JP2019196428A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019196428A
JP2019196428A JP2018089792A JP2018089792A JP2019196428A JP 2019196428 A JP2019196428 A JP 2019196428A JP 2018089792 A JP2018089792 A JP 2018089792A JP 2018089792 A JP2018089792 A JP 2018089792A JP 2019196428 A JP2019196428 A JP 2019196428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
component
curable composition
group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018089792A
Other languages
English (en)
Inventor
泰洋 長谷川
Yasuhiro Hasegawa
泰洋 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Natoco Co Ltd
Original Assignee
Natoco Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Natoco Co Ltd filed Critical Natoco Co Ltd
Priority to JP2018089792A priority Critical patent/JP2019196428A/ja
Publication of JP2019196428A publication Critical patent/JP2019196428A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的はカーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値が効果的に低減された硬化性組成物を提供することにある。【解決手段】(A)カーボンナノチューブと、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物と、(C)カチオン重合性化合物と、(D)ラジカル重合開始剤と、(E)酸発生剤とを含む、硬化性組成物は、カーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値が顕著に低減された硬化皮膜を形成することができるため、当該硬化皮膜は、帯電防止性及び透明性に優れたものとして得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関する。より具体的には、本発明は、カーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値が顕著に低減された硬化性組成物に関する。
カーボンナノチューブは、炭素の六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層または多層のチューブ状になったフラーレンの一種であり、単層のものはシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、多層のものはマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)と呼ばれる。このカーボンナノチューブの特徴の一つに誘電率が高い(電気抵抗が低い)ことが挙げられ、その応用面で燃料電池、Liイオン二次電池の負極剤、フラットパネルディスプレイ用の電子放出源、あるいは透明導電材などが検討されている。カーボンナノチューブを含む硬化性組成物については、パターニングし易いこと、硬化後の塗膜物性が高いこと等の理由から、上記の様なカーボンナノチューブの特性を活かし、種々の用途に展開しようとする試みがなされている。
そのような試みの一例として、カーボンナノチューブをハードコーティング用硬化性組成物に加えることで、帯電防止能を備えさせることが検討されている。例えば、特許文献1には、カーボンナノチューブとイソシアヌレート構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、帯電防止性ハードコート組成物中のカーボンナノチューブの分散安定性が向上し、カーボンナノチューブを少量使用するだけで十分な帯電防止性能が得られ、透明性に優れる帯電防止ハードコート塗膜が開示されている。特許文献1には、具体的には、カーボンナノチューブを0.9〜7.4%含む樹脂組成物の厚み1〜2μmの硬化塗膜において、全光線透過率70〜90%、表面抵抗値2×107〜8×1010Ω/□、鉛筆硬度H〜2Hが得られたことが記載されている。
また例えば、特許文献2には、カーボンナノチューブ及びシロキサン化合物、並びに導電性ポリマー自体の特性を充分発揮させて、湿度依存性がなく、導電性、成膜性に優れ、耐水性、耐候性、機械強度、耐擦傷性及び硬度に優れるカーボンナノチューブ含有硬化性組成物が開示されている。特許文献2には、具体的には、カーボンナノチューブ、シロキサン化合物、カチオン重合開始剤を含む帯電防止組成物が開示され、カーボンナノチューブを0.25%含む当該帯電防止樹脂組成物から、表面抵抗値6.7×108Ω/□の硬化塗膜が得られたことが記載されている。
特開2012−62357号公報 特開2007−56125号公報
特許文献1及び2のいずれにおいても、所望の帯電防止性を得るために必要なカーボンナノチューブの添加量は依然として多い。このため、特に高い透明性が要求される用途においては透明性が不十分であり、高い透明性が要求されない用途においては帯電防止能が不十分であることが問題となる。これらの問題は、従前の帯電防止用硬化性組成物が、カーボンナノチューブの添加量の割に硬化皮膜の表面抵抗性を効果的に低減できていないことに起因する。
そこで本発明の目的は、カーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値が効果的に低減された(以下において、硬化皮膜の表面抵抗値が効果的に低減されている特性を、表面抵抗低減性と記載する場合がある。)硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、カーボンナノチューブを含む硬化性組成物に、多官能(メタ)アクリレート化合物及びその重合開始剤と共にカチオン重合性化合物及びその重合開始剤を共存させることによって、硬化皮膜の優れた表面抵抗低減性が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)カーボンナノチューブと、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物と、(C)カチオン重合性化合物と、(D)ラジカル重合開始剤と、(E)酸発生剤とを含む、硬化性組成物。
項2. 前記(B)成分が、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含む、項1に記載の硬化性組成物。
項3. 前記(B)成分が、SP値10.8以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む、項1又は2に記載の硬化性組成物。
項4. 前記(B)成分が、酸性基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及びポリグリセリン構造を有する多官能(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる、項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
項5. 前記(C)成分が多官能カチオン重合性化合物である、項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
項6. 前記(C)成分が非芳香族系のカチオン重合性化合物である、項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
項7. 前記(C)成分が非芳香族系のエポキシ化合物である、項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
項8. (F)一分子中にカチオン重合性基とラジカル重合性基を有する異種重合性化合物をさらに含む、項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
項9. 前記(F)成分が、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルである、項8に記載の硬化性組成物。
項10. 前記硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部に対する前記(A)成分の含有量が0.01〜0.15質量部である、項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
項11. 前記(B)成分と前記(C)成分との合計量100質量部に対する前記(C)成分の含有量が、35〜80質量部である、項1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。
項12. 帯電防止用硬化性組成物である、項1〜11のいずれかに記載の硬化性組成物。
項13. 項1〜12のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化皮膜。
項14. 項13に記載の硬化皮膜を基材上に有する積層体。
本発明によれば、カーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値が効果的に低減された硬化性組成物が提供される。
比較例1及び実施例1〜実施例5と、比較例3及び実施例7〜12とにおいて得られた各硬化性組成物について、カチオン重合性化合物の比率((B)及び(C)の合計100質量部当たりの(C)質量部)の値と表面抵抗値との関係を示す。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、(A)カーボンナノチューブ(以下、単に(A)成分と記載することがある。)と、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物(以下、単に(B)成分と記載することがある。)と、(C)カチオン重合性化合物(以下、単に(C)成分と記載することがある。)と、(D)ラジカル重合開始剤(以下、単に(D)成分と記載することがある。)と、(E)酸発生剤(以下、単に(E)成分と記載することがある。)とを含む。本発明の硬化性組成物は、さらに一分子中にカチオン重合性基とラジカル重合性基を有する異種重合性化合物(F)(以下、単に(F)成分と記載することがある。)を含むことができる。
本発明の硬化性組成物は、(A)成分と、硬化反応速度が速い(B)成分と、反応速度が遅い(C)成分とを共存させることで、硬化の際に、(A)成分及び(B)成分の硬化反応速度の差を利用する。具体的には、硬化反応の進行によって、硬化性組成物中に分散していた(A)成分が、硬化反応が遅い(C)成分中に取り込まれ、硬化皮膜において(A)成分同士が集まる性質を利用する。これによって、(A)成分同士の導電ネットワークを非常に簡便且つ効率的に形成することができる。このようにして形成された(A)成分同士の導電ネットワークが、硬化皮膜の表面抵抗を低減させ、良好な静電防止能を得ることができる。
