JP2019215455A - ディスプレイ用反射防止フィルム及び反射防止フィルム付きディスプレイ - Google Patents

ディスプレイ用反射防止フィルム及び反射防止フィルム付きディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光強度の低下が抑制された、ディスプレイ用反射防止フィルム、及び反射防止フィルム付きディスプレイを提供する。【解決手段】ディスプレイ用反射防止フィルム100は、第1主面111と第2主面112と第1主面111に設けられた複数の凹部113とを含む透明部110と、凹部113のそれぞれを覆う黒色部120とを含み、凹部113は、第1主面111からの深さがh1であり、第1主面111と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ1)である第1斜面部114a、114bを含み、0°<θ1<180°であり、第1斜面部114a、114bは、第2主面112側から入射した光を反射する。【選択図】図2

Description

本発明は、ディスプレイ用反射防止フィルム及び反射防止フィルム付きディスプレイに関する。
液晶表示素子を含むディスプレイである液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を含むディスプレイである有機ELディスプレイなどのディスプレイは、外光の一部を表示面で反射する場合がある。更に、ディスプレイに含まれる素子の内部構造が、表示面を透過した外光の一部を反射する場合もある。このような外光の反射は、ディスプレイの画質を低下させる一因となっている。特に有機ELディスプレイの場合、下部の金属電極により反射される外光の割合が大きく、ディスプレイの画質低下が顕著である。そこで、外光の反射を抑制するために、ディスプレイに反射抑制のためのフィルムを設けることがある。
例えば、有機ELディスプレイのパネル前面の一部に、黒色物質が塗布されたフィルターを設ける技術が開示されている。
特開2005−209651号公報
特許文献1の技術では、外光の反射を抑制するために設けたフィルターにより、発光素子から出射した光が遮られて、ディスプレイから出射する光の強度が低下する場合がある。
したがって、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光強度の低下が抑制された、ディスプレイ用反射防止フィルム、及びそのようなディスプレイ用反射防止フィルムを含む、反射防止フィルム付きディスプレイが求められている。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した結果、複数の凹部が設けられた透明部と、凹部のそれぞれを覆う黒色部とを含み、凹部が入射した光を反射する所定の第1斜面部を含む、ディスプレイ用反射防止フィルムにより前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 第1主面と第2主面と前記第1主面に設けられた複数の凹部とを含む透明部と、前記凹部のそれぞれを覆う黒色部とを含み、
前記凹部は、前記第1主面からの深さがhであり、前記第1主面と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ)である第1斜面部を含み、0°<θ<180°であり、
前記第1斜面部は、前記第2主面側から入射した光を反射する、
ディスプレイ用反射防止フィルム。
[2] 前記凹部は、前記第1斜面部を2以上含み、前記第1斜面部は、前記第1主面からの深さhの位置で互いに交わる、[1]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[3] 前記第1斜面部の全光線反射率が70%以上である、[1]又は[2]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[4] 複数の前記凹部が、複数の溝である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[5] 複数の前記溝が、互いに交わらない複数の第1の溝を含む、[4]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[6] 複数の前記第1の溝が、互いに平行に設けられている、[5]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[7] 複数の前記第1の溝が、一定のピッチpで設けられている、[5]又は[6]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[8] 複数の前記溝が、互いに交わらない複数の第2の溝を更に含み、前記第2の溝は、前記第1の溝と交わる、[5]〜[7]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[9] 複数の前記第2の溝が、互いに平行に設けられている、[8]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[10] 複数の前記第2の溝が、一定のピッチpで設けられている、[8]又は[9]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[11] 下記式(1)及び式(2)を満たす、[7]又は[10]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
0°≦|θ−(θCR−θ)|≦5° (1)
0.9×h×(tanθCR+tan(θ/2))≦p≦1.1×h×(tanθCR+tan(θ/2)) (2)
但し、θCRは、前記透明部と空気との臨界角(°)であり、θは、sinθ/sin25°=1.52/nの関係を満たす角度(°)であり、ここでnは前記透明部の屈折率である。
