JP2019180373A - 植物ゲノム編集方法 - Google Patents

植物ゲノム編集方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019180373A
JP2019180373A JP2018079316A JP2018079316A JP2019180373A JP 2019180373 A JP2019180373 A JP 2019180373A JP 2018079316 A JP2018079316 A JP 2018079316A JP 2018079316 A JP2018079316 A JP 2018079316A JP 2019180373 A JP2019180373 A JP 2019180373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
expression cassette
plant
genome editing
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018079316A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6614622B2 (ja
Inventor
陽子 水多
Yoko Mizuta
陽子 水多
史織 永原
Shiori Nagahara
史織 永原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC filed Critical Nagoya University NUC
Priority to JP2018079316A priority Critical patent/JP6614622B2/ja
Publication of JP2019180373A publication Critical patent/JP2019180373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6614622B2 publication Critical patent/JP6614622B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】簡便且つ効率的な植物ゲノム編集方法、さらにはゲノム編集された植物を簡便且つ効率的に製造する方法を提供すること。【解決手段】(1)植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程を含む、植物ゲノム編集方法。【選択図】なし

Description

本発明は、植物ゲノム編集方法等に関する。
現代においては、地球レベルの急激な環境変化や、人口増加による食糧不足が問題となっている。これらの対策として、持続可能な作物生産のために植物の耐性や形質を調査し、さらには改変するための技術が必要とされている。
近年、標的特異的ヌクレアーゼを使用するゲノム編集技術が、新しい植物育種技術として注目を浴びている。このような技術の一つとして、CRISPR/Casシステムが知られている。代表的には、Cas9とガイドRNAを導入することにより、様々な動植物において標的遺伝子を変異させることができる。
標的特異的ヌクレアーゼ遺伝子を植物に導入する方法としては、アグロバクテリウム法が知られている。しかし、この方法は、限られた植物に対してしか適用できず、汎用的ではない。また、この方法で導入されたDNA等はゲノムに組み込まれるので、得られた植物は形質転換体として扱われ、その利用が制限されてしまう。また、多くの場合、ゲノム編集された植物体を得るためには、カルス化、再分化等の手間及び時間を要する作業が必要となる。
一方で、パーティクルボンバードメント法(非特許文献1)は、広範な植物に適用可能であり、また簡便に遺伝子を導入することができる。しかし、その適用対象はこれまで未熟な胚やプロトプラストに限られているので、これらの対象物の調製に多くの手間及び時間を要してしまううえに、ゲノム編集された植物体を得るためには、カルス化、再分化等の手間及び時間を要する作業が必要となる。
Zhang Y, Liang Z, Zong Y, Wang Y, Liu J, Chen K, Qiu J-L, Gao C (2016) Efficient and transgene-free genome editing in wheat through transient expression of CRISPR/Cas9 DNA or RNA. Nature Communications 7:12617
本発明は、簡便且つ効率的な植物ゲノム編集方法、さらにはゲノム編集された植物を簡便且つ効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究を進めた結果、パーティクルボンバードメント法を、葉、花粉等の生育中の植物体の一部に適用することにより、簡便且つ効率的にゲノム編集可能であることを見出した。また、該知見に基づいて、パーティクルボンバードメント法を利用して、簡便且つ効率的にゲノム編集効率を評価できることをも見出した。本発明者はこれらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. (1)植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程を含む、植物ゲノム編集方法。
項2. 前記対象物が、葉、及び花粉からなる群より選択される少なくとも1種であり、項1に記載の植物ゲノム編集方法。
項3. 前記対象物が花粉である、項1又は2に記載の植物ゲノム編集方法。
項4. 前記標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットがCasタンパク質発現カセットであり、且つ前記導入物がさらにガイドRNA及びガイドRNA発現カセットからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1〜3のいずれかに記載の植物ゲノム編集方法。
項5. 前記導入物がレポーター発現カセットをさらに含む、項1〜4のいずれかに記載の植物ゲノム編集方法。
項6. 前記レポーター発現カセットが蛍光タンパク質発現カセットである、項5に記載の植物ゲノム編集方法。
項7. (A)花粉に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程、並びに
(B)工程Aで得られた花粉を用いて次世代植物を得る工程、
を含む、ゲノム編集された植物を製造する方法。
項8. (a)レポーター発現カセットを含む植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、前記レポーター特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入し、前記レポーター発現カセット中のレポーター遺伝子を変異させる工程、並びに
(b)前記変異の効率を、前記レポーターのシグナルを指標として評価する工程、
を含む、植物ゲノム編集効率の評価方法。
項9. 前記工程bが、
(b1)工程a後、前記レポーター遺伝子を発現可能な状態で細胞に導入する工程、及び
(b2)工程b1で得られた細胞集団におけるレポーターシグナルを指標として、ゲノム編集効率を評価する工程
を含む、項8に記載の評価方法。
項10. 前記対象物が葉である、項8又は9に記載の評価方法。
本発明によれば、簡便且つ効率的な植物ゲノム編集方法、さらにはゲノム編集された植物を簡便且つ効率的に製造する方法を提供することができる。また、本発明によれば、簡便且つ効率的なゲノム編集効率の評価方法を提供することもできる。
実施例1の概要を示す。 実施例1のシークエンス解析の結果を示す。 実施例2の概要を示す。 実施例2のシークエンス解析の結果を示す。 実施例3の概要を示す。 自然光又は励起光条件下におけるプレート観察像(実施例3)を示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.植物ゲノム編集方法
本発明は、その一態様として、(1)植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程を含む、植物ゲノム編集方法(本明細書において、「本発明のゲノム編集方法」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
