JP2019161081A - 電力変換装置及び電力変換装置の製造方法 - Google Patents

電力変換装置及び電力変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パワー半導体素子を用いた電力変換装置における放熱能力を向上させ、また、プレス加工用の金型が不要である電力変換装置の製造方法を提供する。【解決手段】電力変換装置100は、絶縁基板20、放熱部材40、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60を備える。絶縁基板20の一方主面には、パワー半導体素子10が取り付けられる。放熱部材40は、絶縁基板20の他方主面と対向している。樹脂スペーサ50は、絶縁性を有し、絶縁基板20の他方主面及び放熱部材40の間に位置する。樹脂部材60は、絶縁性を有し、絶縁基板20の他方主面及び放熱部材40の間の残余の部分を埋めている。【選択図】図1

Description

本発明は、パワー半導体素子を用いた電力変換装置及びその製造方法に関する。
ハイブリッドカーや電気自動車では、それらが有するモーターを駆動させるために、スイッチング電源、インバータ、コンバータ等の電力変換装置が必要となる。また、このような電力変換装置には、パワー半導体素子と呼ばれる素子が用いられている。ここで、パワー半導体素子は大電流を処理し、発熱して高温になる。従って、電力変換装置では、パワー半導体素子との絶縁を確保しつつ、パワー半導体素子からの熱を放熱する機構が必要になる。さらに、このような放熱機構における絶縁の確保には、安全性の観点から二重絶縁が求められている。その一例として、特許文献1に記載したような絶縁放熱基板を備える電力変換装置(以下で、従来の電力変換装置と称す)がある。この種の絶縁放熱基板は、パワー半導体素子からの熱を外部に放熱する金属板を備えている。さらに、パワー半導体素子と金属板との間に、絶縁性を有する2つの伝熱層を挟み込むことによって、いわゆる二重絶縁を確保している。
特開2009−4731号公報
従来の電力変換装置の絶縁放熱基板は、絶縁性を有する2つの伝熱層及び金属板をプレス加工することで製造されていた。このとき、金属板や伝熱層の表面のわずかな凹凸により、その境界に隙間ができる。この隙間に熱伝導率の小さい空気が入り込み、金属板と伝熱層、または2つの伝熱層の間で熱抵抗が生じる。これにより、パワー半導体素子から金属板への熱伝導が阻害され、結果として、パワー半導体素子の熱を放熱する能力が悪化するという問題があった。また、従来の電力変換装置の絶縁放熱基板は、プレス加工することで製造されていたため、プレス加工用の金型が必要になるという問題もあった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電力変換装置におけるパワー半導体素子の熱を放熱する能力を向上させること、また、プレス加工用の金型が不要である電力変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、パワー半導体素子と、一方主面にパワー半導体素子が取り付けられた絶縁基板と、絶縁基板の他方主面と対向する放熱部材と、絶縁基板の他方主面及び放熱部材の間に位置し、絶縁性を有する樹脂スペーサと、絶縁基板の他方主面及び放熱部材の間の残余の部分を埋め、絶縁性を有する樹脂部材と、を備える。
また、本発明に係る電力変換装置の製造方法は、放熱部材の上に樹脂スペーサを置く第1の載置工程と、パワー半導体素子が取り付けられた絶縁基板を樹脂スペーサの上に置く第2の載置工程と、放熱部材と絶縁基板との間に液状かつ絶縁性の樹脂部材を充填する充填工程と、を備える。
上記のように構成された電力変換装置では、パワー半導体素子の熱を放熱する能力が向上し、その製造方法では、プレス加工用の金型が不要になる。
