JP2019183823A - 車両制御装置 - Google Patents

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Yuichi Takemura
優一 竹村
浩一 青山
Koichi Aoyama
浩一 青山
雅徳 黒澤
Masanori Kurosawa
雅徳 黒澤
ゆり 坂本
Yuri Sakamoto
ゆり 坂本
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Hideyuki Maeji
英幸 前地
律男 野々山
Ritsuo Nonoyama
律男 野々山
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Abstract

【課題】内燃機関の部品の異常を精度よく検出する。【解決手段】内燃機関(100)を備える車両(500)に搭載されて該車両を制御する車両制御装置(200)は、車両の使用環境を示す使用環境情報(KI)を取得する使用環境情報取得部(210)と、内燃機関の動作状態を示す動作状態情報(DI)を取得する動作状態情報取得部(220)と、使用環境情報と、動作状態情報と、のうちの少なくとも一方を、車両に搭載される通信装置(360)を介して、車両とは異なる外部装置(600)に送信する送信部(230)と、送信された使用環境情報と、送信された動作状態情報と、のうちの少なくとも一方に基づいて特定された内燃機関が備える部品の異常状態を、通信装置を介して外部装置から取得する異常状態取得部(240)と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、車両制御装置に関する。
特許文献1には、内燃機関の点火プラグに印加される電圧を検出し、検出された電圧がエンジン負荷に基づき定められる基準値に比べて大きい場合に、点火プラグの異常を検出する技術が開示されている。
特開1996−106970号公報
しかしながら、点火プラグの製造公差および使用環境等の相違に起因して、点火プラグの摩耗度合いは異なることがある。このため、特許文献1に記載の技術では、特定の使用環境下においては、点火プラグの異常を精度よく検出できない、あるいは、種々の使用環境において異常を検出可能な判定条件を設定することは困難であるという問題を本願発明の発明者は見出した。このような課題は、点火プラグの異常を検出する場合に限らず、内燃機関が備える種々の部品の異常を検出する場合においても共通する。このため、内燃機関の部品の異常を精度よく検出可能な技術が望まれている。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一実施形態によれば、車両制御装置が提供される。この車両制御装置(200)は、内燃機関(100)を備える車両(500)に搭載されて該車両を制御する車両制御装置であって;前記車両の使用環境を示す使用環境情報(KI)を取得する使用環境情報取得部(210)と;前記内燃機関の動作状態を示す動作状態情報(DI)を取得する動作状態情報取得部(220)と;前記使用環境情報と、前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方を、前記車両に搭載される通信装置(360)を介して、前記車両とは異なる外部装置(600)に送信する送信部(230)と;送信された前記使用環境情報と、送信された前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方に基づいて特定された前記内燃機関が備える部品の異常状態を、前記通信装置を介して前記外部装置から取得する異常状態取得部(240)と;を備える。
この形態の車両制御装置によれば、使用環境情報と、動作状態情報と、のうちの少なくとも一方に基づいて特定された内燃機関が備える部品の異常状態が通信装置を介して外部装置から取得されるので、異常状態を精度よく検出できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、車両制御装置を備える車両、車両の制御方法、車両の異常検知システム、これらの装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体等の形態で実現することができる。
本開示の一実施形態としての異常検知システムの概略構成を模式的に示す説明図。 異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 履歴情報リセット処理の処理手順を示すフローチャート。 履歴情報リセット処理の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態における異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態における異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 第4実施形態における異常検知システムの概略構成を模式的に示す説明図。 第4実施形態におけるエンジンの概略構成を模式的に示す説明図。 バルブタイミング調整装置の概略構成を模式的に示す説明図。 バルブタイミング調整装置の概略構成を模式的に示す説明図。 最遅角位相から目標位相に変更する際における作動時間を示す説明図。 最進角位相から目標位相に変更する際における作動時間を示す説明図。 第4実施形態における異常検知処理の処理手順を示すフローチャート。 ロック位相から目標位相に変更する際における作動時間を示す説明図。
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1に示す第1実施形態における異常検知システム800は、車両制御装置200と、データセンタ600とを備える。異常検知システム800では、車両制御装置200とデータセンタ600との間で通信を行って、車両制御装置200からデータセンタ600に対して車両500の使用環境情報KI、エンジン100の動作状態情報DI、およびエンジン100の部品特性情報TIが送信される。そして、データセンタ600において、送信された使用環境情報KI、動作状態情報DI、および部品特性情報TIに基づき、車両500の異常状態が特定される。そして、特定された異常状態が、データセンタ600から車両制御装置200に対して通知される。車両制御装置200と、データセンタ600とでは、それぞれ後述の異常検知処理が実行される。なお、使用環境情報KI、動作状態情報DI、部品特性情報TIおよび異常検知処理についての詳細な説明は、後述する。
車両制御装置200は、車両500に搭載され、車両500の動力源である内燃機関としてのエンジン100を制御することにより、車両500の走行を制御する。具体的には、車両制御装置200は、車速、アクセル開度およびブレーキ開度等に基づき、インジェクタによるエンジン100への燃料噴射量や、スロットル122の開度等を調整して、エンジン100の出力を制御する。また、車両制御装置200は、後述の異常検知処理を実行することにより、通信装置360を介してデータセンタ600と通信し、データセンタ600において特定される車両500の異常状態を取得する。本実施形態において、車両制御装置200は、マイコンやメモリを搭載したECU(Electronic Control Unit)により構成されている。
車速センサ310は、車両500の駆動輪の回転速度を利用して車両500の速度を検出する。アクセル開度センサ320は、アクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。冷却水温センサ330は、エンジン100の冷却水の温度を検出する。各センサ310〜330は、車両制御装置200と電気的に接続されており、各センサの検出結果は、車両制御装置200へ送信される。
通信装置360は、車両500とデータセンタ600との間で無線通信を行う。位置検出部350は、車両500の現在位置を取得する。位置検出部350は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する人工衛星から受信した航法信号に基づいて、車両の現在位置(経度・緯度・標高)を測位する。
車両制御装置200が備えるCPUは、メモリ290に記憶されている制御プログラムを実行することにより、使用環境情報取得部210、動作状態情報取得部220、部品特性情報取得部250、送信部230および異常状態取得部240として機能する。
使用環境情報取得部210は、使用環境情報KIを取得する。本実施形態において、「使用環境情報」とは、車両500の使用環境を示す情報を意味する。使用環境情報KIとしては、現在の日付および時刻、車両500の現在位置および車両500が走行中の走路等を示す情報が該当する。
動作状態情報取得部220は、動作状態情報DIを取得する。本実施形態において、「動作状態情報」とは、車両500の動作状態を示す情報を意味する。動作状態情報DIとしては、車両500あるいはエンジン100の種々の部品を制御するための制御パラメータの経時的な変化を示す情報が該当する。具体的には、エンジン100の回転数、エンジン負荷、エンジントルク、冷却水の温度、車両500の駆動力、車両500の消費電力、後述のKCS学習値292およびEGR限界学習値293等を示す情報が該当する。なお、車両500がハイブリッド車両や電気自動車である場合には、駆動用電動発動機のトルクや回転数の情報を動作状態情報DIとしてもよい。
部品特性情報取得部250は、部品特性情報TIを取得する。本実施形態において、「部品特性情報」とは、エンジン100の種々の部品の特性を示す情報を意味する。本実施形態では、部品特性情報取得部250は、各部品の製造時の部品特性を示す情報(以下、「部品初期特性」と呼ぶ)を部品特性情報TIとして取得する。