本発明のゲノム編集方法の対象物は、植物の植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種である。
植物は、標的特異的ヌクレアーゼによるゲノム編集が可能な植物である限り特に制限されない。植物としては、例えばコケ植物、シダ植物、裸子植物、被子植物のモクレン類、単子葉類、真正双子葉類(バラ類I、バラ類II、キク類I、キク類II及びそれらの外群)を含む広い範囲の植物を挙げることができる。これらの中でも、裸子植物、被子植物等が好ましい。植物のより具体的な例としては、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、タバコ等のナス類; キュウリ、カボチャ、スイカ等のウリ類; キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、シロイヌナズナ等の菜類; セルリー、パセリー、レタス等の生菜・香辛菜類; ネギ、タマネギ、ニンニク等のネギ類; ダイズ、ラッカセイ、インゲン、エンドウ、アズキ、リョクトウ、ササゲ、ソラマメ等の豆類; イチゴ、メロン等のその他果菜類; ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ等の直根類; サトイモ、キャッサバ、ジャガイモ、サツマイモ、ナガイモ等のイモ類; イネ、トウモロコシ、コムギ、ソルガム、オオムギ、ライムギ、ミナトカモジグサ、ソバ等の穀類; アスパラガス、ホウレンソウ、ミツバ等の柔菜類; トルコギキョウ、ストック、カーネーション、キク等の花卉類; ベントグラス、コウライシバ等の芝類; ナタネ、ラッカセイ、セイヨウアブラナ、ナンヨウアブラギリ等の油料作物類; ワタ、イグサ等の繊維料作物類; クローバー、デントコーン、タルウマゴヤシ等の飼料作物類; リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、キウイフルーツ等の落葉性果樹類; ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類; サツキ、ツツジ、スギ、ポプラ、パラゴムノキ、イチョウ、マツ等の木本類等が挙げられる。
植物体は、植物個体全体をいうものとする。植物個体は、植物の通常の生活環で見られる状態の個体であり、典型的には、根、茎、葉を備え、花を備えることもある。植物体は、生育環境(例えば土壌等)で生育している植物体及びその一部であってもよいし、生育環境から分離した植物体であってもよい。
植物体の一部とは、植物体の一部分である限り特に制限されない。具体例としては、花粉、葉、茎、根、芽、花、果実、種子等が挙げられる。これらの中でも、花粉、葉等が好ましく、花粉がより好ましい。植物体の一部は、植物体から分離されていない状態であってもよいし、植物体から分離された状態であってもよい。
対象物は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
本発明のゲノム編集方法における対象物への導入物は、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む。
標的特異的ヌクレアーゼは、ゲノムDNA上の特定部位を特異的に切断して、変異を誘導できるヌクレアーゼである限り特に制限されない。標的特異的ヌクレアーゼとしては、例えばCasタンパク質、TALENタンパク質、ZFNタンパク質などが挙げられる。
Casタンパク質を用いるCRISPR/Casシステムは、ヌクレアーゼ(RGN;RNA-guided nuclease)であるCasタンパク質とガイドRNAを使用する。該システムを細胞内に導入することにより、ガイドRNAが標的部位に結合し、該結合部位に呼び込まれたCasタンパク質によってDNAを切断することができる。
TALENタンパク質を用いるTALENシステムは、DNA切断ドメイン(例えばFokIドメイン)に加えて転写活性化因子様(TAL)エフェクターのDNA結合ドメインを含む人工ヌクレアーゼ(TALEN)を使用する。該システムを細胞内に導入することにより、TALENがDNA結合ドメインを介して標的部位に結合し、そこでDNAを切断する。標的部位に結合するDNA結合ドメインは、公知のスキーム(例えばZhang F et al. (2011) Nature Biotechnology 29 (2);この論文は、本明細書に参考として援用される)に従って設計することができる。
ZFNタンパク質を用いるZFNシステムは、ジンクフィンガーアレイを含むDNA結合ドメインにコンジュゲートした核酸切断ドメインを含む人工ヌクレアーゼ(ZFN)を使用する。該システムを細胞内に導入することにより、ZFNがDNA結合ドメインを介して標的部位に結合し、そこでDNAを切断する。標的部位に結合するDNA結合ドメインは、公知のスキームに従って設計することができる。
標的特異的ヌクレアーゼの中でも、切断部位をより自由に決定できるという観点から、Casタンパク質が好ましい。Casタンパク質は、CRISPR/Casシステムにおいて用いられるものであれば特に制限されず、例えばガイドRNAと複合体を形成した状態でゲノムDNAの標的部位に結合し、該標的部位を2本鎖切断できるものを各種使用することができる。
本明細書において、「標的部位」とは、PAM(Proto-spacer Adjacent Motif)配列及びその5' 側に隣接する17〜30塩基長(好ましくは18〜25塩基長、より好ましくは19〜22塩基長、特に好ましくは20塩基長)程度の配列からなるDNA鎖(標的鎖)とその相補DNA鎖(非標的鎖)からなる、ゲノムDNA上の部位である。
各種生物由来のCasタンパク質が知られており、Casタンパク質としては例えばS. pyogenes由来のCas9タンパク質(II型)、S. solfataricus由来のCasタンパク質(I-A1型、I-A2型)、H. walsbyi由来のCasタンパク質(I-B型)、E. coli由来のCasタンパク質(I-E型、I-F型)、P. aeruginosa由来のCasタンパク質(I-F型)、S. thermophilus由来のCas9タンパク質(II型)、S. agalactiae由来のCas9タンパク質(II-A型)、S. aureus由来のCas9タンパク質、N. meningitidis由来のCas9タンパク質、T. denticola由来のCas9タンパク質等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはCas9タンパク質が挙げられ、より好ましくはストレプトコッカス属に属する細菌が内在的に有するCas9タンパク質が挙げられる。各種Casタンパク質のアミノ酸配列、及びそのコード配列の情報は、NCBI等の各種データベース上で容易に得ることができる。
PAM配列は、利用するCasタンパク質の種類によって異なる。例えば、S. pyogenes由来のCas9タンパク質(II型)に対応するPAM配列は5’ -NGGであり、S. solfataricus由来のCasタンパク質(I-A1型)に対応するPAM配列は5’ -CCNであり、S. solfataricus由来のCasタンパク質(I-A2型)に対応するPAM配列は5’ -TCNであり、H. walsbyi由来のCasタンパク質(I-B型)に対応するPAM配列は5’ -TTCであり、E. coli由来のCasタンパク質(I-E型)に対応するPAM配列は5’ -AWGであり、E. coli由来又はP. aeruginosa由来のCasタンパク質(I-F型)に対応するPAM配列は5’ -CCであり、S. thermophilus由来のCas9タンパク質(II型)に対応するPAM配列は5’ -NNAGAAWであり、S. agalactiae由来のCas9タンパク質(II-A型)に対応するPAM配列は5’ -NGGであり、S. aureus由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5’ -NNGRRT又は5’ -NNGRR(N)であり、N. meningitidis由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5’ -NNNNGATTであり、T. denticola由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5’ -NAAAACである。