実施の形態1に係る電力変換装置を示す図である。 実施の形態1に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を示す斜視図である。 実施の形態1に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を側面側から見た図である。 放熱部材の一例を示す図である。 実施の形態1に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す斜視図である。 電力変換装置の製造工程を示す図である。 電力変換装置の製造工程を示す図である。 電力変換装置の製造工程を示す図である。 電力変換装置の製造工程を示す図である。 実施の形態2に係る電力変換装置を示す図である。 実施の形態3に係る電力変換装置を示す図である。 実施の形態3に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を示す斜視図である。 他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。 他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。 他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。 他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。 他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。
以下で、一実施形態である電力変換装置について、添付した図面を参照しながら説明する。各実施の形態において同一の構成については、同一の符号を付す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置を示す図である。図1において、電力変換装置100は、パワー半導体素子10、絶縁基板20、放熱部材40、樹脂スペーサ50、樹脂部材60、及び回路基板150を備える。電力変換装置100は、ハイブリッドカーや電気自動車が有するモーターを駆動させるためのスイッチング電源、インバータ、コンバータ等である。電力変換装置100は、パワー半導体素子10、このパワー半導体素子10が一方主面S1(図1における上面)に取り付けられた絶縁基板20、絶縁基板20の他方主面S2(図1における下面)と対向する放熱部材40、絶縁基板20の他方主面S2と放熱部材40との間に位置し、絶縁性を有する樹脂スペーサ50、及び絶縁基板20の他方主面S2及び放熱部材40の間の残余の部分を埋め、絶縁性を有する樹脂部材60を備えている。さらに、電力変換装置100は、パワー半導体素子10と接続された回路基板150も備えている。
パワー半導体素子10は、コンバータ・インバータやレギュレーター等の電源・電力の制御や供給を行うための半導体素子である。
絶縁基板20には、その一方主面S1に複数のパワー半導体素子10が取り付けられる。また、絶縁基板20は、パワー半導体素子10からの熱を、後述する放熱部材40へ伝える経路の一部を構成している。
放熱部材40は、パワー半導体素子10からの熱を放熱部材40の周囲の空気に放出する役割を担っている。放熱部材40は、絶縁基板20の他方主面S2と対向するように配置されている。また、放熱部材40は、アルミニウムや銅などを材料とし、平板状を成している。
樹脂スペーサ50は、絶縁基板20と放熱部材40との間に位置し、放熱部材40側から絶縁基板20を支持している。具体的には、樹脂スペーサ50は、絶縁性及び耐熱性を有する材料、例えば、PPS、PTFEのようないわゆるエンジニアリングプラスチックを材料としており、直方体状の形状である。
樹脂部材60は、エポキシ樹脂やシリコン樹脂等の絶縁性を有する材料からなる。樹脂部材60は、絶縁基板20と放熱部材40との間における残余の部分を埋めている。従って、絶縁基板20と放熱部材40との間は、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60で満たされている。さらに、樹脂部材60は、絶縁基板20の一方主面S1も覆っており、絶縁基板20に複数取り付けられたパワー半導体素子10の間にも存在している。
回路基板150は、ガラスエポキシ、ガラスコンポジット、紙フェノールなどを材料とする、いわゆるプリント基板である。また、回路基板150は、スイッチング電源、インバータ、コンバータなどの電力変換回路を構成する回路パターンを有している。そして、図1に示すように、この回路基板150にパワー半導体素子10が接続される。具体的には、パワー半導体素子10から伸びるリード端子を、回路基板150に設けられたプリント回路上のスルーホールに挿入する。そして、スルーホールを通過したリード端子の先端を半田付けすることにより、回路基板150にパワー半導体素子10が接続される。