<(A)カーボンナノチューブ>
本発明の硬化性組成物は、(A)成分としてカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブとしては特に限定されず、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層又は多層の同軸管状になった物質が挙げられる。具体的には、カーボンナノチューブとして、単層のシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)及び多層のマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)が挙げられる。
カーボンナノチューブは、任意の方法によって製造されたものであってよい。カーボンナノチューブの製造方法としては、好ましくは基板上に複数のカーボンナノチューブのバンドルを形成させて垂直配向させる方法が挙げられる。具体的には、炭素電極間にアーク放電を発生させ、放電用電極の陰極表面に成長させる方法(アーク放電法)、シリコンカーバイドにレーザービームを照射して加熱・昇華させる方法(レーザー蒸発法)、遷移金属系触媒を用いて炭化水素を還元雰囲気下の気相で炭化する方法(化学的気相成長法:CVD法)、熱分解法、プラズマ放電を利用する方法等が挙げられる。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブバンドルが形成された後、強い分散においてカーボンナノチューブバンドルがほぐされる工程によって得られたものであることが好ましい。この工程によってカーボンナノチューブが切断されやすいため、カーボンナノチューブの製造方法としては、長いカーボンナノチューブが得られやすい化学的気相成長法(CVD法)がより好ましい。
カーボンナノチューブのより具体的な例としては、TUBALLTM MATRIX 301(OCSiAl社製);CNF−T(三菱マテリアル電子化成株式会社製);SN2301、SN7689、SN2302、SN9847及びSN4908(SUN INNOVATIONS社製);VGCF−X(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
カーボンナノチューブの直径としては、添加量抑制及び透明性の観点からたとえば0.4nm以上30nm以下が挙げられる。カーボンナノチューブの長さとしては、導電性並びに分散性及び透明性の観点から0.1μm以上50μm以下が挙げられる。
本発明の硬化性組成物中の(A)成分の含有量は特に限定されないが、本発明の硬化性組成物が、カーボンナノチューブの含有量の割に硬化皮膜の表面抵抗値を顕著に低減させることができるため、非常に低い含有量とすることができる。カーボンナノチューブの含有量を低くすることは、高い透明性が得られる点で極めて有利である。具体的には、硬化性組成物中の(A)成分の含有量は、硬化皮膜の表面抵抗低減性及び透明性を両立する観点から、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部(当該100質量部は、硬化性組成物が有機溶剤を含まない場合は硬化性組成物全体の量を指し、硬化性組成物が有機溶剤を含む場合は硬化性組成物中の有機溶剤以外の成分の総量を指す。以下において同様。)に対し0.01〜0.15質量部、好ましくは0.03質量部〜0.15質量部、より好ましくは0.05質量部〜0.10質量部が挙げられる。

高い透明性とは、本発明の硬化性組成物から得た10μm厚の硬化膜について、後述実施例に記載の透明性試験を行って全光線透過率を測定した場合に、全光線透過率が例えば80%以上、好ましくは84%以上であることをいう。なお、このような高い透明性が要求されない場合においては、硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、硬化性組成物中の(A)成分の含有量は、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部に対し0.15質量部を超えてもかまわない。
<(B)多官能(メタ)アクリレート化合物>
本発明の硬化性組成物は、(B)成分として多官能(メタ)アクリレート化合物を含む。多官能(メタ)アクリレート化合物とは、一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(つまり2官能以上の)(メタ)アクリレート化合物をいう。(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートのいずれか一方または両方を意味する。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、(D)成分から発生したラジカルを起点に、速やかに重合し硬化する。多官能(メタ)アクリレート化合物を用いる事によって、架橋密度が高く、耐擦傷性に優れる硬化皮膜を得ることが出来る。また、多官能(メタ)アクリレート化合物は、特に硬化収縮があるため、硬化組成物中の他の成分(例えば(A)成分及び(C)成分)と分離しやすいと考えられ、このため、(A)成分同士の導電ネットワークを非常に簡便且つ効率的に形成することができるものと考えられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、2価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えばエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート];3価以上の多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えば、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのジ(メタ)アクリレート];直鎖状の脂肪族ジオールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えば1,4−ブタンジオールのジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールのジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールのジ(メタ)アクリレート];側鎖を有する脂肪族ジオールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えば3−メチル−1,5−ペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジ(メタ)アクリレート];脂環式炭化水素のジオールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えばジメチロール−トリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート];芳香族炭化水素のジオールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えばビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート];多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化合物[例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート];多価アルコールと(メタ)アクリル酸とヒドロキシカルボン酸のエステル化合物[例えばヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート];側鎖に水酸基を有する末端がエポキシ基のエポキシ化合物とアクリル酸とのエステル化合物等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレート化合物としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能以上(例えば4官能〜6官能)(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製A−DPH等)等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、上記の多官能(メタ)アクリレート化合物のほかに、一分子中に、2個以上の(メタ)アクリロイル基と共にウレタン結合を1個以上含む化合物(多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物)も挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、ジオールとポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物、活性水素(水酸基、アミン等)を有する多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネート化合物との反応物である多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を混合して用いることができる。
前記の活性水素(水酸基、アミン等)を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトール類、メチロール類、エポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。ペンタエリスリトール類としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。メチロール類としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレート類としては、ビスフェノールAジエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトール類が好ましく、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。これらの活性水素を有する多官能(メタ)アクリレートは単独又は2種を組み合わせて用いることができる。
前記のポリイソシアネートとしては、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素(脂環式)、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネートを用いることができる。このようなポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート及びそれ以外のポリイソシアネートが挙げられ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素(脂環式)ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、鎖状飽和炭化水素ポリイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートがより好ましい。これらのポリイソシアネートは単独又は2種を組み合わせて用いることができる。
