル)(フェニル)アミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物B)の合成
反応スキーム
中間体2の合成
実施例1の中間体2の合成を参照のこと。
中間体3の合成
DMSO(690ml)中で、化合物2(69.2g、1当量)、1−クロロ−2−ヨードベンゼン(135.7g、2当量)、LiCO(42.04g、2当量)、KCO(39.32g、1当量)、Cu(1当量45μm)の混合物を脱気し、窒素でパージした。得られた混合物を140℃で撹拌した。反応物を後処理して、93%の収率で化合物3を得た。
中間体4の合成
実施例1の中間体4の合成を参照のこと。
中間体6の合成
実施例1の中間体6の合成を参照のこと。
2−((2−クロロフェニル)(フェニル)アミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物B)の合成
実施例1の化合物Aの合成を参照のこと。
実施例3
2−((1−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アミノ)−N−ヒドロキシピリミジン−5−カルボキサミド(化合物C)の合成
中間体2の合成
化合物1(100g、0.74mol)の乾燥DMF(1000ml)溶液に1,5−ジブロモペンタン(170g、0.74mol)を加えた。NaH(65g、2.2当量)を滴加し、反応物を氷浴で冷却した。得られた混合物を50℃で一晩激しく撹拌した。懸濁液を氷水で注意深く急冷し、酢酸エチル(3×500ml)で抽出した。混合有機層を濃縮して粗生成物を得たのち、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、淡色固体の化合物2を得た(100g、67%)。
中間体3の合成
化合物2(100g、0.49mol)のPPA(500ml)溶液を110℃で約5〜6時間加熱した。完了後、得られた混合物を飽和NaHCO溶液によって約pH8〜9になるまで慎重に調整した。得られた沈殿を回収し、水(1000ml)で洗浄して白色固体の化合物3を得た(95g、87%)。
中間体4の合成
化合物3(95g、0.43mol)のn−BuOH(800ml)溶液にNaClO(260ml、1.4当量)を加えた。その後、3N NaOH(400ml、2.8当量)を0℃で加え、反応物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をEA(2×500ml)で抽出し、混合有機層をブラインで洗浄した。溶媒を減圧除去して粗生成物を得たのち、これをHCl塩で処理してさらに精製することにより、白色粉末の化合物4を得た(72g、73%)。
中間体6の合成
化合物4(2.29g、10mmol)のジオキサン(50ml)溶液に、化合物5(1.87g、1.0当量)及びDIPEA(2.58g、2.0当量)を加えた。混合物を110〜120℃で一晩加熱した。得られた混合物をシリカゲルカラムで直接精製することにより、白色固体のカップリング生成物である化合物6を得た(1.37g、40%)。
2−((1−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アミノ)−N−ヒドロキシピリミジン−5−カルボキサミド(化合物C)の合成
化合物6(100mg、0.29mmol)のMeOH/DCM(10ml、1:1)溶液に、50%NHOH水溶液(2ml、過剰量)を加えた。NaOH飽和MeOH(2ml、過剰)溶液を0℃で加え、反応物を3〜4時間撹拌した。完了後、得られた混合物を濃縮し、2N HCl溶液でpH4〜5になるまで酸性化させた。沈殿物を回収し、水(10ml)で洗浄して過剰なNHOHを除去した。沈殿物を乾燥させて白色粉末の2−((1−(3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アミノ)−N−ヒドロキシピリミジン−5−カルボキサミドを得た(70mg、73%)。
実施例4
N−ヒドロキシ−2−((1−フェニルシクロプロピル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物D)の合成
反応スキーム
中間体2の合成
化合物1、ベンゾニトリル(250g、1.0当量)及びTi(OiPr)(1330ml、1.5当量)のMBTE(3750ml)溶液を約−10〜−5℃の窒素雰囲気下で冷却した。EtMgBr(1610ml、3.0M、2.3当量)を60分間かけて滴加し、その間の反応内部温度を5℃未満に保った。反応混合物を15〜20℃まで1時間加温した。BF−エーテル(1300ml、2.0当量)を60分かけて滴加し、その間の内部温度を15℃未満に維持した。反応混合物を15〜20℃で1〜2時間撹拌し、少量のベンゾニトリルが残った時点で停止した。1N HCl(2500ml)を内部温度を30℃未満に維持して滴加した。内部温度を30℃未満に維持したままNaOH(20%、3000ml)を滴加し、pHを約9.0にした。反応混合物をMTBE(3Lx2)及びEtOAc(3Lx2)で抽出し、混合有機層を無水NaSOによって乾燥させ、減圧下(45℃未満)で濃縮し、赤色油を得た。MTBE(2500ml)を油に加えて得た透明な溶液に乾燥HClガスをバブリングさせ、固体を沈殿させた。この固体をろ過して真空で乾燥させ、143gの化合物2を得た。
中間体4の合成
