JP2019219395A - 力覚素子及びセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】かけられた外力の大きさと変化を、電気抵抗値、静電容量値等の電気特性値として導出可能な力覚素子と、これを用いて当該電気特性値の変化を、かけられた外力に応じて検出可能な力覚センサを提供すること。【解決手段】外力により通電時の電気特性値が変動する力覚素子であって、導電性高分子が付着している1本以上の上撚りされた糸又は仮撚糸を含む力覚素子と、これを用いる力覚センサを提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。【選択図】図2

Description

本発明は、力覚素子、及び、力覚センサに関する発明である。
近年、軽量かつ薄型のフレキシブルな圧力センサが広く用いられるようになっている。例えば、自動車分野では、座席に圧力センサが組み込まれ、搭乗者が車両に乗り込み座席に着座した際に一定以上の荷重(体重)が圧力センサに加わることで人の存在を検知し、シートベルトの着用を促すような制御を取ることが可能になっている。また、ベッドのマットレスに圧力センサを内在させて、ベッドに横たわる者の体重の掛かり具合を検知し、長時間同じ姿勢で横たわっていることを検知して、床ずれの防止を行う試みも行われている。さらに、心臓の拍動による荷重変化を検知し、心拍を計測する試みもなされている。
特許第3190314号公報 特開2016−23389号公報 特公昭37−16853号公報 特公昭47−14043号公報 特開平9−119033号公報 WO2013/073673号 国際公開パンフレット 特開2014−108134号公報 WO2016/148249号 国際公開パンフレット WO2016/031872号 国際公開パンフレット
「やさしい産業上繊維の基礎知識」(加藤哲也、向山泰司著、日刊工業新聞社:2011.1.28発行)、第11頁
このような中、物理的な動きの検知手段のさらなる多様化と深化が求められており、本発明の課題もこの新たな動きの検知手段の提供である。
本発明者は、導電性高分子が付着している繊維若しくは糸の動きに伴う電気抵抗値等の電気特性値の変動により、当該動きを起こした外力を検知する仕組みとして、上撚りされた糸又は仮撚糸に導電性高分子を付着させ、これを力覚センサ素子として用いることにより、物理的な動きを外力として的確に捉えることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)外力により電気特性値が変動する力覚素子であって、導電性高分子が付着している1本以上の上撚りされた糸(以下、上撚糸ともいう)又は仮撚糸を含む、力覚素子(以下、本発明の素子ともいう)を提供し、さらに、(2)本発明の素子と、当該素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、導電性高分子が付着している上撚糸又は仮撚糸における電気特性値の変動を検知する、力覚センサ(以下、本発明のセンサともいう)を提供する。
「力覚素子」とは、感圧素子の上位概念の素子であり、素子にかかった外力の大きさと変動を、電気特性値として検知する素子である。
「外力」は、押圧力又は引っ張り力であることが典型的である。「電気特性値」は、電圧値、電流値(直流、交流のいずれも含む)、電気抵抗値(インピーダンス値を含む)、あるいは静電容量値であり、本発明では電気抵抗値又は静電容量値を用いることが好適である。
「上撚り」とは、撚糸における「下撚り」(単糸にかかっている撚り)に対応する概念であり、2本以上の単糸を撚り合わせて1本の糸にする場合の撚りのことをいう。本発明の上撚りの対象となる単糸の本数は特に限定されない。2本(双糸)、3本(三子糸)、4本(四子糸)、さらにそれ以上の本数の単糸を用いることができる。単糸における下撚りの有無は、特に限定されず、仮撚糸、押し込み加工糸、特許文献5の絹加工単糸等の加工糸を単糸として用いることも可能であり、「加撚−熱固定−解撚法による加工糸」や、特許文献4の絹加工糸も上撚糸である。また、上撚糸として、片撚糸、諸撚糸、駒撚糸、壁撚糸等を選択可能であり、特に限定されない。また、上撚りの撚り数は、撚り数10以上500T/m未満の甘撚であっても、500以上1000T/m未満の中撚であっても、1000以上2500T/m未満の強撚であっても、2500T/m以上の極強撚であってもよい。これらの上撚糸に関する条件を組み合わせて、例えば、伸縮性と弾性回復性(併せてストレッチ性ともいう)が付与された上撚糸とすることが、伝統的な技術を用いることで可能である。例えば、単糸2−3本を極強撚の下撚りを行って作成したチリメン糸に対して、Z撚りとS撚りの糸を2本から数本引き揃えて、これらを甘撚ないし中撚で上撚りをかけて、ストレッチ性の糸を作成することができる。
このようなストレッチ性が付与された糸を用いることにより、本発明の素子における外力をかけることによる単糸同士の接触面積の変動をより起こしやすくすることが可能であることのみならず、計測値のヒステリシスを小さくすることが可能である。
本発明においては、ポリウレタン等のフィラメント糸を芯糸として、他の単糸を一重又は二重以上に巻き付ける「カバーリング」を上撚りとして含め、これが行われたカバーリング糸も「上撚糸」として含める。例えば、特許文献1の絹加工糸は、「絹糸のらせん状の複数層重ね巻きにより中空状に形成され、重ね合わせた各巻層の巻回方向が交互に逆方向に形成されている絹加工糸」(特許文献1:請求項1)であり、「重ね巻き(カバーリング)の外側の巻き」を上撚りの一態様である。当該絹加工糸は、ストレッチ性が付与されており、本発明の素子において用いられる好適な上撚糸の一つである。
仮撚糸は、仮撚加工糸、仮撚り、嵩高加工糸とも呼ばれるもので、一旦撚りをかけて、これを固定処理し、最後に撚りを解いて作成される加工糸で、糸に二次元的、三次元的な捲縮ひずみが生じているものをいう。絹の仮撚糸の態様として、例えば、特許文献2、3の絹加工糸が挙げられる。化学繊維の仮撚糸については、例えば、非特許文献1に一般的な技術として開示されている。
上記のように、仮撚糸は、単糸であってもよく、当該単糸を構成単糸の全部又は一部とする上撚糸であってもよい。
「糸」の表面に露出している素材は、導電性高分子を付着させることが可能であることが必要である。「表面に露出している」とは、例えば、糸の横断面内部を構成して糸の表面には露出しない部分、典型的には芯糸を除外する糸である。芯糸には導電性高分子が付着される必要は無い。当該素材としては、絹繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、ポリエステル繊維、紙繊維等が例示できる。これらの繊維が単独で糸表面を構成してもよいし、複数種類の繊維が組み合わさって糸表面を構成してもよい。「導電性高分子」としては、PEDOT−pTS、PEDOT−PSS、PEDOT−PVS、PEDOT/heparin、ポリピロール等が挙げられ、導電性能を考慮すると、PEDOT−pTS又はPEDOT−PSSが好ましいが、敢えて、高い導電性性能を指向しないのであれば、他の導電性高分子であっても良い。
