JP2019184093A - 空調機の診断方法及び診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な場合にのみ空調機のメンテナンスや交換を行い、メンテナンス等に要するコストを削減しうるようにした空調機の診断方法及び診断装置を提供する。【解決手段】居室1に設けられた空調機9の診断方法であって、所定の測定環境条件を満たした場合に、居室1内の単位時間当りの温度変化のデータを測定し、当該データと、前記測定環境条件と同じ測定環境条件の下で予め測定された、基準値となる居室1内の単位時間当りの温度変化の初期データとを比較し、比較されたデータに基づいて空調機9が正常に作動しているか否かを診断する。【選択図】図4

Description

本発明は、例えばホテルの客室等に設けられた空調機が正常に作動しているか否かを診断する診断方法及び診断装置に関する。
従来、ホテルの客室の温度は、客室を利用している場合に、客室に設けられている操作パネルにより設定される設定温度に制御されるのが一般的である。しかし、このような制御では、利用者が退室し、客室を利用していない場合には、手動操作または人感センサ等が作動して空調機は停止される場合が多いので、例えば夏季であれば時間の経過に伴って、客室内の温度は室外の温度に近い温度まで徐々に上昇する。このようになると、利用者が客室に戻ってきた際、またはチェックイン時に快適性が損なわれる。また、利用者の入室時に空調機が運転されても、室温が快適レベルに到達するまでに長い時間を要する。
このような問題を解決するために、本願の出願人は、利用者が入室していない場合でも、室温を所定の温度に維持しておくことにより、入室時に利用者に快適性を与えられるようにした室内空調システムを開発し、先に特許出願している(例えば特許文献1参照)。
特開2010−107124号公報(第11頁、第8図)
特許文献1に記載されているように、利用者が入室していない場合でも、室温を所定の温度に維持しておく室内空調システムにおいては、利用者が不在の時には運転されない一般的な空調機に比してその累積運転時間が長くなるので、空調機の冷暖房効率が経時的に低下するなどの不具合が発生する割合が高くなる虞が生じると考えられる。
このような不具合が発生すると、空調機のメンテナンスの頻度を多くする必要が生じ、特に室数の多いホテル等にあっては、客室ごとに配設された空調機の不具合の有無に個体差があるものの、一定期間運転された複数の空調機を冷暖房効率の善し悪しに関係なく一律に交換したりする必要があり、客室数の多いホテルほどコストが増大する。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、必要な場合にのみ空調機のメンテナンスや交換を行い、メンテナンス等に要するコストを削減しうるようにした空調機の診断方法及び診断装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の空調機の診断方法は、
居室に設けられた空調機の診断方法であって、所定の測定環境条件を満たした場合に、前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータを測定し、当該データと、前記測定環境条件と同じ測定環境条件の下で予め測定された、基準値となる前記居室内の単位時間当りの温度変化の初期データとを比較し、比較されたデータに基づいて前記空調機が正常に作動しているか否かを診断することを特徴としている。
この特徴によれば、空調機を所定期間運転した後など、必要に応じて、測定されたデータと予め測定された初期データとを比較し、それらの差異により、空調機が正常に作動しているか否かを診断することができるので、診断結果に基づいてメンテナンス等が必要か否かを判断すればよい。従って、空調機に不具合が発生していないにも拘わらず定期的にメンテナンスを実施したり、一定期間運転した空調機を定期的に交換したりする必要はなく、客室数の多いホテル等においては、メンテナンス等に要するコストを大幅に削減することができる。
前記単位時間当りの温度変化のデータは、データ測定開始時の第1の設定温度から、目標となる第2の設定温度に到達するまでの時間に基づいて算出されることを特徴としている。
