JP2019183240A - カドミウム回収設備および回収方法 - Google Patents

カドミウム回収設備および回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019183240A
JP2019183240A JP2018077438A JP2018077438A JP2019183240A JP 2019183240 A JP2019183240 A JP 2019183240A JP 2018077438 A JP2018077438 A JP 2018077438A JP 2018077438 A JP2018077438 A JP 2018077438A JP 2019183240 A JP2019183240 A JP 2019183240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cadmium
hydrogen gas
reaction
zinc powder
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018077438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6992662B2 (ja
Inventor
敦史 印南
Atsushi Innan
敦史 印南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2018077438A priority Critical patent/JP6992662B2/ja
Publication of JP2019183240A publication Critical patent/JP2019183240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6992662B2 publication Critical patent/JP6992662B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】セメンテーション反応の終点を簡便かつ精度良く検知できるカドミウム回収設備を提供する。【解決手段】カドミウム回収設備1は、硫酸カドミウム水溶液が貯留され、金属亜鉛粉末が連続的または断続的に添加され、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により金属カドミウムが析出する反応槽10と、反応槽10における水素ガスの発生を検知する水素ガス検知装置20とを備える。セメンテーション反応の終了後はフリー硫酸と金属亜鉛とから水素ガスが発生する反応が主となる。水素ガス検知装置20により反応槽10における水素ガスの発生を検知することで、セメンテーション反応の終点を検知できる。【選択図】図1

Description

本発明は、カドミウム回収設備および回収方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、硫酸カドミウム水溶液中のカドミウムイオンと金属亜鉛粉末とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを回収する設備および方法に関する。
カドミウムを含有する排水の処理方法として、排水に金属亜鉛粉末を投入し、セメンテーション反応によりカドミウムを析出させて、排水からカドミウムを分離回収する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2014−214316号公報
カドミウム地金の製造においては、硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加し、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる。セメンテーション反応により析出した金属カドミウムが回収される。
このようなセメンテーション反応では始液(硫酸カドミウム水溶液)に含まれるカドミウムイオンの量に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加する必要がある。金属亜鉛粉末の添加量が不足していると、カドミウムイオンが終液(セメンテーション反応後液)に残留し、カドミウムのロスとなる。また、終液の排水処理工程において、カドミウムの除去コストが増加する。金属亜鉛粉末の添加量が過剰であると、回収された金属カドミウムに未反応の金属亜鉛が不純物として混入する。
始液のカドミウムイオン濃度を予め測定し、始液に含まれるカドミウムイオンの量に対して適切な量の金属亜鉛粉末を添加すればよいとも考えられる。しかし、硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加すると、セメンテーション反応と同時に、始液に含有されるフリー硫酸による金属亜鉛粉末の溶解が進行する。すなわち、始液に添加された金属亜鉛粉末の一部は溶解され、セメンテーション反応に供しない。そのため、始液に含まれるカドミウムイオンの量に加えて、硫酸により溶解される金属亜鉛の量を考慮して金属亜鉛粉末の添加量を決定する必要があり、最適な添加量を精度良く予測することは困難である。しかも、この手順により金属亜鉛粉末の添加量を決定するには始液のカドミウムイオン濃度およびフリー硫酸濃度を測定する必要があり、多大な手間と時間を要する。
一方、始液に対して金属亜鉛粉末を連続的に添加し、セメンテーション反応が終了したと判断された時点で金属亜鉛粉末の添加を停止することが考えられる。そうすれば、金属亜鉛粉末を過不足なく添加できる。
