JP2019214169A - インクジェットヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019214169A
JP2019214169A JP2018112508A JP2018112508A JP2019214169A JP 2019214169 A JP2019214169 A JP 2019214169A JP 2018112508 A JP2018112508 A JP 2018112508A JP 2018112508 A JP2018112508 A JP 2018112508A JP 2019214169 A JP2019214169 A JP 2019214169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
discharge
flow path
common
supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018112508A
Other languages
English (en)
Inventor
謙一 宮田
Kenichi Miyata
謙一 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2018112508A priority Critical patent/JP2019214169A/ja
Publication of JP2019214169A publication Critical patent/JP2019214169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】より効果的に画質の低下を抑制可能なインクジェットヘッド及び画像形成装置を提供する。【解決手段】インクジェットヘッドは、複数のノズルと、ノズルに各々インクを供給する複数の供給流路と、複数の供給流路にそれぞれ一端で接続されて供給流路のインクを排出する個別排出流路214と、個別排出流路の一端とは反対側の他端がそれぞれ接続された共通排出流路222と、を備える。共通排出流路のインク排出方向について最上流側の第3の端部と、最も第3の端部に近い他端との間には、インクが流入する開口226aが設けられている。複数の他端は、列に沿って配置され、列ごとに2つの範囲に区分されて、2つの範囲で互いに異なる第2排出流路に接続されている。2つの共通排出流路は、第3の端部及び第3の端部とは反対側の第4の端部のうち一方同士が隣り合わせであり、他方同士が両端となっている。【選択図】図6

Description

この発明は、インクジェットヘッド及び画像形成装置に関する。
ノズルからインクを吐出させて媒体上に着弾させ、画像などを記録する画像形成装置(インクジェット記録装置)がある。この画像形成装置では、各ノズルに連通するインク流路中でインクに対して圧力変動を付与することで、当該圧力変動に応じたインク量及び速度の液滴をノズルから吐出させる。
しかしながら、インク中に気泡や異物などが混入すると、インクに対して適正な圧力変動が付与されなくなったり、ノズルにこれら気泡や異物が詰まったりして、吐出不良が生じるという問題がある。また、インクが吐出されない状態でインク流路中に留められると、インクの成分が分離したりノズルの開口から水分が揮発したりすることにより、適正なインク状態から外れて画質の低下が生じるという問題がある。これらに対し、ノズルに供給するインクを流すインク流路からノズルとは別個にインクを排出させる排出流路を設け、インク、気泡や異物を効果的に排出させる技術がある。排出流路としては、各インク流路から各々分岐する第1排出流路と、複数の第1排出流路の排出インク流下流側がそれぞれ接続される第2排出流路とを組み合わせ、第2排出流路の断面積を第1排出流路より十分に大きくすることで、排出流路の配置スペース削減と排出効率向上の両立が図られている(特許文献1、2)。
また、特許文献3には、第2排出流路の最上流端部にノズルへの供給インクの一部を流すバイパス流路を設けることで、第2排出流路内で排出インク(すなわち、気泡、異物や滞留インク)の流れによどみを生じさせず、これにより各第1排出流路から適切に第2排出流路へインクを排出される技術が開示されている。
特開2010−241120号公報 特表2015−509454号公報 特開2015−36238号公報
しかしながら画像形成装置の高解像度化や高速化の要求に応じてノズルの数や配置密度が増加するにつれて、従来の排出流路では、第2排出流路が長くなり、各第1排出流路と第2排出流路との接続位置、すなわち、第2排出流路への各流入位置から第2排出流路の出口、すなわち、第2排出流路からの出口までの距離の差が大きくなる。これにより、第2排出流路内の排出インク流の圧力損失に応じて圧力分布が生じ、第1排出流路における排出インクの流出特性に差が出て、結局画質の低下につながるという課題がある。
この発明の目的は、より効果的に画質の低下を抑制することのできるインクジェットヘッド及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクを吐出する複数のノズルと、
前記ノズルに各々インクを供給する複数の供給流路と、
前記複数の供給流路にそれぞれ第1の端部で接続されて当該供給流路のインクを排出する第1排出流路と、
複数の前記第1排出流路の前記第1の端部とは反対側の第2の端部がそれぞれ接続された第2排出流路と、
を備え、
前記第2排出流路のインク排出方向について最上流側の第3の端部と、前記インク排出方向について最も前記第3の端部に近い前記第2の端部との間には、前記供給流路を経ずに供給されるインクの流入口が設けられ、
複数の前記第2の端部は、一又は複数の列に沿って配置され、前記列ごとに当該列に沿った方向について互いに異なる2つの範囲に区分されて、当該2つの範囲で互いに異なる前記第2排出流路に接続されており、
前記第2排出流路は、前記2つの範囲の前記第2の端部に接続される2つの前記第2排出流路における前記第3の端部及び当該第3の端部とは反対側の第4の端部のうち一方同士が隣り合わせであり、他方同士が両端となっている
ことを特徴とするインクジェットヘッドである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、
一の前記第2排出流路に対して複数の前記流入口が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記2つの範囲の前記第2の端部にそれぞれ接続される前記2つの第2排出流路は、前記第3の端部同士が隣り合わせに配置されていることを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記複数の供給流路に供給するインクを貯留する第1インク貯留部と、
前記第1インク貯留部と前記流入口とを接続するバイパス流路と、
を備えることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のインクジェットヘッドにおいて、
