JP2019210445A - 光硬化性粘着シート - Google Patents

光硬化性粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP2019210445A
JP2019210445A JP2018147324A JP2018147324A JP2019210445A JP 2019210445 A JP2019210445 A JP 2019210445A JP 2018147324 A JP2018147324 A JP 2018147324A JP 2018147324 A JP2018147324 A JP 2018147324A JP 2019210445 A JP2019210445 A JP 2019210445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
sensitive adhesive
adhesive sheet
pressure
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018147324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019210445A5 (ja
JP6866880B2 (ja
Inventor
大希 野澤
Daiki Nozawa
大希 野澤
晋也 福田
Shinya Fukuda
晋也 福田
かほる 石井
Kahoru ISHII
かほる 石井
誠 稲永
Makoto Inanaga
誠 稲永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JP2019210445A publication Critical patent/JP2019210445A/ja
Publication of JP2019210445A5 publication Critical patent/JP2019210445A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6866880B2 publication Critical patent/JP6866880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】樹脂部材を貼合するために用いる粘着シートに関し、光硬化性を備えており、段差吸収性と耐発泡信頼性とを両立させることができる、新たな粘着シートを提供する。【解決手段】波長365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、波長405nmでの光線透過率が60%以上の樹脂部材(X)を貼合するために用いる光硬化性粘着シートであって、以下の(1)〜(3)の全ての特性を備える粘着層(Y)を有することを特徴とする光硬化性粘着シートを提案する。(1)ゲル分率が0〜60%の範囲内にある。(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。【選択図】 なし

Description

本発明は、紫外線を透過しない紫外線カット性を有する樹脂部材を貼合するために用いる粘着シートであって、光を照射することにより硬化する性能(「光硬化性」と称する)を備えている光硬化性粘着シートに関する。
近年、画像表示装置の視認性を向上させるために、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示パネルと、その前面側(視認側)に配置する保護パネルやタッチパネル部材との間の空隙を接着剤で充填することにより、入射光や表示画像からの出射光の空気層界面での反射を抑えることが行われている。
このような画像表示装置用構成部材間の空隙を粘着剤で充填する方法として、紫外線硬化性樹脂を含む液状の接着樹脂組成物を該空隙に充填した後、紫外線を照射して硬化せしめる方法が知られている(特許文献1)。
また、画像表示装置用構成部材間の空隙を、粘着シートを用いて充填する方法も知られている。例えば特許文献2には、紫外線によって1次架橋した粘着シートを画像表示装置構成部材に貼合後、画像表示装置構成部材を介して粘着シートに紫外線照射し2次硬化させる方法が開示されている。
特許文献3には、貼合面に段差部を備えた画像表示装置構成部材を、透明両面接着性シートを介して貼合する際、該段差部に追従して隅々まで充填することができ、しかも接着性シート内に生じる歪みを緩和でき、取り回し性を損なうことなく、高温や高湿環境下での耐発泡性を維持できる、新たな透明両面接着性シートとして、1種以上の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体と、波長365nmのモル吸光係数が10以上で、かつ波長405nmのモル吸光係数が0.1以下である紫外線重合開始剤(A)と、波長405nmのモル吸光係数が10以上である可視光重合開始剤(B)とを含有し、引張り法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(E’)を、せん断法で求める60℃における動的貯蔵弾性率(G’)で除した値(E’/G’)が10以上である、Bステージ状態の透明両面接着性シートが提案されている。
国際公開2010/027041号公報 特許第4971529号公報 特開2014−152295号公報
上記のように光硬化性粘着シートを用いて、2つの画像表示装置構成部材を貼着する場合、2つの画像表示装置構成部材を当該粘着シートを介して一次貼着した後、一方の画像表示装置構成部材の外側から紫外線を照射し、該画像表示装置構成部材を通して当該粘着シートを紫外線硬化させて二次貼着することができる。
このような方法によれば、被着面の凹凸を埋めつつ一次貼着することができ、しかも、最終的に紫外線硬化させることで接着信頼性をより一層高めることができるから、貼り合せる部材(「貼合部材」とも称する)の被着面に凹凸がある場合の“段差吸収性”と、貼合後の“耐発泡信頼性”とを両立させることができる。
例えば車載用の画像表示装置などにおいては、ガラスの飛散防止のために樹脂製のフロントパネルが用いられ、その内部側に、導電部材や偏光板などの樹脂部材が配置されることがある。この場合、フロントパネルやその内部側に配置される導電部材や偏光板などの樹脂部材が紫外線暴露によって黄変するなどの劣化を防ぐ必要があるため、これら紫外線に暴露される側の樹脂部材に紫外線吸収剤を配合して紫外線を吸収する性能を持たせることが行われている。
しかし、この場合には、上述のように、画像表示装置構成部材の外側から紫外線を照射して、該画像表示装置構成部材を通して当該粘着シートを紫外線硬化させることはできない。
そのため、樹脂製のフロントパネルを貼り合わせる際には、耐発泡信頼性を有する程度に十分に硬化された、光硬化性を有しない非光硬化性粘着シートを使用せざるを得ない。
しかし、かかる非光硬化性粘着シートは、段差吸収性の点において必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、紫外線を透過しない紫外線カット性を有する樹脂部材と貼り合せることができ、貼合部材の被着面に凹凸がある場合の段差吸収性と、貼合後の耐発泡信頼性とを両立させることができる、新たな粘着シートを提供するものである。
本発明は、紫外線を透過しない紫外線カット性を有する樹脂部材、すなわち、波長365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、波長405nmでの光線透過率が60%以上の樹脂部材(X)を貼合するために用いる光硬化性粘着シートであって、
以下の(1)〜(3)の全ての特性を備える粘着層(Y)を有することを特徴とする光硬化性粘着シートを提案する。
(1)ゲル分率(光照射前ゲル分率X1)が0〜60%の範囲内にある。
(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。
本発明が提案する光硬化性粘着シートは、光硬化前のゲル分率が0〜60%であるため、被着面の凹凸などの段差を埋める段差吸収性を得ることができる一方、波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えているため、貼合する樹脂部材(X)が、波長365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、波長405nmでの光線透過率が60%以上であっても、波長405nmを含んだ光の照射によって硬化させることができ、凝集力を高めて貼合後の耐発泡信頼性を得ることができる。
また、本発明が提案する光硬化性粘着シートは、波長410nmでの光線透過率が80%以上であることから、透明性が要求される光学部材の貼合に必要な十分に低い黄色度(YI)を達成できるという効果を得ることができる。
次に、本発明の実施形態の一例について説明する。但し、かかる実施形態に本発明が限定されるものではない。
<<本粘着シート>>
本発明の実施形態の一例に係る粘着シート(「本粘着シート」と称する)は、所定の特性を備えた粘着層(Y)を有する光硬化性粘着シートである。
本粘着シートは、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートである。この際、本粘着シートは、光硬化する余地が残された状態に硬化(「仮硬化」とも称する)されたものであってもよいし、未だ硬化されておらず、且つ、光硬化性を有する未硬化(「未硬化」と称する)のものであってもよい。
本粘着シートが、仮硬化された又は未硬化のものであれば、当該本粘着シートを被着体へ貼合した後、本粘着シートを光硬化(「本硬化」とも称する)することができ、その結果、凝集力を高めて接着性を高めることができる。
上述の仮硬化された又は未硬化であり、かつ、本硬化させることができる性質、すなわち、波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性、を有する本粘着シートの好ましい形態としては、次の(1)〜(3)に示す粘着層(Y)を有する粘着シートを挙げることができる。
(1)粘着層(Y)は、ゲル分率が60%以下となるように仮硬化され、下述する可視光開始剤(c)を含有することで、該可視光開始剤(c)による本硬化が可能な粘着層である。
(2)粘着層(Y)は、下述する可視光開始剤(c)のうちの水素引抜型の可視光開始剤(c−2)によりゲル分率が60%以下となるように仮硬化され、該可視光開始剤(c−2)による本硬化が可能な粘着層である。
(3)粘着層(Y)は、未硬化のままでシート形状を保持し、下述する可視光開始剤(c)を含有することで、該可視光開始剤(c)による本硬化が可能な粘着層である。
上記(1)の粘着層(Y)の形成方法としては、例えば可視光開始剤(c)と、官能基(i)を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と、該官能基(i)と反応する官能基(ii)を有する化合物と、その他、必要に応じて、炭素−炭素二重結合を有する光重合性化合物(特に多官能モノマー)などの架橋剤(b)と、さらに必要に応じてシランカップリング剤(d))とを含む組成物(後述する本樹脂組成物の一例)を、加熱又は養生させ、粘着層(Y)を形成する方法を挙げることができる。
該方法によれば、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体中の官能基(i)と、該化合物中の官能基(ii)とが反応し、化学的な結合が形成されることで硬化(架橋)して、粘着層(Y)が形成される。このようにして粘着層(Y)を形成することで、可視光開始剤(c)が活性を有したまま粘着層(Y)中に存在することができる。
上記官能基(i)と官能基(ii)の組み合わせとしては、例えばカルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、カルボキシル基とイソシアネート基などを挙げることができる。この中でも、ヒドロキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、又は、カルボキシル基とイソシアネート基の組み合わせが特に好ましい。より詳細には、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)が水酸基を有し(下述する水酸基含有モノマーを使用し)、かつ、上記化合物がイソシアネート基を有する場合が特に好適な例である。
また、上記官能基(ii)を有する化合物は、さらに、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性官能基を有していてもよい。これにより、前記ラジカル重合性官能基による(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、具体的には、下述する活性エネルギー線架橋性構造部位を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体の光硬化(架橋)性を維持したまま粘着層(Y)を形成することができる。より詳細には、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)が水酸基を有し(下述する水酸基含有モノマーを使用し)し、上記化合物が、(メタ)アクリロイル基を有する場合(2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等)が特に好適な例である。
このように、該ラジカル重合性官能基による(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体同士の架橋反応を利用することにより、架橋剤(b)を用いなくとも光硬化(架橋)後の凝集力が効率よく上がりやすく信頼性に優れる等の利点があるため、より好ましい。
なお、上記以外の点についての好ましいアクリル酸エステル(共)重合体(a)や、上記架橋剤(b)、上記可視光開始剤(c)及びシランカップリング剤(d)の好ましい形態等については下述する。
上記(2)の粘着層(Y)の形成方法としては、例えば可視光開始剤(c)として、下述する水素引抜型の可視光開始剤(c−2)を利用する方法を挙げることができる。水素引抜型開示剤は、一度励起されても、該開始剤のうち反応しなかったものは基底状態に戻るため、可視光開始剤として再度利用可能である。このように、水素引抜型の可視光開始剤を利用することで、可視光照射による仮硬化後においても、該可視光開始剤による可視光硬化(架橋)性を維持させることができる。
