JP2019199161A - ラックバー及びステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラックバー全体を大径にすることなくラックバーの端部に位置するラック歯を高強度にしたラックバー及び当該ラックバーを有するステアリング装置を提供すること。【解決手段】本発明のラックバー11は、ピニオン歯9aと噛み合う複数のラック歯11a,11bを有するラック歯列11AA,11ABを備え、ラック歯列11AA,11ABの端部に位置する所定の個数のラック歯11bが、他のラック歯11aよりも大きな歯幅Wb(>Wa)を有するように形成される。【選択図】図2A
Description
本発明は、ラックバー及びステアリング装置に関するものである。
特許文献1に示すように、ラックアンドピニオン式ステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵力を転舵輪に伝達するために、ステアリングシャフトの回転運動を転舵輪が連結されるラックバーの軸線方向の直動運動に変換する装置として用いられる。ラックアンドピニオン機構においては、ピニオンシャフトは、ボールベアリングやニードルベアリング等で支持される。ラックバーは、ラックバーに形成されるラック歯とピニオンシャフトに形成されるピニオン歯との噛み合い部やラックブッシュで支持される。ラック歯とピニオン歯との噛み合いには様々な諸元が存在し、車両の要求仕様(比ストロークやラックストローク等)に合わせて歯諸元を変更して対応している。
ラックアンドピニオン式ステアリング装置では、ステアリングホイールから伝わる正入力トルク又はタイヤから伝わる逆入力荷重によって、ラック歯とピニオン歯との噛み合い部に負荷を受ける。タイヤから伝わる逆入力荷重は、特にラック歯とピニオン歯との噛み合いがラックストロークのエンド部(ラック歯列の端部)に近づくにつれて、タイヤの摩擦力やサスペンションのジオメトリ等の影響で高くなる傾向にある。
また、運転手が車両の車庫入れ等によりステアリングホイールを大きく切ったとき、ラック歯とピニオン歯との噛み合いがラック歯列の端部に達するとラックバーがストッパに当たって止まる、いわゆる端当てが発生する。そして、このときの衝撃荷重はラック歯とピニオン歯との噛み合い部にも加わる。この衝撃荷重は、アシスト機構を有するラックアンドピニオン式ステアリング装置では更に大きくなる。
ここで、ギヤ比が一定であるコンスタントギアレシオのラックバー、すなわち全ラック歯の歯形が均一のラックバーは、基本的に全ラック歯において同一の強度を有する。したがって、上述の逆入力荷重や衝撃荷重に対抗するには、ラック歯列の端部に位置するラック歯の強度の向上を図る必要がある。ラック歯の強度を向上させるには、ラック歯の歯丈や歯幅を大きくすればよいが、ラックバー全体のラック径が大径になるため、ラックハウジングも大径となり、車両搭載性が悪化する課題がある。
本発明の目的は、ラックバー全体を大径にすることなくラック歯列の端部に位置するラック歯を高強度にしたラックバー及び当該ラックバーを有するステアリング装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のラックバーは、ピニオン歯と噛み合う複数のラック歯を有するラック歯列を備えるラックバーであって、前記ラック歯列の端部に位置する所定の個数の前記ラック歯が、他の前記ラック歯よりも大きな歯幅を有するように形成される。
これにより、ラック歯列の端部に位置する所定の個数のラック歯とピニオン歯の噛み合い面積は増えるので、当該ラック歯の強度を向上でき、ステアリングホイールから伝わる正入力トルクやタイヤから伝わる逆入力荷重に対抗できる。
これにより、ラック歯列の端部に位置する所定の個数のラック歯とピニオン歯の噛み合い面積は増えるので、当該ラック歯の強度を向上でき、ステアリングホイールから伝わる正入力トルクやタイヤから伝わる逆入力荷重に対抗できる。