本発明は上記事情に鑑み、セメンテーション反応の終点を簡便かつ精度良く検知できるカドミウム回収設備および回収方法を提供することを目的とする。
第1発明のカドミウム回収設備は、硫酸カドミウム水溶液が貯留され、金属亜鉛粉末が連続的または断続的に添加され、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により金属カドミウムが析出する反応槽と、前記反応槽における水素ガスの発生を検知する水素ガス検知装置と、を備えることを特徴とする。
第2発明のカドミウム回収設備は、第1発明において、前記反応槽内のガスを排出する排気ダクトを備え、前記水素ガス検知装置は、前記排気ダクト内を流れるガスの水素ガス濃度を測定する水素ガス濃度測定器を備えることを特徴とする。
第3発明のカドミウム回収設備は、第2発明において、前記水素ガス検知装置は、前記排気ダクト内を流れるガスの流量を測定する流量計を備えることを特徴とする。
第4発明のカドミウム回収設備は、第1、第2または第3発明において、前記反応槽に前記金属亜鉛粉末を供給する供給装置を備え、前記供給装置は前記水素ガス検知装置が水素ガスの発生を検知した場合に、前記金属亜鉛粉末の供給を停止することを特徴とする。
第5発明のカドミウム回収方法は、反応槽に貯留された硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を連続的または断続的に添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により金属カドミウムを析出させるにあたり、前記反応槽における水素ガスの発生を検知したときに、前記セメンテーション反応が終点に達したと判断することを特徴とする。
第6発明のカドミウム回収方法は、第5発明において、前記セメンテーション反応が終点に達したと判断したときに、前記金属亜鉛粉末の添加を停止することを特徴とする。
第1発明によれば、セメンテーション反応の終了後はフリー硫酸と金属亜鉛とから水素ガスが発生する反応が主となる。水素ガス検知装置により反応槽における水素ガスの発生を検知することで、セメンテーション反応の終点を検知できる。
第2発明によれば、反応槽内のガスは排気ダクトに吸引されることで水素ガス濃度が均一化されるので、水素ガスの発生を精度良く検知できる。
第3発明によれば、水素ガス濃度測定器で測定された水素ガス濃度と、流量計で測定されたガスの流量とから、反応槽における水素ガスの発生量を求めることができる。水素ガスの発生量が増加することからセメンテーション反応の終点を検知できる。
第4発明によれば、セメンテーション反応が終了した時点で金属亜鉛粉末の添加を停止するので、硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加できる。
第5発明によれば、セメンテーション反応の終了後はフリー硫酸と金属亜鉛とから水素ガスが発生する反応が主となる。反応槽における水素ガスの発生を検知することで、セメンテーション反応の終点を検知できる。
第6発明によれば、セメンテーション反応が終了した時点で金属亜鉛粉末の添加を停止するので、硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加できる。
本発明の第1実施形態に係るカドミウム回収設備の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るカドミウム回収設備の説明図である。 図(A)は実施例における終液のカドミウムイオン濃度のヒストグラムである。図(B)は比較例における終液のカドミウムイオン濃度のヒストグラムである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
(カドミウム回収設備)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るカドミウム回収設備1は、反応槽10を備えている。反応槽10は、例えば、開放型のタンクの上部を蓋で閉塞したものである。ただし、反応槽10は気密性を有する必要はない。
反応槽10には所定量の硫酸カドミウム水溶液が貯留されている。硫酸カドミウム水溶液は、例えば、カドミウム原料に硫酸を添加することで生成される。カドミウム原料として、ウェルツ法による酸化亜鉛製造プラントから排出された含亜鉛滓が挙げられる。また、カドミウム原料として、金属状のもののほか、炭酸カドミウム、水酸化カドミウムなどを用いてもよい。カドミウム原料は液体でもよいし、固体でもよいし、スラリーでもよい。固体のカドミウム原料は硫酸により溶解する。カドミウム原料から硫酸カドミウム水溶液を生成することで、種々のカドミウム原料からカドミウムを回収できる。
反応槽10は開口部11を有している。開口部11から金属亜鉛粉末を反応槽10の内部に装入できる。反応槽10には金属亜鉛粉末が連続的または断続的に添加される。ここで、「連続的」とは、反応槽10に貯留された所定量の硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末を間断なく続けて添加することを意味する。「断続的」とは、反応槽10に貯留された所定量の硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末の供給と一時停止とを繰り返し行なうことを意味する。例えば、所定量の金属亜鉛粉末の供給を所定時間間隔で行なうことが「断続的」に相当する。
