JP2019188376A - 吸着剤及び吸着剤の製造方法並びに壁紙 - Google Patents

吸着剤及び吸着剤の製造方法並びに壁紙 Download PDF

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Abstract

【課題】吸着剤を得るために高温での処理を必要とせず、セルロースナノファイバーの吸着性を維持しつつ、取り扱いが容易である吸着剤及びその吸着剤の製造方法並びにその吸着剤を含んだ壁紙を提供すること。【解決手段】本発明の一態様に係る吸着剤5は、少なくとも一種類のポリマー粒子3と、ポリマー粒子3の表面の少なくとも一部を覆う微細化セルロース1とを有し、ポリマー粒子3と微細化セルロース1とが不可分の状態にある複合粒子を含んだことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、微細化セルロースを用いた吸着剤及びその製造方法並びにその吸着剤を含んだ壁紙に関する。
壁紙などの建築材料には、居住環境の点から、環境中の湿度調整をしたり、臭い物質やアレルギー物質、VOC(Volatile Organic Compounds)などを吸着したりする吸着剤が要求されるようになってきている。
例えば、特許文献1に示されるように、これまでに、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムを利用した調湿建材が報告されている。水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムを脱水して得られる酸化アルミニウムおよび/または酸化マグネシウムは多孔質構造を有し、水蒸気を含む親水性ガスを主に吸収、放出することができる。また、特許文献2には、頁岩を出発原料として得られるメソポーラスシリカが、調湿剤として有用であることが開示されている。また、特許文献3では、吸湿速度および放湿速度が高い吸放湿材料として、吸水性高分子を使用した吸放湿性材が報告されている。さらに、特許文献4では、除湿薬剤と脱臭薬剤を混合した脱臭除湿剤を収納した、脱臭除湿器が報告されている。脱臭薬剤としては、備長炭、ナラ白炭、カシ白炭などの白炭、池田炭、佐倉炭などの黒炭、オガ炭、ヤシガラ炭、平炉炭、乾留炭、竹炭、豆炭、練炭、およびこれらを腑活させた活性炭などを利用している。これらの脱臭薬剤は、脱臭機能と共に吸湿機能(調湿機能)も併せ持っており、除湿薬剤と共に吸湿するため、除湿薬剤単独で用いた場合に比べて、吸湿スピードが向上するとともに、脱臭機能を発揮することができる。
しかしながら、上述の調湿剤を得るためには高温での加熱処理が必要であり、特許文献1では200℃以上500℃以下の加熱で脱水処理を、特許文献2では700℃を超える温度で焼成処理をおこなっている。また、特許文献3では吸水性高分子を得るために150から300℃の温度範囲内で重合反応をおこなっている。特許文献4では脱臭薬剤として上記の炭を利用しているが、炭を製造するためには一般的に高温での加熱処理が必要とされる。そのため、これらの吸着剤を得るためには多大なエネルギーがかかってしまう。
このように、高温での処理を必要としない、簡便な方法で合成可能な吸着剤を提供することが強く望まれている。
また、近年、木材中のセルロース繊維を、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーになるまで微細化し、新規な機能性材料として利用しようとする試みが活発に行われている。
例えば、特許文献5に示されるように、木材セルロースに対しブレンダーやグラインダーによる機械処理を繰り返すことで、微細化セルロース繊維、すなわちセルロースナノファイバー(以下、CNFとも称する)が得られることが開示されている。この方法で得られるCNFは、短軸径が10〜50nm、長軸径が1μmから10mmに及ぶことが報告されている。このCNFは、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強さを誇り、250m/g以上の膨大な比表面積を有することから、樹脂強化用フィラーや吸着剤としての利用が期待されている。
また、木材中のセルロース繊維を微細化しやすいように予め化学処理したのち、家庭用ミキサー程度の低エネルギー機械処理により微細化してCNFを製造する試みが活発に行われている。上記化学処理の方法は特に限定されないが、セルロース繊維にアニオン性官能基を導入して微細化しやすくする方法が好ましい。セルロース繊維にアニオン性官能基が導入されることによってセルロースミクロフィブリル構造間に浸透圧効果で溶媒が浸入しやすくなり、セルロース原料の微細化に要するエネルギーを大幅に減少することができる。上記アニオン性官能基の導入方法としては特に限定されないが、例えば非特許文献1にはリン酸エステル化処理を用いて、セルロースの微細繊維表面を選択的にリン酸エステル化処理する方法が開示されている。また、特許文献6には、高濃度アルカリ水溶液中でセルロースをモノクロロ酢酸またはモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによりカルボキシメチル化を行う方法が開示されている。また、オートクレーブ中でガス化したマレイン酸やフタル酸等の無水カルボン酸系化合物とセルロースを直接反応させてカルボキシ基を導入してもよい。
また、比較的安定なN−オキシル化合物である2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル(TEMPO)を触媒として用い、セルロースの微細繊維表面を選択的に酸化する方法も報告されている(例えば、特許文献7を参照)。TEMPOを触媒として用いる酸化反応(TEMPO酸化反応)は、水系、常温、常圧で進行する環境調和型の化学改質が可能であり、木材中のセルロースに適用した場合、結晶内部には反応が進行せず、結晶表面のセルロース分子鎖が持つアルコール性1級炭素のみを選択的にカルボキシ基へと変換することができる。
TEMPO酸化によって選択的に結晶表面に導入されたカルボキシ基同士の電離に伴う浸透圧効果により、溶媒中で一本一本のセルロースミクロフィブリル単位に分散させた、セルロースシングルナノファイバー(以下、CSNFとも称する)を得ることが可能となる。CSNFは表面のカルボキシ基に由来した高い分散安定性を示す。木材からTEMPO酸化反応によって得られる木材由来のCSNFは、短軸径が3nm前後、長軸径が数十nm〜数μmに及ぶ高アスペクト比を有する構造体であり、その水分散液および成形体は高い透明性を有することが報告されている。
このような微細化したセルロースの応用として、例えば特許文献8には、セルロースナノファイバーを利用した壁紙が、室内を湿度調整する調湿性能と室内に発生した臭い物質やホルムアルデヒドなどのアレルギー物質を吸着する吸着性能を有することが報告されている。
ここで、CNFの実用化に向けては、得られるCNF分散液の固形分濃度が0.1〜5%程度と低くなってしまうことが課題となっている。例えば微細化セルロース分散体を輸送しようとした場合、大量の溶媒を輸送するに等しいため輸送費の高騰を招き、事業性が著しく損なわれるという問題がある。また、樹脂強化用の添加剤として用いる際にも、固形分が低いことによる添加効率の悪化や、溶媒である水が樹脂と馴染まない場合には複合化が困難となるといった問題がある。また、含水状態で取り扱う場合、含水CNF分散体の腐敗の恐れもあるため、冷蔵保管や防腐処理などの対策が必要となり、コストが増加する恐れもある。
しかしながら、単純に熱乾燥などで微細化セルロース分散液の溶媒を除去してしまうと、微細化セルロース同士が凝集・角質化し、あるいは膜化してしまい、添加剤として安定な機能発現が困難になってしまう。さらにCNFの固形分濃度が低いため、乾燥による溶媒除去工程自体に多大なエネルギーがかかってしまうことも事業性を損なう一因となる。
このように、CNFを分散液の状態で取り扱うこと自体が事業性を損なう原因となるため、CNFを容易に取り扱うことができる新たな取り扱い様態を提供することが強く望まれている。
特許第6193113号 特開2006−232612号公報 特許第6007665号 特許第4519609号 特開2010−216021号公報 国際公開第2014/088072号 特開2008−001728号公報 特許第6048494号