また、本発明のステアリング装置は、ハウジングと、前記ハウジングに軸線方向に移動可能に支持され、車両の車輪に連接される前記ラックバーと、前記ハウジングに軸回りに回転可能に支持されて前記ラックバーの前記ラック歯列と噛み合わされ、前記車両のステアリングに連接されるピニオンシャフトと、を備える。
これにより、ラックバー全体のラック径は大径にならないため、ラックハウジングのハウジング径の大径化を抑制でき、小型車に対する車両搭載性を損なうことはない。
これにより、ラックバー全体のラック径は大径にならないため、ラックハウジングのハウジング径の大径化を抑制でき、小型車に対する車両搭載性を損なうことはない。
(1.ステアリング装置の概略構成)
本発明の一実施形態のラックバーを備えるステアリング装置の概略構成について図を参照して説明する。図1に示すように、このステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置であり、操舵機構2及び転舵機構3を備え、運転者のステアリングホイール4(操舵部材)の操作に基づき、転舵輪5を転舵させる。操舵機構2には、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構6が備えられる。
本発明の一実施形態のラックバーを備えるステアリング装置の概略構成について図を参照して説明する。図1に示すように、このステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置であり、操舵機構2及び転舵機構3を備え、運転者のステアリングホイール4(操舵部材)の操作に基づき、転舵輪5を転舵させる。操舵機構2には、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構6が備えられる。
操舵機構2は、入力シャフト7a、出力シャフト7b、インターミディエイトシャフト8及びラックアンドピニオン機構RP1を構成するピニオンシャフト9を有する。入力シャフト7aは、ステアリングホイール4に連結される。出力シャフト7bは、トーションバー7cを介して入力シャフト7aに連結される。インターミディエイトシャフト8は、第2自在継手8dを介してピニオンシャフト9に連結される。
インターミディエイトシャフト8は、インターミディエイトシャフト8の軸線方向に伸縮可能であり、例えばスプライン嵌合によって相対移動可能、且つ一体回転可能に嵌合された第1軸8a及び第2軸8bを備える。第1軸8aには、第1自在継手8cが連結され、第2軸8bには、第2自在継手8dが連結される。ピニオンシャフト9には、ピニオン歯9aが形成される。
転舵機構3は、ラックアンドピニオン機構RP1を構成するラックバー11及びタイロッド12を有する。ラックバー11には、ピニオン歯9aに噛み合うラック歯11a,11b(図2A参照)が形成される。タイロッド12は、一端がラックバー11に連結され、他端が転舵輪5に連結される。運転者の操作に応じてステアリングホイール4が回転すると、入力シャフト7a、出力シャフト7b及びインターミディエイトシャフト8を介してピニオンシャフト9が回転する。ピニオンシャフト9の回転は、ラックバー11の軸線方向の往復運動に変換される。そして、ラックバー11の軸線方向の往復運動が、タイロッド12を介して転舵輪5に伝達される。これにより、転舵輪5の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構6は、トルクセンサ13、ECU(Electronic Control Unit)14、電動モータ15及びウォーム減速機16を有する。トルクセンサ13は、入力シャフト7aと出力シャフト7bとの間の捩れ量を検出する。ECU14は、トルクセンサ13により検出された捩れ量から得られる操舵トルク及び車速センサ10により検出された車速に基づいて、アシストトルクを決定する。電動モータ15は、ECU14により駆動制御される。ウォーム減速機16は、電動モータ15の回転力を出力シャフト7bに伝達する。その結果、アシストトルクが出力シャフト7bに付与されて、運転者のステアリング操作が補助される。
(2.ラックアンドピニオン機構の詳細構成)
