JP2019162729A - 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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一彦 渡辺
藤田 貴史
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貴史 藤田
康之 山下
Yasuyuki Yamashita
康之 山下
紀一 鴨田
Kiichi KAMODA
紀一 鴨田
田元 望
Nozomi Tamoto
望 田元
啓 斎藤
Hiroshi Saito
啓 斎藤
仁 岩附
Hitoshi Iwatsuki
仁 岩附
泰禎 設楽
Yasusada Shidara
泰禎 設楽
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Yuya Endo
雄也 遠藤
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Kazufumi Kimura
和史 木村
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慎之介 腰塚
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Abstract

【課題】各層間の密着性を高めて、空隙の発生を防ぎ、造形物の積層方向の強度が向上した立体造形物を製造できる立体造形物の製造装置の提供。【解決手段】粉体層を形成する層形成手段と、前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、を備え、前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行う立体造形物の製造装置である。【選択図】図5A

Description

本発明は、立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法に関する。
粉末積層造形法は、粉末状の材料に対し、レーザーなどの電磁照射源による融解やバインダー樹脂による接着で一層ずつ一体化させて層状造形物を造形し、その層状造形物を積層して立体造形物を製造する方法である。
電磁照射源による方法としては、例えば、選択的にレーザー光を粉末材料に照射することにより粉末材料を融解して一体化させ、立体造形物を製造するSLS(Selective Laser Sintering)方式などが知られている。一方、バインダー樹脂による方法としては、例えば、バインダー樹脂を含むインクをインクジェット等の方法により粉末材料に吐出して一体化させ、立体造形物を製造するバインダージェット(Binder Jetting)方式などが知られている。
これらの方式において、立体造形物の品質を向上させるために様々な提案がされている。例えば、造形物の積層方向の強度を向上させるため、造形ステージに向けて造形材料を吐出することによって、造形材料層を形成する吐出部と、吐出部により形成された造形材料層の表面を平滑化する平滑化部と、平滑化部により平滑化された造形材料層の少なくとも表面の硬化を進める硬化処理を行う硬化部と、硬化部の硬化処理により硬化の進んだ造形材料層の表面を粗面化する粗面化部とを備える三次元造形装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、各層間の密着性を高めて、空隙の発生を防ぎ、造形物の積層方向の強度が向上した立体造形物を製造できる立体造形物の製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する層形成手段と、前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、を備え、前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行う。
本発明によると、各層間の密着性を高めて、空隙の発生を防ぎ、造形物の積層方向の強度が向上した立体造形物を製造できる立体造形物の製造装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の一例を示す概略平面図である。 図2は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の造形物の一例を示す概略断面図である。 図3は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の制御部の一例を示すブロック図である。 図4Aは、第1の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図4Bは、第1の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図4Cは、第1の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図4Dは、第1の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図4Eは、第1の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図5Aは、第1の実施形態の層形成手段としてのブレードを用いて粉体層に凹凸を形成する状態を示す図である。 図5Bは、凹凸を付与した後の粉体層を造形槽の上方から見た図である。 図6Aは、N−1層上にN層を積層し、N層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態を示す図である。 図6Bは、凹凸を付与したN層に対し粉体接着手段により接着させて、N層に凹凸形状を形成した状態を示す図である。 図6Cは、N層上にN+1層を積層し、N+1層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態を示す図である。 図7は、第1の実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の一例を示す図である。 図8は、第1の実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の他の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の他の一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の他の一例を示す図である。 図11は、比較実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の一例を示す図である。 図12は、比較実施形態におけるN層上に層形成手段としての表面に凹凸を有するブレードの凹凸面を当接させた状態の他の一例を示す図である。 図13Aは、第2の実施形態の層形成手段としてのローラを用いて粉体層に凹凸を形成する状態を示す図である。 図13Bは、ローラ表面の凹凸の種類を示す図である。 図13Cは、第2の実施形態の層形成手段としての表面に凹凸を有するローラの断面形状の一例を示す図である。 図13Dは、第2の実施形態の層形成手段としての表面に凹凸を有するローラの断面形状の他の一例を示す図である。 図13Eは、第2の実施形態の層形成手段としての表面に凹凸を有するローラの断面形状の他の一例を示す図である。 図13Fは、第2の実施形態の層形成手段としての表面に凹凸を有するローラの断面形状の他の一例を示す図である。 図14Aは、第3の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図14Bは、第3の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図14Cは、第3の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図14Dは、第3の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図14Eは、第3の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Aは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Bは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Cは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Dは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Eは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Fは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図15Gは、第4の実施形態の立体造形の流れの一例を説明する説明図である。 図16Aは、第4の実施形態により粉体層に形成された凹凸を示し、最終層の1層前の層に凹凸付与された粉体層表面を示す図である。 図16Bは、第4の実施形態により粉体層に形成された凹凸を示し、凹凸が付与された粉体層表面に、最終層を積層し平滑層形成手段で平滑層を形成する状態を示す図である。 図16Cは、第4の実施形態により粉体層に形成された凹凸を示し、最表面(造形物の最表層)が平滑であることを示す図である。 図16Dは、平滑化を行わないと、最表層が凹凸の造形物になってしまうことを示す図である。 図17Aは、2つの粗面化手段を垂直に配置して粉体層に凹凸を付与する状態を示す図である。 図17Bは、2つの粗面化手段を90度より小さい角度で配置して粉体層に凹凸を付与する状態を示す図である。 図18Aは、第6の実施形態の立体造形物の製造装置における粗面化手段の一例を示す概略図である。 図18Bは、凹凸を付与した後の粉体層を造形槽の上方から見た図である。 図18Cは、図18BのA部分の拡大図であり、柱状粉末が整列している状態を示す図である。 図18Dは、図18Cの断面図である。 図18Eは、柱状ではない粒子の一例として略球形の粒子を用いた場合の積層状態を示す図である。 図19は、粉体層表面に対して、レーザー強度を変えて焼結強度が異なる部分を作製し、最表面に凹凸を形成する方法を示す図である。 図20Aは、粉体層表面に対して、エアー吐出強度を変化させることにより、平滑層表面の粉末を吹き飛ばし、最表面に凹凸を形成する方法を示す図である。 図20Bは、図20Aの方法により最表面に凹凸を形成した状態を示す図である。 