JP2019189471A - 硬水のカルシウム成分を利用した食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材の製造方法 - Google Patents

硬水のカルシウム成分を利用した食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材の製造方法 Download PDF

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【課題】従来は産業廃棄物として廃棄処分されていた、地下水や河川水から分離回収されたカルシウム成分を食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材として再利用できる方法を提供する。【解決手段】食品添加用或いは抗菌・除菌・殺菌用の紛体の製造方法であって、地下水や河川水等の硬水に結晶核となるカルシウム微細粒子と苛性ソーダとを混合して、純度95%以上の炭酸カルシウムを摘出する工程と、摘出された炭酸カルシウムを高温焼成し、これを水和反応させて水酸化カルシウムを生成する工程と、生成された水酸化カルシウムを微細粉砕して純度95%以上の水酸化カルシウム微細紛体を生成する工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、硬水である地下水や河川水に含まれるカルシウム成分を凝集(晶析)採取・除去するスケール対策に関する技術であり、工業用水或いは飲料用水の配管などの機器設備の延命化を図るものである。同時に本発明は、従来、産業廃棄物として廃棄されていた採取除去後のカルシウム成分を加工し、これを食品添加材や抗菌材等の有効資源に再利用する資源のリサイクル技術に関するものでもある。
工業用水などを大量に使用する工場や事業所等においては、製品製造コストの低減を図る趣旨から、一般の上水道ではなく地下水や河川水を利用することが多い。しかしながら、地域によっては、地下水や河川水がカルシウム成分を多量に含む硬水である場合があり、通常の浄水処理では除去できないカルシウム成分が、施設内の配管や機器設備等にスケールとして付着し施設設備の維持管理に問題を来すことが多い。
これらの配管や機器設備に付着したスケールは、非常に硬くかつ水に溶けにくい物質であり、工具などによる物理的な除去は極めて困難である。特に、カルシウム成分は水中の二酸化炭素と結びつき炭酸カルシウムとなって、難溶性の針状結晶であるアラゴナイトを析出し、例えば配管内壁などにおいて係る結晶が析出・成長するため強固なスケールが増大してしまう。
このため、硬水使用量の多い事業所などでは、硬水中のカルシウム除去方法として効率の良い凝集(晶析)法による対策を講じている。因みに、凝集(晶析)法とは、カルシウムの結合・吸着・回収がスムーズにできるように、予め、硬水に極微細核(ペレット)を投入した後、これにアルカリ材を加えペーハー調整を行い、硬水中のカルシウム成分を不溶性炭酸カルシウム生成粒として、硬水から分離・回収する方法を言う。
そして、分離・回収された後の不溶性炭酸カルシウム生成粒は、そのままでは価値が見出せないため、単なる産業廃棄物として廃棄処分されているのが現状である。それ故、係る不溶性炭酸カルシウム生成粒を有効資源として再利用することが可能であれば、産業廃棄物の削減にも繋がり、いわゆるエコロジーな社会経済の実現に貢献することできる。
ところで、近年、天然のカルシウム素材から水酸化カルシウムを生成し、これを食品添加材や抗菌材として用いる方法が広く社会から注目されるようになった。水酸化カルシウムは、その強いアルカリ性から優れた抗菌・除菌・殺菌効果を有しており、さらに、天然素材由来のものであれば食品に対する安全性などが担保されているためである。
これらの天然素材由来のカルシウムを原料とした水酸化カルシウムによる抗菌・除菌・殺菌材などの製造方法としては、例えば、特許文献1や特許文献2に示すような従来技術が開示されている。
特開2017−212940号公報 特開2017−100975号公報
