JP2019509468A - 蛍光クエンチングおよび再染色を連続して使用した生体試料の複数表現型サブタイプ分類 - Google Patents

蛍光クエンチングおよび再染色を連続して使用した生体試料の複数表現型サブタイプ分類 Download PDF

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Abstract

複数のラウンドの蛍光染色を使用して、生体試料においてバイオマーカーを特徴づけるための簡易で正確な方法を記載する。本方法は、細胞、組織または任意の生体試料のクエンチング、非誘導体化、アミンの除去、および再染色(QUAS−R)のステップを含む。

Description

本出願は、2016年8月12日に出願された仮出願第62/374,456号、2016年8月11日に出願された仮出願第62/373,867号、2016年3月3日に出願された仮出願第62/303,243号、および2016年1月7日に出願された仮出願第62/275,949号の優先権を主張するものである。
ホルマリン固定パラフィン包埋組織、循環血球またはマウントした任意の生体試料は、特異的同定および分類のために蛍光マーカーで染色できる。しかし本発明以前では、染色は1〜5種の蛍光マーカーに限定されていた。例えば、循環腫瘍細胞(CTC)は、原発性/転移性の固形腫瘍から遊離し、循環系で見られるがん細胞である。長年、全末梢血を使用してがん患者からCTCを分離して、進行疾患の予後の指標として使用されてきた。現在、臨床的に有効な唯一の予後アッセイでは、抗体を媒介とする捕捉に基づいてCTCを分離し、3種の細胞蛍光マーカーに基づいてCTCを同定する。このFDA承認アッセイ(CellSearch(登録商標)CTCテスト)では、上皮細胞接着分子(EpCAM)に対する抗体にコンジュゲートした強磁性流体ナノ粒子を使用して、血液からCTCを捕捉する。その後、捕捉された細胞は、蛍光マーカーである、DAPI(核を染色し対象物を細胞と同定する)、サイトケラチン(CK)(細胞を上皮性と同定する)およびCD45(白血球を除外する)を使用して同定される。
数多くの代替の血液細胞分離法が導入されている。これらのアッセイでは、CTCの捕捉を超えて、循環がん関連マクロファージ様細胞(CAML)、循環内皮細胞(CEC)、上皮間葉転換(EMT)細胞、循環繊維芽細胞(CF)等を含む分析が展開される。細胞の同定およびサブタイプ分類によるCTCの簡単な検体計数は、多くの用途に対して不適切な場合が多い。分離プラットフォームにかかわらず、蛍光検出は細胞同定の一般的な手段であり、以前は細胞1個当たり合計4〜5種の発光体に限定されていた。これにより、蛍光に基づく細胞の特性評価は、前述の3種の同定バイオマーカーと、1〜2種のさらなるサブタイプ分類バイオマーカーに制限されている。これにより研究者らは、臨床的にも生物学的にも、細胞の表面的なプロテオーム同定に制限されているが、重要な細胞の表現型を真に調査するには複数のサブタイプ分類マーカーが必要とされる。研究者らは、同一の患者から複数の生体試料を収集すること、例えば血液を数多くのチューブに収集し、各チューブの細胞を異なるマーカーについて分析することによって、この制限を乗り越えようとしてきた。しかしながら、細胞は表現型にばらつきが大きいことにより、異なる血液収集チューブの個々の細胞を染色しても比較不可能となる。同様に、5種を超えるマーカーを分析するのに、複数の組織生検スライドが必要であった。診断および治療を向上させるために複数のマーカーを使用して同一の試料を分析する迅速で簡単な方法は、臨床的に数多くの利点をもたらすであろう。
疾患の進行、疾患の拡大に関連して、および疾患の治療に応答して、細胞の様々なサブグループが表現型をアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートするため、疾患における細胞の同定および分類は複雑である。例えば、がん細胞が、上皮から間充織への転換など、様々な状態に転換する能力、または炎症性の免疫チェックポイントの発現を変更する能力は、がんが進行しまたは治療に応答するにつれてリアルタイムでダイナミックに変化する腫瘍の活動状態の例である。これらの変化が多くの障害で生じるため、循環細胞(例えばCTC、CAML、CEC、EMTなど)は、疾患進行をリアルタイムで追跡するための代表となり得るサロゲートバイオマーカーとして比類なく好適である。
4〜5種を超えるマーカーの蛍光染色が必要とされる一例は、EMTを経たCTCである。この現象は、がん患者の血液において一般的であり、原発細胞の構成部分として転移の拡大に関与するとされている。残念なことに、EMTには広く認められたバイオマーカーの陽性セットがなく、通常、上皮性タンパク質、例えばEpCAMおよびCKのダウンレギュレーションおよび間葉系幹細胞タンパク質、例えばビメンチンおよびCD34のアップレギュレーションにより説明される。しかしながら、EMTは現在大きな関心を呼んでいるトピックであり、利用できる蛍光チャンネルが制限されているためプロテオーム解析には限界があるので、EMTのサブタイプ分類は非プロテオーム的手法、例えばmRNA発現またはDNA分析を使用して、スクリーニングされるのが一般的である。
生体試料の蛍光に基づいた染色において、ホウ化水素誘導体(例えば水素化ホウ素シアノおよび水素化ホウ素リチウム)は、プロテオームマーカー/ゲノムマーカーを傷つけずにバックグラウンドとなる自家蛍光を減少させるために使用される主要な試薬である。興味深いことに、ホウ化水素誘導体はかつては、生検された検鏡用薄切片において蛍光を減弱するために使用されたが、特定の蛍光染料信号を完全に除去するためには使用されなかった。ホウ化水素(BH4)は、有機化学において一般に使用される弱い、選択的なカルボニル還元剤であり、アミドまたはカルボキシの酸官能基を還元せずに、ケトンおよびアルデヒドをアルコールに、および/またはイミンを第二級アミンに還元する。顕微鏡法では、BH4誘導体は固定した生体試料におけるホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドの自家蛍光をクエンチするために使用されることが多い。ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドおよび他の固定剤の多くは、例えば組織、細胞、タンパク質などの生体試料と反応すると、自家蛍光を生じる。自家蛍光は、試料上のカルボニル化およびシッフ塩基化合物の蓄積により引き起こされる。BH4誘導体を固定した生体試料に追加する第2の利点は遊離したアルデヒド基を減少させる能力であり(例えばアルデヒドブロッキング)、この能力によってさらに組織化学的試薬の非特異的結合を最小限にできる。
