JP2019171340A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性エネルギー線による塗膜の硬化工程を含む光学フィルムの製造方法において、シワの発生が低減された光学フィルムの製造方法の提供を提供すること。【解決手段】連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程と、不活性ガスが供給及び充填され且つ加熱手段により内部雰囲気が加温された反応室内の、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて、塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程、又は、不活性ガスが供給及び充填された反応室内において、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱し、且つ、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程と、を有する光学フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、光学フィルムの製造方法に関するものである。
近年、光学フィルムの需要が増加しつつある。光学フィルムの代表的なものとして、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム等が挙げられる。
光学フィルムは、生産性向上のため、長尺のフィルム状支持体(以降、「連続フィルム支持体」)を用い、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式での連続プロセスによって製造される。
光学フィルムの製造方法の1例として、連続フィルム支持体の表面に、活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液を塗布し、乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程と、形成された塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる硬化工程と、を有し、連続フィルム支持体の表面に目的とする光学機能層を形成する方法が挙げられる。
光学フィルムの製造方法に適用される塗布膜の硬化方法として、例えば、特許文献1に記載の方法がある。
特許文献1には、走行する帯状の可撓性支持体の表面に形成された活性線硬化樹脂よりなる塗布膜に複数台の活性線照射手段により活性線を照射して塗布膜を硬化させる塗布膜の硬化方法において、1台以上の活性線照射手段により活性線が照射された可撓性支持体を次段の活性線照射手段に走行させるまでの間、塗布膜を脱酸素雰囲気に保つ塗布膜の硬化方法が開示されている。そして、特許文献1には、複数台の活性線照射手段同士の間に密閉空間を形成し、密閉空間内に不活性ガスを供給すること、及び、塗布膜に対する活性線の照射を、塗布膜を有する可撓性支持体を加温したバックアップロールに巻き掛けて行うことが開示されている。
また、特許文献2には、長尺の基材フィルム及び硬化層を備える光学フィルムの製造方法であって、基材フィルムと、活性エネルギー線によって硬化しうる硬化前層と、を備えた複層フィルムの基材フィルムを、基材フィルムの有効部分が空中にある状態で、加熱する工程と、加熱された基材フィルムを、30℃以上のバックロールに接触させた状態で、硬化前層に活性エネルギー線を照射することによって、硬化前層を硬化させて硬化層を得る工程と、を含む、光学フィルムの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、硬化前層への活性エネルギー線の照射を、不活性ガス雰囲気下で行うことについても開示されている。
更に、特許文献3には、樹脂フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂層を設けた後、樹脂フィルムを搬送しながら、活性エネルギー線硬化性樹脂層に光源から活性エネルギー線を照射して硬化を行うハードコートフィルムの製造方法であって、軸方向が樹脂フィルムの幅方向と平行になるように設置されたガス供給管を用いて、不活性ガスを、活性エネルギー線が照射される活性エネルギー線硬化性樹脂層の表面に供給するハードコートフィルムの製造方法、が開示されている。また、特許文献3には、樹脂フィルムをその背面でバックアップロールにて支持及び搬送しながら、活性エネルギー線の照射および不活性ガスの供給を行うことも開示されている。
加えて、特許文献4には、被着体の被貼付面に貼付されたエネルギー線硬化型の接着剤層を有する接着シートに対しエネルギー線を照射するエネルギー線照射装置において、エネルギー線照射領域に不活性ガスを供給する前に不活性ガスを加熱する加熱手段を備えるエネルギー線照射装置が開示されている。
特開2006−247530号公報 特開2017−111394号公報 特開2009−240921号公報 特開2013−141651号公報
光学フィルムの製造において、上記した硬化工程は、酸素による硬化反応の阻害を抑制するため、例えば、不活性ガスを充填した反応室に、塗膜が形成された連続フィルム支持体を搬送し、通過させている最中に行われる。
また、活性エネルギー線の照射による塗膜の硬化は、硬化反応の促進のために、上記の反応室内で、加温したバックアップロールに、塗膜が形成された支持体を巻き掛けて行われることがある。
しかしながら、塗膜が形成された連続フィルム支持体が、反応室内にて加温したバックアップロールに接触すると、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側とで温度差ができ、この温度差に起因するシワが発生することがある。
発生したシワが大きい場合又は多い場合には、光学フィルムの光学性能が不均一となり、製品としての品質が低下してしまう。
ここで、上記の温度差に起因するシワは、連続フィルム支持体に幅方向に数mmの大きさで数個〜数100個並んで発生する、波打ち形状のシワをいう。このシワは、連続フィルム支持体における接合部(即ち、長尺にするためにフィルム同士を接合した連結部)などとは関係なく定常的に発生し易い。シワが大きい場合(強い場合)には、シワが長手方向に連続してしまうこともある。
特許文献1に記載の塗布膜の硬化方法では、塗布膜を有する可撓性支持体の塗布膜に活性線を照射する際、塗布膜が形成された側と加温したバックアップロールに接触する側とで温度差ができ、シワが発生してしまう。
特許文献2に記載の光学フィルムの製造方法の場合にも、硬化前層を有する基材フィルムの硬化前層に活性エネルギー線を照射する際、硬化前層が形成された側と加温したバックロールに接触する側とで温度差ができ、シワが発生してしまう。
特許文献3に記載のハードコートフィルムの製造方法では、バックアップロールの加温については言及されていない。
特許文献4に記載のエネルギー線照射装置は、エネルギー線の照射を、エネルギー線硬化型の接着剤層を有する樹脂フィルムを、バックアップロールに巻き掛けて行うことについては言及されていない。
そこで、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、上記事情に鑑みてなされたものであり、活性エネルギー線による塗膜の硬化工程を含む光学フィルムの製造方法において、シワの発生が低減された光学フィルムの製造方法の提供を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程と、
不活性ガスが供給及び充填され且つ加熱手段により内部雰囲気が加温された反応室内の、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて、塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程と、