反応槽10において硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加すると、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。セメンテーション反応により金属カドミウムが析出する。金属亜鉛粉末はセメンテーション反応により溶解し、硫酸亜鉛水溶液が生成される。なお、反応槽10に硫酸カドミウム水溶液と金属亜鉛粉末とを撹拌する撹拌装置を設けてもよい。
析出した金属カドミウムは沈降し、反応槽10の底部から排出される。これにより、金属カドミウムが回収される。反応槽10内の上澄み液は終液として排出される。終液の主成分は硫酸亜鉛水溶液である。
反応槽10として、終液と金属カドミウムとを沈降分離するものを用いることが好ましい。そうすれば、反応槽10から直接金属カドミウムを回収できる。反応槽10とは別に終液と金属カドミウムとを固液分離する固液分離装置を設けてもよい。
カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応の終了後は、下記化学式(1)で表されるフリー硫酸と金属亜鉛との反応が主となる。この反応により水素ガスが発生する。これを利用すれば、セメンテーション反応の終点を検知できる。
Zn+H2SO4→ZnSO4+H2 ・・・(1)
なお、化学式(1)の反応はセメンテーション反応の終了前においても僅かながら生じる。この反応により反応槽10に添加された金属亜鉛粉末の一部はセメンテーション反応に供されることなく溶解する。また、この反応によりセメンテーション反応の終了前においても水素ガスが僅かながら発生する。セメンテーション反応の終了後は化学式(1)の反応が主となり、水素ガスの発生量が急激に増加する。したがって、厳密にいえば、セメンテーション反応の終点は、水素ガスの発生量が増加したことを基準として検知できる。
反応槽10の気相部には排気ダクト12の一端が接続されている。排気ダクト12の他端にはファン13が設けられている。ファン13の運転により、反応槽10内の気相部のガスは排気ダクト12に吸引され、外部に排出される。反応槽10において水素ガスが発生した場合には、水素ガスを含むガスが排気ダクト12内を流れて、外部に排出される。
カドミウム回収設備1は水素ガス検知装置20を備えている。水素ガス検知装置20は反応槽10における水素ガスの発生を検知する。ここで、「水素ガスの発生」とは、セメンテーション反応終了後の水素ガスの発生量が増加した状態を意味し、セメンテーション反応終了前の水素ガスが僅かに発生する状態を含まない。水素ガス検知装置20により反応槽10における水素ガスの発生を検知することで、セメンテーション反応の終点を検知する。
本実施形態の水素ガス検知装置20は水素ガス濃度測定器21と流量計22とからなる。水素ガス濃度測定器21は、排気ダクト12に設けられ、排気ダクト12内を流れるガスの水素ガス濃度を測定する。流量計22は、排気ダクト12に設けられ、排気ダクト12内を流れるガスの流量を測定する。
水素ガス濃度測定器21として、簡易な検知管式ガス濃度測定器、半導体式のガス濃度測定器、一般的な赤外線方式のガス濃度測定器などを用いることができる。水素ガス濃度測定器21としてポンプ吸引式の水素ガス濃度測定器を用いれば、水素ガス濃度を連続監視できる。
水素ガス濃度測定器21で測定された水素ガス濃度と、流量計22で測定されたガスの流量とから、反応槽10から排出される水素ガスの量を求めることができる。反応槽10から排出される水素ガスの量は、反応槽10における水素ガスの発生量にほぼ等しい。したがって、水素ガス濃度測定器21と流量計22とにより反応槽10における水素ガスの発生量を測定できる。
セメンテーション反応の終了後は、反応槽10における水素ガスの発生量が増加する。水素ガスの発生量が増加することから、セメンテーション反応の終点を検知できる。
なお、水素ガス検知装置20の取り付け位置は特に限定されない。ただし、反応槽10内のガスは排気ダクト12に吸引されることで、水素ガス濃度が均一化される。そのため、水素ガス濃度測定器21を排気ダクト12に設ける構成とすれば、水素ガス濃度を精度良く測定でき、水素ガスの発生を精度良く検知できる。
また、水素ガス検知装置20は反応槽10における水素ガスの発生を検知できればよくその構成は特に限定されない。水素ガス検知装置20を水素ガス濃度測定器21のみで構成してもよい。すなわち、流量計22を設けなくてもよい。排気ダクト12内を流れるガスの水素ガス濃度を測定するだけでも、反応槽10において水素ガスが発生したことを検知できる。特に、ファン13が一定負荷で運転され、排気ダクト12の排風量(ガスの流量)が常に一定であれば、水素ガス濃度の増加に基づいて、セメンテーション反応の終点を検知できる。また、水素ガス検知装置20としてガスクロマトグラフ方式の水素ガス測定器を用いれば、反応槽10における水素ガスの発生量を直接測定できる。
(カドミウム回収方法)
つぎに、カドミウム回収設備1によるカドミウム回収方法を説明する。
本実施形態のカドミウム回収設備1はバッチ処理により金属カドミウムを回収する。まず、反応槽10に始液として所定量の硫酸カドミウム水溶液を供給する。つぎに、反応槽10に貯留された硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加する。金属亜鉛粉末の添加は連続的または断続的に行なう。これにより、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。セメンテーション反応により金属カドミウムが析出する。
