JP2019161743A - 鞍乗型車両用エンジンユニットおよび鞍乗型車両 - Google Patents

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桂介 井出
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Abstract

【課題】回転電機の回転力以外の外力によるエンジン始動を容易にすることができる鞍乗型車両用エンジンユニットを提供する。【解決手段】スタータモータおよびジェネレータとして兼用される回転電機20は、エンジン本体10のクランクシャフトに結合されている。制御装置60は、インバータ61のスイッチング素子611〜616を制御する発電制御を実行する。制御装置60は、エンジン本体10が停止状態の場合に、回転電機20の回転力以外の外力によってクランクシャフトが回転されると、発電制御を実行する。具体的には、制御装置60は、クランクシャフトの回転速度が、回転電機によって回転されるときのクランキング回転速度以下の始動発電領域において発電制御を実行する。【選択図】図4

Description

この発明は、鞍乗型車両用エンジンユニットおよび鞍乗型車両に関する。
特許文献1は、スクータ型自動二輪車エンジンに搭載されるスタータ兼発電機(ACG)を開示している。ACGは、三相巻線が巻回されたステータと、エンジンのクランク軸の端部に結合されたアウタロータとを有する。ACGは、エンジンを始動するときには同期モータとして機能し、バッテリから供給される電力で駆動されてクランク軸を回動させてエンジンを始動させる。始動後は、ACGは、同期発電機として機能し、発電した電流でバッテリを充電し、かつ電装部に電流を供給する。ACGは、ECUによって制御される。ECUは、ACGで発生した三相交流を整流する全波整流器と、全波整流器の出力をレギュレート電圧に制限するレギュレータと、発電制御部とを有している。発電制御部は、エンジン回転数が低回転域に設定した発電制御領域であるときに、発電量を増加させる制御、具体的には遅角通電制御を行う。発電制御部は、全波整流器の出力電圧がレギュレート電圧以下の予定電圧範囲内に収まるように遅角通電を行う。これにより、低回転域において、レギュレータの作動によるエンジン負荷の急変を回避しようとしている。発電制御領域は、具体的には、1000rpm〜3500rpmの領域である。
特許第3778342号公報
バッテリが劣化して充電容量が著しく低下すると、スタータモータによるエンジンの始動ができなくなる。このような場合に備えて、鞍乗型車両には、マニュアル始動装置が備えられる場合がある。マニュアル始動装置の典型例は、キック始動装置である。キック始動装置は、使用者が足で操作することができるキックアームと、キックアームに加えられた力を回転力に変換してクランクシャフトに伝達する伝達装置とを含む。
キック始動装置を操作することによって、クランクシャフトが回転し、クランクシャフトによってジェネレータ(発電機)が駆動されることにより電力が発生する。この電力を利用してエンジンの電装品を作動させ、エンジンを始動することができる。
しかし、スタータモータおよびジェネレータとして兼用される回転電機の発電力は必ずしも充分ではなく、キック始動装置によってエンジンを始動するための電力を得ることが難しい場合がある。
とくに、鞍乗型車両においては、回転電機の搭載スペースが小さいので、回転電機のサイズには大きな制約がある。この制約の下で、発電力を高めるためには、ステータ巻線の巻数を大きくする必要があるから、巻線を細くしなければならない。一方、スタータモータとして用いるときの駆動トルクを大きくするためには電流を多く流せる巻線構造が必要であるから、巻線を太く、かつ巻数を少なくすることが好ましい。このように、駆動トルクと発電力とはトレードオフの関係にある。駆動トルクは、エンジンを始動するときに圧縮上死点を乗り越すことができるように定める必要がある。これにより、発電力が制限される。したがって、キック始動装置によって、エンジン始動に必要な電力を得られないおそれがある。
特許文献1は、マニュアル始動について言及しておらず、したがって、上記の課題への言及がなく、むろん、そのための解決手段も提供していない。とくに、キック始動装置を用いるときのクランクシャフトの回転数は、特許文献1の発電制御領域(たとえば、1000rpm〜3500rpm)よりもはるかに低く、平均して高々700rpm程度である。そのため、仮に、特許文献1の構成にキック始動装置を組み込むとしても、遅角通電制御は働かない。すなわち、全波整流器を構成するFET(電界効果型トランジスタ)の寄生ダイオードの整流作用に依存する成り行きの発電となる。このような発電により得られる直流電圧は、エンジン始動に充分な期間に亘って充分な値を保つことができない。
そこで、この発明の一実施形態は、回転電機の回転力以外の外力によるエンジン始動を容易にすることができる鞍乗型車両用エンジンユニットを提供する。また、この発明の一実施形態は、そのようなエンジンユニットを備えた鞍乗型車両を提供する。
この発明の一実施形態は、鞍乗型車両に搭載されるエンジンユニットを提供する。このエンジンユニットは、気筒とクランクシャフトと電装品とを有するエンジン本体を含む。エンジンユニットは、前記クランクシャフトに対して動力伝達可能に結合され、前記クランクシャフトを回転するスタータモータ、および前記クランクシャフトの回転力によって発電するジェネレータとして兼用される回転電機を含む。さらに、エンジンユニットは、前記鞍乗型車両に備えられるバッテリに接続され、かつ前記電装品に接続される電源ラインを含む。また、エンジンユニットは、前記電源ラインと前記回転電機との間を流れる電流を制御する複数のスイッチング素子を備えたインバータを含む。そして、エンジンユニットは、前記エンジン本体および前記インバータを制御する制御装置を含む。前記制御装置は、前記回転電機に発電させるために前記インバータの前記複数のスイッチング素子を制御する発電制御を実行する。前記制御装置は、前記エンジン本体が停止状態の場合において、前記回転電機の回転力以外の外力によって前記クランクシャフトが回転されると、前記クランクシャフトの回転速度が、前記回転電機によって回転されるときのクランキング回転速度以下の始動発電領域において前記発電制御を実行する。
鞍乗型車両の限られた搭載スペースのために、スタータモータおよびジェネレータとして兼用される回転電機は、できるだけ小型に構成されることが要求される。この要求のために、回転電機をスタータモータとして用いるときに必要な駆動トルクを確保しようとすると、回転電機をジェネレータとして用いるときの発電性能が、とくに低回転領域において不足する。回転電機の回転力以外の外力でクランクシャフトを回転してエンジン本体を始動しようとするとき、回転電機ほど高速にクランクシャフトを回転させることができない。したがって、このような状況での始動性を高めることが好ましい。
そこで、この実施形態では、制御装置は、クランクシャフトの回転速度が、回転電機によるクランキング回転速度以下の始動発電領域において発電制御を実行する。それにより、クランクシャフトの回転速度が小さくても、効率的な発電が可能になる。具体的には、インバータのスイッチング素子が制御されることにより、クランクシャフトの回転速度が小さくても、電源ラインに比較的高い電圧を導出し続けることができる。回転電機が発生した電力は、電源ラインを介してエンジン本体の電装品に供給される。それにより、エンジン本体を始動することができる。このようにして、回転電機の回転力以外の外力によるエンジン始動を容易にすることができる。
