JP2019186303A - コイル部品 - Google Patents

コイル部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2019186303A
JP2019186303A JP2018072370A JP2018072370A JP2019186303A JP 2019186303 A JP2019186303 A JP 2019186303A JP 2018072370 A JP2018072370 A JP 2018072370A JP 2018072370 A JP2018072370 A JP 2018072370A JP 2019186303 A JP2019186303 A JP 2019186303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
coil
turn
coil pattern
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018072370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7147230B2 (ja
Inventor
憲隆 千代
Noritaka Chiyo
憲隆 千代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2018072370A priority Critical patent/JP7147230B2/ja
Priority to US16/361,804 priority patent/US11443893B2/en
Priority to DE102019107583.1A priority patent/DE102019107583A1/de
Priority to CN201910252672.4A priority patent/CN110323049B/zh
Publication of JP2019186303A publication Critical patent/JP2019186303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7147230B2 publication Critical patent/JP7147230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Abstract

【課題】2以上のコイルパターンが並列に接続されてなるコイル部品において、磁性シートからの距離によるインピーダンスの差を低減する。【解決手段】複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回され、平面視で磁性シートと重なるように配置されたコイルパターン100,200を備える。コイルパターン100とコイルパターン200は並列に接続され、コイルパターン100はコイルパターン200よりも磁性シート3の近くに配置され、コイルパターン200の線路長はコイルパターン100の線路長よりも長い。本発明によれば、コイルパターン100とコイルパターン200の線路長に差を設けていることから、各コイルパターンのインピーダンスを微調整することができる。これにより、コイルパターン100とコイルパターン200のインピーダンス差をより小さくすることができることから、コイル部品全体の損失を低減することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明はコイル部品に関し、特に、平面スパイラル状のコイルパターンを有するコイル部品に関する。
近年、電源ケーブルや電源コードを用いずに電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが注目されている。ワイヤレス電力伝送システムは、送電側から受電側にワイヤレスで電力を供給できることから、電車、電気自動車等の輸送機器、家電製品、電子機器、無線通信機器、玩具、産業機器といった様々な製品への応用が期待されている。ワイヤレス電力伝送システムには、送電コイル及び受電コイルが用いられ、送電コイルによって生成された磁束を受電コイルに鎖交させることによってワイヤレスで電力が伝送される。
ワイヤレス電力伝送システム用のコイル部品として、特許文献1及び2には、平面スパイラル状のコイルパターンを複数個並列に接続したコイル部品が開示されている。複数のコイルパターンを並列に接続すれば、送電コイル及び受電コイルにより大きな電流を流すことができることから、ワイヤレスに伝送可能な電力を増加させることが可能となる。
特開2016−93088号公報 特開2008−205215号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたコイル部品は、並列に接続される複数のコイルパターンのパターン形状が互いにほぼ同一であることから、磁性シートからの距離に応じたインダクタンス差によって、各コイルパターンのインピーダンスに差が生じ、インピーダンス差に起因する電流の偏りによって損失が大きくなるという問題があった。
これに関し、特許文献1では、磁性シートからの距離が最も近いコイルパターンと磁性シートからの距離が最も遠いコイルパターンを直列に接続することによって第1のコイルユニットを形成するとともに、磁性シートからの距離が2番目に近いコイルパターンと磁性シートからの距離が2番目に遠いコイルパターンを直列に接続することによって第2のコイルユニットを形成し、これら第1及び第2のコイルユニットを並列に接続することによってインピーダンスのバランスを取る方法が提案されている。しかしながら、この方法では、磁性シートと各コイルパターン位置関係によっては、第1のコイルユニットと第2のコイルユニットのインピーダンスが必ずしも一致しないという問題があった。
特許文献2についても同様であり、2つのコイルパターンを直列に接続することによって1つのコイルユニットを形成するとともに、2つのコイルユニットを並列に接続する構成が開示されているが、コイルユニットを構成する2つのコイルパターンの組み合わせを変えるだけでは、2つのコイルユニットのインピーダンスを一致させることは困難であり、インピーダンス差に起因する電流の偏りによって損失が大きくなるという問題があった。
また、特許文献1及び2に記載されたコイル部品は、4つ以上のコイルパターンの存在が前提であり、それ以下の数のコイルを並列に接続する場合には、インピーダンスのバランスを取ることはできない。
したがって、本発明は、2以上のコイルパターンが並列に接続されてなるコイル部品であって、磁性シートからの距離によるインピーダンスの差をより低減することが可能なコイル部品を提供することを目的とする。
本発明によるコイル部品は、磁性シートと、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回され、平面視で磁性シートと重なるように配置された第1及び第2のコイルパターンとを備え、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンは並列に接続され、第1のコイルパターンは、第2のコイルパターンよりも磁性シートの近くに配置され、第2のコイルパターンの線路長は、第1のコイルパターンの線路長よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンの線路長に差を設けていることから、各コイルパターンのインピーダンスを微調整することができる。これにより、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンのインピーダンス差をより小さくすることができることから、コイル部品全体のインピーダンス差を低減することが可能となる。その結果、インピーダンス差に起因する損失を低減することが可能となる。