図21Aは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ25μm)を形成する状態を示し、層形成部材に凸形状を設けない例を示す図である。 図21Bは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ25μm)を形成する状態を示し、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を50μmとした例を示す図である。 図21Cは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ25μm)を形成する状態を示し、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を100μmとした例を示す図である。 図21Dは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ25μm)を形成する状態を示し、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を86.6μmとした例を示す図である。 図22Aは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ50μm)を形成する状態を示し、層形成部材に凸形状を設けない例を示す図である。 図22Bは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ50μm)を形成する状態を示し、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を50μmとした例を示す図である。 図22Cは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ50μm)を形成する状態を示し、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を100μmとした例を示す図である。 図22Dは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ50μm)を形成する状態を示し、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を200μmとした例を示す図である。 図22Eは、粉体粒子径が5μmのときの層形成部材に凸形状(凸高さ50μm)を形成する状態を示し、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を173.2μmとした例を示す図である。
(立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法)
本発明の第1の形態の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する層形成手段と、粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、を備え、粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行い、更に必要に応じてその他の手段を備える。
本発明の第1の形態の立体造形物の製造方法は、粉体層を形成する層形成工程と、粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、を含み、粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行い、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の第2の形態の立体造形物の製造装置は、平滑な粉体層を形成する平滑層形成手段と、粉体層表面を粗面化する粗面化手段と、平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、を備え、更に必要に応じてその他の手段を備える。
本発明の第2の形態の立体造形物の製造方法は、平滑な粉体層を形成する平滑層形成工程と、粉体層表面を粗面化する粗面化工程と、平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の第1及び第2の形態の立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法は、従来技術では、レーザーを照射して一層分の樹脂を融解させ、次に、造形ステージを一層分下げ、その上に粉末を供給するという積層方法だけでは、粒子間の空隙が多くなり、造形物に空隙が生じやすく、積層方向の密着強度が低くなってしまうという知見に基づくものである。
したがって、本発明の第1及び第2の形態の立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法は、粉体供給部から造形槽に粉末を送る際に、粉末の供給部材表面に凹凸を設けることによって、造形槽に形成される粉末材料表面に凹凸を設ける。それにより、次の層との境界面は凹凸によって結合されるため、平面で結合する場合に比べて、各層間の密着性を高めて、空隙の発生を防ぎ、積層方向の密着強度の低下を防ぐことができる。
(第1の形態の立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法)
<層形成工程及び層形成手段>
層形成工程は、粉体層を形成する工程であり、層形成手段により実施される。
本発明においては、層形成手段を用いて粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行う。
粗面化動作としては、層形成手段が凹凸形状を備え、層形成手段の凹凸形状を接触させることにより、粉体層表面を粗面化する。
粉体層の表面を粗面化する層形成手段としては、粉体層表面に接触して粗面化する接触式粗面化手段、及び粉体層表面に対して非接触で粗面化する非接触式粗面化手段のいずれでもよい。
接触式粗面化手段としては、粉体層の表面との接触部に凹凸を備えたブレード、粉体層の表面との接触部に凹凸を備えたローラなどが挙げられる。
ブレードの形状、大きさ、材質、及び構造については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ブレードの形状としては、例えば、平板状、矩形状、丸棒状などが挙げられる。
ブレードの材質としては、例えば、金属、樹脂、セラミックスなどが挙げられる。
金属としては、例えば、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、又はこれらの合金などが挙げられる。
樹脂としては、例えば、ABS樹脂、FRP、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポロプロピレン樹脂などが挙げられる。
セラミックスとしては、例えば、二酸化ケイ素、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどが挙げられる。
ブレードへの凹凸の形成方法としては、特に制限はなく、ブレードの材質などに応じて適宜選択することができ、例えば、切削加工、エッチング処理、レーザー加工、リソグラフィー、ナノインプリントなどが挙げられる。
ローラの形状、大きさ、材質、構造については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ローラの材質としては、例えば、金属、樹脂、セラミックス、エラストマーなどが挙げられる。
金属としては、例えば、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、又はこれらの合金などが挙げられる。
樹脂としては、例えば、ABS樹脂、FRP、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポロプロピレン樹脂などが挙げられる。
セラミックスとしては、例えば、二酸化ケイ素、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどが挙げられる。
エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種熱可塑性エラストマー、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴムエチレン−プロピレンゴム等の合成ゴムや天然ゴムなどが挙げられる。
ローラへの凹凸の形成方法としては、特に制限はなく、ローラの材質などに応じて適宜選択することができ、例えば、切削加工、エッチング処理、レーザー加工、リソグラフィー、ナノインプリントなどが挙げられる。
非接触式粗面化手段としては、エアー吐出部材のエアー吐出量を変化させることにより前記粉体層表面を粗面化する手段、粉体接着手段の接着力を変化させることにより粉体層表面を粗面化する手段などが挙げられる。
粉体層に対してレーザー強度を変えてレーザー光照射することにより最表面に凹凸を形成する方法は、レーザーの強度を変えて照射することで焼結強度が異なる部分を作製することができる。この方法は、接触式粗面化手段に比べて、凹凸付与の自由度が高いという利点がある。
粉体層に対してエアー吐出強度を変えてエアーを吐出する方法は、エアーにより平滑層表面の粉末を吹き飛ばし、最表面に凹凸を形成する。この方法は、接触式粗面化手段に比べて凹凸付与の自由度が高いという利点がある。
層形成手段に設けられる凹凸は、層形成手段の基材の表面に、複数の凸部が所定の間隔で形成されてなる。
凸部の断面形状は、特に制限はなく、任意の形状を選択することができ、例えば、三角形、半円、矩形などが挙げられる。
ここで、図21A〜図22Eを参照して、層形成部材131(及び粗面化手段133)に設ける凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチについて説明する。層形成部材131(及び粗面化手段133)に設ける凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチは、使用する粉体の平均粒子径によって異なる。
粉体の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。
以下、粉体粒子径が5μm、50μm、100μm、200μmの場合について順次説明する。
<<粉体粒子径が5μmの粒子を用いた場合の凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチ>>