なお、上記以外の点及び可視光開始剤(c−2)の好ましい形態等については下述する。
上記(3)の粘着層(Y)の形成方法としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)を構成するモノマー成分として、下述するマクロモノマーを利用する方法を挙げることができる。より具体的には、枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体を利用する方法を挙げることができる。このようなマクロモノマーを利用することで、室温状態では、枝成分同士が引き寄せ合って組成物(後述する本樹脂組成物の一例)として物理的架橋をしたような状態を維持することができる。
したがって、未硬化(架橋)のままでシート形状を保持させることができ、可視光開始剤(c)を含む粘着層(Y)を形成することができる。
なお、上記以外の点及び枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体の好ましい形態等については下述する。
本粘着シートは、後述する樹脂部材(X)を貼合するために用いるのが好ましい。
本粘着シートは、前記粘着層(Y)の単層構成であっても、前記粘着層(Y)を有する2層以上の多層構成であってもよい。また、多層の場合には、少なくとも最表層が前記粘着層(Y)であればよく、全ての粘着層が前記粘着層(Y)であってもよい。
<粘着層(Y)>
上記粘着層(Y)は、次の(1)〜(3)の全ての特性を備えるのが好ましい。
(1)通常状態すなわち光照射前の状態のゲル分率(「光照射前ゲル分率X1」と称する)が0〜60%の範囲内にある。
(2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
(3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。
粘着層(Y)は、加熱により軟化乃至流動するホットメルト性を有していれば、貼合部材の被着面に凹凸などの段差がある場合、段差の隅々まで粘着剤をより一層容易に充填させることができ、段差吸収性をさらに高めることができるから、好ましい。
かかる観点からは、粘着層(Y)は、上記(3)の粘着層(Y)とすることが好ましい。
(ゲル分率)
粘着層(Y)のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)は0〜60%の範囲内であるのが好ましい。
粘着層(Y)のゲル分率が60%以下であれば、光照射によって硬化する余地のある未架橋成分が十分多くあり(仮硬化状態又は未硬化状態にあり)、それだけ柔軟であって、かつ、本硬化の際に、“光照射後ゲル分率X2−光照射前ゲル分率X1”を10%以上にすることができる観点から好ましい。
かかる観点から、粘着層(Y)のゲル分率は0〜60%の範囲内であるのが好ましく、中でも55%以下、その中でも50%以下であるのがさらに好ましい。
粘着層(Y)のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)を上記範囲に調整するには、後述する本樹脂組成物の重合時及び粘着シートの加工時に残存触媒を十分除去する、或いは重合禁止剤、酸化防止剤を使用するなどにより、本硬化前に熱、光などによる意図しない硬化(架橋)反応が進まないようにすればよく、また、光照射によって仮硬化を施す場合には、仮硬化させるために照射する光の積算光量を十分小さくし、未架橋成分が十分多くなるようにすればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
さらに、粘着層(Y)は、波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えているのが好ましく、その光硬化性の程度としては、例えば樹脂部材(X)の外側から該樹脂部材(X)を介して、波長405nmの光を照射した際に、ゲル分率の差として10%以上、中でも15%以上、中でも20%以上、中でも30%以上、その中でも50%以上高まる光硬化性を備えているのが好ましい。
なお、「波長405nmの光を照射」とは、紫外線光量計を用いて測定される、波長405nmを感光ピークとして、320〜470nmの波長範囲までに裾野が広がる光感度を有する光を照射することを意味する。
中でも、粘着層(Y)は、前記樹脂部材(X)の外側から、例えば樹脂部材(X)を介して、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した際、光照射前のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)と光照射後のゲル分率(「光照射後ゲル分率X2」と称する)との差(光照射後ゲル分率X2−光照射前ゲル分率X1)が10%以上となる光硬化性を備えることが好ましい。
したがって、例えば光照射前ゲル分率X1が40%である場合、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した後の粘着層(Y)のゲル分率(「光照射後ゲル分率X2」と称する)が50%以上になるような光硬化性を備えることが好ましい。
光硬化前後の粘着層(Y)のゲル分率差10%以上であれば、過酷な高温高湿環境等においても高凝集力となり、耐発泡信頼性を高めることができるから、好ましい。
よって、上記光照射前後の粘着層(Y)のゲル分率差は10%以上であるのが好ましく、中でも15%以上、中でも20%以上、中でも30%以上、その中でも50%以上であるのがさらに好ましい。
上記光照射前後の粘着層(Y)のゲル分率差が上記範囲になるように調整するには、波長405nmに光開始剤による吸収があればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
なお、「波長405nmでの積算光量」とは、単位面積あたりに受ける照射エネルギーの総量であり、高圧水銀ランプ等により照射された光のうち、紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)及び受光器「UVD−C405」(ウシオ電機株式会社製)を用いて測定された光照射エネルギーの総量を指し、受光器の感光特性(405nmを感光ピークとして、320〜470nmの波長範囲までに裾野が広がる光感度を有する)に応じた波長領域での積算光量を指す。より具体的には、実施例に記載の方法に準拠して求められる積算光量をいう。
(光線透過率)
粘着層(Y)は、波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上であるのが好ましい。
波長400nm前後の紫外〜可視光領域に吸収をもつ光開始剤を配合した粘着剤配合物については、光開始剤の光吸収が大きく、その吸収に由来する波長390nmでの光線透過率が低いほど感光性が良く硬化は進行しやすくなる。
一方で波長410nmでの光線透過率が一定以上に高くないと、粘着層(Y)が黄着色し光学部材に使用することが困難になる。
以上の目安として、波長390nmでの光線透過率が89%以下であれば、粘着層(Y)が、十分な可視光硬化性を担保できるため好ましく、波長410nmでの光線透過率が80%以上であれば、透明性が要求される光学部材の貼合に必要な十分に低い黄色度(YI)を達成できるから、好ましい。
よって、粘着層(Y)は、波長390nmでの前記光線透過率が89%以下であるのが好ましく、中でも88%以下であるのがさらに好ましい。
また、波長410nmでの光線透過率が80%以上であるのが好ましく、中でも85%以上、中でも90%以上であるのがさらに好ましい。
粘着層(Y)の光線透過率を上記のようにするには、可視光に吸収のある開始剤のうち、吸収ピークの裾野が390nmまでは十分届いているのに対し、410nmでは吸収ピークが小さくなる吸光ピーク特性をもつものを用いればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(貯蔵弾性率)
粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度25℃、周波数1Hzにおいて、0.9×10Pa以下であるのが好ましい。
このような粘弾性特性を有することで、本粘着シートは、被着面の凹凸などの段差を埋めるのに特に優れた段差吸収性を得ることが可能になる。
かかる観点から、粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度25℃、周波数1Hzにおいて、0.9×10Pa以下であるのが好ましく、中でも0.8×10Pa以下であることがさらに好ましい。
粘着層(Y)はまた、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した後の貯蔵弾性率(G’)が、温度120℃、周波数1Hzにおいて、0.7×10Pa以上であるのが好ましい。
光硬化後の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が上記範囲となれば、樹脂部材(X)との積層体を高温試験、高温高湿試験などに供した際に、樹脂部材(X)からのアウトガス成分により粘着層(Y)が発泡するのを抑制することができる点で好ましい。
かかる観点から、光硬化後の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)は、温度120℃、周波数1Hzにおいて、0.7×10Pa以上であるのが好ましく、中でも1.0×10Pa以上であることがより好ましく、その中でも2.0×10Pa以上であることがさらに好ましい。
ところで、タッチパネル機能を有する画像表示装置などにおいては、フロントパネル/粘着層の裏側に配置されるタッチセンサーとして、ガラスセンサー、フィルムセンサー、偏光板ガラス(内部にセンサーが組み込まれたオンセル型やインセル型)などがモジュール設計によって使い分けられており、センサー部材の構成によって環境試験での不具合の発生しやすさは異なる。
本願発明における実験検討の結果、粘着層(Y)が、樹脂部材(X)/粘着層(Y)/ガラスセンサーの構成で貼合使用される場合は、粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)の好ましい範囲は、上記範囲のとおりである一方、樹脂部材(X)/粘着層(Y)/フィルムセンサーの構成で貼合使用される場合は、フィルムセンサーが通常100μm以下の薄肉で剛性が小さく、シランカップリング剤による信頼性向上効果は、ガラス材による信頼性向上効果と比べると低いため、湿熱環境試験においてガラスセンサーの場合よりも発泡が生じやすく、さらに高い水準の貯蔵弾性率(G’)が必要となる。
そこで、かかる観点、すなわち、粘着層(Y)が、樹脂部材(X)/粘着層(Y)/フィルムセンサーの構成で貼合使用される場合の光硬化後の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)、すなわち、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した際の粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)の好ましい範囲としては、2.0×10Pa以上であり、中でも5.0×10Pa以上であることがより好ましく、その中でも8.0×10Pa以上であることがさらに好ましい。
(粘着層(Y)の組成)
粘着層(Y)は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)及び可視光開始剤(c)、必要に応じてさらに架橋剤(b)、必要に応じてさらにシランカップリング剤(d)、必要に応じてさらにその他の材料を含有する粘着剤組成物(「本樹脂組成物」と称する)から形成することができる。
[(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)]
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)は、光硬化可能であることが好ましい。
なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びメタクリレートをそれぞれ包括する意味である。「(共)重合体」とは、重合体及び共重合体を包括する意味である。また、「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)としては、例えばアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体の他、これと共重合可能なモノマー成分を重合することにより得られる共重合体を挙げることができる。例えばアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体の他、これと共重合可能なモノマー成分を重合することにより得られる共重合体を挙げることができる。
より具体的には、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)として、アルキル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能なモノマー成分、例えば(a)カルボキシル基含有モノマー(以下「共重合性モノマーA」とも称する。)、(b)水酸基含有モノマー(以下「共重合性モノマーB」とも称する。)、(c)アミノ基含有モノマー(以下「共重合性モノマーC」とも称する。)、(d)エポキシ基含有モノマー(以下「共重合性モノマーD」とも称する。)、(e)アミド基含有モノマー(以下「共重合性モノマーE」とも称する。)、(f)ビニルモノマー(以下「共重合性モノマーF」とも称する。)、(g)側鎖の炭素数が1〜3の(メタ)アクリレートモノマー(以下「共重合性モノマーG」とも称する。)及び(h)マクロモノマー(以下「共重合性モノマーH」とも称する。)から選択される何れか一つ以上のモノマーを含むモノマー成分との共重合体を挙げることができる。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