一の前記バイパス流路は、複数の前記流入口に接続していることを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記2つの範囲の前記第2の端部にそれぞれ接続される前記2つの第2排出流路は、前記第3の端部同士が隣り合わせに配置され、
前記バイパス流路は、隣り合わせの前記第3の端部の間に設けられていることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
一の前記第2排出流路に接続される前記バイパス流路は、当該一の第2排出流路に接続される前記第1排出流路の合成流路抵抗よりも当該バイパス流路の合成流路抵抗が大きくなる数及び形状で設けられていることを特徴とする。
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記第2排出流路の内壁面のうち前記第3の端部から所定の範囲は、前記インク排出方向に垂直な断面積が当該インク排出方向の下流に向けて単調非減少となる形状であることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記所定の範囲の前記内壁面には、曲面形状が含まれることを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記2つの範囲に各々設けられた前記第2排出流路の長さは等しいことを特徴とする。
また、請求項11記載の発明は、
請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備える画像形成装置である。
また、請求項12記載の発明は、請求項11記載の画像形成装置において、
前記複数の供給流路及び前記流入口を介して前記第2排出流路に供給するインクを貯留する第2インク貯留部と、
前記第2排出流路から排出されたインクを前記第2インク貯留部に戻す循環部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に従うと、より効果的に画質の低下を抑制することができるという効果がある。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 ヘッドユニットのインク吐出面側を見た底面図である。 インクジェットヘッドの外観を示す斜視図である。 インクの流路構成の全体を示す模式図である。 ヘッドチップの断面の一部を示す図である。 ヘッドチップにおけるインク排出流路の構造について説明する図である。 ヘッドチップにおけるインク排出流路の構造について説明する図である。 ヘッドチップの断面図である。 バイパス流路の変形例1を説明する図である。 バイパス流路の変形例2を説明する図である。 バイパス流路の変形例3を説明する図である。 バイパス流路の変形例4を説明する図である。 第2実施形態のインクジェットヘッドを含むインクの流路構成の全体を示す模式図である。 共通排出流路からのインクの排出について説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態であるインクジェット記録装置1の概略構成を示す斜視図である。インクジェット記録装置1は、搬送部2と、ヘッドユニット3などを備える。
搬送部2は、2本の搬送ローラー2a、2bと、輪状の搬送ベルト2cなどを備える。搬送ローラー2a、2bは、X方向に回転軸が延びる向きで平行に配置されている。搬送ベルト2cは、搬送ローラー2a、2bの間に架け渡されて、搬送ローラー2aが図示略の搬送モーターの動作に応じて回転することで周回移動する。搬送ローラー2bは、搬送ベルト2cの周回移動に従って回転する。搬送ベルト2cの外周面(搬送面)がZ方向に向いている(上向きの)区間で、当該外周面上に載置された記録媒体Mが搬送ベルト2cの周回移動に従ってY方向に搬送される。
ヘッドユニット3は、搬送部2により搬送される記録媒体Mに対して画像データに基づいて適切なタイミングでインクを吐出して画像を記録する。ヘッドユニット3は、記録媒体Mが搬送面上に載置される範囲で当該搬送面方向にインクを吐出可能に、ここでは、搬送面とインクの吐出面とが対向するように配置されている。このインクジェット記録装置1では、複数、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の4色のインクをそれぞれ吐出する4つのヘッドユニット3が、例えば、記録媒体Mの搬送方向について上流側からY、M、C、Kの色の順に所定の間隔で配列されている。ヘッドユニット3の数は4つでなくてもよく、ヘッドユニット3の数に応じた色数のインクが吐出可能とされ得る。また、有色インクだけではなく、被膜などを形成する透明インクなどが含まれていてもよい。
図2は、ヘッドユニット3のインク吐出面側を見た底面図である。ヘッドユニット3は、各々複数、ここでは8個ずつのインクジェットヘッド100を有し、これらのインクジェットヘッド100を支持部材に固定保持している。各インクジェットヘッド100には、それぞれ、ヘッドチップ101の吐出面側の面(ノズル面)に複数のノズルの開口Nが配列されている。ここでは、開口Nは、Y方向(搬送方向)について4箇所の位置でそれぞれX方向(搬送方向に垂直な方向)に延びるノズル列上に設けられている。開口Nは、全体として、X方向について記録媒体Mへの画像記録可能幅にわたって連続して所定の間隔(ノズル間隔)で配置されている。
記録媒体Mは、特には限られないが、一定の寸法に裁断された枚葉紙であってよい。記録媒体Mは、図示略の媒体供給部から搬送ベルト2c上に供給され、ヘッドユニット3から吐出されたインクが着弾して画像が記録(必要に応じて乾燥、定着動作を含んでもよい)された後に搬送部2から媒体排出部に送られる。あるいは、記録媒体Mとしては、ロール紙が用いられてもよい。また、記録媒体Mとして、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂など、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体が用いられてもよい。
図3は、ヘッドユニット3が備えるインクジェットヘッド100の外観を示す斜視図である。本実施形態のインクジェットヘッド100は、ヘッドチップ101と、保持部102と、共通インク室103などを備える。インクジェットヘッド100は、ヘッドチップ101が搬送ベルト2cと対向する向きでヘッドユニット3により保持されている。
上述のように、ヘッドチップ101には、ノズルの開口Nが二次元配列されており、当該ノズルの開口Nからそれぞれインクが吐出される。なお、図3(b)における開口Nの配置は説明のためのものであり、実際のノズル間隔や開口Nの数などを反映したものではない。
保持部102は、ヘッドチップ101の上面(ノズル面側とは反対側。+Z側)に接合されており、また、共通インク室103を支持している。
