JP2019210445A - 光硬化性粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
このような方法によれば、被着面の凹凸を埋めつつ一次貼着することができ、しかも、最終的に紫外線硬化させることで接着信頼性をより一層高めることができるから、貼り合せる部材(「貼合部材」とも称する)の被着面に凹凸がある場合の“段差吸収性”と、貼合後の“耐発泡信頼性”とを両立させることができる。
しかし、この場合には、上述のように、画像表示装置構成部材の外側から紫外線を照射して、該画像表示装置構成部材を通して当該粘着シートを紫外線硬化させることはできない。
そのため、樹脂製のフロントパネルを貼り合わせる際には、耐発泡信頼性を有する程度に十分に硬化された、光硬化性を有しない非光硬化性粘着シートを使用せざるを得ない。
しかし、かかる非光硬化性粘着シートは、段差吸収性の点において必ずしも満足できるものではなかった。
以下の(1)〜(3)の全ての特性を備える粘着層(Y)を有することを特徴とする光硬化性粘着シートを提案する。
(1)ゲル分率(光照射前ゲル分率X1)が0〜60%の範囲内にある。
(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。
また、本発明が提案する光硬化性粘着シートは、波長410nmでの光線透過率が80%以上であることから、透明性が要求される光学部材の貼合に必要な十分に低い黄色度(YI)を達成できるという効果を得ることができる。
本発明の実施形態の一例に係る粘着シート(「本粘着シート」と称する)は、所定の特性を備えた粘着層(Y)を有する光硬化性粘着シートである。
本粘着シートが、仮硬化された又は未硬化のものであれば、当該本粘着シートを被着体へ貼合した後、本粘着シートを光硬化(「本硬化」とも称する)することができ、その結果、凝集力を高めて接着性を高めることができる。
(2)粘着層(Y)は、下述する可視光開始剤(c)のうちの水素引抜型の可視光開始剤(c−2)によりゲル分率が60%以下となるように仮硬化され、該可視光開始剤(c−2)による本硬化が可能な粘着層である。
(3)粘着層(Y)は、未硬化のままでシート形状を保持し、下述する可視光開始剤(c)を含有することで、該可視光開始剤(c)による本硬化が可能な粘着層である。
該方法によれば、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体中の官能基(i)と、該化合物中の官能基(ii)とが反応し、化学的な結合が形成されることで硬化(架橋)して、粘着層(Y)が形成される。このようにして粘着層(Y)を形成することで、可視光開始剤(c)が活性を有したまま粘着層(Y)中に存在することができる。
このように、該ラジカル重合性官能基による(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体同士の架橋反応を利用することにより、架橋剤(b)を用いなくとも光硬化(架橋)後の凝集力が効率よく上がりやすく信頼性に優れる等の利点があるため、より好ましい。
なお、上記以外の点及び可視光開始剤(c−2)の好ましい形態等については下述する。
したがって、未硬化(架橋)のままでシート形状を保持させることができ、可視光開始剤(c)を含む粘着層(Y)を形成することができる。
なお、上記以外の点及び枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体の好ましい形態等については下述する。
上記粘着層(Y)は、次の(1)〜(3)の全ての特性を備えるのが好ましい。
(1)通常状態すなわち光照射前の状態のゲル分率(「光照射前ゲル分率X1」と称する)が0〜60%の範囲内にある。
(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。
かかる観点からは、粘着層(Y)は、上記(3)の粘着層(Y)とすることが好ましい。
粘着層(Y)のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)は0〜60%の範囲内であるのが好ましい。
粘着層(Y)のゲル分率が60%以下であれば、光照射によって硬化する余地のある未架橋成分が十分多くあり(仮硬化状態又は未硬化状態にあり)、それだけ柔軟であって、かつ、本硬化の際に、“光照射後ゲル分率X2−光照射前ゲル分率X1”を10%以上にすることができる観点から好ましい。
かかる観点から、粘着層(Y)のゲル分率は0〜60%の範囲内であるのが好ましく、中でも55%以下、その中でも50%以下であるのがさらに好ましい。
なお、「波長405nmの光を照射」とは、紫外線光量計を用いて測定される、波長405nmを感光ピークとして、320〜470nmの波長範囲までに裾野が広がる光感度を有する光を照射することを意味する。
したがって、例えば光照射前ゲル分率X1が40%である場合、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)である光を照射した後の粘着層(Y)のゲル分率(「光照射後ゲル分率X2」と称する)が50%以上になるような光硬化性を備えることが好ましい。
光硬化前後の粘着層(Y)のゲル分率差10%以上であれば、過酷な高温高湿環境等においても高凝集力となり、耐発泡信頼性を高めることができるから、好ましい。
よって、上記光照射前後の粘着層(Y)のゲル分率差は10%以上であるのが好ましく、中でも15%以上、中でも20%以上、中でも30%以上、その中でも50%以上であるのがさらに好ましい。
上記光照射前後の粘着層(Y)のゲル分率差が上記範囲になるように調整するには、波長405nmに光開始剤による吸収があればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
粘着層(Y)は、波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上であるのが好ましい。
波長400nm前後の紫外〜可視光領域に吸収をもつ光開始剤を配合した粘着剤配合物については、光開始剤の光吸収が大きく、その吸収に由来する波長390nmでの光線透過率が低いほど感光性が良く硬化は進行しやすくなる。
一方で波長410nmでの光線透過率が一定以上に高くないと、粘着層(Y)が黄着色し光学部材に使用することが困難になる。
よって、粘着層(Y)は、波長390nmでの前記光線透過率が89%以下であるのが好ましく、中でも88%以下であるのがさらに好ましい。
また、波長410nmでの光線透過率が80%以上であるのが好ましく、中でも85%以上、中でも90%以上であるのがさらに好ましい。
粘着層(Y)の光線透過率を上記のようにするには、可視光に吸収のある開始剤のうち、吸収ピークの裾野が390nmまでは十分届いているのに対し、410nmでは吸収ピークが小さくなる吸光ピーク特性をもつものを用いればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度25℃、周波数1Hzにおいて、0.9×105Pa以下であるのが好ましい。
このような粘弾性特性を有することで、本粘着シートは、被着面の凹凸などの段差を埋めるのに特に優れた段差吸収性を得ることが可能になる。