粉体粒子径が約5μmの粒子を用いた場合に、層形成部材131(及び粗面化手段133)に設ける凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチについて説明する。
積層ピッチに対して、凸部の高さは小さいことが好ましく、積層ピッチに対して、凸部の高さは50%程度がより好ましい。これは、既に粒子結合手段によって結合しているN−1層に対して、凸部による粗面化処理が悪影響を及ぼさないためである。具体的には、凸部がN−1層に対して、結合を破壊したり、層を歪ませたりすることを防ぐことが好ましい。
例えば、積層ピッチを100μmとした場合、凸部を設けた層形成部材131(及び粗面化手段133)による凸部の高さは50μm程度が好ましい。
例えば、積層ピッチに対して、凸部の高さが100μm以上であれば、N−1層を直接凸部が摺擦し、また、えぐったりすることにより結合済みの層を乱すことになる。
また、凸部の高さが80μmであっても、凸部がN−1層には直接触れないものも、N−1層との間に介在する未結合の粒子が少なく、凸部の摺擦の影響を受けてN−1層を乱すことになる。
一方、凸部の高さが50μmの場合には、凸部とN−1層の間に介在する未結合の粒子が十分に存在するため、凸部による摺擦の影響はなく、N−1層を乱すことなく凹凸を付与することができる。
以下には、粉体粒子径が約5μmの粉体粒子を用いた場合に層形成部材131(及び粗面化手段133)に設ける凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチの例を示す。
まず、層形成部材131において、凸高さを25μmとする場合について説明する。
比較のため、図21Aには層形成部材に凹凸を設けない場合を示している。
図21Bは、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を50μmとした例を示している。
使用する粉体粒子径に対して約5倍程度の凸部高さを設けており、接触面積は凸部を設けない場合に対して1.41倍(41%増加)に増やすことができる。
一方、図21Cでは、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を100μmとした例を示している。接触面積は凸部を設けない場合に対して1.12倍(12%増加)にとどまる。また、図21Dでは、凸部高さを25μm、凸部頂点間距離を86.6μmとした例を示している。接触面積は凸部を設けない場合に対して1.15倍(15%増加)にとどまる。特に、図21C及び図21Dの例は接触面積の増加率が特願2016−143730号明細書と同レベルであり、Z方向強度アップの効果はあるものの、図21Bの例に比べて効果が十分ではない。
次に、層形成部材131において、凸高さを50μmとする場合について説明する。
比較のため、図22Aには、層形成部材に凹凸を設けない場合を示している。
図22Bは、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を50μmとした例を示している。
使用する粉体粒子径に対して約10倍程度の凸部高さを設けており、接触面積は凸部を設けない場合に対して2.24倍(124%増加)に増やすことができる。
図22Cは、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を100μmとした例を示している。
使用する粉体粒子径に対して約10倍程度の凸部高さを設けており、接触面積は凸部を設けない場合に対して1.41倍(41%増加)に増やすことができる。
一方、図22Dでは、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を200μmとした例を示している。接触面積は凸部を設けない場合に対して1.12倍(12%増加)にとどまる。また、図22Eでは、凸部高さを50μm、凸部頂点間距離を173.2μmとした例を示している。接触面積は凸部を設けない場合に対して1.15倍(15%増加)にとどまる。特に、図22D及び図22Eの例は接触面積の増加率が特願2016−143730号明細書と同レベルであり、Z方向強度アップの効果はあるものの、図22B及び図22Cの例に比べて効果が十分ではない。
以上のように、粉体粒子径が約5μmの粉体を用いる場合、積層ピッチは100μm(粒子径の約20倍)、凸部高さは25μm以上50μm以下(粒子径の約5倍以上約10倍以下)が好ましい。
また、凸部頂点間距離は50μm以上173.2μm未満(凸部高さの約1倍以上3.46倍未満)が好ましく、凸部頂点距離は50μm以上100μm以下(凸部高さの約1倍以上2倍以下)が更に好ましい。
次に、粉体粒子径50μm、100μm、200μmの粉体粒子を用いた場合に層形成部材131(及び粗面化手段133)に設ける凸部の高さ、及び凸部頂点間ピッチの例を示す。
粉体粒子径5μmの場合に例を示したように、積層ピッチは粉体粒子径の約20倍が好ましく、凸部高さは粉体粒子径の約5倍以上約10倍以下が好ましい。
また、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満が好ましく、凸部高さの約1倍以上2倍以下がより好ましい。
従って、各粉体粒子径における凸部の高さ、凸部頂点間ピッチは以下に示すとおりである(図は省略する)。
<<粉体粒子径50μmの場合>>
積層ピッチは1,000μm、凸部高さは250μm以上500μm以下が好ましい。
また、凸部の高さ250μm以上500μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径100μmの場合>>
積層ピッチは2,000μm、凸部高さは500μm以上1,000μm以下が好ましい。また、凸部の高さ500μm以上1,000μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径200μmの場合>>
積層ピッチは4,000μm、凸部高さは1,000μm以上2,000μm以下が好ましい。
また、凸部の高さ1,000μm以上2,000μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<粉体接着工程及び粉体接着手段>
粉体接着工程は、粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる工程であり、粉体接着手段により実施される。
粉体接着手段としては、粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SLS(Selective Laser Sintering)方式、バインダージェット(Binder Jetting)方式などが挙げられる。
SLS方式とは、選択的にレーザー光などのエネルギーを粉体(粉末)材料に照射することにより粉末材料を融解して一体化させ、立体造形物を製造する方式である。
バインダージェット方式とは、バインダー樹脂を含むインクをインクジェット等の方法により粉末材料に吐出して一体化させ、立体造形物を製造する方式である。
SLS方式で用いられる造形手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。SLS方式の造形手段としては、例えば、電磁照射源、及び粉末材料を層状に供給できる機構を組み合わせたものなどが挙げられる。
電磁照射源としては、例えば、COレーザー、赤外照射源、マイクロウエーブ発生器、放射加熱器、LED(Light Emitting Diode)ランプなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
バインダージェット方式で用いられる造形手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。バインダージェット方式の造形手段としては、例えば、インクジェット方式の吐出ヘッド、及び粉末材料を層状に供給できる機構を組み合わせたものなどが挙げられる。
<<SLS方式で用いられる造形用材料>>
SLS方式で用いられる造形用材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉体(粉末)材料などが挙げられる。
粉末材料としては、造形物の強度アップの点から柱状形状であることが好ましい。
柱状形状が好ましい理由について、以下に説明する。
図18Cは柱状粒子を用いた場合積層状態を示している。図18Dは図18Cの断面図である。図18Eは柱状ではない粒子の一例として略球形の粒子を用いた場合の積層状態を示している。
図18Cに示すように、柱状形状の粒子を用いた場合、凹凸を設けたブレード状部材で層をこするので、ブレードが移動するX方向に柱状粉末が整列する。そのため、粒子間の接触面積は、図18Eに示すような柱状でない粒子を用いた場合に比べてX方向、Y方向、Z方向で増加することにより、Z方向の強度が向上すると共に、X方向、Y方向の強度も向上する。
SLS方式で用いられる粉末材料は、結晶性熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂とは、熱可塑性を有する結晶性樹脂を意味し、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)の測定した場合に、融解ピークを有するものを意味する。
結晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール(POM、融点:175℃)、ポリイミド、フッ素樹脂等のポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP、融点:180℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66、融点:265℃)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12);半芳香族性のポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T、融点:300℃)、ポリアミド10T(PA10T)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブタジエンテレフタレート(PBT、融点:218℃)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与するため一部テレフタル酸やイソフタル酸が入った芳香族を含むポリエステルが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、融点:343℃)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粉末材料の融点としては、特に限定されないが、100℃以上が好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが特に好ましい。なお、融点は、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JISK7121)に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができる。
