JP2019209297A - 通液型キャパシタの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期の運転により吸着性能が低下した通液型キャパシタにおいて、短期間で吸着性能を回復させることにより、脱塩装置の稼働時間を長くする運転方法の提供。【解決手段】通液型キャパシタ100に直流電流を通電した状態で被処理水W1を通液することにより活性炭電極にイオンを吸着させる吸着工程(i)、および、該通液型キャパシタを該吸着工程(i)の際とは逆の極性を付与した状態で水と接触させることにより該活性炭電極に吸着されたイオンを脱着させる脱着工程(ii)を1サイクルとして反復させる通液型キャパシタの運転方法であって、複数サイクルの運転を行った後に、該通液型キャパシタを30℃以上の洗浄水と接触させる工程(iii)を含む運転方法。【選択図】図3

Description

本発明は、通液型キャパシタを用いて被処理水を脱塩処理(被処理水中のイオンの吸着処理)する方法に関する。
通液型キャパシタは、静電力を利用して液中のイオンを電極に吸着させることにより除去するものであり、これを用いてイオンを含有する被処理水の脱塩処理を行うことができる。通液型キャパシタを用いた脱塩方法は、電極へのイオンの吸着時(被処理水の脱塩時)に供給した電気エネルギーをキャパシタに蓄電し、電極からのイオンの脱着時(電極からのイオンの脱離時)に電気エネルギーを回収できるため、エネルギー効率に優れる方法である。また、通液型キャパシタは、低い電圧でも脱塩処理が可能である。これらの点から、通液型キャパシタを用いた脱塩方法は設備メリットの高い、工業的に有利な方法である。
このような通液型キャパシタを用いた脱塩方法として、特許文献1には、イオン性物質を含む液体を通液しながら、集電極への直流定電圧の印加(電極へのイオンの吸着:脱塩)と、両集電極間の短絡又は逆接続(電極からのイオンの脱着:脱離)とを繰り返す方法が記載されている。また、脱塩性能を回復させる方法として、特許文献2では、脱塩工程(吸着工程)および脱離工程(脱着工程)を複数回行った後に脱離工程より長い時間(通常6時間以上)、通電を停止する回復工程を設ける方法が記載されている。また、特許文献3には、イオン成分の回収工程(ii)中に、被処理液よりイオン濃度の低い液を通液型コンデンサに所定時間通液させる時間を設けることにより、吸着性能の低下を抑制する方法が記載されている。
特開平6−325983公報 特開2003−200166公報 特許第4090635号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、脱着工程におけるイオンの脱着が不十分であり、運転が長期にわたると吸着性能が低下してしまう。また、特許文献2に記載の方法においては、通常6時間以上という長時間運転を止めなければならないため、装置の稼働率が低下してしまう。また、特許文献3に記載の方法においては、頻繁に繰り返される脱着工程においてイオン濃度の低い水(代表的にはイオン交換水)が多量に必要である点で改善の余地がある。
そこで本発明は、短時間で吸着性能を回復させることが可能な通液型キャパシタの運転方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、通液型キャパシタの吸着性能の回復方法について詳細に検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕集電体、活性炭電極およびスペーサーを含む通液型キャパシタに、該活性炭電極に直流電流を通電した状態で被処理水を通液することにより該活性炭電極に被処理水中のイオンを吸着させる吸着工程(i)、および、該通液型キャパシタを、該活性炭電極に該吸着工程(i)の際とは逆の極性を付与した状態で水と接触させることにより該活性炭電極に吸着されたイオンを脱着させる脱着工程(ii)を1サイクルとして反復させる通液型キャパシタの運転方法であって、複数サイクルの運転を行った後に、該通液型キャパシタを30℃以上の洗浄水と接触させる工程(iii)を含むことを特徴とする通液型キャパシタの運転方法
〔2〕前記工程(iii)において、30℃以上の洗浄水と90分以上接触させる、前記通液型キャパシタの運転方法
〔3〕前記工程(iii)において通液型キャパシタに洗浄水を通液または循環させる、前記通液型キャパシタの運転方法
〔4〕前記工程(iii)に使用する洗浄水の量を前記通液型キャパシタの外装となる容器の内容積の1倍以上100倍以下とする、前記通液型キャパシタの運転方法
〔5〕通液型キャパシタがアニオン交換膜およびカチオン交換膜をさらに含む、前記通液型キャパシタの運転方法
本発明により、短い時間で通液型キャパシタの性能を大きく回復出来るため、稼動率を大きく損なわずに吸着性能が高い状態を維持する通液型キャパシタの運転が可能である。