かかる観点から、粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度25℃、周波数1Hzにおいて、0.9×105Pa以下であるのが好ましく、中でも0.8×105Pa以下であることがさらに好ましい。
光硬化後の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が上記範囲となれば、樹脂部材(X)との積層体を高温試験、高温高湿試験などに供した際に、樹脂部材(X)からのアウトガス成分により粘着層(Y)が発泡するのを抑制することができる点で好ましい。
かかる観点から、光硬化後の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度120℃、周波数1Hzにおいて、0.7×104Pa以上であるのが好ましく、中でも1.0×104Pa以上であることがより好ましく、その中でも2.0×104Pa以上であることがさらに好ましい。
本願発明における実験検討の結果、粘着層(Y)が、樹脂部材(X)/粘着層(Y)/ガラスセンサーの構成で貼合使用される場合は、粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)の好ましい範囲は、上記範囲のとおりである一方、樹脂部材(X)/粘着層(Y)/フィルムセンサーの構成で貼合使用される場合は、フィルムセンサーが通常100μm以下の薄肉で剛性が小さく、シランカップリング剤による信頼性向上効果は、ガラス材による信頼性向上効果と比べると低いため、湿熱環境試験においてガラスセンサーの場合よりも発泡が生じやすく、さらに高い水準の貯蔵弾性率(G’)が必要となる。
粘着層(Y)は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)及び可視光開始剤(c)、必要に応じてさらに架橋剤(b)、必要に応じてさらにシランカップリング剤(d)、必要に応じてさらにその他の材料を含有する粘着剤組成物(「本樹脂組成物」と称する)から形成することができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)は、光硬化可能であることが好ましい。
この側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記の中でも、炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートとして、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか1種以上を含むことが特に好ましい。
なお、前記の中でも、アルキル(メタ)アクリレートと、該アルキル(メタ)アクリレート以外の前記共重合性モノマーFを選択することが好ましい。
なお、前記の中でも、アルキル(メタ)アクリレートと、該アルキル(メタ)アクリレート以外の前記共重合性モノマーGを選択することが好ましい。
したがって、共重合性モノマーHと、それ以外のモノマーの選択や配合比率によって、グラフト共重合体の主鎖と側鎖の特性を変化させることができる。
また、疎水性のビニルモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アルキルビニルモノマーなどを挙げることができる。
上記マクロモノマーとしては、他のモノマーと共重合可能なラジカル重合性基を有するものが好ましい。ラジカル重合性基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
上記マクロモノマーが官能基を有する場合も官能基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
また、ラジカル重合性基と官能基はどちらか一方でも、両方含有していてもよい。ラジカル重合性基と官能基を両方含有する場合は、他のモノマーからなる重合物ユニットとの付加する官能基又は他のモノマーと共重合するラジカル重合性基の何れか以外の官能基若しくはラジカル重合性基は二つ以上であってもよい。
中でも、他のモノマーと共重合可能なラジカル重合性基を有するものが好ましい。ラジカル重合性基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。マクロモノマーが官能基を有する場合においても、官能基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
また、ラジカル重合性基と官能基は、どちらか一方でも、両方含有していてもよい。ラジカル重合性基と官能基を両方含有する場合は、他のモノマーからなる重合物ユニットとの付加する官能基又は他のモノマーと共重合するラジカル重合性基の何れか以外の官能基もしくはラジカル重合性基は二つ以上であってもよい。
具体的には、マクロモノマーのガラス転移温度(Tg)は、本粘着シートの加熱溶融温度(ホットメルト温度)に影響するため、30℃〜120℃であるのが好ましく、中でも40℃以上或いは110℃以下、その中でも50℃以上或いは100℃以下であるのがさらに好ましい。
マクロモノマーのガラス転移温度とは、当該マクロモノマー自体のガラス転移温度を意味し、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
また、マクロモノマーの数平均分子量は、500〜10万であるのが好ましく、中でも8000未満であることが好ましく、中でも800以上或いは7500未満、その中でも1000以上或いは7000未満であるのがさらに好ましい。
上記活性エネルギー線架橋性構造とは、例えば後述する可視光開始剤(c)の存在下において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)の一部分、又は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)以外の硬化成分と反応し、架橋構造を形成し得る構造部位である。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)のポリマー鎖が不飽和二重結合を有することにより、架橋剤を含有しない場合であっても、ポリマー鎖同士が直接重合することができ、貯蔵弾性率(G’)を高い水準に上げることができる。
なお、活性エネルギー線照射をするに際しては、波長405nmの光を含んでいる任意の光源を使用すればよく、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から可視光LED光源、高圧水銀ランプなどを利用することができる。