粉末材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。
粉末材料の体積平均粒径/個数平均粒径(Mv/Mn)は、造形精度向上やリコート性向上の点から、2.00以下が好ましく、1.50以下がより好ましく、1.20以下が特に好ましい。なお、50%累積体積粒径やMv/Mnは、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、microtrac MT3300EXII)を用いて測定することができる。
粉末材料としては、任意の流動化剤、粒度化剤、強化剤等を含有していてもよい。
<<BJ方式で用いられる造形用材料>>
バインダージェット方式で用いられる造形用材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉体(粉末)材料、結合剤などが挙げられる。
粉末材料としては、造形物の強度アップの点から柱状形状であることが好ましい。
柱状形状が好ましい理由について、以下に説明する。
図18Cは柱状粒子を用いた場合、図18Eは柱状ではない粒子の一例として略球形の粒子を用いた場合の積層状態を示している。
柱状形状の粒子を用いた場合、凹凸を設けたブレード状部材で層をこするので、ブレードが移動するX方向に柱状粉末が整列する(図18C)。
そのため、粒子間の接触面積は、柱状でない粒子を用いた場合に比べてX方向、Y方向、Z方向で増加することにより、Z方向の強度が向上すると共に、X方向、Y方向の強度も向上する。
バインダージェット方式で用いられる粉末材料としては、水溶性有機材料で被覆された基材を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有することが好ましい。
基材としては、粉末乃至粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、金属、セラミックス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料などが挙げられる。これらの中でも、高強度な立体造形物を得る観点からは、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスなどが好ましい。
金属としては、例えば、ステンレス(SUS)鋼、鉄、銅、チタン、銀などが好適に挙げられ、該ステンレス(SUS)鋼としては、例えば、SUS316Lなどが挙げられる。
セラミックスとしては、例えば、金属酸化物などが挙げられ、具体的には、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などが挙げられる。
カーボンとしては、例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、水に不溶な公知の樹脂などが挙げられる。
木材としては、例えば、ウッドチップ、セルロースなどが挙げられる。
生体親和材料としては、例えば、ポリ乳酸、リン酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
基材の平均粒子径としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1μm以上500μm以下が好ましく、5μm以上300μm以下がより好ましく、15μm以上250μm以下が更に好ましい。
平均粒子径が、0.1μm以上500μm以下であると、立体造形物の製造効率に優れ、取扱性やハンドリング性が良好である。平均粒子径が、500μm以下であると、該粉末材料を用いて薄層を形成した際に、該薄層における該粉末材料の充填率が向上し、得られる立体造形物に空隙等が生じ難い。
基材の平均粒子径は、公知の粒径測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)、などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
基材の粒度分布としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
水溶性有機材料としては、水に溶解し、架橋剤の作用により架橋可能な性質を有するものであれば、換言すれば、水溶性であって前記架橋剤によって架橋可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉末材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。
体積平均粒子径が3μm以上であると、粉末材料の流動性が向上し、粉末材料層が形成しやすく積層表面の平滑性が向上するため、造形物の製造効率の向上、取り扱いやハンドリング性が向上すると共に寸法精度が向上する傾向にある。また、平均粒子径が250μm以下であると、粉末材料粒子同士の空間の大きさが小さくなるため、造形物の空隙率が小さくなり、強度の向上に寄与する。したがって、体積平均粒子径3μm以上250μm以下が、寸法精度と強度を両立させるのに好ましい範囲となる。
粉末材料の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
バインダージェット方式で用いられる結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性有機材料と架橋する架橋剤、及び水性媒体を含有するものが挙げられる。
水性媒体としては、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられる。これらの中でも、水が好ましい。なお、水性媒体としては、水がアルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
架橋剤としては、水溶性有機材料を架橋可能な性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属塩、金属錯体、ジルコニア系架橋剤、チタン系架橋剤、水溶性有機架橋剤、キレート剤などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
制御工程は、各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
制御手段としては、各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
(第2の形態の立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法)
<平滑層形成工程及び平滑層形成手段>
平滑層形成工程は、平滑な粉体層を形成する工程であり、平滑層形成手段により実施される。
平滑層形成手段がブレード形状であり、粉体層の表面との接触部が平滑であることが好ましい。
平滑層形成手段がローラ形状であり、粉体層の表面との接触部が平滑であることが好ましい。
ブレード及びローラについては、粉体層の表面の接触部に凹凸を有する点以外は、第1の形態の接触式粗面化手段におけるブレード及びローラと同様である。
<粗面化工程及び粗面化手段>
粗面化工程は、粉体層表面を粗面化する工程であり、粗面化手段により実施される。
粗面化手段としては、第1の実施形態における粗面化動作を行う層形成手段と同様であるため、その説明を省略する。
粗面化手段を複数備え、複数の粗面化手段の移動方向は、互いに角度をもって移動することが、層と層の間の接触面積を増やし、Z方向強度を高める点から好ましい。
<粉体接着工程及び粉体接着手段>
粉体接着工程は、平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかの選択された領域の粉体同士を接着させる工程であり、粉体接着手段により実施される。
粉体接着手段としては、第1の形態における粉体接着手段と同様であるため、その説明を省略する。
平滑層形成手段による平滑化及び粗面化手段による粗面化が、造形物の形状データに基づき、各々オンオフの切り替えを行うことが、造形物の表面精度低下を防ぎ、平滑性を維持できる点と、不要な動作による生産性低下を防ぐ点から好ましい。
例えば、造形物の最表層となる箇所は、強度アップ目的で凹凸を付与する必要はなく、むしろ、凹凸付与動作を行ってしまうと、造形物の最表層に不要な凹凸ができ、最表面の平滑性が損なわれる。そこで、凹凸付与が必要のない場所には、凹凸付与動作を行わないことにより、不要な凹凸付与による表面精度低下を防ぐ。或いは、造形物の最表層となる箇所で、凹凸付与後に平滑化を行うことで、不要な凹凸をなくし、造形物の表面の平滑性を得ることができる。
また、凹凸を設けない箇所には凹凸付与動作を行わないことで生産性が向上できる。或いは、造形物に凹凸を設けたくない箇所に凹凸を付与し、後から平滑化するということも回避でき、生産性が向上できる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程及びその他の手段としては、第1の形態におけるその他の工程及びその他の手段と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、本発明の立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略平面図である。この第1の実施形態の立体造形物の製造装置は、造形部1と、造形ユニット5とを備える。造形部1は、粉体(粉末)が結合された層状造形物が形成される。造形ユニット5は、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層に造形液(バインダー)を吐出して立体造形物を造形する。なお、造形液の吐出の代わりに粉体層にレーザー照射を行ってもよい。
まず、造形部1の詳細について図2を用いて説明する。ここで、X方向とは図1における左右方向であり、Y方向は図1における上下方向である。Z方向とは、図2における上下方向(図1における表裏方向)である。図2は造形部1の要部をX方向から見た断面図である。