この側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記の中でも、炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートとして、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートの何れか1種以上を含むことが特に好ましい。
上記共重合性モノマーAとしては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーBとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーCとしては、例えばアミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノイソプロピル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、N−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーDとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーEとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
上記共重合性モノマーFとしては、ビニル基を分子内に有する化合物を挙げることができる。このような化合物としては、アルキル基の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステル類並びに分子内にヒドロキシル基、アミド基及びアルコキシルアルキル基等の官能基を有する官能性モノマー類並びにポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類並びに酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニル等のビニルエステルモノマー並びにスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン及びその他の置換スチレン等の芳香族ビニルモノマーを例示することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
なお、前記の中でも、アルキル(メタ)アクリレートと、該アルキル(メタ)アクリレート以外の前記共重合性モノマーFを選択することが好ましい。
上記共重合性モノマーGとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
なお、前記の中でも、アルキル(メタ)アクリレートと、該アルキル(メタ)アクリレート以外の前記共重合性モノマーGを選択することが好ましい。
上記共重合性モノマーHとしてのマクロモノマーは、末端の官能基と高分子量骨格成分とを有する高分子単量体であり、重合により(メタ)アクリル酸エステル共重合体となった際に側鎖の炭素数が20以上となるモノマーであるのが好ましい。
共重合性モノマーHを用いることにより、グラフト共重合体の枝成分としてマクロモノマーを導入し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体をグラフト共重合体とすることができる。例えば枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体からなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)とすることができる。
したがって、共重合性モノマーHと、それ以外のモノマーの選択や配合比率によって、グラフト共重合体の主鎖と側鎖の特性を変化させることができる。
上記マクロモノマーの骨格成分は、アクリル酸エステル重合体又はビニル系重合体から構成されるのが好ましい。例えば上記側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート、上記共重合性モノマーA、上記の共重合性モノマーB、上記共重合性モノマーG等に例示されるものが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)の幹成分は、疎水性の(メタ)アクリル酸エステルと、親水性の(メタ)アクリル酸エステルとを構成単位として含有するのが好ましい。
上記の疎水性の(メタ)アクリル酸エステルとしては、極性基を有さないアルキルエステル(但し、メチルアクリレートを除く)が好ましく、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、メチルメタクリレートを挙げることができる。
また、疎水性のビニルモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アルキルビニルモノマーなどを挙げることができる。
他方、上記の親水性の(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチルアクリレートや極性基を有するエステルが好ましく、例えばメチルアクリレート、(メタ)アクリル酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートや、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有モノマー、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等などを挙げることができる。
上記共重合性モノマーHとしての上記マクロモノマーは、ラジカル重合性基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はチオール基等の官能基を有するものであるのが好ましい。
上記マクロモノマーとしては、他のモノマーと共重合可能なラジカル重合性基を有するものが好ましい。ラジカル重合性基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
上記マクロモノマーが官能基を有する場合も官能基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
また、ラジカル重合性基と官能基はどちらか一方でも、両方含有していてもよい。ラジカル重合性基と官能基を両方含有する場合は、他のモノマーからなる重合物ユニットとの付加する官能基又は他のモノマーと共重合するラジカル重合性基の何れか以外の官能基若しくはラジカル重合性基は二つ以上であってもよい。
前記マクロモノマーの末端官能基としては、例えばメタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基などのラジカル性重合基のほか、ヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、チオール基等の官能基を挙げることができる。
中でも、他のモノマーと共重合可能なラジカル重合性基を有するものが好ましい。ラジカル重合性基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。マクロモノマーが官能基を有する場合においても、官能基は一つ或いは二つ以上含有していてもよく、中でも一つであるものが特に好ましい。
また、ラジカル重合性基と官能基は、どちらか一方でも、両方含有していてもよい。ラジカル重合性基と官能基を両方含有する場合は、他のモノマーからなる重合物ユニットとの付加する官能基又は他のモノマーと共重合するラジカル重合性基の何れか以外の官能基もしくはラジカル重合性基は二つ以上であってもよい。
前記マクロモノマーの数平均分子量は、500〜2万であるのが好ましく、中でも800以上或いは8000以下、その中でも1000以上或いは7000以下であるのが好ましい。
前記マクロモノマーのガラス転移温度(Tg)は、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−1)を構成する共重合体成分のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。
具体的には、マクロモノマーのガラス転移温度(Tg)は、本粘着シートの加熱溶融温度(ホットメルト温度)に影響するため、30℃〜120℃であるのが好ましく、中でも40℃以上或いは110℃以下、その中でも50℃以上或いは100℃以下であるのがさらに好ましい。
マクロモノマーがこのようなガラス転移温度(Tg)であれば、分子量を調整することにより、優れた加工性や保管安定性を保持できると共に、50℃から80℃付近でホットメルトするように調整することができる。
マクロモノマーのガラス転移温度とは、当該マクロモノマー自体のガラス転移温度を意味し、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
また、室温状態では、枝成分同士が引き寄せ合って粘着剤組成物として物理的架橋をしたような状態を維持することができ、しかも、適度な温度に加熱することで前記物理的架橋が解れて流動性を得ることができるようにするためには、マクロモノマーの分子量や含有量を調整することも好ましい。
かかる観点から、マクロモノマーは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)中に5質量%〜30質量%の割合で含有することが好ましく、中でも6質量%以上或いは25質量%以下、その中でも8質量%以上或いは20質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
また、マクロモノマーの数平均分子量は、500〜10万であるのが好ましく、中でも8000未満であることが好ましく、中でも800以上或いは7500未満、その中でも1000以上或いは7000未満であるのがさらに好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)は、活性エネルギー線架橋性構造部位を有することが好ましい。
上記活性エネルギー線架橋性構造とは、例えば後述する可視光開始剤(c)の存在下において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)の一部分、又は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)以外の硬化成分と反応し、架橋構造を形成し得る構造部位である。
上記活性エネルギー線架橋性構造部位としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基等の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性官能基を有する構造を挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)のポリマー鎖が不飽和二重結合を有することにより、架橋剤を含有しない場合であっても、ポリマー鎖同士が直接重合することができ、貯蔵弾性率(G’)を高い水準に上げることができる。
なお、活性エネルギー線照射をするに際しては、波長405nmの光を含んでいる任意の光源を使用すればよく、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から可視光LED光源、高圧水銀ランプなどを利用することができる。
不飽和二重結合を有する官能基等の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性官能基を有する構造を導入するには、例えば予め上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)に官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応し得る官能基(例えば2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等)及び不飽和二重結合を有するモノマー等の炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の硬化性を維持したまま反応させればよい。
中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)は、活性エネルギー線架橋性構造部位を有し、かつ、炭素数10〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマー成分の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−2)であるのが好ましい。
このような(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−2)としては、例えばデシル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数10)、ラウリル(メタ)アクリレート(炭素数12)、トリデシル(メタ)アクリレート(炭素数13)、ヘキサデシル(メタ)アクリレート(炭素数16)、ステアリル(メタ)アクリレート(炭素数18)、ベヘニル(メタ)アクリレート(炭素数22)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また、炭素数10〜24のアルキル基を有する直鎖の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)のなかでも、低誘電率化及びアクリル系樹脂のガラス転移温度を下げることができる点から、アルキルメタクリレートを用いることが好ましく、特に好ましくは炭素数12〜20のアルキル基を有するものであり、最も好ましくはステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレートである。
炭素数10〜24の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有量は、(共)重合成分全体に対して50〜94重量%であり、好ましくは60〜83重量%、特に好ましくは70〜80重量%である。前記範囲内とすることにより、誘電率が高くなったり、樹脂の熱安定性が低下したりする虞がない。
[架橋剤(b)]
