JP2019510789A - キシリレンジイソシアネートxdiの合成法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、次のステップを含むXDIキシリレンジイソシアネート、特にmXDIメタ-キシリレンジイソシアネート合成に関する:a.キシリレンジアミンXDA、mXDIの場合は特にm- キシリレンジアミンmXDAのホスゲン化;b.温度を120〜190°C、圧力を1ミリバール〜20バールの間としたステップ a)により得た反応媒体からの塩酸の除去。

Description

本発明は、キシリレンジアミン(またはXDA)のホスゲン化による、R(NCO)2 (Rはジメチルベンゼン環)で表されXDIと省略される化学式のキシリレンジイソシアネート、特にmXDIと省略されるメタキシリレンジイソシアネートの合成法に関する。また本発明はそのようにして得られたXDI生成物にも関する。XDIはホスゲン化を行わず、たとえばキシリレンジカルバメート、キシリレンジホルムアミドまたはキシリレンジハライドから合成することもできる。後者のタイプの合成は現在の発明の範囲には含まれない。
XDIはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)のような(シクロ)脂肪族ジイソシアネートとトルエンジイソシアネート(TDI)またはジフェニルメタン(MDI)のような芳香族ジイソシアネートとの中間的特性を有すアラリファティックジイソシアネートである。現在のテキストでは、別に指示がない限りmXDIとはオルソおよびパラのキシリレンジイソシアネートをいい、したがって一般にXDIを指す。
ジイソシアネートのポリオール、ポリアミンまたはポリチオールとの縮合重合はポリウレタン、ポリウリアおよびポリチオウレタン製品、特に塗料、接着剤、透明素材または光学ガラスの分野の生産に関わる。後者の場合、mXDIから作られた光学ガラスには高い反射率特性があり、これにより薄いレンズで同等の性能(または同等の厚みでより性能の良いレンズ)を得ることができる。
本出願では望ましい特性および望ましい反応性によりイソシアネートを選択している。(シクロ)脂肪族ジイソシアネート(HDI、IPDI)は反応性が低く黄変しにくいが、芳香族ジイソシアネート(TDI、MDI)は反応性が相当あり急速に黄変する。XDI、特にmXDIで興味深いのは一方で芳香族イソシアネートにまさる黄変耐性があるものの、他方でイソシアネート基を有し反応性では脂肪族および芳香族のイソシアネートの中間となることである。このような特性により反応性と共にたとえば食品パッケージフィルムなど一定の用途に適した寿命を得ることができる。実際このような用途では、使用期間がたとえば6か月に限定されていても、不足はまったくない。
従来XDIは他のジイソシアネートと同様にホスゲンCOCl2とジアミン、ここではたとえばmXDIを得るためにキシリレンジアミンR(NH2)2とを反応させ合成されている。このホスゲン化反応により2段階でジアミンの変化が生ずる。中間生成物、特にカルバモイルクロリドを生成するステップがあり、次にこの中間生成物がイソシアネートに変化するステップである。反応温度は通常範囲130〜170°C、圧力は大気圧から約4バールの間である。
そこで単純化した方法では最初のステップでアミノ基とホスゲンが次の標準反応により主にカルバモイルクロリドおよび塩酸を生成することができる。
R(NH2)2 + 2COCl2 → R(NHCOCl)2 + 2HCl (I)
次のステップでは次の脱塩酸反応によりカルバモイルクロリドを分解しXDIを生成する。
R(NHCOCl)2 → R(NCO)2 + 2 HCl (II)
精製後のXDI収率は91〜95%である。
ホスゲン化を温度および圧力条件により完全液相、一部液相一部気相、または完全気相において他の方法で行うことも可能である。条件により中間生成物はさまざまなアミン塩酸塩および/または各種カルバモイルクロリドの混合物であり、その比率も多様である。
特にイソシアネート合成では塩酸反応を用いジアミンmXDAを塩酸化する予備的ステップにより反応性が向上する。得られた中間生成物、すなわちアミン塩酸塩R(NH2.HCl)2 はたとえば米国特許第5,523,467号の文書に述べられているように、たとえば190°Cという高い反応温度で第2段階のホスゲン化を行う。
別の例では中国特許第CN102070491号に記述されている方法により不活性溶媒と塩酸の混合物内でXDAの溶液の塩酸化を行い塩を生成するステップが提供されている。このステップには、生成された塩酸塩の遠心分離による濃縮化ステップと高温低圧でのホスゲン化ステップが続く。この方法ではアミンの塩酸化反応が低濃度の溶液中で行われ、塩酸塩が濃縮されXDIが生成される。この方法によるとアミン塩酸塩溶液からの高い転換率が得られる。
