JP2019169301A - 有機発光装置および電子装置 - Google Patents

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Koichi Ishige
剛一 石毛
青田 幸人
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幸人 青田
石井 隆司
Ryuji Ishii
隆司 石井
幸司 石津谷
Koji Ishizuya
幸司 石津谷
典史 梶本
Norifumi Kajimoto
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Abstract

【課題】耐湿性が改善された発光装置を提供する。【解決手段】基板の上に配置された有機発光素子アレイと、前記有機発光素子アレイを覆う保護構造とを有する有機発光装置において、前記保護構造は、第1保護膜と、前記第1保護膜を覆う第2保護膜と、前記第2保護膜を覆う第3保護膜とを含み、前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、無機物で構成され、前記第1保護膜の厚さは、前記第3保護膜の厚さの2倍以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光装置および電子装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス膜を用いた有機発光装置が知られている。有機発光装置は、優れた発光特性を有する一方で、水分によってその発光特性が低下しうることが知られている。有機発光装置の特性を維持するためには、有機膜への水分の浸入を防ぐ必要がある。特許文献1には、複数の有機EL素子と、複数の有機EL素子を覆う第1無機質膜と、第1無機質膜を覆う第2無機質膜と、第2無機質膜を覆う第3無機質膜を有する有機EL表示パネルが記載されている。第1無機質膜および第3無機質膜は、窒化シリコンで構成され、第2無機質膜は、酸化アルミニウム膜で構成されている。特許文献1には、第1無機質膜の厚さが0.2μmで、第2無機質膜の厚さが0.02μm、0.1μmまたは0.7μmで第3無機質膜の厚さが0.7μmである例が開示されている。また、特許文献1には、第2無機質膜の厚さが0.01μm以上0.1μm以下であり、第1無機質膜、第2無機質膜および第3無機質膜の合計の厚さが0.71μm以上1.6μm以下であることが好ましいことが開示されている。
特開2010−198969号公報
本発明者は、有機発光素子を覆う保護膜を下側から順に配置されたシリコン窒化物系材料からなる第1保護層、酸化アルミニウムからなる第2保護層、シリコン窒化物系材料からなる第3保護層で構成する構造について検討を重ねた。その結果、第1保護層の厚さが薄いと、その上に第2保護層を介して形成される第3保護層に低密度領域が形成されやすいことを発見した。第2保護膜は、良好に形成されていたとしても、第3保護層に低密度領域が形成されると、その低密度領域を通して水分などが第2保護層に至り、これにより第2保護層が溶出して欠陥が生じうる。
本発明は、上記の発見を契機としてなされたものであり、耐湿性が改善された発光装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板の上に配置された有機発光素子アレイと、前記有機発光素子アレイを覆う保護構造とを有する有機発光装置に係り、前記有機発光装置は、前記保護構造は、第1保護膜と、前記第1保護膜を覆う第2保護膜と、前記第2保護膜を覆う第3保護膜とを含み、前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、無機物で構成され、前記第1保護膜の厚さは、前記第3保護膜の厚さの2倍以上である。
本発明によれば、耐湿性が改善された発光装置が提供される。
本発明の第1実施形態の有機発光装置の構成を模式的に示す断面図。 保護構造の厚さと視野角特性との関係を説明する模式的な断面図。 保護構造の厚さと色度変化との関係を説明する図。 第1保護層、第2保護層および第3保護層を積層して構成される保護構造の断面TEM像を示す図。 本発明の第2実施形態の有機発光装置の構成を模式的に示す断面図。 低密度領域の発生を模式的に示す図。 第1保護膜と第3保護膜の厚さとダークスポット発生比率との関係を示す図。 表示装置の構成例を示す図。 撮像装置の構成例を示す図。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。図1には、本発明の第1実施形態の有機発光装置100の構成が模式的に示されている。有機発光装置100は、基板201の上に配置された有機発光素子アレイ200と、有機発光素子アレイ200を覆う保護構造300とを備えうる。保護構造300は、第1保護膜301と、第1保護膜301を覆う第2保護膜302と、第2保護膜302を覆う第3保護膜303とを含みうる。第1保護膜301、第2保護膜302および第3保護膜303は、無機物で構成されうる。第1保護膜301および第3保護膜303は、水分に対する耐性が第2保護膜302よりも優れている一方で、第2保護膜302は、下地(下の層)に対する被覆性が第1保護膜301および第3保護膜303よりも優れている。一例において、第2保護層302の密度は、第1保護膜301の密度より大きい。一例において、第3保護膜303の密度は、第1保護膜301の密度より大きい。