通液型キャパシタを説明するための模式分解図である。 図1におけるX−X’断面付近の模式図である。 通液型キャパシタを備えた脱塩装置の構成を説明するための模式説明図である。 アニオン交換膜およびカチオン交換膜を含む通液型キャパシタの構成の要部を説明するための部分分解斜視模式図である。 アニオン交換膜およびカチオン交換膜を含む通液型キャパシタの上面模式図である。 アニオン交換膜およびカチオン交換膜を含む通液型キャパシタの正面模式図である。 実施例1における経過時間に対する電圧および電流の変化をプロットしたグラフである。なお、図中の電流および電圧における正の数値は吸着工程(i)時の値、負の数値は脱着工程(ii)時の値を示す。 実施例1における経過時間に対する被処理水および処理水の導電率の変化をプロットしたグラフである。 実施例1におけるサイクル数に対するイオン除去率の変化をプロットしたグラフである。 実施例1および比較例1におけるサイクル数に対する最大電圧の変化をプロットしたグラフである。 各洗浄水温度における工程(iii)時間に対する回復効果をプロットしたグラフである。
本発明において用いられる通液型キャパシタは、集電体、活性炭電極およびスペーサーを含む。具体的には、本発明における通液型キャパシタは、第1集電体および第1活性炭電極を含む第1電極ならびに第2集電体および第2活性炭電極を含む第2電極がスペーサーを介して配置されたセルが複数重ねられて構成されている。ここで、第1電極および第2電極における第1および第2活性炭電極は、スペーサーを介して向き合うように配置されている。以下、図1および図2を参照して、通液型キャパシタの構造をより詳細に説明する。なお、図1において、説明の便宜上、層の一部分について、積層構造を展開するように分解したときの様子を模式的に図示している。
図1は、通液型キャパシタ100の構造を説明するための部分分解模式図である。図2は、通液型キャパシタ100の各セルを組み立てたときの図1のX−X’断面の模式図である。図1および図2に示すように、通液型キャパシタ100は、液中のイオンを吸着するための第1電極1および第2電極2が、スペーサー3を介して配置されたセル10を複数重ねるようにして構成されている。各第1電極1はそれぞれ、第1集電体1a(1a’)と、第1集電体1a(1a’)に積層された第1活性炭電極1b(1b’)とを備える。各第2電極2はそれぞれ、第2集電体2aと、第2集電体2aに積層された第2活性炭電極2bとを備える。各第1電極1および第2電極2は、互いに対極である。そして、セル10が複数重ねられて形成された積層体は、例えば、金属製の締結ボルト5a、5bで締結されている。締結ボルト5aは、各セル10において、第1活性炭電極1b(1b’)と対向しないように第1集電体1aにそれぞれ設けられたタブ部1dを電気的に接続する。同様に、締結ボルト5bは各セル10において、第2活性炭電極2bと対向しないように第2集電体2aに設けられたタブ部2dを電気的に接続する。そして、締結ボルト5aまたは締結ボルト5bで締結された、タブ部1dまたはタブ部2dにより、複数の第1集電体1a同士または複数の第2集電体2a同士はそれぞれ電気的に接続される。そして、複数の第1集電体1a同士または複数の第2集電体2a同士を等電位にする。
なお、1つのセルはスペーサーを挟んだ2つの電極から構成される。セルの数はスペーサーの数に一致する。本発明における通液型キャパシタのセルの数は特に限定されないが、具体的には、例えば3〜100、さらには5〜50であることが好ましい。
通液型キャパシタ100を用いてイオンを含む被処理水を脱塩処理する場合、被処理水を図1の白抜矢印で示されるような方向に通液する。図略の外部電源により第1電極1と第2電極2との間に電流を流しながら第1電極1と第2電極2とにより形成されるキャパシタ間に通液した場合、通液した被処理水中のイオンが第1活性炭電極1b(1b’)および第2活性炭電極2bに吸着される。そして、キャパシタによりイオンが吸着された後の処理液は各セルの略中央部に設けられた通液孔8に達し、通液孔8を通じて外部に排出される。これによって、イオンが除去された処理液を得ることができる。なお、図1において、第1集電体1a’および第1活性炭電極1b’は、通液方向を規制するために通液孔8を有さず、最上層のセルを形成する。
以下、本発明の通液型キャパシタの運転方法の一実施形態を図3を用いて説明する。
[吸着工程(i)]
本発明の吸着工程(i)は、集電体、活性炭電極およびスペーサーを含む通液型キャパシタに、該活性炭電極に直流電流を通電した状態で被処理水を通液することにより該活性炭電極に被処理水中のイオンを吸着させる工程、すなわち、通液型キャパシタを用いて被処理水を脱塩処理する方法であり、以下詳細に説明する。図3には、通液型キャパシタ100と、直流電源20を備えた脱塩装置200が示されている。直流電源20は、正極側および負極側を互いに交換可能に、通液型キャパシタ100の第1電極1または第2電極2を締結する締結ボルト5a、5bに配線20a、20bで接続されている。通液型キャパシタの外装となる容器30は、通液型キャパシタ100に被処理水を供給するための給液口31、および通液型キャパシタ100により処理された処理液を排出するための排液口32を備える。また、容器30は締結ボルト5a、5bに通電するための端子15a、15bを備えている。