図1及び図2に示すように、造形部1は、粉体槽11を有する。粉体槽11は、供給槽21と、造形槽22と、層形成手段131と、余剰粉体受け槽29とを備える。
供給槽21は、造形槽22に供給する粉体20を保持する。供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。
造形槽22は、層状造形物30が積層されて立体造形物が造形される。造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっており、造形ステージ24上に層状造形物30が積層された立体造形物が造形される。
余剰粉体受け槽29は、粉体層を形成するときに、層形成手段131によって移送供給される粉体20のうち、粉体層を形成しないで落下する余剰の粉体を溜める。余剰粉体受け槽29の底面は、粉体20を吸引する機構が備えられた構成や、余剰粉体受け槽29が簡単に取り外せるような構成となっている。
供給ステージ23は、モータによって矢印Z方向(高さ方向)に昇降され、造形ステージ24は、モータによって矢印Z方向に昇降される。
層形成手段131は粉体層を形成する。より具体的には、層形成手段131としてのブレードは、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に移送し、粉体20を敷いて粉体層31を形成する。
層形成手段131としてのブレードは、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構によって移動される。
ここで、層形成手段131としてのブレードは、図5Aに示すように、粉体層に接する面が凹凸を有している。この層形成手段131としてのブレードの移動により粉体層に凹凸が形成される。
積層ピッチは粒子径の20倍、凸部高さは粒子径の5倍以上10倍以下が好ましい。また、凸部頂点間距離は凸部高さの1倍以上3.46倍未満が好ましく、更には凸部高さの1倍以上2倍以下が好ましい。
粉体粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。
従って、各粒子径における凸部の高さ、凸部頂点間ピッチは以下に示すとおりである(図は省略する)。
<<粉体粒子径3μmの場合>>
積層ピッチは60μm、凸部高さは15μm以上30μm以下が好ましい。また、凸部の高さ15μm以上30μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径5μmの場合>>
積層ピッチは100μm、凸部高さは25μm以上50μm以下が好ましい。また、凸部の高さ25μm以上50μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径10μmの場合>>
積層ピッチは200μm、凸部高さは50μm以上100μm以下が好ましい。また、凸部の高さ50μm以上100μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径85μmの場合>>
積層ピッチは1,700μm、凸部高さは425μm以上850μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径150μmの場合>>
積層ピッチは3,000μm、凸部高さは750μm以上1,500μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径200μmの場合>>
積層ピッチは4,000μm、凸部高さは1,000μm以上2,000μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径250μmの場合>>
積層ピッチは5,000μm、凸部高さは1,250μm以上2,500μm以下が好ましい。また、凸部の高さ1,250μm以上2,500μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
次に、造形ユニット5の構成について説明する。図2に示すように、造形ユニット5は粉体接着手段50として液体吐出ユニットを備えている。液体吐出ユニットは、造形ステージ24上の粉体層31に造形液を吐出する。
粉体接着手段50としての液体吐出ユニットは、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1つ又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査機構550を構成するX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、造形液10を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ2列配置されている。一方のヘッド52aの2つのノズル列は、層形成手段131としてのブレードによって凹凸が形成された粉体層31に、シアン造形液及びマゼンタ造形液を吐出する。他方のヘッド52bの2つのノズル列は、層形成手段131としてのブレードによって凹凸が形成された粉体層31に、イエロー造形液及びブラック造形液を吐出する。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するZ方向昇降機構551によってZ方向に昇降される。
図1に示すように、造形ユニット5は、メンテナンス機構61を備える。メンテナンス機構61は、X方向の一方側に備えられ、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行う。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63で構成される。キャップ62は、ヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着し、ノズルから造形液10を吸引する。ノズルに詰まった粉体20の排出や高粘度化した造形液10を排出するためである。
ワイパ63は、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形液10の吐出が行われない場合に、ヘッド52のノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
更に、造形ユニット5は、スライダ部72を有する。スライダ部72は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されており、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。
この造形ユニット5は、後述するY方向走査機構552によって全体がY方向に往復移動される。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
図2に示すように、粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽29の3つの上面が開放された槽とを備えている。供給槽21内部に供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
図5Aに示すように、層形成手段131としての表面に凹凸を有するブレードを粉体層に接触させ、図5A中矢印方向に移動することにより、図5Bに示すように粉体層に凹凸が形成される。なお、図5Bは、凹凸を付与した後の粉体層を造形槽22の上方から見た図である。
図6A〜図6Cは、層形成手段131としての表面に凹凸を有するブレードを用いた粗面化による積層の流れを示す図である。
図6Aは、造形材料層(N−1)層上に造形材料層(N層)を積層し、造形材料層(N層)上に層形成手段131としてのブレードの凹凸面を当接させた状態を示す図である。
図6Bは、凹凸を付与した造形材料層(N層)に対し粉体接着手段50により接着させて、造形材料層(N層)に凹凸形状を形成した状態を示す図である。
図6Cは、造形材料層(N層)上に造形材料層(N+1層)を積層し、造形材料層(N+1層)上に層形成手段131としてのブレードの凹凸面を当接させた状態を示す図である。
ここで、図7は、本発明の第1の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.41倍であり、約41%増加した。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは50μmであり、表面積は2.24倍であり、約124%増加した。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.574倍であり、約57%増加した。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は60μm、凸部の高さは30μmであり、表面積は1.513倍であり、約51%増加した。
これに対して、図11は、比較実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は86.8μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.15倍であり、約15%に増加してはいるが、本願の実施例に比べて増加率は小さい。
図12は、比較実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを粉体層に接触させている状態を示す。このブレードの凹凸の凸部の間隔は100μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.12倍であり、約12%に増加してはいるが、本願の実施例に比べて増加率は小さい。
本発明においては、表面に凹凸を有する層形成手段131としてのブレードを用いることにより、比較実施形態に比べて凹凸が急峻であり、エッジがシャープな凹凸を形成できることにより、各層間の密着性を高めて、空隙の発生を防ぎ、造形物の積層方向の強度の向上を図れる。
次に、造形槽22の隣りには、余剰粉体受け槽29が設けられている。
余剰粉体受け槽29には、粉体層31を形成するときに層形成手段131としてのブレードによって移送供給される粉体20のうちの余剰の粉体20が落下する。余剰粉体受け槽29に落下した余剰の粉体20は供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置に戻される。
図1に示すように、供給槽21上には粉体供給装置554が配置される。粉体供給装置554は、造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、粉体供給装置554を構成するタンク内の粉体を供給槽21に供給する。