特別な処理により他の改善も得られた。反応温度はジクロロベンゼンの還流をすることで120〜125°Cに引き下げることができ、収率(たとえば91.4%)と純度(たとえば99.3%)も向上した。さらに窒素雰囲気で反応させると、前掲米国特許第5,523,467号で報告されているとおり、収率が向上する(92.9%)。さらにジアミンmXDAの塩酸反応中の圧力を2バールまで上げると、さらに収率が向上するが(98.8%)、純度は大幅に下がる(98.4%)。しかしこのタイプの合成方法は時間がかかるうえに塩化水素による処理のステップが必要となる。
ホスゲン化ステップの後には一般的に精製ステップがあり反応溶媒と不純物を除去し、これにより高純度イソシアネート化合物を得ることができる。除去すべきものには特に加水分解性塩素を含むものがある。ここで「加水分解性塩素」という用語は、たとえばGB1350374に定義されているようなイソシアネート化合物に含まれる不安定な塩素原子をさす。
また最終用途によっては、特にポリウレタンフォームの分野では、イソシアネートに加水分解性塩素があると最終製品の特性を変えることが知られている。
原料となる有機イソシアネートの加水分解性塩素の量を削減する試みとして、米国特許第3219678号では例として、2回の蒸留の間にそれぞれ溶媒と残流不純物を削除するための190°C以上の高温での精製を提案している。しかしこの溶液は芳香族イソシアネートのため高温となっており、その高温がアラリファティックイソシアネート、特にXDIを分解する可能性がある。
また加水分解性塩素を除去すること、前にターゲットとして除去した添加物(金属および金属酸化物、イミダゾール、スルホン酸およびそれらのエステル化合物、硫酸ジエチル、硫酸、リン酸トリアルキルエポキシ化合物)を追加することも可能である。少なくとも1つのNH基を有する化合物(尿素、ビウレット、カプロラクタム、アンモニウム塩、カルボジイミド、第一級および第二級アミン塩等)または第三級アルコールのような他の添加剤が提案されている。
しかしこのような添加剤によりソシアネート基の量が大きく減少し、粘度が増し、収率を大きく減らすことになる。また一般にイソシアネートと添加材の分離を追加的に行う必要も出てくる。
さらにクロロアルキルモノイソシアネート化合物、特にクロロメチルベンジルイソシアネートClRNCO(以下ClBi)(およびジクロロキシレンさえ)の生成によりXDIイソシアネートが芳香族イソシアネート、特にTDIから分離される。ClBiおよびその誘導体はイソシアネート基を塩素原子で置換することで生成される。これらの副産物は特に除去するのが困難である。
ClBiおよびその誘導体は、欧州特許第EP0384463号に示されるように、一般に3〜10%の割合で存在しときには20%に達する。ClBiはプレポリマーのゲル化を促進し結果として生成するポリウレタン樹脂の特性に影響を与えます。ClBiおよびその誘導体の形成を防ぐ条件を熱心に探し求めていた理由はここにある。
本研究では塩素系副産物の量を減らすホスゲン化条件を重点的に調べた。米国特許第3,470,227号では塩酸のガスの圧力を一定に保つためのコントロールバルブを備えた装置内で2〜5バールにしてホスゲン化が行われた。
しかし反応時間を短縮するためホスゲン化反応の温度を180°C超にすると副産物の濃度が大きく増加する。このような生成を防ぐため、たとえばすでに引用したEP0384463では、酢酸ヘキシルまたは酢酸アミルのようなエステル溶液の使用が推奨されている。
また本研究では精製条件、特にXDI内のClBiの削減に重点を置いた。そこでXDIからのClBiの分離を向上させるためには、FR1555517、GB1119459またはFR1555515に示されるように、分離中に不活性ガスまたは逆流溶剤を使用することもできる。蒸留温度も低下する。
一般に蒸留によるXDIの精製において軽量成分を除去するのは最終ステップで困難と考えられている。これは除去すべき主な不純物であるClBiの蒸気圧がXDIの蒸気圧に近似しているからである。
本発明の目的は、塩酸塩を使用せず(すなわち本発明の処理法には塩酸塩合成の予備的ステップがなく、塩酸塩成分の補充もない)XDAアミンのホスゲン化によりXDIを効率的に合成する方法を開発することにある。これにより中間的化学種が最小化または排除され、反応の制御、特に熱損失リスク削減により、収率が大幅に増加する。また本発明では、ホスゲン化による化合物の分離を可能とし、重化合物の生成につながる触媒的な副反応を避け、除去する廃棄物、特に重質生成物の量を削減することが可能となる。
これを行うため本発明では、溶剤も除去される傾向のある分離を行う前に、ホスゲン化を行うときに生成した中間化学種からHClを放出しイソシアネート基に変えることを提案している。
「中間化学種」とは、カルバモイルクロリド基といわれる -NH-CO-Cl基を少なくとも1つ、またはアロファノイルクロリド基といわれる -N(-CO-Cl)-CO-NH-基を少なくとも1つ、および/またはこれらの種の相互の結合または縮合で誘導された基、および/またはその組み合わせを含み、HClを少なくとも1分子放出できる種をいう。カルバモイルクロリド基およびアロファノイルクロリド基は次の反応によりイソシアネート基と平衡状態にある。