図3(a)に示すように、共通インク室103には、開口Nに供給するインクを貯留する共通供給インク室1031(第1インク貯留部)と、開口Nから吐出されずに回収(排出)されたインクを貯留する2つの共通排出インク室1032とが含まれる。それぞれのインク室には、各ヘッドユニット3から吐出される色(ここでは、YMCKのうちいずれか)のインクが貯留される。ここでは、共通供給インク室1031が共通インク室103の中央に設けられ、上方からの平面視で当該共通供給インク室1031のX方向について両側に共通排出インク室1032が設けられている。
共通インク室103(共通供給インク室1031)の略中央には、ヘッドチップ101に接続されるフレキシブルプリント基板(FPC111)が貫通する空間が設けられている。共通供給インク室1031には、供給口1033(インレット)を介してインクが供給される。共通排出インク室1032からは、排出口1034(アウトレット)を介してインクが排出される。
図4は、インクの流路構成の全体を示す模式図である。インクジェット記録装置1は、メインタンク91と、供給用サブタンク92(第2インク貯留部)と、還流用サブタンク93などを備える。
メインタンク91は、供給用サブタンク92に供給されるインクを貯留する。メインタンク91は、送液ポンプ81を介してインク流路71によって供給用サブタンク92と接続されている。送液ポンプ81の動作により、インクは、メインタンク91から供給用サブタンク92に送液される。
供給用サブタンク92は、インクジェットヘッド100の共通供給インク室1031に供給されるインクを貯留する。供給用サブタンク92は、インク流路72によって供給口1033と接続されている。
還流用サブタンク93は、共通排出インク室1032から排出されたインクを貯留する。還流用サブタンク93は、インク流路73によって2つの排出口1034に接続されている。
供給用サブタンク92と還流用サブタンク93との間は、送液ポンプ82を介してインク流路74によって接続されている。送液ポンプ82の動作により、還流用サブタンク93内のインクが供給用サブタンク92に戻される。
インク流路73、74、還流用サブタンク93及び送液ポンプ82が本実施形態の画像形成装置(インクジェット記録装置1)における循環部を構成している。
供給用サブタンク92は、ヘッドチップ101のインク吐出面よりも鉛直方向について高い位置に設けられ、還流用サブタンク93は、インク吐出面よりも鉛直方向について低い位置に設けられている。したがって、供給用サブタンク92の液面とインク吐出面との間の水頭差による圧力P1と、インク吐出面と還流用サブタンク93との間の水頭差による圧力P2に応じて、供給口1033におけるインクの圧力は、排出口1034におけるインクの圧力よりも高くなる。供給用サブタンク92及び還流用サブタンク93の鉛直方向についての高さ(すなわち、圧力P2)は、変更可能であってよい。
図5は、ヘッドチップ101の断面の一部を示す図である。ここでは、1つのノズル211及び接続部35を含む図3の断面線AAにおける断面を示す。
ヘッドチップ101は、ノズル基板21と、中間基板22と、アクチュエーター基板23と、保護基板24などを有する。これらのノズル基板21、中間基板22、アクチュエーター基板23及び保護基板24は、順番に積層されている。
ノズル基板21は、例えば、Si層のノズル層21a及びノズル支持層21cの間に酸化膜層21bを挟んだSOI基板(Silicon on Insulator)である。あるいは、ノズル基板21は、ポリイミドなどの樹脂材料やSUSなどの金属材料によって形成されていてもよい。
ノズル層21aには、インクの液滴を吐出するノズル211が複数形成されている。ノズル層21aのZ方向についての厚さは、例えば、10〜20μmである。ここでは、例えば、X方向に所定の間隔で配列されたノズル211の並び(ノズル列)がY方向(搬送方向)に互いに異なる位置に複数列(例えば4列)設けられている。
ノズル支持層21cは、例えば、厚さ100〜300μmである。ノズル支持層21cには、インク流路となる貫通孔213と、個別排出流路214(第1排出流路)などが設けられている。個別排出流路214は、一端(第1の端部)が貫通孔213(すなわち後述の供給流路)に接続しており、他端(第2の端部)がノズル支持層21cの+Z側の面(上面)で共通排出流路222(第2排出流路)に接続している。個別排出流路214は、ここでは、ノズル支持層21cの−Z側(底面)に開放しており、酸化膜層21bが当該底面側の内壁面をなしている。あるいは、個別排出流路214に面する部分の酸化膜層21bが除去されて、ノズル層21aの上面が個別排出流路214の底面側の内壁面をなしていてもよい。また、ノズル基板21の強度が得られる範囲でノズル層21aにまたがって個別排出流路214が設けられていてもよい。
酸化膜層21bは、例えば、厚さ0.3〜1.0μmのSiO層である。酸化膜層21bには、ノズル層21aのノズル211とノズル支持層21cの貫通孔213との間を連通させる貫通孔212が設けられている。貫通孔212、213は、平面視でノズル211と同心であり、貫通孔212、213の内径は、ノズル211の内径よりも大きい。ノズル211は、逆テーパー形状を有し、開口Nに近いほど内径が小さい。
中間基板22は、例えば、厚さ100〜300μmのSi基板からなる。中間基板22には、貫通孔221と、共通排出流路222と、圧力緩衝部223(ダンパー)などが設けられている。
貫通孔221は、中間基板22をZ方向に貫通し、貫通孔213と接続している。貫通孔221の形状は、単純な円柱状に限られない。貫通孔221の径(断面積)が非一様とされるなどにより圧力損失の大きさ、すなわち、インクの吐出時の運動エネルギーが適宜な大きさに調整されるように構成されていてもよい。
共通排出流路222には、上述のように個別排出流路214の他端側(貫通孔213に接続する側とは反対側の端部)が接続している。共通排出流路222は共通排出インク室1032につながっている(図示略)。なお、個別排出流路214が中間基板22内に設けられて、当該中間基板22の内部で貫通孔221と共通排出流路222とを接続していてもよい。
圧力緩衝部223は、可撓性を有する程度の薄さ(厚さ)の薄板223aと、空気室223bとを有する。薄板223aは、ここでは、共通排出流路222の上側壁面の少なくとも一部をなしている。空気室223bは、当該薄板223aを挟んで共通排出流路222とは反対側(ここでは、薄板223aの上側)に設けられている。空気室223bの高さ方向についての厚さは、少なくとも薄板223aの変形を妨げない程度(例えば、1〜100μm)である。また、空気室223bの容積は、共通排出流路222の容積よりも小さい。空気室223bは、大気連通されていてもよいし、密閉されていてもよい。また、大気連通用の孔部を開閉する蓋部材などが設けられていてもよい。
圧力緩衝部223は、共通排出流路222内のインク圧が変化した場合や、当該インク中を圧力波が伝わる場合に、インクの圧力と空気室223b内の空気圧との差に応じて薄板223aが変形、振動することで圧力変化を緩和、減衰させる。また、薄板223aは、インク圧と空気室223b内の空気圧との差に応じて弾性(伸縮)変形するものであってもよく、あるいは、弾性変形する部材が薄板223aの表面(共通排出流路222の側)に設けられていてもよい。