この発明の一実施形態では、前記発電制御は、前記インバータに備えられた前記複数のスイッチング素子をベクトル制御方式で制御し、前記回転電機が発生する電圧を昇圧して前記電源ラインに導出するベクトル制御を含む。ベクトル制御方式での発電(いわゆる正弦波発電)により、クランクシャフトの回転速度が低くても高効率な発電が可能である。
この発明の一実施形態では、前記発電制御は、前記インバータに備えられた複数のスイッチング素子を位相制御方式で制御する位相制御を含む。位相制御方式での発電によっても、クランクシャフトの回転速度が低くても高効率な発電が可能である。
この発明の一実施形態では、前記発電制御は、前記インバータに備えられた前記複数のスイッチング素子をベクトル制御方式で制御し、前記回転電機が発生する電圧を昇圧して前記電源ラインに導出するベクトル制御と、前記インバータに備えられた複数のスイッチング素子を位相制御方式で制御する位相制御と、を含む。前記制御装置は、前記クランシャフトの回転速度が、前記クランキング回転速度よりも大きい制御方式変更閾値に達するかまたは当該制御方式変更閾値を超えたことに応答して、前記ベクトル制御から前記位相制御に切り替える。
ベクトル制御方式と位相制御方式とを比較すると、ベクトル制御方式の方が、発電効率が高い。そこで、クランクシャフトの回転速度が制御方式変更閾値に達するかまたは当該制御方式変更閾値を超えると、ベクトル制御方式から位相制御方式に切り替えられる。クランクシャフトが高速に回転しているときには、回転電機が発生する電圧を昇圧する必要性は低くなり、むしろ降圧する必要がある場合もある。そのため、高回転域では位相制御方式の方が適切である。一方、始動発電領域は制御方式変更閾値よりも小さいクランキング回転速度以下またはそれ未満の領域であるので、回転電機の回転力以外の外力によってクランクシャフトが回転されるときは、ベクトル制御方式での発電制御が行われる。これにより、回転電機が発生する電力を効率的に利用して、エンジン始動を容易にすることができる。
この発明の一実施形態では、前記制御装置は、前記回転電機の駆動によって前記エンジン本体が始動されたときに、前記エンジン本体が燃焼を開始した直後の期間において、前記エンジン本体の運転状態が所定の安定状態に至るまで、前記回転電機の駆動を継続して前記クランクシャフトの回転を補助する始動アシスト制御を実行する。前記制御装置は、前記回転電機の回転力以外の外力によって前記クランクシャフトが回転されて前記エンジン本体が始動されたときには、前記始動アシスト制御を行わない。
エンジン本体が燃焼を開始した後も回転電機の駆動を継続する始動アシスト制御は、始動直後のエンジン本体の燃焼状態を速やかに安定化する。しかし、始動アシスト制御は、バッテリの電力を消費する。回転電機の回転力以外の外力でクランクシャフトを回転して始動が試みられる場合は、バッテリが劣化していてその充電容量が著しく低下していると考えられる。そこで、このような場合には、始動アシスト制御を行わないことで、バッテリがさらに消耗することを回避できる。
この発明の一実施形態では、前記制御装置は、前記エンジン本体が停止状態の場合において、前記回転電機の駆動によって前記エンジン本体が始動されると、前記クランクシャフトの回転速度が、前記回転電機によって回転されるときのクランキング回転速度以上に定められた通常発電開始閾値に達したかまたは当該通常発電開始閾値を超えたことに応答して前記発電制御を開始する。
この構成では、回転電機の回転力によってクランクシャフトが回転されることによりエンジン本体が始動されるときには、クランクシャフトの回転速度が通常発電開始閾値に達するかまたは当該通常発電開始閾値を超えると、発電制御が開始される。通常発電開始閾値は、クランキング回転速度以上に定められている。したがって、回転電機がスタータモータとして用いられるときには、エンジン本体の始動が完了してから発電制御が開始される。それにより、回転電機の駆動制御が発電制御によって干渉されることを回避でき、スムーズな始動が可能になる。
この発明の一実施形態では、エンジンユニットは、前記回転電機を駆動することなく前記クランクシャフトに対して回転力を加えるためのマニュアル始動装置を含む。
この構成により、マニュアル始動装置を用いることで、回転電機を駆動することなく、エンジン本体を始動できる。この場合に、クランクシャフトの回転速度が始動発電領域であれば発電制御が実行されるので、マニュアル始動装置によるエンジン本体の始動が容易になる。
マニュアル始動装置を用いる以外にも、いわゆる押しがけによるエンジン始動が試みられる場合にも、回転電機の回転力以外の外力によってクランクシャフトが回転させられる。
この発明の一実施形態では、前記電装品は、点火装置および燃料供給装置を含む。点火装置は、エンジン本体の燃焼室内で火花放電する点火プラグを含んでもよい。前記燃料供給装置は、燃料噴射装置を含んでもよい。また、前記燃料供給装置は、燃料ポンプを含んでもよい。
この構成では、回転電機が発生する電力が電源ラインを介して点火装置および燃料供給装置に供給されるので、バッテリが劣化しているときでも、点火および燃料供給を行うことができる。それにより、エンジン本体を始動し、その運転を継続させることができる。
この発明の一実施形態では、前記エンジンユニットは、前記クランクシャフトの回転とともに回転するロータと、前記ロータの回転方向に間隔を空けて配列された複数の被検出部が通過する領域に検出領域を有し、前記被検出部の前記検出領域の通過に伴って検出信号を生成する電磁ピックアップと、を含む。前記発電制御は、前記電磁ピックアップが生成する検出信号を用いて実行されてもよい。
この構成によれば、回転電機のロータの回転情報、すなわちクランクシャフトの位置情報が電磁ピックアップを用いて取得されるので、ホールICのような位置センサを用いる場合に比較して構成が安価である。このような安価な構成で発電制御を行うことができ、回転電機の回転力以外の外力でクランクシャフトを回転させて行う始動を容易にすることができる。
この発明の一実施形態は、前述のような特徴を有する鞍乗型車両用エンジンユニットと、前記クランクシャフトの回転が伝達される車輪と、鞍乗型のシートと、を含む、鞍乗型車両を提供する。
この構成により、回転電機の回転力以外の外力によるエンジン始動が容易な鞍乗型車両を提供できる。
この発明により、回転電機の回転力以外の外力によるエンジン始動を容易にできる鞍乗型車両用エンジンユニットを提供できる。また、このようなエンジンユニットを備えた鞍乗型車両を提供できる。
図1は、鞍乗型車両の概観を示す側面図である。 図2は、鞍乗型車両に備えられるエンジンユニットの概略構成を模式的に示す部分断面図である。 図3は、エンジンユニットに備えられる回転電機の断面図である。 図4は、エンジンユニットを含む鞍乗型車両の電気的な構成を示すブロック図である。 図5は、エンジン始動制御および回転電機の発電制御の例を説明するためのフローチャートである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、鞍乗型車両の概観を示す側面図である。鞍乗型車両1は、エンジンユニットEUと、車体2と、車輪3a,3bと、バッテリ4と、鞍乗型のシート5とを備えている。エンジンユニットEU、バッテリ4およびシート5は、車体2に支持されている。車輪3a,3bは、車体2の前方部および後方部にそれぞれ回転可能に支持されている。エンジンユニットEUは、駆動輪である車輪3b(この実施形態では後輪)を駆動し、車輪3bを回転させることによって、鞍乗型車両1を走行させる。車輪3a(前輪)は、この実施形態では、従動輪である。車体2の前方部には、左右に回動可能なハンドルバー6が支持されている。車輪3aは、ハンドルバー6の回動に応じて左右に回動する。ハンドルバー6の一端、この実施形態では右端には、アクセル操作子8(アクセルグリップ)が配置されている。アクセル操作子8は、ハンドルバー6の端部に回動操作可能に取り付けられている。アクセル操作子8は、エンジンユニットEUのスロットルを操作するために使用者によって操作されるスロットル操作子の一例である。