(1) イソシアネート + HCl ←→カルバモイルクロリド
(2) イソシアネート + カルボマイル ←→アロファノイルクロリド
独立したmXDI、TDIおよびHDIのモノおよびカルボマイルのジクロライドの反応平衡定数 (1) をK1とし、独立したmXDI、TDIおよびHDIのアロファノイル塩化物の反応の平衡定数 (2) をK2とし、異なるジイソシアネート(mXDI、TDIおよびHDI)についてこれらの異なる定数を比較すると、次のようになる。
K1(mXDI)/K1(TDI)≒7
K1(mXDI)/K1(HDI)≒1
K2(mXDI)/K2(TDI)≒8
K2(mXDI)/K2(HDI)≒4
これは他のイソシアネートと異なりmXDIのアロファノイル塩化物が安定していることを示している。したがってmXDIの最終収率にマイナスの影響が出ないよう、これをできるだけ早く最小化または除去することにはメリットがある。したがってこれらの中間化学種を生成させないまたは少なくとも削減させるメリットがある。
有利な特性によると、本発明による合成中に生成し、基本的にXDIのカルバモイルクロリド基 -NHCOCl、XDIのアルファノイルクロリド基 -N(-CO-Cl)-CO-NH- 、および/またはこれらの種の相互の結合または縮合で誘導された基からなる中間化学種は、望ましくはそれぞれ以下の化学式に示される基の1つまたはいずれかを持つ。
Figure 2019510789
またこれらの中間化学種にはウレチジンジオン(二量体ともいわれる)、イソシアヌレート、カルボジイミド、イミノウレトジンジオン、イミノトリアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン基のような他の基、ならびにこれらとカルボマイルおよびアロファノイルの塩化物組み合わせが含まれることがある。
発明者は、これらの中間化学種の変性が反応プロセスの早い段階で起きるほどXDIの収率が多くなるという、驚くべき発見をした。さらに発明者はXDAのホスゲン化反応の最後にホスゲンを除去した後にも中間化学種が存在することにも気が付いて驚くこととなった。これに対し従来のHDI、TDIまたはIPDIのような芳香族または脂肪族のジイソシアネートでは、合成の途中でそのような中間化学種が検出される場合があるが、ホスゲン化が終了したときにはほとんど存在していないのである。
さらに発明者は、中間化学種が存在することで溶剤除去後の精製ステップでの熱暴走の温度を大幅に低下させることに気付き驚くことになった。さらに中間化学種の量が多いほど、熱分解の下限温度が低下することも明らかになった。これはXDI精製時の安全性にとってのリスクとなる。
本発明では、望ましいイソシアネート化合物の生成量を増やし中間化学種の形成を制限させるため、反応 (1) の置換を制御しながら反応媒体から特定の条件下にある塩酸をできるだけ速やかに除去することを提案している。
本発明は、次のステップを含む、特にキシリレンジイソシアネートXDIの、さらに特定すればメタ-キシリレンジイソシアネートmXDIの合成処理に関する。
a.キシリレンジアミンXDA、mXDIの場合は特にm-キシリレンジアミンmXDAのホスゲン化;
b.温度を120〜190°C、圧力を1ミリバール〜20バールの間としたステップ a)により得た反応媒体から塩酸を除去;
優先的には得られた反応媒体についてその中のXDI、望ましくはmXDIのアロファノイル塩化物が、溶剤、ホスゲンおよびHClを除いた重量比で3%未満、望ましくは2%、理想的には1%未満となるまでステップb)を維持する。
ステップb)は処理中に形成された塩酸を除去するステップで、これにより上記の反応 (1) および(2)の平衡をシフトさせXDIの形成に有利になる。望ましくは塩酸の除去を熱暴走を避けるように調整された温度条件で行う。
中間化学種の変容を促すステップ b)は、塩素を含む副産物を大幅に減らし、設備に対する付着物を減らすことでメンテナンス費用を削減し、環境に対しても焼却廃棄物を減らすことで好ましい。
アロファノイル塩化物基を有する中間化学種の変容は、カルバモイルクロリド基を有する中間化学種の変容のマーカーである。これが本発明の処理法を実施するときにXDIアロファノイル塩化物の量をモニターする理由である。
カルバモイルクロリドおよびアロファノイルクロリドの化合物は加水分解により塩化物を放出する化合物である。それによりカルバモイルクロリドおよびアロファノイルクロリドの量の決定が可能となる解放された塩化物は、ISO 15028: 2014基準の方法により、反応媒体を水アルコール溶液に入れることで得られる。次に解放される塩素の含有量が当業者に知られている滴定方法、特に硝酸銀溶液を用いた滴定により測定される。
