JP2019169693A - 光電変換材料および光電変換素子 - Google Patents

光電変換材料および光電変換素子 Download PDF

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真一 町田
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浩章 飯島
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学 中田
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Abstract

【課題】近赤外光領域に高い光吸収特性を有し、かつ、高い光電変換効率を発現する光電変換材料を提供する。【解決手段】光電変換材料は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。L1は、特定の式で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。【選択図】なし

Description

本開示は、光電変換材料および光電変換素子に関する。
有機半導体材料は、シリコンなどの従来の無機半導体材料にはない物性、機能等を備える。このため、新しい半導体デバイスや電子機器を実現し得る半導体材料として、近年有機半導体材料が活発に研究されている(非特許文献1)。
例えば、有機半導体材料を薄膜化し、光電変換材料として用いることにより、光電変換素子を実現することが研究されている。有機薄膜を用いた光電変換素子は、光によって発生する電荷(すなわち、キャリア)をエネルギーとして取り出すことにより有機薄膜太陽電池として利用することができる(非特許文献2)。あるいは、光によって発生する電荷を電気信号として取り出すことにより、固体撮像素子などの光センサとして利用することができる(特許文献1)。
また、有機半導体材料では、使用する有機化合物の分子構造を変えると、エネルギー準位が変化し得る。例えば、近赤外光領域の光吸収特性を向上させるためには、光電変換材料の構成骨格として、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を導入することが有効であると知られている(特許文献2)。
特開2003−234460号公報 特開2015−196659号公報
JANA ZAUMSEIL et. al., "Electron and Ambipolar Transport in Organic Field−Effect Transistors", Chemical Reviews, American Chemical Society, 2007年, Vol.107, No.4, pp.1296−1323 SERAP GUNES et. al., "Conjugated Polymer−Based Orgenic Solar Cells", Chemical Reviews, American Chemical Society, 2007年, Vol.107, No.4, pp.1324−1338
本開示では、近赤外光領域に高い光吸収特性を有し、かつ、暗電流を低減することがで
きる光電変換材料および光電変換素子を提供する。
本開示の一態様に係る光電変換材料は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R、R、および、Rは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
は、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
また、本開示の一態様に係る光電変換材料は、下記一般式(3)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R、R、R、および、Rは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
およびLは、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
また、本開示の一態様に係る光電変換素子は、下記一般式(4)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
は、下記一般式(5)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中kおよびlは0〜10の範囲の整数であり、Ar〜Arは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
本開示によれば、近赤外光領域に高い光吸収特性を有し、かつ、暗電流を低減することができる光電変換材料および光電変換素子が提供される。
図1は、実施の形態に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 図2は、実施の形態に係る光電変換素子の他の例を示す概略断面図である。 図3は、図2に示す光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。 図4は、実施の形態における撮像装置の回路構成の一例を示す図である。 図5は、実施の形態における撮像装置の単位画素セルのデバイス構造の一例を示す概略断面図である。 図6は、変形例1に係る光電変換素子の光検出の原理を説明する図である。 図7は、変形例1における光センサの例示的な構成を示す概略図である。 図8は、図7に示す光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。 図9は、変形例2おける光センサの例示的な構成を示す概略図である。 図10は、図9に示す光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。 図11は、変形例3に係る光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。 図12は、変形例4に係る光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。
(本開示の基礎となった知見)
有機半導体材料は、シリコンなどの従来の無機半導体材料にはない物性、機能等を備える。このため、新しい半導体デバイスや電子機器を実現し得る半導体材料として、近年有機半導体材料が活発に研究されている(非特許文献1)。
例えば、有機半導体材料を薄膜化し、光電変換材料として用いることにより、光電変換素子を実現することが研究されている。有機薄膜を用いた光電変換素子は、光によって発生する電荷(すなわち、キャリア)をエネルギーとして取り出すことにより有機薄膜太陽電池として利用することができる(非特許文献2)。あるいは、光によって発生する電荷を電気信号として取り出すことにより、固体撮像素子などの光センサとして利用することができる(特許文献1)。
有機半導体材料では、使用する有機化合物の分子構造を変えると、エネルギー準位が変化し得る。このため、例えば、有機半導体材料を光電変換材料として用いる場合、吸収波長の制御が可能であり、シリコン(Si)が感度を有さない近赤外領域においても感度を持たせることができる。つまり、有機半導体材料を用いれば、従来、光電変換に用いられることのなかった波長領域の光を活用することが可能であり、太陽電池の高効率化や近赤外領域での光センサを実現することが可能となる。このため、近年、近赤外領域に感度を有する有機半導体材料、光電変換素子および撮像素子が活発に検討されている。
近赤外領域の感度を向上させるためには、バンドギャップを狭めることが有効である。有機半導体材料では、分子内に電子供与性部位(D)と電子受容性部位(A)を有する構造に設計することができるため、吸収波長の制御が可能である。このようにバンドギャップを狭めた光電変換材料の構造骨格として、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を導入することが有効であると知られている(特許文献2)。
一方で、光電変換素子のS/N比を向上させるためには、光電変換効率の向上に加えて、暗状態で流れる電流(暗電流)の低減が必要である。有機光電変換素子において、暗電流の発生起源は外部電極からの電荷注入に加えて、光電変換層内での電荷発生が挙げられる。前者に関しては、電荷注入ブロッキング層を用いることで抑制できるが、後者に関しては、近赤外光電変換材料ではバンドギャップが狭くなり、熱励起が生じやすくなることから、その影響は大きくなる。光電変換層には、光電変換層におけるp型半導体およびn型半導体が含まれており、両者の接触によって、CT錯体が形成され、そのCT錯体の熱励起および励起子の解離によって、暗状態においても電荷が発生し得る。近赤外光電変換材料ではCT錯体のバンドギャップが狭くなり、熱励起による電荷が発生し、暗電流が増加する。
この暗電流発生過程は、p型半導体およびn型半導体の三重項準位を低くすることで抑制できる。熱励起によって生じたCT錯体の励起子は一重項励起状態、三重項励起状態を交互に取っているが、そこで電界によって励起子が解離し、電荷となって暗電流として観測される。そこで、CT錯体の励起子が電荷分離する前にp型、n型半導体の三重項準位に速やかにエネルギー移動させることで暗電流の発生を抑制することができる。
上記課題を解決するために、本開示は、電子供与性部位(D)と電子受容性部位(A)であるベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格をアリール基で接続する代わりに二重結合で接続する事で、一重項準位のエネルギー準位に対する三重項準位のエネルギー準位も割合が小さい光電変換材料が得られることを見出した。さらに、二重結合の数が多くなるとこの効果がさらに大きくなることも見出した。
そこで、本開示では、低い三重項準位を有し、かつ、素子化した場合に、光電変換層内での電荷発生を抑制することができる光電変換材料および光電変換素子を提供する。
本開示の一態様の概要は以下の通りである。
本開示の一態様に係る光電変換材料は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R、RおよびR(以下、R〜R)は、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
は、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中、iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換材料に含まれる、上記一般式(1)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有するため、近赤外光領域に高い光吸収特性を有する。さらに、電子供与性部位と電子受容性部位であるベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾールを二重結合で連結しているために、低い三重項準位が得られる。そのため、本開示の一態様に係る光電変換材料を用いることにより、近赤外領域で感度を有していても低い暗電流を得ることができる光電変換素子が提供される。
また、本開示の一態様に係る光電変換材料は、下記一般式(3)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R、R、RおよびR(以下、R〜R)は、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
およびLは、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中、iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
また、本開示の一態様に係る光電変換材料は、下記一般式(4)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
は、下記一般式(5)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中、kおよびlは0〜10の範囲の整数であり、Ar〜Arは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。*は結合部位を示す。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換材料は、上記一般式(2)、(3)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有するため、近赤外光領域に高い光吸収特性を有する。さらに、電子供与性部位と電子受容性部位であるベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾールを二重結合で連結しているために低い三重項準位が得られる。そのため、本開示の一態様に係る光電変換材料を光電変換膜に用いることにより、近赤外領域で感度を有していても低い暗電流を得ることができる光電変換素子が提供される。