図2は、エンジンユニットEUの概略構成を模式的に示す部分断面図である。エンジンユニットEUは、車両用4ストロークエンジンユニットであり、より具体的には、鞍乗型車両1に搭載可能なエンジンユニットである。
エンジンユニットEUは、4ストローク単気筒エンジン本体10と、回転電機20とを備えている。4ストローク単気筒エンジン本体10(以下「エンジン本体10」という。)は、1つの気筒を有する単気筒の4ストロークエンジンである。
エンジン本体10は、クランクケース11と、シリンダ12と、ピストン13と、コネクティングロッド14と、クランクシャフト15とを備えている。
ピストン13は、シリンダ12内に往復移動自在に設けられている。クランクシャフト15は、クランクケース11内に回転可能に設けられている。コネクティングロッド14は、ピストン13とクランクシャフト15とを接続しており、ピストン13の往復運動をクランクシャフト15に伝達する。クランクシャフト15は、一対のベアリング17を介して、クランクケース11に回転自在に支持されている。
クランクシャフト15の一端部15aには、回転電機20が取り付けられている。これにより、回転電機20は、クランクシャフト15に対して動力伝達可能に結合されている。クランクシャフト15の他端部15bには、変速機CVTが取り付けられている。変速機CVTは、入力の回転速度に対する出力の回転速度の比である変速比を変更する。
クランクシャフト15の他端部15bは、変速機CVTの駆動プーリ27(プライマリプーリ)を貫通しており、その先端には、キック始動装置90が結合されている。キック始動装置90は、キックアーム91と、減速ギヤ92(伝達装置)とを含む。減速ギヤ92の出力軸93がカップリング94によってクランクシャフト15に結合されている。使用者がキックアームのペダル部95を足で踏み込んで回動操作すると、キックアーム91の回転が減速ギヤ92で減速されてクランクシャフト15に伝達される。これにより、エンジン本体10のマニュアル始動が可能である。すなわち、キック始動装置90は、回転電機20の回転力以外の外力をクランクシャフト15に加えるマニアル始動装置の一例である。
シリンダ12の上部には、シリンダヘッド16が取り付けられている。シリンダ12とシリンダヘッド16とピストン13とによって、燃焼室21が区画される。シリンダヘッド16には、吸気バルブIVと、燃料噴射装置18と、点火プラグ19と、排気バルブEVとが設けられている。シリンダヘッド16には、燃焼室21と連通する吸気路22および排気路23が形成されている。吸気バルブIVは吸気路22を開閉し、排気バルブEVは排気路23を開閉する。
燃料噴射装置18は、燃料を噴射することによって、燃焼室21に燃料を供給する。吸気バルブIVは、燃焼室21への空気の流入を制御する。吸気バルブIVおよび排気バルブEVは、クランクシャフト15の位置に応じて開閉する。吸気バルブIVは、開状態となることによって、燃料を含んだ空気を燃焼室21に供給する。点火プラグ19は、燃焼室21に臨むように配置されており、燃焼室21内で火花放電を生じさせることにより、燃焼室21内に導入された空気および燃料の混合気に着火する。排気バルブEVは、開状態となることにより、燃焼後の排気をシリンダ12から排気管25へと排出させる。
吸気路22に接続された吸気管24には、スロットルバルブTVが配置されている。スロットルバルブTVは、燃焼室21に供給される空気の量を調整する。スロットルバルブTVの開度は、アクセル操作子8(図1参照)の操作に応じて調整される。
エンジン本体10の1燃焼サイクルには、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および排気行程が1回ずつ含まれる。吸気行程では、吸気バルブIVが開かれ、ピストン13が下死点に向かって移動する。その間に、燃料噴射装置18が燃料を噴射する。それによって、燃焼室21内に空気と燃料との混合気が吸入される。圧縮行程では、吸気バルブIVが閉じられた状態でピストン13が上死点(圧縮上死点)に向かって移動し、それによって、燃焼室21内の混合気が圧縮される。ピストン13が圧縮上死点位置付近にあるときに点火プラグ19が火花放電する。それにより、混合気が着火されて膨張し、ピストン13を下死点に向かって移動させる膨張行程が生じる。排気行程では排気バルブEVが開かれ、ピストン13が上死点(排気上死点)に向かって移動することにより、排ガスが排気管25へと排出される。
エンジン本体10は、クランクシャフト15を介して回転力を出力する。クランクシャフト15の回転力は、変速機CVTを介して、車輪3b(図1参照)に伝達される。鞍乗型車両1(図1参照)は、クランクシャフト15を介してエンジン本体10から出力される回転力を受ける車輪3bによって駆動される。
図3は、図2に示す回転電機20の回転軸線に垂直な断面を示す断面図である。回転電機20は、永久磁石式回転電機であり、より具体的には、永久磁石式三相ブラシレス型発電機である。回転電機20は、さらに、永久磁石式三相ブラシレス型モータとしても機能する。
回転電機20は、ロータ30と、ステータ40とを有する。回転電機20は、この実施形態では、ラジアルギャップ型である。また、この実施形態では、回転電機20は、アウターロータ型である。すなわち、ロータ30はアウターロータであり、ステータ40はインナーステータである。
図2および図3に表れているように、ロータ30は、ロータ本体部31を有する。ロータ本体部31は、たとえば強磁性材料からなる。ロータ本体部31は、有底筒状に構成されている。ロータ本体部31は、筒状ボス部32と、円板状の底壁部33と、筒状のバックヨーク部34とを有する。底壁部33およびバックヨーク部34は一体的に形成されている。底壁部33およびバックヨーク部34は筒状ボス部32を介してクランクシャフト15に固定されている。したがって、ロータ30は、クランクシャフト15とともに回転する。ロータ30には、電流が供給される巻線が設けられていない。底壁部33には、冷却ファンFが設けられている。
ロータ30は、永久磁石部37を有する。ロータ30は、複数の磁極部37aを有している。複数の磁極部37aは、この実施形態では、永久磁石部37により形成されている。複数の磁極部37aは、バックヨーク部34の内周に設けられている。永久磁石部37は、この実施形態では、複数の永久磁石を有する。複数の磁極部37aは、複数の永久磁石のそれぞれに設けられている。ただし、永久磁石部37は、1つの環状の永久磁石によって形成することもできる。この場合、1つの永久磁石は、複数の磁極部37aが内周面に並ぶように着磁される。
複数の磁極部37aは、ロータ30(より具体的にはバックヨーク部34)の周方向にN極とS極とが内周面に交互に配置されるように設けられている。周方向に隣り合う磁極部37aは、磁極部対37pをなしている。この実施形態では、ステータ40と対向するロータ30の磁極数は、24個である。したがって、12個の磁極部対37pが設けられている。ロータ30の磁極数とは、ステータ40と対向する磁極の数をいう。ロータ30の永久磁石とステータ40とは、エアギャップを介して対向している。磁極部37aは、回転電機20の径方向におけるステータ40の外側に設けられている。バックヨーク部34は、径方向における磁極部37aの外側に設けられている。回転電機20は、ステータ40の歯部43の数よりも多い磁極部37aを有している。