化合物2(620g、1.0当量)及びDIPEA(1080g、2.2当量をNMP(3100ml)に溶解し、20分間撹拌した。化合物3(680g、1.02当量)を加え、反応混合物を約85〜95℃まで4時間加熱した。溶液を室温まで緩徐に冷却した。この溶液をHO(20L)へ注ぎ入れ、強く撹拌することにより溶液から多量の固体を析出させた。混合物をろ過し、50℃、減圧下で24時間ケーキを乾燥させ、896gの化合物4(固体、86.8%)を得た。
N−ヒドロキシ−2−((1−フェニルシクロプロピル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物D)の合成
MeOH(1000ml)溶液を、撹拌しながら約0〜5℃まで冷却した。NHOH HCl(1107g、10当量)を加え、続いてNaOCH(1000g、12.0当量)を慎重に加えた。得られた混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、ろ過して固体を除去した。反応混合物に化合物4(450g、1.0当量)を一度に加え、化合物4が消費されるまで10℃で2時間撹拌した。HCl(6N)を添加することにより反応混合物を約pH8.5〜9に調節し、沈殿を生じさせた。混合物を減圧下で濃縮した。激しく撹拌しながら残留物に水(3000ml)を加え、ろ過により沈殿物を回収した。生成物を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた(340g、収率79%)。
実施例5
他の材料及び方法
実施例5.1
フローサイトメトリーによる免疫表現型解析
末梢血単核細胞(PBMC)のフローサイトメトリー解析を、蛍光色素標識モノクローナル抗体及び生存率解析色素4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールを用いて行った。データはLSRIIサイトメーター(Becton,Dickinson and Company、Franklin Lakes、NJ)により取得し、FlowJoソフトウェア(FlowJo、Ashland、OR)で解析した。AccuCheck Countingビーズを使用して絶対細胞数を算出した(ThermoFisher Scientific、Waltham、MA)。
実施例5.2
qRT−PCR
TRIzol(登録商標)(ThermoFisher Scientific)を使用して、メーカーが提供するプロトコールにより全ての試料から全RNAを単離した。iScript(商標)(BioRad、Hercules、CA)を用いてcDNAを生成し、IQ Syber Green Supermix(Qiagen、Germantown、MD)を全てのqRT−PCR反応に利用した。
実施例5.3
SYTOX(登録商標)Green(ThermoScientific)(CellTox Assay)
各細胞株で1ウェルあたり10,000〜25,000個の細胞を播種し、DMSOまたはHDAC阻害剤を試薬と共に48時間処理した。メーカーが提供するプロトコールに従い、Cytation3 Monometer/Luminometer(BioTek、Winooski、VA)により1日1回蛍光を記録した。
実施例5.4
イムノブロッティング
細胞を溶解緩衝液中で溶解し、次いで試料を10%ゲル上で分離し、ニトロセルロース膜に転写した。バンドは、LI−COR Odyssey(LI−COR、Lincoln、NE)イメージングシステムを用いてブロットをスキャンすることにより検出した。
実施例5.5
HDAC6阻害剤
化合物Aは、多発性骨髄腫及びリンパ腫において現在臨床試験に使用されているHDAC6阻害剤の注射用(腹腔内)形態である。化合物Dは、継続的であるが曝露量が小さい動物飼料(「餌」)において利用可能な選択的HDAC6阻害剤である。
実施例5.5
動物試験
euTCL1とそのHDAC6KOとの交配に関する全ての動物試験を、承認された動物実験委員会(IACUC)の手順に従って確立されたプロトコールにより実施した。老化CLLモデル及び促進CLLモデルの2種類のCLLマウスモデルを使用した。
A)老化CLLモデル
出生時
euTCL1(CLLモデルマウス)及び
euTCL1/HDAC6KOトランスジェニックマウス
5〜7ヶ月目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
9ヶ月目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
12ヶ月目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
生存率の観察
B)促進CLLモデル
0日目
5×10個のeuTCL1またはeuTCL1/1−IDAC6KO脾細胞の養子移植
3〜5週間目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
9週間目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
12週間目
フローサイトメトリー解析
疾患解析を目的とする
生存率の観察
実施例6
HDAC6はヒト初代B−CLLで過剰発現し、その発現の調節によりCLL細胞株の細胞生存率は変化する
Rai分類ステージが0〜4の範囲にある20種のB−CLLに対してRT−PCR解析を用いた場合、20人の患者のうち15人がHDAC6の発現の上昇を示す(図1A)。MTS CellTiter96(登録商標)(Promega)解析を用いて、本実験におけるCLL細胞株Mec1の生存率を決定し、その結果を図1Bに示す。2つのポリクローナルHDAC6KD細胞を、HDAC6 shRNA(Sigma−Plasmid NM_006044)で安定的にトランスフェクトして作製し、その後生存率を解析し、対応する非標的対照(図1B−左部)と比較した。生存率解析後、Mec1細胞にHDAC6過剰発現(H6OE)プラスミドを濃度を増加しながらトランスフェクトした。次に、Mec1細胞を2つのHDAC6阻害剤により様々な用量で処理し、MTSによる生存率を評価した(図1B−右部)。