を有する光学フィルムの製造方法。
<2> 反応室内の内部雰囲気を加温する加熱手段が、不活性ガスを加熱する加熱手段である、<1>に記載の光学フィルムの製造方法。
<3> 加熱手段が反応室内に供給される不活性ガスを加熱することにより、反応室内の内部雰囲気を加温する、<1>又は<2>に記載の光学フィルムの製造方法。
<4> 連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程と、
不活性ガスが供給及び充填された反応室内において、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱し、且つ、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程と、
を有する光学フィルムの製造方法。
<5> 加温された不活性ガスにより連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、<4>に記載の光学フィルムの製造方法。
<6> 加温された不活性ガスを連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、<4>又は<5>に記載の光学フィルムの製造方法。
<7> 反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの離間地点までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、<6>に記載の光学フィルムの製造方法。
<8> 反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、<6>又は<7>に記載の光学フィルムの製造方法。
<9> 塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが3μm以上115μm以下である、<1>〜<8>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<10> 反応室内でのバックアップロールの表面温度が80℃以上250℃以下である、<1>〜<9>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<11> 反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とした場合、TはT−20℃以上T+20℃以下である、<1>〜<10>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<12> 反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とし、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みをtμmとした場合、下記式(1)を満たす、<1>〜<10>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
式(1) 0≦|T−T|≦t
<13> 塗膜形成工程後で硬化工程前に、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加熱する前加熱工程を更に有する、<1>〜<12>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明の一実施形態によれば、活性エネルギー線による塗膜の硬化工程を含む光学フィルムの製造方法において、シワの発生が低減された光学フィルムの製造方法が提供される。
第1の実施形態の光学フィルムの製造方法の各工程を示す概略図である。 第2の実施形態の光学フィルムの製造方法の各工程を示す概略図である。 実施例26における不活性ガスの吐出方向を説明するための概略図である。
以下、光学フィルムの製造方法の実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
また、各図面において、同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本開示において、「加温」とは、対象物の温度を目的とする温度まで上昇させることを意味する。
≪光学フィルムの製造方法≫
本発明者らは、ロールトゥロール方式での連続プロセスでの活性エネルギー線による塗膜の硬化工程を含む光学フィルムの製造方法について検討を行ったところ、以下の方法にて、シワの発生を低減できることを見出した。
即ち、塗膜が形成された連続フィルム支持体の塗膜への活性エネルギー線の照射を、不活性ガスが充填した反応室にて、加温したバックアップロールに塗膜が形成された支持体を巻き掛けて行う、硬化工程において、反応室内の雰囲気温度を加熱手段により加温する、又は、反応室にて連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、方法である。
上記の方法を採用することで、塗膜が形成された連続フィルム支持体が反応室内にて加温したバックアップロールに接触した際、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側との間にできる温度差を間接的又は直接的に小さくすることができる。その結果、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側との間でできる温度差に起因するシワの発生を低減することができる。
〔第1の実施形態及び第2の実施形態〕
以上のことから、第1の実施形態の光学フィルムの製造方法は、連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程(以降、「塗膜形成工程(1)」ともいう)と、不活性ガスが供給及び充填され且つ加熱手段により内部雰囲気が加温された反応室内の、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて、塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程(以降、「硬化工程(1)」ともいう)と、を有する光学フィルムの製造方法である。
また、第2の実施形態の光学フィルムの製造方法は、連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程(以降、「塗膜形成工程(2)」ともいう)と、不活性ガスが供給及び充填された反応室内において、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱し、且つ、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程(以降、「硬化工程(2)」ともいう)と、を有する光学フィルムの製造方法である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法によれば、硬化工程(1)又は硬化工程(2)を経ることで、連続フィルム支持体上には硬化膜が形成される。
形成される硬化膜は、光学フィルムにおける光学機能層(例えば、光学異方性層、反射防止層、防眩層、レンチキュラーレンズ層等)となる。
)となる。
以下、まず、第1の実施形態の光学フィルムの製造方法における塗膜形成工程(1)及び硬化工程(1)の詳細について説明する。
[塗膜形成工程(1)]
塗膜形成工程(1)では、連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する。
塗膜形成工程(1)は、活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液を用い、この塗布液を、連続フィルム支持体上に塗布し、乾燥させることで行われることが好ましい。