図2は、実施の形態1に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を示す斜視図である。また、図3は、実施の形態1に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を側面側から見た図である。図2及び図3を用いて、パワー半導体素子10及び絶縁基板20について、より具体的に説明する。
パワー半導体素子10は、上述のとおり、絶縁基板20の一方主面S1上に位置している。また、パワー半導体素子10におけるリード線が伸びる方向と反対側の面には、放熱用の金属板12が設けられている。
絶縁基板20は、金属基板22、絶縁層24、及び伝熱用金属パターン26を有する。金属基板22は、アルミニウムや銅などの金属材料からなる平板であり、金属層を構成する。また、金属基板22は、絶縁基板20の他方主面S2側に位置し、樹脂部材60と接している。絶縁層24は、金属基板22の上面に形成された層である。また、絶縁層24の材料は、ガラスエポキシ等の絶縁性を有する材料である。伝熱用金属パターン26は、絶縁層24の上面に形成された銅などの金属からなる層であり、図2に示すように、絶縁基板20の上面側から見たときに長方形状を成している。また、伝熱用金属パターン26には、パワー半導体素子10が半田28により接着される。従って、伝熱用金属パターン26は、絶縁基板20に取り付けられるパワー半導体素子10の数だけ、絶縁層24の上面に形成されている。なお、図面の見やすさのため、図2及び図3の一部のみに半田28を記載した。
図4は、放熱部材の一例を示す図である。放熱部材40の形状は、実施の形態1において平板状であると述べた。ただし、図4に示すように、放熱部材40の形状は平板に限らず、例えば、平板上に複数のフィンが並んだ形状であってもよい。
図5は、実施の形態1に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す斜視図である。図5に示すように、樹脂スペーサ50は、直方体状の形状であるとともに、水平方向に間隔を開けて規則正しく並んでいる。
以上のように構成された電力変換装置100では、絶縁基板20の有する絶縁層24が第1の絶縁層として機能し、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60が第2の絶縁層として機能することで、二重絶縁を確保している。
また、電力変換装置100では、パワー半導体素子10が発熱すると、その熱は、絶縁基板20の伝熱用金属パターン26に伝わる。そして、伝熱用金属パターン26に伝わった熱は、絶縁層24、金属基板22という順番で伝播する。その後、熱は、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60を介して放熱部材40に伝わり、最終的に、放熱部材40の周囲の空気に放出される。なお、金属基板22は、絶縁層24からの熱を、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60など金属基板22の周囲の部材に広く伝えるヒートスプレッダーの役割を果たしている。つまり、金属基板22は、熱拡散用の層ともいえる。
図6から図9は、電力変換装置の製造工程を示す図である。本実施の形態に係る電力変換装置100の製造方法について、図6から図9を用いて説明する。
電力変換装置100の製造では、図6に示すように、あらかじめ、箱状の冶具200内に放熱部材40を置き、放熱部材40を固定しておく。なお、箱状の冶具200は、図6に示すように、真空チャンバー300内にある。
次に、第1の載置工程として、図7に示すように、冶具200によって固定された放熱部材40の上面に樹脂スペーサ50を置く。このとき、樹脂スペーサ50を接着剤等で仮止めしてもよい。仮止めする場合、樹脂スペーサ50の接着剤は、樹脂スペーサ50と同種の材料であることが好ましい。これは、同種の材料であれば熱膨張係数が近くなるため、経年劣化による樹脂スペーサ50の放熱部材40からの剥離を抑制できるためである。