驚いたことに、本発明は、古典的ながんの病理組織学的サブタイプ分類と同様に、少なくとも異なる25個の蛍光マーカーで連続して生体試料を染色できること、および生体試料を視覚化して、厳密な細胞学的評価が可能となることを発見した。本発明は、生物学的な細胞試料をin situで固定し、連続して蛍光マーカーで再染色するプラットフォームを提供する。4〜5個の蛍光染料のパネルで染色する第1のラウンドに続いて、細胞を画像化、配置、マーキング、および保管する。細胞をマーキングすることで、ユーザーはクエンチング(quenching:消光)のプロセスにおける各ステップの後に同一の細胞を再配置できる。本発明は、4〜5個を超えるマーカーを染色するための方法および試薬からなり、細胞のクエンチング、非誘導体化、アミン除去および再染色(QUAS−R)のステップを含んでいる。一実施形態において、細胞をCellSieve(商標)ミクロフィルター(Creatv MicroTech)などのフィルターで分離する。本技術ではホウ化水素での完全なクエンチングにもかかわらず、エピトープが完全に保たれることが重要である。QUAS−R技術を、最初にDAPIおよびCTCマーカー(CKおよびEpCAM)およびCD45白血球マーカーを染色した膵がん患者試料上でテストした。目標は、間葉系幹細胞マーカー(CD34およびビメンチン)、運動性マーカー(CXCR4およびビメンチン)および炎症性マーカー(PD−L1およびPD1)に対して細胞を再評価することである。本発明は、同一の細胞試料上で、DAPIに加えてこれら9つの異なる表現型のがんマーカーを連続して分析、サブタイプ分類、追跡するために使用できる。
細胞試料は、4〜5個の蛍光マーカーで一度に染色し画像化できる。最大5回の再染色が実証された。したがって25種を超える異なるマーカーを同一の細胞上で評価できる。
試料を再染色できる制限回数は、再染色の必要性と、細胞損失を防止するために載せる(mounting)試料に依存する。
本発明は、任意の載せる生体試料(例えば血液から収集した細胞、組織生検、ウイルスまたは細菌に感染した細胞、尿から収集した細胞、髄液から収集した細胞、他の体液から収集した細胞、手術後に除去された組織)に適用し、任意の載せられる基材(例えばガラス、ポリマー、金属)に固定することが出来る。
MDA−MB−231細胞上の蛍光マーカーの蛍光クエンチング。図1aは実施前。図1bはホウ化水素溶液にて1.5時間経過後。スケールバーの長さは10μmである。 各蛍光マーカーの細胞対バックグラウンドの信号の強度。図2aは、マーカー信号の平均強度を表す。図2bはバックグラウンド信号を表す。画像の大きさは45μm×45μmである。 ホウ化水素の追加後0、30分、60分および90分のサイトケラチン陽性細胞の蛍光クエンチングを表す。画像の大きさは45μm×45μmである。 QUAS−Rを2ラウンド実施したMDA−MB−231細胞。図4aは、サイトケラチン、EpCAMおよびCD45の最初の染色を示す。図4bは、初回のQUAS−R後にCD14、CXCR4およびビメンチンマーカーを再染色した細胞を示す。図4cは、2回目のQUAS−R後にPD−L1、CD34およびPD1マーカーで再染色した細胞を示す。画像の大きさは45μm×45μmである。 マーカー染料を染色の第1のラウンド、第2のラウンドまたは第3のラウンドで使用した時の実験計画および信号強度のパーセント変化の代表例。図5aは、QUAS−Rを3ラウンド使用する細胞染色の代表的な方法を示す。図5bは、代表的な信号強度が染色順序にかかわらず減弱を示さないことを表す。 全般的な細胞の信号強度、およびQUAS−R2ラウンド後の5つの異なる細胞株(HUVEC、MDA−MB−231、A2058、LNCaP、MCF−7)上の9つの細胞マーカーの変化のグラフ。QUAS−R3ラウンド後、どの表面レセプターおよび細胞内マーカーも低下しなかった。 DAPI、抗CD14および抗CD34で染色したHUVEC内皮細胞。 図8aは、MDA−MB−231上のEpCAMを示す。白い矢印は高発現するEpCAM細胞を指し示し、灰色の矢印は低発現する細胞を指し示す。図8bは実施例2のEpCAM染色の拡大図である。 QUAS−R後の患者由来のEMTは、細胞のサブタイプ分類および薬物スクリーニングの標的を示す。図9aは、CK、EpCAMおよびCD4Sの最初の染色を示す。図9bは、最初のQUAS−Rラウンド後のCD14、CXCR4およびビメンチンの再染色を示す。図9cは、第2のQUAS−Rラウンド後のPD−L1、CD34およびPD1の再染色を示す。図9dは、マーカーのパーセンテージを濃い灰色(100%)および白(0%)で表現した異なるマーカーのヒートマップである。灰色の濃淡は100%から0%までの陽性発現のパーセンテージを示す。VM=ビメンチン、CK=サイトケラチン。画像の大きさは75μm×75μmである。 QUAS−Rを2ラウンド実施し、染色順序を変えたA2058細胞を表す。図10aはCD14、CXCR4およびビメンチンでの最初の染色を示す。図10bは、QUAS−Rでクエンチし、サイトケラチン、EpCAMおよびCD45で染色した同一のA2058細胞を示す。図10cは、同一のA2058をQUAS−Rで再びクエンチし、PD−L1、CD34およびPD1で染色したことを示す。 QUAS−Rを2ラウンド実施したLNCaP細胞の染色を表す。図11aは、サイトケラチン、EpCAMおよびCD45の最初の染色を示す。図11bは、第1のQUAS−Rラウンド後のCD14、CXCR4およびビメンチンの再染色を示す。図11cは、第2のQUAS−Rラウンド後のPD−L1、CD34およびPD1の再染色を示す。 QUAS−Rを2ラウンド実施したHUVEC細胞株の染色を表す。図12aはCD14、CXCR4およびビメンチンの最初の染色を示す。図12bは、第1のQUAS−Rラウンド後のサイトケラチン、EpCAMおよびCD45の再染色を示す。図12cは、第2のQUAS−Rラウンド後のPD−L1、CD34およびPD1の再染色を示す。 QUAS−Rを2ラウンド実施したMCF−7細胞の染色を表す。図13aはPD−L1、CD34およびPD1の最初の染色を示す。図13bは、第1のQUAS−Rラウンド後のサイトケラチン、EpCAMおよびCD45の再染色を示す。図13cは、第2のQUAS−Rラウンド後のCD14、CXCR4およびビメンチンの再染色を示す。 5つのモデル細胞株での蛍光マーカーのパーセンテージのヒートマップ。濃い灰色(100%)および白(0%)でパーセンテージを表現している。灰色の濃淡は100%から0%までの陽性発現のパーセンテージを示す。 パーセンテージの数値を示した図9dのヒートマップ。1試料当たりの細胞数の中央値が10である、合計764のEMTを、9つのマーカーの有無に関して測定した。