塗膜形成工程(1)の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、巻回された連続フィルム支持体Fは、その先端が送り出されると、まず、塗布手段1により活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液の塗布が行われ、その後、乾燥手段2による乾燥領域にて乾燥される。こうして、連続フィルム支持体上には、活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液を塗布及び乾燥して得られる塗膜が形成される。
−連続フィルム支持体−
光学フィルムの製造に用いる連続フィルム支持体には、公知のポリマーフィルムを用いることができる。
連続フィルム支持体として用いられるポリマーフィルムの材料の例には、セルロースアシレート(例えば、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース、屈折率1.48)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリ(メタ)アクリルニトリル、脂環式構造を有するポリマー(例えば、ノルボルネン系樹脂(商品名「アートン(登録商標)」、JSR社)、非晶質ポリオレフィン(例えば、商品名「ゼオネックス(登録商標)」、日本ゼオン社))などが挙げられる。
このうち、光学異方性の低さ等の点から、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
連続フィルム支持体の厚みとしては、製造適性、用途、ユーザーからの要求等に応じて決定されればよく、例えば、3μm〜250μmの範囲のものが用いられる。特に、連続フィルム支持体の厚みが薄い際には、シワが発生し易くなる傾向があるが、後述する硬化工程(1)を採用することで、3μm〜100μmの範囲の薄い連続フィルム支持体が好ましく用いられる。
バックアップロールへの巻き掛けに対する適用性が高い点等から、15μm以上がより好ましく、材料コストの点から、80μm以下が好ましい。
−塗布−
塗布には、公知の塗布手段が適用される。
塗布手段として、具体的には、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等が挙げられる。
−乾燥−
乾燥には、公知の乾燥手段が適用される。
乾燥手段として、具体的には、オーブン、温風機、赤外線(IR)ヒーター等を用いる方法が挙げられる。
温風機による乾燥においては、連続フィルム支持体の塗布液が塗布された面とは反対の面から温風を当てる構成でもよく、塗布された塗布液の表面が温風にて流動しないよう、拡散板を設置した構成としてもよい。
乾燥条件は、用いた塗布液の種類、塗布量、搬送速度等に応じて決定されればよく、例えば、30℃〜140℃の範囲で、10秒〜10分間行うことが好ましい。
以上の塗膜形成工程(1)を経て、活性エネルギー線により硬化する、未硬化の塗膜が形成される。
塗膜形成工程(1)を経て得られる、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みは、3μm以上115μm以下であることが好ましく、3μm以上80μm以下であることがより好ましい。
塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが小さいほど、硬化工程において、シワが発生し易い。そのため、上記のような薄い総厚みを有するものほど、後述する硬化工程(1)による、シワの発生抑制効果が得られ易い。
ここで、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みとは、連続フィルム支持体に塗膜が複数積層されている場合には、連続フィルム支持体自体の厚みと積層されている全ての層の厚みの総計とを合わせた厚みをいう。
[硬化工程(1)]
硬化工程(1)は、不活性ガスが供給及び充填され且つ加熱手段により内部雰囲気が加温された反応室内の、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて、塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる。
ここで、硬化工程(1)における加熱手段は、上記のように反応室の内部雰囲気を加温する手段であって、シワが発生を抑制するために設けられた手段である。
硬化工程(1)の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fは、反応室3内にて、活性エネルギー線の照射が行われる。
具体的には、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fは、反応室3内にてバックアップロール34に巻き掛けられており、この領域にて、露光光源32にて塗膜に活性エネルギー線が照射される。
なお、反応室3内には、ノズル36aから加温された不活性ガスが供給されており、この不活性ガスが反応室3内に充填されている。この加温された不活性ガスにより、反応室3の内部雰囲気が加温される。
図1においては、ノズル36aから加温された不活性ガスを供給し、それが反応室3内に充填されることで、反応室3の内部雰囲気が加温される態様を示したが、硬化工程(1)はこれに限定されるものではない。
硬化工程(1)は、内部雰囲気が加熱手段により加温されていればよく、例えば、不活性ガスを加熱手段により加熱する態様、反応室の内壁を加熱手段により加熱する態様が挙げられる。
なお、加熱手段による加熱条件、不活性ガスの温度、不活性ガスの供給量、不活性ガスの排出量、連続フィルム支持体の搬送速度等を、適宜、調整することで、反応室の内部雰囲気の温度を制御できる。
硬化工程(1)にて、不活性ガスを加熱手段により加熱する態様を採用する場合、上述のように、加熱手段がノズル36aから反応室3内に供給される不活性ガスを予め加熱する手段であってもよいし、加熱手段が反応室内に供給される不活性ガスを反応室内にて加温する手段であってもよい。後者の場合、加熱手段は、反応室内に設置された例えば加熱板などであり、この加熱板に不活性ガスを当てて、反応室内にて不活性ガスを加熱する方法が挙げられる。
−活性エネルギー線−
硬化工程(1)にて用いられる活性エネルギー線としては、照射する塗膜中に活性種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はない。活性エネルギー線としては、具体的には、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、赤外線、可視光線、電子線等が挙げられる。これらのうち、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、硬化工程(1)にて用いられる活性エネルギー線としては、紫外線又は電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
−不活性ガス−
硬化工程(1)にて用いられる不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス、炭酸ガス等が挙げられ、中でも、窒素ガスが好ましい。
−露光光源−
硬化工程(1)にて、活性エネルギー線を照射するために用いる露光光源としては、上述の活性エネルギー線の光源が挙げられる。硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、露光光源としては、紫外線の光源が好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー)、発光ダイオード、陰極線管等を挙げることができる。