ステータ40は、ステータコアSTと複数のステータ巻線Wとを有する。ステータコアSTは、周方向に間隔(この実施形態では等間隔)を空けて放射状に設けられた複数の歯部(ティース)43を有する。複数の歯部43は、ステータコアSTから径方向外側に向かって一体的に延びている。この実施形態においては、合計18個の歯部43が周方向に間隔を空けて設けられている。隣接するステータコアSTの間にスロットSLが形成されている。したがって、ステータコアSTは、周方向に間隔を空けて形成された合計18個のスロットSLを有する。前述のように、ロータ30は、歯部43の数より多い数の磁極部37aを有する。磁極部37aの数は、スロット数の4/3である。
各歯部43の周囲には、ステータ巻線Wが巻回されている。つまり、複数相のステータ巻線Wは、スロットSLを通るように設けられている。図3には、ステータ巻線Wが、スロットSLの中にある状態が示されている。複数相のステータ巻線Wのそれぞれは、U相、V相、W相の何れかの巻線である。ステータ巻線Wは、たとえば、U相、V相、W相の順に周方向に並ぶように配置される。
ロータ30の外面には、ロータ30の回転位置を検出させるための複数(この実施形態では11個)の被検出部38が備えられている。複数の被検出部38は、磁気作用によって検出される。複数の被検出部38は、周方向に間隔を空けてロータ30の外面に設けられている。被検出部38は、強磁性体で形成されている。
図3には、11個の被検出部38の位置と、被検出部38が設けられていない欠落位置とにそれぞれに割り当てられた番号「0」〜「23」が示されている。これらの番号は、エンジン本体10の1燃焼サイクル、すなわち、ロータ30の2回転に亘って割り当てられており、1燃焼サイクル中のクランクシャフト15の位置を表す。具体的には、番号「0」〜「11」が1回転目のクランクシャフト15の位置を表し、番号「12」〜「23」が2回転目のクランクシャフト15の位置を表す。
電磁ピックアップ50は、ロータ30の回転位置を検出するロータ位置検出装置として用いられる。電磁ピックアップ50は、複数の被検出部38と対向する位置に設けられている。電磁ピックアップ50は、被検出部38を磁気的に検出するピックアップコイル51を備えている。電磁ピックアップ50は、さらに、検出用磁石52およびコア53を備えている。番号「0」の被検出部38が電磁ピックアップ50の対向位置を通過するとき、クランクシャフト15が圧縮上死点またはその近傍の位置にある。番号「12」の被検出部38が電磁ピックアップ50の対向位置を通過するとき、クランクシャフト15が排気上死点またはその近傍の位置にある。
回転電機20は、エンジン本体10のクランクシャフト15と結合されている。具体的には、ロータ30は、クランクシャフト15に対し固定された速度比で回転するようクランクシャフト15と結合されている。
この実施形態では、ロータ30が、クランクシャフト15に、動力伝達機構(たとえば、ベルト、チェーン、ギア、減速機、増速機等)を介さずに取り付けられている。ロータ30は、クランクシャフト15に対し、1:1の速度比で回転する。回転電機20は、エンジン本体10の燃焼動作時にロータ30が正転方向に回転するように構成されている。
回転電機20は、エンジン始動時には、クランクシャフト15を正転方向に回転させてエンジン本体10を始動させるスタータモータとして機能する。また、回転電機20は、エンジン本体10が燃焼動作する場合に、エンジン本体10に駆動されて発電するジェネレータとして機能する。すなわち、回転電機20は、クランクシャフト15を正転方向に回転させてエンジン本体10を始動させる機能と、エンジン本体10が燃焼動作する場合に、エンジン本体10によって駆動されて発電する機能との双方を兼ね備えている。
回転電機20は、鞍乗型車両1が備えるバッテリ4(図1参照)により駆動されてクランクシャフト15に回転に対する力を付与する。より具体的には、回転電機20は、クランクシャフト15を正転方向に回転駆動することができ、かつ逆転方向に回転駆動することができる。さらに、回転電機20は、バッテリ4により駆動されて、クランクシャフト15の回転方向とは逆方向の力、すなわちブレーキ力を付与することもできる。
複数の被検出部38は、ロータ30の外面に、ロータ30の回転方向に沿って間隔を空けて配列されている。電磁ピックアップ50は、ロータ30の回転に伴って複数の被検出部38と順次対向する位置に検出領域を有している。すなわち、電磁ピックアップ50は、ロータ30の回転中に、複数の被検出部38が順次進入する検出領域に臨んで配置されている。
さらに具体的に説明すると、被検出部38は、30度の角度間隔でロータ30の外面に設けられている。図3の一点鎖線は、被検出部38が設けられた角度間隔を示している。隣り合う被検出部38どうしが測定角度θを成す角度間隔で配置されている。この実施形態では、測定角度θは30度である。
電磁ピックアップ50は、ロータ30が測定角度θ回転するごとに、複数の被検出部38のそれぞれを検出する。電磁ピックアップ50は、被検出部38のそれぞれを検出するごとに、検出信号を出力する。より正確には、被検出部38が検出領域を通って移動することにより、電磁誘導によってピックアップコイル51に起電力が生じ、それによって、検出信号が生成される。すなわち、電磁ピックアップ50は、検出領域を通る被検出部38の移動を検出して検出信号を出力する。
この実施形態では、各被検出部38は、1つの磁極部対37pに対応している。複数の被検出部38は、それぞれ対応する磁極部対37pに対して同一の相対位置関係を有する。
この実施形態では、ロータ30に、11個の被検出部38が設けられている。11個の被検出部38は、ロータ30に測定角度θの間隔で配置された12の位置のうちの、11ヶ所にそれぞれ設けられている。具体的には、番号「0」〜「4」,「6」〜「11」(または「12」〜「16」,「18」〜「23」)の11ヶ所に被検出部38が配置されている。番号「5」(または「17」)は、被検出部38が配置されていない欠落位置を表す。
複数の被検出部38は、クランクシャフト15の周方向に等間隔または実質的に等間隔に位置している。欠落位置(番号「5」または「17」)を挟んで周方向に隣り合う2つの位置(番号「4」および「6」の2つの位置、または「16」および「18」の2つの位置)に配置された2個の被検出部38の間の角度間隔2θは、測定角度θの2倍である。このように、複数の被検出部38によって形成される複数の間隔の一つが他の間隔と異なるので、クランクシャフト15の1回転の中の基準位置(基準クランク位置)を検出することが可能である。この基準位置、すなわち、番号「5」および「17」が付与された欠落位置に対応して電磁ピックアップ50が生成する検出信号が基準検出信号である。
図4は、エンジンユニットEUを含む鞍乗型車両1の電気的な概略構成を示すブロック図である。エンジンユニットEUには、制御装置60およびインバータ61が備えられている。制御装置60は、インバータ61を含む鞍乗型車両1の各部を制御する。
インバータ61には、回転電機20およびバッテリ4が接続されている。回転電機20がジェネレータとして機能するとき、回転電機20で発電された電力は、インバータ61を介し、電源ライン71を通ってバッテリ4に供給される。これにより、バッテリ4は、回転電機20で発電された電力によって充電される。また、回転電機20がスタータモータとして用いられるときには、バッテリ4は、電源ライン71からインバータ61を介して回転電機20に電力を供給する。電源ライン71には、メインリレー9が介装されている。したがって、バッテリ4は、メインリレー9を介して、インバータ61と接続されている。メインリレー9は、制御装置60によって開閉される。