中間基板22は、共通排出流路222及び薄板223aを含む部分と、空気室223bを含む部分とで別個の基板により構成されて積層されたものであってもよい。
アクチュエーター基板23は、圧力室層23aと、振動層23bを含む。圧力室層23aは、例えば、100〜300μm程度のSi基板からなる。圧力室層23aには、インクに圧力変動を付与するための圧力室231を含むインクの流路が設けられている。このインク流路の一端が中間基板22の貫通孔221と接続されている。ここでは、インク流路は、圧力室層23aを上下に貫通して設けられ、中間基板22の上面が下側の壁面となり、振動層23bが上側の壁面となる。
振動層23bは、例えば、1〜10μm程度の薄い弾性変形可能なSi基板であり、圧力室層23aの上面に接して設けられている。振動層23bには、圧力室層23aのインク流路の他端(貫通孔221と接続される側と反対側の端部)と共通供給インク室1031とを連通させるための貫通孔232が設けられている。
振動層23bの上面上(圧力室層23aとは反対側の面上)には、上方から見た平面視で圧力室231の位置に合わせて加圧部31が設けられている。加圧部31は、下部電極311と、圧電体層312と、上部電極313とを有し、これらが順番に積層、固着されている。下部電極311が振動層23bの上面に固定されており、上部電極313と下部電極311との間に印加された電圧差に応じて圧電体層312が伸縮変形することで振動層23bが歪む。上部電極313と下部電極311との間の電圧を周期的に変化させることで振動層23bの歪みパターンを周期的に変化させて、当該歪みに応じて圧力室231の容積を変化させ、圧力室231内部のインクに圧力変化を付与する。
下部電極311は、例えば、チタン(Ti)や白金(Pt)等の薄膜状の層である。圧電体層312は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などである。上部電極313は、例えば、クロム(Cr)や金(Au)などの薄膜である。これらは、それぞれ振動層23bの上面に順番に成膜されて形成されてよい。
アクチュエーター基板23の上面には、下部電極311及び上部電極313に駆動電圧信号を供給するための信号配線36と、当該信号配線36を駆動部に接続する配線とを接続するための接続部35とが設けられている。ここでは、接続部35は、例えば、駆動ICが設けられたFPC111のアクチュエーター基板23への接続部分である。上述のように、FPC111は、共通供給インク室1031の略中央部から上方に引き出されている。FPC111の回路配線とアクチュエーター基板23上の信号配線36とは、接続部35において、例えば、間に挟まれた異方性導電フィルム(ACF)を介して熱圧着されている。あるいは、異方性導電ペースト(ACP)や銀ペーストなどが用いられて接続されていてもよい。信号配線36と振動層23bとの間は、適宜絶縁層(例えば、SiO膜など)により絶縁されている。ここでは、下部電極311には共通電位(例えば、接地電位)が供給され、上部電極313に対して個別配線により個別の駆動電圧信号が送られる。
保護基板24は、例えば、42アロイにより構成された基板であり、アクチュエーター基板23との接触面側には、加圧部31などを収容する空間が形成されている。また、保護基板24には、上下方向に貫通孔241が形成されている。貫通孔241は、共通供給インク室1031と貫通孔232との間を接続している。
すなわち、供給用サブタンク92から供給口1033を経て共通供給インク室1031に供給されたインクは、貫通孔241、232、圧力室231を含むインクの流路、貫通孔221、213をそれぞれ通ってノズル211に送られる。すなわち、共通供給インク室1031における貫通孔241への入口から貫通孔213のノズル211との境界までが各ノズルにインクを供給する供給流路となる。貫通孔213に送られたインクのうちノズル211から吐出されないインクは、個別排出流路214及び共通排出流路222を通って共通排出インク室1032に流れ、さらに、排出口1034から還流用サブタンク93に戻される。このインクは、適宜、異物などを除去するフィルターなどを介して、還流用サブタンク93から再び供給用サブタンク92に送られることで循環する。
図6及び図7は、ヘッドチップ101におけるインク排出流路の構造について説明する図である。図6(a)は、インク排出流路を上方から透視して見た図である。図6(b)は、共通排出流路222のX方向について略中央で隣り合う端部付近を拡大して示した図である。図7(a)は、図6(a)の断面線BBにおける断面図である。図7(b)は、図6(a)の断面線CCにおける断面図である。図8は、図6(a)の断面線DDにおける断面図である。
複数の個別排出流路214が第2の端部で接続する共通排出流路222は、ノズル列(ノズル列に沿った第2の端部の列)ごとに当該ノズル列方向(X方向)について中央付近で互いに異なる2つの範囲に区分されて2本ずつがそれぞれ±X方向に延在して設けられている。共通排出流路222は、両端側(ここでは、第4の端部。第3の端部に対する他方)でそれぞれ、ヘッドチップ101の±X方向について両端付近に設けられたインク排出室225に接続されている。
共通排出流路222の中央寄りの端(ここでは、第3の端部)同士は、壁面を挟んで隣り合って配置され、当該第3の端部付近には、それぞれ開口226a(流入口)が設けられている。壁面は2つの共通排出流路222を分離してさえいればよく、十分に薄くてよい。開口226aは、貫通孔226、233、242によるバイパス流路を介して共通供給インク室1031と共通排出流路222とをつないでいる。すなわち、共通供給インク室1031のインクの一部は、バイパス流路を介して開口226aから共通排出流路222の第3の端部付近に流入可能となっている。壁面に隔てられる共通排出流路222の長さが等しいほど、長い方の共通排出流路222による圧力分布の差が小さく抑えられるが、ノズル211の配置などに応じて2つの共通排出流路222の長さが多少(すなわち、例えば、ノズル間隔の数倍程度の範囲で)異なっていてもよい。
貫通孔226、233、242の口径(流路の延在方向に垂直な面における断面積)は、同一であっても同一でなくてもよく、また、一部又は全体で連続的に口径が変化するように、例えば、テーパー形状などを有していてもよい。流路抵抗(流れるインクの圧力損失)が適切な値となるようにこれらの口径(形状)とバイパス流路の長さとが定められればよい。特に、一つの共通排出流路222に接続されている複数の個別排出流路214の合成流路抵抗がバイパス流路の流路抵抗(後述のように複数のバイパス流路が接続される場合には合成流路抵抗)よりも小さくなるようにバイパス流路の形状や長さ(複数の場合は、これらに加えて数)が定められるとよい。これにより、インクジェットヘッド100において、個別排出流路214から排出されたインクがバイパス流路へ逆流したり、バイパス流路から流入する多量のインクによって個別排出流路214のインクの流入が妨げられたりするのを抑制することができる。