[12] 前記透明部の屈折率nが1.53±0.1であり、θ=16°±5°であり、p=(1.01±0.1)×hである、[7]、[10]又は[11]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[13] 前記凹部が、前記第1主面と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ)であり、前記第1主面と連続する第2斜面部をさらに含み、180°>θ>θ>0°であり、前記第2斜面部は、前記第2主面側から入射した光を反射し、前記第1斜面部と前記第2斜面部とが連続する、[1]〜[12]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[14] 前記第2斜面部の全光線反射率が70%以上である、[13]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[15] 前記凹部が、前記第2斜面部を2以上含み、θ=41°±5°であり、2以上の前記第2斜面部を延ばして得られる面が互いに交わる位置の、前記第1主面からの深さをhとすると、h=(0.5±0.1)×hを満たす、[13]又は[14]に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[16] 前記第1主面側における表面積の33%以上80%以下が前記黒色部で覆われている、[1]〜[15]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[17] 前記複数の凹部と、前記黒色部とで囲まれる空間が空気で満たされている、[1]〜[16]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[18] 前記第1斜面部の表面上に、又は前記第1斜面部及び前記第2斜面部の表面上に、反射膜が形成されている、[1]〜[17]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
[19] 表示面を含むディスプレイと、前記表示面上に設けられた[1]〜[18]のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルムとを含み、前記ディスプレイ用反射防止フィルムの前記第1主面側が視認側に配置されている、反射防止フィルム付きディスプレイ。
本発明によれば、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光強度の低下が抑制された、ディスプレイ用反射防止フィルム、及びそのようなディスプレイ用反射防止フィルムを含む、反射防止フィルム付きディスプレイを提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを、概略的に表す上面図である。 図2は、図1におけるA−A切断面を概略的に表す断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを、概略的に表す断面図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを、概略的に表す上面図である。 図5は、図4におけるB−B切断面を概略的に表す断面図である。 図6は、図4におけるB’−B’切断面を概略的に表す断面図である。 図7は、本発明の第4実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す斜視図である。 図8は、本発明の第5実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す上面図である。 図9は、図8におけるC−C切断面を概略的に表す断面図である。 図10は、図8におけるC’−C’切断面を概略的に表す断面図である。 図11は、図9の一部の拡大図である。 図12は、図10の一部の拡大図である。 図13は、本発明の第6実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す斜視図である。 図14は、本発明の一実施形態に係る反射防止フィルム付きディスプレイを概略的に表す断面図である。 図15は、凹部の形状を定める条件を説明する説明図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「ディスプレイ用反射防止フィルム」を、単に「反射防止フィルム」という場合がある。
以下の説明において、反射防止には、反射が全く生じないようにする場合の他、ディスプレイに反射防止フィルムを備え付けることにより、備え付けていないディスプレイと比較して、反射を抑制する場合も含まれる。
以下の説明において、反射防止フィルムの上面とは、ディスプレイに取り付ける側とは反対側の面(視認側の面)をいう。
以下の説明において、「透明」には、全光線透過率が100%である場合の他、全光線透過率が100%に満たない、半透明の場合も含まれ、通常、厚み方向の全光線透過率が80%以上100%以下の場合をいう。
以下の説明において、「黒色」には、反射率が0%である場合の他、反射率が5%以下である場合も含まれる。
以下の説明において、反射防止フィルムが有する斜面部の、第1主面と平行な面に対する傾斜角は、斜面部と接する面(斜面部が平面である場合は、斜面部を含む面)と、第1主面と平行な面とのなす角度を意味する。
[1.ディスプレイ用反射防止フィルム]
[ディスプレイ用反射防止フィルムの概要]
本発明のディスプレイ用反射防止フィルムは、第1主面と第2主面と前記第1主面に設けられた複数の凹部とを含む透明部と、前記凹部のそれぞれを覆う黒色部とを含み、前記凹部は、前記第1主面からの深さがhであり、前記第1主面と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ)である第1斜面部を含み、0°<θ<180°であり、前記第1斜面部は、前記第2主面側から入射した光を反射する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを、概略的に表す上面図である。図2は、図1におけるA−A切断面を概略的に表す断面図である。
図1及び図2に示すように、反射防止フィルム100は、透明部110と、黒色部120とを備える。
透明部110は、第1主面111と第2主面112とを有するフィルム状の部材である。透明部110は、透明である材料から構成されている。透明部110の第1主面111には、複数の凹部113が設けられている。複数の凹部113は、互いに同じ形状を有しており、第1主面111からの深さhが一定である。複数の凹部113は、第1主面111と平行な方向に延びる溝であり、複数の凹部113は、互いに交わることなく平行に第1主面111に配置されている。複数の凹部113は、隣り合う凹部113と、一定のピッチpで設けられている。凹部113は、第1主面111と平行な面117に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)である、2つの第1斜面部114a、114bを備える。ここで、0°<θ<180°である。第1斜面部114a、114bは、それぞれ平面である。第1斜面部114a、114bは、それぞれ第1主面111と連続し、第1主面からの深さhの位置114Pで互いに交わっている。ここで、隣り合う凹部113における、第1斜面部114aと第1斜面部114bとが交わる位置114Pの間隔が、凹部113のピッチpに相当する。第1斜面部114aと第1斜面部114bとがなす角度は、θである。すなわち、対向する第1斜面部同士がなす角度がθである。図2に示すように、凹部113と黒色部120とで規定される空間の断面は、二等辺三角形である。