インバータ61は、複数の(たとえば6個の)スイッチング素子611〜616を備えている。スイッチング素子611〜616は、三相ブリッジインバータを構成している。ステータ巻線Wは、スイッチング素子611〜616と接続されている。複数のスイッチング素子611〜616は、複数相のステータ巻線Wの各相と接続されている。より詳細には、複数のスイッチング素子611〜616のうち、直列に接続された2つのスイッチング素子がハーフブリッジを構成している。各相のハーフブリッジは、バッテリ4に対し並列に接続されている。各相のハーフブリッジを構成するスイッチング素子611〜616は、複数相のステータ巻線Wの各相とそれぞれ接続されている。スイッチング素子611〜616のそれぞれは、たとえばトランジスタであり、より詳細にはFET(電界効果型トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などである。
スイッチング素子611〜616は、複数相のステータ巻線Wとバッテリ4との間の電流の通過/遮断を制御する。
回転電機20がモータとして機能する場合、スイッチング素子611〜616のオン/オフによって複数相のステータ巻線Wのそれぞれに対する通電および通電停止が切り替えられる。
また、回転電機20がジェネレータとして機能する場合、スイッチング素子611〜616のオン/オフ動作によって、ステータ巻線Wのそれぞれとバッテリ4との間の電流の通過/遮断が切り替えられる。スイッチング素子611〜616のオン・オフが順次切り替えられることによって、回転電機20から出力される三相交流の整流および電圧の制御が行われる。このように、スイッチング素子611〜616は、回転電機20からバッテリ4および電装品類に出力される電流を制御する。
このような発電動作において、電源ライン71に接続されたコンデンサ67は、回転電機20が発電動作をするときに電源ライン71に導出される電圧を平滑化する。
制御装置60は、エンジン本体10に備えられた電装品である燃料噴射装置18および点火プラグ19に接続されており、これらを制御する。また、制御装置60は、燃料ポンプ80に接続されており、その動作を制御する。燃料ポンプ80は、図示しない燃料タンクから燃料噴射装置18へと燃料を供給する。
また、制御装置60には、電磁ピックアップ50が接続されており、当該電磁ピックアップ50が生成する検出信号が入力される。さらに、制御装置60には、スロットル位置センサ82およびエンジン温度センサ83が接続されており、これらの検出信号が入力される。スロットル位置センサ82は、スロットルバルブTVのバルブ位置、すなわちスロットル開度を検出する。スロットルバルブTVはアクセル操作子8によって操作されるので、スロットル位置センサ82は、アクセル操作子8の操作を検出することができる。エンジン温度センサ83は、エンジン本体10の温度をエンジン温度として検出する。エンジン温度センサ83は、エンジン本体10の近傍に配置される。エンジン本体10が水冷式エンジンであるときには、エンジン温度センサ83は、冷却水の温度をエンジン温度の代替指標として検出してもよい。
さらに、制御装置60には、エンジン本体10を始動するときに使用者が操作するスタータスイッチ70が接続されている。制御装置60は、スタータスイッチ70の操作を検出すると、回転電機20の駆動を含む始動制御を実行する。
バッテリ4の電力は、電源ライン72を介して、制御装置60に供給され、さらに、燃料ポンプ80、燃料噴射装置18、点火プラグ19などの電装品に供給される。電源ライン72には、メインスイッチ7が介装されている。メインスイッチ7は、鞍乗型車両1の使用開始に際して使用者が導通操作し、鞍乗型車両1の使用終了に際して使用者が遮断操作するスイッチである。
メインスイッチ7が導通されると、制御装置60、燃料ポンプ80、燃料噴射装置18、点火プラグ19などがバッテリ4に接続され、作動可能となる。また、メインスイッチ7が導通しているとき、さらにメインリレー9が導通していれば、回転電機20によって生成された電力が、電源ライン71,72を介して、制御装置60、燃料ポンプ80、燃料噴射装置18、点火プラグ19などに供給可能である。
制御装置60は、さらに、メインリレー9とインバータ61との間で電源ライン71に接続されている。したがって、制御装置60は、メインリレー9が遮断されているときでも、回転電機20が発生する電力を受けることができる。制御装置60は、電力が供給されていて作動可能なときに、メインリレー9の開閉を制御する。
制御装置60は、回転電機制御部62と、燃焼制御部63とを備えている。
制御装置60の燃焼制御部63は、エンジン本体10を制御する。回転電機制御部62は、回転電機20を制御する。具体的には、回転電機制御部62は、インバータ61を制御する。それにより、回転電機制御部62は、回転電機20の駆動動作および発電動作を制御する。
燃焼制御部63は、エンジン本体10の燃焼動作を制御する。燃焼制御部63は、エンジン本体10の燃焼動作を制御することによって、エンジン本体10の出力を制御する。より具体的には、燃焼制御部63は、点火プラグ19および燃料噴射装置18を制御する。
回転電機制御部62は、インバータ61に備えられた複数のスイッチング素子611〜616を制御することによって、電源ライン71を通ってバッテリ4と回転電機20との間を流れる電流を制御する。回転電機制御部62は、スイッチング素子611〜616のそれぞれのオン/オフ動作を制御することによって、回転電機20の動作を制御する。
制御装置60は、プロセッサ(CPU)64と、メモリ65(記憶装置)とを有するコンピュータで構成されている。メモリ65は、プログラムおよび演算に関するデータを記憶する。CPU64は、メモリ65に格納された制御プログラムおよびデータに基づいて演算処理を行う。回転電機制御部62および燃焼制御部63の機能は、CPU64が制御プログラムを実行することによって実現される。したがって、回転電機制御部62および燃焼制御部63のそれぞれによる動作は、具体的には、コンピュータの形態を有する制御装置60の動作である。
制御装置60は、インバータ61を制御することにより、発電制御を実行することができる。発電制御は、具体的には、スイッチング素子611〜616のオン/オフ制御である。発電制御は、この実施形態では、位相制御と、ベクトル制御とを含む。
位相制御とは、位相制御方式によるスイッチング素子611〜616のオン/オフ制御である。位相制御方式では、回転電機20のステータ巻線Wから出力される誘起電圧と同様の周波数の制御信号でスイッチング素子611〜611がオン/オフされる。そして、ステータ巻線Wから出力される誘起電圧波形の位相に対して、スイッチング素子611〜616のオン/オフ動作の相対位相が制御される。それにより、ステータ巻線Wを流れる電流がチョッピングされるので、回転電機20が発生する電圧を昇圧または降圧することができる。すなわち、ステータ巻線W、スイッチング素子611〜616およびそれらの寄生ダイオードによって昇圧チョッパ回路または降圧チョッパ回路を構成することができる。コンデンサ67は、スイッチング素子611〜611のオン/オフに伴うリップル電流を低減する。