Noguchi Y, Homma I, Matsubara Y. Complete nanofibrillation of cellulose prepared by phosphorylation. Cellulose. 2017;24:1295.10.1007/s10570-017-1191-3
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、吸着剤を得るために高温での処理を必要とせず、セルロースナノファイバーの吸着性を維持しつつ、取り扱いが容易な新たな吸着剤及びその吸着剤の製造方法並びにその吸着剤を含んだ壁紙を提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様に係る吸着剤は、少なくとも一種類のポリマー粒子と、前記ポリマー粒子の表面の少なくとも一部を覆う微細化セルロースとを有し、前記ポリマー粒子と前記微細化セルロースとが不可分の状態にある複合粒子を含んだ吸着剤である。
本発明の一態様に係る吸着剤の製造方法は、セルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロースの分散液を得る第1工程と、前記分散液中において樹脂液滴の表面の少なくとも一部を前記微細化セルロースで覆い、前記樹脂液滴をエマルションとして安定化させる第2工程と、前記樹脂液滴の表面の少なくとも一部が前記微細化セルロースで覆われた状態で、前記樹脂液滴を硬化してポリマー粒子とすることで、前記ポリマー粒子の表面の少なくとも一部が前記微細化セルロースで覆われ、かつ前記ポリマー粒子と前記微細化セルロースとが不可分の状態にある複合粒子を得る第3工程と、を有することを特徴とする吸着剤の製造方法である。
本発明の一態様に係る壁紙は、前述の吸着剤を含んだ壁紙である。
本発明の一態様によれば、吸着剤を得るために高温での処理を必要とせず、セルロースナノファイバーの吸着性を維持しつつ、取り扱いが容易な新たな吸着剤及びその吸着剤の製造方法並びにその吸着剤を含んだ壁紙を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るCNFを用いたO/W型ピッカリングエマルションと、エマルション内部の重合性モノマーを重合することで得られる吸着剤の概略図である。 本発明の第二実施形態に係る壁紙の要部を切断した端面の拡大図である。 実施例1で得られた微細化セルロースの水分散液の分光透過スペクトル測定結果である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<吸着剤>
まず、本発明の第一実施形態に係る微細化セルロースとポリマー粒子とを含む複合粒子からなる吸着剤5について説明する。図1はセルロースナノファイバー(以下、CNFもしくはセルロースとも称する)1を用いたO/W型ピッカリングエマルションと、エマルション内部の重合性モノマーを重合することで得られる吸着剤5の概略図である。なお、ここで言う「微細化セルロース」とは、短軸径において数平均短軸径が1nm以上1000nm以下の範囲内である繊維状セルロースを意味する。
吸着剤5は、少なくとも一種類のポリマー粒子3を含み、ポリマー粒子3の表面に、微細化セルロース1により構成された被覆層を有し、ポリマー粒子3と微細化セルロース1とが結合して不可分の状態にある吸着剤である。つまり、吸着剤5は、少なくとも一種類のポリマー粒子3と、ポリマー粒子3の表面の少なくとも一部を覆う微細化セルロース1とを有し、ポリマー粒子3と微細化セルロース1とが不可分の状態にある複合粒子を含んでいる。
図1に示すように、分散液4に分散したモノマー液滴2の界面に微細化セルロース1が吸着することによって、O/W型ピッカリングエマルションが安定化し、安定化状態を維持したままエマルション内部のモノマーを重合することによって、エマルションを鋳型とした吸着剤5が作製される。
ここで言う「不可分」とは、例えば、吸着剤5を含む分散液を遠心分離処理して上澄みを除去し、さらに溶媒を加えて再分散することで吸着剤5を精製・洗浄する操作、あるいはメンブレンフィルターを用いたろ過洗浄によって繰り返し溶媒による洗浄する操作を繰り返した後であっても、微細化セルロース1とポリマー粒子3とが分離せず、微細化セルロース1によるポリマー粒子3の被覆状態が保たれることを意味する。被覆状態の確認は、例えば、走査型電子顕微鏡による吸着剤5の表面観察により確認することができる。なお、吸着剤5において微細化セルロース1とポリマー粒子3の結合メカニズムについては定かではないが、吸着剤5が微細化セルロース1によって安定化されたO/W型エマルションを鋳型として作成されるため、エマルション内部のモノマー液滴2に微細化セルロース1が接触した状態でモノマーの重合反応が進むために、重合後に得られる複合粒子において、コアとなるポリマー粒子3の表面に存在する微細化セルロース1の少なくとも一部がポリマー粒子3の内部に取り込まれた状態となることが予想される。以上の理由により、物理的に微細化セルロース1が重合後のポリマー粒子3に固定化されて、最終的にポリマー粒子3と微細化セルロース1とが不可分な状態に至ると推察される。
ここで、O/W型エマルションは、水中油滴型(Oil−in−Water)とも言われ、水を連続相とし、その中に油が油滴(油粒子)として分散しているものである。
なお、本実施形態における微細化セルロース1は特に限定されないが、微細化セルロース1の少なくとも一部が結晶化しているものが好ましく、微細化セルロース1の結晶表面にアニオン性官能基を有しており、当該アニオン性官能基の含有量が、セルロース1g当たり0.1mmol以上5.0mmol以下であることが好ましい。当該アニオン性官能基の含有量が、セルロース1g当たり0.1mmol未満の場合には、例えば、セルロースを微細化することが困難になることがある。また、当該アニオン性官能基の含有量が、セルロース1g当たり5.0mmolを超える場合には、例えば、セルロースの結晶構造が破壊されて、CNFとして分散させることが困難になることがある。
さらに、微細化セルロース1は、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状であることが好ましい。具体的には、微細化セルロース1は繊維状であって、数平均短軸径が1nm以上1000nm以下、数平均長軸径が50nm以上であり、かつ数平均長軸径が数平均短軸径の5倍以上であることが好ましい。また、微細化セルロース1の結晶構造は、セルロースI型であることが好ましい。
また、吸着剤5が調湿性能を備えるために、微細化セルロース1は、吸湿性と放湿性を有していることが好ましい。さらに、ポリマー粒子3も吸湿性と放湿性を有することが好ましく、より吸着剤の調湿性能を向上させることができる。ここで言う「吸湿性」とは、例えば、外気中の水蒸気等を微細化セルロース1及びポリマー粒子3の少なくとも一方に吸着させる性質を意味し、例えば、25℃で相対湿度0%の雰囲気中で恒量化した吸着剤5の質量をXgとし、25℃で相対湿度10%以上100%未満の空気と4時間接触させた後の吸着剤5の質量をXgとしたとき、100×(X−X)/(X×4)で示される吸湿開始から4時間後までの吸湿速度が、0.6%/時間以上であることを意味する。また、ここで言う「放湿性」とは、例えば、水蒸気等を微細化セルロース1及びポリマー粒子3の少なくとも一方に吸着した水蒸気等を外気中に放出させる性質を意味し、25℃で相対湿度95%の雰囲気中で恒量化した吸着剤5の質量をXgとし、25℃で相対湿度0%以上90%未満の空気と4時間接触させた後の吸着剤5の質量をXgとしたとき、−100×(X−X)/(X×4)で示される放湿開始から4時間後までの放湿速度が、0.6%/時間以上であることを意味する。
<吸着剤の製造方法>
次に、本実施形態の吸着剤の製造方法について説明する。本実施形態に係る吸着剤の製造方法は、セルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロース1の分散液4を得る工程(第1工程)と、微細化セルロース1の分散液4中において重合性モノマー液滴2の表面の少なくとも一部を微細化セルロース1で被覆し、重合性モノマー液滴2をエマルションとして安定化させる工程(第2工程)と、重合性モノマー液滴2の表面の少なくとも一部が微細化セルロース1で被覆された状態で、重合性モノマー液滴2を重合してポリマー粒子3を形成することで、微細化セルロース1でポリマー粒子3の表面の少なくとも一部が被覆され、かつポリマー粒子3と微細化セルロース1とが不可分の状態にある複合粒子を得る工程(第3工程)と、を有する吸着剤5の製造方法である。