このような(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−2)としては、例えばデシル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数10)、ラウリル(メタ)アクリレート(炭素数12)、トリデシル(メタ)アクリレート(炭素数13)、ヘキサデシル(メタ)アクリレート(炭素数16)、ステアリル(メタ)アクリレート(炭素数18)、ベヘニル(メタ)アクリレート(炭素数22)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤(b)としては、少なくとも二重結合架橋を有する架橋剤が好ましい。例えば(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アジリジン基、ビニル基、アミノ基、イミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種の架橋性官能基を有する架橋剤を挙げることができ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、架橋剤を2種類以上組み合わせて使用することで、それぞれを単独で使用した場合と比べて、総計の配合量が同じ場合であっても、高い貯蔵弾性率(G’)を達成できる。
したがって、架橋剤(b)を2種類以上組み合わせて使用することがより好ましい。
また、架橋剤(b)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と化学結合した態様も包含される。
なお、上記架橋性官能基は、脱保護可能な保護基で保護されていてもよい。
該多官能(メタ)アクリレート(b−1)は、1種又は2種以上を組み合わせて(混合物として)使用してもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル(a)が極性成分を含むことで、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)との相溶性が良好となり、混合時に混ざり易くなり、未架橋の状態で長時間保管した際の相分離が生じづらくなり、ヘイズ値が上昇する虞がない。
さらには、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)が、少なくともメチル(メタ)アクリレートを含有し、かつ、(共重合性モノマーA〜Gから選択される)親水性モノマーの合計量が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)全体の中の10質量部以上を占める、モノマー成分の共重合体であることが特に好ましい。
可視光開始剤(c)は、可視光線、少なくとも390nm、405nm及び410nmの波長を有する光線、例えば380nm〜700nmの波長領域の光線の照射によって、ラジカルを発生させて(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)の反応の起点となる可視光開始剤であるのが好ましい。
但し、可視光開始剤(c)は、可視光線の照射のみによってラジカルを発生させるものであってもよいし、また、可視光領域以外の波長領域の光線の照射によってもラジカルを発生させるものであってもよい。
一方、波長405nmでの吸光係数の上限としては、1×104mL/(g・/cm)以下であるのが好ましく、1×103mL/(g・/cm)以下であるのがより好ましい。なお、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)未満の光開始剤と併用してもよい。
また、光開始剤特有の着色については、従来は粘着剤に可視光線を照射して硬化させる開裂型可視光開始剤(c−1)を添加する場合、着色のおそれがあった。そこで、可視光開始剤(c)としては、反応分解物の可視光線域の吸収がなくなり、消色するものを適宜選択することが好ましい。
他方、水素引抜型の光開始剤は、複数回光照射されても反応開始剤としての機能を維持することができるばかりか、紫外線などの活性エネルギー線照射によるラジカル発生反応時に、開裂型光開始剤のような分解物を生じないので、反応終了後に揮発成分となりにくく、被着体へのダメージを低減させることができる点で有用である。
よって、可視光によって励起されて重合を開始する水素引抜型可視光重合開始剤(c−2)が特に好ましい。
この中でも、反応後に分解物となり消色する点で、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光開始剤が好ましい。
この中でも、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルの混合物からなる群より選択される何れか1種又は2種であるのが好ましい。
また、可視光開始剤(c)の他に、紫外線等の他の光線の照射によってのみラジカルを発生させるものを混合してもよい。
可視光開始剤(c)の含有量を上記範囲とすることで、可視光線に対する適度な反応感度を得ることができる。
シランカップリング剤(d)は、接着性の向上、中でもガラス材に対する接着力を高めることができる。
シランカップリング剤としては、例えばビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基等とともに、アルコキシ基のような加水分解可能な官能基を有する化合物を挙げることができる。
シランカップリング剤の具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示することができる。
中でも、粘着層(Y)においては、接着性が良好であり、黄変等の変色が少ないこと等の観点から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを好ましく用いることができる。
前記シランカップリング剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物等のカップリング剤も有効に活用できる。
粘着層(Y)を形成する本樹脂組成物に含まれる、上記以外の成分としては、例えば光安定化剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、金属腐食防止剤、老化防止剤、帯電防止剤、吸湿剤、発泡剤、消泡剤、無機粒子、粘度調整剤、粘着付与樹脂、光増感剤、蛍光剤などの各種の添加剤、反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)などを挙げることができる。
また、その他、通常の粘着剤組成物に配合される公知の成分を適宜含有してもよい。
また、各成分を2種類以上併用してもよい。
中でも、上記紫外線吸収剤は、透明性、紫外線吸収性及び相溶性の観点から、トリアジン系紫外線吸収剤が特に好ましい。
粘着層(Y)を形成する好ましい本樹脂組成物の一例として、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と、上記架橋剤(b)と、可視光開始剤(c)と、必要に応じて、シランカップリング剤とを含有する組成を挙げることができる。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)が、上述した側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、上記親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
さらにまた、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