本発明において、第2のコイルパターンの内径は第1のコイルパターンの内径よりも大きくても構わない。これによれば、第2のコイルパターンの内径が第1のコイルパターンの内径よりも大きい分、第2のコイルパターンの線路長を拡大することができる。
本発明において、第2のコイルパターンの外径は第1のコイルパターンの外径よりも大きくても構わない。これによれば、第2のコイルパターンの外径が第1のコイルパターンの外径よりも大きい分、第2のコイルパターンの線路長を拡大することができる。
本発明において、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンのターン数は互いに同じであっても構わない。この場合であっても、第2のコイルパターンの内径又は外径を第1のコイルパターンよりも大きくすることにより、第2のコイルパターンの線路長を拡大することができる。
本発明において、第2のコイルパターンは第1のコイルパターンよりもターン数が多くても構わない。これによれば、第2のコイルパターンのターン数が第1のコイルパターンのターン数よりも多い分、第2のコイルパターンの線路長を拡大することができる。
本発明において、第1及び第2のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンと、最内周ターン又は最外周ターンから数えたターン数が全体の中間である中間ターンと、線路長の中心位置とを有し、第1のコイルパターンは、最内周ターンのパターン幅及び最外周ターンのパターン幅よりも、中心位置におけるパターン幅の方が大きく、且つ、最内周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、最外周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きく、第2のコイルパターンは、最内周ターンのパターン幅及び最外周ターンのパターン幅よりも、中心位置におけるパターン幅の方が大きく、且つ、最内周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、最外周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きくても構わない。これによれば、最内周ターンのパターン幅及び最外周ターンのパターン幅を狭くしていることから、磁界の影響に起因する損失を低減することができる。しかも、最内周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、最外周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きいことから、磁界の影響をより強く受ける内周側における損失がより低減される。このため、コイルパターンのパターン幅を内周側と外周側で単純に対称とした場合と比べ、交流抵抗をよりいっそう低減することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンは、中間ターンのパターン幅よりも中心位置におけるパターン幅の方が大きく、第2のコイルパターンは、中間ターンのパターン幅よりも中心位置におけるパターン幅の方が大きくても構わない。これによれば、磁界の影響が小さい部分のパターン幅が拡大されることから、磁界の影響による損失を低減しつつ、直流抵抗を低減することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンは、最外周ターンのパターン幅よりも最内周ターンのパターン幅の方が小さく、第2のコイルパターンは、最外周ターンのパターン幅よりも最内周ターンのパターン幅の方が小さくても構わない。これによれば、磁界の影響を最も強く受ける最内周ターンにおける損失をより低減することが可能となる。
本発明によるコイル部品は、平面視で磁性シートと重なるように配置された第1及び第2の基板をさらに備え、第1のコイルパターンは、第1の基板の一方の表面に形成され、第2のコイルパターンは、第2の基板の一方の表面に形成されていても構わない。これによれば、線路長の異なる2つのコイルパターンをそれぞれ異なる基板に形成することが可能となる。
本発明によるコイル部品は、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第3及び第4のコイルパターンをさらに備え、第3のコイルパターンは、第1の基板の他方の表面に形成され、第4のコイルパターンは、第2の基板の他方の表面に形成され、第1のコイルパターンの内周端と第3のコイルパターンの内周端が互いに接続され、第2のコイルパターンの内周端と第4のコイルパターンの内周端が互いに接続され、第4のコイルパターンの線路長は、第3のコイルパターンの線路長よりも長くても構わない。これによれば、直列に接続された第1及び第3のコイルパターンによって第1のコイルユニットが形成され、直列に接続された第2及び第4のコイルパターンによって第2のコイルユニットが形成されるとともに、これら2つのコイルユニット間におけるインダクタンスの差を低減することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された第1及び第2の導体パターンを含む複数の導体パターンからなり、第3のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された第3及び第4の導体パターンを含む複数の導体パターンからなるものであっても構わない。これによれば、電流密度の偏りが低減されるため、直流抵抗や交流抵抗をより低減することが可能となる。
本発明において、第1の導体パターンは、第2の導体パターンよりも外周側に位置し、第3の導体パターンは、第4の導体パターンよりも外周側に位置し、第1の導体パターンの内周端と第4の導体パターンの内周端が互いに接続され、第2の導体パターンの内周端と第3の導体パターンの内周端が互いに接続されていても構わない。これによれば、内周側に位置する導体パターンと外周側に位置する導体パターンの電流密度分布がより均一化されるため、直流抵抗や交流抵抗をよりいっそう低減することが可能となる。
このように、本発明によるコイル部品は、磁性シートからの距離によるインピーダンスの差をより低減できることから、交流での抵抗損失の小さいコイル部品を提供することが可能となる。したがって、本発明によるコイル部品をワイヤレス電力伝送システムの受電コイル又は送電コイルに用いれば、電力伝送に伴う発熱を低減することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるコイル部品1の構成を説明するための略断面図である。 図2は、コイルユニットU1を構成するコイルパターン100のパターン形状を説明するための略平面図である。 図3は、コイルユニットU1を構成するコイルパターン300のパターン形状を説明するための略平面図である。 図4は、コイル部品1の等価回路図である。 図5は、コイル部品1を用いたワイヤレス電力伝送システムのブロック図である。 図6は、第1の実施形態の第1の変形例によるコイル部品1aの構成を説明するための略断面図である。 図7は、第1の実施形態の第2の変形例によるコイル部品1bの構成を説明するための略断面図である。 図8は、図2及び図3に示すD−D線に沿った略断面図である。 図9は、導体パターンの径方向位置とパターン幅の関係を説明するためのグラフである。 