「導電性高分子が付着している1本以上の上撚糸又は仮撚糸を含む」の「含む」とは、力覚素子の実質部分においては、(a)1本の上撚糸又は仮撚糸である場合と、(b)上撚糸又は仮撚糸を全部又は一部用いた布地、好ましくは、編物又は織物である場合、の2通りの態様が認められる。
第1に、電気特性値が電気抵抗値(インピーダンスを含む)である場合について説明する。当該電気抵抗値に代えて、電圧値、電流値として検知することもできる。
(a)の態様では、例えば、導電性高分子が付着している前記糸の両端に引っ張り力がかかり、糸が長さ方向に引きつることにより、当該糸が上撚糸の場合には、単糸の側面同士が接触して、当該上撚糸における実質的な断面積が増大する。ただし、上撚糸が、特許文献1の絹加工糸の場合には、上記引っ張り力により、糸の内部の繊維同士が接触して実質的な断面積が増大する。この(a)の態様の作用効果は、主に上撚糸にストレッチ性が付与されていることにより発揮される。このストレッチ性の目安となる糸の伸縮率(引張荷重をかけて、糸が切れたときの糸の伸びを、元の糸の長さで除して百分率で示した値)は、−5−100℃の温度、0−100%の湿度で1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。
当該糸が単糸の仮撚糸の場合には、当該仮撚糸の内部の繊維同士が接触して実質的な断面積が増大する。仮撚糸が上撚糸の構成単糸の場合には、上記の単糸の側面同士の接触と当該仮撚糸の内部の繊維同士の双方が起こって、当該上撚糸の実質的な断面積が増大する。
これらの上撚糸又は仮撚糸における通電時の電気抵抗値の減少を本発明のセンサとして検知することにより、引っ張り力の大きさと変化を測定することが可能である。
(b)の態様では、例えば、布地垂直面(厚さ方向)への押圧力や平面における引っ張り力がかかることにより、第1に布地の押圧部分を構成する導電性高分子が付着した上撚糸又は仮撚糸自体が上記(a)に記載したこれらの糸の実質的な断面積の増大が起こる場合がある。また、導電性高分子が付着した糸同士が、当該押圧力又は引っ張り力により合わさることによる見かけ上の断面積の増大が起こる。この場合の断面積増大を構成する糸は、布地レベルで上記の仕組みによる動きの変化の検知を行うことができる限り、全てが上撚糸又は仮撚糸である必要はない。布地としては、編物、織物、組物、ネット等が挙げられるが、編物又は織物が好適である。
第2に電気特性値が静電容量値である場合について説明する。例えば、布地の厚さ方向への押圧力や平面における引っ張り力がかかることにより、当該負荷部分における導電性高分子が付着した上撚糸又は仮撚糸同士により形成された空間容積が変動することに応じて、静電容量値も変動し、当該静電容量値の変動を基に、上記押圧力や引っ張り力の強度や方向性を測定することが可能である。この場合の空間容積の変動をもたらす糸は、布地レベルで上記の仕組みによる動きの変化の検知を行うことができる限り、全てが上撚糸又は仮撚糸である必要はなく、布地としては、編物、織物、組物、ネット等が挙げられるが、編物又は織物が好適であることは、上記の電気抵抗値等を用いる場合と同様である。
また、力覚素子の非実質部分、例えば、導電材、絶縁材、導電コネクタ、力覚素子を覆うためのカバー材、力覚素子を別の対象に付着させるための接着材、力覚素子を保護するためのクッション材や充填材等も、本発明の力覚素子に含まれる。
本発明により、かけられた外力の大きさと変化を、電気抵抗値、静電容量値等の電気特性値として導出可能な力覚素子と、これを用いて当該電気特性値の変化を、かけられた外力に応じて検出可能な力覚センサが提供される。力覚素子にかけられた力とその変化を、力覚センサにより把握することが可能である。本発明の素子は、糸又は布地の形態を取っており、その使用形態に応じた大きさや形態を容易に企画することが可能である。
実施例1の試験系を示した図面であり、(1)はX方向荷重の測定系を示し、(2)と(3)はZ方向荷重の測定系を示している。 実施例1の計測結果を示した図面であり、(1)−(3)はX方向荷重の計測結果を示し、(4)−(6)はZ方向荷重の計測結果を示している。 実施例2の試験系を示した図面であり、(1)は実写ベース、(2)は模式図である。 荷重による編み目の伸縮を模式化して示した図面である。 実施例2(II)の試験結果を用いた、加重(対数スケール)と電気抵抗値の低減割合の関係を示した図面である。 実施例3の体重移動試験で用いた、4チャンネルの力覚素子の模式図である。 実施例3の体重移動試験のあらましを示した図面であり、(1)は椅子の上に置いた力覚素子の存在を示し、(2)は様々なパネルの椅子の上での動きを模式化して示している。 実施例3の体重移動試験の結果を示す図面である。 実施例4の胸部体動に関する測定試験における、素子の装着の様子を示した図面である。 実施例4の胸部体動に関する測定試験における呼吸波形の抽出を行ったことを示した図面であり、(1)は、体動のノイズを含んだ波形であり、(2)は、当該体動ノイズを除去して抽出した呼吸波形であり、(3)は、当該呼吸波形の機器における検出画面を示している。 参考例の離隔動作識別素子に関する手指を用いた試験系の略図である。
<力覚素子>
本発明の素子には、その全部若しくは一部が編物又は織物であって、導電性高分子が付着している上撚糸又は仮撚糸が、当該編物又は織物の全部若しくは一部を構成する糸として用いられている、態様がある。
上撚糸又は仮撚糸の形態は、これらの撚糸に導電性高分子が付着可能である限り特に限定されない。上述のように、上撚糸としては、例えば、片撚糸、諸撚糸、駒撚糸、壁撚糸等を選択可能であるが、片撚糸、諸撚糸、又は、駒撚糸が好ましい。片撚糸は、本発明では2本以上の単糸を引き揃えて右撚か左撚をかけてなる上撚糸である。諸撚糸は、片撚りのかかった単糸を2本以上引き揃えて、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけてなる上撚糸である。駒撚糸は、片撚りのかかった単糸を2本以上引き揃えて、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけてなる上撚糸である。これらの3種類の上撚糸は、互いの構成単糸同士が、引っ張り力により側面が接近して、所望する見かけ上の糸断面積を増大させることができる。本発明における上撚糸の一態様である特許文献4の技術は、絹上撚加工糸の製造方法であり、「生糸を数本合糸し、精練加工でセリシン90%前後除去した後、加撚し、次いで熱水中で加熱膨張後冷却し、高温高圧によって形体を与え自然乾燥後、解撚し、飽和蒸気で加熱する方法。」であり、本発明における上撚糸として用いることができる。
上記した特許文献5の技術は絹加工単糸に関するものであり、「生糸原糸に対し、含有セリシン残存率が40%以上に維持されるよう規制して柔軟処理を施し、100℃未満の温水に浸漬、または通常の精練、染色工程によって捲縮構造が発現されると共に、伸縮性のあるバルキ−糸となるまでの気乾状態においては集束性が維持されようにした潜在捲縮性生糸。」であり、本発明における上撚糸を構成する単糸として用いることができる。
