JP2019502620A - 層状材料及びその処理方法 - Google Patents

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Abstract

層状材料から誘導されたナノプレートの製造方法は、次の工程:(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;(b)該分散液を少なくとも10kpsiの圧力に加圧し;及び(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105s-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させることを含む。これにより前記粒子からのナノプレートの剥離が生じる。ナノプレートは、例えば、グラフェンナノプレートとすることができる。工程(b)及び(c)を、剥離を促進するために多数のサイクルにわたって繰り返すことができる。この方法は、マイクロフルイダイザーを使用して実施できる。

Description

本発明につながる研究は、欧州連合(EU)の第七フレームワークプログラム(FP7/2007−2013)から、助成金協定番号604391の資金提供を受けて行った。
発明の分野
本発明は、層状物質の処理方法及びこのような処理の生成物に関する。本発明は、グラフェン及びグラファイトナノプレートを製造するためのグラファイトの処理加工に特に適用可能であるが、本発明は他の層状材料にも適用可能である。特に、排他的ではないが、本発明は、層状材料をベースとするインクを対象とする。
発明の背景
関連技術
フレキシブルエレクトロニクスは急速に拡大しつつある研究分野である。用途としては、タッチスクリーン、電子ペーパー(e−ペーパー)、センサ、無線周波数タグ、光電池、発光ダイオード及び電子テキスタイルが挙げられる。
ロールツーロール印刷又は被覆プロセス(スクリーン、インクジェット、グラビア及びフレキソ印刷、ウェブ又はスロットダイ被覆)は、フレキシブルエレクトロニクスの大面積製造のための有望な技術である。導電性トラック、トランジスタ、キャパシタ、並びに光起電力セル、バッテリ、有機発光ダイオード(OLED)、及びディスプレイなどのデバイスの電極など、様々な構成要素を印刷することができる。ロールツーロール印刷プロセスは多目的であり、限られた数のプロセス工程を含み、量産に適しており、しかも制御された量の材料を堆積させることができる。現在、透明導電性電極を必要とするデバイスでは、インジウムスズ酸化物(ITO)が使用されている。しかしながら、ITOは脆弱性であるため、フレキシブルデバイスは実現が困難である。また、インジウムは希少な物質であり、非常に高価である。
原料が透明である必要がない導電性トラックのような構成要素には、金属ナノ粒子インクが使用される。金属ナノ粒子インクは、脱イオン(DI)水、アセトン、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン(NMP)又はテトラヒドロフランなどの通常の溶媒中では安定でないと考えられている[Singh外(2010)及びLuechinger外(2008)]。そのため、これらの金属ナノ粒子インクは、安定剤を使用して分散させるために化学的に変性する必要がある。また、金属ナノ粒子は、印刷プロセス後に酸化しやすい[Singh外(2010)]。
グラフェンは、sp2炭素同素体のための二次元(2d)成分である。近接弾道輸送と高い移動性により、ナノエレクトロニクス、特に高周波用途に理想的な材料となっている。さらに、その光学的性質及び機械的性質は、マイクロメカニカルシステム及びナノメカニカルシステム、薄膜トランジスタ、透明及び導電性複合材料、電極及びフォトニクスにとって理想的である。グラフェンフォトニクス及びオプトエレクトロニクスの概説は、Bonaccorso外(2010年)に記載されている。
グラフェンの微小機械的剥離によってグラフェンを単離できることが知られている[Novoselov外(2005)]。この技術は、純度、欠陥、移動度及び光電子特性の点で良好な結果をもたらす。しかし、広範な用途のためには、大規模な製造アプローチが必要である。化学蒸着(CVD)による大規模製造方法[Li外(2009)]、炭化ケイ素の熱処理によるSi原子の昇華[Berger外(2004)]、金属基材からの分離及び液相剥離(LPE)[Hernandez外(2008)、Lotya外(2009)、Valles外(2008)及びHasan外(2010)]を提供する試みがなされている。例えばWO2014/064432において、従来の研究により、LPEは、以下で説明する印刷可能なインクを製造するのに好適な候補であることが確認されている。
グラファイトは、水性溶媒及び非水性溶媒の両方において、化学的湿式分散、その後超音波処理をすることによって剥離可能である。分散は、分散剤(例えば、界面活性剤、ポリマー等)を用いた水中でのグラファイトの穏やかな超音波処理、その後沈降ベースの超遠心分離によって達成できる〔Hernandez外(2008)、Hasan外(2010)及びMarago外(2010)]。特に、胆汁酸塩界面活性剤は、密度勾配超遠心分離と組み合わせたときに、制御された厚さのフレークの単離を可能にすることが報告されている[Green及びHersam(2009)]。また、グラファイトインターカレート化合物及び膨張性グラファイトの剥離も報告されている。
LPEは、Hummers法[Hummers及びOffeman(1958)]に従ってグラファイト酸化物を超音波処理することによって最初に達成された。酸及び酸化剤の存在下でグラファイトを酸化させると、sp2ネットワークが崩壊し、ヒドロキシル又はエポキシド基が導入され、末端にカルボキシル基又はカルボニル基が結合する。これらにより、グラフェン酸化物(GO)シートが水及び他のいくつかの溶媒に容易に分散可能になる。大型のGOフレークを製造することができるが、これらは本質的に欠陥があり電気絶縁性である。数名の研究者による試みにもかかわらず、還元されたGO(RGO)は、導電性を含めた本来のグラフェンの特性を完全に取り戻すものではない。したがって、グラフェンの電子的性質を保持する分散処理グラフェンフレークと絶縁性GO分散体とを区別することが重要である。いくつかのグループがGOベースのインクを報告した。Dua外(2010)には、センサ用途のインクジェット印刷RGO膜が報告され、Luechinger外(2008)では、標準的な金属ナノ粒子インクに代わる、低温金属コロイドとしてのRGO安定化Cuナノ粒子が製造されたが、これは高温焼結後処理が必要となる。
米国特許出願公開第2010/0000441号には、ナノグラフェンプレートリットをベースとする導電性インクが記載されている。ナノグラフェンプレートリットは、グラファイトを水、アルコール又はアセトンなどの液体媒体に分散させ、分散剤又は界面活性剤を添加し、そしてこの懸濁液を直接超音波処理することによって形成される。このインクは、インクジェットプリンタを用いる印刷に使用された。75kΩ/平方程度に低い単一印刷層の抵抗率が測定された。
米国特許出願公開第2008/0279756号には、米国特許出願公開第2010/0000441号と同様の記載があるが、遷移金属ジカルコゲナイドなどのグラファイト以外の層状材料を処理することがさらに示唆されている。
国際公開第2014/064432号には、層状物質からナノプレートを製造する方法が記載されている。特に、国際公開第2014/064432は、グラファイトからグラフェンを製造することに焦点を当てている。これは、意図した目的のために最も有用なグラフェンプレートリットを単離するために、グラファイト粒子を適切な溶媒中において超音波処理した後、超遠心分離することによって行われる。国際公開第2014/064432号には、グラフェンの特性評価に特に適した層状物質特性評価技術の詳細な説明が含まれる。この文献を参照により本明細書において援用する。
国際公開第2014/064432号 米国特許出願公開第2010/0000441号明細書 米国特許出願公開第2008/0279756号明細書
発明の概要
本発明は、特に、グラファイトナノプレート材料の製造方法が記載されている国際公開第2014/064432号において報告された研究を基礎とする。本発明において、用語「ナノプレート」は、Bianco外(2013)が提案した命名法に基づいて使用される。また、「単層/数層グラフェン」という表現は、典型的には10層以下(AFMによって測定され、これは5nm以下又は4nm以下の厚さに相当する)のグラフェン材料を識別するために使用される。国際公開2014/064432号で製造されたナノプレートの集団は、厚さ(層の数)及び直径の点で有利な特性を有する。しかし、超音波処理による剥離及びその後の遠心分離によるサイズ選択のプロセスは、容易に拡大縮小できない。これは、層状材料ナノプレートの工業規模の商業化に対する大きな制限である。したがって、本発明者は、遠心分離などのサイズ選択工程を必ずしも含むことなく(ただし、必要な場合にはこのような工程をさらに含むこともできる)、適切なナノプレートレットの寸法及び特性を与えることができる剥離に対する新たなアプローチを模索した。いくつかの好ましい実施形態では、遠心分離工程を省略することができる。
本発明は、上記問題の少なくとも1つに対処するために考案されたものである。好ましくは、本発明は、上記問題の少なくとも1つを軽減、改善、回避又は克服する。
したがって、第1の好ましい態様において、本発明は、層状物質から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも10kpsi(69MPa、690bar)の圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含む方法。
第2の好ましい態様において、本発明は、層状物質から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも8kpsi(55MPa、550bar)の圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含み、該工程(c)に供された分散液について、サイクル数に応じて、同一又は異なる微小流体チャネルを介して該工程(b)及び(c)を繰り返し行い、該サイクル数が少なくとも10回である方法。
第3の好ましい態様において、本発明は、第1又は第2の態様の方法によって得られた又は得ることができるナノプレートのキャリア液への分散液を提供する。
第4の好ましい態様において、本発明は、特定の機能性、例えば、電気的及び/又は熱的な伝導性又は絶縁性を有する水性インクであって、第3の態様に係るナノプレートの分散液を含む水性インクを提供する。
本明細書において、「ナノプレート」とは、<100nmの典型的な厚さ及び>500nmの長さを有する高アスペクト比構造(すなわち長さ/厚さ>10)であると定義される。
本発明は、ろ過又は遠心分離工程を必要とすることなく(ただし、このような工程を必要に応じて含めることができる)、高剪断微小流体処理によって層状材料からナノプレートを製造することを可能にする。驚くべきことに、ナノプレートを、高剪断微小流体処理によって剥離して、未処理の出発材料からであっても、比較的小さな(タイトな)直径及び厚み分布を有する比較的欠陥のないナノプレートを生成することができる。これにより、ナノプレートの工業的規模製造の道が開かれる。
本発明の第1、第2、第3及び/又は第4の態様は、次の任意の特徴のいずれか1つ、又は適合性がある限りにおいて、該任意の特徴の任意の組み合わせを有することができる。
好ましくは、分散液を少なくとも15kpsiの圧力に加圧する。より好ましくは、分散液を少なくとも20kpsi、少なくとも25kpsi又は少なくとも30kpsiの圧力に加圧する。圧力が低すぎると剥離が不十分になることが分かっている。圧力は、既知の方法で、例えば、増圧器ポンプを流動ラインに沿って使用して、粒子のキャリア液への分散液を保持するリザーバと微小流体チャネルとの間で生成し測定することができる。
グラファイトの剥離を例にとると、グラファイトをグラファイトナノプレートに剥離するための最小圧力は、グラファイトの粒度及び濃度にある程度依存することが分かっているため、日常的な実験を実施してこれらのパラメータに基づいて好適な作動圧力を評価することができる。例えば、高グラファイト充填量(例えば、50〜100mg/mL)を使用する場合には、少なくとも15kpsiの圧力が好適である。
より低い圧力を使用して、より低いグラファイト充填量(例えば、10mg/mL未満)に対してグラファイトをグラファイトナノプレートに剥離することができる。しかしながら、これらのより低い濃度は、高濃度のナノプレートが必要とされる用途には好ましくないことに留意すべきである。例えば、スクリーン印刷に使用される高粘度の導電性インクの場合、導電性材料の充填量は30mg/mL(すなわち、3重量%)よりも高くなければならない。
厚みが非常に小さいナノプレート(例えば、厚さ10層未満の単層/数層グラフェン)を形成することが望ましい場合には、グラファイト充填率が低い(>0.1mg/mL)単層/数層グラフェン(<10mg/mL)の有用な濃度を達成するために、多数の処理サイクル(少なくとも100回の処理サイクル:下記参照)で少なくとも30kpsiの圧力が必要なことがある。しかし、より低い圧力及びより少ない処理サイクル数で、より高い出発グラファイト充填量も有用な濃度を生成する。