また、本開示の一態様に係る光電変換材料は、上記光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と上記光電変換材料に含まれる上記一般式(3)との混合物、および、上記光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と上記光電変換材料に含まれる上記一般式(4)で表される化合物との混合物のいずれか一方の混合物を含んでいてもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換材料は、各化合物単体の場合と比べて、広帯域な吸収スペクトルが得られる。
また、本開示の一態様に係る光電変換素子は、第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた光電変換層と、を備え、前記光電変換層は、n型有機半導体材料と上記光電変換材料とが混合されたバルクへテロ層を含む。例えば、本開示の一態様に係る光電変換素子では、前記n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を含んでもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換素子は、ドナー物質であるp型有機半導体材料およびアクセプター物質であるn型有機半導体材料間の電子移動がスムーズに行われるため、より高い光電変換効率を得ることができる。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換素子は、前記第1電極と前記光電変換層との間、および、前記第2電極と前記光電変換層との間の少なくとも一方に絶縁層を含んでもよい。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換素子は、前記第1電極と前記光電変換層との間、および、前記第2電極と前記光電変換層との間の双方に絶縁層を含んでもよい。
これにより、光電変換によって生成された電荷の電極への移動を抑制して、光電変換によって生成された電荷を、2つの電極間の誘電率の変化に寄与する電荷として利用し得る。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る光電変換材料の実施の形態について説明する。
[光電変換材料]
まず、本実施の形態に係る光電変換材料について説明する。本実施の形態に係る光電変換材料は、下記一般式(1)、(3)および(4)で表される化合物のいずれか1つを含んでもよい。また、本実施の形態に係る光電変換材料は、下記一般式(1)および(3)で表される化合物の混合物を含んでもよく、下記一般式(1)および(4)で表される化合物の混合物を含んでもよい。
まず、これらの化合物に共通の特徴的な基本骨格について説明する。
<一般式(1)で表される化合物>
Figure 2019169693
上記一般式(1)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有する。上記化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有することにより、近赤外光領域において高い光吸収特性を有する。
上記化合物において、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格は、電子受容性を有する電子受容性部位、すなわちアクセプターユニット(A)として機能する。
また、上記化合物において、−NRは、電子供与性を有する電子供与性部位、すなわちドナーユニット(D)として機能する。
上記ドナーユニット(D)とアクセプターユニット(A)とが二重結合で連結されることによって、一重項準位(すなわち、基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差。以下、バンドギャップとも呼ぶ)に対する三重項準位(すなわち、基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)を下降させることができる。
<一般式(3)で表される化合物>
Figure 2019169693
上記一般式(3)で表される化合物もまた、上記一般式(1)で表される化合物と同様に、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有する。これらの化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有することにより、近赤外光領域において高い光吸収特性を有する。上記化合物において、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格は、アクセプターユニット(A)として機能し、−NRおよび−NRはドナーユニット(D)として機能する。
上記化合物は、上記ドナーユニット(D)とアクセプターユニット(A)を二重結合で連結させることによって、一重項準位に対する三重項準位を下降させることができる。
<一般式(4)で表される化合物>
Figure 2019169693
上記一般式(4)で表される化合物もまた、上記一般式(1)で表される化合物と同様に、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有する。これらの化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有することにより、近赤外光領域において高い光吸収特性を有する。上記化合物において、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格は、電子受容性を有するアクセプターユニット(A)として機能し、Lは電子供与性を有するドナーユニット(D)として機能する。
上記ドナーユニット(D)とアクセプターユニット(A)を二重結合で連結させることによって、一重項準位に対する三重項準位を下降させることができる。
<光電変換材料>
以下、本実施の形態に係る光電変換材料について、上記構造に基づいて説明する。なお、本実施の形態に係る光電変換材料は、上記一般式(1)、(3)および(4)で表される化合物以外に、出発原料、中間体、溶媒等不可避的な不純物を含んでいてもよい。
本実施の形態に係る光電変換材料は、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R〜Rは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
は、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中、iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
ここでアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基のような飽和脂肪酸炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。直鎖状および分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。環状のアルキル基、すなわち、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、昇華性向上の観点からは、1以上であってもよく、6以下であってもよい。中でも、アルキル基は、炭素数が1であるメチル基であってもよい。
アルケニル基とは、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルキニル基とは、例えば、アセチル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもよい。アルコキシ基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、下記アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ターフェニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ペリレニル基などの芳香族炭化水素基であり、無置換でも置換されていてもよい。アリール基の炭素数は、昇華性の観点から、4以上であってもよく、12以下であってもよい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、下記ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、ヘテロアリール基とは、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリニル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾジチオフェン基、シロール基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基などの炭素以外の原子を有する複素芳香環基であり、無置換でも置換されていてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は、上記アリール基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、アリール基、下記ハロゲンが挙げられる。
また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれかである。安定性の観点から、フッ素原子であってもよい。
は、任意選択で置換されたアルケニル基を含む二価の置換体であり、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などの少なくとも1つの炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、昇華性の観点から少ない方が好ましく、2個であってもよい。また、アルケニル基の他にも、上記アリール基、ヘテロアリール基を含んでいても良い。
上記一般式(1)で表される化合物は、具体的には下記の構造が挙げられる。
Figure 2019169693
以上のように、本実施の形態に係る光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有するため、近赤外光領域に高い光吸収特性を有する。また、上記化合物は、ドナーユニットとアクセプターユニットとが二重結合で連結されることにより、バンドギャップに対する三重項準位が低下する。そのため、本実施の形態に係る光電変換材料を光電変換膜に用いることにより、近赤外光領域の光に高い感度を有し、かつ、暗電流を低減することができる光電変換素子が得られる。
本実施の形態に係る光電変換材料は、例えば、下記一般式(3)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、R〜Rは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、任意選択で置換されたヘテロアリール基より選択される。
およびLは、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
ここでアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基のような飽和脂肪酸炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。直鎖状および分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。環状のアルキル基、すなわち、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、昇華性向上の観点からは、1以上であってもよく、6以下であってもよい。中でも、アルキル基は、炭素数が1であるメチル基であってもよい。
アルケニル基とは、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルキニル基とは、例えば、アセチル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもよい。アルコキシ基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、下記アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ターフェニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ペリレニル基などの芳香族炭化水素基であり、無置換でも置換されていてもよい。アリール基の炭素数は、昇華性の観点から、4以上であってもよく、12以下であってもよい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、下記ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、ヘテロアリール基とは、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリニル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾジチオフェン基、シロール基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基などの炭素以外の原子を有する複素芳香環基であり、無置換でも置換されていてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は、上記アリール基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、アリール基、下記ハロゲンが挙げられる。