しかしながら、これらの従来技術は製品の原料として、主に天然素材のホタテ貝などの二枚貝の貝殻を用いるものである。そのため、天候などの気象変動によりその供給が左右される場合も多い、また、天然もの、或いは養殖ものを含めて、ホタテ貝などの海産物はその原産地が限られているため、原料入手の地域的な困難性を生ずることも多い。
さらに、ホタテ貝などの天然素材では、例えばフジツボなどの付着物も多く、それらの除去がほぼ手作業となり原料コストの高騰を招いていた。また、天然素材のカルシウムには不純物も多く含まれており、これらを除去するため焼成温度を高めに、かつ焼成時間を長く設定する必要が生じ、製造時のエネルギーロスの増大と加工コスト上昇の原因ともなっていた。
本発明は、このような従来からの課題を解決することを目的とするものであって、従来は産業廃棄物として廃棄処分されていた、地下水や河川水から分離回収されたカルシウム成分を、食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材として再利用できる方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の観点による食品添加用或いは抗菌・除菌・殺菌用の紛体の製造方法は、地下水や河川水等の硬水に結晶核となるカルシウム微細粒子と苛性ソーダとを混合して、純度95%以上の炭酸カルシウムを摘出する工程と、摘出された炭酸カルシウムを高温焼成し、これを水和反応させて水酸化カルシウムを生成する工程と、生成された水酸化カルシウムを微細粉砕して純度95%以上の水酸化カルシウム微細紛体を生成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の第二の観点による食品添加用或いは抗菌・除菌・殺菌用の紛体の製造方法は、前述の第一の観点において生成された水酸化カルシウムを摂氏800度〜1,100度で再び焼成し、脱水可逆反応によって酸化カルシウムに還元する工程と、還元された酸化カルシウムを摂氏50度〜200度の雰囲気下で水和反応させ、再度、水酸化カルシウムを生成する工程と、前記工程によって得られた水酸化カルシウムから粒径45μm以下で純度95%以上の水酸化カルシウム微細紛体を選別する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の第三の観点による抗菌・除菌・殺菌用水溶液の製造方法は、前述の第二の観点による紛体を湿式ボールミル又は湿式ジェットミルを用いて、さらに粒径1μm以下に微粉砕する工程と、前記工程で得られた微細粉末に基加水して、水酸化カルシウム濃度が0.17〜0.5質量%で、そのペーハーが12.5以上の抗菌・除菌・殺菌特性を備えた水酸化カルシウム水溶液を生成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、地下水などの硬水対策処理で生成される炭酸カルシウムを凝集(晶析・析出)・回収した砂状石灰粒を基に、これを焼成、水和、粉砕することによりカルシウム純度95.0%以上の紛体に加工できる。係る生成品は、食品添加物の規格基準に合致した水酸化カルシウム紛体であり、従来、産業廃棄物として単に捨てられていた回収砂状石灰粒を、食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材等の高付加価値製品として再び利用することができる。
本発明の実施例を示す前に、先ず本発明全体の概要を説明する。なお、本発明による製造方法の処理工程の概要を添付図面の第1図に示す。
水質の硬度に関する水道水質基準によれば、水1リットル中に含まれる炭酸カルシウムの量が300mg以下であることが規定されている。但し、おいしい水としての管理目標硬度は、一般に10〜100mgと言われており、そして、硬水の硬度低減処理(以下、単に「硬水処理」と言う。)は、通常の浄水処理である凝集沈殿法や急速濾過法などの方法によっては解決できない。
そこで、大量の工業用水などの硬水処理を行うためには、独特の凝集(晶析)法を採用することが最も効率が良い。因みに、当該方法を用いれば1日に5,000トン以上の硬水を処理することも可能である。