上記製造方法により得られた吸着剤5は分散体として得られる。さらに溶媒を除去することにより乾燥固形物として得られる。溶媒の除去方法は特に限定されず、例えば遠心分離法やろ過法によって余剰の水分を除去し、さらにオーブンで熱乾燥することで乾燥固形物として得ることができる。この際、得られる乾燥固形物は膜状や凝集体状にはならず、肌理細やかな粉体として得られる。この理由としては定かではないが、通常微細化セルロース分散体から溶媒を除去すると、微細化セルロース同士が強固に凝集、膜化することが知られている。一方、吸着剤5を含む分散液の場合、微細化セルロース1が表面に固定化された真球状の吸着剤であるため、溶媒を除去しても微細化セルロース1同士が凝集することなく、吸着剤間の点と点で接するのみであるため、その乾燥固形物は肌理細やかな粉体として得られると考えられる。また、吸着剤5同士の凝集がないため、乾燥粉体として得られた吸着剤5を再び溶媒に再分散することも容易であり、再分散後も吸着剤5の表面に結合された微細化セルロース1に由来した分散安定性を示す。
なお、吸着剤5の乾燥粉体は溶媒をほとんど含まず、さらに溶媒に再分散可能であることを特長とする乾燥固形物であり、具体的には固形分率を80%以上とすることができ、さらに90%以上とすることができ、さらに95%以上とすることができる。溶媒をほぼ除去することができるため、例えば、輸送費の削減、腐敗防止、添加率向上、樹脂との混練効率向上、といった観点から好ましい効果を得る。なお、乾燥処理により固形分率を80%以上にした際、吸着剤5は吸湿性を有するため、空気中の水分を吸着して固形分率が経時的に低下する可能性がある。しかしながら、吸着剤5は放湿性を有することが特徴であることから、乾燥条件に吸着剤5を晒すことで、再び固形分率を80%以上とすることができる。
以下に、各工程について、詳細に説明する。
(第1工程)
第1工程はセルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロース分散液を得る工程である。まず、各種セルロース原料を溶媒中に分散し、懸濁液とする。懸濁液中のセルロース原料の濃度としては0.1%以上10%未満が好ましい。懸濁液中のセルロース原料の濃度が0.1%未満であると、溶媒過多となり生産性を損なう傾向があるため好ましくない。また、懸濁液中のセルロース原料の濃度が10%以上になると、セルロース原料の解繊に伴い懸濁液が急激に増粘し、均一な解繊処理が困難となる傾向があるため好ましくない。懸濁液作製に用いる溶媒としては、水を50%以上含むことが好ましい。懸濁液中の水の割合が50%未満になると、後述するセルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロース分散液を得る工程において、微細化セルロース1の分散が阻害される傾向がある。また、水以外に含まれる溶媒としては親水性溶媒が好ましい。親水性溶媒については特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類が好ましい。必要に応じて、セルロースや生成する微細化セルロース1の分散性を上げるために、例えば、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
続いて、懸濁液に物理的解繊処理を施して、セルロース原料を微細化する。物理的解繊処理の方法としては特に限定されないが、例えば、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。このような物理的解繊処理を行うことで、懸濁液中のセルロースが微細化され、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーになるまで微細化されたセルロース(微細化セルロース)1の分散液を得ることができる。また、このときの物理的解繊処理の時間や回数により、得られる微細化セルロース1の数平均短軸径および数平均長軸径を調整することができる。
上記のようにして、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーになるまで微細化されたセルロース1の分散体(微細化セルロース分散液)が得られる。得られた分散体は、そのまま、または希釈、濃縮等を行って、後述するO/W型エマルションの安定化剤として用いることができる。
また、微細化セルロース分散体は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、セルロースおよびpH調整に用いた成分以外の他の成分を含有してもよい。上記他の成分としては、特に限定されず、吸着剤5の用途等に応じて、公知の添加剤のなかから適宜選択できる。具体的には、調湿剤、アルコキシシラン等の有機金属化合物またはその加水分解物、無機層状化合物、無機針状鉱物、消泡剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、磁性粉、配向促進剤、可塑剤、架橋剤、磁性体、医薬品、農薬、香料、接着剤、酵素、顔料、染料、消臭剤、金属、金属酸化物、無機酸化物等が挙げられる。調湿剤を含有させた場合は、調湿剤の含有量により吸着剤5の調湿性能を変化させることができる。
通常、微細化セルロース1は、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状であるため、本実施形態の製造方法に用いる微細化セルロース1としては、以下に示す範囲にある繊維形状のものが好ましい。すなわち、微細化セルロース1の形状としては、繊維状であることが好ましい。また、繊維状の微細化セルロース1は、短軸径において数平均短軸径が1nm以上1000nm以下であればよく、好ましくは2nm以上500nm以下であればよい。ここで、数平均短軸径が1nm未満では高結晶性の剛直な微細化セルロース繊維構造をとることができず、エマルションの安定化と、エマルションを鋳型とした重合反応とを実施することが困難となる傾向がある。一方、短軸径において数平均短軸径が1000nmを超えると、エマルションを安定化させるにはサイズが大きくなり過ぎるため、得られる吸着剤5のサイズや形状を制御することが困難となる傾向がある。また、数平均長軸径においては特に制限はないが、好ましくは数平均短軸径の5倍以上であればよい。数平均長軸径が数平均短軸径の5倍未満であると、吸着剤5のサイズや形状を十分に制御することが困難となる傾向があるために好ましくない。
なお、微細化セルロース繊維の数平均短軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡観察または原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の短軸径(最小径)を測定し、その平均値として求められる。一方、微細化セルロース繊維の数平均長軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡観察または原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求められる。
微細化セルロース1の原料として用いることができるセルロースの種類や結晶構造も特に限定されない。具体的には、セルロースI型結晶からなる原料としては、例えば、木材系天然セルロースに加えて、コットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロースを用いることができる。さらには、セルロースII型結晶からなるレーヨン繊維、キュプラ繊維に代表される再生セルロースも用いることができる。材料調達の容易さから、木材系天然セルロースを原料とすることが好ましい。木材系天然セルロースとしては、特に限定されず、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプ、など、一般的にセルロースナノファイバーの製造に用いられるものを用いることができる。精製および微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。