また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれかである。安定性の観点から、フッ素原子であってもよい。
、Lは、任意選択で置換されたアルケニル基を含む二価の置換体であり、任意選択で置換されたアルケニル基を含む二価の置換体であり、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などの少なくとも1つの炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、昇華性の観点から少ない方が好ましく、2個であることがさらに好ましい。また、アルケニル基の他にも、上記アリール基、ヘテロアリール基を含んでいても良い。
上記一般式(3)で表される化合物は、具体的には下記の構造が挙げられる。
Figure 2019169693
以上のように、本実施の形態に係る光電変換材料に含まれる上記一般式(3)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有するため、近赤外光領域に高い光吸収特性を有する。また、上記化合物は、ドナーユニットとアクセプターユニットとが二重結合で連結されることにより、バンドギャップに対する三重項準位が低下される。そのため、本実施の形態に係る光電変換材料を光電変換膜に用いることにより、近赤外光領域の光に高い感度を有し、かつ、暗電流を低減することができる光電変換素子が得られる。
また、本実施の形態に係る光電変換材料は、例えば、下記一般式(4)で表される化合物を含む。
Figure 2019169693
ただし、式中、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、任意選択で置換されたヘテロアリール基より選択される。
は、下記一般式(5)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
Figure 2019169693
ただし、式中kおよびlは0〜10の範囲の整数であり、Ar〜Arは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
ここでアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基のような飽和脂肪酸炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。直鎖状および分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。環状のアルキル基、すなわち、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、昇華性向上の観点からは、1以上であってもよく、6以下であってもよい。中でも、アルキル基は、炭素数が1であるメチル基であってもよい。
アルケニル基と言えば、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルキニルとは、例えば、アセチル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基などの少なくとも1つの炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよく、無置換でも置換されていてもよい。置換される場合の置換基の例としては、下記アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン基が挙げられる。アルケニル基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。
また、アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもよい。アルコキシ基の炭素数は、上記アルキル基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、下記アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ターフェニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ペリレニル基などの芳香族炭化水素基であり、無置換でも置換されていてもよい。アリール基の炭素数は、昇華性の観点から、4以上であってもよく、12以下であってもよい。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、下記ヘテロアリール基、ハロゲンが挙げられる。
また、ヘテロアリール基とは、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリニル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾジチオフェン基、シロール基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基などの炭素以外の原子を有する複素芳香環基であり、無置換でも置換されていてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は、上記アリール基の場合と同様である。置換される場合の置換基の例としては、上記アルキル基、アリール基、下記ハロゲンが挙げられる。
また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれかである。安定性の観点から、フッ素原子であってもよい。
上記一般式(4)で表される化合物は、具体的には下記の構造が挙げられる。
Figure 2019169693
以上のように、本実施の形態に係る光電変換材料に含まれる上記一般式(2)で表される化合物は、ベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格を有するため、近赤外光領域に高い光吸収特性を有する。また、ドナーユニットとアクセプターユニットとが二重結合で連結されることにより、バンドギャップに対する三重項準位が低下される。そのため、本実施の形態に係る光電変換材料を光電変換膜に用いることにより、近赤外光領域の光に感度を有し、かつ、暗電流を低減することができる光電変換素子が得られる。
本実施の形態に係る光電変換材料は、例えば、上記光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と上記光電変換材料に含まれる上記一般式(3)で表される化合物との混合物、および、上記光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と上記光電変換材料に含まれる上記一般式(4)で表される化合物との混合物のいずれか一方の混合物を含む。
上記一般式(3)で表される化合物、および、上記一般式(4)で表される化合物は、それぞれ、上記一般式(1)で表される化合物に比べて、共役が長いため、より長波長の領域に吸収が得られる。また、上記一般式(3)で表される化合物および上記一般式(4)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物とは、吸収波長が異なるため、混合物として使用されることにより、個別で使用される場合に比べて、よりブロードな吸収が得られる。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係る光電変換素子、および、当該光電変換素子を備える撮像装置について、電荷読み出し方式と電圧読み出し方式とに分けて説明する。
[光電変換素子]
以下、本実施の形態に係る光電変換素子について図1および図2を用いて説明する。本実施の形態に係る光電変換素子は、例えば、電荷読み出し方式の光電変換素子である。図1は、本実施の形態に係る光電変換素子の一例である光電変換素子10Aを示す概略断面図である。
本実施の形態に係る光電変換素子10Aは、第1電極と、第1電極と対向する第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられた光電変換層と、を備え、光電変換層は、n型半導体材料と上述のいずれかの化合物とが混合されたバルクヘテロ層を含む。本実施の形態では、第1電極は下部電極2であり、第2電極は上部電極4である。
図1に示すように、光電変換素子10Aは、下部電極2および上部電極4を一対の電極とし、一対の電極の間に設けられた光電変換層を有する。光電変換素子10Aは、光電変換層として、上述の光電変換材料を含む光電変換膜3を備える。
本実施の形態に係る光電変換素子10Aは、例えば、支持基板1に支持されている。支持基板1は、透明であり、支持基板1を介して光電変換素子10Aに光が入射する。支持基板1は、一般的な光電変換素子にて使用される基板であればよく、例えば、ガラス基板、石英基板、半導体基板、またはプラスチック基板等であってもよい。なお、本明細書における「透明」の用語は、光電変換膜3が吸収可能な波長の光の少なくとも一部を透過することを意味し、波長範囲全体にわたって光を透過することは必須ではない。
以下、本実施の形態に係る光電変換素子10Aの各構成要素について説明する。
光電変換素子10Aの光電変換膜3は、上述した化合物を含む光電変換材料を用いて作製される。
光電変換膜3の作製方法は、例えば、スピンコートなどによる塗布法、または、真空下で加熱することにより膜の材料を気化し、基板上に堆積させる真空蒸着法などを用いることができる。不純物の混入を防止し、高機能化のための多層化をより自由度を持って行うことを考慮する場合には、蒸着法を用いてもよい。蒸着装置は、市販の装置を用いてもよい。蒸着中の蒸着源の温度は、100℃〜500℃でもよく、150℃〜400℃であってもよい。蒸着時の真空度は、1×10−4Pa〜1Paでもよく、1×10−3Pa〜0.1Paであってもよい。また、蒸着源に金属微粒子等を添加して蒸着速度を高める方法用いてもよい。
光電変換膜3の材料の配合割合は、塗布法では重量比、蒸着法では体積比で示される。より具体的には、塗布法では、溶液調製時の各材料の重量で配合割合を規定し、蒸着法では蒸着時に膜厚計で各材料の蒸着膜厚をモニタリングしながら各材料の配合割合を規定する。
また、光電変換膜3は、上述の光電変換材料とn型有機半導体とが混合されたバルクヘテロ層であってもよい。さらに、光電変換膜3は、p型有機半導体を含んでいてもよい。このとき、n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を含んでもよい。これにより、本実施の形態に係る光電変換素子10Aは、ドナー物質およびアクセプター物質間の電子移動がスムーズに行われるため、より高い光電変換効率を得ることができる。なお、n型有機半導体およびp型有機半導体は、有機化合物のn型半導体および有機化合物のp型半導体として、後述する。
なお、本実施の形態に係る光電変換素子10Aでは、上述した化合物のうち、上記一般式(1)で表される化合物および上記一般式(3)で表される化合物、または、上記一般式(1)で表される化合物および上記一般式(3)で表される化合物の混合物を含んでいてもよい。上記一般式(3)および(4)で表される化合物は、それぞれ、上記一般式(1)で表される化合物に比べて、共役が長いため、より長波長の領域に吸収が得られる。また、上記一般式(3)および(4)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物とは、吸収波長が異なるため、混合物とすることにより、個別で使用される場合に比べて、よりブロードな吸収が得られる。そのため、光電変換素子10Aは、近赤外光領域のより広範囲において高い光電変換率を発現することができる。
上部電極4および下部電極2の少なくとも一方は、応答波長の光に対して透明な導電性材料で構成された透明電極である。下部電極2および上部電極4には配線(不図示)によってバイアス電圧が印加される。例えば、バイアス電圧は、光電変換膜3で発生した電荷のうち、電子が上部電極4に移動し、正孔が下部電極2に移動するように、極性が決定される。また、光電変換膜3で発生した電荷のうち、正孔が上部電極4に移動し、電子が下部電極2に移動するように、バイアス電圧を設定してもよい。
また、バイアス電圧は、光電変換素子10Aに生じる電界、すなわち、印加する電圧値を下部電極2と上部電極4との間の距離で割った値の強さが、1.0×10V/cm〜1.0×10V/cmの範囲内となるように印加されるとよく、1.0×10V/cm〜1.0×10V/cmの範囲内であってもよい。このように、バイアス電圧の大きさを調整することにより、上部電極4に電荷を効率的に移動させ、電荷に応じた信号を外部に取り出すことが可能となる。