送信部230は、通信装置360を介して、データセンタ600に対して、上述の使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIを送信する。このとき、送信部230は、各情報KI、DIおよびTIに加えて、車両500の識別情報を送信する。かかる識別情報は、車両500を一意に特定するための情報であり、車両500がデータセンタ600から後述の受信完了通知および異常状態通知を取得する際に利用される。
異常状態取得部240は、通信装置360を介して、データセンタ600から車両500の異常状態を取得する。本実施形態において、「異常状態」とは、車両500の異常の有無を示す状態であり、「異常がない状態」と、「異常がある状態」とが存在する。また、「異常がある状態」には、現時点において異常が発生している状態(以下、「異常発生状態」と呼ぶ)と、現時点においては異常が発生していない状態であって近い将来において異常が発生する可能性がある状態(以下、「メンテナンスが必要な状態」と呼ぶ)と、が含まれる。「メンテナンスが必要な状態」としては、例えば、次の車検の際に精密な点検が必要な状態、2年後には部品の交換が必要な状態等が該当する。後述の異常検知処理において、データセンタ600では、車両500から送信される使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIと、データセンタ600で取得される気候情報CIとに基づき、上述の3種類の状態、すなわち、「異常がない状態」と、「異常発生状態」と、「メンテナンスが必要な状態」とのうちのいずれの状態であるかが特定される。
メモリ290には、部品初期特性情報291、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が格納されている。部品初期特性情報291は、上述の部品初期特性を示す情報である。KCS学習値292は、エンジン100の点火時期の遅角量の学習値である。エンジン100では、エンジンの振動または筒内圧情報からノッキングの発生を検知すると、点火時期が遅角するように設定されるので、KCS学習値292には、エンジン100の振動または筒内圧情報を利用して学習させた値が設定されている。
EGR限界学習値293は、エンジン100の燃焼室から排出される排気ガスのうちエンジン100の吸気管120に再循環させるガスの量の上限量の学習値である。具体的には、燃焼室内から吸気管120に直接還流する排気ガスと、排気管130と吸気管120とを接続するEGR管140を介して、燃焼室から吸気管120に還流する排気ガスと、の両排気ガスの上限値を学習させた値である。一般に、吸気管120に再循環させるガスの量が多くなると、燃焼が悪化して、エンジンの回転変動が大きくなる。このため、本実施形態では、エンジン100の回転変動が所定の閾値範囲を超えない上限のガス量として学習させた値が、EGR限界学習値293としてエンジン100の運転条件ごとに設定されている。
データセンタ600は、サーバ装置と通信装置とを備える。サーバ装置が備えるCPUは、図示しないメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、異常状態特定部610として機能する。
異常状態特定部610は、車両500から取得した使用環境情報KI、動作状態情報DI、および部品特性情報TIを管理する。具体的には、異常状態特定部610は、車両500から取得した各情報KI、DIおよびTIを履歴情報RIとして、図示しないメモリに格納する。このとき、各情報KI、DIおよびTIが取得された日付と、車両500の現在の位置と、各情報KI、DIおよびTIとが対応づけられて格納される。
また、異常状態特定部610は、車両500から取得した各情報KI、DIおよびTIと、気候情報CIと、異常特定用パラメータTPとを利用して、車両500の異常状態を特定する。気候情報CIとは、車両500の現在位置における気候に関連する情報を意味し、例えば、気温、湿度が該当する。異常特定用パラメータTPには、車両500の異常状態を、上述の3種類の状態、すなわち、「異常がない状態」と、「異常発生状態」と、「メンテナンスが必要な状態」とに切り分けるための基準が設定されている。かかる基準は、車両500から取得した動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの示すデータと、後述の比較データとの乖離度合いにより表され、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの内容(パラメータ)ごとに予め実験により算出されている。
エンジン100は、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン100は、複数の燃焼室およびインジェクタを備え、各燃焼室には吸気管120を介して空気が供給される。吸気管120には、上流側から順に、エアクリーナ121と、スロットル122と、吸気管圧力センサ123と、バッファタンク124とが設けられている。
各燃焼室にインジェクタから燃料が噴射されると、燃焼室内で燃焼が発生する。燃焼によって生じた排気ガスは、排気管130から大気中に排出される。排気管130には、上流側から順に、空燃比センサ133と、触媒コンバータ132とが設けられている。排気管130と吸気管120は、EGR管140で互いに接続されており、EGR管140にはEGRクーラー142とEGR弁144が設けられている。
エンジン100には、点火プラグ111と、燃料噴射弁112と、吸気弁125と、排気弁131と、ノックセンサ115と、クランク角センサ116とが設けられている。ノックセンサ115は、エンジン100の振動を検出する振動センサとして機能する。クランク角センサ116は、エンジン100の回転数を検出する回転数センサとして機能する。クランク角センサ116の下方側には、ブローバイガス流路117が形成されている。ブローバイガス流路117は、ブローバイガスを吸気管120に還流させる。「ブローバイガス」とは、エンジン100の圧縮・燃焼行程において、燃焼室内のピストンとシリンダーとの間のごくわずかな隙間から漏れ出した未燃焼ガスである。ブローバイガス流路117は、EGR管140と吸気管120との接続部分よりも下流側で吸気管120に接続している。なお、図1に示す各種の部品は一例であり、これ以外の種々の部品をエンジン100に設けても良い。
エンジン100の出力は、車両500の備える変速機によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギアを介して駆動輪に伝達される。また、エンジン100の動力は、駆動機構によって図示しないモータジェネレータに伝達される。
本実施形態において、データセンタ600は、課題を解決するための手段における外部装置の下位概念に相当する。
A2.異常検知処理:
図2に示す異常検知処理は、車両制御装置200において実行される。異常検知処理は、車両500のイグニッションスイッチがオンにされると開始される。異常状態取得部240は、タイマーを更新する(ステップS100)。具体的には、異常状態取得部240は、使用環境情報KI等の取得タイミングの決定用のパラメータ(タイマー)を予め定められた時間ごとにカウントアップする。本実施形態において、「予め定められた時間」とは、5分を意味する。なお、予め定められた時間は、5分に代えて、他の任意の時間を設定してもよい。
異常状態取得部240は、タイマーが予め定められた値以上であるか否かを判定する(ステップS105)。本実施形態において、「予め定められた値」とは、60分を意味する。なお、予め定められた値は、60分に代えて、他の任意の時間を設定してもよい。
タイマーが予め定められた値未満であると判定された場合(ステップS105:NO)、上述のステップS100に戻る。他方、タイマーが予め定められた値以上であると判定された場合(ステップS105:YES)、使用環境情報取得部210は、使用環境情報KIを取得する(ステップS110)。具体的には、使用環境情報取得部210は、位置検出部350から車両500の現在位置を取得する。また、使用環境情報取得部210は、車両制御装置200が備える図示しない実時間タイマーから現在の時刻を取得する。動作状態情報取得部220は、動作状態情報DIを取得する(ステップS115)。具体的には、動作状態情報取得部220は、メモリ290を参照し、KCS学習値292およびEGR限界学習値293を取得する。
部品特性情報取得部250は、部品特性情報TIを取得する(ステップS120)。具体的には、部品特性情報取得部250は、メモリ290を参照し、部品初期特性情報291を取得する。なお、上述のステップS110〜ステップS120は、任意の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIを送信する(ステップS125)。このとき、送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIに加えて、車両500の識別情報を送信する。
異常状態取得部240は、データセンタ600から受信完了通知を取得したか否かを判定する(ステップS130)。本実施形態において、「受信完了通知」とは、データセンタ600において使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの受信が完了したことを示す通知を意味する。受信完了通知を取得していないと判定された場合(ステップS130:NO)、異常状態取得部240は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの送信から予め定められた時間経過したか否かを判定する(ステップS160)。すなわち、ステップS160では、上述のステップS125の実行後から現在までの時間が予め定められた時間以上であるか否かが判定される。本実施形態において、「予め定められた時間」とは、3分を意味する。なお、予め定められた時間は、3分に代えて、他の任意の時間を設定してもよい。