本発明の処理法にはステップb)の後に得られたXDIについての従来からの精製ステップを備えることができる。特に本発明の処理法は、ステップb)の後にCOCl2を除去するステップ、ホスゲン化溶剤を除去するステップ、ホスゲン化の際に形成された重質化合物(XDIより沸点の高い化合物、たとえばXDIの二量体または三量体)の除去するステップ、およびホスゲン化の際に形成された軽量種(XDIより沸点の低い化合物、たとえばClBi)を除去するステップを備えることができる。このようなステップは従来当業者に知られており、従来当業者に知られている条件およびデバイスで実施されている。好ましくは、熱暴走の可能性を避けるためステップb)を120°C超で190°C未満の温度の溶剤中で実施する。
ステップb)の溶剤は、イソシアネート基に反応せず、特に使用条件と両立する溶剤から選択するのが望ましい。望ましくは、溶剤はアルカン、クロロアルカン、エステル、エーテル、芳香族、およびハロゲン化芳香族から選択される。好ましくは、塩酸除去ステップの溶剤はホスゲン化反応に使用できる溶剤である。
上記のとおりステップb)は好ましくは、中間化学種を初期に形成することができる。ホスゲン化反応の後、溶剤、重質化合物および軽質種の分離の段階に至る前にこのステップを行うことで、ホスゲン化反応による熱暴走および生成物の精製度が低くなるリスクがなくなる。分離前に中間化学種をこのように変容することで、全体XDI収率を高めることもできる。
その結果、溶剤と重質化合物を分離するステップの後に行う軽質種、特にClBi/XDI混合物の分離ステップでは、温度範囲および圧力範囲を広くすることが可能と思われる。中間化学種を事前に変容させると、さまざまな媒体の熱安定性が向上し、さまざまな機器の利用が可能になり生産性も向上する。
好ましくはステップb)の前にステップa)で得られた反応媒体を溶剤で重量で30%超、望ましくは50%超希釈する。この希釈は好ましくは副反応の発生を減らすことを可能とする。
第1の実施形態ではステップb)は、温度を120°Cから190°C、望ましくは150°Cから190°Cの間とし、絶対圧力を1から5バール、望ましくは1から3バールの間とした蒸気または気体状態の平行、直交、逆行のフローの中で、ステップa)により生じた反応媒体で上記のように希釈することもできるものと、少なくとも1つの不活性化合物で、望ましくは窒素分子、アルゴン、二酸化炭素、およびC1からC4の軽質アルカン化合物から選択したものとを接触させて行う。このステップは気液接触装置、望ましくはストリップ塔で実施する。
別の実施形態ではステップb)は温度を25°Cから140°C、望ましくは80°Cから140°Cの間とし、絶対圧力を10から1100 mbarとして、ステップa)により得られた反応媒体で上記のように希釈することもできるものに含まれる塩酸のバッチまたは連続の蒸発により行う。
別の実施形態ではステップb)は、ステップa)により得られた反応媒体で上記のように希釈することもできるものに含まれる塩酸を、シリカに固定することのできる第三級アミンまたは自由水素のない塩基を用いて化学的に補足して行う。
別の実施形態ではステップb)は、沸石またはイオン交換樹脂、特に4基から成るアミンタイプで構成した固体基板を用い、温度を20°Cから140°Cの間とし、塩酸のない精製された液体で固定物表面に残留塩酸を固定させ、塩酸の吸収、特にステップa)で得た反応媒体で上記のように希釈することもできるものとの接触により行う。
別の実施形態では、ステップb)は、膜技術、特に温度を30°Cから160°Cの間とし、浸透膜内の塩酸に対する部分絶対圧力を0.1から100 mbarとする有機またはセラミックの膜を通過した塩酸の選択的浸透蒸発により、および/または温度を20°Cから90°Cの間とする有機またはセラミックの膜を用いた塩酸の選択的浸透によるマイグレーションおよびその他の種の保持によりステップa)で得た反応媒体で上記のように希釈することもできるものを分離することにより行う。
別の実施形態では、ステップb)は、温度を120°Cから190°C、望ましくは140°Cから190°Cの間とし、圧力を1から20バール、望ましくは12から17バールの間として行うステップa)により得た反応媒体の蒸留に対応する。望ましくは蒸留はボイラーと頭頂部に塩酸を除去するコンデンサーを備える反応塔内で実施し、精製された反応媒体を基部で回収する。望ましくは蒸留はバッチ処理または連続処理とする。ボイラー内で蒸留中の媒体の温度は、120°Cと190°C、望ましくは140°Cと190°Cの間とし、蒸留カラム上部での絶対圧力は1から20バー、望ましくは12から17バーとする。
好ましくはステップb)および各分離ステップは重合反応抑制剤を用いながら行う。
ClBiとXDIとの最終分離は150°Cから190°Cの間の高温で4から5 mbarと15から20 mbarの間の低い圧力で行い、それにより蒸留は設備の安全に対するリスクなしに行うことができ、費用を削減することができる。特に好ましくは、塩酸除去のステップがXDIからのClBi分離を向上させることが確認された。