次に、上記立体造形物の製造装置の制御部について図3を参照して説明する。図3は立体造形物の製造装置の制御部のブロック図である。
図3に示すように、制御部500は、主制御部500Aを備える。主制御部500Aは、CPU501と、ROM502と、RAM503を備える。
CPU501は、この立体造形物の製造装置全体の制御を司る。ROM502は、CPU501に本実施形態に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納する。RAM503は、造形データ等を一時格納する。
更に、制御部500は、不揮発性メモリ(NVRAM)504と、ASIC505と、I/F506を備える。
不揮発性メモリ(NVRAM)504は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持する。
ASIC505は、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
I/F506は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行う。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
更に、制御部500は、I/O507と、ヘッド駆動制御部508を備える。
I/O507は、各種センサの検知信号を取り込む。ヘッド駆動制御部508は、液体吐出ユニット50の各ヘッド52を駆動制御する。
更に、制御部500は、モータ駆動部510と、モータ駆動部511と、モータ駆動部512を備える。
モータ駆動部510は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動する。
モータ駆動部511は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動する。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
モータ駆動部512は、造形ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動する。
更に、制御部500は、モータ駆動部513と、モータ駆動部514と、モータ駆動部515と、モータ駆動部516を備える。
モータ駆動部513は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動する。モータ駆動部514は、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動する。モータ駆動部515は、ローラ部材100を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動する。モータ駆動部516は、ローラ部材100aを回転駆動するモータ26を駆動する。
更に、制御部500は、供給系駆動部517と、メンテナンス駆動部518を備える。
供給系駆動部517は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置554を駆動する。メンテナンス駆動部518は、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動する。
更に、制御部500は、後供給駆動部519と、モータ駆動部520を備える。
後供給駆動部519は、粉体後供給部80から粉体20の供給を行わせる。モータ駆動部520は、制御部500は、後述する粉体回収部90の移送スクリュー97、97を回転駆動するモータ555を駆動する。
更に、制御部500のI/O507には、温湿度センサ560が接続される。温湿度センサ560は、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する。
更に、制御部500には、操作パネル522が接続される。操作パネル522は、必要な情報の入力及び表示を行う。
なお、造形データ作成装置600と立体造形物の製造装置601によって造形装置が構成される。
次に、造形データ作成装置600が行う造形データ作成の一例について説明する。
まず、所望する立体データ(例えば、STLなどのCADデータ)を積層方向(即ち、Z方向)で分断して、複数のスライスデータとする。
そして、各スライスデータの各X座標と各Y座標に対応した液滴吐出の有無や、液滴の大きさ、液滴の種類、などを決定し、これを造形データとする。
なお、上記の造形データの作成方法は一例であり、これに限るものでなく、造形データ作成装置を別体のPCで行うこともできるし、所望する立体データのスライスデータへの変換を必須とするものではない。
次に、造形の流れについて、図4A〜図4Eを参照して説明する。図4A〜図4Eは造形の流れの説明に供する説明図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の層状造形物30が形成されている状態から説明する。
まず、図4Aに示すように、1層目の層状造形物30上に次の層状造形物を形成するときには、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、粉体層31表面と層形成手段131としてのブレードの下部との間隔がΔt1となるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δt1が次に形成する粉体層31の厚さ(即ち、積層ピッチ)に相当する。積層ピッチΔt1は、数10〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図4Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、層形成手段131としてのブレードをY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
更に、図4Cに示すように、層形成手段131としてのブレードを造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させて、造形槽22に粉体20を供給して粉体層31を形成する。
先述した粉体層形成工程により、造形ステージ24の層状造形物30上で所定の積層ピッチΔt1になる粉体層31が形成される。このとき、図4Cに示すように、粉体層31の形成に使用されなかった余剰の粉体20は余剰粉体受け槽29に落下する。
また、この凹みによって積層ピッチΔt1の大きさがやや変化することになるが、数10〜100μm程度という範囲を逸脱しない程度の変化であれば問題ない。以上が、粉体層形成工程の説明である。
粉体層31を形成後、層形成手段131としてのブレードは、図4Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置(原点位置)に戻される(復帰される)。このとき、層形成手段131としてのブレードは、図4Cで説明した平行移動時と同じ高さで戻されてもよいし、層形成手段131としてのブレードの両端にモータを用いた昇降機構や、段差を有するレールを設けて、図4Cで説明した平行移動時よりも高い高さで戻されてもよい。
その後、図4Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッドから造形液10の液滴を吐出して、粉体層に層状造形物32を積層形成する。
なお、層状造形物32は、例えば、ヘッド50から吐出された造形液が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
このように、層形成手段131としてのブレードにより形成された粉体層31に造形液を吐出して、粉体層中の粉体20が所要形状に結合された層状造形物32を形成する工程を、層状造形物形成工程と呼ぶ。なお、所要形状とは、最終的に立体造形物の一部を形成する形状のことである。
次いで、上述した粉体層形成工程と、層状造形物形成工程を繰り返す。このとき、新たな層状造形物32とその下層の層状造形物30とは一体化して立体造形物の一部を構成し、上記工程を必要な回数繰り返すことによって、立体造形物(三次元形状造形物とも言う)を形成する。
<第2の実施形態>
図13Aは、第2の実施形態の立体造形物の製造装置の層形成手段131の一例を示す概略図である。この第2の実施形態では、層形成手段131として表面に凹凸を有するローラを用いた以外は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図13Aに示すように、粉体層の表面を粗面化する層形成手段131がローラ形状であり、粉体層の表面との接触部に凹凸を備えている。
図13Aに示すように、層形成手段131としての表面に凹凸を有するローラを粉体層に接触させ、図13A中矢印方向に移動することにより、粉体層に凹凸が形成される。
層形成手段131としてのローラ表面の凹凸としては、図13Bに示すような縦溝、ランダム凹凸、横溝などが挙げられる。
積層ピッチは粒子径の20倍、凸部高さは粒子径の5倍以上10倍以下が好ましい。また、凸部頂点間距離は凸部高さの1倍以上3.46倍未満が好ましく、更には凸部高さの1倍以上2倍以下が好ましい。
粉体粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。
従って、各粒子径における凸部の高さ、凸部頂点間ピッチは以下に示すとおりである(図は省略する)。
<<粉体粒子径3μmの場合>>
積層ピッチは60μm、凸部高さは15μm以上30μm以下が好ましい。また、凸部の高さ15μm以上30μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径5μmの場合>>
積層ピッチは100μm、凸部高さは25μm以上50μm以下が好ましい。また、凸部の高さ25μm以上50μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径10μmの場合>>
積層ピッチは200μm、凸部高さは50μm以上100μm以下が好ましい。また、凸部の高さ50μm以上100μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径85μmの場合>>
積層ピッチは1,700μm、凸部高さは425μm以上850μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径150μmの場合>>
積層ピッチは3,000μm、凸部高さは750μm以上1,500μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径200μmの場合>>