本発明における上撚糸の一つである、上記した特許文献1の絹加工糸においては、当該糸の中に形成された中空部分が、引っ張り力により潰れることにより、見かけ上の糸断面積を増大させることができる。
仮撚糸の製造方法の一つとして開示されている特許文献2の技術は、「生糸に、絹繊維のセリシンを不溶化させる改質剤を含浸させた後、加撚加工を行い、次いで撚りを固定する熱処理を温度120−140℃で10−30分行なった後、加撚と逆方向へ撚る解撚を行ない、次いで0.6−3.0g/lのタンパク質分解酵素に浸漬して精練し、絹糸に含まれるセリシンを取り除くことを特徴とする捲縮性を有する絹糸の製造方法。」であり、本発明における仮撚糸の製造方法として用いることができる。
また、特許文献3の技術も仮撚糸の製造方法であり、「生糸を本練して、セリシン80−90%除去後、樹脂加工を施し、 糸をS方向もしくはZ方向に弱撚後、さらに同方向に加撚してから、 圧蒸して、これを反対方向に撚戻して、無撚の状態よりさらに加撚し、糸を綛状にして不規則なストレッチ性を付与した後、飽和蒸気で加熱してセットしてから、 綛状の糸を前加工程における撚方向と反対方向に撚戻して、再度綛状とし、飽和蒸気で蒸熱処理をする方法。」であり、本発明における仮撚糸の製造方法として用いることができる。
さらに上述したように、仮撚糸を単糸の一つとした上撚糸を、本発明において用いることが可能であり、芯糸を用いた壁撚糸様形態やカバーリング糸も、本発明における上撚糸として用いることが可能である。
「編物又は織物の一部を構成する糸として用いられている」とは、導電性高分子が付着していない糸、あるいは、上撚糸又は仮撚糸以外の導電性高分子が付着している糸が当該編物又は織物の他部において用いられている場合である。
本発明の素子における編物又は織物の態様では、上記の上撚糸又は仮撚糸単位のみかけの断面積の形状弾性回復性を伴う変動の他に、当該素子に所定方向の外力が加えられることにより、外力の大きさに応じて編物又は織物の形状が変化し、その中の導電性高分子が付着している糸同士が新たに接触し、かつ、力を加えることを止めると、外力によって変化した場の形状が元に戻る形状弾性回復性を有することが、電気抵抗値等を指標にする場合にも、静電容量値を指標にする場合にも好ましい。さらに具体的には、編物又は織物の厚さ方向に対する押圧力がかかることにより、当該平面が略厚さ方向へと引っ張られて、その際に編物又は織物を構成する糸における互いに新たな接触状態が作出され、押圧力が解除されると当該接触状態は解除されて元の状態に戻る態様の形状弾性回復性を伴うことが好ましい。また、編物又は織物の縁に対して引っ張り力が働くと、その力により、当該平面が横方向に引っ張られて、その際に編物又は織物を構成する糸において互いに新たな接触状態が作出され、引っ張り力が解除されると当該接触状態は解除されて元の状態に戻る形状弾性回復性を有することが好ましい。編物又は織物が形状弾性回復性に優れていれば、本発明の素子におけるヒステリシスを小さくすることが可能であり、好適である。
編物又は織物は、単層であっても、複層であってもよい。単層であっても、編み方や織り方により、厚さ方向における糸同士の重なり合いを設けることが可能であり、この厚さ方向の重なり合いに対して外力をかけることにより、当該糸同士における見かけ上の断面積を増加させ、又は、当該糸同士の間における空間容積を変動させることができる。
編物(ニット)は、基本的には一本の糸からなる布地であり、糸のループに、糸を次々と引っかけて、連続して形成された糸のループ(編み目)からなる布地である。織物のように、縦糸と横糸は用いない。一般的に、編物は織物よりも、上撚糸又は仮撚糸における「糸の内部における見かけ上の断面積の増加」と糸同士における「糸同士の側面の重なり合いによる見かけ上の断面積の増加」、あるいは、「糸同士の間の空間容積の変動」を、同一の外力に対して容易に起こすことが可能である。
本発明において用いられる編物は、特に限定されず、機械編み(横編機、経編機、丸編機、トリコット編機、ラッシェル編機、ミラニーズ編機、ゴム編機、インタロック編機等による)、棒針編み、鉤針編み、アフガン編み等のいずれの編み方で作成されたものであってもよい。編みの組織も限定されず、例えば、平編、鹿の子編、ゴム編、パール編、タック編、移し編、方あぜ編、両あぜ編、両面編、振り編、ペレリン編、浮き編、パイル編、添え糸編、縄編、インターシア、ラップ編、ノンラン組織、鎖編、シングルトリコット編、シングルコード編、シングルアトラス編、二目編、シングルサテン編、シングルベルベット編、プレーントリコット編、ダブルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、逆ハーフ、クインズコード編、サテントリコット編、ダブルトリコット編、ベルベット編、シェル編、ノップ編、つづれ編、たて糸挿入編、マーキーゼット、落下板組織、ネット編、ミラニーズ編、たてよこ糸挿入編、よこ糸挿入編等が挙げられる。
織物は、縦糸に横糸を組み合わせて作られる布地である。本発明において用いられる織物の組織は特に限定されない。例えば、平織り、綾織り、朱子織り、の三原組織として用いることができる。さらに、三原組織を変化させ、又は、組み合わせた変化組織であってもよく、一重特別組織や紋織り組織であってもよい。さらに、経二重織物、緯二重織物、経緯二重織物、パイル織物、タオル織物、搦み織物等の多重の織物であってもよい。上記のように多重の織物は、厚さ方向における糸同士の重なり合いを設けることが可能であり、この厚さ方向の重なり合いに対して外力をかけることにより、当該糸同士における見かけ上の断面積を増加させ、又は、当該糸同士の間における空間容積を変動させることができる。
一般的に織物は、編物と比べると縦糸と横糸同士が引っ掛かり、糸同士が引っ張り合って布としての平面バランスをとっており、元々糸同士の接点が多い。従って、外力がかかることによる糸同士の新たな接触が、ほぼ織物自体の変形に依るものであり、構成糸の変形により新たな接触が生じる編物に比べると抑制される傾向があり、その分、外力によるみかけの糸断面積の増大や糸同士の間の空間容積の変動が、編物よりも抑制される傾向がある。
編み目ないし織り目は、力覚素子として用いる部分は、均等であることが、外力に対して全面等しい感受性を得るために好ましいが、例えば、糸のほつれを防ぐために、必要に応じて閉じ編み(耳)を編物ないし織物において、外縁等に設けることも可能である。また、編み目ないし織り目は、外力に対して適切な感受性を得るために、頻度ないし大きさを調節することができる。編みや織りの隙間である編み目ないし織り目を大きくすると、構成糸同士の重なり合いによる見かけ上の断面積の単位面積当たりの増加や、糸同士の空間容積の変動は抑制される傾向となるが、力覚素子として出力する単位面積当たりの電気特性値についての情報量を減ずることが可能であり、データ圧縮につなげることができる。逆に編み目を小さくすると、構成糸同士の重なり合いによる見かけ上の断面積の増加や、糸同士の空間容積の変動が促進される傾向になり、鋭敏性は得られるが電気特性値についての情報量が過多になり、多くのノイズが取り込まれてしまう可能性も生ずる。