この特徴によれば、第1の設定温度から第2の設定温度に到達するまでの時間データを計測し、このデータと予め測定された初期の時間データとを比較するだけで、空調機が正常に作動しているか否かを容易に診断することができる。
前記データ測定開始時の第1の設定温度は、一定温度に維持されていることを特徴としている。
この特徴によれば、測定開始時の第1の設定温度の温度条件を常に同じくして比較することができるので、空調機の診断精度が高まる。
前記所定の測定環境条件を満たした場合ごとに、前記単位時間当りの温度変化のデータを複数回測定し、当該複数回のデータの平均値に基づいて前記初期データと比較することを特徴としている。
この特徴によれば、ノイズデータ等による測定誤差が排除されるとともに、平均化されたデータを初期データと比較するので、空調機の診断精度を高めることができる。
前記測定環境条件は、測定開始時の外気温度が予め定めた特定温度であることが含まれることを特徴としている。
この特徴によれば、所定期間運転した後に空調機を診断する場合に、外気温度条件を常に同じくして温度変化データを測定しうるので、データの測定精度及び空調機の診断精度を高めることができる。
前記測定環境条件は、外気温度の変化の小さい特定の時間帯であることが含まれることを特徴としている。
この特徴によれば、測定環境条件を例えば日没後の特定の時間帯に設定すると、日照の影響を受けにくい時間帯にデータを測定しうるので、データの測定精度が高まる。
前記測定環境条件は、前記居室内への入室時であることが含まれることを特徴としている。
この特徴によれば、居室が利用されている状態において空調機が正常に作動しているか否かを診断することができる。
前記課題を解決するために、本発明の空調機の診断装置は、
居室に設けられた空調機の診断装置であって、前記居室内の温度を検知する室温センサと、所定の測定環境条件を満たした場合に、前記室温センサにより測定された温度に基づいて前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータを測定するタイマと、前記測定環境条件と同じ測定環境条件の下で予め測定された、基準値となる前記居室内の単位時間当りの温度変化の初期データが記憶された初期データ記憶部と、前記タイマにより測定された前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータと前記初期データ記憶部に記憶された初期データとを比較演算する比較部と、前記比較部により比較演算された比較結果を出力する出力部と、前記出力部から出力される比較結果に基づいて前記空調機が正常に作動しているか否かを表示する表示部と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、同じ測定環境条件の下において、タイマにより測定された居室内の単位時間当りの温度変化のデータと、初期データ記憶部に記憶された初期データとを比較部により比較演算し、出力部から出力される比較結果の差異に基づいて、表示部が空調機が正常に作動しているか否かを表示するので、表示部の表示結果に基づいて空調機のメンテナンス等が必要か否かを判断すればよい。従って、空調機に不具合が発生していないにも拘わらず定期的にメンテナンスを実施したり、一定期間運転した空調機を定期的に交換したりする必要はなく、客室数の多いホテル等においては、メンテナンス等に要するコストを大幅に削減することができる。
前記タイマにより測定された複数回の温度変化のデータを平均化し、前記比較部に出力する平均データ算出部を更に備えることを特徴としている。
この特徴によれば、平均データ算出部によって平均化されたデータが初期データと比較されるので、ノイズデータ等による測定誤差が排除され、空調機の診断精度を高めることができる。
本発明の実施例が適用されるホテルの客室の概略平面図である。 空調機の操作パネルを示す正面図である。 スイッチ部を示す正面図である。 本発明の空調機の診断装置の実施例を示すブロック図である。 冷房季における本発明の空調機の診断方法を説明する線図である。 暖房季における本発明の空調機の診断方法を説明する線図である。
本発明の実施形態を、実施例及び図面に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明においては、本発明をホテルの客室(居室)に設置される空調機の診断に適用した実施例について説明する。