ここで、本発明の好ましい実施形態において適用される剪断速度について説明する。レイノルズ数(Re)は、ρUD/μで与えられる、マイクロチャネル内の流れのタイプを決定するために使用できるパラメータであり、ここで、ρは液体密度(これは、水については1000kg/m3である)であり、Uは平均チャネル速度(約300m/sで算出)を意味し、Dは管径(好ましい実施形態で使用されるG10Zマイクロチャネルについては87um)であり、μは動粘度(1×10-3Ns/m2)である。算出されたレイノルズ数2.6×104は、マイクロチャネル内に十分に発達した乱流が存在することを示す(Re>>4000)。乱流剪断速度は、次式:γ=(ε/v)1/2で推定でき、ここで、εは乱流エネルギー散逸率(1×1010W/kg又はm2/s3)であり、vは動粘度(1×10-62/s)である。乱流エネルギー散逸率は、計算流体力学(CFD)シミュレーションによって決定される。乱流エネルギー散逸率の決定は、例えば、Launder及びSpalding(1974)並びにChakraborty(2012)で論じられており、これらの文献に開示された指針に従って特定の微小流体チャネルについて決定できる。好ましい実施形態で使用されるマイクロチャネル内において計算された平均乱流剪断速度は1×108-1であるが、これは、グラファイト剥離を開始するのに必要な最小剪断速度よりも4桁大きい[Paton(2014)]。したがって、グラファイトフレークの剥離は、主として、乱流変動によって生じる乱流剪断及び応力に起因すると考えられる。このような剪断速度は、プローブ又はロータ・ステータ付近でのみプローブ超音波発生器又は剪断ミキサーによって加えることができるが、バッチ全体に均一に適用することはできない。これに対し、本発明においては、分散液を微小流体チャネルに沿って強制的に流すことにより、適切な剪断速度を分散液のバッチ全体に均一に加えることができる。
したがって、分散液中の粒子に加えられる剪断速度は、少なくとも5×105-1であることが好ましい。より好ましくは、分散液中の粒子に加えられる剪断速度は、少なくとも106-1、少なくとも5×106-1、又は少なくとも107-1である。上記のように、粒子に加えられた剪断速度は有用な剥離を生じさせる。剪断速度が低すぎる場合には、複数の処理サイクルであっても、剥離の程度は十分ではない。
ナノプレートは、グラフェン(典型的には未処理のグラファイトから得られる)、金属(例えばNiTe2、VSe2)、半金属(例えばWTe2、TcS2)、半導体(例えばWS2、WSe2、MoS2、MoTe2、TaS2、RhTe2、PdTe2)、絶縁体(例えばh−BN、HfS2)、超伝導体(例えばNbS2、NbSe2、NbTe2、TaSe2)、トポロジカル絶縁体及び熱電体(例えばBi2Se3、Bi2Te3)などの元素材料の1種以上から選択できる。
好ましくは、層状材料はグラファイトであり、ナノプレートはグラフェンナノプレートである。最も好ましくは、層状物質は未処理のグラファイトであり、ナノプレートはグラファイトナノプレートである。
層状物質は、分散液1mL当たり少なくとも10mgの量でキャリア液中に存在することが好ましい。なお、層状材料の量は、キャリア液及び層状材料を含む分散液の単位体積当たりの質量に換算して表される。この区別は、層状物質の高充填量で特に重要となる。より好ましくは、層状物質は、キャリア液中に、分散液1mL当たり少なくとも20mg、分散液1mL当たり少なくとも30mg、分散液1mL当たり少なくとも40mg、分散液1mL当たり少なくとも50mg、分散液1mL当たり少なくとも60mg、分散液1mL当たり少なくとも70mg、分散液1mL当たり少なくとも80mg又は分散液1mL当たり少なくとも90mgの量で存在する。典型的には、例えば、層状物質は、分散液1mL当たり100mgの量でキャリア液中に存在する。分散液中に高濃度のナノプレートを生成するためには、より高い充填量が好ましい。充填量が多いほど、例えば導電性インクの場合に有用性が高くなる。これは、後の濃縮又はろ過工程によってキャリア液を除去する必要性を低減又は回避するからである。
好ましくは、この方法は、分散液1mL当たり少なくとも0.1mgの分散液中におけるナノプレート濃度を生じさせる。より好ましくは、この方法は、分散液1mL当たり少なくとも0.5mg、分散液1mL当たり少なくとも1mg、分散液1mL当たり少なくとも2mg、分散液1mL当たり少なくとも5mg、又は分散液1mL当たり少なくとも10mgの分散液中におけるナノプレート濃度を生じさせる。例えば、分散液1mL当たり約80mgの濃度が困難なく生じる。
いくつかの好ましい実施形態では、工程(c)に供された分散液に対して、同一又は異なる微小流体チャネルを介して、複数のサイクルに従って工程(b)及び工程(c)を繰り返し行う。この繰り返しは、本発明の第2の態様においても示されている。好ましくは、サイクル数は少なくとも5回である。サイクル数は、それよりも多くてよく、例えば少なくとも10回、少なくとも20回、又は少なくとも50回とすることができる。いくつかの実施形態では、約100回のサイクルが特に好適な場合がある。好ましくは、分散液に対して、1サイクルにつき1秒までの時間にわたって工程(c)を実施する。より好ましくは、分散体に対して、1サイクル当たり0.5秒までの時間にわたって工程(c)を実施する。さらに好ましくは、分散体に対して、1サイクル当たり0.2秒まで、0.1秒まで、0.01秒まで、0.005秒まで、又は0.001秒までの時間にわたって工程(c)を実施する。分散液に対して、例えば、200秒までの累積時間にわたって工程(c)を実施することができる。
微小流体処理は、少ない通過回数でホモジナイザーと同一の結果を得ることができるため、製薬及び食品産業で利用されている。微小流体処理を使用する産業では、多すぎる処理サイクル、例えば、20回超は考慮されない。本発明の好ましい実施形態では、層状材料粒子は、これらの粒子が微小流体チャネルに沿って通過するときの限定された時間(場合によっては1サイクル当たりわずか約10-4秒の時間[Jafari外(2007)])にわたって処理される。通過数を増やすと、システムのエネルギーに対する材料の露出時間が長くなる。したがって、このような短時間での効率的な剥離には高剪断が有効である(30kpsiは、G10Zチャンバー(微小流体チャネル)について>108-1の剪断速度に相当する)。しかし、エネルギー散逸は極めて良好に制御されており、一貫した剪断により、他の剥離技術と比較して反復可能なバッチ間の結果が得られる。
補助処理モジュールを、サンプルが小型幾何学的チャンバに入る前に微小流体チャネルの上流に配置してサンプルの前処理を補助することができ、又はチャンバの下流にラインに配置して背圧を加えることができる。この装置の特徴の詳細については、http://www.microfluidicscorp.com/microfluidizer−processors/m−110p[2015年8月10日アクセス]及びMicrofluidics Corp M−110Pユーザーガイドを参照することができる。
微小流体処理では、エネルギー密度E/V(J/m3)は、マイクロチャネルにおける低い体積及び非常に短い滞留時間に起因する圧力差に等しいと仮定することができる[Jafari外(2007)]。したがって、処理圧力30kpsiでは、E/V=207MPa=2.07×108J/m3である。この単位体積当たりの全エネルギー投入量のレベルでは、C=1mg/mLの単層/数層グラフェンの濃度(出発グラファイト粒子の濃度Ci=50mg/mL)が得られ、V=180ml及びt=2.77h(100処理サイクル)の典型的なバッチについてPr=65mg/hの生成速度(Pr=VC/t)が導かれる。この生成速度は、超音波処理又は高剪断ミキサー[Paton(2014)]についての同一のエネルギー入力の報告値よりも高い。微小流体処理のスケールアップは、流速Qを増加させる、すなわち、nサイクルにつき所定の体積Vを処理するのに必要な時間を減少させることによって容易に達成される(Q=nV/t)。したがって、生成速度は増加する(Pr=CQ/n)。大規模マイクロフルイダイザーは、Pr=7.2g/h(C=1mg/mL、Ci=50mg/mL)の生成速度に対応する12L/分程度に高い流速を達成することができる。GNPの生成速度は、本発明で報告された実験室規模のシステムを使用して5.2g/時間(Ci=80mg/mLについて)である。これは、例えば、100回のプロセスサイクルを使用する産業システムにおいて、576g/h(>5トン/年、>60,000リットルのインク)にスケールアップすることができる。したがって、本発明は、層状物質から誘導されたナノプレートの工業規模の製造に適した容易にスケールアップ可能なプロセスを提供する。
好ましくは、微小流体チャネルは、1〜1000μmの範囲の横寸法(例えば、直径)を有する。より好ましくは、微小流体チャネルは、多くとも300μmの横寸法(例えば、直径)を有する。微小流体チャネルは、好ましくは、少なくとも50μmの横寸法(例えば、直径)を有する。これらの寸法は、許容可能な流速と共に適切に高い剪断速度を可能にする。好ましくは、微小流体チャネルは略等軸である。例えば、微小流体チャネルの断面形状は、円形、楕円形、正方形又は略正方形とすることができる。
好ましくは、微小流体チャネルは曲がりくねった流路を与える。しかし、微小流体チャネルは、流れ分割経路又は流れ再結合経路を有しないことが好ましい。微小流体処理の分野では、流れ分割経路及び/又は流れ再結合経路を有する微小流体チャネルは、Y字型チャネルと呼ばれる。これに対し、本発明の好ましい実施形態は、曲がりくねった流路を指すが、流れ分割経路及び流れ再結合経路が存在しないZ字型チャネルを使用する。
好ましくは、キャリア液は水性である。これは、低コストで環境にやさしい処理に特に便利であり、また、水性インク配合物との相溶性も与える。
より一般的には、キャリア液は、特に複合インクの場合に、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール)、エーテル、エステル、アミド(DMF、NMP、CHP、DMEU)、アミン(例えばヘキシルアミン)、ハロゲン化物(例えば、クロロホルム、クロロベンゼン)、二硫化炭素、カーボネート(例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート)、炭化水素(例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、又はニートポリマー(例えば、アクリレート、エポキシ)の1種以上から選択できる。好ましくは、キャリア液は、水、アルコール、N−メチルピロリドン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、イソプロピルアルコール、エタノール及び/又は他の有機溶媒の1種以上から選択される。最も好ましくは、キャリア液はアミドを含む。
分散液は、1種以上の安定化剤を含むことができる。好適な安定剤は、ポリマー又は界面活性剤(陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性イオン性、生物系界面活性剤など)とすることができる。
本発明のさらなる発展例では、本発明者は、ナノプレートレットを機能化するために、上で定義した方法の変形例を発明した。上記発明において、ナノプレートは、ラマン分光法、熱重量分析(TGA)及びX線光電子分光法(XPS)によって特性評価されたときに、化学的に変性されていないことが好ましい。しかし、化学的に変性されていないナノプレートの製造の他に、特定の化学官能基で官能化されたナノプレート(例えば、グラフェン又は他のナノ材料)を製造することができる場合についても大きな興味がある。これにより、ナノ材料を所望の機能に適合させるための大きな「ツールキット」となる。
上記目的が基本的に変性されたナノ材料の「新規な」特性を利用することである場合には、グラフト化学の汎用性及び容易性は非常に重要である。機能化の程度は、その目標が、例えば溶解性、構造的マトリックス適合性、蛍光又は触媒活性であるかどうかにかかわらず、最終用途に適合されるべきである。ナノ材料構造の最小限の改変で要求される特性を最大にする高分子量又は分岐種を導入することが望ましい場合が多い。
化学変性の具体的な利点のいくつかは、例えば、機械的、熱的及び電気的特性の改善を可能にする、ナノ材料の溶解性の改善及び複合マトリックスとの適合性である[Hodge他(2012)]。
したがって、本発明の第1の態様を、ナノプレート官能化試薬を分散液に添加する工程を含むように改変することができ、ここで、ナノプレートは、工程(c)中にナノプレート官能化試薬との反応によって官能化される。
同様に、本発明の第2の態様を、ナノプレート官能化試薬を分散液に添加する工程を含むように改変することができ、ここで、ナノプレートは、工程(c)中にナノプレート官能化試薬との反応によって官能化される。この場合、工程(c)を分散のために第1時間にわたって実施する前に、ナノプレート官能化試薬を分散液に添加することができる。その代わりに又はそれに加えて、分散液に対して工程(b)及び(c)を行う少なくとも1サイクル後に、ナノプレート官能化試薬を分散液に添加することができる。
剥離の開始後にナノプレート官能化試薬を添加することにより、ナノ材料表面が反応により接近しやすくなるため、より均質な官能化が得られると考えられる。