ラックアンドピニオン機構RP1の詳細構成について、図を参照して説明する。図2A及び図2Bに示すように、ラックバー11には、ラック歯11a,11bが形成され、ピニオンシャフト9には、ラック歯11a,11bと噛み合うピニオン歯9aが形成される。ラックバー11は、ラックハウジング17内においてピニオンシャフト9側とは反対側に配置されるラックガイド18、ばね19及びガイドプラグ20によりピニオンシャフト9に対して押圧される。
ラックアンドピニオン機構RP1の詳細構成について、図を参照して説明する。図2A及び図2Bに示すように、ラックバー11には、ラック歯11a,11bが形成され、ピニオンシャフト9には、ラック歯11a,11bと噛み合うピニオン歯9aが形成される。ラックバー11は、ラックハウジング17内においてピニオンシャフト9側とは反対側に配置されるラックガイド18、ばね19及びガイドプラグ20によりピニオンシャフト9に対して押圧される。
すなわち、ラックガイド18は、ラックバー11の軸心Lr及びピニオンシャフト9の軸心Lpと直角な方向に移動可能なようにラックハウジング17に収容される。ラックガイド18は、移動方向の一端側(図2Bの左側)がラックバー11のラック歯11a,11b形成面とは反対側の周面(円弧外周面)に当接される。そして、移動方向の他端側(図2Bの右側)がラックハウジング17に螺着されたガイドプラグ20に対し隙間をおいて対向配置される。
そして、ばね19は、ラックガイド18とガイドプラグ20の間に介挿される。これにより、ラックバー11は、ばね19の弾性力でピニオンシャフト9に対して押圧される。この押圧により、ピニオン歯9aとラック歯11a,11bとは隙間がない状態で噛み合わされ、操舵によりピニオンシャフト9が回転してもラックバー11がピニオンシャフト9から離間することはない。
ラックバー11は、ラックハウジング17の一方端側に配置されるラック歯11a,11bとピニオン歯9aとの噛み合い部と、ラックハウジング17の他方端側のラックハウジング17の内周面に配置される潤滑性を有する図略のラックブッシュとで支持される。これにより、ラックバー11は、ラックハウジング17に直接接触せずに軸線方向に円滑に移動可能に構成される。
ピニオンシャフト9は、ピニオン歯9aの両側軸部にそれぞれボールベアリング21及びニードルベアリング22が嵌入される。そして、詳細は後述するが、ボールベアリング21及びニードルベアリング22が嵌入されるピニオンシャフト9は、ピニオンシャフト9の軸心Lpとラックバー11の軸心Lrとの距離を調整する芯間調整機構23,24を介してラックハウジング17の内周面に支持される。
図3Aに示すように、ラックバー11は、軸状のバー本体11Rと、このバー本体11Rに軸線方向にわたって形成される複数のラック歯11a,11bを有するラック歯列11Aを備える。このラックバー11においては、ラック歯列11Aのうち両端部に位置する図示一点鎖線で囲むラック歯列11ABの複数(ピニオン歯9aが同時に噛み合う歯数であり、本例では、片端4個)のラック歯11bの歯丈H(図3C参照)は、両端部のラック歯列11ABに挟まれる他のラック歯列11AAのラック歯11aの歯丈H(図3B参照)と同一である。しかし、ラック歯列11ABのラック歯11bの歯幅Wb(図3C参照)は、ラック歯列11AAのラック歯11aの歯幅Wa(図3B参照)よりも大きくなる。
すなわち、図3Bに示すように、ラック歯列11AAのラック歯11aは、車両の要求仕様(比ストロークやラックストローク等)に合わせた歯諸元に基づいて歯幅Wa及び歯丈Hが設定される。一方、図3Cに示すように、ラック歯列11ABのラック歯11bは、バー本体11Rのうちラック歯列11ABが形成されるラックストローク範囲を径方向に深歯切りし、ラック歯11bの歯底11bbの位置をラック歯11aの歯底11abの位置よりもラックバー11の軸心Lr方向へ変位させることで歯幅Wb及び歯丈Hが設定される。