標的特異的ヌクレアーゼは、その活性を損なわない限りにおいて、変異を有していてもよい。この観点から、標的特異的ヌクレアーゼは、その元となる野生型標的特異的ヌクレアーゼのアミノ酸配列と、例えば85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つその活性を有するタンパク質であってもよい。或いは、同様の観点から、標的特異的ヌクレアーゼは、その元となる野生型標的特異的ヌクレアーゼのアミノ酸配列に対して1若しくは複数個(例えば2〜100個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個、さらに好ましくは2〜10個、よりさらに好ましくは2〜5個、特に好ましくは2個)のアミノ酸が置換、欠失、付加、又は挿入されたアミノ酸配列からなり、且つその活性(ガイドRNAと複合体を形成した状態でゲノムDNAの標的部位に結合し、該標的部位の標的鎖又は非標的鎖を切断する活性)を有するタンパク質であってもよい。なお、上記「活性」は、in vitro又はin vivoにおいて、公知の方法に従って又は準じて評価することができる。また、変異は、保存的置換であることが望ましい。
標的特異的ヌクレアーゼは、上記「活性」を有する限りにおいて、公知のタンパク質タグ、シグナル配列、酵素タンパク質等のタンパク質が付加されたものであってもよい。タンパク質タグとしては、例えばビオチン、Hisタグ、FLAGタグ、Haloタグ、MBPタグ、HAタグ、Mycタグ、V5タグ、PAタグ等が挙げられる。シグナル配列としては、例えば核移行シグナル等が挙げられる。
標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットは、本発明のゲノム編集方法の対象物の細胞内で標的特異的ヌクレアーゼを発現可能なDNAである限り特に制限されない。標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットの典型例としては、プロモーター、及びそのプロモーターの制御下に配置された標的特異的ヌクレアーゼコード配列を含むDNAが挙げられる。具体的な配置の態様としては、例えばプロモーターの3’ 側直下に標的特異的ヌクレアーゼコード配列が配置されている態様(例えば、プロモーター3’ 末端の塩基から標的特異的ヌクレアーゼコード配列の5’ 末端の塩基までの間の塩基数が、100以下、好ましくは50以下である態様)が挙げられる。
標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットに含まれるプロモーターとしては、特に制限されず、例えばPol II系プロモーターを各種使用することができる。Pol II系プロモーターとしては、特に制限されないが、例えばRPS5A(リボソーマルタンパク質)プロモーター、UBQ(ユビキチン)プロモーター、ACT(アクチン)プロモーター、チューブリンプロモーター、ヒストンプロモーター、CaMV35Sプロモーター、NOSプロモーター、WOXプロモーター、LAT52プロモーター、DUOプロモーター等が挙げられる。これらの中でも、RPS5Aプロモーター、UBQプロモーター等が好ましい。
標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットは、必要に応じて、他のエレメント(例えば、マルチクローニングサイト(MCS)、転写の終結シグナルなど)を含んでいてもよい。例えば、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットにおいて、5’ 側から、プロモーター、標的特異的ヌクレアーゼのコード配列の順に配置されている場合であれば、プロモーターと標的特異的ヌクレアーゼのコード配列の間に(好ましくはいずれか一方或いは両方に隣接して)、又は標的特異的ヌクレアーゼのコード配列の3’ 側に(好ましくは隣接して)、MCSが配置されている態様が挙げられる。MCSは複数(例えば2〜50、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10)個の制限酵素サイトを含むものであれば特に制限されない。
終結シグナルは、標的特異的ヌクレアーゼコード配列からの転写を終結させ(好ましくは、さらに標的特異的ヌクレアーゼコード配列から転写されるmRNAにpolyA配列を付加させ)ることができる塩基配列である限り特に制限されない。終結シグナルとしては、例えば、ヒートショックタンパク質終結シグナル(HspT: Heat shock protein Terminator)、NosT (Noparin synthase Terminator)、35sT (CaMV35S Terminator)等が挙げられる。これらの中でも、ヒートショックタンパク質終結シグナルが好ましい。
標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットは、これのみで、或いは他の配列(例えば薬剤耐性遺伝子、複製起点等)と共にベクターを構成していてもよい。ベクターの種類は、特に制限されない。
薬剤耐性遺伝子としては、例えばクロラムフェニコール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
標的特異的ヌクレアーゼがCasタンパク質である場合、本発明のゲノム編集方法における対象物への導入物は、ガイドRNA発現カセットを含む。この場合、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットは、後述のガイドRNA発現カセットと、同一DNA(1分子のDNA)上に含まれていてもよいし、別々のDNA(異なるDNA分子)上に含まれていてもよい。後者の場合、ガイドRNA発現カセットは、それ単独で、或いは他のエレメント、他の配列等と共にベクターを構成していてもよい。ガイドRNA発現カセットは、本発明のゲノム編集方法の対象物内でガイドRNAを発現させる目的で用いられるポリヌクレオチドである限り特に制限されない。該発現カセットの典型例としては、プロモーター、及び該プロモーターの制御下に配置されたガイドRNA全体又は一部のコード配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
ガイドRNA発現カセットのプロモーターとしては、特に制限されず、Pol II系プロモーターを使用することもできるが、比較的短いRNAの転写をより正確に行わせるという観点から、Pol III系プロモーターが好ましい。Pol II系プロモーターとしては、例えばRPS5Aプロモーター、UBQプロモーター、CaMV35Sプロモーター、NOSプロモーター等が挙げられる。Pol III系プロモーターとしては、例えばU6-snRNA(例えばU6.1-snRNA、U6.26-snRNA等)プロモーター、U3-snRNAプロモーター等が挙げられる。
ガイドRNAは、CRISPR/Casシステムにおいて用いられるものであれば特に制限されず、例えばゲノムDNAの標的部位に結合し、且つCasタンパク質と結合することにより、Casタンパク質をゲノムDNAの標的部位に誘導可能なものを各種使用することができる。
ガイドRNAはゲノムDNAの標的部位への結合に関与する配列(crRNA(CRISPR RNA)配列といわれることもある)を有しており、このcrRNA配列が、非標的鎖のPAM配列相補配列を除いてなる配列に相補的(好ましくは、相補的且つ特異的)に結合することにより、ガイドRNAはゲノムDNAの標的部位に結合することができる。