したがって、ナノプレート官能化試薬を分散液に添加する複数の工程を、分散液に対して工程(b)及び(c)を実施するサイクルの間に行うことが好ましい場合がある。
ナノプレートの官能化の概念は知られているが、本発明者は、剥離に使用される微小流体処理プロセスにおいて官能化を比較的簡単にかつ高効率で与えることができると考える。化学変性プロセスは、微小流体処理相互作用チャンバ内におけるナノ材料と化学官能化試薬との閉じ込め及び均一混合から大きな利益を得る。
さらに、相互作用チャンバ内で発生した熱を使用して反応を開始させることができる。選択された反応に応じて、このような高エネルギー処理によって発生した熱を使用して、通常は数日間にわたって混合物を沸騰させることを要とする過酷な反応を実施することができる。
あるいは、特定の反応のために必要な場合には、相互作用チャンバを冷却することができる。
変性としては、ジアゾニウム塩付加、1,3−双極子環付加、シリル化、酸化、ラジカル系反応、還元、ポリマーグラフト反応、チオール/硫黄官能化などの共有結合変性が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。好適な変性は、例えば、Hodge外(2012);Georgakilas外(2012);Presolski及びPumera(2016年);Knirsch外(2015)に記載されており、それらの内容は参照により本明細書において援用される。
微小流体化装置は、微小流体化装置内で主役となるべき材料及び反応に対して不活性な、分散液との接触用の材料を選択することによって、目的の反応に適合させることができる。
このように、改変されたプロセスは、ナノ材料の同時分散及び化学変性のための産業的にスケールアップできる方法を提供する。このような材料は、いくつかの好適な用途を挙げれば、インク、被膜又は複合材料として使用できる。より詳細には、適切な用途としては、構造複合材、オプトエレクトロニクス素子の部品(有機太陽電池、有機発光ダイオード、液晶ディスプレイ、タッチスクリーン、バスバー)、通信の部品(RF−IDタグ及びアンテナ)、エネルギー貯蔵の部品(バッテリ及びスーパーキャパシタ)、検知用部品(ガスセンサ、健康センサ及び食品センサ)、プリント回路ラインの部品(太陽電池グリッドライン、相互接続、プリント回路基板)及びスマートテキスタイルの部品(ウェアラブルエレクトロニクス、テキスタイル上の導電トラック)が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。本発明のさらなる任意の特徴を以下に示す。
ここで、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に例示する。
図1は、本発明の好ましい実施形態におけるグラファイトの剥離のために使用される微小流体プロセスの概略図を示す。 図2(a)は処理前のグラファイト粒子のSEM像を示す。図2(b)は、出発原料(0サイクル)及び5回、20回、100回の処理サイクル後のフレークの横サイズのヒストグラムを示す。図2(c)は、100回の処理サイクル後のグラファイト粒子のSEM画像を示す。 図3(a)及び図3(c)は、それぞれ100サイクル及び20サイクル後に生成されたGNPのAFM画像を示す。図3(a)において、グラフェンシートは1nmの厚さで示されている。図3(c)には典型的なGPNが示されている。図3(b)及び図3(d)は、それぞれ図3(a)及び図3(c)に示される線についてのAFMプロファイルを示す。 図4(a)は20回の処理サイクルについてのフレーク厚さのヒストグラムを示す。図4(b)は、20回の処理サイクルについての厚さに応じたフレーク直径を示す。図4(c)は20回の処理サイクルについてのアスペクト比を示す。図4(d)は、100回の処理サイクルについてのフレーク厚さのヒストグラムを示す。図4(e)は100回の処理サイクルについての厚さに応じたフレーク直径を示す。図4(f)は100回の処理サイクルについてのアスペクト比を示す。 図4(g)は、図4(a)と図4(d)とを重ね合わせたものをトレンドラインと共に示す。図4(h)は、図4(c)と図4(f)とを重ね合わせたものをトレンドラインと共に示す。 図5(ai)〜5(dii)は、次のものからそれぞれ得られた代表的な回折パターン及び仮想暗視野像を示す:図5(a.i)及び5(a.ii)単結晶フレーク、図5(b.i)及び5(b.ii)多結晶フレーク、図5(c.i)、5(c.ii)、5(d.i)及び5(d.ii)互いに重なり合う3つの結晶を含む多結晶フレーク。スケールバーは1μmである。 図6(a)〜(e)は、製造時のグラファイトナノプレート(GNP)の化学構造の特性評価を示す。図6(a)は、受取時のグラファイト及び微小流体処理グラファイトの不活性雰囲気(N2)中での熱重量分析の結果を示す。異なる洗浄手順を用いてデオキシコール酸ナトリウム(SDC)界面活性剤を除去した。挿入図は、分解して酸化ナトリウム灰を生成するSDCの不活性雰囲気中でのサーモグラムを示す。図6(b)はグラファイト及び微小流体処理GNP(100サイクル)のATR−FTIRを示す。ダイヤモンドATR結晶から生じるピークは、約2400〜1800cm-1の波数範囲で示されている。図6(c)は、グラファイト及び微小流体処理GNP(100サイクル)のXPS調査スペクトルを示す。図6(d)〜(e)は、それぞれグラファイト及び微小流体処理GNP(100サイクル)の高分解能C1sスペクトルを示す。赤色の曲線(最も下の曲線)はシャーリーの背景を表す。 図7(a)はグラファイトについての514.5nmでのラマンスペクトル(一番下の曲線)並びに20回のプロセスサイクル後(一番下の曲線から2番目)、50回のプロセスサイクル後(一番下の曲線から3番目)、70回のプロセスサイクル後(一番下の曲線から4番目)及び100回のプロセスサイクル後(一番上の曲線)の代表的なフレークの同ラマンスペクトルを示す。 図7(b)はPos(G)の分布を示す。図7(c)はFWHM(G)を示す。図7(d)はI(D)/I(G)を示す。 図7(e)は、Disp(G)に応じたI(D)/I(G)の分布を示す。図7(f)はFWHM(G)に応じたI(D)/I(G)の分布を示す。 図8(a)−(b)は、それぞれ20サイクルにわたって処理されたインクについてのFWHM(G)及びDisp(G)に応じたI(D)/I(G)のプロットを示す。図8(c)及び(d)は、それぞれ100サイクルにわたって処理されたインクについてのFWHM(G)及びDisp(G)に応じたI(D)/I(G)のプロットを示す。 図9(a)は、本発明の好ましい実施形態に係るインクの定常状態の粘度を、72.5重量%GNPの充填量での剪断速度の関数として示す。挿入図は、GNP濃度(重量%)の粘度の変化を示す。図9(b)は、本発明の好ましい実施形態に係るインクの異なる処理サイクル数に対するG’、G”及びtanδパラメータを示す。図9(c)は、本発明の好ましい実施形態に係るインクについてのGNPの異なる重量%に対するG’、G”及びtanδパラメータを示す。 図10(a)は、72.5重量%のGNPを含む配合物についての処理サイクルに応じたシート抵抗及びフィルム厚さを示す。図10(b)は、異なるGNP充填量についての厚さに応じたシート抵抗を示す。図10(c)は、異なるGNP充填量についての厚さに応じた導電率を示す。図10(d)は、GNP充填量に応じたバルク導電率及び臨界厚さを示す。図10(a)〜(d)に示された全てのサンプルを100℃で10分間アニールした。 図11(a)〜(c)は、それぞれ、出発グラファイト、5回の処理サイクル後及び100回の処理サイクル後のグラファイトを含む被膜から得られたSEM画像を示す。 図12は、72.5重量%フレークについてのフィルム厚さに応じた導電率の合致を示す。 図13(a)は、本発明の実施形態に係るインクについてのアニーリング温度に応じた導電率を示す。図13(b)は、本発明の実施形態に係るインクについてのアニール時間に応じた導電率を示す。図13(c)は、GNP被膜のTGAサーモグラムをSDC及びCMC成分と共に示す。 図14(a)は、ポリマーシート上へのスクリーン印刷によって堆積された交互配置電極構造の図を示す。図14(b)は、電極構造のトラックの顕微鏡写真を示す。 図15(a)は、ポリマーシート上に堆積された別の導電性構造の図を示す。図15(b)は、図15(a)の構造のインピーダンスの周波数依存性を示す。図15(c)は、図15(a)の構造の周波数応答を示す。 図15(d)は、紙に印刷された容量性タッチパッド設計(29cm×29cm)の図を示す。図15(e)及び(f)は、図15(d)の印刷デザインの拡大図を示し、ライン解像度が100μm以上であることを示す。 図16は、プロセスサイクルの数が増加するにつれてGNP濃度が増加することを示す(グラフェン濃度は光吸収によって決定される)。 図17(a)及び(b)はGNP濃度に及ぼすプロセス変数の影響を示す。 図17(c)及び(d)はGNP濃度に及ぼすプロセス変数の影響を示す。 図17(e)及び(f)はGNP濃度に及ぼすプロセス変数の影響を示す。 図18は、微小流体剪断処理及び遠心分離後のフレークのAFM画像を示す。 図19は、本発明の一実施形態に従って製造されたGNP分散液の粒径分析の結果を示す。 図20(a)及び(b)は粒度分析をより詳細に示す。 図20(c)及び(d)は粒度分析をより詳細に示す。 図21は、本発明の実施形態に係るインクを使用して形成された透明導電性フィルム(TCF)のシート抵抗(Rs)と、超音波処理を使用して形成されたTCFとを比較したものである。 図22は、本発明の一実施形態に係る、DLSによって決定されたh−BNフレークの横サイズを示す。 図23は、本発明の実施形態に従って形成されたh−BNフレークの走査型透過型電子顕微鏡(STEM)画像を示す。 図24は、本発明の実施形態に従って形成されたh−BNフレークの走査型透過型電子顕微鏡(STEM)画像を示す。 図25は、異なる数の微小流体処理プロセスサイクルについて本発明の実施形態に従って形成されたh−BNフレークの吸光度を示す。 図26は、脱イオン水分散液中において20kspiで30サイクル後に生成されたGNPの514nmにおける典型的なラマンスペクトルを示す。 図27(a)及び図27(b)は、異なる重量%のGNPを有するフィルムについての貯蔵弾性率及び損失弾性率の変化を示す。
本発明の好ましい実施形態及び追加の任意の特徴の詳細な説明
本発明の好ましい実施形態は、高剪断微小流体プロセッサーを使用してグラファイトをグラフェン及びグラファイトナノプレート(GNP)に剥離するための単純で効率的な経路を示す。処理条件に応じて、異なる幾何学的特性を有するナノプレートを水溶液中で製造することができる。これらのものは、高粘度の導電性インクを配合するために、レオロジー調整剤としてカルボキシメチルセルロースと組み合わせることができる。ナイフ塗布又はスクリーン印刷によって製造されたフィルムは、300℃で40分間の熱アニーリング後に、厚さ25μmで2Ω/sq程度に低いシート抵抗(導電率2×104s/m)を与えることが示される。本明細書に開示されたプロセスは、単純で、スケールアップ可能で、しかもコスト効果が高い。GNPの生成収率は100%である。好ましくは、冗長な遠心分離工程が回避される。実際に、遠心分離を使用しないことが好ましい。より詳細には、本発明者は、GNP(より厚いフレーク)の処方のために遠心分離を使用しないことを好む。遠心分離は回避できる工程だからである。遠心分離は、必要に応じて少数の層のグラフェン(FLG)/より薄いフレークを単離するためにしか必要でない。
導電性向上には微小流体処理の5回の処理サイクルで十分であることが示される。銀又は銅などの高価な金属インクの交換を、無線周波数識別(RFID)タグを安価な可撓性プラスチック基材上に印刷することを用いて説明するが、これらの導電性インクには広範囲の他の用途が存在することは明らかである。
序論
(オプト)エレクトロニック素子(有機光電池、有機発光ダイオード)における電極、無線周波数識別(RFID)アンテナ、無機薄膜太陽電池用の電流コレクタグリッドなどの導電性構成要素は、現在、高い導電率(>107S/m)のため銀又は銅ナノ粒子インクを利用するいくつかの用途に使用されるに過ぎない(Dearden外(2005)、Grouchko外(2011)、Chen外(2013)、Choi外(2015)]。しかし、大量生産されるフレキシブル電子デバイスでは、銀インクはデバイスに高いコストを付与し(Reis Benatto外(2014))、かつ、適切に配置されなければ環境に悪影響を与えるため[Sondergaard外(2014)]、理想的な選択肢ではない。銅又はアルミニウムインクに関しては、印刷後の酸化は性能を低下させる[Khan外(2015)、Kamyshny及びMagdassi(2014)]。したがって、安価でかつ安定な選択肢が必要とされている。これらの問題に対する有望な解決策が豊富に存在するグラファイトである。単結晶グラファイトは、2.3×106S/m程度に高い面内導電率を達成することができる(Uher外(1987))が、グラファイトインクから作製された被膜は、典型的には、103S/mのオーダーの導電率を示す[http://www.gwent.org/(2015年9月21日にアクセス)]。このように、グラファイトインクは、EMI(電磁波干渉)[Wu及びChung(2005)]、RFI(無線周波妨害)[Chung(2001)]、電気化学センサ[Wang外(1998)、リチウム電池[Nitta外(2015)]、バイオセンサー[Gorton(1995)]などの用途に使用されてきた。それにもかかわらず、グラファイトは、グラフェンとして知られている単一原子シートに剥離されることによって、その適用範囲を拡大する可能性を秘めている。グラフェンは例外的な電気的、光学的、機械的及び熱的特性を示し、特に可撓性のある印刷エレクトロニクス部門[Ferrari外(2015)]において、エレクトロニクス市場を再形成する可能性がある。