図1は、ホテルの客室1の概略平面図を示すもので、客室1の開閉扉2は、カードキーにより解錠可能となっている。客室1内には、バス用照明3、ベッド用照明4、デスク用照明5、及びテレビ6などの電気機器が設置され、これらの電気機器は、電源ユニット7に接続されている。客室1の入口部の壁面には、キーユニット8が設置され、このキーユニット8に図示しないカードキーが挿入された場合に、電源ユニット7を介して各種電気機器に電源が供給される。
客室1に設置された空調機9は、各客室1に個別に設置されるパッケージ型のものであって、客室1内の温度を検知する室温センサ10と、利用者が所望の設定温度に入力可能な操作パネル11と、室温センサ10及び操作パネル11に接続された制御部12とを有し、利用者の設定温度に対する室温センサ10で検知される温度に基づいて、制御部12が適宜の風量・温度の空気を客室1内に送風するようになっている。なお、室温センサ10は、客室1内やキーユニット8等、任意の場所に設けてもよい。また、操作パネル11は、空調機9に設定温度情報を発信するリモコンであってもよい。
空調機9は、電源ユニット7を介さずに、他の電気機器と独立して外部電源に接続されている。空調機9は、客室1の利用状態において、主電源スイッチ13を投入操作するとともに、操作パネル11をON操作することにより、利用状態モードとして運転される。なお、利用状態モードとは、キーユニット8にカードキーが挿入された状態、すなわち客室1内に利用者が入室しているときの状態であって、設定した温度に基づいて空調機9が運転される。また、キーユニット8からカードキーが抜かれた状態、すなわち客室1から利用者が退出した不在時を非利用状態モードとしている。従って、キーユニット8は、利用者が在室しているか不在かを検出するセンサも兼ねることができる。
図2に示すように、操作パネル11の前面には、空調機9の風量を選択的に切り換える風量切換えスイッチ14と、室内温度を設定可能な温度設定スイッチ15と、この温度設定スイッチ15により設定された温度を表示する設定温度表示部16と、空調機9の運転を停止するOFFスイッチ17とが設けられている。風量切換えスイッチ14は、LOスイッチ14aと、HIスイッチ14bと、AUTOスイッチ14cの3種のスイッチからなっている。キーユニット8にカードキーが挿入された客室1の利用状態モードにおいて、利用者がいずれかのスイッチ14a〜14cを操作することにより、空調機9は所望の設定温度で運転される。
一方、キーユニット8からカードキーが抜かれた非利用状態モードにおいては、空調機9の制御部12を起動または停止状態にする制御を自動的に繰り返すことにより、客室1の非利用状態においても一定温度に維持されるように、空調機9が運転される。すなわち、冷房季においては、予め設定された第2の設定温度、例えば24℃度よりも高く、外気温度よりも低い第1の設定温度、例えば27℃に維持されるように制御され、非利用状態においても客室1内の温度を外気温度よりも一定程度低くしておくことで、入室した際の快適性が高められるようになっている。この非利用状態モードは、ヒートラン運転モードともいう。なお、第2の設定温度(24℃)は、操作パネル11の設定温度表示部16に予め設定表示され、第1の設定温度(27℃)から第2の設定温度(24℃)への設定温度の切り換えは、制御部12に設けたタイマ(図示略)により、予め定めた時間帯において自動的に行われる。
暖房季においては、予め設定した第2の設定温度、例えば24℃よりも低く、室外の外気温度よりも高い第1の設定温度、例えば17℃に維持されるように制御され、非利用状態においても客室1内の温度を外気温度よりも一定程度高くしておくことで、入室した際の快適性が高められるようになっている。
非利用状態モードの設定については、図3に示すように、電源ユニット7に設けられているスイッチ部18を操作して行われる。スイッチ部18の1番スイッチをONすると、冷房季における非利用状態モードに設定可能で、この場合に、2番スイッチをONすることで第1の設定温度を27℃に設定することができる。同様に、3番スイッチをONすることにより、暖房季における非利用状態モードを設定可能となり、この場合に、4番スイッチをONすることにより、第1の設定温度を17℃に設定することができる。