ベクトル制御とは、ベクトル制御方式によるスイッチング素子611〜616のオン/オフ制御である。ベクトル制御方式では、回転電機20のステータ巻線Wから出力される誘起電圧の周波数よりも高い周波数の信号によってパルス幅変調された信号に応じてスイッチング素子611〜616がオン/オフ制御される。パルス幅変調は、ステータ巻線Wから正弦波の電流が出力されるように行われる。ベクトル制御方式では、ステータ巻線W、スイッチング素子611〜616およびそれらの寄生ダイオードを利用して昇圧チョッパ回路が構成され、それにより、ステータ巻線Wが発生する電圧が昇圧される。実際に出力される正弦波の電流には、スイッチング素子611〜616のオン/オフ動作に伴うリップル電流が含まれる。リップル電流は、コンデンサ67によって低減される。ベクトル制御方式では、位相制御方式よりも高周波数で電流がチョッピングされるので、位相制御方式よりも高い効率で昇圧効果を得ることができる。そのため、ベクトル制御方式は、位相制御方式よりも発電効率も高い。
図5は、エンジン本体10の始動制御および回転電機20の発電制御の例を説明するためのフローチャートである。鞍乗型車両1の使用を開始するとき、使用者は、メインスイッチ7をオンする。これにより、バッテリ4から制御装置60に電力が供給され、制御装置60は、処理を開始する。制御装置60は、メインリレー9を導通させ、バッテリ4とインバータ61とを接続する。
制御装置60は、始動要求の有無を判断する(ステップS1)。具体的には、スタータスイッチ70が操作されたときには、制御装置60は、始動要求有りと判断する。また、アイドル停止状態のときに再始動条件が成立したときにも、制御装置60は、始動要求有りと判断する。再始動条件は、たとえば、アクセル操作子8の操作であり、スロットル位置センサ82によって検出される。また、再始動条件は、スタータスイッチ70が操作されたことを含んでいてもよい。したがって、アイドル停止状態でスタータスイッチ70が操作されると、始動要求有りと判断される。
始動要求があると(ステップS1:YES)、制御装置60は、インバータ61のスイッチング素子611〜616を制御し、回転電機20を駆動する。それにより、クランクシャフト15を正転方向に回転するクランキングが行われる(ステップS2)。このクランキングのときのクランクシャフト15の回転速度(クランキング回転速度)は、たとえば、650rpm程度である。クランクシャフト15が回転し始めると、電磁ピックアップ50が検出信号を生成するので、制御装置60はその検出信号を波形整形してクランクパルスを得る。そのクランクパルスに基づいて、回転電機20のブラシレス駆動制御が行われる。
さらに、制御装置60は、噴射制御および点火制御を実行する(ステップS3)。噴射制御とは、クランクシャフト15が噴射位置のときに、燃料噴射装置18から燃料を噴射させる制御である。点火制御とは、クランクシャフト15が点火位置のときに、点火プラグ19に火花放電を起こさせる制御である。クランキングが開始されることにより、電磁ピックアップ50が検出信号を生成するので、これを波形整形してクランクパルスが得られる。制御装置60は、欠落位置を基準クランク位置として検出し、その基準クランク位置からクランクパルスを計数することによって、噴射位置および点火位置を検出する。噴射位置は、たとえば、図3に示す番号「8」の被検出部38が電磁ピックアップ50によって検出されるときのクランクシャフト15の回転位置である。点火位置は、たとえば、図3に示す番号「0」の被検出部38が電磁ピックアップ50によって検出されるときのクランクシャフト15の回転位置であり、圧縮上死点位置の近傍に設定される。
制御装置60は、クランクパルスの間隔に基づいてクランクシャフト15の回転速度、すなわち、エンジン回転速度を監視する。制御装置60は、エンジン回転速度が初爆回転速度に達すると(ステップS4:YES)、エンジン本体10において初爆が生じ、エンジン本体10が始動したと判断する。
制御装置60は、エンジン本体10の始動後も回転電機20の駆動を継続する始動アシスト制御を実行する(ステップS5)。制御装置60は、エンジン回転速度に基づいてエンジン本体10の燃焼が安定したかどうかを判断し、燃焼が安定するまで(ステップS6)、始動アシスト制御を継続する。
エンジン本体10の燃焼が安定すると(ステップS6:YES)、制御装置60は、エンジン回転速度が通常発電開始閾値を超えているかどうかを判断する(ステップS7)。通常発電開始閾値は、たとえば、クランキング回転速度(たとえば650rpm)よりも高い値に定められる。また、通常発電開始閾値は、たとえば、アイドル回転速度(たとえば1300rpm)よりも低い値に定められる。通常発電開始閾値は、たとえば1200rpm程度とされてもよい。
エンジン回転速度が通常発電開始閾値を超えると(ステップS7:YES)、制御装置60は、通常発電制御(ステップS8〜S10)を開始する。発電制御とは、インバータ61のスイッチング素子611〜616をオン/オフして、電源ライン71と回転電機20との間を流れる電流を制御し、それによって、効率的な発電を行うための制御である。発電制御を行わない場合には、スイッチング素子611〜616がいずれも遮断状態とされ、回転電機20が生成する交流電力は、スイッチング素子611〜616の寄生ダイオードによって整流されて、電源ライン71に導出される。
通常発電制御は、前述のベクトル制御(ステップS9)および位相制御(ステップS10)を含む。制御装置60は、エンジン回転速度が制御方式変更閾値を超えているかどうかを判断する(ステップS8)。制御方式変更閾値は、アイドル回転速度(たとえば1300rpm)と等しくてもよく、それよりも高くてもよい。エンジン回転速度が制御方式変更閾値以下であれば(ステップS8:NO)、制御装置60は、ベクトル制御を実行する(ステップS9)。エンジン回転速度が制御方式変更閾値を超えていれば(ステップS8:YES)、制御装置60は、位相制御を実行する(ステップS10)。
エンジン本体10の運転中、制御装置60は、停止要求の有無を判断する(ステップS11)。具体的には、メインスイッチ7がオフされると、制御装置60は、エンジン本体10を停止すべき停止要求があると判断する。また、アイドル停止制御を行う場合には、制御装置60は、アイドル停止条件が充足されると、エンジン本体10を停止すべき停止要求があると判断する。停止要求があると(ステップS11:YES)、制御装置60は、噴射制御および点火制御を終了し、エンジン本体10を停止させる(ステップS12)。停止要求がメインスイッチ7のオフに起因する場合には、制御装置60は、メインリレー9をオフして、処理を終える。停止要求がアイドル停止条件に充足に起因する場合には、制御装置60は、メインリレー9を導通状態に保持して、再始動条件の充足を待機する。停止要求がないときには(ステップS11:NO)、エンジン本体10の運転が継続され、通常発電制御(ステップS8〜S10)が継続される。
始動要求がないときには(ステップS1:NO)、制御装置60は、エンジン回転速度が始動発電開始閾値を超えたかどうかを判断する(ステップS21)。始動発電開始閾値は、0以上クランキング回転速度未満(またはクランキング回転速度以下)の値に定められており、たとえば600rpmであってもよい。回転電機20によるクランキング(ステップS2)が実行されていないにも拘わらずエンジン回転速度が始動発電開始閾値を超えるときには、回転電機20の回転力以外の外力がクランクシャフト15に加わっている。具体的には、キック始動装置90が操作された場合が該当する。
エンジン回転速度が始動発電開始閾値を超えると(ステップS21:YES)、制御装置60は、始動発電制御を実行する(ステップS22)。したがって、クランキング回転速度以下の始動発電領域において、始動発電制御が実行される。エンジン回転速度が低いので、始動発電制御はベクトル制御方式での制御、すなわち、ベクトル制御が好ましい。回転電機20の回転速度が低く、それに応じて発生電圧が低いからである。ベクトル制御を行うことにより、通常のバッテリ電圧以上の電圧を発生させることができる。始動発電制御は、位相制御方式での制御、すなわち、位相制御であってもよい。発電制御をしない場合に比較すれば発電効率がよく、かつ昇圧作用もあるからである。ただし、ベクトル制御の方が位相制御よりも昇圧作用が高く、かつ発電効率もよいので、ベクトル制御の方が好ましい。