反応槽10内のガスは排気ダクト12に吸引され排出される。金属亜鉛粉末の添加を行なっている間、水素ガス濃度測定器21で排気ダクト12内を流れるガスの水素ガス濃度を測定し、流量計22で排気ダクト12内を流れるガスの流量を測定する。排気ダクト12内を流れるガスの水素ガス濃度と流量とから、反応槽10における水素ガスの発生量を求める。
反応槽10における水素ガスの発生を検知したときに、セメンテーション反応が終点に達したと判断する。例えば、反応槽10における水素ガスの発生量が予め定められた閾値を超えたときに、セメンテーション反応が終点に達したと判断する。ここで、水素ガスの発生量の閾値を定めておき、その閾値と現在の水素ガスの発生量とを比較すればよい。
なお、水素ガス濃度測定器21で測定された水素ガス濃度が予め定められた閾値を超えたときに、セメンテーション反応が終点に達したと判断してもよい。ここで、水素ガス濃度の閾値を定めておき、その閾値と現在の水素ガス濃度とを比較すればよい。特に、ファン13が一定負荷で運転され、排気ダクト12の排風量が常に一定である場合に、この判断手法が好適に用いられる。また、この場合、流量計22を設けなくてもよい。
セメンテーション反応が終点に達したと判断したときに、金属亜鉛粉末の添加を停止する。その後、反応槽10において終液と金属カドミウムとを沈降分離し、反応槽10の底部から金属カドミウムを回収する。
セメンテーション反応が終了した時点で金属亜鉛粉末の添加を停止するので、始液(硫酸カドミウム水溶液)に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加できる。始液に含まれるカドミウムイオンのほとんど全てを析出させることができ、カドミウムのロスを低減できる。また、添加された金属亜鉛粉末のほとんど全てが溶解するため、金属カドミウムへの未反応の金属亜鉛の混入を低減できる。すなわち、純度の高い金属カドミウムを回収できる。
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係るカドミウム回収設備2を説明する。
金属亜鉛粉末の添加は作業員が手動操作で行なってもよいし、装置を用いて自動的に行なってもよい。
図2に示すように、本実施形態のカドミウム回収設備2は、反応槽10に金属亜鉛粉末を供給する供給装置14を備えている。供給装置14は金属亜鉛粉末の供給、停止を制御できるものであれば特に限定されない。供給装置14として、例えば、金属亜鉛粉末を収容するホッパー型容器にロータリバルブを設けたものを用いることができる。
供給装置14には制御装置15が接続されている。制御装置15には水素ガス検知装置20の水素ガス濃度測定器21および流量計22の測定値が入力されている。制御装置15は、水素ガス濃度測定器21および流量計22の測定値に基づき、供給装置14による金属亜鉛粉末の供給、停止を制御する。
供給装置14は水素ガス検知装置20が水素ガスの発生を検知した場合に、金属亜鉛粉末の供給を停止する。具体的には、制御装置15は水素ガス濃度測定器21で測定された水素ガス濃度と流量計22で測定された流量とから反応槽10における水素ガスの発生量を求める。そして、制御装置15は水素ガスの発生量が閾値を超えたか否かを判断する。制御装置15は、水素ガスの発生量が閾値以下の場合は、供給装置14を動作させる。そうすると、反応槽10に金属亜鉛粉末が供給される。制御装置15は、水素ガスの発生量が閾値を超えた場合は、供給装置14を停止させる。そうすると、反応槽10への金属亜鉛粉末の供給が停止する。
セメンテーション反応が終了した時点で金属亜鉛粉末の添加を停止するので、硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加できる。しかも、本実施形態では金属亜鉛粉末の添加が自動的に停止する。そのため、作業員がセメンテーション反応の終点を判断する場合に比べて、金属亜鉛粉末の添加量を精度良く制御でき、金属亜鉛粉末をより過不足なく添加できる。また、セメンテーション反応の終点が自動的に判断されるので、作業員の負担を軽減できる。
つぎに、実施例を説明する。
(実施例)
図1に示すカドミウム回収設備1を用いて、金属カドミウムを回収する操業を行なった。水素ガス濃度測定器21としてポンプ吸引式水素ガス検知器(理研計器株式会社製 SD−D58型)を用いた。排気ダクト12の排風量は3,000m3/時間に設定した。始液としてカドミウムイオン濃度が40〜90g/Lの硫酸カドミウム水溶液を用いた。
以下に説明するバッチ処理を繰り返し行なった。
まず、反応槽10に5m3の始液を貯留した。反応槽10の内部を撹拌しながら、1分ごとに20kgの金属亜鉛粉末を添加した。具体的には、20kgの金属亜鉛粉末を30秒で添加し、残る30秒で水素ガス濃度測定器21の測定値を確認することを、繰り返し行なった。
水素ガス濃度測定器21で測定された水素ガス濃度が0.08%に達した時点でセメンテーション反応が終点に達したと判断した。なお、水素ガス濃度0.08%は、水素ガスの発生量2.4m3/時間(=3,000m3/時間×0.08%)に相当する。
セメンテーション反応が終点に達したときに金属亜鉛粉末の添加を停止した。その後、5分間撹拌を継続した。撹拌の後20分間静置し、反応槽10において終液と金属カドミウムとを沈降分離した。その後、反応槽10の底部から金属カドミウムを排出し、上澄み液を終液として排出した。
各バッチにおいて、終液のカドミウムイオン濃度を原子吸光分析装置で測定した。その結果を図3(A)のグラフに示す。終液のカドミウムイオン濃度の平均値は0.2g/L、標準偏差は0.2g/Lであった。
(比較例)
実施例と同様の方法で金属カドミウムを回収する操業を行なった。ただし、金属亜鉛粉末の添加をつぎの手順で行なった。