また本発明は、XDI、特にmXDIの組成物で、特に上記方法を用いた合成で、XDIアロファノイル塩化物の含有量が、溶剤、ホスゲンおよびHClを除いた重量比で3%未満、望ましくは2%未満、好ましくは1%未満であることを特徴とするものに関する。
また本発明は、XDI、特にmXDIの組成物で、特に上記方法を用いて合成し、上記分離処理により分離した後も溶剤、重質化合物、軽質種が組み合わさってまたは混合物の形で残留し、その含有量が5%未満、望ましくは3%未満、好ましくは未満1.5%であるものに関する。
特定の実施形態ではXDIは特に保存期間中、ジブチルヒドロキシトルエンのような2,6- ヒンダードフェノールおよび/またはナイロン1重合反応抑制剤により安定する。
現在の発明のその他のデータ、特性および利点は、それぞれの付属図を参照する次の発明を実施するための形態において、代表的実施形態として明らかにされるが、それに限定されるものではない。
図1は対向で不活性ガスを接触させステップb)を実行するためのストリッピング塔の図式的断面図である。 図2はステップb)を浸透蒸発で行うための膜分離デバイスの図式的断面図である。 図3はステップb)を塩酸の固定/吸収/選択的保持で行うための固体基板デバイスの図式的断面図である。 図4はボイラーとコンデンサーを備えるカラムを含む蒸留器の図式的断面図である。
ホスゲン化による反応混合物の最初の処理例は図1のカラム100の図式的断面図に示してある。ここでの処理はホスゲン化反応による液体混合物と不活性窒素化合物を対向的に導き、120°Cかつ絶対圧力2バールで接触させることからなる。この導き入れでの接触で気相に転移することで塩酸分子のストリッピングが生ずる。
これを行うため、まず反応混合物に重量比で60%の溶剤を加えて希釈し、次いで注入口103からカラム101上部に注入する。不活性窒素化合物の気体が注入口106からカラム104基部に注入される。塩酸が窒素と共に排出口105を通りカラム101上部から排出される。カラム基部の排出口108から混合物(精製された塩酸)が回収される。この混合物には、溶剤、ホスゲンおよびHClを除いて、溶剤が重量比で約60%含まれ、XDIアロファノイル塩化物が重量比で約1%含まれている。この後者の含有量に対しては後述する分析が行われる。
ステップb)の別の実施形態は図2の図式的断面図の膜分離デバイス200で示される。ホスゲン化による反応混合物は溶剤60%を追加して大幅に希釈され、注入口201から前記デバイス200に注がれる。前記デバイス200には有機タイプまたは選択的にセラミックタイプの分離膜210を備える。
この膜210に接触することで、浸透蒸発により、特に温度を30°Cから160°Cの間とし浸透する塩酸に対する部分絶対圧力を0.1から100 mbarの間として塩酸が膜210を通過して蒸発することにより、塩酸が前記混合物から分離される。
塩酸は次に、浸透蒸発のボラティリティ差と浸透圧力の勾配により膜210を通過する。次いで塩酸は排出口202で回収され、当初残留分(精製された化学種混合物がXDIになったもの)が排出口204から回収される。残留分には溶剤が重量比50%含まれ、アロファノイル塩化物の含有量は2%未満、以下の分析のコントロール次第では望ましくは1%となる。この比率は、溶剤、ホスゲンおよびHClの量を除いた反応媒体中のXDIのアロファノイル塩化物の質量比率に対応する。
特に分離は、有機膜またはセラミック保持の手段で、温度を20°Cから90°Cの間、望ましくは60°Cとして、塩酸のみを浸透させ他の種を保持することで行われる。
ステップb)の別の実施形態を、図3の図式的断面図の固体基板デバイス300で示す。ホスゲン化による当初混合物を重量比70%の溶剤を追加して希釈し、その内容物を注入口301からデバイス300に注ぐ。デバイス300には沸石310を含み、塩酸との高い親和性を有する固体基板を形成する。次いで塩酸は沸石表面に付着吸収される。温度は20°Cから140°Cの間、例示では90°Cに設定され、固体基板は塩酸で飽和されると交換される。このタイプの固体基板は再生再利用することができる。
選択的には固体基板をイオン交換樹脂、特に第三級または第四級アミン(望ましくは第三級アミン)に交換すると使用上有利となる。
精製された塩酸混合物は排出口402で回収される。この混合物は、以下に説明する測定法でモニタリングを実施するとアロファノイル塩化物を約2%含んでいる。この比率は100%固体の含有物である反応媒体中のXDIのアロファノイル塩化物の質量比率に対応する。
図4の図式的断面図においては、ステップb)の別の実施形態を示し、カラム1はボイラー2およびコンデンサー3と関連し、前記方法の1つによる精製された塩酸の反応混合物を蒸留するためのものである。P1からP4の多段トレイは、カラム1のレベルの違いを図示するものである。この蒸留装置はカラム1の中間レベルに位置する供給回路4から供給されるメタ - キシリレンジアミンまたはmXDA溶液のホスゲン化による反応混合物を収容する。