黒色部120は、凹部113を覆うように設けられている。黒色部120は、黒色の材料で構成されている。黒色部120は、互いに平行に第1主面111に配置された複数の凹部113それぞれを覆うように複数設けられているので、複数の黒色部120は互いに平行に配置されており、また隣り合う黒色部120は、凹部113と同様にピッチpで設けられている。本実施形態では、黒色部120は、凹部113が有する開口部115を覆っており、凹部113の内部を埋めてはおらず、凹部113と黒色部120とで囲まれる空間は、空気で満たされている。
反射防止フィルム100の第1主面111側から照射される外光の一部は、黒色部120で吸収されて、反射が抑制される。
一方、ディスプレイの発光部から出射され、第2主面112側から反射防止フィルム100に入射した光の一部は透明部110を透過し、黒色部120で覆われていない、透明部110の表面110Uから、反射防止フィルム100の外部に出射される。また、当該光の別の一部は、凹部113が備える第1斜面部114a、114bと空気との界面で反射されることにより、黒色部120で覆われていない、透明部110の表面110Uから、反射防止フィルム100の外部に出射される。したがって、反射防止フィルム100が凹部113を備えることにより、凹部113を備えない場合には黒色部120によって遮られて出射されない光の少なくとも一部を、反射防止フィルム100から出射させることができる。
よって、反射防止フィルム100は、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
反射防止フィルム100の第1主面111側における全表面積における、黒色部120で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは40%以上であり、更に好ましくは45%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下である。
本実施形態において、透明部110の屈折率をn、透明部110と空気との臨界角をθCR(°)、θが、sinθ/sin25°=1.52/nの関係を満たす角度(°)であるとした場合に、下記式(1)及び式(2)の関係が満たされる。
0°≦|θ−(θCR−θ)|≦5° (1)
0.9×h×(tanθCR+tan(θ/2))≦p≦1.1×h×(tanθCR+tan(θ/2)) (2)
式(1)において、|θ−(θCR−θ)|の値は、より好ましくは4°以下であり、更に好ましくは3°以下であり、特に好ましくは0°である。
上記式(2)において、pの値は、より好ましくは0.95×h×(tanθCR+tan(θ/2))以上であり、より好ましくは1.05×h×(tanθCR+tan(θ/2))以下であり、更に好ましくは1.0×h×(tanθCR+tan(θ/2))である。
上記式(1)及び式(2)の関係が満たされることにより、凹部113が備える第1斜面部114a、114bと空気との界面での光の反射が、全反射又は全反射に近くなり、黒色部120で覆われていない、透明部110の表面110Uから反射防止フィルム100の外部に出射される光の強度をより大きくすることができる。
本実施形態において、透明部110の屈折率は、好ましくは1.53±0.1であり、好ましくはθ=16°±5°であり、好ましくはp=(1.01±0.1)hである。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す断面図である。
図3に示すように、反射防止フィルム200は、透明部210と、黒色部220と、更に反射膜230とを備える。
透明部210は、透明部110と同様の構成を有している。透明部210は、凹部113と同様の構成を有する凹部213を備え、第1斜面部114a、114bとそれぞれ同様の構成を有する第1斜面部214a、214bを備えている。
反射膜230は、凹部213が備える第1斜面部214a、214bの表面上に設けられている。反射膜230は、例えば、金属膜などの、光を反射する材料で形成されている。反射膜230の全光線反射率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。反射膜230の全光線反射率は、通常100%以下であり、高いほど好ましい。
黒色部220は、反射膜230が設けられた凹部213の内部を埋めるように設けられ、その結果、凹部213の開口部215を覆っている。反射防止フィルム200の第1主面211側における全表面積における、黒色部220で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは40%以上であり、更に好ましくは45%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下である。
反射防止フィルム200は、反射防止フィルム100と同様に、外光の一部を黒色部220が吸収することにより外光の反射を抑制する。また、ディスプレイの発光部から反射防止フィルム200に入射した光の一部は透明部210を透過し、黒色部220で覆われていない、透明部210の表面210Uから、反射防止フィルム200の外部に出射される。さらに、当該光の別の一部は、第1斜面部214a、214bの表面上に設けられた反射膜230により反射されて、表面210Uから、反射防止フィルム200の外部に出射される。したがって、反射防止フィルム200は、反射防止フィルム100と同様に、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを、概略的に表す上面図である。図5は、図4におけるB−B切断面を概略的に表す断面図である。図6は、図4におけるB’−B’切断面を概略的に表す断面図である。