また、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
また、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
さらにシランカップリング剤を配合することにより、接着性、特にガラス材に対する接着性をより高めることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)をベース樹脂とする粘着層(Y)は、上記加えて、加熱すると溶融乃至流動するホットメルト性を有するので、より高い段差吸収性を有することができる。
特に、常温での流動性が高く保管性に難点のある(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体に対して、仮硬化によって保管性を高める工程を経た場合でも、貼合後の可視光硬化の後工程によって硬化を進行させることができる。
さらにシランカップリング剤を配合することにより、接着性、特にガラス材に対する接着性をより高めることができる。
上述のとおり、粘着層(Y)を積層構成とした場合は、本樹脂組成物を用いた粘着層(Y)が、最外層である表裏層であることが耐発泡性の観点から好ましい。
この際、表裏層としての粘着層(Y)の厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。粘着層(Y)の厚みが、15μm以上であると、信頼性試験において、被着体部材から発生するアウトガス圧に押し負けて発泡する等の不具合が生じる虞が少ない点で好ましい。
すなわち、マクロモノマーを備えたグラフト共重合体を用いて形成された粘着層(Y)は、光硬化前は未架橋状態にあって、多官能(メタ)アクリレートモノマーを使用すると、かかる多官能(メタ)アクリレートモノマー成分の作用により、光硬化前の粘着層(Y)が比較的粘度の低い層となる場合がある。
そのため、このような場合には、該粘着層(Y)よりも粘度が高い他の層(Z)を、該粘着層(Y)に積層するのが好ましい。
例えば、粘着層(Y)/層(Z)/粘着層(Y)の3層からなる多層構成であれば、優れた保管安定性を兼備することができる。
このような保管安定性の観点から、前記他の層(Z)の粘度は、温度70℃〜100℃の範囲において、1〜10kPa・sであることが好ましく、1.5〜5kPa・sであることがより好ましい。
なお、該粘度は実施例に記載の方法に準じて測定される値である。
本粘着シートが、このような比較的低いTgを有することで、低温粘着特性(低温剥離強度等)が向上し、耐衝撃吸収性を有することができる。
したがって、耐衝撃吸収性の観点からは、上記粘着層(Y)と積層される他の層の405nm光照射後のTgは、15℃未満、中でも10℃未満、特に5℃未満であることが特に好ましい。
なお、該Tgは、動的粘弾性のTanδのピーク温度で測定される値であり、詳細には実施例に記載の方法に準じて測定される値である。
本粘着シートは、離型フィルム付き粘着シートとすることもできる。
例えば離型フィルム上に単層又は多層のシート状の粘着層を成形して離型フィルム付き粘着シートとすることもできる。
離型フィルムの材質としては、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、フッ素樹脂フィルム等のフィルムに、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものや、離型紙などを適宜選択して用いることができる。
また、同じ厚さであっても、異なる厚さであってもよい。
また、剥離力の異なる離型フィルムや厚さの異なる離型フィルムを本粘着シートの両側に積層することができる。
本粘着シートの少なくとも一方の面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下の離型フィルムを積層することで、可視光の照射により光重合が進むのを効果的に防ぐことができる。
かかる観点から、本粘着シートの一方又は両方面に積層する離型フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
また、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、紫外線吸収剤を配合した再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムに、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる層の片面若しくは両面に、紫外線吸収剤を含まない樹脂からなる層を成形してなる多層のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、さらにその紫外線吸収層の上に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、他方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
さらにまた、一方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる樹脂フィルムの他方面と、別途準備した樹脂フィルムとを、紫外線吸収剤を含む接着層乃至粘着層を介して積層したもの等を挙げることができる。
上記フィルムは、帯電防止層やハードコート層、アンカー層など、必要に応じて他の層を有していてもよい。
さらには、被着体である画像表示装置用構成部材間に本樹脂組成物を直接充填することによって、本粘着シートの態様とすることもできる。
本粘着シートを製造する方法の一例について説明する。
先ず、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)及び可視光開始剤(c)、必要に応じてさらに架橋剤(b)、必要に応じてさらにシランカップリング剤(d)、必要に応じてさらにその他の材料をそれぞれ所定量混合して本樹脂組成物を調製すればよい。
これらの混合方法としては、特に制限されず、各成分の混合順序も特に限定されない。また、組成物製造時に熱処理工程を入れてもよく、この場合は、予め、本樹脂組成物の各成分を混合してから熱処理を行うことが望ましい。
また、各種の混合成分を濃縮してマスターバッチ化したものを使用してもよい。
また、本樹脂組成物は、溶剤を含まない無溶剤系として使用することできる。無溶剤系として使用することで溶剤が残存せず、耐熱性及び耐光性が高まるという利点を備えることができる。
かかる観点からも、本樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)、架橋剤(b)及び可視光開始剤(c)を含む形態であることが好ましい。
また、例えば積層構成の本粘着シートは、前記本樹脂組成物を、基材シート又は離型シート上に塗布(塗工)して、第1番目の層を形成し、形成した第1番目の層上に該本樹脂組成物を塗布(塗工)して、第2番目の層を形成することを繰り返す方法や、前記と同様にして、第1番目と第2番目の層を形成しておき、その後、それぞれの塗布(塗工)面同士を貼り合せる方法や、該本樹脂組成物を多層コーティングや共押出成型により第1番目の層と第2番目の層を同時に形成する方法により作製することができる。