使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの送信から予め定められた時間経過していないと判定された場合(ステップS160:NO)、上述のステップS100に戻る。他方、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの送信から予め定められた時間経過したと判定された場合(ステップS160:YES)、送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIを再送信する(ステップS165)。具体的には、送信部230は、上述のステップS125においてデータセンタ600に送信した使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIと同一の情報を、データセンタ600に対して再度送信する。ステップS165の実行後、上述のステップS100に戻る。
上述のステップS130において、受信完了通知を取得したと判定された場合(ステップS130:YES)、異常状態取得部240は、異常状態を取得する(ステップS140)。そして、異常状態取得部240は、取得した異常状態が、「異常がある状態」、すなわち、「異常発生状態」または「メンテナンスが必要な状態」であるか否かを判定する(ステップS145)。
取得した異常状態が、「異常がある状態」、すなわち、「異常発生状態」または「メンテナンスが必要な状態」であると判定された場合(ステップS145:YES)、異常状態取得部240は、異常状態情報を表示する(ステップS150)。「異常状態情報」とは、「異常発生状態」または「メンテナンスが必要な状態」であると判定された部品の名称、異常の内容、異常の度合い、部品の交換時期等を示す情報を意味する。ステップS150では、異常状態取得部240は、車両500に搭載された図示しないナビゲーション装置の表示画面やインストルメントパネルに、異常状態情報を表示させる。
異常状態取得部240は、タイマーを初期化する(ステップS155)。具体的には、異常状態取得部240は、上述のステップS100で利用するタイマーを初期値に設定する。ステップS155の実行後、上述のステップS100に戻る。
上述のステップS145において、取得した異常状態が、「異常がある状態」でない、すなわち、「異常発生状態」かつ「メンテナンスが必要な状態」でないと判定された場合(ステップS145:NO)、上述のステップS155が実行される。
図3および図4に示す異常検知処理は、データセンタ600において実行される。異常検知処理は、例えば、履歴情報RIの管理システムが起動すると開始される。図3に示すように、異常状態特定部610は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIを取得する(ステップS200)。異常状態特定部610は、受信完了通知を送信する(ステップS205)。このとき、異常状態特定部610は、上述のステップS200において使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIとともに送信される車両500の識別情報を利用して、車両500に対してのみ、受信完了通知を送信する。
異常状態特定部610は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIを履歴情報RIに記憶する(ステップS210)。具体的には、異常状態特定部610は、過去(今回よりも前)に車両500から取得してデータセンタ600の図示しないメモリに既に格納した使用環境情報KI等の履歴情報RIに、車両500から今回取得した使用環境情報KI等を対応づけて追加して格納する。
異常状態特定部610は、気候情報CIを取得する(ステップS215)。具体的には、異常状態特定部610は、上述のステップS200において取得した使用環境情報KIから車両500の現在位置を取得し、取得された現在位置における気温および湿度を気候情報CIとして取得する。例えば、現在位置や地域ごとに気温および湿度を提供する図示しないサーバ装置に現在位置を通知して、かかる位置における温度および湿度を取得してもよい。
異常状態特定部610は、取得した気候情報CIを履歴情報RIに記憶する(ステップS220)。具体的には、まず、異常状態特定部610は、取得した気候情報CIを予め定められた分類に区分する。本実施形態において、「予め定められた分類」とは、所定の温度ごと、かつ、所定の湿度ごとのグループ分けを意味する。グループ分けは、例えば、高温多湿グループ、低温乾燥グループ等が該当する。ステップS220では、区分された分類と、使用環境情報KIに含まれる現在の時刻および車両500の現在位置と、上述のステップS210で記憶された各情報KI、DIおよびTIと、気候情報CIとが対応づけられて、図示しないメモリに格納される。このように各情報をグループに分けて管理するのは、後述の異常状態の特定において、車両500の使用環境に類似する環境を検索する際の検索性を向上できるという理由からである。
異常状態特定部610は、履歴情報RIの中に同一車両の類似環境における情報が存在するか否かを判定する(ステップS225)。具体的には、過去に車両500から取得して履歴情報RIに蓄積されている使用環境情報KIや気候情報CIの中に、車両500から今回取得した使用環境情報KIに示される使用環境に類似する環境の情報が存在するか否かを判定する。履歴情報RIの中に同一車両の類似環境における情報が存在すると判定された場合(ステップS225:YES)、異常状態特定部610は、異常状態を特定する際に利用する比較データとして履歴情報RIを選択する(ステップS235)。他方、履歴情報RIの中に同一車両の類似環境における情報が存在しないと判定された場合(ステップS225:NO)、データセンタ600は、比較データとして部品初期特性情報291を選択する(ステップS230)。
上述のように、車両500の異常状態を特定する際に車両500の現在の使用環境に類似する環境における履歴情報RIを比較データとして利用するのは、以下の理由からである。一般に、エンジン100およびエンジン100の部品の物としての特性は初期(製造時)の状態から変化しない。しかし、気温や湿度等の気候の変化に応じて、車両500を制御する際のパラメータ(学習値等)は変化させる必要がある。このため、現在の車両500の使用環境に比較的近い環境におけるパラメータと比較することにより、異常状態をより精度よく特定することができる。
上述のステップS230またはステップS235の実行後、異常状態特定部610は、ステップS200において取得した使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIと、比較データとを比較する(ステップS240)。
図4に示すように、異常状態特定部610は、予め定められた基準以上の乖離があるか否かを判定する(ステップS245)。本実施形態において、「予め定められた基準」とは、車両500の異常状態を、「異常がない状態」と、「異常がある状態」との2つの状態に切り分けるための基準を意味する。かかる基準は、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの内容(パラメータ)ごとに比較データとの差の絶対値がこれぐらいの値であれば「異常がある状態」であると特定可能な値に設定されている。なお、予め定められた基準は、比較データとの差の絶対値に基づき定められる基準に代えて、所定時間の間におけるパラメータ値の変化量に基づき定められてもよい。具体的には、パラメータ値を周期的に取得し、前回取得したパラメータ値と今回取得したパラメータ値との差である変化量が、これぐらいの値であれば「異常がある状態」であると特定可能な値を基準としてもよい。
ステップS245では、異常状態特定部610は、ステップS200で取得された動作状態情報DIおよび部品特性情報TIに示すデータと、比較データとを、内容(パラメータ)ごとに比較する。そして、異常状態特定部610は、パラメータごとに各データ間の乖離度合いが算出する。その後、異常状態特定部610は、算出された乖離度合いに応じて、「異常がない状態」と、「異常がある状態」とを切り分ける。予め定められた基準以上の乖離がないと判定された場合(ステップS245:NO)、異常状態特定部610は、異常状態を、「異常がない状態」であると特定する(ステップS250)。
他方、上述のステップS245において、予め定められた基準以上の乖離があると判定された場合(ステップS245:YES)、異常状態特定部610は、乖離度合いに応じて異常状態を特定する(ステップS255)。具体的には、異常状態特定部610は、乖離度合いが所定の範囲内に収まる場合、異常状態は、「メンテナンスが必要な状態」であると特定する。これに対して、乖離度合いが所定の閾値を超える場合には、異常状態特定部610は、異常状態は、「異常発生状態」であると特定する。上述の所定の範囲および所定の閾値は、異常特定用パラメータTPに予め設定されている。なお、異常状態の具体例についての詳細な説明は、後述する。
異常状態特定部610は、特定された異常状態を車両500に送信する(ステップS260)。このとき、上述のステップS205と同様に、車両500の識別情報を利用することにより、車両500に対してのみ、異常状態を送信する。ステップS260の実行後、ステップS200に戻る。
A3.異常状態の特定:
異常状態の具体例および異常状態を通知することの効果を、下記の(1)〜(4)を例として説明する。
(1)燃焼状態
KCS学習値292が履歴情報RIのKCS学習値に比べて大きくなっている場合や、EGR限界学習値293が履歴情報RIのEGR学習値に比べて小さくなっている場合には、燃料、エンジンオイルおよび不完全燃焼生成物等の堆積物の堆積およびプラグの摩耗等に起因して燃焼状態が悪化していると推測できる。このため、KCS学習値292およびEGR限界学習値293に基づき、燃焼状態の異常を特定できる。また、異常状態を通知することにより、燃焼が悪化した状態で車両500の走行が継続されることを抑制できる。
(2)点火装置の火花の飛びやすさ
プラグギャップが履歴情報RIのプラグギャップに比べて広がっている場合や、プラグギャップの拡大および電極への堆積物の付着が進んでいる場合、点火する際に生じる点火装置の放電電圧波形の最大値(以下、「ピーク電圧」と呼ぶ)が履歴情報RIのピーク電圧に比べて高くなる。このような場合、点火装置の火花が飛びにくくなり、近い将来において燃焼状態に悪影響を与えると推測できる。このため、ピーク電圧に基づき、点火装置あるいは燃焼状態の異常を特定できる。また、異常状態を通知することにより、実際に燃焼が悪化する前に車両500の点検を促すことができる。
(3)燃料噴射量や燃料噴射形状
燃料噴射孔に堆積物が付着すると、燃料噴射量が低下する。また、噴射弁の開弁および閉弁の挙動が変化すると、開弁応答時間、閉弁応答時間、および通電時間あたりの燃料噴射量が変化する。このような変化は、燃料噴射形状を変化させることにもつながり、近い将来において燃焼状態に悪影響を与えると推測できる。このため、燃料噴射弁の開弁応答時間、閉弁応答時間に基づき、燃料噴射量あるいは燃料噴射形状の異常を特定できる。また、異常状態を通知することにより、実際に燃焼が悪化する前に車両500の点検を促すことができる。
なお、燃料噴射量の低下は、以下の方法により推測してもよい。空気量に対してどの程度の期間噴射弁を開けておくかを予めマップに設定しておき、排気ガスにおける残存酸素量をモニタリングしてフィードバック制御を実行する。具体的には、排気ガス中の残存酸素量が過度に多い場合、空気量に対する燃料噴射量が少なすぎると判断して、噴射弁の開弁時間が長くなるように制御する。また、排気ガス中の残存酸素量が過度に少ない場合、空気量に対する燃料噴射量が多すぎると判断して、噴射弁の開弁時間が短くなるように制御する。燃料噴射孔に堆積物が付着している場合、堆積物が付着していない場合に比べて噴射弁の開弁時間を長くしなければ、空気量に対する燃料噴射量が不足してしまうという理由からである。したがって、実際の開弁時間が、マップに設定されている開弁時間に比べて長くなっているという変化を捉えることにより、燃料噴射量の低下を推測できる。
(4)バッテリの充電・放電能力
エンジン100の始動時の電流値と電圧値との対応関係を示すI−V特性において電圧値が下がっている場合には、内部抵抗が上昇して電池が劣化する。このため、近い将来において、エンジン100の始動性の低下を招くと推測できる。また、ハイブリッド車両や電気自動車においては、走行性能の低下を招くと推測できる。このため、上述のI−V特性における電圧値に基づき、バッテリの異常を特定できる。また、異常状態を通知することにより、実際に電池が劣化する前に車両500の点検を促すことができる。
A4.履歴情報リセット処理:
車両500から送信される使用環境情報KI等は、車両500から送信されるたびにデータセンタ600に履歴情報RIとして格納される。このため、データセンタ600では、サーバ装置のメモリ資源の節約のために、車両500の部品が交換されたタイミングで履歴情報RIをリセットする処理が実行される。
図5に示す履歴情報リセット処理は、車両制御装置200において実行される。履歴情報リセット処理は、自動車ディーラーにおいて、部品管理システムに車両500の識別情報および部品交換情報が入力されると開始される。異常状態取得部240は、部品交換履歴が存在するか否かを判定する(ステップS300)。部品交換履歴が存在しない場合(ステップS300:NO)、履歴情報リセット処理は終了する。他方、部品交換履歴が存在する場合(ステップS300:YES)、送信部230は、履歴情報RIのリセット要求通知をデータセンタ600に送信する(ステップS305)。本実施形態において、「リセット要求通知」とは、履歴情報RIのリセットを要求することを示す通知を意味する。ステップS305では、リセット要求に加えて、リセット対象の部品を示す情報を送信する。リセット対象の部品を示す情報は、例えば、部品の品番、部品の名称等が該当する。リセット対象の部品を示す情報を送信するのは、履歴情報RIのうち、リセット対象の部品の情報のみをリセットさせるためである。
異常状態取得部240は、リセット完了通知を取得したか否かを判定する(ステップS310)。本実施形態において、「リセット完了通知」とは、データセンタ600において履歴情報RIのリセットが完了したことを示す通知を意味する。リセット完了通知を取得したと判定された場合(ステップS310:YES)、異常状態取得部240は、部品交換履歴をクリアする(ステップS315)。ステップS315の実行後、履歴情報リセット処理は終了する。
上述のステップS310において、リセット完了通知を取得していないと判定された場合(ステップS310:NO)、異常状態取得部240は、リセット要求通知の送信から予め定められた時間経過したか否かを判定する(ステップS320)。すなわち、ステップS320では、上述のステップS305の実行後から現在までの時間が予め定められた時間以上であるか否かが判定される。本実施形態において、「予め定められた時間」とは、3分を意味する。なお、予め定められた時間は、3分に代えて、他の任意の時間を設定してもよい。
リセット要求通知の送信から予め定められた時間経過していないと判定された場合(ステップS320:NO)、履歴情報リセット処理は終了する。他方、リセット要求通知の送信から予め定められた時間経過したと判定された場合(ステップS320:YES)、送信部230は、リセット要求通知を再送信する(ステップS325)。ステップS325の実行後、履歴情報リセット処理は終了する。
図6に示す履歴情報リセット処理は、データセンタ600において実行される。履歴情報リセット処理は、例えば、履歴情報RIの管理システムが起動すると開始される。異常状態特定部610は、車両500からリセット要求通知を取得したか否かを判定する(ステップS400)。リセット要求通知を取得していないと判定された場合(ステップS400:NO)、ステップS400が再び実行される。他方、リセット要求通知を取得したと判定された場合(ステップS400:YES)、異常状態特定部610は、リセット対象の部品の履歴情報RIをリセットする(ステップS405)。具体的には、データセンタ600は、リセット要求通知とともに送信されるリセット対象の部品を示す情報を参照して、履歴情報RIのうちリセット対象の部品の履歴情報RIをリセットする。
異常状態特定部610は、車両500に対してリセット完了通知を送信する(ステップS410)。ステップS410の実行後、上述のステップS400に戻る。
以上の構成を有する第1実施形態の車両制御装置200によれば、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIに基づいて特定されたエンジン100が備える部品の異常状態が通信装置360を介してデータセンタ600から取得されるので、異常状態を精度よく検出できる。また、車両500の現在位置における温度および湿度の情報に基づき特定される異常状態が取得されるので、エンジン100の性能に影響を与えやすい温度および湿度を利用して、異常状態を精度よく検出できる。加えて、部品初期特性情報291に基づき特定される異常状態が取得されるので、部品初期特性情報291との乖離度合いを検出することにより、異常状態を容易に検出でき、異常状態を精度よく検出できる。また、車両500の部品が交換されたタイミングで履歴情報RIをリセットする処理が実行されるので、履歴情報RIをリセットしない構成に比べて、メモリ資源を節約できる。
B.第2実施形態:
第2実施形態における車両制御装置200は、図1に示す第1実施形態における車両制御装置200と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
図7に示す第2実施形態における異常検知処理は、ステップS100を省略する点と、ステップS105に代えてステップS105aを実行する点と、ステップS106を追加して実行する点と、ステップS155に代えてステップS155aを実行する点とにおいて、図2に示す第1実施形態における異常検知処理と異なる。第2実施形態の異常検知処理のその他の手順は、第1実施形態の異常検知処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1実施形態では、タイマーが予め定められた値以上である場合にデータセンタ600に使用環境情報KI等が送信されていた。これに対して、第2実施形態では、動作状態情報DIが更新された場合にこれらの情報が送信される。以下、具体的に説明する。
図7に示すように、車両500のイグニッションスイッチがオンにされると、異常状態取得部240は、動作状態情報DIが更新されたか否かを判定する(ステップS105a)。具体的には、異常状態取得部240は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が更新されたか否かを判定する。