図4、図5、及び図6に示すように、反射防止フィルム300は、透明部310と、黒色部320とを備える。透明部310は、透明である材料から構成されたフィルム状の部材である。透明部310は第1主面311及び第2主面312を有し、第1主面311には、複数の凹部313A及び複数の凹部313Bが設けられている。凹部313A、313Bは、第1主面311からの深さhが一定である。複数の凹部313Aは、第1主面311と平行な方向に延びる溝(第1の溝)であり、複数の凹部313Aは、互いに交わることなく平行に第1主面311に配置されている。複数の凹部313Aは、隣り合う凹部313Aに対して、一定のピッチpで設けられている。凹部313Aは、第1主面311と平行な面317に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)である、2つの第1斜面部314Aa、314Abを備える。ここで、0°<θ<180°である。第1斜面部314Aa、314Abは、それぞれ平面である。第1斜面部314Aa、314Abは、それぞれ第1主面311と連続し、第1主面311からの深さhの位置314APで互いに交わっている。ここで、隣り合う凹部313Aにおける、第1斜面部314Aaと第1斜面部314Abとが交わる位置314APの間隔が、凹部313Aのピッチpに相当する。第1斜面部314Aaと第1斜面部314Abとがなす角度は、θである。すなわち、対向する第1斜面部同士がなす角度がθである。図5に示すように、凹部313Aと黒色部320とで規定される空間の断面は、二等辺三角形である。
複数の凹部313Bは、第1主面311と平行な方向に延びる溝(第2の溝)であり、複数の凹部313Bは、互いに交わることなく平行に第1主面311に配置されている。凹部313Bは、凹部313Aと直交する。複数の凹部313A及び複数の凹部313Bにより、碁盤目状(マトリックス状)の溝が第1主面311に構成されている。複数の凹部313Bは、隣り合う凹部313Bに対して、一定のピッチpで設けられている。凹部313Bは、第1主面311と平行な面317に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)である、2つの第1斜面部314Ba、314Bbを備える。第1斜面部314Ba、314Bbは、それぞれ第1主面311と連続し、第1主面311からの深さhの位置314BPで互いに交わっている。ここで、隣り合う凹部313Bにおける、第1斜面部314Baと第1斜面部314Bbとが交わる位置314BPの間隔が、凹部313Bのピッチpに相当する。第1斜面部314Baと第1斜面部314Bbとがなす角度は、θである。すなわち、対向する第1斜面部同士がなす角度がθである。図6に示すように、凹部313Bと黒色部320とで規定される空間の断面は、二等辺三角形である。
黒色部320は、凹部313A及び凹部313Bを覆うように設けられている。黒色部320は、黒色の材料で構成されている。黒色部320は、複数の凹部313A及び複数の凹部313B(すなわち、複数の凹部313A及び複数の凹部313Bで構成されたマトリックス状の溝)を覆うように設けられているので、黒色部320はマトリックス状に設けられており、凹部313A及び凹部313Bと同様にピッチpで設けられている。本実施形態では、黒色部320は、凹部313A及び凹部313Bが有する開口部315を覆っており、凹部313A及び凹部313Bの内部を埋めてはおらず、凹部313Aと凹部313Bと黒色部320とで囲まれる空間は、空気で満たされている。
反射防止フィルム300の第1主面311側における全表面積における、黒色部320で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは45%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、式(1)及び式(2)が満たされる。
本実施形態において、透明部310の屈折率は、好ましくは1.53±0.1であり、好ましくはθ=16°±5°であり、好ましくはp=(1.01±0.1)hである。
反射防止フィルム300は、反射防止フィルム100と同様の作用により、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す斜視図である。
図7に示すように、反射防止フィルム400は、透明部410と、黒色部420と、更に反射膜430とを備える。
透明部410は、透明部310と同様の構成を有している。透明部410は、凹部313A及び凹部313Bとそれぞれ同様の構成を有する凹部413A及び凹部413Bを備え、凹部413Aは、第1斜面部314Aa、314Abとそれぞれ同様の構成を有する第1斜面部414Aa、414Abを備え、凹部413Bは、第1斜面部314Ba、314Bbとそれぞれ同様の構成を有する第1斜面部414Ba、414Bbを備えている。
反射膜430は、凹部413Aが備える第1斜面部414Aa、414Abの表面上と、凹部413Bが備える第1斜面部414Ba、414Bbの表面上とに設けられている。反射膜430を形成する材料、及び全光線反射率は、第2実施形態における反射膜230と同様のものとしうる。
黒色部420は、反射膜430が設けられた凹部413A及び凹部413Bの内部を埋めるように設けられ、その結果、開口部415を覆っている。反射防止フィルム400の第1主面411側における全表面積における、黒色部420で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは45%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下である。
反射防止フィルム400は、反射防止フィルム200と同様の作用により、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
[第5実施形態]
図8は、本発明の第5実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す上面図である。図9は、図8におけるC−C切断面を概略的に表す断面図である。図10は、図8におけるC’−C’切断面を概略的に表す断面図である。図11は、図9の一部の拡大図である。図12は、図10の一部の拡大図である。
図8、図9、図10、図11、及び図12に示すように、反射防止フィルム500は、透明部510と、黒色部520とを備える。透明部510は、透明である材料から構成されたフィルム状の部材である。透明部510は第1主面511及び第2主面512を有し、第1主面511には、複数の凹部513A及び複数の凹部513Bが設けられている。凹部513A、513Bは、第1主面511からの深さhが一定である。