本ホスゲン化反応は中間化学種、特にアロファノイル塩化物およびmXDIカルボマイルを生成する。mXDI内の中間化学種の変換を行うため、反応媒体は例示ではホスゲン化反応に使用する溶剤、すなわちモノクロロベンゼンと併用される。好ましくは、中間化学種から重質化合物が生成されるのを防ぐため、例においては、当初混合物の重量比で60%に等しい大量の溶剤を追加する。
ボイラー2は例示ではカラム12の基部温度が実質的に150°Cに達するように設定される。カラム12の頂部で、そこの排出口14から軽質生成物、すなわち残留する塩酸および形成された溶剤の一部であるホスゲン(少なくともその一部が)が、コンデンサー3、蒸留器16、還流器18を通過した後に取り出される。カラム12基部にある再循環回路15で重質生成物が再循環され、精製された塩酸残留分は排出口17で回収される。これには重量比で約60%の溶剤が含まれ、XDIアロファノイル塩化物の含有量は1%未満である。この比率は、溶剤、ホスゲンおよびHClの量を除いたXDIアロファノイル塩化物質量比率に対応する。
残留するホスゲンおよび溶剤を同時に抽出せず、溶剤より前にホスゲンを抽出する別の実施形態によると、本発明によるステップb)はホスゲン抽出中またはその後に行うことができるが、溶剤分離前に行う必要がある。
ステップb)でホスゲン同時抽出の場合、この処理は次のステップを含むキシリレンジイソシアネートXDI、特にメタ - キシリレンジイソシアネートmXDI合成の方法によることができる。
a) キシリレンジアミンXDA、mXDIの場合は特にm-キシリレンジアミンmXDAのホスゲン化;
b) ステップa)で得られたホスゲンの抽出および反応媒体の塩酸の同時除去
除去ステップでホスゲンを同時抽出しない場合、この処理は次のステップを含むキシリレンジイソシアネートXDI、特にメタ - キシリレンジイソシアネートmXDI合成の方法によることができる。
a) キシリレンジアミンXDAのホスゲン化、特にmXDIの場合はm- キシリレンジアミンmXDAのホスゲン化とそれに続くホスゲン抽出ステップ
b) ステップa)で得られた反応媒体からの塩酸除去
ホスゲン除去をステップb)の前またはそれと同時に行う場合、ステップb)の後のステップは溶剤の除去および/または残留する軽質化合物の除去および/またはMXDIおよび/または残留重質化合物の除去であり、これらのステップは同時に行うことも順次行うこともできる。
本発明による処理のすべてにおいてステップb)は溶剤除去の前に実行する必要がある。
カラム12基部にあるXDIアロファノイル塩化物については、サンプルを採取し、ゲル浸透クロマトグラフィーとたとえば適切なパワーのレーザーを照射しての赤外分光法を併用した分析を行う。
本発明はここに記述および表示された実施形態に限定されるものではない。たとえば、ステップb)の前に反応混合物を希釈するためには他の溶剤を使用することができ;対向、直交、平行流によるストリッピングを実行するためには他の不活性化合物を使用することができ;塩酸の反応混合物の精製と中間化学種の転換、望ましくはXDIへの転換には、連続する膜デバイスまたは固体基板デバイスをカスケード式に通過させる方法を開発することができ;その他の希釈条件、その他のXDIアロファノイル塩化物分析方法(電位差滴定分析、過塩素酸分析等)を使用することができる。
実施形態
以下の例では、さまざまな混合物についてそれらを分離した後に、その組成がジクロロメタンのような溶剤中でのゲル濾過を行うクロマトグラフィータイプの分離カラム(PL GEL 50Å60 CM 7.5 MM 5iの後でPL GEL 50Å60 CM 7.5 MM 5i)で分析された。検出は濃度のわかっているmXDIで較正後、赤外線の2250 cm-1のNCOバンドで行なう。組成は溶剤、ホスゲンおよびHClの量を除いた重量により表示される。
例によっては、自由塩化物(少なくとも1つのアロファノイル塩化物基および/またはカルバモイルクロリド基を有する化合物)を「低温塩化物測定」といわれる方法で測定することができる。この方法は硝酸、アセトン、メタノールを含む媒体の中での銀滴定により温度を20°Cから25°Cの間としたときの自由塩化物を決定するものである。100 mLのビーカーに内容物によるが、予想する塩化物を含む試料を秤量する。
試料 (g) = 0.071 / (予想Cl%)
メタノール20 mLを加え撹拌しながら1分間置いて、硝酸3 mLとアセトン40 mLを加え、0.02NのAgNO3で滴定を行う。
V : 試験用滴定液の分量 mL
T : 硝酸銀溶液中の滴定対象 mol/L
E : 試料質量 g
M : 塩素モル質量
低温塩化物測定結果 :
Cl (mg/Kg) = (V x T x M x 1000)/ E
次の略語を使用 :
ClBi : クロロメチル-ベンジル-イソシアネート
mXDI : メタキシリレンジイソシアネート
QSP : 十分量
ARC : 加速速度熱量計
例 1 :