下部電極2および上部電極4の材料としては、近赤外光領域の光の透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いてもよい。Auなどの金属薄膜を透明電極として用いることもできるが、近赤外光領域の光の透過率を90%以上得ようとすると、透過率を60%〜80%得られるように透明電極を作製した場合に比べ、抵抗値が極端に増大することがある。そのため、Auなどの金属材料よりもTCOの方が近赤外光に対する透明性が高く、かつ、抵抗値が小さい透明電極を得ることができる。TCOは、特に限定されないが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum−doped Zinc Oxide)、FTO(Florine−doped Tin Oxide)、SnO、TiO、ZnO等が挙げられる。なお、下部電極2および上部電極4は、所望の透過率に応じて、適宜、TCOおよびAuなどの金属材料を単独または複数組み合わせて作製してもよい。
なお、下部電極2および上部電極4の材料は、上述した近赤外光に対して透明な導電性材料に限られず、他の材料を用いてもよい。
下部電極2および上部電極4の作製には、使用する材料によって種々の方法が用いられる。例えばITOを使用する場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、ゾルーゲル法などの化学反応方、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法を用いてもよい。この場合、ITO膜を成膜した後に、さらに、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施してもよい。
光電変換素子10Aによれば、支持基板1および下部電極2を介して入射した近赤外光によって、光電変換膜3において、光電変換が生じる。これにより生成した正孔−電子対のうち、正孔は下部電極2に集められ、電子は上部電極4に集められる。よって、例えば、下部電極2の電位を測定することによって、光電変換素子10Aに入射した近赤外光を検出することができる。
なお、光電変換素子10Aは、さらに、後述する電子注入ブロッキング層5(図2参照)および正孔注入ブロッキング層6(図2参照)を備えてもよい。電子注入ブロッキング層5および正孔注入ブロッキング層6により光電変換膜3を挟むことにより、下部電極2から光電変換膜3に電子が注入されること、および、上部電極4から光電変換膜3に正孔が注入されることを抑制することができる。これにより、暗電流を抑制することができる。なお、電子注入ブロッキング層5および正孔注入ブロッキング層6の詳細については、後述するため、ここでの説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る光電変換素子の他の例について説明する。図2は、本実施の形態に係る光電変換素子の他の例である光電変換素子10Bを示す概略断面図である。
なお、図2に示す光電変換素子10Bにおいて、図1に示す光電変換素子10Aと同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
図2に示すように、本実施の形態に係る光電変換素子10Bは、下部電極2および上部電極4を一対の電極とし、一対の電極の間に設けられた光電変換層3Aを有する。光電変換層3Aは、光電変換膜3と、正孔輸送層として機能するp型半導体層7と、電子輸送層として機能するn型半導体層8とを含んでおり、光電変換膜3は、p型半導体層7およびn型半導体層8の間に配置される。さらに、光電変換素子10Bは、下部電極2と光電変換層3Aとの間に配置される電子注入ブロッキング層5と、上部電極4と光電変換層3Aとの間に配置される正孔注入ブロッキング層6とを備える。なお、光電変換膜3については、光電変換素子10Aの説明で上述したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
光電変換層3Aは、光電変換膜3、p型半導体層7、およびn型半導体層8を含む。ここで、p型半導体層7に含まれるp型半導体、およびn型半導体層8に含まれるn型半導体の少なくともいずれかが後述する有機半導体であってもよい。
また、光電変換層3Aは、上述した光電変換材料と、有機p型半導体および有機n型半導体の少なくとも一方とを含んでいてもよい。
また、光電変換層3Aは、p型半導体とn型半導体とを混合したバルクヘテロ層を含んでいてもよい。このとき、p型半導体として、上述の光電変換材料を用いられてもよく、上述の光電変換材料と他のp型有機半導体材料とを用いられてもよい。このように、光電変換層3Aは、バルクヘテロ層を含むことにより、光電変換層3Aにおけるキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。
さらに、光電変換層3Aは、p型半導体層7およびn型半導体層8の間にバルクヘテロ層を配置してもよい。バルクヘテロ層をp型半導体層7およびn型半導体層8で挟むことにより、正孔および電子の整流性がバルクヘテロ層よりも高くなり、電荷分離した正孔および電子の再結合等によるロスが低減され、さらに高い光電変換率を得ることができる。
バルクヘテロ層では、p型半導体とn型半導体とが接触することにより、暗状態においても電荷が発生する場合がある。そのため、p型半導体とn型半導体との接触を少なくすることにより、暗電流を抑制することができる。電荷移動度の観点から、バルクヘテロ層がフラーレン誘導体等のn型半導体を多く含む場合、素子抵抗を抑制することができる。
なお、光電変換膜3は、上述した光電変換材料と、p型有機半導体およびn型有機半導体の少なくとも一方とを含んでもよい。
以下、p型有機半導体およびn型有機半導体を具体的に例示する。
p型有機半導体、すなわち、有機化合物のp型半導体は、ドナー性有機半導体であり、主に、正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機半導体は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、アクセプター性有機半導体として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
n型有機半導体、すなわち、有機化合物のn型半導体は、アクセプター性有機半導体であり、主に、電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、フラーレン、フラーレン誘導体、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピロリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
なお、本実施の形態に係る光電変換素子10Bでは、n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を含んでいるとよい。これにより、本実施の形態に係る光電変換素子10Bは、ドナー物質およびアクセプター物質間の電子移動がスムーズに行われるため、より高い光電変換効率を得ることができる。
図3は、図2に示す構成を備える光電変換素子10Bの模式的なエネルギーバンドの一例を示す。
光電変換素子10Bでは、p型半導体層7のHOMOエネルギー準位よりも電子注入ブロッキング層5のHOMOエネルギー準位が低い。光電変換素子10Bでは、n型半導体層8のLOMOエネルギー準位よりも正孔注入ブロッキング層6のLUMOエネルギー準位が高い。
電子注入ブロッキング層5は、下部電極2から電子が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、下部電極2から電子が光電変換膜3に注入されることを抑制する。電子注入ブロッキング層5には上述のp型半導体あるいは正孔輸送性有機化合物を用いることもできる。図3に示すように、電子注入ブロッキング層5は、光電変換層3Aのp型半導体層7よりも低いHOMOエネルギー準位および高いLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低空軌道)のエネルギー準位(以下、LUMOエネルギー準位)を有する。言い換えると、光電変換層3Aは、電子注入ブロッキング層5との界面近傍において、電子注入ブロッキング層5よりも高いエネルギー準位のHOMOおよび電子注入ブロッキング層5よりも低いエネルギー準位のLUMOを有する。電子注入ブロッキング層は上述のp型半導体あるいは正孔輸送性有機化合物を用いることもできる。
正孔注入ブロッキング層6は、上部電極4から正孔が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、上部電極4からの正孔が光電変換膜3に注入されるのを抑制する。正孔注入ブロッキング層6の材料は、例えば、C60などのフラーレン誘導体、銅フタロシアニン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA)、アセチルアセトネート錯体、バトクプロイン(BCP)、および、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの有機物、もしくは、有機−金属化合物、または、MgAg、MgOなどの無機物を用いてもよい。また、正孔注入ブロッキング層6は、光電変換膜3の光吸収を妨げないために、近赤外光の透過率が高くてもよく、可視域に吸収をもたない材料を選択してもよく、正孔注入ブロッキング層6の厚さを小さくしてもよい。正孔注入ブロッキング層6の厚さは、光電変換層3Aの構成、上部電極4の厚さ等に依存するが、例えば、2nm〜50nmの厚さであってもよい。正孔注入ブロッキング層6は前述のn型半導体あるいは電子輸送性有機化合物を用いることもできる。
電子注入ブロッキング層5を設ける場合、下部電極2の材料には、上述した材料の中から電子注入ブロッキング層5との密着性、電子親和力、イオン化ポテンシャル、および安定性等を考慮して選ばれる。なお、上部電極4についても同様である。
図2に示すように、上部電極4の仕事関数が比較的大きい(例えば、4.8eV)と、バイアス電圧印加時に正孔が光電変換膜3へと移動する際の障壁が低くなる。そのため、上部電極4から光電変換層3Aへの正孔注入が起こりやすくなり、結果として、暗電流が大きくなると考えられる。
以上のように、本実施の形態に係る光電変換素子は、上述した光電変換材料を用いることにより、近赤外光領域において高い光吸収特性を有し、かつ、暗電流が低減される。そのため、本実施の形態によれば、近赤外光を高精度に検出が可能な撮像素子等の光電変換素子を実現することができる。
[撮像装置]
以下、図面を参照しながら、本実施の形態における撮像装置について説明する。本実施の形態における撮像装置は、例えば、電荷読み出し方式の撮像装置である。
本実施の形態に係る撮像装置について図4および図5を用いて説明する。図4は本実施の形態に係る撮像装置100の回路構成の一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係る撮像装置100における単位画素セル24のデバイス構造の一例を示す概略断面図である。
本実施の形態に係る撮像装置100は、基板(以下、半導体基板40)と、半導体基板40に設けられた電荷検出回路35、半導体基板40上に設けられた光電変換部10C、および電荷検出回路35と光電変換部10Cとに電気的に接続された電荷蓄積ノード34を含む単位画素セル24と、を備え、単位画素セル24の光電変換部10Cは上記光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bを含む。
図4に示すように、撮像装置100は、複数の単位画素セル24と周辺回路とを備えている。撮像装置100は、1チップの集積回路で実現される有機イメージセンサであり、2次元に配列された複数の単位画素セル24を含む画素アレイを有する。
複数の単位画素セル24は、半導体基板40上に2次元、すなわち行方向および列方向に配列されて、画素領域である感光領域を形成している。図4では、単位画素セル24は、2行2列のマトリクス状に配列される例を示している。なお、図4では、図示の便宜上、単位画素セル24の感度を個別に設定するための回路(例えば、画素電極制御回路)の図示を省略している。また、撮像装置100は、ラインセンサであってもよい。その場合、複数の単位画素セル24は、1次元に配列されていてもよい。なお、本明細書において、行方向および列方向とは、行および列がそれぞれ伸びる方向をいう。つまり、垂直方向が列方向であり、水平方向が行方向である。
各単位画素セル24は、光電変換部10Cと、電荷検出回路35とに電気的に接続された電荷蓄積ノード34とを含む。電荷検出回路35は、増幅トランジスタ21と、リセットトランジスタ22と、アドレストランジスタ23とを含む。
光電変換部10Cは画素電極として設けられた下部電極2および対向電極として設けられた上部電極4を含む。光電変換部10Cは、上述した光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bを含んでもよい。上部電極4には、対向電極信号線26を介して所定のバイアス電圧が印加される。