通液型キャパシタを含む脱塩装置200を用いて、イオンを含有する被処理水を処理するためには、はじめに、給液口31から容器30内にイオンを含有する水等の被処理水W1を給液する。被処理水W1は、容器30内で、図3中に矢印で示された流路に沿って通液される。そして、被処理水W1は、通液型キャパシタ100の略中央部に設けられた通液孔8を経て、排液口32から排出される。被処理水W1を給液しながら直流電源20から締結ボルト5a、5bにそれぞれ接続された端子15a、15bを介して通液型キャパシタ100に電流を流す。そして、電流を流しながら、容器30の排液口32から脱塩処理された液が排出される。
[脱着工程(ii)]
本発明における脱着工程(ii)は、通液型キャパシタを、該活性炭電極に該吸着工程(i)時とは逆の極性を付与した状態で水と接触させることにより該活性炭電極に吸着されたイオンを脱着させる工程である。脱塩処理が進行し、活性炭電極に多量のイオンが吸着された場合には、活性炭電極の極性を反転させることによって、活性炭電極に吸着されたイオンを脱着することができる。つまり、本発明における通液型キャパシタにおいては、活性炭電極におけるイオンの吸着時と脱着時で活性炭電極の極性が反転され、これにより活性炭電極の吸着性能を再生させることができる。
脱着工程(ii)について、水として被処理水W1を用いる例を図3を用いて説明する。吸着工程(i)では、通液量が増加するにつれて、徐々に、第1電極および第2電極のイオン吸着量が増加して、吸着性能が徐々に低下していく。そこで脱着工程(ii)として、第1電極に直流電源の正極側、第2電極に直流電源の負極側を接続して両電極間に吸着時とは逆の電流を流し、活性炭電極の極性を反転させた状態で水と接触させる。これにより、第1電極に吸着されたカチオンおよび第2電極に吸着されたアニオンが脱着して、接触した水中(図3における被処理水W1)に放出される。放出されたイオンを含有する被処理水W1は吸着工程(i)の際と同様に通液孔8を通じて排液口32から排出される。このようにして、第1活性炭電極および第2活性炭電極の吸着能力を再生させることができる。脱着工程(ii)において活性炭電極に接触させる水は特に限定しないが、吸着工程(i)から給水経路を変えなくてよい点で被処理水が好ましい。接触させる水は脱着工程(ii)中、常時通液しても良いし、一定期間静置した後に通液しても良い。
また、被処理水W1に含まれているイオンが第1電極1と第2電極2との間を通過するときに、第1活性炭電極1bおよび第2活性炭電極2bに静電的に吸着されて捕捉される(吸着工程(i))。そして、第1活性炭電極1bまたは第2活性炭電極2bの表面に多量のイオンが吸着された場合には、バルブV1を開け、バルブV2を閉じることによりイオン濃縮液回収経路に切り替える。そして、活性炭電極の極性を反転させることにより、濃縮されたイオンを回収することができる(脱着工程(ii))。
活性炭電極への給電方式としては、定電流、定電圧および定電流定電圧方式が挙げられる。本発明においては、高耐久な処理が可能である点から、活性炭電極への給電方式は定電流定電圧方式が好ましい。なお、活性炭電極への給電方式が定電流定電圧方式である場合、一定の電流が活性炭電極に給電され、電圧が上限電圧に達した場合には、給電方式は該上限電圧において電圧が一定に維持され、該上限電圧に応じて電流の値が変化する。
吸着工程(i)と脱着工程(ii)の時間の比率は、特に限定されないが、(吸着工程の時間)/(脱着工程の時間)が1〜5、さらには1.5〜4.5になるように活性炭電極の極性を繰り返し反転することが好ましい。
[工程(iii)]
本発明においては上記吸着工程(i)と脱着工程(ii)を1サイクルとして反復させる。このサイクルを複数回繰り返すと、通液型キャパシタのイオン吸着性能が低下してしまう。これは脱着工程(ii)において脱着できなかったイオンが徐々に電極に蓄積することに起因すると推定される。そこで、上記サイクルを複数回繰り返した後に、通液型キャパシタを30℃以上の洗浄水と接触させる工程(iii)を実施する事により、吸着性能を回復させることができる。
工程(iii)に使用する洗浄水は、特に限定されないが、例えば、被処理水、処理水(本発明の吸着処理された水)、水道水、およびイオン交換水、等が挙げられる。これらの中でも、回復効果に優れ、本装置から得られる(系内から得られる)点で、処理水が好ましい。
工程(iii)に使用する洗浄水の温度は、好ましくは30〜60℃、より好ましくは35〜55℃である。洗浄水の温度が上記下限値以上であると、高い回復効果が得られる。また、洗浄水の温度が上記上限値以下であると、内部部材の強度劣化が抑制できる。
また、工程(iii)における通液型キャパシタを30℃以上の水と接触させる時間(工程(iii)の実施時間)は、好ましくは90分以上、より好ましくは180分以上である。また、工程(iii)の実施時間は480分未満、より好ましくは400分未満である。工程(iii)の実施時間が上記下限値以上であると、高い回復効果が得られる。また、工程(iii)の実施時間が上記上限値以下であると、装置の稼働時間をあまり低下させずに運転できる。
また、工程(iii)の実施時間に対する複数サイクルの運転時間(工程(i)および(ii)の複数サイクル運転した際の合計時間)の比率は、好ましくは2〜15である。複数サイクルの運転時間が上記下限値以上であると、装置の稼働時間があまり低下しない。また、工程(iii)の実施時間が上記上限値以下であると、高い回復効果が得られる。