実施例7
HDAC6の薬学的阻害により、IL−10の発現は用量依存的に減少し、CLL細胞株の生存率は低下する
OSU−CLL細胞を化合物A(図2A)または化合物D(図2B)で48時間処理し、細胞死をCellTox assay SyTox(登録商標)Green(Promega)を用いて測定した。化合物Aで24時間処理し、LPSで刺激したMec1細胞は、IL−10の産生(重要なB細胞生存因子)において用量依存的な減少を示す(図2C)。
実施例8
化合物A及びイブルチニブによるCLL細胞株の処理により、生存率は相乗的に低下し、BCRシグナル伝達経路は変化する
薬物の配合物の活性は、Mec1(図3A)及びOSU−CLL(図3B)細胞を72時間処理した後にCellTiter−Blue(Promega)細胞生存率アッセイを用いて測定した。結果は、Chou及びTalalayが考案した併用指数(CI)法(Chou TC.Cancer research 2010;70(2):440−6)を用いることにより相乗作用について解析した。Mec1細胞を様々な用量の化合物A(0.5及び1μM)単独またはイブルチニブ(0.2及び1μM)との配合物を用いて24時間処理し、PARP及びpERKについてブロットした(図3C)。これらの結果は、CLL細胞生存率に対する化合物A及びイブルチニブの配合物の相乗作用を示す。
実施例9
HDAC6の生物学的または薬学的操作により、疾患負荷が軽減し、生存率の向上が示される
eu−TCL1及びeuTCL1/HDAC6KO群から8匹のマウスを選択し、最大300日目(最後のeuTCL1有効期限終了日に相当)まで老化させた(図4A)。euTCL1マウスは200日目から疾患により死亡し始めたが、eu−TCL1/HDAC6KOマウスは全て生存した(パネル挿入)。これらのマウスの脾臓を死後に測定して比較した(p値<0.0005***)(図4A)。
C57BL/6マウス8匹に、5×10個のeuTCL1またはeuTCL1−HDAC6KOマウス脾細胞を養子移植した(1群あたりn=4)。euTCL1/HDAC6KO脾細胞を注射したマウスは、euTCL1脾細胞注射コホートよりも疾患負荷が低く、生存率の向上がみられた(図4B)。
CLLの老化モデルでは、化合物Dで処置したマウスは、化合物Dを処置していないマウスよりも有意に低い疾患負荷(9ヶ月齢/処置開始後25週間目)を示した(図4C)。
養子移植実験(図4D)では、化合物Dの餌による処置を受けたマウスは、全生存率がより向上し(図4D上部)、疾患負荷が有意に低くなる(図4D下部)。
CLLの老化モデルでは、化合物Dで処置したマウスは、化合物Dで処置していないマウスよりも全生存率がさらに向上する(図4E)。ここで示されるように、およそ350日目に、化合物D(NT)で処置されていない全てのマウスが疾患により死亡した。
実施例10
インビボ及びインビトロのHDAC6の阻害により、CLLにおけるB細胞及びT細胞コンパートメントの表現型プロファイルは変化する
PDL−1及びPDL−2の発現が抑制され、MHC IIの発現は、対応する非標的対照と比較したとき、HDAC6KD Mec1細胞で増加した(図5A)。
フローサイトメトリー解析は、化合物Dによる処置を受けたマウスにおいて、CD4+T細胞上のPD−1及びLAG3の正常化を示した(養子移植後10週間目)(図5B)。
さらに、T−regの数(図5C)ならびにこれらのT−reg上のPD−1及びLAG3分子の発現(図5D)は、正常なC57BL/6WTマウスのそれらとの類似性が認められた。
化合物Dで処置したこれらのマウスから単離したB細胞のPD−L1の発現は、非処置の動物と比較して低下した(図5E)。
フローサイトメトリー解析及びゲーティング
B細胞(悪性腫瘍細胞集団はCD19+/CD5+/CD45R(B220)+/IgM+/Igk+であり、正常B細胞はCD19+/CD5−/CD45R(B220)+/IgM+/Igk−である)。T−regはCD3+/CD4+/CD25 hi/IL−7R lowとして同定された。共抑制分子の発現は、CD223(LAG3)、CD279(PD−1)、CD274(PDL−1)及びCD273(PDL−2)である。
養子移植実験では、フローサイトメトリー解析から、化合物Dの飼料で処置したマウス及び化合物Aを注射により処置したマウスにおいて、PD−1及びLAG−3の発現抑制が示された(図5F)。
CLL老化モデルでは、フローサイトメトリー解析から、化合物Dで処置していないマウスと比較したとき、化合物Dで処置したマウスにおいてT−regに対するPD−1及びLAG−3の発現の抑制が示された(図5G)。
実施例11
BTK阻害剤と化合物Dの配合物により、マウスモデルにおける疾患負荷は有意に低下する
養子移植実験では、化合物Dとイブルチニブの配合物による投与を受けたマウスは、有意に低い疾患負荷を示した(図6A)。ここで示されるように、飲料水中のイブルチニブ及び飼料中の化合物Dによる投与を受ける養子移植euTCL1モデルを用いた組み合わせ処置では、いずれかの化合物単独による処置と比較して、腫瘍負荷のさらなる減少が見出された。腫瘍負荷に関して認められたこの作用は、共抑制分子及び循環T−reg数の減少と同時に発生した。この配合物は良好な忍容性を示し、重大な毒性は認められなかった。