第1保護膜301は、例えば、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含みうるが、他の材料で構成された膜(例えば、酸化シリコン膜)を含んでもよい。第2保護膜302は、例えば、酸化アルミニウム膜を含みうるが、他の材料で構成された膜(例えば、窒化アルミニウム膜、酸化チタニウム膜または酸化亜鉛膜)。第3保護膜303は、例えば、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含みうるが、他の材料で構成された膜(例えば、酸化シリコン膜)を含んでもよい。第1保護膜301の厚さは、第3保護膜303の厚さの2倍以上でありうる。第1保護膜301の厚さを第3保護膜303の厚さの2倍以上とすることによって、有機発光素子アレイ200の構造に起因する凹凸が第3保護膜303に与える影響を抑制することができる。
以下、有機発光装置100の構成をより具体的な例を示しながら説明する。ガラス基板またはシリコン基板等の基板201の上には、不図示のトランジスタおよび配線パターン等が配置され、それらの上に無機絶縁膜202が配置されうる。無機絶縁膜202は、例えば、酸化シリコンまたは窒化シリコン等によって構成されうる。無機絶縁膜202の上には、有機発光素子アレイ200が配置されうる。有機発光素子アレイ200は、複数の第1電極(下部電極)210と、複数の絶縁体(バンク)213と、有機化合物膜211と、第2電極(上部電極)212とを含み、これらによって複数の有機発光素子が構成されうる。
複数の第1電極210は、無機絶縁膜202の上に互いに離隔して配置されうる。複数の第1電極210は、無機絶縁膜202に設けられた不図示のプラグに介して、基板201の上に配置されたスイッチング素子(トランジスタ)に電気的に接続されうる。複数の絶縁体213は、無機絶縁物で構成されうる。プラグは、タングステン等の導電性材料で構成されうる。複数の絶縁体213は、複数の第1電極210のうち隣り合う第1電極210の間にそれぞれ配置され、バンクを構成しうる。複数の絶縁体213は、複数の第1電極210のそれぞれの端部2101の上面が覆われるように配置されうる。複数の絶縁体213は、複数の第1電極210の中央部(2つの端部2101の内側部分)が露出するように開口部220を画定しうる。有機化合物膜211は、複数の第1電極210および複数の絶縁体213を覆うように配置されうる。第2電極212は、有機化合物膜211を覆うように配置されうる。第2電極212は、複数の有機発光素子に対して共通に設けられうる。第2電極212は、有機化合物膜211が発生した光を透過させるように透明電極材料で構成されうる。
第2電極212の上には、保護構造300が配置されうる。保護構造300は、例えば、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる第1保護膜301、原子層堆積法で形成された酸化アルミニウムからなる第2保護膜302、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる第3保護膜303がその順に積層されて構成されうる。窒化シリコンまたは酸窒化シリコンからなる膜は、水透過率が極めて低い。また、酸化アルミニウムからなる膜は、被覆性が極めて高い。よって、保護構造300を第1保護膜301、第2保護膜302および第3保護膜303の積層構造で構成することによって、有機化合物膜211を外部雰囲気中の水分から遮断することができる。
保護構造300の上には、平坦化膜401が配置されうる。平坦化膜401の上には、カラーフィルタ層500が配置されうる。カラーフィルタ層500は、例えば、互いに異なるカラーを有する第1カラーフィルタ501、第2カラーフィルタ502および第3カラーフィルタ503を含みうる。カラーフィルタ層500の上には、平坦化膜402が配置されうる。平坦化膜401、402は、例えば、樹脂で構成されうる。
複数の第1電極210は、不図示のプラグを介して、基板201の上に配置された複数のスイッチング素子にそれぞれ電気的に接続されうる。これらのスイッチング素子によって、複数の第1電極210に印加する電圧を個別に制御することができる。第1電極210と第2電極212との間に電圧が印加されることで、有機化合物膜211の一方の面を通して有機化合物膜211に正孔が注入され、有機化合物膜211の他方の面を通して有機化合物膜211に電子が注入される。有機化合物膜211において、注入された正孔および電子の再結合し、これによって光が発生する。有機化合物膜211は、白色光を発生するように構成されうる。各第1電極210に対して1つのカラーフィルタが割り当てられ、副画素601、602、603が構成されうる。3つの副画素が1つの画素を形成し、各副画素の発光量を制御することで、カラー表示が可能である。
一例において、第1保護層301は、化学気相堆積法(CVD法)によって形成される窒化シリコン(SiN)膜または酸窒化シリコン(SiON)膜で構成されうる。また、第3保護膜303は、化学気相堆積法(CVD法)によって形成される窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜で構成されうる。CVD法で形成される窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜は、水透過率が1×10−6(g/(m・day))程度であり、極めて低い。一例において、第2保護膜302は、原子層堆積法(ALD法)によって形成される酸化アルミニウム膜で構成されうる。ALD法で形成される酸化アルミニウム膜は、凹凸部に対する被覆性が極めて高い。
第1保護膜301の厚さは、第3保護膜303の2倍以上であることが好ましい。更に、第1保護膜301、第2保護膜302および第3保護膜303の合計の厚さ(保護構造300の厚さ)は、例えば、1.6μm以上3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上2.8μm以下であることが更に好ましい。