なお、上記洗浄水は容器30内に静置しても良いし、通液しても良いが、温度を調整しやすい事から通液する方が好ましい。通液する洗浄水は使い捨て使用しても良いし、循環使用しても良いが、少量の洗浄水で実施出来るため、循環使用する方が好ましい。循環使用する場合、洗浄水の量は好ましくは容器30の内容積の1〜100倍である。洗浄水の量が上記下限値以上であると、脱着されたイオンにより洗浄水のイオン濃度が上昇しすぎることがなく、充分な回復効果が得られる。また、洗浄水の量が上記上限値以下であると、多くの洗浄水を使用せずに実施できる。ここで内容積とは、電極等を内蔵した容器に水を満杯に充填した際の水の量が1倍である。
工程(iii)中は、電極間を電気的に遮断しても良いし、短絡しても良いが、短絡するほうが蓄積したイオンの脱着が促進するため好ましい。
また、本発明の一実施態様において、通液型キャパシタはカチオン交換膜およびアニオン交換膜を含んでよい。この実施態様について図4〜6を参照して説明する。なお、図4において、説明の便宜上、層の一部分について、積層構造を展開するように分解したときの様子を模式的に図示している。図5は通液型キャパシタの上面模式図であり、図6はその正面模式図である。
第1電極1はそれぞれ、第1集電体1a(1a’)および第1活性炭電極1b(1b’)の他に、カチオン交換膜1c(1c’)を含み、第2電極2はそれぞれ、第2集電体2aおよび第2活性炭電極2bの他に、アニオン交換膜2cを含み、ここで、カチオン交換膜1cとアニオン交換膜2cとはスペーサーを介して対向するように配置されている。通液型キャパシタがカチオン交換膜およびアニオン交換膜を含む場合、以下の効果が得られる。
通液型キャパシタに電流を流す前には、各セルに被処理水を通液しても液中のアニオン(−)およびカチオン(+)は第1電極および第2電極に吸着されず、両電極間を素通りする。一方、通液型キャパシタがカチオン交換膜およびアニオン交換膜を含む場合、第1電極に直流電源の負極側、第2電極に直流電源の正極側を接続することにより両電極間に電流を流すと、カチオンは第1電極の表面に配されたカチオン交換膜を通過可能であるために第1電極の第1活性炭電極に吸着され、また、アニオンは第2電極の表面に配されたアニオン交換膜を通過可能であるために第2電極の第2活性炭電極に吸着される。
また、上記のとおり、通液型キャパシタへの通液量の増加に伴って吸着性能が徐々に低下した場合、活性炭電極に吸着工程(i)時の際とは逆の極性を付与して、第1電極に吸着されたカチオンおよび第2電極に吸着されたアニオンが脱着して、通液される液中に放出される。このとき、放出されたカチオンは第2電極の表面に配されたアニオン交換膜を通過することができないために、第2電極に吸着されない。同様に、放出されたアニオンは第1電極の表面に配されたカチオン交換膜を通過することができないために、第1電極に吸着されない。このように、第1電極および第2電極にイオンが再吸着されることが抑制されるために、このとき通液された液には高濃度のイオンが含有される。したがって、通液型キャパシタがアニオン交換膜およびカチオン交換膜を含む場合、通液型キャパシタの吸着容量が向上し、イオンの再吸着が防止されるため、該通液型キャパシタを用いた被処理水の脱塩処理を効率的に行うことができる。
次に、通液型キャパシタ100を構成する他の要素について、詳しく説明する。
集電体としては、黒鉛シートが用いられる。黒鉛シートの具体例としては、膨張黒鉛を成形した黒鉛シート等が挙げられる。黒鉛シートは、耐腐食性と高導電性と低コスト性とのバランスに優れている。黒鉛シートの厚みとしては100〜500μmであることが好ましい。
活性炭電極としては、例えば、活性炭粒子をバインダで結着させて得られる成形シートが挙げられる。
活性炭粒子の具体例としては、例えば、木材、鋸屑、木炭、ヤシ殻やクルミ殻等の果実殻、果実種子、パルプ製造副生物、リグニン、廃糖蜜等の植物系活性炭粒子;泥炭、草炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、コークス、コールタール、石炭ピッチ、石油蒸留残査、石油ピッチ等を炭化および賦活化して得られる鉱物系活性炭粒子;フェノール、サラン、アクリル系樹脂等を炭化および賦活化して得られる合成樹脂系活性炭粒子;再生繊維(レーヨン)等を炭化および賦活化して得られる天然繊維系活性炭粒子;等が挙げられる。これらの中では、吸着性能に優れている点からヤシ殻活性炭粒子が特に好ましい。
活性炭粒子の中心粒子径としては、好ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜50μm、さらに好ましくは3〜30μmである。ここで中心粒子径とは、粒度分布において、全粒子の質量の積算値が50%になるときの粒子径である。このような中心粒子径は、例えば、マイクロトラックベル(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3300)を用いて測定することができる。活性炭粒子の中心粒子径が上記下限値以上であると、使用するバインダ量が抑制され、活性炭の占める割合が低くなりすぎないため、吸着性能が良好である。また、活性炭粒子の中心粒子径が上記上限値以下であると、得られる活性炭電極の表面均一性に優れ、吸着性能に優れる。