グラフェン用途に対する進展は、生産量及び得られるナノ材料の特性に依存する。安価でスケールアップ可能な処理のために、グラファイトは、典型的には、液相剥離(LPE)技術[Hernandez外2008]を使用して、より薄いスタックに剥離される。しかし、超音波処理されたグラフェンは欠陥のないものではない場合があり[Bracamonte外(2014)、Polyakova外(2011)、Yi外(2013)]、超音波処理誘発キャビテーションの出力分布及び強度は、容器のサイズと形状に左右され、生産規模に応じて変化することが実証された。最も重要なことに、生成速度はスケーラビリティの重要な制限であるV/tでは変化しない。
近年報告された剪断混合は、少数の層のグラフェンの生成速度増加(5.3g/時)を実証するために使用された[Paton外2014]。しかしながら、やや低い濃度(C≦0.1mg/mL)により、全体の適用空間が制限される[Varrla外(2014)]。グラフェンを、さらに制御可能な方法で、必要に応じて幾何学的な特性で生成する方法に対する要望が依然として存在している。さらに、未剥離粒子を除去するための遠心分離は、スケーリングをさらに制限する時間のかかる別のプロセスである。
グラファイトは、表面張力がグラフェンの表面エネルギーと一致する適切な溶媒への安定な分散液を与えるLPEによってグラフェンに剥離できる。あるいは、界面活性剤又はポリマー分子を使用して、再付着及び沈降に対してフレークを安定化させる[Coleman外2009]。得られた剥離フレークは、印刷用導電性インクに配合できる。印刷プロセスによっては、インクは、良好な印刷品質を達成するために特定の要件を満たす必要がある。印刷に使用できるインクの主な特性は、粘度、密度、表面張力である(Woo外(2013))。低粘度のインク(1〜40mPas)は、インクジェット印刷又はバー塗布に適している一方で、ハイスループット印刷技術には、それよりも高い粘度が必要である:例えば、グラビア印刷(10〜200mPas)、フレキソ印刷(50〜500mPas)、スクリーン印刷(>500mPas)[Tobjork及びOsterbacka(2011)]。インクジェット印刷グラフェンの実現性は、N−メチルピロリドン中での超音波処理によって剥離したグラフェンを使用して、95cm1-1-1までの移動度を有する薄膜トランジスタを実証したTorrisi外[2012]によって最初に実証された一方で、Secor外[2013]では、250℃で30分間アニールした後に、インクジェット印刷グラフェンパターンの導電性が2.5×104S/mまでであることが報告された。しかし、後者の場合には、グラフェン/エチルセルロース粉末を得るために溶媒中で塩凝集及び再分散を繰り返す複雑なプロセスと同様に、先端超音波処理によるグラフェン製造もスケーラビリティを制限する。Gao外[2014]には、超音波補助超臨界CO2を使用してグラファイトを剥離する別の手法が報告され、剥離後、シクロヘキサノン及びエチルセルロースをそれぞれ溶剤及び安定剤として使用してインクを配合した。導電率が9.24×103S/mのインクジェット印刷ストライプが達成された。これらの上記手法の両方は、高い導電率を達成するために有機溶媒及び高温アニーリングを含む。
この研究では、簡単でスケーラブルな費用対効果の高いLPE技術、すなわち非常に制御可能でスケーラブルな方法でグラファイトを剥離するための微小流体処理を提案する。得られた剥離フレークは、印刷、被覆又ははけ塗りに適した新規水性導電性インクに配合される。
実験
A.材料
グラファイトフレーク(Timrex KS25、D90<27.2μm)(イメリスグラファイトカーボン・スイス社)を、レオロジー調整剤としてのデオキシコール酸ナトリウム(SDC)(アルドリッチ(Aldrich)No.30970)界面活性剤及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)(Mw=700.000、Aldrich No.419338)と共に使用した。いくつかの実験を天然グラファイト(ドイツ国Technografit GmbH、25μm未満のD90)で実施したところ、合成グラファイトと同様の結果が得られた。
B.方法
微小流体処理
水性グラファイト/SDC混合物を、87μmの管径を有するZ型相互作用チャンバ(G10Z)を備えた高剪断流体処理装置(M−110P、Microfluidics Corporation、Newton、MA、USA)で処理した。混合物を、様々なプロセスサイクルを用いて30kpsiで処理した。相互作用チャンバの後に自家製冷却システムを設置して分散液の温度を20℃に維持した。
洗浄
化学構造を特性評価する前に、生成されたフレークを次の2つの試験手順で洗浄してSDC界面活性剤を除去した:
(i)遠心洗浄:10mLのIPAを、GNPを沈殿させるために使用されるGNP分散液5mLに添加した。分散液をポリカーボネート遠心分離ボトル(250mL、62×120mm)中において水で250mLに希釈し、J−LITE JLA−16.250固定角ローターを備えたAvanti J−26S XP(Beckman Coulter)を使用して14,000rpm(30,000g)で30分間にわたって遠心分離してGNPを沈降させた。水/SDC上澄み液を捨て、さらに水を加えてGNPを洗浄した。このプロセスを水については3回、エタノールを使用してさらに4回繰り返した。
(ii)ブフナー濾過洗浄:10mLのIPAを、GNPを沈殿させるために使用されるGNP分散液5mLに添加した。この懸濁液をWhatman No.1の直径70mmの濾紙で濾過し、500mLの水、続いて500mLのエタノールで洗浄した。GNP粉末を真空下で乾燥させ、濾紙から穏やかにかき集め、又はエタノール中で穏やかに超音波処理し、続いて溶媒を蒸発させ、オーブン中で70℃で乾燥させた。
遠心分離
TH−641スイングバケットローターを備えたSorvall WX−100超遠心分離機を使用して、サンプルを10000rpm(約15000g)で1時間にわたって遠心分離した。
レオロジー変性
GNPインクを製造した後、CMCを分散液に室温で3時間かけて10mg/mLの最終濃度までゆっくりと添加した。完全な溶解が観察されるまで混合物を連続的に撹拌した。
印刷
湿潤フィルムの厚さを決めるスペーサーを使用して、ガラス顕微鏡スライドガラス(25×75mm)上にインクをナイフ塗布した。フィルムを100℃で10分間乾燥して水を除去した。スクリーン印刷を、1インチ当たり120メッシュカウントのスクリーンを備えた市販の半自動フラットベッドスクリーンプリンタ(Kippax kpx 2012)を使用して行った。ポリウレタンスキージを使用してスクリーンの開口部を通してインクを0.1m/sの速度で押し出すことにより、縞模様を剛性基材(ガラス顕微鏡スライド)、可撓性基材(PET、125μm厚、PMX729 HiFi Industrial Film社)及び多孔質基材(ニトロセルロース、0.2μm孔径)上に印刷した。フィルムを100℃で10分間にわたって乾燥させて水を除去した。
C.特性評価
光吸収分光法
Perkin−Elmer Lambda 950分光器を、遠心分離後のGNP分散液の光学吸収分光測定に利用した。GNAN濃度は、Hasan外(2010)及びLotya外(2009)と同様に、660nmで1390Lg-1-1の吸収係数を使用して推定した。
顕微鏡検査
日立S−5500システムを使用して走査型電子顕微鏡(SEM)を実施した。各サンプルにわたって様々な位置及び倍率で複数の画像を撮影した。SEM特性評価について、分散液を希釈し、そして300nm熱成長SiO2を有するSiウェハ(LDB Technologies社)上に滴下し、さらに洗浄してSDC界面活性剤を除去した。同じサンプルを、Bruker社製Dimension Icon原子間力顕微鏡を用いてピークフォースモードの原子間力顕微鏡法(AFM)によって特性評価した。Nikon光学顕微鏡を使用して印刷パターンの可否を評価した。
X線光電子分光法(XPS)
粉末サンプルを銅箔基材に被着させ、Escalab 250Xi装置(Thermo Scientific)を使用することによって、50eVの通常走査及びエネルギーステップサイズ0.1eVの通過エネルギーでXPSにより分析した。アナライザーのスキャンモードはConstant Analyzer Energy(CAE)であった。結合エネルギーは、284eVでグラファイトのsp2C1sピークを基準とした。CasaXPSソフトウェアを使用して、データフィッティング及び分析を行った。
走査電子回折(SED)
SED実験を、NanoMegas Digistarシステムを用いて50kVで作動させたフィリップスCM300電界放出ガン透過電子顕微鏡(FEGTEM)を使用して実施した。これにより、顕微鏡の蛍光観察画面を撮像する外部光電荷結合素子(CCD)カメラによる電子回折パターンの走査及び取得を同時に行うことが可能になった。
熱重量分析(TGA)
TGA実験を、TA Q50装置(TA Instruments、USA)を使用して実施した。サンプルを10℃/分で25〜100℃に加熱し、次いで100℃で10分間等温に保持して残留水分を除去した。次いで、温度を10℃/分で1000℃まで上昇させた。
減衰全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR)
ATR−FTIRスペクトルを、UATRモジュールを備えたFrontier FTIR(Perkin Elmer)を使用して収集した。4000〜550cm-1の範囲にわたって記録されたスペクトルは、2cm-1のスペクトル分解能を有する32の個々のスキャンの平均を表す。
ラマン分光法
50×対物レンズを備えたRenishaw InViaマイクロラマン分光光度計を使用して、457、514、633nmの励起波長でラマンスペクトルを取得した(N.A.=0.85)。熱損傷及び過熱を回避するために、サンプルについて1mW未満の電力を保った。
レオロジー特性評価
平行板(直径40mm)セットアップを利用して、TA Instruments社製のDiscovery HR−1レオメーターを使用してインクの流動挙動を調査した。0.5mmの隙間で剪断速度を1から1000s-1に増加させることによって流れ曲線を実施した。動的振幅掃引を、1rad/sの周波数で0.1から1000%歪みまで実施した。全てのレオロジー測定を25℃で実施した。
電気的特性評価
被膜のシート抵抗を、4点プローブ(Jandel)を使用して1サンプル当たり4つの異なる位置で測定した。粗面計(DektakXT、Bruker)を使用して各対応点の被膜厚さを測定した。
無線周波数(RF)特性評価
RFIDアンテナを、市販の電磁シミュレーションソフトウェア(CST−Microwave Studio)を使用して設計した。アンテナの特性評価にあたっては、Keysight Technologies PNA−X N5245ベクトルネットワークアナライザ及びKeysight Technologies N9030Aスペクトルアナライザを使用した。入力インピーダンス並びに送信測定のためにRFIDタグに与えられる最大入力電力を0dBmに制限した。全ての測定を、N4692A電子式校正キットを使用した校正後に実施した。スペクトラムアナライザ測定用の受信アンテナは、動作周波数が750MHz〜18GHzのダブルリッジ型ETS−3115アンテナであった。UHF(865−868MHz)周波数でのアンテナ利得は約5dBiであった。RFIDタグをPNA−Xに接続し、UHF帯域幅をカバーしかつ送信機として作用する連続波を供給した。その後、受信ホーンアンテナをスペクトラムアナライザに取り付け、RFIDタグから1m離れたところに置いた。ホーンに送信された出力レベル及びFriisの式から、読み取り範囲を算出した。
結果及び考察
A.グラファイト剥離
典型的なプロセスでは、グラファイトフレーク(Timrex KS25、D90<27.2μm)を、50mg/mlの濃度で、分散剤として9mg/mlのデオキシコール酸ナトリウム(SDC)界面活性剤と脱イオン水中で混合した。この混合物を、Z型のジグザグ形状相互作用チャンバ5(G10Z)を備えた高剪断流体処理装置(M−110P、Microfluidics社)で処理した。この微小流体処理プロセスは図1に示されており、図1では、グラファイトフレーク2の分散液を導入するための入口リザーバ1が示されている。分散液を、圧力計6によって測定される増強ポンプ4によって加圧する。分散体の加圧のために、分散液を相互作用チャンバ8に押し出す。相互作用チャンバ8は、蛇行する微小流体チャネル9を有するものとして単純化された形態で示されている。相互作用チャンバ8の後、分散液を、出口リザーバ12に達する前に冷却システム10によって冷却してもよい。