下部電極2は、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gに接続され、下部電極2によって集められた信号電荷は、下部電極2と増幅トランジスタ21のゲート電極21Gとの間に位置する電荷蓄積ノード34に蓄積される。本実施の形態では、信号電荷は正孔であるが、信号電荷は電子であってもよい。
電荷蓄積ノード34に蓄積された信号電荷は、信号電荷の量に応じた電圧として増幅トランジスタ21のゲート電極21Gに印加される。増幅トランジスタ21は、この電圧を増幅し、信号電圧として、アドレストランジスタ23によって、選択的に読み出される。リセットトランジスタ22は、そのソース/ドレイン電極が、下部電極2に接続されており、電荷蓄積ノード34に蓄積された信号電荷をリセットする。換言すると、リセットトランジスタ22は、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gおよび下部電極2の電位をリセットする。
複数の単位画素セル24において上述した動作を選択的に行うために、撮像装置100は、電源配線31と、垂直信号線27と、アドレス信号線36と、リセット信号線37とを有し、これらの線が各単位画素セル24にそれぞれ接続されている。具体的には、電源配線31は、増幅トランジスタ21のソース/ドレイン電極に接続され、垂直信号線27は、アドレストランジスタ23のソース/ドレイン電極に接続される。アドレス信号線36はアドレストランジスタ23のゲート電極23Gに接続される。またリセット信号線37は、リセットトランジスタ22のゲート電極22Gに接続される。
周辺回路は、垂直走査回路25と、水平信号読出し回路20と、複数のカラム信号処理回路29と、複数の負荷回路28と、複数の差動増幅器32とを含む。垂直走査回路25は行走査回路とも称される。水平信号読出し回路20は列走査回路とも称される。カラム信号処理回路29は行信号蓄積回路とも称される。差動増幅器32はフィードバックアンプとも称される。
垂直走査回路25は、アドレス信号線36およびリセット信号線37に接続されており、各行に配置された複数の単位画素セル24を行単位で選択し、信号電圧の読出しおよび下部電極2の電位のリセットを行う。ソースフォロア電源である電源配線31は、各単位画素セル24に所定の電源電圧を供給する。水平信号読出し回路20は、複数のカラム信号処理回路29に電気的に接続されている。カラム信号処理回路29は、各列に対応した垂直信号線27を介して、各列に配置された単位画素セル24に電気的に接続されている。負荷回路28は、各垂直信号線27に電気的に接続されている。負荷回路28と増幅トランジスタ21とは、ソースフォロア回路を形成する。
複数の差動増幅器32は、各列に対応して設けられている。差動増幅器32の負側の入力端子は、対応した垂直信号線27に接続されている。また、差動増幅器32の出力端子は、各列に対応したフィードバック線33を介して単位画素セル24に接続されている。
垂直走査回路25は、アドレス信号線36によって、アドレストランジスタ23のオンおよびオフを制御する行選択信号をアドレストランジスタ23のゲート電極23Gに印加する。これにより、読出し対象の行が走査され、選択される。選択された行の単位画素セル24から垂直信号線27に信号電圧が読み出される。また、垂直走査回路25は、リセット信号線37を介して、リセットトランジスタ22のオンおよびオフを制御するリセット信号をリセットトランジスタ22のゲート電極22Gに印加する。これにより、リセット動作の対象となる単位画素セル24の行が選択される。垂直信号線27は、垂直走査回路25によって選択された単位画素セル24から読み出された信号電圧をカラム信号処理回路29へ伝達する。
カラム信号処理回路29は、相関二重サンプリングに代表される雑音抑圧信号処理およびアナログ−デジタル変換(AD変換)などを行う。
水平信号読出し回路20は、複数のカラム信号処理回路29から水平共通信号線(不図示)に信号を順次読み出す。
差動増幅器32は、フィードバック線33を介してリセットトランジスタ22のドレイン電極に接続されている。したがって、差動増幅器32は、アドレストランジスタ23とリセットトランジスタ22とが導通状態にあるときに、アドレストランジスタ23の出力値を負端子に受ける。増幅トランジスタ21のゲート電位が所定のフィードバック電圧となるように、差動増幅器32はフィードバック動作を行う。このとき、差動増幅器32の出力電圧値は、0Vまたは0V近傍の正電圧である。フィードバック電圧とは、差動増幅器32の出力電圧を意味する。
図5に示すように、単位画素セル24は、半導体基板40と、電荷検出回路35と、光電変換部10Cと電荷蓄積ノード34とを含む。
半導体基板40は、感光領域が形成される側の表面に半導体層が設けられた絶縁性基板等であってもよく、例えば、p型シリコン基板である。半導体基板40は、不純物領域(ここではn型領域)21D、21S、22D、22Sおよび23Sと、単位画素セル24間の電気的な分離のための素子分離領域41と、を有する。ここでは、素子分離領域41は、不純物領域21Dと不純物領域22Dとの間にも設けられている。これにより、電荷蓄積ノード34で蓄積される信号電荷のリークが抑制される。なお、素子分離領域41は、例えば、所定の注入条件の下でアクセプターのイオン注入を行うことによって形成される。
不純物領域21D、21S、22D、22Sおよび23Sは、典型的には、半導体基板40内に形成された拡散層である。図5に示すように、増幅トランジスタ21は、不純物領域21Sおよび21Dと、ゲート電極21Gとを含む。不純物領域21Sおよび不純物領域21Dは、それぞれ、増幅トランジスタ21の例えばソース領域およびドレイン領域として機能する。不純物領域21Sおよび不純物領域21Dの間に、増幅トランジスタ21のチャネル領域が形成される。
同様に、アドレストランジスタ23は、不純物領域23Sおよび21Sと、アドレス信号線36に接続されたゲート電極23Gとを含む。この例では、増幅トランジスタ21およびアドレストランジスタ23は、不純物領域21Sを共有することによって互いに電気的に接続されている。不純物領域23Sは、アドレストランジスタ23の例えばソース領域として機能する。不純物領域23Sは、図4に示す垂直信号線27との接続を有する。
リセットトランジスタ22は、不純物領域22Dおよび22Sと、リセット信号線37に接続されたゲート電極22Gとを含む。不純物領域22Sは、リセットトランジスタ22の例えばソース領域として機能する。不純物領域22Sは、図4に示すリセット信号線37との接続を有する。
半導体基板40上には、増幅トランジスタ21、アドレストランジスタ23およびリセットトランジスタ22を覆うように層間絶縁層50が積層されている。
また、層間絶縁層50中には、配線層(不図示)が配置され得る。配線層は、典型的には、銅などの金属から形成され、例えば、上述の垂直信号線27などの配線をその一部に含み得る。層間絶縁層50中の絶縁層の層数、および、層間絶縁層50中に配置される配線層に含まれる層数は、任意に設定可能である。
層間絶縁層50中には、リセットトランジスタ22の不純物領域22Dと接続されたコンタクトプラグ54、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gと接続されたコンタクトプラグ53、下部電極2と接続されたコンタクトプラグ51、およびコンタクトプラグ51とコンタクトプラグ54とコンタクトプラグ53とを接続する配線52が配置されている。これにより、リセットトランジスタ22の不純物領域22Dが増幅トランジスタ21のゲート電極21Gと電気的に接続されている。
電荷検出回路35は、下部電極2によって捕捉された信号電荷を検出し、信号電圧を出力する。電荷検出回路35は、増幅トランジスタ21と、リセットトランジスタ22と、アドレストランジスタ23とを含み、半導体基板40に形成されている。
増幅トランジスタ21は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域21Dおよび不純物領域21Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層21Xと、ゲート絶縁層21X上に形成されたゲート電極21Gと、を含む。
リセットトランジスタ22は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域22Dおよび不純物領域22Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層22Xと、ゲート絶縁層22X上に形成されたゲート電極22Gとを含む。
アドレストランジスタ23は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域21Sおよび23Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層23Xと、ゲート絶縁層23X上に形成されたゲート電極23Gとを含む。不純物領域21Sは、増幅トランジスタ21とアドレストランジスタ23とに共用されており、これにより、増幅トランジスタ21とアドレストランジスタ23とが直列に接続される。
層間絶縁層50上には、上述の光電変換部10Cが配置される。換言すれば、本実施の形態では、画素アレイを構成する複数の単位画素セル24が、半導体基板40上に形成されている。そして、半導体基板40上に2次元に配列された複数の単位画素セル24は、感光領域を形成する。隣接する2つの単位画素セル24間の距離(画素ピッチ)は、例えば2μm程度であってもよい。
光電変換部10Cは、上述した光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bの構造を備える。
光電変換部10Cの上方には、カラーフィルタ60、その上方にマイクロレンズ61が形成されている。カラーフィルタ60は、例えば、パターニングによるオンチップカラーフィルタとして形成され、染料または顔料が分散された感光性樹脂等が用いられる。マイクロレンズ61は、例えば、オンチップマイクロレンズとして形成され、紫外線感光材等が用いられる。
撮像装置100は、一般的な半導体製造プロセスを用いて製造することができる。特に、半導体基板40としてシリコン基板を用いる場合には、種々のシリコン半導体プロセスを利用することによって製造することができる。
以上から、本実施の形態によれば、近赤外光領域に高い光吸収特性を有し、かつ低い暗電流を発現することが可能な光電変換素子および撮像装置を得ることができる。
以下、電圧読み出し方式の光電変換素子、および、当該光電変換素子を備える光センサについて説明する。
(変形例1)
本実施の形態の変形例1に係る光電変換素子について具体的に説明する。本変形例に係る光電変換素子(以下、光センサとも呼ぶ)は、電圧読み出し方式の光電変換素子であり、実施の形態に係る光電変換素子と光検出の原理が異なる。
[光検出の原理]
まず、本変形例に係る光電変換素子の光検出の原理を説明する。後に図面を参照して詳しく説明するように、本変形例における光センサは、概略的には、対向する2つの電極の間に、誘電体構造が配置された構成を有する光電変換素子を備える。上記誘電体構造は、典型的には、光の入射により電荷を生成する光電変換層を含む。以下に説明するように、本変形例では、光電変換層への光の入射に起因する、誘電体構造における誘電率の変化を利用して光検出が行われる。
図6は、本変形例に係る光電変換素子の光検出の原理を説明する図である。図6は、対向する2つの電極91、92と、これらの間に挟まれた誘電体構造94とを有する光電変換素子90を模式的に示している。図6は、電極91および電極92に直流電源が接続されることにより、誘電体構造94に外部から電場が印加された状態を模式的に示している。
図6に示すように、電極91と電極92との間に電場が形成されると、誘電体構造94において分極が生じる。図6中の矢印Pは、誘電体構造94における誘電分極を表す。矢印Dは電束密度を表す。σは、電極における電荷密度であり、σは、分極により、誘電体構造94において電極に対向する表面に生じる電荷の密度である。
誘電体構造94中の電場の大きさをEとすると、ガウスの法則により、E=((σ−σ)/ε)およびE=(σ/ε)が成り立つ。εおよびεは、それぞれ、真空の誘電率および誘電体構造94の誘電率である。E=((σ−σ)/ε)およびE=(σ/ε)から、ε=ε(σ/(σ−σ))が得られる。この式から、電荷密度σが増大すると、誘電体構造94の誘電率が増大することがわかる。
本変形例では、誘電体構造94として、光電変換層を含む構造が用いられる。そのため、誘電体構造94に光が入射すると、光電変換層の内部に正孔−電子対が発生する。この例では、誘電体構造94を挟んで互いに対向するように配置された電極91および電極92にそれぞれ所定の電圧が供給されている。これにより、誘電体構造94中の光電変換層には、電極91から電極92に向かう方向の電場が形成される。そのため、光電変換によって光電変換層内に生じた正孔および電子は互いに分離され、正孔の一部は電極92に向かって移動し、電子の一部は電極91に向かって移動する。