また、活性炭粒子の比表面積は、好ましくは700〜2500m/g、より好ましくは1500〜2000m/gである。比表面積が上記下限値以上であると、脱塩能力が良好であり、さらに、活性炭電極の極性を反転して活性炭電極の表面に吸着したイオンを脱着させるときに、イオンが脱着しやすい。また、比表面積が上記上限値以下であると、体積あたりの性能に優れ、さらに、使用するバインダ量が抑制され、活性炭の占める割合が少なくなりすぎないため、吸着性能に優れる。比表面積は、例えば、次の方法で測定することができる。活性炭の77Kにおける窒素吸着等温線をマイクロトラックベル(株)製のBELSORP−mini等を使用して測定する。そして、得られた窒素吸着等温線からBETの式により多点法による解析を行い、得られた曲線の相対圧p/p=0.01〜0.1の領域での直線から比表面積を算出できる。
また、活性炭粒子の細孔容積は、好ましくは0.5〜1.2mL/g、より好ましくは0.7〜1.0mL/gである。細孔容積が上記下限値以上であると、活性炭電極の極性を反転して活性炭電極の表面に吸着したイオンを脱着させるときにイオンが脱着しやすい。また、細孔容積が上記上限値以下であると、体積あたりの性能に優れる。細孔容積は、例えば、次の方法で測定することができる。活性炭の77Kにおける窒素吸着等温線をBELSORP−mini等を使用して測定する。そして、相対圧p/p=0.99における標準状態での窒素吸着体積(mL/g)から以下の式により細孔容積を算出できる。
[細孔容積(mL/g)]=[p/p0=0.99における標準状態での窒素吸着体積(mL/g)]×28/22400/0.808
また、活性炭粒子の平均細孔径は、好ましくは1.5〜2.4nm、より好ましくは1.6〜2.2nmである。平均細孔径が上記下限値以上であると、活性炭電極の極性を反転して活性炭電極の表面に吸着したイオンを脱着させるときにイオンが脱着しやすい。また、平均細孔径が上記上限値以下であると、体積あたりの性能に優れる。平均細孔径は、上述のように求められた比表面積と細孔容積から以下の式により算出できる。
[平均細孔径(nm)]=[細孔容積(mL/g)]×4000/[比表面積(m/g]
また、活性炭粒子の表面官能基量は、好ましくは0.1〜0.8meq/g、より好ましくは0.2〜0.5meq/gである。表面官能基量が上記下限値以上であると、シート成形において活性炭粒子の表面電荷の影響を受け難く、シート成形を容易に行うことができる。また、表面官能基量が上記上限値以下であると、脱塩処理の耐久性に優れる。表面官能基量は、例えば、次の方法で測定することができる。120℃に調節した恒温乾燥器で活性炭を8〜10時間真空乾燥した後、乾燥剤としてシリカゲルを入れたデシケータ中で放冷する。そして、100mLの共栓三角フラスコに放冷された活性炭1gを0.1mgの単位まで正確に量り取る。そして、活性炭が量り取られた共栓三角フラスコに、N/10ナトリウムエトキシドエタノール溶液を50mL加え、160rpm、25℃で24時間振盪する。そして、振盪後、遠心分離により上澄みと沈殿を分離し、上澄み液20mLを100mL三角フラスコに正確に量り採り、pH4.0となる点を滴定終点としてN/10塩酸で滴定して、試料滴定量を求める。一方、試料を含まない溶液で空試験を行い、空試験滴定量も求める。そして、次式により表面官能基量を算出する。
[表面官能基量(meq/g)]=([空試験滴定量(mL)]−[試料滴定量(mL)])×0.1×f(塩酸ファクタ)×50/20
活性炭電極は、活性炭粒子とバインダとを含む混合物をシート状に成形することにより得ることができる。なお、バインダとしては、浄水用に使用される場合には、生体為害性のないバインダを用いることが好ましい。活性炭電極中に含まれる活性炭粒子の割合は、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは80〜95質量%である。活性炭電極中に含まれる活性炭粒子の割合が上記範囲内であると、吸着性能に優れる。
バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびポリアミド等が挙げられる。これらの中で、結着性や安定性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
活性炭電極はさらに導電材を含有してもよい。導電材を配合することにより、活性炭電極に優れた導電性を付与することができる。このような導電材の具体例としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、および黒鉛等の炭素系材料;金、白金、および銀等の貴金属;窒化チタン、チタンシリコンカーバイド、炭化チタン、硼化チタン、および硼化ジルコニウム等の高導電性セラミックス;等が挙げられる。これらの中で、炭素系材料がコストや加工性に優れている点から好ましい。