したがって、このプロセスは、プロセスサイクルを変化させて(1〜100回)ミクロンサイズのチャネルからなる相互作用チャンバを介して高圧(最大30kpsi)で液体−液体又は固体−液体混合物を連続的に流すことを伴う。チャネル内における流体速度は500m/sに達することができ、生じる剪断速度は、従来のホモジナイザー、ローターステーターミキサー、又はコロイドミル[Panagiotou外]よりも数桁高い106s-1を超える。液体が相互作用チャンバ8を通過した後に、温度は20℃から55℃に上昇する。相互作用チャンバ8の後の冷却システム10が分散液の温度を約20℃に低下させる。これは重要なことである。これがなければ、数サイクル後に温度が上昇し続け、溶媒が沸騰し始めるからである。微小流体処理は、産業上確立された技術であり、製薬及び食品産業で広く使用されている。この研究では、グラファイト充填量を増加させ(1〜100g/L)、SDCが9g/Lの、DI水中におけるグラファイト/SDC混合物を複数回(1、5、10、20、30、50、70、100回)処理した;相互作用チャンバを通る混合物の各パスを1回の処理サイクルとみなす。
図2(a)は、アイソメトリックで不規則な回転楕円体の形態を示す出発グラファイト粒子から得た典型的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。剥離されたフレークは、マイクロフルイダイザーから受け取ったままの状態で特性評価した(遠心分離工程は適用されない)。分散液をSi/SiO2基材上に滴下流延した後に、凝集を避けるために分散液を希釈した(50g/Lから0.05g/Lへ1000倍)。サンプルをさらに5滴の水とエタノールとの混合物(体積比50:50)で洗浄して界面活性剤を除去した。3つの異なる倍率を使用した;各倍率につき、各サンプルにわたって10箇所で画像を撮影した。製造会社によれば、これらの粒子の90%が27.2μm未満の直径を有するところ、これは図2(b)のSEM統計値(0サイクル)とよく一致する。80を超える粒子の統計的分析から、約32μmまでの直径が明らかになる。また、図2(b)は、5、20及び100回のサイクル後の剥離フレークのサイズを示す(50g/Lのグラファイトの充填量)。処理サイクルが増加するにつれて、半値全幅(FWHM)の狭小化を伴う漸進的な直径縮小が示される。図2(b)に示すシーケンスにおける横軸スケールの変化に注目されたい。100回のサイクル後に、平均フレークサイズは約1μmである。サイズの減少は、レイノルズ数及び乱流剪断の算出に関して上記したように、剥離及び断片化によるものである。
遠心分離を使用して、100サイクルサンプル中におけるより大きなグラファイト粒子を沈降させた。上澄み液を回収し、光吸収分光法を用いて分析した。Beer−Lambertの法則[Torrisi外(2012)]を使用して、50mg/mLの出発グラファイトを含む分散液について1mg/mLの最終濃度を推定し、2重量%の収率を得た。原子間力顕微鏡(図3(a)及び3(b))から、厚さ約1nmのフレークが明らかになったが、これは、単層又は二重層グラフェンの存在を示す。遠心分離前の分散液のAFM(図3(c)及び3(d))から、直径1.9nm及び1.7nm並びに厚さ8.5(ラインC)及び25nm(ラインB)の大きなフレークが示された。この物質は98重量%を占める。さらに、AFMを行って、微小流体処理(20及び100回のサイクル)中にフレークの幾何学的特性(横サイズ及び厚さ、すなわちアスペクト比)の変化を調査した。3つの統計用サンプルについて、それぞれ60μL(統計用分散液から3回液滴を得る)を、各分散液(20及び100回のサイクル)から採取し、水とエタノールの混合物(体積比50:50)5滴で洗浄して、界面活性剤を除去する。フレークの幾何学的特性を、異なるサンプルから得られた20μm×20μmのスキャンサイズから計数した300個のフレークについて抽出した。20回の処理サイクル後、フレークは約10nmの厚さにピークを有する対数正規分布を示し(図4(a))、平均値は約19nmであり、テールが110nmに拡張された。100回の処理サイクル後(図4(d))、分布は、最大約7.4nmで低い厚さ、約12nmで平均の厚さ、及び75nmまででより急速な減衰に向かってシフトした(フレークの4%が<4nm、96%が>4nm75nmまで)。全体的に、図4(c)及び4(f)に与えられたアスペクト比は、処理サイクルと共に増加することが分かったが、フレークの横サイズ全体は、さらなる処理と共に減少する。フレークの平均アスペクト比は、20回サイクルでの約41から100回サイクルでの約59に増加した。以下、生成されたフレークを、グラファイトナノプレート(GNP)という。
個々のフレークの結晶構造を、100サイクル後にSEDを使用して調査した(異なる処理サイクルのサンプル間には統計的差異は認められなかった)。局所的な結晶学的ばらつきを、いわゆる「仮想暗視野」画像(図5)を形成するためにプローブ位置に応じて各回折パターンの選択されたサブセットの画素に回折強度をプロットすることによって視覚化する。単結晶(図5(a))、少ない数(5未満)の配向(図5(b))を有する多結晶及び多い数(>5)の小さな結晶(図5(c)、(d))を含む3つの広いクラスのフレークを観察した。これにより、個々のフレーク間に異質性が存在し、100サイクル後に有意な割合(このサンプルでは約70%)が多結晶であることが示される。
処理中に発生することのあるグラファイト酸化その他の共有官能化など、生成されたGNPの化学変化を評価することが重要である。熱重量分析(TGA)、減衰全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR)及びX線光電子分光法(XPS)を用いた特性評価の前に、微小流体処理GNP(100サイクル)を、様々な手順を使用して(実験の部参照)洗浄してSDC界面活性剤を除去した。グラファイト構造上の吸着された官能基及び共有結合された官能基の両方を専ら除去するために、不活性雰囲気(窒素)TGA(図6(a))を行った。受取時のグラファイトは、700℃以上で約2重量%の分解することを示した。遠心洗浄後の微小流体処理GNPは、300〜400℃で2重量%の重量損失が明らかになった。しかし、ブフナー濾過洗浄では、この分解は完全に除去されたが、これは、この重量損失が400℃で分解し始める残留界面活性剤によるものであったことが示唆される(図6(a)挿入図参照)。したがって、GNP材料をATR−FTIR及びXPSで特性評価する前に、このブフナーろ過洗浄手順を使用した。受取時のグラファイトと比較すると、GNPの熱分解は、液相処理後のグラファイト結晶子径が小さいため、約6重量%の重量損失を伴って低温(約600℃)で生じた[Welham外(1998)、Benson外(2014)]。ATRFTIRスペクトル(図6(b))から、受取時及びGNPサンプルの両方においてO−H(3600cm-1)、C−H(2960cm-1)、C=O(1740cm-1)、C=C(1588cm-1、芳香族)、C−O(1230cm-1及び1170cm-1)伸張モードが存在することが示された[Williams(1963)]。しかしながら、受取時のグラファイトとGNP材料との間のこれらの延伸モード強度の増加はなく、微小流体処理中に明らかな官能化が存在しないことが確認された。事実、これらのピークの強度は、化学的に変性されたグラファイトのFTIRスペクトルとはかなり対照的である[Jeon外(2012)]。それにもかかわらず、非常に少ない酸素部分の存在は、CO及びCO2の発生のため、TGAで観察される高温分解に寄与する可能性が高い[Dreyer外(2010)]。さらに、XPSを使用してこの観察を確認すると共に、C:O原子比を解明した[Yanga外(2009)]。受取時のグラファイト及びGNP材料の調査スキャンスペクトル(図6(c))から、ATR−FTIR観察に沿って、C1s(約284eV)及びO1s(約531〜533eVピーク)のみが明らかになった。残留界面活性剤を示す場合があるNaピーク(約1071eV)は存在しなかった。高分解能スペクトル(図6(d)及び図6(e))から、受取時のGNP及びGNPの両方のCスペクトルが、次の3つの成分:C=C(284eV)、C−O(約285〜286eV)及びπ−π*遷移(約290eV)に一致し得ることが示されたが、これは、存在する官能基の種類が変化しないことを示唆する。全体的なC1s:O1sの原子比も匹敵するものであった(それぞれ35.1及び25.9)。既存の官能基は、主としてグラファイトの縁部に存在すると推定されたため、処理後にフレークの横サイズが減少するにつれて底面部位に対する縁部の比が増加するため、GNPの酸素含有量の増加が起こりやすい。しかし、GNPについても、このC:O比は、改変Hummer法によって生成された酸化グラフェン(GO)について観察されたものよりも一桁大きい(約3)[Yanga外(2009)]。さらに、Yanga外(2009)には、熱的処理及び化学的処理を用いた還元グラフェン酸化物(rGO)への還元後に、C:O比が15未満にとどまることが示された;これは微小流体処理によって生成されたGNPについて測定された比の約半分であり、GNPが化学的に変性されていないことを再確認するものである。出発グラファイト及び剥離フレークの両方の高分解能C1sスキャン(図6(d)及び6(e))は、次の3成分と一致することができる:非対称sp2C−C(284.5eV)、C−O(約285〜286eV)及び約290eVでのπ−π*遷移。C−Oピークの相対面積が出発グラファイトにおいて約2%から約5にまでわずかに増加するだけである。
ラマン分光法を使用して、生成したフレークの品質を評価した。約60μLの水性分散液を1×1cmのSi/SiO2基材に滴下流延した。次に80〜100℃で20分間加熱して水を蒸発させ、その後水とエタノールの混合物(体積比50:50)で洗浄した。20、50、70及び100回サイクル処理したサンプルについて統計的分析を行った。ラマンスペクトルを、以下のように電動ステージを使用することによって収集した:基材を200×200cm2の9つの等間隔領域に分割した。各領域において3点を取得した。この手順を、それぞれ20、50、70及び100回サイクル及び3つの波長(457、514.5及び633nm)について処理した4つのサンプルについて繰り返した。全てのサンプルについて収集された全ての点のうち、20のスペクトルを統計分析に使用する。
図7(a)は、出発グラファイトと、20サイクル(下から2番目)、50サイクル(下から3番目)、70サイクル(下から4番目)、100サイクル(一番上)で処理されたフレークとの代表的なスペクトルをプロットしたものである。Gピークは、Γでの高周波数E2gフォノンに対応する。Dピークは、6原子環の呼吸モードによるものであり、その活性化のためには欠陥を必要とする。これは、ブリルアンゾーンコーナーKの周りの横断光学(TO)フォノンに由来する。これは二重共鳴(DR)では活性であり、Kohn Anomaly(KA)に起因する励起エネルギーで強く分散的である。DRは、谷内プロセスとして行うこともでき、すなわちK(又はK’)の周りの同じ円錐に属する2点を接続することもできる。これにより、いわゆるD’ピークが得られる。2DピークはDピークのオーバートーンであり、2D’ピークはD’オーバートーンである。2D及び2D’のピークは、反対の波ベクトルを有する2つのフォノンによって運動量保存が満たされるプロセスに由来するため、それらの活性化のために欠陥は必要ではなく、そのため常に存在する。2Dピークは、SLG内の単一のLorentzianであるのに対し、これは層数が増加するにつれていくつかの成分に分割されるところ、これは電子バンド構造の進化を反映するものである。バルクグラファイトでは、これはGピークの高さのおよそ1/4と1/2である2つの成分から構成される。不規則炭素において、Gピークの位置Pos(G)は、励起波長λLが減少するにつれて増加する。したがって、ΔλLの変化に応じたPos(G)の変化率を示すGピーク分散Disp(g)=ΔPos(G)/ΔλLは、無秩序に増加する。Disp(G)と同様に、Gピークの半値全幅FWHM(G)は無秩序に増加する。したがって、D及びGピークの強度比I(D)/I(G)を、FWHM(G)及びDisp(G)の強度と組み合わせて分析することにより、同一サンプルの縁部に局在する障害とバルクにおける障害とを区別することができる。後者の場合には、より高いI(D)/I(G)はより高いFWHM(G)及びDisp(G)に対応すると考えられる。