複数の凹部513Aは、第1主面511と平行な方向に延びる溝(第1の溝)であり、複数の凹部513Aは、互いに交わることなく平行に第1主面511に配置されている。複数の凹部513Aは、隣り合う凹部513Aに対して、一定のピッチpで設けられている。凹部513Aは、第1主面511と平行な面517に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)である、2つの第1斜面部514Aa、514Abと、第1主面511と平行な面518に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)であり、第1主面511と連続する2つの第2斜面部516Aa、516Abとを備える。ここで、180°>θ>θ>0°である。第1斜面部514Aa、514Ab、第2斜面部516Aa、516Abは、それぞれ平面である。
第1斜面部514Aa、514Abは、第1主面511からの深さhの位置514APで互いに交わっている。ここで、隣り合う凹部513Aにおける、第1斜面部514Aaと第1斜面部514Abとが交わる位置514APの間隔が、凹部513Aのピッチpに相当する。第1斜面部514Aaと第1斜面部514Abとがなす角度は、θである。すなわち、対向する第1斜面部同士がなす角度がθである。
第2斜面部516Aaの一端は、第1主面511と連続し、第2斜面部516Aaの他端は、第1斜面部514Aaと連続する。第2斜面部516Abの一端は、第1主面511と連続し、第2斜面部516Abの他端は、第1斜面部514Abと連続する。第2斜面部516Aaを延ばして得られる面516Aafと、第2斜面部516Abを延ばして得られる面516Abfとは、第1主面511からの深さがhの位置516APで、角度θをなして交わっている。すなわち、対向する第2斜面部を延ばして得られる面同士がなす角度がθである。
複数の凹部513Bは、第1主面511と平行な方向に延びる溝(第2の溝)であり、複数の凹部513Bは、互いに交わることなく平行に第1主面511に配置されている。凹部513Bは、凹部513Aと直交する。複数の凹部513A及び複数の凹部513Bにより、碁盤目状(マトリックス状)の溝が第1主面511に構成されている。複数の凹部513Bは、隣り合う凹部513Bに対して、一定のピッチpで設けられている。凹部513Bは、第1主面511と平行な面517に対する傾斜角がθ’=(90°−1/2×θ)である、2つの第1斜面部514Ba、514Bbと、第1主面511と平行な面518に対する傾斜角が、θ’=(90°−1/2×θ)であり、第1主面511と連続する2つの第2斜面部516Ba、516Bbとを備える。ここで、180°>θ>θ>0°である。第1斜面部514Ba、514Bb、第2斜面部516Ba、516Bbは、それぞれ平面である。
第1斜面部514Ba、514Bbは、第1主面511からの深さhの位置514BPで互いに交わっている。ここで、隣り合う凹部513Bにおける、第1斜面部514Baと第1斜面部514Bbとが交わる位置514BPの間隔が、凹部513Bのピッチpに相当する。第1斜面部514Baと第1斜面部514Bbとがなす角度は、θである。すなわち、対向する第1斜面部同士がなす角度がθである。
第2斜面部516Baの一端は、第1主面511と連続し、第2斜面部516Baの他端は、第1斜面部514Baと連続する。第2斜面部516Bbの一端は、第1主面511と連続し、第2斜面部516Bbの他端は、第1斜面部514Bbと連続する。第2斜面部516Baを延ばして得られる面516Bafと、第2斜面部516Bbを延ばして得られる面516Bbfとは、第1主面511からの深さがhの位置516BPで、角度θをなして交わっている。すなわち、対向する第2斜面部を延ばして得られる面同士がなす角度がθである。
黒色部520は、凹部513A及び凹部513Bを覆うように設けられている。黒色部520は、黒色の材料で構成されている。黒色部520は、複数の凹部513A及び複数の凹部513B(すなわち、複数の凹部513A及び複数の凹部513Bで構成されたマトリックス状の溝)を覆うように設けられているので、黒色部520はマトリックス状に設けられており、凹部513A及び凹部513Bと同様にピッチpで設けられている。本実施形態では、黒色部520は、凹部513A及び凹部513Bが有する開口部515を覆っており、凹部513A及び凹部513Bの内部を埋めてはおらず、凹部513Aと凹部513Bと黒色部520とで囲まれる空間は、空気で満たされている。
反射防止フィルム500の第1主面511側における全表面積における、黒色部520で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは60%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは75%以下であり、更に好ましくは70%以下である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、式(1)及び式(2)が満たされる。
本実施形態において、透明部510の屈折率は、好ましくは1.53±0.1であり、好ましくはθ=16°±5°であり、好ましくはp=(1.01±0.1)hである。
本実施形態において、好ましくはθ=41°±5°であり、好ましくはh=(0.5±0.1)×hである。
反射防止フィルム500の第1主面511側から照射される外光の一部は、黒色部520で吸収されて、反射が抑制される。反射防止フィルム500は、第2斜面部516Aa、516Ab、516Ba、516Bbを有しているので、第2斜面部を有さない反射防止フィルム300と比較して、第1主面511側の表面をより広範囲に黒色部520で覆うことができる。よって、反射防止フィルム500は、反射防止フィルム300と比較して外光の反射をより抑制することが期待される。
一方、ディスプレイの発光部から出射され、第2主面512側から反射防止フィルム500に入射した光の一部は、凹部513Aが備える、第1斜面部514Aa、514Ab、第2斜面部516Aa、516Abと空気との界面で反射され、及び、凹部513Bが備える、第1斜面部514Ba、514Bb、第2斜面部516Ba、516Bbと空気との界面で反射されることにより、黒色部520で覆われていない、透明部510の表面510Uから、反射防止フィルム500の外部に出射される。したがって、反射防止フィルム500が凹部513A、513Bを備えることにより、凹部513A、513Bを備えない場合には黒色部520によって遮られて出射されない光の少なくとも一部を、反射防止フィルム500から出射させることができる。
よって、反射防止フィルム500は、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
[第6実施形態]
図13は、本発明の第6実施形態に係るディスプレイ用反射防止フィルムを概略的に表す斜視図である。