さらに微細化セルロース原料は化学改質されていることが好ましい。より具体的には、微細化セルロース原料の結晶表面にアニオン性官能基が導入されていることが好ましい。セルロース結晶表面にアニオン性官能基が導入されていることによって浸透圧効果でセルロース結晶間に溶媒が浸入しやすくなり、セルロース原料の微細化が進行しやすくなるためである。また、アニオン性官能基は親水基であるため、吸湿性能の向上に寄与する。
セルロースの結晶表面に導入されるアニオン性官能基の種類や導入方法は特に限定されないが、カルボキシ基やリン酸基が好ましい。セルロース結晶表面への選択的な導入のしやすさから、カルボキシ基がより好ましい。
セルロースの繊維表面にカルボキシ基を導入する方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、高濃度アルカリ水溶液中でセルロースをモノクロロ酢酸またはモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによりカルボキシメチル化を行ってもよい。また、オートクレーブ中でガス化したマレイン酸やフタル酸等の無水カルボン酸系化合物とセルロースを直接反応させてカルボキシ基を導入してもよい。さらには、水系の比較的温和な条件で、可能な限り構造を保ちながら、アルコール性一級炭素の酸化に対する選択性が高い、TEMPOをはじめとするN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いた手法を用いてもよい。カルボキシ基導入部位の選択性および環境負荷低減のためにはN−オキシル化合物を用いた酸化がより好ましい。
ここで、N−オキシル化合物としては、例えば、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、等が挙げられる。そのなかでも、反応性が高いTEMPOが好ましい。N−オキシル化合物の使用量は、触媒としての量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.01〜5.0質量%程度である。
N−オキシル化合物を用いた酸化方法としては、例えば木材系天然セルロースを水中に分散させ、N−オキシル化合物の共存下で酸化処理する方法が挙げられる。このとき、N−オキシル化合物とともに、共酸化剤を併用することが好ましい。この場合、反応系内において、N−オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、上記オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。この酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。
共酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、酸化反応を推進することが可能であれば、いずれの酸化剤も用いることができる。入手の容易さや反応性から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。上記共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1〜200質量%程度である。
また、N−オキシル化合物および共酸化剤とともに、臭化物およびヨウ化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに併用してもよい。これにより、酸化反応を円滑に進行させることができ、カルボキシ基の導入効率を改善することができる。このような化合物としては、臭化ナトリウムまたは臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1〜50質量%程度である。
酸化反応の反応温度は、4℃以上80℃以下が好ましく、10℃以上70℃以下がより好ましい。酸化反応の反応温度が4℃未満であると、試薬の反応性が低下し反応時間が長くなってしまう傾向がある。酸化反応の反応温度が80℃を超えると副反応が促進して試料であるセルロースが低分子化して高結晶性の剛直な微細化セルロース繊維構造が崩壊し、O/W型エマルションの安定化剤として用いることが困難となる傾向がある。
また、酸化処理の反応時間は、反応温度、所望のカルボキシ基量等を考慮して適宜設定でき、特に限定されないが、通常、10分〜5時間程度である。
酸化反応時の反応系のpHは特に限定されないが、9〜11が好ましい。pHが9以上であると反応を効率良く進めることができる。pHが11を超えると副反応が進行し、試料であるセルロースの分解が促進されてしまうおそれがある。また、酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまうため、酸化処理中、反応系のpHを9〜11に保つことが好ましい。反応系のpHを9〜11に保つ方法としては、例えば、pHの低下に応じてアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。
アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
N−オキシル化合物による酸化反応は、例えば、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは上記の範囲内に保つことが好ましい。添加するアルコールとしては、例えば、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
酸化処理後の反応液は、そのまま微細化工程に供してもよいが、N−オキシル化合物等の触媒、不純物等を除去するために、反応液に含まれる酸化セルロースを回収し、洗浄液で洗浄することが好ましい。酸化セルロースの回収は、例えば、ガラスフィルターや20μm孔径のナイロンメッシュを用いたろ過等の公知の方法により実施できる。酸化セルロースの洗浄に用いる洗浄液としては純水が好ましい。
得られたTEMPO酸化セルロースに対し解繊処理を行うと、3nm前後の均一な繊維幅を有するセルロースシングルナノファイバー(CSNF)が得られる。CSNFを吸着剤5の微細化セルロース1の原料として用いると、その均一な構造に由来して、得られるO/W型エマルションの粒径も均一になりやすい。
以上のように、本実施形態で用いられるCSNFは、セルロース原料を酸化する工程と、微細化して分散液化する工程と、によって得ることができる。また、CSNFに導入するカルボキシ基の含有量としては、0.1mmol/g以上5.0mmol/g以下が好ましく、0.5mmol/g以上2.0mmol/g以下がより好ましい。ここで、カルボキシ基量が0.1mmol/g未満であると、セルロースミクロフィブリル間に浸透圧効果による溶媒進入作用が働かないため、セルロースを微細化して均一に分散させることが困難となる傾向がある。また、カルボキシ基量が5.0mmol/gを超えると化学処理に伴う副反応によりセルロースミクロフィブリルが低分子化するため、高結晶性の剛直な微細化セルロース繊維構造をとることができず、O/W型エマルションの安定化剤として用いることが困難となる傾向がある。
(第2工程)
第2工程は、微細化セルロース1の分散液4中において重合性モノマー液滴2の表面の少なくとも一部を微細化セルロース1で被覆して、重合性モノマー液滴2をエマルションとして安定化させる工程である。
具体的には第1工程で得られた微細化セルロース分散液に重合性モノマーを添加し、さらに重合性モノマーを微細化セルロース分散液中に液滴として分散させ、さらに重合性モノマー液滴2の表面の少なくとも一部を微細化セルロース1によって被覆し、微細化セルロース1によって安定化されたO/W型エマルションを作製する工程である。
O/W型エマルションを作製する方法としては特に限定されないが、一般的な乳化処理、例えば各種ホモジナイザー処理や機械攪拌処理を用いることができ、具体的には高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、万能ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突、ペイントシェイカーなどの機械的処理が挙げられる。また、複数の機械的処理を組み合わせて用いてもよい。