1Lのガラス反応容器に入れるもの : 1,2-ジクロロベンゼン351.9 gおよびmXDAのホスゲン化およびその後の脱ホスゲン化で得たままの未精製mXDI 87.4 g。混合物を150°Cに加熱し大気圧力のアルゴンストリッピング下で5時間300rpmで攪拌(4枚の傾斜羽根と邪魔板を有する攪拌器)。
ステップb)前の未精製mXDIは次のような質量構成である:ClBi 1.7%、mXDI 65%、mXDI二量体 2%、mXDIアロファノイル塩化物 6.7%、重質XDIベース 24.6%(合計100%)。
ステップb)後の最終生成物は次のような質量構成である:ClBi 2.6%、mXDI 74.5%、mXDI二量体 1.5%、mXDIアロファノイル塩化物 0%、重質分21.4%(合計100%)。
ステップb)の後のmXDI増加比率:((ステップb)後のmXDI %) - (ステップb)前のmXDI %)) / ステップb)前の(mXDI %) = + 14.6%
例 2 :
1Lのガラス反応容器に入れるもの : 1,2-ジクロロベンゼン328.8 gおよびmXDAのホスゲン化およびその後の脱ホスゲン化で得たままの未精製mXDI 82.2 g。混合物を150°Cに加熱し大気圧力のアルゴンストリッピング下で5.5時間300rpmで攪拌(4枚の傾斜羽根と邪魔板を有する攪拌器)。
ステップb)前の未精製mXDIは次のような質量構成である:ClBi 1.4%、mXDI 68.2%、mXDI二量体 1.5%、mXDIアロファノイル塩化物 5.9%、重質分 23%(合計100%)。
ステップb)後の最終生成物は次のような質量構成である:ClBi 2.2%、mXDI 77.1%、mXDI二量体 1.6%、mXDIアロファノイル塩化物 1.3%、重質分 17.8%(合計100)。
ステップb)の後のmXDI増加比率:((ステップb)後のmXDI %) - (ステップb)前のmXDI %)) / ステップb)前の(mXDI %) = +13.0 %
例 3 :
1Lのガラス反応容器に入れるもの : モノクロロベンゼン603.4 gおよびmXDAのホスゲン化およびその後の脱ホスゲン化で得たままの未精製mXDI 216.2 g。混合物を130 °Cに加熱し大気圧力のアルゴンストリッピング下で5.5時間300rpmで攪拌(4枚の傾斜羽根と邪魔板を有する攪拌器)。
ステップb)前の未精製mXDIは次のような質量構成である:ClBi 1.6%、mXDI 75.7%、mXDI二量体 4%、mXDIアロファノイル塩化物 4.7 %、重質分 14 %(合計100)。
ステップb)後の最終生成物は次のような質量構成である:ClBi 1.7%、mXDI 78.4%、mXDI二量体 5%、mXDIアロファノイル塩化物 1.7 %、重質分 13.2 %(合計100)。
ステップb)の後のmXDI増加比率:((ステップb)後のmXDI %) - (ステップb)前のmXDI %)) / ステップb)前の(mXDI %) = +3.6 %
例 4 :
1Lのガラス反応容器に入れるもの : モノクロロベンゼン612.3 gおよびmXDAのホスゲン化およびその後の脱ホスゲン化で得たままの未精製mXDI 202.2 g。混合物を130 °Cに加熱し大気圧力のアルゴンストリッピング下で11時間300rpmで攪拌(4枚の傾斜羽根と邪魔板を有する攪拌器)。
ステップb)前の未精製mXDIは次のような質量構成である:ClBi 1.6%、mXDI 75.7%、mXDI二量体 4%、mXDIアロファノイル塩化物 4.7 %、重質分 14 %(合計100)。
ステップb)後の最終生成物は次のような質量構成である:ClBi 1.7%、mXDI 78.7%、mXDI二量体 3.8%、mXDIアロファノイル塩化物 0.9 %、重質分 14.9 %(合計100)。
ステップb)の後のmXDI増加比率:((ステップb)後のmXDI %) - (ステップb)前のmXDI %)) / ステップb)前の(mXDI %) = +4.0 %
低温塩化物の測定 ステップb)前:0.388% m/m、ステップb)後:0.058% m/m。
例 5 (温度安定性)
例 5a 本発明によるステップb)を実施した試料は、質量構成で1,2-ジクロロベンゼン6.6%、ClBi 2.4%、mXDI 69.6%、mXDI二量体 1.4%、mDIXアロファノイル塩化物 0%および重質20%である未精製mXDIであり、これをARCで分析した。試験は4.19 gの未精製mXDIを19.7265 gのセルに入れ、50°Cから425°Cの間を3°Cの刻みでステップ昇温することにより行った。試料の発熱反応開始温度は185°Cである。
例 5b 質量構成で1,2-ジクロロベンゼン12.3%、ClBi 2.2%、mXDI 68.7%、mXDI二量体 2.6%、mDIXアロファノイル塩化物 3.1 %および重質11 %である未精製mXDIの試料をARCで分析した。試験は3.841 gの未精製mXDIを15.2940 gのセルに入れ、50°Cから425°Cの間を3°Cの刻みでステップ昇温することにより行った。試料の発熱反応開始温度は167 °Cである。