積層ピッチは4,000μm、凸部高さは1,000μm以上2,000μm以下が好ましい。また、凸部の高さ425μm以上850μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
<<粉体粒子径250μmの場合>>
積層ピッチは5,000μm、凸部高さは1,250μm以上2,500μm以下が好ましい。また、凸部の高さ1,250μm以上2,500μm以下に対して、凸部頂点間距離は凸部高さの約1倍以上3.46倍未満、或いは凸部高さの約1倍以上2倍以下に設定すればよい。
ここで、ローラ表面の凹凸が図13Bに示す縦溝の場合の例について説明する。
図13Cは、本発明の第2の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのローラ断面形状を示す。このローラの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.41倍であり、約41%増加した。
図13Dは、本発明の第2の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのローラの断面形状を示す。このローラの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは50μmであり、表面積は2.24倍であり、約124%増加した。
図13Eは、本発明の第2の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのローラの断面形状を示す。このローラの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は50μm、凸部の高さは25μmであり、表面積は1.57倍であり、約57%増加した。
図13Fは、本発明の第2の実施形態に係る表面に凹凸を有する層形成手段131としてのローラの断面形状を示す。このローラの隣接する凸部の頂点間の最短距離である凸部間隔は60μm、凸部の高さは30μmであり、表面積は1.51倍であり、約51%増加した。
<第3の実施形態>
図14A〜図14Eは、第3の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。この第3の実施形態の立体造形物の製造装置は、粉体層を平滑層形成手段132により平滑化した後、平滑化した粉体層を粗面化手段133により、粗面化する点以外は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態は、平滑層形成手段132と粗面化手段133の両方を備えており、平滑層形成手段によって造形槽上に平滑な粉体層を形成した後、粗面化手段で凹凸を付与する。
まず、図14Aに示すように、1層目の層状造形物30上に次の層状造形物を形成するときには、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
次いで、図14Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平滑層形成手段132としてのローラを順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給し、粉体層の表面を平滑化する(粉体供給、平滑化)。なお、平滑層形成手段132としてはローラではなく、ブレードを用いることもできる。
次いで、図14Cに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、粗面化手段133としてのブレードをY2方向(造形槽22側)に移動することで、平滑化した粉体層表面に凹凸を形成する。なお、粗面化手段133としてはブレードではなく、ローラを用いることもできる。
先述した粉体層形成工程により、造形ステージ24の層状造形物30上で所定の積層ピッチΔt1になる粉体層31が形成される。このとき、図14Cに示すように、粉体層31の形成に使用されなかった余剰の粉体20は余剰粉体受け槽29に落下する。
粉体層31を形成後、粗面化手段133としてのブレードは、図14Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置(原点位置)に戻される(復帰される)。このとき、粗面化手段133としてのブレードは、図14Cで説明した平行移動時と同じ高さで戻されてもよいし、粗面化手段133としてのブレードの両端にモータを用いた昇降機構や、段差を有するレールを設けて、図14Cで説明した平行移動時よりも高い高さで戻されてもよい。
その後、図14Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッドから造形液10の液滴を吐出して、粉体層に層状造形物31を積層形成する。
なお、層状造形物31は、例えば、ヘッド50から吐出された造形液が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
このように、粗面化手段133としてのブレードにより形成された粉体層31に造形液を吐出して、粉体層中の粉体20が所要形状に結合された層状造形物32を形成する工程を、層状造形物形成工程と呼ぶ。なお、所要形状とは、最終的に立体造形物の一部を形成する形状のことである。
次いで、上述した粉体層形成工程と、層状造形物形成工程を繰り返す。このとき、新たな層状造形物32とその下層の層状造形物30とは一体化して立体造形物の一部を構成し、上記工程を必要な回数繰り返すことによって、立体造形物(三次元形状造形物とも言う)を形成する。
<第4の実施形態>
図15A〜図15Gは、第4の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。この第4の実施形態の立体造形物の製造装置は、前記平滑層形成手段132による平滑化と、前記粗面化手段133による粗面化は、造形物の形状データに基づき、各々オンオフの切り替えを行う点以外は、第3の実施形態と同様であるため、第3の実施形態において、既に説明した実施形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第4の実施形態は、平滑層形成手段と粗面化手段の両方を備えており、粗面化手段で粗面化した後、平滑化を行う。平滑化は各層毎ではなく、必要に応じて実施する。
粗面化手段で凹凸を付与し積層した後、例えば、造形物の最終層のみ凹凸付与を行わず、平滑層形成手段で平滑層を作製する。このようにすることで、造形物最表面が凹凸を有し、造形物の精度が下がることを防止できる。
あるいは、粗面化手段による積層の途中で、適宜、平滑層形成手段による平滑化を行うことにより、造形物の表面に凹凸を設けたくない箇所は、平滑化を行うように、凹凸付与工程と平滑化工程とを適宜切替える。
図15A〜図15Eは、第3の実施形態の図14A〜図14Eと同様であり、凹凸付与による積層工程である。
図15Fは、凹凸のある粉体層の上に、平滑な粉体層を形成する工程である。
図15Gは、凹凸のある粉体層の上に、平滑な粉体層を形成し、粉末を接着する工程である。
ここで、図16A〜図16Dは、第4の実施形態により粉体層に形成された凹凸を示す図である。
図16Aは、最終層の1層前の層に凹凸付与された粉体層表面を示す図である。
図16Bは、凹凸付与された粉体層表面に、最終層を積層し平滑層形成手段132で平滑層を形成する状態を示す図である。
図16Cは、最表面(造形物の最表層)が平滑であることを示す図である。
平滑化処理を行わないと、図16Dに示すように、最表層が凹凸の造形物になってしまう。
<第5の実施形態>
図17A〜図17Bは、第5の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。なお、第5の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施形態は、粗面化手段を複数備え、複数の粗面化手段の移動方向は、互いに角度をもって移動させることが好ましい。
図17A及び図17Bは、複数の粗面化手段により粉体層に凹凸を付与する状態を示す図であり、複数の粗面化手段は、角度をもって移動させることにより、凹凸が一方向にならず、凹凸を設けることができる。
図17Aは、2つの粗面化手段を垂直に配置した場合である。
図17Bは、2つの粗面化手段を90度より小さい角度で配置した場合である。
<第6の実施形態>
図18A〜図18Dは、第6の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。なお、第6の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図18Aは、第6の実施形態の立体造形物の製造装置における粗面化手段の一例を示す概略図である。
図18Bは、凹凸を付与した後の粉体層を造形槽の上方から見た図である。
図18Cは、図18BのA部分の拡大図であり、柱状粉末が整列している状態を示す図である。図18Dは、図18Cの断面図である。
この第6の実施形態においては、粉体層を形成する粉体としては、柱状粉末を用いる。柱状粉末としては、長繊維をミクロンオーダーの長さに切断して得られ、繊維長のばらつきが少なく、非常にシャープな粒度分布を有し、かつ粒子形状が略均一な樹脂粒子である(特願2017−218418号明細書参照)。
この第6の実施形態によれば、粗面化手段の移動方向に沿って、柱状粉末が整列するので、図18Eに示すような球状粒子に比べて、立体造形物の充填密度を高くすることができる。
<第7の実施形態>
図19は、第7の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。なお、第7の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第7の実施形態では、図19に示すように、非接触で粉体層を粗面化する非接触式粗面化手段としてレーザーを用い、レーザー強度を変えて焼結強度が異なる部分を作製し、粉体層の表面に凹凸を形成する。この方法は、接触式粗面化手段に比べて凹凸付与の自由度が高いという長所がある。
<第8の実施形態>
図20A及び図20Bは、第8の実施形態の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。なお、第8の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第8の実施形態では、図20Aに示すように、非接触で粉体層を粗面化する非接触式粗面化手段としてエアー吐出部材を用い、エアー吐出強度を変化させることにより、平滑層表面の粉末を吹き飛ばし、粉体層の表面に凹凸を形成する。この方法は、接触式粗面化手段に比べて凹凸付与の自由度が高いという長所がある。