硬化皮膜の耐擦傷性の観点から、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、好ましくは3官能以上、より好ましくは6官能以上、さらに好ましくは12官能以上、一層好ましくは15官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上述の多官能ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートとの反応物が好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートとの反応物がより好ましい。
また、別の観点から、(B)成分は、硬化皮膜の表面抵抗低減性をより好ましく得ることを目的として、高極性多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。高極性多官能(メタ)アクリレート化合物は、その極性によってさらに親水性となることで、疎水性の(A)と分離しやすくなる。これによって、(A)成分同士の導電ネットワークを一層簡便且つ効率的に形成することができる。
高極性多官能(メタ)アクリレート化合物としては、SP値の観点からは、SP値10.8以上の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。高極性多官能(メタ)アクリレート化合物のSP値は、以下のように、テトラヒドロフラン(THF)、ヘプタンおよび水に対する溶解性の測定結果から算出される値である。具体的には実施例に記載の通りの方法で導出される。
また、高極性多官能(メタ)アクリレート化合物としては、分子構造の観点からは、酸性基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及びポリグリセリン構造を有する多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらの高極性多官能(メタ)アクリレート化合物は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸性基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物において、酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸エステル基などが挙げられ、好ましくはカルボキシル基等が挙げられる。これらの酸性基は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートマレイン酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのマレイン酸付加物、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのジカルボン酸付加物、EO6モル付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのマレイン酸付加物、EO10モル付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのシクロヘキセニルカルボン酸付加物等が挙げられる。カルボキシル基の含有量は酸価で示される。カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの酸価は、例えば10〜200mgKOH/g、好ましくは20〜120mgKOH/g、さらに好ましくは80〜120mgKOH/gが挙げられる。より具体的には、アロニックスM510(東亞合成株式会社製)、アロニックスM520(東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
スルホ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのスルホン酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのスルホン酸エステル等が挙げられる。
リン酸エステル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのリン酸エステル、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのリン酸エステル等が挙げられる。
アルキレンオキサイド基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物において、アルキレンオキサイド基は、−(OR)n−(Rは直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、nは2〜30の整数を表す。)で表される。
アルキレンオキサイド基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、2価アルコールのポリアルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸のエステル化物[例えばポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート];トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート;上記の4官能以上(例えば4官能〜6官能)(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリグリセリン構造を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ポリグリセリン変性(メタ)アクリレート化合物、ポリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物、及び高分岐ポリグリセリン変性(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
ポリグリセリン変性(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレートにポリグリセリンが付加した化合物である。ポリグリセリンの水酸基当量で得られる平均重合度としては2〜20が挙げられ、好ましくは2〜10が挙げられる。(メタ)アクリル酸、低級アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物(例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製カレンズAOI)等)、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物等を反応させて得ることができる。ポリグリセリン変性(メタ)アクリレート化物は、ポリグリセリンの水酸基の全てまたは一部に(メタ)アクリロイル基が付加した分子構造となる。
ポリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、ポリグリセリンに対しエチレンオキサイドを付加し変性した化合物の(メタ)アクリレート化合物である。ポリグリセリンの水酸基当量で得られる平均重合度としては2〜20が挙げられ、好ましくは2〜10が挙げられる。ポリグリセリンに付加するエチレンオキサイドの付加単位数の合計としては、ポリグリセリン1モルに対して1〜40モルが挙げられ、好ましくは4〜40モルが挙げられる。ポリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、ポリグリセリンにエチレンオキサイドを反応させてポリグリセリンアルキレンオキサイドを得た後、(メタ)アクリル酸、低級アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物等を反応させて得ることができる。ポリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、ポリグリセリンの水酸基の全てにエチレンオキサイドが付加し、その分子枝の末端の全てまたは一部に(メタ)アクリロイル基が付加した分子構造となる。
より具体的には、ポリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物のとしては、NK ECONOMERシリーズ(A−PG5009E、A−PG5027E、A−PG5054E;新中村化学工業株式会社製)、M−460(東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
高分岐ポリグリセリン変性(メタ)アクリレート化合物は、高分岐ポリグリセリンの少なくとも1つの水酸基の水素原子が(メタ)アクリロイル基で置換された構成を有する。高分岐ポリグリセリンとしては、重合度(グリセリン由来のモノマー単位の数)が例えば3以上、好ましくは3〜40、より好ましくは10〜20であり、全水酸基の50%以上、好ましくは50〜100%、より好ましくは70〜100%、さらに好ましくは75〜100%が第1級水酸基であるポリグリセリンが挙げられる。ポリグリセリン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロイルオキシ基の数[(メタ)アクリロイル基の付加率]としては、ポリグリセリン(メタ)アクリレートが有する水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基の和に対する(メタ)アクリロイルオキシ基の割合としては、例えば2〜100%、好ましくは10〜50%が挙げられる。
(B)成分としては、硬化皮膜の耐擦傷性及び硬度の観点から、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。(B)成分100質量部当たりの3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の量としては、硬化皮膜の耐擦傷性及び硬度の観点から、例えば40〜100質量部、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは70〜100質量部、さらに好ましくは90〜100質量部、又は100質量部が挙げられる。
(B)成分中に高極性多官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、(B)成分100質量部当たりの高極性多官能(メタ)アクリレート化合物の量としては、硬化皮膜の表面抵抗低減性をより好ましく得る観点から、例えば40〜100質量部、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは70〜100質量部、さらに好ましくは90〜100質量部、又は100質量部が挙げられる。
(B)成分と(C)成分との合計量100質量部当たりの(B)成分の含有量は、硬化皮膜の表面抵抗低減性の観点から、例えば10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは70〜20質量部、さらに好ましくは20〜65質量部、一層好ましくは25〜55質量部、特に好ましくは35〜55質量部が挙げられる。