同様に、化合物Dまたはイブルチニブのいずれかを単独で投与したマウスと比較したとき、化合物D及びイブルチニブの配合物の投与を受けたマウスは、全生存率の向上を有意に示した(図6B)。ここで示されるように、最新の時点で、配合物群を除いた全てのマウスがこの疾患により死亡している。
参照による援用
本出願全体を通じて引用される全ての参考文献(引用文献、発行特許、公開特許出願、及び同時係属中の特許出願を含む)の内容は、その全体が参照により明示的に本明細書中に援用される。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者に共通して理解されるものと同じ意味が付与される。
等価物
当業者は、本明細書に記載する本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を理解するか、または通常の実験のみを使用して確認することが可能である。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることを意図する。

Claims (41)

  1. 治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤またはその薬学的に許容される塩、及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する医薬配合物。
  2. 前記HDAC6選択的阻害剤が式Iの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
    は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
    RはHまたはC1−6アルキルである、請求項1に記載の医薬配合物。
  3. 前記式Iの化合物が化合物A、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の医薬配合物。
  4. 前記式Iの化合物が化合物B、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の医薬配合物。
  5. 前記HDAC6選択的阻害剤が式IIの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
    各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
    mは0、1または2である、請求項1に記載の医薬配合物。
  6. 前記式IIの化合物が化合物C、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項5に記載の医薬配合物。
  7. 前記式IIの化合物が化合物D、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項5に記載の医薬配合物。
  8. 前記BTK阻害剤がイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬配合物。
  9. 薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬配合物。
  10. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物A、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬配合物。
  11. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物B、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬配合物。
  12. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物D、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬配合物。
  13. 前記HDAC6選択的阻害剤及び前記BTK阻害剤が同じ製剤中にある、請求項1から12のいずれかに記載の医薬配合物。
  14. 前記HDAC6選択的阻害剤及び前記BTK阻害剤が別個の製剤中にある、請求項1から12のいずれかに記載の医薬配合物。
  15. 患者のCLLの治療に使用する、請求項1から12のいずれかに記載の医薬配合物。
  16. 治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤またはその薬学的に許容される塩、及びブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する医薬組成物。
  17. 前記HDAC6選択的阻害剤が式Iの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
    は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
    RはHまたはC1−6アルキルである、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 前記式Iの化合物が化合物A、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 前記式Iの化合物が化合物B、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項17に記載の医薬組成物。