なお、「相補的」に結合とは、完全な相補関係(AとT、及びGとC)に基づいて結合する場合のみならず、ストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる程度の相補関係に基づいて結合する場合も包含される。ストリンジェントな条件は、公知のスキーム(Berger and Kimmel (1987) Guide to molecular cloning techniques, Methods in Enzymology, 152:1-812;この文献は、本明細書に参考として援用される) に教示されるように、複合体或いはプローブを結合する核酸の融解温度(Tm)に基づいて決定することができる。例えばハイブリダイズ後の洗浄条件として、通常「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度の条件を挙げることができる。かかる条件で洗浄してもハイブリダイズ状態を維持するものであることが好ましい。特に制限されないが、より厳しいハイブリダイズ条件として「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度、さらに厳しいハイブリダイズ条件として「0.1×SSC、0.1%SDS、65℃」程度の洗浄条件を挙げることができる。
具体的には、crRNA配列の内、標的配列に結合する配列は、標的鎖と例えば90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、特に好ましくは100%の同一性を有する。なお、ガイドRNAの標的部位への結合には、crRNA配列の内、標的配列に結合する配列の3’ 側の12塩基が重要であるといわれている。このため、crRNA配列の内、標的配列に結合する配列が、標的鎖と完全同一ではない場合、標的鎖と異なる塩基は、crRNA配列の内、標的配列に結合する配列の3’ 側の12塩基以外に存在することが好ましい。
ガイドRNAは、Casタンパク質との結合に関与する配列(tracrRNA(trans-activating crRNA)配列といわれることもある)を有しており、このtracrRNA配列が、Casタンパク質に結合することにより、Casタンパク質をゲノムDNAの標的部位に誘導することができる。
tracrRNA配列は、特に制限されない。tracrRNA配列は、典型的には、複数(通常、3つ)のステムループを形成可能な50〜100塩基長程度の配列からなるRNAであり、利用するCasタンパク質の種類に応じてその配列は異なる。tracrRNA配列としては、利用するCasタンパク質の種類に応じて、公知の配列を各種採用することができる。
ガイドRNAは、通常、上記したcrRNA配列とtracr RNA配列を含む。ガイドRNAの態様は、crRNA配列とtracr RNA配列を含む一本鎖RNA(sgRNA)であってもよいし、crRNA配列を含むRNAとtracrRNA配列を含むRNAとが相補的に結合してなるRNA複合体であってもよい。
「プロモーターの制御下に配置されたガイドRNA全体又は一部のコード配列」の態様としては、例えばプロモーターの3’ 側直下にガイドRNA全体又は一部のコード配列が配置されている態様(例えば、プロモーター3’ 末端の塩基からガイドRNAコード配列の5’ 末端の塩基までの間の塩基数が、100以下、好ましくは50以下である態様)が挙げられる。
ガイドRNAの発現カセットの具体例としては、例えばガイドRNAがcrRNA配列とtracr RNA配列を含むsgRNAである場合は、プロモーター、並びにそのプロモーターの制御下に配置されたcrRNAコード配列挿入用サイト及び該サイトの下流に配置されたtracrRNAコード配列を含むポリヌクレオチドや、プロモーター、及びそのプロモーターの制御下に配置されたsgRNAコード配列を含むポリヌクレオチド等が挙げられる。別の例として、ガイドRNAがcrRNA配列を含むRNAとtracrRNA配列を含むRNAとが相補的に結合してなるRNA複合体である場合は、ガイドRNAの発現カセットの典型例としては、プロモーター、及びそのプロモーターの制御下に配置された「crRNA配列を含むRNA」コード配列(或いは、crRNAコード配列挿入用サイト)を含む発現カセット(crRNA発現カセット)と、プロモーター、及びそのプロモーターの制御下に配置された「tracrRNA配列を含むRNA」コード配列を含む発現カセット(tracrRNA発現カセット)との組合せが挙げられる。
crRNAコード配列挿入用サイトは、任意のcrRNAコード配列を含むポリヌクレオチドの挿入に適した配列を有する限りにおいて特に制限されない。該サイトとしては、例えば一つ又は複数の制限酵素サイトを含む配列が挙げられる。
本発明のゲノム編集方法における対象物への導入物は、レポーター発現カセットをさらに含むことが好ましい。この場合、レポーターシグナルを指標とすることにより、導入物が対象物に導入されたことを、容易に確認することができる。レポーター発現カセットは、本発明のゲノム編集方法の対象物内でレポーターを発現可能なポリヌクレオチドである限り特に制限されない。該発現カセットの典型例としては、プロモーター、及び該プロモーターの制御下に配置されたレポーターコード配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
レポーター発現カセットのプロモーターとしては、特に制限されず、例えばRPS5Aプロモーター、UBQプロモーター、CaMV35Sプロモーター、NOSプロモーター、LAT52プロモーター、ACTプロモーター、チューブリンプロモーター、ヒストンプロモーター、DUOプロモーター等が挙げられる。
レポーターとしては、特に制限されず、例えば特定の基質と反応して発光(発色)する発光(発色)タンパク質、或いは励起光によって蛍光を発する蛍光タンパク質等が挙げられる。発光(発色)タンパク質としては、例えばルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、βグルクロニダーゼ等が挙げられ、蛍光タンパク質としては、例えばGFP、Azami-Green、ZsGreen、GFP2、Clover、HyPer、Sirius、BFP、CFP、Turquoise、Cyan、TFP、YFP、Venus、ZsYellow、Banana、Orange、Apple、KusabiraOrange、Tomato、RFP、DsRed、AsRed、Strawberry、JRed、KillerRed、Cherry、HcRed、Plum等が挙げられる。また、レポーターには、発光(発色)タンパク質や蛍光タンパク質と、他のタンパク質との融合タンパク質や、発光(発色)タンパク質や蛍光タンパク質に公知のタンパク質タグ、公知のシグナル配列等が付加されてなるタンパク質も包含される。
「プロモーターの制御下に配置されたレポーターコード配列」の態様としては、例えばプロモーターの3’ 側直下にレポーターコード配列が配置されている態様(例えば、プロモーター3’ 末端の塩基からレポーターコード配列の5’ 末端の塩基までの間の塩基数が、100以下、好ましくは50以下である態様)が挙げられる。
本発明のゲノム編集方法においては、上記対象物に対して、パーティクルボンバードメント法により、上記導入物を導入する。
パーティクルボンバードメント法の態様は、特に制限されない。該方法は、典型的には、微粒子に導入物をコーティングしたもの(コーティング粒子)を、高速で対象物に射出する工程を含む。
微粒子の素材は、特に制限されず、例えば金、タングステン、磁性粒子すなわち四酸化三鉄などの金属が挙げられる。これらの中でも、金が好ましい。
微粒子の粒子径は、特に制限されない。該粒子径は、例えば50 nm〜5μm、好ましくは100 nm〜3μm、より好ましくは200 nm〜1.5μm、さらに好ましくは400 nm〜800 nmである。
微粒子への導入物のコーティング方法は、特に制限されず、公知の方法に従った方法を採用することができる。例えば、微粒子と導入物を接触させることによりコーティングすることができる。この際に、プラスミドベクターの立体構造解消のためにプラスチャージの物質(例えば、スペルミジン等のポリアミン)や、導入物の微粒子への付着や微粒子の沈殿を促進する物質(例えば、塩化カルシウム等の塩)を添加することによって、より効率的にコーティングすることができる。得られたコーティング粒子は、対象物への導入に使用する。
コーティング粒子の射出方法は特に制限されないが、通常、一定の圧力に設定されたガスにより射出する方法が採られる。
ガスは、不活性ガスが好ましく用いられ、例えばヘリウムガスが採用される。
ガス圧は、好ましくは30〜2200 psi、より好ましくは450〜1200 psiである。
射出後は、対象物を一定時間培養することにより、対象物内で標的特異的ヌクレアーゼが発現し、ゲノム編集が起こる。培養時間は、例えば5〜72時間、好ましくは8〜48時間、より好ましくは10〜24時間である。