ここで、図20Bは、エアー吐出強度を変えて粉体層の最表面に凹凸を形成した状態を示す。凹部の直径は60μm、凹部の深さは30μmである。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 粉体層を形成する層形成手段と、
前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、
を備え、
前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行うことを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<2> 前記粗面化動作は、前記層形成手段が凹凸形状を備え、前記粉体層表面を粗面化する前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<3> 平滑な粉体層を形成する平滑層形成手段と、
前記粉体層表面を粗面化する粗面化手段と、
前記平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、
を備えたことを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<4> 粉体層の表面を粗面化する前記層形成手段及び前記粗面化手段が、前記粉体層表面に接触して粗面化する接触式粗面化手段である前記<2>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<5> 前記接触式粗面化手段がブレード形状であり、前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた前記<4>に記載の立体造形物の製造装置である。
<6> 前記接触式粗面化手段がローラ形状であり、前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた前記<4>に記載の立体造形物の製造装置である。
<7> 粉体層の表面を粗面化する前記層形成手段及び前記粗面化手段が、前記粉体層表面に対して非接触で粗面化する非接触式粗面化手段である前記<2>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<8> 前記非接触式粗面化手段がエアー吐出部材であり、エアー吐出量を変化させることによって、前記粉体層表面を粗面化する前記<7>に記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記非接触式粗面化手段が前記粉体接着手段であり、前記粉体接着手段の接着力を変化させることによって、粉体層表面を粗面化する前記<7>に記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記平滑層形成手段による平滑化及び前記粗面化手段による粗面化が、造形物の形状データに基づき、各々オンオフの切り替えを行う前記<3>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記粗面化手段を複数備え、複数の粗面化手段の移動方向は、互いに角度をもって移動する前記<3>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記粉体層を形成する粉体が、柱状形状である前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 粉体層を形成する層形成工程と、
前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、
を含み、
前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行うことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<14> 前記粗面化動作は、前記層形成手段が凹凸形状を備え、前記粉体層表面を粗面化する前記<13>に記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 平滑な粉体層を形成する平滑層形成工程と、
前記粉体層表面を粗面化する粗面化工程と、
前記平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<16> 粉体層の表面を粗面化する前記層形成工程及び前記粗面化工程が、前記粉体層表面に接触して粗面化する接触式粗面化工程である前記<14>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<17> 前記接触式粗面化工程がブレードにより行われ、前記ブレードは前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた前記<16>に記載の立体造形物の製造方法である。
<18> 前記接触式粗面化工程がローラにより行われ、前記ローラは前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた前記<16>に記載の立体造形物の製造方法である。
<19> 粉体層の表面を粗面化する前記層形成工程及び前記粗面化工程が、前記粉体層表面に対して非接触で粗面化する非接触式粗面化工程である前記<14>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<20> 前記非接触式粗面化工程がエアー吐出部材により行われ、エアー吐出量を変化させることによって、前記粉体層表面を粗面化する前記<19>に記載の立体造形物の製造方法である。
<21> 前記非接触式粗面化工程が前記粉体接着手段により行われ、前記粉体接着手段の接着力を変化させることによって、粉体層表面を粗面化する前記<20>に記載の立体造形物の製造方法である。
<22> 前記平滑層形成工程による平滑化及び前記粗面化工程による粗面化が、造形物の形状データに基づき、各々オンオフの切り替えを行う前記<15>から<21>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<23> 前記粉体層を形成する粉体が、柱状形状である前記<13>から<22>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、及び前記<13>から<23>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2015−074164号公報
50 粉体接着手段
131 層形成手段
132 平滑層形成手段
133 粗面化手段

Claims (14)

  1. 粉体層を形成する層形成手段と、
    前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、
    を備え、
    前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行うことを特徴とする立体造形物の製造装置。
  2. 前記粗面化動作は、前記層形成手段が凹凸形状を備え、前記粉体層表面を粗面化する請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  3. 平滑な粉体層を形成する平滑層形成手段と、
    前記粉体層表面を粗面化する粗面化手段と、
    前記平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着手段と、
    を備えたことを特徴とする立体造形物の製造装置。
  4. 粉体層の表面を粗面化する前記層形成手段及び前記粗面化手段が、前記粉体層表面に接触して粗面化する接触式粗面化手段である請求項2から3のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  5. 前記接触式粗面化手段がブレード形状であり、前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた請求項4に記載の立体造形物の製造装置。
  6. 前記接触式粗面化手段がローラ形状であり、前記粉体層の表面との接触部に凹凸を備えた請求項4に記載の立体造形物の製造装置。
  7. 粉体層の表面を粗面化する前記層形成手段及び前記粗面化手段が、前記粉体層表面に対して非接触で粗面化する非接触式粗面化手段である請求項2から3のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  8. 前記非接触式粗面化手段がエアー吐出部材であり、エアー吐出量を変化させることによって、前記粉体層表面を粗面化する請求項7に記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記非接触式粗面化手段が前記粉体接着手段であり、前記粉体接着手段の接着力を変化させることによって、粉体層表面を粗面化する請求項7に記載の立体造形物の製造装置。
  10. 前記平滑層形成手段による平滑化及び前記粗面化手段による粗面化が、造形物の形状データに基づき、各々オンオフの切り替えを行う請求項3から9のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  11. 前記粗面化手段を複数備え、複数の粗面化手段の移動方向は、互いに角度をもって移動する請求項3から10のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  12. 前記粉体層を形成する粉体が、柱状形状である請求項1から11のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  13. 粉体層を形成する層形成工程と、
    前記粉体層の選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、
    を含み、
    前記粉体層の表面を粗面化する粗面化動作を行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  14. 平滑な粉体層を形成する平滑層形成工程と、
    前記粉体層表面を粗面化する粗面化工程と、
    前記平滑な粉体層及び粗面化した粉体層の少なくともいずれかから選択された領域の粉体同士を接着させる粉体接着工程と、
    を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
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