図13に示すように、反射防止フィルム600は、透明部610と、黒色部620と、更に反射膜630とを備える。
透明部610は、透明部510と同様の構成を有している。透明部610は、凹部513Aと同様の構成を有する凹部613Aと、凹部513Bと同様の構成を有する凹部613Bとを備え、第1斜面部514Aa、514Ab、514Ba、514Bbとそれぞれ同様の構成を有する、第1斜面部614Aa、614Ab、614Ba、614Bbを備え、第2斜面部516Aa、516Ab、516Ba、516Bbとそれぞれ同様の構成を有する、第2斜面部616Aa、616Ab、616Ba、616Bbを備えている。
反射膜630は、第1斜面部614Aa、614Ab、614Ba、614Bbの表面上と、第2斜面部616Aa、616Ab、616Ba、616Bbの表面上とに設けられている。反射膜630を形成する材料、及び全光線反射率は、第2実施形態における反射膜230と同様のものとしうる。
黒色部620は、反射膜630が設けられた凹部613A、613Bの内部を埋めるように設けられ、その結果、開口部615を覆っている。反射防止フィルム600の第1主面611側における全表面積における、黒色部620で覆われている表面積の割合は、好ましくは33%以上であり、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは60%以上であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは75%以下であり、更に好ましくは70%以下である。
反射防止フィルム600は、反射防止フィルム500と同様の作用により、外光の反射を抑制しつつ、ディスプレイから出射する光の強度が低下することを抑制できる。
本発明の反射防止フィルムは、上記の実施形態に限定されない。例えば凹部に含まれる第1斜面部は、頂角がθである、直円錐の側面状(円錐面状)に形成されていてもよく、さらに第2斜面部が、頂角がθである直円錐から得られる直円錐台の側面状に形成されていてもよい。
また、例えば縁が直線状となるように凹部としての溝が形成されていてもよく、縁が曲線状となるように凹部としての溝が形成されていてもよい。
[反射防止フィルムの製造方法]
反射防止フィルムは、例えば下記の方法により製造されうる。
金属ブロックを準備し、ダイヤモンドバイトで切削することにより、金属ブロックに所望の形状の凹部を形成する。
凹部を形成した金属ブロックから、例えばニッケル電鋳により凹部の反転形状を有するスタンパー(金型)を作製する。
屈折率nである透明樹脂フィルムを準備し透明樹脂フィルムの一方の面(第1主面)に対して作製したスタンパーを用いてホットプレスして、所望の形状の凹部を透明樹脂フィルムに形成する。
透明樹脂フィルムの第1主面に、透明フィルムを貼り合わせる。貼り合わせた透明フィルムの表面に、紫外線が照射されると粘着性を失う粘着剤を塗布する。
透明樹脂フィルムの第1主面とは反対側の面(第2主面)から、紫外線を照射する。紫外線は、凹部の有する斜面部(第1斜面部、又は第1斜面部及び第2斜面部)により反射されて、透明フィルムのうち、凹部を覆う部分以外から出射されるため、透明フィルムに塗布された粘着剤のうち、凹部を覆う部分以外は粘着性を失う。一方、凹部を覆う部分は、粘着性を保持している。
次いで、透明フィルムに黒色部を形成するためのカーボンシートを重ね、次いで剥離する。透明フィルムに塗布された粘着剤により、凹部を覆う透明フィルムの部分は、カーボンシートが付着し、粘着剤が紫外線の照射により粘着性を失っている凹部を覆っていない透明フィルムの部分は、カーボンシートが付着しない。これにより、凹部を覆う黒色部が形成される。
透明樹脂フィルムの第1主面に透明フィルムを貼り合せた後、透明フィルムのうち凹部を覆う部分に黒色材料を印刷などにより付着させることにより、凹部を覆う黒色部を形成してもよい。
透明樹脂フィルムに凹部を形成した後、凹部と透明樹脂フィルムの第1主面との境界付近に粘着剤を塗布し、黒色フィルムを凹部を覆うように貼り付けてもよい。
反射膜が凹部に形成されている反射防止フィルムは、例えば下記の方法により製造されうる。
例えば上記の方法で、一方の面(第1主面)に所望の形状の凹部が形成された透明樹脂フィルムを製造する。
次いで、透明樹脂フィルムの凹部が形成された面に、アルミニウムなどの金属を蒸着し、凹部の内部を含む透明樹脂フィルムの全面に反射膜を形成する。次いで、金属を蒸着させた面に、黒色材料を塗布する。これにより、凹部の内部に黒色材料が充填される。次いで、黒色材料を塗布した透明樹脂フィルムの上面を研磨することにより、第1主面から黒色材料及び反射膜を除去して、反射膜が設けられた凹部の内部を埋めるように黒色部が形成されている反射防止フィルムを製造できる。
[2.反射防止フィルム付きディスプレイ]
本発明の反射防止フィルムは、ディスプレイが有する発光素子より視認側に設けることにより、ディスプレイによる外光の反射を抑制でき、かつディスプレイから出射する光強度の低下を抑制できる。したがって、本発明の反射防止フィルムを、ディスプレイに好適に使用できる。
図14は、本発明の一実施形態に係る反射防止フィルム付きディスプレイを概略的に表す断面図である。
図14に示すように、反射防止フィルム付きディスプレイ1000は、反射防止フィルム100とディスプレイ1001とを備える。本実施形態では、ディスプレイ1001の最も外側であって、視認側に、反射防止フィルム100が設けられている。反射防止フィルム100を、別の実施形態に係る反射防止フィルムとしてもよい。
ディスプレイ1001としては、特に限定されないが、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどの直視型ディスプレイが挙げられ、特に、下部電極による外光反射を効果的に抑制できるため、有機ELディスプレイが好ましい。
反射防止フィルム付きディスプレイ1000は、反射防止フィルム100を備えているので、外光の反射が抑制されていながら、出射する光の強度の低下が抑制されている。
[有機ELディスプレイからの出射光の測定]
まず、有機ELディスプレイからどのような出射光が放出されているかを測定より確認した。有機ELディスプレイとしては、サムソン製スマートフォン「ギャラクシー(登録商標)」のディスプレイを使用した。測定結果から、有機ELディスプレイから出射される光の、表示面の法線方向に対する角度(以下、放射角度という。)θ(°)に対して光度をプロットしたグラフにおいて、半値幅が、50.5°であることが分かり、また、光の放射角度θ(°)に対する光度の関係が(cosθ)により近似されることが分かった。そこで、有機ELディスプレイの発光体から出射される光の光度を、(cosθ)と設定した。また、光の光度の近似:(cosθ)に基づき、全放射光量に対する−25°≦θ≦25°の範囲の放射光量の割合を求めたところ、81%であった。