一方、制御装置60は、噴射制御および点火制御を実行する(ステップS23)。さらに、制御装置60は、クランクパルスの間隔に基づいてエンジン回転速度を監視し、エンジン回転速度が初爆回転速度に達すると、初爆が生じてエンジン本体10が始動したと判断する(ステップS24:YES)。
回転電機20の回転力以外の外力によってエンジン本体10が始動されたときには、制御装置60は、始動アシスト制御(ステップS5参照)を行わない。制御装置60は、エンジン本体10が始動すると(ステップS24:YES)、エンジン回転速度に基づいて、エンジン本体10の燃焼が安定したかどうかを判断する(ステップS25)。
エンジン本体10の燃焼が安定すると(ステップS25:YES)、制御装置60は、エンジン回転速度が通常発電開始閾値を超えたかどうかを判断する(ステップS7)。そして、エンジン回転速度が通常発電開始閾値を超えると(ステップS7:YES)、通常発電制御に移行する。すなわち、制御方式変更閾値に基づいて(ステップS8)、ベクトル制御(ステップS9)または位相制御(ステップS10)が行われる。
バッテリ4が劣化していて充電容量が著しく低下しているときには、メインスイッチ7を導通しても制御装置60に動作電圧が供給されない。むろん、回転電機20を駆動することもできない。このような場合に、使用者は、メインスイッチ7を導通させた状態で、キック始動装置90を操作して、エンジン本体10を始動する。
キック始動装置90によってクランクシャフト15が回転されることにより、回転電機20が交流電圧(誘起電圧)を生成する。この交流電圧は、スイッチング素子611〜616の寄生ダイオードの働きによって全波整流されて直流電圧となり、電源ライン71に導出される。したがって、電源ライン71から制御装置60に動作電圧が供給される。
制御装置60は、動作開始すると、メインリレー9を導通させる。制御装置60はエンジン回転速度を監視し、エンジン回転速度が始動発電開始閾値を超えていれば(ステップS21:YES)、始動発電制御(ステップS22)を開始し、始動発電領域での発電制御を実行する。これにより、効率的な発電が行われ、生成された電力は、電源ライン71,72およびメインスイッチ7を介して、制御装置60、燃料噴射装置18、点火プラグ19および燃料ポンプ80などに供給される。
制御装置60は、電磁ピックアップ50から入力される検出信号を波形整形してクランクパルスを得る。そのクランクパルスに基づいて、制御装置60は、スイッチング素子611〜616を制御し、燃料ポンプ80を作動させ、燃料噴射装置18および点火プラグ19を制御する。このように、制御装置60は、エンジン本体10を始動させるための始動制御を行う(ステップS23参照)。
クランキング回転速度未満の低回転域から制御装置60が発電制御(好ましくはベクトル制御)を開始するので、キック始動装置90の操作からエンジン本体10の始動(初爆)が完了するまでの間、必要な電力が電装品類に供給される。もしも、発電制御を行わなければ、電源ライン71に導出される電圧が短時間で低下してしまい、それに伴って、制御装置60が自らをリセットしてしまう。それにより、エンジン本体10を始動できなくなる。この実施形態の構成によれば、このような課題を生じることなく、キック始動装置90によってエンジン本体10を容易に始動できる。
回転電機20の回転力以外の外力でエンジン本体10が始動された場合には、バッテリ4が劣化していたり、バッテリ4の残量が低下していたりすることが想定される。したがって、回転電機20の回転力以外の外力でエンジン本体10が始動されたときには、アイドル停止を禁止することが好ましい。
鞍乗型車両1においては、限られた搭載スペースのために、スタータモータおよびジェネレータとして兼用される回転電機20は、できるだけ小型に構成されることが要求される。この要求のために、回転電機20をスタータモータとして用いるときに必要な駆動トルクを確保しようとすると、回転電機20をジェネレータとして用いるときの発電性能が、とくに低回転領域において不足する。
キック始動装置90でクランクシャフト15を回転してエンジン本体10を始動しようとするとき、回転電機20ほど高速にクランクシャフト15を回転させることができないから、バッテリ4が劣化しているときには、エンジン本体10の始動が難しくなる。
そこで、この実施形態では、制御装置60は、クランクシャフト15の回転速度が、回転電機20によるクランキング回転速度以下またはそれ未満の始動発電開始閾値を超えたことに応答して、始動発電制御を開始する。それにより、クランクシャフト15の回転速度が小さくても、すなわち、クランキング回転速度以下またはそれ未満の始動発電域においても、効率的な発電が可能になる。
具体的には、インバータ61のスイッチング素子611〜616が制御されることにより、クランクシャフト15の回転速度が小さくても、電源ライン71,72に比較的高い電圧を導出し続けることができる。回転電機20が発生した電力は、電源ライン71,72を介して、制御装置60、燃料ポンプ80、エンジン本体10の燃料噴射装置18および点火プラグ19などに供給される。それにより、エンジン本体10を始動することができる。このようにして、回転電機20の回転力以外の外力をクランクシャフト15に付与するキック始動装置90によるエンジン始動を容易にすることができる。
また、この実施形態では、エンジン回転速度が通常発電開始閾値(たとえば1200rpm)を超えると、通常発電制御が実行される。そして、通常発電制御では、制御方式変更閾値までのエンジン回転速度の領域ではベクトル制御が行われ、制御方式変更閾値を超える領域では位相制御が行われる。低速領域では、発電効率の高いベクトル制御が有利である一方で、高速領域では、回転電機20が発生する電圧を昇圧する必要性は低くなり、むしろ降圧する必要がある場合もある。そのため、高速領域では位相制御方式の方が適切である。
回転電機20によってクランキングがされるときには、始動発電制御(ステップS22参照)は行われず、エンジン回転速度が通常発電開始閾値を超えると、通常発電制御が開始される。通常発電開始閾値は、クランキング回転速度以上に定められている。したがって、回転電機20がスタータモータとして用いられるときには、エンジン本体10の始動が完了してから発電制御が開始される。それにより、回転電機20の駆動制御が発電制御によって干渉されることを回避でき、スムーズな始動が可能になる。
また、この実施形態では、エンジン本体10が燃焼を開始した後も回転電機20の駆動を継続する始動アシスト制御(ステップS5参照)は、キック始動装置90によってエンジン本体10が始動されたときには実行されない。キック始動装置90を用いてエンジン本体10の始動が試みられる場合には、バッテリ4が劣化していると考えられる。そこで、始動アシスト制御を行わないことで、バッテリ4がさらに消耗することを回避できる。
また、この実施形態では、回転電機20のロータ30の回転情報、すなわちクランクシャフト15の位置情報が電磁ピックアップ50を用いて取得されるので、ホールICのような位置センサを用いる場合に比較して構成が安価である。このような安価な構成で発電制御を行うことができ、キック始動装置90でクランクシャフト15を回転させて行う始動を容易にすることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、エンジン回転速度が始動開始発電閾値を超えると始動発電制御が開始されるが、このような閾値に関する判断は必ずしも行う必要はない。たとえば、回転電機20の回転力以外の外力でクランクシャフト15が回転させられ、それに応じて制御装置60が処理を開始次第、始動発電制御を実行してもよい。