開口226aから流入するインクは、個別排出流路214から流入するインク、気泡や異物などをよどませずにインク排出室225に送出する共通排出流路222内のインク流を形成する。すなわち、第3の端部がインク排出方向について最上流側となる。個別排出流路214の排出側端部(第2の端部)がいずれも開口226a(インク流の最上流)とインク排出室225a(インク流の最下流)との間に設けられていることで(言い換えると、開口226aが第3の端部と、インク排出方向について当該第3の端部に最も近い第2の端部との間に設けられていることで)、個別排出流路214から排出されるインクがインク排出室225に排出されるまでによどまない。
共通排出流路222は、X方向について区分されている分、各個別排出流路214との接続位置からインク排出室225までの距離の差が小さく抑えられる。これにより、各個別排出流路214のインク流路からの分岐位置(第1の端部)からインク排出室225(第4の端部)までのインク圧の差(すなわち、圧力損失の違い)が小さく抑えられ、流出特性の差が低減される。
インク排出室225の上方(+Z側)には、排出連通口228aが設けられている。排出連通口228aは、貫通孔228、234、243など(まとめてバイパス流路)を介して供給流路を経ずに共通排出インク室1032とインク排出室225とをつないでいる。共通排出流路222からインク排出室225に流入したインクは、排出連通口228aから共通排出インク室1032へ流出する。
図9は、バイパス流路の変形例1を説明する図である。図6〜図8に符号を付して示した構成と同一の構成(場所が変更されているものを含む)に対しては、同一の符号を用いている。
隣り合う共通排出流路222のそれぞれ第1の端部に設けられた複数(2つ)の開口226aに対して一つの共通のバイパス流路(貫通孔226、233、242)が設けられて(接続されて)いてもよい。図9(b)に示すように、ここでは、貫通孔233、242の位置は、X方向について2つの開口226aの中央の位置ではないが、中央に設けられていてもよい。また、上記実施形態と同様に、貫通孔233、242は、延在方向(Z方向)について途中で口径が変化していてもよい。貫通孔233、242の位置は、他の構成との位置関係、例えば、アクチュエーター基板23上に設けられる電気配線を避けるように適宜定められればよい。
図10は、バイパス流路の変形例2を説明する図である。図6〜図8に符号を付して示した構成と同一の構成(場所が変更されているものを含む)に対しては、同一の符号を用いている。
ここでは、各共通排出流路222に対してそれぞれ2つ(複数)ずつ開口226aが設けられている。共通排出流路222と共通供給インク室1031との間の構成、例えば、電気配線などとの位置関係上、十分な口径のバイパス流路を形成することができない場合には、複数のバイパス流路を一つの共通排出流路222に対して接続することで、合成された流路抵抗を低減させて適切な圧力で共通排出流路222に対してインクを流入させることができる。
ここでは、各共通排出流路222の第3の端部付近のY方向について両端付近にそれぞれ開口226aを設けることとしたが、共通排出流路222に対して最も上流側で排出口(第2の端部)が開口している個別排出流路214の当該第2の端部より上流側であれば、X方向について異なる位置に開口226aが設けられていてもよい。
この場合、変形例1と同様に、隣り合わせの共通排出流路222におけるY方向について等しい位置(厳密に等しくなくてもよい)の開口226aを介して、一のバイパス流路からそれぞれの共通排出流路222にインクを流入させてもよい。
図11は、バイパス流路の変形例3を説明する図である。図6〜図8に符号を付して示した構成と同一の構成(場所が変更されているものを含む)に対しては、同一の符号を用いている。
ここでは、開口226aは、共通排出流路222の上面(+Z側の面)に設けられる代わりに、側面(+Y側の面。すなわち、共通排出流路222に接続される個別排出流路214が設けられている側とは反対側の面)に設けられている。共通排出流路222の直上に他の構成、例えば、電気配線などにより空きスペースがない場合には、このように側面側に開口226aを設けて、上方(+Z側)からのバイパス流路内のインク流が孔部2261で−Y方向に向きを変えながら共通排出流路222に流入することとしてもよい。
また、ここでは、共通排出流路222が直方体形状ではなく、第3の端部の−Y側、すなわち、開口226aから流入したインクの流入方向の角が曲面形状となっている。この曲面形状は、インクの排出方向に垂直な断面積が当該排出方向の下流に向けて大きくなっていく(単調非減少)ように定められる。これにより、共通排出流路222に流入したインクが第3の端部や上流側の個別排出流路214の第2の端部付近でよどみやすくなるのを抑制する。ここでは、側面のみを丸めているが、これに加えて/代えて、側面と上面(+Z側)や底面(−Z側)との接続部分などが丸められていてもよい。また、孔部2261の底面と開口226aの対面(+Y側)との接続部分などで丸められていてもよい。
図12は、バイパス流路の変形例4を説明する図である。図6〜図8に符号を付して示した構成と同一の構成(場所が変更されているものを含む)に対しては、同一の符号を用いている。
ここでは、開口226aは、共通排出流路222の第3の端部間の側の側面に設けられている。これに伴って、第3の端部が隣り合う2つの共通排出流路222間の壁の厚さは、2つの孔部2262を間に設けるのに十分な厚さとされる。一方で、ノズル211の開口N及びこれに対応する貫通孔221、213の配置は、予めノズル間隔及び加圧部31の配置間隔に応じて定められているので、個別排出流路214が貫通孔213と共通排出流路222との間でY方向に対して傾いて延在している。
この場合には、バイパス流路から開口226aを経て共通排出流路222へのインク流は、第3の端部から±X方向に共通排出流路222内を流れて、インク排出室225へ流出する。上記実施形態及び各変形例と同様に、一の共通排出流路222に対して設けられる開口226aの数、開口面積及び壁面に対する開口位置は、他の構成、例えば、電気配線との位置関係などに応じて適宜定められてよい。
以上のように、第1実施形態のインクジェットヘッド100は、インクを吐出する複数のノズル211と、ノズル211に各々インクを供給する複数の供給流路と、複数の供給流路にそれぞれ第1の端部で接続されて当該供給流路のインクを排出する個別排出流路214と、複数の個別排出流路214の第1の端部とは反対側の第2の端部がそれぞれ接続された共通排出流路222と、を備える。共通排出流路222のインク排出方向について最上流側の第3の端部と、インク排出方向について最も第3の端部に近い第2の端部との間には、供給流路を経ずに供給されるインクの流入口となる開口226aが設けられている。複数の第2の端部は、一又は複数の列に沿って配置され、列ごとに当該列に沿った方向(X方向)について互いに異なる2つの範囲に区分されて、当該2つの範囲で互いに異なる共通排出流路222に接続されている。共通排出流路222は、2つの範囲の第2の端部に接続される2つの共通排出流路222における第3の端部及び当該第3の端部とは反対側の第4の端部のうち一方同士が隣り合わせであり、他方同士が両端となっている。