また、春季や秋季には、非利用状態モードを実施しない場合が多いので、この場合には、2番スイッチ及び4番スイッチをいずれもOFFすれば、非利用状態モードを実施しないことを選択することができる。
このように、利用者が入室していない場合でも空調機9を運転して、室温を所定の温度に維持すると、利用者が不在の時に運転されない一般的な空調機に比して空調機9の累積運転時間は長くなり、空調機9の冷暖房効率が経時的に低下するなどの不具合が発生する割合が高くなることが考えられる。このような不具合を発見するために、制御部12には、本発明に係る空調機9の診断装置19が設けられている。
図4のブロック図に示すように、診断装置19は、客室1内の温度を検知する前述した室温センサ10と、この室温センサ10に接続され、客室1内の単位時間当りの温度変化時間のデータを異なる日ごとに複数回測定するタイマ20と、タイマ20により測定された複数回のデータを平均化する平均データ算出部21と、予め測定された、基準値となる客室1内の単位時間当りの温度変化の初期データが記憶された初期データ記憶部22と、平均データ算出部21より出力される平均化されたデータと初期データ記憶部21に記憶された初期データとを比較演算する比較部23と、この比較部23による比較結果を出力する出力部24と、この出力部24から出力される比較結果に基づいて空調機9が正常に作動しているか否かを表示する表示部としてのインジケータ25とを備えている。なお、診断装置19は、制御部12とは別に、客室1内の任意の場所に外付けで設けることもできる。
単位時間当りの温度変化時間のデータを異なる日ごとに複数回測定し、平均データ算出部21により平均化するのは、ノイズデータ等による測定誤差を排除するとともに、平均化されたデータを初期データと比較して診断精度を高めるためである。タイマ20、平均データ算出部21、初期データ記憶部22及び出力部24は、図示しないマイクロコンピュータ等の中央処理装置(CPU)26に収められている。
インジケータ25は、例えば緑ランプ25a、黄ランプ25b、赤ランプ25c等の3色のランプを有し、空調機9が正常である場合は緑ランプ25aが、軽度の不具合の場合は黄ランプ25bが、重度の不具合の場合は赤ランプ25cが、それぞれ空調機9の不具合の程度に応じて点灯するようになっている。なお、インジケータ25は、各々の客室1内の任意の場所または複数の客室の空調機9を集中的に管理する集中管理室等に設置される。また、操作パネル11に組み込むこともできる。
単位時間当りの温度変化のデータは、例えば以下の測定環境条件を満たした場合に測定される。冷房季においては、測定開始時の外気温度が客室1内の温度よりも高い特定の温度として、例えば32℃である場合で、且つ測定開始時の特定の時間帯として例えば17時〜20時の時間帯である場合で、且つこの特定の時間帯に利用者が入室(チェックイン)した場合を条件として測定することが好ましい。なお、利用者の入室検知は、前述したキーユニット8にカードキーが差し込まれた場合に検知することができるが、別途客室1内に人感センサを設けて検知してもよい。更になお、必ずしも上記した測定環境条件に限られず、例えば特定の外気温度、特定の時間帯、利用者の入室時のうちいずれかのみを条件としてもよいし、あるいはいずれかを条件から外しても構わない。
このように、外気温度が特定の例えば32℃の場合に測定を開始すると、外気温度条件を常に同じくして温度変化データを測定しうるので、データの測定精度及び空調機9の診断精度を高めることができる。また、例えば17時〜20時の特定の時間帯に測定すると、日照の影響を受けにくく、温度変化も小さいので、データの測定精度が高まる。またこの特定の時間帯に利用者が入室(チェックイン)した場合を条件として測定することが好ましく、このようにすることで、客室1が利用されている状態において空調機9が正常に作動しているか否かを診断することができる。なお、暖房季においては、外気温度が客室1の温度よりも低い特定の温度として、例えば4℃の測定環境条件を満たした場合で、且つ冷房季と同様に例えば17時〜20時の特定の時間帯である場合で、且つこの時間帯に利用者が入室(チェックイン)した場合を条件として測定することが好ましい。
次に、前述した診断装置19を用いて、冷房季の空調機9を診断する方法について説明する。この場合は、スイッチ部18を操作して冷房季における非利用状態モードに切り替える。図5は、空調機9を客室1に設置した初年度において、前述した測定環境条件を満たした状態で、基準値となる客室1内の単位時間当りの温度変化の初期データを測定し、この初期データと一定期間経過後の単位時間当りの温度変化のデータとを比較した線図を示している。
