JP2019173078A - アルミニウム合金鋳物部材の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金鋳物部材の製造方法 Download PDF

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直樹 山川
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亮介 伊達
渉 宮原
Wataru Miyahara
渉 宮原
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Abstract

【課題】 T6熱処理において溶体化処理時間が短かい場合であっても、疲労強度を高位安定化させることが可能である、アルミニウム合金鋳物部材の製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム合金を鋳造した後、T6熱処理を行なうアルミニウム合金鋳物部材の製造方法において、アルミニウム合金の銅含有量を2wt%以上3wt%以下の範囲とし、かつT6熱処理のうちの溶体化処理条件を490℃以上510℃以下の温度で60分以下の時間保持することを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム合金鋳物部材の製造方法に関する。
シリンダヘッドなどの強度や硬さが必要とされるアルミニウム鋳物部材には、銅やマグネシウムを添加した合金系に、T6熱処理を行って強度や硬さを向上させたものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。T6熱処理とは、溶体化焼き入れ処理と時効処理との2段階で構成される熱処理である。溶体化焼き入れ処理は、例えば、500℃で5時間程度の炉内保持(溶体化処理)を行った後に焼き入れを行う処理である。溶体化焼き入れ処理によって、銅やマグネシウム等の添加金属をアルミニウム中に固溶させて均質化することができる。次いで行う時効処理は、200℃で5時間程度の炉内保持を行う処理である。時効処理によって、銅やマグネシウムを、CuAlやMgSi等の形で微細析出させる。
特許第4796563号公報
前記T6熱処理は、物性の向上の点では優れた処理方法であるが、処理時間が10時間近くかかってしまう。生産効率の向上のために、T6熱処理の処理時間を短縮化すると、特性のばらつきが発生し、極端に疲労特性が低い部材となってしまう場合があった。
本発明は上記問題点を解決するものであり、T6熱処理において処理時間が短い場合であっても、疲労強度を高位安定化させることが可能である、アルミニウム合金鋳物部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のアルミニウム合金鋳物部材の製造方法は、
アルミニウム合金を鋳造した後、T6熱処理を行なうアルミニウム合金鋳物部材の製造方法において、
前記アルミニウム合金の銅含有量を2wt%以上3wt%以下の範囲とし、かつ前記T6熱処理のうちの溶体化処理条件を490℃以上510℃以下の温度で60分以下の時間保持することを特徴とする。
本発明によれば、T6熱処理において処理時間が短い場合であっても、疲労強度を高位安定化させることが可能である、アルミニウム合金鋳物部材の製造方法を提供することができる。
図1は、T6処理を行ったアルミニウム合金の、部材破断寿命が10サイクルとなる歪振幅(μst)について、T6処理時間との関係を示したグラフである。 図2は、図1のデータを、アルミニウム合金中のCu含有量と部材破断寿命が10サイクルとなる歪振幅(μst)との関係を示したグラフである。 図3は、本実施例で示す疲労試験に供したアルミニウム合金組織中のCuについて、EPMAによる面分析結果から算出した、Cuが十分に溶体化されずに残っている「溶け残り」部分の面積比率と、前記歪振幅との関係をプロットしたグラフである。
T6熱処理が適用される合金系としては、銅(Cu)を2〜4wt%程度含むAC2B合金およびAC4B合金が代表的なものである。これらの合金について、T6熱処理時間を短縮化すると、所望の疲労強度が得られる部材がある一方で、規定値から外れる部材も発生するといったように、疲労強度がばらつくことがある。
図1に、T6処理を行ったアルミニウム合金の、部材破断寿命が10サイクルとなる歪振幅(μst)について、T6処理時間との関係を示す。縦軸に示した部材破断寿命が10サイクルとなる歪振幅は、疲労強度の指標であり、数値が大きいほど疲労特性が良好である。
図1は、500℃での保持時間を20分とした溶体化処理の後、水中へ焼き入れを行い、次いで、200℃での保持時間を35分とした時効処理を行ったアルミニウム合金鋳物部材(サンプル数n=12)と、500℃での保持時間を100分とした溶体化処理の後、水中へ焼き入れを行い、次いで、200℃での保持時間を135分とした時効処理を行ったアルミニウム合金鋳物部材(サンプル数n=12)について、前記歪振幅を測定し、その最大値と最小値とをプロットしたグラフである。
同図に示すように、熱処理条件が短時間である500℃、20分の溶体化焼入れ後、35分の時効処理を行ったサンプルは、長時間処理である500℃、100分の溶体化焼入れ後、135分の時効処理を行ったサンプルに対し、特性のバラツキが大きいことがわかる。
そこで、特性のばらつきを小さくすることで、短時間のT6熱処理においても、疲労強度を高位安定化させるために、発明者らは合金中の銅の含有量に着目して検討を行った。その結果、銅を2wt%以上3wt%以下の範囲内で含むアルミニウム合金であると、従来よりも格段に短い処理時間で、疲労強度の高位安定化が可能であることを見出した。
図2は、アルミニウム合金のCu添加量と、部材破断寿命が10サイクルとなる歪振幅(μst)との関係を示すグラフである。
図2に示すデータは図1のデータを、アルミニウム合金中のCu含有量を横軸にとり、前記歪振幅の値を縦軸にプロットしたグラフである。これによると、疲労強度はCu含有量と密接に関わっており、短時間の熱処理条件であっても、疲労強度を高位安定化させるためには、アルミニウム合金として、Cu添加量が2wt%以上3wt%以下の範囲内であるものを用いればよいことがわかる。
なお、前記の疲労強度試験に供したアルミニウム合金について、EPMAにより面分析を行ない、画像処理によって、500℃での溶体化処理後もCuが溶体化されずに残った領域(「溶け残り」領域)と、500℃での溶体化処理によってCuが溶体化された領域(「溶け込み」領域)とを可視化し、Cuの「溶け残り」面積率(%)を算出した。そして、「溶け残り」部分の面積比率と、前記歪振幅との関係をプロットした。その結果を図3に示す。
図3に示すように、溶体化処理後にも溶け残ったCuが多い場合に、疲労特性が低下する関係にある。したがって、図1に示した短時間熱処理の場合に発生する疲労特性のバラツキは、溶体化が不十分でCuが多く溶け残る場合に発生し、溶体化処理後のCu溶け残り量を抑制するためにもアルミニウム合金中のCu添加量は小さい値であることが有効であることがわかる。
以上、上記実施形態に示したように、本発明によれば、アルミニウム合金鋳物部材の製造時のT6熱処理において、処理時間が短い場合であっても、疲労強度を高位安定化させることを可能にすることができる。

Claims (1)

  1. アルミニウム合金を鋳造した後、T6熱処理を行なうアルミニウム合金鋳物部材の製造方法において、
    前記アルミニウム合金の銅含有量を2wt%以上3wt%以下の範囲とし、かつ前記T6熱処理のうちの溶体化処理条件を490℃以上510℃以下の温度で60分以下の時間保持することを特徴とするアルミニウム合金鋳物部材の製造方法。
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