ここで、光電変換によって生じた電荷を、電極91または電極92を介して誘電体構造94の外部に取り出さないと仮定する。別の言い方をすれば、光電変換によって生じた正孔と電子とを互いに分離し、分離した状態を維持すると仮定する。この場合、分離した電荷によって実効的に電荷密度σが増大する。上述したように、電荷密度σが増大すると、誘電体構造94の誘電率が増大する。このことは、誘電体構造94に光が入射することにより、電極91および電極92の間の誘電率が変化することを意味する。具体的には、光電変換によって生じた正孔と電子とを分離し、分離された電荷を誘電体構造中に留めることにより、電極91と電極92との間の容量値が変化する。この容量値の変化を検出することによって、誘電体構造94に入射した光を検出し得る。
以下に、本変形例に係る光電変換素子を備える光センサについて説明する。光センサは、上述したように、2つの電極間における誘電体構造の誘電率の変化に基づく光検出が可能な構成を有する。なお、本変形例では、誘電体構造に含まれる光電変換層と、誘電体構造体を挟持する2つの電極との間において、電荷のやりとりが行われない点に留意すべきである。すなわち、光の入射によって光電変換層内に生じた電荷は、光電変換層の内部に留められ、基本的には、いずれの電極にも移動しない。また、基本的に、光電変換層が2つの電極から電荷の供給を受けることもない。これは、光電変換を利用した従来の太陽電池、および、発光ダイオードなどと異なる点の1つである。
[光センサ]
図7は、本変形例における光センサの例示的な構成を示す概略図である。図7に示す光センサ200Aは、光電変換素子110Aと、光電変換素子110Aに接続された電圧供給回路112とを備える。光電変換素子110Aは、第1電極121と、第2電極122と、これらの2つの電極間に配置された光電変換層123pを含む誘電体構造120Aとを有する。なお、図7は、光電変換素子110Aを構成する各部の配置をあくまでも模式的に示しており、図7に示す各部の寸法は、必ずしも現実のデバイスにおける寸法を厳密に反映しない。このことは、本開示の他の図面においても同様である。
光電変換層123pを構成する材料としては、典型的には、半導体材料が用いられる。光電変換層123pは、光の入射によって、内部に電子−正孔対を生成する。ここでは、光電変換層123pを構成する材料として有機半導体材料を用いる。光電変換層123pの詳細は、後述する。
電圧供給回路112は、第1電極121および第2電極122の各々に、所定の電圧を印加可能に構成されている。光の検出時において、電圧供給回路112は、第1電極121に第1電圧を供給し、第2電極122に第1電圧よりも高い第2電圧を供給する。電圧供給回路112は、特定の電源回路に限定されず、所定の電圧を生成する回路であってもよいし、他の電源から供給された電圧を所定の電圧に変換する回路であってもよい。第1電圧および/または第2電圧は、パルスとして印加されてもよいし、周期的または準周期的に印加が繰り返されてもよい。
第1電極121および第2電極122の少なくとも一方は、透明電極である。例えば、第2電極122が透明電極である場合、光電変換層123pは、第2電極122を透過した光を受ける。もちろん、光の検出時に相対的に低い電圧が印加される第1電極121が透明電極であってもよいし、第1電極121および第2電極122の両方が透明電極であってもよい。
なお、本明細書における「透明」は、検出しようとする波長範囲の光の少なくとも一部を透過することを意味する。
図7に例示する構成において、誘電体構造120Aは、第1電極121と光電変換層123pとの間に正孔取り出しブロッキング層120hを有している。さらに、誘電体構造120Aは、第2電極122と光電変換層123pとの間に電子取り出しブロッキング層120eを有している。正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eは、光電変換によって光電変換層123p中に生じた電荷を、光電変換層123pの内部に留める機能を有する。つまり、正孔取り出しブロッキング層120hは、光電変換によって生じた正孔の第1電極121内への移動を抑制する機能を有する。また、電子取り出しブロッキング層120eは、光電変換によって生じた電子の第2電極122内への移動を抑制する機能を有する。
図8は、本変形例に係る光電変換素子110Aにおける例示的なエネルギーバンド図である。図8中、3つの矩形の左側にある太い横線は、第1電極121のフェルミ準位を表し、3つの矩形の右側にある太い横線は、第2電極122のフェルミ準位を表す。図8において、3つ並ぶ矩形のうち、一番左の矩形の底辺は、正孔取り出しブロッキング層120hのHOMOのエネルギー準位を表し、底辺に対向する辺は、LUMOのエネルギー準位を表す。同様に、図8中の中央の矩形およびその矩形の右側の矩形は、光電変換層123pおよび電子取り出しブロッキング層120eのそれぞれにおけるHOMOおよびLUMOのエネルギー準位の高さを模式的に示している。以下、特に断りのない限り、他のエネルギー図についても同様である。
光の検出動作においては、電圧供給回路112(図7参照)から第1電圧が第1電極121に供給され、第1電圧よりも高い第2電圧が第2電極122に印加される。つまり、光電変換層123pには、図8の紙面に向かって右から左に向かう向きに、外部から電場が印加される。なお、図8に示すエネルギーバンド図中の2本の細い矢印は、それぞれ、第1電極121および第2電極122に印加される電圧の方向を模式的に示している。
第1電極121および第2電極122のそれぞれに第1電圧および第2電圧が印加された状態において、光電変換層123pに光が入射すると、光電変換によって生成された電荷の少なくとも一部は、第1電圧および第2電圧の印加によって形成される電場に従って移動する。例えば、生成された電子は、光電変換層123p中を第2電極122に向かって移動する。
しかしながら、本変形例では、光電変換層123pと第2電極122との間に電子取り出しブロッキング層120eが配置されているため、光電変換層123pから第2電極122への電子の移動は、光電変換層123pと電子取り出しブロッキング層120eとの間のエネルギー障壁によってブロックされる。さらに、光電変換層123pと第1電極121との間に正孔取り出しブロッキング層120hが配置されているため、光電変換層123pからの第1電極121への正孔の移動も、光電変換層123pと正孔取り出しブロッキング層120hとの間のエネルギー障壁によってブロックされる。すなわち、本変形例に係る光電変換素子110Aでは、光電変換によって生成された電荷は、第1電極121および第2電極122への移動が抑制されるため、生成された電荷は、光電変換層123p内に留められる。このように、本変形例では、光電変換によって生成された電荷の電極への移動が抑制されている。
図8に示す例では、光電変換層123pのHOMOのエネルギー準位と、正孔取り出しブロッキング層120hのHOMOのエネルギー準位との間の差が比較的大きい。そのため、光電変換層123pと正孔取り出しブロッキング層120hとの間には、正孔に対する比較的大きなポテンシャル障壁が形成されている。したがって、光電変換層123pから正孔取り出しブロッキング層120hへの正孔の移動は、ほとんど起こらない。正孔取り出しブロッキング層120hのHOMOのエネルギー準位は、光電変換層123pのHOMOのエネルギー準位よりも0.3eV以上深い(すなわち、低い)ことが望ましく、0.7eV以上深い(すなわち、低い)ことがより望ましい。同様に、図8に示す例では、電子取り出しブロッキング層120eのLUMOのエネルギー準位と、光電変換層123pのLUMOのエネルギー準位との間の差が比較的大きく、電子取り出しブロッキング層120eと光電変換層123pとの間には、電子に対する比較的大きなポテンシャル障壁が形成されている。そのため、光電変換層123pから電子取り出しブロッキング層120eへの電子の移動もほとんど起こらない。電子取り出しブロッキング層120eのLUMOのエネルギー準位は、光電変換層123pのLUMOのエネルギー準位よりも0.3eV以上浅い(すなわち、高い)ことが望ましく、0.7eV以上浅い(すなわち、高い)ことがより望ましい。
また、図8に示す例では、第1電極121のフェルミ準位と、正孔取り出しブロッキング層120hのLUMOのエネルギー準位との間の差が比較的大きい。そのため、第1電極121と正孔ブロッキング層120hとの間には、電子に対する比較的大きなポテンシャル障壁が形成されている。したがって、第1電極121から正孔取り出しブロッキング層120hへの電子の注入は、ほとんど起こらない。正孔取り出しブロッキング層120hのLUMOのエネルギー準位は、第1電極121のフェルミ準位よりも0.3eV以上浅い(すなわち、高い)ことが望ましく、0.7eV以上浅い(すなわち、高い)ことがより望ましい。同様に、図8に示す例では、電子取り出しブロッキング層120eのHOMOのエネルギー準位と、第2電極122のフェルミ準位との間の差が比較的大きい。そのため、電子ブロッキング層120eと第2電極122との間には、正孔に対する比較的大きなポテンシャル障壁が形成されている。そのため、第2電極122から電子取り出しブロッキング層120eへの正孔の注入もほとんど起こらない。電子取り出しブロッキング層120eのHOMOのエネルギー準位は、第2電極122のフェルミ準位よりも0.3eV以上深い(すなわち、低い)ことが望ましく、0.7eV以上深い(すなわち、低い)ことがより望ましい。
なお、本変形例では、正孔取り出しブロッキング層120h、電子取り出しブロッキング層120e、および光電変換層123pが有機材料から構成される場合について述べたが、これらの層は無機化合物から構成されてもよい。その場合、上記のHOMOを価電子帯に、LUMOを伝導帯に置き換えて説明される。
本変形例では、光電変換層123pと第1電極121との間、および、光電変換層123pと第2電極122との間における電荷の移動が抑制されている。例えば、第1電極121および第2電極122に電圧を印加してから1秒後の、第1電極121と第2電極122との間の電流密度は、1×10−9A/cm以下であり得る。このように、本変形例によれば、光電変換によって生成された電荷を、2つの電極(ここでは第1電極121および第2電極122)の間の誘電率の変化に寄与する電荷として利用することが可能である。
本変形例では、有機半導体材料を用いて形成された光電変換層123pを有する光電変換素子110Aを例示している。有機薄膜による光電変換を利用したデバイスとしては、有機薄膜を有する撮像素子、および、有機薄膜太陽電池が知られており、これらのデバイスにおいても正孔取り出しブロッキング層、電子取り出しブロッキング層などの機能層が用いられることがある。しかしながら、従来の構造では、光電変換によって生成された電荷を、電場に従って光電変換層から電極に取り出せる構成が必須であるという点で、本変形例とは異なる。
本変形例では、光電変換層123pからの第1電極121への電荷の移動と、光電変換層123pからの第2電極122への電荷の移動とを抑制することが可能なように、光電変換素子110Aにおける正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eの配置が決定される。例えば、光電変換素子110Aの各部におけるエネルギーの相対的な関係と、第1電極121および第2電極122の間に印加する電圧の方向とが図8に示す関係となるように、第1電極121、正孔取り出しブロッキング層120h、光電変換層123p、電子取り出しブロッキング層120eおよび第2電極122の材料、ならびに、第1電圧および第2電圧の値が決定される。
このように、光センサ200Aでは、光電変換層123pからの第1電極121への電荷の移動と、光電変換層123pからの第2電極122への電荷の移動とが抑制されている。したがって、第1電極121および/または第2電極122を介して光電変換層123pに光が入射することによって生じた電荷は、光電変換層123p内に留められる。光電変換によって生じた電荷が光電変換層123p内に留められることにより、光電変換層123pを含む誘電体構造2Aの誘電率が増大する。すなわち、光電変換素子110Aにおける第1電極121および第2電極122の間の容量値が、光電変換素子110Aへの光の入射量によって変化する。光センサ200Aでは、適切な検出回路を用いて、第1電極121および第2電極122の間の容量値の変化を、例えば電流または電圧の変化として検出することにより、光センサ200Aへの入射光量を検出することが可能である。このように、光センサ200Aは、入射光量に起因する、誘電体構造120Aの誘電率の変化に対応した信号を生成して検出することが可能である。
第1電圧および/または第2電圧は、常に一定の電圧である必要はなく、時間的に変化する電圧であってもよい。本変形例では、第2電圧として、第1電圧よりも大きい電圧を用いている。しかしながら、これは、第2電圧と第1電圧とが等しくなるような状態の存在を完全に排除することを意図しない。第2電圧は、恒常的に第1電圧を上回る電圧に限定されず、電圧の時間的変化において、第2電圧と第1電圧とが等しくなるような瞬間が存在してもよい。
なお、光電変換層123pのイオン化ポテンシャルまたは電子親和力の大きさと、電極(ここでは、第1電極121、第2電極122)の仕事関数の大きさとを考慮して、第1電極121、光電変換層123pおよび第2電極122の材料として適切な材料の組み合わせを選択することにより、正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eの一方を省略することも可能である。このような構成の例は、後述する。電極の仕事関数は、真空準位と電極におけるフェルミ準位との差として定義される。イオン化ポテンシャルは、真空準位とHOMOとの差として定義され、電子親和力は、真空準位とLUMOとの差として定義される。