これにより、ラックバー11のラック径を大径にしなくても、ラック歯列11ABのラック歯11bの歯丈を寸法Hのままでラック歯11bの歯幅を寸法Waから寸法Wbに増加させることができる。よって、ラック歯列11ABのラック歯11bとピニオン歯9aの噛み合い面積は増えるので、ラック歯11bの強度を向上でき、ステアリングホイール4から伝わる正入力トルク又はタイヤから伝わる逆入力荷重に対抗できる。そして、ラックハウジング17はそのまま使用可能であるため、コスト上昇を抑制でき、また、ラックバー11全体のラック径は大径にならないため、ラックハウジング17のハウジング径の大径化を抑制でき、車両搭載性を損なうことはない。
なお、上述の深歯切りによる断面係数の低下の影響は、ラックバー11を全周にわたって深い焼き入れを施すことで解消可能である。また、深歯切りの追い込み量は、ラック歯列11ABの全ラック歯11bに対して均一としたが、ラックバー11のストロークエンドに近づくにつれて徐々に増加させて最終的に歯幅Wbとなるようにしてもよい。このように、深歯切りを行うため、ラック歯列11ABにおけるピニオンシャフト9の軸心Lpとラックバー11の軸心Lrとの距離と、ラック歯列11ABにおける上記距離を変更する必要があり、上述の芯間調整機構23,24が設けられる。
芯間調整機構23と芯間調整機構24は同一構成であるため、芯間調整機構23について説明する。図4に示すように、芯間調整機構23は、案内部材25及び付勢部材として圧縮コイルばね26を備える。案内部材25は、例えばポリアミド等の樹脂材料で円環状に形成され、内周にボールベアリング21が嵌入される。そして、ボールベアリング21が嵌入された案内部材25は、案内部材25の外径より大径に形成されるラックハウジング17の軸受孔17aに挿入される。すなわち、案内部材25の外周とラックハウジング17の軸受孔17aとの間には、隙間S1が形成される。
そして、案内部材25の外周は、ラックハウジング17の軸受孔17aにおいて対向して設けられる平坦な一対の摺動面27に摺動可能に挟持される。すなわち、この一対の摺動面27は、面間隔が案内部材25の外径と略同一もしくは若干大きく、且つ、面方向がピニオンシャフト9の軸心Lpとラックバー11の軸心Lrとに直角な方向(図2B及び図4に示すA方向)に平行に設けられる。一対の摺動面27は、ボールベアリング21が嵌入された案内部材25を、摺動方向(図2B及び図4に示すA方向)に摺動可能に挟持する。
圧縮コイルばね26は、伸縮方向が案内部材25の摺動方向Aと平行になるように、ラックハウジング17の外周に径方向に突設されるばね収納部28に収納される。圧縮コイルばね26の一端側には、案内部材25の外周に接するスペーサ26aが配置される。そして、圧縮コイルばね26の他端側には、ばね収納部28の外側開口を塞ぐ蓋28aが配置される。
これにより、圧縮コイルばね26は、スペーサ26aを介して案内部材25を摺動方向Aに常に押圧することになり、ラック歯列11AAが形成されるラックバー11のラックストローク範囲においては、ピニオンシャフト9のピニオン歯9aとラックバー11のラック歯11aとをしっかりと噛み合わせる。また、ラック歯列11ABが形成されるラックバー11のラックストローク範囲においては、ピニオンシャフト9のピニオン歯9aとラックバー11のラック歯11bとをしっかりと噛み合わせる。このときのピニオンシャフト9の移動は、伸縮可能なインターミディエイトシャフト8により吸収可能である。
上述の芯間調整機構23,24の付勢部材としては、圧縮コイルばね26を使用する場合を説明したが、例えば図5A及び図5Bに示す円環状の板ばね29も使用可能である。この板ばね29は、ボールベアリング21が嵌入された案内部材25の外周を包囲する有端環状をなす主体部29aと、主体部29aの周方向の端部である第1端部29b及び第2端部29cからそれぞれ折り曲げて延設された一対の回転規制部29d,29eと、各回転規制部29d,29eからそれぞれ折り曲げて延びる片持ち状の一対の弾性舌片29f,29gとを含む。各回転規制部29d,29eの幅は、主体部29aの幅よりも細く形成される。一対の弾性舌片29f,29gは、一方が第1側縁29h側に配置され、他方が第2側縁29i側に配置されて、互い違いとされる。