例えば超音波ホモジナイザーを用いる場合、第1工程にて得られた微細化セルロース分散液に対し重合性モノマーを添加して混合溶媒とし、混合溶媒に超音波ホモジナイザーの先端を挿入して超音波処理を実施する。超音波ホモジナイザーの処理条件としては特に限定されないが、例えば周波数は20kHz以上が一般的であり、出力は10W/cm以上が一般的である。処理時間についても特に限定されないが、通常10秒から1時間程度である。
上記超音波処理により、微細化セルロース分散液中に重合性モノマー液滴2が分散してエマルション化が進行し、さらにモノマー液滴2と微細化セルロース分散液の液/液界面に選択的に微細化セルロース1が吸着することで、モノマー液滴2が微細化セルロース1で被覆されO/W型エマルションとして安定した構造を形成する。このように、液/液界面に固体物が吸着して安定化したエマルションは、学術的には「ピッカリングエマルション」と呼称されている。前述のように微細化セルロース繊維によってピッカリングエマルションが形成されるメカニズムは定かではないが、セルロースはその分子構造において水酸基に由来する親水性サイトと炭化水素基に由来する疎水性サイトとを有することから両親媒性を示すため、両親媒性に由来して疎水性モノマーと親水性溶媒の液/液界面に吸着すると考えられる。
O/W型エマルション構造は、例えば、光学顕微鏡観察により確認することができる。O/W型エマルションの粒径サイズは特に限定されないが、通常0.1μm〜1000μm程度である。
O/W型エマルション構造において、モノマー液滴2の表層に形成された微細化セルロース層の厚みは特に限定されないが、通常3nm〜1000nm程度である。微細化セルロース層(被覆層)の厚みは、例えばクライオTEMを用いて計測することができる。
第2工程で用いることができる重合性モノマーの種類としては、ポリマーの単量体であって、その構造中に重合性の官能基を有し、常温で液体であって、水と完全に相溶せず、重合反応によってポリマー(高分子重合体)を形成できるものが好ましく、特に吸湿性と放湿性を有することが好ましい。重合性モノマーは少なくとも一つの重合性官能基を有する。重合性官能基を一つ有する重合性モノマーは単官能モノマーとも称する。また、重合性官能基を二つ以上有する重合性モノマーは多官能モノマーとも称する。重合性モノマーの種類としては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーである(メタ)アクリル系モノマー、ビニル基を有するモノマーであるビニル系モノマーなどが挙げられる。また、エポキシ基やオキセタン構造などの環状エーテル構造を有する重合性モノマー(例えばε−カプロラクトン等、)を用いることも可能である。
なお、「(メタ)アクリレート」の表記は、「アクリレート」と「メタクリレート」との両方を含むことを示す。
単官能の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
単官能のビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルエーテル系、ビニルエステル系、芳香族ビニル系、特にスチレンおよびスチレン系モノマーなど、常温で水と相溶しない液体が好ましい。
単官能ビニル系モノマーのうち(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、単官能芳香族ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、イソブチルトルエン、tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレンなどが挙げられる。
多官能のビニル系モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼンなどの不飽和結合を有する多官能基が挙げられる。常温で水と相溶しない液体が好ましい。
例えば多官能性ビニル系モノマーとしては、具体的には、(1)ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン等のジビニル類、(2)エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート類、(3)トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート類、(4)エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ジプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ジブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート類、(5)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリエチロールエタントリアクリレート等のトリアクリレート類、(6)テトラメチロールメタンテトラアクリレート等のテトラアクリレート類、(7)その他に、例えばテトラメチレンビス(エチルフマレート)、ヘキサメチレンビス(アクリルアミド)、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。
例えば官能性スチレン系モノマーとしては、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、ジビニルビフェニル、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン等が挙げられる。
また、これらの他にも重合性の官能基を少なくとも1つ以上有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができ、特にその材料を限定しない。
上記重合性モノマーは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
第2工程において用いることができる微細化セルロース繊維分散液と重合性モノマーの質量比については特に限定されないが、例えば、微細化セルロース繊維100質量部に対し、重合性モノマーが1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。重合性モノマーが1質量部未満となると吸着剤5の収量が低下する傾向があるため好ましくなく、50質量部を超えると重合性モノマー液滴2を微細化セルロース1で均一に被覆することが困難となる傾向があり好ましくない。
また、重合性モノマーには予め重合開始剤が含まれていてもよい。一般的な重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物やアゾ重合開始剤などのラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えばパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステルなどが挙げられる。
アゾ重合開始剤としては、例えばADVN、AIBNが挙げられる。
例えば2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
第2工程において予め重合開始剤が含まれた状態の重合性モノマーを用いれば、O/W型エマルションを形成した際にエマルション粒子内部の重合性モノマー液滴2中に重合開始剤が含まれるため、後述の第3工程においてエマルション内部のモノマーを重合させる際に重合反応が進行しやすくなる。
第2工程において用いることができる重合性モノマーと重合開始剤の質量比については特に限定されないが、通常、重合性モノマー100質量部に対し、重合開始剤が0.1質量部以上であることが好ましい。重合性モノマーが0.1質量部未満となると重合反応が充分に進行せずに吸着剤5の収量が低下する傾向があるため好ましくない。