動作状態情報DIが更新されていないと判定された場合(ステップS105a:NO)、ステップS105aが再び実行される。他方、動作状態情報DIが更新されたと判定された場合(ステップS105a:YES)、異常状態取得部240は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束したか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、まず、異常状態取得部240は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293を所定時間の間、繰り返し取得する。そして、取得された学習値に変化がない場合、異常状態取得部240は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束したと判定する。他方、取得された学習値に変化がある場合、異常状態取得部240は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束していないと判定する。なお、異常状態取得部240は、取得された学習値の変化量が次第に少なくなっている場合に、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束したと判定してもよい。
KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束したと判定された場合(ステップS106:YES)、上述のステップS110が実行される。他方、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束していないと判定された場合(ステップS106:NO)、上述のステップS105aに戻る。
図7に示すように、上述のステップS145の実行後またはステップS150の実行後、異常状態取得部240は、更新履歴を初期化する(ステップS155a)。具体的には、異常状態取得部240は、使用環境情報KI等のデータセンタ600への送信が完了したことを示すフラグをオンに設定する。ステップS155aの実行後、上述のステップS105aに戻る。
以上の構成を有する第2実施形態の車両制御装置200によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束した場合に動作状態情報DIが送信されるので、学習値が更新されるたびに動作状態情報DIを送信する構成に比べて、データセンタ600との通信に要する負荷を低減できる。
C.第3実施形態:
第3実施形態における車両制御装置200は、図1に示す第1実施形態における車両制御装置200と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
図8に示す第3実施形態における異常検知処理は、ステップS100を省略する点と、ステップS105に代えてステップS105bを実行する点と、ステップS155に代えてステップS155bを実行する点とにおいて、図2に示す第1実施形態における異常検知処理と異なる。第3実施形態の異常検知処理のその他の手順は、第1実施形態の異常検知処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態における異常検知処理は、自動車ディーラーにおいて点検修理等を行う場合に実行される。自動車ディーラーでは、限られた情報を利用して不具合の再現を試みるために車両500の異常状態を精度よく検出できないことがある。そこで、第3実施形態では、自動車ディーラーにおいて点検修理等に用いられる故障診断装置に車両500が接続され、また、データセンタ600から使用環境情報KI等の送信要求があった場合に使用環境情報KIがデータセンタ600に送信される。以下、具体的に説明する。
図8に示す第3実施形態における異常検知処理は、図示しない故障診断装置と車両500とが図示しない通信用ケーブルを介して接続されると、開始される。異常状態取得部240は、送信要求通知を取得したか否かを判定する(ステップS105b)。本実施形態において、「送信要求通知」とは、データセンタ600が車両500に使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIの送信を要求していることを示す通知を意味する。送信要求通知を取得したと判定された場合(ステップS105b:YES)、上述のステップS110が実行される。他方、送信要求通知を取得していないと判定された場合(ステップS105b:NO)、ステップS105bが再び実行される。
図8に示すように、上述のステップS145の実行後またはステップS150の実行後、異常状態取得部240は、送信要求をクリアする(ステップS155b)。具体的には、異常状態取得部240は、上述のステップS105bで取得した送信要求通知をクリアする。ステップS155bの実行後、上述のステップS105bに戻る。
以上の構成を有する第3実施形態の車両制御装置200によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
D.第4実施形態:
D1.装置構成:
図9に示す第4実施形態における異常検知システム800aは、車両制御装置200に代えて車両制御装置200aを備える点と、データセンタ600に代えてデータセンタ600aを備える点とにおいて、図1に示す第1実施形態における異常検知システム800と異なる。第4実施形態における異常検知システム800aのその他の構成は、第1実施形態の異常検知システム800と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、第4実施形態における車両500aは、エンジン100に代えてエンジン100aを備える点において、図1に示す第1実施形態における車両500と異なる。図9では、図示の便宜上、エンジン100aの構成の図示を省略している。
図10に示すように、エンジン100aは、バルブタイミング調整装置126をさらに備える点において、図1に示すエンジン100と異なる。第4実施形態におけるエンジン100aのその他の構成は、第1実施形態のエンジン100と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10に示すように、バルブタイミング調整装置126は、吸気弁125、より正確には、後述の吸気カムシャフトに設けられ、吸気弁125の開閉タイミング(以下、「バルブタイミング」と呼ぶ)を調整する。バルブタイミング調整装置126は、油圧制御弁としてのオイルコントロールバルブ(不図示)の駆動による作動油の供給および排出を通じて、吸気弁125を開閉駆動する吸気カムシャフト(不図示)のクランク角に対する位相(以下、「VCT位相」と呼ぶ)を変化させる。本実施形態において、バルブタイミング調整装置126は、油圧駆動方式の可変バルブタイミング装置である。なお、バルブタイミング調整装置126は、油圧駆動方式に代えて、モータ駆動方式であってもよいし、他の任意の方式の可変バルブタイミング装置であってもよい。バルブタイミング調整装置126の詳細構成については、後述する。
図9に戻り、車両制御装置200aは、第1実施形態が備える各部210〜250に加えて、さらに、VCT位相制御部260と、作動時間情報取得部270とを備える。VCT位相制御部260は、VCT位相のフィードバック制御を行なう。具体的には、VCT位相制御部260は、吸気弁125の実バルブタイミング(以下、「実位相」と呼ぶ)をエンジン100aの運転状態に応じて設定された目標バルブタイミング(以下、「目標位相」と呼ぶ)に一致させるように、バルブタイミング調整装置126を駆動する油圧を制御する。なお、VCT位相制御部260には、冷却水温センサ330、吸気圧センサおよびスロットルセンサ等の各種センサの検出結果が入力され、VCT位相制御部260は、かかる検出結果を利用してエンジン100aの運転状態を特定している。
作動時間情報取得部270は、バルブタイミング調整装置126の作動時間を示す情報(以下、「作動時間情報」と呼ぶ)を取得する。本実施形態において、「作動時間」とは、バルブタイミング調整装置126の作動要求に対する応答時間、すなわち、VCT位相制御部260がバルブタイミング調整装置126に対して作動指示を与えてから、バルブタイミング調整装置126が実際に作動を開始するまでの時間を意味する。以下、バルブタイミング調整装置126の概略構成を説明した上で、作動時間について説明する。
図11に示すように、エンジン100aは、クランクシャフト12と、吸気カムシャフト16と、排気カムシャフト17とを備える。クランクシャフト12からの動力は、タイミングチェーン13により、スプロケット14および15を介して吸気カムシャフト16と排気カムシャフト17とに伝達される。バルブタイミング調整装置126は、吸気カムシャフト16に設けられ、クランクシャフト12に対する吸気カムシャフト16の進角量(上述のVCT位相)を調整する。
吸気カムシャフト16の外周側には、カム角センサ19が設けられている。カム角センサ19は、VCT位相制御部260に対してカム角信号パルスを出力する。クランクシャフト12の外周側には、クランク角センサ116が設けられている。クランク角センサ116は、VCT位相制御部260に対してクランク角信号パルスを出力する。VCT位相制御部260は、入力された各信号パルスから実位相を算出する。
図12では、図11に示すバルブタイミング調整装置126を拡大して示している。図12に示すように、バルブタイミング調整装置126には、吸気カムシャフト16に一体回転可能に固定されたロータ35が設けられている。また、バルブタイミング調整装置126には、吸気カムシャフト16と同一軸線上に、ロータ35を囲むようにハウジング31が設けられている。ハウジング31は、図11に示すクランクシャフト12の回転に連動して回転する。