本発明の硬化性組成物における(B)成分としては、硬化性組成物に含まれる(D)成分を(硬化性組成物における(B)成分に対する比率に合致する量で)用いて(B)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度が、B以上、好ましくはH以上、より好ましくは2H以上、特に好ましくは3H以上となる成分を用いることができる。本発明の硬化性組成物においては、特にハードコート用の硬化性組成物とする場合、(B)成分と(C)成分との少なくともいずれかが硬化物硬度3H以上となる成分を含むことが好ましい。硬度の上限としては特に限定されないが、たとえば6Hが挙げられる。なお、硬度は、実施例に記載のようにJIS K5600−5−4(1999)塗膜の機械的性質−引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して測定した値である。
本発明の硬化性組成物における(B)成分の含有量としては、(B)成分と(C)成分との合計量が、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部に対して例えば70質量部〜99質量部、好ましくは80質量部〜98質量部が挙げられる。また、本発明の硬化性組成物における(B)成分の含有量としては、硬化皮膜の表面抵抗低減性の観点から、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部に対して例えば10質量部〜90質量部、好ましくは15質量部〜80質量部が挙げられる。
<(C)カチオン重合性化合物>
カチオン重合性化合物としては特に限定されず、(E)成分から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はない。具体的には、カチオン重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物(以下、オキセタン化合物とも表記する。)、オキシラン環(エポキシ環)を有する化合物(以下、エポキシ化合物とも表記する。)、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらのカチオン重合性化合物は1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
カチオン重合性化合物は、これらのカチオン重合性化合物の中でも、硬化皮膜の表面抵抗低減性等の観点から、好ましくはオキセタン化合物及びエポキシ化合物等の環状エーテル構造を有する化合物が挙げられる。
また、別の観点として、カチオン重合性化合物は、アリール基を有する芳香族系カチオン重合性化合物であってもよいし、アリール基を含まない非芳香族系カチオン重合性化合物であってもよい。表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、非芳香族系カチオン重合性化合物であることが好ましい。非芳香族系カチオン重合性化合物は、具体的には、脂環式カチオン重合性化合物及び脂肪族カチオン重合性化合物が挙げられる。
また、官能基数の観点から、カチオン重合性化合物は、単官能カチオン重合性化合物であってもよいし、多官能カチオン重合性化合物であってもよい。硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、多官能カチオン重合性化合物であることが好ましい。
オキセタン化合物は、分子内にオキセタン環を有する化合物であれば特に限定されず、公知のオキセタン化合物を任意に選択して用いることができる。本発明において、オキセタン化合物としては、分子内にオキセタン環を1個有する化合物(単官能オキセタン化合物)及び分子内にオキセタン環を2個以上有する化合物(多官能オキセタン化合物)が挙げられる。
分子内に1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2019196428
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、アリールを有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表し、好ましくは、非芳香族系である、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、アリール基を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の市販品として、OXT−101(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン:東亞合成株式会社製)、OXT−212(3−エチル−3−[(2−エチルヘキシロキシ)メチル]オキセタン:東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、オキセタン化合物は、オキセタン環を2個以上有する化合物(多官能オキセタン化合物)を少なくとも含むことが好ましい。オキセタン環を2個以上有するオキセタン化合物において、分子内に有するオキセタン環の数は、好ましくは2〜4個、より好ましくは2〜3個、さらに好ましくは2個が挙げられる。
分子内に2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(2)及び(3)で示される化合物等が挙げられる。これらの中でも、硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、下記式(3)で示される化合物が好ましい。
Figure 2019196428
a1は、前記式(1)におけるものと同義である。2つのRa1は、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
a3は、線状又は分枝状アルキレン基、線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。また、Ra3は、以下(1A)〜(1C)に示す多価基であってもよい。
Figure 2019196428
a3が上記多価基(1A)〜(1C)である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基を表す。Ra5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又は、C(CH32を表す。Ra6は、炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基を表す。Ra6は非芳香族系である炭素数1〜4個のアルキル基であることが好ましい。;nは0〜2,000の整数を表す。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基を表す。Ra7は非芳香族系である炭素数1〜4個のアルキル基、若しくは、下記式(1C−A)の構造を有する1価の基であることが好ましい。下記式(1C−A)中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基を表す。Ra8は、非芳香族系である炭素数1〜4個のアルキル基であることが好ましい。mは0〜100の整数を表す。
Figure 2019196428
式(2)で表される化合物の市販品として、OXT−121(1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン:東亞合成株式会社製)等が挙げられる。また、式(3)で表される化合物の市販品として、OXT−221(3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン:東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
分子内に3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2019196428
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるものと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記(4A)〜(4C)で示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記(4D)で示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。j(繰り返し単位)は、3又は4である。
Figure 2019196428
上記(4A)において、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記(4D)において、p(繰り返し単位)は1〜10の整数である。
また、オキセタン化合物としては、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物も挙げられる。
Figure 2019196428
式(5)において、Ra1及びRa8は前記式におけるものと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、r(繰り返し単位)は1〜4である。
本発明に特に好ましく用いられる、多官能且つ非芳香族系のオキセタン化合物の例を以下(2−1)〜(2−3)及び(3−1)〜(3−2)に挙げる。
Figure 2019196428
エポキシ化合物としては、分子内にオキシラン環を有する化合物であれば特に限定されず、公知のエポキシ化合物を任意に選択して用いることができる。具体的には、エポキシ化合物としては、芳香族系のエポキシ化合物である芳香族エポキシド、及び非芳香族系のエポキシ化合物である脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドが挙げられる。硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、非芳香族系のエポキシ化合物、具体的には脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられ、さらに硬化皮膜の耐擦傷性をより好ましく得る観点から脂環式エポキシドが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン環又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、分子内にオキシラン環を1個有する化合物(単官能エポキシ化合物)及び分子内にオキシラン環を2個以上有する化合物(多官能エポキシ化合物)が挙げられる。
分子内にオキシラン環を1個有するエポキシ化合物としては、芳香族系のエポキシ化合物として、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。;非芳香族系のエポキシ化合物として、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−(メタ)アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。分子内にオキシラン環を1個有するエポキシ化合物は、非芳香族系のエポキシ化合物であることが好ましい。
硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、エポキシ化合物は、オキシラン環を2個以上有する化合物(多官能エポキシ化合物)であることが好ましい。オキシラン環を2個以上有するエポキシ化合物において、分子内に有するオキシラン環の数は、好ましくは2個が挙げられる。