紫外線の光源から発せられる紫外線のピーク波長は、200nm〜400nmが好ましい。
−バックアップロール−
硬化工程(1)にて用いられるバックアップロールは、特に制限無く、公知のものを用いることができる。
バックアップロールとしては、例えば、表面が、ハードクロムメッキされたものを好ましく用いることができる。
メッキの厚みは、導電性と強度とを確保する観点から40μm〜60μmが好ましい。
また、バックアップロールの表面粗さは、連続フィルム支持体とバックアップロールとの摩擦力のバラツキを低減させる点から、表面粗さRaにて0.1μm以下が好ましい。
硬化工程(1)におけるバックアップロールは、塗膜の硬化速度及び硬化効率を高めるため、加温されている。
バックアップロールの表面温度は、塗膜の組成、塗膜の硬化性能、連続フィルム支持体の耐熱性等に応じて決定されればよく、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜250℃がより好ましく、80℃〜150℃が更に好ましい。
バックアップロールの表面温度を上記の温度にすることで、塗膜の硬化速度を上げることができ、巻き掛けられる連続フィルム支持体の温度制御を行うこともできる。
バックアップロールの表面温度は、以下のようにして測定される。
即ち、バックアップロールの表面の、バックアップロールの幅方向の任意の5点について、放射温度計(例えば、キーエンス社のFT−H30)にて表面温度を測定する。測定値の平均値をバックアップロールの表面温度とする。
バックアップロールは、表面温度を検知し、その温度に基づいて温度制御手段によってバックアップロールの表面温度が維持されることが好ましい。
バックアップロールの温度制御手段には、加熱手段及び冷却手段がある。加熱手段としては、誘導加熱、水加熱、油加熱等が用いられ、冷却手段としては、冷却水による冷却が用いられる。
バックアップロールの直径としては、連続フィルム支持体が巻き掛け易い点、活性エネルギー線の照射が容易な点、及び、バックアップロールの製造コストの点から、100mm〜1000mmが好ましく、100mm〜800mmがより好ましく、200mm〜700mmが更に好ましい。
硬化工程(1)では、活性エネルギー線の照射を張架した状態の連続フィルム支持体に対して行うため、バックアップロールが巻き掛けられた連続フィルム支持体に対して長手方向にテンションが掛けられていることが好ましい。
バックアップロール上で連続フィルム支持体の長手方向に掛けるテンションとしては、100N/m〜600N/mが好ましい。
バックアップロール上での連続フィルム支持体の搬送速度は、生産性の確保の点、及び、活性エネルギー線の照射の正確性を高める点から、10m/min以上100m/min以下であることが好ましく、20m/min以上60m/min以下であることがより好ましい。
また、バックアップロールに対する連続フィルム支持体のラップ角は、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。
なお、ラップ角とは、連続フィルム支持体がバックアップロールに接触する際の連続フィルム支持体の搬送方向と、バックアップロールから連続フィルム支持体が離間する際の連続フィルム支持体の搬送方向と、からなる角度をいう。
−ノズル−
反応室内に不活性ガスを供給するためのノズルは、反応室のどの位置に設置されていてもよく、不活性ガスの吐出方向にも制限はない。
既述のように、反応室の内部雰囲気を、反応室内に供給される不活性ガスを加熱することで加温する態様であれば、シワの発生を効率的に低減させる点から、後述する第2の態様の光学フィルムの製造方法における、ノズルの設置位置及びノズルから吐出される不活性ガスの吐出方向の好ましい態様と同様とすることが好ましい。
ここで、反応室3内に供給される不活性ガスを加熱するためには、ノズルに通じる不活性ガスの配管を加熱手段(例えば、コイルヒータ等)にて加熱すればよい。
−内部雰囲気の温度−
反応室の内部雰囲気の温度は、反応室の外気温よりも加温されていれば、シワの発生の低減効果は得られるが、バックアップロールの表面温度と近ければ近いほど、シワの発生の低減効果は高くなる。
具体的には、反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、バックアップロールの表面温度をT℃とした場合、TはT−20℃以上T+20℃以下であることが好ましい。つまり、温度Tは温度Tを基準とし±20℃以内であることが好ましい。特に、硬化工程(1)においては、温度T=温度Tであることが最も好ましい。
ここで、本開示における「連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度T」とは、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点(図1中の点P)の塗膜面から1mm離間した位置で測定した温度を指す。
なお、温度Tは、反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点(図1中の点P)の塗膜面から1mm離間した位置に、温度計(例えば、熱電対等)を設置して、測定すればよい。
反応室の内部雰囲気の温度としては、以下の式(1)を満たすことも好ましい。
即ち、反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とし、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みをtμmとした場合、下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1) 0≦|T−T|≦t
式(1)によれば、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが小さいほど、温度Tと温度Tとの差が小さい方が好ましいことを意味する。また、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが大きい場合には、温度Tと温度Tとの差の許容範囲が大きくなることを意味する。これは、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが小さいほど、シワが発生し易いことに由来する。
また、反応室3の内部雰囲気の温度としては、以下の式(2)を満たすことがより好ましい。
式(2) 0≦|T−T|≦t/2
ここで、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みをtとしては、3μm以上115μm以下(より好ましくは、3μm以上80μm以下)が好ましい。
また、加温されたバックアップロールの表面温度をTとして、80℃以上250℃以下(より好ましくは80℃以上150℃以下)が好ましい。
以上の硬化工程(1)を経て、塗膜が硬化され、連続フィルム支持体上に硬化膜(即ち、光学機能層)が形成される。
続いて、第2の実施形態の光学フィルムの製造方法における塗膜形成工程(2)及び硬化工程(2)の詳細について説明する。
[塗膜形成工程(2)]
塗膜形成工程(2)では、連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する。
塗膜形成工程(2)の一例について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、巻回された連続フィルム支持体Fは、その先端が送り出されると、まず、塗布手段1により活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液の塗布が行われ、その後、乾燥手段2による乾燥領域にて乾燥される。こうして、連続フィルム支持体上には、活性エネルギー線により硬化する組成の塗布液を塗布及び乾燥して得られる塗膜が形成される。