編み目の大きさは、特に限定されないが、通常は、10cm幅で100−5目、100−5段(編み目の大きさで1mm2−4cm2)程度である。
織り目の大きさは、特に限定されないが、通常は、10cm幅で100−15目(織り目の大きさで1mm2−2.25cm2)程度である。
「導電性高分子が付着している上撚糸又は仮撚糸」自体も、本発明の素子の本質部分となり得ることは、上述した通りである。
上撚糸又は仮撚糸に付着させる導電性高分子は、公知のものも、将来提供されるものも含めて用いることができる。公知の導電性高分子としては、例えば、PEDOT−pTS、PEDOT−PSS、PEDOT−PVS、PEDOT/heparin、ポリピロール等が例示される。これらの導電性高分子のうち、導電性能を考慮すると、PEDOT−pTS又はPEDOT−PSSが好ましいことは、上述した通りである。
[PEDOT−pTS]
PEDOT−pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)は、pTS(p-toluenesulfonate)とEDOT(3,4-ethylenedioxythiophene)を重合反応させて形成される導電性高分子であり、例えば、第1の付着方法として、酸化成分とpTSを含有する有機溶媒性溶液と、EDOTの混合液の基材への接触による付着を浸漬又は印刷等にて行い、その後に重合促進処理を当該接触箇所に施すことにより、PEDOT−pTSの付着を行うことができる(特許文献8に開示された方法又はその変法)。第2の付着方法として、(a)酸化成分とpTSとを含むpTS溶液を、基材に付着させる付着工程、(b)付着工程(a)において酸化成分とpTSを付着させた前記基材に、さらにEDOTを付着させて、これらにおいてPEDOT−pTSを生成する重合反応を進行させることにより、PEDOT−pTSの付着を行うことができる(第2の付着方法:特許文献9に開示された方法)。
<PEDOT−pTSの第1の付着方法>
第1の付着方法において、pTS溶液とEDOTを混合することにより、EDOTの重合反応がpTS−EDOT混合液中において進行し、高分子ポリマーであるPEDOT−pTSが形成される。この重合反応は、下記式に従い、温度上昇に従って重合速度は大きくなり、冷蔵庫レベルの低温で保存すれば重合速度を低下させて、付着工程の時間確保に資することができる。酸化成分としてFe3+が例示されているが、これに限定されるものではない。
Figure 2019219395
第1の付着方法において「その後に」とは、pTS−EDOT混合液が基材に接触するタイミングに関連させた「同時以後」のタイミングで重合促進処理を行うことを意味する。具体的には、両タイミングは事実上同時であっても良く、pTS−EDOT混合液が基材に接触するタイミングからタイムラグを設けて、重合促進処理を行っても良い。また、例えば基材表面上において重合促進処理を行う状態を継続的に保ちつつ、その上にpTS−EDOT混合液の接触を行い、当該タイムラグを実質的に設けない態様も、第1の付着方法における「その後」に含まれる。第1の付着方法におけるpTS溶液とEDOTの混合比は、容積比でpTS溶液:EDOT=10:1−100:1、好適には20:1−40:1である。
pTSは、パラトルエンスルホン酸化合物(パラトルエンスルホン酸(トシル酸)との塩やエステル)として知られており、市販もなされている。pTS溶液の溶媒となり得る有機溶媒は、pTSと酸化成分等を溶解することが可能であり、かつ、好適には水性溶媒との相溶性が良好であるものである。具体的には、炭素原子数が1−6の1価の低級アルコール、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、又は、ヘキサノールが挙げられる。これらの1価の低級アルコールを構成する炭素原子の骨格は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、1種のみならず2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、適宜水で希釈して用いてもよい。これらの中で、炭素原子数が1−4の1価の低級アルコール、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、又は、ブタノール、がpTS溶液の有機溶媒として好適である。
pTS溶液中に含有させる酸化成分は、pTS−EDOT混合液におけるPEDOT−pTSへの重合反応を活性化することが可能である限り特に限定されず、遷移元素、ハロゲン等が例示される。
遷移元素としては、鉄、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛等の第一遷移元素;モリブデン、銀、ジルコニウム、カドミウム等の第二遷移元素;セリウム、白金、金等の第三遷移元素が例示される。これらの遷移元素は、金属単体としても、金属塩として用いてもよい。これらの中でも、鉄、亜鉛等の第一遷移元素を用いることが好適である。
pTS溶液中の酸化成分の含有量は、用いる酸化成分の種類によっても異なり、上記の重合反応を活性化できる量であれば特に限定されない。例えば、第二鉄イオン(Fe3+)であれば、塩化第二鉄として、当該溶液に対して1−10質量%であることが好適であり、特に好適には3−7質量%である。この含有量が多すぎると重合反応の進行は速いが、後工程での鉄の除去が困難になり、少ないと重合反応の進行が遅くなる。
pTS溶液中のドーパントとして働くpTSの含有量は、当該溶液に対して0.1−10質量%が好適であり、さらに好適には0.15−7質量%、特に好適には1−6質量%、最も好適には2−5質量%である。
EDOTは、3,4−エチレンジオキシチオフェンとして公知であり、市販もなされている。EDOTは、常温で液体で、かつ、水溶性であり、適宜水等の水性溶媒に希釈して用いることも可能である。
pTS溶液に、pTS−EDOT混合液の基材への付着性と、出来上がった導電性材における導電性能を実質的に損なわない等、本発明の効果を量的又は質的に損なわない限り、他の成分を必要に応じて配合することができる。
当該他の成分としては、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール−ポリプレングリコールポリマー、エチレングリコール、ソルビトール、スフィンゴシン、及び、フォスファチジルコリン、好ましくはグリセロール、ポリエチレングリコール−ポリプレングリコールポリマー、及び、ソルビトール、からなる1種又は2種以上が挙げられる。
その他、第4級アルキルアンモニウム塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤;キトサン、キチン、グルコース、アミノグリカン等の天然多糖類;糖アルコール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