図12に示すように、ハウジング31の内周面には、吸気カムシャフト16の軸線に向かって突出する突部44が周方向に所定間隔をおいて複数形成されている。ロータ35の外周面には、径方向外方に突出する複数のベーン41が形成されている。複数のベーン41は、隣り合う突部44の間にそれぞれ配置されている。ハウジング31内における各突部44の間の部分は、ベーン41によって進角室42と遅角室43とに区画されている。
進角室42および遅角室43に対する作動油の供給と排出とが切り替えられることにより、クランクシャフト12に対する吸気カムシャフト16の相対回転位相、すなわち、ハウジング31に対するロータ35の相対回転位相が変更される。具体的には、進角室42に作動油を供給するとともに遅角室43から作動油を排出して、ロータ35をハウジング31に対して図12に示す回転方向に相対回転させることにより、VCT位相が進角して吸気弁125のバルブタイミングが進角する。他方、遅角室43に作動油を供給するとともに進角室42から作動油を排出して、ロータ35をハウジング31に対して図12に示す回転方向とは反対方向に相対回転させることにより、VCT位相が遅角して吸気弁125のバルブタイミングが遅角する。このように、バルブタイミング調整装置126が駆動されて吸気弁125のバルブタイミングが変更される。
図12に示すように、複数のベーン41のうちの少なくとも1つのベーン41の両端部には、ストッパ部56が設けられている。ストッパ部56は、ハウジング31に対するロータ35の相対回動範囲を規制する。すなわち、ストッパ部56により、実位相の調整可能範囲の最遅角位相と最進角位相とが規制される。
バルブタイミング調整装置126には、VCT位相をロックするロックモードと、VCT位相のロックを解除するロック解除モードと、を切り替え可能なロック機構50が設けられている。ロック機構50は、ロータ35のベーン41が形成された収容孔と、かかる収容孔に進退可能に収容されたロックピン52と、ハウジング31に形成されたロック穴(不図示)とを備えている。ロックピン52は、ばねによってロック穴にはめ込まれる方向に常時付勢されるとともに、解除室51の油圧によってロック穴から抜ける方向に付勢される。
ロック機構50は、解除室51に対する作動油の供給および排出の状態を変更することにより、ロックモードとロック解除モードとを切り替える。すなわち、ロック機構50の解除室51から作動油を排出させて解除室51の油圧を低下させると、ロックピン52がばねの付勢により収容孔から押し出されてロック穴に没入される。その結果、ロック機構50がロックモードとなる。
一方、ロック機構50の解除室51に作動油を供給して解除室51の油圧を上昇させると、ロックピン52がロック穴から抜き出されて収容孔に戻される。その結果、ロック機構50がロック解除モードとなる。なお、ロック機構50がロックモードであるときは、VCT位相が規制されて最進角位相と最遅角位相との間の中間位相となる。
次に、上述の作動時間について説明する。図13では、実位相が最遅角位相である状態から目標位相が変化した場合における作動時間を示している。時間T0において、VCT位相制御部260は、バルブタイミング調整装置126に対して、目標位相の変更を示す制御信号を出力して、バルブタイミング調整装置126に作動指示を与える。バルブタイミング調整装置126は、作動指示を受け取ると、遅角室43から油圧を抜いた状態で進角室42に供給する油圧を変化させ、時間T0から所定の期間経過後の時間T1において、一点鎖線に示すように、実位相は進角し始めて、次第に目標位相に近づいていく。
このとき、VCT位相制御部260は、所定の間隔ごとに、カム角センサ19およびクランク角センサ116からの信号パルスの受信と、受信した信号パルスに基づく実位相の算出とを、繰り返して実行することにより、バルブタイミング調整装置126が実際に作動を開始したことを検出する。図13に示す例において作動時間は、VCT位相制御部260から作動指示が与えられた時間T0からバルブタイミング調整装置126が実際に作動を開始した時間T1までの時間が該当する。
例えば、バルブタイミング調整装置126のバルブアクチュエータ(弁体駆動部)等が「異常がある状態」である場合、作動指示に対する応答に対して遅れが生じ得る。このため、実線に示すように、時間T1から所定期間経過後の時間T2において、実位相が進角し始める。したがって、この場合における作動時間は、時間T0から時間T2までの時間であるとともに、時間T0から時間T1までの時間を基準作動時間とすると、かかる基準作動時間に対して作動遅れ分の時間(時間T2−時間T1)を加算した時間となる。後述の異常検知処理では、作動時間を利用して、具体的には、基準作動時間と、実際の作動時間とを比較することにより、バルブタイミング調整装置126の異常状態を検出している。なお、基準作動時間は、予め実験により求められ、メモリ290に記憶されている。
図14では、実位相が最進角位相である状態から目標位相が変化した場合における作動時間を示している。時間T3において、VCT位相制御部260は、バルブタイミング調整装置126に対して、目標位相の変更を示す制御信号を出力して、バルブタイミング調整装置126に作動指示を与える。バルブタイミング調整装置126は、作動指示を受け取ると、進角室42から油圧を抜いた状態で遅角室43に供給する油圧を変化させ、時間T3から所定の期間経過後の時間T4において、一点鎖線に示すように、実位相は遅角し始めて、次第に目標位相に近づいていく。図14に示す例において、作動時間は、時間T3から時間T4までの時間が該当する。
図13に示す例と同様に、バルブタイミング調整装置126のバルブアクチュエータ等が「異常がある状態」である場合には、基準作動時間に対して遅れが生じ得るために、時間T4から所定期間経過後の時間T5において、実位相が遅角し始める。
バルブタイミング調整装置126の作動時間情報は、後述の異常検知処理において、車両制御装置200からデータセンタ600aに送信される。図9に示すように、データセンタ600aでは、使用環境情報KI、動作状態情報DI、部品特性情報TIおよび気候情報CIに加えて、作動時間情報SIが履歴情報RIaとして管理される。また、データセンタ600aの異常状態特定部610は、作動時間情報SIを利用して、バルブタイミング調整装置126の異常状態を特定する。
D2.異常検知処理:
図15に示す第4実施形態における異常検知処理は、ステップS100を省略する点と、ステップS105に代えてステップS105cを実行する点と、ステップS123を追加して実行する点と、ステップS125に代えてステップS125aを実行する点と、ステップS165に代えてステップS165aを実行する点とにおいて、図2に示す第1実施形態における異常検知処理と異なる。第2実施形態の異常検知処理のその他の手順は、第1実施形態の異常検知処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1実施形態では、タイマーが予め定められた値以上である場合にデータセンタ600に使用環境情報KI等が送信されていた。これに対して、第4実施形態では、VCT位相制御部260によるバルブタイミング調整装置126への作動要求があった場合に、使用環境情報KI等とともに作動時間情報SIがデータセンタ600aに送信される。以下、具体的に説明する。
図15に示すように、車両500のイグニッションスイッチがオンにされると、異常状態取得部240は、予め定められた作動要求があるか否かを判定する(ステップS105c)。「予め定められた作動要求」とは、VCT位相制御部260からバルブタイミング調整装置126に対する、目標位相の変更を指示する作動要求を意味する。本実施形態では、予め定められた作動要求としては、バルブタイミング調整装置126の実位相が最進角位相あるいは最遅角位相である状態から目標位相が変更される場合における作動要求が該当する。
ステップS105cにおいて、異常状態取得部240は、VCT位相制御部260からバルブタイミング調整装置126の実位相を取得するとともに、目標位相の変更を指示する作動要求を行なったか否かを取得することにより、予め定められた作動要求の有無を判定する。予め定められた作動要求がないと判定された場合(ステップS105c:NO)、ステップS105cに戻る。
他方、予め定められた作動要求があると判定された場合(ステップS105c:YES)、上述のステップS110〜ステップS120が実行され、作動時間情報取得部270は、作動時間情報SIを取得する(ステップS123)。具体的には、作動時間情報取得部270は、図13および図14を用いて説明したように、作動時間情報SIとして、バルブタイミング調整装置126の実位相が最進角位相あるいは最遅角位相である状態から目標位相が変更された場合における作動時間を取得する。なお、ステップS110〜ステップS123は、任意の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
図15に示すように、送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DI、部品特性情報TIおよび作動時間情報SIをデータセンタ600aに送信する(ステップS125a)。
ステップS160において、使用環境情報KI、動作状態情報DI、部品特性情報TIおよび作動時間情報SIの送信から予め定められた時間経過したと判定された場合(ステップS160:YES)、送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DI、部品特性情報TIおよび作動時間情報SIを再送信する(ステップS165a)。具体的には、送信部230は、上述のステップS125aにおいてデータセンタ600aに送信した情報と同一の情報をデータセンタ600aに対して再度送信する。ステップS165aの実行後、上述のステップS105cに戻る。