ここで、ラックハウジング17の軸受孔17bは、板ばね29に包囲された案内部材25の外径より大径に形成され、且つラックハウジング17の外周に対して偏心して形成される。そして、軸受孔17bの内周の一部、すなわちボールベアリング21に対してラックバー11側とは反対側には、外方へ窪む受け凹部17cが形成される。軸受孔17bには、案内部材25を包囲した板ばね29の主体部29aが挿入される。そして、受け凹部17cには、板ばね29の一対の回転規制部29d,29e及び一対の弾性舌片29f,29gが挿入される。板ばね29に包囲された案内部材25の外周と軸受孔17bとの間には、隙間S2が形成される。
案内部材25を包囲した板ばね29の主体部29aは、摩擦係合により軸受孔17bの内周に保持される。そして、板ばね29の一対の回転規制部29d,29eは、受け凹部17cの対向する一対の内壁17ca,17cbのうち、対応する内壁17ca,17cbに当接することにより、軸受孔17bの周方向への板ばね29の回転を規制する。板ばね29の一対の弾性舌片29f,29gの先端は、受け凹部17cの底17ccによって受けられ、一対の弾性舌片29f,29gは、ピニオンシャフト9をラックバー11に対して付勢する。
これにより、板ばね29は、案内部材25をA方向に常に押圧することになり、ラック歯列11AAが形成されるラックバー11のラックストローク範囲においては、ピニオンシャフト9のピニオン歯9aとラックバー11のラック歯11aとをしっかりと噛み合わせる。また、ラック歯列11ABが形成されるラックバー11のラックストローク範囲においては、ピニオンシャフト9のピニオン歯9aとラックバー11のラック歯11bとをしっかりと噛み合わせる。
なお、上述のラックバー11は、両端部、すなわちピニオンシャフト9側の端部及び図略のラックブッシュ側の端部にそれぞれ位置するラック歯列11ABのラック歯11bを歯幅Wbに変更する構成とした。しかし、ピニオンシャフト9側の端部のみのラック歯列11ABのラック歯11bを歯幅Wbに変更する構成としてもよい。ラックバー11は、ラックブッシュ側の端部の体積が比較的大きいため、端当てで発生する衝撃荷重は緩和されるが、ピニオンシャフト9側の端部の体積は比較的小さいため、端当てで発生する衝撃荷重の影響を受け易いと考えられるからである。
(3.別形態のラックアンドピニオン機構の詳細構成)
図6Aに示す別形態のラックアンドピニオン機構RP2は、図2Aに示すラックアンドピニオン機構RP1に対し基本的な構成は同一であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。このラックアンドピニオン機構RP2は、ラックバー31及びラックハウジング37の構造がラックアンドピニオン機構RP1のラックバー11及びラックハウジング17の構造と異なり、また、芯間調整機構23,24を備えていない点で異なる。
図6Aに示す別形態のラックアンドピニオン機構RP2は、図2Aに示すラックアンドピニオン機構RP1に対し基本的な構成は同一であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。このラックアンドピニオン機構RP2は、ラックバー31及びラックハウジング37の構造がラックアンドピニオン機構RP1のラックバー11及びラックハウジング17の構造と異なり、また、芯間調整機構23,24を備えていない点で異なる。
図7Aに示すように、ラックバー31は、軸状のバー本体31Rと、このバー本体31Rに軸線方向にわたって形成される複数のラック歯31a,31bを有するラック歯列31Aと、ラック歯列31Aの端部におけるバー本体31Rに形成される張り出し部32とを備える。張り出し部32は、バー本体31Rにおけるラック歯列31Aの非形成部の外周面よりも両側に張り出すように形成される。なお、片側に張り出すように形成してもよい。ラック歯列31Aのうちピニオンシャフト9側の端部に位置する図示一点鎖線で囲むラック歯列31ABの複数(ピニオン歯9aが同時に噛み合う歯数であり、本例では、4個)のラック歯31bは、歯すじが張り出し部32側に延びるように形成される。