また、重合性モノマーには予め重合開始剤以外の他の機能性成分が含まれていてもよい。具体的には調湿剤、発泡剤、磁性体、医薬品、農薬、香料、接着剤、酵素、顔料、染料、消臭剤、金属、金属酸化物、無機酸化物、等が挙げられる。重合性モノマーに、予め重合開始剤以外の他の機能性成分が含まれている場合、吸着剤5として形成した際の粒子内部に上述の機能性成分を含有させることができ、用途に応じた機能発現が可能となる。特に調湿剤を含有させた場合は、ポリマー粒子3の調湿性能が向上するため、吸着剤5の調湿性能を向上させることができる。調湿剤としては、例えばゼオライト、炭、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカゲル等が挙げられる。また、発泡剤を含有させた場合、ポリマー粒子3を多孔体とすることができ、吸着剤5の調湿性能を向上させることができる。
(第3工程)
第3工程は、重合性モノマー液滴2の表面の少なくとも一部が微細化セルロース1で被覆された状態で、重合性モノマー液滴2を重合してポリマー粒子3を形成することで、微細化セルロース1でポリマー粒子3の表面の少なくとも一部が被覆され、かつポリマー粒子3と微細化セルロース1とが不可分の状態にある複合粒子を得る工程である。
重合性モノマーを重合する方法については特に限定されず、用いた重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜選択可能であるが、例えば懸濁重合法が挙げられる。
具体的な懸濁重合の方法についても特に限定されず、公知の方法を用いて実施することができる。例えば第2工程で作製された、重合開始剤を含むモノマー液滴2が微細化セルロース1によって被覆され安定化したO/W型エマルションを攪拌しながら加熱することによって実施することができる。攪拌の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ、具体的にはディスパーや攪拌子を用いることができる。また、攪拌せずに加熱処理のみでもよい。また、加熱時の温度条件については重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜設定することが可能であるが、懸濁液の温度は20度以上150度以下が好ましい。加熱時の温度が20度未満であると重合の反応速度が低下する傾向があるため好ましくなく、150度を超えると微細化セルロース1が変性する可能性があるため好ましくない。重合反応に供する時間は重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜設定することが可能であるが、通常1時間〜24時間程度である。また、重合反応は電磁波の一種である紫外線照射処理によって実施してもよい。また、電磁波以外にも電子線などの粒子線を用いてもよい。
上述の工程を経て、ポリマー粒子3が微細化セルロース1によって被覆された真球状の吸着剤5を作製することができる。
なお、重合反応終了直後の状態は、吸着剤5の分散液中に多量の水と吸着剤5の被覆層に形成に寄与していない遊離した微細化セルロース1が混在した状態となっている。そのため、作製した吸着剤5を回収・精製する必要があり、回収・精製方法としては、遠心分離による洗浄またはろ過洗浄が好ましい。遠心分離による洗浄方法としては公知の方法を用いることができ、具体的には遠心分離によって吸着剤5を沈降させて上澄みを除去し、水・メタノール混合溶媒に再分散する操作を繰り返し、最終的に遠心分離によって得られた沈降物から残留溶媒を除去して吸着剤5を回収することができる。ろ過洗浄についても公知の方法を用いることができ、例えば孔径0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを用いて水とメタノールで吸引ろ過を繰り返し、最終的にメンブレンフィルター上に残留したペーストからさらに残留溶媒を除去して吸着剤5を回収することができる。
残留溶媒の除去方法は特に限定されず、例えば、風乾やオーブンで熱乾燥にて実施することが可能である。こうして得られた吸着剤5を含む乾燥固形物は上述のように膜状や凝集体状にはならず、肌理細やかな粉体として得られる。
(第一実施形態の効果)
本実施形態に係る吸着剤5は、吸着剤5の表面の微細化セルロース1と親和性の高い化学物質を吸着する吸着剤である。微細化セルロース1と親和性の高い化学物質としては、親水性の官能基を有する化合物があり、例えば、水酸基、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基、エーテル基を有する化合物が挙げられる。なかでも、大気中の水分に対して吸湿性と放湿性を有するため、調湿性能を示す。具体的には、25℃で相対湿度0%の雰囲気中で恒量化した前記吸着剤の質量をXgとし、25℃で相対湿度10%以上100%未満の空気と4時間接触させた後の前記吸着剤の質量をXgとしたとき、100×(X−X)/(X×4)で示される吸湿開始から4時間後までの吸湿速度が、0.6%/時間以上であることが好ましい。また、25℃で相対湿度95%の雰囲気中で恒量化した前記吸着剤の質量をXgとし、25℃で相対湿度0%以上90%未満の空気と4時間接触させた後の前記吸着剤の質量をXgとしたとき、−100×(X−X)/(X×4)で示される放湿開始から4時間後までの放湿速度が、0.6%/時間以上であることが好ましい。吸湿速度および放湿速度が0.6%/時間未満である場合、吸着剤5は十分な調湿性能を発揮することができない。
さらに、25℃で相対湿度95%での平衡水分吸湿率が1%以上15%以下であることが好ましい。平衡水分吸湿率が1%未満である場合、吸着剤5は十分な調湿性能を発揮することが困難となる傾向がある。平衡水分吸湿率が15%を超える場合、吸着剤5における微細化セルロース1の割合を増やすために、ポリマー粒子3の粒径サイズを1nm以下に小さくする必要があるが、1nm以下のポリマー粒子3を作製することが困難となる傾向がある。なお、平衡水分吸湿率は、100×(X−X)/Xで示される。
また、本実施形態に係る吸着剤5は、吸着剤5の表面の微細化セルロース1に由来した、生体親和性が高く溶媒中でも凝集することない良好な分散安定性を有する吸着剤である。
また、本実施形態に係る吸着剤5を含む乾燥固形物は肌理細やかな粉体として得られ、粒子同士の凝集がないため、乾燥粉体として得られた吸着剤5は大きい比表面積を保つことができる。
また、本実施形態に係る吸着剤5の製造方法によれば、環境への負荷が低く、簡便な方法で提供することが可能な新規な吸着剤5の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態に係る吸着剤5によれば、溶媒をほとんど除去することが可能なため、輸送費の削減、腐敗リスクの低減、添加剤としての添加効率の向上、疎水性樹脂への混練効率向上といった効果が期待できる。
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の第一実施形態および変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<壁紙>
本実施形態に係る壁紙8は、本発明の第一実施形態に係る吸着剤5を含む壁紙である。
壁紙8の構成は、吸着剤5を含むシート状の構造物であれば特に限定されないが、最表面に吸着剤5が露出しているか、あるいは、吸着剤5の表面が湿度を透過する材料で覆われていることが好ましい。壁紙8の構成の例としては、図2に示す壁紙8のように、基材7の上部に吸着剤5を含む吸湿層6を設けた壁紙である。
壁紙8の作製方法は、基材7等に吸着剤5を含む分散液を塗布して作製してもよく、吸着剤5を含む壁紙用組成物を成形して作製してもよい。吸着剤5を含む分散液を塗布して壁紙8を作製する場合、吸湿層6は、前述の吸着剤5を含む分散液を基材7に塗布し、分散液中の溶媒を加熱等により除去することで得られる。
吸着剤5を含む分散液は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、吸着剤5以外の材料を含有してもよい。上記材料としては特に限定されず、壁紙8の用途等に応じて、公知の添加剤のなかから適宜選択できる。具体的には、アルコキシシラン類の縮合物等の無機バインダー、アクリル系樹脂や塩化ビニル系樹脂等の有機バインダー、調湿剤、無機層状化合物、無機針状鉱物、消泡剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、磁性粉、配向促進剤、可塑剤、架橋剤、磁性体、医薬品、農薬、香料、接着剤、酵素、顔料、染料、消臭剤、金属、金属酸化物、無機酸化物等が挙げられる。