なお、光電変換層123p、正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eを形成する材料としては、それぞれ、電荷読み出し式の光電変換素子10A、および10Bの光電変換膜3、正孔ブロッキング層6(正孔注入ブロッキング層ともいう)、および、電子ブロッキング層5(電子注入ブロッキング層ともいう)を構成する材料と同様である。
(変形例2)
変形例1に係る光電変換素子110Aは、正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eを有する例について説明した。本変形例では、光電変換によって生成された電荷の電極への移動を抑制するという観点から、正孔取り出しブロッキング層120hおよび/または電子取り出しブロッキング層120eに代えて、正孔も電子も通さない絶縁層を用いてもよい。以下、光電変換層123cと、第1電極121および第2電極122の少なくとも一方の電極と、の間に絶縁層を配置した構成の例を説明する。
図9は、本変形例に係る光センサ200Bの例示的な構成の概略を示す。図9に示す光センサ200Bは、第1電極121および第2電極122の間に配置された誘電体構造120Bを含む光電変換素子110Bと、電圧供給回路112と、を備える。誘電体構造120Bは、絶縁層120aおよび絶縁層120bを有する。図9に示すように、絶縁層120aは、第1電極121と光電変換層123pとの間に配置されている。また、絶縁層120bは、光電変換層123cと第2電極122との間に配置されている。
図10は、図9に示す光電変換素子110Bにおける例示的なエネルギー図である。図10中、3つ並ぶ矩形のうち、一番左の矩形の底辺は、絶縁層120aの価電子帯の上端を表し、底辺に対向する辺は、伝導帯の底を表す。同様に、図10中、一番右側の矩形は、絶縁層120bにおける価電子帯の上端および伝導帯の底のそれぞれにおけるエネルギー準位の高さを模式的に示している。以下では、価電子帯の上端と真空準位との間の差、および、伝導帯の底と真空準位との間の差を、それぞれ、VBおよびCBで表すことがある。
第1電極121と光電変換層123cとの間に絶縁層120aを配置することにより、第1電極121と第2電極122との間に電圧が印加された状態であっても、第1電極121と光電変換層123cとの間における電荷の移動を抑制できる。また、第2電極122と光電変換層123cとの間に絶縁層120bを配置することにより、第2電極122と光電変換層123pとの間における電荷の移動を抑制できる。したがって、光電変換によって生じた電荷は、光電変換層123cから第1電極121および/または第2電極122への移動が抑制されるため、誘電体構造120Bの誘電率の変化に寄与する電荷として利用できる。本明細書における「絶縁層」は、正および負の両方の電荷の移動を、外部から印加された電場の方向に関わらずブロックする点で、上述の正孔取り出しブロッキング層120hおよび電子取り出しブロッキング層120eと区別される。別の言い方をすれば、本明細書における「絶縁層」は、正および負の両方の電荷に関して、電極から光電変換層への移動、および、光電変換層から電極への移動を抑制する。
絶縁層120aおよび絶縁層120bを形成するための材料としては、例えば、SiO、Al、ZrO、HfO、Yなどの酸化物、または、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド、パリレン(登録商標)、ポリスチレンなどの樹脂などを用いることができる。絶縁層120aおよび絶縁層120bを構成する材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。絶縁層120aおよび/または絶縁層120bとして、シリコン半導体において一般的に用いられるシリコン酸窒化膜(SiON膜)が用いられてもよい。いわゆる高誘電率材料を用いて絶縁層120aおよび/または絶縁層120bを形成してもよい。高誘電率材料は、high−k材料とも呼ばれ、典型的には比誘電率が3.9超である。絶縁層120aおよび絶縁層120bの厚さは、絶縁層120aおよび絶縁層120bの電気伝導率に応じて適宜設定し得る。
図9および図10に例示する構成では、第1電極121と光電変換層123pとの間に、絶縁層120aが配置されている。さらに、光電変換層123pと第2電極122との間に、絶縁層120bが配置されている。したがって、光センサ200Bの動作時、第1電極121および第2電極122のいずれを高電位としてもよい。つまり、図9に例示する構成によれば、第1電極121の材料および第2電極122の材料に対する制約が小さいという利点も得られる。例えば、第2電極122が透明電極である場合には、第2電極122の材料として、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnOなどの透明導電性酸化物(TCO)、あるいは、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いることができる。第1電極121が透明電極である場合、第2電極122の材料として、Al(アルミニウム)、TiN(窒化チタン)、Cu(銅)、TaN(窒化タンタル)などを用いてもよい。第1電極121についても、第2電極122と同様の材料を用い得る。例えば、第1電極121の材料として、Al、TiN、Cu、TaN、ITOなどを用いることができる。
(変形例3)
以下に説明するように、上述の変形例2に係る光電変換素子110Bは、第1電極121、光電変換層123c、第2電極122の材料として適切な材料の組み合わせを選択することにより、絶縁層120aおよび絶縁層120bの一方が省略されてもよい。
図11は、本変形例に係る光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。本変形例に係る光電変換素子は、第1電極121と光電変換層123cとの間に絶縁層120aを備える。図11に示すように、本変形例では、第2電圧が印加される第2電極122に、光電変換層123pが隣接している。つまり、図11は、上述の絶縁層120bが省略された構成の一例を示している。
図11に例示する構成では、光電変換層123cから第1電極121への正孔の移動、および、第1電極121から光電変換層123cへの電子の移動が、絶縁層120aによって抑制される。また、本変形例では、光電変換層123cのイオン化ポテンシャルが第2電極122の仕事関数よりも大きく設定されている。したがって、第2電極122から光電変換層123cへの正孔の注入は、光電変換層123cと第2電極122との間のポテンシャル障壁によって抑制される。したがって、光電変換によって生じた電荷(例えば正孔)の一部を光電変換層123cに留めて、光電変換層123cの誘電率の変化に寄与する電荷として利用し得る。このように、光検出素子の各部におけるエネルギーの相対的な関係が図11に示す関係となるように、第1電極121、絶縁層120a、光電変換層123cおよび第2電極122の材料を適切に選択してもよい。これにより、本変形例に係る光電変換素子は、光電変換層123pと第2電極122との間に絶縁層120bを設けることなく、光電変換によって生成された電荷の電極への移動を抑制することも可能である。
(変形例4)
図12は、本変形例に係る光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。本変形例に係る光電変換素子は、第2電極122と光電変換層123cとの間に絶縁層120bを備える。図12に示すように、本変形例では、第1電圧が印加される第1電極121に、光電変換層123cが隣接している。つまり、図12は、上述の絶縁層120aが省略された構成の例を示している。
図12に例示する構成では、光電変換層123cから第2電極122への電子の移動、および、第2電極122から光電変換層123cへの正孔の移動が、絶縁層120bによってブロックされる。また、この例では、光電変換層123cの電子親和力が第1電極121の仕事関数よりも小さく設定されている。したがって、第1電極121から光電変換層123cへの電子の注入は、第1電極121と光電変換層123cとの間のポテンシャル障壁によって抑制される。したがって、このような構成によっても、光電変換によって生じた電荷(例えば電子)の一部を光電変換層123cに留めて、光電変換層123cの誘電率の変化に寄与する電荷として利用し得る。このように、光検出素子の各部におけるエネルギーの相対的な関係が図12に示す関係となるように、第1電極121、光電変換層123c、絶縁層120bおよび第2電極122の材料を適切に選択してもよい。これにより、第1電極121と光電変換層123cとの間に絶縁層120aを設けることなく、光電変換によって生成された電荷の電極への移動を抑制し得る。
以下、本開示の概念に含まれる具体的な化合物を列挙する。これらの化合物(下記表中の実施例1〜実施例45)の一重項励起状態準位(S1)および三重項励起状態準位(T1)を米国Gaussian社のGaussian09による計算で求めた。具体的には、DFT法で汎関数はB3LYP、基底関数は6−311G(d)を用いて構造最適化を行った後、TD−DFT法で、同様の汎関数、基底関数を用いて励起状態計算を行い、一重項励起状態準位(S1[eV])、および三重項励起状態準位(T1[eV])を算出した。さらに、一重項励起状態準位と三重項励起状態準位との比(T1/S1)を求めた。なお、比較例として、C=C二重結合の代わりに、ベンゼンで電子供与性部位(D)と電子受容性部位(A)とを連結させた分子の一重項励起状態準位(S1)、三重項励起状態準位(T1)およびこれらの比(T1/S1)の計算も実施した。結果を表1〜表9に示す。
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
Figure 2019169693
表1〜表9に示すように、実施例1〜実施例45の化合物はそれぞれ、対応する比較例1〜比較例45の化合物に比べて、T1/S1の値が小さかった。したがって、実施例1〜実施例45の化合物は、電子供与性部位(D)と、電子受容性部位(A)であるベンゾ[1,2‐c:4,5‐c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール骨格と、が二重結合で接続される事により、一重項準位のエネルギー準位に対する三重項準位のエネルギー準位の割合が、比較例1〜比較例45の化合物に比べて小さくなることが確認できた。
以下、実施例1〜実施例45の化合物1〜化合物45の合成方法について説明する。
なお、以下のスキームにおいて、アミン誘導体からなる中間体(1−a)〜(1−e)をHN−Ra(Rb)と表す場合がある。
Figure 2019169693
[化合物1〜化合物10の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物1〜化合物10を合成することができる。
Figure 2019169693
(1)中間体(2−a)の合成
下記スキームに従い、中間体(2−a)が合成される。まず、中間体(2−a−1)に対して、N−ブロモスクシンイミド(NBS)を等量加えて臭素化することにより、中間体(2−a−2)が得られる。次いで、中間体(2−a−2)とトリメチルシリル(TMS)アセチレンとの薗頭カップリングによって、トリメチルシリル(TMS)アセチレンを導入し、中間体(2−a−3)が得られる。その後、中間体(2−a−3)に、メタノールおよび炭酸カリウムを加えて、脱TMS化を行い、中間体(2−a)が得られる。
Figure 2019169693
(2)中間体(2−b)の合成
本出願人による未公開の特許出願である特願2017−155280号に記載の化合物(1−j)の合成スキームに従い、中間体(2−b−1)が得られる。中間体(2−b−1)から中間体(2−b)を合成するスキームは、上記中間体(2−a)の合成スキームの中間体(2−a−2)から中間体(2−a)を合成するスキームと同様にして、中間体(2−b)が得られる。具体的な合成スキームは、下記のとおりである。
Figure 2019169693
(3)化合物1〜化合物10の合成
上記のアミン誘導体からなる中間体(1−a)〜中間体(1−e)のいずれかと、中間体(2−a)または中間体(2−b)とを出発原料として、下記スキームに従い、化合物1〜化合物10が合成される。具体的には、Thomas E. Muller et. al.,“Methal−Initiated Aination of Alkenes and Alkynes.”, Chemical Reviews, American Chemical Society, 1998年, vol.98, No.2, pp.675−704(非特許文献3)に記載の反応によって、化合物1〜化合物10が得られる。
Figure 2019169693
[化合物11〜化合物15の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物11〜化合物15を合成することができる。