図2に示す通り、塗膜形成工程(2)における塗布方法、乾燥方法等は、既述の塗膜形成工程(1)と同様であり、好ましい態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上の塗膜形成工程(2)を経て、活性エネルギー線により硬化する、未硬化の塗膜が形成される。
塗膜形成工程(2)を経て得られる、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みは、塗膜形成工程(1)を経て得られる、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みと同様であり、好ましい範囲も同様である。
[硬化工程(2)]
硬化工程(2)では、不活性ガスが供給及び充填された反応室内において、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱し、且つ、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる。
硬化工程(2)の一例について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fは、反応室3内にて、活性エネルギー線の照射が行われる。
具体的には、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fは、反応室3内にてバックアップロール34に巻き掛けられており、この領域にて、露光光源32にて塗膜に活性エネルギー線が照射される。
なお、反応室3内には、ノズル36bから加温された不活性ガスが供給されており、この加温された不活性ガスが、連続フィルム支持体Fの塗膜が形成された面に当てられている。つまり、この加温された不活性ガスを当てることで、連続フィルム支持体Fの塗膜が形成された面を加熱している。
図2においては、ノズル36bから加温された不活性ガスを反応室3内に供給し、これを連続フィルム支持体Fの塗膜が形成された面に当てる態様を示したが、硬化工程(2)はこれに限定されるものではない。
硬化工程(2)は、上記の態様以外に、加温された不活性ガスにより連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する別の態様として、反応室内に加温された不活性ガスを供給し、これを連続フィルム支持体の塗膜が形成された面とは反対の面に当て、間接的に、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する態様が挙げられる。この他にも、加温したロール、ベルト等を連続フィルム支持体の塗膜が形成された面又はその反対の面に当てる態様、輻射熱を利用して連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する方法が挙げられる。
なお、不活性ガスの温度、不活性ガスの吹き出し口の形状及び位置、不活性ガスの供給量、不活性ガスの排出量、ロール、ベルトなどの表面温度、連続フィルム支持体の搬送速度等を、適宜、調整することで、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面の温度を制御できる。
硬化工程(2)にて、加温された不活性ガスにより連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する態様の場合、以下のようにすることが好ましい。
即ち、反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの離間地点(図2中の点Qに該当)までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に、加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する。
この方法のためには、反応室内のノズルの設置位置、不活性ガスの吹き出し口の位置を調整すればよい。
つまり、反応室内に搬送されてきた連続フィルム支持体が有する塗膜に対し、連続フィルム支持体とバックアップロールとの離間地点(図2中の点Q)までに、加温した不活性ガスを当てる。このタイミングで加温した不活性ガスを当てることで、連続フィルム支持体とバックアップロールとが離間した後に加温した不活性ガスを当てる場合よりも、塗膜を有する連続フィルム支持体において、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側との温度差ができ難くなり、シワの発生を効果的に抑制することができる。
また、反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点(図2中の点Pに該当)までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、ことがより好ましい。
この方法のためには、反応室内のノズルの設置位置及び不活性ガスの吹き出し口の位置を調整すればよい。
つまり、反応室内に搬送されてきた連続フィルム支持体Fが有する塗膜に対し、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点までに、加温した不活性ガスを当てる。このタイミングで加温した不活性ガスを当てることで、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面が加温された状態で、バックアップロールに接触することになるため、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側との温度差がよりでき難くなり、シワの発生を更に効果的に抑制することができる。
加温された不活性ガスにより連続フィルム支持体Fの塗膜が形成された面を加熱する態様の場合、連続フィルム支持体の幅よりも長い幅の吹き出し口から、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面の幅方向全体に対し、加温された不活性ガスを当てることが好ましい。
また、吹き出し口は、窒素ガスの吐出方向が塗膜面に略垂直になるように設置されることが好ましい。
更に、吹き出し口は、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面の幅方向全体に対し、不活性ガスを均一に当てる点から、スリット状であるか、穴が一列又は複数列に並んだ形状であることが好ましい。
硬化工程(2)における活性エネルギー線、不活性ガス、露光光源、バックアップロール、内部雰囲気の温度等は、既述の硬化工程(1)と同様であり、好ましい態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上の硬化工程(2)を経て、塗膜が硬化され、連続フィルム支持体上に光学機能層(即ち、光学機能層)が形成される。
[前加熱工程]
第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法においては、塗膜形成工程後で硬化工程前に、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加熱する前加熱工程を有することが好ましい。
この工程を有することで、塗膜を有する連続フィルム支持体Fが加温された状態で硬化工程へと搬送され、バックアップロールに接触することになるため、塗膜が形成された側とバックアップロールに接触する側との温度差ができ難くなり、シワの発生を効果的に抑制することができる。
−加熱方法−
前加熱工程において、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加熱する方法としては、特に制限はなく、接触加熱方法を用いてもよいし、非接触加熱方法を用いてもよい。