保護構造300の厚さが薄すぎると、有機発光素子アレイ200あるいは異物に対する被覆性が低下し、低密度領域が保護構造300の表面近傍にも生じうる。これにより、ダークスポット(DS)が生じやすくなる。そのため、保護構造300の厚さは、1.6μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることが更に好ましい。
他方、保護構造300の厚さが厚すぎると、有機発光装置100の製造のためのプロセス時間が長くなるために生産性が低下するという弊害がある。また、図2に示されるように、保護構造300の厚さが厚すぎると、その上方に配置されたカラーフィルタ層500と発光領域を含む有機化合物膜211との間隔が大きくなり過ぎて、色ずれが発生しうる。
図2(a)には、保護構造300の厚さが薄い有機発光装置100が模式的に示されている。ここで、副画素の中央付近で発した光を考える。図2(a)に示されるように、発光点701から出た光線のうち、発光点701の正面からある角度範囲702以内の光線は、発光点701に対応する副画素のカラーフィルタ502を通過して外部に出射されるため、意図された色の光線を形成する。一方、この角度範囲を超えた位置に対しては、隣接する副画素のカラーフィルタを通過した光線が出るため、色ずれが発生する。図2(b)には、保護構造300の厚さが厚い有機発光装置100が模式的に示されている。図2(b)の構成では、図2(a)の構成に比べ、発光点701に対応する副画素のカラーフィルタ502を通過する範囲703が狭くなる。したがって、保護構造300の厚さが厚くなりすぎると、表示装置として構成された有機発光装置100の視野角が狭くなり、好ましくない。
図3には、保護構造300の厚さと色度変化Δu’v’との関係が例示されている。この色度変化Δu’v’は、発光点701の法線方向から発光点701を見た場合の色度に対する、発光点701の法線方向から25°の方向から発光点を見た場合の色度の変化である。色度変化が小さいと判断される1つの基準は、δu´v´が0.015以下であることである。図3から分かるように、保護構造300の厚さが3μm以下の範囲では色度変化は小さいが、3μmを超えると急速に色度変化が大きくなる。このことから、保護構造300の厚さは、3μm以下であることが好ましい。更に、保護構造300の厚さが2.8μm以下であれば、δu´v´が0.01以下になるため、より好ましい。
また、ALD法で形成される酸化アルミニウム膜で構成されうる第2保護膜302は、高温の多量の水やアルカリ性溶液に触れると溶出する可能性がある。そのため、第1保護膜301、第2保護膜302および第3保護膜303を積層して構成される保護構造300では、第1保護膜301の厚さと第2保護膜の厚さとの比率が考慮されることが好ましい。
下地に対する被覆性が高いが、水分に対する耐性に劣る第2保護膜302が外部からのダメージを受けないためには、第3保護膜303に低密度領域が形成されないことが望まれる。保護構造300の下地(第2電極212)の表面の凹凸によっては、第2保護膜302に低密度領域が存在しなくても、第3保護膜303に低密度領域が再び発生しうる。図4は、窒化シリコンからなる第1保護膜301と、酸化アルミニウム膜からなる第2保護膜302と、窒化シリコンからなる第3保護膜303を積層して構成される保護構造300の断面TEM像である。図4において、第1保護膜301には低密度領域801が存在するが、第2保護膜302には低密度領域は存在しない。しかしながら、第2保護層302には低密度領域が存在しないにも関わらず、その上の第2保護膜303には再び低密度領域802が発生している。この理由は、次のように推定される。ALD法で形成される第2保護膜302は、それを構成する原子層の層数で厚さが決定されるので、下地である第1保護膜301の上面形状に対してコンフォーマルに形成されうる。つまり、第2保護膜302の上面は、下地である第1保護膜301の上面形状にならった凹凸(山と谷)を有することになる。第2保護膜302の上に第3保護膜303を構成する膜を成長させると、谷を挟む2つの傾斜面からそれぞれ膜が成長し、谷の上方でそれらが会合して会合部を形成しうる。この会合部は、低密度領域となりうる。
以上の実験と考察から、第3保護膜303の下地である第2保護膜302の上面に形成される凹凸を抑制する必要があり、そのためには、第1保護膜301の上面に形成される凹凸を抑制する必要があることが導かれる。そこで、前述のように、第1保護膜301の厚さを第3保護膜303の厚さの2倍以上とすることが好ましい。このような構成により、保護構造300の下地(第1電極210および絶縁体213)の凹凸および異物に関わらず、平坦性が向上した上面を有する第1保護膜301を形成することができる。第1保護膜301を第2保護膜302で強固に被覆し、その上に第3保護膜303を形成することにより、第3保護膜303に欠陥が生じることを抑制することができる。これにより、第2保護膜302に対する外部からのダメージを抑制し、信頼性が改善された有機発光装置100を得ることができる。
また、第1保護膜301の上に第2保護膜302を配置し、第2保護膜302の上に第3保護膜303を配置することにより、第1保護膜301から第3保護膜303への欠陥構造(低密度領域)の伝達が第2保護膜302によって遮断されうる。よって、低密度領域を有しない緻密な第3保護膜303が形成されうる。一方、第2保護膜302が存在しない場合には、第1保護膜301の上面における結晶構造が第3保護膜303に引き継がれやすいので、第1保護膜301の低密度領域が第3保護膜303にも引き継がれうる。
第1保護膜301が薄い場合、例えば、第1保護膜301の厚さが第3保護膜303の厚さの2倍未満である場合、第1保護膜301の上面には相応の凹凸が形成され、その凹凸と同等な凹凸が第2保護膜302の上面にも現れうる。そうすると、第3保護膜303に前述のような会合部が形成され、低密度領域が発生しうる。