図10は、総ターン数が奇数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な断面図である。 図11は、総ターン数が偶数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な断面図である。 図12は、総ターン数が偶数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な平面図である。 図13は、総ターン数が奇数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な平面図である。 図14は、変形例によるコイルユニットの略断面図である。 図15は、本発明の第2の実施形態によるコイル部品2に含まれる第1のコイルパターン100aのパターン形状を説明するための略平面図である。 図16は、本発明の第2の実施形態によるコイル部品2に含まれる第3のコイルパターン300aのパターン形状を説明するための略平面図である。 図17は、コイル部品2の等価回路図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態によるコイル部品1の構成を説明するための略断面図である。
図1に示すように、本実施形態によるコイル部品1は、磁性シート3と、磁性シート3と重なるように配置された3つのコイルユニットU1〜U3によって構成されている。磁性シート3は、フェライト、パーマロイ、複合磁性材料などの高透磁率材料からなるシート部材であり、コイルユニットU1〜U3に鎖交する磁束の磁路として機能する。
コイルユニットU1〜U3は、基板の両面にコイルパターンが形成されてなるユニットであり、平面視でそれぞれの内径領域が重なるよう、磁性シート3上に配置されている。磁性シート3からの距離はコイルユニットU1が最も近く、コイルユニットU3が最も遠い。つまり、磁性シート3とコイルユニットU1〜U3のコイル軸方向における距離をそれぞれD1〜D3とした場合、
D1<D2<D3
である。
コイルユニットU1は、基板10と、基板10の一方の表面11に形成された第1のコイルパターン100と、基板10の他方の表面12に形成された第3のコイルパターン300とを備えている。コイルユニットU2は、基板20と、基板20の一方の表面21に形成された第2のコイルパターン200と、基板20の他方の表面22に形成された第4のコイルパターン400とを備えている。コイルユニットU3は、基板30と、基板30の一方の表面31に形成された第5のコイルパターン500と、基板30の他方の表面32に形成された第6のコイルパターン600とを備えている。基板10,20,30の材料については特に限定されないが、PET樹脂などの透明又は半透明なフレキシブル材料を用いることができる。また、基板10,20,30は、ガラスクロスにエポキシ系樹脂が含浸されたフレキシブル基板であっても構わない。また、本実施形態においては、コイルパターン100,200,300,400,500,600のターン数は互いに同じである。
図1に示すように、コイルユニットU1を構成するコイルパターン100,300の内径をφ1A、外径をφ1Bとし、コイルユニットU2を構成するコイルパターン200,400の内径をφ2A、外径をφ2Bとし、コイルユニットU3を構成するコイルパターン500,600の内径をφ3A、外径をφ3Bとした場合、本実施形態においては、
φ1A<φ2A<φ3A
を満たし、且つ、
φ1B<φ2B<φ3B
を満たしている。つまり、磁性シート3からの距離が最も近いコイルユニットU1の内径φ1A及び外径φ1Bが最も小さく、磁性シート3からの距離が最も遠いコイルユニットU3の内径φ3A及び外径φ3Bが最も大きい。
そして、コイルパターン100,200,300,400,500,600のターン数は互いに同じであることから、コイルユニットU1を構成するコイルパターン100,300の線路長よりもコイルユニットU2を構成するコイルパターン200,400の線路長の方が長く、コイルユニットU2を構成するコイルパターン200,400の線路長よりもコイルユニットU3を構成するコイルパターン500,600の線路長の方が長くなる。なお、本実施形態では、後述するように、コイルパターン100,200,300,400,500,600はスパイラル状のスリットによって径方向に分割された複数の並列線路を有するが、この場合、各コイルパターン100,200,300,400,500,600の分割された複数の線路の平均線路長を各コイルパターン100,200,300,400,500,600の線路長として考えてもよい。
図2及び図3は、それぞれコイルユニットU1を構成するコイルパターン100,300のパターン形状を説明するための略平面図である。
図2に示すように、第1のコイルパターン100は、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された平面導体によって構成される。図2に示す例では、第1のコイルパターン100がターン110〜ターン150からなる5ターン構成であり、ターン110が最外周ターンを構成し、ターン150が最内周ターンを構成する。また、各ターン110〜150は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。これにより、ターン110は導体パターン111〜114に分割され、ターン120は導体パターン121〜124に分割され、ターン130は導体パターン131〜134に分割され、ターン140は導体パターン141〜144に分割され、ターン150は導体パターン151〜154に分割される。したがって、分割された導体パターン単位で見れば、導体パターン111が最外周ターンを構成し、導体パターン154が最内周ターンを構成する。
最外周に位置するターン110の導体パターン111〜114は、径方向に延在する引き出しパターン171を介して、端子電極E1aに接続される。また、引き出しパターン171に対して周方向に隣接する位置には、径方向に延在する引き出しパターン172が設けられており、その先端部は端子電極E2bに接続される。一方、最内周に位置するターン150の導体パターン151〜154の内周端は、それぞれスルーホール導体H1〜H4に接続される。
第1のコイルパターン100を構成する各ターン110〜150は、径方向における位置が変化しない円周領域A1と、径方向における位置が遷移する遷移領域B1を有しており、この遷移領域B1を境界としてターン110〜ターン150からなる5ターンが定義される。図2に示すように、本実施形態においては第1のコイルパターン100の外周端及び内周端がいずれも遷移領域B1に位置している。さらに、第1のコイルパターン100の中心点C1から放射状に延在し、引き出しパターン171と引き出しパターン172の間を通過する仮想線L1を引いた場合、遷移領域B1は仮想線L1上に位置している。また、スルーホール導体H1とスルーホール導体H4は、仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置され、スルーホール導体H2とスルーホール導体H3は、仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置されている。