このように、従来ノズル列ごとに一つながりで形成されていた共通排出流路を2本に分けることで、共通排出流路に沿った方向についての圧力差の増大を抑えて、各個別排出流路214からのインク流入の不均等を抑制する。これにより、インクジェットヘッド100では、インク吐出動作への影響の不均一性を低減させることができる。また、その一方付近をバイパス流路に接続し、他方をインク排出室225に接続することで、各々適切にインク流を生じさせて、共通排出流路222内(更にさかのぼって個別排出流路214内や供給流路内)でインクが滞留しないようにすることができる。すなわち、インクジェットヘッド100では、供給流路内の気泡や異物を適正に排除し、また、供給流路内部でのインク成分の偏りや粘度や温度の変化などを適切に抑制することができる。そして、流入側と排出側のいずれか同士が隣り合わせになるように配置することで、バイパス流路とインク排出流路の構成を適切に分離し、また、適宜共通化することができるので、インクジェットヘッドの構造を複雑化せず、また、効率的に配置してその大型化を抑えることができる。よって、このインクジェットヘッド100では、より効果的に画質の低下を抑制することができる。
また、インクジェットヘッド100には、一の共通排出流路222に対して複数の開口226aが設けられている。すなわち、電気配線などの他の構成との位置関係上、必要な太さのバイパス流路を形成できない場合などには、複数本に分割して共通排出流路222にインクを供給する形状とすることで、適正に共通排出流路222内のインクを排出させることができる。
また、列状に配置された個別排出流路214の2つの範囲の第2の端部に対してそれぞれ接続される2つの共通排出流路222は、第3の端部同士が隣り合わせに配置されている。このように、特に、流入側をヘッドチップ101の中央側に設けることで、ヘッドチップ101の周縁部のスペースを用いてインクの排出流路を統合整理して共通排出インク室1032へ排出しやすくなる。よって、スペースを有効利用して効率よくインクを排出させて、画質の低下を抑制することができる。
また、インクジェットヘッド100は、複数の供給流路に供給するインクを貯留する共通供給インク室1031と、共通供給インク室1031と開口226aとを接続するバイパス流路と、を備える。ノズルへのインク供給用の共通供給インク室1031から供給流路をバイパスして直接共通排出流路222にインクを供給する構成により、簡便かつ適正にノズル近傍の異物や気泡などを排出させることができ、安定して画質の低下を抑えることができる。
また、変形例2の例では、一のバイパス流路は、複数の開口226aに接続している。特に、ヘッドチップ101の中央付近に隣り合わせに開口226aを設ける場合に、共通のバイパス流路からこれらの開口226aを経て共通排出流路222にインクを流入させることで、より簡便な構造でより適正に異物や気泡などを排出させ、安定した画質で画像形成動作を行わせることができる。
また、変形例4の例では、バイパス流路は、隣り合わせの第3の端部の間に設けられている。これにより、共通排出流路222の最上流側からより均一かつスムーズにインクを流入させて、共通排出流路222の内部に安定したインク流を生じさせることができる。これにより、より確実に異物や気泡を排出させ、また、各ノズル211からのインク吐出特性への影響を低減させることができる。
また、一の共通排出流路222に接続されるバイパス流路は、当該一の共通排出流路222に接続される個別排出流路214の合成流路抵抗よりも当該バイパス流路の合成流路抵抗が大きくなる数及び形状で設けられている。これにより、個別排出流路214から共通排出流路222へのインクの流入及び共通排出流路222からインク排出室225への流出を妨げず、インク吐出特性に与える影響を抑えながら適切に気泡や異物などを排出させることができる。
また、共通排出流路222の内壁面のうち第3の端部から所定の範囲は、インク排出方向に垂直な断面積が当該インク排出方向の下流に向けて徐々に増大していく(単調非減少)となる形状である。これにより、開口226aから流入したインクが共通排出流路222内で滞留せずにより安定したインク流を生じさせることができる。
また、上記所定の範囲の内壁面には、曲面形状が含まれる。すなわち、平面の組み合わせによる角などでインクがよどむのをより効果的に抑制することができる。
また、個別排出流路214の第2の端部の配列に係る2つの範囲に各々設けられた共通排出流路222の長さは等しい。ここでいう等しいとは、設計に対する製造上の微小なずれなどが含まれていてよい。このように、共通排出流路222を均等な長さとすることで、共通排出流路222内での最大圧力差を最小限に抑えることができる。これにより、インク吐出特性のむらを可能な限り低減させることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、上記のインクジェットヘッドを備える。このようなインクジェット記録装置1では、安定してムラの少ない高画質な画像を形成することができる。
また、複数の供給流路、及び開口226aを介して共通排出流路222に供給するインクを貯留する供給用サブタンク92と、共通排出流路222から排出されたインクを前記第2インク貯留部に戻す循環部(インク流路73、74、還流用サブタンク93及び送液ポンプ82)、を備える。このように、適切にインクを循環させて気泡や異物が除かれ、また、均一に戻されたインクを吐出可能とすることで、インクジェット記録装置1では、インクの無駄な消費を極力抑えつつ、安定したインクの吐出を行い、画質の低下を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のインクジェットヘッド100aについて説明する。
図13は、本実施形態のインクジェットヘッド100aを含むインクの流路構成の全体を示す模式図である。
このインクジェットヘッド100aでは、共通供給インク室1031と共通排出インク室1032の配置が入れ替えられており、これに応じて供給口1033と排出口1034が入れ替えられている。すなわち、インクは、共通インク室103のX方向について中央に共通排出インク室1032が位置し、その両側に2つの共通供給インク室1031が設けられている。その他の構成の配置は、図4に示した第1実施形態のインクジェットヘッド100を含む流路構成と同一であり、同一の符号を用いて示している。
図14は、共通排出流路222からのインクの排出について説明する図である。
図14(a)は、インク排出流路を上方から透視して見た図である。図14(b)は、共通排出流路222のX方向について略中央で隣り合う端部付近を拡大して示した図である。