上記架橋剤(b)としては、少なくとも二重結合架橋を有する架橋剤が好ましい。例えば(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アジリジン基、ビニル基、アミノ基、イミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種の架橋性官能基を有する架橋剤を挙げることができ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、架橋剤を2種類以上組み合わせて使用することで、それぞれを単独で使用した場合と比べて、総計の配合量が同じ場合であっても、高い貯蔵弾性率(G’)を達成できる。
したがって、架橋剤(b)を2種類以上組み合わせて使用することがより好ましい。
また、架橋剤(b)が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と化学結合した態様も包含される。
中でも、炭素−炭素二重結合を有する光重合性化合物、とりわけ、多官能(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。ここで、多官能は2つ以上の架橋性官能基を有するものを指す。なお、必要に応じて3つ以上、4つ以上の架橋性官能基を有してもよい。
なお、上記架橋性官能基は、脱保護可能な保護基で保護されていてもよい。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリングリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の紫外線硬化型の多官能(メタ)アクリル系モノマーの他、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル系オリゴマーを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上述した多官能(メタ)アクリレートの中でも、高凝集力の付与の観点からは、形成される架橋構造における架橋点間距離が短く架橋密度が密の構造となるものが好ましく、例えば、アルキレンオキサイド未変性の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートからなる群より選択される多官能(メタ)アクリレート(b−1)が好ましい。
該多官能(メタ)アクリレート(b−1)は、1種又は2種以上を組み合わせて(混合物として)使用してもよい。
また、架橋剤として、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)を使用する場合には、相溶性の観点から、上記(メタ)アクリル酸エステル(a)は、極性成分として親水性モノマーを含むモノマー成分の共重合体であるのが好ましい。
該(メタ)アクリル酸エステル(a)が極性成分を含むことで、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)との相溶性が良好となり、混合時に混ざり易くなり、未架橋の状態で長時間保管した際の相分離が生じづらくなり、ヘイズ値が上昇する虞がない。
具体的には、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)としては、上述したアルキル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能な共重合性モノマーとして、上述した共重合性モノマーA〜Gから親水性モノマーを適宜選択したもの、中でも、上述した親水性の(メタ)アクリル酸エステル、或いは、少なくとも共重合性モノマーGから選択されるメチル(メタ)アクリレートを含有するモノマー成分との共重合体であることが好ましい。
さらには、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)が、少なくともメチル(メタ)アクリレートを含有し、かつ、(共重合性モノマーA〜Gから選択される)親水性モノマーの合計量が(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)全体の中の10質量部以上を占める、モノマー成分の共重合体であることが特に好ましい。
なお、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−1)は、骨格成分(幹成分)として、上述した側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能な共重合性モノマーとして、上記親水性モノマーとを含むモノマー成分の共重合体であることが好ましい。
架橋剤(b)の含有量は、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)100質量部に対して0.5〜50質量部、中でも1質量部以上或いは40質量部以下、その中でも5質量部以上或いは30質量部以下の割合であるのが好ましい。
[可視光開始剤(c)]
可視光開始剤(c)は、可視光線、少なくとも390nm、405nm及び410nmの波長を有する光線、例えば380nm〜700nmの波長領域の光線の照射によって、ラジカルを発生させて(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)の反応の起点となる可視光開始剤であるのが好ましい。
但し、可視光開始剤(c)は、可視光線の照射のみによってラジカルを発生させるものであってもよいし、また、可視光領域以外の波長領域の光線の照射によってもラジカルを発生させるものであってもよい。
可視光開始剤(c)は、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上であるのが好ましく、中でも15mL/(g・/cm)以上、その中でも25mL/(g・/cm)以上であるのがさらに好ましい。波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上であることによって、可視光線の照射による硬化(架橋)が十分に進行することができる。
一方、波長405nmでの吸光係数の上限としては、1×10mL/(g・/cm)以下であるのが好ましく、1×10mL/(g・/cm)以下であるのがより好ましい。なお、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)未満の光開始剤と併用してもよい。
光開始剤は、ラジカル発生機構によって大きく2つに分類され、光開始剤自身の単結合を開裂分解してラジカルを発生させることができる開裂型光開始剤と、光励起した開始剤と系中の水素供与体とが励起錯体を形成し、水素供与体の水素を転移させることができる水素引抜型光開始剤と、に大別される。
これらのうちの開裂型光開始剤は、光照射によってラジカルを発生する際に分解して別の化合物となり、一度励起されると反応開始剤としての機能をもたなくなる。このため、架橋反応が終了した後の粘着剤中に活性種として残存することがなく、粘着剤に予期せぬ光劣化等をもたらす可能性がないため、好ましい。
また、光開始剤特有の着色については、従来は粘着剤に可視光線を照射して硬化させる開裂型可視光開始剤(c−1)を添加する場合、着色のおそれがあった。そこで、可視光開始剤(c)としては、反応分解物の可視光線域の吸収がなくなり、消色するものを適宜選択することが好ましい。
他方、水素引抜型の光開始剤は、複数回光照射されても反応開始剤としての機能を維持することができるばかりか、紫外線などの活性エネルギー線照射によるラジカル発生反応時に、開裂型光開始剤のような分解物を生じないので、反応終了後に揮発成分となりにくく、被着体へのダメージを低減させることができる点で有用である。
よって、可視光によって励起されて重合を開始する水素引抜型可視光重合開始剤(c−2)が特に好ましい。
前記開裂型可視光開始剤(c−1)としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、フェニルグリオキシリック酸メチル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイドや、それらの誘導体などを挙げることができる。
この中でも、反応後に分解物となり消色する点で、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光開始剤が好ましい。
前記水素引抜型可視光開始剤(c−2)としては、例えばビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルの混合物、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、カンファーキノンやその誘導体などを挙げることができる。
この中でも、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルの混合物からなる群より選択される何れか1種又は2種であるのが好ましい。
なお、可視光開始剤(c)は、上記に挙げた物質に限定するものではない。上記に挙げた可視光開始剤(c)のうちのいずれか一種又はその誘導体を使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、可視光開始剤(c)の他に、紫外線等の他の光線の照射によってのみラジカルを発生させるものを混合してもよい。
可視光開始剤(c)の含有量は特に制限されるものではない。粘着層(Y)中の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)100質量部に対して0.1〜10質量部、中でも0.5質量部以上或いは5質量部以下、その中でも1質量部以上或いは3質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
可視光開始剤(c)の含有量を上記範囲とすることで、可視光線に対する適度な反応感度を得ることができる。
[シランカップリング剤(d)]
シランカップリング剤(d)は、接着性の向上、中でもガラス材に対する接着力を高めることができる。
シランカップリング剤としては、例えばビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基等とともに、アルコキシ基のような加水分解可能な官能基を有する化合物を挙げることができる。
シランカップリング剤の具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示することができる。
中でも、粘着層(Y)においては、接着性が良好であり、黄変等の変色が少ないこと等の観点から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを好ましく用いることができる。
前記シランカップリング剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記シランカップリング剤(d)の含有量は、粘着層(Y)100質量部に対し0.1〜5質量部であるのが好ましく、中でも0.2質量部以上或いは3.0質量部以下であるのがさらに好ましい。
なお、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物等のカップリング剤も有効に活用できる。
[その他の材料]
粘着層(Y)を形成する本樹脂組成物に含まれる、上記以外の成分としては、例えば光安定化剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、金属腐食防止剤、老化防止剤、帯電防止剤、吸湿剤、発泡剤、消泡剤、無機粒子、粘度調整剤、粘着付与樹脂、光増感剤、蛍光剤などの各種の添加剤、反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)などを挙げることができる。
また、その他、通常の粘着剤組成物に配合される公知の成分を適宜含有してもよい。
また、各成分を2種類以上併用してもよい。
上記の中でも、とりわけ、粘着層(Y)を形成する本樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。上述のとおり、粘着層(Y)は、波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えているため、紫外線吸収剤を含んでいても該光硬化を阻害することがない。このため、紫外線吸収剤を含有させることで、本粘着シートが備える性質を害することなく、優れた紫外線カット性を兼備させることもできる。
前記紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等を挙げることができる。なお、上記紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
中でも、上記紫外線吸収剤は、透明性、紫外線吸収性及び相溶性の観点から、トリアジン系紫外線吸収剤が特に好ましい。
[本樹脂組成物の好ましい組成態様]
粘着層(Y)を形成する好ましい本樹脂組成物の一例として、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と、上記架橋剤(b)と、可視光開始剤(c)と、必要に応じて、シランカップリング剤とを含有する組成を挙げることができる。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
中でも、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)は、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、及び、カルボキシル基とイソシアネート基のうちから選択される何れかの官能基の組合せによる化学的な結合が形成されていることが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)が、上述した側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、上記親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
さらにまた、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