基材7の材料は、例えば、不織布、メッシュ、紙、パルプ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ガラス、およびシリコンなどを含んでもよい。さらに、基材7に、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)やケイ素酸化物(SiOx)による表面修飾を施してもよいが、これらに限られるものではない。基材7は、透明、不透明または反射性であってもよい。また、基材7は、壁紙8の使用目的に合わせて、黒色、白色などの任意の色を有することができる。さらに、基材7は、光沢を有してもよいし、光沢を持たなくてもよい。また、基材7は省略してもよい。
基材7等に吸着剤5を含む分散液を塗布する手段は、例えば、刷毛塗り、筆塗り、鏝塗り、バーコーター、ナイフコーター、ドクターブレード、スクリーン印刷、スプレー塗布、スピンコーター、アプリケーター、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、(マイクロ)グラビアコーター、ディップコート、フレキソ印刷、ポッティング、すきこみ処理等の手法を用いることができ、他の基材、例えば転写基材上に塗布した後に転写してもよい。また、吸着剤5を含む分散液の塗布は、一回のみならず、複数回行ってもよい。吸着剤5を含む分散液に溶媒が含まれる場合は、溶媒を除去しうる程度の温度で加熱乾燥等して、溶媒を除去する必要がある。
図2において、壁紙8は吸湿層6と基材7で構成されているが、必要に応じて、壁紙8の吸湿性を損なわない範囲で、機能層を設けることができる。機能層の役割としては、例えば、吸湿層6が傷つくことを防ぐことや、吸湿層6が汚れることを防ぐことが挙げられる。
(第二実施形態の効果)
本実施形態に係る壁紙8によれば、第一実施形態と同様に、微細化セルロース1と親和性の高い化学物質を吸着できる。また、特に大気中の水分に対して吸湿性と放湿性を有するため、調湿性能を示す。
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の第二実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の各例において、「%」は、特に断りのない限り、質量%(w/w%)を示す。
[各種評価]
(1)調湿性能
下記に記載の実施例1〜7および比較例1〜3で得られた吸着剤について、以下の評価を行った。結果を表1にまとめる。
・吸湿速度:各例で得られた吸着剤を、25℃で相対湿度0%の雰囲気中で恒量化した後に100g秤量した(Xgとする)。恒量化した吸着剤を、25℃で相対湿度95%の空気と4時間接触させた後の質量をXgとして測定し、100×(X−X)/(X×4)より吸湿速度を算出した。
・放湿速度:上記Xgの吸着剤を相対湿度95%で恒量化し、質量を測定した(Xgとする)。恒量化した吸着剤を、25℃で相対湿度0%の空気と4時間接触させた後の質量をXgとして測定し、−100×(X−X)/(X×4)より放湿速度を算出した。
・平衡水分吸湿率:上記測定データを用い、100×(X−X)/Xより平衡水分吸湿率を算出した。
(2)臭い物質に対する吸着性
下記に記載の実施例1〜7および比較例1〜3で得られた吸着剤について、以下の評価を行った。結果を表2にまとめる。
評価方法:各例で得られた吸着剤を10g量り取り、0.1N−アンモニア水を3滴染み込ませた綿とともに500mLの密閉瓶に入れ、1週間放置した。その後、蓋を開けて臭いを嗅いだ。
(3)染料に対する吸着性
下記に記載の実施例7および比較例1〜4で得られた吸着剤について、以下の評価を行った。結果を表3にまとめる。
評価方法:0.05%の濃度のコンゴーレッド水溶液を100mLの密閉瓶に50mL入れ、さらに各例で得られた吸着剤を10g入れた後に1時間攪拌した。攪拌が完了した水溶液を、遠心力75,000gで5分間処理し、上澄み液の色を観察した。ただし、比較例3の市販のCNFは10〜35%の含水状態であり、実施例7および比較例1〜2および4の評価と濃度を揃えるために、コンゴーレッドおよび水の使用量を調節した。
<実施例1>
(第1工程:セルロースナノファイバー分散液を得る工程)
(木材セルロースのTEMPO酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して、水酸化ナトリウムの添加量の合計が3.50mmol/gに達した時点で、約100mLのエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。
(酸化パルプのカルボキシ基量測定)
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプおよび再酸化パルプを固形分質量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めた。結果は1.6mmol/gであった。
(酸化パルプの解繊処理)
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプ1gを99gの蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、CSNF濃度1%のCSNF水分散液を得た。CSNF分散液を光路長1cmの石英セルに入れ、分光光度計(島津製作所社製、「UV−3600」)を用いて分光透過スペクトルの測定を行った結果を図3に示す。図3から明らかなように、CSNF水分散液は高い透明性を示した。また、CSNF水分散液に含まれるCSNFの数平均短軸径は3nm、数平均長軸径は1110nmであった。さらに、レオメーターを用いて定常粘弾性測定を行った結果、CSNF分散液はチキソトロピック性を示した。
(第2工程:O/W型エマルションを作製する工程)
次に、重合性モノマーであるジビニルベンゼン(以下、DVBとも称する。)10gに対し、重合開始剤である2、2−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル(以下、ADVNとも称する。)を1g溶解させた。DVB/ADVN混合溶液全量を、CSNF濃度1%のCSNF分散液40gに対し添加したところ、DVB/ADVN混合溶液とCSNF分散液はそれぞれ透明性の高い状態で2層に分離した。
次に、上記2層分離した状態の混合液における上層の液面から超音波ホモジナイザーのシャフトを挿入し、周波数24kHz、出力400Wの条件で、超音波ホモジナイザー処理を3分間行った。超音波ホモジナイザー処理後の混合液の外観は白濁した乳化液の様態であった。混合液一滴をスライドグラスに滴下し、カバーガラスで封入して光学顕微鏡で観察したところ、1〜数μm程度のエマルション液滴が無数に生成し、O/W型エマルションとして分散安定化している様子が確認された。
(第3工程:重合反応によりCNFで被覆された吸着剤5を得る工程)
O/W型エマルション分散液を、ウォーターバスを用いて70℃の湯浴中に供し、攪拌子で攪拌しながら8時間処理し、重合反応を実施した。8時間処理後に上記分散液を室温まで冷却した。重合反応の前後で分散液の外観に変化はなかった。得られた分散液に対し、遠心力75,000g(gは重力加速度)で5分間処理したところ、沈降物を得た。デカンテーションにより上澄みを除去して沈降物を回収し、さらに孔径0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを用いて、純水とメタノールで繰り返し洗浄した。こうして得られた精製・回収物を1%濃度で再分散させ、粒度分布計(NANOTRAC UPA−EX150、日機装株式会社)を用いて粒径を評価したところ平均粒径2.2μmであった。次に精製・回収物を風乾し、さらに室温25℃にて真空乾燥処理を24時間実施したところ、肌理細やかな乾燥粉体(吸着剤5)を得た。
<実施例2>
実施例1においてDVBの代わりにジエチレングリコールジアクリレート(商品名FA−222A、日立化成、以下、FA−222Aとも称する。)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<実施例3>