室温において、pTS−EDOT混合液では上記重合反応による液のゲル化が進行する。そのために、基材に付着した余分なゲル化ポリマーを除去する工程を、当該混合液との接触後に行うことが好ましい。例えば、当該混合液から分離した基材を、振動、送風、ローラーとの接触等の物理的な手段により除くことができる。重合反応を行った後に、この余分なゲル化ポリマーの除去工程を行わない場合は、当該混合液の調製後、基材と混合液との接触を短時間で行うこと、及び、混合液の調製後短時間で当該接触を行うべきとの制約が生じる。具体的には、pTS−EDOT混合液の調製後5分以内、さらに好ましくは1分以内に上記接触による付着を完了すべきである。上記の余分なゲル化ポリマーの除去工程を行う場合には、室温下であってもこの接触による付着工程の時間的な制約は事実上認められず、pTS−EDOT混合液の調製後、好適には10分以上、さらに好適には15分以上の付着工程時間を取って、基材に対するPEDOT−pTSの付着を十分なものとすることが可能である。また、上述したように、pTS−EDOT混合液を冷蔵庫レベル(0−10℃、好適には0−5℃程度)で、予め冷却することにより、ゲル化ポリマーの生成速度を抑制することができる。なお、40分以上の付着工程の時間を取っても、ゲル化の進行により、長時間の工程に見合った付着促進効果は認められない。
第1の付着方法における接触による付着は、滴下、噴霧、浸漬、転写、又は、塗布により行われることが好適である。
第1の付着方法における重合促進処理としては加熱処理が挙げられる。当該加熱処理としては、(α)重合促進部分における50−90℃の放熱体との接触、(β)重合促進部分が50−90℃になるように設定された熱風との接触、(γ)恒温槽等における50−90℃の加熱雰囲気との接触等が挙げられる。
上記(α)の50−90℃の放熱体の接触は、3−10分間の加熱時間が好適であり、特に好適には3−6分間であり、最も好適には4−6分間である。
上記(β)の重合促進部分が50−90℃になるように設定された熱風との接触である場合は、3−10分が好適であり、特に好適には4−6分である。
上記(γ)の50−90℃になるように設定された加熱雰囲気である場合は、3−10分が好適であり、特に好適には4−6分である。
上記加熱処理の後、溶液から基材を取り出し、好ましくは水、さらに好適には蒸留水または脱イオン水で洗浄した後、恒温槽、熱風若しくは温風、天日等により乾燥させる。
<PEDOT−pTSの第2の付着方法>
第2の付着方法では、まず、有機溶媒性溶液に、酸化成分と、ドーパントとしてのpTSとを溶かし、その有機溶媒性溶液(pTS溶液)に対象となる基材である、「上撚糸又は仮撚糸を全部又は一部に含む基材」を浸漬させる。
pTSの溶媒となり得る有機溶媒と、これに含有させる酸化成分は、上述した「第1の付着方法のpTS溶液の有機溶媒と酸化成分」と同一である。また、当該pTS溶液に含有させることができる「他の成分」も、上述した「第1の付着方法のpTS溶液における他の成分」と同一である。
pTS溶液中の酸化成分の含有量は、用いる酸化成分の種類によっても異なり、上記の重合反応を活性化できる量であれば、特に限定されない。例えば、第二鉄イオン(Fe3+)であれば、塩化第二鉄として、pTS溶液に対して1−10質量%が好適であり、さらに好適には3−7質量%である。この含有量が多すぎると重合反応の進行は速いが、後工程での鉄の除去が困難になり、少なすぎると重合反応の進行が遅くなる。
pTS溶液中のドーパントとして働くpTSの含有量は、当該溶液に対して0.1−10質量%が好適であり、さらに好適には0.15−7質量%、特に好適には1−6質量%、最も好適には2−5質量%である。
第2の付着方法では、次に、上記の基材が浸漬されているPTS溶液に、モノマーのEDOTを添加した後、50−100℃で、好ましくは10分−60分間、さらに好ましくは50−80℃、10−40分間、極めて好ましくは60−80℃、10−30分間の加熱を行う。加熱後、溶液から基材を取り出し、好ましくは水、さらに好適には蒸留水または脱イオン水で洗浄した後、恒温槽、熱風若しくは温風、天日等により乾燥させる。
この工程におけるpTS溶液とEDOTの使用量比は、容積比でpTS溶液:EDOT=10:1−100:1、好適には20:1−40:1である。
[PEDOT−PSS]
PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-polystyrenesulfonate)は、PEDOT−PSSを含む導電性の溶液に、上撚糸又は仮撚糸を含む基材を浸漬し、当該基材を導電性の溶液から垂直に引き上げながら電極間で走行させて通電することにより、当該基材に付着したPEDOT−PSSを電気化学的に重合固定する、いわゆる電解重合法により付着させることができる(特許文献6)。また、PEDOT−PSSとバインダー樹脂とを混合した樹脂組成物をストレッチ性が付与された糸に付着させ、乾燥、加温、加熱等により固化又は重合させることにより付着させることができる(特許文献7)。あるいは、微粒子化(平均粒径は10ミクロン程度)したPEDOT−PSSを溶液/溶媒中に分散させた水溶性/溶媒分散液を基材に吸着させることで、当該基材を導電性化することが可能である(実施例4の手法)。
[糸の素材]
さらに、導電性高分子の付着の対象となる上撚糸又は仮撚糸は、選択された導電性高分子が適切に付着する素材である必要がある。
例えば、導電性高分子としてPEDOT−pTSを選択した場合における上撚糸又は仮撚糸の表面の素材としては、絹、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維等のポリエステル繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、ポリウレタン繊維、紙繊維等が挙げられる。また、絹の構成成分であるセリシンが被覆されたもの(特開2003−171874号公報)であってもよい。
絹は、生糸であってもよいし、セリシンをはじめ、その他の不純物を除く工程である「精練」が行われたものであってもよい。精練には、セッケン精練、アルカリ精練、セッケン・アルカリ精練、酵素精練、高温・高圧精練、酸精練等が挙げられ、いずれの精練方法も用いることができる。さらに、絹と他の繊維との混紡撚糸、例えば、絹−アセテート混紡撚糸、絹−ナイロン混紡撚糸、絹−ポリエステル混紡撚糸、絹−ポリウレタン混紡繊維を用いることも可能であり、混紡の組合せはこれらに限定されない。また、絹は、通常の家蚕糸や野蚕糸、蜘蛛や蜂由来の天然絹の他、遺伝子組み換え技術を用いて得られる絹、例えば、蛍光タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ蚕から得られる「光る絹」等を用いることも可能である。