粘着層(Y)を形成する好ましい本樹脂組成物の一例として、枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体からなる上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)と、上記架橋剤(b)と、可視光開始剤(c)と、必要に応じて、シランカップリング剤とを含有する組成を挙げることができる。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
中でも、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−1)は、骨格成分(幹成分)として、上述した側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、上記親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
また、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
粘着層(Y)を形成する好ましい本樹脂組成物のさらなる別の一例として、枝成分としてマクロモノマーを備え、且つ、活性エネルギー線架橋性構造部位を有するグラフト共重合体からなる上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)と、上記架橋剤(b)と、上記可視光開始剤(c)と、必要に応じて、シランカップリング剤とを含有する組成を挙げることができる。
この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
中でも、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−1)は、骨格成分(幹成分)として、上述した側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、上記親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
また、架橋剤(b)が、上記多官能(メタ)アクリレート(b−1)であることが好ましい。
上記のような組成の本樹脂組成物を用いて粘着層(Y)を形成すれば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)又は(a−1)をベース樹脂とする粘着層(Y)は、室温状態でシート状を保持しつつ自着性を示すことができ、貼合部材の被着面の段差の隅々まで粘着剤を充填させることができる。しかも、可視光開始剤(c)により、可視光照射によって光硬化させることができ、光硬化によって凝集力を高めて耐発泡信頼性を高めることができる。
さらにシランカップリング剤を配合することにより、接着性、特にガラス材に対する接着性をより高めることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a−1)をベース樹脂とする粘着層(Y)は、上記加えて、加熱すると溶融乃至流動するホットメルト性を有するので、より高い段差吸収性を有することができる。
粘着層(Y)を形成する好ましい本樹脂組成物のさらなる別の一例として、活性エネルギー線架橋性構造部位を有し、かつ、炭素数10〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマー成分の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a−2)と、上記架橋剤(b)と、上記可視光開始剤(c)と、必要に応じて、シランカップリング剤とを含有する組成を挙げることができる。この中でも、可視光開始剤(c)として、波長405nmでの吸光係数が10mL/(g・/cm)以上の可視光開始剤(c)を用いることが好ましく、また、可視光開始剤(c)として、上記開裂型可視光開始剤(c−1)及び/又は水素引抜型可視光開始剤(c−2)を用いることが特に好ましい。
上記のような組成の本樹脂組成物を用いれば、光硬化する余地が残された状態に仮硬化された、又は未硬化の粘着層(Y)を形成することができ、その後、1回又は2回以上の可視光照射によって光硬化させることができる。よって、例えば本粘着シートを被着体へ貼合した後、本粘着シートを可視光照射によって光硬化(「本硬化」)させることができ、該本硬化によって凝集力を高めて耐発泡信頼性を高めることができる。
特に、常温での流動性が高く保管性に難点のある(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体に対して、仮硬化によって保管性を高める工程を経た場合でも、貼合後の可視光硬化の後工程によって硬化を進行させることができる。
さらにシランカップリング剤を配合することにより、接着性、特にガラス材に対する接着性をより高めることができる。
(積層構成)
上述のとおり、粘着層(Y)を積層構成とした場合は、本樹脂組成物を用いた粘着層(Y)が、最外層である表裏層であることが耐発泡性の観点から好ましい。
この際、表裏層としての粘着層(Y)の厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。粘着層(Y)の厚みが、15μm以上であると、信頼性試験において、被着体部材から発生するアウトガス圧に押し負けて発泡する等の不具合が生じる虞が少ない点で好ましい。
また、保管安定性を兼備させる観点から、該粘着層(Y)よりも粘度が高い他の層をさらに備える方が好ましい場合がある。
すなわち、マクロモノマーを備えたグラフト共重合体を用いて形成された粘着層(Y)は、光硬化前は未架橋状態にあって、多官能(メタ)アクリレートモノマーを使用すると、かかる多官能(メタ)アクリレートモノマー成分の作用により、光硬化前の粘着層(Y)が比較的粘度の低い層となる場合がある。
そのため、このような場合には、該粘着層(Y)よりも粘度が高い他の層(Z)を、該粘着層(Y)に積層するのが好ましい。
例えば、粘着層(Y)/層(Z)/粘着層(Y)の3層からなる多層構成であれば、優れた保管安定性を兼備することができる。
このような保管安定性の観点から、前記他の層(Z)の粘度は、温度70℃〜100℃の範囲において、1〜10kPa・sであることが好ましく、1.5〜5kPa・sであることがより好ましい。
なお、該粘度は実施例に記載の方法に準じて測定される値である。
また、本粘着シートが、上記のような多層構成の場合、さらに耐衝撃吸収性を兼備させる観点からは、本粘着シートの405nm光照射後のガラス転移温度(Tg)は、20℃未満であることが好ましく、10℃未満であることがより好ましい。
本粘着シートが、このような比較的低いTgを有することで、低温粘着特性(低温剥離強度等)が向上し、耐衝撃吸収性を有することができる。
したがって、耐衝撃吸収性の観点からは、上記粘着層(Y)と積層される他の層の405nm光照射後のTgは、15℃未満、中でも10℃未満、特に5℃未満であることが特に好ましい。
なお、該Tgは、動的粘弾性のTanδのピーク温度で測定される値であり、詳細には実施例に記載の方法に準じて測定される値である。
<離型フィルム付き粘着シート>
本粘着シートは、離型フィルム付き粘着シートとすることもできる。
例えば離型フィルム上に単層又は多層のシート状の粘着層を成形して離型フィルム付き粘着シートとすることもできる。
かかる離型フィルムの材質としては、公知の離型フィルムを適宜用いることができる。
離型フィルムの材質としては、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、フッ素樹脂フィルム等のフィルムに、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものや、離型紙などを適宜選択して用いることができる。
本粘着シートの両側に離型フィルムを積層する場合、一方の離型フィルムは、他方の離型フィルムと同じ積層構成乃至材料のものであっても、異なる積層構成乃至材料のものであってもよい。
また、同じ厚さであっても、異なる厚さであってもよい。
また、剥離力の異なる離型フィルムや厚さの異なる離型フィルムを本粘着シートの両側に積層することができる。
前記離型フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるものが好ましい。
本粘着シートの少なくとも一方の面に、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下の離型フィルムを積層することで、可視光の照射により光重合が進むのを効果的に防ぐことができる。
かかる観点から、本粘着シートの一方又は両方面に積層する離型フィルムは、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
ここで、波長410nm以下での光の光線透過率が40%以下である離型フィルム、すなわち可視光及び紫外光の透過を一部遮断する作用を有するフィルムとしては、例えばポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布し、他方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布してなる紫外線吸収層を備えた積層フィルムを挙げることができる。
また、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、紫外線吸収剤を配合した再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムに、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、紫外線吸収剤を配合したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる層の片面若しくは両面に、紫外線吸収剤を含まない樹脂からなる層を成形してなる多層のキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に、再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、さらにその紫外線吸収層の上に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
また、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなるキャストフィルムや延伸フィルムの一方の面に紫外線吸収剤を含む塗料を塗布して紫外線吸収層を設け、他方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したものを挙げることができる。
さらにまた、一方の面に再剥離性をもつ微粘着樹脂を塗布したポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系の樹脂からなる樹脂フィルムの他方面と、別途準備した樹脂フィルムとを、紫外線吸収剤を含む接着層乃至粘着層を介して積層したもの等を挙げることができる。
上記フィルムは、帯電防止層やハードコート層、アンカー層など、必要に応じて他の層を有していてもよい。
離型フィルムの厚みは特に制限されない。中でも、例えば加工性及びハンドリング性の観点からは、25μm〜500μmであるのが好ましく、その中でも38μm以上或いは250μm以下、その中でも50μm以上或いは200μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、本粘着シートは、上記の様に被着体や離型フィルムを使用せずに、例えば本樹脂組成物を直接に押出成形する方法や、型に注入することによって成形する方法を採用することもできる。
さらには、被着体である画像表示装置用構成部材間に本樹脂組成物を直接充填することによって、本粘着シートの態様とすることもできる。
<本粘着シートの製造方法>
本粘着シートを製造する方法の一例について説明する。
先ず、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)及び可視光開始剤(c)、必要に応じてさらに架橋剤(b)、必要に応じてさらにシランカップリング剤(d)、必要に応じてさらにその他の材料をそれぞれ所定量混合して本樹脂組成物を調製すればよい。
これらの混合方法としては、特に制限されず、各成分の混合順序も特に限定されない。また、組成物製造時に熱処理工程を入れてもよく、この場合は、予め、本樹脂組成物の各成分を混合してから熱処理を行うことが望ましい。
また、各種の混合成分を濃縮してマスターバッチ化したものを使用してもよい。
混合する際の装置も特に制限されず、例えば万能混練機、プラネタリミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、ゲートミキサー、加圧ニーダー、三本ロール、二本ロールを用いることができる。必要に応じて溶剤を用いて混合してもよい。
また、本樹脂組成物は、溶剤を含まない無溶剤系として使用することできる。無溶剤系として使用することで溶剤が残存せず、耐熱性及び耐光性が高まるという利点を備えることができる。
かかる観点からも、本樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)、架橋剤(b)及び可視光開始剤(c)を含む形態であることが好ましい。
本粘着シートは、上述したように調製した本樹脂組成物を、基材シート又は離型シート上に塗布(塗工)することで製造することができる。
また、例えば積層構成の本粘着シートは、前記本樹脂組成物を、基材シート又は離型シート上に塗布(塗工)して、第1番目の層を形成し、形成した第1番目の層上に該本樹脂組成物を塗布(塗工)して、第2番目の層を形成することを繰り返す方法や、前記と同様にして、第1番目と第2番目の層を形成しておき、その後、それぞれの塗布(塗工)面同士を貼り合せる方法や、該本樹脂組成物を多層コーティングや共押出成型により第1番目の層と第2番目の層を同時に形成する方法により作製することができる。
上記塗布(塗工)方法としては、一般的な塗工方法であれば特に限定されることなく採用可能である。例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法を挙げることができる。
そして、必要に応じて、上記本樹脂組成物からなる粘着層に対して光を照射し、粘着層(Y)を仮硬化させて、光硬化する余地を残して、粘着層(Y)のゲル分率を0〜60%とすればよい。但し、必ずしも、光を照射して粘着層(Y)を仮硬化させなくてもよく、例えば熱又は養生により粘着層(Y)を仮硬化させてもよく、また、未硬化のままであってもよい。