樹脂スペーサ50を置いた後に、図8に示すように、絶縁基板20の位置を決めるための位置決め部材250を放熱部材40の上面に置く。そして、第2の載置工程として、樹脂スペーサ50の上に絶縁基板20を置く。このとき、絶縁基板20には、あらかじめパワー半導体素子10が半田付けされている。また、回路基板150とパワー半導体素子10との半田付けもなされた状態である。つまり、パワー半導体素子10、絶縁基板20及び回路基板150は、それらが組み立てられた状態で樹脂スペーサ50の上に置かれる。
その後、位置決め部材250を取り除いて、図9に示すように、パワー半導体素子10等が置かれた箱状の冶具200の内部に、液状の樹脂部材60を充填する(充填工程)。このとき、液状の樹脂部材60は、絶縁基板20と放熱部材40との間だけでなく、絶縁基板20の上面も覆うように充填する。なお、樹脂部材60は2液を混合して硬化するものでもよいし、熱で硬化するものでもよい。ただし、熱で硬化する樹脂部材60の場合は、パワー半導体素子10の耐熱性を考慮して、100℃以下で硬化するものが好ましい。
その後、真空引きをして、樹脂部材60に残留した空気を抜く。そして、液状の樹脂部材60が硬化して固体の樹脂部材60となった後に、冶具200を取り除くことによって、電力変換装置100が完成する。なお、本実施の形態では、樹脂スペーサ50を放熱部材40の上に置く前から、箱状の冶具200が真空チャンバー300内にある。しかし、電力変換装置100の製造方法はこれに限られず、樹脂部材60の充填後に、箱状の冶具200を真空チャンバー内300に移してもよい。
ところで、絶縁基板20は、3層が積層された構造をしているが、電力変換装置100の製造工程において、これらを積層しプレス加工することはない。具体的には、絶縁基板20は、金属基板20、絶縁層24及び伝熱用金属パターン26となる金属のプレーン層が積層された状態で市販されていることが一般的である。ここで、電力変換装置100の製造に際して、絶縁基板20に必要な処理は、伝熱用金属パターン26の形成である。伝熱用金属パターン26の形成は、絶縁基板20のプレーン層に、伝熱用金属パターン26に対応するマスキングを施す。そして、プレーン層をエッチングし、その後にマスキングを除去することで、伝熱用金属パターン26が、絶縁基板20に形成される。このように、電力変換装置100の製造工程において、絶縁基板20には、エッチングによる伝熱用金属パターン26の形成のみを行うだけであり、絶縁基板20を構成する層を積層しプレス加工することはない。
電力変換装置100では、従来の電力変換装置と比較して、パワー半導体素子からの熱を放熱する能力が高い。具体的には、従来の電力変換装置は、固体である金属板及び絶縁性を有する2つの伝熱層をプレス加工することによって作製されていた。このとき、金属板や伝熱層の表面のわずかな凹凸により、その境界に隙間ができる。この隙間に熱伝導率の小さい空気が入り込み、金属板と伝熱層、または2つの伝熱層の間で熱抵抗が生じる。これにより、パワー半導体素子から金属板への熱伝導が阻害され、結果として、パワー半導体素子の熱を放熱する能力が悪化する。一方、本実施形態の電力変換装置100では、絶縁基板20と放熱部材40との間に、樹脂部材60が存在する。樹脂部材60は、電力変換装置100の製造過程において液体であったため、絶縁基板20や放熱部材40の表面における細かな凹凸に入り込む。従って、絶縁基板20及び樹脂部材60の境界や、樹脂部材60及び放熱部材40の境界に隙間が発生しづらい。結果として、絶縁基板20及び樹脂部材60の境界における隙間や、樹脂部材60及び放熱部材40の境界の隙間への空気の流入を抑制できる。これにより、電力変換装置100では、従来の電力変換装置のような固体表面の凹凸に基づく熱抵抗の発生が抑制され、パワー半導体素子10からの熱をスムーズに放熱部材40に伝えることができる。従って、電力変換装置100では、従来の電力変換装置と比較して、パワー半導体素子の熱を放熱する能力が高くなる。