図3に示すように、第3のコイルパターン300は、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された平面導体によって構成される。図3に示す例では、第3のコイルパターン300がターン310〜ターン350からなる5ターン構成であり、ターン310が最外周ターンを構成し、ターン350が最内周ターンを構成する。また、各ターン310〜350は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。これにより、ターン310は導体パターン311〜314に分割され、ターン320は導体パターン321〜324に分割され、ターン330は導体パターン331〜334に分割され、ターン340は導体パターン341〜344に分割され、ターン350は導体パターン351〜354に分割される。したがって、分割された導体パターン単位で見れば、導体パターン311が最外周ターンを構成し、導体パターン354が最内周ターンを構成する。
最外周に位置するターン310の導体パターン311〜314は、径方向に延在する引き出しパターン371を介して、端子電極E2aに接続される。また、引き出しパターン371に対して周方向に隣接する位置には、径方向に延在する引き出しパターン372が設けられており、その先端部は端子電極E1bに接続される。一方、最内周に位置するターン350の導体パターン351〜354の内周端は、それぞれスルーホール導体H4,H3,H2,H1に接続される。
第3のコイルパターン300を構成する各ターン310〜350は、径方向における位置が変化しない円周領域A2と、径方向における位置が遷移する遷移領域B2を有しており、この遷移領域B2を境界としてターン310〜ターン350からなる5ターンが定義される。図3に示すように、本実施形態においては第3のコイルパターン300の外周端及び内周端がいずれも遷移領域B2に位置している。さらに、第3のコイルパターン300の中心点C2から放射状に延在し、引き出しパターン371と引き出しパターン372の間を通過する仮想線L2を引いた場合、遷移領域B2は仮想線L2上に位置している。
このような構成を有する第1及び第3のコイルパターン100,300は、中心点C1,C2が重なり、且つ、仮想線L1,L2が重なるよう、それぞれ基板10の一方の表面11及び他方の表面12に形成される。これにより、端子電極E1a,E1bが重なるとともに、端子電極E2a,E2bが重なる。端子電極E1a,E1bは、引き出しパターン171と引き出しパターン372を接続するスルーホール導体H5を介して短絡され、単一の端子電極E1として用いられる。同様に、端子電極E2a,E2bは、引き出しパターン172と引き出しパターン371を接続するスルーホール導体H6を介して短絡され、単一の端子電極E2として用いられる。
さらに、スルーホール導体H1を介して導体パターン151,354が互いに短絡され、スルーホール導体H2を介して導体パターン152,353が互いに短絡され、スルーホール導体H3を介して導体パターン153,352が互いに短絡され、スルーホール導体H4を介して導体パターン154,351が互いに短絡されることから、第1のコイルパターン100と第3のコイルパターン300は図4に示すように直列接続され、合計で10ターンのスパイラルコイルが構成されることになる。
他のコイルユニットU2,U3についても、内径及び外径が異なる他はコイルユニットU1と同じ構成を有している。つまり、コイルユニットU2を構成するコイルパターン200,400も直列に接続され、コイルユニットU3を構成するコイルパターン500,600も直列に接続される。そして、これらコイルユニットU1〜U3は、図4に示すように互いに並列に接続される。これにより、1つのコイルユニットのみを使用する場合と比べて約3倍の電流を流すことが可能となる。
本実施形態によるコイル部品1は、図5に示すワイヤレス電力伝送システムに応用することが可能である。図5に示すワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス送電装置TXとワイヤレス受電装置RXからなるシステムであり、空間40を介して、ワイヤレス送電装置TXに含まれる送電コイル51とワイヤレス受電装置RXに含まれる受電コイル61を対向させることにより、ワイヤレスで電力伝送を行うことができる。送電コイル51は、電源回路、インバータ回路、共振回路などを含む送電回路52に接続され、送電回路52から交流の電流が供給される。受電コイル61は、共振回路、整流回路、平滑回路などを含む受電回路62に接続される。そして、送電コイル51と受電コイル61を向かい合わせることにより両者を磁気結合させれば、ワイヤレス送電装置TXからワイヤレス受電装置RXへ空間40を介してワイヤレスに電力を伝送することができる。
このような構成を有するワイヤレス電力伝送システムにおいて、送電コイル51や受電コイル61として本実施形態によるコイル部品1のコイルユニットU1〜U3を利用することができる。この場合、送電コイル51から見て空間40の反対側に配置された磁性シート53や、受電コイル61から見て空間40の反対側に配置された磁性シート63は、図1に示す磁性シート3に対応する。磁性シート53,63(磁性シート3)を配置すれば、送電コイル51及び受電コイル61(コイルユニットU1〜U3)のインダクタンスが高められ、より効率的な電力伝送を行うことが可能となる。
その一方で、磁性シート3が存在すると、コイルユニットU1〜U3のターン数が互いに同一であっても、磁性シート3からの距離に応じたインダクタンス差によって、各コイルユニットU1〜U3のインピーダンスに差が生じる。コイルユニットU1〜U3にインピーダンス差が存在すると、インピーダンス差に起因する電流の偏りによって損失が大きくなってしまう。その結果、図5に示すワイヤレス電力伝送システムの受電コイル51又は送電コイル61に用いた場合、電力伝送に伴う発熱が大きくなってしまう。
この点を考慮し、本実施形態においては、コイルユニットU1〜U3間において線路長に差を設けている。つまり、磁性シート3からの距離が最も近く、これにより最もインピーダンスの大きいコイルユニットU1の線路長をコイルユニットU2の線路長よりも短くすることによってインダクタンスを小さくし、且つ、磁性シート3からの距離が最も遠く、これにより最もインピーダンスの小さいコイルユニットU3の線路長をコイルユニットU2の線路長よりも長くすることによってインダクタンスを大きくしている。これにより、3つのコイルユニットU1〜U3のインダクタンス差が縮小することから、インピーダンス差に起因する電流の偏りが低減され、理想的には一致する。その結果、図4に示す回路全体の損失を低減することが可能となる。
そして、本実施形態においては、各コイルユニットU1〜U3のインピーダンスをコイルパターンの線路長によって調整していることから、インピーダンスの微調整が可能である。このため、磁性シート3からの距離やターン数などのパラメータに応じて線路長を適切に設計することにより、コイルユニットU1〜U3のインピーダンス差を確実に縮小することが可能となる。
尚、図1に示す例では、内径及び外径ともに、コイルユニットU1,U2,U3の順に大きくなる構成を有しているが、本発明においてこの点は必須でない。したがって、図6に示す第1の変形例によるコイル部品1aのように、コイルユニットU1〜U3の内径φAを一致させ、コイルユニットU1〜U3の外径を
φ1B<φ2B<φ3B
とすることによって、コイルユニットU1,U2,U3の順に線路長を長くしても構わないし、図7に示す第2の変形例によるコイル部品1bのように、コイルユニットU1〜U3の外径φBを一致させ、コイルユニットU1〜U3の内径を
φ1A<φ2A<φ3A
とすることによって、コイルユニットU1,U2,U3の順に線路長を長くしても構わない。さらには、図示しないが、コイルユニットU1〜U3の内径又は外径に差を設けるのに加え、又はこれに代えて、コイルユニットU1,U2,U3の順にターン数を多くしても構わない。