<本粘着シートの用途>
本粘着シートは、上述したように、樹脂部材(X)を貼合するために好適に用いることができる。
例えば樹脂部材(X)と画像表示パネル(P)とを本粘着シートを介して貼合して光硬化性粘着シート積層体を形成し、当該樹脂部材(X)側から、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となる光を、樹脂部材(X)を通して本粘着シートに照射することにより、粘着層(Y)を光硬化させ、光硬化前後のゲル分率差を10%以上として凝集させて、画像表示パネル積層体を製造することができる。
(樹脂部材(X))
樹脂部材(X)としては、365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、405nmでの光線透過率が60%以上であるものが好ましい。
365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、405nmでの光線透過率が60%以上であれば、紫外線の透過を十分遮断(カット)し、樹脂部材(X)自身及びその裏側(視認側面と反対面)に位置する光学部材(例えば、偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルム)の光劣化を抑制し、かつ、光学部材に要求されるレベルに黄色度(YI)を低減することができる。
このような樹脂部材(X)として、樹脂材料を主成分とし、紫外線吸収剤を用いて前記光線透過率を有するように調整されたものを挙げることができる。
前記樹脂材料としては、例えばポリカーボネート系樹脂又はアクリル系樹脂を主成分樹脂として含有する材料を挙げることができる。
この際、「主成分樹脂」とは、樹脂部材(X)を構成する樹脂の中で最も含有質量の多い樹脂を意味する。
(画像表示パネル(P))
画像表示パネル(P)として、例えば偏光フィルムその他位相差フィルム等の他の光学フィルム、液晶材料及びバックライトシステムから構成される(通常、本組成物又は粘着物品の画像表示パネルに対する被着面は光学フィルムとなる)ものであり、液晶材料の制御方式によりSTN方式やVA方式やIPS方式等があるが、何れの方式であってもよい。
また、画像表示パネルは、タッチパネル機能をTFT−LCD内に内蔵したインセル型であっても、偏光板とカラーフィルタを設けたガラス基板の間にタッチパネル機能を内蔵したオンセル型であってもよい。
本粘着シートは、上記のように目的物を貼着した状態の粘着層(Y)、すなわち光(本)硬化後の該粘着層(Y)は、耐発泡信頼性の観点から、本樹脂組成物による架橋構造を有することが特に好ましい。
とりわけ、当該粘着層(Y)は、上述したように、活性エネルギー線硬化性部位を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いたり、官能基(i)を有する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)と、該官能基(i)と反応する官能基(ii)を有する化合物による化学的な結合を具備させたり、アルキレンオキサイド未変性の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いて形成し、これらに起因する架橋構造を有することが特に好ましい。
<<語句の説明など>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下に実施例でさらに詳しく説明する。但し、本発明が、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
<実施例・比較例>
実施例、比較例に用いた材料について説明する。
[実施例1]
(光硬化性粘着シートY)
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を13.5質量部、ラウリルアクリレートを43.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを40質量部、及びアクリルアミド2.8質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)を用意した。
このアクリル系グラフト共重合体1kgに対し、架橋剤としてプロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATM−4PL)90g、可視光開始剤として開裂型可視光開始剤を含む混合物である、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製 Esacure KTO46)15gを添加し、均一混合して、光硬化性組成物を得た。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ150μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの光硬化性粘着シートY1を作製した。
なお、光硬化性粘着シートY1は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
(樹脂部材X)
樹脂部材(X)として、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート系樹脂板(三菱瓦斯化学社製、ユーピロンシートMR58)であり、厚さ1.0mm(貼合構成Pで使用)及び1.5mm(貼合構成Q及び貼合構成Rで使用)のものを用いた。
いずれの厚さのものも365nmでの光線透過率0%、405nmでの光線透過率83%であった。
(光硬化性粘着シート積層体)
離型フィルム付き光硬化性粘着シートY1の一方の面の剥離フィルムを剥がし、前記ポリカーボネート板(樹脂部材X)の一方の面にロール貼合し、樹脂部材(X)/光硬化性粘着シートY1の光硬化性粘着シート積層体(「X/Y1積層体」とも称する)を得た。
[実施例2]
光硬化性粘着シートYの架橋剤の種類をペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3)に変更し、配合部数をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY2及びX/Y2積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY2は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例3]
光硬化性粘着シートYの(メタ)アクリル系共重合体の組成を、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を12.7質量部、ラウリルアクリレートを41.1質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを37.6質量部、アクリルアミド2.6質量部及び4−ヒドロキシブチルアクリレート6質量部をランダム共重合してなるヒドロキシ基含有アクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)100質量部に対し、2−イソシアナトエチルメタクリレート6.5質量部を付加反応させて得られた、炭素−炭素二重結合の活性エネルギー線架橋性構造部位を有する(メタ)アクリル系共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY3及びX/Y3積層体を得た。なお、光硬化性粘着シートY3は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例4]
光硬化性粘着シートとして、可視光開始剤として水素引抜型可視光開始剤である、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(BASF社製、Irgacure MBF)を用い、予め、405nmでの積算光量が100(mJ/cm)となるように光を照射して一次硬化(架橋)させたものを用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY4及びX/Y4積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY4は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例5]
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3000)を13.5質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを73.7質量部、アクリルアミド2.8質量部及びメチルアクリレート10質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:26万)を使用し、架橋剤の種類をペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)に変更し、配合部数をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY5及びX/Y5積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY5は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例6]
架橋剤の配合量をアクリル系グラフト共重合体1kgに対し120gに変更した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY6及びX/Y6積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY6は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例7]
架橋剤の種類を、アクリル系グラフト共重合体1kgに対し、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)をそれぞれ90g、30gの併用で使用した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY7及びX/Y7積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY7は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例8]
架橋剤の種類を、アクリル系グラフト共重合体1kgに対し、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)それぞれ120g、40gの併用で使用した以外は、実施例5と同様にして、光硬化性粘着シートY8及びX/Y8積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY8は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[実施例9]
(メタ)アクリル系共重合体として、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3,000)を13.5質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを73.7質量部、アクリルアミド2.8質量部及びメチルアクリレート10質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:26万)1kgに対し、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)とジペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、NKエステルA9570W)を、それぞれ75g、25gの量で併用し、可視光開始剤として開裂型可視光開始剤を含む混合物である、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製 Esacure KTO46)15gを添加し、シランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2g(信越シリコン株式会社製 KBM403)を均一混合して、光硬化性組成物を得た。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ25μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの表裏層用粘着シートY9aを作製した。
(メタ)アクリル系共重合体として、表裏層用粘着シートY9aで用いたのと同様のアクリル系グラフト共重合体1kgに対し、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製、NKエステルATMM3L)30g、可視光開始剤として開裂型可視光開始剤を含む混合物である、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製 Esacure KTO46)15gを添加し、均一混合して、光硬化性組成物を得た。
次に、前記光硬化性組成物を、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRV、厚さ100μm)上に、厚さ100μmとなるようシート状に成形した後、表面が剥離処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRQ、厚さ75μm)を被覆し、離型フィルム付きの中間層用粘着シートY9bを作製した。
中間層用粘着シートY9bの両側のPETフィルムを順次剥離除去すると共に、2枚の表裏層用粘着シートY9aの粘着面を、中間層用粘着シートY9bの両表面に順次貼合し、(表裏層用粘着シートY9a)/(中間層用粘着シートY9b)/(表裏層用粘着シートY9a)からなる2種3層の積層体(総厚150μm)である光硬化性粘着シートY9及び実施例1と同様にしてX/Y9積層体を得た。
[実施例10]