514nmで測定した出発グラファイトフレークのラマンスペクトルを図7(a)に示す(一番下の曲線)。バルクグラファイトでは、2つの最も強い特徴は、1580cm-1のGピークと2700cm-1の2次元ピークである。Gのピークは、ブリュアンゾーンの中心でのE2gフォノンに相当する[Ferrari外(2006)]。2DピークはDピークの2次である[Ferrari外(2013)]。Dピークはsp2環の呼吸モードによるものであり、二重共鳴(DR)による活性化の欠陥が必要である[Ferrari外(2006)、Ferrari外(2013)、Ferrari及びRobertson(2000)、Tuinstra及びKoenig (1970)]。本発明の出発グラファイトのラマンスペクトルでは、マイナーDピーク(1350cm-1)が観察され、DピークとGピークの強度比I(D)/I(G)は約0.05である。この値は、1.2×1010cm-2の平均欠陥密度[Cancado外(2011)]に対応する、合成グラファイト中の欠陥の初期存在に起因するものと考えられる。2Dピークは単層グラフェンの単一バンドであるが、バンド構造の進化を反映して2層グラフェンの4つの成分に分かれる[Ferrari外(2006)]。バルクグラファイトでは、これはGピークの高さの約1/4及び1/2の2つの成分からなる。Dピークが存在しない場合であっても、同じ運動量の2つのフォノンの活性化のために欠陥は必要とされないため、2Dピークは常に見られる。DRは、谷間でも生じることができる、すなわち、K又はK’の周りの同じ円錐に属する2点を結び、D’ピークを生じさせることができる。20サイクルの剥離後に得られたフレークの代表的なラマンスペクトルを図7(a)に示す(下から2番目の曲線)。2Dピークは、依然としてグラファイトに典型的な二成分構造に似ており(図7(a)、下の曲線)、フレークが十分な剥離を受けていないことを示している。また、Dピークも、出発グラファイト対応物より大きい約0.15の平均I(D)/I(G)で存在する(Dピークと共に)。これは3.6×1010cm-2の増加平均欠陥密度に相当すると考えられる[Cancado外(2011)]。Pos(G)の平均値は1580.4cm-1である(図7b)。平均FWHM(G)は17.3cm-1であり(図7c)、出発グラファイト中に見られる平均FWHM(G)15.5cm-1よりも大きい。FWHM(G)は、常に無秩序に増加する[Ferrari外(2003)及びCancado外(2011)]。また、不規則炭素では、Gピーク位置Pos(G)は、赤外(IR)から紫外(UV)への励起波長の減少と共に増加する。したがって、Gピーク分散Disp(G)=_ΔPos(G)/ΔλL(ここで、λLはレーザー励起波長である)は、無秩序に増加する。しかし、20回の処理サイクルではグラファイトフレークを薄くすることは効果的ではないが、図2(b)のヒストグラムから分かるように、グラファイトフレークの横サイズが縮小する。したがって、フレークの大部分のほかに、フレークの縁部も本発明のμmサイズレーザースポット内で探査される。そのため、I(D)/I(G)とFWHM(G)及びDisp(G)とを組み合わせることにより、フレークの縁部に局在する障害とサンプルの大部分の障害とを区別することができる[Ferrari及びRobertson(2001)]。後者の場合、高いI(D)/I(G)は、高いFWHM(G)及びDisp(G)に相当すると考えられる。20サイクルにわたって処理されたフレークのDisp(G)<0.01cm-1/nm(457nm、514.5nm及び633nmで測定された多波長ラマンスペクトルから生成)は、無秩序炭素よりもはるかに低い[Ferrari及びRobertson(2001)]。また、Disp(G)、I(D)/I(G)、FWHM(G)の分布は相関していない。図8(a)及び図8(b)]。このような相関がないことは、Dピークに対する主な寄与がサンプルの縁部から生じることを示唆しており(Casiraghi外(2009))、これはさらに、出発材料に既に存在するもの以外の微小流体プロセスによって導入された追加の欠陥がないことを確認するものであった。したがって、D及びD’ピークは、フレーク内に多量の障害の存在に割り当てられるのではなく、マイクロメートルサイズのフレークの縁部に割り当てられる[Casiraghi外(2009)]。
50サイクルと70サイクルにわたってそれぞれ処理された材料の20回以上の測定の分析から、50サイクルについては1582.8cm-1のPos(G)の平均値が得られ(図7(b))、70サイクルについては1582.3cm-1の同平均値が得られる。FWHM(G)(図7c)は、それぞれ17.78cm-1及び16.63cm-1である。I(D)/I(G)比(図7d)は、50サイクルの場合には0.01〜1.35の範囲であり、70サイクルの場合には0.24〜0.3の範囲である。2Dバンドは、グラファイトの場合と同様に依然として2つの成分を示すが、両者の強度比には差がある。サイクル数を増やすことにより、薄片が薄くなっていることが示される。
図7(a)(上の曲線)は、100サイクルの処理後のフレークの代表的なラマンスペクトルを示す。Pos(G)の平均値は1582.8cm-1である。図7(d)のI(D)/I(G)強度比は、0.07〜3.3の範囲である。なお、この場合、2Dピークは単一のLorentzianであり、個々のグラフェンナノシートよりも大きいFWHM30cm-1である。さらに最近のデータから、100サイクルの処理後に、2DピークがFWHM23.4cm-1を有することが示されている。したがって、たとえフレークが多層であっても、第1近似までは、これらは単一層の集合としての挙動を示す[Ferrari及びRobertson(2000)、Casiraghi外(2009)]。I(D)/I(G)、FWHM(G)、Disp(G)を分析することによって、I(D)/I(G)とFWHM(G)の間、I(D)/I(G)とDisp(G)の間には、直線的相関性の兆候があり、これは両方ともフレークの大部分の面内欠陥の存在を示している[Ferrari及びRobertson(2001)]。しかし、Disp(G)は、極めて不規則な炭素(0.1cm-1/nm)[Ferrari及びRobertson(2001)]に見出されるものよりも低いままである(Disp(G)_≦0.02cm-1/nm)。このような相関は、アモルファス化軌道のいわゆる「段階1」と適合可能である[Ferrari及びRobertson(2000)]。規則的なグラファイトとナノ結晶性グラファイトとの間の遷移に相当するこのアモルファス化の初期段階では、Gピークは依然として分散的ではなく[Ferrari及びRobertson(2001)]、Dピークの開始には、障害の存在によるGピークの広幅化を伴う。
20、50、及び70回処理されたサンプルについて、I(D)/I(G)とDisp(G)とFWHM(G)との間に相関はない(図7(e)及び7(f))。これは、Dピークがフレークの縁部に由来することを示す。フレークを100サイクル処理した場合には、Disp(G)は0.009cm-1/nmであり、これは依然として0.1cm-1/nmよりも低いが、I(D)/I(G)とDisp(G)との間には明確な相関があり、また、I(D)/I(G)については、FWHM(G)の関数としてのトレンドも存在する。I(D)/I(G)の最高値は、FWHM(G)の最高値に相当し、これは、100サイクルでの微小流体プロセスによる剥離が材料の過剰処理を開始し、フレーク中に平面欠陥を導入することを示す。
穏やかな微小流体処理は、欠陥のないグラフェンフレークを生成することができる。ラマンスペクトルを、20kpsiで30サイクル処理しかつ10krpmで1時間遠心分離した後に生成したフレークについて457、514及び633nmで収集した。図26は、得られたフレークの典型的なラマンスペクトルを示す。G及び2Dピークの他に、フレーク内の多量の障害に割り当てられるのではなく、フレークのサブマイクロメートルの縁部に割り当てられる有意なD及びD’ピークも存在する。これは、Gピーク分散Disp(G)<0.02cm-1nm-1によって支持され、不規則炭素よりもはるかに低い。2Dピークは単一のLorentzianであるが、個々のフレークのそれよりも大きい。したがって、たとえフレークが多層であっても、これらはフレークが電子的に分離され、第1の近似にまで単一の層の集合としての挙動を示す。
B.導電性インクの配合及び印刷
微小流体剥離プロセス後に、GNP−界面活性剤分散液のレオロジーは、特定の印刷技術の最適化を必要とする。ここで、インク粘度は、一般的な生体高分子[Ummartyotin及びManuspiya(2015)]及び効率的なレオロジー改質剤[Di Risio外(2007)、Pavinatto外(2015)]であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)(重量平均分子量、Mw=700.000、Adrich No.419338)を使用してスクリーン印刷のために調整される。CMCはフレークを沈降に対して安定させる。CMCは、広範囲(数mPa〜数十Pa)にわたって溶液粘度を調整することができる水溶性セルロース誘導体である。CMCを10g/Lの濃度で室温で3時間かけて添加する。全てのCMCを一度に添加する場合には、溶解が非常に困難な固体の「塊」が生成されるため、この手順が必要である。SDC(9mg/mL)及びCMC(10mg/mL)を一定に保ち、GNP含有量を増加させて(1、10、20、30、50、80、100mg/mL)、様々なインク配合物を製造した。印刷されると、これらのGNP充填量は、それぞれ、総固形分の5、34.5、51.3、61.2、72.5、80.8及び84重量%に相当する。0.5mmの隙間で剪断速度を1から1000s-1にまで増加させることによって、流れ曲線を測定する。これらの剪断速度は、スクリーン印刷中に適用される剪断速度であるからである。図9(a)は、剪断速度に応じた72.5重量%のGNPを含有するインクの定常状態粘度を示す。CMCはインクにチキソトロピー性を付与する[Benchabane及びBekkour(2008)];100s-1の剪断速度で570mPa.sから1000s-1で140mPa.sにまで剪断力を加えると粘度が低下する。この非ニュートン剪断薄化挙動は、溶液中のポリマーコイルの解絡、又は流れ方向におけるポリマーコイルの配向の増加によって引き起こされる[Benchabane及びBekkour(2008)]。加えられた剪断応力が増加するにつれて、流動抵抗(粘度)が減少する。このような挙動は、貯蔵条件で粘度が非常に高い(剪断速度<10-3-1)ときに、インクの貯蔵寿命の安定性を改善する。印刷中には、剪断が加えられ、粘度が低下する。印刷後、この粘度は回復する。この挙動は、インクがスクリーンメッシュに浸透しているときに1000s-1の最大剪断が達成されるスクリーン印刷などの技術にインクを使用することを容易にする[Lin外(2008)]。図9(a)の挿入図は、100s-1における粘度をGNP充填量に応じてプロットしたものである(100プロセスサイクル)。ポリマー溶液の粘度は、5重量%のGNPを添加すると0.56から0.43Pa.sに著しく低下し、後述するようにGNPの50重量%超を回復し始め、80.8重量%で0.6Pa.sに達することが観察された。インクレオロジー挙動、微細構造及び安定性に関する情報は、振動レオロジー測定[Clasen及びKulicke(2001)]によって得ることができる。CMCは、材料に保存されるエネルギーの尺度である弾性率又は貯蔵弾性率(G’)と、流動のために必要なエネルギーを説明するために使用される粘性又は損失弾性率(G”)とによって説明される粘弾性特性をインクに付与する。粘弾性挙動は、粘性対弾性挙動の比を表す損失係数tanδ=G”/G’の観点で評価される。この係数の値が低いほど、所定の歪み又は周波数における材料は固体状(すなわち、弾性)である。線形粘弾性領域は、1rad/sの周波数で実施されたひずみ掃引において定義された(図27参照)。図9(b)では、1%歪み及び1rad/s周波数で得られたG’、G”及びtanδがGNP充填量に対してプロットされている。わずか5重量%のGNPの添加により、セルロース構造の水素結合が破壊されるためG’及びG”の両方が減少した。弾性率は、インク内の粒子ネットワーク強度の増加に関連し得る30重量%を超える充填量についてはニートポリマーの値を上回って回復した[Somalu外(2013)]。損失弾性率G”は、良好なレベリングを可能にする塗布後の流れに必要なG’よりも高かった。同様に、スクリーン印刷では、乾燥中にG’が支配し始める前にインクがメッシュを通過することができる。全体的に、tanδは剥離により減少し、さらに固体的な挙動をもたらす。また、G’、G”及びtanδ値も、GNPの充填量を72.5%で一定に保ちながら異なるサイクルで処理されたフレークを含むインクについて推定した(図9(c))。貯蔵及び損失弾性率は、さらなる微小流体処理サイクルで増加することが分かった。より小さな粒子サイズ及びより高い剥離度は、ポリマーとGNPとの間のより強力な界面結合(より強固な界面領域)並びに有効なGNPネットワークの形成、それに応じて高い弾性率に有益である[Li及びZhong(2011)]。
スクリーン印刷は、1インチ当たり120メッシュのスクリーンを備えた市販の半自動フラットベッドスクリーンプリンタ(Kippax kpx 2012)を使用して行った。ストライプパターンを、インクを典型的な約0.1m/sの速度でポリウレタンスキージを使用してスクリーンの開口部に押し込むことにより、剛性基材(ガラス顕微鏡スライド)、可撓性基材(PET、125μm厚、PMX729 HiFi Industrial Film社)上に印刷した。フィルムを100℃で10分間乾燥させて水を除去した。ニコン光学顕微鏡(Eclipse LV100)を使用して、印刷パターンを確認した。