実施例1においてDVBの代わりにヘキサンジオールジアクリレート(商品名A−HD−N、新中村化学工業、以下、A−HD−Nとも称する。)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<実施例4>
実施例1において重合開始剤をADVNの代わりに2、2−アゾビス−イソブチロニトリル(以下、AIBNとも称する。)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<実施例5>
実施例1において、TEMPO酸化の代わりに、先行技術文献として挙げた特許文献6に従いカルボキシメチル化(以下、CM化とも称する。)処理を行って得られたCM化CNF分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<実施例6>
実施例1において、TEMPO酸化の代わりに、先行技術文献として挙げた非特許文献1に従いリン酸エステル化処理を行って得られたリン酸エステル化CNF分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<実施例7>
実施例1において、針葉樹クラフトパルプから得るCSNF分散液の代わりに、市販のCNF(セリッシュPC110T、ダイセルファインケム)を用いて、実施例1と同様の条件で吸着剤5を作製し、同様に評価を実施した。
<比較例1>
本実施形態に係る吸着剤ではなく、市販のスチレン−ジビニルベンゼン共重合マイクロビーズ(粒子径4.5μm、テクノケミカル)を用いて、実施例1と同様の評価を実施した。
<比較例2>
本実施形態に係る吸着剤ではなく、市販の微結晶セルロース(カラムクロマト用純セルロースCF−1、ワットマン)を室温25℃にて真空乾燥処理を24時間実施し、実施例1と同様の評価を実施した。
<比較例3>
本実施形態に係る吸着剤ではなく、市販のCNF(セリッシュPC110T、ダイセルファインケム)を室温25℃にて真空乾燥処理を24時間実施し、実施例1と同様の評価を実施した。ただし、染料に対する吸着性の評価については、真空乾燥処理をすることなく用いた。
<比較例4>
本実施形態に係る吸着剤ではなく、市販のスチレン−ジビニルベンゼン共重合マイクロビーズ(粒子径4.5μm、テクノケミカル)に対し、市販のCNF(セリッシュPC110T、ダイセルファインケム)をスプレーコーティングすることで、マイクロビーズ表面をCNFで被覆した。室温25℃にて真空乾燥処理を24時間実施した後に、実施例1と同様に染料に対する吸着性の評価を実施した。
以上の実施例および比較例を用いた評価結果については、以下の表1〜3にまとめて掲載した。
Figure 2019188376
Figure 2019188376
Figure 2019188376
なお、表1〜3において、エマルションの安定化剤とは第2工程においてO/W型エマルションを安定化させるために用いた添加剤のことであって、例えば本実施形態における微細化セルロース1が相当する。
表1の実施例1〜7の評価結果において明らかなように、微細化セルロース1の種類(TEMPO酸化CNF、CM化CNF、リン酸エステル化CNF)、またはモノマーの種類や開始剤の種類により、調湿性能が変化することが確認された。この理由としては、吸着剤の水分に対する親和性が変化したためだと考えられる。また、表2〜3に示すように、臭い物質であるアンモニアや染料に対しても吸着性を示すことが確認された。
一方、比較例1では類似の構成でCNFに被覆されていない市販のマイクロビーズを用いたが、吸湿による質量変化はみられず、アンモニアや染料に対する吸着性は低かった。これは、吸着性を示す微細化セルロースが粒子に含まれていないためだと考えられる。
比較例2では市販の微結晶セルロースを用いたが、調湿性能およびアンモニアや染料に対する吸着力は低いことが確認できた。微結晶セルロースの比表面積は、実施例1〜7で作製した吸着剤に比べて小さいために、吸着性が低いと考えられる。
比較例3では市販のCNFを用いたが、調湿性能およびアンモニアに対する吸着性は低かった。市販のCNFは含水で入手できるが、水を除去するために乾燥させると膜化してしまい、比表面積が小さくなってしまうと考えられる。また、染料に対する吸着性の評価では、CNFが遠心分離にて沈殿しないために無色透明の上澄み液を得ることができず、吸着剤としての使用が困難であることが確認できた。
比較例4では市販のマイクロビーズを市販のCNFでコーティングした吸着剤を用いたが、染料に対する吸着力は低いことが確認できた。これは、吸着性を示すCNFとマイクロビーズとが不可分の状態にないために、水溶液にCNFが溶出したことが原因と考えられ、CNFは遠心分離にて沈殿しないために無色透明の上澄み液を得ることができなかったと予想される。
吸着剤を得るために高温での処理を必要とせず、セルロースナノファイバーの吸着性を維持しつつ、取り扱いが容易であることを特徴とする本発明の吸着剤は、調湿や脱臭の機能をもつ壁紙などに利用できる。
1 セルロースナノファイバー(微細化セルロース)
2 モノマー液滴(重合性モノマー液滴)
3 ポリマー粒子
4 分散液
5 吸着剤
6 吸湿層
7 基材
8 壁紙

Claims (10)

  1. 少なくとも一種類のポリマー粒子と、前記ポリマー粒子の表面の少なくとも一部を覆う微細化セルロースとを有し、前記ポリマー粒子と前記微細化セルロースとが不可分の状態にある複合粒子を含むことを特徴とする吸着剤。
  2. 前記微細化セルロースが、吸湿性と放湿性とを有することを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
  3. 25℃で相対湿度0%の雰囲気中で恒量化した前記吸着剤の質量をXgとし、25℃で相対湿度10%以上100%未満の空気と4時間接触させた後の前記吸着剤の質量をXgとしたとき、100×(X−X)/(X×4)で示される吸湿開始から4時間後までの吸湿速度が、0.6%/時間以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着剤。
  4. 25℃で相対湿度95%の雰囲気中で恒量化した前記吸着剤の質量をXgとし、25℃で相対湿度0%以上90%未満の空気と4時間接触させた後の前記吸着剤の質量をXgとしたとき、−100×(X−X)/(X×4)式で示される放湿開始から4時間後までの放湿速度が、0.6%/時間以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸着剤。
  5. 25℃で相対湿度95%での平衡水分吸湿率が、1%以上15%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸着剤。
  6. 前記微細化セルロースの少なくとも一部は結晶化しており、
    前記微細化セルロースの結晶表面にアニオン性官能基が導入されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸着剤。
  7. 前記ポリマー粒子が、吸湿性と放湿性とを有する成分を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸着剤。
  8. 親水性ガス、臭い物質、色素、アレルギー物質及び揮発性有機化合物の少なくとも一種を吸着することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸着剤。
  9. セルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロースの分散液を得る第1工程と、
    前記分散液中において樹脂液滴の表面の少なくとも一部を前記微細化セルロースで覆い、前記樹脂液滴をエマルションとして安定化させる第2工程と、
    前記樹脂液滴の表面の少なくとも一部が前記微細化セルロースで覆われた状態で、前記樹脂液滴を硬化してポリマー粒子とすることで、前記ポリマー粒子の表面の少なくとも一部が前記微細化セルロースで覆われ、かつ前記ポリマー粒子と前記微細化セルロースとが不可分の状態にある複合粒子を得る第3工程と、を有することを特徴とする吸着剤の製造方法。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸着剤を含むことを特徴とする壁紙。
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