これにより、図7B及び図7Cに示すように、ラック歯列31ABのラック歯31bの歯丈H及びラック歯31b間の歯底31bbの位置は、ラック歯列31AAのラック歯31aの歯丈H及びラック歯31a間の歯底31abの位置と同一となる。しかし、ラック歯列31ABのラック歯31bの歯幅Wbbは、ラック歯列31AAのラック歯31aの歯幅Waaよりも大きくなる。なお、ラック歯列31AAのラック歯31aは、車両の要求仕様(比ストロークやラックストローク等)に合わせた歯諸元に基づいて歯幅Waa及び歯丈Hが設定される。
これにより、ラック歯列31ABのラック歯31bの歯丈を寸法Hのままでラック歯31bの歯幅を寸法Waaから寸法Wbbに増加させることができる。よって、ラック歯列31ABのラック歯31bとピニオン歯9aの噛み合い面積は増えるので、ラック歯31bの強度を向上でき、ステアリングホイール4から伝わる正入力トルク又はタイヤから伝わる逆入力荷重に対抗できる。
また、図6Bに示すように、ラック歯列31ABとピニオン歯9aが噛み合うとき、ラック歯列31ABの張り出し部32がラックハウジング37の内周面と干渉しないように、ラックハウジング37におけるピニオンシャフト9周辺の内周面37aは拡径される。よって、ラックバー31全体のラック径は大径にならないため、ラックハウジング37のハウジング径の大径化を抑制でき、車両搭載性を損なうことはない。
なお、上述のラックバー31は、ピニオンシャフト9側の端部のみのラック歯列31ABのラック歯31bを歯幅Wbbに変更する構成とした。前述したように、ラックバー31は、ラックブッシュ側の端部の体積が比較的大きいため、端当てで発生する衝撃荷重は緩和されるが、ピニオンシャフト9側の端部の体積は比較的小さいため、端当てで発生する衝撃荷重の影響を受け易いと考えられるからである。ただし、ピニオンシャフト9側の端部及びラックブッシュ側の端部にそれぞれ位置するラック歯列31ABのラック歯31bを歯幅Wbbに変更する構成としてもよい。
また、バー本体31Rにおいては、径方向に深歯切りし且つ上述の張り出し部32を設けてラック歯を形成するようにしてもよい。これにより、当該ラック歯とピニオン歯9aの噛み合い面積をさらに増加できる。また、ラックバー31は、ギヤ比が一定であるコンスタントギアレシオのラックバーである場合について説明したが、ラック歯の諸元をラックバーの軸線方向位置によって異ならせるバリアブルギヤレシオのラックバーにも適用可能である。
(4.その他)
上述の実施形態では、電動モータ15がコラムシャフト7に動力を付与するコラムアシストタイプのアシスト機構6を備えるステアリング装置1に本発明を適用する場合について説明した。しかし、電動モータがピニオンシャフト9に動力を付与する、いわゆるピニオンアシストタイプのアシスト機構を備えるステアリング装置や、電動モータがラックバー11に動力を付与する、いわゆるラックアシストタイプのアシスト機構を備えるステアリング装置にも本発明を適用できる。また、アシスト機構を備えないステアリング装置にも本発明を適用できる。
上述の実施形態では、電動モータ15がコラムシャフト7に動力を付与するコラムアシストタイプのアシスト機構6を備えるステアリング装置1に本発明を適用する場合について説明した。しかし、電動モータがピニオンシャフト9に動力を付与する、いわゆるピニオンアシストタイプのアシスト機構を備えるステアリング装置や、電動モータがラックバー11に動力を付与する、いわゆるラックアシストタイプのアシスト機構を備えるステアリング装置にも本発明を適用できる。また、アシスト機構を備えないステアリング装置にも本発明を適用できる。
1:ステアリング装置、 8:インターミディエイトシャフト、 9:ピニオンシャフト、 9a:ピニオン歯、 11,31:ラックバー、 11R,31R:バー本体、 11a,11b,31a,31b:ラック歯、 11A,11AA,11AB,31A,31AA,31AB:ラック歯列、 17,37:ラックハウジング、 23,24:芯間調整機構、 32:張り出し部、 RP1,RP2:ラックアンドピニオン機構
Claims (6)