配合されたGNPインクの電気的性能を評価するために、フィルムをまずガラス基材(25×75mm)上にナイフ塗布することによって展開し、スペーサーを用いてフィルム厚さを決定した。乾燥フィルムの厚さは、湿潤フィルムの厚さ及びインクの全固形分重量%に依存する。このようにして、処理サイクル、フレーク含有率及び堆積後アニーリングがRSに及ぼす影響を調べた。これは、4点プローブを用いて1サンプル当たり4つの異なる場所で測定した。側面計(DektakXT、Bruker)を使用して、各点についてhを決定した。処理サイクルの効果を試験するために、0、5、10、30、50及び100サイクル処理した72.5重量%GNPを含有するインクからフィルムを製造した。インクを、1mmの一定の湿潤フィルム厚さを決定するスペーサーを使用してナイフ塗布した。図10(a)は、処理サイクルがシート抵抗及びフィルムの乾燥膜厚に及ぼす影響を示す。処理なしでは、グラファイトフィルムは、シート抵抗が77Ω/sqであり、フィルム厚さが35.8μmであり、3.6×102S/mの導電率に相当する。材料の処理により、シート抵抗及びフィルムの厚さの急激な低下が生じた;3.9×103S/mの導電率に相当する約10オーム/sq及び25.6μmの厚さに到達するには10回の処理サイクルで十分であった。シート抵抗は、膜厚が25.6μmから22.3μmにさらに減少したにもかかわらず、10〜100サイクルの間に実質的な変化を示さなかった。30サイクル以上で約4.5×102S/mのσが得られる。膜厚の減少は改善された充填密度を示し、これは異なる処理サイクルについての被膜から得られたSEM画像を示す図11によって支持される。微小流体処理後、GNPサイズの減少及び血小板様の形態が観察される。処理されたサンプルは、導電率向上の原因となる、より高い粒子間接触面積を与える空隙が少なかった。被膜の高密度化により導通経路が増えるが、GNPサイズが小さいほど粒子間接触の数が増加する。その後、シート抵抗は、これらの2つの競合する因子のため、比較的一定のままである。フィルム中における粒子連結性の改善は、動的測定値[Somalu外(2013)]によって明らかにされたように、より高い固体含有量及びGNP充填量でのインクにおける粒子ネットワーク強度及び弾性特性の改善に関連する場合がある。
一定の処理サイクルにおけるGNP充填量の影響を次のように調査した。SDS界面活性剤(9mg/mL)及びCMCポリマー(10mg/mL)の質量を一定に保ちつつGNP質量を増加させることによって、異なるGNP含有量を有する分散液を調製した。異なる厚さのフィルムを、ナイフ塗布中にスペーサーの高さを変更することによって調製し、異なる湿ったインキの厚さ、つまり乾燥フィルムの厚さを得た。フィルムの厚さに応じたフィルムのシート抵抗及び導電率を図10(b)及び図10(c)にそれぞれ示す。34.5重量%の充填量では、GNPはCMCポリマーマトリックス内に浸透性ネットワークを形成し始めた(セルロース誘導体フィルムの導電率は<10-8S/mである[Roff及びScott(1971)])が、導電率はやや低い(約15〜20S/m)。このような複合系について、導電性充填剤は、高い導電性を達成するのに十分高い必要があると同時に、良好なフィルム形成特性ならびに基材との十分な接着性を与えるために十分な結合剤(この場合、CMC)が必要である。典型的には、20〜80重量%の範囲の金属充填量が使用される[Kamyshny及びMagdassi(2014)]。図10(c)に示されているように、所定の組成物について、導電率がそれ以下では厚さ依存性となる臨界厚さがある;この厚さを超えると、バルク導電率値に達する(厚さに依存しない導電率)。図10(c)に示されるように、GNP中80.1重量%の充填量については、4.5μmを超える膜厚に対して7.7×103S/mの導電率が得られる。それよりも高い充填量(84重量%)は、導電率をさらに増加させない。
図10(c)は、導電率が臨界厚さまで厚さ依存性であることを示す。フレークを軸aとbの楕円及び総厚hfとしてモデル化する。重なり合わないフレークによってカバーされる総面積はA=mπabであり、ここで、mはフレーク数である。総面積Sに対するフレーク(重複)よってカバーされる面積の割合を、f=1−p(ここでp=e-A/S(pはフレークによって覆われていない面積の割合であり、fは、フレークが重複しない場合にのみA/Sと一致する)として評価することができる。72.5重量%のフレークを含む配合物は61体積%のフレークに相当する。hがフィルムの厚さの場合には、
である。
σは、[Hu外(2004)]の形態のべき乗則挙動に従う:
pはpcに近く、pcはパーコレーション閾値、nはパーコレーション指数である。指数nは特定の複合系によって異なり、パーコレーション領域でのσ対hのlog10プロットの線形適合によって推定できる[Torrisi外(2012)]。次式(1)及び(2)が得られる:
σの関数としてのσは、72.5重量%のフレークを含有する配合物については、図12の(3)に適合する。この適合から、約4.3×103S/mの最大導電率、膜厚hc=0.39μmでの導電性パーコレーション閾値、約7.58×10-6μmのhf及び導電率臨界指数n=0.39が得られる。
図10(d)に示されるように、臨界厚さは、51.3%のGNPについての20μmから80%GNP配合についての4.5μmにまで低下する。低い臨界厚さは、高スループット印刷技術において重要であり、その際、バルク導電率は、最小印刷パス数、理想的には1で達成されなければならない。
80.8重量%のGNPを含有する配合物を使用して調製されたナイフ塗布フィルムを用いて、付着後熱アニーリング工程の効果を検討した。乾燥後、フィルムを異なる温度(60〜290℃)で10分間アニールした。図12(a)は、100℃から285℃までのアニーリング温度に応じた導電率を示す。三段階のレジームが観察できる。第1レジーム(100〜180℃)では導電率は一定(7.7×103S/m)のままであったが、180℃を超えると導電率は徐々に上昇し、260℃で9×103S/mに達した。導電率の有意な増加が285℃で得られた(1.5×104S/m)。図13(b)は、260℃、285℃又は300℃でのアニーリング時間の増加に伴う導電率の向上を示す。導電性を高めるためには、より高い温度のアニーリング又はより長いアニーリング時間のいずれかが必要であることが観察できる。TGAを使用してフィルムの熱安定性を解明した(図13(c))。裸のCMCフィルムのサーモグラムから、水分損失のため200℃までで10%の重量損失が明らかになる。また、図13は、ポリマー結合剤の50%が285℃で分解されるのに対し、界面活性剤がこの温度で無傷のままであることを示す。300℃及び285℃で40分間のアニーリングにより、それぞれ約2Ω/sq及び約2.2Ω/sqのシート抵抗RSを有するフィルムが得られ、これらはそれぞれ約2×104S/m及び1.8×104の導電率に相当する。被膜の厚さは25μmである。この性能は、非導電性ポリマー及び界面活性剤物質を除去するための遠心分離又は洗浄工程がない場合に顕著である。
市販のフラットベッドスクリーンプリンタ(Kippax kpx 2012)及びNatgraphスクリーンプリンタを使用して、55及び120ラインのスクリーンメッシュを用いて印刷して、インクの印刷適性を試験した。高い均一性の印刷線パターンを、剛性基材(ガラス)、可撓性PET基材及び紙基材に印刷することに成功した。200μmの線幅を有する交互嵌合電極をPET基材上に印刷することに成功した(図14)。紙又はニトロセルロース膜などの多孔質基材にも、繰り返し可能でかつ高品質の特徴を印刷した。
受動型UHF(865〜868MHz)RFIDタグアンテナをスクリーン印刷により作製し、試験した。ここで選択された設計は、蛇行したダイポールアンテナ(図15(a))であり、これは、タグのサイズをコンパクトにすることができ、かつ、蛇行の軸に垂直な平面内に無指向性パターンを与える。アンテナを厚さ125μmの可撓性PET基材(HiFi PMX 729)上にスクリーン印刷した。Keysight 85072Aスプリットシリンダー10GHz共鳴器を用いて基材の電気誘電率を測定したところ、約2.8であることがわかった。この低GHz領域におけるPETの分散が最小であると仮定して、同じ誘電率の値をRFIDアンテナのシミュレーションで使用した。タグの有効面積は85mm×45mmであった。受動型RFIDタグシステムは、チップとアンテナとから構成される(図15(a))。電力自体を供給するための電池がないため、通常、リーダーは、タグのアンテナに電流を誘導する電磁波を放射し、チップの動作を可能にする電磁波を放射する。タグの効率と読み取り範囲は、チップとアンテナとの間の経路損失及びインピーダンスの不一致を含めて、チップに供給される電力に大きく依存する(Nikitin外(2005))。これらは、アンテナの複素入力インピーダンスがチップの複素共役インピーダンスと一致するときに最大となる[Nikitin外(2005)]。RFIDアンテナは高誘導性であるため、負のリアクタンスを有するチップが製造される。この設計では、Impinj EPC Gen2 Monza4 ICは、866MHzでのZIC=13−j151の公称インピーダンス及び約−14dBmの感度で使用されている。これは、50に固定されたPNA−Xのポートの特性インピーダンスから離れており、直接的なS11測定の可能性が減る。その代わりに、チップの取り付け前に、所望の周波数にわたるタグアンテナの入力インピーダンスを観察することができる。図15(b)は、Keysight PNA−X N5245を使用して、周波数に応じたグラフェン印刷タグアンテナの測定インピーダンスを示しており、UHF帯(865〜868MHz)にわたるチップのインピーダンスZICと良好に一致することを示す。また、図15(c)では、ZICがタグの入力インピーダンスであると仮定して、タグのシミュレートされた(CST Microwave Studio)反射係数をプロットしている。装置の最大範囲を見積もるために、ホーンアンテナをスペクトルアナライザ(Keysight N9030A)に接続し、RFIDタグから1m離れたところに配置した。タグに866MHzの連続波が供給される場合には、スペクトラムアナライザから受信した電力も図15(c)にプロットする。EUで許容される最大送信電力が2W ERP88であることを考慮すると、読み取り範囲は約145cmである。
図15(d)は、100μmのライン解像度を有する紙上の29cm×29cmのプリントを示す(図15(e)及び15(f))。印刷パターン(図15(a))は、タッチを音声に変換する音声プラットフォームの容量性タッチパッドとして使用できる。
まとめると、本発明の好ましい実施形態は、グラフェンを剥離してグラフェン及びグラファイトナノプレートを形成するための単純でスケーラブルな経路を提供する。得られたフレークは、高スループット印刷技術のために調節可能な粘度を有する高度に導電性の水性インクを配合するために、遠心分離工程なしに使用することができる。1.8×104S/m及び2×104S/m程度に高い導電率が実証されている。このアプローチは、広範囲の用途を実現するインク、被膜、及び複合材料に使用できる本来のグラフェンの大量生産を可能にする。
図16は、プロセスサイクル数の増加に伴い、グラフェン濃度が増加することを示している。図16について、サンプルは9mg/mLのSDC界面活性剤を含む水のキャリア液を使用した。微小流体処理は、上記のように、ここでは異なるプロセスサイクル数について27kpsiの圧力で実施した。この後、サンプルを10krpmで1時間遠心分離して、グラフェンによる光吸収への寄与を分離した。出発サンプル中のグラファイト濃度は約0.25g/Lであり、各サンプルについて同一であった。グラファイトは、ドイツ国Technografit GmbH社製の天然グラファイトであり、D90は25μm未満であった。
また、図17(a)〜(f)は、グラフェン濃度に及ぼすプロセス変数の影響を示す。図17(a)は、固定処理サイクル(約60サイクル)におけるSDC界面活性剤濃度の効果を、補完的超音波処理(9時間超音波処理、実質的にWO2014/064432に記載)と比較して示す。図17(b)は、界面活性剤の濃度及び処理サイクル数の影響を示す。図17(c)はプロセス圧力とプロセスサイクル数の影響を示す。図17(d)は、遠心分離パラメータ及び処理サイクル数の影響を示す。また、図17(e)は、CMCを安定剤として使用する効果を示す。図17(e)の赤色の破線は、同じCMC充填量を用いた補完的超音波処理を表す。図17(f)は、9mg/mLのSDC、30kpsiで100サイクル、続いて10krpmで1時間の遠心分離による、グラファイト水分散液の微小流体剪断処理に基づくグラフェン濃度に及ぼす増加グラファイト充填量の影響を示す。
図18は、微小流体剪断処理及び遠心分離後のフレークのAFM画像を示す。サンプルは0.5mg/mLのSDCを使用し、30kpsiで60プロセスサイクル、続いて10krpmで1時間遠心分離を行った。それぞれ1〜1.5nm、2〜3nm及び4〜9nmの厚さを有し、全て約500nmまでの長さを有する3つの群の粒子が示される。
図19は、本発明の一実施形態に従って(30kpsiの圧力で60回のプロセスサイクル)製造された及び実質的に国際公開第2014/064432号に記載された超音波処理手順(9時間の超音波処理)に従って製造されたグラフェン分散液の粒子サイズ分析の結果を示す。分かるように、微小流体処理プロセスは、グラフェン粒子の寸法が比較的小さい(約100〜200nm)が、より均一なグラフェンサイズ分布が得られる。
また、図20(a)〜(d)は粒度分析をより詳細に示す。具体的には、これらのグラフは、動的光散乱(DLS)によって決定されたグラフェンの横サイズに及ぼすプロセス変数の影響を示す。図20(a)は、固定処理サイクル(約60サイクル)におけるSDC界面活性剤濃度の影響を、WO2014/064432(9時間超音波処理)に実質的に記載された補完的超音波処理と比較して示す。図20(b)は、微小流体処理後の遠心分離パラメータの影響を示す。図20(c)は、30kpsiの圧力での処理サイクル数の影響を示す。図20(d)は、異なるプロセス圧力(30及び20kpsi)でのプロセスサイクル数の影響を示す。