本明細書に記載された特定の実施形態は、本発明の原理を表すものに過ぎず、開示された実施形態に限定されることを意図しない。
QUAS−R技術を使用すると、DAPIに加え少なくとも25個の異なる蛍光マーカーで細胞株を迅速かつ連続的に染色できることが発見された。一実施形態において、MDA−MB−231細胞をCellSieve(登録商標)フィルター上に固定し、DAPI(青色)、CK(緑色)、EpCAM(赤色)およびCD45(紫色)のCTCマーカーパネルを使用して染色した。図1a。ホウ化水素溶液を使用して、1.5時間、細胞をクエンチした。蛍光シグナルのうちCKの緑色、EpCAMの赤色、CD45の紫色は100%、DAPIの青色の大部分が、MDA−MB−231細胞から除去された。図1b。顕微鏡上で画像取得に使用された露出時間は、クエンチング前後で同じである。
細胞の信号強度をバックグラウンドと比較した。図2a。図2aは、各蛍光チャンネルにおけるMDA−MB−231細胞の画像を示す。信号の平均強度はZen2011 Blueソフトウェアを使用して測定した。各蛍光チャンネルの信号を、フィルター上で細胞が存在しない領域と比較してバックグラウンドを決定した。図2b。各細胞の全体的な染色強度は細胞信号からバックグラウンド信号を引くことにより計算した。
第2の実施形態において、FITCタグ付きサイトケラチン抗体で染色した患者試料でクエンチング技術を実施した。時間0において、ホウ化水素溶液を追加する前に細胞を画像化し、信号を測定した。ホウ化水素溶液を追加し、細胞を30分、60分および90分後に画像化した。90分後、元の蛍光の99%がクエンチされた。
他の実施形態において、血液ベースの生検(BBB)または他の生体試料を使用して、複数のタイプの細胞型(例えばCTC、CAML、内皮細胞、繊維芽細胞等)を多数の異なるマーカーで分析した。胸部、内皮、前立腺およびメラノーマに由来する5つの細胞株(MDA−MB−231、MCF−7、LNCaP、A2058およびHUVEC)でQUAS−Rを実施したが、エピトープの完全性は保たれた。図4、図5および図6。
免疫組織化学的検査(IHC)が細胞内および細胞外の両方のエピトープに対するがんのサブタイプ分類に使用されるため、細胞内(サイトケラチンおよびビメンチン)および細胞外(EpCAM、CD45、CD31、CD34、PD−L1、CXCR4およびCD14)にまたがる広範囲の細胞の局在化に関して9つのマーカーが本明細書に例示される。一実施形態において、MDA−MB−231細胞をフィルター上に固定し、CTC染色のサイトケラチン、EpCAMおよびCD45で染色した。図4a。細胞をQUAS−R法によってクエンチし、CD14、CXCR4およびビメンチンで染色した。図4b。細胞は、QUAS−R法によって再びクエンチし、PD−L1、CD34およびPD1で染色した。図4c。
一実施形態において、5つの細胞株(A2058、LNCaP、MDA−MB−231、MCF−7およびHUVEC)をフィルター上に固定し、順序を変えて9つの異なるマーカーで染色した。図5。1つのフィルターセットでは、5つの細胞株の各々を、CTCマーカー(抗FITC標識CK抗体(CK−FITC)、抗PE標識EpCAM抗体(EpCAM−PE)、抗Cy5標識CD45抗体(CD45−Cy5))を使用して染色した。第2のフィルターセットでは、5つの細胞株を、PD−L1−FITC、CD34−PEおよびPD1−Dylight650からなるパネルで染色した。第3のフィルターセットでは、5つの細胞株をCD14−FITC、CXCR4−PEおよびビメンチン−efluor660のパネルで染色した。図5a。バックグラウンド信号を決定し、各マーカーの強度(各マーカーは10細胞の平均)を正規化した。その後、QUAS−Rを全フィルター上で実施し、第2のマーカーパネルで各セットを再染色した。図5a。各マーカーの強度をすべての細胞型で測定し、バックグラウンドに対して正規化した。図6。第2のQUAS−Rを実施し、各フィルターセットを第3のマーカーパネルで再染色した。図5a。信号強度は、染色が適用された順序にかかわらず減弱を示さなかった。反復測定ANOVAは、3つの連続した染色間の信号強度において有意差を示さなかった[ビメンチンMDA−MB−231(p=0.201)、サイトケラチンLNCaP(p=0.291)、CD14 HUVEC(p=0.499)およびCXCR4 MDA−MB−231(p=0.857)]。
全体的な細胞の信号強度、およびQUAS−Rを実施した5つの細胞株での9つの細胞マーカーの変化を図6に示す。どのQUAS−Rラウンドにおいても、表面レセプターおよび細胞内マーカーは減弱しなかった。細胞は蛍光顕微鏡とZen Blue画像化ソフトウェアを使用して画像化した。各細胞の信号平均画素強度は0〜4096の範囲でソフトウェアにより導き出す。各画像のローカルバックグラウンドの信号平均画素強度は、0〜4096の範囲でソフトウェアにより導き出す。細胞の画素がローカルバックグラウンドの画素強度の少なくとも2倍の強度を有している場合、信号を陽性であるとみなす。通常、バックグラウンドの4倍の細胞強度を高陽性信号とみなす。スケールは、蛍光染料、フィルターキューブ、顕微鏡および露出時間に依存してわずかに変化する可能性がある。図6aは、PD−1がすべての細胞株において陰性であることを示す。図6bは、CD34がHUVEC細胞株において弱陽性であり、そのため全体的に低信号として現われていることを示す。図6cは、CD45がすべての細胞株において陰性であることを示す。図6dは、PD−L1は、標準偏差(SD)が大きいことが示すように変動しているが、大部分はA2058およびMDA−MB−231細胞において発現していることを示す。図6eは、CD14がHUVECにおいてのみ陽性であり、細胞上の突出部においてのみ発現するため大きく変動していることを示す。さらに、CD14信号は、HUVECのサブセットの周辺の突出部に局在しているため(図7)、細胞の内部で低信号および無信号となる。図6fは、EpCAMがLNCaP、MCF−7およびMDA−MB−231上で発現が変動する表面マーカーとして存在していることを示す。全体的に信号が低いのは、マーカーが局在化していることが原因である。EpCAMは、細胞間で信号の不均一度が高いため、発現が低く、SDは大きく表現されており、またレセプターは細胞表面に凝集しているため、細胞に信号が高い領域と低い領域が存在する。図8。図6gは、サイトケラチンがLNCaP、MCF−7およびMDA−MB−231細胞における細胞内フィラメントとして存在することを示す。図6hは、CXCR4が大部分はMDA−MB−231およびHUVEC細胞で発見される、変動が大きい表面マーカーであることを示す。変動が大きい細胞集団のためSDが大きいにもかかわらず、CXCR4がMDA−MB−231細胞に正しく局在した。図6iは、ビメンチンがHUVEC、MDA−MB−231およびA2058細胞内で細胞内フィラメントとして存在することを示す。