データ測定開始時の第1の設定温度は、上述したスイッチ部18により、外気温度(32℃)よりも低く、且つ客室1使用時の空調温度よりも高い第1の設定温度、例えば27℃に維持されている。この状態において、17時〜20時の特定の時間帯に入室(チェックイン)し、第1の設定温度から目標となる第2の設定温度、例えば操作パネル11によって設定された24℃に到達するまでの温度変化時間のデータを、診断装置19のタイマ20により測定し、その温度変化時間のデータが例えば8分である場合、これが基準値となる初期データとされて初期データ記憶部22に記憶される。
次に、例えば5年経過後において空調機9を診断する場合は、初期データの測定と同じ測定環境条件の下において、第1の設定温度(27℃)から第2の設定温度(24℃)に到達するまでの温度変化時間のデータを、診断装置19のタイマ20により異なる日ごとに複数回測定し、平均データ算出部21により平均化された温度変化時間のデータが診断装置19の比較部23に入力される。比較部23においては、平均化された温度変化時間のデータと初期データ記憶部22に記憶された温度変化時間の初期データとが比較演算される。
比較部23により比較演算された比較結果は出力部24に出力され、5年経過後の温度変化時間のデータが、基準となる初期データの温度変化時間(8分)と等しい若しくは略等しいと判定された場合には、出力部24から出力される信号に基づいて、インジケータ23の緑ランプ23aが点灯し、空調機9は正常に作動していると診断される。一方、図5の破線で示すように、比較部23において、5年経過後の温度変化時間のデータが、初期データの温度変化時間(8分)よりも若干長い、例えば初期データの1.1倍以上で2倍未満の10分と判定された場合には、インジケータ23の黄ランプ23bが点灯し、空調機9は軽度の不具合が発生していると診断される。この診断結果に基づいて、空調機9の不具合を発見することができるとともに、メンテナンスを実施して空調機9の不具合箇所の点検または修理を実施することができる。
図5の1点鎖線で示すように、例えば10年経過後において、初期データの測定と同一測定環境条件下で測定した温度変化時間のデータが、初期データの温度変化時間(8分)よりもかなり長い、例えば初期データの2倍を超えた20分と判定された場合には、インジケータ23の赤ランプ23cが点灯し、空調機9は重度の不具合が発生し、冷房効率が大幅に低下していると診断される。この診断結果に基づいて、空調機9個別に不具合の詳細な原因を調査し、例えば空調機9の冷媒を入れ替えたり、不具合部品を交換するなどのメンテナンスを実施すればよい。また、空調機9が交換時期に達していると判断された場合にはこれを交換すればよい。
次に、暖房季の空調機9の診断方法について説明する。この場合は、スイッチ部18を操作して暖房季における非利用状態モードに切り替える。暖房季の測定環境条件は、外気温度が客室1内の温度よりも低い特定の温度として、例えば4℃である場合で、且つ測定開始時の特定の時間帯として冷房季と同じ17時〜20時の時間帯である場合で、且つこの特定の時間帯に利用者が入室(チェックイン)した場合を条件として測定する。
図6は、空調機9を設置した初年度において、前述した暖房季の測定環境条件を満たした状態で、基準値となる客室1内の単位時間当りの温度変化の初期データを測定し、この初期データと一定期間経過後の単位時間当りの温度変化のデータとを比較した線図を示している。
データ測定開始時の第1の設定温度は、外気温度(4℃)よりも高い第1の設定温度、例えば17℃に維持されている。この状態において、17時〜20時の時間帯に入室し、第1の設定温度(17℃)から目標となる第2の設定温度、例えば操作パネル11によって設定された24℃に到達するまでの温度変化時間のデータを、診断装置19のタイマ20により測定し、その温度変化時間のデータが例えば10分である場合、これが基準値となる初期データとされて初期データ記憶部22に記憶される。