例5aと5bを比較するとステップb)が生成物の分解開始温度に大きく影響していることを示している。実際、未処理試料では発熱反応の開始温度が18°C低くなる。

Claims (16)

  1. 以下のステップを含むキシリレンジイソシアネートXDI、特にメタ-キシリレンジイソシアネートmXDIの合成方法:
    a.キシリレンジアミンXDA、mXDIの場合は特にm- キシリレンジアミンmXDAのホスゲン化;
    b.温度を120〜190°C、圧力を1ミリバール〜20バールの間としたステップ a)により得た反応媒体からの塩酸の除去。
  2. 請求項1に記載の方法で、得られた反応媒体を分析したときに反応媒体中のXDI、望ましくはmXDIのアロファノイル塩化物含有量が、溶剤、ホスゲンおよびHClの量を除いた重量比で3%未満、望ましくは2%未満、理想的には1%未満となるまでステップb)を維持するもの。
  3. 請求項1または2に記載の方法で、少なくとも1つの溶剤をステップb)の前に反応混合物に加え、前記溶剤はイソシアネート基と反応しない溶剤、望ましくはホスゲン化ステップに使用される溶剤、アルカン、クロロアルカン、エステル、エーテル、芳香族およびハロゲン化芳香族から選択するもの。
  4. 請求項3に記載の方法で、反応媒体に加えた溶剤が重量比で30%超、重量比で好ましくは50%超あるもの。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)が蒸留カラムで行われるもの。
  6. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)が、温度を120°Cから190°C、望ましくは150°Cから190°Cの間とし、絶対圧力を1から5バール、望ましくは1から3バールの間とし、ホスゲン化反応により得られた反応混合物と窒素分子、アルゴン、二酸化炭素、およびC1からC4の軽質アルカン化合物から選択した1つの不活性化合物とを平行、直交、逆行のフローの中で接触させて行われるもの。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)が、カラム(1)とそれに関連するボイラー(2)およびコンデンサー(3)での蒸留により行われ、頂部(12)から残留する相当程度に精製された塩酸を除去し、カラム(11)基部から精製された混合物を除去するもの。
  8. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)が温度を25°Cから140°C、望ましくは80°Cから140°Cの間とし、絶対圧力を10から1100 mbarとして、バッチまたは連続の蒸発により行われるもの。
  9. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)がシリカに固定した第三級アミンまたは自由水素のない塩基を用いて塩酸を化学的に補足して行われるもの。
  10. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、塩酸除去のステップが、ホスゲン化により得た反応混合物を温度を20°Cから140°Cの間として沸石 (310) またはイオン交換樹脂からなる固体基板 (300) と接触させて行うもの。
  11. 請求項1から4のいずれか1つに記載の方法で、塩酸除去のステップが膜分離 (200) により行われるもの。
  12. 請求項11に記載の方法で、温度を30°Cから160°Cの間とし浸透する塩酸の部分絶対圧力を0.1から100 mbarの間とし、有機またはセラミックの膜 (210) を通して塩酸が蒸発する浸透蒸発による分離が行われるもの。
  13. 請求項11に記載の方法で、塩酸の浸透移行およびその他の種の保持が、温度を20°Cから90°Cの間とし有機またはセラミックの膜を通して行われるもの。
  14. 請求項6から13のいずれか1つに記載の方法で、ステップb)がバッチまたは連続で行われるもの。
  15. キシリレンジイソシアネートXDI、特にメタ - キシリレンジイソシアネートmXDIの組成物で、請求項の1〜14いずれか1つに記載の方法により合成され、3%未満、望ましくは2%未満、好ましくは1%未満のアロファノイル塩化物含有量を有することを特長とするもの。
  16. 請求項15に記載のキシリレンジイソシアネートXDI、特にメタ-キシリレンジイソシアネートmXDIの組成物で、含有量が5%未満、望ましくは3%未満、好ましくは1.5%未満で、溶剤残留分、重質化合物および軽質種が請求項5から14のいずれか1つによる分離の後も組み合わさってまたは混合物として存在するもの。
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