PD−L1およびビメンチンはすべて、正しい細胞株で高染色を示し(MDA−MB−231:高ビメンチン/高PD−L1、A2058:高ビメンチン/高PD−L1およびHUVEC:高ビメンチン)、正しい細胞株で低/無染色を示し(HUVEC:無PD−L1、LNCaP:無ビメンチン/低PD−L1およびMCF−7:無ビメンチン/低PD−L1)、一方、サイトケラチンはMCF−7、MDA−MB−231およびLNCapPで高染色を示した。2回の再染色間で強度が下がったバイオマーカーは無く、適切な細胞株の各々に適切な染色強度が現われたことが重要である。図6。例外の可能性としてはPD−L1だが、これは第3の染色中に下降したように見えるが、SD内に留まっていた。総合すれば、これらの実験は、QUAS−Rがエピトープの質に悪影響を与えず、蛍光標識した細胞を完全にクエンチングし、生物標本の再染色を可能とすることを実証した。
別の実施形態では、EpCAM発現の変動性はMDA−MB−231細胞内で示された。図8。図8aで白い矢印は、高発現するEpCAM細胞を、一方で、灰色の矢印は低発現する細胞を指し示している。図8bは、第2のパネルのEpCAM信号の拡大画像を示す。EpCAMは細胞全域にわたり点状に拡散しており、その結果全体的な細胞信号強度は数値的に低く現われている。
(患者試料)
標準的なCTC蛍光染色パネルは、FDAが承認したCellSearch(登録商標)システムと同じ臨床的に予後を判定するCTCを同定し、定量し、および採点できることが示されている。しかしながら、本発明は、サイトケラチン信号がダウンレギュレートした細胞、およびEpCAM信号が無い細胞を含む、EMTのさらなる数多くのサブタイプの同定を可能にする。上皮性マーカーのダウンレギュレーションはがんにおけるEMTの特徴であるが、さらに間葉マーカーのアップレギュレートを確認することは、それらの幹細胞および運動特性を適切にプロファイルするために重要である。
一実施形態において、膵がん患者由来の血液試料をろ過し、フィルター上に収集した細胞を、EMTマーカーパネル(CKおよびビメンチン)およびCD45で染色し、画像化した。ステージにかかわらず、膵臓試料の78%にEMTが認められたが、対照試料ではEMT、CAMLまたはCTCに対して陽性と判定されたものはなかった。がん患者試料は合計764のEMTを有し、1試料当たりの細胞数の中央値は10であった。9つのマーカーの存在を検出するために、QUAS−Rをすべてのがん試料上で実施した。ステージIVの膵臓試料のCK、EpCAMおよびCD45の発現プロファイルを図9aに示す。細胞を抗CD14、抗CXCR4および抗ビメンチンで再染色し再画像化した。図9b。全細胞を画像化した後に、第2のQUAS−Rを実施し、試料を抗PDL−1、抗CD34および抗PD−1で再染色した。図9c。各マーカーの存在を、各染色に対するEMT陽性のパーセントを表すヒートマップで示す。図9d。ヒートマップは、濃い灰色(100%)および白(0%)で表現されたパーセンテージを示している。灰色の濃淡は100%から0%までの陽性発現のパーセンテージを示す。
驚くことではないが、全EMTはCKに対して陽性で、CD45に対して陰性、またCD14およびPD−1も全EMTで陰性であった。これらはそれぞれマクロファージおよび活性化T細胞に対してマーカーであるためである。EpCAMはこの細胞型において非常にまれであり、細胞集団の2%にしか存在しなかった。図9d。EMTにおけるEpCAMの欠如はEMTプロセスにおいて良く認識されている部分である。ビメンチンは次に良く普及しているマーカーで、3つの細胞を除く全細胞、または全細胞の99%で発見された。EMTのプロセスでは、サイトケラチンがダウンレギュレートし、かつビメンチンがアップレギュレートすることが報告されているため、これは驚くことではない。このプロセスでは細胞の間葉系表現型が増加し、細胞の運動性が向上することが示されている。数名の患者がCXCR4を保有していることは、これらの間葉系細胞が移動性であることを示す。PD−L1とCXCR4の発現は、患者間で大きくばらつき、PD−L1陽性は100%から0%、CXCR4陽性は90%から0%の範囲におよんだ。さらに、CD34はほぼ発見されず、3患者の5細胞だけがわずかに陽性であった。
標準的CTC蛍光染色法を使用して、EMTをサイトケラチン、EpCAMおよびCD45の存在により同定し、定量し、そして採点した。循環細胞の患者試料でのEMTの同定により、診断および治療目的に対してQUAS−R技術が有効であることを示す。
これらの実験により、生体試料の細胞を複数の免疫標的で再画像化しサブタイプ分類できること、また、これらのマーカーを定量し、そして採点できることが実証された。複数の異なる生体試料のスライスを使用する生検である、古典的ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)のマルチパネルIHC検査とは異なり、QUAS−R法では同一の生体試料を複数のバイオマーカーで再染色することが可能となる。
生体試料を取得することは難しい場合があり、また、臨床的に重要なバイオマーカーは、陽性蛍光マーカーをわずか2〜3個、陰性蛍光マーカーを1個使用して表面的に同定されるに過ぎず、追加の分類マーカーは制限される。根底にある生物学的事象に関する臨床情報の検査のため、古典的な組織生検を使用する現在の慣例では、同一の生体試料由来の異なった断片(例えばFFPE断片)を検査しなければならない。例えばがん病理学では、IHCは標準的な生物アッセイであり、大きなFFPE生検組織切片から切断した薄片(最大5〜10μm)を使用して達成される。しかしながら、FFPE断片は同一ではないため、各染色剤は異なる細胞へ投与されることになる。それぞれが異なる細胞集団を有する複数の断片を、様々なサブタイプ分類マーカーで染色しても、診断および治療に必要な一貫した結果は得られない。一方、血液ベースの生検(BBB)では、関連する細胞型をいくつか分離するのみであることが一般的である。したがって、試料の大多数(74%)が有する診断上重要な細胞型(例えばCTC、CEC等)は2つより少ない(0〜81CTC/7.5ml試料)。どちらの状況においても、細胞の型を同定し、それらを臨床的に関連するマーカーに対してプロテオーム的にサブタイプ分類する必要がある。