接触加熱方法としては、塗膜が形成された連続フィルム支持体に、加温したロール、ベルト等へと接触させる方法が挙げられる。また、非接触加熱方法は、塗膜が形成された連続フィルム支持体に対し温風を吹き付ける方法、塗膜が形成された連続フィルム支持体を輻射熱により加熱する方法、オーブンなどの加熱ゾーン内を塗膜が形成された連続フィルム支持体を通過させる方法等が挙げられる。
前加熱工程として、具体的には、例えば、図1及び図2に示されるように、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fを加温されたロール4に接触させる方法が挙げられる。なお、塗膜が形成された連続フィルム支持体Fの温度制御の性能を高めるためには、ロール4に塗膜が形成された連続フィルム支持体Fを巻き掛けて搬送すればよい。
前加熱工程においては、塗膜が形成された連続フィルム支持体の、塗膜面又はその反対の面(即ち、連続フィルム支持体の裏面)の温度が、硬化工程におけるバックアップロールの表面温度に近くなるように加熱されることが好ましい。
つまり、前加熱工程における加熱により、塗膜が形成された連続フィルム支持体の塗膜面又はその反対の面の温度が、60℃〜250℃となることが好ましく、80℃〜250℃となることがより好ましく、80℃〜150℃となることが更に好ましい。
また、塗膜が形成された連続フィルム支持体の塗膜面又はその反対の面の温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とした場合、TはT−20℃以上T+20℃以下であることが好ましい。つまり、温度Tは温度Tを基準とし±20℃以内であることが好ましい。また、塗膜が形成された連続フィルム支持体が加熱された後、反応室への搬送途中にて温度低下してしまうことを考慮すると、温度T>温度Tの関係を満たすことが好ましい。
以上のようにして、連続フィルム支持体上に硬化膜である光学機能層が形成される。
第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法により形成される光学機能層としては、位相差フィルムにおける光学異方性層、反射防止フィルムにおける反射防止層、防眩フィルムにおける防眩層、レンチキュラーシートのレンチキュラーレンズ層等が挙げられる。
つまり、第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法によれば、光学異方性層を有する位相差フィルム、反射防止層を有する反射防止フィルム、防眩層を有する防眩フィルム、レンチキュラーレンズ層を有するレンチキュラーシート等が得られる。
[位相差フィルムの製造方法]
以下、第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法の一例として、位相差フィルムの製造方法について説明する。
位相差フィルムは、連続フィルム支持体上に、液晶層の液晶化合物を一定方向に並べるため配向規制力を備える配向層と、配向し且つ固定化された液晶化合物を含む光学異方性層(以降、液晶層ともいう)と、がこの順に設けられたものである。
(配向層とその形成方法)
位相差フィルムにおける配向層は、液晶層の液晶化合物を一定方向に並べるため配向規制力が付与されているものであれば、特に制限はない。
位相差フィルムにおける配向層は、例えば、ラビング方式で液晶化合物に対する配向規制力を付与された配向層、具体的には、ラビング処理が施された有機化合物(好ましくはポリマー)の層を挙げることができる。
ここで、ラビング方式とは、配向層形成用材料を含む塗膜(以降、配向層用塗膜ともいう)の表面をラビング布にて一定方向に擦ることで、塗膜に液晶化合物に対する配向規制力を与える方式である。また、配向層用塗膜の表面をラビング布にて一定方向に擦る処理をラビング処理という。
−配向層形成用材料−
配向層の形成に用いられる配向層形成用材料としては、以下に示す有機化合物と有機化合物を溶解する溶剤とを含むことが好ましい
有機化合物としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート等のポリマー、並びに、シランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。
好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ポリビルアルコール、及びアルキル基(好ましくは炭素数6以上のアルキル基)を有するアルキル変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
配向層形成用材料に用いるポリマーとしては、特に、アルキル変性ポリビルアルコールが好ましく、炭素原子数6〜14のアルキル基が、−S−、−(CH)C(CN)−、又は−(C)N−CS−S−を介してポリビニルアルコールの末端又は側鎖に結合しているアルキル変性ポリビルアルコールが好ましい。
配向層用塗膜は、既述の塗膜形成工程(1)又は(2)における塗布方法及び乾燥方法と同じ方法を用いることができ、好ましい態様も同様である。
配向層用塗膜の膜厚は、0.1μm〜5μmが好ましく、0.2μm〜1μmがより好ましい。
−配向規制力の付与−
ラビング方式の場合には、連続フィルム支持体に形成された配向層用塗膜の表面をラビング布にて一定方向に擦ればよい。
ラビング処理としては、特に制限はなく、公知の方法が適用可能である。具体的には、ラビング処理として、配向層用塗膜の表面を、紙、ガーゼ、フェルト、ゴム、ナイロン、ポリエステル繊維等のラビング布にて一定方向に擦る方法が挙げられる。一般的には、均一性のある長さ及び太さの繊維が平均的に植毛されたラビング布を用いて、数回程度、配向層用塗膜の表面を擦る、といったラビング処理が行われる。
以上のようにして、液晶化合物に対する配向規制力を備えた配向層が形成される。
(液晶層とその形成方法)
以上のようにして形成された配向層上には、液晶層形成用材料の塗膜(以降、液晶層用塗膜ともいう)が形成される。その後、液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向と固定とがなされ、液晶層(即ち、光学異方性層)が得られる。
−液晶層形成用材料−
液晶層形成用材料は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物を含有し、電子エネルギー線により硬化する材料である。液晶層形成用材料は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物の他、必要に応じて、重合性化合物、架橋性化合物、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、配向助剤等の公知のその他の成分を含有していてもよい。
・棒状液晶化合物
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物は、重合によって配向を固定することがより好ましく、そのため、重合性基を有する棒状液晶化合物を用いることが好ましい。
重合性を有する棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、国際公開第95/22586号、同第95/24455号、同第97/00600号、同第98/23580号、同第98/52905号、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が挙げられる。
更に、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報、特開2007−279688号公報等に記載のものも好ましく用いることができる。
・円盤状液晶化合物
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報、特開2010−244038号公報等に記載のものを好ましく用いることができる。