図8は、図2及び図3に示すD−D線に沿った略断面図である。尚、図2及び図3に示すD−D断面はコイルユニットU1の断面に対応するが、他のコイルユニットU2,U3の断面についても、内径又は外径が異なる他は、図2及び図3に示すD−D断面と同じである。
特に限定されるものではないが、図8に示すように、第1のコイルパターン100の円周領域A1に位置する各導体パターンと、第3のコイルパターン300の円周領域A2に位置する各導体パターンは、平面方向における位置が完全に一致している。これにより、平面視で基板10が導体パターンで覆われる部分の面積が小さくなることから、渦電流損を低減することが可能となる。しかも、円周領域A1に位置する各導体パターンと円周領域A2に位置する各導体パターンが重なることにより、第1のコイルパターン100と第3のコイルパターン300の視覚的な干渉を最小限に抑えることができる。つまり、基板10が透明又は半透明であっても、第1のコイルパターン100を外観検査する際に第3のコイルパターン300が視覚的な障害とならず、逆に、第3のコイルパターン300を外観検査する際に第1のコイルパターン100が視覚的な障害とならない。これにより、検査装置を用いた外観検査を正しく実行することが可能となる。
特に限定されるものではないが、本実施形態によるコイル部品1は、図8に示すように、第1及び第3のコイルパターン100,300のパターン幅が一定ではなく、内周側及び外周側においてパターン幅が狭く、中心側においてパターン幅が広いという特徴を有している。
より具体的に説明すると、最内周ターンを構成する導体パターン154,354のパターン幅をW1、最外周ターンを構成する導体パターン111,311のパターン幅をW2、最内周ターン又は最外周ターンから数えてターン数が全体の中間である中間ターンを構成する導体パターン133,333(又は132,332)のパターン幅をW3,導体パターンに沿ったコイルパターンの線路長の中心位置となる導体パターン124,324のパターン幅をW4とした場合、
W1,W2<W3,W4
を満たしている。
最内周ターン及び最外周ターンのパターン幅W1,W2を縮小しているのは、この部分における磁界が強く、渦電流による発熱によって大きな損失が発生するからである。つまり、最内周ターン及び最外周ターンのパターン幅W1,W2を縮小することにより、最内周ターン及び最外周ターンと干渉する磁束が減少することから、発生する渦電流を低減することができる。最内周ターンのパターン幅W1は、コイルパターン100,300のパターン厚よりも大きいことが好ましい。これによれば、コイルパターン100,300に流れる渦電流が導体パターンの径方向における両側に集中することから、コイルパターン100,300のパターン幅を狭くすることによる損失の低減効果を顕著に得ることが可能となる。
さらに、導体パターンのパターン厚は、最外周ターンよりも最内周ターンの方が薄くても構わない。特に、最外周ターンから最内周ターンに向かって、パターン厚が徐々に又は段階的に薄くなる構成とすることが好ましい。これによれば、渦電流の影響をより強く受ける内周側において、パターン幅を狭くすることによる損失の低減効果が顕著となる。
図9は、導体パターンの径方向位置とパターン幅の関係を説明するためのグラフである。図9において、実線はコイルユニットU1〜U3のパターン幅を示し、破線は参考例におけるパターン幅を示している。参考例は、導体パターンのパターン幅を一定とした例である。
図9に示す例では、最内周ターンのパターン幅W1が最も小さく、最内周ターンから線路長の中心位置に向かってパターン幅が徐々にまたは段階的に拡大し、線路長の中心位置におけるパターン幅W4が最大となる。そして、線路長の中心位置から最外周ターンに向かってパターン幅が徐々にまたは段階的に縮小し、最外周ターンにおいてパターン幅がW2となる。図9に示す例では、最内周ターンのパターン幅W1が最外周ターンのパターン幅W2よりも小さい。これは、最内周ターンの方が最外周ターンよりも磁界が強いためであり、これをパターン幅に反映させたものである。これにより、図9に示す例では、
W1<W2<W3<W4
を満たしている。参考例では全てのターンにおいて導体パターンのパターン幅がW0である。
また、線路長の中心位置は中間ターンよりも外周側に位置し、この部分においてパターン幅W4が最大となる。これは、線路長の中心の方が中間ターンよりも磁界が弱いためであり、これをパターン幅に反映させたものである。図9に示す例では、線路長の中心位置が最大のパターン幅W4を有しており、ここから離れるにしたがってパターン幅が減少することから、中間ターンを中心に考えると、中間ターンから見て内周側に位置する各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、中間ターンから見て外周側に位置する各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きくなる。つまり、図9に示すグラフの領域F1よりも領域F2の方が大きい。このように、図9に示す例では、中間ターンを中心に考えると、パターン幅が内周側と外周側で対称ではない。
ここで、中間ターンとは、図10に示すようにコイルパターンTのターン数が奇数(例えば11ターン)である場合は、最内周ターンTiから数えたターン数と最外周ターンToから数えたターン数が一致するターンT1(例えば第6ターン)が該当する。
また、図11に示すようにコイルパターンTのターン数が偶数(例えば10ターン)である場合は、最内周ターンTiから数えたターン数が総ターン数の半分に相当するターンT2(例えば内周端から数えて第5ターン)、或いは、最外周ターンToから数えたターン数が総ターン数の半分に相当するターンT3(例えば外周端から数えて第5ターン)が該当する。コイルパターンTのターン数が偶数である場合、ターンT2とターンT3の両方を中間ターンと見なしても構わないし、いずれか一方を中間ターンと見なしても構わない。また、ターンT2のパターン幅とターンT3のパターン幅の平均値を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。
さらには、図12に示すように、ターン数の中心位置における導体パターンのパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。図12に示す例では、コイルパターンTの総ターン数が4ターンであることから、内周端又は外周端から数えてちょうど2ターン目となる位置T4のパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。この点は、総ターン数が奇数である場合も同様であり、図13に示すように、コイルパターンTの総ターン数が5ターンであれば、内周端又は外周端から数えてちょうど2.5ターン目となる位置T5のパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。
一方、本実施形態のように、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されている場合には、各導体パターンを1ターンと見なして中間ターンを特定すれば良い。つまり、1ターンが複数の導体パターンに分割されているか否かにかかわらず、断面に現れる導体パターンの数(図8に示す例では20個)に基づいて中間ターンを特定すれば良い。