EMT(低サイトケラチンおよび低/無EpCAM細胞)は、一般に乳がん、前立腺がん、肺がんおよび膵がんから分離される。しかしながら、患者のがんに関してさらなる情報が必要なことが多く、追加のマーカーを染色する必要がある。複数のバイオマーカーでの調査がEMTを適切に同定するために必要であるが、EMTに対する単一のバイオマーカーパネルは存在しないため、EMT指標バイオマーカーのパネルでこれらの細胞を検査することが正確な診断には必要となる。過去には、4〜5個を超える数のマーカーを染色してEMTを取得するには、複数の血液のチューブが必要であった。
生体試料のプロファイリングにおいて技術的な困難さは軽視できない。例えば、組織生検は、がん細胞の存在を検出し、かつ薬物標的のコンパニオン診断を実施するために利用される。免疫療法では、適切なマーカーで追加検査を行うことが腫瘍の特性を明らかにし、T細胞およびマクロファージの存在の有無に関して腫瘍微小環境を分析するのに必要である。腫瘍細胞を正確に同定し、薬剤標的を染色し、そして腫瘍微小環境を評価するには、FFPE試料の複数の断片、多数のバイオマーカー染色の使用が必要とされる。検査に利用可能な生検組織試料の数は大抵限られており、4〜5個を超える数のバイオマーカー染色を使用することはできない。9〜25個の臨床的に適用可能なバイオマーカーを使用して、FFPE組織または任意の生体試料を連続的にマルチパネルで再染色することにより、細胞のサブタイプの存在に関するより多くの情報を得られる。
別の実施形態では、患者の血液内のがんに関連する細胞の分析を含む。血液試料でのCTCのプロファイリングにおける技術的困難さの一つはCTCがまれにしか存在しないということである。がん患者の血液試料は、一般的に109の血液細胞当たり最大1個のCTCしか含まないため、過去、詳細な細胞プロファイリングを実施する能力には限界があった。CTCはDAPI、CTCを同定するサイトケラチン、および白血球を除外するCD45で蛍光的に同定されなければならず、プロテオーム的サブタイプ分類に利用可能なチャンネルはわずか1〜2個しか残っていない。標準的なマーカー(DAPI、EpCAM、CKおよびCD45)に加えて追加でCTCを染色できることが報告されているが、この染色の多くはマーカーを1〜2個に追加することに限定されている。同一患者の複製サンプルまたは複数のサンプルから分離したCTCの検査では、ある程度の多重化が可能であるが、血液中の腫瘍細胞は大変少なく、非常に不均質であり、また偏在しているため、このオプションでは一貫して信頼性の高い結果を得ることができなかった。血液試料におけるCTCのクラスター形成は計数したCTCのわずか39%でしかない。これは、高度に不均一の膵がん生検において観察されるCTCの細胞塊と同等である。図9に示すように、膵がん細胞間の強度変動はサイトケラチン、EpCAM、CXCR4、ビメンチン、PD−L1およびCD34において可視化できる。QUAS−R技術により、9〜25個の別個の蛍光抗体を簡易で低コストのクエンチングおよび再染色方法に使用して、血液試料のプロテオーム的細胞のサブタイプ分類を拡張できる。
CTC以外の重要な細胞型ががん患者の血液中に数多く存在する。例えばCAMLは腫瘍由来の循環細胞であり、早期がん検出を含む臨床応用の可能性が多々ある。CAMLに一貫して現われるマーカーには特に、CD14、CD34、CD146、CD11cがある。循環EMTは蛍光染色ビメンチンにより一貫して同定され得る。したがって、様々なマーカーの大規模パネルでの染色にQUAS−Rを使用することは、患者の血液中にある目的の全細胞の同定の改善には不可欠である。
最近、光活性化可能な蛍光体の部分的なBH4クエンチングは、クエンチしたタンパク質を変質せず、高解像度顕微鏡法と適合することが示された。ホウ化水素の特性はホウ化水素の任意のおよびすべての誘導体(例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素シアノなど)を使用して記述され、エピトープ破壊の懸念なく生体試料から蛍光信号を一時的に減弱させるのに適していることも示された。しかしながら、従来技術では蛍光を一時的に、わずかに減弱するのみで、蛍光を完全に除去できなかった。QUAS−R技術では、ホウ化水素を使用して、エピトープを損傷せず特定の蛍光体を永続的にクエンチングすることが含まれる。IHCの特定の蛍光はすべて、IHCのエピトープの視覚化や定量化を損なわずに、結合抗体から除去できる。ホウ化水素溶液はさらに残留するバックグラウンド蛍光を除去し、ブロックされたエピトープを露出させることができる。少なくとも6つの別個のコンジュゲートした蛍光体(alexafluor488、FITC、efluor615、efluor660、PE、APCおよびCyanine5)が、任意の有機染料(例えばefluor、ナノ結晶等)と同様にこの方法を使用して完全に消光された。実施例では、BBBでのQUAS−Rの使用を記述するが、本方法は固定されたか、または固定されていない試料を含む、任意の生物検定に適用可能である。
実施例では、EMTがすべてCKを発現しており、また多くはビメンチンを発現していることを実証する。もちろんEMTは、そのすべてが完全に同定されたわけではない、数多くの分子的およびプロテオーム的経路により定義された一時的なプロセスである。複数の細胞マーカーで染色できる能力によって、EMTプロセスを開始したCTCの根底にある生物学的事象、例えば低/陰性CK、EpCAM、を解明できる一方、細胞が本来は造血性(CD45)または骨髄性(CD14)の系統ではないことを実証できる。今や、バイオマーカーパネルを展開して公知の生物学的な細胞型およびマーカー型をすべて含めることができる。EMTに関しては、これらのパネルに、N−カドヘリン、TWIST、SNAIL、ZEB1等の他のマーカーを含むことができる。QUAS−R法は、マニュアル同定とAxio Vision’s Mark and Findモジュールとの組み合わせを使用する。しかしながら、これを完全な自動化システムに適合させてプロセスを合理化できる。過剰なサンプリングまたは不適合な試料断片を使用する必要無く、同定バイオマーカーおよび分類バイオマーカーを複数使用して、基礎的な同定を越えて生体試料を自動または手動でスクリーニングできる能力によって、診断精度および臨床的有用性は大いに高まる。
(実施例1)
(健常者および患者の血液試料)