  20. 前記HDAC6選択的阻害剤が式IIの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
    各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
    mは0、1または2である、請求項16に記載の医薬組成物。
  21. 前記式IIの化合物が化合物C、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 前記式IIの化合物が化合物D、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項20に記載の医薬組成物。
  23. 前記BTK阻害剤がイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の医薬組成物。
  24. 前記配合物が薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  25. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物A、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の医薬組成物。
  26. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物B、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の医薬組成物。
  27. 前記HDAC6選択的阻害剤が化合物D、
    またはその薬学的に許容される塩であり、前記BTK阻害剤はイブルチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の医薬組成物。
  28. 薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項16から27のいずれかに記載の医薬組成物。
  29. 患者のCLLの治療に使用する、請求項16から28のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  30. 慢性リンパ性白血病の対象における慢性リンパ性白血病細胞の細胞生存率を低下させる方法であって、請求項1から15のいずれか1項に記載の医薬配合物または請求項16から29のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  31. 請求項1から15のいずれか1項に記載の医薬配合物または請求項16から29のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、それを必要とする対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法。
  32. 請求項10に記載の医薬配合物または請求項25に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 請求項11に記載の医薬配合物または請求項26に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、請求項31に記載の方法。
  34. 請求項12に記載の医薬配合物または請求項27に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、請求項31に記載の方法。
  35. 治療有効量のヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤を対象に投与することを含む、それを必要とする前記対象の慢性リンパ性白血病を治療する方法。
  36. 前記HDAC6選択的阻害剤が式Iの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    環Bはアリールまたはヘテロアリールであり、
    は、それぞれOH、ハロまたはC1−6アルキルにより任意に置換され得るアリールまたはヘテロアリールであり、
    RはHまたはC1−6アルキルである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記式Iの化合物が化合物A、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記式Iの化合物が化合物B、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項36に記載の方法。
  39. 前記HDAC6選択的阻害剤が式IIの化合物、
    またはその薬学的に許容される塩であり、
    式中、
    及びRは、各々が結合する炭素と共に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを形成し、
    各Rは、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、OH、−NO、−CNまたは−NHであり、
    mは0、1または2である、請求項35に記載の方法。
  40. 前記式IIの化合物が化合物C、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記式IIの化合物が化合物D、
    またはその薬学的に許容される塩である、請求項39に記載の方法。
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