次に、例えば5年経過後において空調機9を診断する場合は、初期データの測定と同じ測定環境条件の下において、第1の設定温度(17℃)から第2の設定温度(24℃)に到達するまでの温度変化時間のデータを、診断装置19のタイマ20により異なる日ごとに複数回測定し、平均データ算出部21により平均化された温度変化時間のデータと、初期データ記憶部22に記憶された温度変化時間の初期データとを、診断装置19の比較部23により比較演算する。
比較部23により比較演算された比較結果は出力部24に出力され、5年経過後の温度変化時間のデータが、基準となる初期データの温度変化時間(10分)と等しい若しくは略等しいと判定された場合には、出力部24から出力される信号に基づいて、インジケータ23の緑ランプ23aが点灯し、空調機9は正常に作動していると診断される。一方、図6の破線で示すように、5年経過後の温度変化時間のデータが、基準となる初期データの温度変化時間(10分)よりも若干長い、例えば初期データの1.1倍以上で2倍未満の11分と判定された場合には、インジケータ23の黄ランプ23bが点灯し、空調機9は軽度の不具合が発生していると診断される。この診断結果に基づいて、前述した冷房季と同様に、空調機9個別に不具合の詳細な原因を調査し、メンテナンスを実施して空調機9の不具合を直すことができる。
図6の1点鎖線で示すように、例えば10年経過後において、初期データの測定と同一測定環境条件下で測定した温度変化時間のデータが、初期データの温度変化時間(10分)よりもかなり長い、例えば初期データの2倍を超えた35分と判定された場合には、インジケータ23の赤ランプ23cが点灯し、空調機9は重度の不具合が発生し、暖房効率が大幅に低下していると診断される。この診断結果に基づいて、冷房季と同様に、空調機9にメンテナンスを施したり、空調機9が交換時期に達していると判断された場合にはこれを交換すればよい。
以上説明したように、本実施例の空調機9の診断方法及び診断装置によれば、空調機9を所定期間運転した後など、必要に応じて、所定の測定環境条件下で測定された客室1の単位時間当りの温度変化のデータと予め測定された基準値となる客室1の単位時間当りの温度変化の初期データとを比較し、それらの差異により、空調機9が正常に作動しているか否かを診断することができるので、診断結果に基づいてメンテナンス等が必要か否かを判断すればよい。従って、空調機9に不具合が発生していないにも拘わらず定期的にメンテナンスを実施したり、一定期間運転した空調機9を定期的に交換したりする必要はなく、客室数の多いホテル等においては、メンテナンス等に要するコストを大幅に削減することができる。
また、単位時間当りの温度変化のデータは、データ測定開始時の第1の設定温度から、目標となる第2の設定温度に到達するまでの時間に基づいて算出されることで、第1の設定温度から第2の設定温度に到達するまでの時間データを計測し、このデータと予め測定された初期の時間データとを比較するだけで、空調機9が正常に作動しているか否かを容易に診断することができる。
また、データ測定開始時の第1の設定温度は、非利用状態での空調運転により、一定温度に維持されていることで、測定開始時の第1の設定温度の温度条件を常に同じくして比較することができるので、空調機9の診断精度が高まる。
更に、所定の測定環境条件を満たした場合ごと、例えば異なる日ごとに、単位時間当りの温度変化のデータを複数回測定し、当該複数回のデータの平均値に基づいて初期データと比較することで、ノイズデータ等による測定誤差が排除されるとともに、平均化されたデータを初期データと比較するので、空調機9の診断精度を高めることができる。
以上、本発明の空調機の診断方法及び診断装置を実施例に基づいて説明したが、具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、次のような種々の変形や変更があっても、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、客室1内の単位時間当りの温度変化のデータを、データ測定開始時の第1の設定温度から、目標となる第2の設定温度に到達するまでの時間データに基づいて算出しているが、例えば所定の設定温度から一定時間の経過後に到達する温度を測定し、この温度データと、同一条件で予め測定された初期温度データとを比較し、その温度差に基づいて空調機9が正常に作動しているか否かを診断するようにしてもよい。