表1には、第1保護膜301の厚さT1と第3保護膜303の厚さT3との比(T1:T3(T1/T3))と耐湿性とを評価した結果が示されている。ここでは、基板201上に人為的に異物を増やした状態(1cm辺りの異物数が400個程度)で保護構造300を形成したサンプルを作製した。その後、異物検査装置でサンプルの異物数n1を測定した。その後、温度85℃、相対湿度85%の環境下でサンプルを300時間保管し、発生したダークスポット(以下、DS)の数n2をカウントした。n2をn1で割った値(即ち、異物がDS化する比率)が表1の最も右の列に示されている。なお、異物がDS化する比率は、第1保護膜301の厚さT1が1μmの場合の比率で規格化されている。第2保護膜302の厚さT2は、0.1μmに固定した。図7には、表1の評価結果をプロットしたグラフが示されている。表1および図7から分かるように、第1保護膜301の厚さT1と第3保護膜の303の厚さT3との比(T1:T3)が2以上である場合に、異物がDS化する比率が顕著に低下しうる。この例では、第1保護膜301の厚さT1と第3保護膜の303の厚さT3との比(T1:T3)が2であるときの保護構造300の厚さTT(T1+T2+T3)は、1.6μmである。
以下、有機発光装置100の各構成要素の材料や製造条件等の具体例を説明するが、この説明は、本発明を限定するものではない。基板201としては、ガラス基板またはシリコン基板等が準備されうる。基板201上には、公知のフォトリソグラフィ技術により、トランジスタおよび配線パターン等の素子あるいはフィーチャが形成され、その上に酸化シリコン膜および/または窒化シリコン膜等の無機絶縁膜202が形成されうる。絶縁性と平坦化性を確保するために、無機絶縁膜202の厚さは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。
第1電極210は、タングステン等の導電性材料で形成されうる不図示のプラグによってトランジスタ(スイッチング素子)に接続されうる。第1電極210は、それが反射電極として用いられる場合には、例えば、クロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金で構成された1又は複数の層を含む電極が採用されうる。また、第1電極210は、それが透明電極として用いられる場合には、例えば、酸化インジウム錫(ITO)又は酸化インジウム亜鉛等の酸化物透明導電層などが採用されうる。ただし、第1電極210は、ここで例示した構造および材料に限定されるものではない。さらに、第1電極210の形成には、公知のフォトリソグラフィ技術が用いられうる。
有機化合物膜211は、少なくとも有機発光膜を含みうる。有機発光膜は、公知の有機発光材料で形成されうる。有機発光膜は、単層で構成されてもよいし、複数の層(例えば、発光層ホスト材料層と、発光材料層との積層)で構成されてもよい。有機発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。発光層ホスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。発光材料は、1種類でもよいし、複数種類のものを含んでもよい。特に、白色の発光を呈する発光層を用い、カラーフィルタと組み合わせると、フルカラー表示を行うことができる。
有機化合物膜211と第1電極210との間、または、有機化合物膜211と第2電極212との間に機能膜が配置されてもよい。機能膜としては、例えば、電荷輸送層、電荷ブロック層が挙げられる。電荷輸送層の材料としては、正孔や電子の移動度が高い材料を用いることができる。また、正孔ブロック層の材料としては、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital;最高占有準位)が深い(真空準位に対してエネルギー的に遠い)材料を用いることができる。一方、電子ブロック層としは、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;最高被占有準位)が浅い(真空準位に対して近い)材料を用いることができる。HOMO、LUMOは、絶対値の大きさに基づいて、高い、低いとも表現することができる。具体的には、HOMOが深いとはHOMOが高いとも表現できる。その他についても同様である。
第1電極210と機能層との界面や、第2電極212と機能層との界面に、電荷注入層が形成されてもよい。電子注入層としては、アルカリ(土類)金属、またはアルカリ(土類)金属化合物の薄膜(5〜10Å)を用いることができる。例えば、フッ化リチウム(LiF)やフッ化カリウム(KF)、酸化マグネシウム(MgO)が好ましい。また、電子注入層として、有機化合物にドナー(電子供与性)ドーパントとして機能する金属または金属化合物が混合された層を用いることができる。電子注入効率を向上させるために仕事関数が低い金属、またはその化合物をドーパントとして用いることが好ましく、仕事関数が低い金属としてはアルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類が好ましい。アルカリ金属化合物は、大気中での取り扱いが比較的容易なため好ましい。例えば、アルカリ金属化合物としてセシウム化合物が好ましく、炭酸セシウムは大気中で安定であり、取り扱いが容易である。電子注入層の有機化合物としては電子輸送性の材料が好ましく、公知の材料、例えばアルミキノリノール錯体やフェナントロリン化合物等を用いることができる。アルカリ金属は水分と反応しやすく、有機化合物と同様に水分から遮断する必要がある。