凝集(晶析)法は、添付図面の図2に示すような方法で行われる。先ず、硬水を導入した流動床反応器内に予めカルシウムの極微細核(ペレット)を添加し流動させ、これに苛性ソーダを加えて全体のペーハーを8〜9に上げる。これによって、ペレットに硬水中の不溶性炭酸カルシウムが付着・成長し、粒径0.1〜0.9mm程度のランダムな粒状となり、スケールの原因となる硬水中のカルシウム成分を回収する事ができる。
因みに、係る処理工程の化学反応式は次の通りである。
Ca(HCO)+ NaOH = CaCO+ NaHCO+ H
炭酸水素カルシウム 苛性ソーダ 炭酸カルシウム 炭酸水素ナトリウム 水
本発明の第1ステップとして、先ず回収された炭酸カルシウムから工業用石灰製造の場合と同様に、高温焼成された生石灰を製造する。通常、石灰の脱炭酸温度は摂氏600度なので、摂氏700度以下では良質な生石灰を製造することは難しい。一方、高温度での焼成は、例えば摂氏1,300度などの記載も散見されるが、装置・設備の構成やエネルギー消費ロス或いは作業所要時間等を勘案すれば、摂氏800〜1,100度の範囲とすることが好ましい。因みに、係る事実は各種文献の記載からも確認することができる。
炭酸カルシウムを焼成した酸化カルシウム(生石灰)は、水と反応すると激しく発熱して危険を伴う。そのため、生石灰の含有量が80%を超える化学物質を500kg以上取り扱う場合は、通常、所轄消防署への届け出が義務付けられている。本発明ではこのようなリスクを回避すべく、第2ステップとして、予め工場で焼成した生石灰に加水し、水和反応により水酸化カルシウム(消石灰)に加工して製品の保存性、可搬性を担保する。
水和処理は、散水或いは噴霧により行う事が好ましい。本発明の水和条件としては、摂氏50度以上の雰囲気下で水和反応を進め、水蒸気の結露による消石灰の品質低下を防止している。なお、水和処理の雰囲気が摂氏400度を超えると、消石灰の脱水可逆反応が進行する懸念があるので、概ね摂氏50〜200度程度の雰囲気中で作業を行うことが好ましい。
以上の工程によって生成された水酸化カルシウム(消石灰)は、そのままでも十分に産業上の利用価値を有するものであるが、これを、さらに高付加価値の食品添加材や抗菌・除菌・殺菌材として使用するためには、水酸化カルシウム紛体の紛体粒径の粒度分布管理が重要なファクターとなる。
そのため、製造された水酸化カルシウムの粉砕をピンミルやジェットミル、或いはロール式等の乾式粉砕機器を使用する他、湿式ボールミル、湿式ジェットミルなどの粉砕機器を用いて、さらに微細化することによって製品用途の拡大を図ることができる。因みに、粒径の粒度管理は篩分級や、各種のスクリーン或いはフィルターを用いて行うものとする。
また、製品紛体の微細化は、次の第3ステップの工程を経ることで達成することも可能である。すなわち、以上の過程で水和反応させた消石灰を、さらに摂氏800〜1,100度の温度範囲で焼成し、再度、脱水反応を起こさせて生石灰に還元する。そして、再び摂氏50〜200度の雰囲気下に置き水和反応起こさせることによって、粒径の粒度が45μm以下の水酸化カルシウムを得ることができる。
(実施例)
本発明の具体的な実施例について以下に説明を行う。本実施例に紹介する事業所では工業用水を得るために、1日に6,000〜7,000mの硬水処理を行っており、その原水は地下から汲み上げた井戸水(地下水)である。
原水の平均硬度は、原水1リットル中に約320mgの炭酸カルシウムが含まれており、同事業所ではこれを80mg/リットル以下まで低下させて飲料用ならびに食品加工用に使用している。なお、凝集(晶析・析出)による炭酸カルシウムの産出量は、年間で約1,400〜1,600トンに及んでいる。
前述した図2の方法で採取された凝集(晶析・析出)カルシウム成分は、炭酸カルシウム95%以上であり、その他の成分としては、鉄、マンガンなどのミネラル分が含まれている。また、その外観は白色であり、密度は2.7g/Cm、含水率は3〜4%である。また、回収されたカルシウム粒径の粒度分布は、0.1mm以下2%、2.0mm以下74%、5.0mm以下23%、9.0mm以下1%と成っていた。
また、同事業所内の配管や機器設備にはスケールの付着は確認できず、他の機器設備と同様に定期メンテナンスのみで対応が可能であり、特段のメンテナンスは必要としない状況が確認された。なお、従来は析出・回収された炭酸カルシウムは、土木工事用の骨材などに、無料や砂礫以下の価格で引き渡され処分されていたとの事である。