上記中間層用粘着シートY9bに用いた(メタ)アクリル系共重合体を、イソボルニルメタクリレート:メタクリル酸メチル=1:1からなる、末端官能基がメタクリロイル基のマクロモノマー(数平均分子量3,000)を13.5質量部、ラウリルアクリレートを43.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを40質量部、及びアクリルアミド2.8質量部をランダム共重合してなるアクリル系グラフト共重合体(質量平均分子量:16万)に変更して中間層用粘着シートY10bを形成した以外は実施例9と同様にして、(表裏層用粘着シートY9a)/(中間層用粘着シートY10b)/(表裏層用粘着シートY9a)からなる2種3層の積層体(総厚150μm)である光硬化性粘着シートY10及びX/Y10積層体を得た。
なお、光硬化性粘着シートY10は、光を照射することにより硬化する光硬化性を備えた粘着シートであった。
[比較例1]
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として水素引抜型開始剤である、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lamberti社製、Esacure TZT)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY11及びX/Y11積層体を得た。
[比較例2]
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として水素引抜型開始剤である、1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(Lamberti社製、Esacure1001M)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY12及びX/Y12積層体を得た。
[比較例3]
光硬化性粘着シートとして、光開始剤として可視光吸収水素引抜型開始剤である、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、DETX−S)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY13及びX/Y13積層体を得た。
[比較例4]
光硬化性粘着シートとして、光硬化性を有しない、市販の非硬化性光学用透明粘着シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性粘着シートY14及びX/Y14積層体を得た。
<評価>
本明細書中に表示される評価の方法について説明する。
(1)動的貯蔵弾性率(G‘)
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で測定した。
(2)分光透過率
樹脂部材(X)について、分光光度計(島津製作所製 UV2000)を用いて、波長300nm〜800nmの分光透過率(%T)を測定した。かかる分光透過率を光線透過率とした。
(3)ゲル分率
実施例及び比較例で得られた光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、予め質量(X)を測定したSUSメッシュ(♯200)で袋状に包み、袋の口を折って閉じて、この包みの質量(Y)を測定した後、100mlの酢酸エチルに浸漬させ23℃24時間暗所保管した後、包みを取り出して70℃で4.5時間加熱し付着している酢酸エチルを蒸発させ、乾燥した包みの質量(Z)を測定し、求めた質量を下記式に代入して、ゲル分率X1を求めた。
ゲル分率(%)=[(Z−X)/(Y−X)]×100
また、実施例及び比較例で得られたX/Y1〜Y14積層体のそれぞれについて、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した後、光硬化性粘着シートの樹脂部材(X)側表面の粘着層箇所からサンプルを採取し、上記と同様の方法でゲル分率X2を求めた。そして、X2−X1を算出した。
(4)段差吸収性
58mm×110mm×厚さ0.8mmのガラスの周縁部(長辺側3mm、短辺側15mm)に、厚さ22〜24μmの印刷を施し、中央の凹部が52mm×80mmの印刷段差付ガラス板を準備した。
実施例及び比較例で得られた離型フィルム付きの光硬化性粘着シートY1〜Y14それぞれについて、一方の離形フィルムを剥がし、ソーダライムガラス(54mm×82mm×厚さ0.5mm)の全面にロール貼合した後、残るもう一方の離形フィルムを剥がし、前記印刷段差付きガラス板の額縁状の印刷段差に、粘着シートがかかるようにして真空プレスを用いて真空圧着(温度25℃、プレス圧0.13MPa)して評価サンプルを作成した。
評価サンプルを、60℃、0.2MPa、20minの条件でオートクレーブ処理した後、下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):段差周辺部に、微小気泡が全く見られない
×(poor):段差周辺部に、微小気泡が見られる
(5)黄色度(YI)
実施例及び比較例で得たX/Y1〜Y14積層体のそれぞれについて、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した。
405nmでの積算光量とは、紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)、及び受光器「UVD−C405」(ウシオ電機株式会社製)を用いて、樹脂部材(X)の高圧水銀ランプで照射する側の面とは逆の面に光量計を設置して測定した、樹脂部材(X)を透過して光硬化性粘着シート(Y1〜Y14)に照射される積算光量である。
この後、分光測色計(スガ試験機(株))「SC−T」を用いて、JIS K7103に基づきX/Y1〜Y14積層体の黄色度(YI)を測定し、下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):YIが2未満
×(poor):YIが2以上
(6)耐UV信頼性(ΔYI)
実施例及び比較例で得たX/Y1〜Y14積層体について、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した。
405nmでの積算光量とは、紫外線積算光量計「UIT−250」(ウシオ電機株式会社製)、及び受光器「UVD−C405」(ウシオ電機株式会社製)を用いて、樹脂部材(X)の高圧水銀ランプで照射する側の面とは逆の面に光量計を設置して測定した、樹脂部材(X)を透過して光硬化性粘着シート(Y1〜Y14)に照射される積算光量である。
この後、UVB蛍光ランプ(G15T8E 三共電気株式会社製、放射照度70μW/cm)を用いて、距離20cm、72hrの照射試験を実施した。
照射前後のX/Y1〜Y14積層体の黄色度(YI)の変化量ΔYIから下記の評価基準で合否を判定した。
○(good):ΔYIが0.2未満
×(poor):ΔYIが0.2以上
(7)耐発泡信頼性
実施例及び比較例で得たX/Y積層体それぞれについて、Y面側に残るもう一方の離形フィルムを剥がし、その露出面に次の3種類の部材をハンドローラーにて貼着し、貼合した時の耐発泡信頼性をそれぞれ評価した。
また、X/Y積層体は、それぞれの部材のサイズにカットして使用した。
具体的な貼合構成は、X/Y積層体/部材P(貼合構成P)、X/Y積層体/部材Q(貼合構成Q)及びX/Y積層体/部材R(貼合構成R)の3種類である。
部材P:ソーダライムガラス 54mm×82mm×厚さ0.55mm
部材Q:ソーダライムガラス 100mm×180mm×厚さ0.55mm
部材R PETフィルム 100mm×180mm×厚さ100μm
また、部材P(貼合構成P)に対しては、温度60℃、気圧0.2MPa、30分の条件でオートクレープ処理を施して仕上げ貼着を行い、部材Q及びR(貼合構成Q及びR)に対しては、温度80℃、気圧0.2MPa、30分の条件でオートクレープ処理を施して仕上げ貼着を行った。
前記仕上げ貼着後、樹脂部材(X)側から、高圧水銀ランプを用いて、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射し、耐発泡信頼性評価サンプルを作製した。
前記評価サンプルを、85℃、85%R.H.環境下に24hr暴露し、発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「○(good)」、発泡や剥離が認められたものを「×(poor)」と判定した。
また、貼合構成P又はQ(一面ガラス部材)と貼合構成R(両面樹脂部材)で発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「◎(very good)」とし、貼合構成P、Q及びRの何れかで発泡や剥離など外観不良が認められなかったものを「〇(good)」とし、貼合構成P、Q及びRの全てで発泡や剥離が認められたものを「×(poor)」と総合判定した。
(8)長期保管後のヘイズ(架橋剤との相溶性の指標)
実施例及び比較例で得た光硬化性粘着シートYそれぞれについて、シートを作製してから2か月以上経過した後、粘着シートYの離形フィルムを剥がし露出した両面の粘着面を2枚のソーダライムガラス(厚み0.55mm)で挟むように貼合し、高圧水銀ランプを用いて405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した後、ヘイズ値を測定した。
ヘイズ値の測定は、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH5000)を用いてJIS K7136に準じて行った。
ヘイズ値が0.5未満であったものを「○(good)」、0.5以上1.0未満であったものを「△(satisfactory)」、1.0以上であったものを「×(poor)」と判定した。
(9)光硬化後のTg
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、予め、405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるように光を照射した後、光硬化性粘着シートY1〜Y14をそれぞれ8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で測定し、得られたTanδの値がピークとなる温度をTgとして測定した。
(10)粘度
実施例及び比較例で得られた、150μmの光硬化性粘着シートY1〜Y14(離型フィルム無し)のそれぞれについて、8枚重ねて1200μmとし、動的粘弾性測定装置レオメーター(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、粘着治具:Φ25mmパラレルプレート、歪み:0.5%、周波数1Hz、昇温速度:3℃/minの条件で、70℃、100℃それぞれにおける光硬化前における粘着シートの複素粘度を測定した。
(11)保管性
50mm×50mm角に裁断した光硬化性粘着シートY1〜14を、100mm×100mm四方で厚さ100μmのPETフィルム2枚の間に挟んで積層体を作製し、23℃50%の環境下にて300時間放置後に積層体から粘着剤がはみ出たか目視観察を行った。
作製した積層体を目視観察して、粘着剤が全体的にはみ出たものを「×(poor)」、粘着剤が角部のみはみ出たものを「△(satisfactory)」、粘着剤がはみ出なかったものを「○(good)」と判定した。
Figure 2019210445
<考察>
実施例1〜10の樹脂部材(X)/光硬化性粘着シート(Y1〜Y10)の光硬化性粘着シート積層体(X/Y1〜Y10積層体)は、樹脂部材(X)側から、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した際に、光硬化性粘着シートY1〜Y10は、ゲル分率の差が10%以上高まるように十分硬化することができ、動的貯蔵弾性率(G‘)が120℃、1Hzにおいて、0.7×10Pa以上の高温凝集力を保持していたため、良好な耐発泡信頼性が得られた。特に、タッチセンサーがガラスセンサーの場合を想定した試験に置いて良好な耐発泡信頼性が得られた。
中でも、実施例3、7、9、10は、動的貯蔵弾性率(G‘)が120℃、1Hzにおいて、2.0×10Pa以上の高温凝集力を保持していたため、タッチセンサーがフィルムセンサーの場合を想定した試験に置いても良好な耐発泡信頼性が得られた。
また、実施例8は、タッチセンサーがフィルムセンサーの場合を想定した試験においては良好な耐発泡信頼性が得られたが、タッチセンサーがガラスセンサーの場合を想定した試験に置いてはガラスの剥がれが生じた。これは動的貯蔵弾性率(G‘)が120℃、1Hzにおいて高くなり過ぎ、タック、接着性能が低下したためと考えられる。
なお、実施例2は、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(a)を構成する親水性モノマーの含有量が10質量部以下であることから、長期保管中に相分離が進行したため、長期保管後のヘイズが「△(satisfactory)」であった。
実施例1〜10のいずれにおいても段差吸収性は良好であり、印刷段差を有するカバー部材に対しても、タッチセンサーの種類により実用に耐えうるものであると考えられる。
また、実施例4、9、10は、粘度(70℃)が、1.5kPa・s以上と高いため、長期保管後においても糊のはみ出しが見られず保管性に優れていた。
比較例1及び2は、光硬化性粘着シートY11及びY12の波長390nmでの光線透過率(%)が90%以上と高く、樹脂部材(X)側から、波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)となるよう光を照射した際の、光開始剤の光吸収による励起及び硬化(架橋)反応の進行が十分でないため、十分に粘着層(Y)を硬化できず、耐発泡信頼性試験時に気泡が発生した。
比較例3は、光硬化性粘着シートY13の波長410nmでの光線透過率(%)が70%と低く、可視光領域における光吸収が大きいため、粘着層(Y)の黄色度(YI)が高くなった。
比較例4は、光硬化性粘着シートY14のゲル分率が88%、動的貯蔵弾性率(G’)(25℃)が1.1×10Paと高いため、段差吸収性が悪く、気泡が生じた。

Claims (17)

  1. 波長365nmでの光線透過率が10%以下で、かつ、波長405nmでの光線透過率が60%以上の樹脂部材(X)を貼合するために用いる光硬化性粘着シートであって、
    以下の(1)〜(3)の全ての特性を備える粘着層(Y)を有することを特徴とする光硬化性粘着シート。