また、電力変換装置100では、プレス加工用の金型が不要になる。具体的には、従来の電力変換装置では、パワー半導体素子からの熱を放熱する金属板及び絶縁性を有する2つの伝熱層をプレス加工することにより作製されていた。従って、プレス加工用の金型が必要であった。一方、電力変換装置100の作製では、上述の通り、放熱部材40の上に樹脂スペーサ50を置き、その上に絶縁基板20を置く。そして、液状の樹脂部材60を充填することで、絶縁基板20と放熱部材40との間に樹脂部材60が形成され、電力変換装置100が完成する。つまり、電力変換装置100の作製では、プレス加工を用いていない。従って、電力変換装置100では、金型が不要になる。
さらに、電力変換装置100の製造は、真空チャンバー300内で行われる。そして、電力変換装置100の製造では、液状の樹脂部材60の充填後に、真空引きをして、樹脂部材60に残留した空気を抜く。従って、この製造方法によれば、硬化後の樹脂部材60には、空気が残留しづらいため、空気の残留による熱抵抗の増加を抑制できる。従って、電力変換装置100の製造方法によれば、その製造過程で真空引きをしない場合と比較して、パワー半導体素子10の熱を放熱する能力を高くすることができる。
これに加え、樹脂部材60における空気の残留の抑制は、電力変換装置100における絶縁性の向上にも寄与する。例えば、樹脂部材60に空気が残留していた場合を想定する。この場合、電力変換装置100が高電圧で作動すると、樹脂部材60に残留した空気に電界が集中し、コロナ放電を招くおそれがある。しかし、電力変換装置100では、上述のように、樹脂部材60における空気の残留を抑制している。従って、電力変換装置100では、コロナ放電が起こりにくく絶縁性が良好である。
ところで、電力変換装置100では、樹脂部材60が、絶縁基板20と放熱部材40との間だけでなく、絶縁基板20の一方主面S1も覆っており、絶縁基板20に複数取り付けられたパワー半導体素子10の間にも存在している。ここで、樹脂部材60が絶縁基板20の一方主面S1を覆っていることにより、一方主面S1が覆われていない場合と比較して、絶縁基板20の強度を向上させることができる。また、樹脂部材60は、エポキシ樹脂やシリコン樹脂等の空気よりも高い絶縁性を有する材料からなる。従って、パワー半導体素子10の間に樹脂部材60が存在する電力変換装置100では、パワー半導体素子10の間に空気がある場合と比較して、パワー半導体素子10の間の絶縁性が高くなる。また、パワー半導体素子10の間の絶縁性が高くなることで、パワー半導体素子10同士の距離を縮めることができる。これは、電力変換装置の小型化に寄与する。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る電力変換装置100Aを示す図である。実施の形態2である電力変換装置100Aと実施の形態1である電力変換装置100との主たる相違点は、絶縁基板の絶縁層としてセラミック基板32が用いられている点、及び放熱部材から絶縁基板に向かって伸びる突起70を有する点である。以下で、より具体的に説明する。
電力変換装置100Aの絶縁基板20Aは、いわゆるダイレクトボンデッドカッパー基板であり、セラミック基板32、熱拡散用層34、及び伝熱用金属パターン26を備えている。なお、絶縁基板20Aについても、熱拡散用層34となる金属のプレーン層、セラミック基板32及び伝熱用金属パターン26となる金属のプレーン層が積層された状態で市販されている。電力変換装置100Aの製造工程において、絶縁基板20A対して行われる処理は、実施の形態1と同様に、エッチングによる金属層の処理を行うだけであり、絶縁基板20Aを構成する層を積層しプレス加工することはない。
セラミック基板32は、セラミック化合物を基材とし、絶縁性を有する。従って、セラミック基板32は、絶縁基板20Aにおける絶縁層としても機能する。
熱拡散用層34は、セラミック基板32の下面側に設けられた金属の層である。熱拡散用層34の材料は、アルミニウムや銅などである。そして、熱拡散用層34は、セラミック基板32を介して伝わったパワー半導体素子10からの熱を周囲に広く伝えるヒートスプレッダーとして機能する。なお、熱拡散用層34の面積はセラミック基板32の面積よりも小さく、熱拡散用層34の外縁は、セラミック基板32の外縁に達していない。