- ピニオン歯と噛み合う複数のラック歯を有するラック歯列を備えるラックバーであって、
前記ラック歯列の端部に位置する所定の個数の前記ラック歯が、他の前記ラック歯よりも大きな歯幅を有するように形成される、ラックバー。 - 前記ラックバーは、軸状のバー本体と、前記バー本体に軸線方向にわたって形成される前記ラック歯列と、を有し、
前記ラック歯列の端部に位置する所定の個数の前記ラック歯は、歯丈が前記他のラック歯の歯丈と等しく、歯底の位置が前記他のラック歯の歯底の位置よりも前記ラックバーの軸心方向へ変位しているように形成される、請求項1に記載のラックバー。 - 前記ラックバーは、軸状のバー本体と、前記バー本体に軸線方向にわたって形成される前記ラック歯列と、前記ラック歯列の端部における前記バー本体に形成され、前記バー本体における前記ラック歯列の非形成部の外周面よりも張り出している張り出し部と、を有し、
前記張り出し部に位置する所定の個数の前記ラック歯は、歯丈が前記張り出し部以外に位置する前記ラック歯の歯丈と等しく、歯幅が前記張り出し部以外に位置する前記ラック歯の歯幅よりも大きく、歯底の位置が前記張り出し部以外に位置する前記ラック歯の歯底の位置よりも前記ラックバーの軸心方向へ変位しているように形成される、請求項1に記載のラックバー。 - 前記ラックバーは、ピニオン歯を有するピニオンシャフトを前記ラックバーの方向へ付勢して前記ピニオンシャフトの軸心と前記ラックバーの軸心との距離を調整する芯間調整機構を備える、請求項1−3の何れか一項に記載のラックバー。
- 前記ラックバーは、軸状のバー本体と、前記バー本体に軸線方向にわたって形成される前記ラック歯列と、前記ラック歯列の端部における前記バー本体に形成され、前記バー本体における前記ラック歯列の非形成部の外周面よりも張り出している張り出し部と、を有し、
前記張り出し部に位置する所定の個数の前記ラック歯は、歯丈及び歯底の位置が前記張り出し部以外に位置する前記ラック歯の歯丈及び歯底の位置と等しく、歯幅が前記張り出し部以外に位置する前記ラック歯の歯幅よりも大きくなるように形成される、請求項1に記載のラックバー。 - ハウジングと、
前記ハウジングに軸線方向に移動可能に支持され、車両の車輪に連接される請求項1−5の何れか一項に記載のラックバーと、
前記ハウジングに軸回りに回転可能に支持されて前記ラックバーの前記ラック歯列と噛み合わされ、前記車両のステアリングに連接されるピニオンシャフトと、
を備える、ステアリング装置。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018094416A Pending JP2019199161A (ja) | 2018-05-16 | 2018-05-16 | ラックバー及びステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019199161A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203882A1 (ja) | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 帝人株式会社 | 高分子バインダー及び全固体二次電池 |
-
2018
- 2018-05-16 JP JP2018094416A patent/JP2019199161A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020203882A1 (ja) | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 帝人株式会社 | 高分子バインダー及び全固体二次電池 |
EP4372026A2 (en) | 2019-03-29 | 2024-05-22 | Teijin Limited | Polymeric binder and all-solid-state secondary battery |
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