[実施例1]
有機ELディスプレイに、反射防止フィルムを取り付けたモデルを設定した。反射防止フィルムは、第3実施形態と同様の構成とした。
反射防止フィルムは、黒色部と透明部とを備えており、黒色部によって外光が吸収され、外光の反射が抑制される。有機ELディスプレイから出射された光は、黒色部で覆われていない透明部の表面から反射防止フィルムの外部に出射される。外光の反射を抑制するためには、反射防止フィルムの第1主面側(視認側)を占める黒色部の面積が大きいほど好ましく、一方有機ELディスプレイから出射される光の強度が低下することを抑制するためには、黒色部で覆われていない透明部の表面から効率良く光を出射させることが好ましい。黒色部で覆われていない透明部の表面から出射される光の強度が大きくなるように、反射防止フィルムの凹部の形状を定めた。具体的には、有機ELディスプレイから放射角度θ=±25°の光を、黒色部で覆われていない透明部の表面から最も多く出射させる凹部の形状を定めた。
条件は下記のとおりとした。
有機ELディスプレイの発光層の屈折率:1.52
有機ELディスプレイの発光層から放射角度θ=±25°で、屈折率n(但し、屈折率nは空気の屈折率より大きい)である透明部に光が入射し、入射した光は凹部が備える第1斜面部で全反射される。第1斜面部で全反射された光は、隣り合う凹部が備える第1斜面部に到達せずに、黒色部で覆われていない透明部の表面に到達し、透明部の表面から出射される。透明部の表面と空気との界面では光は全反射されない。
図15は、凹部の形状を定める条件を説明する説明図である。
有機ELディスプレイの発光層Lから放射角度θ=25°で出射した、矢印A1で示される方向の光は、第1斜面部314Aa、314Abが交わる位置314APで全反射されて矢印A2で示される方向の光となり、透明部310の表面(第1主面311)から、第1主面311と平行な方向(即ち、矢印A3で示される方向)へ出射されるものとする。θCRは、全反射が起こる入射角と起こらない入射角との境界の入射角(臨界角)である。
上記条件下で、n、p、h、及びθの関係を求めたところ、下記式を満たすことが分かった。
|θ−(θCR−θ)|=0° (1’)
=h×(tanθCR+tan(θ/2)) (2’)
但し、θCRは、前記透明部と空気との臨界角(°)であり、θは、sinθ/sin25°=1.52/nの関係を満たす角度(°)である。
本モデルにおいて、反射防止フィルムの全表面積における、黒色部で覆われていない透明部の表面積の割合RTRは、次式で算出される。
Figure 2019215455
反射防止フィルムの全表面積における、黒色部で覆われる表面積の割合RBLは、次式で算出される。
BL=1−RTR
上記式(1’)及び式(2’)を満たす、n、θCR、θ、θ、pの組の例を表1に示す。
Figure 2019215455
また、上記式(1’)及び式(2’)を満たす反射防止フィルムにおける、RTRの例を表2に示す。
Figure 2019215455
照明設計解析ソフトウェア(Optical Research Associates社製「LightTools」)を用いて、上記式(1’)及び(2’)の条件及び下記設定で光線追跡シミュレーションを行った。
有機ELディスプレイの発光範囲:10mm×10mm
モデリングの反射防止フィルムの面積:10mm×10mm
観測面の面積:2mm×2mm
観測面の位置:反射防止フィルムの中央部
=1.53
θ=16°
=50μm
反射防止フィルムの厚みh=100μm
=50.5μm
[実施例2]
有機ELディスプレイに、第5実施形態と同様の構成を有する反射防止フィルムを取り付けたモデルを設定した。下記の事項以外は実施例1と同様にして光線追跡シミュレーションを行った。
・黒色部に覆われる表面積の割合RBLが、60%となるようにhを25μmに設定した。
・θを41°に設定した。
[実施例3]
有機ELディスプレイに、第5実施形態と同様の構成を有する反射防止フィルムを取り付けたモデルを設定した。下記の事項以外は実施例1と同様にして光線追跡シミュレーションを行った。
・黒色部に覆われる表面積の割合RBLが、75%となるようにhを34μmに設定した。
・θを41°に設定した。
[実施例4]
有機ELディスプレイに、第4実施形態と同様の構成を有する反射防止フィルムを取り付けたモデルを設定し、下記の事項以外は実施例1と同様にして光線追跡シミュレーションを行った。
・反射膜の全光線反射率を85%に設定した。
[参考例1]
有機ELディスプレイに、黒色部及び凹部を設けていない、屈折率n=1.53、厚み100μmのフィルムを取り付けたモデルを設定し、実施例1と同じ照明設計解析ソフトウェアを用いて光線追跡シミュレーションを行った。
[参考例2]
参考例1のモデルの視認側に更に円偏光板を取り付けたモデルを設定し、円偏光板により上面からの出射量が半減するとしてモデル上面からの出射量を求めた。
以下の表に、実施例1〜4、参考例1及び2について、黒色部に覆われるフィルム表面積の割合(%)、モデル上面からの出射量(%)、参考例2(円偏光板を取り付けたモデル)の出射量に対する割合(%)を示した。
Figure 2019215455
以上の結果から、実施例1〜4に係る反射防止フィルムは、従来汎用されている円偏光板を含む反射防止フィルムと比較して、同程度の、又はそれ以上の出射量を確保できることがわかる。また、実施例1〜4に係る反射防止フィルムは、黒色部を有することから、参考例1と比較して外光の反射を抑制できる。
100 反射防止フィルム
110 透明部
110U 表面
111 第1主面
112 第2主面
113 凹部
114a 第1斜面部
114b 第1斜面部
114P 位置
115 開口部
117 面
120 黒色部
200 反射防止フィルム
210 透明部
210U 表面
211 第1主面
213 凹部
214a 第1斜面部
214b 第1斜面部
215 開口部
220 黒色部
230 反射膜
300 反射防止フィルム
310 透明部
311 第1主面
312 第2主面
313A 凹部
313B 凹部
314Aa 第1斜面部
314Ab 第1斜面部
314AP 位置
314Ba 第1斜面部
314Bb 第1斜面部
314BP 位置
315 開口部
317 面
320 黒色部
400 反射防止フィルム
410 透明部
411 第1主面
413A 凹部
413B 凹部
414Aa 第1斜面部