セリシン被覆糸のセリシンを被覆する対象となる素材としては、ナイロン等のポリアミド繊維、PET等のポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維等の合成繊維;綿、麻、ジュート等の植物性繊維;上記の絹の他、羊毛、コラーゲン繊維等の動物性繊維;或いは、これらの混合繊維を用いることが可能である。
ポリエステル繊維は、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維の他、PEN(ポリエチレンナフタレート)繊維、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維、PBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維等も用いることができる。ストレッチ性が付与されたポリエステル糸の形態は、フィラメント糸(長繊維)であっても、紡績工程を経た糸であってもよい。上述のように他の繊維と組み合わせた混紡糸として用いることもできる。ポリアミド繊維は、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等を用いてストレッチ性が付与された糸とすることが可能であり、上述のように他の繊維と組み合わせた混紡糸として用いることもできる。
PEDOT−PSSを選択した場合における繊維又は糸の素材は、高分子(ポリマー)からなるものであれば特に制限されず、例えば、合成繊維、植物性の繊維、動物性の繊維等が用いられる。単一の材料からなってもよいが、混合物であっても良い。
当該合成繊維としては、例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維等が挙げられる。当該植物性の繊維としては、例えば綿、麻、ジュート、紙繊維等が挙げられる。当該動物性の繊維としては、例えば絹、羊毛、コラーゲン、動物組織を構成する弾性繊維等が挙げられる。
上撚糸又は仮撚糸の太さ、さらに織物や編物を構成する他の種類の糸の太さは特に限定されず、通常は1μm−3mm程度の範囲で必要に応じて選択することができるが、通常は10μm−1mm程度である。
本発明の素子の実質部分、すなわち、外力を検知する部分である編物又は織物の平面サイズは、狭すぎるとノイズとの区別が付きにくくなるので、外力の全方向を検知する素子の場合は1cm2以上であることが好ましい。外力の所定方向のみを検知する素子の場合は、所定方向の長さが1cm以上あれば、他の方向の長さはそれよりも狭くてもよい。この所定方向限定型の素子の最も極端な態様として、「上撚糸又は仮撚糸のみ」の態様がある。逆に、極端に広くすると、局所的な動きの変化が小さい場合には、ノイズでマスキングされてしまい検知が困難になる。ただし、個々の素子の大きさを小さくしつつ、これらを対象物の動きを検知する範囲の全面に分布配置する「素子の多チャンネル化」を行い、個々の素子から得られる動きの変化を、時間軸上に当て嵌めてプロットすることにより、対象物全体の動きの経時的変化を検知することが可能である。この場合の個々の素子の大きさ(平面サイズ)は、上述と同じく1cm2以上であることが好ましい。多チャンネルとした場合の素子の数は、特に限定されず、対象の大きさ等に応じて選択することができる。
このように本発明の素子は、後述する力覚センサの検知部に対して1個の素子が電気的に接続する1チャンネルタイプであっても、2個以上の素子が電気的に接続する多チャンネルタイプであってもよい。本発明の素子においては、従来、過度の多チャンネル化が必要であった広い面積の重量変動等に対しても、例えば布地の面積をある程度まで大きくすることで、単チャンネルとする、又は、チャンネル数を少なくすることが容易になった。
<力覚センサ>
本発明のセンサは、前述の本発明の素子と、当該素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、導電性高分子が付着している繊維又は糸を含む場の電気特性値の変動を検知することを特徴とする力覚センサである。
本発明のセンサは、電気特性値(電気抵抗値、電流値、電圧値、あるいは、静電容量値)の変動を検知するものであるため、電圧印加部を備えるか、接続可能になっていることが通常である。電圧印加部は、電池等の直流電源や、商用電源や家庭用電源等の交流電源等である。また、必要に応じて、整流器、コイル、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗端子等の電気回路、電子回路、デジタル回路等に通常用いられる設備が設けられていても良い。
本発明の素子における電気特性値、好ましくは電気抵抗値又は静電容量値の変動は、上記のように素子に加えられる力に相関して生ずるものであり、上記検知部は、この本発明の素子における電気抵抗値、静電容量値等の変動を定量的に検知することで、外部から本発明の素子に対して与えられた力を定量化することができる。検知部には、この定量値を算出処理するための算出処理部が適宜含まれていてもよい。また、さらに学習部を設けて機械学習を行うことにより、当該検出対象の動きと電気抵抗値や静電容量等の変動についての学習済みデータを作出して、新たな検出対象の動きを、当該学習済みデータを基に割り出すことが可能である。さらに、この学習済みデータを適宜更新してもよい。
本発明の力覚素子と上記検知部、学習部は、有線又は無線により電気的に接続されている。
なお、ヒステリシスは、計測毎にリセットをかける、すなわち、ゼロ点補正を計測毎にかけることで、その分を補正することができる。
以下、本発明の実施例を記載する。
[材料]
本発明の導電性材の基材として、左右各々2800T/mで撚った21デニールの絹糸2本を一組とするちりめん糸2組に対し、外側にカバーリング糸を巻き付けることで作製した絹糸(温度22℃・湿度50%で伸縮率50%以上)を、平編(10cm幅で100目、100段、糸の太さは0.5mm程度)した布地(60cm×60cm)を株式会社東北撚糸より入手した(材料布1)。
他方、太さ240デニール(22番手)の和紙糸(上撚りが甘撚の双糸:温度22℃・湿度50%で伸縮率16%)を用いて鹿の子編み(10cm幅で50目、50段)にした伸縮性を有する市販の布地(30cm×30cm)を入手した(材料布2)。
上記材料布1、2に対し、pTS溶液としては、遷移金属の鉄(III)イオンとpTSとを含むブタノール溶液(Heraeus社製CLEVIOS C-B 40 V2:p−トルエンスルホン酸鉄(III)として、約4質量%である:「CLEVIOS」は登録商標)を用いた。EDOTとしては、EDOTの水溶液(Heraeus社製CLEVIOS MV2、EDOT約98.5質量%である:「CLEVIOS」は登録商標)を用いた。
上記のpTS溶液にEDOTを混合した混合液を調製して4℃程度に冷やし、上記基材を当該混合液に室温下で20分間浸漬した。その後、浸漬基材を当該混合液から取り出し、その一辺の2点をクリップで挟んで懸垂し、扇風機の風(強風)に5−10分間晒して基材を風で振動させつつ、乾燥を行い、さらにローラーでこすって、これらの工程により基材に付着した余分なゲル化ポリマーを除去した。