分子内にオキシラン環を2個以上有するエポキシ化合物としては、芳香族系のエポキシ化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル等が挙げられる。非芳香族系のエポキシ化合物として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、(4R)−1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン(リモネンジオキサイド)、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン等が挙げられる。分子内にオキシラン環を2個以上有するエポキシ化合物は、非芳香族系のエポキシ化合物であることが好ましい。
エポキシ化合物の市販品としては、単官能エポキシ化合物として、YEDシリーズ(YED111N、YED111AN、YED122、YED188等:三菱ケミカル株式会社製)、セロキサイドシリーズ(セロキサイド2000:ダイセル株式会社製)等が挙げられ、多官能エポキシ化合物として、YEDシリーズ(YED216M、YED216D等:三菱ケミカル株式会社製)、デナコールシリーズ(EX−211、EX−212:ナガセケムテックス株式会社製)、セロキサイドシリーズ(セロキサイド2021P、セロキサイド2081:ダイセル株式会社製)、LDO(ARKEMA株式会社製)等が挙げられる。
本発明に特に好ましく用いられる多官能且つ非芳香族系のエポキシ化合物の例を以下(6−1)〜(6−3)に挙げる。
Figure 2019196428
ビニルエーテル化合物としては、単官能ビニルエーテル化合物及び多官能ビニルエーテル化合物が挙げられる。単官能ビニルエーテル化合物としては、芳香族系のビニルエーテル化合物としてベンジルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。非芳香族系のビニルエーテル化合物としてメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、クロロブチルビニルエーテル、クロロエトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。単官能ビニルエーテル化合物は、非芳香族系のビニルエーテル化合物であることが好ましい。
硬化皮膜の表面抵抗低減性をさらに好ましく得る観点から、ビニルエーテル化合物は、多官能ビニルエーテル化合物であることが好ましい。多官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、芳香族系のビニルエーテル化合物として、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル当が挙げられ、好ましくは、非芳香族系のビニルエーテル化合物として、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、などのジビニルエーテル類が挙げられる。2官能以上の非芳香族系のビニルエーテル化合物としては、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。多官能ビニルエーテル化合物は、非芳香族系のビニルエーテル化合物であることが好ましい。
カチオン重合性化合物としては、シランカップリング剤も挙げられる。シランカップリング剤を含むことによって、硬化皮膜の耐擦傷性も向上させることができる。(C)成分においてシランカップリング剤は、単独又は上述のシランカップリング剤以外のカチオン重合性化合物と組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤は、無機材料との親和性又は反応性を有する加水分解基と、有機材料と化学結合するカチオン重合性基(具体的には、オキシラン環、オキセタン環、又はビニル基を含む基)とを有する化合物であれば特に限定されないが、下記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019196428
Rはメチル基又はエチル基を表し、sは0、1又は2を表し、Lは下記一般式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される基である。Lは、オキシラン環、オキセタン環、又はビニル基を有していることが好ましく、オキシラン環を有していることがさらに好ましい。
Figure 2019196428
Yは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Zは酸素原子又は下記一般式(12)で表されるオルガノポリシロキサンを有する二価の有機基を表し、Vはビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基又は(3−エチルオキセタニル)メチル基を表す。
Figure 2019196428
Qはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、tは1〜10の整数を表す。
シランカップリング剤の具体例としては、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、及び3−エチル−3−[〔3−(トリエトキシシリル)プロポキシ〕メチル]オキセタンが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
(B)成分と(C)成分との合計量100質量部当たりの(C)成分の含有量は、硬化皮膜の表面抵抗低減性の観点から、例えば10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜80質量部、さらに好ましくは35〜80質量部、一層好ましくは45〜75質量部、特に好ましくは45〜65質量部が挙げられる。
本発明の硬化性組成物における(C)成分としては、硬化性組成物に含まれる(E)成分を(硬化性組成物における(C)成分に対する比率に合致する量で)用いて(C)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度が、B以上、好ましくはH以上、より好ましくは2H以上、特に好ましくは3H以上となる成分を用いることができる。本発明の硬化性組成物においては、特にハードコート用の硬化性組成物とする場合、(B)成分と(C)成分との少なくともいずれかが硬化物硬度3H以上となる成分を含むことが好ましい。ここで、硬化物硬度は、(B)成分の硬化物硬度にあっては、硬化性組成物に含まれる(D)成分を(硬化性組成物における(B)成分に対する比率に合致する量で)用いて(B)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度をいい、(C)成分の硬化物硬度にあっては、硬化性組成物に含まれる(E)成分を(硬化性組成物における(C)成分に対する比率に合致する量で)用いて(C)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度をいう。これらの硬度の上限としては特に限定されないが、たとえば6Hが挙げられる。なお、硬度は、実施例に記載のようにJIS K5600−5−4(1999)塗膜の機械的性質−引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して測定した値である。
本発明の硬化性組成物における(C)成分の含有量としては、(B)成分と(C)成分との合計量が、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部当たり上述の量(つまり、例えば70質量部〜99質量部、好ましくは80質量部〜98質量部)となる量が挙げられる。また、本発明の硬化性組成物における(C)成分の含有量としては、硬化皮膜の表面抵抗低減性の観点から、硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部当たり例えば10質量部〜90質量部、好ましくは20質量部〜85質量部が挙げられる。
<(D)ラジカル重合開始剤>
本発明の硬化性組成物は、(D)成分としてラジカル重合開始剤を含む。ラジカル重合開始剤としては、可視光、紫外線、熱線、電子線などの活性エネルギー線の照射により活性種としてラジカルを発生する、(B)成分の重合開始剤となるものであればよく、公知のラジカル重合開始剤を、何ら制限なく用いることができる。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、アルキルフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、及びアシルフォスフォンオキサイド系化合物等が挙げられる。
アルキルフェノン系化合物としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、オルト−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等が挙げられる。アシルフォスフォンオキサイド系化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
上述のラジカル重合開始剤の中でも、アルキルフェノン系化合物が好ましく、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物がより好ましい。より具体的には、ラジカル重合開始剤としては、IRGACURE184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:BASFジャパン株式会社製)、IRGACURE1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン:BASFジャパン株式会社製)、IRGACURE2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン:BASFジャパン株式会社製)、IRGACURE127(2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン:BASFジャパン株式会社製)等を挙げることができる。
また、ラジカル重合開始剤の助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を併用してもよい。これらのラジカル重合開始剤の助剤は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の含有量は、(B)成分の重合反応(ラジカル重合)を良好に進行させる範囲で適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。例えば、(D)成分の含有量は、(B)成分100質量部当たり1〜10質量部が挙げられる。
<(E)酸発生剤>
本発明の硬化性組成物は、(E)成分として酸発生剤を含む。酸発生剤は、可視光、紫外線、熱線、電子線などの活性エネルギー線又は熱により活性種としてルイス酸又はブレンステッド酸を発生できる開始剤であればよく、公知の活性エネルギー線酸発生剤及び熱酸発生剤を、特に限定することなく用いることができる。活性エネルギー線酸発生剤及び熱酸発生剤は、いずれか一方を単独で、又は両方を組み合わせて用いることができる。好ましくは、(E)成分として活性エネルギー線酸発生剤が挙げられる。