また、前記実施例では、客室1の単位時間当りの温度変化のデータを異なる日に複数回測定し、平均データ算出部21により平均化したデータを初期データと比較するようにしているが、単位時間当りの温度変化のデータをタイマ20により1回だけ測定してもよい。この場合には、診断装置19の平均データ算出部21は不要となる。
さらに、前記実施例では、本発明をホテルの客室の空調機の診断に適用した例について説明したが、オフィスや一般住宅などの居室の空調機の診断にも本発明を適用することができる。
1 客室
2 開閉扉
7 電源ユニット
8 キーユニット
9 空調機
10 室温センサ
11 操作パネル
12 制御部
13 主電源スイッチ
14 風量切換えスイッチ
15 温度設定スイッチ
16 設定温度表示部
17 OFFスイッチ
18 スイッチ部
19 診断装置
20 タイマ
21 平均データ算出部
22 初期データ記憶部
23 比較部
24 出力部
25 インジケータ(表示部)
25a 緑ランプ
25b 黄ランプ
25c 赤ランプ
26 中央処理装置

Claims (9)

  1. 居室に設けられた空調機の診断方法であって、所定の測定環境条件を満たした場合に、前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータを測定し、当該データと、前記測定環境条件と同じ測定環境条件の下で予め測定された、基準値となる前記居室内の単位時間当りの温度変化の初期データとを比較し、比較されたデータに基づいて前記空調機が正常に作動しているか否かを診断することを特徴とする空調機の診断方法。
  2. 前記単位時間当りの温度変化のデータは、データ測定開始時の第1の設定温度から、目標となる第2の設定温度に到達するまでの時間に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の空調機の診断方法。
  3. 前記データ測定開始時の第1の設定温度は、一定温度に維持されていることを特徴とする請求項2に記載の空調機の診断方法。
  4. 前記所定の測定環境条件を満たした場合ごとに、前記単位時間当りの温度変化のデータを複数回測定し、当該複数回のデータの平均値に基づいて前記初期データと比較することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空調機の診断方法。
  5. 前記測定環境条件は、測定開始時の外気温度が予め定めた特定温度であることが含まれることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の空調機の診断方法。
  6. 前記測定環境条件は、外気温度の変化の小さい特定の時間帯であることが含まれることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の空調機の診断方法。
  7. 前記測定環境条件は、前記居室内への入室時であることが含まれることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の空調機の診断方法。
  8. 居室に設けられた空調機の診断装置であって、前記居室内の温度を検知する室温センサと、所定の測定環境条件を満たした場合に、前記室温センサにより測定された温度に基づいて前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータを測定するタイマと、前記測定環境条件と同じ測定環境条件の下で予め測定された、基準値となる前記居室内の単位時間当りの温度変化の初期データが記憶された初期データ記憶部と、前記タイマにより測定された前記居室内の単位時間当りの温度変化のデータと前記初期データ記憶部に記憶された初期データとを比較演算する比較部と、前記比較部により比較演算された比較結果を出力する出力部と、前記出力部から出力される比較結果に基づいて前記空調機が正常に作動しているか否かを表示する表示部と、を備えることを特徴とする空調機の診断装置。
  9. 前記タイマにより測定された複数回の温度変化のデータを平均化し、前記比較部に出力する平均データ算出部を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の空調機の診断装置。
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