活性炭電極の厚みは特に限定されないが、100〜500μmであることが、電気抵抗が高くなり過ぎない点から好ましい。
スペーサーとしては、例えば、合成繊維の樹脂ネット、織物、紙状の集合体、合成繊維または再生繊維を集積させた不織布等が挙げられる。これらの中では、通液性および経済性に優れる観点から、樹脂ネットおよび不織布が好ましく、樹脂ネットがより好ましい。
スペーサーの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの中では、低コスト性や加工性に優れる観点から、ポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
スペーサーの厚みは、好ましくは50〜250μm、より好ましくは70〜150μmである。スペーサーの厚みが上記上限値以下であると、通電時にセル間の電気抵抗が高くなりすぎないため、吸着性能に優れる。また、スペーサーの厚みが上記下限値以上であると、通液抵抗が比較的低く抑えられる。
また、スペーサーの開口率は、好ましくは20〜80%、より好ましくは30〜70%である。スペーサーの開口率が上記下限値以上であると、通液抵抗が低く抑えられる。また、スペーサーの開口率が上記上限値以下であると、開口部での内部短絡が抑えられる。
締結ボルトとしては、金属ボルト等の導電性ボルトおよびナットを用いたボルト・ナット構造の締結手段を用いるものが好ましい。なお、被処理水はイオンを含むため、チタンまたはチタン合金からなるボルトのような耐腐食性の高い金属ボルトを用いることが特に好ましい。また、締結手段としては、ボルト構造に限られず、クリップ状の構造体で挟み込む等の手段を用いてもよい。
締結ボルトで締結するとき、その締結圧により集電体が破損されることがある。このような破損を防ぐために、締結ボルトのボルトヘッドと集電体との間には、チタン板等の耐腐食性および導電性に優れた金属板を介在させて締結圧を分散させてもよい。このような金属板の厚みは、特に限定されないが、0.5〜5mmであることが好ましい。
アニオン交換膜は、特に限定はされないが、例えば、4級アミノ基等のアニオン交換基を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、またはフッ素系樹脂等のイオン交換樹脂を含む膜が挙げられる。また、カチオン交換膜は、特に限定されないが、例えば、スルホン基、またはカルボキシル基等のカチオン交換基を有するスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、またはフッ素系樹脂等のイオン交換樹脂を含む膜が挙げられる。
また、本発明の一実施態様において、第1集電体および第2集電体の少なくとも一方は、各活性炭電極と対向しないタブ部を有し、少なくとも2つ以上のタブ部同士は、該タブ部の表面に接触するように配された導電性シートで電気的に接続されていてもよい。この場合、複数のタブ部同士が導電性シートを介して接続されることにより、複数の第1集電体同士は、シート面に対して平行方向に電気的に接続される。このようなシート面に対する平行方向の接続によれば、例えば、集電体として、黒鉛(グラファイト)シートのように電気伝導度がシートの面方向には高く、垂直方向には低いような、電気伝導度の異方性の高いシート材料を用いた場合でも、充分な導電性を得ることができる。それにより、被処理水中に高濃度のイオンが含まれていたり、被処理水を高流量で脱塩処理したりする場合にも、高いイオン除去率を長期間にわたって維持することができる。
通液型キャパシタを用いて液中のイオン除去を行うための通液方式としては、被処理水の原液を全量濾過する全濾過方式を採用しても、循環濾過方式を採用してもよい。通液条件は特に限定されないが、5〜100hr−1の空間速度(SV)で行うことが、圧力損失が高くなり過ぎない点から好ましい。
なお、排出された処理液の電気伝導度と、通液開始から流した通液量との関係を2次元的にプロットすることにより、イオン除去能力の状態をモニターすることができる。また、処理液中のイオン濃度は水の電気伝導度と相関があるために、脱塩処理前の被処理水および脱塩処理後の処理液の電気伝導度を測定することにより、イオン除去率を計算することができる。また、液中のイオン濃度は、例えばイオンクロマトグラフィ等の方法により測定することもできる。
通液型キャパシタに電力を供給する直流電源20の種類は、特に限定されない。100Vの家庭用電源から電圧を調整し、直流化して使用してもよいし、電池、蓄電池を使用して電力を供給してもよい。また、屋外で用いる場合には、太陽電池、風力発電機、燃料電池、またはコジェネレータ等の独立電源を用いてもよい。また、通液型キャパシタ自身が蓄電能力を有するために、複数の通液型キャパシタを接続し、互いに蓄電された電力を交互に電源として用いてもよい。