活性エネルギー線酸発生剤としては、オニウム塩型酸発生剤が挙げられる。オニウム塩のカチオン部としては、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、チオキサントニウム塩、セレノニウム塩、チアンスレニウム塩、鉄錯体塩等の錯体イオンが挙げられ、好ましくはスルホニウム塩が挙げられる。オニウム塩は、アリール基を有することが好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましい。アニオン部としては、トリフルオロメタンスルホネート(CF3SO3 -)、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメタンスルホネート及びヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
活性エネルギー線酸発生剤のより具体的な例としては、CD1010(サートマー社製);WPAG−281、WPAG−336、WPAG−367、WPI−113(和光純薬株式会社製);IPTX、CI−5102、CI−2855(日本曹達株式会社製);UVI−6970、UVI−6974(ユニオンカーバイド社製);RHODORSIL Photoinitiator 2074(ローヌプーラン社製);イルガキュアー 250(BASFジャパン株式会社製);SP−150、SP−151、SP−152、SP−170、SP−171、SP−172(株式会社ADEKA製);CPI−100P、CPI−101A、CPI−210S、CPI−300PG(サンアプロ株式会社製)が挙げられる。
熱酸発生剤としては、オニウム塩型酸発生剤が挙げられる。オニウム塩のカチオン部としては、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホキソニウム塩等の錯体イオン等が挙げられ、好ましくはスルホニウム塩が挙げられる。オニウム塩は、アリール基を有することが好ましい。アニオン部としては、塩素イオン(Cl−)、臭素イオン(Br−)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)等が挙げられ、好ましくは、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)が挙げられる。
熱酸発生剤のより具体的な例としては、CI−2624、CI−2855(日本曹達株式会社製);SI−60、SI−60L、SI−80、SI−80L、SI−100、SI−100L、SI−145、SI−150、SI−160、SI−180、SI−180L(三新化学株式会社製);TA−90、TA−100、TA−120、TA−160、IK−1、IK−2(サンアプロ株式会社製);アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
(E)成分の含有量は、(C)成分の重合反応(カチオン重合)を良好に進行させる範囲で適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。例えば、(E)成分の含有量は、(C)成分100質量部当たり1〜10質量部が挙げられる。
<(F)異種重合性化合物>
本発明の硬化性組成物は、(F)成分として一分子中にカチオン重合性基とラジカル重合性基を有する異種重合性化合物を含んでもよい。本発明において(F)成分を含ませることで、硬化皮膜の耐擦傷性を向上させることができる。カチオン重合性基としては、オキシラン環、オキセタン環、又はビニル基を含む基が挙げられ、好ましくはビニル基を含む基が挙げられ、硬化皮膜の耐擦傷性の観点から、好ましくはビニルエーテル基が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
異種重合性化合物としては、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては特に限定されるわけではないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(市販品として、例えばVEEA、VEEM(日本触媒株式会社製)等)、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロポキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロポキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロポキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(市販品として、例えばVEEA、VEEM(日本触媒株式会社製)等)が挙げられる。これらのビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
(F)成分の含有量としては、(B)成分及び(C)成分の含有量に応じて適宜調整すればよいが、例えば、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部当たり5〜20質量部、好ましくは10〜15質量部が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分、並びに必要に応じ含有される(F)成分の他に、有機溶剤、並びに、分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、防汚剤、表面調整剤、及び重合禁止剤等の添加剤等の成分をさらに含むことができる。
本発明の硬化性組成物が有機溶剤を含む場合、有機溶剤は、1種または2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。有機溶剤としては、例えば(A)成分の分散に用いられるもの、(D)成分及び(E)成分等の各成分の溶媒として用いられるもの、硬化性組成物の塗布適性を確保する目的及び硬化皮膜と基材との密着性を改良する目的等で用いられるもの等が挙げられる。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン等の芳香族類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル系溶剤;ジアセトンアルコール等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物における有機溶剤量は、塗布適性の確保等を考慮して適宜調整することができる。具体的には、硬化性組成物中、0〜90質量%、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%が挙げられる。
分散剤としては、例えば、アルコールエトキシレート等のポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系から誘導された化合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの範囲にある紫外線吸収剤が挙げられ、好ましくは、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタテシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキン−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1,3−ジベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンとグリシジルアルキル(C12−C13)エーテルとの反応生成物等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
レベリング剤は、硬化性組成物の塗工適性を得るために、塗工後の皮膜表面に作用し表面張力を低下させる目的で用いることができる。レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤、シロキサン系レベリング剤、(メタ)アクリル系レベリング剤、及びアセチレングリコール系レベリング剤が挙げられる。これらのレベリング剤は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
より具体的には、フッ素系レベリング剤としてフロラードFC−430、フロラードFC170(住友スリーエム株式会社製)及びメガファックF177、メガファックF471(DIC株式会社製)が挙げられ、シロキサン系レベリング剤として、BYK−300、BYK−077(ビックケミー・ジャパン株式会社製)が挙げられ、アクリル系ベリング剤としてBYK−380(ビックケミー・ジャパン株式会社製)及びディスパロンL−1984−50、ディスパロンL−1970(楠本化成株式会社製)が挙げられ、アセチレングリコール系レベリング剤としてダイノール604、サーフィノール104(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
<硬化性組成物の製造>
本発明の硬化性組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分、並びに必要に応じ含有される(F)成分及びその他の成分を混合及び分散させることで調製することができる。各成分は、すべてを一括添加して混合及び分散させてもよいし、例えば溶媒を用いる場合は、(A)成分を溶媒の一部又は全部中に分散させ、得られた(A)成分の分散液に残りの成分を添加し、混合及び分散させてもよい。混合及び分散の際には、超音波、ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー(好ましくは高圧分散機)、ハイブリットミキサーなどの撹拌又は混練装置を用いることができる。
<硬化性組成物の用途>
本発明の硬化性組成物は、硬化皮膜の表面抵抗を効果的に低減させることができるため、良好な静電防止能を得ることができる。このため、本発明の硬化性組成物は、帯電防止硬化物を与える帯電防止用の硬化性組成物として有用となる。また、同様の理由で、本発明の硬化性組成物は、帯電防止且つ高透明性の硬化物を与える帯電防止用の硬化性組成物として有用となる。さらに、本発明の硬化性組成物は、(B)成分と(C)成分との少なくともいずれかが、例えば硬化物硬度が3H以上となる成分を含むことで、ハードコート用の硬化性組成物、好ましくは静電防止ハードコート用の硬化性組成物として有用となる。なお、当該硬化物硬度は、上述のとおり、(B)成分の硬化物硬度にあっては、硬化性組成物に含まれる(D)成分を(硬化性組成物における(B)成分に対する比率に合致する量で)用いて(B)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度をいい、(C)成分の硬化物硬度にあっては、硬化性組成物に含まれる(E)成分を(硬化性組成物における(C)成分に対する比率に合致する量で)用いて(C)成分を単独で硬化させた場合における硬化物の硬度をいう。
<硬化皮膜>
本発明の硬化皮膜は、上述の硬化性組成物の硬化物である。上述の硬化性組成物は帯電防止硬化物を与える帯電防止用の硬化性組成物として有用であるため、硬化皮膜も帯電防止用膜として有用である。また、上述の硬化性組成物は帯電防止且つ高透明性の硬化物を与える帯電防止用の硬化性組成物として有用であるため、硬化皮膜も帯電防止用高透明性膜として有用である。ここで、帯電防止用高透明性膜における高透明性は、本発明の硬化性組成物から得た10μm厚の硬化膜について、後述実施例に記載の透明性試験を行って全光線透過率を測定した場合に、全光線透過率が例えば80%以上、好ましくは84%以上である。さらに、上述の硬化性組成物は、特に(B)成分と(C)成分との少なくともいずれかが硬化物硬度が3H以上となる成分を含む場合にハードコート用、好ましくは静電防止ハードコート用の硬化性組成物として有用であるため、硬化皮膜もハードコート用膜、好ましくは静電防止ハードコート膜として有用である。ここで、静電防止ハードコート膜における硬度は、後述実施例に記載の鉛筆硬度試験を行って鉛筆硬度を測定した場合に、鉛筆硬度が例えば2H以上、好ましくは3H以上である。