第2電極212は、光を透過する電極であり、多くの光を利用するために、光透過性が高いことが好ましい。第2電極212として、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛などの透明酸化物導電材料を用いることができる。また、第2電極212として、薄膜の金属電極を用いることができる。例えば、薄膜の金、白金、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウムまたはこれらの合金が好ましい。また、薄膜の金属電極は光の吸収が抑制されることが好ましいため、1nm以上30nm以下の膜厚が好ましい。マグネシウムは水分と反応しやすく、有機化合物と同様に水分から遮断する必要がある。
第1保護膜301および第3保護膜303の形成には、化学気相堆積法(CVD法)またはスパッタリング法等を採用することができるが、特に、プラズマCVD法の採用が好ましい。また、第1保護膜301および第3保護膜303の各々は、窒化シリコン膜および酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含むことが好ましい。CVD法で形成された窒化シリコン膜および酸窒化シリコン膜は、水透過率が低い点で優れている。窒化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との比較においては、窒化シリコン膜の方が酸窒化シリコン膜よりも、水透過率が低く、防湿性に優れている。第1保護膜301および第3保護膜303の形成温度は、高い方が膜中の不純物が少なくなるために防湿性がよくなる。しかし、第1保護膜301および第3保護膜303の形成温度が高すぎると、有機化合物膜211が結晶化するなどの不利益がある。よって、第1保護膜301および第3保護膜303の形成温度は、好ましくは90℃以上130℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下である。
第2保護膜302としては、原子層堆積法(ALD法)を用いて形成された酸化アルミニウム膜が好ましい。一例において、真空に引かれた成膜チャンバーに基板を挿入し、キャリアガスとして窒素を用いて、トリメチルアルミニウム(TMA)ガスをフローし、基板表面にTMAを1分子層吸着させる。その後、キャリアガスのみをフローして、余剰なTMAガスを排気する。次に、同じく窒素をキャリアガスとして、水を供給し、基板表面に吸着したTMAを酸化させる。続いて、キャリアガスのみをフローして余剰な水を排気する。これにより、基板表面に1原子層分の酸化アルミニウム膜が形成される。これを繰り返し、所望の膜厚の酸化アルミニウム膜を形成することができる。ALD法は成膜時間が長いので、タクト時間を短くするために、酸化アルミニウム膜の厚さは、数十nm〜数百nmであることが好ましい。このようなALD法で形成された酸化アルミニウム膜は、凹凸に対する被覆性が極めて高い。
また、第2保護膜302の形成温度は、高い方が膜中の不純物が少なくなるために防湿性がよくなるが、高すぎると有機化合物膜211が結晶化するなどの不利益があるため、好ましくは90℃以上130℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下である。また、第2保護膜302は、プラズマエンハンスドALD法(PEALD法)で形成されてもよい。
また、有機発光装置100の耐湿性を試験するためには、例えば、高温で湿度の高い環境に放置し、発光状態の変化を見ることができる。例としては、60℃で相対湿度90%や85℃で相対湿度85%などの環境を挙げることができる。このような環境下に放置すると、保護構造300に欠陥もしくは透湿性の高い領域があれば、そこから水分が浸透し保護構造300にダメージが与えられうる。そして、水分が保護構造300の下側の第2電極212、有機化合物膜211、第1電極210まで到達すると、正常に発光しない領域(DS)が発生し、著しく表示品位が損なわれうる。本実施形態によれば、高温高湿に対する耐性が改善され、視野角による色度変化も改善された有機発光装置100が提供されうる。
以下、図5を参照しながら本発明の第2実施形態の有機発光装置100について説明する。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。第2実施形態の有機発光装置100では、複数の絶縁体213によって開口部220が画定される他、複数の絶縁体213が凹部901を有する。凹部901は、互いに隣り合う第1電極210の間の領域の上方に位置する凹部を含みうる。有機発光装置100には、種々の理由により、凹部901が生じうる。例えば、第1電極210を構成する材料層の形成およびフォトリソグラフィ技術による該材料層のパターニングにおいて、絶縁体213に凹部901が形成されうる。あるいは、有機化合物膜211を介した副画素間のリーク電流を遮断するために、凹部901が設けられる場合もある。絶縁体213が凹部901を有する場合、その上に形成される有機化合物膜211および第2電極212にも凹部が形成されうる。
図6には、開口部220および凹部901に起因して形成されうる低密度領域が模式的に示されている。第2電極212の上面は、互いに隣り合う第1電極210の間の領域の上方に位置する凹部901に起因して、凹部1021と、凸部1012、1013とを有しうる。凹部1021は、第1斜面1003、第2斜面1004および底面1011を含みうる。また、第2電極212の上面は、複数の絶縁体213によって確定される開口部220に起因して、凹部1022と、凸部1012、1013、1014とを有しうる。凹部1022は、第3斜面1005、第4斜面1006および底面1015を含みうる。
第1保護膜301には、第1斜面1003における下部および底面1011から成長した膜と、第1斜面1003における上部および凸部1012から成長した膜とが会合することによって低密度領域1101(会合部)が形成されうる。また、第1保護膜301には、第2斜面1004における下部および底面1011から成長した膜と、第2斜面1004における上部および凸部1013から成長した膜とが会合することによって低密度領域1102(会合部)が形成されうる。