伝熱用金属パターン26は、セラミック基板32の上面に設けられている点が、実施の形態1と異なる。それ以外の点は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、電力変換装置100Aの放熱部材40Aには、放熱部材40Aから絶縁基板20Aに向かって伸びる突起70が設けられている。突起70は、放熱部材40Aと一体である。そして、突起70の側面は、絶縁基板20Aの側面、具体的には、絶縁基板20Aにおいて絶縁層として機能するセラミック基板32の側面と接触している。
以上のように構成された電力変換装置100Aは、実施の形態1である電力変換装置100よりも耐熱性が良好である。具体的には、実施の形態1である電力変換装置100の絶縁層24は、エポキシ樹脂等で形成されており、その耐熱温度は110℃〜250℃である。一方、実施の形態2において絶縁層として機能するセラミック基板32は、その基材がセラミック化合物であるため、耐熱温度は800℃程度となる。従って、電力変換装置100Aは、実施の形態1である電力変換装置100よりも耐熱性が良好である。また、絶縁基板20Aは、セラミック基板32を用いたことで、金属基板とエポキシ樹脂の絶縁層からなる絶縁基板20よりも、一般的に、熱膨張、耐熱衝撃性、熱伝導率、高温強度など優れた特性を示す。
また、電力変換装置100Aでは、放熱部材40Aから絶縁基板20Aに向かって伸びる突起70が設けられ、この側面が、セラミック基板32の側面と接触している。突起70は、電力変換装置100Aの製造工程において、絶縁基板20Aを樹脂スペーサ50の上に置く際に、絶縁基板20Aの位置決め部材として使用できる。従って、電力変換装置100Aでは、その製造工程において、絶縁基板20Aの位置決め部材、例えば、実施の形態1における位置決め部材250を別途準備する必要がなく、製造工程を簡素化できる。なお、突起70が接しているのはセラミック基板32であるため、突起70を介してパワー半導体素子10から電気が流れることはない。
電力変換装置100Aにおける他の構成は、電力変換装置100と同様である。従って、絶縁基板20A及び突起70に関する説明以外の説明は、電力変換装置100での説明のとおりである。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係る電力変換装置を示す図である。実施の形態3である電力変換装置100Bと実施の形態1である電力変換装置100との主たる相違点は、絶縁基板の周囲に壁80が設けられている点、及び絶縁基板に貫通孔90が設けられている点である。
壁80は、絶縁基板20の側面側の周囲を取り囲むように設けられている。壁80は、放熱部材40と一体である。これにより、電力変換装置100Bでは、その製造工程において、充填された液状の樹脂部材60を堰き止めるための部材として、壁80を使用できる。従って、電力変換装置100Bでは、その製造工程において、液状の樹脂部材60を堰き止めるための部材、例えば、実施の形態1における冶具200のような部材を別途準備する必要がなく、製造工程を簡素化できる。なお、壁80は、放熱部材40と別体でもよい。
電力変換装置100Bの絶縁基板20Bには、絶縁基板20Bの一方主面S1及び他方主面S2をつなぐ貫通孔90が設けられている。これにより、電力変換装置100Bでは、液状の樹脂部材60を充填する際に絶縁基板20Bと放熱部材40との間に入り込む空気が外部へ抜けやすくなる。従って、電力変換装置100Bでは、電力変換装置100と比較して、絶縁基板20と放熱部材40との間の空気の残留をさらに抑制でき、絶縁性や放熱性が良好である。なお、貫通孔90から空気が抜ける過程で、貫通孔90には樹脂部材60が進入することになる。
図12は、実施の形態3に係るパワー半導体素子及び絶縁基板を示す斜視図である。貫通孔90は、絶縁基板20B上において、複数取り付けられたパワー半導体素子10の間に位置している。また、貫通孔90の形状は、長穴及び丸穴である。ただし、貫通孔90の形状は、これに限られず四角穴など他の形状であっても構わない。
電力変換装置100Bにおける他の構成は、電力変換装置100と同様である。従って、壁80及び貫通孔90に関する説明以外の説明は、電力変換装置100での説明のとおりである。
他の実施形態.