本実施例では、先ず、凝集(晶析・析出)回収された炭酸カルシウムを摂氏800〜1,000度、好ましくは摂氏900〜1,000度の範囲で焼成して脱炭酸処理を行った。また、焼成時間は1時間以上4時間未満、好ましくは2〜4時間の範囲で焼成を行った。
因みに、焼成前の重量100gの炭酸カルシウムを、2時間焼成後に秤量すると49gに減量した。なお、2時間の焼成で原料の重量は、ほぼ平衡値に到り係る重量減少を以って焼成処理の完了と判定した。
次に水和処理は、焼成されたカルシウムに対して35〜50質量%、好ましくは40〜45質量%の水を万遍なく散布して行った。さらに、二次的に2〜5質量%の水を、全体に噴霧して水和処理にムラが発生することを防止した。なお、水和処理の過程において、水の散布と噴霧を行う容器内は、全体の温度が摂氏100〜120度となるように面ヒーターで加温し、水和処理の安定化と結露の防止を図った。
水和処理の終了後、室温に低下した水酸化カルシウムに加水して、0.2質量%の水酸化カルシウム水溶液を作成し同溶液のペーハーを計測した。その結果、測定値はペーハー12.6〜12.8を示し、当該計測を10回の取得サンプルについて行ったが、係る測定値は安定して再現することができた。なお、ペーハー計測には(株)堀場製作所製の「水質分析計F−72」を用いている。
さらに、上記の水酸化カルシウムの紛体に関し、食品、添加物等の規格基準の適合可否確認を行うべく、当該基準の粉末の粒度45μm篩残分1%以下という項目について試験を行った。すなわち、水和・冷却した後の水酸化カルシウムをピンミルで11,000rpmで2回に亘り粉砕処理を行い、生成粉末の粒度を測定したところ粒度45μm篩残分1%以下という基準に適合しているという結果が確認された。
また、食品、添加物等の規格基準に関するその他の項目についても検査を行い、全ての項目について規格基準に適合していることが確認された。なお、係る検査は(財)日本食品分析センターにて実施され、添付図面の図3にその試験成績書を示す。因みに、同成績書において結果欄に「適」と記載されている事が適合性を確認された事実を示している。
前述したように、水酸化カルシウムは強いアルカリ性(ペーハー12以上)を示し、強力な殺菌・消毒効果を有している。このため、畜産分野の消毒用として頻繁に利用されている。例えば、東京都の家畜保健場の広報でも、畜産類の飼育場などにおいての紛体散布、或いは水溶液散布、又は紛体或いは水溶液の畜舎設備などへの塗布が推奨されている。
なお、幅広く殺菌・消毒処理を行うためには、水溶液による噴霧散布がより好ましい。このため、水酸化カルシウム紛体を更に微細化して、散布用噴霧ノズルのつまりを防止することが必要となる。本実施例では、湿式ボールミルで前述の水酸化カルシウム紛体を、さらに1.0μm以下に微細化粉砕することで係る目的を達成している。
また、本実施例では、水酸化カルシウムの水溶・分散液を生成する場合の水酸化カルシウム紛体の添加量は若干過飽和気味とした。すなわち、通常の水酸化カルシウム水溶液の飽和溶融密度は0.17g/100Cm(摂氏25度)であるが、本実施例では0.2〜0.5g/100Cm(摂氏25度)に調整している。
続いて係る条件に設定した水酸化カルシウム水溶液を用い、大腸菌(O−157)、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌に対する殺菌作用の確認試験を実施した。その結果、各種細菌は、試験開始後30分で全て殺菌されていること(検出せず)が証明され、その有効性が確認された。
なお、係る確認試験は(財)日本食品分析センターにて行い、添付図面の図4にその試験成績書を示す。因みに、同試験成績書中の検体名として記載された「レキオパワー」なる名称は、本発明に基づく製造方法によって製造された水酸化カルシウム粉末、及び水溶液の製品名である。