培養の態様は特に制限されない。例えば、対象物が生育環境で生育している植物体又はその一部である場合は、そのまま生育を継続すればよい。また、対象物が、生育環境から分離した植物体又はその一部である場合や、植物体から分離されたものである場合は、対象物を適切な環境下(例えば、保湿環境下や一定温度を保つ環境下)に置いて培養する。
ゲノム編集の有無の確認は、レポーター発現カセットを導入している場合は、対象物におけるレポーターシグナルの有無を指標として、簡便に行うことができる。或いは、ゲノム編集の有無の確認は、対象物から得られた核酸を使用して、公知の方法に従って、例えばゲノム編集対象部位周辺(標的特異的ヌクレアーゼの切断部位周辺)の塩基配列の変異を検出する方法(例えば変異予想位置に設計したプライマーを用いる方法、シークエンス解析等)によって行うことができる。
本発明のゲノム編集方法により、ゲノム編集された植物を製造することができる。また、対象物が花粉である場合、ゲノム編集された花粉を用いて次世代植物を得ることによっても、ゲノム編集された植物(植物体)を製造することができる。花粉を用いて次世代植物を得る方法は、特に制限されず、花粉を受粉させ、得られた種子を栽培することにより、次世代植物(植物体)を得ることができる。
2.植物ゲノム編集効率の評価方法
本発明は、その一態様において、(a)レポーター発現カセットを含む植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、前記レポーター特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入し、前記レポーター発現カセット中のレポーター遺伝子を変異させる工程、並びに(b)前記変異の効率を、前記レポーターのシグナルを指標として評価する工程、を含む、植物ゲノム編集効率の評価方法(本明細書において、「本発明の評価方法」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
レポーター発現カセット、植物体及びその一部、対象物、導入物、パーティクルボンバードメント法等については、上記「1.植物ゲノム編集方法」における定義を援用することができる。本発明の評価方法においては、対象物は、葉が好ましい。
レポーター特異的ヌクレアーゼは、上記「1.植物ゲノム編集方法」における「標的特異的ヌクレアーゼ」の1種であり、対象物が含むレポーター発現カセットにおけるレポーター遺伝子上の特定部位を特異的に切断して、変異を誘導できるヌクレアーゼである限り特に制限されない。
工程aにおいては、導入物を対象物に導入した後、上記「1.植物ゲノム編集方法」における説明と同様に一定時間培養することにより、レポーター発現カセット中のレポーター遺伝子を変異させることができる。
工程bの態様は特に制限されず、レポーターのシグナルを指標とする種々の態様を包含する。例えば、工程bは、(b1)工程a後、前記レポーター遺伝子を発現可能な状態で細胞に導入する工程、及び(b2)工程b1で得られた細胞集団におけるレポーターシグナルを指標として、ゲノム編集効率を評価する工程を含む。
工程b1は、例えば以下のようにして行われる。
対象物から得られた核酸からPCRによりレポーター遺伝子の全長の増幅産物を得る。このレポーター遺伝子は、対象物中の複数の細胞のゲノムに由来するレポーター遺伝子であり、通常、変異が導入されたものも、変異が導入されていないものも含む、ヘテロな集団となる。
得られたレポーター遺伝子を発現可能な状態で細胞に導入するに際しては、通常は、レポーター遺伝子の発現ベクターを作製する。これを細胞へ導入する方法は、より正確にゲノム編集効率を評価できるという観点から、ヘテロな集団であるレポーター遺伝子それぞれをクローニングする方法、具体的には、例えば発現ベクターに薬剤耐性遺伝子発現カセットを組み込んでおき、該発現ベクターを細胞(例えば大腸菌等の遺伝子クローニングに使用される細菌)に導入して形質転換した後、薬剤を含む固形培地上で培養する方法が採用される。これにより、ヘテロな集団であるレポーター遺伝子群の内のそれぞれのレポーター遺伝子を含む細胞のコロニーが得られる。
工程b2では、レポーターシグナルを指標としてゲノム編集効率を評価する。すなわち、レポーター遺伝子内の変異の有無によって該遺伝子の発現産物のレポーターシグナル強度は変化(通常は、変異によって減弱又は消失)するので、工程b1の上記具体例の場合であれば、例えばコロニー数に対する、レポーターシグナルが弱い又は無いコロニーの割合を測定し、得られた値をゲノム編集効率とすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1:植物ゲノム編集試験1
ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)またはタバコ(Nicotiana tabacum)の葉に対して、内在性遺伝子特異的に機能するCasタンパク質発現カセット及びガイドRNA発現カセットの組み合わせ、並びに蛍光タンパク質発現カセットを、パーティクルボンバードメント法により導入した。本実施例の概要を図1に示す。具体的には以下のようにして行った。
pKIR1.1(addgene ID:85758)を改変して、植物細胞で発現するCas9とガイドRNAを発現するプラスミドDNA(プラスミドDNA1)を用意した。該プラスミドDNAは、シロイヌナズナRPS5A (RIBOSOMAL PROTEIN S5A; At3g11940) 遺伝子またはUBQ10 (UBIQUITIN 10; At4g05320) 遺伝子のプロモーターで駆動されるCas9、およびシロイヌナズナU6 (U6.26) プロモーターで駆動されるガイドRNAの配列を含むカセットをもつ。ガイドRNAはタバコPDS3 (PHYTOENE DESATURASE 3) 遺伝子を標的とする配列を用いた。
また、植物細胞で蛍光タンパク質を発現するプラスミドDNAとして、細胞質を標識する35Sp::mTFP1配列を含むプラスミドDNA(プラスミドDNA2)を用意した。これを用いることにより、遺伝子が導入された細胞を判別することができる。
0.6 μm径の金粒子(BIO-RAD社)を100%エタノールで洗浄し、滅菌水で懸濁して30 mg/mL金溶液を調製した。金溶液を1回の撃ち込みにつき10 μL使用することとし、プラスミドDNA1およびプラスミドDNA2を含む溶液を各100〜1000 ngになるよう混合して加え、撹拌した。金溶液に対し4μLの0.1 M スペルミジンと10μLの2.5 M 塩化カルシウムを撹拌しながら加え、スピンダウンによりプラスミドDNAがコーティングされた金粒子を沈殿させた。その後、上清を除き10μLの100%エタノールで再懸濁した。
パーティクルボンバードメントによる導入に用いるマクロキャリア1枚につき、DNAコーティングされた金溶液6〜10μLを使用した。金溶液はマクロキャリアごと風乾し、導入装置(PDS-1000/He、BIO-RAD社)本体の最上段に配置した。生育している植物体から切り取った本葉1枚をシャーレの中央にマスキングテープで貼り付け、ターゲット台に乗せ、本体の上から2段目または3段目に配置した。1100 psi用のラプチャーディスクを用い、ヘリウムガス圧1100 psi, 減圧−25〜27 inHgで本葉1枚につき1回ずつ撃ち込みを行った。その後、保湿、遮光して10〜24時間培養した。
蛍光顕微鏡でmTFP1の発現を観察し、蛍光が検出された細胞を含む半径0.75 cmの範囲を切り取り、ゲノムDNAを抽出した。ガイドRNAによる変異挿入が予測される配列を認識する制限酵素(MlyI)でゲノムDNAを切断し、切断後のゲノムDNAを鋳型としてガイドRNAの標的配列を含む領域をPCRにより増幅した。再度、変異挿入が予測される配列を認識する制限酵素(HinfI)でPCR産物を切断し、非特異的に増幅されたDNA断片を除外するためにNested PCRを行った。その後、Nested PCR産物をpCR-Blunt II-TOPO ベクター(Thermo Fisher Scientific社)に挿入した。ベクターを大腸菌に導入して形質転換を行い、カナマイシンを含むLB寒天培地プレートに播種し、37℃、暗所で一晩培養した。翌日、プレート上の各コロニーに対し、TOPOベクター上の配列に相補的なプライマーと変異挿入箇所に相補的なプライマーを用いてコロニーPCRを行った。変異挿入箇所に相補的なプライマーは、変異が挿入されると予想される位置が3’ 末端となるよう設計した。このコロニーPCRでは、野生型配列は完全一致するため増幅されるが、変異が挿入されるとプライマーの3’ 末端が一致しないため、増幅されない。その後、コロニーPCRで増幅が確認できなかった大腸菌のコロニーからプラスミドベクターを抽出し、シークエンス解析によってガイドRNAの標的配列内の変異を確認した。シークエンス解析の結果の一部を図2に示す。図2に示されるように、野生型(WT)に対して、変異(1塩基挿入、8塩基欠失、又は9塩基欠失)していることが確認できた。