搬送方向について同一位置(同一のY座標位置)に位置する2本の共通排出流路222は、X方向について隣り合う端部側に排出連通口228aが設けられており、各々共通排出インク室1032に連通している。これら2本の共通排出流路222における反対側の端部には、それぞれ開口226aが設けられて、それぞれ両側の共通供給インク室1031からバイパス流路を介してインクが流入可能となっている。
この場合も、共通排出流路222間の間隔は、排出連通口228aが2つ設けられるのに十分な幅を有する。ノズル211(開口N)及びこれに対応する貫通孔221、213の配置は、予めノズル間隔及び加圧部31の配置間隔に応じて定められているので、個別排出流路214が貫通孔213と共通排出流路222との間でY方向に対して傾いて延在している。
なお、複数の共通排出流路222から各々別個に排出連通口228a(貫通孔228など)が設けられる代わりに、複数の共通排出流路222の端部同士をつなぐインク排出室225が設けられて、共通の排出連通口228aから共通排出インク室1032にインクが排出されてもよい。
以上のように、第2実施形態のインクジェットヘッド100aのように、共通排出流路222への開口226aと排出側端部の排出連通口228aとの位置関係が上記第1実施形態とは反対とされてもよい。この場合でも、インクジェットヘッド100aでは、共通排出流路に沿った方向についての圧力差の増大を抑えて、インク吐出動作への影響の不均一性を低減させることができる。また、その一方付近をバイパス流路に接続し、他方をインク排出室225に接続することで、各々適切にインク流を生じさせて、共通排出流路222内でインクが滞留しないようにすることができる。そして、インクジェットヘッドの構造を複雑化せず、また、効率的に配置してその大型化を抑えることができる。よって、このインクジェットヘッド100aでは、より効果的に画質の低下を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、隣り合う2本の共通排出流路222が同一の直線上に配置されることとしたが、1本の共通排出流路222を含む直線から当該直線に垂直な方向に他方の共通排出流路222が若干ずれていてもよい。また、2本の共通排出流路222の延在方向が若干傾いて(異なって)いてもよい。
また、上記実施の形態では、個別排出流路214の第2の端部は、共通排出流路222のインク排出方向に垂直な方向について同一位置に等間隔で配列されたが、これに限られるものではない。インク排出方向に垂直な方向について異なる位置に適宜配置されていてもよい。
また、複数の共通排出流路222に設けられる開口226aの位置、形状やサイズなどは、同一でなくてもよい。例えば、複数のバイパス流路の長さや形状を同一にできない場合などには、個々のバイパス流路に応じて互いに異なる適切な開口226aが設けられてもよい。また、バイパス流路は、共通供給インク室1031から直線状である必要はない。
また、上記実施の形態では、第3の端部側の形状が直方体又は曲面状のものを示したが、他の形状、例えば、平面で囲まれた断面積が下流方向へ増大するような形状や、より複雑な形状であってもよい。また、流入するインクの流れをガイドする部分的な突起や凹部などが設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、インクを還流用サブタンク93から供給用サブタンク92に戻すことで循環させることとしたが、このような循環に係る構成に限られない。直接供給用サブタンク92に戻される構成であってもよい。また、循環しない構成を排除するものでもない。
また、上記実施の形態では、個別排出流路214がノズル基板に設けられ、共通排出流路222が中間基板に設けられたが、他の基板に設けられたり複数の基板をまたいで設けられたりしていてもよい。
その他、上記実施の形態で示した構成、構造、位置関係、サイズや形状などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 インクジェット記録装置
2 搬送部
2a 搬送ローラー
2b 搬送ローラー
2c 搬送ベルト
3 ヘッドユニット
21 ノズル基板
21a ノズル層
21b 酸化膜層
21c ノズル支持層
211 ノズル
212、213 貫通孔
214 個別排出流路
22 中間基板
221、226、228 貫通孔
222 共通排出流路
223 圧力緩衝部
223a 薄板
223b 空気室
225 インク排出室
225a インク排出室
226a 開口
2261、2262 孔部
228a 排出連通口
23 アクチュエーター基板
23a 圧力室層
23b 振動層
231 圧力室
232、233 貫通孔
24 保護基板
241 貫通孔
31 加圧部
311 下部電極
312 圧電体層
313 上部電極
35 接続部
36 信号配線
71〜74 インク流路
81、82 送液ポンプ
91 メインタンク
92 供給用サブタンク
93 還流用サブタンク
100、100a インクジェットヘッド
101 ヘッドチップ
102 保持部
103 共通インク室
1031 共通供給インク室
1032 共通排出インク室
1033 供給口
1034 排出口
N 開口

Claims (12)

  1. インクを吐出する複数のノズルと、
    前記ノズルに各々インクを供給する複数の供給流路と、
    前記複数の供給流路にそれぞれ第1の端部で接続されて当該供給流路のインクを排出する第1排出流路と、
    複数の前記第1排出流路の前記第1の端部とは反対側の第2の端部がそれぞれ接続された第2排出流路と、
    を備え、
    前記第2排出流路のインク排出方向について最上流側の第3の端部と、前記インク排出方向について最も前記第3の端部に近い前記第2の端部との間には、前記供給流路を経ずに供給されるインクの流入口が設けられ、
    複数の前記第2の端部は、一又は複数の列に沿って配置され、前記列ごとに当該列に沿った方向について互いに異なる2つの範囲に区分されて、当該2つの範囲で互いに異なる前記第2排出流路に接続されており、
    前記第2排出流路は、前記2つの範囲の前記第2の端部に接続される2つの前記第2排出流路における前記第3の端部及び当該第3の端部とは反対側の第4の端部のうち一方同士が隣り合わせであり、他方同士が両端となっている
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 一の前記第2排出流路に対して複数の前記流入口が設けられていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記2つの範囲の前記第2の端部にそれぞれ接続される前記2つの第2排出流路は、前記第3の端部同士が隣り合わせに配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記複数の供給流路に供給するインクを貯留する第1インク貯留部と、