したがって、第1保護膜301は、互いに隣り合う第1電極210の間の領域の上方に、第2電極212の上面が有する凹部1021に起因する少なくとも2つの低密度領域1101、1102を有しうる。少なくとも2つの低密度領域1101、1102は、第1保護膜301の中において、第2電極212の上面から離れた位置1103で互いに結合して1つの低密度領域1104を形成しうる。少なくとも2つの低密度領域1101、1102の結合によって形成された1つの低密度領域1104は、その元となった低密度領域1101、1102と比べて、幅が広い傾向にある。よって、少なくとも2つの低密度領域1101、1102の結合によって形成された1つの低密度領域1104を終端(閉塞)させるために要する膜厚(位置1103から第1保護膜301の上面までの距離)も大きくなる傾向になる。
第1保護膜301には、第3斜面1005における下部および底面1015から成長した膜と、第3斜面1005における上部および凸部1014から成長した膜とが会合することによって低密度領域1105(会合部)が形成されうる。また、第1保護膜301には、第4斜面1006における下部および底面1015から成長した膜と、第4斜面1004における上部および凸部1012から成長した膜とが会合することによって低密度領域1106(会合部)が形成されうる。
少なくとも2つの低密度領域1101、1102が結合される位置1103は、絶縁体213の凹部901を形成する斜面同士の間の距離Wに依存しうる。尚、凹部901を形成する斜面同士の間の距離とは、それぞれの斜面において高さが半分の点における距離を指すものとする。距離Wが小さくなると、少なくとも2つの低密度領域1101、1102が結合する位置1103が低くなり、結合によって形成される低密度領域1104の上端位置(低密度領域1104が終端される位置)が低くなりうる。逆に、距離Wが大きくなると、少なくとも2つの低密度領域1101、1102が結合する位置1103が高くなり、結合によって形成される低密度領域1104の上端位置(低密度領域1104が終端される位置)が高くなりうる。
以上を考慮して検討した結果、第1保護膜301の厚さは、絶縁体213の凹部901を形成する斜面同士の間の距離W以上であることが望ましく、距離Wの1.5倍以上であることが更に望ましく、距離Wの2倍以上であることがより更に望ましいことが分かった。また、別の観点において、少なくとも2つの低密度領域1101、1102が結合する位置1103と第1保護膜301の上面との距離は、300nm以上であることが好ましく、700nm以上であることが更に好ましい。
上記のような構成は、低密度領域を第1保護膜301の中で終端させるため、換言すると、低密度領域が第1保護膜301の上面に現れないようにするために有利である。低密度領域を第1保護膜301の中で終端させることは、第1保護膜301の上に高品位の第2保護膜302を形成し、これにより第2保護膜302の上に高品位の第3保護膜303を形成するために有利である。一方、低密度領域が第1保護膜301の中で終端せず、第1保護膜301の表面に現れている場合、その部分に穴または線状の欠陥が現れる。よって、この場合、第2保護膜302ではその欠陥を被覆することができない可能性や、第2保護膜302の表面に大きな凹部が形成される可能性がある。
距離Wは、例えば、0.1μm以上1.0μm以下でありうる。ただし、互いに向かい合う2つの斜面間の距離が0.2μm程度以下になると、2つの斜面から延びる低密度領域ではなく、1つの大きな低密度領域が形成される場合もありうる。しかし、このような場合は、比較的低い位置で低密度領域が終端されうる。
一般的に、互いに向かい合う第3斜面1005と第4斜面1006との距離は、互いに向かい合う第1斜面1003と第2斜面1004との距離よりも、かなり大きい。例えば、互いに向かい合う第3斜面1005と第4斜面1006との距離は、例えば、数μmでありうる。したがって、一般的に、第3斜面1005および第4斜面1006から延びる低密度領域1105、1106は、互いに結合されることはなく終端されうる。
上記のような第1保護膜301の厚さの決定は、例えば、斜面の角度が60度以上90度以下である場合や、第2電極212の凹凸の高低差が50nm以上である場合に特に有利である。第2実施形態によっても、高温高湿に対する耐性が改善され、視野角による色度変化も改善された有機発光装置100が提供されうる。
図8には、第1、第2実施形態に代表される有機発光装置100が組み込まれた表示装置150の構成が例示されている。表示装置150は、表示部100’と、表示部100’を駆動する駆動回路110と、駆動回路110を制御する制御部120とを備えうる。駆動回路110は、例えば、水平駆動回路111と、垂直駆動回路112とを含みうる。表示部100’は、前述の有機発光装置100で構成されうる。
表示装置150は、例えば、テレビの表示部、PCモニタ、自動車の表示部、携帯端末の表示部、スマートフォンの表示部、タブレット端末の表示部、マルチファンクションプリンタまたはインクジェットプリンタ等の画像形成装置の表示部として採用されうる。表示装置150には、ポインティングデバイスが組み込まれてもよい。カラーフィルタ層には、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタが設けられうる。カラーフィルタ層には、赤色、緑色、青色のカラーフィルタがデルタ配列で配置されうる。