本粘着シートは、上述したように、樹脂部材(X)を貼合するために好適に用いることができる。
例えば樹脂部材(X)と画像表示パネル(P)とを本粘着シートを介して貼合して光硬化性粘着シート積層体を形成し、当該樹脂部材(X)側から、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となる光を、樹脂部材(X)を通して本粘着シートに照射することにより、粘着層(Y)を光硬化させ、光硬化前後のゲル分率差を10%以上として凝集させて、画像表示パネル積層体を製造することができる。
樹脂部材(X)としては、365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、405nmでの光線透過率が60%以上であるものが好ましい。
このような樹脂部材(X)として、樹脂材料を主成分とし、紫外線吸収剤を用いて前記光線透過率を有するように調整されたものを挙げることができる。
この際、「主成分樹脂」とは、樹脂部材(X)を構成する樹脂の中で最も含有質量の多い樹脂を意味する。
画像表示パネル(P)として、例えば偏光フィルムその他位相差フィルム等の他の光学フィルム、液晶材料及びバックライトシステムから構成される(通常、本組成物又は粘着物品の画像表示パネルに対する被着面は光学フィルムとなる)ものであり、液晶材料の制御方式によりSTN方式やVA方式やIPS方式等があるが、何れの方式であってもよい。
また、画像表示パネルは、タッチパネル機能をTFT−LCD内に内蔵したインセル型であっても、偏光板とカラーフィルタを設けたガラス基板の間にタッチパネル機能を内蔵したオンセル型であってもよい。
とりわけ、当該粘着層(Y)は、上述したように、活性エネルギー線硬化性部位を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いたり、官能基(i)を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と、該官能基(i)と反応する官能基(ii)を有する化合物による化学的な結合を具備させたり、アルキレンオキサイド未変性の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いて形成し、これらに起因する架橋構造を有することが特に好ましい。
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
実施例、比較例に用いた材料について説明する。
(光硬化性粘着シートY)
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を13.5質量部、ラウリルアクリレートを43.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを40質量部、及びアクリルアミド2.8質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)を用意した。
このアクリル系グラフト共重合体1kgに対し、架橋剤としてプロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATM−4PL)90g、可視光開始剤として開裂型可視光開始剤を含む混合物である、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製 Esacure KTO46)15gを添加し、均一混合して、光硬化性組成物を得た。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ150μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの光硬化性粘着シートY1を作製した。
なお、光硬化性粘着シートY1は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
樹脂部材(X)として、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート系樹脂板(三菱瓦斯化学社製、ユーピロンシートMR58)であり、厚さ1.0mm(貼合構成Pで使用)及び1.5mm(貼合構成Q及び貼合構成Rで使用)のものを用いた。
いずれの厚さのものも365nmでの光線透過率0%、405nmでの光線透過率83%であった。
離型フィルム付き光硬化性粘着シートY1の一方の面の剥離フィルムを剥がし、前記ポリカーボネート板(樹脂部材X)の一方の面にロール貼合し、樹脂部材(X)/光硬化性粘着シートY1の光硬化性粘着シート積層体(「X/Y1積層体」とも称する)を得た。
光硬化性粘着シートYの架橋剤の種類をペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3)に変更し、配合部数をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY2及びX/Y2積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY2は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
光硬化性粘着シートYの(メタ)アクリル系共重合体の組成を、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を12.7質量部、ラウリルアクリレートを41.1質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを37.6質量部、アクリルアミド2.6質量部及び4−ヒドロキシブチルアクリレート6質量部をランダム共重合してなるヒドロキシ基含有アクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)100質量部に対し、2−イソシアナトエチルメタクリレート6.5質量部を付加反応させて得られた、炭素−炭素二重結合の活性エネルギー線架橋性構造部位を有する(メタ)アクリル系共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY3及びX/Y3積層体を得た。なお、光硬化性粘着シートY3は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