414Ab 第1斜面部
414Ba 第1斜面部
414Bb 第1斜面部
415 開口部
420 黒色部
430 反射膜
500 反射防止フィルム
510 透明部
510U 表面
511 第1主面
512 第2主面
513A 凹部
513B 凹部
514Aa 第1斜面部
514Ab 第1斜面部
514Ba 第1斜面部
514Bb 第1斜面部
514AP 位置
514BP 位置
515 開口部
516Aa 第2斜面部
516Ab 第2斜面部
516Aaf 面
516Abf 面
516AP 位置
516Ba 第2斜面部
516Bb 第2斜面部
516Baf 面
516Bbf 面
516BP 位置
517 面
518 面
520 黒色部
600 反射防止フィルム
610 透明部
611 第1主面
613A 凹部
613B 凹部
614Aa 第1斜面部
614Ab 第1斜面部
614Ba 第1斜面部
614Bb 第1斜面部
615 開口部
616Aa 第2斜面部
616Ab 第2斜面部
616Ba 第2斜面部
616Bb 第2斜面部
620 黒色部
630 反射膜
1000 反射防止フィルム付きディスプレイ
1001 ディスプレイ

Claims (19)

  1. 第1主面と第2主面と前記第1主面に設けられた複数の凹部とを含む透明部と、前記凹部のそれぞれを覆う黒色部とを含み、
    前記凹部は、前記第1主面からの深さがhであり、前記第1主面と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ)である第1斜面部を含み、0°<θ<180°であり、
    前記第1斜面部は、前記第2主面側から入射した光を反射する、
    ディスプレイ用反射防止フィルム。
  2. 前記凹部は、前記第1斜面部を2以上含み、前記第1斜面部は、前記第1主面からの深さhの位置で互いに交わる、請求項1に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  3. 前記第1斜面部の全光線反射率が70%以上である、請求項1又は2に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  4. 複数の前記凹部が、複数の溝である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  5. 複数の前記溝が、互いに交わらない複数の第1の溝を含む、請求項4に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  6. 複数の前記第1の溝が、互いに平行に設けられている、請求項5に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  7. 複数の前記第1の溝が、一定のピッチpで設けられている、請求項5又は6に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  8. 複数の前記溝が、互いに交わらない複数の第2の溝を更に含み、前記第2の溝は、前記第1の溝と交わる、請求項5〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  9. 複数の前記第2の溝が、互いに平行に設けられている、請求項8に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  10. 複数の前記第2の溝が、一定のピッチpで設けられている、請求項8又は9に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  11. 下記式(1)及び式(2)を満たす、請求項7又は10に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
    0°≦|θ−(θCR−θ)|≦5° (1)
    0.9×h×(tanθCR+tan(θ/2))≦p≦1.1×h×(tanθCR+tan(θ/2)) (2)
    但し、θCRは、前記透明部と空気との臨界角(°)であり、θは、sinθ/sin25°=1.52/nの関係を満たす角度(°)であり、ここでnは前記透明部の屈折率である。
  12. 前記透明部の屈折率nが1.53±0.1であり、θ=16°±5°であり、p=(1.01±0.1)×hである、請求項7、10又は11に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  13. 前記凹部が、前記第1主面と平行な面に対する傾斜角が(90°−1/2×θ)であり、前記第1主面と連続する第2斜面部をさらに含み、180°>θ>θ>0°であり、前記第2斜面部は、前記第2主面側から入射した光を反射し、前記第1斜面部と前記第2斜面部とが連続する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  14. 前記第2斜面部の全光線反射率が70%以上である、請求項13に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  15. 前記凹部が、前記第2斜面部を2以上含み、θ=41°±5°であり、2以上の前記第2斜面部を延ばして得られる面が互いに交わる位置の、前記第1主面からの深さをhとすると、h=(0.5±0.1)×hを満たす、請求項13又は14に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  16. 前記第1主面側における表面積の33%以上80%以下が前記黒色部で覆われている、請求項1〜15のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  17. 前記複数の凹部と、前記黒色部とで囲まれる空間が空気で満たされている、請求項1〜16のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  18. 前記第1斜面部の表面上に、又は前記第1斜面部及び前記第2斜面部の表面上に、反射膜が形成されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルム。
  19. 表示面を含むディスプレイと、前記表示面上に設けられた請求項1〜18のいずれか1項に記載のディスプレイ用反射防止フィルムとを含み、前記ディスプレイ用反射防止フィルムの前記第1主面側が視認側に配置されている、反射防止フィルム付きディスプレイ。
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