ところで、通常の水酸化カルシウム飽和水溶液は、その容器を室内開放状態で放置すると約1週間経過後に、そのペーハーが8.0以下に低下して殺菌・消毒効果が消失する。しかしながら、本実施例で生成した水酸化カルシウム過飽和水溶液では1週間経過後も、そのペーハーを12.4〜12.5に維持しペーハーの大幅な低下を来たすことはなかった。
一方、前述の水和反応を起こさせて室温にまで冷却した水酸化カルシウムを、摂氏800〜1,100度の範囲で再度焼成し脱水反応させて生石灰に還元する。その後、これを摂氏50〜200度の雰囲気下に置き、再び水和反応を起こさせることによって採取された消石灰は、各種の粉砕機器を使用することなく、その粒度が45μmでカルシウム純度が95%以上の水酸化カルシウム粉末となることが確認された。
このようにして製造した水酸化カルシウムを室温下において加水し、0.2質量%の水酸化カルシウム水溶液を生成したところ、そのペーハー測定値結果は12.9〜13.2の値を示した。この測定値は、10回のサンプル計測を行った場合でも常に安定して再現することができた。
すなわち、本実施例においては、焼成・水和の処理過程を再度繰り返すことによって水酸化カルシウム紛体の粒径がさらに細微になり、係る粉末を用いた水酸化カルシウム水溶液の強アルカリ性が増すことが確認された。
以上に説明したように、本発明に基づく食品添加材、或いは抗菌・除菌・殺菌材の原材料は、ホタテ貝殻などの天然素材ではなく、地下水などの硬水から分離・回収された炭酸カルシウムを使用している。それ故、原材料に含まれる不純物の割合が少なく純度の高いカルシウム成分を摘出できる。このため、原材料から酸化カルシウムを生成する焼成時間を短縮することが可能であり、酸化カルシウムを水和して生成された水酸化カルシウム粉末の粒径も、抗菌・除菌・殺菌の用途に適したものを容易に得ることができる。
なお、本発明の実施形態は、以上に説明した実施例に限定されるものではなく、例えば、各々の実施例を構成する各部位の形状や配置、或いはその素材などは、本発明の趣旨を逸脱することなく、現実の実施態様に即して適宜変更ができるものであることは言うまでもない。
以上に説明した本発明の構成ならびに方法は、硬水処理の結果発生するカルシウム成分を有効資源として再生する技術の分野においてその利用が可能である。
本発明による食品添加材、抗菌・除菌・殺菌材の製造方法の概要を示す工程図である。 硬水中のカルシウム成分の分離・回収の方法を示す説明図である。 食品、添加物等の規格基準に関する適合試験の試験成績書の写しである。 細菌に対する殺菌作用確認試験の結果を示す試験成績書の写しである。

Claims (3)

  1. 地下水や河川水等の硬水に結晶核となるカルシウム微細粒子と苛性ソーダとを混合して、純度95%以上の炭酸カルシウムを摘出する工程と、
    摘出された炭酸カルシウムを高温焼成し、これを水和反応させて水酸化カルシウムを生成する工程と、
    生成された水酸化カルシウムを微細粉砕して純度95%以上の水酸化カルシウム微細紛体を生成する工程と、
    を含む食品添加用或いは抗菌・除菌・殺菌用の紛体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の水酸化カルシウムを摂氏800度〜1100度で再び焼成し、脱水可逆反応によって酸化カルシウムに還元する工程と、
    還元された酸化カルシウムを摂氏50度〜200度の雰囲気下で水和反応させ、再度、水酸化カルシウムを生成する工程と、
    前記工程によって得られた水酸化カルシウムから粒径45μm以下で純度95%以上の水酸化カルシウム微細紛体を選別する工程と、
    を含む食品添加用或いは抗菌・除菌・殺菌用の紛体の紛体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の紛体を湿式ボールミル又は湿式ジェットミルを用いて、さらに粒径1μm以下に微粉砕する工程と、
    前記工程で得られた微細粉末に加水して、水酸化カルシウム濃度が0.17〜0.5質量%で、そのペーハーが12.5以上の抗菌・除菌・殺菌特性を備えた水酸化カルシウム水溶液を生成する工程と、
    を含む抗菌・除菌・殺菌用水溶液の製造方法。




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