線路長の中心位置については、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されていない場合、つまり、コイルパターンが単純なスパイラルパターンである場合には、コイルパターンに沿ったコイル長のちょうど中間位置がこれに該当する。一方、本実施形態のように、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されている場合には、全導体パターンが内周端から外周端に向かって一筆書き可能な単純なスパイラルパターンであると仮定した場合における、コイルパターンに沿ったコイル長のちょうど中間位置を線路長の中心位置としても構わない。この場合、図2に示す例では、導体パターン111〜114,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154からなる計20個の導体パターンがスパイラル状に接続され、これによりコイルパターン100のターン数が20ターンであると仮定した場合における線路長の中心位置がこれに該当する。或いは、各ターンを構成する複数の導体パターンの長さを平均化して、その合計を線路長とし、これに基づいて中心位置を定義しても構わない。
このように、磁界の強度に応じてコイルパターンのパターン幅を設計すれば、パターン幅を一定とした場合と比べ、交流抵抗をより低減することが可能となる。
しかも、本実施形態によるコイル部品は、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に4分割されていることから、このようなスリットを設けない場合と比べて、電流密度の偏りが低減される。その結果、直流抵抗や交流抵抗を低減することができる。しかも、第1のコイルパターン100と第3のコイルパターン300との間で導体部分の径方向位置が完全に入れ替えられていることから、内外周差が相殺される。これにより、電流密度分布が均一化されることから、直流抵抗や交流抵抗をよりいっそう低減することが可能となる。
また、図8に示す例では、径方向に隣接するターン間のスペースSが一定幅とされている。これにより、パターン幅の狭い内周端近傍または外周端近傍において無駄なスペースが生じないことから、パターン幅を十分に確保することができ、直流抵抗が低減される。但し、本発明においてこの点は必須でなく、図14に示す変形例のように、パターン幅に応じてスペースSを変化させても構わない。図14に示す例では、各導体パターンの径方向におけるピッチPが一定であり、これにより、パターン幅が狭いほどスペースSが大きく、パターン幅が広いほどスペースSが小さくなるよう設計されている。これによれば、パターン幅を一定とした場合と同じインダクタンスを得ることが可能となる。
<第2の実施形態>
図15及び図16は、それぞれ本発明の第2の実施形態によるコイル部品2に含まれる第1のコイルパターン100a及び第3のコイルパターン300aのパターン形状を説明するための略平面図である。
第1及び第3のコイルパターン100a,300aは、図2及び図3に示した第1及び第3のコイルパターン100,300の代わりに用いられるパターンであり、他のコイルユニットU2,U3についても、内径又は外径が異なる他は、同様のパターンが用いられる。
図15に示すように、第1のコイルパターン100aは、図2に示した第1のコイルパターン100に導体パターン161,162を追加し、導体パターン161,162の内周端にそれぞれスルーホール導体H7,H8を設けた構成を有している。導体パターン161は導体パターン151から連続する1ターンの導体パターンであり、導体パターン162は導体パターン152から連続する1ターンの導体パターンである。本実施形態においては、スルーホール導体H3とスルーホール導体H8が仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置され、スルーホール導体H4とスルーホール導体H7が仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置されている。その他の基本的な構成は、図2に示した第1のコイルパターン100と同一であることから、同一の要素には同一の部号を付し、重複する説明は省略する。コイルユニットU2に含まれるコイルパターン200や、コイルユニットU3に含まれるコイルパターン500についても、内径又は外径が異なる他は、図15に示す第1のコイルパターン100aと同じパターン形状を有している。
図16に示すように、第3のコイルパターン300aは、図3に示した第3のコイルパターン300に導体パターン361,362を追加し、導体パターン361,362の内周端にそれぞれスルーホール導体H4,H3を設けた構成を有している。導体パターン361は導体パターン351から連続する1ターンの導体パターンであり、導体パターン362は導体パターン352から連続する1ターンの導体パターンである。また、導体パターン353,354の内周端は、それぞれスルーホール導体H8,H7に接続されている。その他の基本的な構成は、図3に示した第3のコイルパターン300と同一であることから、同一の要素には同一の部号を付し、重複する説明は省略する。コイルユニットU2に含まれるコイルパターン400や、コイルユニットU3に含まれるコイルパターン600についても、内径又は外径が異なる他は、図16に示す第3のコイルパターン300aと同じパターン形状を有している。
このような構成を有する第1及び第3のコイルパターン100a,300aは、中心点C1,C2が重なり、且つ、仮想線L1,L2が重なるよう、それぞれ基板10の一方の表面11及び他方の表面12に形成される。これにより、スルーホール導体H3を介して導体パターン153,362が互いに短絡され、スルーホール導体H4を介して導体パターン154,361が互いに短絡され、スルーホール導体H7を介して導体パターン161,354が互いに短絡され、スルーホール導体H8を介して導体パターン162,353が互いに短絡されることから、第1のコイルパターン100aと第3のコイルパターン300aは図17に示すように直列接続され、合計で11ターンのスパイラルコイルが構成されることになる。
このように、本実施形態においては、表裏で同一のパターン形状を用いているにもかかわらず、奇数ターンのスパイラルコイルを実現することが可能となる。
他のコイルユニットU2,U3についても、内径及び外径が異なる他はコイルユニットU1と同じ構成を有している。つまり、コイルユニットU2を構成するコイルパターン200,400も直列に接続されて11ターンのスパイラルコイルを構成し、コイルユニットU3を構成するコイルパターン500,600も直列に接続されて11ターンのスパイラルコイルを構成する。そして、これらコイルユニットU1〜U3は、図17に示すように互いに並列に接続される。これにより、1つのコイルユニットのみを使用する場合と比べて約3倍の電流を流すことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、3つのコイルユニットU1〜U3を用いているが、本発明がこれに限定されるものではなく、並列接続された2以上のコイルユニット又はコイルパターンを備えていれば足りる。
また、上記各実施形態においては、基板の表裏に形成された2つのコイルパターンを直列に接続することによって1つのコイルユニットを構成しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、各コイルユニットが少なくとも1つのコイルパターンを含んでいれば足りる。
さらに、上記各実施形態においては、コイルパターンを構成する各ターンをスパイラル状のスリットによって4つの導体パターンに分離しているが、本発明において、コイルパターンを構成する各ターンを複数の導体パターンに分離することは必須でない。また、複数の導体パターンに分離する場合であっても、その数は4つに限定されるものではない。