以上より、葉に対してCas等の標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットをパーティクルボンバードメント法により導入することで、葉においてゲノム編集できることが分かった。
実施例2:植物ゲノム編集試験2
ベンサミアナタバコの成熟花粉に対して、内在性遺伝子特異的に機能するCasタンパク質発現カセット及びガイドRNA発現カセットの組み合わせ、並びに蛍光タンパク質発現カセットを、パーティクルボンバードメント法により導入した。本実施例の概要を図3に示す。具体的には以下のようにして行った。
花粉および花粉管で発現する蛍光タンパク質をコードするプラスミドDNAとして、細胞質を標識するLAT52p::mApple および核を標識するUBQ10p::H2B-Clover 配列を含むプラスミドDNAを用意した。プラスミドDNA2に代えてこのプラスミドDNAを用いる以外は、実施例1と同様にしてパーティクルボンバードメントを行った。
ベンサミアナタバコの花から葯2〜5個分の花粉を採取し、シャーレ上の花粉発芽培地に散布し、PDS-1000/He本体の上から2段目に配置した。実施例1と同条件にて、シャーレ1枚につき1回ずつボンバードメントを行った。その後、保湿、遮光して20〜24時間培養した。
蛍光顕微鏡で花粉および花粉管のmAppleおよびCloverの蛍光の発現を観察した。蛍光タンパク質を発現している花粉および花粉管を培地ごとチューブに回収し、液体窒素により凍結した。融解したのち、超音波と摩擦により細胞を破砕し、ゲノムDNAを抽出した。実施例1と同様の手順で制限酵素処理およびPCRを行い、Nested PCR産物をpCR-Blunt II-TOPOベクターに挿入した。ベクターは大腸菌に導入し形質転換を行なった。その後、カナマイシンを含むLB寒天培地プレートに播種し、37℃、暗所で一晩培養した。翌日、プレート上の各コロニーに対し、コロニーPCRおよびシークエンス解析を行い、ガイドRNAの標的配列内の変異を確認した。シークエンス解析の結果の一部を図4に示す。図4に示されるように、野生型(WT)に対して、変異(1塩基置換、又は1塩基挿入)していることが確認できた。
以上より、花粉に対してCas等の標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットをパーティクルボンバードメント法により導入することで、花粉においてゲノム編集できることが分かった。
実施例3:ゲノム編集効率の評価試験
レポーター発現カセットを含むシロイヌナズナの葉に対して、該レポーター特異的に機能するCasタンパク質発現カセット及びガイドRNA発現カセットの組み合わせを、パーティクルボンバードメント法により導入し、レポーター活性を指標として変異効率を評価した。本実施例の概要を図5に示す。具体的には以下のようにして行った。
0.6μm径の金粒子を滅菌水で懸濁して調整した上記30 mg/mL金溶液を1回の撃ち込みにつき10μLずつ使用した。sGFP, Clover, Venus, EYFP, CFP, mCerulean, mTurquioseなど黄色、緑色および青色蛍光タンパク質に共通の配列を標的とするガイドRNAおよびCas9を発現するプラスミドDNAを、1回の撃ち込みにつき400 ngとなるよう上記金溶液に加えて撹拌した。上記実施例1, 2同様、Cas9はシロイヌナズナRPS5A遺伝子またはUBQ10遺伝子のプロモーターで、ガイドRNAを含むカセットはシロイヌナズナU6プロモーターで駆動される。
LAT52p::Venus遺伝子を発現するシロイヌナズナ形質転換体の本葉1枚をシャーレの中央にマスキングテープで貼り付けてターゲット台に置床し、PDS-1000/He本体の上から3段目に配置した。実施例1と同様に、1100 psi用のラプチャーディスクを用い、ヘリウムガス圧1100 psi, 減圧−27 inHgで葉1枚につき1回ずつ撃ち込みを行った。その後、保湿、遮光して24時間培養した。
金が最も多く付着した半径0.5 cmの範囲を切り取り、ゲノムDNAを抽出した。末端に制限酵素の認識配列を付加したプライマーを用いてゲノムDNAから Venusの全長配列をPCRにより増幅した。クローニングには、アラビノース誘導性のタンパク質発現用pGLOベクター(BIO-RAD社)を改変し、GFPの代わりに赤色蛍光タンパク質をコードする配列を導入した改変型pGLO/Rを用いた。制限酵素切断により赤色蛍光タンパク質の遺伝子配列を除去し、PCR増幅したVenus配列を挿入した。挿入されたベクターは大腸菌に導入し、形質転換した。その後、6 mg/mLのL-(+)-アラビノースと200μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地プレートに播種し、37℃、暗所で一晩培養した。翌日、プレート上のコロニーに500 nmのBlue/Green LEDを照射して各コロニーの蛍光の有無を確認した。または、プレートを2〜3日間4°Cで保存し、蛍光タンパク質を安定化させることにより、励起光を当てず自然光下にて目視で蛍光を確認した。
自然光又は励起光条件下におけるプレート観察像を図6に示す。制限酵素で切断されずにpGLO/Rベクターそのものが取り込まれたコロニーは赤色蛍光を発する。ゲノム編集されなかった野生型の配列を含むベクターを取り込んだコロニーはVenusの蛍光を発する。一方、ゲノム編集によりVenus配列に変異が挿入されたベクターを取り込んだコロニーは蛍光を発しない。蛍光を発しないコロニーを選抜し、プラスミドベクターを抽出してシークエンス解析を行うことで、ガイドRNAの標的配列内の変異を確認した。または、シークエンスを行わずにVenusの蛍光を発しないコロニーの割合をカウントすることで、標的とする細胞または配列におけるゲノム編集効率を、蛍光を指標にして評価することができた。

Claims (10)

  1. (1)植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程を含む、植物ゲノム編集方法。
  2. 前記対象物が、葉、及び花粉からなる群より選択される少なくとも1種であり、請求項1に記載の植物ゲノム編集方法。
  3. 前記対象物が花粉である、請求項1又は2に記載の植物ゲノム編集方法。
  4. 前記標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットがCasタンパク質発現カセットであり、且つ前記導入物がさらにガイドRNA及びガイドRNA発現カセットからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物ゲノム編集方法。
  5. 前記導入物がレポーター発現カセットをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の植物ゲノム編集方法。
  6. 前記レポーター発現カセットが蛍光タンパク質発現カセットである、請求項5に記載の植物ゲノム編集方法。
  7. (A)花粉に対して、標的特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入する工程、並びに
    (B)工程Aで得られた花粉を用いて次世代植物を得る工程、
    を含む、ゲノム編集された植物を製造する方法。
  8. (a)レポーター発現カセットを含む植物体及びその一部からなる群より選択される少なくとも1種の対象物に対して、前記レポーター特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含む導入物を、パーティクルボンバードメント法により導入し、前記レポーター発現カセット中のレポーター遺伝子を変異させる工程、並びに