上記で説明した本発明の通液型キャパシタを用いた脱塩方法によれば、イオンを含有する水等の脱塩処理(脱イオン処理)を行うことができる。また、その他の公知の浄水手段等を用いた水処理手段と組み合わせてもよい。公知の水処理手段の具体例としては、例えば、不織布フィルター、セラミックフィルター、活性炭等の各種吸着材、ミネラル添加材、セラミック濾過材、中空糸膜濾過材、またはイオン吸着材等を含む水処理手段が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は以下の実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例1]
活性炭電極として、中心粒子径6μm、比表面積1700m/g、細孔容積0.73mL/g、平均細孔径1.7nm、表面官能基量0.33meq/gの活性炭粒子(ヤシ殻を原料とする活性炭粒子、(株)クラレ製YP−50F)100質量部およびポリテトラフルオロエチレンバインダ10質量部を含有する活性炭電極A1を用いた。活性炭電極A1は、厚み250μmであり、縦60mm×横60mmのサイズに裁断したものを用いた。
集電体として、膨張黒鉛を圧縮成形して形成された厚み250μmの黒鉛シート(SGLカーボンジャパン(株)製のSIGRAFLEX S GRAFHITE FOIL)を用いた。この黒鉛シートは、縦60mm×横60mmの正方形状を有し、さらに一つの辺の図5に示したようなタブを有した。
スペーサーとして、厚み93μm、線径55μm、目開き368μm、開口率76%のポリエステル製樹脂ネット(日本特殊織物(株)製のLX60SS)を用いた。スペーサーは、縦68mm×横68mmのサイズを有した。
アニオン交換膜として、厚み130μmの旭硝子(株)製のセレミオンAMV(縦1064mm×横64mmのサイズ)を用い、カチオン交換膜として、厚み130μmの旭硝子(株)製のセレミオンCMV(縦64mm×横64mmのサイズ)を用いた。
上述した活性炭電極、集電体、スペーサー、アニオン交換膜、およびカチオン交換膜を積層して積層体を形成した。具体的には、図4〜6に示されるように、集電体、活性炭電極、カチオン交換膜、スペーサー、アニオン交換膜、活性炭電極、集電体、活性炭電極、アニオン交換膜、スペーサー、カチオン交換膜、活性炭電極、集電体の順で繰り返し積層し、10セルのキャパシタ構造を有する積層体を形成した。なお、積層体は各構成要素の縦60mm×横60mmの領域が重なり、各集電体のタブ部はスペーサーを挟んだ最近層のタブ部同士が互いに逆方向を向くように配置した。また、最上層を除いた各層を形成する、集電体、スペーサー、アニオン交換膜、およびカチオン交換膜のそれぞれの中央部には、脱塩処理された被処理水を通液するための直径9mmの通液孔を形成していた。
図4〜6に示されるように、積層体の各方向で重なっている複数のタブ部同士をそれぞれ2本のチタン製のボルトおよびナットで締結することにより積層体を固定した。
得られた通液型キャパシタを樹脂製の容器に収容した。なお、容器は、内寸が、縦165mm、横70mm、高さ17.5mmの直方体の形状であり、6mm径の給液口および6mm径の排液口を備えていた。また、容器の底面には容器に収容された通液型キャパシタのチタン製ボルトと電気的に接続された2つの電極の端子が配されていた。容器内に通液型キャパシタを密閉収容することにより、脱塩装置を製造した。そして、外部に露出した各端子に直流電源の負極側と正極側をそれぞれ接続した。
得られた脱塩装置を用いて、以下に示すように回復効果確認試験を行った。
[吸着工程(i)及び脱着工程(ii)]
上記脱塩装置に被処理水として試験水を90mL/分の流量で通液し、2.12Aの電流を流すことで、イオン除去率を約80%とした60秒の上記吸着工程(i)と、8.48Aの電流または1.5Vの電圧を上限とした60秒の上記脱着工程(ii)を1サイクルとして反復させる運転方法を、吸着工程(i)時の最大電圧(吸着工程(i)における電圧の最大値)が3.0Vに到達するまで実施した。なお、試験水は以下のように調製した。炭酸水素ナトリウム170mg、塩化カルシウム二水和物460mg、硝酸カルシウム四水和物400mg、硫酸マグネシウム七水和物370mg(何れも和光純薬工業(株)製、試薬特級)を水道水に溶解し、総量を1Lとしたものを試験水とした。試験水は、電気伝導度1600μS/cm、pH7.8、全溶解固形物の濃度1030mg/Lであり、25±3℃の温度範囲のものを使用した。
[工程(iii)]
上記吸着工程及び脱着工程を実施後、試験水の通液及び通電を停止し、電極間を短絡させて洗浄水を250mL/分の流速で通液する工程(iii)を360分実施した。なお、洗浄水には50℃に調整した3Lのイオン交換水を循環使用した。
[回復効果確認工程]
上記工程(iii)を実施後、上記吸着工程及び脱着工程と同様の操作を吸着工程(i)時の最大電圧が3.0V以上になるまで実施した。なお、回復効果(最大電圧が3.0Vに達するまでに要したサイクル数)の結果を表1に示す。回復効果は、サイクル数が大きいほど優れる。1〜5サイクル目の処理経過時間に対してプロットした電流および電圧の変化を図7、1〜5サイクル目の処理経過時間に対してプロットした被処理水および処理水の電気伝導度の変化を図8、吸着工程及び脱着工程、並びに回復効果確認工程のサイクル数に対してプロットしたイオン除去率の変化を図9、吸着工程及び脱着工程、並びに回復効果確認工程の各サイクルの最大電圧の変化を図10、および工程(iii)の時間に対してプロットした回復効果を図11にそれぞれ示す。