1,1a,1b,2 コイル部品
3 磁性シート
10,20,30 基板
11,21,31 基板の一方の表面
12,22,32 基板の他方の表面
40 空間
51 送電コイル
51 受電コイル
52 送電回路
53 磁性シート
61 受電コイル
61 送電コイル
62 受電回路
63 磁性シート
100,100a 第1のコイルパターン
200 第2のコイルパターン
300,300a 第3のコイルパターン
400 第4のコイルパターン
500 第5のコイルパターン
600 第6のコイルパターン
110〜150、310〜350 ターン
111〜114,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154,161,162,311〜314,321〜324,331〜334,341〜344,351〜354,361,342 導体パターン
171,172,371,372 引き出しパターン
A1,A2 円周領域
B1,B2 遷移領域
C1,C2 中心点
E1,E1a,E1b,E2,E2a,E2b 端子電極
F1,F2 領域
H1〜H8 スルーホール導体
L1,L2 仮想線
P ピッチ
RX ワイヤレス受電装置
S スペース
T コイルパターン
TX ワイヤレス送電装置
Ti 最内周ターン
To 最外周ターン
U1〜U3 コイルユニット
W1〜W4 パターン幅

Claims (12)

  1. 磁性シートと、
    複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回され、平面視で前記磁性シートと重なるように配置された第1及び第2のコイルパターンと、を備え、
    前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンは並列に接続され、
    前記第1のコイルパターンは、前記第2のコイルパターンよりも前記磁性シートの近くに配置され、
    前記第2のコイルパターンの線路長は、前記第1のコイルパターンの線路長よりも長いことを特徴とするコイル部品。
  2. 前記第2のコイルパターンの内径は前記第1のコイルパターンの内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第2のコイルパターンの外径は前記第1のコイルパターンの外径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンのターン数は互いに同じであることを特徴とする請求項2又は3に記載のコイル部品。
  5. 前記第2のコイルパターンは前記第1のコイルパターンよりもターン数が多いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  6. 前記第1及び第2のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンと、前記最内周ターン又は前記最外周ターンから数えたターン数が全体の中間である中間ターンと、線路長の中心位置とを有し、
    前記第1のコイルパターンは、前記最内周ターンのパターン幅及び前記最外周ターンのパターン幅よりも、前記中心位置におけるパターン幅の方が大きく、且つ、前記最内周ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、前記最外周ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きく、
    前記第2のコイルパターンは、前記最内周ターンのパターン幅及び前記最外周ターンのパターン幅よりも、前記中心位置におけるパターン幅の方が大きく、且つ、前記最内周ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、前記最外周ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコイル部品。
  7. 前記第1のコイルパターンは、前記中間ターンのパターン幅よりも前記中心位置におけるパターン幅の方が大きく、
    前記第2のコイルパターンは、前記中間ターンのパターン幅よりも前記中心位置におけるパターン幅の方が大きいことを特徴とする請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記第1のコイルパターンは、前記最外周ターンのパターン幅よりも前記最内周ターンのパターン幅の方が小さく、
    前記第2のコイルパターンは、前記最外周ターンのパターン幅よりも前記最内周ターンのパターン幅の方が小さいことを特徴とする請求項6又は7に記載のコイル部品。
  9. 平面視で前記磁性シートと重なるように配置された第1及び第2の基板をさらに備え、
    前記第1のコイルパターンは、前記第1の基板の一方の表面に形成され、
    前記第2のコイルパターンは、前記第2の基板の一方の表面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコイル部品。
  10. 複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第3及び第4のコイルパターンをさらに備え、
    前記第3のコイルパターンは、前記第1の基板の他方の表面に形成され、
    前記第4のコイルパターンは、前記第2の基板の他方の表面に形成され、
    前記第1のコイルパターンの内周端と前記第3のコイルパターンの内周端が互いに接続され、
    前記第2のコイルパターンの内周端と前記第4のコイルパターンの内周端が互いに接続され、
    前記第4のコイルパターンの線路長は、前記第3のコイルパターンの線路長よりも長いことを特徴とする請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記第1のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された第1及び第2の導体パターンを含む複数の導体パターンからなり、
    前記第3のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された第3及び第4の導体パターンを含む複数の導体パターンからなることを特徴とする請求項10に記載のコイル部品。
  12. 前記第1の導体パターンは、前記第2の導体パターンよりも外周側に位置し、
    前記第3の導体パターンは、前記第4の導体パターンよりも外周側に位置し、
    前記第1の導体パターンの内周端と前記第4の導体パターンの内周端が互いに接続され、
    前記第2の導体パターンの内周端と前記第3の導体パターンの内周端が互いに接続されることを特徴とする請求項11に記載のコイル部品。
JP2018072370A 2018-03-31 2018-04-04 コイル部品 Active JP7147230B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018072370A JP7147230B2 (ja) 2018-04-04 2018-04-04 コイル部品
US16/361,804 US11443893B2 (en) 2018-03-31 2019-03-22 Coil component and wireless power transmission circuit having the same