図9には、第1、第2実施形態に代表される有機発光装置100が組み込まれた撮像装置160の構成が例示されている。撮像装置160は、撮像部(イメージセンサ)161と、撮像部161を制御したり、撮像部161によって撮像された画像を処理したりするプロセッサ162と、画像を表示する表示部163とを備えうる。表示部163は、例えば、図8に例示された表示装置150の構成を有しうる。表示部163は、例えば、撮像部161によって撮像されプロセッサ162によって処理された画像、あるいは、撮像装置160の操作のための情報が表示されうる。撮像装置の概念には、撮像機能を有するあらゆる装置が含まれうる。表示部163は、例えば、デジタルスチルカメラに代表される撮像装置の背面表示部であってもよいし、ビューファインダーであってよいし、その他の部分に設けられた表示部であってもよい。ビューファインダーは、撮像装置のファインダの中に配置されている表示装置であり、表示領域のサイズは、例えば、0.5インチ以下であってよい。
有機発光装置100は、上記の表示装置150および撮像装置160を含むあらゆる電子装置に組み込まれうる。電子装置の概念は、表示装置および撮像装置の他、光を発生するあらゆる装置が含まれうる。
以下、本発明のより具体的な実施例を例示的に説明する。
(第1実施例)
図5を参照しながら第1実施例を説明する。シリコンからなる基板201上に、公知のフォトリソグラフィ技術により、不図示のスイッチング回路や不図示の配線パターン、酸化シリコンからなる無機絶縁膜202を形成した。無機絶縁膜202に不図示のコンタクトホールし、コンタクトホールにプラグを形成した後に、アルミニウムからなる第1電極210を形成した。第1電極210の上に酸化シリコンからなる絶縁膜を形成した後に、該絶縁膜をエッチングして、バンクを構成する絶縁体213を形成した。複数の第1電極210間の絶縁体213は、凹部901を有し、凹部901の斜面の角度は65°、斜面同士の距離は0.7μm、斜面の高さは0.12μmであった。
第1電極210および絶縁体213の上に、蒸着法により有機化合物膜211を形成した。有機化合物膜211は、白色を発するように構成した。電子注入層としては、1nm厚のフッ化リチウム膜を形成した。有機化合物膜211の上には、Agとマグネシウムを1:1の割合で共蒸着し、10nm厚の第2電極212を形成した。蒸着時には、シャドウマスクを用いて、適切なパターンに形成した。
第2電極212の形成後、別のチャンバーで、SiH、N、Hガスを用いたプラズマCVD法により、窒化シリコンからなる第1保護膜301を形成した。第1保護膜301の厚さは、1.5μmとした。次に、第1保護膜301を有する基板を別のチャンバーに移動し、原料ガスとしてTMAと水を用いた原子層堆積法により、第2保護膜302として、100nm厚の酸化アルミニウム膜を形成した。酸化アルミニウム膜の形成の際、基板の温度を110℃に保ち、キャリアガスとして窒素を用いた。そして、キャリアガスへのTMAガスの添加、キャリアガスによるパージ、キャリアガスへの水の添加、キャリアガスによるパージ、からなるサイクルを繰り返えして行った。次に、別のチャンバーで、第1保護膜301と同様にして、窒化シリコンからなる第3保護膜303を形成した。第3保護膜303の厚さは、0.5μmとした。
その後、第3保護膜303の上に、平坦化膜401、カラーフィルタ層500(501、502、503)、平坦化膜402を順に形成した。その後、不図示のパッド電極上の保護構造300を除去して、有機発光装置100を得た。
不図示の電圧印加回路を不図示のパッド電極に接続し、有機発光装置100の表示の確認を行った。色ごとに副画素を発光させて、正面方向と25°方向での色度を比較したが、色度差は小さく、視野角特性は良好であった。また、温度85℃、相対湿度85%の環境で1000時間の保管試験(8585試験)を行ったが、ダークスポットの発生は抑えられ、良好な耐湿性が得られた。
(第2実施例)
第1保護膜301の厚さを1.00μmとした他は、第1実施例と同様にして有機発光装置100を得た。得られた有機発光装置100について、第1実施例と同様にして、視野角特性および耐湿性を確認したが、どちらも良好であった。
(第3実施例)
第3保護膜303の厚さ0.25μmとした他は、第1実施例と同様にして有機発光装置100を得た。得られた有機発光装置100について、第1実施例と同様にして、視野角特性および耐湿性を確認したが、どちらも良好であった。
(第4実施例)
第2保護膜302の厚さを0.05μmとした他は、第1実施例1と同様にして有機発光装置100を得た。得られた有機発光装置100について、第1実施例と同様にして、視野角特性および耐湿性を確認したが、どちらも良好であった。
(比較例1)
第1保護膜301の厚さを0.5μmとした他は、第1実施例と同様にして有機発光装置100を得た。得られた有機発光装置100について、第1実施例と同様にして、視野角特性および耐湿性を確認した。視野角特性は良好であったが、保管試験(8585試験)を1000時間行った後にはダークスポットが多数発生していた。
200:有機発光素子アレイ、201:基板、202:無機絶縁層、210、第1電極、211:有機化合物膜、212:第2電極、213:絶縁体、300:保護構造、301:第1保護膜、302:第2保護膜、303:第3保護膜、100:有機発光装置

Claims (19)

  1. 基板の上に配置された有機発光素子アレイと、前記有機発光素子アレイを覆う保護構造とを有する有機発光装置であって、
    前記保護構造は、第1保護膜と、前記第1保護膜を覆う第2保護膜と、前記第2保護膜を覆う第3保護膜とを含み、前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、無機物で構成され、
    前記第1保護膜の厚さは、前記第3保護膜の厚さの2倍以上である、
    ことを特徴とする有機発光装置。