まず、始液のカドミウムイオン濃度を測定した。カドミウムイオン濃度に始液の量を乗算して始液に含まれるカドミウムの量を求めた。求めたカドミウム量と当量の金属亜鉛粉末量W1を求めた。つぎに、セメンテーション反応中に硫酸に溶解される金属亜鉛粉末の量W2を経験により推定した。カドミウム量と当量の金属亜鉛粉末量W1と硫酸に溶解される金属亜鉛粉末量W2と加算して金属亜鉛粉末の設定添加量WSを決定した。
反応槽10の内部を撹拌しながら、1分ごとに20kgの金属亜鉛粉末を添加した。この操作を金属亜鉛粉末の添加量が設定添加量WSの90%程度の量になるまで繰り返し行なった。その後、金属亜鉛の薄片を反応槽10の上澄み液に浸漬し、薄片表面の変色具合を確認した。薄片に黄味掛かった変色が確認されれば、少量の金属亜鉛粉末を反応槽10に追加添加した。薄片の変色がなくなるまで、この操作を繰り返した。薄片の変色がなくなった時点で、セメンテーション反応が終点に達したと判断し、金属亜鉛粉末の添加を停止した。
各バッチにおいて、終液のカドミウムイオン濃度を原子吸光分析装置で測定した。その結果を図3(B)のグラフに示す。終液のカドミウムイオン濃度の平均値は0.4g/L、標準偏差は0.5g/Lであった。
以上より、実施例は比較例に比べて、終液のカドミウムイオン濃度を50%低減でき、標準偏差を60%低減できることが分かった。これより、実施例によれば、硫酸カドミウム水溶液に対して金属亜鉛粉末を過不足なく添加でき、カドミウムのロスを低減できることが確認できた。
1 カドミウム回収設備
10 反応槽
11 開口部
12 排気ダクト
13 ファン
20 水素ガス検知装置
21 水素ガス濃度測定器
22 流量計

Claims (6)

  1. 硫酸カドミウム水溶液が貯留され、金属亜鉛粉末が連続的または断続的に添加され、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により金属カドミウムが析出する反応槽と、
    前記反応槽における水素ガスの発生を検知する水素ガス検知装置と、を備える
    ことを特徴とするカドミウム回収設備。
  2. 前記反応槽内のガスを排出する排気ダクトを備え、
    前記水素ガス検知装置は、前記排気ダクト内を流れるガスの水素ガス濃度を測定する水素ガス濃度測定器を備える
    ことを特徴とする請求項1記載のカドミウム回収設備。
  3. 前記水素ガス検知装置は、前記排気ダクト内を流れるガスの流量を測定する流量計を備える
    ことを特徴とする請求項2記載のカドミウム回収設備。
  4. 前記反応槽に前記金属亜鉛粉末を供給する供給装置を備え、
    前記供給装置は前記水素ガス検知装置が水素ガスの発生を検知した場合に、前記金属亜鉛粉末の供給を停止する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のカドミウム回収設備。
  5. 反応槽に貯留された硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を連続的または断続的に添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により金属カドミウムを析出させるにあたり、
    前記反応槽における水素ガスの発生を検知したときに、前記セメンテーション反応が終点に達したと判断する
    ことを特徴とするカドミウム回収方法。
  6. 前記セメンテーション反応が終点に達したと判断したときに、前記金属亜鉛粉末の添加を停止する
    ことを特徴とする請求項5記載のカドミウム回収方法。
JP2018077438A 2018-04-13 2018-04-13 カドミウム回収設備および回収方法 Active JP6992662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018077438A JP6992662B2 (ja) 2018-04-13 2018-04-13 カドミウム回収設備および回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018077438A JP6992662B2 (ja) 2018-04-13 2018-04-13 カドミウム回収設備および回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019183240A true JP2019183240A (ja) 2019-10-24
JP6992662B2 JP6992662B2 (ja) 2022-01-13

Family

ID=68339940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018077438A Active JP6992662B2 (ja) 2018-04-13 2018-04-13 カドミウム回収設備および回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6992662B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486021B2 (ja) 2020-05-28 2024-05-17 住友金属鉱山株式会社 カドミウム水酸化物の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5857494B2 (ja) * 1973-02-26 1983-12-20 アウトカムプ オイ ヨウカイブツシツオ ブンリスルホウホウオヨビソウチ