[実施例2]
工程(iii)の実施時間を240分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[実施例3]
工程(iii)の実施時間を120分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[実施例4]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を40℃に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[実施例5]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を40℃、工程(iii)の実施時間を120分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[実施例6]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を30℃に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[実施例7]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を30℃、工程(iii)の実施時間を120分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[比較例1]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を20℃に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1、図10、および図11に示す。
[参考例1]
工程(iii)の実施時間を60分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[参考例2]
工程(iii)の実施時間を30分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[参考例3]
工程(iii)の実施時間を5分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
[参考例4]
工程(iii)で用いる洗浄水の温度を40℃、工程(iii)の実施時間を60分に変更した以外は、実施例1と同様にして回復効果確認試験を実施した。その結果を表1および図11に示す。
実施例1〜7においては、回復効果として示したサイクル数が多かった。また、参考例1〜3で示されるように、工程(iii)の時間が長いほど回復効果が高かった。また、比較例1および参考例1で示されるように、洗浄水温度が高い場合、洗浄水温度が低い場合と比較して、工程(iii)の実施時間が短い場合でも同等の回復効果が得られた。
1 第1電極
1a、1a’ 第1集電体
1b、1b’ 第1活性炭電極
1c、1c’ カチオン交換膜
1d、2d タブ部
2 第2電極
2a 第2集電体
2b 第2活性炭電極
2c アニオン交換膜
3 スペーサー
5a、5b 締結ボルト
6a 集電体タブ部
6b 集電体構成要素重なり部
8 通液孔
10 セル
15a、15b 端子
20 直流電源
20a、20b 配線
30 容器
31 給液口
32 排液口
100 通液型キャパシタ
200 脱塩装置
W1 被処理水
V1、V2 バルブ

Claims (5)

  1. 集電体、活性炭電極およびスペーサーを含む通液型キャパシタに、該活性炭電極に直流電流を通電した状態で被処理水を通液することにより該活性炭電極に被処理水中のイオンを吸着させる吸着工程(i)、および、該通液型キャパシタを、該活性炭電極に該吸着工程(i)の際とは逆の極性を付与した状態で水と接触させることにより該活性炭電極に吸着されたイオンを脱着させる脱着工程(ii)を1サイクルとして反復させる通液型キャパシタの運転方法であって、複数サイクルの運転を行った後に、該通液型キャパシタを30℃以上の洗浄水と接触させる工程(iii)を含むことを特徴とする通液型キャパシタの運転方法。
  2. 前記工程(iii)において、30℃以上の洗浄水と90分以上接触させる、請求項1に記載の通液型キャパシタの運転方法。
  3. 前記工程(iii)において通液型キャパシタに洗浄水を通液させる、請求項1または2に記載の通液型キャパシタの運転方法。
  4. 前記工程(iii)に使用する洗浄水の量を通液型キャパシタの外装となる容器の内容積の1倍以上100倍以下とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の通液型キャパシタの運転方法。
  5. 通液型キャパシタがアニオン交換膜およびカチオン交換膜をさらに含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の通液型キャパシタの運転方法。
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