    前記第1インク貯留部と前記流入口とを接続するバイパス流路と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 一の前記バイパス流路は、複数の前記流入口に接続していることを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記2つの範囲の前記第2の端部にそれぞれ接続される前記2つの第2排出流路は、前記第3の端部同士が隣り合わせに配置され、
    前記バイパス流路は、隣り合わせの前記第3の端部の間に設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェットヘッド。
  7. 一の前記第2排出流路に接続される前記バイパス流路は、当該一の第2排出流路に接続される前記第1排出流路の合成流路抵抗よりも当該バイパス流路の合成流路抵抗が大きくなる数及び形状で設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記第2排出流路の内壁面のうち前記第3の端部から所定の範囲は、前記インク排出方向に垂直な断面積が当該インク排出方向の下流に向けて単調非減少となる形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記所定の範囲の前記内壁面には、曲面形状が含まれることを特徴とする請求項8記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記2つの範囲に各々設けられた前記第2排出流路の長さは等しいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備える画像形成装置。
  12. 前記複数の供給流路及び前記流入口を介して前記第2排出流路に供給するインクを貯留する第2インク貯留部と、
    前記第2排出流路から排出されたインクを前記第2インク貯留部に戻す循環部と、
    を備えることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
JP2018112508A 2018-06-13 2018-06-13 インクジェットヘッド及び画像形成装置 Pending JP2019214169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018112508A JP2019214169A (ja) 2018-06-13 2018-06-13 インクジェットヘッド及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018112508A JP2019214169A (ja) 2018-06-13 2018-06-13 インクジェットヘッド及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019214169A true JP2019214169A (ja) 2019-12-19

Family

ID=68918252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018112508A Pending JP2019214169A (ja) 2018-06-13 2018-06-13 インクジェットヘッド及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019214169A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021130251A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021130251A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置
JP7347254B2 (ja) 2020-02-20 2023-09-20 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6724923B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP5375669B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びに画像形成装置
KR102139115B1 (ko) 액체 토출 헤드 및 이것을 사용한 헤드 유닛
JP7031687B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP5845122B2 (ja) ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置
JP4069864B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4720917B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びこれを含む記録装置の製造方法、並びに、液体吐出ヘッド及び記録装置
JP7167697B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2019181707A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2010201729A (ja) 液体吐出ヘッド及びこれを含む記録装置の製造方法、並びに、液体吐出ヘッド及び記録装置
JP4241090B2 (ja) インクジェットヘッド
CN112297624B (zh) 液体喷出头以及液体喷出装置
JP2019214169A (ja) インクジェットヘッド及び画像形成装置
JP6772582B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2016055545A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2018171930A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP7305947B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP7151708B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP5751861B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2005231038A (ja) インクジェットヘッド
WO2023157127A1 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
US12023925B2 (en) Liquid ejection head
WO2020026436A1 (ja) インクジェットヘッド及び画像形成装置
CN109747270B (zh) 液体喷射头以及液体喷射记录装置
JP7326754B2 (ja) 液体吐出ヘッド