また、エンジン回転速度が始動開始発電閾値を超えたことに応答して開始した始動発電制御は、エンジン回転速度が始動発電閾値以下またはそれ未満となっても継続してもよい。
また、前述の実施形態では、キック始動装置90でクランクシャフト15を回転させる例を説明したが、これ以外にも回転電機の回転力以外の外力でクランクシャフトを回転させてエンジン本体の始動が試みられる場合もあり得る。たとえば、自動二輪車等の押しがけの際には、車輪からの外力によってクランクシャフトが回転させられる。
また、前述の実施形態では、制御装置60がエンジン回転速度を各閾値が超えるかどうかを判断しているけれども(ステップS7,S8,S21など)、エンジン回転速度が対応する閾値に達したかどうかを判断してもよい。いずれの判断であっても実質的な相違はない。
また、前述の実施形態では、ロータ30上の欠落位置が電磁ピックアップ50を通過するときに基準検出信号が生成される。しかし、基準検出信号を生成させるための被検出部の配置は、これに限られない。たとえば、ロータ30の周方向の長さが他の被検出部とは異なる一つの基準被検出部を設けてもよい。
また、ロータ30の回転情報を得るために、電磁ピックアップ50の代わりに、ホールIC等の回転角センサが用いられてもよい。
また、前述の実施形態では、単気筒4ストロークエンジンを例にとったけれども、複数気筒を有する4ストロークエンジンにこの発明が適用されてもよい。また、この発明は、4ストロークエンジン以外のエンジンを有する鞍乗型車両に適用されてもよい。
さらに、前述の実施形態では、前後2つの車輪3a,3bを有する鞍乗型車両を例にとったけれども、3つの車輪を有する鞍乗型車両など、他の形態の鞍乗型車両にもこの発明を適用できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 鞍乗型車両、2 車体、3a,3b 車輪、4 バッテリ、5 シート、7 メインスイッチ、8 アクセル操作子、10 エンジン本体、12 シリンダ、15 クランクシャフト、18 燃料噴射装置、19 点火プラグ、20 回転電機、30ロータ、40 ステータ、38被検出部、50 電磁ピックアップ、60 制御装置、61 インバータ、611〜616 スイッチング素子、62 回転電機制御部、63 燃焼制御部、70 スタータスイッチ、71,72 電源ライン、80 燃料ポンプ、90 キック始動装置、EU エンジンユニット、W ステータ巻線

Claims (10)

  1. 鞍乗型車両に搭載されるエンジンユニットであって、
    気筒とクランクシャフトと電装品とを有するエンジン本体と、
    前記クランクシャフトに対して動力伝達可能に結合され、前記クランクシャフトを回転するスタータモータ、および前記クランクシャフトの回転力によって発電するジェネレータとして兼用される回転電機と、
    前記鞍乗型車両に備えられるバッテリに接続され、かつ前記電装品に接続される電源ラインと、
    前記電源ラインと前記回転電機との間を流れる電流を制御する複数のスイッチング素子を備えたインバータと、
    前記エンジン本体および前記インバータを制御する制御装置と、を含み、
    前記制御装置が、
    前記回転電機に発電させるために前記インバータの前記複数のスイッチング素子を制御する発電制御を実行し、
    前記エンジン本体が停止状態の場合において、前記回転電機の回転力以外の外力によって前記クランクシャフトが回転されると、前記クランクシャフトの回転速度が、前記回転電機によって回転されるときのクランキング回転速度以下の始動発電領域において前記発電制御を実行する、鞍乗型車両用エンジンユニット。
  2. 前記発電制御が、前記インバータに備えられた前記複数のスイッチング素子をベクトル制御方式で制御し、前記回転電機が発生する電圧を昇圧して前記電源ラインに導出するベクトル制御を含む、請求項1に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  3. 前記発電制御が、前記インバータに備えられた複数のスイッチング素子を位相制御方式で制御する位相制御を含む、請求項1または2に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  4. 前記発電制御が、前記インバータに備えられた前記複数のスイッチング素子をベクトル制御方式で制御し、前記回転電機が発生する電圧を昇圧して前記電源ラインに導出するベクトル制御と、前記インバータに備えられた複数のスイッチング素子を位相制御方式で制御する位相制御と、を含み、
    前記制御装置は、前記クランシャフトの回転速度が、前記クランキング回転速度よりも大きい制御方式変更閾値に達するかまたは当該制御方式変更閾値を超えたことに応答して、前記ベクトル制御から前記位相制御に切り替える、請求項1に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  5. 前記制御装置が、
    前記回転電機の駆動によって前記エンジン本体が始動されたときに、前記エンジン本体が燃焼を開始した直後の期間において、前記エンジン本体の運転状態が所定の安定状態に至るまで、前記回転電機の駆動を継続して前記クランクシャフトの回転を補助する始動アシスト制御を実行し、
    前記回転電機の回転力以外の外力によって前記クランクシャフトが回転されて前記エンジン本体が始動されたときには、前記始動アシスト制御を行わない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  6. 前記制御装置が、
    前記エンジン本体が停止状態の場合において、前記回転電機の駆動によって前記エンジン本体が始動されると、前記クランクシャフトの回転速度が、前記回転電機によって回転されるときのクランキング回転速度以上に定められた通常発電開始閾値に達したかまたは当該通常発電開始閾値を超えたことに応答して前記発電制御を開始する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  7. 前記回転電機を駆動することなく前記クランクシャフトに対して回転力を加えるためのマニュアル始動装置をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  8. 前記電装品が、点火装置および燃料供給装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  9. 前記クランクシャフトの回転とともに回転するロータと、
    前記ロータの回転方向に間隔を空けて配列された複数の被検出部が通過する領域に検出領域を有し、前記被検出部の前記検出領域の通過に伴って検出信号を生成する電磁ピックアップと、をさらに含み、
    前記発電制御が、前記電磁ピックアップが生成する検出信号を用いて実行される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニット。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の鞍乗型車両用エンジンユニットと、
    前記クランクシャフトの回転が伝達される車輪と、
    鞍乗型のシートと、を含む、鞍乗型車両。
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