次に、70℃の恒温槽に、このゲル化ポリマーの除去を行った基材を入れて、5分間加熱を行い、PEDOT−pTSへの重合を行なった。次いで、当該重合基材に対して2回水洗いを繰り返し、次いで90℃で乾燥を行い、2種類の「PEDOT−pTSが付着した編物」(この実施例で、材料布1に対し付着基材1、材料布2に対し付着基材2ともいう)を得た。
[実施例1] 付着基材1の力覚素子を用いた平面方向加重に対する電気抵抗値変化の検討
7cm×7cmに裁断した上記付着基材1を水平方向に設置した後、クリップにて生地の両端を挟んだ。クリップは片側が固定されており、固定されていない側のクリップに対し、0−30gの範囲内で分銅おもりを負荷することで水平方向(X方向)の変位をノギスで測定し、さらに両端クリップ間(下記実施例2(I)の「A−B間」)の抵抗値を計測した(図1(1))。また、Z方向(鉛直方向)については、クリップ両端を固定し、生地を水平方向(X−Y方向)へ張った状態でその中央(下記実施例2(I)の「Y」の位置)に0−20gの範囲内で分銅おもりを負荷することで垂直方向の変位をノギスで測定し、さらに電気抵抗値を計測した(図1(2)(3))。
図2((1)−(6))に示したように、荷重に対し伸縮することにより付着基材1の電気抵抗値が静止時に比べ、荷重の大きさ、伸縮程度の大きさに比例して低減変化した。
[実施例2] 付着基材2を力覚素子として用いた荷重試験
(I)上記付着基材2を、力覚素子として用いて、下記の荷重試験を行った。
荷重300gの円筒形プラスティック(直径3cm)を、図3(図3(1)は、試験系の写真、(2)は、その略図)に示すように、付着基材平面上に3ヶ所(X,Y,Z)のいずれか1カ所に置いた。また、A−Hは、端子を設置する場所を示している。本実施例で使用した布地の編み目には方向性が有り、図3(1)(2)の横方向(図3(2)中、左右の矢印)の方が、上下方向(図3(2)中、上下の矢印)よりも、伸展性が大きい。荷重を置かない状態での、伸展性の大きな左右方向(左端から右端)の電気抵抗値は11kΩ程度であり、伸展性の小さな上下方向(上端から下端)の電気抵抗値は8kΩであった。電気抵抗値を計測するための端子間の距離が同じであっても、編み目の方向性によって電気抵抗値が異なることが分かった。編み目は、伸展の方向により変形する(図4)。図4では、図3の付着基材が置かれた方向に合わせた編み目の拡大略図であり、図4の下は、図3(2)の左右の矢印方向に伸展させた場合の編み目の変形を示している。
表1は、A−B、E−G、A−C、F−H、A−Dの組で、端子を設置し、X、Y、Zのいずれかに上記加重を置いた場合における抵抗値測定の結果を示す。
表1の結果により、計測する電極の位置の組合せと、加重の位置の組合せによって、電気抵抗値の変化率(減少率)がいくつかの傾向を示すことが分かった。例えば、A−B間の抵抗値の変化率の違いから、加重が、X、Y、Zのどの位置にあるかを検知することが可能であることが明らかになった。
Figure 2019219395
(II)上記付着基材2を、力覚素子として、鉛直方向(Z方向)荷重の変化に対する電気抵抗値の減少変化量を検討した。
この試験は、上記実施例1において、付着基材1を付着基材2に代えた試験系で行った。
すなわち、7cm×7cmに裁断した付着基材2を水平方向に設置した後、クリップにて生地の両端を挟んだ。生地を水平方向(X−Y方向)へ張った状態で、その中央(上記(I)の「Y」の位置)に、10g、20g、50gの分銅おもりを、それぞれ負荷することで、鉛直方向(Z方向)の変位を与える分銅による荷重負荷量に対する両端クリップ間(上記(I)の「A−B間」)の抵抗値を、0g負荷の場合を含め計測した。その結果、0g荷重は32.7kΩ、10g荷重は20.0kΩ、20g荷重は18.5kΩ、30g加重は16.1kΩであった。
これら4点の電気抵抗値において、0g加重の電気抵抗値である「32.7kΩ」から、それぞれの加重の電気抵抗値を減じた差分の絶対値を、前記「32.7kΩ」で除して電気抵抗値の低減割合を百分率(%)とした値(縦軸)と、加重負荷量の対数値(log10)(横軸)の関係を示したグラフが図5である。
図5により、両者の値は正の相関の関係にあることが明らかになった。
[実施例3] 加重の移動のリアルタイム計測
実施例2で示した荷重と変異に関する相関性を利用することで、4つの力覚素子(付着基材を10cm×10cm、に裁断したもの)が配置された、厚さ方向の荷重の相違を個別に計測し、その変化をリアルタイムで計測することが可能な力覚センサを作製した(図6の濃い四角形の部分がチャンネル(素子)で、各々の素子から派生する2本の線は、素子と同じ素材の導電線である。)。これにより、各チャンネル(素子)にかかる荷重計測値から、荷重分布およびその荷重変化を計測することが可能である。
これらの4つの素子は、絹又は和紙繊維等にPEDOT−pTSを付着させた、リボン状の導電性繊維電極で、電気抵抗値の計測器まで配線されている。当該計測器は、電気抵抗値の経時的な変化を波形として表し、これを記録することが可能である。
4つの電極は、絹又は、和紙繊維などの導電性繊維電極で計測器まで配線されている。
図7(1)に示すように、座布団を敷いた椅子の上に、上記力覚センサを置いて、その上にパネルに座ってもらって、図7(2)に示すように、様々姿勢を取ってもらった。
図8に、その際の体重移動に伴う電気抵抗値の経時的な変動を示した。図8の縦軸の上方が、加重が小さいことを示している。大きな体重移動を伴う時点を矢印で示したが、その直後に大きな加重がかかっていることが分かる。
[実施例4] 力覚素子を用いた胸部体動測定からの呼吸波形の検出
この実施例では、呼吸検出を試みている。胸部を巻くことが可能なゴム帯の上に、上記の付着基材2を固定配置し、2カ所の端子を介して電気抵抗値の変化を波形として提示・保存可能な機器で、胸部体動による電気抵抗値の変化を計測した(図9)。その結果、図10(1)に示すように、体動等によるノイズが認められるものの、楕円で囲った部分には、装着者の呼吸の動きと認められる波形が顕れていた(図10(2)(3))。フィルタリング等で、ノイズを除去することにより、クリアな呼吸波形を得ることも可能である。
[実施例5] PEDOT−PSSにおける検討
上記の材料布2(大きさ10cm×10cm)に、50mlのPEDOT−PSSの水溶性分散液[セプルジーダ(登録商標:信越ポリマー株式会社)の低抵抗性塗料であるOCシリーズ]をおよそ2時間含浸させ、自然乾燥させた後、このPEDOT−PSS付着基材(下記表2、3において「PSS」として示した)における抵抗値および伸縮度合いに対する抵抗値変化を計測した。比較として、実施例3で用いたPEDOT−pTSを付着させた付着基材(大きさ10×10cm)を用いた(下記表2、3において「pTS」として示した)。基材の伸展は、実施例1の図1に示した方法で、実施例3のA−Bに相当する位置において抵抗値の計測を行った。
抵抗値については表2に、及び、抵抗変化率については表3に示す。
Figure 2019219395
Figure 2019219395