DE102019107583.1A DE102019107583A1 (de) 2018-03-31 2019-03-25 Spulenbauteil und schaltung zur drahtlosen energieübertragung mit demselben
CN201910252672.4A CN110323049B (zh) 2018-03-31 2019-03-29 线圈部件和具有该线圈部件的无线电力传输电路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018072370A JP7147230B2 (ja) 2018-04-04 2018-04-04 コイル部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019186303A true JP2019186303A (ja) 2019-10-24
JP7147230B2 JP7147230B2 (ja) 2022-10-05

Family

ID=68341879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018072370A Active JP7147230B2 (ja) 2018-03-31 2018-04-04 コイル部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7147230B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1140438A (ja) * 1997-07-15 1999-02-12 Fuji Electric Co Ltd 平面型磁気素子
JP2008205215A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Seiko Epson Corp 積層コイルユニット並びにそれを用いた電子機器及び充電器
JP2010056175A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Panasonic Electric Works Co Ltd シート型コイル及びシート型トランス及び電力変換装置及び車載用前照灯点灯装置
JP2013225718A (ja) * 2013-08-09 2013-10-31 Tdk Corp コイル部品の製造方法
JP2015005628A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 コモンモードノイズフィルタ
JP2016093088A (ja) * 2014-11-01 2016-05-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 送電装置、送電装置を搭載した車両及び無線電力伝送システム
JP2017103335A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社Ihi コイル装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1140438A (ja) * 1997-07-15 1999-02-12 Fuji Electric Co Ltd 平面型磁気素子
JP2008205215A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Seiko Epson Corp 積層コイルユニット並びにそれを用いた電子機器及び充電器
JP2010056175A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Panasonic Electric Works Co Ltd シート型コイル及びシート型トランス及び電力変換装置及び車載用前照灯点灯装置
JP2015005628A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 コモンモードノイズフィルタ
JP2013225718A (ja) * 2013-08-09 2013-10-31 Tdk Corp コイル部品の製造方法
JP2016093088A (ja) * 2014-11-01 2016-05-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 送電装置、送電装置を搭載した車両及び無線電力伝送システム
JP2017103335A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社Ihi コイル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7147230B2 (ja) 2022-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11443893B2 (en) Coil component and wireless power transmission circuit having the same
US20210012959A1 (en) Coil module, wireless charging transmitting apparatus, receiving apparatus, system, and terminal
JP2006286884A (ja) コモンモードチョークコイル
JP2023153958A (ja) 電力伝送システムおよび制御方法
CN109074945A (zh) 自消磁结构
CN108292552B (zh) 具有自闭合磁路的磁结构
US10650963B2 (en) Magnetic coupling device and wireless power transmission system using the same
JP6702282B2 (ja) コイルアンテナ及び電子機器
CN107430933B (zh) 地面侧线圈单元
US11139111B2 (en) Inductive coupling system and communication system
US10388450B2 (en) Inductor module and electric power transmission system
JP7073858B2 (ja) コイル部品及びこれを備えたワイヤレス電力伝送回路
WO2017183393A1 (ja) 受電装置
EP3477666A1 (en) Balanced-to-unbalanced (balun) transformer
CN106601431A (zh) 一种共差模电感
US11605492B2 (en) Coil component
US11715976B2 (en) Coil component
US20020039062A1 (en) Airgapped magnetic component
JP2019091879A (ja) コイル部品
JP2019186303A (ja) コイル部品
JP7031466B2 (ja) コイル部品
TWI603349B (zh) 具有共模差模電感功能的電感裝置
JP7419730B2 (ja) コイル部品及びこれを備えるワイヤレス通信デバイス
JP2019186709A (ja) 複合フィルタ部品、及び、電力重畳回路
TWM521254U (zh) 具有共模差模電感功能的電感裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7147230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150