2012年から2013年までウィスコンシン医科大学でステージI〜IVの膵がんの治療を積極的に受けていた患者から12の全末梢血試料を採取した。試料はウィスコンシン医科大学の地方の施設内治験審査委員会(IRB)に従って収集され承認された。患者はインフォームドコンセントに署名した。血液試料をすべてCellSave preservative tube(商標)(約9mL、Janssen Diagnostics)に取り込み、処理のため臨床で中核となる実験室へ輸送した。研究機関からの結果および患者の識別は、研究の完成まで共有されたり伝えらたりすることはなかった。患者試料はすべて、FITC標識抗サイトケラチン8、18、19;r−フィコエリトリン(PE)標識抗EpCAM;およびシアニン5標識抗CD45からなる、上皮細胞を染色する標準的な抗体の混合物で最初に標識した。
健康な匿名のボランティア(n=12)の血液試料は、書面によるインフォームドコンセントへの署名を経て入手した。インフォームドコンセントはWestern Institutional Review Boardに従い、承認された。ドナーの血液は、標準的な除外基準を使用する血液収集センターにあるため、例えば、試料はすべて正常で健康な個体由来であると判断された。血液試料をCellSave preservative tubeに保存し、処理のため臨床で中核となる実験室へ輸送した。
(実施例2)
(CellSieve(商標)フィルターで実施したCTC染色手順)
低圧の真空システムを使用して、CellSieve(商標)CTC Enumeration Kit試薬(Creatv MicroTech)で試料をろ過した。このシステムは約7ミクロンのサイズ排除に基づいてCTCを分離する。CTC計数染色剤(実施例4)を使用して、細胞を蛍光により染色し、そして同定した。低圧システムは、CellSieve(商標)フィルターが取り付けられたフィルターホルダーアセンブリーを使用して作成された。末梢血(7.5ml)を前固定緩衝液で希釈し、フィルターを通して吸引した。フィルターを洗浄し、CellSieve(商標)後固定緩衝液で後固定し、CellSieve(商標)透過緩衝液で透過処理した。捕捉した細胞を、FITC抗サイトケラチン8、18、19、PE−抗−EpCAMおよびCy5−抗−CD45からなる抗体カクテルで1時間染色し、そして、Fluoromount−G/DAPI(Southern Biotech)にマウントした。Carl ZeissのAxioCamを備えたオリンパスBX54WI蛍光顕微鏡を用いて試料を画像化した。露出は、細胞間で信号を同等に比較するため、2秒(Cyanine5)、2秒(PE)、100〜750msec(FITC)および10〜50msec(DAPI)にプリセットした。Zen2011 Blue(Carl Zeiss)とAxioVision Mark and Findモジュールを使用し、半自動化された形で、画像を処理し、細胞のx/y配置をマークし、そして、以前に画像化した細胞を再配置した。試料を1週間から2年間、保管所で4℃で保管し、そして配置した。
(実施例3)
(細胞株)
MCF−7(HTB−22)およびMDA−MB−231(HTB−26)ヒト乳がん細胞株;LNCaP(CRL−1740、クローンFGC)前立腺腺癌;A2058(CRL−11147)ヒト皮膚メラノーマ細胞株;および、HUVEC−C(CRL−1730)内皮細胞をATCC(Manassas、VA)から入手した。細胞株はすべて、ATCC推奨のウシ胎児血清(FBS)を含む細胞株特異的培地で増殖した。MDA−MB−231細胞株以外の細胞株は指示された細胞培養条件(5%CO2、37℃)で、3〜4日ごとに培地を交換しながら、T−75フラスコ内で維持した。MDA−MB−231細胞株のみCO2を加えず37℃で培養した。細胞はトリプシン−EDTA(ATCC Manassas、VA)を使用し回収し、125×gで5分間、遠心分離し、1%のパラホルムアルデヒドを含むPBSで再懸濁した。インキュベーション後、細胞を10倍PBS溶液で希釈し、遠心分離し、新鮮なPBSで再懸濁してから、正常な血液に加え、5分以内にミクロフィルターで分離した。
(実施例4)
(追加のマーカーパネル)
マーカーはマーカーに対する抗体により同定される。試料を、室温で1時間、蛍光の標識抗体でインキュベートして染色した。第1のCTCパネル:FITC標識抗サイトケラチン8、18、19;r−フィコエリトリン(PE)標識抗EpCAM;およびCyanine5標識抗CD45(Creatv MicroTech)、第2のパネル:Alexafluor488標識抗PDL1(2.5μg/mL)およびDylight650標識PD−1(5μg/mL)、PD−L1とPD−1どちらもMDアンダーソンがんセンターのSteven Lin博士からの寄贈、PE標識CD34(2.5μg/ml、クローン4H11)、および第3のパネル:FITC標識抗CD14(5μg/ml、クローン61D3)、PE標識抗CD184(5μg/ml、クローン2B11)、efluor660標識抗ビメンチン(2.5μg/ml、クローンV9)。
Carl ZeissのAxioCamを備えたオリンパスBX54WI蛍光顕微鏡を用いて試料を画像化した。露出は、細胞間で信号を同等に比較するため、2秒(Cyanine5およびAPC)、2秒(PE)、1000msec(FITCおよびAlexafluor 488)、500msec(efluor660)および10〜50msec(DAPI)にプリセットした。Zen2011 Blue(Carl Zeiss)を使用し、画像を処理し、細胞のx/y配置をマークし、そして、以前に画像化した細胞を再配置した。
(実施例5)
1.フィルター上の細胞の蛍光クエンチング(QUAS−R)
保管試料を、最初のCTC染色後1週間から2年で保管所から取り出した。試料は、クエンチング手順に先立って予め染色し、画像化し、そして、マークした。スライドを15分間、100mLの1×PBSに浸漬し、慎重に取り外した。フィルターを反応槽(Corning)に置き、1mLの1×PBSで5回洗浄した。
クエンチング:結合細胞を有するフィルターをドラフトチャンバー中で、室温で1時間、1mg/mlの水素化ホウ素ナトリウム溶液(Fisher Scientific)でインキュベートした。ホウ化水素溶液を除去し、フィルターを1mlの1×PBSで6回洗浄した。
非誘導体化およびアミン除去:アルデヒド固定中に、固定剤中のポリマーが反応し、タンパク質と架橋する。試料が古くなるにつれ、ポリマーは分解し、様々なポリマー誘導体が形成される。非誘導体化は、様々なポリマー誘導体の除去を説明するために発明者が作成した用語である。アルデヒド固定剤(グルタルアルデヒドまたはホルマリン等)はアミンおよびタンパク質と反応して自家蛍光を引き起こす。アミン除去では、遊離アミン、反応したアミン、およびそれらに付随した自家蛍光を洗い流す。これらのステップは、(a)清潔な反応槽(Corning)にフィルターを置き、そして、室温で1時間、100mMのTris、pH=9.0でインキュベートしてホウ化水素を除去し、(b)1mlの1×PBSでフィルターを3回洗浄して、Trisを除くことからなる。