    (b)前記変異の効率を、前記レポーターのシグナルを指標として評価する工程、
    を含む、植物ゲノム編集効率の評価方法。
  9. 前記工程bが、
    (b1)工程a後、前記レポーター遺伝子を発現可能な状態で細胞に導入する工程、及び
    (b2)工程b1で得られた細胞集団におけるレポーターシグナルを指標として、ゲノム編集効率を評価する工程
    を含む、請求項8に記載の評価方法。
  10. 前記対象物が葉である、請求項8又は9に記載の評価方法。
JP2018079316A 2018-04-17 2018-04-17 植物ゲノム編集方法 Active JP6614622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018079316A JP6614622B2 (ja) 2018-04-17 2018-04-17 植物ゲノム編集方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018079316A JP6614622B2 (ja) 2018-04-17 2018-04-17 植物ゲノム編集方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019180373A true JP2019180373A (ja) 2019-10-24
JP6614622B2 JP6614622B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=68337864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018079316A Active JP6614622B2 (ja) 2018-04-17 2018-04-17 植物ゲノム編集方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6614622B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009538138A (ja) * 2006-05-25 2009-11-05 サンガモ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド 改変開裂ハーフドメイン
US20120304336A1 (en) * 2011-05-23 2012-11-29 E.I. Du Pont De Nemours And Company Chloroplast transit peptides and methods of their use
WO2016040030A1 (en) * 2014-09-12 2016-03-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Generation of site-specific-integration sites for complex trait loci in corn and soybean, and methods of use
JP2016523560A (ja) * 2013-07-10 2016-08-12 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ Rna誘導性遺伝子制御および編集のための直交性cas9タンパク質
WO2016137774A1 (en) * 2015-02-25 2016-09-01 Pioneer Hi-Bred International Inc Composition and methods for regulated expression of a guide rna/cas endonuclease complex
CA2989368A1 (en) * 2015-05-19 2016-11-24 Kws Saat Se Method and constructs for specific nucleic acid editing in plants
WO2017013409A2 (en) * 2015-07-17 2017-01-26 The Institute Of Genetics And Developmental Biology Modified plants
JP2017512494A (ja) * 2014-03-14 2017-05-25 サイバス ユーエス エルエルシー オリゴヌクレオチド仲介型遺伝子修復を使用した標的遺伝子修飾の効率を高めるための方法および組成物
US20170280646A1 (en) * 2014-08-28 2017-10-05 Kws Saat Se Generation of haploid plants
US20170306349A1 (en) * 2014-07-11 2017-10-26 E I Du Pont De Nemours And Company Compositions and methods for producing plants resistant to glyphosate herbicide
WO2017195906A1 (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 株式会社カネカ 植物のゲノム編集方法
WO2018043219A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 国立大学法人名古屋大学 Casタンパク質発現カセット

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009538138A (ja) * 2006-05-25 2009-11-05 サンガモ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド 改変開裂ハーフドメイン
US20120304336A1 (en) * 2011-05-23 2012-11-29 E.I. Du Pont De Nemours And Company Chloroplast transit peptides and methods of their use
JP2016523560A (ja) * 2013-07-10 2016-08-12 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ Rna誘導性遺伝子制御および編集のための直交性cas9タンパク質
JP2017512494A (ja) * 2014-03-14 2017-05-25 サイバス ユーエス エルエルシー オリゴヌクレオチド仲介型遺伝子修復を使用した標的遺伝子修飾の効率を高めるための方法および組成物
US20170306349A1 (en) * 2014-07-11 2017-10-26 E I Du Pont De Nemours And Company Compositions and methods for producing plants resistant to glyphosate herbicide
US20170280646A1 (en) * 2014-08-28 2017-10-05 Kws Saat Se Generation of haploid plants
WO2016040030A1 (en) * 2014-09-12 2016-03-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Generation of site-specific-integration sites for complex trait loci in corn and soybean, and methods of use
WO2016137774A1 (en) * 2015-02-25 2016-09-01 Pioneer Hi-Bred International Inc Composition and methods for regulated expression of a guide rna/cas endonuclease complex