D3.異常状態の特定:
異常状態の具体例および異常状態を通知することの効果を、下記の(1)を例として説明する。
(1)バルブアクチュエータの応答性
バルブタイミング調整装置126の作動時間が、履歴情報RIaの作動時間に比べて長くなっている場合、バルブアクチュエータの摩耗および汚染等に起因して、バルブアクチュエータの応答性が低下していると推測できる。本実施形態のように、作動時間情報SIとして、実位相が最進角位相あるいは最遅角位相の状態から目標位相が変更された場合における作動時間を用いる場合には、実位相の動き始めの遅れ、すなわち、作動時間の遅れが顕著に現われる。このため、バルブタイミング調整装置126の作動時間情報SIに基づき、バルブアクチュエータの異常を容易に特定できる。また、異常状態を通知することにより、吸気弁125のバルブタイミングの精度が悪化する前に車両500の点検を促すことができる。
また、履歴情報RIaの使用環境情報KIや部品特性情報TIを利用して、使用環境が近い車両の作動時間情報SIと比較することにより、異常状態を判定してもよい。また、温度やエンジンオイルの種類等に応じて、異常状態の判定基準を変更してもよい。この結果、温度やオイルの種類に起因してオイルの粘性が変化することによりバルブアクチュエータの応答性が変化した場合においても、バルブタイミング調整装置126の異常状態を精度よく検出できる。
バルブタイミング調整装置126がモータ駆動方式である場合においても、車両500aと使用環境が近い車両の作動時間情報SIと比較することにより異常状態を判定してもよいし、温度条件に応じて異常状態の変更基準を変更してもよい。この結果、温度変化に起因してバッテリの出力可能電力が変化した場合においても、バルブアクチュエータの応答性の低下を容易に検出できる。
以上の構成を有する第4実施形態の車両制御装置200aによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、バルブタイミング調整装置126の作動要求を検出した場合に作動時間情報SIを送信するので、送信された作動時間情報SIを利用して異常状態を容易に検出できる。
E1.他の実施形態1:
上記各実施形態において、送信部230は、使用環境情報KIおよび動作状態情報DIをデータセンタ600に送信していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、送信部230は、使用環境情報KIのみを送信してもよい。また、例えば、送信部230は、動作状態情報DIのみを送信してもよい。すなわち、一般には、使用環境情報KIと、動作状態情報DIと、のうちの少なくとも一方をデータセンタ600に送信する構成であれば、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E2.他の実施形態2:
上記各実施形態において、異常状態取得部240は、気候情報CIとして車両500の現在位置における温度および湿度に基づき特定される異常状態を取得していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、異常状態取得部240は、温度に基づき特定される異常状態を取得してもよい。また、例えば、異常状態取得部240は、湿度に基づき特定される異常状態を取得してもよい。すなわち、一般には、異常状態取得部240は、気候情報CIとして、車両500の現在位置における温度と、湿度と、のうちの少なくとも一方の情報に基づき特定される異常状態を取得してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E3.他の実施形態3:
上記各実施形態および他の実施形態2において、気候情報CIは、車両500の現在位置における温度および湿度であったが、これに代えて、または、これに加えて、車両500の現在位置における標高、大気圧、日照量、降雨量、降雪量および積雪量等の気候情報であってもよい。なお、異常状態取得部240は、気候情報CIを利用しないで特定される異常状態を取得してもよい。かかる構成においては、例えば、部品初期特性情報291を利用して特定される異常状態を取得してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E4.他の実施形態4:
上記各実施形態において、動作状態情報取得部220は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293を取得していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、動作状態情報取得部220は、KCS学習値292のみを取得してもよい。また、例えば、動作状態情報取得部220は、EGR限界学習値293のみを取得してもよい。すなわち、一般には、KCS学習値292と、EGR限界学習値293と、のうちの少なくとも一方を動作状態情報DIとして取得する構成であれば、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E5.他の実施形態5:
上記第2実施形態において、送信部230は、KCS学習値292およびEGR限界学習値293が収束した場合に、動作状態情報DIをデータセンタ600に送信していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、送信部230は、KCS学習値292が収束した場合にのみ、動作状態情報DIを送信してもよい。また、例えば、EGR限界学習値293が収束した場合にのみ、動作状態情報DIを送信してもよい。すなわち、一般には、KCS学習値292と、EGR限界学習値293と、のうちの少なくとも一方の学習値が収束した場合に動作状態情報DIを送信する構成であってもよい。また、例えば、送信部230は、動作状態情報DIが更新された場合に、学習値の収束の有無に関わらず、動作状態情報DIを送信してもよい。また、例えば、送信部230は、データセンタ600に動作状態情報DI等を送信してから所定時間経過後に動作状態情報DIが更新された場合に、動作状態情報DIを送信してもよい。このような構成においても、上記第2実施形態と同様な効果を奏する。
E6.他の実施形態6:
上記各実施形態において、データセンタ600から受信完了通知を取得しない場合に使用環境情報KI等を再送信していたが、これに代えて、または、これに加えて、使用環境情報KI等の送信処理の中断を行ってもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E7.他の実施形態7:
上記各実施形態において、異常状態は車両500に対してのみ送信されていたが、これに代えて、または、これに加えて、車両500の所有者や、車両500の自動車ディーラーに対して送信されてもよい。この場合、例えば、電子メールにより送信されてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E8.他の実施形態8:
上記各実施形態において、異常状態情報は、ナビゲーション装置の表示画面やインストルメントパネルに表示されていたが、これに代えて、または、これに加えて、車両500の所有者のスマートフォンに表示されてもよいし、自動車ディーラーに設置されている表示装置に表示されてもよい。また、異常状態情報の表示を省略してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E9.他の実施形態9:
上記各実施形態において、部品特性情報TIがデータセンタ600に送信されていたが、部品特性情報TIの送信を省略してもよい。かかる構成においては、異常状態取得部240は、使用環境情報KIと、動作状態情報DIと、のうちの少なくとも一方の情報に基づき特定される異常状態を取得してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E10.他の実施形態10:
上記各実施形態において、送信部230は、使用環境情報KI、動作状態情報DIおよび部品特性情報TIに加えて、車両500の走行能力に影響を与えるパラメータの情報をデータセンタ600に送信してもよい。具体的には、送信部230は、オクタン価等の燃料種情報を送信してもよい。一般に、オクタン価(自着火温度)の高い燃料を使用することにより、ノッキングの発生が抑制される。したがって、オクタン価が変化すると、KCS学習値292も変化する。このため、車両500の異常状態を特定する際に、オクタン価の変化前後における履歴情報RIとの比較を行わないことが好ましい。したがって、車両500から燃料の給油履歴や、燃料種情報を取得して、オクタン価が変化している場合には、上述のステップS240において、比較データとして履歴情報RIを選択しないようにしてもよい。この場合、オクタン価等の燃料種情報は、燃料の給油時に車両制御装置200が給油設備と通信して取得し、取得された情報をデータセンタ600に送信してもよい。
また、送信部230は、エンジンオイルの交換履歴、エンジンオイルの種類、燃料の給油履歴、部品の交換履歴、および交換した部品の特性等の情報を送信してもよい。交換した部品の特性を示す情報は、部品ごとに記録装置に記憶しておき、車両制御装置200が記録装置に記憶された情報を取得して、データセンタ600に送信してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E11.他の実施形態11:
上記第4実施形態において、作動時間は、バルブタイミング調整装置126のロックモードの解除指令を検出したときからバルブタイミング調整装置126が実際に作動するまでの時間としてもよい。