再染色:1×PBS/20%FBSを反応槽に加え、30分間細胞をブロックした。インキュベーション後、PBS/FBS溶液を除去した。抗体染色の次のセットを反応槽に加え、室温で1時間置いた。抗体インキュベーション後、フィルターを1×PBS/1%Tweenで洗浄し、スライドをFluoromount−G/DAPI(Southern Biotech)にマウントした。
試料をx/y軸に沿って配置し、そして、以前に画像化した細胞を、蛍光顕微鏡およびZen2011 Blue(Carl Zeiss)ソフトウェア等のソフトウェアを使用して再配置した。画像および露出を上述のようにプリセットし、そして、Zen2011 Blue(Carl Zeiss)を使用して画像を処理した。細胞上の蛍光マーカーの画像化後、QUAS−R手順を次の抗体カクテルで繰り返し、そして、再画像化した。蛍光クエンチングを可視化することを含む、時間ゲート実験では、フィルターを排気フード内の蛍光顕微鏡(オリンパス等)下に配置し、そして、ホウ化水素溶液内にフィルターを残したまま画像化した。
2.スライドガラス上にマウントした細胞または生検の蛍光クエンチング(QUAS−R)
保管した生検試料を、最初の蛍光染色後1週間から2年で保管所から取り出した。試料は、クエンチング手順に先立って予め画像化し、そして、マークした。スライドを15分間、100mLの1×PBSに浸漬した。スライドを1mLの1×PBSで5回洗浄した。その後スライドをコートするか、またはドラフトチャンバーで、室温で1時間、1mg/mlの水素化ホウ素ナトリウム溶液(Fisher Scientific)を含むコプリンジャーに浸漬した。ホウ化水素溶液を除去し、スライドを1mlの1×PBSで6回洗浄した。スライドを清潔なコプリンジャー内に置き、室温で1時間、100mMのTris、pH=9.0でインキュベートした。Trisを除去し、そして、スライドを1mlのPBSで3回洗浄し、そして、1×PBS/20%FBSの入ったコプリンジャー内に30分間置いた。インキュベーション後、PBS/FBS溶液を除去し、そして、抗体染色の次のセットを室温で1時間、生検試料に追加した。抗体インキュベーション後、スライドを1×PBS/1%Tweenで洗浄し、そして、スライドをFluoromount−G/DAPI(Southern Biotech)にマウントした。試料をx/y軸に沿って配置し、そして、以前に画像化した細胞を、蛍光顕微鏡およびZen2011 Blue(Carl Zeiss)ソフトウェア等のソフトウェアを使用して再配置した。画像および露出を上述のようにプリセットし、そして、Zen2011 Blue(Carl Zeiss)を使用して画像を処理した。細胞上の蛍光マーカーの画像化後、QUAS−R手順を別の抗体カクテルで繰り返し、そして、再画像化できる。
(実施例6)
(細胞株におけるバイオマーカーの連続的スクリーニング)
各細胞株をミクロフィルターで個々にろ過し、各細胞型(n=3)を、抗体パネル1(CK、EpCAMおよびCD45)、抗体パネル2(PD−L1、CD34およびPD−1)または抗体パネル3(CD14、CXCR4およびビメンチン)のいずれかで染色した。図5a。画像化およびマーキングの後、個々のフィルターはそれぞれ、上述の通りにQUAS−R法によりクエンチし、次に第2の抗体セットで染色した。つまり、フィルターセット1を最初、CK、EpCAMおよびCD45で染色し、そして、次に抗体パネル2(PD−L1、CD34およびPD−1)で染色した;フィルターセット2は最初、PD−L1、CD34およびPD−1で染色し、そして、次に抗体パネル3(CD14、CXCR4、ビメンチン)で染色した;また、フィルターセット3は最初、CD14、CXCR4およびビメンチンで染色し、そして、次に抗体パネル2(CK、EpCAMおよびCD45)で染色した。元々マークされていた細胞をすべて発見し、そして再画像化した。
細胞株をすべて画像化した後に、2回目のQUAS−Rを各フィルターセットおよび細胞株で実施した。ここでは、フィルターセット1は抗体パネル3で再染色し、フィルターセット2は抗体パネル1で再染色し、フィルターセット3は抗体パネル1で再染色した。再び、元々マークされていた細胞をすべて発見し、そして再画像化した。
本発明を特定の実施形態および実施例に関して説明したが、本発明の概念は広く適用できる。
他の疾患および障害には、QUAS−R技術を使用して分析できる、目的の細胞および/または成分がある。活性または不活性のウイルス感染、ウイルス成分、細菌感染、細菌成分および他の疾患および疾患成分を含む細胞は血液および組織でも見出せる。各疾患または障害のマーカーは多様であるため、異なるバイオマーカーでの染色が必要となる。
アフィニティー成分は実施例において記述したような抗体に限定されない。アプタマー、レクチン、タンパク質、酵素等のような他の共通のアフィニティー成分も、QUAS−R技術において使用できる。
さらに細胞は様々な体液の中に存在し、例としては血液、尿、骨髄、リンパ組織、脳脊髄液、羊水、胆液、唾液、痰、腹水、胸水、子宮頚管液、卵巣嚢胞液、子宮内膜液、子宮洗浄液、リンパ浮腫があるがこれらに限定されない。本明細書に記述されたQUAS−R技術もこれらの体液内の異なる細胞およびバイオマーカーをスクリーニングするために使用できる。
任意のホウ化水素誘導体を試料のクエンチに使用できる(例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素シアノ、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、水素化ホウ素ベンジルトリエチルアンモニウム等)。前述のクエンチングの実施例では、水素化ホウ素ナトリウム誘導体を使用したが、他の誘導体も良好に機能する。
QUAS−R技術は細胞を含む任意の生体試料上で使用できる。生体試料の例には、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織、浮遊細胞、血液細胞、がん細胞、病変細胞、異なる臓器由来の組織、リンパ細胞、毛髪、皮膚、骨髄等が含まれるがこれらに限定するものではない。CTCは、プロセスを説明するために使用される細胞の一例に過ぎず、用途を限定するものではない。