液晶層用塗膜は、既述の塗膜形成工程(1)又は(2)における塗布方法及び乾燥方法と同じ方法を用いることができ、好ましい態様も同様である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法が、位相差フィルムの製造方法であった場合、液晶層用塗膜の形成が、既述の塗膜形成工程(1)又は(2)に該当する。
−液晶化合物の配向−
液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向を固定する前には、液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向処理を行うことが好ましい。
配向処理は、室温等により乾燥させる、又は加熱することにより行うことができる。
配向処理で形成される液晶は、サーモトロピック性をもつ液晶化合物の場合、一般に温度又は圧力の変化により転移させることができる。また、リオトロピック性をもつ液晶化合物の場合には、溶媒量等の組成比によっても転移させることができる。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する場合、ネマチック相を発現する温度領域の方が、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域よりも高いことが普通である。従って、棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域まで棒状液晶化合物を加熱し、次に、加熱温度を棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域まで低下させることにより、棒状液晶化合物をネマチック相からスメクチック相に転移させることができる。このような方法でスメクチック相とすることで、液晶化合物が高秩序度で配向した液晶が得られる。
棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がモノドメインを形成するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間が更に好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間が更に好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
液晶化合物の配向は、液晶層用塗膜を形成する際の乾燥にて行われてもよい。つまり、液晶層用塗膜と形成する際の乾燥にて、配向層上に塗布された液晶層形成用材料の乾燥と液晶化合物の配向との両方を行ってもよい。
勿論、液晶化合物の配向を、液晶層用塗膜と形成する際の乾燥とは別に行ってもよい。
−液晶化合物の配向の固定−
液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向の固定には、熱重合又は活性エネルギー線による重合で、液晶層用塗膜を硬化することで行うことが好ましい。
第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法が、位相差フィルムの製造方法であった場合、活性エネルギー線を用いた液晶化合物の配向の固定が、既述の硬化工程(1)又は(2)に該当する。
重合性を有する液晶化合物を用いる場合、活性エネルギー線の照射量が少ないと、未重合の液晶化合物が残存し、光学特性の温度変化、経時劣化等の起きる原因となる。そのため、残存する未重合の液晶化合物の割合が5%以下になるように照射条件を決めることが好ましい。
照射条件としては、液晶層形成用材料の処方、及び液晶層用塗膜の厚みにもよるが、活性エネルギー線照射量は、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましく、100mJ/cm〜500mJ/cmがより好ましい。
活性エネルギー線の照射に用いる光源としては、既述の塗膜形成工程(1)又は(2)における露光光源が適用でき、好ましい態様も同様である。
その他、液晶層の詳細は、特開2008−225281号公報及び特開2008−026730号公報の記載を参酌できる。
以上のようにして得られた位相差フィルムは、液晶化合物の配向の固定の際に生じるシワが低減される。
そのため、光学性能の面内均一性に優れた位相差フィルムとなりうる。
以上、位相差フィルムの液晶層を得る際に、第1の実施形態及び第2の実施形態の光学フィルムの製造方法を適用する例について説明したが、この他、既述の、反射防止フィルムの反射防止層、防眩フィルムの防眩層、レンチキュラーシートのレンチキュラーレンズ層等を得る際に適用することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1〜24、及び、比較例1〜2]
(配向層用塗膜の形成及びラビング処理)
長さ1000m、幅1340mm、下記表1記載の厚みのセルローストリアセテートフィルムTD40UL、ZRF20SL、及びTD60UL(富士フイルム社)のいずれかからなる連続フィルム支持体の片面に、アルキル変性のポリビニルアルコール(ポバールMP−203、クラレ社)の2質量%水溶液を、連続フィルム支持体1m当り25ml塗布後、60℃で60秒乾燥させることにより、乾燥膜厚0.5μmの配向膜用塗膜を形成した。そして、配向膜用塗膜が形成された連続フィルム支持体を、30m/分の搬送速度で搬送させながら、配向膜用塗膜の表面にラビング処理を施し、厚み0.5μmの配向膜を形成した。
(液晶層用塗膜の形成:塗膜形成工程)
続いて、図1又は図2に示すような各工程を有する装置にて、塗膜形成工程、前加熱工程、硬化工程を行った。
具体的には、下記の組成にて調製された液晶層形成用材料を、配向層上にバーコーターを用いて塗布した。
液晶層形成用材料が塗布された連続フィルム支持体を、膜面温度150℃として60秒間加熱して乾燥し、乾燥膜厚が2μmの液晶層用塗膜を形成した。
−液晶層形成用材料の組成−
逆波長分散液晶性化合物 R−2 100質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア819、BASF社)
含フッ素化合物 A 0.8質量部
架橋性ポリマー O−2(Tg:10℃) 0.3質量部
クロロホルム 588質量部
(前加熱工程)
その後、下記表1に記載の表面温度の加熱ロール(直径600mm)に、液晶層用塗膜を有する連続フィルム支持体を巻き掛け、液晶層用塗膜を有する連続フィルム支持体を加熱した。
(紫外線の照射:硬化工程)
続いて、反応室内にて、バックアップロール(直径500mm、材質ステンレス)にラップ角90℃で巻き掛け、巻き掛けられた領域の液晶層用塗膜に対し、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社)を用いて紫外線を照射した。紫外線の照射量は300mJ/cmであった。
なお、反応室内には、2mm×2000mmのスリット状の吹き出し口から供給量100m/hにて窒素ガスが供給されており、連続フィルム支持体の幅方向全体に亘り窒素ガスを当てた。なお、スリット状の吹き出し口は、短尺(2mm)側を連続フィルム支持体の搬送方向に沿うように、また、長尺(2000mm)側を連続フィルム支持体の幅方向に沿うように設置した。また、スリット状の吹き出し口は、連続フィルム支持体とバックアップロールの接触地点にある塗膜面から5mm離間した位置に設置し、窒素ガスの吐出方向が塗膜面に略垂直(図2の場合の矢印に示す方向)になるようにした。
なお、実施例1〜24の場合、反応室内に供給される窒素ガスは下記表1に記載の温度に加温されたものであり、比較例1〜2の場合、反応室内に供給される窒素ガスは加温されていないものであった。