光硬化性粘着シートとして、可視光開始剤として水素引抜型可視光開始剤である、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(BASF社製、Irgacure MBF)を用い、予め、405nmでの積算光量が100(mJ/cm2)となるように光を照射して一次硬化(架橋)させたものを用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY4及びX/Y4積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY4は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を13.5質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを73.7質量部、アクリルアミド2.8質量部及びメチルアクリレート10質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:26万)を使用し、架橋剤の種類をペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)に変更し、配合部数をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY5及びX/Y5積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY5は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
架橋剤の配合量をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し120gに変更した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY6及びX/Y6積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY6は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
架橋剤の種類を、アクリル系グラフト共重合体1kgに対し、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)をそれぞれ90g、30gの併用で使用した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY7及びX/Y7積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY7は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
架橋剤の種類を、アクリル系グラフト共重合体1kgに対し、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)それぞれ120g、40gの併用で使用した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY8及びX/Y8積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY8は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
(メタ)アクリル系共重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3,000)を13.5質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを73.7質量部、アクリルアミド2.8質量部及びメチルアクリレート10質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:26万)1kgに対し、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)を、それぞれ75g、25gの量で併用し、可視光開始剤として開裂型可視光開始剤を含む混合物である、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製 Esacure KTO46)15gを添加し、シランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2g(信越シリコン株式会社製 KBM403)を均一混合して、光硬化性組成物を得た。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ25μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの表裏層用粘着シートY9aを作製した。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ100μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの中間層用粘着シートY9bを作製した。
上記中間層用粘着シートY9bに用いた(メタ)アクリル系共重合体を、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3,000)を13.5質量部、ラウリルアクリレートを43.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを40質量部、及びアクリルアミド2.8質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)に変更して中間層用粘着シートY10bを形成した以外は実施例9と同様にして、(表裏層用粘着シートY9a)/(中間層用粘着シートY10b)/(表裏層用粘着シートY9a)からなる2種3層の積層体(総厚150μm)である光硬化性粘着シートY10及びX/Y10積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY10は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として水素引抜型開始剤である、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製、Esacure TZT)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY11及びX/Y11積層体を得た。
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として水素引抜型開始剤である、1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(Lamberti社製、Esacure1001M)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY12及びX/Y12積層体を得た。
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として可視光吸収水素引抜型開始剤である、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、DETX−S)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY13及びX/Y13積層体を得た。
光硬化性粘着シートとして、光硬化性を有しない、市販の非硬化性光学用透明粘着シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY14及びX/Y14積層体を得た。
本明細書中に表示される評価の方法について説明する。
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で測定した。