超音波処理と比較した微小流体処理の効果が図21に示されており、ここでは、真空濾過によって形成された透明導電性フィルム(TCF)は、超音波処理されたインクから形成されたTCFよりも単位厚さあたりのシート抵抗Rsが低い。これは、より低い界面活性剤含量で可能となりかつ均一な粒径に起因してより滑らかな表面を与える微小流体処理によりものであると思われる。
これまでの詳細な議論は、グラファイトの処理並びにグラフェンナノプレート及びグラフェンの製造に関する。しかしながら、本発明は、これよりも広い適用性を有し、他の二次元材料にも適用されると考えられる。これを説明するために、六方晶窒化ホウ素(h−BN)に対して追加の実験を行った。h−BNを、0.4%CMCを有する水から形成されたキャリア液中で、上記のように微小流体処理することによって処理した。図22は、DLSによって決定される、得られたh−BNフレークの横サイズを示す。また、図23及び図24は、本発明の実施形態に従って形成されたh−BNフレークの走査型透過型電子顕微鏡(STEM)画像を示す。約2μmまでの平均横サイズが達成可能である。
10krpmで20分間遠心分離したサンプルに基づいて、上記実施形態と同様にして形成されたh−BN(キャリア液の水−CMC0.4%)の吸光度を測定した。異なる数の微小流体処理プロセスサイクルについて、結果を図25に示す。
C.層状物質の官能化
層状物質は所定の最終用途、例えば、溶解性、構造マトリックス適合性、蛍光、触媒活性などを有することが望ましい。ナノ材料構造の最小限の改変で要求される特性を最大にする高分子量又は分岐種を導入することが望ましい場合が多い。
グラフェンその他のナノ材料は、ナノ材料を所望の機能、例えば上記の利点に適合させるための大きなツールキットを提供する特定の化学官能基と共に製造することができる。化学変性プロセスは、微小流体処理装置の相互作用チャンバ内においてナノ材料と化学官能化試薬との閉じ込め及び均一な混合から大きな利益を得る。また、相互作用チャンバ内で発生した熱を使用して反応を開始させることができる。選択された反応に応じて、このような高エネルギー処理によって生成された熱を使用して、典型的には数日間にわたって沸騰混合物を必要とする過酷な反応を行うことができる。あるいは、特定の反応のために必要であれば、相互作用チャンバに対して冷却を行うことができる。
特に、化学変性の利点は、ナノ材料の溶解性の改善及び複合マトリックスとの相溶性であり、機械的、熱的及び電気的特性の改善を可能にする。
剥離を開始する前、又は剥離を開始した後であるが、ただし工程(b)及び(c)の追加サイクル前に、所望のナノプレート官能化試薬を分散液に添加する。
いくつかの溶媒系導電性インク(セロソルブなどのイソプロパノール、エチレングリコール又はグリコールエーテルをベースとするもの)の製造のためには、分散剤を分散液に添加することが望ましい。例えば、イソプロパノールなどの溶媒を使用する場合には、エチルセルロースなどの分散剤を使用することができる。
好適な共有結合変性としては、ジアゾニウム塩付加、1,3−双極子環付加、シリル化、酸化、ラジカル系反応、還元、ポリマーグラフト反応、チオール/硫黄官能化などが挙げられるが、これらに限定されない。
マイクロフルイダイザー装置は、ナノプレート官能化試薬とマイクロフルイダイザー装置の材料との間の望ましくない腐食相互作用を避けるために、必要に応じて適切に適合させることができる。
本願出願時において、発明者の知る限りでは、微小流体処理装置を使用したナノ材料の複合剥離及び化学的官能化に関する当技術分野での開示はなかった。
D.微小流体処理プロセス
微小流体処理プロセスと超音波処理又は高剪断混合とを比較するために、マイクロフルイダイザーにおける流体力学を考慮することができる。これは、本発明の範囲を超えているが、次に詳細に記載されている:
「Microfluidization of graphite and formulation of graphene−based conductive inks」P.G.Karagiannidis,S.A.Hodge,L.Lombardi,F.Tomarchio,N.Decorde,S.Milana,K.Nakanishi,I.Goykhman,Y.Su,S.V.Mesite,R.K.Leary,D.N.Johnstone,P.A.Midgley,N.M.Pugno,F.Torrisi and A.C.Ferrari−in press(2016)。
その内容、特に「Microfluidization process」と題する節は、その全体が参照により本明細書において援用される。
本発明は、上記の代表的な実施形態に関連して説明してきたが、本発明が与えられた場合の当業者であれば、多くの均等の変更及び変形が明らかであろう。したがって、上に示された本発明の代表的な実施形態は例示であり、限定的なものではないとみなされる。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対して様々な変更を行うことができる。
上で参照されかつ以下に列挙される全ての参考文献は、参照により本明細書において援用される。
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Claims (33)

  1. 層状材料から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
    (a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
    (b)該分散液を少なくとも10kpsiの圧力に加圧し;及び
    (c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
    を含む方法。
  2. 前記分散液を少なくとも20kpsiの圧力に加圧する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも106-1である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ナノプレートが、グラフェン(典型的には未処理のグラファイトから得られる)、金属(例えばNiTe2、VSe2)、半金属(例えばWTe2、TcS2)、半導体(例えばWS2、WSe2、MoS2、MoTe2、TaS2、RhTe2、PdTe2)、絶縁体(例えばh−BN、HfS2)、超伝導体(例えばNbS2、NbSe2、NbTe2、TaSe2)、トポロジカル絶縁体及び熱電体(例えばBi2Se3、Bi2Te3)などの元素材料の1種以上から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記層状材料がグラファイトであり、前記ナノプレートがグラファイトナノプレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記層状材料が未処理グラファイトであり、前記ナノプレートがグラファイトナノプレートである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記層状材料が、前記分散液1ml当たり少なくとも10mgの量でキャリア液中に存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記層状材料が前記分散液1ml当たり少なくとも50mgの量でキャリア液中に存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記方法が、前記分散液中に前記分散液1mL当たり少なくとも0.1mgの単層/数層ナノプレートの濃度を生成する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記工程(c)に供された前記分散液に対して、同一又は異なる微小流体チャネルを介して、複数のサイクルに従って工程(b)及び工程(c)を繰り返し行い、サイクル数は少なくとも5回である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記工程(c)に供された前記分散液に対して、複数のサイクルに従って工程(b)及び工程(c)を繰り返し行い、サイクル数は少なくとも50回である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 前記分散液に対して、1サイクルにつき1秒までの時間にわたって工程(c)を実施する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記微小流体チャネルが1〜1000μmの範囲の横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記微小流体チャネルが多くとも300μmの横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記微小流体チャネルが少なくとも50μmの横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記微小流体チャネルが略等軸である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも5×105-1である、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも106-1である、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも5×106-1である、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも107-1である、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記微小流体チャネルが曲がりくねった流路を与える、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記微小流体チャネルが流れ分割経路又は流れ再結合経路を有しない、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記キャリア液が水、アルコール、N−メチルピロリドン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エタノール、エチレングリコール(又は他のグリコール)又はグリコールエーテル及び/又は他の有機溶媒の1種以上から選択され、前記キャリア液はエポキシ又はシリコーンオイルなどのポリマーマトリックスをさらに含んでいてよい、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記分散液に分散剤を添加する工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 層状材料から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
    (a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
    (b)該分散液を少なくとも8kpsiの圧力に加圧し;及び
    (c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
    を含み、該工程(c)に供された分散液について、サイクル数に応じて、同一又は異なる微小流体チャネルを介して該工程(b)及び(c)を繰り返し行い、該サイクル数が少なくとも10回である方法。
  26. 前記分散液に対して、200秒までの累積時間にわたって工程(c)を実施する、請求項25に記載の方法。
  27. ナノプレート官能化試薬を前記分散液に添加する工程を含み、前記ナノプレートは、前記工程(c)の間に前記ナノプレート官能化試薬との反応により官能化される、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  28. ナノプレート官能化試薬を前記分散液に添加する工程を含み、前記ナノプレートは、前記工程(c)の間に前記ナノプレート官能化試薬との反応によって官能化される、請求項25又は26に記載の方法。
  29. 前記工程(c)を前記分散液に対して第1の時間にわたって実施する前に、前記ナノプレート官能化試薬を分散液に添加する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ナノプレート官能化試薬を、前記分散体に対して前記工程(b)及び(c)を実施する少なくとも1サイクル後に前記分散液に添加する、請求項28に記載の方法。
  31. 請求項1〜26のいずれかに記載の方法で得た又は得ることができるナノプレートのキャリア液への分散液。
  32. 請求項27〜30のいずれかに記載の方法で得た又は得ることができる官能化ナノプレートのキャリア液への分散液。
  33. 請求項31又は請求項32に記載のナノプレートの分散液を含む水系導電性インク。
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