CA2989368A1 (en) * 2015-05-19 2016-11-24 Kws Saat Se Method and constructs for specific nucleic acid editing in plants
WO2017013409A2 (en) * 2015-07-17 2017-01-26 The Institute Of Genetics And Developmental Biology Modified plants
WO2017195906A1 (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 株式会社カネカ 植物のゲノム編集方法
WO2018043219A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 国立大学法人名古屋大学 Casタンパク質発現カセット

Non-Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BUDHAGATAPALLI, N. ET AL.: ""A simple test for the cleavage activity of customized endonucleases in plants"", PLANT METHODS, vol. Vol. 12: 18, JPN6019025807, 2016, pages 1 - 10, ISSN: 0004070691 *
EAPEN, S.: ""Pollen grains as a target for introduction of foreign genes into plants: an assessment"", PHYSIOL. MOL. BIOL. PLANTS, vol. 17, JPN6019025814, 2011, pages 1 - 8, XP019892905, ISSN: 0004070694, DOI: 10.1007/s12298-010-0042-6 *
GOUNARIS, Y. ET AL.: ""Pollen-mediated genetic transformation of cotton with the Arabidopsis thaliana hmgrcDNA using the p", JOURNAL OF FOOD, AGRICULTURE & ENVIRONMENT, vol. 3, JPN6019037414, 2005, pages 157 - 160, ISSN: 0004123394 *
MOOKKAN, M.: ""Particle bombardment - mediated gene transfer and GFP transient expression in Seteria viridis"", PLANT SIGNAL. BEHAV., vol. Vol. 13, No. 4, e1441657, JPN6019025809, 16 April 2018 (2018-04-16), pages 1 - 4, ISSN: 0004070692 *
TOURAEV, A. ET AL.: ""Plant male germ line transformation"", THE PLANT JOURNAL, vol. 12, JPN6019037413, 1997, pages 949 - 956, XP000198135, ISSN: 0004123393, DOI: 10.1046/j.1365-313X.1997.12040949.x *
ZHANG, Y. ET AL.: ""Efficient and transgene-free genome editing in wheat through transient expression of CRISPR/Cas9 DN", NAT. COMMUN., vol. Vol. 7: 12617, JPN6019025812, 2016, pages 1 - 8, ISSN: 0004070693 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6614622B2 (ja) 2019-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230242927A1 (en) Novel plant cells, plants, and seeds
JP7236121B2 (ja) 植物のゲノム編集方法
Hibberd et al. Transient expression of green fluorescent protein in various plastid types following microprojectile bombardment
JP6945865B2 (ja) Casタンパク質発現カセット
US11220694B1 (en) Rice cells and rice plants
JP5355286B2 (ja) 植物人工染色体、その使用及び植物人工染色体の製造方法
JP6967217B2 (ja) 形質転換植物の作製方法
EP3392339A1 (en) Improved genome editing in plant cells
JP6614622B2 (ja) 植物ゲノム編集方法
BR112019022737A2 (pt) métodos para isolar células sem o uso de sequências marcadoras transgênicas
US20230235349A1 (en) Novel maize cells and maize plants
US11976291B2 (en) Genetically enhanced maize plants
JP2024513588A (ja) 遺伝性突然変異のための可動性エンドヌクレアーゼ
US20240132908A1 (en) Pest and pathogen resistant soybean plants
AU2015215536B2 (en) Method for obtaining transformed cells of plant
WO2021049388A1 (ja) 腋芽メリステムを用いた植物の改変方法
JP5186683B2 (ja) 形質転換植物体の作出方法及びその利用
WO2023022226A1 (ja) 部位特異的ヌクレアーゼ発現カセットを含むポリヌクレオチド
WO2022154115A1 (ja) 形質転換またはゲノム編集された次世代植物体の製造方法
US11802288B1 (en) Methods for efficient soybean genome editing
US11926835B1 (en) Methods for efficient tomato genome editing
Dalal Simultaneous analysis of multiple promoters: an application of the PC-GW binary vector series
Coates Assessment and Characterization of Various Gene-editing Platforms for Brassica napus (Canola) using TRANSPARENT TESTA 8 (TT8) as the Target Gene
WO2023244269A1 (en) Genetically enhanced maize plants
WO2023192825A1 (en) Targeted donor dna insertion and indel editing of plant genes

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20180502

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190508

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190508

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6614622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250