樹脂部材(X)について、分光光度計(島津製作所製 UV2000)を用いて、波長300nm〜800nmの分光透過率(%T)を測定した。かかる分光透過率を光線透過率とした。
実施例及び比較例で得られた光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、予め質量(X)を測定したSUSメッシュ(♯200)で袋状に包み、袋の口を折って閉じて、この包みの質量(Y)を測定した後、100mlの酢酸エチルに浸漬させ23℃24時間暗所保管した後、包みを取り出して70℃で4.5時間加熱し付着している酢酸エチルを蒸発させ、乾燥した包みの質量(Z)を測定し、求めた質量を下記式に代入して、ゲル分率X1を求めた。
ゲル分率(%)=[(Z−X)/(Y−X)]×100
58mm×110mm×厚さ0.8mmのガラスの周縁部(長辺側3mm、短辺側15mm)に、厚さ22〜24μmの印刷を施し、中央の凹部が52mm×80mmの印刷段差付ガラス板を準備した。
実施例及び比較例で得られた離型フィルム付きの光硬化性粘着シートY1〜Y14それぞれについて、一方の離形フィルムを剥がし、ソーダライムガラス(54mm×82mm×厚さ0.5mm)の全面にロール貼合した後、残るもう一方の離形フィルムを剥がし、前記印刷段差付きガラス板の額縁状の印刷段差に、粘着シートがかかるようにして真空プレスを用いて真空圧着(温度25℃、プレス圧0.13MPa)して評価サンプルを作成した。
評価サンプルを、60℃、0.2MPa、20minの条件でオートクレーブ処理した後、下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):段差周辺部に、微小気泡が全く見られない
×(poor):段差周辺部に、微小気泡が見られる
実施例及び比較例で得たX/Y1〜Y14積層体のそれぞれについて、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となるよう光を照射した。
405nmでの積算光量とは、紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)、及び受光器「UVD−C405」(ウシオ電機株式会社製)を用いて、樹脂部材(X)の高圧水銀ランプで照射する側の面とは逆の面に光量計を設置して測定した、樹脂部材(X)を透過して光硬化性粘着シート(Y1〜Y14)に照射される積算光量である。
この後、分光測色計(スガ試験機(株))「SC−T」を用いて、JIS K7103に基づきX/Y1〜Y14積層体の黄色度(YI)を測定し、下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):YIが2未満
×(poor):YIが2以上
実施例及び比較例で得たX/Y1〜Y14積層体について、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となるよう光を照射した。
405nmでの積算光量とは、紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)、及び受光器「UVD−C405」(ウシオ電機株式会社製)を用いて、樹脂部材(X)の高圧水銀ランプで照射する側の面とは逆の面に光量計を設置して測定した、樹脂部材(X)を透過して光硬化性粘着シート(Y1〜Y14)に照射される積算光量である。
この後、UVB蛍光ランプ(G15T8E 三共電気株式会社製、放射照度70μW/cm2)を用いて、距離20cm、72hrの照射試験を実施した。
照射前後のX/Y1〜Y14積層体の黄色度(YI)の変化量ΔYIから下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):ΔYIが0.2未満
×(poor):ΔYIが0.2以上
実施例及び比較例で得たX/Y積層体それぞれについて、Y面側に残るもう一方の離形フィルムを剥がし、その露出面に次の3種類の部材をハンドローラーにて貼着し、貼合した時の耐発泡信頼性をそれぞれ評価した。
また、X/Y積層体は、それぞれの部材のサイズにカットして使用した。
具体的な貼合構成は、X/Y積層体/部材P(貼合構成P)、X/Y積層体/部材Q(貼合構成Q)及びX/Y積層体/部材R(貼合構成R)の3種類である。
部材P:ソーダライムガラス 54mm×82mm×厚さ0.55mm
部材Q:ソーダライムガラス 100mm×180mm×厚さ0.55mm
部材R PETフィルム 100mm×180mm×厚さ100μm
前記評価サンプルを、85℃、85%R.H.環境下に24hr暴露し、発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「○(good)」、発泡や剥離が認められたものを「×(poor)」と判定した。
また、貼合構成P又はQ(一面ガラス部材)と貼合構成R(両面樹脂部材)で発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「◎(very good)」とし、貼合構成P、Q及びRの何れかで発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「〇(good)」とし、貼合構成P、Q及びRの全てで発泡や剥離が認められたものを「×(poor)」と総合判定した。
実施例及び比較例で得た光硬化性粘着シートYそれぞれについて、シートを作製してから2か月以上経過した後、粘着シートYの離形フィルムを剥がし露出した両面の粘着面を2枚のソーダライムガラス(厚み0.55mm)で挟むように貼合し、高圧水銀ランプを用いて405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となるよう光を照射した後、ヘイズ値を測定した。
ヘイズ値の測定は、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH5000)を用いてJIS K7136に準じて行った。
ヘイズ値が0.5未満であったものを「○(good)」、0.5以上1.0未満であったものを「△(satisfactory)」、1.0以上であったものを「×(poor)」と判定した。
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、予め、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となるように光を照射した後、光硬化性粘着シートY1〜Y14をそれぞれ8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で測定し、得られたTanδの値がピークとなる温度をTgとして測定した。
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で、70℃、100℃それぞれにおける光硬化前における粘着シートの複素粘度を測定した。
50mm×50mm角に裁断した光硬化性粘着シートY1〜14を、100mm×100mm四方で厚さ100μmのPETフィルム2枚の間に挟んで積層体を作製し、23℃50%の環境下にて300時間放置後に積層体から粘着剤がはみ出たか目視観察を行った。