この結果により、PEDOT−PSSも、PEDOT−pTSと同様に、力覚素子として用いることができることが明らかになった。
[参考例] 離隔動作識別素子
「離隔動作識別素子」とは、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する素子である。電気特性値としては、電気抵抗値又は静電容量値が好適であり、静電容量値が最も好適である。
「非接触状態」とは、素子と動きの主体の間に何らかの隔たりがある、という意味である。本発明に係わる他の素子は、素子を生体に接触させて、その生体反応や動きを、電気特性値を媒介にして検出するものであるのに対して、離隔動作識別素子は、逆に、動きの主体(対象物)から離れたところに、素子1個を置いて、例えば、隔たりが空間の場合には対象物の接近により、素子と当該対象物の間に新たな電界が生じ、これが対象物の動きに応じて変化することにより、素子の静電容量値が変動する。また、隔たりがヒトの皮膚と筋肉の場合(例えば、皮膚上に当該素子を載置して、血流の変化を検出対象とする場合)には、当該素子と皮膚との間に絶縁体を介在させることにより、血流の拍動による変化に応じた、当該素子における静電容量の変化を検出することにより、血流の変化を把握することが可能である。
離隔動作識別素子として、本発明の導電性材は、上記力覚素子と同様に素材が布地(編物又は織物)であることが好適であり、さらに、単層よりも多層の布地であることが好適である。また、素材は、代表的には紙を含有する素材を用いることができるが、それ以外にも、絹繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、ポリエステル繊維等、特に絹繊維を用いることも可能であるが、より静電容量が大きい、紙を含有する素材の方が離隔動作識別素子としては適している場合が多い。
離隔動作識別素子の非実質部分、例えば、導電材、絶縁材、導電コネクタ、素子を覆うためのカバー材、素子を別の対象に付着させるための接着材、素子を保護するためのクッション材や充填材等も、本発明の電気的素子に含まれる。
離隔動作識別センサは、電気特性値、好ましくは電気抵抗値又は静電容量値、さらに好ましくは静電容量値の変動を検知するものであるため、電圧印加部を備えるか、これに接続可能になっている。電圧印加部は、電池等の直流電源や、商用電源や家庭用電源等の交流電源等である。また、必要に応じて、整流器、コンデンサ、抵抗端子、コイル、トランジスタ、ダイオード等の電気回路、電子回路、デジタル回路等に通常用いられる設備が設けられていても良い。
上記の離隔動作識別素子における電気抵抗値や静電容量値等の変動は、対象物の動きに相関して生ずるものであり、上記検知部は、これらの離隔動作識別素子における電気抵抗値や静電容量値等の変動を定量的に検知することで、外部における対象物の動きを、定量化することができる。検知部には、この定量値を算出処理するための算出処理部が適宜含まれていてもよい。また、さらに学習部を設けて機械学習を行うことにより、当該検出対象の動きと電気抵抗値や静電容量等の変動についての学習済みデータを作出して、新たな検出対象の動きを、当該学習済みデータを基に割り出すことが可能である。さらに、この学習済みデータを適宜更新してもよい。
本発明の力覚素子と上記検知部、学習部は、有線又は無線により電気的に接続されている。
なお、ヒステリシスは、計測毎にリセットをかける、すなわち、ゼロ点補正を計測毎にかけることで、その分を補正することができる。
上記の離隔動作識別手段は、例えば、下記のように規定される。
(1) 基材の表面に、PEDOT−pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)が付着している導電性材が備えられている、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する、離隔動作識別素子。
(2) 離隔動作識別素子の全部若しくは一部が編物又は織物であって、PEDOT−pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)が付着している上撚りされた糸又は仮撚糸が、当該編物又は織物の全部若しくは一部を構成する糸として用いられている、前記(1)に記載の離隔動作識別素子。
(3) 前記電気特性値は、電気容量値又は電気抵抗値である、前記(1)又は(2)に記載の離隔動作識別素子。
(4) 前記(1)−(3)のいずれか1つに記載の離隔動作識別素子と、当該素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、当該素子における電気特性値を検知する、離隔動作識別センサ。
ここに参考例を示す。上記のPEDOT−pTSを付着させた付着基材2(30cm×30cm)を四つ折りにして、これにLED(20mAの場合に6000ミリカンデラ(mcd))を、端子と導電線を介して、電気的に接続した。このような状態で、手指を当該付着基材2に接近させたところ、15cm程度の距離でLEDが点灯し、近づくにつれて光が強くなり、系の静電容量も増加した。この結果は、当該付着基材が、離隔動作識別素子として用いることができることを示している。この試験系の略図を図11に示す。本例では、好適な態様として、和紙糸からなる鹿の子編み布を基材として用いているが、他の素材、例えば、絹を用いた付着基材1を用いることも可能である。当該付着基材1を、上記付着基材2に代えて用いた場合、手指を四つ折りにした付着基材1に最接近(5cm程度)させた時点から徐々に明るさを増し、触れた時点においてLEDの点灯が認められた。

Claims (7)

  1. 外力により電気特性値が変動する力覚素子であって、導電性高分子が付着している1本以上の上撚りされた糸又は仮撚糸を含む、力覚素子。
  2. 力覚素子の全部若しくは一部が編物又は織物であって、導電性高分子が付着している上撚りされた糸又は仮撚糸が、当該編物又は織物の全部若しくは一部を構成する糸として用いられている、請求項1に記載の力覚素子。
  3. 上撚りされた糸又は仮撚糸の表面素材は、絹である、請求項1又は2に記載の力覚素子。
  4. 上撚りされた糸は、絹糸のらせん状の複数層重ね巻きにより中空状に形成され、重ね合わせた各巻層の巻回方向が交互に逆方向に形成されている絹加工糸である、請求項3に記載の力覚素子。
  5. 導電性高分子はPEDOT−pTS、又は、PEDOT−PSSである、請求項1−4のいずれか1項に記載の力覚素子。
  6. 電気特性値は、電気抵抗値又は静電容量値である、請求項1−5のいずれか1項に記載の力覚素子。
  7. 請求項1−6のいずれか1項に記載の力覚素子と、当該力覚素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、導電性高分子が付着している上撚りされた糸又は仮撚糸における電気特性値の変動を検知する、力覚センサ。
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