    (1)ゲル分率(「光照射前ゲル分率X1」と称する)が0〜60%の範囲内にある。
    (2)波長390nmでの光線透過率が89%以下であって、かつ、波長410nmでの光線透過率が80%以上である。
    (3)波長405nmの光の照射によって硬化する光硬化性を備えている。
  2. 上記(3)における光硬化性は、前記樹脂部材(X)の外側から該樹脂部材(X)を介して波長405nmの光を照射した際に、ゲル分率の差として10%以上高まる光硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性粘着シート。
  3. 前記樹脂部材(X)の外側から該樹脂部材(X)を介して波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した際、光照射前のゲル分率(光照射前ゲル分率X1)と光照射後のゲル分率(「光照射後ゲル分率X2」と称する)との差(光照射後ゲル分率X2−光照射前ゲル分率X1)が10%以上となる光硬化性を備えることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性粘着シート。
  4. 前記粘着層(Y)が、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体及び可視光開始剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  5. 前記粘着層(Y)が、シランカップリング剤を含有する請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  6. 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、及び、カルボキシル基とイソシアネート基のうちから選択される何れかの官能基の組合せによる化学的な結合が形成されている、請求項4又は5に記載の光硬化性粘着シート。
  7. 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が、枝成分としてマクロモノマーを備えたグラフト共重合体である、請求項4又は5に記載の光硬化性粘着シート。
  8. 前記可視光開始剤が、水素引抜型可視光開始剤である請求項4〜7の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  9. 前記水素引抜型可視光開始剤が、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルの混合物からなる群より選択される何れか1種又は2種である、請求項8に記載の光硬化性粘着シート。
  10. 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が、側鎖の炭素数が4〜18の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートと、親水性の(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含む共重合体である、請求項4〜9の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  11. 前記粘着層(Y)は、架橋剤を含有するか、或いは、架橋剤を用いて形成されたものである、請求項1〜10の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  12. 前記架橋剤は、アルキレンオキサイド未変性の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートである、請求項11に記載の光硬化性粘着シート。
  13. 前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、活性エネルギー線架橋性構造部位を有する請求項4〜12の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  14. 温度25℃、周波数1Hzにおいて、貯蔵弾性率(G’)が、0.9×10Pa以下である請求項1〜13の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  15. 波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した後の該粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が、温度120℃、周波数1Hzにおいて、0.7×10Pa以上となることを特徴とする、請求項1〜14の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  16. 波長405nmでの積算光量が3000(mJ/cm)である光を照射した後の該粘着層(Y)の貯蔵弾性率(G’)が、温度120℃、周波数1Hzにおいて、2.0×10Pa以上となることを特徴とする、請求項1〜14の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
  17. 前記粘着層(Y)は、加熱により軟化乃至流動するホットメルト性を有することを特徴とする、請求項1〜16の何れかに記載の光硬化性粘着シート。
JP2018147324A 2017-08-08 2018-08-06 光硬化性粘着シート Active JP6866880B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017152882 2017-08-08
JP2017152882 2017-08-08
JP2018103230 2018-05-30
JP2018103230 2018-05-30

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019210445A true JP2019210445A (ja) 2019-12-12
JP2019210445A5 JP2019210445A5 (ja) 2020-11-12
JP6866880B2 JP6866880B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=68846425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018147324A Active JP6866880B2 (ja) 2017-08-08 2018-08-06 光硬化性粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6866880B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220162152A (ko) 2020-03-31 2022-12-07 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 점착 시트, 화상 표시 장치용 적층체, 화상 표시 장치 및 화상 표시 장치 구성용 적층체의 제조 방법
WO2023074556A1 (ja) * 2021-10-27 2023-05-04 日東電工株式会社 光学粘着シート
KR20230135046A (ko) 2021-01-20 2023-09-22 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 이형 필름을 구비하는 점착 시트 적층체, 점착 시트, 화상 표시 장치 구성용 적층체 및 화상 표시 장치
KR20240060669A (ko) 2021-09-28 2024-05-08 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 이형 필름을 가지는 점착 시트 적층체, 화상 표시 장치 구성용 적층체, 화상 표시 장치 및 화상 표시 장치 구성용 적층체의 제조 방법

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006512442A (ja) * 2002-12-30 2006-04-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 硬化性の感圧接着剤組成物
WO2015080120A1 (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 株式会社イーテック 光硬化型粘着剤組成物、粘着シート、および積層体
JP2015157884A (ja) * 2014-02-21 2015-09-03 三菱樹脂株式会社 透明両面粘着シート及び画像表示装置
WO2016024618A1 (ja) * 2014-08-12 2016-02-18 三菱樹脂株式会社 透明粘着シート
JP2016199701A (ja) * 2015-04-13 2016-12-01 日東電工株式会社 粘着シートおよび接合体製造方法
WO2016194957A1 (ja) * 2015-06-02 2016-12-08 三菱樹脂株式会社 光硬化型粘着シート、粘着シート及び画像表示装置
JP2017149807A (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 リンテック株式会社 粘着シート、表示体およびそれらの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006512442A (ja) * 2002-12-30 2006-04-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 硬化性の感圧接着剤組成物
WO2015080120A1 (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 株式会社イーテック 光硬化型粘着剤組成物、粘着シート、および積層体
JP2015157884A (ja) * 2014-02-21 2015-09-03 三菱樹脂株式会社 透明両面粘着シート及び画像表示装置
WO2016024618A1 (ja) * 2014-08-12 2016-02-18 三菱樹脂株式会社 透明粘着シート
JP2016199701A (ja) * 2015-04-13 2016-12-01 日東電工株式会社 粘着シートおよび接合体製造方法
WO2016194957A1 (ja) * 2015-06-02 2016-12-08 三菱樹脂株式会社 光硬化型粘着シート、粘着シート及び画像表示装置
JP2017149807A (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 リンテック株式会社 粘着シート、表示体およびそれらの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220162152A (ko) 2020-03-31 2022-12-07 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 점착 시트, 화상 표시 장치용 적층체, 화상 표시 장치 및 화상 표시 장치 구성용 적층체의 제조 방법
KR20230135046A (ko) 2021-01-20 2023-09-22 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 이형 필름을 구비하는 점착 시트 적층체, 점착 시트, 화상 표시 장치 구성용 적층체 및 화상 표시 장치
KR20240060669A (ko) 2021-09-28 2024-05-08 미쯔비시 케미컬 주식회사 활성 에너지선 경화성 점착 시트, 이형 필름을 가지는 점착 시트 적층체, 화상 표시 장치 구성용 적층체, 화상 표시 장치 및 화상 표시 장치 구성용 적층체의 제조 방법
WO2023074556A1 (ja) * 2021-10-27 2023-05-04 日東電工株式会社 光学粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6866880B2 (ja) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI830400B (zh) 雙面黏著片材、含圖像顯示裝置構成用構件之積層體、積層體形成套組及雙面黏著片材之用途
CN111876091B (zh) 带脱模薄膜的光固化性粘合片
JP6866956B2 (ja) 光硬化性粘着シート積層体、光硬化性粘着シート積層体の製造方法及び画像表示パネル積層体の製造方法
JP6558287B2 (ja) 画像表示装置構成用積層体及び画像表示装置の製造方法
JP2017155213A (ja) 透明両面粘着シート及び粘着シート積層体
JP6866880B2 (ja) 光硬化性粘着シート
JP7260033B2 (ja) 粘着シート、画像表示装置構成用積層体及び画像表示装置
JP7415366B2 (ja) 光硬化性粘着シート、粘着シート積層体、画像表示装置用積層体及び画像表示装置
JP7484104B2 (ja) 光硬化性粘着シート、画像表示装置用積層体及び画像表示装置
JP2019031598A (ja) 光硬化型粘着シート
JP7151589B2 (ja) 両面粘着シート、離型フィルム付積層体及び画像表示装置用積層体
TWI842162B (zh) 光硬化性黏著片材
WO2022124000A1 (ja) 積層体及び積層構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201001

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201001

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210322

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6866880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151