反応室内の雰囲気温度は、既述の通り、反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点にある塗膜面から1mm離間した位置に設置された熱電対(二宮電線工業社、スーパー極細−01−K)にて測定した。
以上のようにして、硬化工程を行い、液晶化合物の配向を固定化し、液晶層を形成して、位相差フィルムを得た。
[実施例25]
実施例5において、前加熱工程を行わなかった以外は、実施例5と同様にして、位相差フィルムを得た。
[実施例26]
実施例5における紫外線の照射を、以下のように変更した以外は実施例5と同様にして、位相差フィルムを得た。
(紫外線の照射)
反応室内にて、バックアップロール(直径500mm、材質ステンレス)にラップ角90℃で巻き掛け、巻き掛けられた領域の液晶層用塗膜に対し、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社)を用いて紫外線を照射した。紫外線の照射量は150mJ/cmであった。
なお、反応室内には、2mm×2000mmのスリット状の吹き出し口から供給量100m/hにて、加温された100℃の窒素ガスを供給した。なお、図3に示すように、スリット状の吹き出し口(図3中の36c)は、反応室の出口付近で、塗膜面から50mm離れた位置に設置し、窒素ガスの吐出方向が塗膜面と略平行で且つ搬送方向と逆向きなるようにした。
[評価:シワの発生]
上記実施例及び比較例で作製した位相差フィルムについて、シワの状態を、下記方法及び評価基準に基づいて評価した。
結果を表1に示す。
得られた位相差フィルムの末端(巻き終わり側の端部)から0m〜1mの幅方向全体について、シワの状態を目視にて観察し、評価を行った。
より具体的には、2枚の偏光板で位相差フィルムを挟み、透過光を入れながら偏光板の角度を調整して全体的に暗くなるようにして、シワの部分から光が透過する強度を観察し、それをもとに官能評価を行った。
−評価基準−
A: シワがみられない
B: シワが僅かに視認できる
C: シワが視認できるが、例えば液晶表示装置等の製品へと実装した際の品質に影響はなし
D: シワが視認でき、例えば液晶表示装置等の製品へと実装した際に影響が僅かにあるが、製品の品質としては実用許容レベルである
E: シワが大きく又は多く、例えば液晶表示装置等の製品へと実装した際の影響が大きく、製品の品質が実用不可レベルである
表1中、「支持体の厚み」とは連続フィルム支持体自体の厚みであり、表1中、「支持体と塗膜との総厚み」とは連続フィルム支持体と連続フィルム支持体上に設けられた塗膜との厚みの総計であり、「支持体とロールとの接触地点の度T」は連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点の温度Tであり、「ロールの表面温度T」はバックアップロールの表面温度Tである。
表1に明らかなように、実施例の位相差フィルムは、比較例の位相差フィルムに比べて、シワの発生が抑制されていることが分かる。
特に、温度Tと温度Tとの差が小さく、温度Tが温度Tに対して±20℃以内であると、シワの発生が抑制されていることも分かる。
更に、連続フィルム支持体と塗膜との総厚みtが大きいほど、温度Tと温度Tとの差が大きくても、シワの発生が抑制できることも分かる。
1 塗布手段
2 乾燥手段
3 反応室
4 加熱ロール
32 露光光源
34 バックアップロール
36a、36b、36c ノズル(吹き出し口)
F 連続フィルム支持体
P 連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点
Q 連続フィルム支持体とバックアップロールとの離間地点

Claims (13)

  1. 連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    不活性ガスが供給及び充填され且つ加熱手段により内部雰囲気が加温された反応室内の、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて、塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程と、
    を有する光学フィルムの製造方法。
  2. 反応室内の内部雰囲気を加温する加熱手段が、不活性ガスを加熱する加熱手段である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 加熱手段が反応室内に供給される不活性ガスを加熱することにより、反応室内の内部雰囲気を加温する、請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 連続フィルム支持体上に、活性エネルギー線により硬化する塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    不活性ガスが供給及び充填された反応室内において、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱し、且つ、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加温されたバックアップロールに巻き掛けた領域にて塗膜に対し活性エネルギー線を照射して、塗膜を硬化させる硬化工程と、
    を有する光学フィルムの製造方法。
  5. 加温された不活性ガスにより連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、請求項4に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 加温された不活性ガスを連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、請求項4又は請求項5に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの離間地点までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 反応室内において、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点までにある連続フィルム支持体の塗膜が形成された面に加温された不活性ガスを当てて、連続フィルム支持体の塗膜が形成された面を加熱する、請求項6又は請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みが3μm以上115μm以下である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  10. 反応室内でのバックアップロールの表面温度が80℃以上250℃以下である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とした場合、TはT−20℃以上T+20℃以下である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 反応室内の、連続フィルム支持体とバックアップロールとの接触地点における温度をT℃とし、加温されたバックアップロールの表面温度をT℃とし、塗膜が形成された連続フィルム支持体の総厚みをtμmとした場合、下記式(1)を満たす、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
    式(1) 0≦|T−T|≦t
  13. 塗膜形成工程後で硬化工程前に、塗膜が形成された連続フィルム支持体を加熱する前加熱工程を更に有する、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
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