JPS62127430A (ja) * 1985-11-26 1987-06-09 Sumitomo Metal Mining Co Ltd カドミウムの回収方法
WO2008001489A1 (fr) * 2006-06-27 2008-01-03 Oct Incorporated Générateur d'hydrogène et procédé de génération d'hydrogène
JP2008000675A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Kojima Press Co Ltd 排出水素ガス処理装置及び方法
JP2015067863A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 住友金属鉱山株式会社 金属の酸浸出方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5857494B2 (ja) * 1973-02-26 1983-12-20 アウトカムプ オイ ヨウカイブツシツオ ブンリスルホウホウオヨビソウチ
JPS62127430A (ja) * 1985-11-26 1987-06-09 Sumitomo Metal Mining Co Ltd カドミウムの回収方法
JP2008000675A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Kojima Press Co Ltd 排出水素ガス処理装置及び方法
WO2008001489A1 (fr) * 2006-06-27 2008-01-03 Oct Incorporated Générateur d'hydrogène et procédé de génération d'hydrogène
JP2015067863A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 住友金属鉱山株式会社 金属の酸浸出方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486021B2 (ja) 2020-05-28 2024-05-17 住友金属鉱山株式会社 カドミウム水酸化物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6992662B2 (ja) 2022-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4698784B2 (ja) 液体混合物を製造する方法及び装置
EP1110597A2 (en) Method and apparatus for continuously blending chemical solutions
JP6992662B2 (ja) カドミウム回収設備および回収方法
US3095121A (en) Chemical feed control system
TW201318979A (zh) 含氫氟酸處理液的再生方法和再生裝置
JP6268054B2 (ja) 燐酸系混酸廃液を処理して肥料を製造する方法及び装置
US3421850A (en) Separate recovery of copper sulfide and zinc sulfide from aqueous solutions containing water-soluble salts of copper and zinc
TWI646190B (zh) 洗淨用氫水之製造方法及製造裝置
CN102676818B (zh) 一种湿法炼锌除铜过程锌粉有效性系数预测方法
JP2008182201A (ja) シリコンエッチング方法
TW202006352A (zh) 氟濃度測定方法、氟濃度測定裝置、水處理方法及水處理裝置
JP2014062307A (ja) 金属の酸浸出装置および酸浸出方法
CN115784163A (zh) 一种烧碱氯化法生产次氯酸钠的终点判断方法
CN208440280U (zh) 一种氟化氢预反应器
US11926542B2 (en) Controlled removal of ions from aqueous fluid
WO2018168014A1 (ja) 酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法
US20220185708A1 (en) A process and apparatus for acid mine drainage treatment
Randazzo et al. Metals recovery from waste pickling solutions by reactive precipitation
US6733679B2 (en) Method of treating an electroless plating waste
WO2019098387A1 (ja) 除害方法及び除害装置
JP2016136139A (ja) 酸化剤濃度の測定方法および測定装置、並びに電子材料洗浄装置
CN216926764U (zh) 锌电积酸雾抑制剂综合性能评价装置
JP6560878B2 (ja) 廃液の硫黄成分除去装置及び廃液の硫黄成分除去方法
JP5419223B2 (ja) アルカリ性土壌中和工法
CN106053746A (zh) 电解处理后的高氯废水化学需氧量的测定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6992662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150