QUAS−R技術はまた、基板上にマウントした試料に使用できる。基板の種類にはガラス、金属、ポリマー、プラスチック、紙、繊維材料などが含まれるがこれらに限定するものではない。
a.上述のクエンチング工程は、ポリマー上にマウントした細胞への適用を記述する。このプロセスは、生体試料をマウントするすべての材料で使用できる。
b.QUAS−R技術は、基板上にマウントしていない、溶液中の細胞で実施できる。
c.この技術はスライドガラス上にマウントしたFFPE試料で実施できる。
QUAS−R技術は時間経過が原因で起こる自家蛍光のある古い試料をクエンチするために使用できる。時間経過により蛍光体が分解する場合がある。時間経過により、アフィニティー成分(例えば抗体、アプタマー、レクチン、タンパク質、酵素等)が分解する場合もある。
a.これは固定された試料または固定されていない試料を含む。
b.特定の蛍光のクエンチに加えて、古い試料にはクエンチングが必要な追加の非特異蛍光がある。
c.非特異蛍光もプロセスの間にクエンチされる。
d.過去に染色されていない試料は、バックグラウンド蛍光および天然の自家蛍光の除去のためクエンチされなければならない。
e.固定生体試料または古い試料には三次構造において化学的修飾または変質によりブロックされる可能性のあるエピトープがある。クエンチングに加えて、ホウ化水素の副次的効果には、再染色のためエピトープのブロックを解除する能力がある。
QUAS−Rプロトコルは、最大5回、再染色できることが実証されている。一試料上でQUAS−Rを実行できる制限回数は、その必要性と細胞消失を防止するための試料の取り付け方法に依存する。
QUAS−Rの工程を実施するための試薬の種類および濃度、インキュベーション時間およびプロトコルは試料の種類により変化する。

Claims (20)

  1. 生体試料をバイオマーカーについて再染色する方法であって、
    a.蛍光を還元剤でクエンチングするステップと、
    b.非誘導体化させ、且つ、アミンを除去するステップと、
    c.前記試料を1つまたは複数の追加の蛍光マーカーで再染色するステップと
    を含む方法。
  2. 前記生体試料が、1つまたは複数の蛍光マーカーで予め染色されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体試料が、蛍光マーカーで予め染色されておらず、且つ、少なくとも1週間保管されたものである、請求項1に記載の方法。
  4. a.前記試料を表面上に固定するステップと、
    b.前記バイオマーカーを可視化するステップと
    をさらに含む、請求項2または請求項3に記載の方法。
  5. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素シアノ、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、および水素化ホウ素ベンジルトリエチルアンモニウムからなる群から選択されるホウ化水素誘導体である、請求項2または請求項3に記載の方法。
  6. 前記ホウ化水素が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項2または請求項3に記載の方法。
  7. 前記バイオマーカーが、細胞、ウイルス成分、細菌成分および疾患成分から本質的になる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  8. 前記細胞が、組織、血液中のがんに関連する細胞、CTC、EMT、CAML、CEC、血液細胞、リンパ細胞、毛髪細胞、皮膚細胞および骨髄細胞からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記がん細胞がヒトがん細胞である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記生体試料が、血液、尿、骨髄、リンパ組織、脳脊髄液、羊水、胆液、唾液、痰、腹水、胸水、膣液、卵巣嚢腫液、子宮内膜液、リンパ浮腫からなる群から選択される、請求項2または請求項3に記載の方法。
  11. 生体試料においてバイオマーカーについてスクリーニングする方法であって、
    a.蛍光を還元剤でクエンチングするステップと、
    b.非誘導体化させ、且つ、アミンを除去するステップと、
    c.前記試料を1つまたは複数の追加の蛍光マーカーで再染色するステップと
    を含む方法。
  12. 前記生体試料が、1つまたは複数の蛍光マーカーで予め染色されている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記生体試料が、蛍光マーカーで予め染色されておらず、且つ、少なくとも1週間保管されたものである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素シアノ、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、および水素化ホウ素ベンジルトリエチルアンモニウムからなる群から選択されるホウ化水素誘導体である、請求項12または請求項13に記載の方法。
  15. a.前記試料を表面上に固定するステップと、
    b.前記バイオマーカーを可視化するステップと
    をさらに含む、請求項12または請求項13に記載の方法。
  16. 生体試料においてバイオマーカーを特徴づける方法であって、
    a.蛍光を還元剤でクエンチングするステップと、
    b.非誘導体化させ、且つ、アミンを除去するステップと、
    c.前記試料を1つまたは複数の追加の蛍光マーカーで再染色するステップと
    を含む方法。
  17. 前記生体試料が1つまたは複数の蛍光マーカーで予め染色されている、請求項16に記載の方法。
  18. 前記生体試料が、蛍光マーカーで予め染色されておらず、且つ、少なくとも1週間保管されたものである、請求項16に記載の方法。
  19. a.前記試料を表面上に固定するステップと、
    b.前記バイオマーカーを可視化するステップと
    をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素シアノ、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、水素化ホウ素ベンジルトリエチルアンモニウムからなる群から選択されるホウ化水素誘導体である、請求項16に記載の方法。
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