Figure 2019169693
出発原料を化合物1〜化合物5とした以外、中間体(2−a)の合成スキームと同様にして、化合物11〜化合物15が得られる。具体的な合成スキームは、下記のとおりである。
Figure 2019169693
[化合物16〜化合物20の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物16〜化合物20を合成することができる。
Figure 2019169693
化合物11〜化合物15を出発原料として、下記スキームに従い、化合物16〜化合物20が得られる。
Figure 2019169693
[化合物21〜化合物25の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物21〜化合物25を合成することができる。
Figure 2019169693
(1)中間体(3−a)の合成
下記スキームに従い、中間体(3−a)が合成される。まず、中間体(2−a−2)に対して、スティルカップリングによりベンゼンを導入することにより、中間体(3−a−1)が得られる。次いで、中間体(3−a−1)に対して、等量のNBSを加えて臭素化することにより、中間体(3−a−2)が得られる。中間体(3−a−2)から中間体(3−a)を合成するスキームは、上記中間体(2−a)の合成スキームの中間体(2−a−2)から中間体(2−a)を合成するスキームと同様にして、中間体(3−a)が得られる。
Figure 2019169693
(2)中間体(3−b)の合成
下記スキームに従い、中間体(3−b)が合成される。中間体(2−a−2)に対して、スティルカップリングでチオフェンを導入した以外は、中間体(3−a)の合成と同様のスキームに従い、中間体(3−b)が得られる。
Figure 2019169693
(3)中間体(3−c)の合成
下記スキームに従い、中間体(3−c)が合成される。出発原料を中間体(2−b−1)とした以外は、中間体(3−a)の合成と同様のスキームに従い、中間体(3−c)が得られる。
Figure 2019169693
(4)中間体(3−d)の合成
下記スキームに従い、中間体(3−d)が合成される。出発原料を中間体(2−b−1)とした以外は、中間体(3−b)の合成と同様のスキームに従い、中間体(3−d)が得られる。
Figure 2019169693
(5)化合物21〜化合物24の合成
下記スキームに従い、化合物21〜化合物24が合成される。出発原料として、中間体(2−a)、中間体(2−b)の代わりに中間体(3−a)〜中間体(3−d)を用いた以外は、化合物1〜化合物10の合成と同様のスキームに従い、化合物21〜化合物24が得られる。
Figure 2019169693
[化合物25〜化合物29の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物25〜化合物29を合成することができる。
Figure 2019169693
(1)中間体(4−a)の合成
下記スキームに従い、中間体(4−a)が合成される。まず、中間体(2−a−1)に対して、N−ブロモスクシンイミド(NBS)を2等量加えてジブロモ化し、中間体(4−a−1)が得られる。中間体(4−a−1)から中間体(4−a)を合成するスキームは、上記中間体(2−a)の合成スキームの中間体(2−a−2)から中間体(2−a)を合成するスキームと同様にして、中間体(4−a)が得られる。
Figure 2019169693
(2)化合物25〜化合物29の合成
下記スキームに従い、化合物25〜化合物29が合成される。出発原料として、中間体(2−a)、中間体(2−b)の代わりに中間体(4−a)を用いたこと以外は、化合物1〜化合物10の合成と同様のスキームに従い、化合物25〜化合物29が得られる。
Figure 2019169693
[化合物30〜化合物35の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物30〜化合物35を合成することができる。
Figure 2019169693
下記スキームに従い、化合物30が合成される。出発原料として、中間体(2−a)または中間体(2−b)の代わりに化合物12を用い、中間体(1−a)〜中間体(1−e)の代わりに中間体(1−c)を用いて、化合物1〜化合物10の合成と同様に、非特許文献3に記載の反応によって、化合物30が得られる。
Figure 2019169693
また、化合物31は、出発原料として、中間体(1−c)の代わりに中間体(1−d)を用いたこと以外は、上記の化合物30の合成と同様のスキームに従い、合成される。
また、化合物32は、出発原料として、中間体(1−c)の代わりに中間体(1−e)を用いたこと以外は、上記の化合物30の合成と同様のスキームに従い、合成される。
また、化合物33は、出発原料として、化合物12の代わりに化合物13を用い、中間体(1−c)の代わりに中間体(1−e)を用いて、化合物30の合成と同様のスキームに従い、合成される。
また、化合物34は、出発原料として、化合物12の代わりに化合物13を用い、中間体(1−c)の代わりに中間体(1−d)を用いて、化合物30の合成と同様のスキームに従い、合成される。
また、化合物35は、化合物12の代わりに化合物14を用い、中間体(1−c)の代わりに中間体(1−e)を用いて、化合物30の合成と同様のスキームに従い、合成される。
[化合物36〜化合物41の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物36〜化合物41を合成することができる。
Figure 2019169693
(1)中間体(5−a)の合成
下記スキームに従い、中間体(5−a)が合成される。出発原料として、中間体(2−a−2)の代わりに中間体(4−a−1)を用いたこと以外は、中間体(3−a)の合成と同様のスキームに従い、中間体(5−a)が得られる。
Figure 2019169693
(2)中間体(5−b)の合成
下記スキームに従い、中間体(5−b)が合成される。出発原料として、中間体(2−b−1)の代わりに中間体(4−a−1)を用いたこと以外は、中間体(3−d)の合成と同様のスキームに従い、中間体(5−b)が得られる。
Figure 2019169693
(3−1)化合物36〜化合物38の合成
下記スキームに従い、化合物36〜化合物38が合成される。出発原料として、中間体(4−a)の代わりに中間体(5−a)を用いたこと以外は、化合物25〜化合物29の合成と同様のスキームに従い、化合物36〜化合物38が得られる。
Figure 2019169693
(3−2)化合物39〜化合物41の合成
下記スキームに従い、化合物39〜化合物41が合成される。出発原料として、中間体(4−a)の代わりに中間体(5−b)を用いたこと以外は、化合物25〜化合物29の合成と同様のスキームに従い、化合物39〜化合物41が得られる
Figure 2019169693
[化合物42〜化合物45の合成]
以下に説明するスキームに従い、下記構造式で表される化合物42〜化合物45を合成することができる。
Figure 2019169693
下記スキームに従い、化合物42、化合物43が合成される。中間体(1−a)〜中間体(1−e)の代わりに中間体(1−f)を用いること以外は、化合物1〜化合物10の合成と同様のスキームに従い、化合物42、化合物43が得られる。
Figure 2019169693
また、下記スキームに従い、化合物44が合成される。出発原料として中間体(2−a−1)の代わりに化合物42を用いたこと以外は、中間体(2−a)の合成と同様のスキームに従い、化合物44が得られる。
Figure 2019169693
また、下記スキームに従い、化合物45が合成される。出発原料として、化合物11〜化合物15の代わりに化合物44を用いたこと以外は、化合物16〜化合物20の合成と同様のスキームに従い、化合物45が得られる。
Figure 2019169693
本開示に係る光電変換材料および光電変換素子は、イメージセンサなどに適用可能である。特に、近赤外光領域において高い光吸収特性を有するイメージセンサに好適である。
1 支持基板
2 下部電極
3 光電変換膜
3A 光電変換層
4 上部電極
5 電子注入ブロッキング層
6 正孔注入ブロッキング層
7 p型半導体層
8 n型半導体層
10A、10B、90、110A、110B 光電変換素子
10C 光電変換部
20 水平信号読出し回路
21 増幅トランジスタ
22 リセットトランジスタ
23 アドレストランジスタ
21G、22G、23G ゲート電極
21D、21S、22D、22S、23S 不純物領域
21X、22X、23X ゲート絶縁層
24 単位画素セル
25 垂直走査回路
26 対向電極信号線
27 垂直信号線
28 負荷回路
29 カラム信号処理回路
31 電源配線
32 差動増幅器
33 フィードバック線
34 電荷蓄積ノード
35 電荷検出回路
36 アドレス信号線
37 リセット信号線
40 半導体基板
41 素子分離領域
50 層間絶縁層
51、53、54 コンタクトプラグ
52 配線
60 カラーフィルタ
61 マイクロレンズ
91、92 電極
94、120A、120B 誘電体構造
100 撮像装置
112 電圧供給回路
120a、120b 絶縁層
120e 電子取り出しブロッキング層
120h 正孔取り出しブロッキング層
121 第1電極
122 第2電極
123c、123p 光電変換層

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含む、
    光電変換材料。
    Figure 2019169693
    ただし、式中、R、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
    は、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
    Figure 2019169693
    ただし、式中iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
  2. 下記一般式(3)で表される化合物を含む、
    光電変換材料。
    Figure 2019169693
    ただし、式中、R、R、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
    およびLは、下記一般式(2)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
    Figure 2019169693
    ただし、式中iおよびjは0〜10の範囲の整数であり、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
  3. 下記一般式(4)で表される化合物を含む、
    光電変換材料。
    Figure 2019169693
    ただし、式中、RおよびRは、独立して、水素原子、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。
    は、下記一般式(5)で表されるアルケニル基を含む二価の置換体である。
    Figure 2019169693
    ただし、式中kおよびlは0〜10の範囲の整数であり、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたアリール基、および任意選択で置換されたヘテロアリール基からなる群より選択される。*は結合部位を示す。
  4. 請求項1に記載の光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と請求項2に記載の光電変換材料に含まれる上記一般式(3)で表される化合物との混合物、および、請求項1に記載の光電変換材料に含まれる上記一般式(1)で表される化合物と請求項3に記載の光電変換材料に含まれる上記一般式(4)で表される化合物との混合物のいずれか一方の混合物を含む、
    光電変換材料。
  5. 第1電極と、
    前記第1電極と対向する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた光電変換層と、
    を備え、
    前記光電変換層は、n型有機半導体材料と請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物とが混合されたバルクへテロ層を含む、
    光電変換素子。
  6. 前記n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を含む、
    請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記第1電極と前記光電変換層との間、および、前記第2電極と前記光電変換層との間の少なくとも一方に絶縁層を含む、
    請求項5または6に記載の光電変換素子。
  8. 前記第1電極と前記光電変換層との間、および、前記第2電極と前記光電変換層との間の双方に絶縁層を含む、
    請求項7に記載の光電変換素子。
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