図13から図17は、他の実施の形態に係るパワー半導体素子、絶縁基板及び樹脂スペーサを示す図である。本発明に係る電力変換装置は、前記実施形態に係る電力変換装置に限らずその要旨の範囲内において変更可能である。例えば、図13に示すように、立方体上の樹脂スペーサ50Aであってもよいし、図14に示すように、円柱状の樹脂スペーサ50Bであってもよい。
また、図15に示す樹脂スペーサ50Cのように、直方体の中心を円柱状にくり抜いた形状としてもよい。この場合、樹脂スペーサ50の円柱状にくり抜かれた部分に樹脂部材60が充填されることになる。また、図15において、2つの貫通穴90のうち、一方は樹脂部材60の充填用であり、他方は空気抜き用ある。このとき、絶縁基板20と放熱部材40との間において、樹脂スペーサ50Cの占める体積の割合を樹脂部材60よりも大きくしてもよい。
また、図16に示す樹脂スペーサ50Dのように、直方体の中心を角柱状にくり抜いた形状としてもよい。図16に示される2つの貫通穴90も、一方は樹脂部材60の充填用であり、他方は空気抜き用ある。
これに加え、図17に示す樹脂スペーサ50Eのように、絶縁基板20と放熱部材40との間において樹脂スペーサの占める体積の割合を樹脂部材60よりも小さくした上で、樹脂スペーサ50Eによって囲まれる樹脂部材60の形状を角柱状にしてもよい。
また、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60によって構成される第2の絶縁層の厚みは、電力変換装置の用途に応じて変えてもよい。例えば、自動車用の電力変換装置が扱う電圧は、DC12V〜DC1500V、AC1000V程度である。この場合、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60によって構成される第2の絶縁層の厚みは、1mm以下でも構わない。なお、樹脂スペーサ50及び樹脂部材60によって構成される第2の絶縁層の厚みを薄くすることで、絶縁基板20と放熱部材40との間における熱抵抗が減少するため、パワー半導体素子10の熱を放熱する能力を高めることができる。
以上のように、本発明は、電力変換装置に有用であり、特に、プレス加工用の金型が不要である点において優れている。
10 パワー半導体素子、 20,20A,20B 絶縁基板、22 金属基板(金属層)、24 絶縁層、32 セラミック基板(絶縁層)、34 熱拡散用層(金属層)、40,40A 放熱部材、50,50A,50B,50C,50D 樹脂スペーサ、60 樹脂部材、70 突起、80 壁、90 貫通孔、100,100A,100B 電力変換装置、300 真空チャンバー、S1 一方主面、S2 他方主面

Claims (9)

  1. パワー半導体素子と、
    一方主面に前記パワー半導体素子が取り付けられた絶縁基板と、
    前記絶縁基板の他方主面と対向する放熱部材と、
    前記他方主面及び前記放熱部材の間に位置し、絶縁性を有する樹脂スペーサと、
    前記他方主面及び前記放熱部材の間の残余の部分を埋め、絶縁性を有する樹脂部材と、
    を備える、電力変換装置。
  2. 前記絶縁基板に取り付けられた前記パワー半導体素子の数は、複数であり、
    前記樹脂部材は、前記絶縁基板に取り付けられた複数の前記パワー半導体素子の間にも存在する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記絶縁基板における絶縁層の材料はセラミックである、請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記放熱部材には、前記絶縁基板に向かって伸び、前記絶縁層の側面と接触する突起が設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記絶縁基板は、前記樹脂部材と接する金属層を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記絶縁基板には、前記一方主面及び前記他方主面をつなぎ、前記樹脂部材が進入する貫通孔が設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記絶縁基板の側面を取り囲むように設けられた壁を更に備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 放熱部材の上に絶縁性の樹脂スペーサを置く第1の載置工程と、
    パワー半導体素子が取り付けられた絶縁基板を前記樹脂スペーサの上に置く第2の載置工程と、
    前記放熱部材と前記絶縁基板との間に液状かつ絶縁性の樹脂部材を充填する充填工程と、
    を備える、電力変換装置の製造方法。
  9. 前記放熱部材及び前記絶縁基板は真空チャンバー内に置かれ、
    前記充填工程後に真空引きを行う工程を更に備える、請求項8に記載の電力変換装置の製造方法。
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