  2. 前記第1保護膜および前記第3保護膜は、水分に対する耐性が前記第2保護膜よりも優れていて、前記第2保護膜は、下地に対する被覆性が前記第1保護膜および前記第3保護膜よりも優れている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 前記第1保護膜は、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含み、前記第2保護膜は、酸化アルミニウム膜を含み、前記第3保護膜は、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機発光装置。
  4. 前記保護構造の厚さが1.6μm以上3.0μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  5. 前記有機発光素子アレイは、互いに離隔して配列された複数の第1電極と、前記複数の第1電極のうち隣り合う第1電極の間にそれぞれ配置された複数の絶縁体と、前記複数の第1電極および前記複数の絶縁体を覆う有機化合物膜と、前記有機化合物膜を覆う第2電極と、を含み、
    各絶縁体は、前記第1電極の端部の上面を覆うように配置され、前記第1保護膜の厚さは、互いに隣り合う前記絶縁体の間隔と同じであるか、前記間隔より大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  6. 前記第1保護膜の厚さは、前記間隔の1.5倍以上であり、
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機発光装置。
  7. 前記第1保護膜の厚さは、前記間隔の2倍以上であり、
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機発光装置。
  8. 前記第2電極は、前記第1電極と前記第1電極と互いに隣り合う第1電極との間の領域に凹部を有し、前記第1保護膜は、前記凹部に起因する少なくとも2つの低密度領域を有し、前記少なくとも2つの低密度領域は、前記第1保護膜の中における前記第2電極の表面から離れた位置で互いに結合し、前記位置と前記第1保護膜の上面との距離が300nm以上である、
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  9. 前記第2保護膜は、原子層堆積法で形成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  10. 前記第2保護膜の密度は、前記第1保護膜の密度より大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  11. 前記保護構造の上にカラーフィルタを更に含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  12. 前記カラーフィルタの上に平坦化膜を更に含む、
    ことを特徴とする請求項11に記載の有機発光装置。
  13. 画像を表示する表示部として構成された請求項1乃至12のいずれか1項に記載の有機発光装置と、
    前記表示部を駆動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  14. 撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された画像を処理するプロセッサと、
    前記プロセッサによって処理された画像を表示するように構成された請求項13に記載の表示装置と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  15. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の有機発光装置と、
    前記有機発光装置を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする電子装置。
  16. 基板の上に配置された有機発光素子アレイの上にCVD法またはスパッタリング法によって第1保護膜を形成する第1工程と、
    前記第1保護膜の上に原子層堆積法によって第2保護膜を形成する第2工程と、
    前記第2保護膜の上にCVD法またはスパッタリング法によって第3保護膜を形成する第3工程と、を含み、
    前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、無機物で構成され、
    前記第1保護膜の厚さは、前記第3保護膜の厚さの2倍以上である、
    ことを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  17. 前記第1保護膜および前記第3保護膜は、水分に対する耐性が前記第2保護膜よりも優れていて、前記第2保護膜は、下地に対する被覆性が前記第1保護膜および前記第3保護膜よりも優れている、
    ことを特徴とする請求項16に記載の有機発光装置の製造方法。
  18. 前記第1保護膜は、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含み、前記第2保護膜は、酸化アルミニウム膜を含み、前記第3保護膜は、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項16又は17に記載の有機発光装置の製造方法。
  19. 前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜の合計の厚さが1.6μm以上3.0μm以下である、
    ことを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の有機発光装置の製造方法。
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