硬化皮膜は、例えば後述の基材の表面に直接または中間層を介して硬化性組成物の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させた後硬化することによって得ることができる。塗膜の形成方法としては特に限定されず、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法;エアスプレー、エアレススプレー等のスプレーコーティング等の噴霧方法;及びディップ等の浸漬方法等が用いられる。
本発明の硬化性組成物は、塗膜を単純に硬化するだけで(A)成分のネットワークが効果的に形成され、(A)成分の量の割に表面抵抗が顕著に低減された硬化皮膜が得られるため、硬化皮膜の形成において複雑な塗布工程を必要とせず、カーボンナノチューブ含有層とハードコート層とに複層化する必要もない。つまり、本発明の硬化性組成物は、塗布工程において形成する塗膜が一層のみであってもよく、極めて簡便に硬化皮膜を得ることができる。
硬化方法としては特に限定されないが、(E)成分の酸発生剤の種類等に応じ、可視光、紫外線、熱線、電子線などの活性エネルギー線の照射及び加熱が適宜用いられる。紫外線照射を行う時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯などが用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒、通常は数秒が挙げられる。好ましくは、ランプ出力80〜300W/cm程度の照射源が用いられる。電子線照射の場合は、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量で硬化することができる。活性エネルギー線照射後に、必要に応じて加熱を行うことができる。
本発明の硬化皮膜の厚みは特に限定されない。本発明の硬化皮膜は、(A)成分の量の割に硬化皮膜の表面対抗値が顕著に低減されているため、比較的大きい厚みであっても良好な透明性が得られるため、その厚みは広い範囲で許容される。したがって、硬化皮膜の用途に応じて適宜厚みを決定することができる。例えば、硬化皮膜の厚みとしては、例えば0.1〜50μm、好ましくは0.3〜20μm、より好ましくは0.5〜15μmが挙げられ、硬化皮膜の用途に応じて適宜調整することができる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材上に上述の硬化皮膜を有する。積層体の構成としては、基材上に直接硬化皮膜が積層されていてもよいし、層間密着性を向上させるなどの目的で適宜配設された中間層を介して積層されていてもよい。積層体は、基材上に上述の硬化皮膜の製造方法を行うことによって製造することができる。
基材としては、積層体の用途に応じて適宜選択することができるが、本発明の硬化皮膜が優れた表面抵抗低減性により優れた透明性を呈することができるため、好ましくは透光性、より好ましくは透明性の基板が挙げられる。具体的には、基材としては、ガラス及びプラスチックが挙げられ、プラスチックとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテル、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ナイロン、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。より具体的には、液晶テレビ等における偏光板の部材として使用されているトリアセチルセルロースプラスチック基材フィルム、タッチパネルにおけるポリエチレンテレフタレートプラスチック基材フィルム等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた試薬等を以下に示す。
(A)カーボンナノチューブ
・TUBALLTM MATRIX 301(OCSiAl社製):SWCNTカーボンナノチューブ
(B)多官能(メタ)アクリレート化合物
・A−DPH(新中村化学株式会社製):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・HDIヌレート15アクリレート:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体(旭化成株式会社製)とジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学株式会社製 A−9550)との反応物(最大15官能)
・アロニクスM510(東亞合成株式会社製):多塩基酸変性アクリルオリゴマー、酸価80−12mg/gKOH
・ライトアクリレート14EGA(共栄社化学株式会社製):ポリエチレングリコール(14EG)ジアクリレート
(C)カチオン重合性化合物
・セロキサイド2021P(株式会社ダイセル製):3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(2官能)
・OXT221(東亞合成株式会社製):3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(2官能)
・EPICLON850S(DIC株式会社製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2官能)
・KBM−4803(信越化学工業株式会社製):3−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(単官能)
(F)異種重合性化合物
・VEEA(株式会社日本触媒社製):アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
(D)ラジカル重合開始剤
・Irg184(BASF株式会社製):1−ベンゾイル−1−シクロヘキサノール
(E)酸発生剤
・WPAG336(和光純薬株式会社製):ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
・CPI−100P(サンアプロ株式会社製):トリアリールスルホニウム・PF6塩の50質量%炭酸プロピレン溶液
・SI−60(三新化学工業株式会社サンエイド製):アリールスルホニウム・SbF6
[SP値の測定]
(B)成分のSP値を、以下のように、テトラヒドロフラン(THF)、ヘプタンおよび水に対する溶解性の測定結果から算出した。
(1)測定する多官能(メタ)アクリレート化合物2gを量りとり、そこへテトラヒドロフラン(THF)を18g加えて10質量%多官能(メタ)アクリレート化合物溶液を調製した。
(2)25℃、1気圧の条件下で上記10質量%多官能(メタ)アクリレート化合物溶液を一定量分取し、この体積(ml)をVTHFとした。
(3)上記(2)で分取した溶液に、n−ヘプタンまたはイオン交換水を滴下する。溶液が白濁し、その白濁状態が10秒以上保持された点を滴定終点とした。滴定終点までのn−ヘプタンの滴下量(ml)をVHeptane、滴定終点までのイオン交換水の滴定量(ml)をVWaterとした。
(4)VHeptaneおよびVWaterを、以下の(数式a)および(数式b)に代入してSPaとSPbを算出した。そして、算出されたSPaとSPbを(数式c)に代入して、SPAとした。なお、(数式c)におけるlogは、常用対数(底が10)である。
ここで、THFのSP値(SPTHF)、ヘプタンのSP値(SPHeptane)およびイオン交換水のSP値(SPWater)としては、後述するFedors法により化学構造式から求めた値を用いた(SPTHF=8.28、SPHeptane=7.43、SPWater=26.7)。
Figure 2019196428
Fedors法によるTHFのSP値(SPTHF)、ヘプタンのSP値(SPHeptane)およびイオン交換水のSP値(SPWater)は、次のようにして算出した。具体的には「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」「溶解性パラメーター適用事例集、情報機構発行、2007年3月15日第1刷、12〜14頁」に記載の手法にて計算を行う。具体的には、以下に示す数式dを用いて算出した。
Figure 2019196428
[カーボンナノチューブ分散液の調製]
SWCNTカーボンナノチューブ(OCSiAl社製 TUBALLTM MATRIX 301(カーボンナノチューブ含有率10質量%・アルコールエトキシレート分散体)は、高圧分散機(スギノマシン製スターバースト)にて100MPaの条件にてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に分散し、カーボンナノチューブ含有率0.1質量%のカーボンナノチューブ分散液を得た。
[硬化性組成物の調製]
上述のようにして得られたカーボンナノチューブ分散液を用い、表1〜表6に記載の組成を有する硬化性組成物(実施例1〜実施例29及び比較例1〜比較例8)を調製した。硬化性組成物は、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用い、硬化性組成物中の有機溶剤以外の成分の総量が25質量%となるように調整した。なお、表1〜表6に記載の各成分の量を示す数値の単位は質量部である。また、各成分の量は、有機溶剤以外の成分の量として示している。例えば、重合開始剤50質量%溶液であるCPI−100Pについては、CPI−100P試薬の量ではなく、試薬中の重合開始剤の量に換算して記載している。得られた硬化性組成物を、以下の評価試験に供した。結果を表1〜表6に示す。また、表1〜表6において、「−」及び「不含有」は同義である。さらに、比較例1及び実施例1〜実施例5と、比較例3及び実施例7〜12とについて、カチオン重合性化合物の比率(B)及び(C)の合計100質量部当たりの(C)質量部の値と表面抵抗値との関係を示すグラフを図1に示す。
[試験板の作成]
PETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4300厚み188μm)を基材とし、硬化性組成物をバーコーターNo.18にて塗布し、溶剤を揮発させた。その後、得られた塗膜を80℃、5分で乾燥させ溶剤を除去し、さらに、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス株式会社製)を使用して、積算光量300mJ/cm2の条件で紫外線照射しその後、100℃にて1時間で硬化させ、10μmの硬化皮膜を基材上に有する積層体を試験板として得た。
[透明性]
試験板を、ヘーズメーター(東京電色技術センター製TC−H III DPK)を用いてJISK7105に基づく測定法による全光線透過率Tt及びHAZEの測定に供した。
[表面抵抗値]
試験板を、抵抗測定器(KEITHLEY社製エレクトロメータ6517および低効率チェンバMODL8009)を用い、ASTM−D257に準拠した表面抵抗値の測定に供した。
[耐擦傷性]
試験板の表面を、#0000スチールウールで、9.8×104Paの圧力を加えて10往復擦り、表面を擦った後の試験板のHAZEを上述と同様に測定し、表面を擦る前からのHAZEの変化量ΔHAZEを評価した。
[鉛筆硬度]