作製した積層体を目視観察して、粘着剤が全体的にはみ出たものを「×(poor)」、粘着剤が角部のみはみ出たものを「△(satisfactory)」、粘着剤がはみ出なかったものを「○(good)」と判定した。
実施例1〜10の樹脂部材(X)/光硬化性粘着シート(Y1〜Y10)の光硬化性粘着シート積層体(X/Y1〜Y10積層体)は、樹脂部材(X)側から、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)となるよう光を照射した際に、光硬化性粘着シートY1〜Y10は、ゲル分率の差が10%以上高まるように十分硬化することができ、動的貯蔵弾性率(G‘)が120℃、1Hzにおいて、0.7×104Pa以上の高温凝集力を保持していたため、良好な耐発泡信頼性が得られた。特に、タッチセンサーがガラスセンサーの場合を想定した試験に置いて良好な耐発泡信頼性が得られた。
中でも、実施例3、7、9、10は、動的貯蔵弾性率(G‘)が120℃、1Hzにおいて、2.0×104Pa以上の高温凝集力を保持していたため、タッチセンサーがフィルムセンサーの場合を想定した試験に置いても良好な耐発泡信頼性が得られた。
なお、実施例2は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)を構成する親水性モノマーの含有量が10質量部以下であることから、長期保管中に相分離が進行したため、長期保管後のヘイズが「△(satisfactory)」であった。
実施例1〜10のいずれにおいても段差吸収性は良好であり、印刷段差を有するカバー部材に対しても、タッチセンサーの種類により実用に耐えうるものであると考えられる。
Claims (17)
- 波長365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、波長405nmでの光線透過率が60%以上の樹脂部材(X)を貼合するために用いる光硬化性粘着シートであって、
以下の(1)〜(3)の全ての特性を備える粘着層(Y)を有することを特徴とする光硬化性粘着シート。
(1)ゲル分率(「光照射前ゲル分率X1」と称する)が0〜60%の範囲内にある。
(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。 - 上記(3)における光硬化性は、前記樹脂部材(X)の外側から該樹脂部材(X)を介して波長405nmの光を照射した際に、ゲル分率の差として10%以上高まる光硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記樹脂部材(X)の外側から該樹脂部材(X)を介して波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)である光を照射した際、光照射前のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)と光照射後のゲル分率(「光照射後ゲル分率X2」と称する)との差(光照射後ゲル分率X2−光照射前ゲル分率X1)が10%以上となる光硬化性を備えることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記粘着層(Y)が、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体及び可視光開始剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記粘着層(Y)が、シランカップリング剤を含有する請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、及び、カルボキシル基とイソシアネート基のうちから選択される何れかの官能基の組合せによる化学的な結合が形成されている、請求項4又は5に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が、枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体である、請求項4又は5に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記可視光開始剤が、水素引抜型可視光開始剤である請求項4〜7の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記水素引抜型可視光開始剤が、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルの混合物からなる群より選択される何れか1種又は2種である、請求項8に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が、側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体である、請求項4〜9の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記粘着層(Y)は、架橋剤を含有するか、或いは、架橋剤を用いて形成されたものである、請求項1〜10の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記架橋剤は、アルキレンオキサイド未変性の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートである、請求項11に記載の光硬化性粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、活性エネルギー線架橋性構造部位を有する請求項4〜12の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 温度25℃、周波数1Hzにおいて、貯蔵弾性率(G’)が、0.9×105Pa以下である請求項1〜13の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)である光を照射した後の該粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が、温度120℃、周波数1Hzにおいて、0.7×104Pa以上となることを特徴とする、請求項1〜14の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm2)である光を照射した後の該粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が、温度120℃、周波数1Hzにおいて、2.0×104Pa以上となることを特徴とする、請求項1〜14の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
- 前記粘着層(Y)は、加熱により軟化乃至流動するホットメルト性を有することを特徴とする、請求項1〜16の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
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