図16では、実位相がロック位相である状態から目標位相が変化した場合における作動時間を示している。時間T6までの期間において、バルブタイミング調整装置126は、ロックモードであり、実位相は、ロック位相である最遅角位相と最進角位相との間の中間位相に維持されている。時間T6において、VCT位相制御部260がバルブタイミング調整装置126に対して、ロック解除を示す制御信号を出力して、バルブタイミング調整装置126に作動指示を与える。バルブタイミング調整装置126は、ロック解除指令を受け取ると、ロック機構50の解除室51に作動油を供給することにより、解除室51の油圧が上昇し、ロックピン52がロック穴から抜き出される。そして、バルブタイミング調整装置126は、ロック解除モードに移行して、通常のフィードバック制御を行なう。
その後、バルブタイミング調整装置126は、進角室42から油圧を抜いた状態で遅角室43に供給する油圧を変化させ、時間T6から所定の期間経過後の時間T7において、一点鎖線に示すように、実位相は遅角し始めて、次第に目標位相に近づいていく。図16に示す例において、作動時間は、VCT位相制御部260によってロック解除指令がなされた時間T6からバルブタイミング調整装置126が実際に作動する時間T7までの時間が該当する。
なお、上述の図13および図14に示す例と同様に、図16に示す例において、バルブタイミング調整装置126のバルブアクチュエータ等が「異常がある状態」である場合には、時間T7から所定期間経過後の時間T8までの期間において、作動遅れが生じ得る。
以上説明した構成では、バルブタイミング調整装置126は、ロックピン52をロック穴から抜き出すことによりロック解除モードに移行した上で、フィードバック制御を行なう。したがって、作動時間が履歴情報RIaの作動時間に比べて長くなっている場合には、バルブタイミング調整装置126の異常状態として、ロックピン52の摩耗等に起因するロックピン52の動作性が低下していると推測できる。このため、バルブタイミング調整装置126の異常状態を容易に検出できる。このような構成においても、上記第4実施形態と同様な効果を奏する。
E12.他の実施形態12:
上記第4実施形態および他の実施形態11において、作動時間の終期は、バルブタイミング調整装置126が実際に作動を開始する時点としなくてもよい。例えば、実位相が目標位相あるいは目標位相から所定の範囲内の位相に収束した時点としてもよい。このような構成においても、上記第4実施形態および他の実施形態11と同様な効果を奏する。
E13.他の実施形態13:
上記第4実施形態、他の実施形態11および他の実施形態12において、バルブタイミング調整装置126は、排気弁131に設けられてもよい。かかる構成では、異常検知処理において、作動時間情報取得部270は、排気弁131のバルブタイミング調整装置の作動時間情報SIを取得し、送信部230は、かかる作動時間情報SIをデータセンタ600aに送信してもよい。また、作動時間情報取得部270は、吸気弁125に設けられたバルブタイミング調整装置126、および排気弁131に設けられたバルブタイミング調整装置の両方の作動時間情報SIを取得してもよい。すなわち、一般には、吸気弁125と、排気弁131と、のうちの少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に対する作動時間情報を取得し、取得された作動時間情報を動作状態情報として送信する構成であれば、上記第4実施形態、他の実施形態11および他の実施形態12と同様な効果を奏する。
E14.他の実施形態14:
上記各実施形態において、車両制御装置200、200aは、使用環境情報取得部210および動作状態情報取得部220をいずれも備えていたが、いずれか一方を省略してもよい。すなわち、一般には、車両制御装置200、200aは、使用環境情報取得部210と、動作状態情報取得部220と、のうちの少なくとも一方を備える構成としてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
E15.他の実施形態15:
上記各実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いてもよい。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
100 エンジン、200 車両制御装置、210 使用環境情報取得部、220 動作状態情報取得部、230 送信部、240 異常状態取得部、360 通信装置、500 車両、600 データセンタ、CI 気候情報、DI 動作状態情報

Claims (9)

  1. 内燃機関(100)を備える車両(500)に搭載されて該車両を制御する車両制御装置(200)であって、
    前記車両の使用環境を示す使用環境情報(KI)を取得する使用環境情報取得部(210)と、
    前記内燃機関の動作状態を示す動作状態情報(DI)を取得する動作状態情報取得部(220)と、
    前記使用環境情報と、前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方を、前記車両に搭載される通信装置(360)を介して、前記車両とは異なる外部装置(600)に送信する送信部(230)と、
    送信された前記使用環境情報と、送信された前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方に基づいて特定された前記内燃機関が備える部品の異常状態を、前記通信装置を介して前記外部装置から取得する異常状態取得部(240)と、
    を備える、
    車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記使用環境情報取得部は、前記使用環境情報として、前記車両の現在位置を示す情報を取得し、
    前記異常状態取得部は、前記現在位置における気候情報(CI)を利用して特定された前記異常状態を取得する、
    車両制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両制御装置であって、
    前記異常状態取得部は、前記気候情報として、前記現在位置における温度と、前記現在位置における湿度と、のうちの少なくとも一方の情報に基づき特定される前記異常状態を取得する、
    車両制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記動作状態情報取得部は、前記動作状態情報として、前記内燃機関の点火時期の遅角量の学習値であるKCS学習値と、前記内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスのうち前記内燃機関における吸気側に再循環させるガスの量の上限量の学習値であるEGR限界学習値と、のうちの少なくとも一方を取得し、
    前記送信部は、取得された前記KCS学習値と、前記EGR限界学習値と、のうちの少なくとも一方の学習値が収束した場合に、前記動作状態情報を送信する、
    車両制御装置。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記動作状態情報取得部は、前記動作状態情報として、前記内燃機関の吸気弁と、前記内燃機関の排気弁と、のうちの少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に対する作動要求の応答時間を取得し、
    前記送信部は、前記作動要求を検出した場合に、前記動作状態情報を送信する、
    車両制御装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記異常状態取得部は、送信された前記動作状態情報と、送信された前記使用環境情報に示される前記使用環境に類似する環境における動作状態情報と、を比較することにより特定される前記異常状態を取得する、
    車両制御装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記部品の特性を示す部品特性情報(TI)を取得する部品特性情報取得部(250)を、さらに備え、
    前記送信部は、取得された前記部品特性情報を送信し、
    前記異常状態取得部は、送信された前記部品特性情報に基づき特定された前記異常状態を取得する、
    車両制御装置。
  8. 請求項7に記載の車両制御装置であって、
    前記部品特性情報取得部は、前記部品特性情報として、前記部品の製造時の前記特性を示す情報を取得する、
    車両制御装置。
  9. 内燃機関(100)を有する車両(500)の異常を検知するための異常検知システム(800)であって、
    前記車両に搭載され、前記車両を制御する車両制御装置(200)と、
    前記車両制御装置とは異なる外部装置(600)と、
    を備え、
    前記車両制御装置は、
    前記車両の使用環境を示す使用環境情報(KI)を取得する使用環境情報取得部(210)と、
    前記内燃機関の動作状態を示す動作状態情報(DI)を取得する動作状態情報取得部(220)と、
    前記使用環境情報と、前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方を、前記車両に搭載される通信装置(360)を介して、前記外部装置に送信する送信部(230)と、
    前記内燃機関が備える部品の異常状態を、前記通信装置を介して前記外部装置から取得する異常状態取得部(240)と、
    を有し、
    前記外部装置は、
    送信された前記使用環境情報と、送信された前記動作状態情報と、のうちの少なくとも一方に基づいて、前記異常状態を特定する異常状態特定部(610)を、有する、
    異常検知システム。
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