試験板を、表面性測定器(新東科学株式会社製、トライボギア14FW)及び鉛筆硬度測定用鉛筆(三菱鉛筆株式会社製の三菱Uni)を用い、JIS K5600−5−4(1999)塗膜の機械的性質−引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠した試験に供した。測定荷重は750g、測定の速度は30mm/min、測定距離は5mmとした。測定は5回行い、合格数が4回/5回を超えた鉛筆硬度を評価結果とした。
Figure 2019196428
Figure 2019196428
Figure 2019196428
Figure 2019196428
Figure 2019196428
Figure 2019196428
重合性化合物として(B)多官能アクリレート化合物のみを含む比較例1〜4においては、比較例1〜3のように(B)成分が3官能以上であれば耐擦傷性が高い硬化皮膜が得られたものの、いずれの比較例1〜4においても、硬化皮膜の表面抵抗値は十分に低下しなかった。(比較例4のように(B)成分が2官能の場合は、比較例1〜3と比べて硬化皮膜の表面抵抗値自体は低く見えるが、2官能の(B)成分を用いた場合の実施例16、17、19、23〜29に比べると、やはり表面抵抗値の低減性は悪かった。)これは、多官能アクリレート化合物の硬化速度が速いため、(A)カーボンナノチューブの導電ネットワークの形成が困難であったためと考えられる。
重合性化合物として(C)カチオン重合性化合物のみを含む比較例5〜8においては、硬化皮膜の表面抵抗値は平均して低い傾向がみられた。その一方で、重合成分として(C)カチオン重合性化合物のみを含む比較例5〜8においては、耐擦傷性に劣る傾向がみられた。
これに対し、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物に(C)カチオン重合性化合物を組み合わせた実施例1〜29においては、(B)成分単独で低減の程度が不十分であった表面抵抗値が良好に低減された。具体的には、実施例1及び6の場合は(C)成分単独(比較例5)の場合に近い程度まで表面抵抗値が低減され;実施例4、5、7、12、13の場合は(C)成分単独(比較例5)の場合と同程度まで、実施例22の場合は(C)成分単独(比較例8)の場合と同程度まで表面抵抗値が低減され;特に、実施例2、3、8〜11、14、15〜19、23〜29の場合は(C)成分単独(比較例5)の場合より低い程度まで、実施例20の場合は(C)成分単独(比較例6)の場合より低い程度まで、実施例21の場合は(C)成分単独(比較例7)の場合より低い程度まで表面抵抗値が低減された。これは、硬化速度が速い(B)多官能(メタ)アクリレート化合物が速やかに反応し、硬化速度が遅い(C)カチオン重合性化合物と分離して硬化することで(A)カーボンナノチューブが(C)カチオン重合性化合物中に局在し、追って(C)カチオン重合性化合物がゆっくり硬化することで(A)カーボンナノチューブ同士のネットワークが効果的に形成されたためと考えられる。
さらに、図1に示すように、(B)成分として高極性多官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合(実施例7〜12、実施例6でも同様の傾向が推認される)においては、(B)成分として高極性でない多官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合(実施例1〜5)に比べ、硬化皮膜の表面抵抗の低減程度が大きいことが分かった。これは、(B)成分である高極性多官能(メタ)アクリレート化合物がその極性によってさらに親水性となることで、(B)高極性多官能(メタ)アクリレート化合物の硬化に伴い疎水性の(A)とさらに分離しやすくなり、(A)カーボンナノチューブが(C)カチオン重合性化合物中にさらに局在性高く存在することとなるため、(A)カーボンナノチューブ同士のネットワークがさらに効果的に形成されたためと考えられる。

Claims (14)

  1. (A)カーボンナノチューブと、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物と、(C)カチオン重合性化合物と、(D)ラジカル重合開始剤と、(E)酸発生剤とを含む、硬化性組成物。
  2. 前記(B)成分が、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(B)成分が、SP値10.8以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(B)成分が、酸性基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及びポリグリセリン構造を有する多官能アクリレート化合物からなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(C)成分が多官能カチオン重合性化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記(C)成分が非芳香族系のカチオン重合性化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(C)成分が非芳香族系のエポキシ化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. (F)一分子中にカチオン重合性基とラジカル重合性基を有する異種重合性化合物をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記(F)成分が、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルである、請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 前記硬化性組成物を構成する成分のうちの有機溶剤以外の成分100質量部に対する前記(A)成分の含有量が0.01〜0.15質量部である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 前記(B)成分と前記(C)成分との合計量100質量部に対する前記(C)成分の含有量が、35〜80質量部である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  12. 帯電防止用硬化性組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化皮膜。
  14. 請求項13に記載の硬化皮膜を基材上に有する積層体。
JP2018089792A 2018-05-08 2018-05-08 硬化性組成物 Pending JP2019196428A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018089792A JP2019196428A (ja) 2018-05-08 2018-05-08 硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018089792A JP2019196428A (ja) 2018-05-08 2018-05-08 硬化性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019196428A true JP2019196428A (ja) 2019-11-14

Family

ID=68537309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018089792A Pending JP2019196428A (ja) 2018-05-08 2018-05-08 硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019196428A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022030106A1 (ja) * 2020-08-07 2022-02-10

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022030106A1 (ja) * 2020-08-07 2022-02-10
JP7137026B2 (ja) 2020-08-07 2022-09-13 積水化学工業株式会社 積層体および二次成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8293448B2 (en) Resin composition for stereolithography
CN107406690B (zh) 硬涂层形成用树脂组合物及其固化物
JP2016188354A (ja) ハードコート層形成用組成物
KR102023975B1 (ko) 섬유 강화 복합 재료용 수지 조성물, 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료
JP3976778B2 (ja) オキセタン化合物およびそれを含む硬化性組成物
CN112740832A (zh) 有机el元件密封用紫外线固化性树脂组合物、有机el发光装置的制造方法、有机el发光装置和触摸面板
KR20140111051A (ko) 활성 에너지선 경화성 조성물, 그 경화물 및 용도
CN112237050A (zh) 紫外线固化性树脂组合物、发光装置的制造方法及发光装置
JP2019196428A (ja) 硬化性組成物
EP3744795A1 (en) Resin composition for forming hard coating layer
KR100729898B1 (ko) 금속산화물 미립자를 함유하는 양이온 중합형 조성물
WO2005044893A1 (en) Curable polyester having an oxetanyl group at end and process for preparing the same, resist composition, jet printing ink composition, curing methods and uses thereof
JP5699835B2 (ja) 硬化性組成物並びにこれを用いたコーティング用組成物、及びこれらの硬化物
JP2018092923A (ja) 有機elディスプレイ用部材
JP2016030764A (ja) 反応性モノマー、およびそれを用いた重合性組成物
JP6472684B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP7155005B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
JP2021064541A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法、発光装置、及びタッチパネル
JP2012211327A (ja) インクジェット用インキ
JP2006063261A (ja) 感光性組成物
JP6310180B2 (ja) 繊維強化複合材料用樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料
EP3663364A1 (en) Resin composition for forming hard coating layer
JP2000347001A (ja) 光重合性組成物およびハードコート剤
JP7489612B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
JP4725706B2 (ja) 光硬化性組成物